以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る一実施形態を図1〜図47に基づいて説明する。なお、以下の説明において、遊技者がパチンコ遊技機10と対向する方向を「前後方向」といい、パチンコ遊技機10のうち遊技者と対向する面を「前面」、その反対側の面を「後面」ということとする。また、パチンコ遊技機10を構成する各部位又は各部品の説明において「右側」とは、パチンコ遊技機10の前面側からその各部位又は各部品を見た場合の右側をいい、その反対側を「左側」ということとする。
図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10の前面には、遊技板11の遊技領域R1(図2参照)を視認するための遊技窓70が設けられ、その遊技窓70にはガラス板70Gが張られている。また、遊技窓70より上側には上部演出部71が備えられ、遊技窓70より下側には上皿付き張出部72と下皿付き張出部73とが上下に並べて備えられ、さらに、遊技窓70の側方には、左サイド電飾部74と右サイド電飾部75とが備えられている。
上部演出部71の上面における横方向の中央には、前後方向に延びたヒンジ部71Hが備えられ、そのヒンジ部71Hの左右両側に1対のキャラクタ構成体71A,71Aが備えられている。これら1対のキャラクタ構成体71A,71Aは、遊技のキャラクタを縦割り分割したものであって、通常は、キャラクタ構成体71A,71Aの平坦な分割面が上に向いた状態になっている。そして、所定の条件が成立すると、ヒンジ部71Hを中心に両キャラクタ構成体71A,71Aが左右対称に回動して分割面同士が合わさり、上部演出部71上にキャラクタが出現した状態(図示せず)になる。
上皿付き張出部72には、上皿72Aと、遊技者が遊技の演出内容を選択等するための第1と第2の演出ボタン72B,72Cと、上皿72Aの遊技球を下皿付き張出部73に備えた下皿17Aに移動するための球抜きボタン72D等が備えられている。なお、下皿付き張出部73の下面には、下皿73A内の遊技球を下方に排出して図示しない箱に移すための球抜き操作部73Bが備えられている。
下皿付き張出部73の右側方には操作ノブ77が設けられ、その操作ノブ77を操作することで上皿付き張出部72の上皿72A内の遊技球が遊技板11(図2参照)の前面の遊技領域R1に打ち込まれる。そして、遊技領域R1に備えた図示しない所定の入賞口に遊技球が入賞すると所定複数の賞球が上皿72Aに払い出されると共に、当否判定が行われて、その当否に応じて遊技者に付与される利益が変わると共に、遊技領域R1(図2参照)に備えた液晶画面13Gの表示演出内容も変化する。
左右のサイド電飾部74,75は、電飾基板を装飾カバーで覆った構造をなしている。また、右サイド電飾部75の下端部は前方に突出していて、その突出部分に上方に開放した開口75Kが形成され、そこに剣の形状を模した押下操作部76(本発明の「操作部」に相当する)の下端部が受容されている。そして、遊技の進行状況に応じて押下操作部76を押し下げ操作することで、表示演出内容を変更することができるようになっている。
図2に示すように、遊技板11の遊技領域R1は、遊技板11の前面に備えたガイドレール12によって囲まれていて、遊技枠の前面右下角部に備えた操作ノブの操作により、ガイドレール12の左上部の入場口12Jから遊技領域R1内に遊技球が、順次、打ち込まれる。
遊技領域R1には、例えば、その下側略1/5より上側の領域で半分以上の開口面積を占める貫通孔(図示せず)が形成され、その貫通孔に前方から表示装飾枠23が嵌め込まれている。また、遊技板11の後面側における貫通孔の開口縁には、液晶モジュール13M(詳細には、TFT−LCDモジュール)が取り付けられ、その液晶モジュール13Mの液晶画面13Gが表示装飾枠23を通して前方に臨んでいる。そして、表示装飾枠23の内側の表示窓23Wとその奥側の液晶画面13Gとから表示演出部13が構成されている。
遊技板11は、透光部材の一部に装飾用の図柄を付した構造になっている。また、液晶モジュール13Mの液晶画面13Gは、表示装飾枠23の表示窓23Wより大きな図2の破線で示した四角形Sになっていて、液晶画面13Gの一部を遊技板11を通して透視することができる。特に、遊技領域R1のうち右側の側部領域における下端部で液晶画面13Gの右下角部近傍を遊技板11を通して透視することができる。
表示装飾枠23のうち上辺部分及び両側辺部分には、遊技板11より前方に突出した進入規制壁23Dが備えられて、表示窓23Wの上辺と両側辺から表示窓23W内に遊技球が進入することを規制している。
表示装飾枠23の下辺部内面は、下方に膨らむように湾曲したステージ23Sになっている。また、進入規制壁23Dの左側下部には、遊技領域R1を流下する遊技球をステージ23Sに導入する導入路23Gが設けられている。そして、導入路23Gを通過した遊技球がステージ23S上を転動し、ステージ23Sの中央部に備えた複数の排出部23Tの何れかから前方に落下するようになっている。
進入規制壁23Dの上面は、左側端部を除く全体が上方に膨らむように湾曲していて、その進入規制壁23Dとガイドレール12との間に遊技球が1つずつ通過可能な上部通路23Uになっている。
図3及び図4には、遊技領域R1の右側部分が拡大して示されると共に、遊技板11の前面から突出した部分(遊技球が前方を通過できない程度の突出部分。釘は除く)に実線のハッチングが付されている。図3に示すように、進入規制壁23Dの右側上部は、ガイドレール12のうち上端寄り位置から上下方向の中間部に亘る範囲に宛がわれている。そして、その進入規制壁23Dの右側上部に上部通路23Uに繋がった蛇行通路23Eが形成されている。
図2に示すように、遊技領域R1のうち表示装飾枠23の左側の側部領域には、第1始動ゲート18Aと風車17とが設けられている。第1始動ゲート18Aは、遊技球が通過可能な門形構造をなし、進入規制壁23Dの外面のうち左側上端寄り位置に配置されて進入規制壁23Dと一体的に構成されている。また、風車17は、表示装飾枠23の左側の側部領域の下端部に配置され、遊技球の当接により任意の方向に回転する。
表示装飾枠23の横方向の中央下方には、第1始動入賞口14Aと第2始動入賞口14Bとが上下並べて設けられている。第1始動入賞口14Aは、遊技板11の前面から突出し、上方に向かって常時開放したポケット構造をなしている。第2始動入賞口14Bは、第1始動入賞口14Aの真下に配置され、遊技板11の前面に開口している。また、第2始動入賞口14Bには、その下側開口縁を中心に前後に回動する可動扉14Cが設けられ、通常は、可動扉14Cが起立して第2始動入賞口14Bへの遊技球の入球(入賞)が規制されている。そして、後述する所定の条件が成立すると可動扉14Cが前に倒れ、その可動扉14Cを案内にして遊技球が第2始動入賞口14Bに入賞可能になる。また、第2始動入賞口14Bの両横と真下とには、アウト口16が開口していて、第1及び第2の始動入賞口14A,14Bを含む何れの入賞口にも入賞できなかった遊技球がアウト口16に取り込まれる。なお、第2始動入賞口14Bの真下のアウト口16に合わせて、ガイドレール12には、下方に膨らんだアウト口導入部12Hが設けられている。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の左下領域には、左側の側部領域の下端部から第1始動入賞口14Aに向かって下るように傾斜する線上に複数の釘90が並べられて第1ガイド釘列91が形成され、その第1ガイド釘列91の下方には、第1ガイド釘列91と平行に複数の釘90が並べられて第2ガイド釘列92が形成されている。そして、第1ガイド釘列91により遊技球が第1始動入賞口14Aに案内され、第2ガイド釘列92により遊技球が第2始動入賞口14Bに案内される。また、第1及び第2のガイド釘列91,92には、途中部分に遊技球が通過可能な断絶部が設けられている。さらに、第2ガイド釘列92の下方には、一般入賞口20Aが設けられ、その一般入賞口20Aは、遊技板11の前面から突出し、上方に常時開放したポケット構造をなしている。
図3に示すように、遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右下領域には、遊技領域R1の右側の側部領域を流下してきた遊技球を第2始動入賞口14Bに案内するための右下端ガイド部95が設けられている。右下端ガイド部95は、樹脂製のガイド板93と、複数の釘90から構成されたガイド釘列94とからなる。ガイド板93は、ガイドレール12の右下部から遊技領域R1の左右方向の中央寄り位置まで緩やかに傾斜して真っ直ぐ延びている。なお、ガイド釘列94は、ガイド板93の下端部から第2始動入賞口14Bの側縁部までガイド板93より急な角度で傾斜して延びている。また、ガイド釘列94の途中には、遊技球が通過可能な断絶部94Dが形成され、その断絶部94Dを通過した遊技球はアウト口16に向かうようになっている。
遊技領域R1における表示装飾枠23の右下領域には、ガイド板93の上方に第1大入賞口(第1特別入賞口)15が設けられると共に、その第1大入賞口15の上方に第2始動ゲート18B、さらに、その第2始動ゲート18Bの右側方に一般入賞口20Bが設けられている。
第1大入賞口15は、横長形状をなして遊技板11の前面に開口している。また、第1大入賞口15には、その下側開口縁を中心に前後に回動する可動扉15Tが設けられ、通常は、可動扉15Tが起立して第1大入賞口15への遊技球の入球(入賞)が規制されている。そして、後述する所定の条件が成立すると可動扉15Tが前に倒れ、その可動扉15Tを案内にして遊技球が第1大入賞口15に入賞可能になる。
第2始動ゲート18Bは、前記した第1始動ゲート18Aと同様に、遊技球が通過可能な門形構造をなし、第1大入賞口15の左右方向の中央の上方に配置されている。一般入賞口20Bは、前述の一般入賞口20Aと同様に、上方に向かって常時開放したポケット構造をなし、第1大入賞口15の上方から右側方に外れた位置に配置されている。
図4に示すように、遊技領域R1における表示装飾枠23の右側の側部領域には、表示装飾枠23より下方でかつ第2始動ゲート18B及び一般入賞口20Bより上方となる位置にサイド突部30が設けられている。サイド突部30は、遊技板11の前面から突出し、上下方向に延びた形状をなしてガイドレール12の内面に宛がわれている。サイド突部30のうち表示装飾枠23側を向いた側面は、上下方向の中間位置より上側部分が第2大入賞口(第2特別入賞口)31になっていて、その第2大入賞口31の下端開口縁に開閉扉32の下端部が回動可能に支持されている。そして、開閉扉32は、図4に示すように、起立姿勢になって第2大入賞口31を閉塞した閉状態と、図3に示すように左に傾斜した姿勢になって第2大入賞口31を開放し、第2大入賞口31に遊技球を案内する開状態に切り替わる。
図5には、遊技板11の右下裏側に配置された賞球処理部品40が示されている。賞球処理部品40は、遊技板11を通して視認可能な液晶モジュール13Mの右下角部に隣接するように配置され、同図の左側から順番に、光装飾部41,第1大入賞処理部42,一般入賞処理部43及び第2大入賞処理部44を備えている。光装飾部41は、図示しないLEDを内蔵し、遊技板11を裏面側から装飾する。第1大入賞処理部42、一般入賞処理部43、第2大入賞処理部44は、それぞれ第1大入賞口15、一般入賞口20B、第2大入賞口31に入賞した入賞球を図示しない遊技球回収路に案内するものである。また、第2大入賞処理部44内には、非V入賞孔45AとV入賞孔45Bとが備えられている。より具体的には、第2大入賞処理部44は、途中でクランク状に屈曲していて、その屈曲部分より下流側に非V入賞孔45AとV入賞孔45Bを横並びに備えている。また、V入賞孔45Bの上方にスライド蓋46が進退してV入賞孔45Bが開閉されるようになっている。そして、開閉扉32が開いて第2大入賞口31に入賞した遊技球が取込口44Aから第2大入賞処理部44に取り込まれて、非V入賞孔45AとV入賞孔45Bとの何れかを通過する。このとき、1度遊技球がV入賞孔45Bを通過すると、V入賞孔45Bはスライド蓋46によって閉じられるようになっている。
上記した第1及び第2の始動入賞口14A,14B、一般入賞口20A,20Bに遊技球が入賞した場合には、パチンコ遊技機10の前面に備えた図示しない受け皿に例えば、3個の遊技球が賞球として払い出され、第1と第2の大入賞口15,31に遊技球が入賞した場合には、15個の遊技球が賞球として払い出される。遊技者は、以下説明するパチンコ遊技機10の遊技内容の下で、より多くの賞球を獲得することを競って遊技を行う。
