図1は、本発明の一実施形態によるスロットマシン10と管理装置とを示す正面図である。図1に示されるスロットマシン10は、メダルなどの遊技媒体の介在なしに遊技を行うことができる、いわゆるメダルレス機と称される遊技機の1つである。このようなスロットマシンには、それぞれ1対1に通信可能に接続される管理装置が隣接して設置される。後述するように、本実施形態では、遊技者による管理装置への貸出操作によってスロットマシン10の内部に遊技ポイントが電子的に貯留され、遊技ポイントの投入を条件にスロットマシン遊技が開始される。
本明細書では、スロットマシン10に設置する管理装置としてカード対応型の貸出機(CR貸機)20を説明するが、これに限定されるものではない。図示はしないが、管理装置としては例えば遊技者が紙幣を投入して遊技ポイントを借り受けることができる紙幣対応型の装置でもあってもよい。また、管理装置は、ICカードや再プレイカード等を発行する機能を有する装置であってもよい。
本実施形態において遊技ポイントの貸出等に使用されるカードは、例えば遊技者が事前に購入するプリペイドカードを想定している。但し、登録した遊技者のID情報が記憶されるホール会員カードであってもよい。また、使用されるカードは、少なくとも金銭残高情報と遊技ポイント残高情報とを記憶するICメモリチップと無線通信用の小型アンテナなどが埋め込まれたICカードであることが好ましい。また、カード固有のID情報を記憶するものでもよい。更にこれらの情報を記憶するものであれば磁気カード等の他の記憶方式によるものでもよく、カード状でなくても擬似コイン等の特殊な形態の記憶媒体であってもよい。
貸出機20は、スロットマシン10で遊技をする際の遊技ポイントを遊技者に貸し出すという基本的な機能を有している。一般的なスロットマシンでは、遊技に使用される遊技媒体としてメダルが用いられており、遊技場に設置される貸出機も通常遊技者にメダルを貸し出している。一方、本実施形態のスロットマシン10は、メダルの出入りがない、いわゆるメダルレスの遊技機として構成されるものである。このようなメダルレスとすることにより、メダルなどの物理的な遊技媒体の盗用や偽造メダルによる悪用等の不正行為を防ぎ、更には外部からの不正手段の侵入を完全に封殺することができるなど、従来よりも格段にセキュリティ性が高められている。
[管理装置]
図1に示される管理装置の実施形態である貸出機20には、その前面に少なくとも貸出スイッチ21と再プレイスイッチ22とが設けられている。また、カードを挿入し及び排出するためのカード挿入口26が形成されている。カード挿入口26の近くには、カード挿入口26に挿入されているカードを返却するための返却スイッチ23が設けられている。なお、貸出機20の操作案内やスロットマシン10の状態等を文字や映像により提供するための液晶表示器27が貸出機20の前面に設けられてもよいし、貸出スイッチや再プレイスイッチなどの操作部が、タッチパネル式の液晶表示器に表示されるアイコンとして設けられてもよい。
LED数値表示部25は、カード挿入口26に挿入されたカードが保有する有価価値を複数桁の数値で表示する表示部である。カードが保有する有価価値としては、プリペイドされた金銭の残高である金銭残高と、精算により再プレイが可能となった遊技ポイントの残高である遊技ポイント残高とがある。残高金額表示器25aには現在の金銭残高が金額として表示され、残高ポイント表示器25bには現在の遊技ポイント残高がポイント数として表示される。
管理装置としての貸出機20の動作の概要は次のとおりである。
まず、スロットマシン10側で遊技ポイントの貸出受付可能な状態であって、且つ、カード挿入口26に挿入されているカードに金銭残高が存在する場合には、貸出スイッチ21に内蔵のLEDランプが青(貸出可)に点灯する。この状態で貸出スイッチ21が操作されると、所定の金額である例えば1000円相当分の例えば50ポイントがスロットマシン10に貯留加算される。これにより、所定遊技ポイントが遊技者に貸し出される。
仮に、カードの金銭残高が所定未満(例えば1000円未満)の場合には、現残高から所定レートで換算されるポイント数の遊技ポイントだけが貯留加算されてもよい。また、カードの金銭残高が所定金額未満であっても、カードが保有する遊技ポイント残高から補充して所定の50ポイントを貸し出すようにしてもよい。
次に、スロットマシン10が再プレイ受付可能な状態であって、且つ、カードに遊技ポイント残高が存在する場合には、再プレイスイッチ22に内蔵のLEDランプが青(再プレイ可)に点灯する。この状態で再プレイスイッチ22が操作されると、カードが保有する遊技ポイント残高から所定の例えば50ポイントをスロットマシン10に貯留加算する。カードが保有する遊技ポイント残高が所定ポイント数未満の場合には、現遊技ポイント残高の全てをスロットマシン10に貯留加算する。
返却スイッチ23は、カード挿入口26に挿入されたカードを排出して遊技者に返却するためのスイッチである。遊技者は、そのマシンでの遊技を止めたいときや、休憩等のため一時的にマシンから離れるときには、返却スイッチ23を操作してカードを持ち出すことができる。なお、返却スイッチ23への1度の返却操作により、スロットマシン10側に貯留している遊技ポイントを精算しカードに払い戻す機能を備えてもよい。また、例えばスロットマシン10側で精算が済んでいない場合(遊技ポイントが未だ貯留されている状態)や精算を受け付けない再遊技中など所定の状態の場合には、返却スイッチ23の操作を無効としたり警告を液晶表示器27に表示したりしてもよい。
[スロットマシンの構成]
次に、本実施形態のスロットマシン10本体について説明する。本実施形態のスロットマシン10は、上述した管理装置としての貸出機20との間で通信が確立したのを前提に動作する遊技機である。
スロットマシン10は、規定数の遊技ポイントが投入設定されることを条件に遊技が開始する。遊技者は、リール(「回胴」ともいう。)の回転及び停止の操作をし、有効ラインに停止表示された図柄組合せに応じて入賞が判定される。スロットマシン10は、基本的にはこのようにリールが回転してから停止し入賞判定をするまでを1回の遊技とする遊技機である。
図1を参照し、スロットマシン10は、略矩形状の筐体の前面開口部を塞ぐ位置に遊技領域を構成する前扉11が設けられる。この前扉11の前面は、遊技者に対する視覚的な演出効果を高めるように意匠が施されたパネル部材であるフロントパネルにより構成される。スロットマシン10の内部には、それぞれ別々に回転可能な3つのリール12L、12C、12Rが回転軸を一致させて設置され、その外周面に例えば図3に示される図柄配列のリールテープが巻回されている。
フロントパネルの中段部に設けられる中パネルには、内部のリール12L、12C、12Rの図柄の表示等を行うための表示窓11aが形成されている。この中パネルは、硬質アクリル等の樹脂板からなり、その中央の透明な領域である表示窓11aを通して、筐体内部のリール12L、12C、12Rのそれぞれ横3列×縦3コマの合計9コマの図柄が視認可能とされている。
表示窓11aには、リール12L、12C、12Rを横切る方向に5本のラインが予め設定されている。この5本のラインは、水平方向の3本のラインと、斜め方向の2本のラインとからなる。これらのラインのうちから、当該遊技に投入された遊技ポイント数に応じて入賞判定の基準となる有効ラインが選択される。選択された有効ライン上に、停止した各リール12L、12C、12Rの図柄が所定の組合せで表示されたとき、その図柄組合せに対応する役(例えば遊技ポイントが払い出される小役など)が成立することとなる。
なお、本実施形態のメダルレスのスロットマシン10では、メダルを実際に投入したり払い出したりする機構を有していない。本明細書で遊技ポイントを「払い出す」とは、従来の一般的なスロットマシンと同様の意味を便宜上示しているだけに過ぎず、具体的には内部貯留されている遊技ポイントを加算することをいう。ここで、スロットマシン10に内部貯留される遊技ポイントを特に「貯留遊技ポイント」という。つまり入賞により払い出された遊技ポイントは、貯留遊技ポイントとして電子的に加算され、その結果として遊技者が使用できる遊技ポイント数が増加する。
また、本明細書で遊技ポイントを「投入する」とは、遊技に使用又は賭けるための遊技ポイントを内部貯留されている遊技ポイントから減算して内部的に設定することをいう。本明細書では遊技に賭けるために投入設定された遊技ポイント数を「投入ポイント数」又は単に「投入数」ともいう。
中パネルには、表示窓11aの他に、遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプ及び表示器等が設けられている。例えば、表示窓11aの下方部には、現在貯留されている遊技ポイント数を表示する貯留ポイント数表示器13aと、入賞により払い出される遊技ポイント数を表示する獲得ポイント数表示器13bとが設けられている。
貯留ポイント数表示器13aは、例えば5桁のLED数値表示器(7セグLED)からなり、スロットマシン10に現在内部貯留されている遊技ポイント数を表示する。遊技者は、スロットマシン10に貯留されている遊技ポイント数の範囲内で遊技を行うことが可能である。
獲得ポイント数表示器13bは、例えば2桁のLED数値表示器(7セグLED)からなり、当該遊技において入賞することにより払い出された遊技ポイント、つまり遊技者が獲得したポイント数を表示する。
また、表示窓11aに隣接して3つの操作指示ランプ13l、13c、13rが設けられている。これら操作指示ランプ13l、13c、13rは、それぞれストップボタン16L、16C、16Rに対応しており、例えば、後述するAT(アシストタイム)の遊技において操作指示ランプ13l、13c、13rが点灯することで、停止操作をアシストする遊技者への報知に用いられる。
上述した中パネルの下方には、その上面が若干傾斜する卓状面を有する操作卓部が形成される。その卓状面の左部には、遊技者がスロットマシン10に遊技ポイントの投入設定(賭け)操作をするための1P投入スイッチ14a、マックス投入スイッチ14bが設けられる。1P投入スイッチ14aが操作され受け付けられると、スロットマシン10に内部貯留されている遊技ポイントから1遊技ポイントが遊技のために投入設定される。マックス投入スイッチ14bが操作され受け付けられると、遊技に賭けることができる規定数の最大数の遊技ポイントが遊技のために投入設定される。そして、投入された遊技ポイント数が貯留遊技ポイント数から減算され、これに伴って貯留ポイント数表示器13aの表示値も減算される。
上述した操作卓部の正面左部には、傾倒操作が可能な操作ノブを有するスタートレバー15が設けられる。遊技者がスロットマシン10に規定数の遊技価値を賭けた後、スタートレバー15を操作(回転開始操作)すると、全てのリール12L、12C、12Rが一斉に回転を開始する。これにより、円筒状のリール12L、12C、12Rの各外周面に印刷された図柄が、表示窓11aを通して上から下へと移動(スクロール)して表示される。
操作卓部の正面中央部には、遊技者の押圧操作によってリール12L、12C、12Rの回転を停止させる操作(これを「回胴停止操作」又は単に「停止操作」という。)をするための、3つのストップボタン(「停止ボタン」ともいう。)16L、16C、16Rが設けられる。左端のストップボタン16Lは左端のリール(左リール)12Lに対応し、中央のストップボタン16Cは中央のリール(中リール)12Cに対応し、右端のストップボタン16Rは右端のリール(右リール)12Rに対応している。
すなわち、スロットマシン10は、スタートレバー15の傾倒操作により回転を開始したリール12L、12C、12Rに対し、ストップボタン16Lが操作されるとリール12Lが停止し、ストップボタン16Cが操作されるとリール12Cが停止し、ストップボタン16Rが操作されるとリール16Rが停止するように構成されている。リール12L、12C、12Rが停止するときには、制動の滑り量が規定コマ数(例えば5コマ)以内の範囲にある図柄が停止図柄として選択され、有効ラインの定位置にそれぞれの停止図柄が停止するように制御される。このような図柄の停止制御を「引き込み制御」という。
