JP6360982B1 - イソブチレンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】イソブチレンの収率に優れると共に、製品イソブチレン中の不純物であるプロピレンの混入率を低減できるイソブチレンの製造方法を提供する。【解決手段】MTBE合成工程と、MTBE分離工程と、MTBE分解工程と、を備えるイソブチレンの製造方法であって、MTBE合成工程は、流体の流れ方向に、上流から順にR−1〜R−mのm個(m≧2の整数)の合成反応器を有し、i番目(1≦i≦mの整数)の合成反応器R−iの触媒層の入口温度をTi−in、触媒層の出口温度をTi−outとし、合成反応器R−i内の触媒層中の流の温度を、流れ方向にki箇所(ki≧3の整数)で測定した場合に、流体の流れ方向の接触時間、触媒層の温度等から計算されるA(単位:℃・h)が、下記式(f1)を満たす、イソブチレンの製造方法。0.05≦A≦11.0 ・・・(f1)【選択図】図5

Description

本発明は、イソブチレンの製造方法に関するものである。
ブテン類、ブタン類等の炭素数4(C4)の炭化水素のうち、イソブチレンと1−ブテンは沸点が近く、蒸留での分離は困難である。そのため、メタノールとの反応性が、1−ブテンよりイソブチレンの方が高いことを利用した分離方法が広く知られている。具体的には、イソブチレンを含む炭化水素混合物のうち、イソブチレンをメタノールと優先的に反応させてメチル−tert−ブチルエーテル(以下、「MTBE」ともいう)とし(MTBE合成工程)、1−ブテンを含む未反応の炭化水素混合物とMTBEとを分離(MTBE分離工程)した後、MTBEをイソブチレンとメタノールとに分解(MTBE分解工程)し、得られた粗イソブチレンを精製することで、製品となる高純度のイソブチレンを得る方法である(例えば、特許文献1を参照)。
国際公開第2011/000696号
近年、上記方法により得られるイソブチレンの収率を向上させ、製品イソブチレン中の不純物であるプロピレンの濃度を低減させることが求められている。そこで、本発明は、イソブチレンの収率に優れると共に、製品イソブチレン中の不純物であるプロピレンの混入率を低減できるイソブチレンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下を提供する。
[1] イソブチレンを含有する炭化水素混合物中のイソブチレンと、メタノールとを、酸性イオン交換樹脂の存在下で反応させて、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)と未反応の炭化水素混合物とを含有する流(α)を得るMTBE合成工程と、
前記流(α)を、未反応の炭化水素混合物を含有する第1の流、及びメチル−tert−ブチルエーテルを含有する第2の流、に分離するMTBE分離工程と、
MTBE分離工程で得たメチル−tert−ブチルエーテルを含有する第2の流中のメチル−tert−ブチルエーテルを分解してイソブチレンを得るMTBE分解工程と、を備えるイソブチレンの製造方法であって、
MTBE分離工程における前記第1の流中の未反応の炭化水素混合物の割合は、前記第2の流中の未反応の炭化水素混合物の割合より多く、
MTBE分離工程における前記第1の流中のメチル−tert−ブチルエーテルの割合は、前記第2の流中のメチル−tert−ブチルエーテルの割合より少なく、
MTBE合成工程は、流体の流れ方向に、上流から順にR−1〜R−mのm個(m≧2の整数)の合成反応器を有し、
i番目(1≦i≦mの整数)の合成反応器R−iの触媒層の入口温度をTi−in、触媒層の出口温度をTi−outとし、
合成反応器R−i内の触媒層中の流の温度を、流れ方向にk箇所(k≧3の整数)で測定した場合に、
A(単位:℃・h)が、下記式(f1)を満たす、イソブチレンの製造方法。
0.05≦A≦11.0 ・・・(f1)
[ここで、Aは、以下のように定義される。
合成反応器R−iの出口流の流速をV(単位:m/h)とし、合成反応器R−iの触媒体積をCとする。
合成反応器R−i内の触媒層において、流体の流れ方向に沿ってj番目(1≦j≦kの整数)の温度測定位置までの触媒体積をCij(単位:m)とし、
ij/Vを、位置jにおける流体の流れ方向の接触時間(単位:h)とする。
前記合成反応器R−i内の触媒層の位置jにおける触媒層の温度をTij(単位:℃)とする。
前記合成反応器R−i内の触媒層において、流体の流れ方向の接触時間(Cij/V)を横軸x、触媒層の温度Tijを縦軸yとして、
接触時間が0(h)及び温度がTi−inの点、接触時間がCij/V(h)及び温度がTij(℃)の各点、並びに接触時間がC/V(h)及び温度がTi−outの点をそれぞれ直線で結んだ線(a)の線上又は線の下側、かつ、
x=0の直線(b)の線上又は線の右側、かつ、
x=C/Vの直線(c)の線上又は線の左側、かつ
y=60の直線(d)の線上又は線の上側を満たす領域の面積をAとする。
ただし、j=1の位置は、反応器R−iの流れ方向の中間点より上流であり、j=2〜k−1の位置中、少なくとも一つの位置は、反応器R−iの流れ方向の中間点付近であり、j=kの位置は、反応器R−iの流れ方向の中間点より下流である。