そのパチンコ遊技機10の遊技内容は以下の通りである。本実施形態のパチンコ遊技機10では、普図判定と特図判定とを行って遊技が進行する。普図判定は、第2始動入賞口14Bを開くか否かをランダムに決定する判定であり、第1及び第2の始動ゲート18A,18Bへの入賞(入球・通過)に起因して、普図判定を行う権利である「普図当否判定権」が発生する。普図当否判定権は、最大、4つまで保留され、発生順に1つずつ使用されて普図判定が行われる。なお、普図当否判定権の数は、遊技板11上に設けた所定のLEDによって表示される。また、普図判定報知演出は、図示しないが液晶画面13G上で行われる。
普図判定が行われると、所定の普図判定報知演出が行われてから普図判定の判定結果が報知され、その判定結果が当りであると、第2始動入賞口14Bの可動扉14Cが所定の期間に亘って開かれる。また、このパチンコ遊技機10は、時短状態と非時短状態とに切り替わるようになっている。具体的には、第1及び第2の始動ゲート18A,18Bの何れかに入賞した場合も、その入賞時が時短状態か非時短状態かに拘わらず、普図判定を行ったときが非時短状態であれば、1000〜20000[ms]の普図判定報知演出後に判定結果が報知され、99/100の確率で外れになる一方、1/100の確率で当りになり、当りになると第2始動入賞口14Bが1回だけ90[ms]間、開く。一方、普図判定を行ったときが時短状態であれば、1000[ms]の普図判定報知演出後に判定結果が報知され、1/100の確率で外れになる一方、99/100の確率で当りになり、当りになると第2始動入賞口14Bが3回に亘って500[ms]間、開く。
特図判定は、第1大入賞口15及び第2大入賞口31を開く等する、後に詳説する大当り遊技を実行するか否かをランダムに決定する判定であり、第1及び第2の始動入賞口14A,14Bの何れかへの入賞に起因して、特図判定を行う権利である「特図当否判定権」が発生する。その特図当否判定権は、それぞれ最大、4つまで保留され、発生順に1つずつ使用されて特図判定が行われる。また、保留されている特図当否判定権の数は、非時短状態では、第1始動入賞口14Aへの入賞に係る特図当否判定権のみが液晶画面13Gに表示され、時短状態では、第2始動入賞口14Bへの入賞に係る特図当否判定権のみが液晶画面13Gに表示される。なお、この特図判定が本発明の「当否判定」に相当し、第1及び第2の始動入賞口14A,14Bそれぞれへの入賞が、本発明の「判定条件の成立」に相当し、特図判定を行うときの制御プログラムが本発明の「当否判定手段」に相当する。また、第1及び第2の始動入賞口14A,14Bに対応した保留数は、図2に示した遊技領域R1外のLED39群によっても報知される。
また、特図判定報知演出は、第1及び第2の始動入賞口14A,14Bへの入賞の何れの場合も、図2に示すように、液晶画面13Gに横並びに表示した3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13C等によって行われる。それら特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、特図判定が行われると、これら3つの特別図柄13A,13B,13Cが、変動表示(上下方向にスクロール表示)され、特図判定結果に基づいて所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各特別図柄13A,13B,13Cが停止表示される。このとき、大当りの場合に、例えば、全ての特別図柄13A,13B,13Cが同じ図柄、即ち、ゾロ目になり、外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示される。なお、特図判定報知演出は、図2に示した遊技領域R1外のLED39群の点灯パターンによっても行われる。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、特図判定で大当りになる確率が高い確変状態と、確変状態より特図判定で大当りになる確率が低い非確変状態とに切り替わるようになっている。具体的には、第1及び第2の始動入賞口14A,14Bの何れに入賞した場合も、その入賞時が確変状態か非確変状態かに拘わらず、特図判定を行ったときが確変状態であれば大当りになる確率は1/100、非確変状態であれば大当りになる確率は1/400に設定されている。
そして、特図判定を行ったときには、所定の特図判定報知演出が行われてから特図判定の判定結果が報知され、その判定結果が大当りであると大当り遊技が実行される。ここで、第1始動入賞口14Aへの入賞に係る大当りは、50%の確率で特典付き大当りになり、残り50%の確率で特典無し大当りになるように設定されている。一方、第2始動入賞口14Bへの入賞に係る大当りは、100%の確率で特典付き大当りになるように設定されている。
大当りになると(本発明の「大当り遊技実行手段」に相当する)、その大当りが特典付き大当りか特典無し大当りかに拘わらず16ラウンドで構成された大当り遊技が実行され、それら16ラウンドのうち1〜13,15のラウンドでは第1大入賞口15が開き、14,16のラウンドで第2大入賞口31が開く。但し、14〜16のラウンドにおける第1大入賞口15及び第2大入賞口31の開放時間は、特典付き大当りか特典無し大当りかによって異なる。また、大当りが特典付き大当りか特典無し大当りかに拘わらず、大当り遊技後には時短状態になるが、特典付き大当りの方が時短状態は長くなる。それに加えて、大当り遊技中に、第2大入賞口31内の入賞球がV入賞孔45Bを通過した場合に、その大当り遊技後に確変状態になる。
ここで、特典付き大当りで大当り遊技が実行されたときには、何れのラウンドも第1大入賞口15又は第2大入賞口31の開放時間が例えば30秒間となり、多くの遊技球が第1大入賞口15及び第2大入賞口31に入賞可能になる。一方、特典無し大当りで大当り遊技が実行されたときには、1〜13のラウンドでは第1大入賞口15の開放時間が例えば30秒間になるが、14〜16のラウンドでは第1大入賞口15及び第2大入賞口31の開放時間が例えば0.04秒間となり、第1大入賞口15及び第2大入賞口31への入賞が極めて困難になる。従って、実質的に、特典付き大当りで大当り遊技が実行されたときにのみ第2大入賞口31に入賞可能になる。それに加えて、特典無し大当りではスライド蓋46は第2大入賞口31の開放時間に遊技球が入賞してもV入賞孔45Bにほとんど入らないタイミングで開閉するので、例え第2大入賞口31に入賞したとしても、V入賞孔45Bへ入賞して大当り遊技後に確変状態になるのは極めて稀である。
よって、特典無し大当りで大当り遊技が実行されたときには、実質的に第2大入賞口31への入賞が不可能になるので、大当り遊技後に時短状態でかつ非確変状態(これを「低確時短状態」という)になる。一方、特図判定により特典付き大当りを引き当てたときには、その大当りによる大当り遊技中に、第2大入賞口31への入賞球がV入賞孔45Bを通過したときに、その大当り遊技後に時短状態でかつ確変状態(これを「高確時短状態」という)になり、その大当りによる大当り遊技中に、第2大入賞口31への入賞球がV入賞孔45Bを通過しなかったときは、その大当り遊技後に低確時短状態になる。また、高確時短状態になってからは、所定複数回(例えば、161回)連続して特図判定で外れになったときには非時短状態でかつ非確変状態、即ち、「通常状態」に戻る。一方、低確時短状態では、所定複数回(例えば、100回)連続して特図判定で外れになったときに通常状態に戻る。この、確変状態と非確変状態を切り替えるときの制御プログラムが、本発明の「遊技状態切替手段」に相当する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特図判定の外れに「小当り」が設けられている。小当りになると(本発明の「小当り遊技実行手段」に相当する)、第1大入賞口15を開放する小当り遊技が実行されるが、その第1大入賞口15の開放は、例えば、1.6秒間の1回だけなので、小当りによって第1大入賞口15に遊技球が入賞して得られる賞球数は僅かである。即ち、小当りになっても、遊技者の利益は実質的にはほとんど増加しない。なお、特図判定の判定結果で「小当り」になるのは、第2始動入賞口14Bへの入賞による特図判定だけで、その小当りになる確率は、例えば、遊技状態に関わらず1/1000になっている。また、第2始動入賞口14Bへの入賞はそのほとんどが時短中に発生するので、小当りもそのほとんどが時短中に発生することとなる。そして、小当り遊技の終了後は、小当り前と同じ遊技状態で遊技が行われる。
このパチンコ遊技機10は、通常状態か時短状態かによって液晶画面13Gに表示される演出内容が相違し、時短状態であれば高確か低確かの区別がなく、一連のストーリーを有したストーリー演出が行われる。具体的には、パチンコ遊技機10が通常状態であるときには、液晶画面13Gには、例えば、変身前の主役キャラクタが弱小敵キャラクタと対峙している通常状態演出画像が表示される。その通常状態演出画像では、特図判定が行われる度に、変身前の主役キャラクタが弱小敵キャラクタと交戦し、特図判定で外れている間は主役キャラクタが敗れ続ける。そして、特図判定で大当りになると、主役キャラクタが勝利し、通常状態から時短状態に昇格する。
時短状態に切り替わると、変身した主役キャラクタが敵キャラクタと対峙した画像になり、特図判定が行われる毎に対戦する敵キャラクタが変わっていく時短状態演出画像が液晶画面13Gに表示される。詳細には、主役キャラクタと対戦する敵キャラクタは、予め定められた一定複数の種類が設定されていて、特図判定が行われる毎にランダムに対戦相手となる敵キャラクタが変わっていく。そして、倒された敵キャラクタは、その時短状態が継続する間は再登場しなくなる。つまり、時短状態の継続中に特図判定で大当りになって、敵キャラクタを順次、倒していくというストーリー演出を楽しむことができる。また、そのストーリー演出では、複数の種類の敵キャラクタの中に、所謂、中ボス格の敵キャラクタが所定複数種類(例えば、3種類)含まれていて、それら中ボス格の敵キャラクタを全て倒すと、所謂、ラスボス格の敵キャラクタが登場する。即ち、複数の中ボス格の敵キャラクタを倒して段階的な達成感を得ることができ、ラスボス格の敵キャラクタを倒したときには、大きな達成感を得ることが可能なストーリー演出になっている。なお、通常状態に転落すると、その転落前の時短状態におけるストーリー演出がリセットされ、再度、時短状態に復帰したときには、最初からストーリー演出が開始される。
さて、本実施形態のパチンコ遊技機10では、高確時短状態以外の状態(即ち、通常状態及び低確時短状態)から高確時短状態に昇格したという第1の条件と、その高確時短状態への昇格から4回以内の特図判定の間に大当りになったという第2の条件とが成立したときに、本発明に係る特殊演出を行う。その特殊演出としては、例えば、敵キャラクタに剣が刺さった画像が液晶画面13Gに表示されると共に、「とどめを刺せ(右横の剣を下に下げろ)」というメッセージが表示される。これに対し、押下操作部76を押し下げるように操作すると、それに連動して液晶画面13Gに表示の剣が押し下げられる。そして、敵キャラクタが敗れる画像と共に、特図判定で大当りかつ確変状態に昇格した旨のメッセージが表示される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1の条件及び第2の条件とは別に、小当り遊技が実施されたという第3の条件と、その小当り遊技の実施後から4回以内の特図判定の間に当りになったという第4の条件とが成立したときに、本発明に係る特殊演出を行う。その特殊演出としては、前記第1と第2の条件成立時に行われる特殊演出に対し、「確変状態に昇格した旨のメッセージが表示される」こと以外は同じになっている。この高確時短状態以外の状態(通常状態及び低確時短状態)から高確時短状態への昇格後、及び小当り遊技実施後の特殊演出を行うときの制御プログラム、液晶画面13G、及び押下操作部76が本発明の「特殊演出実行手段」に相当する。
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成に関する説明は、上記遊技内容の制御を行うための制御プログラム(図6〜図46)と、その制御プログラムによって制御される遊技状態ステータス(図47)以外に関しては以上である。それらに関しては後に詳説するものとし、次に、本実施形態のパチンコ遊技機10の作用効果について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、時短状態にすると第2始動入賞口14Bの可動扉14Cが開き易くなり、更に通常よりも大当りになる可能性が高まるため多くの遊技球が排出されるが、時短状態でないときには第2始動入賞口14Bはほとんど開かないので、遊技者は、まずは第1始動入賞口14Aへの入賞を狙って遊技を行う。
そして、第1始動入賞口14Aへの入賞による特図判定で大当りとなるまで左打ち遊技を行い、大当りが特典付き大当りになると大当り後の遊技状態が、今度は、遊技球が左の側部領域を流下して第1始動入賞口14Aに入賞する可能性より、遊技球が右の側部領域を流下して第2始動入賞口14Bに入賞する可能性の方が遊技者に有利となる。しかも、第2始動入賞口14Bに入賞すれば、大当りとなったときには第1始動入賞口14Aよりも第2始動入賞口14Bに入賞した方が、特典付き大当りになる可能性が高く構成されているので、遊技球が右の側部領域を流下するように操作ノブ77を操作する、所謂、右打ち遊技を行う。
