しかし、上述のような特許文献1に示された空気調和機では、室外機と室内機が一台ずつ接続されたいわゆるペア機の空気調和機が前提となっている。
ここで、例えば、1台の室内機に対して複数台の室外機が接続されたいわゆるマルチ機の空気調和機において室外機で冷媒の漏洩が生じた際、室内機の熱交換器の容積だけでは、空気調和機の冷媒を回収するのに必要な容積が不足することがある。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、複数台の熱源ユニットのうちのいずれかにおいて冷媒の漏洩が生じた場合に、当該冷媒の漏洩が生じた熱源ユニットからの冷媒の回収を可能にする冷凍装置を提供することにある。
第1観点に係る冷凍装置は、1もしくは複数台の利用ユニットと、利用ユニットに対して互いに並列となるように接続された少なくとも2台の熱源ユニットと、を備えた冷凍装置において、漏洩検知手段と制御部を備えている。利用ユニットは、利用側熱交換器と、利用側熱交換器の液冷媒側に接続された利用側膨張弁を有している。第1熱源ユニットは、第1圧縮機と、第1熱源側熱交換器と、第1熱源側熱交換器の液冷媒側に接続された第1熱源側膨張弁と、第1液溜容器と、を有している。第2熱源ユニットは、第2圧縮機と、第2熱源側熱交換器と、第2熱源側熱交換器の液冷媒側に接続された第2熱源側膨張弁と、第2液溜容器と、を有している。漏洩検知手段は、少なくとも第1熱源ユニットで冷媒の漏洩が生じたことを検知する。制御部は、漏洩検知手段が冷媒の漏洩を検知した場合に、利用側熱交換器を冷媒の凝縮器として機能させて利用側熱交換器および第2液溜容器に液冷媒を溜めるように、利用ユニット、第1熱源ユニットおよび第2熱源ユニットを制御する。利用ユニットは、互いに並列接続された第1利用ユニットと第2利用ユニットを有している。第1利用ユニットは、第1利用側熱交換器および第1利用側膨張弁を有している。第2利用ユニットは、第2利用側熱交換器および第2利用側膨張弁を有している。制御部は、第1利用側膨張弁と第2利用側膨張弁を順に閉じる。
この冷凍装置では、冷媒が漏洩していくおそれのある第1熱源ユニット内の冷媒を、冷媒が漏洩していない他のユニットに回収させて、冷媒の漏洩を抑制することが可能になる。また、この冷凍装置では、同時に各利用側膨張弁を閉めるのではなく、順に利用側膨張弁を閉めている。このため、一方の利用ユニットでは利用側膨張弁が閉じられることで利用側熱交換器に冷媒を溜めることが可能になり、他方の利用ユニットでは利用側膨張弁が閉じられていないために利用側熱交換器での熱交換による空気調和を継続させることができる。
第2観点に係る冷凍装置は、1もしくは複数台の利用ユニットと、利用ユニットに対して互いに並列となるように接続された少なくとも2台の熱源ユニットと、を備えた冷凍装置において、漏洩検知手段と制御部を備えている。利用ユニットは、利用側熱交換器と、利用側熱交換器の液冷媒側に接続された利用側膨張弁を有している。第1熱源ユニットは、第1圧縮機と、第1熱源側熱交換器と、第1熱源側熱交換器の液冷媒側に接続された第1熱源側膨張弁と、第1液溜容器と、を有している。第2熱源ユニットは、第2圧縮機と、第2熱源側熱交換器と、第2熱源側熱交換器の液冷媒側に接続された第2熱源側膨張弁と、第2液溜容器と、を有している。漏洩検知手段は、少なくとも第1熱源ユニットで冷媒の漏洩が生じたことを検知する。制御部は、漏洩検知手段が冷媒の漏洩を検知した場合に、利用側熱交換器を冷媒の凝縮器として機能させて利用側熱交換器および第2液溜容器に液冷媒を溜めるように、利用ユニット、第1熱源ユニットおよび第2熱源ユニットを制御する。制御部は、第2圧縮機の吸入する冷媒または吐出する冷媒について所定条件を満たした場合に、利用側膨張弁を閉じる。
なお、ここでの所定条件としては、特に限定されないが、例えば、第2圧縮機に吸入される冷媒の湿り状態に関する条件(これに対応する第2圧縮機の吸入冷媒温度もしくは吐出冷媒温度の条件)としてもよい。
この冷凍装置では、冷媒が漏洩していくおそれのある第1熱源ユニット内の冷媒を、冷媒が漏洩していない他のユニットに回収させて、冷媒の漏洩を抑制することが可能になる。また、この冷凍装置では、非漏洩機の圧縮機の吸入冷媒温度もしくは吐出冷媒温度が所定条件を満たした場合に利用側膨張弁を閉じることから、非漏洩機の液溜容器や熱源側熱交換器にできるだけ多くの冷媒を溜めつつ、その後利用ユニットの利用側熱交換器に冷媒を溜めることが可能となる。
第3観点に係る冷凍装置は、第2観点に係る冷凍装置であって、利用ユニットは、互いに並列接続された第1利用ユニットと第2利用ユニットを有している。第1利用ユニットは、第1利用側熱交換器および第1利用側膨張弁を有している。第2利用ユニットは、第2利用側熱交換器および第2利用側膨張弁を有している。制御部は、第2圧縮機の吸入する冷媒または吐出する冷媒について所定条件を満たした場合に、第1利用側膨張弁と第2利用側膨張弁を順に閉じる。
なお、ここでの所定条件としては、特に限定されないが、例えば、第2圧縮機に吸入される冷媒の湿り状態に関する条件(これに対応する第2圧縮機の吸入冷媒温度もしくは吐出冷媒温度の条件)としてもよい。
この冷凍装置では、非漏洩機の圧縮機の吸入冷媒温度もしくは吐出冷媒温度が所定条件を満たした場合に第1利用側膨張弁と第2利用側膨張弁を順に閉じている。このため、非漏洩機の液溜容器や熱源側熱交換器にできるだけ多くの冷媒を溜めつつ、その後各利用ユニットの各利用側膨張弁を閉じることで各利用側熱交換器に冷媒を溜めることが可能となる。さらに、一方の利用ユニットでは利用側膨張弁が閉じられることで利用側熱交換器に冷媒を溜めることが可能になり、他方の利用ユニットでは利用側膨張弁が閉じられていないために利用側熱交換器での熱交換による空気調和を継続させることができる。
第4観点に係る冷凍装置は、1もしくは複数台の利用ユニットと、利用ユニットに対して互いに並列となるように接続された少なくとも2台の熱源ユニットと、を備えた冷凍装置において、漏洩検知手段と制御部を備えている。利用ユニットは、利用側熱交換器と、利用側熱交換器の液冷媒側に接続された利用側膨張弁を有している。第1熱源ユニットは、第1圧縮機と、第1熱源側熱交換器と、第1熱源側熱交換器の液冷媒側に接続された第1熱源側膨張弁と、第1液溜容器と、を有している。第2熱源ユニットは、第2圧縮機と、第2熱源側熱交換器と、第2熱源側熱交換器の液冷媒側に接続された第2熱源側膨張弁と、第2液溜容器と、を有している。漏洩検知手段は、少なくとも第1熱源ユニットで冷媒の漏洩が生じたことを検知する。制御部は、漏洩検知手段が冷媒の漏洩を検知した場合に、利用側熱交換器を冷媒の凝縮器として機能させて利用側熱交換器および第2液溜容器に液冷媒を溜めるように、利用ユニット、第1熱源ユニットおよび第2熱源ユニットを制御する。第2液溜容器は、第2圧縮機の吸入側に接続されている。第2熱源ユニットは、第2熱源側膨張弁から利用ユニットの液冷媒側に向けて伸びる配管の途中から分岐して第2液溜容器まで伸びている第2バイパス回路と、第2バイパス回路の途中に設けられた第2バイパス膨張弁と、を有している。制御部は、漏洩検知手段が冷媒の漏洩を検知した場合に、第2熱源側膨張弁および第2バイパス膨張弁の弁開度を全開にする。