なお、スタートレバー15への回転開始操作を契機とするリール12L、12C、12Rの回転開始、加速及び定速(例えば、80回転/min)に至るまでの間、ストップボタン16L、16C、16Rによる回胴停止操作は無効とされる。
フロントパネルの上段部には、例えばカラー液晶ディスプレイからなる液晶表示器18が設けられる。液晶表示器18は、例えば遊技の進行に応じて物語が展開するアニメーションを演出画像として表示する。なお、スロットマシンに設けられる表示装置としては、液晶表示器18でなくても、例えばドットマトリクス式の表示装置であってもよい。また、遊技履歴や役抽選結果の情報を文字や記号等で直接的に表示するものでもよく、そのような情報をコード化して表示するものでもよい。すなわち、スロットマシン10の表示装置として、用途や目的に適合したあらゆる方式の表示手段を用いることができる。
また、フロントパネルの周縁部の複数箇所には電飾ランプ17a、17b、17cが設けられる。電飾ランプ17a、17b、17cは、例えばいずれかの役が成立した場合において、その役に応じたパターンで点灯及び点滅することで、役の成立を視覚的に演出する。
また、フロントパネルの上段及び下段部の左右位置に、スピーカ19a、19b、19c、19dが設けられる。例えば液晶表示器18が表示する動画の演出画像や電飾ランプ17a、17b、17cの点灯・点滅に連動したステレオの演出効果音が、スピーカ19a、19b、19c、19dを介して出力される。
[システム全体のハードウェア構成]
図2は、遊技機としてのスロットマシン10及び管理装置としての貸出機20を含むシステム全体のハードウェア構成を例示するブロック図である。
初めに貸出機20側の構成を説明する。貸出機20は、カード挿入口26に挿入されたカードに対し、情報の読み取りや書き込み等の機能を有するCRユニット600を備える。CRユニット600には上述した残高金額表示器25aが接続されており、カードが現時点で保有する金銭価値の残高をCRユニット600が残高金額表示器25aに数値表示させる。なお、CRユニット600は、スロットマシン10側に設けられる一種の外部接続端子基板である貸出機接続端子板140を介して、貸出機20の主たる制御基板である管理装置基板500に接続される。また、CRユニット600は、この貸出機接続端子板140を介して、スロットマシン10内の払出制御基板300に対し双方向通信可能とされている。
貸出機20に備えられる管理装置基板500には、上述した貸出スイッチ21、再プレイスイッチ22、返却スイッチ23等の操作スイッチからの各種操作信号が入力されるように構成されている。また、管理装置基板500には、遊技ポイント数表示基板501を介して上述した残高ポイント表示器25bが接続され、カードが現時点で保有する遊技ポイントの残高である遊技ポイント残高を管理装置基板500が残高ポイント表示器25bに表示するように構成されている。
詳細は後述するが、スロットマシン10側で精算操作が受け付けられると精算処理が実行される。このとき投入ポイントが存在すれば、その投入ポイントが精算されスロットマシン10が貯留する遊技ポイントに加算される。2回目の精算操作が受け付けられると、貯留遊技ポイントが計数され貸出機20に戻される。これにより、貸出機20が管理するカードの遊技ポイント残高が更新されるように構成されている。
また、管理装置基板500には、貸出機20の前面に設けられる液晶表示器27に画像、文字又は操作用のアイコンなどの表示制御をするための画像制御基板502が接続されている。
次に、スロットマシン10において主制御基板100は、役抽選、リール回転制御及び入賞判定等の基本的なスロットマシン遊技の進行を制御するための制御装置である。主制御基板100は、CPU、ROM、RAM及び信号の入出力回路等を含むマイクロコンピュータユニット(MPU)を備え、このMPUを中心としてサブ制御基板200、回胴装置基板120、払出制御基板300及びドア中継端子板130等の各種回路基板や、電源ユニット(不図示)等の他の内部装置に接続するためのインタフェース回路、並びに、役抽選処理に使用される乱数を得るための乱数発生回路(不図示)等が、ケース内の基板に実装されている。
主制御基板100には、ドア中継基板130を介して、左のストップボタン16Lに内蔵される停止ボタンセンサ16Ls、中のストップボタン16Cに内蔵される停止ボタンセンサ16Cs及び右のストップボタン16Rに内蔵される停止ボタンセンサ16Rsが接続される。すなわち、各ストップボタン16L、16C、16Rへの操作状態が停止ボタンセンサ16Ls、16Cs、16RsからのON/OFF信号(停止操作信号)として主制御基板100に入力される。
また、ドア中継基板130を介して、スタートレバー15のスタートレバーセンサ15sが主制御基板100に接続され、スタートレバー15への操作状態がスタートレバーセンサ15sからのON/OFF信号(回転開始操作信号)として主制御基板100に入力される。
なお、停止ボタンセンサ16Ls、16Cs、16Rsからの停止操作信号や、スタートレバーセンサ15sからの回転開始操作信等のスイッチ信号情報は、主制御基板100に設定されている所定周期(例えば2ミリ秒)のインターバル割り込み処理において、RAM内の所定アドレス領域に取り込まれる。
更に、主制御基板100には、ドア中継基板130を介して払出数表示基板131が接続されている。払出数表示基板131には、上述した獲得ポイント数表示器13bを構成する例えば2桁のLED数値表示器(7セグLED)が実装されている。主制御基板100の制御処理により小役(ベル等)の入賞を判定すると、主制御基板100は入賞により遊技者に払い出す遊技ポイント数のデータを払出数表示基板131に出力する。払出数表示基板131は、遊技ポイント数のデータを数値表示用のセグメントコードに変換して獲得ポイント数表示器13bに表示させている。
回胴装置基板120には、各リール12L、12C、12Rを駆動するステッピングモータ12Lm、12Cm、12Rmと、各リール12L、12C、12Rの回転基準位置を検出するフォトセンサである回胴センサ12Ls、12Cs、12Rsが接続されている。
リール12L、12C、12Rを駆動する際には、主制御基板100のCPUは、上述のインターバル割り込み処理毎に、例えば1−2相励磁方式により励磁相(例えばφ0、φ1、φ2、φ3)が変化する駆動パルス信号を生成する。駆動パルス信号は、回胴装置基板120において電流増幅され、ステッピングモータ12Lm、12Cm、12Rmに供給される。回転中のリール12L、12C、12Rの位置や表示図柄(図柄番号)は、回胴センサ12Ls、12Cs、12Rsからの基準位置検出信号と、インターバル割り込み処理毎に出力される駆動パルス信号のカウント数に基づいて、主制御基板100のCPUに常時把握されている。
なお、スロットマシン10における稼動情報の一部(遊技ポイントの投入数、払出数、特別遊技の作動等)は、回胴装置基板120及び外部集中端子板150を介して、随時、主制御基板100から外部の例えばホールコンピュータなどに送信されてもよい。
本実施形態のスロットマシン10は、主制御基板100と双方向通信可能に接続される払出制御基板300を備えていることを1つの特徴としている。ここでいう遊技機内の「双方向通信」は、一次局としての主制御基板100が送信する要求コマンドに対し、二次局としての払出制御基板300が応答コマンドを返信するポーリング通信方式を採用することが好ましい。また、主制御基板100への不正な通信アクセスを回避するために、払出制御基板300やその他の基板からの自発的な信号の受信を禁止するような受信防御手段を主制御基板100に備えてもよい。
払出制御基板300には、上述した1P投入スイッチ14a及びマックス投入スイッチ14bが接続され、これらスイッチへされた投入操作のON/OFF信号(投入操作信号)が払出制御基板300に入力されるように構成されている。また、払出制御基板300には精算スイッチ14cが接続され、精算スイッチ14cからのON/OFF信号(精算操作信号)が払出制御基板300に入力されるように構成されている。
更に払出制御基板300には、投入表示LED基板301と貯留表示基板302とが接続されている。投入表示LED基板301には例えば3個のLEDランプが搭載されている。ここで払出制御基板300は、遊技者が投入した遊技ポイントを管理しており、その制御処理により現時点でスロットマシン10に投入された遊技ポイントの数を点灯するLEDランプの数で表示するようにしている。
また、貯留表示基板302には、上述した貯留ポイント数表示器13aを構成する例えば5桁のLED数値表示器(7セグLED)が実装されている。払出制御基板300は、スロットマシン10に内部貯留されている遊技ポイント(貯留遊技ポイント)を管理しており、現時点で内部貯留されている遊技ポイント数のデータを随時、貯留表示基板302に出力する。これにより貯留表示基板302は、貯留遊技ポイント数のデータを数値表示用のセグメントコードに変換して貯留ポイント数表示器13aに表示している。
スロットマシン10に備えられる払出制御基板300は、管理装置としての貸出機20の管理装置基板500に対しても双方向通信可能に接続されている。ここでいう遊技機外の「双方向通信」は、一次局としての管理装置基板500(管理装置)が送信する要求コマンドに対し、二次局としての払出制御基板300(遊技機)が応答コマンドを返信するポーリング通信方式を採用することが好ましい。また、管理装置としての貸出機20への不正な通信アクセスを回避するために、払出制御基板300や外部からの自発的な信号の受信を禁止するような受信防御手段を管理装置基板500に備えることもできる。
次に、スロットマシン10に備えられるサブ制御基板200は、主に遊技の演出の制御を行う制御装置である。サブ制御基板200は、CPU、ROM及びRAMの他に各種周辺回路を備える。サブ制御基板200の周辺回路は、主制御基板100からのコマンドを受信するための通信回路、スピーカ19a、19b、19c、19dを鳴動させるためのサウンド回路、LED照明基板240に実装されているLEDランプ(電飾ランプ17a、17b、17c等)を点灯又は点滅駆動するためのランプ駆動回路を含む。
また、サブ制御基板200には、画像制御基板210が接続されている。画像制御基板210には、音声基板230、演出ROM220、画像表示制御基板211が接続されている。画像制御基板210は、サブ制御基板230の制御下で演出ROM220から選択した演出パターンで参照される楽音等の音声データを音声基板230から取り込んで再生する。これとともに、画像制御基板210は、演出ROM220から演出パターンに従った画像データを画像表示制御基板211に送出する。画像表示制御基板211は、画像制御基板210から受信した画像データをビデオ信号に変換し液晶表示器18に出力する。これにより、選択された演出パターンのアニメーションなどの動画像が演出効果音とともに液晶表示器18表示される。
サブ制御基板200による演出パターンの選択は、基本的には主制御基板100から送信されてくる、役抽選結果や遊技状態等の情報を含むコマンドに応じて行われる。また、サブ制御基板200における演出抽選手段の結果に基づいて演出パターンを選択してもよい。そのような演出抽選により決定される結果としては、主制御基板100における役抽選の結果を遊技者に報知するかしないかの抽選(例えばAT抽選)などがある。さらには、スロットマシン10の本来の遊技に付随して行われる、遊技者参加型の連続演出(バトル演出等)における勝敗判定などの抽選を行うこともできる。
[スロットマシンの遊技に供される役]
図3には、左リール12L、中リール12C及び右リール12Rの外周部に付される図柄の配列が例示される。この例で1つのリールに付される図柄数は20図柄であり、リールが回転する方向に沿って「0」〜「19」の図柄番号がそれぞれの図柄に割り当てられる。また、図柄の種類毎に種別コードが割り当てられる。そして、各リール12L、12C、12Rについて図柄番号と種別コードとが対応付けられた図柄配列テーブルが主制御基板100のROMに記憶される。なお、リールに付される図柄としては、図3に示されるような「ベル」、「スイカ」、数字の「7」及び「チェリー」などをモチーフとしたものが一般的に用いられる。しかし、これらの図柄のモチーフは伝統的に慣用されているものに過ぎず、スロットマシンの機種、テーマ、キャラクタ等に合わせて、適宜、変更し選択することができる。