そして、特典付き大当りになって第2大入賞口31のV入賞孔45Bを通過すると、高確時短状態に昇格する。その後は、大当りになる確率が上がり、右打ち遊技を続けると、大当たりになった場合に特典付き大当りが多く発生して、多くの賞球の獲得が可能になる。このため、高確時短状態に昇格したときには、遊技者は大きな興奮と喜びを感じることになる。そして、高確時短状態に昇格して4回以内の特図判定で大当りになると、高確時短状態に昇格したときの興奮と喜びが冷めないうちに、特殊演出が実行される。その特殊演出では、押下操作部76を押し下げる作業を求められ、特殊演出に遊技者も参加することになる。また、低確時短状態から高確時短状態に昇格して4回以内の特図判定で大当りになった場合も同様の特殊演出が実行される。なお、低確時短状態から高確時短状態に昇格した後、及び小当り遊技実施後で大当りになったときに特殊演出が実行される特図判定の回数(4回)が本発明の「規程判定回数」に相当する。
しばらくすると、高確時短状態で、時折、大当り遊技が実行される単調な状態になる。そのような状態で、特図判定において小当りになる場合がある。すると、小当り遊技が実行されてから4回以内の特図判定で大当りになったときに、特殊演出が実行されて、再び、押下操作部76を押し下げる作業を求められ、特殊演出に遊技者も参加することになり、高確時短状態に昇格したときの興奮と喜びが呼び起こされる。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変状態から確変状態に切り替わるという大幅な利益の増加を少なくとも条件の1つにして特殊演出が実行されるので、特殊演出と遊技者にとっての大幅な利益の増加とが強く結びつけられる。即ち、特殊演出が行われると、それに関連した遊技中の事象は大幅な利益の増加に繋がる可能性が高くなるという、所謂、「すりこみ」が行われる。そして、特殊演出と近似した特殊演出が、小当り遊技が実行されたことを少なくとも条件の1つにして実行されるので、遊技者に特殊演出を期待して小当り遊技を意識するようにさせることが可能となる。それに加えて、小当り遊技後において、規定判定回数以内の当否判定で当りになるか否かの遊技も楽しむなどの特典を与えることが可能となる。しかも、小当り遊技は、大当り遊技に比べて第1大入賞口15の開放回数が少なくかつ開放時間が短いことだけが相違なので、小当り遊技の実行によって大当り遊技の実行に伴う興奮と喜びの感覚も呼び起こすことができ、それでありながら、大当り遊技に比べて小当り遊技は遊技者が獲得する利益が少ないので、遊技ホールの利益の減少が抑えられる。
また、小当り遊技の実行を少なくとも条件の1つにして特殊演出が実行される場合は、時短状態であることも条件に含まれているので、小当り遊技の価値が高まる。さらには、通常状態から高確時短状態に切り替わったことを少なくとも条件の1つにして特殊演出を実行するのみならず、低確時短状態から高確時短状態に切り替わったことを少なくとも条件の1つにして特殊演出を実行するので、大幅な利益の増加を伴う特殊演出の実行頻度が高くなり、特殊演出が行われると、それに関連した遊技中の事象は大幅な利益の増加に繋がるという「すりこみ」が強くなる。しかも、特殊演出は、遊技者にパチンコ遊技機10に設けられた押下操作部76の操作を要求する演出であるので、遊技者の記憶・感覚に残りやすく、この点においても「すりこみ」が強くなる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変状態中に特図判定で連続して外れとなる回数が連続外れ上限回数(161回)に達したことを条件にして非確変状態へと切り替わるので、再び確変状態に昇格する機会ができる。
次に、上記遊技を行うための制御プログラムについて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10では、主制御回路が普図判定、特図判定や、遊技状態の変更等の処理を行い、その結果に応じてサブ制御回路が遊技演出の内容決定、実行等の処理を行うように構成されている。そして、主制御回路、サブ制御回路、その他のサブ回路によって、上記遊技内容の遊技が実行される。なお、主制御回路のCPUは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特図判定や普図判定に関する乱数等も生成し、制御信号(コマンド)を他の制御回路及び中継回路等へ出力(送信)可能に構成されている。また、主制御回路のRAMは、特別図柄保留球数及び普通図柄保留球数の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備えている。また、主制御回路のROMには、後述する主制御回路メインプログラムPG1や制御データ、普通図柄表示装置での変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、「大当り」、「小当り」及び、普図判定の当りである「普図当り」の判定値等が書き込まれている。
以下、上記した特図判定及び特殊演出に係る、主制御回路メインプログラムPG1ついて、図6〜図46に示すフローチャートを参照しつつ詳説する。なお、以下の説明では、上記構成の「普図判定報知演出」及び「特図判定報知演出」のことをそれぞれ「普通図柄の変動」及び「特別図柄の変動」等という。
パチンコ遊技機10の電源をオンすると、パチンコ遊技機10に備えられた主制御回路が主制御回路メインプログラムPG1を実行する。図6に示すように、主制御回路メインプログラムPG1は、まず、CPU等の初期設定を行う(S1)。なお、この初期設定(S1)は、電源オン後に1回だけ行われ、それ以降は行われない。
初期設定(S1)に次いで、後述する割り込み処理(S5)を実行するまでの残余時間には、以下のステップS2〜S4の各処理をループして行う。まず、割り込みを禁止し(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにする。続いて、普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)を実行する。この処理(S3)では、普通図柄、特別図柄などの各種乱数カウンタを1加算して更新する。更新したカウンタ値はRAMの更新値記憶領域に逐一記憶する。普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みを許可し(S4)、割り込み処理(S5)を実行可能とする。
ここで、各種乱数カウンタは、パチンコ遊技機10が電源オンされたときに0から始まって、乱数更新処理(S3,S11)が行われると1加算され、「数値範囲」の最大値に至ると0にされて再び前記加算を繰り返す。そして、遊技球が始動ゲートを通過、あるいは入賞口に入賞したときに、それぞれに対応したカウンタ値が取得され、RAMに記憶される。RAMの乱数記憶領域には、取得された各カウンタ値を、それぞれ保留の上限である「4つ」まで記憶可能となっている。そして、乱数記憶領域に記憶された各カウンタ値(乱数値)は、古いものから順に遊技に使用されるようになっている。
割り込み処理(S5)は、例えば、4msec周期で入力する割り込みパルスに従って実行される。そして、割り込み処理(S5)が終了してから、次に割り込み処理(S5)が開始するまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理を複数回に亘って繰り返し実行する。また、割り込み禁止状態のときに割り込みパルスが入力した場合は、割り込み処理(S5)をすぐには開始せず、割り込み許可(S4)となってから開始する。
メイン割り込み処理(S5)について説明する。図7に示すように、メイン割り込み処理(S5)では、まず、コマンド処理(S10)を行う。コマンド処理(S10)では、RAMの出力バッファにセットされた各種コマンドを、対応するサブ制御装置(例えば、表示制御装置、ランプ制御装置等)に出力する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S11)は、上記した主制御回路メインプログラムPG1のループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、各種カウンタ値の更新処理は、メイン割り込み処理(S5)の実行期間内と、その残余処理期間(メイン割り込み処理(S5)の終了後、次のメイン割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S11)に次いで、始動入賞口スイッチ検出処理(S12)が実行される。始動入賞口スイッチ検出処理(S12)は、図8に示されており、第1及び第2の始動ゲート18A,18B、第1及び第2の始動入賞口14A,14Bそれぞれの通過又は入賞に応じて、対応した保留球数の加算及び当否判定用の乱数取得を行う。詳細には、まず、遊技球が始動ゲートを通過したか否かを判定する(S100)。遊技球が始動ゲートを通過していれば(S100でYes)、ゲート通過処理(S101)を実行する。
図9に示すように、ゲート通過処理(S101)では、普通図柄保留球数(普通図柄の変動表示の保留回数)が4以上であるか(保留上限に達しているか)否かを判定し(S110)、4以上でなければ(S110でNo)、普通図柄保留球数を1加算し(S111)、普通図柄乱数取得処理(S112)を実行する。即ち、RAMの更新値記憶領域から普通図柄当否判定カウンタ値を乱数として取得してRAMの乱数格納領域に記憶する。一方、普通図柄保留球数が4以上である場合(S110でYes)はこの処理(S101)を抜ける。
次いで、図8に示すように、ステップS100の判定でNoになった後(始動ゲートを通過していない場合)、及びゲート通過処理(S101)を行った後に、第1始動入賞口14A(フローチャートでは「特図1始動入賞口」と表記する)に遊技球が入賞したか否かを判定する(S102)。そして、第1始動入賞口14Aに遊技球が入賞していなければ(S102でNo)、第2始動入賞口14B(フローチャートでは「特図2始動入賞口」と表記する)に遊技球が入賞したか否かを判定する(S106)。第1始動入賞口14Aに遊技球が入賞していれば(S102でYes)、現在の特図1保留球数が4以上(保留上限)であるか判定する(S103)。特図1保留球数が4以上である場合(S103でYes)には、そのままこの処理(S12)を抜ける一方、特図1保留球数が4以上でなければ(S103でNo)、特図1保留球数を1加算し(S104)、特図関係乱数取得処理(S105)を実行する。具体的には、RAMの更新値記憶領域から、特別図柄関連のカウンタ値を取得して、それらをRAMの乱数記憶領域に記憶する。そして、取得したカウンタ値に基づき特図判定結果及び変動時間を取得し、その内容を入賞コマンドに設定し、入賞コマンドをRAMの出力バッファにセットする。その後、この処理(S12)を抜ける。
第1始動入賞口14Aに遊技球が入賞しておらず(S102でNo)、第2始動入賞口14Bに遊技球が入賞していれば(S106でYes)、現在の特図2保留球数が4以上(保留上限)であるか判定する(S107)。特図2保留球数が4以上である場合(S107でYes)には、そのままこの処理(S12)を抜ける一方、特図2保留球数が4以上でなければ(S107でNo)、特図2保留球数を1加算し(S108)、特図関係乱数取得処理(S109)を実行する。この特図関係乱数取得処理(S109)は上記した、特図1保留球数の加算処理(S104)の後に実行される特図関係乱数取得処理(S105)と同じである。その後、この処理(S12)を抜ける。
図7に示すように、始動入賞口スイッチ検出処理(S12)に次いで、普通動作処理(S13)を行う。この処理(S13)では、始動ゲートの通過を条件に取得(RAMの乱数記憶領域に記憶)した普通図柄当否判定用乱数値に基づいて「普図当り遊技」を行うか否かの「普図判定」を行うと共に、その判定結果が「普図当り」である場合には、第2始動入賞口14Bに設けられた可動扉14Cを開閉させる。
詳細には、図10に示すように、まず、可動扉14C(フローチャートでは「開閉部材」と表記する)が前側に倒れて第2始動入賞口14Bが開放する「普図当り遊技」の実行中か否かを判定する(S120)。「普図当り遊技」中である場合(S120でYes)には、予め定められた普図当り遊技期間を過ぎたか否かを判定する(S121)。普図当り遊技期間を過ぎていない場合(S121でNo)には、この処理(S13)を抜ける一方、普図当り遊技期間を過ぎた場合(S121でYes)は、普図当り遊技の終了処理として、開閉部材閉鎖処理(S122)を行ってから、この処理(S13)を抜ける。
