(第1実施例)
(通信システム2の構成;図1)
通信システム2は、多機能機10と、PC(Personal Computerの略)80と、複数個のアクセスポイント200,300,400と、を備える。以下では、多機能機10のことをMFP(Multi-Function Peripheralの略)10と記載し、アクセスポイント200,300,400のことをAP(Access Pointの略)200,300,400と記載する。MFP10とPC80とは、USB(Universal Serial Busの略)ケーブル4を介して、有線通信を実行可能である。MFP10は、AP200,300,400によって形成されているいずれの無線ネットワークにも現在所属しておらず、無線ネットワークに所属すべきデバイスである。PC80は、AP200によって形成されている無線ネットワークに現在所属しているデバイスである。
(多機能機10の構成)
MFP10は、印刷機能及びスキャン機能を含む多機能を実行可能な周辺機器(即ちPC80等の周辺機器)である。MFP10は、操作部12と、表示部14と、印刷実行部16と、スキャン実行部18と、無線インターフェース20と、USBインターフェース22と、制御部30と、を備える。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
操作部12は、複数のキーによって構成される。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をMFP10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。印刷実行部16は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。スキャン実行部18は、CCD、CIS等のスキャン機構である。
無線I/F20は、Wi−Fi方式に従ったWi−Fi通信を実行するための無線I/Fである。Wi−Fi方式は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば802.11a,11b,11g,11n等)に従って、Wi−Fi通信を実行するための無線通信方式である。
制御部30は、MFP10がAP(例えば200)によって形成されている無線ネットワーク(以下では「通常Wi−FiNW」と呼ぶ)に所属している場合に、通常Wi−FiNWを利用して、無線I/F20を介して、Wi−Fi通信(以下では「通常Wi−Fi通信」と呼ぶ)を実行することができる。通常Wi−FiNWでは、通常、2.4GHzの周波数を有する搬送波、又は、5.0GHzの周波数を有する搬送波が利用される。通常Wi−FiNWでどちらの周波数を有する搬送波が利用されるのかについては、当該通常Wi−FiNWを形成しているAPによって決定される。以下では、2.4GHzの周波数を有する搬送波が利用される通常Wi−FiNW、5.0GHzの周波数を有する搬送波が利用される通常Wi−FiNWのことを、それぞれ、「通常Wi−FiNW(2.4GHz)」、「通常Wi−FiNW(5.0GHz)」と記載することがある。無線I/F20は、2.4GHzの周波数と5.0GHzの周波数との双方をサポートしているI/Fである。即ち、MFP10は、2.4GHzの周波数を有する搬送波と5.0GHzの周波数を有する搬送波との双方を利用可能である。
無線I/F20は、さらに、Wi−Fi Allianceによって策定されたWFD(Wi-Fi Directの略)方式をサポートしている。従って、制御部30は、MFP10がWFD方式の無線ネットワーク(以下では「WFDNW」と呼ぶ)に所属している場合に、WFDNWを利用して、無線I/F20を介して、WFD通信を実行することができる。WFDNWは、PC80及びMFP10のいずれとも異なるAPによって形成されない無線ネットワークであり、より具体的には、WFD方式のG/Oネゴシエーションによって親局として動作することが決定されたGroup Owner状態で動作する機器(以下では「G/O機器」と呼ぶ)によって形成される無線ネットワークである。WFD方式の詳細は、Wi−Fi Allianceによって作成された「Wi−Fi Peer−to−Peer(P2P) Technical Specification Version1.1」に記述されている。また、米国特許出願公開第2013/0260683号公報にも、WFD方式の詳細が開示されており、当該文献を参照して引用する。
WFDNWでは、通常、2.4GHzの周波数を有する搬送波、又は、5.0GHzの周波数を有する搬送波が利用される。WFDNWでどちらの周波数を有する搬送波が利用されるのかについては、当該WFDNWを形成しているG/O機器によって決定される。以下では、2.4GHzの周波数を有する搬送波が利用されるWFDNW、5.0GHzの周波数を有する搬送波が利用されるWFDNWのことを、それぞれ、「WFDNW(2.4GHz)」、「WFDNW(5.0GHz)」と記載することがある。
無線I/F20は、MFP10が通常Wi−FiNWとWFDNWとの双方に同時的に所属している状態を実現することができる。ただし、この場合、通常Wi−FiNWで利用される搬送波が有する周波数と、WFDNWで利用される搬送波が有する周波数と、が一致しなければならないという制約がある。即ち、MFP10は、通常Wi−FiNW(2.4GHz)とWFDNW(2.4GHz)との双方に同時的に所属可能である。また、MFP10は、通常Wi−FiNW(5.0GHz)とWFDNW(5.0GHz)との双方に同時的に所属可能である。ただし、MFP10は、通常Wi−FiNW(2.4GHz)とWFDNW(5.0GHz)との双方に同時的に所属不可能であり、通常Wi−FiNW(5.0GHz)とWFDNW(2.4GHz)との双方に同時的に所属不可能である。
USBI/F22には、USBケーブル4の一端が接続されている。USBケーブル4の他端は、PC80に接続されている。制御部30は、USBI/F22を介して、PC80とUSB通信を実行することができる。
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているプログラム36に従って、様々な処理を実行するプロセッサである。メモリ34は、RAM、ROM等によって構成される。メモリ34は、通常Wi−Fi設定記憶領域38と、WFD設定記憶領域40と、パーシステント領域42と、を備える。
MFP10が通常Wi−FiNWに所属している状態では、通常Wi−Fi設定記憶領域38に無線関係情報が記憶される。当該無線関係情報は、MFP10が所属している通常Wi−FiNWで利用される無線プロファイルと、当該通常Wi−FiNWで利用される無線チャネルの値(1〜13chのうちのいずれかの値、又は、36〜100chのうちのいずれかの値)を示すチャネル情報と、を含む。換言すると、当該チャネル情報は、当該通常Wi−FiNWで利用されるべき搬送波が有する周波数(即ち2.4GHz又は5.0GHz)を示す。無線プロファイルは、SSID(Service Set Identifierの略)と、認証方式と、暗号化方式と、パスワードと、を含む。SSIDは、無線ネットワークを識別するための識別子である。認証方式、暗号化方式、及び、パスワードは、無線ネットワークにおける認証及び暗号化に利用される情報である。
MFP10がWFDNWに所属している状態では、WFD設定記憶領域40に無線関係情報が記憶される。当該無線関係情報は、MFP10が所属しているWFDNWで利用される無線プロファイルと、当該WFDNWで利用される無線チャネルの値(1〜13chのうちのいずれかの値、又は、36〜100chのうちのいずれかの値)を示すチャネル情報と、を含む。換言すると、当該チャネル情報は、当該WFDNWで利用されるべき搬送波が有する周波数(即ち2.4GHz又は5.0GHz)を示す。
パーシステント領域42には、MFP10が現在所属している又は過去に所属していたWFDNWに関係する無線関係情報(即ち無線プロファイル及びチャネル情報)が記憶され得る。以下では、MFP10が現在所属している又は過去に所属していたWFDNWのことを「実績WFDNW」と記載することがある。パーシステント領域42に記憶されている無線関係情報は、実績WFDNWで利用されるべき情報である。MFP10がWFDNWに現在所属している場合には、パーシステント領域42に記憶されている無線関係情報は、WFD設定記憶領域40に記憶されている無線関係情報に一致する。また、MFP10が、WFDNWに現在所属しておらず、WFDNWに過去に所属していた場合には、パーシステント領域42に記憶されている無線関係情報は、当該過去のWFDNWで利用されていた無線関係情報に一致する。
