JP6361453B2 - レーザー溶接方法及びレーザー溶接装置 - Google Patents

レーザー溶接方法及びレーザー溶接装置 Download PDF

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Description

本発明は、レーザー溶接方法及びレーザー溶接装置に関する。
リチウムイオン二次電池等の電池は、電極組立体及び電解液等が密閉の金属製の容器(電槽缶)に収容される。この容器は、有底の筒状の本体と蓋からなり、本体と蓋とがレーザー溶接によって接合される。本体と蓋とをレーザー溶接により接合する封缶技術としては、例えば、特許文献1に、レーザー光をワークに対して傾斜させて照射し、ワークで反射した反射光を球面反射鏡で反射させてワークに再度照射することが開示されている。この反射されたレーザー光は、ワークの溶融に先行してワーク表面の油脂汚れの除去などを行い、スパッタの発生を抑制する。
実公平4−28709号公報
本体と蓋とをレーザー溶接しているときに、溶接している箇所の反対側において本体と蓋とが僅かに離れる場合がある。これは、レーザー溶接の熱が溶接箇所以外にも伝わり、蓋が部分的に熱変形(熱膨張)することによる。特に、この問題は、蓋が細長い長方形をなす場合など、蓋の形状が一方向に長く延びている場合により顕著になる。本体と蓋とが離れた状態で溶接すると、本体と蓋との接合強度が低下する。これを防止するために、本溶接の前に、所定の複数箇所を仮溶接することも考えられる。しかし、本溶接の前に仮溶接の作業を行うと、溶接工程(封缶工程)全体に要する時間が長くなる。特許文献1では、反射光を有効に利用してスパッタを抑制するが、反射光が照射される箇所は溶接箇所から僅かに先行する近接位置であるため、蓋の一部に加わる熱量が増加し、蓋の熱変形がより顕著になる。
そこで、本発明は、上記の不都合無く、本体と蓋との接合強度の低下を抑制できるレーザー溶接方法及びレーザー溶接装置を提案することを課題とする。
本発明の一側面に係るレーザー溶接方法は、金属製の容器を構成する本体と蓋とをレーザー溶接で接合するレーザー溶接方法であって、レーザー光を本体と蓋との境界部に沿って照射箇所を移動させつつ照射するレーザー光照射工程と、レーザー光照射工程で照射されたレーザー光が照射箇所で反射した反射光を可動式の反射ミラーで境界部に向けて反射させる反射工程とを含み、反射工程は、反射ミラーを動かして境界部における照射箇所よりも移動経路上前方の所定の箇所に反射させた反射光の焦点を結ばせる。
このレーザー溶接方法では、可動式の反射ミラーにより、照射箇所で反射した反射光を照射箇所よりも移動経路上前方の所定の箇所で焦点を結ぶように反射させる。これにより、反射光を利用して本溶接の箇所よりも前方の箇所を仮溶接し、本体と蓋との接合強度の低下を抑制できる。
一実施形態のレーザー溶接方法では、反射工程は、所定の箇所に反射させた反射光の焦点を所定時間結ばせる。これにより、反射光を用いて確実に仮溶接できる。
一実施形態のレーザー溶接方法では、容器は、略直方体形状であり、境界部は、長辺部と短辺部を有する略長方形状であり、所定の箇所は、照射箇所が長辺部の一端側に位置しているときに、長辺部の他端側の箇所である。長辺部は溶接する部分が長く、照射箇所より前方側において本体と蓋とが離れ易いので、長辺部の他端側の所定の箇所を仮溶接する。
本発明の一側面に係るレーザー溶接装置は、金属製の容器を構成する本体と蓋とをレーザー溶接で接合するレーザー溶接装置であって、レーザー光を本体と蓋との境界部に沿って照射箇所を移動させつつ照射するレーザー光照射部と、レーザー光照射部で照射されたレーザー光が照射箇所で反射した反射光を境界部に向けて反射させる反射ミラーと、反射ミラーを回転させる回転部と、反射ミラーを上下移動させる上下移動部と、回転部及び上下移動部を制御する制御部とを備え、制御部は、境界部における照射箇所よりも移動経路上前方の所定の箇所に反射させた反射光が焦点を結ぶように回転部及び上下移動部を制御する。