この冷凍装置では、冷媒が漏洩していくおそれのある第1熱源ユニット内の冷媒を、冷媒が漏洩していない他のユニットに回収させて、冷媒の漏洩を抑制することが可能になる。また、この冷凍装置では、第2熱源側膨張弁を全開にすることで第2熱源側熱交換器に液冷媒を溜めつつ、第2バイパス膨張弁を全開にすることで第2液溜容器にも液冷媒を溜めやすくすることが可能になる。
第5観点に係る冷凍装置は、1もしくは複数台の利用ユニットと、利用ユニットに対して互いに並列となるように接続された少なくとも2台の熱源ユニットと、を備えた冷凍装置において、漏洩検知手段と制御部を備えている。利用ユニットは、利用側熱交換器と、利用側熱交換器の液冷媒側に接続された利用側膨張弁を有している。第1熱源ユニットは、第1圧縮機と、第1熱源側熱交換器と、第1熱源側熱交換器の液冷媒側に接続された第1熱源側膨張弁と、第1液溜容器と、を有している。第2熱源ユニットは、第2圧縮機と、第2熱源側熱交換器と、第2熱源側熱交換器の液冷媒側に接続された第2熱源側膨張弁と、第2液溜容器と、を有している。漏洩検知手段は、少なくとも第1熱源ユニットで冷媒の漏洩が生じたことを検知する。制御部は、漏洩検知手段が冷媒の漏洩を検知した場合に、利用側熱交換器を冷媒の凝縮器として機能させて利用側熱交換器および第2液溜容器に液冷媒を溜めるように、利用ユニット、第1熱源ユニットおよび第2熱源ユニットを制御する。制御部は、漏洩検知手段が冷媒の漏洩を検知した場合に、第1熱源側膨張弁の弁開度を全閉にする。
この冷凍装置では、冷媒が漏洩していくおそれのある第1熱源ユニット内の冷媒を、冷媒が漏洩していない他のユニットに回収させて、冷媒の漏洩を抑制することが可能になる。また、この冷凍装置では、冷媒漏洩が検知された第1熱源ユニットに向けて利用ユニットから冷媒が送られてしまうことを防止することが可能になる。
第6観点に係る冷凍装置は、1もしくは複数台の利用ユニットと、利用ユニットに対して互いに並列となるように接続された少なくとも2台の熱源ユニットと、を備えた冷凍装置において、漏洩検知手段と制御部を備えている。利用ユニットは、利用側熱交換器と、利用側熱交換器の液冷媒側に接続された利用側膨張弁を有している。第1熱源ユニットは、第1圧縮機と、第1熱源側熱交換器と、第1熱源側熱交換器の液冷媒側に接続された第1熱源側膨張弁と、第1圧縮機の吸入側に設けられたアキュームレータである第1液溜容器と、を有している。第2熱源ユニットは、第2圧縮機と、第2熱源側熱交換器と、第2熱源側熱交換器の液冷媒側に接続された第2熱源側膨張弁と、第2圧縮機の吸入側に設けられたアキュームレータである第2液溜容器と、を有している。漏洩検知手段は、少なくとも第1熱源ユニットで冷媒の漏洩が生じたことを検知する。制御部は、利用側熱交換器を冷媒の凝縮器として機能させ第1熱源側熱交換器および第2熱源側熱交換器を冷媒の蒸発器として機能させる暖房運転を実行する際に、第1熱源側膨張弁および第2熱源側膨張弁の弁開度を制御する。制御部は、漏洩検知手段が冷媒の漏洩を検知した場合に、第2熱源側膨張弁の弁開度を暖房運転時における弁開度よりも大きな弁開度として、利用側熱交換器を冷媒の凝縮器として機能させて利用側熱交換器および第2液溜容器に液冷媒を溜めるように、利用ユニット、第1熱源ユニットおよび第2熱源ユニットを制御する。
この冷凍装置では、冷媒が漏洩していくおそれのある第1熱源ユニット内の冷媒を、冷媒が漏洩していない他のユニットに回収させて、冷媒の漏洩を抑制することが可能になる。
第7観点に係る冷凍装置は、第6観点に係る冷凍装置であって、制御部は、利用ユニットが1台である場合には利用側膨張弁を最小開度よりも大きな開度に制御し、利用ユニットが複数台である場合には複数の利用側膨張弁のうちの少なくとも1つの利用側膨張弁を最小開度よりも大きな開度に制御する。
なお、ここで、利用側膨張弁の最小開度が0(全閉)である場合には、例えば、最も小さな弁開度として予め設定されている開度に制御することが含まれる。
この冷凍装置では、冷媒漏洩が生じていない熱源ユニットの液溜容器に液冷媒を送り込むことで、冷媒漏洩が生じていない熱源ユニットの液溜容器を液冷媒の回収にできるだけ有効利用させることが可能になる。
第8観点に係る冷凍装置は、1もしくは複数台の利用ユニットと、利用ユニットに対して互いに並列となるように接続された少なくとも2台の熱源ユニットと、を備えた冷凍装置において、漏洩検知手段と制御部を備えている。利用ユニットは、利用側熱交換器と、利用側熱交換器の液冷媒側に接続された利用側膨張弁を有している。第1熱源ユニットは、第1圧縮機と、第1熱源側熱交換器と、第1熱源側熱交換器の液冷媒側に接続された第1熱源側膨張弁と、第1液溜容器と、を有している。第2熱源ユニットは、第2圧縮機と、第2熱源側熱交換器と、第2熱源側熱交換器の液冷媒側に接続された第2熱源側膨張弁と、第2液溜容器と、を有している。漏洩検知手段は、少なくとも第1熱源ユニットで冷媒の漏洩が生じたことを検知する。制御部は、漏洩検知手段が冷媒の漏洩を検知した場合に、利用側熱交換器を冷媒の凝縮器として機能させて利用側熱交換器および第2液溜容器に液冷媒を溜めるように、利用ユニット、第1熱源ユニットおよび第2熱源ユニットを制御する。制御部は、利用ユニットが1台である場合には利用側膨張弁を最小開度よりも大きな開度に制御し、利用ユニットが複数台である場合には複数の利用側膨張弁のうちの少なくとも1つの利用側膨張弁を最小開度よりも大きな開度に制御する。制御部は、第2圧縮機の吸入する冷媒または吐出する冷媒について所定条件を満たした場合に、第2液溜容器に所定量以上の液冷媒が溜まっていると判断する。
なお、ここで、利用側膨張弁の最小開度が0(全閉)である場合には、例えば、最も小さな弁開度として予め設定されている開度に制御することが含まれる。
この冷凍装置では、冷媒が漏洩していくおそれのある第1熱源ユニット内の冷媒を、冷媒が漏洩していない他のユニットに回収させて、冷媒の漏洩を抑制することが可能になる。また、冷媒漏洩が生じていない熱源ユニットの液溜容器に液冷媒を送り込むことで、冷媒漏洩が生じていない熱源ユニットの液溜容器を液冷媒の回収にできるだけ有効利用させることが可能になる。さらに、この冷凍装置では、第2液溜容器において液冷媒をより十分に溜めることが可能になる。
第9観点に係る冷凍装置は、第1観点から第8観点のいずれかに係る冷凍装置であって、制御部は、第1圧縮機の吸入冷媒の温度もしくは圧力が所定値を下回った場合に第1圧縮機を停止する。
この冷凍装置では、第1圧縮機の吸入冷媒の温度もしくは圧力が所定値を下回るほどに下がったことを確認することで、冷媒の漏洩が検知された第1熱源ユニットにおける冷媒の回収が終了していると判断して第1圧縮機を停止することが可能になる。
第10観点に係る冷凍装置は、第1観点から第9観点のいずれかに係る冷凍装置であって、第2熱源ユニットは、第2圧縮機から吐出される冷媒を第2熱源側熱交換器側に送る状態と利用側熱交換器に送る状態とを切り換え可能な第2四路切換弁を有している。制御部は、第2圧縮機から吐出される冷媒を利用側熱交換器に送る状態で第2圧縮機を運転させて利用側熱交換器および第2液溜容器に液冷媒を溜めた後、第2圧縮機から吐出される冷媒を利用側熱交換器に送るという第2四路切換弁の接続状態を維持させたまま、第2圧縮機を停止する。