MFP10が、WFDNWに現在所属しておらず、WFDNWに過去に所属していた場合には、パーシステント領域42に記憶されている無線関係情報は、以下のようにして利用され得る。当該過去のWFDNWでは、MFP10といずれかの機器との間に接続が確立されていた実績がある。そして、MFP10が当該機器との接続を再確立すべき状況では、MFP10は、パーシステント領域42に記憶されている無線関係情報(即ち無線プロファイル及びチャネル情報)を利用して、当該機器との接続を再確立する。即ち、MFP10は、無線プロファイル及びチャネル情報を新たに準備しなくても、当該無線関係情報を利用して、当該機器との接続を容易に再確立することができる。
(PC80の構成)
PC80は、操作部82と、表示部84と、無線I/F90と、USBI/F92と、制御部120と、を備える。操作部82は、キーボード及びマウスによって構成されている。ユーザは、操作部82を操作することによって、様々な指示をPC80に与えることができる。表示部84は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。無線I/F90は、2.4GHzの周波数と5.0GHzの周波数との双方をサポートしているI/Fである。即ち、PC80は、2.4GHzの周波数を有する搬送波と5.0GHzの周波数を有する搬送波との双方を利用可能である。USBI/F92には、USBケーブル4の一端が接続されている。
制御部120は、CPU122と、メモリ124と、を備える。CPU122は、メモリ124に記憶されているプログラム126に従って、様々な処理を実行するプロセッサである。メモリ124は、RAM、ROM等によって構成される。メモリ124は、設定記憶領域128を備える。PC80が通常Wi−FiNWに所属している状態では、設定記憶領域128には、無線関係情報130が記憶される。無線関係情報130は、PC80が所属している通常Wi−FiNWで利用される無線プロファイルと、当該通常Wi−FiNWで利用される無線チャネルの値を示すチャネル情報と、を含む。
図1の状況では、例えば、PC80は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属している。この場合、設定記憶領域128内の無線関係情報130に含まれる無線プロファイルは、SSID「YYY5GHz」と、認証方式「aaa」と、暗号化方式「xxx」と、パスワード「ppp」と、を含む。また、図1の状況では、設定記憶領域128内の無線関係情報130に含まれるチャネル情報は、36〜100chのいずれかを示す。換言すると、チャネル情報は、5.0GHzの周波数を示す。なお、以下では、PC80が所属している通常Wi−FiNWのことを「通常Wi−FiNW(PC)」と記載することがある。
(AP200,300,400)
AP200は、無線AP、無線LANルータ等と呼ばれる通常のAPである。AP200は、2.4GHzの周波数を有する搬送波と5.0GHzの周波数を有する搬送波との双方を利用可能である。そして、AP200は、通常Wi−FiNW(2.4GHz)と通常Wi−FiNW(5.0GHz)との双方が同時的に形成されている状態を構築することができる。
AP200は、無線関係情報218,228を記憶する。無線関係情報218は、AP200自身によって形成される通常Wi−FiNW(2.4GHz)で利用される無線プロファイル220と、当該通常Wi−FiNW(2.4GHz)で利用されるチャネル情報222と、を含む。無線プロファイル220は、SSID「YYY」と、認証方式「aaa」と、暗号化方式「xxx」と、パスワード「ppp」と、を含む。チャネル情報222は、1〜13chのうちのいずれかの値を示す。換言すると、チャネル情報222は、2.4GHzの周波数を示す。
無線関係情報228は、AP200自身によって形成される通常Wi−FiNW(5.0GHz)で利用される無線プロファイル230と、当該通常Wi−FiNW(5.0GHz)で利用されるチャネル情報232と、を含む。無線プロファイル230は、SSID「YYY5GHz」と、認証方式「aaa」と、暗号化方式「xxx」と、パスワード「ppp」と、を含む。即ち、2個の無線プロファイル220,230の間では、認証方式、暗号化方式、及び、パスワードが共通である。また、無線プロファイル220内のSSID「YYY」は、無線プロファイル230内のSSIDを構成する文字列「YYY5GHz」のうちの一部の文字列「YYY」を含む。チャネル情報232は、36〜100chのいずれかを示す。換言すると、チャネル情報232は、5.0GHzの周波数を示す。
AP300は、2.4GHzの周波数を有する搬送波のみを利用可能であり、通常Wi−FiNW(2.4GHz)を形成する。AP300は、AP300自身によって形成される通常Wi−FiNW(2.4GHz)で利用される無線プロファイルと、当該通常Wi−FiNW(2.4GHz)で利用されるチャネル情報と、を対応付けて記憶する(これらは図示省略)。当該無線プロファイルは、SSID「AAA」と、図示省略の認証方式等を含む。当該チャネル情報は、1〜13chのうちのいずれかの値を示す。換言すると、当該チャネル情報は、2.4GHzの周波数を示す。
AP400は、5.0GHzの周波数を有する搬送波のみを利用可能であり、通常Wi−FiNW(5.0GHz)を形成する。AP400は、AP400自身によって形成される通常Wi−FiNW(5.0GHz)で利用される無線プロファイルと、当該通常Wi−FiNW(5.0GHz)で利用されるチャネル情報と、を対応付けて記憶する(これらは図示省略)。当該無線プロファイルは、SSID「BBB」と、図示省略の認証方式等を含む。当該チャネル情報は、36〜100chのいずれかを示す。換言すると、当該チャネル情報は、5.0GHzの周波数を示す。
(PC80が実行する処理;図2)
続いて、図2を参照して、PC80のCPU122が実行する処理の内容について説明する。当該処理は、PC80がAP200によって形成されている通常Wi−FiNWに所属している状態で、MFP10に無線プロファイルを供給するための操作がユーザによって操作部82に実行されることをトリガとして開始される。なお、PC80は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属していてもよいし、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属していてもよい。
CPU122は、S10において、USBI/F92を介して、機器情報の供給を要求するための機器情報要求をMFP10に供給し、S12において、USBI/F92を介して、MFP10から機器情報を取得する。MFP10がWFDNWに現在所属している場合、即ち、WFD設定記憶領域40に無線関係情報が記憶されている場合には、機器情報は、当該無線関係情報(即ち無線プロファイル及びチャネル情報)を含む。MFP10がWFDNWに現在所属していないが、MFP10のメモリ34内のパーシステント領域42に無線関係情報が記憶されている場合には、機器情報は、当該無線関係情報(即ち無線プロファイル及びチャネル情報)を含む。なお、本実施例では、機器情報が、無線プロファイル及びチャネル情報の双方を含むが、当該無線プロファイルがPC80で利用されない。このために、機器情報は、当該無線プロファイルを含まなくてもよい(即ちチャネル情報のみを含んでいてもよい)。また、MFP10がWFDNWに現在所属しておらず、かつ、MFP10のメモリ34内のパーシステント領域42に無線関係情報が記憶されていない場合には、機器情報は、無線関係情報を含まない。
S14では、CPU122は、MFP10がWFDNWへの所属実績を有するのか否か(即ち、WFD無線設定記憶領域40又はパーシステント領域42の少なくとも一方に無線関係情報が記憶されているのか否か)を判断する。CPU122は、S12で取得された機器情報に無線関係情報が含まれる場合に、S14でYESと判断し、S18に進む。一方、CPU122は、S12で取得された機器情報に無線関係情報が含まれない場合に、S14でNOと判断し、S34に進む。
S18では、CPU122は、メモリ124から無線関係情報130を読み出すことによって、無線関係情報130を取得する。