普図当り遊技が実行中ではない場合(S120でNo)には、始動ゲートに係る普通図柄保留球数が0か否かを判定する(S123)。普通図柄保留球数が「0」である場合(S123でYes)には、この処理(S13)を抜ける一方、「0」でない場合(S123でNo)には、RAMに記憶されている普通図柄当否判定用乱数値をロードする(S124)。
次いで、現在の普図判定が「高確率」で行われているか否かを判定し(S125)、高確率で行われている場合(S125でYes)には、高確率用の当否判定値と、ロードした普通図柄当否判定用乱数値とを照合して普図判定を行う(S126)。ここで、普図判定では、遊技状態が確変の有無に拘わらず「時短状態」のときに、普図判定が「高確率」で行われている、と判定している。その判定結果が、「普図当り」であった場合(S126でYes)には、普図当り遊技を実行する(S127)。高確率で当選したときの普図当り遊技は、例えば、「1回あたり5秒間の開放を3回繰り返す」という内容になっている。
また、現在の普図判定が高確率で行われていない(低確率で行われている)場合(S125でNo)には、低確率用の当否判定値と、ロードした普通図柄当否判定用乱数値とを照合して普図判定を行う(S128)。その判定結果が「普図当り」であった場合(S128でYes)には、普図当り遊技を実行する(S129)。低確率で当選したときの普図当り遊技は、例えば、「90ミリ秒間の開放を1回だけ行う」という内容になっている。
ロードした普通図柄当否判定用乱数値が、当否判定値と一致しなかった場合(S126又はS128でNo)は、普図当り遊技を実行せずに、この処理(S13)を抜ける。
図7に示すように、普通動作処理(S13)に次いで、特別動作処理(S14)を行う。この処理(S14)は、図11に示されており、特図1に係る動作状態を表す特図1動作ステータスと、特図2に係る動作状態を表す特図2動作ステータスを判定し(S130)、大当り動作中(特図1動作ステータス又は特図2動作ステータスが「4」〜「8」のとき。以降「大当り動作中」という)の場合(S130でYes)には、大当り動作処理(S131)を実行する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特図1による大当り動作と特図2による大当り動作とが同時に発生する(特図1動作ステータスと特図2動作ステータスとが同時に「4」〜「8」になる)ことはない。大当り動作中でない場合(S130でNo)には、特図2保留球数があるか否か(0でないか否か)を判定し(S132)、特図2保留球数がある場合(S132でYes)には特図2変動動作別の処理(S133)を実行し、特図2保留球数がない場合(S132でNo)には特図1変動動作別の処理(S134)を実行する。なお、特図1変動動作別の処理を実行するときの特図1動作ステータスは「0」〜「2」の何れかになっており、特図2変動動作別の処理を実行するときの特図2動作ステータスは、「0」〜「2」、「9」、「10」の何れかになっている。このように構成することで、特図2での特図判定を特図1の特図判定より優先的に処理することが可能となる。そして、特図2変動動作別の処理(S133)或いは特図1変動動作別の処理(S134)を実行した後、この処理(S14)を抜ける。
図12に示される特図1変動動作別処理(S134)では、特図1動作ステータスを判定し(S150)、処理を分岐する。特図1動作ステータスが「0」である場合(S150で「0」)には特図1待機処理(S151)を行い、特図1動作ステータスが「1」である場合(S150で「1」)には特図1変動処理(S152)を行い、特図1動作ステータスが「2」である場合(S150で「2」)には特図確定処理(S153)を行う。以下、これら各処理(S151,S152,S153)を順に説明する。
図13に示される特図1待機処理(S151)では、特図1の保留が存在する場合には、最も古い特図1の保留の情報を利用して、特図1による特図判定及び特図1の変動表示に必要な情報の設定を行い、特図1の保留が存在しない場合には待機画面の設定を行う。詳細には、まず、特図1の保留があるか否か(特図1保留球数が「0」でないか否か)を判定する(S200)。特図1の保留がない場合(S200でNo)には、液晶画面13Gが待機画面になっている(例えば、待機中フラグがON)か否かをチェックする(S201)。そして、待機画面である場合(S201でYes)には、直ちにこの処理(S151)を抜ける一方、待機画面でない場合(S201でNo)には、待機画面設定処理(S202。例えば、待機中フラグをON)を行ってから、この処理(S151)を抜ける。
特図1の保留がある場合(S200でYes)には、まず、特図1大当り判定処理(S203)を行う。図14に示すように、特図1大当り判定処理(S203)では、まず、第1始動入賞口14Aへの入賞時に取得(RAMの乱数記憶領域に記憶)した特別図柄当否判定用乱数値をロードする(S300)。次いで、現状が確変状態か否かをチェックし(S301)、確変状態ではない場合(S301でNo)は、特別図柄当否判定用乱数値が非確変状態時の判定値と一致した「大当り」か否かをチェックする(S302)。特別図柄当否判定用乱数値が何れの判定値とも一致しなかった場合、即ち、「外れ」である場合(S302でNo)には、特図1大当りフラグをOFFにして(外れフラグのセット、S303)、この処理(S203)を抜ける。また、確変状態である場合(S301でYes)には、特別図柄当否判定用乱数値が、確変状態時の判定値の何れかと一致した「大当り」か否かをチェックする(S304)。特別図柄当否判定用乱数値が何れの判定値とも一致しなかった場合、即ち、「外れ」である場合(S304でNo)には、特図1大当りフラグをOFFにして(外れフラグのセット、S305)、この処理(S203)を抜ける。上述したように、第1始動入賞口14Aへの入賞から「大当り」に当選する確率は、確変状態で1/100であり、非確変状態で1/400である。
一方、各ステップS302,S304において、特別図柄当否判定用乱数値が予め設定された大当りの判定値と一致した場合、即ち「大当り」に当選した場合(S302でYes又はS304でYes)には、特図1大当りフラグをONにして(S306)、その「大当り」の種別が、V入賞孔45Bへの遊技球の通過を許容する「特典付き大当り」であるか否かを判定し、当りコマンドを設定する(S307)。具体的には、例えば、大当り図柄乱数値が予め定めた値である場合に「特典付き大当り」であると判定し、その値以外である場合に「特典付き大当り」ではないと判定する。「特典付き大当り」の場合には、第2大当りフラグをONし、「特典付き大当り」ではない(「特典無し大当り」である)場合には第2大当りフラグをOFFする。その後、この処理(S203)を抜ける。本実施形態では、ステップS307において、50%の確率で「特典付き大当り」と判定されるように設定されている。
ステップS204及び特図1大当り判定処理(S203)に次いで行う特図1図柄選択処理(S204)(図13参照)では、液晶画面13Gに停止表示させる判定図柄を決定する。
図15に示すように、特図1図柄選択処理(S204)では、まず、特図1が大当りか否か(特図1大当りフラグがONか否か)を判定する(S320)。大当りであれば(S320でYes)、第1始動入賞口14Aへの入賞時に取得(RAMに記憶)した大当り図柄乱数値を、RAMの出力バッファにセットし(S321)、この処理(S204)を抜ける。即ち、3つの判定図柄が、全て大当り図柄乱数値と同じ図柄(ゾロ目)になるようにセットする。
一方、特図1が大当りでなければ(S320でNo)、RAMから左図柄決定用乱数値、中図柄決定用乱数値、右図柄決定用乱数値の値をロードする(S322)。そして、これら3つの乱数値が一致しているか否かを判定し(S323)、一致していれば(S323でYes)、第1始動入賞口14Aへの入賞時に取得したリーチ有無決定用乱数値(以下、「リーチ乱数値」という)が予め設定されたリーチ判定値と一致しているか否かを判定する(S324)。リーチ判定値と一致していない場合(S324でNo)は、右図柄決定用乱数値を左図柄決定用乱数値に1加算した値にして、これら3つの図柄決定用乱数値をRAMの出力バッファにセットする(S326)。つまり、左、中の判定図柄を同一図柄とし、右の判定図柄だけを異ならせた「リーチ無し外れ」の組み合わせとなるようにセットする。また、リーチ判定値と一致していれば(S324でYes)、中図柄決定用乱数値を左図柄決定用乱数値に1加算した値にして、これら3つの図柄決定用乱数値をRAMの出力バッファにセットする(S325)。つまり、左、右の判定図柄を同一図柄とし、中の判定図柄だけを異ならせた「リーチ外れ」の組み合わせとなるようにセットする。
ステップS323において、左・中・右の各乱数値が一致していなければ(S323でNo)、続いて、左・右の乱数値が一致しているか否かを判定する(S327)。そして、左・右の乱数値が一致していれば(S327でYes)、リーチ乱数値がリーチ判定値と一致しているか否かを判定する(S328)。リーチ判定値と一致していなければ(S328でNo)、ステップS326に進んで、「リーチ無し外れ」の組み合わせとなるようにセットする。一方、リーチ乱数値がリーチ判定値と一致していれば(S328でYes)、ステップS322でロードした3つの図柄決定用乱数値をそのままRAMの出力バッファにセットする(S329)。つまり、「リーチ外れ」の組み合わせとなるようにセットする。
ステップS327において、左・右の両乱数値が一致していなければ(S327でNo)、リーチ乱数値がリーチ判定値と一致しているか否かを判定し(S330)、一致していなければ(S330でNo)、ステップS329に進んで、「リーチ無し外れ」の組み合わせにセットする。一方、リーチ判定値と一致していれば(S330でYes)、右図柄決定用乱数値を左図柄決定用乱数値と同一値とし、中図柄決定用乱数値を左図柄決定用乱数値に1加算した値にして、RAMの出力バッファにセットする(S331)。つまり、強制的に「リーチ外れ」の組み合わせとなるようにセットする。以上の処理で、判定図柄の停止表示図柄が決定したら、その他の処理(S332)を行ってこの処理(S204)を抜ける。なお、主制御回路では特図当否判定結果及びリーチ有無を設定し、サブ制御回路で液晶画面13Gに表示する判定図柄を設定するように構成してもよい。
図13に示すように、特図1図柄選択処理(S204)に次いで、特図1変動態様選択処理(S205)を実行する。この処理(S205)では、特図判定の結果やリーチの有無等に基づいて、判定図柄が停止表示するまでの変動表示態様に関するデータを選択する。
詳細には、図16に示すように、特図1変動態様選択処理(S205)では、まず、現状が時短状態(或いは確変状態)か否かをチェックする(S340)。時短状態の場合(S340でYes)は、次いで、特図1大当りフラグがONか否かを判定し(S341)、ONの場合(S341でYes)には、「時短大当り」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値に基づいて1つの変動態様データを選択する(S342)。
一方、ステップS341において、特図1大当りフラグがONでない場合(S341でNo)には、リーチ乱数値がリーチ判定値と一致したか否かを判定する(S343)。
リーチ成立の場合(S343でYes)は、「時短リーチ外れ」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値に基づいて1つの変動態様データを選択する(S344)。一方、リーチ不成立の場合(S343でNo)は、「時短リーチ無し外れ」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値に基づいて1つの変動態様データを選択する(S345)。
時短状態ではない場合(S340でNo)は、次いで、特図1大当りフラグがONか否かを判定し(S346)、ONの場合(S346でYes)には、「通常大当り」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値に基づいて1つの変動態様データを選択する(S347)。
一方、ステップS346において、特図1大当りフラグがONでない場合(S346でNo)には、リーチ乱数値がリーチ判定値と一致したか否かを判定する(S348)。
リーチ成立の場合(S348でYes)は、「通常リーチ外れ」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値に基づいて1つの変動態様データを選択する(S349)。一方、リーチ不成立の場合(S348でNo)は、「通常リーチ無し外れ」用の変動態様テーブルの中から、変動態様決定用乱数値に基づいて1つの変動態様データを選択する(S350)。