このレーザー溶接装置では、回転部で反射ミラーを回転させることにより反射ミラーでの反射光の入射角度を調整するとともに、上下移動部で反射ミラーを上下移動させることにより反射ミラーの境界部からの高さ位置を調整する。この調整された反射ミラーによって反射光を照射箇所よりも移動経路上前方の所定の箇所で焦点を結ぶように反射させることにより、所定の箇所を仮溶接できる。
一実施形態のレーザー溶接装置では、反射ミラーは、曲率を有するミラーである。曲率を有する反射ミラーを用いることにより、反射光を集光でき、所定の箇所に焦点を結ばせることができる。
本発明によれば、反射光を利用して仮溶接し、本体と蓋との接合強度の低下を抑制できる。
一実施形態に係るレーザー溶接装置を模式的に示す図である。 図1のレーザー溶接装置での動作の流れを示す図であり、図2(a)及び図2(b)が仮溶接中であり、図2(c)が仮溶接終了後である。 リチウムイオン二次電池を模式的に示す図であり、図3(a)が断面図であり、図3(b)が平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るレーザー溶接方法及びレーザー溶接装置を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態では、角型の電池の製造過程において電槽缶(金属製の容器)を封缶溶接するレーザー溶接装置に適用する。電池は、例えば、二次電池、電気二重層キャパシタ等の蓄電装置である。二次電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。また、製造される電池は、一次電池でもよい。この実施形態では、リチウムイオン二次電池とする。なお、角型の電池以外にも、円筒型等の他の形状の電池に適用してもよい。
レーザー溶接装置1について説明する前に、図3を参照してリチウムイオン二次電池について説明しておく。図3は、リチウムイオン二次電池を模式的に示す図であり、図3(a)が断面図であり、図3(b)が平面図である。リチウムイオン二次電池Aは、電槽缶B及びその電槽缶B内に収容される電極組立体Cを備えており、電槽缶B内に電解液Dが注入される。
電槽缶Bは、略直方体形状である。電槽缶Bは、金属製であり、例えば、アルミニウム製、アルミニウム合金製である。電槽缶Bは、有底の角筒状の本体Baと、本体Baの開口部を覆う蓋Bbとからなる。本体Baは、略矩形平板状の底板と、底板の4辺から鉛直方向上方にそれぞれ延びる略矩形平板状の4つの側板とから構成される。本体Baの上端には、内側に段差部Bcが設けられている。蓋Bbは、略矩形平板状である。蓋Bbは、本体Baの上端の開口部と同じ形状であり、開口部の大きさよりも若干小さい。蓋Bbは、本体Baの段差部Bcに載置される。電槽缶Bは、この本体Baと蓋Bbによって内部に略直方体形状の密閉空間が形成される。蓋Bbには、正極端子Eと負極端子Fが取り付けられている。その各取り付け箇所には、絶縁リングEa,Faが設けられる。
なお、レーザー溶接装置1では、この本体Baと蓋Bbとの境界部Gの全周をレーザー溶接し、本体Baと蓋Bbとを接合する。この境界部Gは、図3(b)に示すように、長辺部G1と短辺部G2を有する略長方形状である。長辺部G1の一端側で溶接を開始すると、その長辺部G1の溶接箇所から前方側において本体Baと蓋Bbとが僅かに離れる場合がある。電槽缶Bは金属製であり、特に、蓋Bbが熱伝導に優れたアルミニウム製又はアルミニウム合金製の場合、レーザー溶接により付加された熱が溶接箇所の周囲に伝わる。このため、長辺部G1の一端側で連続して溶接を行うと、蓋Bbが熱膨張により長辺部G1の他端側に対し伸びる。長辺部G1が長いほど、熱膨張による伸び量が大きくなり、本体Baと蓋Bbとが離れ易い。本体Baと蓋Bbとが離れた状態で溶接すると、その部分の接合強度が低下する。そこで、レーザー溶接装置1では、長辺部G1の一端側を本溶接しているときに、長辺部G1の他端側の任意の箇所を仮溶接する。仮溶接する箇所は、少なくとも1箇所であり、2箇所以上でもよい。短辺部G2は短いので、短辺部G2の一端側を溶接しても、溶接(特に、接合強度)に影響を及ぼすほど本体Baと蓋Bbとが離れることはない。そこで、レーザー溶接装置1では、短辺部G2については仮溶接を行わない。