この冷凍装置では、第2圧縮機から吐出される冷媒を利用側熱交換器に送るという第2四路切換弁の接続状態を維持させたままで第2圧縮機を停止させることで、第2液溜容器と第1熱源ユニットとが接続されていない状態にすることができる。これにより、冷媒回収後に、第2液溜容器に溜められた液冷媒が第2四路切換弁およびガス側の連絡配管を介して漏洩が生じている第1熱源ユニットに流れて行ってしまうことを抑制できる。
第1観点に係る冷凍装置は、冷媒が漏洩していくおそれのある第1熱源ユニット内の冷媒を、冷媒が漏洩していない他のユニットに回収させて、冷媒の漏洩を抑制することが可能になる。また、一方の利用ユニットでは利用側熱交換器に冷媒を溜めつつ、他方の利用ユニットでは利用側熱交換器での熱交換による空気調和を継続させることができる。
第2観点に係る冷凍装置は、冷媒が漏洩していくおそれのある第1熱源ユニット内の冷媒を、冷媒が漏洩していない他のユニットに回収させて、冷媒の漏洩を抑制することが可能になる。また、非漏洩機の液溜容器や熱源側熱交換器にできるだけ多くの冷媒を溜めつつ、その後利用側熱交換器に冷媒を溜めることが可能となる。
第3観点に係る冷凍装置は、冷媒が漏洩していくおそれのある第1熱源ユニット内の冷媒を、冷媒が漏洩していない他のユニットに回収させて、冷媒の漏洩を抑制することが可能になる。また、非漏洩機の液溜容器や熱源側熱交換器にできるだけ多くの冷媒を溜めつつ、その後各利用側熱交換器に冷媒を溜めることが可能となり、一方の利用側膨張弁が閉じられることで対応する利用側熱交換器に冷媒を溜めつつ、他方の利用側膨張弁は閉じられていないために対応する利用側熱交換器での熱交換による空気調和を継続させることができる。
第4観点に係る冷凍装置は、冷媒が漏洩していくおそれのある第1熱源ユニット内の冷媒を、冷媒が漏洩していない他のユニットに回収させて、冷媒の漏洩を抑制することが可能になる。また、第2熱源側熱交換器に液冷媒を溜めつつ第2液溜容器にも液冷媒を溜めやすくすることが可能になる。
第5観点に係る冷凍装置は、冷媒が漏洩していくおそれのある第1熱源ユニット内の冷媒を、冷媒が漏洩していない他のユニットに回収させて、冷媒の漏洩を抑制することが可能になる。また、冷媒漏洩が検知された第1熱源ユニットに向けて利用ユニットから冷媒が送られてしまうことを防止することが可能になる。
第6観点に係る冷凍装置は、冷媒が漏洩していくおそれのある第1熱源ユニット内の冷媒を、冷媒が漏洩していない他のユニットに回収させて、冷媒の漏洩を抑制することが可能になる。
第7観点に係る冷凍装置は、冷媒漏洩が生じていない熱源ユニットの液溜容器を液冷媒の回収にできるだけ有効利用させることが可能になる。
第8観点に係る冷凍装置は、冷媒が漏洩していくおそれのある第1熱源ユニット内の冷媒を、冷媒が漏洩していない他のユニットに回収させて、冷媒の漏洩を抑制することが可能になる。また、冷媒漏洩が生じていない熱源ユニットの液溜容器を液冷媒の回収にできるだけ有効利用させることが可能になる。さらに、第2液溜容器において液冷媒をより十分に溜めることが可能になる。
第9観点に係る冷凍装置は、第1圧縮機の吸入冷媒の温度もしくは圧力が所定値を下回るほどに下がったことを確認することで、冷媒の漏洩が検知された第1熱源ユニットにおける冷媒の回収が終了していると判断して第1圧縮機を停止することが可能になる。
第10観点に係る冷凍装置は、冷媒回収後に、第2液溜容器に溜められた液冷媒が第2四路切換弁およびガス側の連絡配管を介して漏洩が生じている第1熱源ユニットに流れて行ってしまうことを抑制できる。
以下、本発明の冷凍装置が採用された一実施形態について、図面に基づいて説明する。
(1)全体概略構成
図1に、冷凍装置100の冷媒回路図を示す。図2に、冷凍装置100のブロック構成図を示す。
本実施形態の冷凍装置100は、第1室外ユニット10と、第2室外ユニット20と、第1室内ユニット61および第2室内ユニット65を有する室内ユニット60と、を備えている。
これらの第1室外ユニット10と、第2室外ユニット20と、室内ユニット60とは、冷媒配管を介して互いに接続されることで、冷媒回路3を構成している。本実施形態の冷媒回路3では、第1室外ユニット10と第2室外ユニット20とは、液側連絡配管5およびガス側連絡配管6を介して室内ユニット60に対して接続されている。この第1室外ユニット10と第2室外ユニット20とは、室内ユニット60に対して並列に接続されている。
この冷媒回路3には、作動冷媒としてR32が封入されている。
これらの冷凍装置100は、制御部7によって運転制御や監視が行われる。ここで、制御部7は、図示しない、室内ユニット60の第1室内ユニット61や第2室内ユニット65等にそれぞれ設けられた室内側制御基板と、第1室外ユニット10に設けられた第1室外側制御基板と、第2室外ユニット20に設けられた第2室外側制御基板と、によって構成されている。
(2)室内ユニット60
室内ユニット60は、本実施形態では、互いに並列に接続された第1室内ユニット61と第2室内ユニット65とを有している。
第1室内ユニット61は、第1室内熱交換器62と、第1室内膨張弁64と、第1室内ファン63と、第1室内ファンモータ63aと、第1ガス側温度センサ71と、第1液側温度センサ72と、を有している。
第1室内熱交換器62は、冷媒回路3の一部を構成しており、後述する点Yから伸びる冷媒配管にガス側の端部が接続されている。第1室内熱交換器62の液側の端部と、後述する点Xとを繋ぐ冷媒配管の途中には、第1室内膨張弁64が設けられている。この第1室内膨張弁64は、複数段階の開度に調節可能となっている。第1室内ファン63は、第1室内ファンモータ63aが駆動することにより、第1室内熱交換器62に対して空気流れを供給する。第1ガス側温度センサ71は、第1室内熱交換器62のガス側端部を通過する冷媒の温度を検知することができる。第1液側温度センサ72は、第1室内熱交換器62の液側端部を通過する冷媒の温度を検知することができる。
第2室内ユニット65は、第1室内ユニット61と同様であり、第2室内熱交換器66と、第2室内膨張弁68と、第2室内ファン67と、第2室内ファンモータ67aと、第2ガス側温度センサ73と、第2液側温度センサ74と、を有している。
第2室内熱交換器66は、冷媒回路3の一部を構成しており、後述する点Yから(第1室内熱交換器62側とは別に)伸びる冷媒配管にガス側の端部が接続されている。第2室内熱交換器66の液側の端部と、後述する点Xとを繋ぐ冷媒配管の途中には、第2室内膨張弁68が設けられている。この第2室内膨張弁68は、複数段階の開度に調節可能となっている。第2室内ファン67は、第2室内ファンモータ67aが駆動することにより、第2室内熱交換器66に対して空気流れを供給する。第2ガス側温度センサ73は、第2室内熱交換器66のガス側端部を通過する冷媒の温度を検知することができる。第2液側温度センサ74は、第2室内熱交換器66の液側端部を通過する冷媒の温度を検知することができる。
(3)第1室外ユニット10