全ての合成反応器のAの和をAとする。]
[2] 前記MTBE合成工程において、少なくとも一つの合成反応器の出口流の一部(リサイクル流)を、該合成反応器及び/又は該合成反応器より上流の合成反応器の入口に供し、
リサイクル流が供される合成反応器を合成反応器Xとし、
前記リサイクル流の質量流量をRとし、
合成反応器Xへ供される流のうち、前記リサイクル流以外の流の合計の質量流量をFとして、
R/Fが5.0より小さい、[1]に記載のイソブチレンの製造方法。
[3] MTBE合成工程で得られた前記流(α)中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量が、0.70質量%以下である、[1]又は[2]に記載のイソブチレンの製造方法。
[4] MTBE合成工程の少なくとも一つの合成反応器が、断熱反応器である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のイソブチレンの製造方法。
[5] 前記MTBE分離工程が、蒸留及び/又は反応蒸留によって行われる、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のイソブチレンの製造方法。
[6] 前記MTBE分離工程が、未反応の炭化水素混合物を含有する前記第1の流に、前記MTBE合成工程で得られた前記流(α)中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンのうちの15質量%以上が含有されるように蒸留して分離する工程である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のイソブチレンの製造方法。
[7] 前記MTBE分解工程が、180℃以上350℃以下でシリカアルミナを用いて行われる、[1]〜[6]のいずれか一項に記載のイソブチレンの製造方法。
本発明によれば、イソブチレンの収率に優れると共に、製品イソブチレン中の不純物であるプロピレンの混入率を低減できるイソブチレンの製造方法を提供することができる。
本実施形態のパラメータAの算出に用いる記号を説明する図である。 本実施形態のパラメータAの算出に用いる記号を説明する図である。 本実施形態のパラメータAの算出方法の一例を示す図である。 本実施形態のパラメータAの算出方法の一例を示す図である。 本実施形態のイソブチレンの製造方法の一例を示す図である。 本実施形態のイソブチレンの製造方法の一例を示す図である。 本実施形態のイソブチレンの製造方法の一例を示す図である。 本実施形態のイソブチレンの製造方法の一例を示す図である。 本実施形態のイソブチレンの製造方法の一例を示す図である。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、イソブチレンとは2−メチルプロペンを指す。
本実施形態のイソブチレンの製造方法は、イソブチレンを含有する炭化水素混合物中のイソブチレンと、メタノールとを、酸性イオン交換樹脂の存在下で反応させて、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)と未反応の炭化水素混合物とを含有する流(α)を得るMTBE合成工程と、
前記流(α)を、未反応の炭化水素混合物を含有する第1の流、及びメチル−tert−ブチルエーテルを含有する第2の流、に分離するMTBE分離工程と、
MTBE分離工程で得たメチル−tert−ブチルエーテルを含有する第2の流中のメチル−tert−ブチルエーテルを分解してイソブチレンを得るMTBE分解工程と、を備えるイソブチレンの製造方法であって、
MTBE分離工程における前記第1の流中の未反応の炭化水素混合物の割合は、前記第2の流中の未反応の炭化水素混合物の割合より多く、
MTBE分離工程における前記第1の流中のメチル−tert−ブチルエーテルの割合は、前記第2の流中のメチル−tert−ブチルエーテルの割合より少なく、
MTBE合成工程は、流体の流れ方向に、上流から順にR−1〜R−mのm個(m≧2の整数)の合成反応器を有し、
i番目(1≦i≦mの整数)の合成反応器R−iの触媒層の入口温度をTi−in、触媒層の出口温度をTi−outとし、
合成反応器R−i内の触媒層中の流の温度を、流れ方向にk箇所(k≧3の整数)で測定した場合に、A(単位:℃・h)が、下記式(f1)を満たす、イソブチレンの製造方法である。
0.05≦A≦11.0 ・・・(f1)
[ここで、Aは、以下のように定義される。
合成反応器R−iの出口流の流速をV(単位:m/h)とし、合成反応器R−iの触媒体積をCとする。
合成反応器R−i内の触媒層において、流体の流れ方向に沿ってj番目(1≦j≦kの整数)の温度測定位置までの触媒体積をCij(単位:m)とし、
ij/Vを、位置jにおける流体の流れ方向の接触時間(単位:h)とする。
前記合成反応器R−i内の触媒層の位置jにおける触媒層の温度をTij(単位:℃)とする。