S20では、CPU122は、通常Wi−FiNW(PC)で利用されるべき搬送波が有する周波数と、実績WFDNWで利用されるべき搬送波が有する周波数と、が一致するのか否かを判断する。CPU122は、S18で取得された無線関係情報130に含まれるチャネル情報によって示される周波数と、S12で取得された機器情報に含まれる無線関係情報内のチャネル情報によって示される周波数と、が一致する場合に、S20でYESと判断し、S34に進む。一方において、CPU122は、上記の2個の周波数が一致しない場合に、S20でNOと判断し、S22に進む。
S22では、CPU122は、PC80の周囲に存在する1個以上のAP(即ちMFP10の周囲に存在する1個以上のAP)をサーチして、1個以上のAPからN個のSSIDを取得する。具体的には、まず、CPU122は、無線I/F90を介して、送信先が指定されていない2種類のProbe Request信号を送信する。以下では、Requestのことを「Req.」と記載する。2種類のProbe Req.信号のうちの一方のProbe Req.信号は、2.4GHzの周波数を有する搬送波を利用して送信される。2種類のProbe Req.信号のうちの他方のProbe Req.信号は、5.0GHzの周波数を有する搬送波を利用して送信される。以下では、上記の一方のProbe Req.信号、他方のProbe Req.信号のことを、それぞれ、Probe Req.信号(2.4GHz)、Probe Req.信号(5.0GHz)と記載する。また、以下では、Probe Req.信号以外の信号についても、当該信号の通信に利用される周波数を括弧書きで記載することがある。
例えば、図1の状況では、AP200は、通常Wi−FiNW(2.4GHz)と通常Wi−FiNW(5.0GHz)との双方を形成している。この場合、AP200は、PC80からProbe Req.信号(2.4GHz)を受信する場合に、2.4GHzを示すチャネル情報222と、当該チャネル情報222に対応付けられている無線プロファイル220内のSSID「YYY」と、を含むProbe Response信号(2.4GHz)をPC80に送信する。以下では、Responseのことを「Res.」と記載する。また、AP200は、PC80からProbe Req.信号(5.0GHz)を受信する場合に、5.0GHzを示すチャネル情報232と、当該チャネル情報232に対応付けられている無線プロファイル230内のSSID「YYY5GHz」と、を含むProbe Res.信号(5.0GHz)をPC80に送信する。即ち、AP200が通常Wi−FiNW(2.4GHz)と通常Wi−FiNW(5.0GHz)との双方を形成している状況では、通常Wi−FiNW(2.4GHz)を識別するためのSSID(即ち「YYY」)と、通常Wi−FiNW(5.0GHz)を識別するためのSSID(即ち「YYY5GHz」)と、がAP200からPC80に送信される。以下では、前者のSSID、後者のSSIDのことを、それぞれ、「SSID(2.4GHz)」、「SSID(5.0GHz)」と記載することがある。なお、仮に、AP200が通常Wi−FiNW(2.4GHz)と通常Wi−FiNW(5.0GHz)とのうちの一方の通常Wi−FiNWのみを形成している場合には、AP200は、当該一方の通常Wi−FiNWを識別するためのSSID(即ち、SSID(2.4GHz)又はSSID(5.0GHz))のみをPC80に送信する。
また、例えば、図1の状況では、AP300は、通常Wi−FiNW(2.4GHz)を形成している。この場合、AP300は、PC80からProbe Req.信号(2.4GHz)を受信する場合に、2.4GHzを示すチャネル情報と、SSID(2.4GHz)(即ち「AAA」)と、を含むProbe Res.信号(2.4GHz)をPC80に送信する。また、AP400は、通常Wi−FiNW(5.0GHz)を形成している。この場合、AP400は、PC80からProbe Req.信号(5.0GHz)を受信する場合に、5.0GHzを示すチャネル情報と、SSID(5.0GHz)(即ち「BBB」)と、を含むProbe Res.信号(5.0GHz)をPC80に送信する。
S22では、CPU122は、1個以上のAPからN個のProbe Req.信号を受信することによって、N個のProbe Req.信号に含まれるN個のSSIDを取得する。例えば、図1の状況では、CPU122は、3個のAP200,300,400から4個のProbe Req.信号を受信することによって、4個のProbe Req.信号に含まれる4個のSSIDを取得する。
S24では、CPU122は、実績WFDNWの周波数が2.4GHzであるか否かを判断する。CPU122は、S12で取得された機器情報に含まれる無線関係情報内のチャネル情報が2.4GHzを示す場合に、実績WFDNWの周波数が2.4GHzであると判断し(S24でYES)、S26に進む。一方、CPU122は、当該チャネル情報が5.0GHzを示す場合に、実績WFDNWの周波数が2.4GHzでない、即ち、実績WFDNWの周波数が5.0GHzであると判断し(S24でNO)、S28に進む。
S26では、CPU122は、S22で取得されたN個のProbe Res.信号に含まれるN個のSSIDの中から1個以上のSSID(2.4GHz)を特定する。具体的には、CPU122は、S22で取得されたN個のProbe Res.信号のうち、2.4GHzを示すチャネル情報を含む1個以上のProbe Res.信号を特定し、特定済みの1個以上のProbe Res.信号に含まれる1個以上のSSID(2.4GHz)を特定する。例えば、図1の状況では、CPU122は、AP200から取得されるSSID(2.4GHz)(即ち「YYY」)と、AP300から取得されるSSID(2.4GHz)(即ち「AAA」)と、を特定する。
S28では、CPU122は、S22で取得されたN個のProbe Res.信号に含まれるN個のSSIDの中から1個以上のSSID(5.0GHz)を特定する。具体的には、CPU122は、S22で取得されたN個のProbe Res.信号のうち、5.0GHzを示すチャネル情報を含む1個以上のProbe Res.信号を特定し、特定済みの1個以上のProbe Res.信号に含まれる1個以上のSSID(5.0GHz)を特定する。例えば、図1の状況では、CPU122は、AP200から取得されるSSID(5.0GHz)(即ち「YYY5GHz」)と、AP400から取得されるSSID(5.0GHz)(即ち「BBB」)と、を特定する。
S30では、CPU122は、S18で取得された無線関係情報130に含まれるSSID、即ち、通常Wi−FiNW(PC)で利用されるSSIDに基づいて、S26又はS28で特定された1個以上のSSIDの中に適合SSIDがあるのか否かを判断する。
適合SSIDは、実績WFDNWの周波数に一致する周波数を有する搬送波が利用されるべき通常Wi−FiNWを識別するためのSSIDである。詳しくは後述するが、S26を経由してS30に進む場合には、適合SSIDは、図3に示される第1〜5の条件のうち、少なくとも1個の条件を満たすSSIDであり、通常Wi−FiNW(2.4GHz)を識別するためのSSIDである。また、S28を経由してS30に進む場合には、適合SSIDは、図4に示される第6〜10の条件のうち、少なくとも1個の条件を満たすSSIDであり、通常Wi−FiNW(5.0GHz)を識別するためのSSIDである。CPU122は、S26又はS28で特定された1個以上のSSIDの中に適合SSIDがある場合(S30でYES)に、当該1個以上のSSIDの中から適合SSIDを選択して、S32に進む。一方、CPU122は、S26又はS28で特定された1個以上のSSIDの中に適合SSIDがない場合(S30でNO)に、S34に進む。
S32では、まず、CPU122は、S18で取得された無線関係情報130に含まれる無線プロファイルを利用して、新たな無線プロファイルを生成する。具体的には、CPU122は、S18で取得された無線プロファイルに含まれるSSID(以下では「SSID(PC)」と呼ぶ)を、S30で選択された適合SSIDに置換することによって、新たな無線プロファイルを生成する。即ち、S18で取得された無線プロファイルと新たな無線プロファイルとの間では、認証方式、暗号化方式、及び、パスワードが共通する。なお、詳しくは後述するが、SSID(PC)と適合SSIDとが一致することがあり得る。この場合、S18で取得された無線プロファイルと新たな無線プロファイルとの間では、SSIDも共通する。次いで、CPU122は、新たな無線プロファイルをMFP10に設定するために、USBI/F92を介して、新たな無線プロファイルをMFP10に供給する。これにより、MFP10は、新たな無線プロファイルを利用して、通常Wi−FiNWに所属し得る。