第1室外ユニット10は、第1圧縮機11、第1逆止弁11a、第1四路切換弁12、第1室外熱交換器13、第1室外ファン14、第1室外ファンモータ14a、第1室外膨張弁15、第1過冷却部16、第1アキュームレータ19、第1吐出温度センサ51a、第1吐出圧力センサ51b、第1吸入温度センサ52a、第1吸入圧力センサ52b、第1室外熱交温度センサ53、第1外気温度センサ54、第1漏洩検知センサ55aを有している。
第1圧縮機11は、周波数制御が可能な圧縮機であり、運転容量が可変である。第1逆止弁11aは、第1圧縮機11の吐出側であって、第1四路切換弁12との間に設けられており、第1圧縮機11から第1四路切換弁12に向かう冷媒流れのみを許容する。第1四路切換弁12は、4つの接続ポートを有しており、そのうちの2つずつを互いに接続する。この第1四路切換弁12は、この接続状態を切り換えることで、第1圧縮機11から吐出された冷媒を第1室外熱交換器13側に導く冷房運転状態と、第1圧縮機11から吐出された冷媒を室内ユニット60の第1室内熱交換器62や第2室内熱交換器66に導く暖房運転状態と、を切り換えることができる。第1室外熱交換器13は、冷媒の放熱器もしくは蒸発器として機能することが可能な熱交換器であって、例えば、複数の伝熱フィンと伝熱管によって構成されている。第1室外ファン14は、第1室外ファンモータ14aが駆動することによって回転し、第1室外熱交換器13に向かう空気流れを生じさせる。第1室外膨張弁15は、第1室外熱交換器13の液側に設けられており、通過する冷媒の減圧程度を調節することができる。第1過冷却部16は、第1過冷却熱交換器16aと、第1過冷却回路16bと、第1過冷却膨張弁16cを有している。第1過冷却回路16bは、冷媒回路3において第1室外膨張弁15から室内ユニット60の液側に向けて伸びる部分から分岐し、第1四路切換弁12と第1圧縮機11の吸入側(第1アキュームレータ19)との間に合流するように設けられている。第1過冷却膨張弁16cは、この第1過冷却回路16bの途中に設けられており、通過する冷媒の減圧程度を調節することができる。第1過冷却熱交換器16aは、第1室外膨張弁15から室内ユニット60の液側に向けて流れる冷媒と、第1過冷却回路16bにおいて第1過冷却膨張弁16cを通過した後の冷媒と、の間で熱交換を行わせる。第1アキュームレータ19は、第1四路切換弁12と第1圧縮機11の吸入側との間に設けられた冷媒容器であり、第1圧縮機11に送られる冷媒を主としてガス冷媒とすることができる。第1吐出温度センサ51aは、第1圧縮機11の吐出側と第1四路切換弁12の間を流れる冷媒の温度を検知する。第1吐出圧力センサ51bは、第1圧縮機11の吐出側と第1四路切換弁12の間を流れる冷媒の圧力を検知する。第1吸入温度センサ52aは、第1圧縮機11の吸入側と第1四路切換弁12の間(本実施形態では、第1アキュームレータ19と第1過冷却回路16bの合流点の間)を流れる冷媒の温度を検知する。第1吸入圧力センサ52bは、第1圧縮機11の吸入側と第1四路切換弁12の間(本実施形態では、第1アキュームレータ19と第1過冷却回路16bの合流点の間)を流れる冷媒の圧力を検知する。第1室外熱交温度センサ53は、第1室外熱交換器13を流れる冷媒の温度を検知する。第1外気温度センサ54は、第1室外熱交換器13を通過する前の空気の温度を外気温度として検知する。
第1漏洩検知センサ55aは、第1室外ユニット10内に設けられており、作動冷媒としてのR32が漏洩したことを検知する。
第1圧縮機11、第1四路切換弁12、第1室外ファンモータ14a、第1室外膨張弁15、第1過冷却膨張弁16cは、制御部7に接続され、制御される。第1吐出温度センサ51a、第1吐出圧力センサ51b、第1吸入温度センサ52a、第1吸入圧力センサ52b、第1室外熱交温度センサ53、第1外気温度センサ54、第1漏洩検知センサ55aは、制御部7に接続され、制御部7は各検知値や第1室外ユニット10において漏洩が生じたこと把握する。
(4)第2室外ユニット20
第2室外ユニット20は、第1室外ユニット10と同様である。
第2室外ユニット20は、第2圧縮機21、第2逆止弁21a、第2四路切換弁22、第2室外熱交換器23、第2室外ファン24、第2室外ファンモータ24a、第2室外膨張弁25、第2過冷却部26、第2アキュームレータ29、第2吐出温度センサ56a、第2吐出圧力センサ56b、第2吸入温度センサ57a、第2吸入圧力センサ57b、第2室外熱交温度センサ58、第2外気温度センサ59、第2漏洩検知センサ55bを有している。
第2圧縮機21は、周波数制御が可能な圧縮機であり、運転容量が可変である。第2逆止弁21aは、第2圧縮機21の吐出側であって、第2四路切換弁22との間に設けられており、第2圧縮機21から第2四路切換弁22に向かう冷媒流れのみを許容する。第2四路切換弁22は、4つの接続ポートを有しており、そのうちの2つずつを互いに接続する。この第2四路切換弁22は、この接続状態を切り換えることで、第2圧縮機21から吐出された冷媒を第2室外熱交換器23側に導く冷房運転状態と、第2圧縮機21から吐出された冷媒を室内ユニット60の第2室内熱交換器62や第2室内熱交換器66に導く暖房運転状態と、を切り換えることができる。第2室外熱交換器23は、冷媒の放熱器もしくは蒸発器として機能することが可能な熱交換器であって、例えば、複数の伝熱フィンと伝熱管によって構成されている。第2室外ファン24は、第2室外ファンモータ24aが駆動することによって回転し、第2室外熱交換器23に向かう空気流れを生じさせる。第2室外膨張弁25は、第2室外熱交換器23の液側に設けられており、通過する冷媒の減圧程度を調節することができる。第2過冷却部26は、第2過冷却熱交換器26aと、第2過冷却回路26bと、第2過冷却膨張弁26cを有している。第2過冷却回路26bは、冷媒回路3において第2室外膨張弁25から室内ユニット60の液側に向けて伸びる配管部分から分岐し、第2四路切換弁22と第2圧縮機21の吸入側(第2アキュームレータ29)との間に合流するように設けられている。第2過冷却膨張弁26cは、この第2過冷却回路26bの途中に設けられており、通過する冷媒の減圧程度を調節することができる。第2過冷却熱交換器26aは、第2室外膨張弁25から室内ユニット60の液側に向けて流れる冷媒と、第2過冷却回路26bにおいて第2過冷却膨張弁26cを通過した後の冷媒と、の間で熱交換を行わせる。第2アキュームレータ29は、第2四路切換弁22と第2圧縮機21の吸入側との間に設けられた冷媒容器であり、第2圧縮機21に送られる冷媒を主としてガス冷媒とすることができる。第2吐出温度センサ56aは、第2圧縮機21の吐出側と第2四路切換弁22の間を流れる冷媒の温度を検知する。第2吐出圧力センサ56bは、第2圧縮機21の吐出側と第2四路切換弁22の間を流れる冷媒の圧力を検知する。第2吸入温度センサ57aは、第2圧縮機21の吸入側と第2四路切換弁22の間(本実施形態では、第2アキュームレータ29と第2過冷却回路26bの合流点の間)を流れる冷媒の温度を検知する。第2吸入圧力センサ57bは、第2圧縮機21の吸入側と第2四路切換弁22の間(本実施形態では、第2アキュームレータ29と第2過冷却回路26bの合流点の間)を流れる冷媒の圧力を検知する。第2室外熱交温度センサ58は、第2室外熱交換器23を流れる冷媒の温度を検知する。第2外気温度センサ59は、第2室外熱交換器23を通過する前の空気の温度を外気温度として検知する。