電極組立体Cは、正極、負極及び正極と負極とを絶縁するセパレータを備えており、正極と負極及びセパレータが積層されて構成されている。正極は、金属箔と、金属箔の少なくとも一面に形成された正極活物質層からなる。正極は、金属箔の端部に正極活物質層が形成されていないタブCaを有する。タブCaは、正極の上端部に設けられており、導電部材Cbを介して正極端子Eに電気的に接続される。負極は、金属箔と、金属箔の少なくとも一面に形成された負極活物質層からなる。負極は、金属箔の端部に負極活物質層が形成されていないタブCcを有する。タブCcは、負極の上端部に設けられており、導電部材Cdを介して負極端子Fに電気的に接続される。セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させる。
正極、負極は、薄いシート状であり、長方形状の活物質層とその上端部にタブCa,Ccの部分を有する形状である。セパレータは、薄いシート状又は袋状であり、長方形状である。電極組立体Cは、この形状の多数の正極と負極とがセパレータを挟んだ状態で積層されており、上端部に各電極のタブCa,Ccを有する略直方体形状の積層構造体である。
それでは、図1を参照して、レーザー溶接装置1について説明する。図1は、レーザー溶接装置を模式的に示す図である。レーザー溶接装置1は、レーザー光を熱源として電槽缶Bの本体Baと蓋Bbとの境界部Gを溶接し、本体Baと蓋Bbとを接合する。特に、レーザー溶接装置1は、本溶接のレーザー光の反射光を利用して、境界部Gの長辺部G1の本溶接している箇所よりも前方の箇所を仮溶接する。レーザー溶接装置1は、レーザー光照射部2、反射ミラー3、回転部4、上下移動部5、制御部6を備えている。
レーザー光照射部2は、レーザー光L1を本体Baと蓋Bbとの境界部Gに沿って移動させつつ照射する。レーザー光照射部2は、従来の周知のレーザー機器を用いて構成され、例えば、ファイバーレーザーを用いて構成されるのが好ましく、電槽缶Bがアルミニウムからなる場合には半導体レーザー、YAGレーザー等を用いて構成されてもよい。ファイバーレーザーの場合、レーザー光の波長は1.07μmである。また、Nd:YAGレーザーは、レーザー光の波長が1.06μm程度であり、溶接加工に好ましい波長である。
レーザー光照射部2は、例えば、レーザー光発振器、光学系、移動部等を有している。レーザー光発振器は、所定の波長のレーザー光L1を発振する。光学系は、レーザー光発振器で発振されたレーザー光L1を境界部Gの面Gaに対して傾斜させ、レーザー光L1を面Gaに対して所定角度で入射させる。また、光学系は、レーザー光L1を集光し、面Ga上でレーザー光L1の焦点を結ばせる。この面Ga上でのレーザー光のスポット径は非常に小さい径なので、高密度のエネルギーが得られる。レーザー光照射部2をファイバーレーザーで構成した場合、レーザー光L1を集光する集光レンズは必要なく、レーザー光L1を面Gaに対して容易に傾斜させことができる。移動部は、照射するレーザー光L1を境界部Gに沿って移動させる。移動部では、例えば、光学系の一部又は全部を移動させることによってレーザー光L1の照射箇所を移動させる。移動部は、例えば、電気エネルギー等を並進運動に変換するアクチュエータによって構成される。レーザー光照射部2は、制御部6よって制御される。なお、移動部は、照射するレーザー光を移動させるのでなく、本体Ba及び蓋Bbを移動させてもよい。図1では、レーザー光L1の照射箇所の移動方向を、矢印Mで示している。境界部Gの長辺部G1においては、移動方向Mにおけるレーザー光L1の照射箇所よりも前方の所定の箇所が仮溶接箇所となる。したがって、この仮溶接箇所は、境界部Gにおける照射箇所よりも移動経路上前方の所定の箇所である。