より具体的には、実績WFDNWの周波数が2.4GHzである場合には、新たな無線プロファイルに含まれる適合SSIDは、通常Wi−FiNW(2.4GHz)を識別するためのSSIDである(S24でYES)。この場合、MFP10は、通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属し得る。また、実績WFDNWの周波数が5.0GHzである場合には、新たな無線プロファイルに含まれる適合SSIDは、通常Wi−FiNW(5.0GHz)を識別するためのSSIDである(S24でNO)。この場合、MFP10は、通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属し得る。S32が終了すると、図2の処理が終了する。
S34では、CPU122は、S18で取得された無線関係情報130に含まれる無線プロファイルをMFP10に設定するために、USBI/F92を介して、当該無線プロファイルをMFP10に供給する。これにより、MFP10は、当該無線プロファイルを利用して、通常Wi−FiNWに所属し得る。より具体的には、当該無線プロファイルに含まれるSSID(PC)が通常Wi−FiNW(2.4GHz)を識別するためのSSIDである場合には、MFP10は、通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属し得る。また、当該無線プロファイルに含まれるSSID(PC)が通常Wi−FiNW(5.0GHz)を識別するためのSSIDである場合には、MFP10は、通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属し得る。S34が終了すると、図2の処理が終了する。
(適合SSIDを選択するための条件;図3,図4)
続いて、図3及び図4を参照して、S30で適合SSIDを選択するための条件の内容について説明する。図3及び図4の条件は、PC80が現在所属している第1の通常Wi−FiNWを形成しているAPと同じAPによって形成されている第2の通常Wi−FiNWを識別するための適合SSIDを選択するための条件である。例えば、AP200が通常Wi−FiNW(2.4GHz)及び通常Wi−FiNW(5.0GHz)の双方を形成している状況を想定する。そして、PC80が当該通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属している場合には、図3の条件に適合する適合SSIDは、当該通常Wi−FiNW(2.4GHz)を識別するためのSSIDである。また、PC80が当該通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属している場合には、図4の条件に適合する適合SSIDは、当該通常Wi−FiNW(5.0GHz)を識別するためのSSIDである。
まず、図3を参照して、図2のS26を経由して実行されるS30で適合SSIDを選択するための条件の内容について説明する。CPU122は、SSID(PC)に基づいて、S26で特定された1個以上のSSID(2.4GHz)の中から、第1〜5の条件のうちの少なくとも1個の条件を満たす1個のSSIDを適合SSIDとして選択する。第1の条件の優先度が最も高く、第2〜第5の条件の順に優先度が低くなる。即ち、CPU122は、1個以上のSSID(2.4GHz)の中に第1の条件を満たすSSIDが存在する場合には、当該SSIDを適合SSIDとして選択する。また、CPU122は、第1の条件を満たすSSIDが存在しない場合には、第2の条件を満たすSSIDを適合SSIDとして選択する。同様に、CPU122は、第2の条件を満たすSSIDが存在しない場合には、第3の条件を満たすSSIDを適合SSIDとして選択する。以降の条件についても同様である。
同じAPに設定される2個のSSIDでは、一方のSSIDの全体と他方のSSIDの全体とが一致している可能性が高い。そのため、第1の条件は、SSID(2.4GHz)の全体と、SSID(PC)の全体と、が一致することである。例えば、SSID(2.4GHz)が文字列「YYY」によって構成され、かつ、SSID(PC)が文字列「YYY」によって構成される場合には、当該SSID(2.4GHz)は第1の条件を満たす。
また、同じAPに設定される2個のSSIDでは、一方のSSIDの全体と他方のSSIDの全体とが一致していなくても、一方のSSIDと他方のSSIDとが部分的に一致している可能性が高い。そのため、第2〜5の条件は、SSID(2.4GHz)とSSID(PC)とが部分的に一致することを含む。
第2の条件は、SSID(2.4GHz)の全体と、SSID(PC)の最後の4文字を除く文字列と、が一致し、かつ、SSID(PC)の最後の4文字が「5G」を含むことである。例えば、SSID(2.4GHz)が文字列「YYY」によって構成され、かつ、SSID(PC)が文字列「YYY5GHz」によって構成される場合には、当該SSID(2.4GHz)は第2の条件を満たす。
第3の条件は、SSID(2.4GHz)の全体と、SSID(PC)の最後の3文字を除く文字列と、が一致し、かつ、SSID(PC)の最後の3文字が「5G」を含むことである。例えば、SSID(2.4GHz)が文字列「ZZZ」によって構成され、かつ、SSID(PC)が文字列「ZZZ−5G」によって構成される場合には、当該SSID(2.4GHz)は第3の条件を満たす。また、例えば、SSID(2.4GHz)が文字列「WWW」によって構成され、かつ、SSID(PC)が文字列「WWW_5G」によって構成される場合も、当該SSID(2.4GHz)は第3の条件を満たす。
第4の条件は、SSID(2.4GHz)の全体と、SSID(PC)の最後の2文字を除く文字列と、が一致し、かつ、SSID(PC)の最後の2文字が「A」を含むことである。例えば、SSID(2.4GHz)が文字列「VVV」によって構成され、かつ、SSID(PC)が文字列「VVV−A」によって構成される場合には、当該SSID(2.4GHz)は第4の条件を満たす。
第5の条件は、SSID(2.4GHz)とSSID(PC)との間で一文字のみ相違し、かつ、SSID(2.4GHz)の相違文字が「G」であり、かつ、SSID(PC)の相違文字が「A」であることである。例えば、SSID(2.4GHz)が文字列「U−G−U」によって構成され、かつ、SSID(PC)が文字列「U−A−U」によって構成される場合には、当該SSID(2.4GHz)は第5の条件を満たす。また、例えば、SSID(2.4GHz)が文字列「TTT−G」によって構成され、かつ、SSID(PC)が文字列「TTT−A」によって構成される場合には、当該SSID(2.4GHz)は第5の条件を満たす。
続いて、図4を参照して、図2のS28を経由して実行されるS30で適合SSIDを選択するための条件の内容について説明する。CPU122は、SSID(PC)に基づいて、S28で特定された1個以上のSSID(5.0GHz)の中から、第6〜10の条件のうちの少なくとも1個の条件を満たす1個のSSIDを適合SSIDとして選択する。第6の条件の優先度が最も高く、第7〜第10の条件の順に優先度が低くなる。
第6〜10の条件は、それぞれ、図3の第1〜5の条件のSSID(2.4GHz)、SSID(PC)を、それぞれ、SSID(PC)、SSID(5.0GHz)に置換した条件である。例えば、第6の条件は、SSID(5.0GHz)の全体と、SSID(PC)の全体と、が一致することである。また、例えば、第7の条件は、SSID(5.0GHz)の最後の4文字を除く文字列と、SSID(PC)の全体と、が一致し、かつ、SSID(5.0GHz)の最後の4文字が「5G」を含むことである。説明を省略するが、第8〜第10の条件は、図4に記載されているとおりである。
(具体的なケース;図5〜図7)
続いて、図5〜図7を参照して、図2のフローチャートに従って実現される具体的なケースA〜Cの内容を説明する。図5〜図7では、実線矢印がUSB通信を示し、一点鎖線矢印が通常Wi−Fi通信を示す。この点は、後述の図9及び図10でも同様である。
(ケースA;図5)