第2漏洩検知センサ55bは、第2室外ユニット20内に設けられており、作動冷媒としてのR32が漏洩したことを検知する。
第2圧縮機21、第2四路切換弁22、第2室外ファンモータ24a、第2室外膨張弁25、第2過冷却膨張弁26cは、制御部7に接続され、制御される。第2吐出温度センサ56a、第2吐出圧力センサ56b、第2吸入温度センサ57a、第2吸入圧力センサ57b、第2室外熱交温度センサ58、第2外気温度センサ59、第2漏洩検知センサ55bは、制御部7に接続され、制御部7は各検知値や第2室外ユニット20において漏洩が生じたことを把握する。
(5)液側連絡配管5およびガス側連絡配管6
第1室外ユニット10と第2室外ユニット20とは、液側連絡配管5およびガス側連絡配管6を介して室内ユニット60に対して並列に接続されている。
具体的には、第1室内ユニット61の第1室内膨張弁64から伸びる配管と、第2室内ユニット65の第2室内膨張弁68から伸びる配管と、液側連絡配管5の室内ユニット60側の端部とは、点Xにおいて接続されている。
第1室外ユニット10の第1過冷却熱交換器16aから室内ユニット60側に伸びる配管と、第2室外ユニット20の第2過冷却熱交換器26aから室内ユニット60側に伸びる配管と、液側連絡配管5の室内ユニット60側とは反対側の端部とは、点Wにおいて接続されている。
第1室内ユニット61の第1室内熱交換器62から伸びる配管と、第2室内ユニット65の第2室内熱交換器66から伸びる配管と、ガス側連絡配管6の室内ユニット60側の端部とは、点Yにおいて接続されている。
第1室外ユニット10の第1過冷却熱交換器16aから室内ユニット60側に伸びる配管と、第2室外ユニット20の第2過冷却熱交換器26aから室内ユニット60側に伸びる配管と、ガス側連絡配管6の室内ユニット60側とは反対側の端部とは、点Zにおいて接続されている。
(6)冷房運転状態
冷房運転状態では、制御部7は、第1四路切換弁12の接続状態を、第1圧縮機11から吐出された冷媒を第1室外熱交換器13側に導き、室内ユニット60のガス側から流れてくる冷媒を第1圧縮機11の吸入側に導く接続状態とし、第2四路切換弁22の接続状態を、第2圧縮機21から吐出された冷媒を第2室外熱交換器23側に導き、室内ユニット60のガス側から流れてくる冷媒を第2圧縮機21の吸入側に導く接続状態として冷凍サイクルを行う。
ここでは、第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23が冷媒の放熱器として機能し、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66が冷媒の蒸発器として機能する。
第1圧縮機11および第2圧縮機21の駆動周波数は、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66における蒸発温度が目標蒸発温度となるように制御部7によって制御される。
第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68の各弁開度は、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66のガス側を流れる冷媒の過熱度が目標過熱度となるように制御部7によって制御される。
第1室内ファンモータ63aおよび第2室内ファンモータ67aは、第1室内ユニット61および第2室内ユニット65においてそれぞれユーザからリモコンを介して受け付けている設定風量に基づいて制御部7が出力制御を行う。
第1室外膨張弁15および第2室外膨張弁25は、いずれも全開状態となるように制御部7によって制御される。
第1室外ファンモータ14aおよび第2室外ファンモータ24aは、第1圧縮機11および第2圧縮機21の駆動周波数に基づいて定まる風量を第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23に供給できるように制御部7によって制御される。
第1過冷却膨張弁16cおよび第2過冷却膨張弁26cの各弁開度は、第1過冷却熱交換器16aの室内ユニット60の液側の出口を流れる冷媒の過冷却度および第2過冷却熱交換器26aの室内ユニット60の液側の出口を流れる冷媒の過冷却度が目標過冷却度になるように制御部7によって制御される。
(7)暖房運転状態
暖房運転状態では、制御部7は、第1四路切換弁12の接続状態を、第1圧縮機11から吐出された冷媒を室内ユニット60のガス側に導き、第1室外熱交換器13のガス側から流れてくる冷媒を第1圧縮機11の吸入側に導く接続状態とし、第2四路切換弁22の接続状態を、第2圧縮機21から吐出された冷媒を室内ユニット60のガス側に導き、第2室外熱交換器23のガス側から流れてくる冷媒を第2圧縮機21の吸入側に導く接続状態として冷凍サイクルを行う。
ここでは、第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23が冷媒の蒸発器として機能し、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66が冷媒の放熱器として機能する。
暖房運転状態では、制御部7は、第1過冷却膨張弁16cおよび第2過冷却膨張弁26cを全閉状態に制御する。
第1圧縮機11および第2圧縮機21の駆動周波数は、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66における凝縮温度が目標凝縮温度となるように制御部7によって制御される。
第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68の各弁開度は、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66の液側を流れる冷媒の過冷却度が目標過冷却度となるように制御部7によって制御される。
第1室内ファンモータ63aおよび第2室内ファンモータ67aは、第1室内ユニット61および第2室内ユニット65においてそれぞれユーザからリモコンを介して受け付けている設定風量に基づいて制御部7が出力制御を行う。
第1室外膨張弁15および第2室外膨張弁25の各弁開度は、第1室外熱交換器13のガス側を流れる冷媒の過熱度および第2室外熱交換器23のガス側を流れる冷媒の過熱度が目標過熱度になるように制御部7によって制御される。
第1室外ファンモータ14aおよび第2室外ファンモータ24aは、第1圧縮機11および第2圧縮機21の駆動周波数に基づいて定まる風量を第1室外熱交換器13および第2室外熱交換器23に供給できるように制御部7によって制御される。
(8)冷媒漏洩時の処理
図3に、冷媒漏洩時の処理フローチャートを示す。