図4及び図5は、スロットマシン10の遊技に供される役と各役に対応する図柄組合せを例示する図である。このうち、図4(a)には、遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる特別遊技役(ボーナス役)について示され、図4(b)には、遊技ポイントを設定しなくても次の遊技を行えるようにする再遊技役(リプレイ役)について示される。また、図5には、入賞により遊技ポイントが払い出される小役について示される。
図4(a)の実施形態では、特別遊技役であるBB(ビッグボーナス)特別遊技(以下、「BB遊技」という。)の状態に移行させる「BB役」と、RB(レギュラーボーナス)特別遊技(以下、「RB遊技」という。)の状態に移行させる「RB役」とが示される。BB遊技の状態は、一般遊技よりも小役が当選する確率が高い状態の高確率遊技が複数回継続し、所定の最大遊技ポイント数(例えば419ポイント)の獲得によって終了する遊技状態をいう。RB遊技の状態は、同じく小役が当選する確率が高い状態の高確率遊技が継続し、所定遊技回数(例えば12遊技)消化するか、又は、所定回数(例えば8回)の小役の入賞により終了する遊技状態をいう。
これら特別遊技役(BB役、RB役)は、役抽選手段による当選状態を次の遊技に持ち越すことができる役物系の役である。つまり、特別遊技役が当該遊技で成立しなくても、次以降の遊技で役が成立すれば、対応する特別遊技状態に移行することができる。また、特別遊技役の当選状態が持ち越された一般遊技(BB役又はRB役の当選フラグがオンの状態)で役抽選が行われ、その結果、特別遊技役の当選とともに小役や再遊技役などの入賞系の役が重複して当選するような場合も通常あり得る。そのような役物系と入賞系の役の当選フラグがオンの状態では、例えば再遊技役に係る図柄を優先的に引き込み制御するなど、成立する役に優先順位が設けられる。
図4(b)には、複数種類の再遊技役(再遊技A〜L)についての実施形態が示されている。このうち、再遊技Aは、3個のリプレイ図柄が水平中段の有効ラインに揃うことで成立する「通常リプレイ」である。各リール12L、12C、12Rのリプレイ図柄は、リールテープ上に最大の滑り制御コマ数である5コマ間隔以内で配列されているので、リプレイ図柄を全て引き込み制御して再遊技Aを確実に成立させることが可能な図柄配列となっている。
再遊技B〜Fは、リプレイ図柄を左右に含む図柄態様が対応付けられた「チャンスリプレイ」である。これらの図柄態様の何れかが有効ラインに揃うと、例えば遊技者に若干有利なRT2の状態に遊技が移行する。左右のリール12L、12Rのリプレイ図柄は、上述したように引き込み制御可能な図柄である。また、中リール12Cのベル、赤セブン、青セブン、黒バー、白バーの各図柄もその何れかが5コマ間隔以内で配列されているので、そのうち1つの図柄を停止図柄として引き込み制御することで、再遊技B〜Fの何れかを成立させることが可能な図柄配列となっている。
再遊技Gは、所定のタイミングでの目押し(停止操作)を必要とする「赤セブン(赤7)揃い」の図柄態様が対応付けられた再遊技役である。本実施形態では、後述するように再遊技役の確率が高く遊技ポイントが減らない有利な遊技ができるRT3の状態への移行契機となる役でもある。
再遊技H〜Kは、「赤セブン揃い」に一部が共通する図柄態様が対応付けられた再遊技役である。すなわち、右又は中のリール12R、12Cに対し赤セブン図柄の目押しが成功すると、「赤セブン揃い(再遊技G)」成立への期待を高めることができる。また、再遊技H〜Kの図柄態様は、リプレイ図柄を含んでいないが、これらの図柄が水平中段のラインに揃うと、同時に水平下段のラインに3個のリプレイ図柄が揃って表示される図柄配列となっている。このため、有効ラインにリプレイ図柄が揃わなくても、遊技者には再遊技役の成立を視覚的に認識させることができる。
再遊技Lは、赤セブン、リプレイ、赤セブンの図柄態様が対応付けられた再遊技役である。例えば、逆挟み押しにより、左及び右のリール12L、12Rに対する赤セブン図柄表示の目押しが成功すると、「赤セブン揃い」のリーチ目となる。この赤セブンの図柄で挟むリーチ目が有効ラインに表示されて成立し得る再遊技役としては、再遊技G又は再遊技Lの何れかである。この時点で遊技者に中リール12Cの赤セブンの図柄を狙わせることで、「赤セブン揃い」の再遊技G役の成立の期待を高めることができる。
図5には、複数種類の小役(ベルA〜W及びチェリーA〜C)についての図柄態様が示される。ベルの小役(ベル役)は、ストップボタン16L、16C、16Rの停止操作の順序(「停止操作順」又は単に「押し順」ともいう。)が正解のときにベル図柄が有効ラインに揃うベルAと、押し順が不正解のときに図柄がバラけて表示されるベルB〜Wとを有している。なお、このような押し順の正解/不正解の対応付けは、役抽選手段による抽選結果に応じてなされる。また、通常、押し順が正解のときのベルAのほうが、押し順不正解のときのベルB〜Wよりも、遊技ポイントの払い出し数が多く設定される。ベル図柄が揃うベルA以外のこれらベルB〜W役に対応する図柄態様を「バラケベル」、「ベル役こぼし目」又は単に「こぼし目」という。
なお、後述するように、本実施形態では、押し順が不正解のときに図柄がバラけて表示されるベルB〜Wは、一般遊技におけるRT状態の移行契機の役でもある。
チェリーA〜Cは、同時当選して遊技ポイントを獲得できる役であり、左リール12Lのみ特定の図柄表示で入賞し(チェリーA、B)、又は、左リール12L及び中リール12Cの特定の図柄表示で入賞する(チェリーC)。
本実施形態のスロットマシン10では、役抽選手段の抽選処理により、例えば図6に示される何れかの抽選結果が得られる。なお、図6には、一般遊技状態での役の内部当選(抽選結果1〜13)及び外れ(抽選結果0)を含む抽選結果が示される。各抽選結果0〜13には、乱数発生器が出力可能な数値範囲0〜65535に含まれる数値範囲が順次割り当てられ(図示略)、その割り当てられる各数値範囲の幅が各抽選結果の当選確率に対応している。このような抽選結果と乱数値範囲との対応付けが、役抽選テーブルとして主制御基板100のROMに予め記憶されている。なお、役の当選確率は各遊技状態で異なるため、ROMにおいては複数の役抽選テーブルが遊技状態毎に管理される。
図6の実施形態によれば、スタートレバー15の操作を契機に乱数発生器から取得された乱数値が抽選結果1の数値範囲に属する場合には、BB役が内部当選となる。乱数値が抽選結果2の数値範囲に属する場合にはRB役が内部当選となる。同様に、乱数値が抽選結果3の数値範囲の場合には通常リプレイの再遊技Aのみの内部当選となり、抽選結果4の数値範囲の場合には再遊技A及び再遊技G〜Lが同時に当選状態となる。以下、ベル役等の小役についても同様に、取得された乱数値に応じて、役抽選テーブルで参照される抽選結果となる。
なお、BB役やRB役などの特別遊技役の当選状態は、当該役に係る図柄組合せが表示されるまで持ち越し可能である。すなわち、役抽選処理において特別遊技役が当選すると当選フラグがセットされ、当該特別遊技状態が成立するまで当選フラグのセットされた状態が維持される。このように当選フラグがセットされた遊技を「内部当選状態」又は「内部当選中」ということがある。
一方、ベルやチェリー等の小役及び再遊技役(リプレイ)などの一般役の当選状態は当該遊技においてのみ有効であり他の遊技に持ち越すことができない。すなわち、役抽選処理において小役や再遊技役が当選すると当選フラグがセットされるが、当該当選役が入賞したか否かにかかわらず、当該遊技の終了時に当選フラグがクリアされる。
複数の役が同時当選する抽選結果の場合、その結果に応じて役と停止操作順(押し順)とが対応付けされる。例えば抽選結果4である複数のリプレイが同時当選した場合に、通常リプレイの「再遊技A」には「順押し」が対応付けされる。一方、それ以外のリプレイ(ベルリプレイなど)「再遊技G〜L」には「逆押しその他の操作順(つまり順押し以外)」が対応付けされる。なお、抽選結果5の場合のように、同時当選した複数のチャンスリプレイに押し順の対応付けがされない抽選結果などが存在してもよい。
ベル役については、本実施形態ではベルAが最も払い出し数が多いことから、「ベル役A」に対応付けされる停止操作順を「押し順正解」とし、図柄がバラけて表示される「ベル役B〜W」に対応付けされる停止操作順を「押し順不正解」としている。例えば、抽選結果6の場合には、左中右の押し順がベルAが入賞し得る正解押し順として設定される。すなわち、抽選結果6の内部当選時に左中右で停止操作すれば、ベル図柄揃いのベルAが入賞する可能性が非常に高く、それ以外の操作順ではベルB〜Rの何れかの図柄態様(ベル役こぼし目)が有効ラインに表示される。
[スロットマシンに備えられる遊技状態]
図7には、本実施形態によるスロットマシン10の主制御基板100が制御する、遊技状態の移行フローが例示される。なお、図7のRT状態移行フローはあくまでも例示であり、各遊技状態の抽選確率を変更したり、RT状態数を増減させたり、遊技状態間の移行条件の追加変更などを適宜行ってもよい。
スロットマシン10の遊技状態は、上述したように大まかには、「一般遊技状態」か、RB役やBB役などが成立した「特別遊技状態」かに分けられる。そして、一般遊技状態においては、RB役やBB役などの他の遊技に役抽選の当選状態を持ち越し可能な特別遊技役に係る当選フラグがセットされた内部当選状態か、又は当選フラグがセットされていない非内部当選状態かに分けられる。
また、再遊技役の当選確率の相違ということでみた場合、一般遊技状態においては、例えば5つのRT状態(非RT及びRT1〜4)を有することができる。すなわち、一般遊技は、再遊技役の当選確率が比較的低い「非RT」及び「RT1」の状態、再遊技役の当選確率が比較的高い「RT3」の状態、非RT1からRT3に移行する途中の「RT2」の状態、又は、特別遊技役が内部当選した「RT4」の状態の何れかのRT状態に属している。
図7を参照しながら、本実施形態による一般遊技におけるRT状態を説明する。まず、BB遊技又はRB遊技などの特別遊技状態が終了した直後の一般遊技は、再遊技役の内部当選確率が例えば1/7.3のRT1の状態となる。ここで、このRT1の状態の一般遊技が行われる中で、例えばベルAとベルB〜Wの何れかを含むベル役が同時当選した場合には、その抽選結果に応じてストップボタン16L、16C、16Rの正解及び不正解の押し順が対応付けられる。上述したように、対応付された正解の押し順でストップボタン16L、16C、16Rが操作されたときには、ベル図柄が有効ラインに揃ってベルAの役が入賞する可能性が高い。その一方で、停止操作された押し順が不正解の場合には、「バラケベル」のベル役こぼし目の図柄が有効ラインに表示され、対応するベルB〜Wの何れかの役が成立する。
RT1の状態で、このような押し順不正解によるベル役こぼし目が有効ラインに表示されると、遊技が非RTの状態に移行する。RT1から非RTの状態に移行する際のリプレイ当選確率に変更はないが、図7に示されるようにRT1よりも非RTの方が、遊技者に有利なRT3の状態に近づいた状態にある。
非RTの状態の一般遊技が行われる中で、例えば再遊技役の再遊技A〜Fが同時当選し、そのうち再遊技B〜F(チャンスリプレイ)に係る図柄が有効ラインに表示されたときに、遊技が非RTからRT2の状態に移行する。なお、遊技者による押し順に応じて、チャンスリプレイに係る図柄又は通常リプレイに係る図柄を有効ラインに表示するようにしてもよい。また、図7に示されるように、RT2の状態は、例えば「赤セブン揃い」の再遊技Gが成立することにより遊技者に有利なRT3の状態に移行できるチャンス状態でもある。