前記合成反応器R−i内の触媒層において、流体の流れ方向の接触時間(Cij/V)を横軸x、触媒層の温度Tijを縦軸yとして、
接触時間が0(h)及び温度がTi−inの点、接触時間がCij/V(h)及び温度がTij(℃)の各点、並びに接触時間がC/V(h)及び温度がTi−outの点をそれぞれ直線で結んだ線(a)の線上又は線の下側、かつ、
x=0の直線(b)の線上又は線の右側、かつ、
x=C/Vの直線(c)の線上又は線の左側、かつ
y=60の直線(d)の線上又は線の上側を満たす領域の面積をAとする。
ただし、j=1の位置は、反応器R−iの流れ方向の中間点より上流であり、j=2〜k−1の位置中、少なくとも一つの位置は、反応器R−iの流れ方向の中間点付近であり、j=kの位置は、反応器R−iの流れ方向の中間点より下流である。
全ての合成反応器のAの和をAとする。]
本実施形態のイソブチレンの製造方法によれば、イソブチレンの収率に優れると共に、製品イソブチレン中の不純物であるプロピレンの混入率を低減できる。
以下、各工程について更に詳細に説明する。
[MTBE合成工程]
MTBE合成工程は、流体の流れ方向に、上流から順にR−1〜R−mのm個(m≧2の整数)の合成反応器を有する。イソブチレンを含有する炭化水素混合物中のイソブチレンと、メタノールとを、酸性イオン交換樹脂の存在下で反応させて、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)と未反応の炭化水素混合物とを含有する流(α)を得るMTBE合成反応は、該合成反応器内において行われる。
MTBE合成工程においては、まず、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する1つ以上の流とを、最上流の合成反応器R−1に供する。
各合成反応器内には、触媒層が設けられている。MTBE合成工程において、メタノールとイソブチレンからMTBEを合成する反応の触媒として酸性イオン交換樹脂が用いられる。酸性イオン交換樹脂としては、例えばジビニルベンゼンで架橋したスチレン系スルホン酸樹脂、及びホルムアルデヒドで架橋したフェノールスルホン酸樹脂が挙げられる。上記酸性イオン交換樹脂は、マクロポーラス型の樹脂であることが好ましい。酸性イオン交換樹脂としては、単一の種類の酸性イオン交換樹脂のみを使用してもよく、複数の種類の酸性イオン交換樹脂を組み合せて使用してもよい。酸性イオン交換樹脂の具体例としては、デュオライトC−26H(住化ケムテックス株式会社製、商品名)、デュオライトC−20(住化ケムテックス株式会社製、商品名)、アンバーライトIR−120H(オルガノ株式会社製、商品名)、アンバーライト200(オルガノ株式会社製、商品名)、アンバーリスト15(オルガノ株式会社製、商品名)、ダウエックス50−X−4(ダウケミカル社製、商品名)、及びダウエックスMSC−1(ダウケミカル社製、商品名)が挙げられる。
最上流の合成反応器R−1に供するイソブチレンを含有する炭化水素混合物流を構成する炭化水素混合物としては、例えば、ナフサの水蒸気分解から得られた炭素数4の炭化水素留分(C4留分)又はこれから1,3−ブタジエンを抽出若しくは選択水素化によって除去したもの(スペントBB留分);流動接触分解によって得られた炭素数4の炭化水素混合物(FCC−C4);イソブタンを脱水素化して得られたイソブチレンを含む混合物;及びtert−ブチルアルコール(以下、「TBA」と記載する。)を脱水して得られたイソブチレンを含む混合物;並びにこれらの混合物が挙げられる。上記炭化水素混合物流中のイソブチレン濃度は、通常、10〜60質量%である。一般的に、C4留分中のイソブチレン濃度は18〜32質量%、スペントBB留分中のイソブチレン濃度は35〜60質量%、FCC−C4中のイソブチレン濃度は10〜20質量%である。
イソブチレンを含有する炭化水素混合物流は、1−ブテンを含んでいてもよい。上記炭化水素混合物流中の1−ブテン濃度は、通常、5〜35質量%である。一般的に、C4留分中の1−ブテン濃度は14〜22質量%、スペントBB留分中の1−ブテン濃度は25〜35質量%、FCC−C4中の1−ブテン濃度は9〜15質量%である。
イソブチレンを含有する炭化水素混合物流は、イソブチレン及び1−ブテン以外の炭素数4の炭化水素、並びに/又は炭素数4の炭化水素以外の化合物を含んでいてもよい。イソブチレン及び1−ブテン以外の炭素数4の炭化水素としては、例えば、ブタン、2−ブテン、ブタジエン及びブチンが挙げられる。炭素数4の炭化水素以外の化合物としては、例えば、プロパン、プロピレン、プロパジエン、プロピン等の炭素数3の炭化水素;ペンタン、ペンテン、ヘキサン、ヘキセン等の炭素数5以上の炭化水素;窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス;及び水が挙げられる。
合成反応器R−1に供するイソブチレンを含有する炭化水素混合物流の組成は、一般的なガスクロマトグラフィーで分析することができる。カラムとしては、固定相にアルミナ、塩化カリウムで不活性化したアルミナ、多孔質ジビニルベンゼンホモポリマー等を用いたキャピラリーカラム、Sebaconitrileを充填したパックドカラム等を用いることができる。検出器としては水素炎イオン化検出器(FID)、熱伝導度型検出器(TCD)等を用いることができる。