ここで、ステップS342で設定される「時短大当り」の変動時間は30秒、ステップS344,S345で設定される「時短リーチ外れ」、「時短リーチ無し外れ」の変動時間は30〜360秒、ステップS347,S349,S350で設定される「通常大当り」、「通常リーチ外れ」、「通常リーチ無し外れ」の変動時間は15〜180秒になるよう設定されている。
その後、選択した変動態様に応じたコマンドをRAMの出力バッファにセットし(S351)、その他の処理(S352)を行って、この処理(S205)を抜ける。このとき、その他の処理(S352)では、変動時間を特図1動作タイマに設定する処理も行っている。
図13に示すように、特図1変動態様選択処理(S205)に続いて、特図1乱数シフト処理(S206)を行う。この処理(S206)では、最も古い特図1の保留の情報を処理した後に、残りの特図1の保留の情報を繰り上げる処理を行う。具体的には、図17に示すように、特図1保留球数を1減算し(S360)、RAMの特図1保留記憶に対応する乱数記憶領域に記憶されている各種乱数を1つずつ下位側の乱数記憶領域にシフトさせて(S361)、最上位(4個目)の乱数記憶領域をクリアする(S362)。
図13に示すように、特図1乱数シフト処理(S206)に続いて、特図1変動開始処理(S207)を行う。詳細には、図18に示すように、特図1変動態様選択処理(S205)で選択された変動態様の変動時間を特図1変動開始コマンドに設定し(S370)、特図1変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S371)。そして、図13に示すように、特図1変動開始処理(S207)に続いて、特図1動作ステータスを「1(変動)」に設定する処理(S208)を行い、特図1待機処理(S151)を抜ける。以上が、特図1待機処理(S151)の説明である。
次に、特図1変動動作別処理(S135)(図12参照)における特図1変動処理(S152)を、図19に基づいて説明する。この処理(S152)では、特図1の変動表示が終わった後で、特図1動作ステータスを「特図確定」に設定する。詳細には、まず、特図1が変動中でないか否か(特図1動作タイマが「0」であるか否か)を判定し(S380)、変動中の場合(S380でNo)には、この処理(S152)を抜ける。特図1が変動中でない場合(S380でYes)には、特図1動作ステータスに「2(特図確定)」を設定して(S381)、この処理(S152)を抜ける。
特図1変動動作別処理(S135)(図12参照)における特図確定処理(S153)については後述することとし、次に、図20〜図27を用いて特図2の変動動作別処理について説明する。特図2の変動動作別処理は、参照及び設定するパラメータが特図2に係るものであることと、大当り判定処理及び変動態様の選択処理(S503,S504)が特図1の場合と異なることを除けば、図13〜図19に示した特図1の変動動作別処理と同じである。
図20に示される特図2変動動作別処理(S133)では、特図2動作ステータスを判定し(S160)、処理を分岐する。特図2動作ステータスが「0」である場合(S160で「0」)には特図2待機処理(S161)を行い、特図2動作ステータスが「1」である場合(S160で「1」)には特図2変動処理(S162)を行い、特図2動作ステータスが「2」である場合(S160で「2」)には特図確定処理(S163)を行い、特図2動作ステータスが「9」である場合(S160で「9」)には小当り処理(S164)を行い、特図2動作ステータスが「10」である場合(S160で「10」)には小当り終了処理(S165)を行う。以下、これら各処理(S161,S162,S163,S164,S165)を順に説明する。
図21に示される特図2待機処理(S161)では、特図2の保留が存在する場合には、最も古い特図2の保留の情報を利用して、特図2による特図判定及び特図2の変動表示に必要な情報の設定を行い、特図2の保留が存在しない場合には待機画面の設定を行う。詳細には、まず、特図2の保留があるか否か(特図2保留球数が「0」でないか否か)を判定する(S500)。特図2の保留がない場合(S500でNo)には、液晶画面13Gが待機画面になっている(例えば、待機中フラグがON)か否かをチェックする(S501)。そして、待機画面である場合(S501でYes)には、直ちにこの処理(S161)を抜ける一方、待機画面でない場合(S501でNo)には、待機画面設定処理(S502。例えば、待機中フラグをON)を行ってから、この処理(S161)を抜ける。
特図2の保留がある場合(S500でYes)には、まず、特図2大当り判定処理(S503)を行う。図22に示すように、特図2大当り判定処理(S503)では、まず、第2始動入賞口14Bへの入賞時に取得(RAMの乱数記憶領域に記憶)した特別図柄当否判定用乱数値をロードする(S600)。次いで、現状が確変状態か否かをチェックし(S601)、確変状態ではない場合(S601でNo)は、特別図柄当否判定用乱数値が非確変状態の大当りの判定値と一致した「大当り」か否かをチェックする(S602)。「大当り」でなかった場合、即ち、「外れ」である場合(S602でNo)には、次いで、特別図柄当否判定用乱数値が小当りの判定値と一致した「小当り」か否かをチェックし(S603)、一致した場合には小当りフラグをONして(S604)、この処理(S503)を抜ける。特別図柄当否判定用乱数値が何れの判定値とも一致しなかった場合(S603でNo)には、特図2大当りフラグ及び小当りフラグをOFFして(外れフラグのセット、S605)、この処理(S503)を抜ける。上述したように、第2始動入賞口14Bへの入賞から「大当り」に当選する確率は、確変状態で1/100であり、非確変状態で1/400である。また、第2始動入賞口14Bへの入賞から「小当り」になる確率は、確変状態か非確変状態かに関わらず、1/1000である。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、小当りは第2始動入賞口14Bへの入賞でのみ発生するように構成されている。
また、現状が確変状態である場合(S601でYes)には、特別図柄当否判定用乱数値が、確変状態の判定値の何れかと一致した「大当り」か否かをチェックする(S606)。「大当り」でなかった場合、即ち、「外れ」である場合(S606でNo)には、次いで、特別図柄当否判定用乱数値が小当りの判定値と一致した「小当り」か否かをチェックし(S609)、一致した場合には小当りフラグをONして(S610)、この処理(S503)を抜ける。特別図柄当否判定用乱数値が何れの判定値とも一致しなかった場合(S609でNo)には、特図2大当りフラグ及び小当りフラグをOFFして(外れフラグのセット、S611)、この処理(S503)を抜ける。
一方、各ステップS602,S606において、特別図柄当否判定用乱数値が予め設定された大当りの判定値と一致した場合、即ち「大当り」に当選した場合(S602でYes又はS606でYes)には、特図2大当りフラグをONにして(S606)、その「大当り」の種別が、V入賞孔45Bへの遊技球の通過を許容する「特典付き大当り」であるか否かを判定し、当りコマンドを設定する(S608)。具体的には、例えば、大当り図柄乱数値が予め定めた値である場合に「特典付き大当り」であると判定し、その値以外である場合に「特典付き大当り」ではないと判定する。「特典付き大当り」の場合には、第2大当りフラグをONし、「特典付き大当り」ではない(「特典無し大当り」である)場合には第2大当りフラグをOFFする。その後、この処理(S503)を抜ける。本実施形態では、ステップS608において、「特典付き大当り」と判定される確率は100%に設定されている。つまり、第2始動入賞口14Bへの入賞から発生する大当りは、全て「特典付き大当り」である。
図21に示すように、特図2大当り判定処理(S503)に次いで、特図2図柄選択処理(S504)、特図2変動態様選択処理(S505)、特図2乱数シフト処理(S506)、特図2変動開始処理(S507)を順番に実行する。これらの処理の詳細は、図23〜図26に示されているが、具体的な判定値や変動態様が異なる以外は、上記した特図1図柄選択処理(S204)、特図1変動態様選択処理(S205)、特図1乱数シフト処理(S206)、及び特図1変動開始処理(S207)と同じであるので、詳細は割愛する。次いで、特図2動作ステータスを「1(変動)」に設定する処理(S508)を行って、特図2待機処理(S161)を抜ける。以上が、特図2待機処理(S161)の説明である。
次に、特図2変動動作別処理(S133)(図20参照)における特図2変動処理(S162)を、図27に基づいて説明する。この処理(S162)では、特図2の変動表示が終わった後で、特図2動作ステータスを「変動確定」に設定する。詳細には、まず、特図2が変動中でないか否か(特図2動作タイマが「0」であるか否か)を判定し(S680)、変動中の場合(S680でNo)には、この処理(S162)を抜ける。特図2が変動中でない場合(S680でYes)には、特図2動作ステータスに「2(変動確定)」を設定し(S681)、この処理(S162)を抜ける。
次に、特図1変動動作別処理(S135)(図12参照)における特図確定処理(S153)及び、特図2変動動作別処理(S133)(図20参照)における特図確定処理(S163)を、図28に基づいて説明する。なお、特図2変動動作別処理(S133)における特図確定処理(S163)は、参照及び設定するパラメータが特図2に係るものであること以外は、特図1変動動作別処理(S135)における特図確定処理(S153)と同一であり、以下の説明では、「特図1」及び「特図2」をあわせて「特図」として説明する。この処理(S153,163)では、特図の変動の確定後、特図判定の結果が大当りと小当りの場合には、大当り遊技と小当り遊技のそれぞれに必要なパラメータの設定を行い、それぞれのオープニングコマンドを送信する。また、特図判定の結果が外れかつ小当りでない場合には、特図動作ステータスを「待機」に戻す処理を行う。
詳細には、まず、特図の確定時間が満了したか否かを判定し(S900)、満了していない場合(S900でNo)には、この処理(S153,163)を抜ける。特図の確定時間が満了した場合(S900でYes)には、大当りか否か(特図大当りフラグがONか否か)を判定し(S901)、大当りの場合(S901でYes)には、大当りの開始の各設定、抽選結果に応じた各パラメータの設定、及び特図動作ステータスを「4」にする処理を行い(S902)、大当りオープニングコマンドを送信してこの処理(S153,163)を抜ける。一方、大当りでない場合(S901でNo)には、まず、指定回数減算処理(S904)を行う。
指定回数減算処理(S904)は、図29に示されていて、高確時短状態、低確時短状態で実行される特図判定の残回数の減算、及び、特図変動及び小当り変動時の特殊演出を実行するか否かの判定に使用するカウンタ(特図変動選択カウンタ、小当り変動選択カウンタ)の減算を行う。詳細には、まず、高確カウンタが「0」か否か(高確時短状態の特図判定の残回数があるか否か)を判定し(S920)、「0」でない場合(S920でNo)には高確カウンタを1減算し、さらに、高確カウンタが「0」になった場合には、高確フラグをOFFする(S921)。高確カウンタの判定、設定後(S920でYes及び、S921の処理後)、時短カウンタが「0」か否か(高確時短状態又は低確時短状態の特図判定の残回数があるか否か)を判定し(S922)、「0」でない場合(S922でNo)には時短カウンタを1減算し、さらに、時短カウンタが「0」になった場合には、時短フラグをOFFし、小当り変動ステータスと小当り変動選択カウンタにそれぞれ「0」を設定する(S923)。この処理によって、小当り遊技実施後の4回の特図変動が終わる前に時短状態が終わった場合でも小当り遊技実施後の4回を消化しない状態で通常状態とすることが可能となる(例:後述する図47の(I)や(J)や(M)や(N)の場合)。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当りが「特典付き大当り」でV入賞している場合には、高確カウンタと時短カウンタの両方に初期値として「161(回)」が大当たり終了時に設定され、「特典無し大当り」の場合或いは「特典付き大当り」であったがV入賞しなかった場合には、時短カウンタにのみ初期値として「100(回)」が大当たり終了時に設定されるように構成されている。
次いで、時短カウンタの判定、設定後(S922でYes及び、S923の処理後)、特図変動選択カウンタが「0」か否か(所定回数の特図変動が終わったか否か)を判定(S925)し、「0」の場合(S925でYes)にはこの処理(S904)を抜ける。特図変動選択カウンタとは、後述する特図変動選択ステータスに対応したカウンタ値を有し、特図変動毎にカウンタ値を減算し、「0」になったら特図変動選択ステータスを次のステータスに変更するように構成されている。特図変動選択カウンタが「0」でない場合(S920でNo)には、特図変動選択カウンタを1減算し(S926)、特図変動選択カウンタが「0」か否かを判定する(S927)。特図変動選択カウンタが「0」になった場合(S927でYes)にはステータス移行処理(S928)を行う。