本ケースでは、PC80は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)に現在所属しており、SSID「YYY5GHz」を含む無線プロファイルを記憶している。MFP10は、WFDNW(2.4GHz)(即ち実績WFDNW)に現在所属している。なお、本ケースでは、AP200及びAP300はPC80の周囲に存在するが、AP400はPC80の周囲に存在しない。
T8では、ユーザは、MFP10に無線プロファイルを供給するための操作をPC80に実行する(図2のトリガ)。この場合、PC80は、T10において、USBI/F92を介して、機器情報要求をMFP10に供給して(S10)、T12において、USBI/F92を介して、MFP10から機器情報を取得する(S12)。当該機器情報は、MFP10が現在所属しているWFDNW(2.4GHz)に関係する無線関係情報(即ち無線プロファイル及びチャネル情報)を含む。T14では、PC80は、MFP10がWFDNWへの所属実績を有すると判断する(S14でYES)。T16では、PC80は、通常Wi−FiNW(PC)の周波数(即ち5.0GHz)と、実績WFDNWの周波数(即ち2.4GHz)と、が一致しないと判断する(S20でNO)。
T18では、PC80は、無線I/F90を介して、Probe Req.信号(2.4GHz)及びProbe Req.信号(5.0GHz)を送信する(S22)。T19,T20では、PC80は、無線I/F90を介して、SSID「YYY」を含むProbe Res.信号(2.4GHz)と、SSID「YYY5GHz」を含むProbe Res.信号(5.0GHz)と、をAP200から受信する。T21では、PC80は、無線I/F90を介して、SSID「AAA」を含むProbe Res.信号(2.4GHz)をAP300から受信する。
T22では、PC80は、実績WFDNWの周波数が2.4GHzであると判断する(S24でYES)。T24では、PC80は、T19〜T21で取得された3個のSSID「YYY」、「YYY5GHz」、「AAA」の中から、SSID(2.4GHz)である2個のSSID「YYY」、「AAA」を特定する(S26)。そして、T26では、PC80は、SSID(PC)(即ちSSID「YYY5GHz」)に基づいて、2個のSSID「YYY」、「AAA」の中から、図3の第2の条件を満たすSSID「YYY」を適合SSIDとして選択する(S30でYES)。T28では、PC80は、USBI/F92を介して、無線プロファイルをMFP10に供給する(S32)。当該無線プロファイルは、T26で選択されたSSID「YYY」と、設定記憶領域128内の各情報(即ち、認証方式「aaa」、暗号化方式「xxx」、パスワード「ppp」)と、を含む。当該無線プロファイルは、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(2.4GHz)で利用される無線プロファイル220(図1参照)と同一である。
T30では、MFP10は、T28の無線プロファイルを通常Wi−Fi設定記憶領域38内に記憶することによって、無線プロファイルを設定する。そして、T32では、MFP10は、無線I/F20を介して、SSID「YYY」を含むProbe Req.信号をAP200に送信する。なお、MFP10がWFDNW(2.4GHz)に現在所属しているので、MFP10は、WFDNW(2.4GHz)の周波数に一致しない周波数(即ち5.0GHz)を有する搬送波を利用不可能である。このために、T32のProbe Req.信号は、2.4GHzを有する搬送波を利用して送信される。T34では、MFP10は、無線I/F20を介して、Probe Res.信号(2.4GHz)、Authentication Req. / Res.信号(2.4GHz)、及び、Association Req. / Res.信号(2.4GHz)の通信をAP200と実行する。これにより、MFP10は、AP200との接続を確立して、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属する。なお、MFP10は、WFDNW(2.4GHz)に所属している状態を維持しながら、AP200との接続を確立するための上記のT30〜T34を実行する。
T34が終了した時点では、PC80は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属しており、MFP10は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属している。即ち、PC80及びMFP10は、同じAP200に接続されている。この状態では、以下の通信が実行され得る。例えば、PC80は、通常Wi−FiNW(5.0GHz)を利用して、画像ファイルをAP200に送信する。MFP10は、通常Wi−FiNW(2.4GHz)を利用して、AP200から当該画像ファイルを受信して、当該画像ファイルによって表わされる画像の印刷を実行することができる。また、例えば、MFP10は、原稿のスキャンを実行することによってスキャンデータを生成し、通常Wi−FiNW(2.4GHz)を利用して、当該スキャンデータをAP200に送信する。PC80は、通常Wi−FiNW(5.0GHz)を利用して、AP200から当該スキャンデータを受信する。即ち、PC80及びMFP10が異なる通常Wi−FiNWに所属しているが、PC80及びMFP10が同じAP200に接続されているので、PC80及びMFP10は、AP200を介した通常Wi−Fi通信を実行することができる。
(ケースAの効果)
上述したように、MFP10の無線I/F20は、MFP10が通常Wi−FiNWとWFDNWとの双方に同時的に所属している状態を実現することができるが、当該通常Wi−FiNWの周波数と当該WFDNWの周波数とが一致しなければならないという制約(以下では簡単に「無線I/F20の制約」と呼ぶ)がある。従って、ケースAでは、MFP10は、WFDNW(2.4GHz)に所属している状態を維持しながら、通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属可能であるが、通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属不可能である。従って、仮に、通常Wi−FiNW(5.0GHz)で利用される無線プロファイル(即ちSSID「YYY5GHz」)がPC80からMFP10に供給されても、無線I/F20の制約があるので、MFP10は、通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属不可能である。
上記の実情に鑑みて、PC80は、通常Wi−FiNW(PC)の周波数(即ち5.0GHz)と、MFP10が現在所属している実績WFDNWの周波数(即ち2.4GHz)と、が一致しないと判断する場合(T16)に、AP200,300をサーチして、通常Wi−FiNW(2.4GHz)を識別するためのSSID「YYY」を選択する(T26)。そして、PC80は、SSID「YYY」を含む無線プロファイルをMFP10に設定するために、SSID「YYY」を含む無線プロファイルをMFP10に供給する(T28)。この結果、MFP10は、WFDNW(2.4GHz)に所属している状態を維持しながら、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属することができる(T30〜T34)。そのため、MFP10は、WFD接続を確立している他のデバイス(図示省略)とのWFD接続を切断せずに済む。そして、MFP10は、当該通常Wi−FiNW(2.4GHz)を利用して、AP200を介して、PC80と通常Wi−Fi通信を実行することができる。このように、本実施例によると、適切な周波数を有する搬送波が利用される通常Wi−FiNW(2.4GHz)にMFP10を所属させることができる。
(ケースB;図6)
本ケースでは、PC80は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(2.4GHz)に現在所属しており、SSID「YYY」を含む無線プロファイルを記憶している。MFP10は、WFDNWに現在所属していないが、WFDNW(5.0GHz)(即ち実績WFDNW)に過去に所属していた。このために、MFP10のメモリ34のパーシステント領域42には、MFP10が過去に所属していたWFDNW(5.0GHz)に関係する無線関係情報(即ち無線プロファイル及びチャネル情報)が記憶されている。なお、本ケースでは、AP200及びAP400はPC80の周囲に存在するが、AP300はPC80の周囲に存在しない。