しかしその一方で、RT2の状態でベル役が同時当選し、押し順不正解の停止操作によりベル役こぼし目の図柄が有効ラインに表示された場合には、遊技がRT2から非RTの状態へ転落してしまう。
RT2の状態が維持され、「赤セブン揃い」の再遊技Gの役が成立すると、遊技者に有利なRT3の状態に遊技が移行する。このような有利な遊技状態に移行するときは、遊技の進行を一旦フリーズさせ、その間、疑似遊技によるリール演出を行ってもよい。このような疑似遊技では、通常の遊技と区別するために、例えば赤セブンの図柄が有効ライン上で微振動するような、いわゆるバウンドストップのリール動作演出を行ってもよい。
図7に示されるRT状態の移行制御は、上述したように主制御基板100により実行される。これと並行して、進行中の遊技におけるATなどの制御がサブ制御基板200によりなされる。AT遊技では、役抽選手段による抽選結果に応じて対応付けされた例えば正解の押し順が、操作指示ランプ13l、13c、13rの点灯や液晶表示器18が表示する画像により遊技者に報知される。なお、ATでは必ずしも正解の押し順のみが報知されるのではなく、例えばRT1から非RTへの移行条件であるベル役の不正解の押し順を報知することで、最終的にはRT3への状態移行をナビするような、結果的に遊技者に有利となる押し順の報知をしてもよい。
ATによる押し順の報知は、例えば特別遊技であるBB遊技の終了後、所定回数の遊技において実行される。また、例えばサブ制御基板200の演出抽選手段による抽選によりATを実行し、又は、所定の開始条件の成立によりATを実行してもよい。実行されたATは、所定回数の遊技の間継続する(例えば1セットが30遊技)。AT状態中に別のATが当選すれば、引続きもう1セット(例えば30遊技)のAT状態が継続する。そのようなAT実行の抽選結果(ATの実行権利)をストックしておくこともできる。
このように、基本的にはサブ制御基板200による抽選でATの1つの実行権利が獲得されることにより、1セット(例えば30遊技)のATが実行される。AT状態中やAT終了時にも演出抽選手段によるAT抽選を行ってもよい。なお、この1セットのAT状態が終了後に更に1セットのAT状態が継続する確率を「AT継続率」という。
[投入規定数と遊技状態との関係]
本実施形態のスロットマシン10では、1回の遊技に賭けることができる遊技ポイントの数である投入規定数が遊技状態に応じて予め定められている。図8には、投入規定数と遊技状態との関係の一例が示される。
図8の例では、一般遊技状態の遊技での投入規定数は2ポイント及び3ポイントであり、BB役又はRB役が作動中の特別遊技状態の遊技での投入規定数は2ポイントと予め定められている。ここで「投入規定数」とは、遊技に賭けることができる遊技ポイントの数のことをいう。投入規定数を本明細書では単に「規定数」ということがある。図8の実施形態では一般遊技状態の遊技では2ポイント又は3ポイントを投入した遊技が可能であり、特別遊技状態の遊技での遊技では2ポイントのみ投入した遊技が可能である。なお、一般遊技状態の遊技での投入規定数を例えば3ポイントのみと1つに定めてもよい。また、特別遊技状態で作動中の役の種類に応じて投入規定数を2又は3ポイントとしてもよい。
[各制御基板の主な制御内容]
次に図2に示した主制御基板100、払出制御基板300及び管理装置基板500の各御基板の主な制御内容を抜粋する。
(主制御基板)
主制御基板100に備えられる主制御手段の主な制御内容は次のとおりである。
(ア)遊技進行制御
・回転開始操作の検出及び受付処理
・投入ポイント数に応じた役抽選
・リールの加速/定速回転制御
・回胴停止操作の検出及び受付処理
・抽選フラグに基づいたリールの停止制御(図柄表示制御)
・入賞時に払出制御基板300に対し払出ポイント情報の送信
・遊技終了時に払出制御基板300に対し次遊技規定数情報を送信
・再遊技役が成立した場合、遊技終了時に払出制御基板300に対し再遊技作動中信号を送信
(イ)各種情報表示
・入賞時に払い出される遊技ポイント数を獲得ポイント数表示器13bに表示
(ウ)外端情報出力
・大当たり信号、ドア開放信号、セキュリティ信号等を外部出力
ここで「大当たり信号」は、BB遊技又はRB遊技が作動中であることを示す信号をいう。「ドア開放信号」は前扉11の開放状態を示す信号をいう。「セキュリティ信号」は、エラーの検出状態などを含むスロットマシン10のセキュリティに関する信号をいう。
(エ)エラー検出/管理
・主制御基板100におけるエラー検出
・払出制御基板300からのエラー情報の受信
・払出制御基板300へのエラー情報の送信
・エラー検出時の処理(エラー検出・受信時の報知、遊技の中断、各種操作の受付不可等)
・エラー解除後の復帰処理
(オ)その他
・抽選確率に係る設定変更処理
(払出制御基板)
払出制御基板300に備えられる払出制御手段の主な制御内容は次のとおりである。
(ア)遊技ポイントの管理・表示
・遊技ポイントの記憶、更新
・貯留遊技ポイント数を貯留ポイント数表示器13aに表示
(イ)遊技ポイントの投入受付
・投入ポイントを設定
・貯留遊技ポイント数から投入ポイント数だけ減算
・投入ポイント数をランプ表示
・遊技進行中又は再遊技中の投入操作受付を不可
・主制御基板100又は払出制御基板300のエラー検出時の投入操作受付を不可
(ウ)払出遊技ポイントの貯留加算
・主制御基板100からの払出遊技ポイント情報に基づき遊技ポイントを加算
(エ)貸出要求対応
・管理装置基板500からのポイント加算要求により遊技ポイントを加算
・遊技進行中その他条件に応じてポイント加算要求を無効化
・主制御基板100又は払出制御基板300のエラー検出時のポイント加算要求を無効化
(オ)再プレイ要求対応
・管理装置基板500からのポイント加算要求により遊技ポイントを加算
・遊技進行中その他条件に応じてポイント加算要求を無効化
・主制御基板100又は払出制御基板300のエラー検出時のポイント加算要求を無効化
(カ)精算操作受付
・精算操作の検出及び受付処理
・投入ポイント数の計数及び初期化
・貯留遊技ポイント数の計数及び初期化
・管理装置基板500への計数ポイントデータの送信
・遊技進行中その他条件に応じて精算操作受付不可
・主制御基板100又は払出制御基板300のエラー検出時のポイント加算要求を無効化
(キ)エラー検出/管理
・払出制御基板300におけるエラー検出
・主制御基板100からのエラー情報の受信
・主制御基板100へのエラー情報の送信
・管理装置基板500からのエラー情報の受信
・管理装置基板500へのエラー情報の送信
・エラー検出時の処理(エラー検出・受信時の報知、各種操作の受付不可等)
(管理装置基板)
管理装置基板500に備えられる管理装置手段の主な制御内容は次のとおりである。
(ア)貸出操作受付
・貸出操作の検出及び受付処理
・貸出操作受付時に払出制御基板300に対しポイント加算要求を送信
・金銭残高更新処理
(イ)再プレイ操作受付
・再プレイ操作の検出及び受付処理
・再プレイ操作受付時に払出制御基板300に対しポイント加算要求を送信
・遊技ポイント残高更新処理
(ウ)精算対応
・払出制御基板300からの計数ポイントデータに基づき管理遊技ポイントを更新
・カード返却処理
(エ)エラー検出/管理
・管理装置基板500におけるエラー検出
・払出制御基板300からのエラー情報の受信
・払出制御基板300へのエラー情報の送信
・エラー検出時の処理(エラー検出・受信時の報知、各種操作の受付不可等)
[通信仕様]
(主制御基板及び払出制御基板間の通信)
本実施形態のスロットマシン10内では、主制御基板100と払出制御基板300とが定期的にコマンドを交換している。具体的には、一次局としての主制御基板100が送信する要求コマンドに対し、二次局としての払出制御基板300が応答コマンドを返信するポーリング方式を採用することが好ましい。コマンド通信のポーリングの間隔は例えば200ミリ秒であり、信号の入出力等のための上述した割り込み処理のインターバル(例えば2ミリ秒)よりも長い。詳細は後述するが、通信されるコマンドは一部のフレームを除いて暗号化される。
図9には双方向通信のコマンドフレーム構成の一例が示される。通信コマンドは、図9(a)に示されるように先頭からデータ長、通番、コマンドコード、データ部及びCRCを含み構成される。但しコマンドの種類によってはデータ部を有しなくてもよい。各データ項目の意味は図9(b)に記載されるとおりである。すなわち、「データ長」には、通番(1バイト)、コマンドコード(1バイト)、データ部(可変)及びCRC(2バイト)を合わせた総バイト数が格納される。
「通番」には、当該コマンドのシーケンス番号が格納される。例えば現時点で主制御基板100から送信された要求コマンドの通番にnが付されたとするならば、この要求コマンドに対する払出制御基板300からの応答コマンドにはn+1の通番が付される。そして、次のポーリングで送信される要求コマンドにはn+2の通番が付される。このように、相互に送信されるコマンド毎に+1加算して更新される通番を用いることにより、コマンドの抜けや脱落等の通信エラーを容易にチェックすることができる。
また、要求コマンド及び応答コマンド毎に更新される番号を通番として用いてもよい。例えば現時点で送信する要求コマンドに対しnの通番を付し、次のポーリングで送信する要求コマンドにn+1の通番を付してもよい。この場合において、nの通番が付された要求コマンドに対する応答コマンドに同じくnの通番を付し、次のポーリングで返信する応答コマンドにn+1の通番を付すようにしてもよい。この実施形態では、互いに取り交わされる要求コマンドと応答コマンドの関係が同じ通番で対応付けされるので、コマンドの通信エラーのチェック精度をより高めることができる。
「コマンドコード」には、当該コマンドが要求又は応答する情報の内容を特定するための1バイトの制御コードが格納される。「データ部」には、コマンドコード毎に対応して規定されるコマンドデータが格納される。このデータ部の具体的な実施形態については、図10〜図14を参照して後述する。「CRC(Cyclic Redundancy Check)」は、通信されるコマンドの誤り検出用として2バイトが確保されている。コマンドを受信する側の基板がCRCをチェックすることで通信エラーを検出することができる。
主制御基板100からは、電源投入時に例えば図10(a)に示される構成の通信開始要求を送信する。払出制御基板300は、これに応答して例えば図10(b)に示される構成の通信開始応答を返信する。
主制御基板100からの通信開始要求は、通番と所定のコマンドコード(制御コード「01h」)からなる。主制御基板100からの通信開始要求の通番とコマンドコードは、いずれも1バイトのHEX(16進数を意味する。以下において同じ。)形式で表現され暗号化される。
払出制御基板300からの通信開始応答は、それぞれ1バイトのHEX形式の通番及びコマンドコード(制御コード「11h」)の他に、データ部として4ビットのBIN(2進数を意味する。以下において同じ。)形式で表現される通信状態と1バイトのHEX形式で表現されるエラー状態の情報を含む。
通信開始応答のデータ部を構成する「通信状態」のフレームには、払出制御基板300が通信可能か否か(データビットD1)及びその他エラーの有無(データビットD0)の情報が格納される。通信開始応答のデータ部を構成する「エラー状態」のフレームには、払出制御基板300が検出したエラーのエラーコードが格納される。
払出制御基板300からの通信開始応答における通番、コマンドコード及びデータ部の各フレームはいずれも暗号化される。
また、主制御基板100からは、遊技機起動中に例えば図11(a)に示される構成の遊技状態通知を送信する。払出制御基板300は、これに応答して例えば図11(b)に示される構成の遊技状態応答を返信する。
主制御基板100からの遊技状態通知は、それぞれ1バイトのHEX形式の通番及びコマンドコード(制御コード「02h」)の他に、データ部としてそれぞれ1バイトのBIN形式の遊技作動状態、不正検知情報及び遊技情報を含む。
遊技状態通知のデータ部を構成する「遊技作動状態」のフレームには、スロットマシン10がBB作動中か否か(データビットD0〜D1)、RB作動中か否か(データビットD2〜D3)及び再遊技作動中か否か(データビットD4〜D7)の情報が格納される。