ステータス移行処理(S928)は、図30に示されていて、所定回数の特図変動が終わった場合に、特図の変動で表示する演出を選択するための特図変動選択ステータスを次のものに移行する処理を行う。まずは、特図変動選択ステータスの移行時に参照するステータス移行テーブルを表1、表2に例示し、それらを参照した場合の特図変動選択ステータスの移行について説明する。
表1に示す「ステータス移行設定テーブル1」は、大当り終了時に高確時短状態に突入した場合のテーブルである。大当り終了後の高確時短状態での特図変動は上記したように161回行われる。その内訳は、まず最初の4回が特殊演出が行われる状態で、続く57回が高確時短状態の前半演出が行われる状態、その後の100回が高確時短状態の後半演出が行われる状態となっている。そして、高確時短状態から通常状態に切り替わった後、5回(通常時演出4)、25回(通常時演出3)、110回(通常時演出2)で演出内容が切り替わり、その後は通常の演出(通常時演出1)が行われる。
この場合、特図変動選択ステータスと特図変動選択カウンタには、大当り後の最初の状態として、テーブルの1件目のデータを参照して、特図変動選択ステータスに「4」を設定し、特図変動選択カウンタに「4」(確変状態に昇格してからの4回の特図変動分:規定判定回数)を設定する。そして、特図変動選択カウンタが減算され(S926)、特図変動選択カウンタの値が「0」になったら(S927でYes)、テーブルの2件目のデータを参照して、特図変動選択ステータスに「5」を設定し、特図変動選択カウンタに「57」(時短回数の残り156回〜101回分)を設定する。同様に、特図変動選択カウンタの値が「0」になる度にテーブルの次のデータを参照して、時短回数の残り100回〜0回分(特図変動選択ステータス:6、特図変動選択カウンタ:100)、時短終了後用の通常状態(低確時短無し状態)での専用演出(通常演出4)分(特図変動選択ステータス:3、特図変動選択カウンタに5)、通常時演出4後の通常時演出3分(特図変動選択ステータス:2、特図変動選択カウンタ:25)、通常時演出3後の通常時演出2分(特図変動選択ステータス:1、特図変動選択カウンタ:110)、及び、通常時演出2後の通常時演出1分(特図変動選択ステータス:0、特図変動選択カウンタ:0)の設定を行う。そして、特図変動選択カウンタに「0」が設定されると、以後はステータス移行処理(S928)は行われず、その特図変動選択ステータス(「0」)で特図変動を行う(図29、ステップS925参照)。また「ステータス移行設定テーブル1」を使用する際はアドレス設定もされ、特図変動選択ステータス移行と共にアドレスが「1」〜「7」まで変更されるように構成されている。
表2に示す「ステータス移行設定テーブル2」は、大当り終了時に低確時短状態に突入した場合のテーブルである。大当り終了後の低確時短状態での特図変動は上記したように100回行われるが、高確時短状態の場合とは異なり、その100回の特図変動は同じ状態で行われる。そして、低確時短状態から通常状態に切り替わった後は、高確時短状態から通常状態に切り替わった後と同様に、5回(通常時演出4)、25回(通常時演出3)、110回(通常時演出2)で演出内容が切り替わり、その後は通常の演出(通常時演出1)が行われる。
この場合、特図変動選択ステータスと特図変動選択カウンタには、大当り後の最初の状態として、テーブルの1件目のデータを参照して、特図変動選択ステータスに「8」を設定し、特図変動選択カウンタに「100」(時短回数100回分)を設定する。そして特図変動選択カウンタの値が0になったら(時短が終了したら)「ステータス移行設定テーブル1」と同様に、時短終了後用の通常状態(低確時短無し状態)での専用演出(通常演出4)分(特図変動選択ステータス:3、特図変動選択カウンタに5)、通常時演出4後の通常時演出3分(特図変動選択ステータス:2、特図変動選択カウンタ:25)、通常時演出3後の通常時演出2分(特図変動選択ステータス:1、特図変動選択カウンタ:110)、及び、通常時演出2後の通常時演出1分(特図変動選択ステータス:0、特図変動選択カウンタ:0)の設定を行う。また「ステータス移行設定テーブル2」を使用する際はアドレス設定もされ、特図変動選択ステータス移行と共にアドレスが「1」〜「5」まで変更されるように構成されている。
なお、「低確時短中での小当り終了時」には、小当り変動選択ステータスに9を設定し、小当り変動選択カウンタに4(規定判定回数分)を設定する。そして小当り変動選択カウンタの値が0になったら小当り変動選択ステータスが0に設定される。また「高確時短中での小当り終了時」には、小当り変動選択ステータスに7を設定し、小当り変動選択カウンタに4(規定判定回数分)を設定する。そして小当り変動選択カウンタの値が0になったら小当り変動選択ステータスが0に設定される。また、小当りの場合はアドレスは必要ないので設定されないように構成されている。そして、これら、特図変動選択ステータス、特図変動選択カウンタ、小当り変動選択ステータス、小当り変動選択カウンタを用いてステータス移行処理(S928)が実行される。
詳細には、この処理(S928)では、ステータス移行設定テーブルアドレス値に記憶されているステータス値と変動カウンタ値をロードし(S960)、ロードしたそれぞれの値を特図変動選択ステータスと特図変動選択カウンタそれぞれに設定する(S961)、つまり例えば、「ステータス移行設定テーブル1」の2件目を表すステータス移行設定テーブルアドレス値が設定されていた場合は特図変動選択ステータスに5を設定し、特図変動選択カウンタに57を設定することになる。そして、ステータス移行設定テーブルアドレス値を2加算(次の特図変動選択ステータスと特図判定回数が記憶されているステータス移行設定テーブルのアドレス値を設定)する(S692)、つまり次の3件目を表すステータス移行設定テーブルアドレス値を準備する。次いで、小当り変動選択カウンタが「0」か否か(小当り後に所定回数の変動が終わったか否か)を判定し(S963)、「0」でない場合(S963でNo)にはこの処理(S928)を抜ける。この処理によって、小当り後の規定判定回数が終了していない場合は特図変動ステータスが変更していても、ここではサブ制御回路側には送信していないため処理を軽減することになる(例:後述する図47の(A)や(E)の場合)。小当り変動選択カウンタが「0」の場合(S963でYes)には、状態指定コマンド送信処理(S964)を実行し、この処理(S928)を抜ける。
状態指定コマンド送信処理(S964)は、図31に示されていて、特図変動選択ステータスに記憶されているステータスを状態指定コマンドに格納して、状態指定コマンドを送信する。詳細には、まず、ステータスロード処理(S970)を実行する。図32に示されるステータスロード処理(S970)では、まず、ステータスのデータ値として、特図変動選択ステータスを取得し(S980)、次いで、小当り変動選択カウンタが「0」か否か(小当り後所定回数内の特図判定か否か)を判定する(S981)。そして、小当り変動選択カウンタが「0」の場合(S981でYes)には、そのまま特図変動選択ステータスをステータスのデータ値としてこの処理(S970)を抜ける。一方、小当り変動選択カウンタが「0」でない場合(S981でNo)には、ステータスのデータ値として、小当り変動選択ステータスを取得し(S982)、この処理(S970)を抜ける。この処理によって小当りと大当りによるステータスのどちらをロードするか設定しており、小当りの方が優先されるように構成されている。
図31に戻り説明すると、ステータスロード処理(S970)に次いで、ステータスロード処理(S970)で取得したステータスをRAMのデータ値2(詳細な状態データ)に設定し(S971)、状態コマンドとして「AD」(時短用)をRAMのデータ値1に設定する(S972)。次いで、周辺基板データ出力処理(S973)を実行して状態指定コマンドを送信して、状態指定コマンド送信処理(S964)を抜ける。なお、このデータ値2のステータスは、例えば、高確時短状態の前半演出は「5」、高確時短状態の後半及び低確時短状態の演出は「6」になっていて、これらのデータ値1とデータ値2とを組み合わせた「AD05H」、「AD06H」などが、遊技状態ステータスとして状態指定コマンドに設定される。そして、この遊技状態ステータスを基に、特図変動の演出内容が選択される。
図29に戻って説明を続ける。特図変動カウンタが「0」でない場合(S927でNo)及び、ステータス移行処理(S928)の実行後には、小当り変動選択カウンタが「0」か否かを判定し(S929)、「0」であった場合(S929でYes)には、この処理(S904)を抜ける。小当り変動選択カウンタが「0」でない場合(S929でNo)には、小当り変動選択カウンタを1減算し(S930)、再度小当り変動選択カウンタが「0」か否かを判定し(S931)、小当り変動選択カウンタが「0」でない場合(S931でNo)には、この処理(S904)を抜ける。小当り変動選択カウンタが「0」になった場合(S931でYes)には、改めて小当り変動選択ステータスに「0」を設定して(S933)、状態指定コマンド送信処理(S933)を行って、この処理(S904)を抜ける。この状態指定コマンド送信処理(S933)は、上記したステータス移行処理(S928)で実行される状態指定コマンド送信処理(S964)と同じである。
図28に戻って説明を続けると、指定回数減算処理(S904)に次いで、小当りか否かを判定する(S905)し、小当りでない場合には、外れ変動のクリア設定として特図動作ステータスに「0(待機)」を設定し(S910)、この処理(S153,S163)を抜ける。小当りの場合には、小当りの開始の各設定及び抽選結果に応じた各パラメータの設定を行い、特図2動作ステータスに「3」を設定して(S906)、小当りオープニングコマンドを送信する(S907)。次いで、時短状態か否かを判定し(S908)、時短状態の場合(S908でYes)にはこの処理(S153,S163)を抜ける。時短状態でない場合(通常遊技状態時)(S908でNo)には、小当り情報バッファにオンの値を設定して(S909)、この処理(S153,S163)を抜ける。
図20に戻り説明を続ける。特図2変動動作別処理(S133)における小当り処理(S164)では、小当り処理による大入賞口の開閉処理(開放・閉鎖のカウント処理等)を行い、所定時間が経過したら特図2動作ステータスを「4」に設定する。
次に、特図2変動動作別処理(S133)における小当り終了処理(S165)を、図44に基づいて説明する。この処理(S165)は、小当り遊技実施後の所定回数(4回)の特図判定に使用するカウンタ及び小当り変動ステータスをRAMに設定して、状態指定コマンド送信処理(S949)を実行する。詳細には、まず、小当りのエンディング時間が経過したか否かを判定し(S940)、経過していなかった場合(S940でNo)にはこの処理(S165)を抜ける。小当りのエンディング時間が経過した場合(S940でYes)には、まず、アドレス値に小当り終了2設定テーブルのアドレスを設定し、特図2動作ステータスに「0」を設定する(S941)、次いで、データ格納処理(S942)及び時短フラグ判定処理(S943)を行う。次いで、時短状態か否かを判定し(S944)、時短状態の場合(S944でYes)には、小当り変動選択ステータスに「9」を設定し(S945)、小当り変動選択カウンタに「4」を設定する(S946)。次いで、確変状態か否かを判定し(S947)、確変状態の場合(S947)には、小当り変動ステータスに「7」を設定する(S948)。時短状態でない場合(S944でNo)、確変状態でない場合(S947)、及びステップ948の処理後には、状態指定コマンド送信処理(S949)を実行して、この処理(S165)を抜ける。なお、この状態指定コマンド送信処理(S949)は、上記した状態指定コマンド送信処理(S933,S964)と同じである。
次に、図11に示す大当り動作処理(S131)を、図33に基づいて説明する。なお、この処理(S131)でも、「特図1」と「特図2」をあわせて「特図」と記載している。この処理(S131)では、まず、上大入賞口内処理(S170)を実行し、次いで、特図動作ステータスを判定し(S171)、処理を分岐する。特図動作ステータスが「4(大当り開始)」である場合(S171で「4」)には大当り開始処理(S172)を行い、特図動作ステータスが「5(大入賞口開放)」である場合(S171で「5」)には大入賞口開放処理(S173)を行い、特図動作ステータスが「6(大入賞口閉鎖1)」である場合(S171で「6」)には大入賞口閉鎖1処理(S174)を行い、特図動作ステータスが「7(大入賞口閉鎖2)」である場合(S171で「7」)には大入賞口閉鎖2処理(S175)を行い、特図動作ステータスが「8(大当り終了)」である場合(S171で「8」)には大当り終了処理(S176)及び小当り終了処理(S165)を行う。