T108〜T112は、図5のT8〜T12と同様である(図2のトリガ、S10)。ただし、T112の機器情報は、パーシステント領域42に記憶されている無線関係情報、即ち、MFP10が過去に所属していたWFDNW(5.0GHz)に関係する無線関係情報(即ち無線プロファイル及びチャネル情報)を含む。T114では、PC80は、MFP10がWFDNWへの所属実績を有すると判断する(S14でYES)。T116では、PC80は、通常Wi−FiNW(PC)の周波数(即ち2.4GHz)と、実績WFDNWの周波数(即ち5.0GHz)と、が一致しないと判断する(S20でNO)。
T118〜T120は、図5のT18〜T20と同様である。T121では、PC80は、無線I/F90を介して、SSID「BBB」を含むProbe Res.信号(5.0GHz)をAP400から取得する。
T122では、PC80は、実績WFDNWの周波数が5.0GHzであると判断する(S24でNO)。T124では、PC80は、T119〜T121で取得された3個のSSID「YYY」、「YYY5GHz」、「BBB」の中から、SSID(5.0GHz)である2個のSSID「YYY5GHz」、「BBB」を特定する(S28)。そして、T126では、PC80は、SSID(PC)(即ちSSID「YYY」)に基づいて、2個のSSID「YYY5GHz」、「BBB」の中から、図4の第7の条件を満たすSSID「YYY5GHz」を適合SSIDとして選択する(S30でYES)。T128では、PC80は、USBI/F92を介して、無線プロファイルをMFP10に供給する(S32)。当該無線プロファイルは、T126で選択されたSSID「YYY5GHz」と、設定記憶領域128内の各情報(即ち、認証方式「aaa」、暗号化方式「xxx」、パスワード「ppp」)と、を含む。当該無線プロファイルは、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)で利用される無線プロファイル230(図1参照)と同一である。
T130は、図5のT30と同様である。そして、T132では、MFP10は、無線I/F20を介して、SSID「YYY5GHz」を含むProbe Req.信号をAP200に送信する。なお、MFP10がWFDNWに現在所属していないので、MFP10は、2.4GHzを有する搬送波と5.0GHzを有する搬送波とのどちらでも利用することができる。ただし、ここでは、MFP10は、パーシステント領域42に記憶されているチャネル情報が示す5.0GHzを有する搬送波を利用する。即ち、T132のProbe Req.信号は、5.0GHzの周波数を有する搬送波を利用して送信される。T134では、MFP10は、無線I/F20を介して、Probe Res.信号(5.0GHz)、Authentication Req. / Res.信号(5.0GHz)、及び、Association Req. / Res.信号(5.0GHz)の通信をAP200と実行する。これにより、MFP10は、AP200との接続を確立して、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属することができる。
T134が終了した時点では、PC80は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属しており、MFP10は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属している。即ち、PC80及びMFP10は、同じAP200に接続されている。この状態では、PC80及びMFP10は、通常Wi−FiNW(2.4GHz)及び通常Wi−FiNW(5.0GHz)を利用して、AP200を介して、画像ファイル、スキャンデータ等の無線通信を実行することができる。
(ケースBの効果)
ケースBでは、MFP10は、WFDNWに現在所属していない。従って、仮に、PC80が現在所属している通常Wi−FiNW(2.4GHz)で利用される無線プロファイル(即ちSSID「YYY」)がPC80からMFP10に供給されると、MFP10は、当該無線プロファイルを利用して、通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属可能である。しかしながら、その後、MFP10がパーシステント領域42に記憶されている無線関係情報を利用してWFDNW(5.0GHz)に再び所属すべき状況が発生し得る。この場合、MFP10の無線I/F20の制約があるので、MFP10は、通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属している状態を維持しながら、WFDNW(5.0GHz)に所属不可能である。
上記の実情に鑑みて、PC80は、通常Wi−FiNW(PC)の周波数(即ち2.4GHz)と、MFP10が過去に所属していた実績WFDNWの周波数(即ち5.0GHz)と、が一致しないと判断する場合(T116)に、AP200,400をサーチして、通常Wi−FiNW(5.0GHz)を識別するためのSSID「YYY5GHz」を選択する(T126)。そして、PC80は、SSID「YYY5GHz」を含む無線プロファイルをMFP10に設定するために、SSID「YYY5GHz」を含む無線プロファイルをMFP10に供給する(T128)。この結果、MFP10は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属することができる(T130〜T134)。そして、MFP10は、当該通常Wi−FiNW(5.0GHz)を利用して、AP200を介して、PC80と通常Wi−Fi通信を実行することができる。また、その後、MFP10は、通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属している状態を維持しながら、パーシステント領域42に記憶されている無線関係情報を利用して、WFDNW(5.0GHz)に所属可能である。このように、本実施例によると、適切な周波数を有する搬送波が利用される通常Wi−FiNW(5.0GHz)にMFP10を所属させることができる。
(ケースC;図7)
本ケースでは、PC80は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)に現在所属しており、SSID「YYY5GHz」を含む無線プロファイルを記憶している。MFP10は、WFDNW(5.0GHz)(即ち実績WFDNW)に現在所属している。
T208〜T212は、図5のT8〜T12と同様である(図2のトリガ、S10,S12)。ただし、T212の機器情報は、MFP10が現在所属しているWFDNW(5.0GHz)に関係する無線関係情報(即ち無線プロファイル及びチャネル情報)を含む。T214は、図5のT14と同様である(S14でYES)。T216では、PC80は、通常Wi−FiNW(PC)の周波数(即ち5.0GHz)と、実績WFDNWの周波数(即ち5.0GHz)と、が一致すると判断する(S20でYES)。
T218では、PC80は、USBI/F92を介して、無線プロファイルをMFP10に供給する(S34)。当該無線プロファイルは、設定記憶領域128内の無線プロファイル(即ち、SSID「YYY5GHz」、認証方式「aaa」、暗号化方式「xxx」、パスワード「ppp」)と同一である。また、当該無線プロファイルは、通常Wi−FiNW(PC)で利用される無線プロファイル、即ち、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)で利用される無線プロファイル230(図1参照)と同一である。
T220では、MFP10は、T218の無線プロファイルを通常Wi−Fi設定記憶領域38内に記憶することによって、無線プロファイルを設定する。そして、T222では、MFP10は、無線I/F20を介して、SSID「YYY5GHz」を含むProbe Req.信号をAP200に送信する。なお、MFP10がWFDNW(5.0GHz)に現在所属しているので、MFP10は、WFDNW(5.0GHz)の周波数に一致しない周波数(即ち2.4GHz)を有する搬送波を利用不可能である。このために、T222のProbe Req.信号は、5.0GHzの周波数を有する搬送波を利用して送信される。T224は、図6のT134と同様である。これにより、MFP10は、AP200との接続を確立して、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属する。