遊技状態通知のデータ部を構成する「不正検知情報」のフレームには、前扉11が開放(ドア開)か否か(データビットD1)、不正が発見された場合にその不正コード(データビットD2〜D7)及び検出されたその他エラーの有無(データビットD0)の情報が格納される。
また、遊技状態通知のデータ部は、それぞれ4ビットのHEX形式のデータ種別とそのデータ種別毎に対応するデータ番号及び払出ポイント数の情報を有する遊技情報を含む。
遊技状態通知のデータ部を構成する遊技情報の1つである「データ種別」のフレームには、例えば、次遊技規定数情報に値「1」が割り当てられ、スタートレバー15への操作受付状態(スタート受付)には値「2」が割り当てられ、回胴(リール)回転/停止状態には値「3」が割り当てられ、遊技ポイントの加算可/不可には値「4」が割り当てられ、エラー情報には値「5」が割り当てられている。
また、遊技状態通知のデータ部を構成する遊技情報の1つである「データ番号」のフレームには、データ種別に対応したデータが格納される。例えば、遊技終了時に主制御基板100が図柄組合せを判定し、その結果に応じて次遊技の規定数を決定したときには(図8参照)、データ種別のフレームの値を「1」に設定し、決定した当該次遊技規定数のデータを「データ番号」に格納して遊技状態通知を作成するとともに、直後のポーリングで払出制御基板300へ送信している。また、主制御基板100は、例えば遊技の進行状況により貯留遊技ポイントの加算可能か否かを判断して、データ種別のフレームの値を「4」に設定し、遊技ポイントの加算が可能な状態であればデータ番号に「1」を格納し、遊技ポイントの加算が不可能な状態であればデータ番号に「0」を格納して遊技状態通知を作成するとともに、直後のポーリングで払出制御基板300へ送信している。
また、遊技状態通知のデータ部を構成する遊技情報の1つである「払出ポイント数」のフレームには、入賞により払い出すことが決定された遊技ポイント数が格納される。
主制御基板100から払出制御基板330へ送信される遊技状態通知における通番、コマンドコード及びデータ部の各フレームはいずれも暗号化される。このような遊技状態通知のコマンドフレーム構成により、主制御基板100で決定し又は管理する遊技状態に関する情報が、例えば200ミリ秒のポーリング間隔で随時、払出制御基板300へ送信されている。
次に、図11(b)で参照される払出制御基板300からの遊技状態応答は、それぞれ1バイトHEX形式の通番及びコマンドコード(制御コード「12h」)の他に、データ部として4ビットBIN形式の払出制御状態及び4ビットHEX形式の投入数情報とを含む。
遊技状態応答のデータ部を構成する「払出制御状態」のフレームには、払出制御基板300で検出された通信エラー(データビットD1)、不正が発見された場合にその不正コード(データビットD2〜D7)及び検出されたその他エラーの有無(データビットD0)の情報が格納される。
また、遊技状態応答のデータ部を構成する「投入数情報」のフレームには、払出制御基板300が管理する、現時点で投入設定されている遊技ポイントの投入数が格納される。
払出制御基板300から主制御基板100へ返信される遊技状態応答における通番、コマンドコード及びデータ部の各フレームはいずれも暗号化される。このような遊技状態応答のコマンドフレーム構成により、払出制御基板300で管理する投入状態等に関する情報が、例えば200ミリ秒のポーリング間隔で随時、主制御基板100へ送信されている。
主制御基板100側では、ポーリング時間内に払出制御基板300から応答コマンドがあるまで初回を含め例えば3回まで要求コマンドのリトライ送信をすることができる。主制御基板100は、要求コマンドを所定回数送信しても払出制御基板300から応答コマンドを受信できなかった場合に通信回線断エラーと判定している。
一方、払出制御基板300側では、応答コマンドを送信してから例えば1秒経過しても主制御基板100からの次の要求コマンドを受信できなかった場合に通信回線断エラーと判定している。
(管理装置基板及び払出制御基板間の通信)
本実施形態の遊技機システムでは、貸出機20の管理装置基板500とスロットマシン10の払出制御基板300との間でも定期的にコマンドを交換している。具体的には、一次局としての管理装置基板500が送信する要求コマンドに対し、二次局としての払出制御基板300が応答コマンドを返信するポーリング方式が採用される。ポーリングの間隔は例えば200ミリ秒である。管理装置基板500及び払出制御基板300間の通信に用いられるコマンド構成は、図9(a)に示した主制御基板100及び払出制御基板300間の通信に用いられるコマンド構成と同様、データ長、通番、コマンドコード、データ部及びCRCを含み構成される。但しコマンドの種類によってはデータ部を有しなくてもよい。各データ項目の意味は図9(b)を参照して上述したとおりであり、ここでの説明は省略する。
管理装置基板500からは、例えば図12に示される構成の状態情報要求を払出制御基板300に送信する。払出制御基板300は、これに応答して例えば図13に示される構成の状態情報応答を返信する。
図12を参照し管理装置基板500からの状態情報要求は、それぞれ1バイトHEX形式の通番及びコマンドコード(制御コード「06h」)の他に、データ部として1バイトBIN形式の管理装置状態、2バイトHEX形式の加算ポイント数及び1バイトHEX形式の管理装置エラー状態の各フレームを含む。
管理装置基板500から送信される状態情報要求のデータ部を構成する「管理装置状態」のフレームには、貸出機20にカードが挿入中か否か(データビットD0)、貸出機20が準備状態か否か(データビットD1)、当該状態情報要求が後述する遊技ポイント加算要求を含むコマンドであるか否か(データビットD3)及び精算処理における計数ポイント受領の処理が完了したか否か(データビットD4)の情報を含み格納される。
詳細は後述するが、貸出機20に対し貸出操作又は再プレイ操作がされたときには、管理装置基板500から払出制御基板300に対し遊技ポイントの加算を要求する遊技ポイント加算要求が送信される。この遊技ポイント加算要求は、具体的には管理装置状態フレームのデータビットD3の値が「1」のデータ部を有する状態情報要求のことをいう。
なお、管理装置基板500から払出制御基板300に送信される状態情報要求の管理装置状態フレームは、情報の単位がビット形式(BIN形式)で形成されるので、例えばカードが挿入中である情報とともに遊技ポイント加算要求も同時に送信できる。また、状態情報要求におけるデータ部の各フレームはいずれも暗号化される。図12の状態情報要求のコマンドフレームでは、通番及びコマンドコードが暗号化されない実施形態が示されているが、これらのフレームを暗号化して送信してもよい。
このような状態情報要求のコマンドフレーム構成により、管理装置基板500で管理する貸出機20に関する状態情報が、例えば200ミリ秒のポーリング間隔で随時、払出制御基板300へ送信されている。
次に図13を参照し、払出制御基板300から管理装置基板500に送信される状態情報応答は、それぞれ1バイトHEX形式の通番及びコマンドコード(制御コード「16h」)の他に、データ部として遊技機情報、遊技機状態、スロットマシン10側で検出されたエラー状態、不正検知情報、遊技情報の各フレームを含む。
払出制御基板300が返信する状態情報応答のデータ部の1つを構成する「遊技機情報」のフレームには、3バイトHEX形式の貯留ポイント数、1バイトHEX形式の投入ポイント数及び3バイトHEX形式の計数ポイント数の情報が含まれる。
遊技機情報の1つを構成する「貯留ポイント数」のフレームには、払出制御基板300が管理し現時点で内部貯留している遊技ポイント数の情報が格納される。遊技機情報のもう1つを構成する「投入ポイント数」のフレームには、払出制御基板300が管理する現時点で投入設定されている遊技ポイント数の情報が格納される。遊技機情報の更にもう1つを構成する「計数ポイント数」のフレームには、後述する精算処理において払出制御基板300が計数した遊技ポイント数の情報が格納される。
払出制御基板300からの状態情報応答のデータ部のもう1つのフレームを構成する「遊技機状態」は、それぞれ1バイトBIN形式の状態1、状態2の各フレームからなる。「状態1」のフレームには、スロットマシン10が遊技禁止(値「0」)か遊技許可(値「1」)かの情報(データビットD0)、スロットマシン10が待機中(値「0」)か遊技中でない(値「1」)かの情報(データビットD1)、内部貯留されている遊技ポイントの有無(データビットD2)、スロットマシン10が計数状態か否か(データビットD4)、貸出又は再プレイ時に遊技ポイントが正常に加算されたか否かの結果(データビットD5)などの情報が含まれる。
これらの情報のうち、例えば、状態1フレームのデータビットD0の値が「0」で示される遊技禁止の情報は、払出制御基板300が通信エラーその他のエラーを検出した場合、主制御基板100から通信開始要求が送信されない若しくは受信できない場合、主制御基板100から受信した遊技状態通知にドア開放その他不正検知情報が含まれている場合など、スロットマシン10の遊技が禁止されているときに設定される。逆にこれらのエラーが検出されなければ、状態1フレームのデータビットD0の値が「1」の遊技許可が送信される。
また、状態1フレームのデータビットD1の値で示される待機中か否かの情報は、主制御基板100から払出制御基板300に送信される遊技状態通知に含まれる遊技情報のデータ種別が示す情報(例えばスタートレバー15の操作を受付けたか否か、リールが回転中か停止中かなどの情報)に基づいて、払出制御基板300が判定することで設定される。
その他、状態1の遊技ポイントの有無(データビットD2)は、払出制御基板300が管理する貯留遊技ポイントの情報に基づいて設定され、計数状態(データビットD4)及び遊技ポイント加算結果(データビットD5)についても払出制御基板300によるそれぞれの処理結果に基づいて設定される。
遊技機状態のもう1つのフレームを構成する「状態2」には、BBの作動を示す情報(データビットD0〜D1)、RBの作動を示す情報(データビットD2〜D3)、再遊技の作動を示す情報(データビットD4〜D7)。このように状態2には、それぞれ複数種類あるBB役、RB役及び再遊技役に備えて、複数のビットが割り当てられている。
BBや再遊技などの各役が作動中か否かの情報は、主制御基板100から払出制御基板300に送信される遊技状態通知の遊技作動状態フレームに含まれており、払出制御基板300はこれら作動役の情報に基づいて遊技機状態の状態2フレームを設定し状態情報応答として管理装置基板500に返信している。
また、払出制御基板300が返信する状態情報応答のデータ部の更にもう1つを構成する「エラー状態」のフレームには、スロットマシン10側で発生し検出されたエラーのエラーコードの情報が1バイトHEX形式で設定される。このエラー状態フレームには、主制御基板100から遊技状態通知を介して払出制御基板300が受信したエラー状態及び払出制御基板300が検出したエラー状態の情報が含まれる。
また、状態情報応答のデータ部の更にもう1つを構成する「不正検知情報」のフレームには、主制御基板100側で発生した不正検知情報と払出制御基板300側で発生した不正検知情報とが、それぞれ1バイトBIN形式で格納される。主制御基板100側で発生した不正検知情報は、払出制御基板300が主制御基板100から受信した遊技状態通知に含まれる情報に基づいて状態情報応答のデータ部に設定される。
また、状態情報応答のデータ部の更にもう1つを構成する「遊技情報」のフレームには、複数(n個)の遊技情報が含まれる。具体的には、その遊技情報の個数(n)がHEX形式で遊技情報フレームの先頭の1バイト目にされ、続いてそれぞれ1バイトBIN形式の種別情報とその種別情報に対応する払出数情報の計2バイトのデータが上記遊技情報個数(n個)だけ継続して格納される。これら払出制御基板300からの遊技情報は、管理装置(貸出機20)側で当該スロットマシン10に貸し出した遊技ポイント数(IN)及び払い出された遊技ポイント数(OUT)の比(IN/OUT)など出玉に関する情報を必要に応じて管理する際に用いられる。