合成反応器R−1に供するイソブチレンを含有する炭化水素混合物流は、合成反応器R−1に供する前に水洗浄等の前処理を行い、金属カチオン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等の触媒毒となる化合物を除去してもよい。
合成反応器R−1に供するメタノールを含有する1つ以上の流の一部又は全部に、MTBEを分解して得たメタノールをリサイクルして使用してもよい。メタノールを含有する流は、メタノール以外の化合物を含んでいてもよい。メタノール以外の化合物としては、例えば、MTBE、水、ジメチルエーテル、炭化水素類、TBA及びジイソブチレン並びにその他の不純物が挙げられる。合成反応器R−1に供するメタノールを含有する1つ以上の流の質量流量のうち、リサイクルしたメタノールの割合は、メタノールを含有する流の総質量流量を基準として、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。
各合成反応器において、反応は液相を維持できる圧力で行うことが好ましい。上記圧力は、好ましくは0.2MPa−G(ゲージ圧力)以上、より好ましくは0.3MPa−G以上である。
各合成反応器において、液空間速度(LHSV)は、好ましくは0.1h−1以上200h−1以下、より好ましくは1h−1以上100h−1以下、更に好ましくは1h−1以上50h−1以下である。合成反応器のLHSVは、合成反応器に供する全ての流の合計の流速(m/h)を、合成反応器の酸性イオン交換樹脂の体積(m)で除したものである。
合成反応器R−1に供するメタノールとイソブチレンとの物質量比(合成反応器R−1に供されるメタノールの物質量(単位:モル)/炭化水素混合物中のイソブチレンの物質量(単位:モル))は、好ましくは0.5以上10.0以下、より好ましくは1.0以上5.0以下、更に好ましくは1.0以上2.0以下である。
本実施形態に係るイソブチレンの製造方法は、MTBE合成工程において、A(単位:℃・h)が、下記式(f1)を満たす。
0.05≦A≦11.0 ・・・(f1)
[ここで、Aは、以下のように定義される。
合成反応器R−iの出口流の流速をV(単位:m/h)とし、合成反応器R−iの触媒体積をCとする。
合成反応器R−i内の触媒層において、流体の流れ方向に沿ってj番目(1≦j≦kの整数)の温度測定位置までの触媒体積をCij(単位:m)とし、
ij/Vを、位置jにおける流体の流れ方向の接触時間(単位:h)とする。
前記合成反応器R−i内の触媒層の位置jにおける触媒層の温度をTij(単位:℃)とする。
前記合成反応器R−i内の触媒層において、流体の流れ方向の接触時間(Cij/V)を横軸x、触媒層の温度Tijを縦軸yとして、
接触時間が0(h)及び温度がTi−inの点、接触時間がCij/V(h)及び温度がTij(℃)の各点、並びに接触時間がC/V(h)及び温度がTi−outの点をそれぞれ直線で結んだ線(a)の線上又は線の下側、かつ、
x=0の直線(b)の線上又は線の右側、かつ、
x=C/Vの直線(c)の線上又は線の左側、かつ
y=60の直線(d)の線上又は線の上側を満たす領域の面積をAとする。
ただし、j=1の位置は、反応器R−iの流れ方向の中間点より上流であり、j=2〜k−1の位置中、少なくとも一つの位置は、反応器R−iの流れ方向の中間点付近であり、j=kの位置は、反応器R−iの流れ方向の中間点より下流である。
全ての合成反応器のAの和をAとする。]
ここで、合成反応器R−iは、並列に接続したR−i1〜R−iqのq個(q≧2の整数)の合成反応器から構成されていてもよい。この場合、並列で接続された各合成反応器のAiqを流量の比で加重平均した値を、合成反応器R−iのAとする。
なお、合成反応器R−i内の触媒層の位置jにおける触媒層の温度Tijとは、該位置jにおける流の温度を意味する。
Aは、MTBE合成工程中の流の60℃以上での熱履歴に関係する。Aは好ましくは0.05以上9.0以下である。Ti−inを高く、各合成反応器の液空間速度(LHSV)を小さく、後述のR/Fを小さくすることにより、Aを大きくすることができる。また、Ti−inを低く、各合成反応器のLHSVを大きく、後述のR/Fを大きくすることによって、Aを小さくすることができる。
以下、図1〜4に基づき、本実施形態のAの算出方法の一例を説明する。
MTBE合成工程は、流体の流れ方向に、上流から順にR−1〜R−mのm個(m≧2の整数)の合成反応器を有する。
i番目(1≦i≦mの整数)の合成反応器R−iの触媒層の入口温度をTi−in、触媒層の出口温度をTi−outとする。Ti−inは、合成反応器R−iへ供された流体が触媒層の入口に達したときの温度を意味する。Ti−outは、合成反応器R−i中の流が出口に達したときの温度を意味する(図1、2)。