レーザー光照射部2で境界部Gの面Gaにレーザー光L1を照射すると、レーザー光L1の高密度のエネルギーを熱源として、本体Baと蓋Bbとが溶接(本溶接)される。しかし、この照射されたレーザー光L1のうち多くのレーザー光は、面Gaで反射し、散乱する。例えば、電槽缶Bがアルミニウムからなり、レーザー光照射部2がファイバーレーザーで構成される場合、レーザー光は略90%反射する。以下では、この反射したレーザー光を、反射光L2と呼ぶ。
反射ミラー3は、反射光L2を境界部Gに向けて反射させる。反射ミラー3は、散乱している反射光L2を集光するために、所定の曲率を有する曲面のミラーである。所定の曲率は、反射光L2の散乱の程度等を考慮して適宜設定される。反射ミラー3は、例えば、平面のミラーを曲げて、所定の曲率の曲面にしたミラーである。反射ミラー3は、境界部Gの面Gaに所定角度で入射したレーザー光L1が正反射した場合の反射光の光路上に配置される。反射ミラー3は、面Gaに平行な軸周りに回転可能な状態で保持されている。また、反射ミラー3は、面Gaに垂直な方向に上下移動な状態で保持されている。以下では、反射ミラー3で反射したレーザー光を、再反射光L3と呼ぶ。なお、反射ミラー3は、球面のミラーでもよい。
レーザー溶接装置1では、再反射光L3により境界部Gの長辺部G1のレーザー光L1の照射箇所よりも前方側を仮溶接する。しかし、再反射光L3は、レーザー光L1に比べてエネルギーが低減している。そのため、再反射光L3で仮溶接するためには、所定時間続けて同じ箇所を照射する必要がある。レーザー光L1の照射箇所(本溶接箇所)は移動しているので、反射ミラー3での反射光L2の入射角度等が固定されていると、反射ミラー3で再反射光L3を同じ箇所に反射させることはできない。そこで、レーザー溶接装置1では、反射ミラー3での反射光L2の入射角度と反射ミラー3の境界部Gの面Gaからの高さ位置を調整することにより、反射ミラー3で所定時間続けて再反射光L3を同じ箇所に反射させる。
回転部4は、反射ミラー3を境界部Gの面Gaに平行な軸周りに回転させる。このように反射ミラー3を回転させることにより、反射ミラー3での反射光L2の入射角度(=反射角度)を変更できる。回転部4は、例えば、電気エネルギー等を回転運動に変換するアクチュエータで構成される。回転部4は、制御部6によって制御される。
上下移動部5は、反射ミラー3を境界部Gの面Gaに垂直な方向に上下移動させる。このように反射ミラー3を上下移動させることにより、反射ミラー3の面Gaからの高さ位置を変更できる。上下移動部5は、例えば、電気エネルギー等を並進運動に変換するアクチュエータによって構成される。上下移動部5は、制御部6によって制御される。
なお、レーザー光照射部2で照射されるレーザー光L1は、本体Baと蓋Bbとの境界部Gに沿って移動する。この移動するレーザー光L1の反射光L2の光路上に反射ミラー3を配置させるために、レーザー光L1の移動に同期させて反射ミラー3も境界部Gに沿って移動させる。回転部4、上下移動部5の構成によっては、回転部4、上下移動部5も境界部Gに沿って移動させる。例えば、上記のレーザー光照射部2の移動部に反射ミラー3、回転部4、上下移動部5も組み付けて、この移動部によって一体で移動させる。
制御部6は、レーザー溶接装置1を制御する電子制御部であり、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read OnlyMemory]及びRAM[Random Access Memory]等のメモリ、入出力回路等からなる。制御部6は、電池の製造ラインの制御装置の一機能として組み込まれてもよいしあるいはレーザー溶接装置1専用の制御部として構成されてもよい。制御部6は、本溶接を行うためにレーザー光照射部2を制御するとともに、仮溶接を行うために回転部4及び上下移動部5を制御する。