図34に示される上大入賞口内処理(S170)では、遊技球が第2大入賞口31(フローチャートでは「上大入賞口」と表記する)に入賞した後に、V入賞孔45B(フローチャートでは「確変領域」と表記する)を通過したかどうかの判定を行う。詳細には、まず、第2大入賞口31に入賞可能か否か(大当り動作中かつ、ラウンドカウンタが「13」又は「15」か否か)を判定し(S710)、第2大入賞口31に入賞可能でない場合(S710でNo)はこの処理(S170)を抜ける。第2大入賞口31に入賞可能の場合(S710でYes)は、V入賞孔45B通過の検出判定の有効無効を切り替える確変領域ソレノイド動作処理(S711)を実行する。
確変領域ソレノイド動作処理(S711)に次いで、遊技球がV入賞孔45Bを通過したか否か(確変領域スイッチを検知したか否か)を判定する(S712)。V入賞孔45Bを通過していない場合(S712でNo)には、この処理(S170)を抜ける。遊技球がV入賞孔45Bを通過した場合(S712でYes)には、V入賞孔45Bが遊技球の通過を検出するか否か(確変領域有効フラグがONか否か)を判定し(S713)、遊技球の通過を検出しない場合(S713でNo)には、この処理(S170)を抜ける。V入賞孔45Bが遊技球の通過を検出する場合(S713でYes)には、確変領域通過フラグをONし(S714)、この処理(S170)を抜ける。即ち、遊技球がV入賞孔45Bを通過し、かつV入賞孔45Bが遊技球の通過を検出する状態になっている場合にのみ、遊技球のV入賞孔45B通過は有効になる。
次に、大当り動作処理(S131)(図33参照)における大当り開始処理(S172)を、図35に基づいて説明する。この処理(S172)では、大当り遊技のラウンド設定及びラウンドに対応した大入賞口の設定を行う。詳細には、まず、オープニング時間が終了したか否か(大当りオープニングを開始してから大当りオープニングコマンドに設定された所定の時間が経過したか否か)を判定する(S730)。オープニング時間が終了していない場合(S730でNo)には、この処理(S172)を抜ける。オープニング時間が終了した場合(S730でYes)には、ラウンド設定処理(S731)を行う。
図36に示すように、ラウンド設定処理(S731)では、まず、ラウンドが残っているか否か(ラウンド有効回数が1以上か否か)を判定し(S740)、ラウンドが残っていない場合(S740でNo)には、この処理(S731)を抜ける。ラウンドが残っている場合(S740でYes)には、ラウンド回数を1加算し(S741)、ラウンド有効回数を1減算して(S742)、この処理(S731)を抜ける。本実施形態では、ラウンド回数の初期値は「0」に、ラウンド有効回数の初期値は「15」に設定されている。
図35に示すように、ラウンド設定処理(S731)に次いで、大入賞口動作設定処理(S732)を行う。この処理(S732)では、図37に示すように、まず、ラウンド数に対応して、開放する大入賞口の設定を行う(S750)。具体的には、ラウンド回数が「1」〜「12」及び「14」の場合には下大入賞口(第1大入賞口15、可動扉15T)の設定を行い、ラウンド回数が「13」又は「15」の場合には上大入賞口(第2大入賞口31、開閉扉32)の設定を行う。次いで、大当りの種類に対応した大入賞口ラウンドの設定を行う(S751)。具体的には、そのラウンドにおける可動扉15T、開閉扉32、及びV入賞孔45Bへの入賞を規制するスライド蓋46の開閉態様を設定する。なお、上記したように、本実施形態のパチンコ遊技機では、特典無し大当り時には遊技球が第2大入賞口31に進入可能なタイミングのほとんどでスライド蓋46が閉鎖されており、遊技球がV入賞孔45Bを通過することがない(困難になる)ように構成されている。また、大当りの種類によっては大入賞口の開放パターン(時間)が異なる(例:所定ラウンドで複数回開放放するパターンや1回しか開放しないパターンなど)場合があり、その際の開放或いは閉鎖の時間を大入賞口動作カウンタによって管理している。
大入賞口ラウンドの設定(S751)に次いで、大入賞口ラウンドの設定(S751)で設定した大入賞口が上大入賞口か否か(ラウンド回数が「13」又は「15」か否か)を判定する(S752)。上大入賞口の設定を行っていない場合(S752でNo)には、この処理(S732)を抜ける。大入賞口ラウンドの設定(S751)で上大入賞口の設定を行った場合(S752でYes)には、RAMから確変領域動作カウンタ値をロードし(S753)、スライド蓋46の動作時間(確変領域動作カウンタに対応した実行時間)をRAMに設定する(S754)。なお、確変領域動作カウンタはラウンドの開始からの時間経過によってカウントアップされ、その初期値は「0」になっている。その後、この処理(S732)を抜ける。
図35に戻り、大入賞口動作設定処理(S732)に次いで、動作ステータスを「5(大入賞口開放)」に設定して(S733)、大当り開始処理(S172)を抜ける。以上が、大当り開始処理(S172)の説明である。
次に、大当り動作処理(S131)(図33参照)における大入賞口開放処理(S173)を、図38に基づいて説明する。この処理(S173)では、ラウンドの終了判定と、開閉扉32の開閉動作の設定を行う。詳細には、まず、大入賞口スイッチ検出処理(S760)を行う。大入賞口スイッチ検出処理(S760)では、図39に示すように、遊技球が大入賞口に入賞したか否かを判定し(S770)、遊技球が大入賞口に入賞していない場合(S770でNo)には、この処理(S760)を抜ける。遊技球が大入賞口に入賞した場合(S770でYes)は大入賞口入賞個数を1加算し(S771)、この処理(S760)を抜ける。
図38に示すように、大入賞口スイッチ検出処理(S760)に次いで、大入賞口入賞個数が規定個数に達したか否か(フロー上では10個以上か否か)を判定し(S761)、規定個数に達していない場合(S761でNo)には、ラウンド時間が経過したか否かを判定する(S762)。
大入賞口入賞個数が規定個数に達しておらず、かつラウンド時間が経過していない場合(S761でNo、かつS762でNo)、即ちラウンド継続中の場合には、第2大入賞口31の設定がされているか否か(ラウンド回数が「13」又は「15」か否か)を判定し(S763)、第2大入賞口31の設定がされている場合(S763でYes)には、第2大入賞口31の動作時間が経過しているか判定する(S764)。第2大入賞口31の動作時間が経過している場合(S764でYes)には、上大入賞口動作カウンタを1減算し(S765)、上大入賞口での大当り遊技が終了したか否か(上大入賞口動作カウンタが「0」か否か)を判定する(S766)。上大入賞口での大当り遊技が継続している場合(S766でNo)には、上大入賞口開閉設定処理(S767)を行う。上大入賞口開閉設定処理(S767)では、図40に示すように、上大入賞口動作カウンタをロードし(S780)、上大入賞口動作カウンタ及び大当りの種類に対応した第2大入賞口31の動作時間を設定し(S781)、上大入賞口開閉設定処理(S767)を抜ける。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10の第2大入賞口31の動作は、特典有り大当りの場合は開放29.5(秒)で閉鎖0.5(秒)、特典無し大当りの場合は開放0.04(秒)で閉鎖0.5(秒)になっている。
図38に示すように、第2大入賞口31の設定がされていない、又は第2大入賞口31の動作時間が経過していない、又は上大入賞口動作カウンタが「0」の場合(S763でNo、又はS764でNo、又はS766でYes)、には、大入賞口開放処理(S173)を抜ける。また、大入賞口入賞個数が規定個数に達する、又はラウンド時間が経過した場合(S761でYes又はS762でYes)には、ラウンドが終了したものとして、後述する大入賞口閉鎖1で使用するデータ(例えば、大入賞口閉鎖1時間)を設定し(S768)、動作ステータスに「6(大入賞口閉鎖1)」を設定して(S769)、この処理(S173)を抜ける。以上が、大入賞口開放処理(S173)の説明である。
次に、特図1大当り動作処理(S131)(図33参照)における特図1大入賞口閉鎖1処理(S174)を、図41に基づいて説明する。この処理(S174)では、所定の時間待機を行う。詳細には、この処理(S174)では、まず、大入賞口閉鎖1時間が終了したか否か(大入賞口閉鎖1時間を設定してから、大入賞口閉鎖1のデータに設定された所定の時間が経過したか否か)を判定する(S790)。大入賞口閉鎖1時間が終了していない場合(S790でNo)には、この処理(S174)を抜ける。大入賞口閉鎖1時間が終了した場合(S790でYes)には、大入賞口閉鎖2のデータ(例えば、大入賞口閉鎖2時間)を設定し(S791)、動作ステータスに「7(大入賞口閉鎖2)」を設定して(S792)、この処理(S174)を抜ける。
次に、特図1大当り動作処理(S131)(図33参照)における大入賞口閉鎖2処理(S175)を、図42に基づいて説明する。この処理(S175)では、残ラウンドがある場合には次ラウンドの設定を行い、残ラウンドがない場合は大当りエンディングに必要な設定を行う。詳細には、まず、大入賞口閉鎖2時間が終了したか否か(大入賞口閉鎖2時間を設定してから、大入賞口閉鎖2のデータに設定された所定の時間が経過したか否か)を判定する(S800)。大入賞口閉鎖2時間が終了していない場合(S800でNo)には、この処理(S175)を抜ける。
大入賞口閉鎖2時間が終了した場合(S800でYes)には、ラウンドが残っているか否か(ラウンド有効回数が「0」か否か)を判定し(S801)、ラウンドが残っている場合(S801でNo)には、次ラウンドの設定として、ラウンド設定処理(S802)を行い、大入賞口動作設定処理(S803)を行い、動作ステータスに「5(大入賞口開放)」を設定して(S804)、この処理(S175)を抜ける。このラウンド設定処理(S802)及び大入賞口動作設定処理(S803)は、上記した大当り開始処理(S172)におけるラウンド設定処理(S731)及び大入賞口動作設定処理(S732)と同じである。
ラウンドが残っていない場合(S801でYes)には、大当りエンディングコマンド(以下、適宜「大当りEDコマンド」という)にデータを設定し(S805)、動作ステータスに「8(大当り終了)」を設定し(S806)、大当りEDコマンドをRAMの出力バッファにセットして(S807)、この処理(S175)を抜ける。以上が、大入賞口閉鎖2処理(S175)の説明である。
次に、大当り動作処理(S131)(図33参照)における大当り終了処理(S176)を、図43に基づいて説明する。この処理(S176)では、大当りエンディングの終了後に、大当り遊技後の遊技状態の設定を行い、大当り動作で使用したフラグやカウンタの初期化を行う。詳細には、まず、大当りエンディングが終了したか否か(大当りエンディングを開始してから大当りEDコマンドに設定された所定の時間が経過したか否か)を判定する(S810)。大当りエンディングが終了していない場合(S810でNo)には、この処理(S176)を抜ける。
大当りエンディングが終了している場合(S810でYes)には、大当り遊技後のステータス移行設定テーブルとして機能アドレステーブル1(高確時短状態用テーブル:「ステータス移行設定テーブル1」)を設定する(S811)。次いで、V入賞孔45Bに遊技球が入賞したか否か(確変領域通過フラグがONか否か)を判定し(S812)、入賞していなかった場合(S812でNo)には大当り遊技後のステータス移行設定テーブルとして機能アドレステーブル2(低確時短状態用テーブル:「ステータス移行設定テーブル2」)を設定する(S813)。つまりここでは、一旦高確時短用のテーブルを設定しておいてから、確変領域を通過していなければ低確時短用のテーブルに変更する処理が行われる。そして、大当り遊技後のステータス移行設定テーブルを設定した後(S812でYes、S813の後)、そのステータスステータス移行設定テーブルの値を取得してRAMにセットし(S814)、ステータス移行処理(S815)を実行して、この処理(S176)を抜ける。このステータス移行処理(S815)は、上記した、指定回数減算処理(S904、図29参照)におけるステータス移行処理(S928)と同じである。またここで、特図変動選択ステータスに対応した特図変動選択カウンタが設定される。以上が、特別動作処理(S14)における大当り動作処理(S131)の説明である。
図7に戻って説明を続けると、上述した特別動作処理(S14)に次いで保留球数処理(S15)が行われる。この処理(S15)は、図45に示されており、特図1保留球数(特別図柄1の変動表示の保留回数)、特図2保留球数(特別図柄2の変動表示の保留回数)、及び普通図柄保留球数(普通図柄の変動表示の保留回数)をRAMからロードし(S825)、それら保留球数のデータを、保留コマンドとしてRAMの出力バッファにセットする(S826)。