各合成反応器の酸性イオン交換樹脂層内に、流体の流れ方向に沿ってk箇所(k≧3の整数)の地点に、温度の検出端を設置して流の温度を測定する。ただし、j=1の位置は、反応器R−iの流れ方向の中間点より上流であり、j=2〜k−1の位置中、少なくとも一つの位置は、反応器R−iの流れ方向の中間点付近であり、j=kの位置は、反応器R−iの流れ方向の中間点より下流である。
R−iにおける、流体の流れ方向に沿ってj番目(1≦j≦kの整数)の検出端Sijで計測された温度をTij(℃)と表し、R−i中で、流体がj番目の検出端に達するまでに通過した触媒体積をCij(m)とする(図2)。Cij/V(h)で表される流れ方向の流体の接触時間を横軸(x軸)、Tij(℃)を縦軸(y軸)としてプロットする。
接触時間が0(h)及び温度がTi−inの点、接触時間がCij/V(h)及び温度がTij(℃)の各点、並びに接触時間がC/V(h)及び温度がTi−outの点をそれぞれ直線で結んだ線(a)の線上又は線の下側、かつ、
x=0の直線(b)の線上又は線の右側、かつ、
x=C/Vの直線(c)の線上又は線の左側、かつ
y=60の直線(d)の線上又は線の上側を満たす領域の面積をAとする。
図3は、Ti−in<60℃である場合の、線(a)の線上又は線の下側、かつ、直線(b)の線上又は線の右側、かつ、直線(c)の線上又は線の左側、かつ、直線(d)の線上又は線の上側を満たす領域の面積Aの一例を示す図である。図3において、面積Aは、線(a)と直線(c)と直線(d)とで囲まれた部分の面積である。
図4は、Ti−in≧60℃である場合の、線(a)の線上又は線の下側、かつ、直線(b)の線上又は線の右側、かつ、直線(c)の線上又は線の左側、かつ、直線(d)の線上又は線の上側を満たす領域の面積Aの一例を示す図である。図4において、面積Aは、線(a)と直線(b)と直線(c)と直線(d)とで囲まれた部分の面積である。
MTBE合成工程のR−1〜R−mの全ての反応器のAの和が、Aである。
i−in(℃)及びTi−out(℃)は、それぞれ、該合成反応器R−iに入る直前の流の温度(℃)、及び、出た直後の温度(℃)と同等とみなせる。従って、Ti−in及び/又はTi−outのかわりに、合成反応器R−iの入口温度及び/又は出口温度の数値を代用することができる。
MTBE合成工程において、各合成反応器は直列に接続されていてもよく、並列に接続されていてもよく、直列と並列とを組み合わせて接続されていてもよい。すべての合成反応器が直列に接続されている場合、R−1〜R−mの全ての反応器のAを合計する。直列での接続と並列での接続が組み合わされている場合は、並列部分のAを上記方法により算出した後、該並列部分のAと直列部分の各反応器のAとの和をAとする。
Aが当該範囲に入っていれば、常に触媒層中の温度を測定しなくてもよい。
合成反応器R−1の触媒層の入口温度T1−inは、好ましくは30℃以上、90℃以下である。
各合成反応器への流の供給は、アップフローでもダウンフローでもよい。反応は、固定床反応装置を用いて行うことが好ましく、単管式又は多管式のいずれを用いてもよい。該反応器は、熱交換器を備えたものでも断熱式でもよい。MTBE合成反応器の少なくとも一つの合成反応器が、断熱反応器であることが好ましい。該断熱反応器は、単管式の管型反応器を用いた断熱反応器がより好ましい。
上流から2つ目の合成反応器R−2以降の合成反応器の少なくとも一つの入口に、新たにメタノールを追加してもよい。
MTBE合成工程において、少なくとも一つの合成反応器の出口流の一部(リサイクル流)を、該合成反応器及び/又は該合成反応器より上流の合成反応器の入口に供してもよい。このとき、リサイクルする流を冷却又は加熱してもよい。
リサイクル流が供される合成反応器を合成反応器Xとし、
前記リサイクル流の質量流量をRとし、
合成反応器Xへ供される流のうち、前記リサイクル流以外の流の合計の質量流量をFとして、R/Fは、好ましくは10.0より小さく、より好ましくは5.0より小さい。R/Fは、通常0.001以上であり、好ましくは0.01以上である。ここで、FにはRは含まれない。
リサイクル流が供される合成反応器Xは、最上流の合成反応器R−1であることが好ましい。
MTBE合成工程で得られた前記流(α)中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、イソブチレンへの炭化水素の混入を低減する観点から、0.70質量%以下であることが好ましい。
なお、「MTBE合成工程で得られた前記流(α)」とは、最下流の合成反応器R−mを出た流のことである。
前記流(α)に含まれる1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの濃度は、一般的なガスクロマトグラフィーで分析することができる。カラムとしては、液相にポリエチレングリコールを用いたキャピラリーカラム(例えばアジレントテクノロジー社製DB−WAX)等を用いることができる。検出器としては水素炎イオン化検出器(FID)、熱伝導度型検出器(TCD)等を用いることができる。