レーザー光照射部2の制御について説明する。封缶工程が開始すると、制御部6では、レーザー光照射部2のレーザー光発振器に始動指令を送信する。また、制御部6では、境界部Gに沿ってレーザー光L1の照射箇所を所定速度で移動させるために、レーザー光照射部2の移動部に移動指令を送信する。所定速度は、レーザー光L1のエネルギーの大きさ、蓋Bbの厚み等を考慮して適宜設定される。境界部Gの全周にレーザー光を照射すると(本溶接が終了すると)、制御部6では、レーザー光発振器に停止指令を送信するとともに、移動部に停止指令を送信する。
回転部4及び上下移動部5について説明する。レーザー光L1で境界部Gの長辺部G1の一端側での本溶接を開始すると所定時間の間、制御部6では、レーザー光L1の長辺部G1における照射箇所(本溶接)に応じて、長辺部G1における仮溶接箇所で再反射光L3が焦点を結ぶために必要な反射ミラー3での反射光L2の入射角度と反射ミラー3の境界部Gの面Gaからの高さ位置を算出する。所定時間は、再反射光L3のエネルギーの大きさ、蓋Bbの厚み等を考慮して適宜設定される。仮溶接箇所は、長辺部G1の他端側の箇所が適宜設定される。所定時間経過すると、制御部6では、再反射光L3が本体Ba及び蓋Bbに照射されない方向を向くために必要な反射ミラー3での反射光L2の入射角度と反射ミラー3の面Gaからの高さ位置を算出する。但し、仮溶接箇所が2箇所以上設定されている場合、制御部6では、次の仮溶接箇所に対して上記と同様の処理を行う。また、レーザー光L1で境界部Gの短辺部G2で本溶接を行っている場合、制御部6では、再反射光L3が本体Ba及び蓋Bbに照射されない方向を向くために必要な反射ミラー3での反射光L2の入射角度と反射ミラー3の面Gaからの高さ位置を算出する。なお、レーザー光L1の各照射箇所に応じて反射角度と高さ位置をその都度算出するのでなく、レーザー光L1の照射箇所毎に反射角度と高さ位置を予め算出しておき、その照射箇所毎の反射角度と高さ位置を制御部6のメモリに記憶させておいてもよい。
制御部6では、反射ミラー3での反射光L2の入射角度を算出する毎に、この入射角度になるために必要な反射ミラー3を回転させる角度と回転方向を算出し、その角度と回転方向を示す回転指令を回転部4に送信する。また、制御部6では、反射ミラー3の面Gaからの高さ位置を算出する毎に、この高さ位置になるために必要な反射ミラー3を上下移動させる距離と移動方向を算出し、その距離と移動方向を示す上下移動指令を上下移動部5に送信する。
図1、図3に加えて図2を参照して、レーザー溶接装置1が境界部Gの長辺部G1で本溶接及び仮溶接を行う場合の動作の流れについて説明する。図2は、レーザー溶接装置1での動作の流れを示す図であり、図2(a)が長辺部での仮溶接中であり、図2(b)が長辺部での仮溶接中であり(図2(a)よりも本溶接箇所が前方に移動した場合)、図2(c)が仮溶接終了後である。なお、仮溶接箇所は、図2に示すように、長辺部G1における符号P0で示す1箇所のみとする。
レーザー光照射部2では、制御部6の指令に応じてレーザー光発振器及び移動部が作動し、レーザー光L1を本体Baと蓋Bbとの境界部Gに沿って移動させつつ照射する(レーザー光照射工程)。レーザー光L1が照射された箇所は、溶接(本溶接)され、本体Baと蓋Bbとが接合される。照射箇所は、所定速度で移動方向Mの方向に移動する。照射されたレーザー光L1の一部は、反射し、反射光L2となる。
図2(a)に示すときには、レーザー光照射部2では、長辺部G1の一端側の照射箇所P1にレーザー光L1を照射している。このときに、制御部6では、照射箇所P1に応じて、長辺部G1の他端側の仮溶接箇所P0で再反射光L3が焦点を結ぶために必要な入射角度θ1と高さ位置H1を算出する。
制御部6では、入射角度θ1にするために必要な回転角度と回転方向を示す回転指令を回転部4に送信する。回転部4では、この回転指令を受信すると、回転指令に応じて反射ミラー3を回転させる。また、制御部6では、高さ位置H1にするために必要な上下移動距離と移動方向を示す上下移動指令を上下移動部5に送信する。上下移動部5では、この上下移動指令を受信すると、上下移動指令に応じて反射ミラー3を上下移動させる。これにより、反射ミラー3では、反射光L2が入射角度θ1で入射して、反射する(反射工程)。反射ミラー3で反射した再反射光L3は、仮溶接箇所P0で焦点を結ぶ。