本実施形態の冷凍装置100では、第1室外ユニット10と第2室外ユニット20のいずれにおいて漏洩が生じてもよいが、ここでは、第1室外ユニット10において冷媒が漏洩し、漏洩が生じていない第2室外ユニット20において冷媒回収を行う場合を例に挙げて説明する。また、この例では、冷凍装置100において暖房運転が行われている場合(第1室外ユニット10の第1四路切換弁12と第2室外ユニット20の第2四路切換弁22の両方が暖房運転状態となっている場合)に冷媒の漏洩が生じた場合を例に挙げて説明する。
なお、第2室外ユニット20において冷媒が漏洩した場合には、漏洩が生じていない第1室外ユニット10において冷媒回収が行われることになるが、説明は省略する。
まず、制御部7は、ステップS11において、第1漏洩検知センサ55aもしくは第2漏洩検知センサ55bにおいて、冷媒の漏洩を検知したか否かを判断する。ここで、冷媒の漏洩を検知した場合には、ステップS12に移行する。なお、ここでは、第1漏洩検知センサ55aにおいて漏洩が検知されたとしてステップS12に移行する。
ステップS12では、制御部7は、第2室外ユニット20を冷媒の「非漏洩機」として把握し、第1室外ユニット10を冷媒の「漏洩機」として把握し、以下の冷媒回収運転を開始した後でステップS13に移行する。
冷媒回収運転では、漏洩機である第1室外ユニット10について、制御部7は、第1四路切換弁12が暖房運転状態の接続状態で維持されるようにしつつ、第1圧縮機11を暖房運転時と同様に周波数制御し、第1室外膨張弁15および第1過冷却膨張弁16cを全閉状態にして、第1室外ファンモータ14aの出力を最大に制御する。これにより、冷媒漏洩箇所が第1室外熱交換器13付近である場合において漏洩した冷媒を拡散させることができ、漏洩した冷媒の濃度が燃焼可能な濃度となることを抑制することが可能になっている。
同時に、冷媒回収運転では、非漏洩機である第2室外ユニット20について、制御部7は、第2四路切換弁22が暖房運転状態の接続状態で維持されるようにしつつ、第1圧縮機11を暖房運転時と同様に周波数制御し、第2室外ファンモータ24aについても暖房運転時と同様の制御とし、第2過冷却膨張弁26cは全閉状態とする。そして、第2室外膨張弁25については、制御部7は、暖房運転時よりも弁開度が開き気味になるように弁開度が調節された湿り制御を行う。この湿り制御では、特に限定されないが、例えば、制御部7は、第2吸入温度センサ57aが検知する値が、第2吸入圧力センサ57bの検知圧力に相当する飽和温度となるように第2室外膨張弁25の弁開度を制御してもよい。
また、冷媒回収運転では、制御部7は、室内ユニット60における第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68については、微小開度(ここでは、調節可能な複数段階の開度のうちで全閉状態を除いた最も小さい開度)よりも大きな開度となるように調節され(具体的には、暖房運転状態における第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68の開度制御が維持され)、第1室内ファンモータ63aおよび第2室内ファンモータ67aについては暖房運転時と同様に制御する。
これにより、第1室外膨張弁15および第1過冷却膨張弁16cが全閉状態とされていることで、冷媒の漏洩が生じた第1室外ユニット10に対する冷媒の供給を途絶えさせることができ、漏洩箇所に冷媒が供給され続ける状態を回避できる。そして、第1室外熱交換器13と、第1過冷却回路16bにおける第1過冷却膨張弁16cの下流側の部分と、第1アキュームレータ19の全てを第1圧縮機11の吸入側に接続することができる。このため、これらの場所に存在していた冷媒は、第1圧縮機11によって吸入され、ガス側連絡配管6を介して室内ユニット60のガス側に送り出される。
また、微小開度よりも大きな開度となるように調節された第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68では、液冷媒が通過しやすい状態となっている。また、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68から点Xまでの部分、液側連絡配管5、点Wから第1室外膨張弁15や第1過冷却膨張弁16cまでの部分は、点Wから第2室外膨張弁25と第2室外熱交換器23と第2四路切換弁22と第2アキュームレータ29を介して第2圧縮機21の吸入側に接続された状態となっている。これにより、これらの場所に存在している冷媒は、第2室外膨張弁25、第2室外熱交換器23、第2四路切換弁22を通過して、第2圧縮機21に吸入される前に第2アキュームレータ29に流入する。ここで、第2アキュームレータ29に流入した冷媒は、ガス冷媒のみが第2圧縮機21に送られ、液状態の冷媒は第2アキュームレータ29内に溜められていくことになる。そして、第2圧縮機21に吸入された冷媒は、第2圧縮機21から吐出され、ガス側連絡配管6を介して室内ユニット60のガス側に送り出される。
そして、第1圧縮機11や第2圧縮機21から室内ユニット60のガス側に供給された冷媒は、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66において凝縮して液冷媒となる。
ステップS13では、制御部7は、図示しないリモコンの表示部に対して、冷媒漏洩中である旨を表示出力させる。
ステップS14では、制御部7は、第2圧縮機21の吸入冷媒が湿り状態になっているか否かを判断する。ここで、湿り状態であると判断された場合には、ステップS15に移行し、湿り状態ではないと判断された場合にはステップS16に移行する。湿り状態の判断は、特に限定されないが、例えば、第2圧縮機21が吸入する冷媒が飽和状態の冷媒であることを相当する吐出温度が検知されることによって把握し(第2吐出温度センサ56aの検知値によって把握し)、湿り状態になったと判断するようにしてもよい。
ステップS15では、制御部7は、第2アキュームレータ29内が液冷媒で満たされたと判断し、第2室外膨張弁25の湿り制御を終えて、第2吸入温度センサ57aが検知する値から第2吸入圧力センサ57bの検知圧力に相当する飽和温度を差し引いて得られる過熱度が所定の正の値以上になるように(過熱度が確保されるように)、第2室外膨張弁25の弁開度を制御して、第2圧縮機21における液圧縮の発生を抑制させる。さらに、制御部7は、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68の開度を微小開度に制御する。これにより、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68において冷媒が通過しにくくなるため、第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66を通過していく冷媒量よりも第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66に供給される冷媒量の方が多い状態となり、第1室外膨張弁15および第1過冷却膨張弁16cよりも上流側において凝縮した液冷媒を溜めていくことができる。