1−メトキシプロパン及び/又は2−メトキシプロパンは、未反応のメタノール及び/又はMTBEを分解して得られたメタノールと共にMTBE合成工程にリサイクルされると、系内を循環して濃縮されることが考えられる。したがって、前記流(α)に含まれる1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量を0.70質量%以下に保つには、MTBE合成工程において本実施形態のパラメータに従うように温度を変化させることや、MTBE分離工程において本実施形態に従うように蒸留することに加え、リサイクルされるメタノールを一部パージするか、リサイクルする前に精製する等の方法が効果的であると考えられる。リサイクルされるメタノールの精製方法としては、例えば、蒸留、抽出、洗浄、吸着及びそれらの組み合せが挙げられる。
MTBE合成工程中の合成反応器間の少なくとも1箇所に、温度調整ゾーンを設けてもよい。
この場合、MTBE合成工程は、それぞれ1つ以上の反応器を有する、第1反応ゾーンから第n反応ゾーン(n≧2の整数)までのn個の反応ゾーンにおいて行われてもよい。本明細書において「反応ゾーン」とは、隣り合う反応器が、該反応器間を流れる流の温度を調整する「温度調整ゾーン」を有することなく連続して接続されている反応器の群を意味する。反応ゾーン内の反応器の数は1でもよい。
換言すると、各反応ゾーンは、次の反応ゾーンの入口温度を調整することを目的として設置される温度調整ゾーンで区切られている。反応ゾーンと反応ゾーンとの間に温度調整ゾーンがあり、反応ゾーンに2つ以上の反応器を含む場合、反応器と反応器との間では温度を制御する操作を行わない。
ただし、原料中の不純物による触媒被毒を軽減するために、第1反応ゾーンの前に、ガードリアクターを設けることができる。ガードリアクターとは、第1反応ゾーンの前に設けられる反応器であって、該反応器中の触媒量が、MTBE合成工程中の全ての触媒の体積の合計の10体積%に満たない反応器である。ガードリアクターは、個数によらず、第1反応ゾーンとはみなさない。
MTBE合成工程が2以上の反応ゾーンを有する場合、MTBE合成工程のn個の反応ゾーンのうち、第1反応ゾーンと第2反応ゾーンにおいて、
(1)イソブチレンを含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する1つ以上の流と、を、第1反応ゾーンに温度Tで供し、第1反応ゾーンでイソブチレンとメタノールとを酸性イオン交換樹脂の存在下で反応させる工程、
(2)第1反応ゾーンを出た流の温度を、温度調整ゾーンで第2反応ゾーンの入口温度がTになるように調整する工程、及び
(3)温度調整ゾーンを出た流を、第2反応ゾーンに温度Tで供し、第2反応ゾーンでイソブチレンとメタノールとを酸性イオン交換樹脂の存在下で更に反応させる工程、を含み、
前記T、前記Tを、下記式(f2)及び(f3)を満たすように、それぞれ調整することが好ましい。
30℃≦T≦90℃ ・・・(f2)
0.35≦T/T≦2.3 ・・・(f3)
温度Tは、第1反応ゾーンに入る直前の流の温度であり、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流及びメタノールを含有する1つ以上の流を合わせた後に第1反応ゾーンに供する場合は合わせた後の温度、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流及びメタノールを含有する1つ以上の流をそれぞれ別のラインから第1反応ゾーンに供する場合はそれらの温度を質量流量で加重平均した値である。第1反応ゾーンを出た流の一部を、第1反応ゾーンの入口にリサイクルする場合は、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流、メタノールを含有する1つ以上の流及びリサイクル流を合わせた後に第1反応ゾーンに供する場合は合わせた後の温度をTとし、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流、メタノールを含有する1つ以上の流及びリサイクル流をそれぞれ別のラインから第1反応ゾーンに供する場合はそれらの温度を質量流量で加重平均した値をTとする。温度T(以下、場合により「第1反応ゾーンの入口温度T」ともいう)は、好ましくは30℃以上90℃以下、より好ましくは30℃以上70℃以下である。
第1反応ゾーンから出た流を、温度調整ゾーンで冷却又は加熱することにより、反応ゾーンを出た流の温度を、第2反応ゾーンの入口温度がTになるように調整することが好ましい。なお、Tは第2反応ゾーンに入る直前の流の温度である(以下、場合により「温度T」を「第2反応ゾーンの入口温度T」ともいう)。ここで、Tは、TとTとの比(T/T)が、0.35≦T/T≦2.3(式(f3))を満たすように調整するのが好ましい。第2反応ゾーンの入口温度Tが式(f3)を満たせば、温度調整ゾーン中の流の温度T’は、T/T’が0.35未満となる温度でもよく、T/T’が2.3より高くなる温度でもよい。温度調整ゾーン中の流の温度T’は、5℃以上100℃以下の範囲に調整することが好ましい。