T224が終了した時点では、PC80及びMFP10は、AP200によって形成されている無線NW(5.0GHz)に所属している。この状態では、PC80及びMFP10は、無線NW(5.0GHz)を利用して、AP200を介して、画像ファイル、スキャンデータ等の無線通信を実行することができる。
(ケースCの効果)
ケースCでは、PC80は、通常Wi−FiNW(PC)の周波数(即ち5.0GHz)と、MFP10が現在所属している実績WFDNWの周波数(即ち5.0GHz)と、が一致すると判断する場合(T216)に、APをサーチしない。そして、PC80は、SSID(PC)を含む無線プロファイルをMFP10に設定するために、SSID(PC)を含む無線プロファイルをMFP10に供給する(T218)。この結果、MFP10は、WFDNW(5.0GHz)に所属している状態を維持しながら、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属することができる(T220〜T224)。特に、MFP10は、当該通常Wi−FiNW(5.0GHz)を利用して、AP200を介して、PC80と通常Wi−Fi通信を実行することができる。このように、本実施例によると、適切な周波数を有する搬送波が利用される通常Wi−FiNW(5.0GHz)にMFP10を所属させることができる。
なお、上記の具体的なケースA〜ケースCでは、図2のS30でNOと判断されるケースが説明されていない。この場合、通常Wi−FiNW(PC)の周波数と、実績WFDNWでの周波数と、が一致しないにも関わらず(S20でNO)、通常Wi−FiNW(PC)で利用される無線プロファイルがMFP10に供給される(S34)。従って、MFP10は、当該無線プロファイルを利用して、通常Wi−FiNW(PC)に所属することができない。この場合、MFP10は、通常Wi−FiNWに所属することができないことを示すメッセージを表示する。なお、変形例では、S30でNOと判断される場合に、S34に進まずに、上記のメッセージの表示を指示するための情報がMFP10に供給されてもよい。
(対応関係)
PC80の制御部120、PC80、MFP10が、それぞれ、「制御装置」、「所属済みデバイス」、「設定対象デバイス」の一例である。AP200が、「同じアクセスポイント」の一例である。実績WFDNW、通常Wi−FiNW(PC)が、それぞれ、「実績無線ネットワーク」、「現行無線ネットワーク」の一例である。図5〜7のケースA〜CでMFP10が所属する通常Wi−FiNWが、「目的無線ネットワーク」の一例である。図5,6のケースA,BでMFP10が所属する通常Wi−FiNWが、「第1の無線ネットワーク」の一例である。機器情報、無線関係情報130、無線関係情報130に含まれるチャネル情報が、それぞれ、「実績関係情報」、「現行関係情報」、「現行周波数情報」の一例である。機器情報に含まれるチャネル情報が、「実績周波数情報」の一例である。図5〜7のケースA〜Cの実績WFDNWで利用されるべき搬送波が有する周波数が、「実績周波数」の一例である。図5〜7のケースA〜Cの通常Wi−FiNW(PC)で利用されるべき搬送波が有する周波数が、「現行周波数」の一例である。
図5のケースAのT19〜T21、又は、図6のケース6のT119〜T121で取得される3個のSSIDが、「N個の無線識別子」の一例である。SSID(PC)、適合SSIDが、それぞれ、「現行無線識別子」、「第1の無線識別子」の一例である。図5のケースAのT24、又は、図6のケースBのT124で特定される2個のSSIDが、「1個以上の無線識別子」の一例である。図3において、SSID(PC)を構成する文字列(例えば「YYY」、「YYY5GHz」等)が、「特定文字列」の一例である。
図2において、S12、S18、それぞれ、「実績関係情報取得部」、「現行関係情報取得部」によって実行される処理の一例である。S22〜S30が、「決定部」によって実行される処理の一例である。特に、S22が、「サーチ部」によって実行される処理の一例であり、S24〜S30が、「選択部」によって実行される処理の一例である。S32及びS34が、「設定処理実行部」によって実行される処理の一例である。
(第2実施例)
第1実施例では、PC80がAPのサーチを実行するが(図2のS22)、本実施例では、MFP10がAPのサーチを実行する。
(MFP10の処理;図8)
続いて、図8を参照して、MFP10のCPU32が実行する処理の内容について説明する。S110では、CPU32は、USBI/F22を介して、無線関係情報130をPC80から取得する。
S111では、CPU32は、メモリ34から機器情報を読み出すことによって、機器情報を取得する。S112〜S124は、処理の主体がPC80ではなく、MFP10であることを除いて、図2のS14,S20〜30と同様である。
S126では、まず、CPU32は、S110で取得された無線関係情報130に含まれる無線プロファイルを利用して、新たな無線プロファイルを生成する。具体的には、CPU32は、S110で取得された無線プロファイルに含まれるSSID(PC)を、S124で選択された適合SSIDに置換することによって、新たな無線プロファイルを生成する。そして、CPU32は、新たな無線プロファイルをメモリ34内の設定記憶領域38に記憶させることによって、新たな無線プロファイルをMFP10に設定する。
S127では、CPU32は、S126で設定された無線プロファイルを利用して、AP200との通常Wi−Fi接続を確立する。具体的には、CPU32は、適合SSIDを含むProbe Req.信号をAP200に送信する。適合SSIDによって識別される通常Wi−FiNWの周波数と、実績WFDNWの周波数と、は同一であるため、当該Probe Req.信号は、当該同一の周波数を有する搬送波を利用して送信される。次いで、MFP10は、当該同一の周波数を有する搬送波を利用して、Probe Res.信号、Authentication Req. / Res.信号、及び、Association Req. / Res.信号の通信をAP200と実行する。これにより、MFP10は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNWに所属することができる。即ち、適合SSIDが通常Wi−FiNW(2.4GHz)を識別するためのSSIDである場合には、MFP10は、通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属し得る。また、適合SSIDが通常Wi−FiNW(5.0GHz)を識別するためのSSIDである場合には、MFP10は、通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属し得る。S127が終了すると、図8の処理が終了する。
一方、S128では、CPU32は、S110で取得された無線関係情報130に含まれる無線プロファイルをメモリ34内の通常Wi−Fi設定記憶領域38に記憶させることによって、当該無線プロファイルをMFP10に設定する。
S129では、CPU32は、S128で設定された無線プロファイルを利用して、AP200との通常Wi−Fi接続を確立する。S129は、S127と同様である。S128で設定された無線プロファイルに含まれるSSID(PC)が通常Wi−FiNW(2.4GHz)を識別するためのSSIDである場合には、MFP10は、通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属し得る。また、S220で設定された無線プロファイルに含まれるSSID(PC)が通常Wi−FiNW(5.0GHz)を識別するためのSSIDである場合には、MFP10は、通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属し得る。S129が終了すると、図8の処理が終了する。
S130では、CPU32は、無線NWに所属することができないことを示すメッセージを表示する。なお、変形例では、CPU32は、S130において、S120又はS122で特定された1個以上のSSIDを含む選択画面を表示してもよい。これにより、ユーザは、選択画面において、1個以上のSSIDの中から1個のSSIDを選択することができる。
(具体的なケース;図9,図10)