保留球数処理(S15)に次いで行われる電源断監視処理(S16)は、図46に示されており、電源断信号が入力した(本実施例では、電源断状態が12ms続いた)か否かを判定する(S830)。そして、電源断信号が入力していれば(S830でYes)、現在のデータをRAMへバックアップし(S831)、電源断フラグをONする(S832)。
図7に示すように、割り込み処理(S5)では、電源断監視処理(S16)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S17)を実行して、割り込み処理(S5)から抜ける。そして、図6に示すように、次に割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜S4の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、割り込み処理(S5)を実行する。すると、上述の如く、前回の割り込み処理(S5)においてRAMの出力バッファにセットされた各種コマンドが、次に実行された割り込み処理(S5)のコマンド処理(S10)において出力される。以上が、主制御回路の内部処理に関する説明である。
上記した、主制御回路メインプログラムPG1によって、大当り遊技後の高確時短状態及び低確時短状態の各タイミングで、状態指定コマンドとして送信される遊技状態ステータスを図47に示す。図47の横軸は時短状態における特図判定の残回数を表していて、上段に高確時短状態(161回)、下段に低確時短状態(100回)が示されている。ここで、高確時短状態では、最初の4回(残り161回〜157回)の特図変動、57回(残り156回〜101回)の特図変動、100回(残り100回〜0回)の特図変動で、それぞれ異なる選択肢から演出が選択され、低確時短状態では100回の変動で共通の選択肢から演出が選択される。また、高確時短状態及び低確時短状態での小当り後の4回の特図変動では、それぞれ更に異なる選択肢から演出が選択される。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、低確時短状態の100回の特図変動の演出は、高確時短状態の100回の特図変動の演出と類似したものになっている。そして、それぞれの特図変動の演出の選択肢に、例えば、高確時短状態の最初の4回の特図変動では「AD04H」、低確時短状態の特図変動では「AD08H」、などの遊技状態ステータス(コマンド)が対応付けられている。また、本実施例では高確時短状態(161回)及び低確時短状態(100回)と小当り後の4回の計数は別々に管理(カウント)するように構成されている。
図47の(A)〜(N)はそれぞれ小当り後の4回の特図変動を表していて、その上部にはそれぞれのタイミングで送信される状態指定コマンドの遊技状態ステータスが示されている。左側の値は、それぞれ小当り変動時の指定回数減算処理(S904)と小当り終了処理(S165)で送信される遊技状態ステータス(即ち、小当り遊技実施後1回目の特図変動時に使用される遊技状態ステータス)を表し、右側の値は小当り遊技実施後の4回目の特図変動時の指定回数減算処理(S904)で送信される遊技状態ステータス(即ち、小当り遊技実施後5回目の特図変動時に使用される遊技状態ステータス)を表している。例えば、(A)は、小当り変動時の指定回数減算処理(S904)では状態指定コマンド自体が送信されず、その後の小当り終了処理(S165)で遊技状態ステータスとして「AD07H」が送信(高確時短状態の最初の4回の特図変動では「AD04H」を先に送信しているため「AD04H」は送信しない)されること、そして、小当り遊技実施後の4回目の特図変動時の指定回数減算処理(S904)で遊技状態ステータスとして「AD05H」が送信されることを表している。また、その4回の特図変動の間に高確時短状態の計数は同時に進行しており、最初の4回(残り161回〜157回)の特図変動から57回(残り156回〜101回)の特図変動に切り替わる場合、小当り遊技実施後の4回中でなければ切り替わるタイミングで遊技状態ステータスとして「AD05H」を送信するが、小当り遊技実施後の4回の間で切り替わる場合(特図変動選択ステータスが変更し、ステータスを跨ぐ場合)は送信せずに、4回終了後に送信するように構成されている。また小当り遊技実施後の4回後に現在の状態を送信することで4回の終了と現在の状態をサブ制御回路側が認識することが可能となる。このように構成することで、状態の変化時に送信の重複を抑制することが可能となる。また本構成では高確時短状態(161回)及び低確時短状態(100回)と小当り後の4回の計数は別々に管理(カウント)しているため、小当り遊技実施後の4回が終了した後でも同時進行している高確時短状態(161回)及び低確時短状態(100回)のカウント状態に戻すことが可能になっている。また、(B)は、小当り変動時の指定回数減算処理(S904)では遊技状態ステータスとして「AD05H」が送信され、その後の小当り終了処理(S165)で遊技状態ステータスとして「AD07H」が送信されること、即ち、指定回数減算処理(S904)で送信された遊技状態ステータスは直後に上書きされ、小当り変動後の1回目の特図変動時の遊技状態ステータスは「AD07H」となることを表している。
このように構成することにより、高確時短状態になった後の4回の特図変動では遊技状態ステータスには「AD04H」が設定され、高確時短状態で小当りになった場合((A)〜(I)には、遊技状態ステータスとして共通の値(「AD07H」)が設定され、低確時短状態で小当りになった場合((K)〜(M))には遊技状態ステータスとして共通の値(「AD09H」)が設定される。そして、小当り遊技実施後の4回目の特図変動が終わった後は、時短状態の残りの特図変動回数に応じた遊技状態ステータス(「AD05H」、「AD06H」、「AD08H」)が設定される((A)〜(G)、(K))。また、小当り遊技実施後の4回目の特図変動で時短状態が終わった場合、及び、小当り遊技実施後の4回目の特図変動が終わる前に時短状態が終わった場合は、小当り遊技実施後の4回を消化しない状態で通常状態の遊技状態ステータス(「AD03H」)が設定される((H)〜(J)、(L)〜(N))。そして、これらの遊技状態ステータスが「AD04H」、「AD07H」、「AD09H」のときの特図判定で大当りになると特殊演出が行われる。
即ち、非確変状態(通常状態及び低確時短状態)から高確時短状態に昇格した後、及び、小当り遊技実施後の所定複数回(4回)の特図判定で大当りになった場合に特殊演出を実行することが可能となる。そして、小当り遊技の実施後の4回の特図判定が終わる前に遊技状態が切り替わる場合でも、遊技状態が時短状態の場合にのみ特殊演出が行われるようにすることが可能となり、また、その4回の特図判定が終わった後の特図判定の報知演出を遊技状態に応じたものにすることが可能となる。それに加えて、確変状態に切り替わった後に行われる特図判定の回数を計数する高確カウンタと、小当り遊技の実施後に行われる特図判定の回数を計数する小当り変動選択カウンタと、確変状態中に特図判定で連続して外れとなる回数を計数する時短カウンタとを別個に備えたので遊技の制御が容易になる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、第1と第2の条件、或いは、第3と第4の条件が成立したときにはそれぞれ特殊演出を行っていたが、例えば、第1と第2の条件が成立したときには90%の確率で特殊演出を行い、第3と第4の条件が成立したときには60%の確率でそれに類似した特殊演出を行うなど、条件が成立したときに所定の確率で特殊演出を行うようにしてもよい。
(2)前記実施形態では、非確変状態(通常状態及び低確時短状態)から高確時短状態に昇格した後及び小当り遊技実施後で、大当りになったときに特殊演出が実行される特図判定の回数(4回)は同じであったが、例えば、高確時短状態に昇格した後は5回、小当り遊技実施後は3回など、回数が異なっていてもよい。
(3)前記実施形態の特殊演出は、押下操作部76の操作を要求する演出であったが、操作を要求しない演出であってもよい。
(4)前記実施形態では、大当り遊技に比べて小当り遊技の実行頻度が低かったが、同じであってもよいし、高くてもよい。さらには、例えば、非確変状態での大当り遊技の実行頻度より高く、確変状態での大当り遊技の実行頻度より低いなど、遊技状態によって大当り遊技に比べた小当り遊技の実行頻度の高低が異なっていてもよい。
[上記実施形態及び上記他の実施形態の構成のまとめ]
上記実施形態及び上記他の実施形態には、以下の[1]〜[5]の構成が含まれている。
[1]
遊技球が流下する遊技領域を有した遊技板と、
前記遊技領域に設けられ、前記遊技球が入賞し易い開状態と、前記遊技球が入賞し難い閉状態とに切り替わり、通常は、前記閉状態に維持されている大入賞口と、
予め定められた判定条件の成立に起因して当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定の当りに起因して、前記大入賞口を予め決められた第1開放回数でかつ予め決められた第1開放時間だけ前記開状態にすることが可能な大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
前記当否判定の判定結果に起因して、前記大入賞口を、前記第1開放回数より少ない回数又は前記第1開放時間より短い時間だけ前記開状態にすることが可能な小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、
前記小当り遊技の実行後、予め設定された規定判定回数以内の前記当否判定で当りになったことを少なくとも条件の1つにして特殊演出を実行する特殊演出実行手段を備えたことを特徴とする遊技機。
[1]の遊技機では、小当り遊技の実行後、規定判定回数以内の当否判定で当りになったことを少なくとも条件の1つにして特殊演出を実行するので、特殊演出を期待して小当り遊技を意識するようにすることが可能となる。そして、小当り遊技後において、規定判定回数以内の当否判定で当りになるか否かの遊技も楽しむなどの特典を与えることが可能となる。
[2]
前記大当り遊技に比べて前記小当り遊技の実行頻度が低いことを特徴とする[1]に記載の遊技機。
[2]の遊技機では、大当り遊技に比べて小当り遊技が実行される確率が低いので、特殊演出の希少価値を高くすることが可能となる。
[3]
前記特殊演出は、遊技者に遊技機に設けられた操作部の操作を要求する演出であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の遊技機。
[3]の遊技機では、特殊演出は、遊技者に遊技機に設けられた操作部の操作を要求する演出であるので、遊技者の記憶・感覚に残りやすくさせることが可能となる。
[4]
前記当否判定の判定結果に起因して、遊技状態を前記当否判定の当り確率が比較的高い確変状態と前記当否判定の当り確率が比較的低い非確変状態とに切り替える遊技状態切替手段を備え、
前記特殊演出実行手段は、前記小当り遊技の実行後、前記規定判定回数以内の前記当否判定で当りにならなくても、前記非確変状態から前記確変状態に切り替わった後、前記規定判定回数以内の前記当否判定で当りになったことを少なくとも条件の1つとして前記特殊演出を実行することを特徴とする[1]乃至[3]の何れか1に記載の遊技機。
[4]の遊技機では、遊技機が非確変状態から確変状態に切り替わった後、規定判定回数以内の当否判定で当りになったことを少なくとも条件の1つとしても特殊演出が実行されるので、確変状態への昇格と小当り遊技の実行とが関連づけられ、小当り遊技後だけでなく確変状態への昇格後でも特殊演出が出現することを期待した遊技を行うことが可能となる。
[5]
遊技領域に設けられ、前記遊技球が入賞し易い開状態と、前記遊技球が入賞し難い閉状態とに切り替わり、通常は、前記閉状態に維持される可変始動入賞口と、予め定められた始動開放判定条件が成立したときに、前記可変始動入賞口を開放するか否かの始動開放判定を行う始動開放判定手段とが備えられ、前記当否判定手段は、前記可変始動入賞口への前記遊技球の入賞に起因して前記当否判定を行うように構成され、
遊技状態には、非時短状態と、非時短状態に比べて、前記始動開放判定の判定結果報知に要する時間が短く、かつ、前記始動開放判定で当りになったときの前記可変始動入賞口の開放時間が長くなる時短状態とが含まれ、
前記特殊演出実行手段は、前記時短状態であることを少なくとも条件の1つにして前記特殊演出を実行することを特徴とする[1]乃至[4]の何れか1に記載の遊技機。
[5]の遊技機では、時短状態であることを少なくとも条件の1つとしても特殊演出が実行されるので、時短状態でかつ小当りした場合に、特殊演出が出現することを期待した遊技を行うことが可能となる。