温度調整ゾーンにおいて、第1反応ゾーンから出た流の温度を冷却又は加熱する方法としては任意の方法を用いることができるが、例えば、熱交換器、凝縮器、蒸発器、ラインヒーター及びスチームトレースからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる方法が挙げられる。
第2反応ゾーンは1つ以上の反応器を有する。第2反応ゾーンが、2つ以上の反応器を有する場合、反応器は直列に接続されていてもよく、並列に接続されていてもよく、直列と並列とを組み合わせて接続されていてもよい。
第2反応ゾーンにおいて、液空間速度(LHSV)は、好ましくは0.1h−1以上60h−1以下、より好ましくは1h−1以上30h−1以下、更に好ましくは1h−1以上20h−1以下である。第2反応ゾーンのLHSVは、第2反応ゾーンに供する全ての流の合計の流速(m/h)を、第2反応ゾーンの酸性イオン交換樹脂の体積(m)で除したものである。
第2反応ゾーンには、新たにメタノールを追加してもよい。このときのメタノールとイソブチレンとの物質量比(第2反応ゾーンに供されるメタノールの物質量(単位:モル)/第2反応ゾーンに供されるイソブチレンの物質量(単位:モル))は、好ましくは0.1以上50.0以下、より好ましくは0.1以上25.0以下である。温度調整ゾーンを出た流及び新たに追加するメタノール流を合わせた後に第2反応ゾーンに供する場合は合わせた後の温度、温度調整ゾーンを出た流及び新たに追加するメタノール流をそれぞれ別のラインから第2反応ゾーンに供する場合はそれらの温度を質量流量で加重平均した値が温度Tに調整されることが好ましい。
n=2の場合、第n反応ゾーンは第2反応ゾーンと等しい。
n≧3の場合、第n−1反応ゾーンから出た流を、温度調整ゾーンで冷却又は加熱することにより、反応ゾーンを出た流の温度を、第n反応ゾーンの入口温度Tが下記式を満たすように調整することが好ましい。なお、Tは第n反応ゾーンに入る直前の流の温度となる(以下、場合により「温度T」を「第n反応ゾーンの入口温度T」ともいう)。ここで、Tは、Tn−1とTとの比(Tn−1/T)が、0.35≦Tn−1/T≦2.3を満たすように調整するのが好ましい。第n反応ゾーンの入口温度Tが上式を満たせば、温度調整ゾーン中の流の温度T’は、Tn−1/T’が0.35未満となる温度でもよく、Tn−1/T’が2.3より高くなる温度でもよい。温度調整ゾーン中の流の温度T’は、5℃以上100℃以下の範囲に調整することが好ましい。
温度調整ゾーンにおいて、第n−1反応ゾーンから出た流の温度を冷却又は加熱する方法としては任意の方法を用いることができるが、例えば、熱交換器、凝縮器、蒸発器、ラインヒーター及びスチームトレースからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる方法が挙げられる。
n≧3の場合、第3反応ゾーン以降の各反応ゾーンは、それぞれ1つ以上の反応器を有する。第n反応ゾーンが、2つ以上の反応器を有する場合、反応器は直列に接続されていてもよく、並列に接続されていてもよく、直列と並列とを組み合わせて接続されていてもよい。
n≧3の場合、第3反応ゾーン以降の各反応ゾーンにおいて、液空間速度(LHSV)は、好ましくは0.1h−1以上100h−1以下、より好ましくは1h−1以上50h−1以下、更に好ましくは1h−1以上25h−1以下である。各反応ゾーンのLHSVは、該反応ゾーンに供する全ての流の合計の流速(m/h)を、該反応ゾーンの酸性イオン交換樹脂の体積(m)で除したものである。
n≧3の場合、第3反応ゾーン以降の各反応ゾーンには、それぞれ独立に、新たにメタノールを追加してもよい。このときのメタノールとイソブチレンとの物質量比(該反応ゾーンに供されるメタノールの物質量(単位:モル)/該反応ゾーンに供されるイソブチレンの物質量(単位:モル))は、好ましくは0.1以上50.0以下、より好ましくは0.1以上25.0以下である。温度調整ゾーンを出た流及び新たに追加するメタノール流を合わせた後に該反応ゾーンに供する場合は合わせた後の温度を該反応ゾーンの入口温度とし、温度調整ゾーンを出た流及び新たに追加するメタノール流をそれぞれ別のラインから該反応ゾーンに供する場合はそれらの温度を質量流量で加重平均した値を該反応ゾーンの入口温度とする。
[MTBE分離工程]
MTBE分離工程においては、MTBE合成工程で得られた流(α)を、流(α)中の未反応の炭化水素混合物を含有する第1の流、MTBEを含有する第2の流、及び、必要に応じその他の流に分離する。前記流(α)には、例えば、ブタン類、1−ブテン、シス/トランス−2−ブテン等の未反応の炭化水素混合物及びMTBEの他、ジメチルエーテル等の低沸点化合物や、ジイソブチレン等のイソブチレンオリゴマー、TBA等の高沸点化合物が含まれる。MTBE分離工程においては、上記第1の流中の未反応の炭化水素混合物の割合は、上記第2の流中の未反応の炭化水素混合物の割合より多く、上記第1の流中のMTBEの割合は、上記第2の流中のMTBEの割合より少なくなるように、流を分離する。すなわち、前記流(α)中の未反応の炭化水素混合物は、第2の流より多い割合で第1の流に分配され、前記流(α)中のMTBEは、第1の流より多い割合で第2の流に分配される。分離の方法としては、蒸留及び/又は反応蒸留が好ましい。