払出制御基板300から管理装置基板500に返信される状態情報応答におけるデータ部の各フレームはいずれも暗号化される。図13の状態情報応答のコマンドフレームでは、通番及びコマンドコードが暗号化されない実施形態が示されているが、これらのフレームを暗号化して送信してもよい。このような状態情報応答のコマンドフレーム構成により、払出制御基板300を介してスロットマシン10に関する状態情報が、所定のポーリング間隔で、随時、管理装置基板500へ送信されている。
更に、図14に示されるように、貸出機20へのカード挿入時には管理装置基板500からカード挿入通知が送信され、払出制御基板300からはカード挿入応答が返信される。カード返却操作時には管理装置基板500からカード返却通知が送信され、払出制御基板300からはカード返却応答が返信される。
図14(a)で参照される管理装置基板500からのカード挿入通知は、それぞれ1バイトHEX形式の通番及びコマンドコード(制御コード「07h」)の他に、データ部として8バイトBIN形式のカードID情報と、6バイトBCD(2進化10進数を意味する。以下において同じ。)形式の挿入時刻情報とが格納される。少なくともカード挿入通知のデータ部を構成する各フレームは暗号化して送信されるが、通番及びコマンドコードを含めコマンド全体を暗号化して払出制御基板300に送信してもよい。
図14(b)で参照される払出制御基板300からのカード挿入応答は、それぞれ1バイトHEX形式の通番及びコマンドコード(制御コード「17h」)からなる。図14(b)の実施形態ではカード挿入応答は暗号化されないが、通番及びコマンドコードを暗号化して管理装置基板500に送信してもよい。
図14(c)で参照される管理装置基板500からのカード返却通知は、それぞれ1バイトHEX形式の通番及びコマンドコード(制御コード「08h」)からなる。図14(c)の実施形態ではカード返却通知は暗号化されないが、通番及びコマンドコードを暗号化して払出制御基板300に送信してもよい。
図14(d)で参照される払出制御基板300からのカード返却応答は、それぞれ1バイトHEX形式の通番及びコマンドコード(制御コード「18h」)の他に、データ部として8バイトBIN形式のカードID情報と、6バイトBCD形式の挿入時刻情報とが格納される。カードID情報及び挿入時刻情報は、当該カード挿入時に管理装置基板500から送信されたカード挿入通知の情報に基づいて設定される。少なくともカード返却応答のデータ部を構成する各フレームは暗号化して送信されるが、通番及びコマンドコードを含めコマンド全体を暗号化して管理装置基板500に送信してもよい。
管理装置基板500側では、ポーリング時間内に払出制御基板300から応答コマンドがあるまで初回を含め例えば3回まで要求コマンドのリトライ送信をすることができる。管理装置基板500は、要求コマンドを所定回数送信しても払出制御基板300から応答コマンドを受信できなかった場合に通信回線断エラーと判定する。
一方、払出制御基板300側では、応答コマンドを送信してから例えば1秒経過しても管理装置基板500からの次の要求コマンドを受信できなかった場合に通信回線断エラーと判定する。
[通信シーケンスフロー]
次に、図15〜図19に基づいて、主制御基板100、払出制御基板300及び管理装置基板500間のコマンド通信を介した遊技ポイントの投入、貸出、再プレイ、精算処理を説明する。なお、以下説明する「主制御手段」は主制御基板100において演算処理を実行する手段であり、「払出制御手段」は払出制御基板300において演算処理を実行する手段であり、管理装置手段は管理装置基板500において演算処理を実行する手段である。
(投入処理)
図15には、遊技ポイントの投入処理に係る通信フローが示される。上述したように、管理装置基板500からは所定ポーリング間隔で状態情報要求を送信し(ステップS101)、払出制御基板100からは状態情報応答を返信する(ステップS201)。また、電源投入時には主制御基板100から通信開始要求を送信し(ステップS301)、払出制御基板100からは通信開始応答を返信する(ステップS202)。正常に通信が開始すると、定期的なポーリング間隔で主制御基板100から遊技状態通知を送信し(ステップS302)、払出制御基板100からは遊技状態応答を返信する(ステップS203)。
払出制御基板300の払出制御手段は、1P投入スイッチ14a又はマックス投入スイッチ14bへの遊技ポイント投入操作を検出すると(ステップS204:YES)、主制御基板100からの遊技状態通知を参照して投入可能か判断する(ステップS205)。遊技ポイントの投入が可能であれば(ステップS205:YES)、投入操作を受け付ける(ステップS206)。
ここで、払出制御手段による遊技ポイントの投入が可能かどうかの判断は、主制御基板100から随時送信される遊技状態通知に含まれる遊技情報(図11(a)参照)に基づいて行われる。具体的には、遊技情報がスタートレバー15の回転開始操作受付を示し、かつ、リールが回転中であれば遊技が進行中であるから、遊技ポイントの投入が不可能と判断する。つまり、払出制御手段は、主制御基板100からの遊技状態通知に基づいて遊技が進行中と認識したときには、遊技ポイントの投入操作を受け付けない。なお、「遊技が進行中」とは、スタートレバー15への回転開始操作に基づくリールの回転開始から表示図柄判定までの一連の遊技が進行している間をいう。
また、払出制御基板300が受信した遊技状態通知に含まれる遊技情報に基づいてリールが停止していると認識した場合でも、同じく受信した遊技状態通知に含まれる遊技作動状態(図11(a)参照)が再遊技作動中(遊技作動状態のデータビットD4〜D7の少なくとも何れかが「1」を示す。)の場合、遊技ポイントが自動投入されているので、遊技ポイントの投入が不可能と判断する。つまり、払出制御手段は、遊技が進行中ではない例えばスタートレバー15への回転開始操作待ちの状態(遊技開始前)であっても、当該遊技が再遊技中のときには投入操作を受け付けない。
また、払出制御手段は、主制御基板100からの遊技状態通知に含まれる不正検知情報(図11(a)参照)に基づいて、主制御基板100がエラー中若しくは不正を検出した場合又は当該払出制御基板300がエラー中若しくは不正を検出した場合(不正検知情報のデータビットD0〜D7の少なくとも何れかが「1」を示す。)にも、遊技ポイントの投入が不可能と判断し遊技ポイントの投入操作を受け付けないようにする。
次に払出制御手段は、遊技ポイントの投入操作を受け付けると(ステップS206)、次のポーリングでの主制御基板100からの遊技状態通知(ステップS303)に対する遊技状態応答で投入ポイントデータを返信する(ステップS207)。そして、払出制御手段は、内部貯留している遊技ポイント数から投入ポイント数を減算する(ステップS208)。
(貸出処理)
図16には、遊技ポイントの貸出処理に係る通信フローが示される。上述したようにシステムが正常な状態であれば、主制御基板100、払出制御基板300及び管理装置基板500間で定期的なポーリング間隔での通信が行われる。
貸出機20の管理装置基板500の管理装置手段は、貸出スイッチ21への貸出操作を検出すると(ステップS102:YES)、払出制御基板300からの状態情報応答を参照してスロットマシン10への遊技ポイントの貸出が可能な状態か判断する(ステップS103)。貸出可能状態であれば、貸出操作を受け付ける(ステップS104)。
ここで、管理装置手段による、スロットマシン10への遊技ポイントの貸出可能な状態かどうかの判断は、払出制御基板300から返信される状態情報応答に含まれる遊技機状態(図13参照)の情報に基づいて行われる。より具体的には、遊技機状態の状態1のフレームが遊技許可(状態1のデータビットD0が「1」を示す。)かつ待機中(状態1のデータビットD1が「0」を示す。)のとき、管理装置手段は貸出可能な状態と判断する。つまり、管理装置手段は、スロットマシン10が正常に動作し遊技許可の状態であり、かつ、遊技進行中でなければ、(仮に再遊技中であっても)貸出可能状態と判断し(S103:YES)、貸出操作を受け付ける(ステップS104)。逆に、管理装置手段は、スロットマシン10が遊技許可の状態であるが、遊技進行中のときには、貸出可能状態と判断しない。
またもう1つの実施形態として、管理装置手段は、スロットマシン10が遊技許可の状態であり、かつ、遊技進行中でなくても、当該遊技が再遊技作動中であるときには、貸出可能状態と判断せずに貸出操作を受け付けないようにすることもできる。管理装置手段によるスロットマシン10の当該遊技が再遊技作動中かの判断は、払出制御基板300から返信される状態情報応答に含まれる遊技機状態(図13参照)の情報に基づいて行われる。より具体的には、遊技機状態の状態2のフレームが再遊技作動中(状態2のデータビットD4〜D7の少なくとも何れかが「1」を示す。)の場合に当該遊技が再遊技作動中と判断している。
また、管理装置手段は、払出制御基板300からの状態情報応答に含まれるエラー状態及び/又は不正検知情報(図13参照)に基づいて、主制御基板100がエラー中若しくは不正を検出した場合又は当該払出制御基板300がエラー中若しくは不正を検出した場合にも、貸出可能状態と判断せずに貸出操作を受け付けないようにしている。
管理装置手段は、貸出操作を受け付けると、所定の遊技ポイント数(例えば50ポイント/1000円相当分)を加算ポイントデータに設定する(ステップS105)。そして次のポーリングで、管理装置状態フレームのデータビットD3を「1」に設定したポイント加算要求(図12参照)を含む状態情報要求(貸出要求)を払出制御基板300に対し送信する(ステップS106)。
払出制御基板300の払出制御手段は、主制御基板100からの遊技状態通知を参照して、スロットマシン10がポイント加算可能な状態か判断する(ステップS211)。
ここで、払出制御手段による遊技ポイントの加算が可能かどうかの判断は、主制御基板100から送信される遊技状態通知に含まれる遊技情報(図11(a)参照)に基づいて行われる。具体的には、遊技情報がスタートレバー15の回転開始操作受付を示し、かつ、リールが回転中であれば遊技進行中と認識し、遊技ポイントの加算不可と判断する。
また、払出制御手段は、受信した遊技状態通知に含まれる遊技作動状態(図11(a)参照)が再遊技作動中(遊技作動状態のデータビットD4〜D7の少なくとも何れかが「1」を示す。)の場合であっても、遊技が進行中でなければ遊技ポイントの加算可能と判断し貸出処理を実行してもよい。逆に、払出制御手段は、受信した遊技状態通知に含まれる遊技作動状態が再遊技作動中を示すとき、遊技ポイントの加算不可と判断し貸出処理を規制してもよい。
また、払出制御手段は、主制御基板100からの遊技状態通知に含まれる不正検知情報(図11(a)参照)に基づいて、主制御基板100がエラー中若しくは不正を検出した場合又は当該払出制御基板300がエラー中若しくは不正を検出した場合(不正検知情報のデータビットD0〜D7の少なくとも何れかが「1」を示す。)にも、遊技ポイントの加算不可と判断し、遊技ポイントの貸出処理を実行しないようにしている。更に、払出制御手段は、管理装置基板500からの状態情報要求の管理装置エラー状態フレーム(図12参照)に何らかのエラーコードが含まれる場合、遊技ポイントの加算不可と判断し、遊技ポイントの貸出処理を実行しないようにする。つまり、スロットマシン10又は貸出機20の少なくとも何れか一方にエラー又は不正が発生したと判断されたときには、遊技ポイントの貸出処理は実行されない。
払出制御手段は、遊技ポイントの加算可能と判断すると(ステップS211:YES)、内部貯留している遊技ポイントに加算要求ポイント数を加算する(ステップS212)。この「加算要求ポイント数」は、管理装置基板500から送信される状態情報要求の加算ポイント数のデータに基づいて、払出制御手段に認識される。