ステップS16では、制御部7は、第1室内膨張弁64が全閉になっていない状態で第1室内熱交換器62が液冷媒で満たされたか、第2室内膨張弁68が全閉になっていない状態で第2室内熱交換器66が液冷媒で満たされたかを判断する。具体的には、第1室内熱交換器62については、第1ガス側温度センサ71の検知値から第1液側温度センサ72の検知値を差し引いて得られる値が所定値よりも小さい場合に、第1室内熱交換器62が液冷媒で満たされていると判断する。同様に、第2室内熱交換器66については、第2ガス側温度センサ73の検知値から第2液側温度センサ74の検知値を差し引いて得られる値が所定値よりも小さい場合に、第2室内熱交換器66が液冷媒で満たされていると判断する。ここで、第1室内膨張弁64が全閉になっていない状態で第1室内熱交換器62が液冷媒で満たされたか、第2室内膨張弁68が全閉になっていない状態で第2室内熱交換器66が液冷媒で満たされた場合には、ステップS17に移行し、それ以外の場合は、ステップS18に移行する。
ステップS17では、制御部7は、第1室内熱交換器62と第2室内熱交換器66のうち液冷媒で満たされた熱交換器に対応して設けられている室内膨張弁64、68を全閉させる。具体的には、第1室内膨張弁64が全閉になっていない状態で第1室内熱交換器62が液冷媒で満たされていると判断された場合には、第1室内膨張弁64を全閉状態にし、第2室内膨張弁68が全閉になっていない状態で第2室内熱交換器66が液冷媒で満たされていると判断された場合には、第2室内膨張弁68を全閉状態にする。これにより、全閉状態となった室内膨張弁に対応する室内熱交換器において溜められた液冷媒の移動を抑制することができる。そして、ステップS18に移行する。
ステップS18では、制御部7が、冷媒の漏洩が生じた室外ユニットである第1室外ユニット10における冷媒の回収が終了しているか否かを判断する。具体的には、制御部7が、漏洩機の圧縮機である第1圧縮機11の吸入側の冷媒圧力が所定終了圧力よりも下がった場合(もしくは、第1圧縮機11の吸入側の冷媒温度が所定終了温度よりも下がった場合)に冷媒回収運転を終了すると判断し、ステップS19に移行する。具体的には、ここでは、第1吸入圧力センサ52bが検知する圧力が所定終了圧力よりも下がった場合(もしくは、第1吸入温度センサ52aが検知する温度が所定終了温度よりも下がった場合)に第1室外ユニット10からの冷媒の回収が終了していると判断する。ここで、冷媒の回収が終了していないと判断された場合には、ステップS14に戻って繰り返す。
ステップS19では、制御部7は、第2四路切換弁22の接続状態について、第2圧縮機21の吐出側が、室内ユニット60のガス側(第1室内熱交換器62のガス側および第2室内熱交換器66のガス側)に接続された暖房運転状態で維持されたままで、第2圧縮機21を停止させる。また、第1四路切換弁12についても同様に暖房運転状態で維持されたままで第1圧縮機22を停止させる。さらに、第1室外ファンモータ14a、第2室外ファンモータ24a、第1室内ファンモータ63a、第2室内ファンモータ67aも停止させる(冷凍装置100の全ての機器の駆動を停止させる)。
(9)特徴
本実施形態の冷凍装置100では、冷媒の漏洩が検知された漏洩機の室外膨張弁および過冷却膨張弁を閉じて当該漏洩機の圧縮機を駆動させることで、漏洩機における冷媒を吸入して漏洩機以外の部分、具体的には、室内ユニット60のガス側に冷媒を送り出すことができている。これにより、漏洩箇所からの冷媒の漏洩を抑制することが可能になっている。しかも、漏洩機の室外膨張弁と過冷却膨張弁が閉じられることで、漏洩機に対する冷媒の供給が途絶えるため、漏洩箇所からの漏洩をより効果的に抑制することができている。
さらに、室内ユニット60の第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66では、第1圧縮機11や第2圧縮機21から吐出された高圧冷媒を凝縮して液状態として蓄えている。このため、ガス状態の冷媒を溜める場合や圧力の低い冷媒を溜める場合と比べて高い密度の冷媒を集めることができ、冷媒回路3内の冷媒をできるだけ多く溜めることが可能になっている。
さらに、第1室内膨張弁64と第2室内膨張弁68が微小開度よりも大きな開度に制御されることで、液側連絡配管5を介して、冷媒の漏洩が生じていない非漏洩機の圧縮機の吸入側に向けて冷媒を流すことができる。そして、第2圧縮機21の吸入側に送られた冷媒のうち、液冷媒は、冷媒容器としての第2アキュームレータ29に溜めることが可能になる。
以上のようにして、冷媒の漏洩が生じた漏洩機である室外ユニットにおける冷媒を、室内ユニット60の第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66と、冷媒の漏洩が生じていない非漏洩機である室外ユニットのアキュームレータと、を利用して液冷媒として回収することで、できるだけ多くの冷媒を回収することが可能になっている。
また、冷媒回収制御では、第1室内熱交換器62と第2室内熱交換器66のうち液冷媒で満たされた熱交換器に対応して設けられている室内膨張弁64、68を1つずつ順に全閉させている。このようにすることで、一方の室内ユニットでは室内膨張弁が閉じられることで対応する室内熱交換器に冷媒を溜めることが可能になり、他方の室内ユニットでは室内膨張弁が閉じられていないことで(閉じられるまでの間)対応する室内熱交換器に冷媒を流し続けて当該室内熱交換器での熱交換による空気調和を継続させることが可能になる。
さらに、上述のように室内膨張弁64、68を閉じる制御は、非漏洩機である第2室外ユニット20が備える第2アキュームレータ29内が液冷媒で満たされた後に行うことができる。この場合には、各室内熱交換器62、66において冷媒を溜める前に、できるだけ多くの冷媒を冷媒容器としての第2アキュームレータ29に溜めることが可能になる。
また、冷媒の漏洩が生じた漏洩機では、室外ファンモータの出力を最大化させることで、漏洩した冷媒を拡散させることができ、漏洩した冷媒の濃度が燃焼可能な濃度となることを抑制することが可能になっている。
また、冷媒回収運転を終えて全ての機器を停止する際には、第2四路切換弁22の接続状態が暖房運転状態で維持されたままで第2圧縮機21を停止させている。これにより、液冷媒を溜め込んだ第2アキュームレータ29と冷媒の漏洩が生じている第1室外ユニット10とが接続されていない状態にすることができる。これにより、冷媒回収後に、第2アキュームレータ29に溜められた液冷媒が第2四路切換弁22およびガス側連絡配管6の点Zで示す部分を介して漏洩が生じている第1室外ユニット10に流れて行ってしまうことを抑制できる。
(10)他の実施形態
上記実施形態では、本発明の実施形態の一例を説明したが、上記実施形態はなんら本願発明を限定する趣旨ではなく、上記実施形態には限られない。本願発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更した態様についても当然に含まれる。
(10−1)他の実施形態A
上記実施形態では、第1室外ユニット10が第1過冷却部16を有し、第2室外ユニット20が第2過冷却部26を有する場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、図4に示す冷凍装置200のように、上記実施形態における第1過冷却部を有さない第1室外ユニット210と、上記実施形態における第2過冷却部を有さない第2室外ユニット220を備えて構成されていてもよい。