続いて、図9及び図10を参照して、図8のフローチャートに従って実現される具体的なケースD,Eの内容を説明する。
(ケースD;図9)
本ケースでは、PC80は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)に現在所属しており、SSID「YYY5GHz」を含む無線プロファイルを記憶している。また、MFP10は、WFDNW(2.4GHz)(即ち実績WFDNW)に所属している。なお、本ケースでは、AP200及びAP300はMFP10の周囲に存在するが、AP400はMFP10の周囲に存在しない。
T308は、図5のT8と同様である。T310では、MFP10は、USBI/F22を介して、無線関係情報130をPC80から取得する(図8のS110)。
T312〜T324は、処理の主体がPC80ではなく、MFP10であることを除いて、図5のT14〜T26と同様である(S112〜S124)。T326〜T330は、図5のT30〜T34と同様である(S126,S127)。
(ケースDの効果)
上述したように、MFP10は、通常Wi−FiNW(PC)の周波数(即ち5.0GHz)と、実績WFDNWの周波数(即ち2.4GHz)と、が一致しないと判断する場合(T314)に、AP200,300をサーチして、通常Wi−FiNW(2.4GHz)を識別するためのSSID「YYY」を選択する(T324)。そして、MFP10は、SSID「YYY」を含む無線プロファイルをMFP10に設定する(T326)。この結果、MFP10は、WFDNW(2.4GHz)に所属している状態を維持しながら、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属することができる(T328,T330)。そして、MFP10は、当該通常Wi−FiNW(2.4GHz)を利用して、AP200を介して、PC80と通常Wi−Fi通信を実行することができる。このように、本実施例でも、適切な周波数を有する搬送波が利用される通常Wi−FiNW(2.4GHz)にMFP10を所属させることができる。
(ケースE)
本ケースでは、PC80は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)に現在所属しており、SSID「YYY5GHz」を含む無線プロファイルを記憶している。MFP10は、WFDNWに現在所属していないが、WFDNW(5.0GHz)(即ち実績WFDNW)に過去に所属していた。このために、MFP10のメモリ34のパーシステント領域42には、MFP10が過去に所属していたWFDNW(5.0GHz)に関係する無線関係情報(即ち無線プロファイル及びチャネル情報)が記憶されている。
T408,T410は、図9のT308,T310と同様である。T412では、MFP10は、MFP10がWFDNWへの所属実績を有すると判断する(S112でYES)。T414では、MFP10は、通常Wi−FiNW(PC)の周波数(即ち5.0GHz)と、実績WFDNWの周波数(即ち5.0GHz)と、が一致すると判断する(S114でYES)。
MFP10は、APのサーチを実行せずに、T416において、当該無線プロファイルを設定する(S128)。T418及びT420は、図6のT132及びT134と同様である。
(ケースEの効果)
ケースDでは、MFP10は、通常Wi−FiNW(PC)の周波数(即ち5.0GHz)と、MFP10が過去に所属していた実績WFDNWの周波数(即ち5.0GHz)と、が一致すると判断する場合(T414)に、APをサーチしない。そして、MFP10は、SSID(PC)を含む無線プロファイルをMFP10に設定する(T416)。この結果、MFP10は、AP200によって形成されている通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属することができる(T418,T420)。そして、MFP10は、当該通常Wi−FiNW(5.0GHz)を利用して、AP200を介して、PC80と通常Wi−Fi通信を実行することができる。また、その後、MFP10は、通常Wi−FiNW(5.0GHz)に所属している状態を維持しながら、パーシステント領域42に記憶されている無線関係情報を利用して、WFDNW(5.0GHz)に所属可能である。このように、本実施例でも、適切な周波数を有する搬送波が利用される通常Wi−FiNW(5.0GHz)にMFP10を所属させることができる。
(対応関係)
MFP10の制御部30、PC80、MFP10が、それぞれ、「制御装置」、「所属済みデバイス」、「設定対象デバイス」の一例である。図9,10のケースD,EでMFP10が所属する通常Wi−FiNWが、「目的無線ネットワーク」の一例である。図9のケースDでMFP10が所属する通常Wi−FiNWが、「第1の無線ネットワーク」の一例である。図9,10のケースD,Eの実績WFDNWの周波数が、「実績周波数」の一例である。図9,10のケースD,Eの通常Wi−FiNW(PC)の周波数が、「現行周波数」の一例である。図9のケースDのT317〜T319で取得される3個のSSIDが、「N個の無線識別子」の一例である。図9のケースDのT322で特定されるSSID「YYY」及びSSID「AAA」が、「1個以上の無線識別子」の一例である。
図8において、S110、S111、それぞれ、「現行関係情報取得部」、「実績関係情報取得部」によって実行される処理の一例である。S116〜S124が、「決定部」によって実行される処理の一例である。特に、S116が、「サーチ部」によって実行される処理の一例であり、S118〜S124が、「選択部」によって実行される処理の一例である。S126及びS128が、「設定処理実行部」によって実行される処理の一例である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
(変形例1)上記の各実施例では、MFP10がWFDNWに所属する状況が想定されている。これに代えて、MFP10は、MFP10自身又は図示省略の他のデバイスがSoftAPを起動させることによって形成される無線ネットワークに所属していてもよい。即ち、「アクセスポイントを介さない無線通信を実行するための無線ネットワーク(即ち実績無線ネットワーク)」は、WFDNWに限られず、SoftAPの起動によって形成される無線ネットワークであってもよい。
(変形例2)図5のケースAでは、AP200は、通常Wi−FiNW(2.4GHz)及び通常Wi−FiNW(5.0GHz)の双方を形成しているが、通常Wi−FiNW(5.0GHz)のみを形成し、通常Wi−FiNW(2.4GHz)を形成していなくてもよい。本変形例では、AP200とは異なる特定のAPが通常Wi−FiNW(2.4GHz)を形成している。当該通常Wi−FiNW(2.4GHz)では、SSID「YYY」と、認証方式「aaa」と、暗号化方式「xxx」と、パスワード「ppp」と、を含む無線プロファイルが利用される。本変形例では、T19において、PC80は、SSID「YYY」を含むProbe Res.信号(2.4GHz)を特定のAPから受信する。また、MFP10は、T32において、SSID「YYY」を含むProbe Req.信号(2.4GHz)を特定のAPに送信し、T34において、Probe Res.信号(2.4GHz)等の通信を特定のAPと実行し、特定のAPによって形成されている通常Wi−FiNW(2.4GHz)に所属する。即ち、「現行無線ネットワーク」及び「第1の無線ネットワーク」は、同じアクセスポイントによって形成されていなくてもよい。
(変形例3)「設定対象デバイス」は、印刷機能及びスキャン機能を実行可能なMFP10に限られない。「設定対象デバイス」は、印刷機能及びスキャン機能とは異なる機能(例えば、画像の表示機能、データの演算機能)を実行する機器(例えば、PC、サーバ、携帯端末(携帯電話、スマートフォン、PDA等))であってもよい。また、上記の各実施例では、「所属済みデバイス」は、PC80に限られず、サーバ、携帯端末、MFP等であってもよい。即ち、「設定対象デバイス」及び「所属済みデバイス」は、無線ネットワークに所属可能なあらゆるデバイスを含む。
(変形例4)上記の各実施例では、PC80のCPU122、又は、MFP10のCPU32がプログラム(即ちソフトウェア)を実行することによって、図2及び図8の各処理が実現される。これに代えて、図2及び図8の各処理のうちの少なくとも1つの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。