払出制御手段は、遊技ポイントの加算が完了すると次のポーリングで加算完了応答を含む状態情報応答を管理装置基板500に対し送信する(ステップS213)。管理装置基板500の管理装置手段は、加算完了応答を受信して、貸し出した遊技ポイント数に相当する金銭価値をカードの金銭残高から減算する等の残金更新処理を実行する(ステップS107)。
(再プレイ処理)
図17には、遊技ポイントの再プレイ処理に係る通信フローが示される。上述したようにシステムが正常な状態であれば、主制御基板100、払出制御基板300及び管理装置基板500間で定期的なポーリング間隔での通信が行われている。
貸出機20の管理装置基板500の管理装置手段は、再プレイスイッチ22への再プレイ操作を検出すると(ステップS111:YES)、払出制御基板300からの状態情報応答を参照して再プレイ可能な状態か判断する(ステップS112)。再プレイ可能状態であれば、再プレイ操作を受け付ける(ステップS113)。
ここで、管理装置手段による、再プレイ可能な状態かどうかの判断は、払出制御基板300から返信される状態情報応答に含まれる遊技機状態(図13参照)の情報に基づいて行われる。より具体的には、遊技機状態の状態1のフレームが遊技許可(状態1のデータビットD0が「1」を示す。)かつ待機中(状態1のデータビットD1が「0」を示す。)のとき、管理装置手段は、再プレイ可能な状態と判断する。つまり、管理装置手段は、スロットマシン10が正常に動作し遊技許可の状態であり、かつ、遊技進行中でなければ、(仮に再遊技中であっても)再プレイ可能状態と判断し(S112:YES)、再プレイ操作を受け付ける(ステップS113)。逆に、管理装置基板500は、スロットマシン10が遊技許可の状態であるが、遊技進行中のときには、再プレイ可能状態と判断しない。
またもう1つの実施形態として、管理装置手段は、スロットマシン10が遊技許可の状態であり、かつ、遊技進行中でなくても、当該遊技が再遊技作動中であるときには、再プレイ可能状態と判断せずに再プレイ操作を受け付けないようにすることもできる。管理装置手段によるスロットマシン10の当該遊技が再遊技作動中かの判断は、払出制御基板300から返信される状態情報応答に含まれる遊技機状態(図13参照)の情報に基づいて行われる。より具体的には、遊技機状態の状態2のフレームが再遊技作動中(状態2のデータビットD4〜D7の少なくとも何れかが「1」を示す。)の場合に当該遊技が再遊技作動中と判断している。
また、管理装置手段は、払出制御基板300からの状態情報応答に含まれるエラー状態及び/又は不正検知情報(図13参照)に基づいて、主制御基板100がエラー中若しくは不正を検出した場合又は当該払出制御基板300がエラー中若しくは不正を検出した場合にも、再プレイ可能状態と判断せずに再プレイ操作を受け付けないようにしている。
管理装置手段は、再プレイ操作を受け付けると、所定の遊技ポイント数(例えば50ポイント)を加算ポイントデータに設定する(ステップS114)。そして次のポーリングで、管理装置状態フレームのデータビットD3を「1」に設定したポイント加算要求(図12参照)を含む状態情報要求(再プレイ要求)を払出制御基板300に対し送信する(ステップS115)。
払出制御基板300の払出制御手段は、主制御基板100からの遊技状態通知を参照して、スロットマシン10がポイント加算可能な状態か判断する(ステップS221)。
ここで、払出制御手段による遊技ポイントの加算が可能かどうかの判断は、主制御基板100から送信される遊技状態通知に含まれる遊技情報(図11(a)参照)に基づいて行われる。具体的には、遊技情報がスタートレバー15の回転開始操作受付を示し、かつ、リールが回転中であれば遊技進行中と認識し、遊技ポイントの加算不可と判断する。
また、払出制御手段は、受信した遊技状態通知に含まれる遊技作動状態(図11(a)参照)が再遊技作動中(遊技作動状態のデータビットD4〜D7の少なくとも何れかが「1」を示す。)の場合であっても、遊技が進行中でなければ遊技ポイントの加算可能と判断し再プレイ処理を実行してもよい。逆に、払出制御手段は、受信した遊技状態通知に含まれる遊技作動状態が再遊技作動中を示すとき、遊技ポイントの加算不可と判断し再プレイ処理を規制してもよい。
また、払出制御手段は、主制御基板100からの遊技状態通知に含まれる不正検知情報(図11(a)参照)に基づいて、主制御基板100がエラー中若しくは不正を検出した場合又は当該払出制御基板300がエラー中若しくは不正を検出した場合(不正検知情報のデータビットD0〜D7の少なくとも何れかが「1」を示す。)にも、遊技ポイントの加算不可と判断し、再プレイ処理を実行しないようにしている。更に、払出制御手段は、管理装置基板500からの状態情報要求の管理装置エラー状態フレーム(図12参照)に何らかのエラーコードが含まれる場合、遊技ポイントの加算不可と判断し、再プレイ処理を実行しないようにする。つまり、スロットマシン10又は貸出機20の少なくとも何れか一方にエラー又は不正が発生したと判断されたときには、再プレイ処理は実行されない。
払出制御手段は、遊技ポイントの加算可能と判断すると(ステップS221:YES)、内部貯留している遊技ポイントに加算要求ポイント数を加算する(ステップS222)。この「加算要求ポイント数」は、管理装置基板500から送信される状態情報要求の加算ポイント数のデータに基づいて、払出制御基板300に認識される。
払出制御手段は、遊技ポイントの加算が完了すると次のポーリングで加算完了応答を含む状態情報応答を管理装置基板500に対し送信する(ステップS223)。管理装置基板500の管理装置手段は、加算完了応答を受信して、加算要求した遊技ポイント数を管理している遊技ポイント残高から減算する更新処理を実行する(ステップS116)。
(精算処理)
図18及び図19には、遊技ポイントの精算処理に係る通信フローが示される。図18に示すようにシステムが正常な状態であれば、主制御基板100、払出制御基板300及び管理装置基板500間で定期的なポーリング間隔での通信が行われている。
払出制御基板300の払出制御手段は、精算スイッチ14cに対する操作を検出すると(ステップS231:YES)、主制御基板100からの遊技状態通知を参照して精算可能な状態か判断する(ステップS232)。
ここで、払出制御手段による、遊技ポイントの精算可能かどうかの判断は、主制御基板100から送信される遊技状態通知に含まれる遊技情報(図11(a)参照)に基づいて行われる。具体的には、遊技情報がスタートレバー15の回転開始操作受付を示し、かつ、リールが回転中であれば遊技進行中と認識し、精算不可と判断する。
また、払出制御手段は、受信した遊技状態通知に含まれる遊技作動状態(図11(a)参照)が再遊技作動中(遊技作動状態のデータビットD4〜D7の少なくとも何れかが「1」を示す。)の場合にも精算不可と判断する。
つまり、払出制御手段は、受信した遊技状態通知に基づいて、遊技が開始前(待機状態)で、かつ、再遊技が作動していないと認識したときスロットマシン10が精算可能状態にあると判断する(ステップS232:YES)。そして、精算操作を受け付ける(ステップS233)。
また、払出制御手段は、自らが管理する投入ポイントが有るか判断する(ステップS234)。投入されている遊技ポイントが存在すれば(ステップS234:YES)、投入遊技ポイントを計数して貯留遊技ポイントに加算し更新する(ステップS234)。そして、投入ポイント数をゼロに初期化して次の精算操作待ちに移行する。
初めから投入ポイントが存在せず又は1度目の精算操作受付により投入されている遊技ポイントがゼロとなっていれば(ステップS234:NO)、払出制御基板300は自らが管理する貯留遊技ポイント数の計数を開始する(ステップS236)。また、内部タイマーによるカウントを開始する(ステップS237)。そして、管理装置が受付可能となるまで待機する(ステップS239)。
払出制御手段は、遊技ポイントの計数を完了すると、次のポーリングでの管理装置基板500からの状態情報通知(ステップS121)に対する遊技状態応答で、計数ポイントデータを管理装置基板500へ返信する(ステップS240)。具体的には、遊技状態応答の遊技機情報を構成する計数ポイント数フレームに、計数した遊技ポイント数の情報が格納されて管理装置基板500に送信される。そして、払出制御手段は、内部貯留している遊技ポイント数をゼロに初期化する。
管理装置基板500の管理装置手段は、払出制御基板300からの計数ポイントデータを受信して、貸出機20側で管理しているカードの遊技ポイント残高に計数ポイントを加算する更新処理を実行する(ステップS122)。
払出制御基板300の払出制御手段は、清算完了後、上述した内部タイマーが所定時間の時間経過を計測するまでに管理装置基板500からカード返却通知を受信しないとき、返却操作を促したり返却操作を喚起したりする報知を行う(ステップS241)。
管理装置基板500の管理装置手段は、返却スイッチ23に対する操作を検出すると(ステップS123:YES)、CRユニット600に挿入されているカードが返却可能状態か判断する(ステップS124)。管理装置手段は、カードが返却可能状態であれば(ステップS124:YES)、カード返却通知を送信し(ステップS125)、これに応じて払出制御基板300の払出制御手段がカード返却通知応答を返信する(ステップS242)。
管理装置基板500の管理装置手段は、払出制御基板300からのカード返却通知応答が正常であれば、CRユニット600を制御してカードを遊技者に返却する(ステップS126)。
なお、本実施形態では、遊技開始前であっても当該遊技が再遊技中のときには、払出制御基板300は精算操作を受け付けないようにしている。再遊技により自動投入された遊技ポイントを精算により払い戻すべきではないからである。しかし、当該遊技が再遊技中のときには投入ポイントを精算せずに、直接内部貯留されている遊技ポイントのみを精算するようにしてもよい。
[スロットマシンにおける遊技進行制御処理]
次に、スロットマシン10の主制御基板100において実行される遊技進行制御処理の具体的な実施形態を説明する。
(遊技進行制御処理)
図20は、主制御基板100の主制御手段を構成する遊技進行制御手段による遊技進行制御処理を例示するフローチャートである。スロットマシン10へ電源電力が供給されると、遊技進行制御手段は、はじめに初期化処理を実行する(ステップS11)。初期化処理には、CPUのスタックポインタやプログラムカウンタのセットなどの電断前の状態に復帰する処理が含まれる。そして、遊技開始処理が実行される(ステップS12)。詳細は後述するが、ステップS12の遊技開始処理では、再遊技作動時の自動投入や遊技ポイントの貸出及び投入を許可するなどの処理が行われる。
そして、遊技進行制御手段は、現時点で投入されている投入ポイント数の情報(投入数情報)を払出制御基板300から読み込む(ステップS13)。具体的には、上述したように、主制御基板100が払出制御基板300へ遊技状態通知を送信し、その応答である遊技状態応答の投入数情報(図11(b)参照)に基づいて、投入ポイント数をCPUのレジスタに読み込んでいる。
遊技進行制御手段は、自己が管理する規定数と投入数情報が示す投入ポイント数とを比較する。投入ポイント数が規定数を満たさないとき(ステップS14:NO)、遊技ポイントの投入待ちの表示出力要求をセットする(ステップS15)。これにより、遊技ポイントの投入待ちランプが点灯する。そして、遊技進行制御手段は、再び投入ポイント数を払出制御基板300からの遊技状態応答に基づいて読み込み、規定数を満たすまで、ステップS13〜S15の処理を繰り返す。
遊技進行制御手段は、投入ポイント数が規定数を満たすと判断したとき、次のステップS17のソフト乱数更新処理に移行させる。なお、上述したように、遊技ポイントの規定数は遊技状態に応じて定められる(図8参照)。
また、例えばボーナスなどの特別遊技状態ではない一般遊技状態で規定数が2ポイント及び3ポイントなど複数定められている場合には、投入ポイント数が最小規定数を満たした、つまり、投入ポイント数≧最小規定数(例えば2ポイント)と判断した時点で次のステップS17に移行してもよい。