この場合であっても、上記実施形態と同様に漏洩機としての室外ユニットから冷媒を非漏洩機の室外ユニットと室内ユニットに回収することが可能になる。
(10−2)他の実施形態B
上記実施形態では、第1室外ユニット10が第1アキュームレータ19を有し、第2室外ユニット20が第2アキュームレータ29を有する場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、図5に示す冷凍装置300のように、上記実施形態における第1アキュームレータ19の代わりに第1レシーバ18および第1インジェクション回路17が設けられた第1室外ユニット310と、上記実施形態における第2アキュームレータ29の代わりに第2レシーバ28および第2インジェクション回路27が設けられた第2室外ユニット320と、を有して構成されていてもよい。なお、この第1インジェクション回路17の途中には、第1インジェクション開閉弁17bと第1キャピラリーチューブ17cが設けられており、第2インジェクション回路27の途中には、第2インジェクション開閉弁27bと第2キャピラリーチューブ27cが設けられている。
この構成であっても、冷媒の漏洩が生じた室外ユニットにおいて室外膨張弁およびインジェクション開閉弁を全閉状態として、室内ユニットの室内膨張弁を絞り気味にして、冷媒の漏洩が生じていない室外ユニットの圧縮機を駆動させることで、冷媒の回収を行うことができる。
例えば、第1室外ユニット310において冷媒の漏洩が検知された場合には、第1室外膨張弁15および第1インジェクション開閉弁17bを全閉状態として第1圧縮機11を駆動させ、第1室内膨張弁64および第2室内膨張弁68を絞り気味に制御し、第2圧縮機21を駆動させる。これにより、第1室外ユニット10への冷媒の供給を停止させることができ、第1室外熱交換器13に存在している冷媒を第1圧縮機11を介して第1室内熱交換器62および第2室内熱交換器66に送ることで液状態にして溜めつつ、第1レシーバ18に存在している冷媒を点Wを介して第2レシーバ28内に溜めていくことが可能になる。
(10−3)他の実施形態C
上記実施形態では、室外ユニット毎に設けられた第1漏洩検知センサ55aおよび第2漏洩検知センサ55bによって冷媒の漏洩が生じていることを把握する場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、漏洩検知センサを用いるのではなく、冷媒回路3において第1圧縮機11の吸入圧力が所定値よりも低い値になっているもしくは第2圧縮機21の吸入圧力が所定値よりも低い値になっている等のように冷媒回路3における冷媒の状態量の変化に基づいて冷媒の漏洩が生じていることを推測するようにしてもよい。
(10−4)他の実施形態D
上記実施形態では、冷媒種がR32である場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、R410A、R152a、R161等のHFC系冷媒、R1234yf、R1234ze、R1243zf等の炭素の二重結合を持つフッ化炭素系冷媒R717(アンモニア)、R290(プロパン)、およびこれらの混合物またはこれらのR32との混合物としての冷媒が漏洩した場合にも、上記R32冷媒が漏洩した場合と同様に取り扱うようにしてもよい。
(10−5)他の実施形態E
上記実施形態では、室内ユニット60において、第1室内ユニット61および第2室内ユニット65の複数台が設けられている場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、室内ユニット60には1台のみの室内ユニットが設けられた構成としてもよい。この場合であっても、上記実施形態で述べた室内熱交換器が満液となった時の対応する室内膨張弁を順次閉じていく制御は行うことができないが、他の制御については同様に行うことができる。
(10−6)他の実施形態F
上記実施形態では、冷媒の漏洩が生じていない非漏洩機の圧縮機が飽和状態の冷媒を吸入する湿り状態になったことを吐出温度に基づいて判断する場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、非漏洩機の圧縮機と非漏洩機のアキュームレータとの間の冷媒の温度と圧力を把握することで、飽和状態の冷媒を吸入する湿り状態になったことを判断するようにしてもよい。
(10−7)他の実施形態G
上記実施形態では、冷媒の漏洩が生じていない非漏洩機の圧縮機が飽和状態の冷媒を吸入する湿り状態になった場合に、室外膨張弁の開度を制御して過熱度が確保されるように制御する場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、冷媒の漏洩が生じていない非漏洩機の圧縮機が飽和状態の冷媒を吸入する湿り状態になった場合に、室内ユニットの室内膨張弁を閉じる(複数台の場合には全て閉じる)ように制御してもよい。この場合であっても、非漏洩機の圧縮機の吸入側に対する冷媒の供給が途絶えるため、非漏洩機の圧縮機における液圧縮を効果的に抑制することが可能になる。
また、室内ユニットが複数台の場合には、液冷媒で満たされた室内熱交換器に対応する室内膨張弁から順次閉じるように制御して、非漏洩機の圧縮機の吸入側に送られる冷媒の量を少なくすることで、非漏洩機の圧縮機における液圧縮を抑制するようにしてもよい。
(10−8)他の実施形態H
上記実施形態では、冷媒の漏洩が生じていない室外ユニットの室外膨張弁の弁開度について接続されている室外熱交換器を通過した冷媒が飽和状態となるように制御する場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、冷媒の漏洩が生じていない室外ユニットの室外膨張弁の弁開度を全開にするようにしてもよい。この場合には、室外膨張弁に接続されている室外熱交換器において冷媒が蒸発しきれずに液状態のままの冷媒となってアキュームレータに流し込むことができる。このため、冷媒の漏洩が生じていない室外ユニットのアキュームレータにより迅速に冷媒を集めることが可能になる。
(10−9)他の実施形態I
上記実施形態では、第1吸入温度センサ52aや第1吸入圧力センサ52bが第1アキュームレータ19と第1過冷却回路16bの合流点の間に設けられ、第2吸入温度センサ57aや第2吸入圧力センサ57bが第2アキュームレータ29と第2過冷却回路26bの合流点の間に設けられた場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、第1吸入温度センサ52aと第1吸入圧力センサ52bが第1アキュームレータ19と第1圧縮機11の吸入側との間に設けられていてもよく、第2吸入温度センサ57aと第2吸入圧力センサ57bが第2アキュームレータ29と第2圧縮機21の吸入側との間に設けられていてもよい。
この場合には、第1アキュームレータ19を通過した後に第1圧縮機11に向かう冷媒の温度や圧力を検知することができ、第2アキュームレータ29を通過した後に第2圧縮機21に向かう冷媒の温度や圧力を検知することができる。