図2(b)に示すときには、レーザー光照射部2では、長辺部G1の一端側の照射箇所P2にレーザー光L1を照射している。この照射箇所P2は、移動方向Mにおいて照射箇所P1よりも前方の箇所であり、照射箇所P1よりも仮溶接箇所P0に近い。制御部6では、照射箇所P2に応じて、仮溶接箇所P0で再反射光L3が焦点を結ぶために必要な入射角度θ2と高さ位置H2を算出する。入射角度θ2は、入射角度θ1よりも小さい。高さ位置H2は、高さ位置H1よりも高い。
制御部6では、入射角度θ2にするために必要な回転角度と回転方向を示す回転指令を回転部4に送信する。回転部4では、この回転指令を受信すると、回転指令に応じて反射ミラー3を回転させる。この回転した後の反射ミラー3は、図2(a)で示す反射ミラー3の角度と比較すると、反時計周り(但し、蓋Bb側から反射ミラー3を見た場合の回転方向である)に所定角度回転している。また、制御部6では、高さ位置H2にするために必要な上下移動距離と移動方向を示す上下移動指令を上下移動部5に送信する。上下移動部5では、この上下移動指令を受信すると、上下移動指令に応じて反射ミラー3を上下移動させる。これにより、反射ミラー3では、反射光L2が入射角度θ2で入射して、反射する(反射工程)。反射ミラー3で反射した再反射光L3は、仮溶接箇所P0で焦点を結ぶ。
なお、図2(a)に示すときの再反射光L3の反射ミラー3から仮溶接箇所P0までの距離と図2(b)に示すときの再反射光L3の反射ミラー3から仮溶接箇所P0までの距離とは、同じ距離(焦点距離に相当)である。反射ミラー3は、曲面のミラーなので、散乱している反射光L2を集光させて焦点を結ばせることができる。焦点距離は、反射ミラー3の曲率に応じて決まる。
仮溶接箇所P0には、再反射光L3が所定時間続けて照射される。これにより、仮溶接箇所P0は、溶接(仮溶接)され、本体Baと蓋Bbとが接合される。そのため、レーザー光L1で長辺部G1の一端側を本溶接しているときに、移動方向Mにおける本溶接箇所よりも前方側で本体Baと蓋Bbとが離れるのを防止できる。したがって、レーザー光L1で長辺部G1の残りの部分を溶接するときに、本体Baと蓋Bbとが密着した状態で溶接できる。
図2(c)に示すときには、レーザー光照射部2では、長辺部G1の照射箇所P3にレーザー光L1を照射している。このとき、仮溶接開始から所定時間以上経過している。制御部6では、再反射光L3が本体Ba及び蓋Bbに照射されない方向を向くために必要な入射角度θ3と高さ位置H3を算出する。
制御部6では、入射角度θ3にするために必要な回転角度と回転方向を示す回転指令を回転部4に送信する。回転部4では、この回転指令を受信すると、回転指令に応じて反射ミラー3を回転させる。また、制御部6では、高さ位置H3にするために必要な上下移動距離と移動方向を示す上下移動指令を上下移動部5に送信する。上下移動部5では、この上下移動指令を受信すると、上下移動指令に応じて反射ミラー3を上下移動させる。これにより、反射ミラー3では、反射光L2が入射角度θ3で入射して、反射する。反射ミラー3で反射した再反射光L3は、本体Ba及び蓋Bbから外れる。
このレーザー溶接装置1によれば、可動式の反射ミラー3で反射光L2を本溶接の照射箇所よりも前方の仮溶接箇所に焦点を結ぶように反射させることにより、反射光L2を利用して本溶接箇所よりも前方の箇所を仮溶接できる。特に、境界部Gのうち長いほうの長辺部G1の一端側を本溶接しているときに、長辺部G1の他端側を仮溶接することにより、長辺部G1における本溶接箇所よりも前方の本体Baと蓋Bbとが離れるのを防止できる。その結果、長い長辺部G1でも本体Baと蓋Bbとが密着した状態で本溶接でき、本体Baと蓋Bbとの接合強度の低下を防止できる。