投入ポイント数が規定数を満たした後、遊技進行制御手段は役抽選処理で使用されるソフト乱数を更新する(ステップS17)。そして、スタートレバーチェック処理が実行される(ステップS18)。詳細は後述するが、ステップS18のスタートレバーチェック処理では、所定のエラーチェックを行いスタートレバー15の回転開始操作の受け付けが可能か否か判定する。
そして、規定数の遊技ポイントが投入された状態でスタートレバー15への回転開始操作の受け付けがされると(ステップS19:YES)、遊技進行制御手段は役抽選処理を実行する(ステップS20)。そして、次のポーリングで、データ種別の値が「2」、データ番号が「1」で特定されるスタートレバー受付の情報を格納する遊技状態通知(図11(a)参照)が払出制御基板300へ送信される。
次に、遊技進行制御手段は、リール回転出力要求をセットすることにより以降のインターバル割り込み処理でリール12L、12C、12Rの回転を開始させる(ステップS21)。リール12L、12C、12Rの回転制御は、ステッピングモータ12Lm、12Cm、12Rmに対する1−2相励磁方式により行われ、φ0〜φ3の各励磁相への駆動パルス信号の更新が割り込み処理毎に行われる。そして、次のポーリングで、データ種別の値が「3」、データ番号が「7」で特定される回胴回転の情報を格納する遊技状態通知(図11(a)参照)が払出制御基板300へ送信される。
そして、遊技進行制御手段は、滑りコマ数テーブルを作成する(ステップS22)。滑りコマ数テーブルは、各図柄位置番号と、当該図柄位置番号を起点として図柄が移動する方向(図柄位置番号が増える方向)において、決定された停止図柄までのコマ数(移動図柄数)がセットされる。滑りコマ数テーブルは役抽選処理の結果に基づいて作成されるが、想定される複数の滑りコマ数のデータを予めROMに記憶し、役抽選処理の結果に基づいて読み込んでもよい。
そして、遊技進行制御手段は、ストップボタン16L、16C、16Rへの回胴停止操作に基づくリール停止受付をチェックする(ステップS23)。ステップS23のリール停止受付のチェック処理では、1つのストップボタンへの回胴停止操作が受け付けられると、作成された滑りコマ数テーブルが参照されて、決定された停止図柄が有効ラインに表示するリール停止制御が実行される。
遊技進行制御手段は、全てのリール12L、12C、12Rの停止を判定するまで、ステップS21〜S23までの処理を繰り返す。いずれかのリールが停止すると、回胴回転/停止の情報を含む遊技状態通知(図11(a)参照)が払出制御基板300へ送信される。例えば最初に左リール12Lが停止した場合、「データ種別」の値が回胴回転/停止の情報を特定する「3」に設定され、「データ番号」の値が停止した左リール12Lに対応する3桁目のビットが「0」、回転中の中リール12Cに対応する2桁目のビットが「1」、回転中の右リール12Rに対応する1桁目のビットが「1」のバイナリで表される値「3」に設定された遊技状態通知が送信される。
遊技進行制御手段は、全てのリールの停止を判定すると(ステップS24:YES)、データ種別の値が「3」、データ番号の値が「0」(全停止)に設定された回胴停止の情報を遊技状態通知(図11(a)参照)により払出制御基板300へ送信する。そして、有効ラインに停止し表示された図柄を判定する(ステップS25)。この表示図柄判定処理では、遊技進行制御手段は、役抽選結果を示す当選フラグを参照し、有効ラインに表示されたリール12L、12C、12Rの図柄組合せがいずれかの当選役に対応する組合せと一致するか否か判定する。
遊技進行制御手段は、例えば小役が入賞したと判定したときには、遊技ポイントの払い出し処理を実行する(ステップS26)。なお、この遊技ポイントの払い出し処理では、入賞役に応じて定められるポイント数が貯留遊技ポイントに加算される。そして、遊技進行制御手段は、加算した遊技ポイント数を払出ポイント数フレームに設定した遊技状態通知(図11(a)参照)を払出制御基板300へ送信する。
次に、遊技進行制御手段は、遊技終了チェック処理を実行する(ステップS27)。ステップS27の遊技終了チェック処理では、小役や再遊技役などの持ち越し不可能な役の当選フラグをクリアする。これとともに、上述したステップS25で再遊技役などのいずれかの役が成立したと判定すると、当該成立役に係る作動フラグをセットする。そして、遊技進行制御手段は、そのセットされた作動フラグの結果を遊技作動状態フレームに設定した遊技状態通知(図11(a)参照)を払出制御基板300へ送信する。
なお、BB役やRB役などの特別遊技役の当選フラグがオンの遊技(つまり特別遊技役が内部当選中の遊技)において、特別遊技役が成立しなかった場合には、当該特別遊技役の当選フラグはクリアされず、次の遊技に当選状態が持ち越される。
また、遊技進行制御手段は、BB遊技やRB遊技などの特別遊技状態の遊技終了チェック処理において、これら遊技状態の終了条件を判定してもよい。上述した特別遊技状態の終了条件を満たすと判定された場合には、当該特別遊技役に係る作動フラグがクリアされ、遊技が一般遊技状態(RT1)に移行する。
また、ステップS27の遊技終了チェック処理の後に、役が入賞した場合の入賞演出や、役が成立しなかった場合のハズレ演出などのために、一定時間、遊技進行をフリーズする処理を含んでもよい。
遊技進行制御手段は、遊技終了時に成立した役又は作動フラグの状態に基づいて、次遊技を進行するのに必要な次遊技規定数を決定する(図8参照)。そして、データ種別の値を「1」、データ番号の値をその決定した次遊技規定数に設定した遊技状態通知(図11(a)参照)を介して、払出制御基板300へ次遊技規定数を送信する(ステップS28)。
(遊技開始処理)
次に、遊技進行制御処理におけるステップS12でサブルーチンとして起動される遊技開始処理を説明する。ここで、図21は主制御基板100の主制御手段を構成する遊技開始処理手段による遊技開始処理を例示するフローチャートである。
遊技開始処理手段は、はじめに当該主制御基板及び払出制御基板300において発生し又は検出されたエラーをチェックする。上述したように、定期的な遊技状態通知及び遊技状態応答を介して、主制御基板100で発生したエラー情報が払出制御基板300へ送信され、払出制御基板300で発生したエラー情報が主制御基板100へ返信される。
主制御基板100の遊技開始処理手段は、何らかのエラーを検出すると(ステップS32:YES)、エラー処理を実行する(ステップS33)。ステップS33のエラー処理では、少なくともポイント更新許可フラグや投入設定許可フラグなどの許可フラグがセットされない。すなわち、主制御基板100又は払出制御基板300がエラー中の場合には、貸出機20に対し遊技者がした貸出操作や再プレイ操作に基づく遊技ポイントの加算等の更新が行われることがない。同じく、エラー中は、1P投入スイッチ14a及びマックス投入スイッチ14bに対して遊技者がした遊技ポイントの投入操作は受け付けられない。
主制御基板100は、エラーを検出しないとき(ステップS32:NO)、遊技ポイント数表示要求をセットする(ステップS34)。遊技ポイント数表示要求が有効である間、所定周期のインターバル割り込み処理により、現時点でスロットマシン10に貯留されている遊技ポイント数が貯留ポイント数表示器13aに表示される。そして、主制御基板100は、作動フラグをチェックし(ステップS35)、再遊技が作動状態か否かを判定する(ステップS36)。作動フラグは、上述したように遊技進行制御処理における遊技終了チェック処理(ステップS27)において、成立した役に応じてセットされる遊技状態を示すフラグである。
再遊技が作動状態であれば(ステップS36:YES)、遊技ポイントが自動投入される(ステップS37)。ここで「自動投入」とは、前回の遊技に賭けられたポイント数の遊技ポイントが、再遊技が作動した当該遊技に自動的に賭けられることをいう。
再遊技が作動中ではない遊技では(ステップS36:NO)、投入設定許可フラグがセットされる(ステップS38)。これにより、遊技開始時の1P投入スイッチ14a及びマックス投入スイッチ14bを介した遊技ポイントの投入操作が受け付け可能となる。
また、再遊技が作動しない遊技では(ステップS36:NO)、精算許可フラグがセットされる。これにより、遊技開始前の精算スイッチ14cへの精算操作受付が可能となる。
再遊技が作動中(再遊技中)か否かにかかわらず、この遊技開始の処理でポイント更新許可フラグがセットされる(ステップS40)。これにより、再遊技中であっても、スタートレバー15の操作が受け付けられるまでの間、貸出機20への貸出操作及び再プレイ操作が受け付け可能となる。
なお、上述した精算許可フラグ、投入設定許可フラグ及びポイント更新許可フラグなどのフラグ情報を遊技状態通知に含ませて主制御基板100から払出制御基板300へ送信してもよい。これにより、払出制御手段は、送信されたこれらのフラグ情報に基づいて、遊技ポイントの投入可能な状態か否か(図15のステップS205)、ポイント加算可能な状態か否か(図16のステップS211、図17のステップS221)、精算可能な状態か否か(図18のステップS232)を容易に判断することができる。
また、遊技開始処理の別の実施形態として、再遊技中であっても精算許可フラグをセットして、精算スイッチ14cへの精算操作の受け付け可能としてもよい。つまり、再遊技中の精算を認めるようにしてもよい。また、再遊技中と判定された遊技開始処理ではポイント更新許可フラグをセットするステップを含まないようにしてもよい。すなわち、再遊技が作動した遊技では、ポイント更新許可フラグをクリアするか又はクリア状態を保持することで遊技ポイントの加算等の更新を禁止し、これにより貸出機20への貸出操作及び再プレイ操作を受け付けないようにしてもよい。
(スタートレバーチェック処理)
次に、遊技進行制御処理におけるステップS18でサブルーチンとして起動されるスタートレバーチェック処理を説明する。ここで、図22は主制御基板100の主制御手段を構成するスタートレバーチェック手段によるスタートレバーチェック処理を例示するフローチャートである。
スタートレバーチェック手段は、はじめに投入ポイント数が規定数を満たしているかチェックする(ステップS41)。上述したように「規定数」とは、遊技状態に応じて当該遊技に投入することができる遊技ポイント数をいう(図8参照)。スタートレバーチェック手段は、払出制御基板300から送信される遊技状態応答の投入数情報(図11(b)参照)に基づいて投入ポイント数を認識する。
また、スタートレバーチェック手段は、スタートレバー15の操作受付が可能か否か判定する(ステップS42)。例えば、遊技ウエイトタイマが4.1秒の所定時間経過を示していれば、スタートレバー15の操作受付が可能と判定する。
スタートレバーチェック手段は、投入ポイント数が規定数を満たしており(ステップS41:YES)かつスタートレバー15の操作受付が可能であると判定すると(ステップS42:YES)、スタートレバー受付許可フラグをセットする(ステップS43)。他方、投入ポイント数が規定数を満たしていない場合(ステップS41:NO)又はスタートレバー15の操作受付が可能でなければ(ステップS42:NO)、スタートレバー受付許可フラグがクリアされる(ステップS44)。
スタートレバー受付許可フラグがセットされたにもかかわらず、この段階でスタートレバー15からの回転開始センサ信号の立ち上がりが検知されていなければ(ステップS45:NO)、遊技進行制御処理にリターンする。スタートレバー15からの回転開始センサ信号の立ち上がりが検知されると(ステップS45:YES)、スタートレバーチェック手段は、投入設定許可フラグをクリアする(投入設定不可状態;ステップS46)。
同様に、スタートレバー15の操作受付後、スタートレバーチェック手段は、精算許可フラグをクリアするとともに(精算不可状態;ステップS47)、ポイント更新許可フラグをクリアする(ポイント更新不可状態;ステップS48)。
そして、スタートレバーチェック手段は、役抽選処理に使用する乱数カウンタ値とソフト乱数とに基づいて演算処理して求めた内蔵乱数を取り込む(ステップS49)。