また、レーザー溶接装置1によれば、本溶接の開始直後に仮溶接を行うことにより、本溶接の溶接箇所から周囲に伝わる熱で蓋Bbが熱膨張して本体Baと蓋Bbとが離れる前に、仮溶接を行うことができる。また、レーザー溶接装置1によれば、本溶接を行っているときに仮溶接も行うので、溶接工程(封缶工程)全体に要する時間が長くならない。
また、レーザー溶接装置1によれば、反射ミラー3を回転させて反射ミラー3での反射光L2の入射角度を調整するとともに反射ミラー3を上下移動させて反射ミラー3の境界部Gの面Gaからの高さ位置を調整することにより、レーザー光L1及び反射光L2が移動しているにもかかわらず、同じ箇所(仮溶接箇所)に再反射光L3の焦点を結ばせることができる。また、レーザー溶接装置1によれば、同じ箇所に再反射光L3を所定時間照射することにより、エネルギーが低減している反射光L2を用いて確実に仮溶接できる。また、レーザー溶接装置1によれば、所定の曲率を有する反射ミラー3を用いることにより、集光レンズを用いることなく、散乱している反射光L2を集光できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、上記実施形態では所定の曲率を有する曲面(又は球面)の反射ミラーを用いたが、平面の反射ミラーを用いてもよい。平面の反射ミラーを用いる場合、レーザー光を集光させるために、反射ミラーと電槽缶との間に集光レンズを介在させるとよい。
また、上記実施形態では略直方体形状の電槽缶の封缶溶接に適用し、略長方形状の境界部の長辺部だけ仮溶接を行ったが、短辺部にも仮溶接を行ってもよい。短辺部もある程度以上の長さがあると本体と蓋とが僅かに離れる可能性があるので、短辺部でも仮溶接によって本体と蓋とが離れるのを防止できる。また、略円柱形状の電槽缶の封缶溶接に適用する場合、略円形状の境界部に所定間隔をあけて複数箇所仮溶接を行ってもよい。この複数箇所の仮溶接によって本体と蓋とが離れるのを防止できる。
また、上記実施形態では反射光L2を本溶接の照射箇所よりも移動方向Mにて前方の仮溶接箇所に焦点を結ぶように反射させる構成としたが、特にこれに限定されるものでなく、照射箇所よりも移動経路上にて前方にあたる未溶接部分に焦点を結ぶように反射させて仮溶接するようにしてもよい。例えば、図3(b)に示すように、本溶接の現在の照射箇所が一方の長辺部G1における箇所P4の場合に、この照射箇所P4のときの移動方向Mから外れた他方の長辺部G1における箇所P5を仮溶接箇所とする。この場合、反射ミラーを回転させる軸を増やし、反射ミラーを複数の回転方向で回転させることで対応可能である。
また、上記実施形態では電槽缶の上面の境界部に電槽缶の上方からレーザー光を照射する場合に適用したが、電槽缶の側面に本体と蓋との境界部があり、電槽缶の側方からレーザー光を照射する場合にも適用できる。側方からレーザー光を照射する場合でも、反射光を利用して仮溶接することができる。
1…レーザー溶接装置、2…レーザー光照射部、3…反射ミラー、4…回転部、5…上下移動部、6…制御部。

Claims (2)

  1. 金属製の容器を構成する本体と蓋とをレーザー溶接で接合するレーザー溶接方法であって、
    レーザー光を前記本体と前記蓋との境界部に沿って照射箇所を移動させつつ照射するレーザー光照射工程と、
    前記レーザー光照射工程で照射されたレーザー光が前記照射箇所で反射した反射光を可動式の反射ミラーで前記境界部に向けて反射させる反射工程と、
    を含み、
    前記容器は、略直方体形状であり、
    前記境界部は、長辺部と短辺部を有する略長方形状であり、
    前記反射工程は、前記反射ミラーを動かして前記境界部における前記照射箇所よりも移動経路上前方の所定の箇所に前記反射させた反射光の焦点を結ばせ
    前記所定の箇所は、前記照射箇所が前記長辺部の一端側に位置しているときに、前記長辺部の他端側の箇所である、レーザー溶接方法。
  2. 前記反射工程は、前記所定の箇所に前記反射させた反射光の焦点を所定時間結ばせる、請求項1に記載のレーザー溶接方法。
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