MTBE分離工程においては、未反応の炭化水素混合物及びジメチルエーテル等の低沸点化合物を含有する流を塔頂から、MTBEと高沸点化合物とを含有する流を塔底から分離してもよく、未反応の炭化水素混合物を含有する流を塔頂から、MTBEを含有する流を側方から、高沸点化合物を含有する流を塔底から分離してもよい。いずれの場合においても、前記流(α)に含まれる1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンのうちの15質量%以上、好ましくは20質量%以上を、未反応の炭化水素混合物と一緒に抜き出す運転条件とすることが好ましい。すなわち、MTBE分離工程は、未反応の炭化水素混合物を含有する上記第1の流に、前記流(α)中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンのうちの15質量%以上、好ましくは20質量%以上が含有されるように蒸留して分離する工程であることが好ましい。例えば、MTBE分離工程は、前記流(α)を蒸留して、前記流(α)中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンのうちの15質量%以上、好ましくは20質量%以上と未反応の炭化水素混合物とを含有する流、及びMTBEを含有する流の2つの流に分離する工程、又は、前記流(α)を蒸留して、前記流(α)中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンのうちの15質量%以上、好ましくは20質量%以上と未反応の炭化水素混合物とを含有する流、MTBEを含有する流、及び高沸点化合物を含有する流の3つの流に分離する工程であり得る。
前記流(α)は、還流比0.1〜800、操作圧力0.001〜1.1MPa(絶対圧)の運転条件で、10〜100の理論段数となる蒸留塔を用いて蒸留されることが好ましい。なお、本工程は、前記流(α)に残存している未反応のイソブチレンを更にメタノールと反応させることを目的として、反応蒸留としてもよい。
MTBE分離工程において、反応蒸留器を用いる場合は、反応蒸留器は、例えば、0.3MPa(絶対圧)以上2.5MPa(絶対圧)以下、好ましくは0.5MPa(絶対圧)以上1.0MPa(絶対圧)以下の圧力範囲であり、触媒層の温度が50℃以上90℃以下、好ましくは55℃以上70℃以下であり、還流比が0.5以上1.5以下、好ましくは0.7以上0.9以下の条件で運転される。
該反応蒸留器は、単に蒸留分離のみを行う領域を有することが好ましい。この領域は、触媒充填物の上方に5段以上25段以下、好ましくは10段以上15段以下の分離段を有することが好ましい。また、触媒充填物の下方に10段以上40段以下、好ましくは20段以上30段以下の分離段を有することが好ましい。反応蒸留器への供給は、触媒充填物の上方又は下方で行うことができ、下方で行うのが好ましく、より好ましくは、触媒充填物の下方の3理論段以上13理論段以下、更に好ましくは触媒充填物の下方の4理論段以上10理論段以下で行う。
触媒充填物は、充填物高さ1m当たり1〜5段の理論段の蒸留作用を有することが好ましい。触媒充填物の高さは、所望のイソブチレン転化率に依存して、簡単な予備試験によって算出することができる。触媒量は、好ましくは、反応蒸留のために、供給流中のイソブチレン濃度を基準として、例えば、75質量%以上99質量%以下、好ましくは85質量%以上98質量%以下、更に好ましくは95質量%以上97質量%以下のイソブチレン転化率が達成されるような量で選択される。
反応蒸留器内の触媒として、上記と同様、酸性イオン交換樹脂が用いられる。反応蒸留器内で、触媒は、充填物中に、例えば、EP0428265に記載されるようなKataMax(R)、EP0396650又はDE29807007.3U1に記載されるようなKataPak(R)に組み込まれているか、又はUS5,244,929に記載されるように成形体上で重合させられているかのいずれかである。
反応蒸留器の触媒充填物中の液圧ローディングは、そのフラッディング点ローディングの、有利には、10%〜110%、好ましくは20〜70%である。反応蒸留器の液圧ローディングとは、上昇する蒸気質量流と還流する液体質量流とによる塔断面積の均一な流動工学的な負荷と解される。ローディング上限値は、蒸気及び還流液による最大ローディングを表し、それより上では、上昇する蒸気流により、還流液が連行されたり、堰き止められたりする現象が生じ易く、分離効果が下がる傾向にある。ローディング下限値は最小ローディングを表し、それより下では、不規則な流れが生じたり、塔、例えばトレイが空になったりする現象が生じ易く、分離効果が下がること又は分離ができないことが考えられる。フラッディング点では、ガスから液体に伝達された剪断応力が非常に大きいことから、一般的に、液体の全量は、液滴の形態でガスにより連行されるか又は塔内で転相すると考えられる。
反応蒸留器の使用によって、留出物中のC4混合物を基準としたイソブチレン残留濃度は、好ましくは、1000質量ppm以下、より好ましくは800質量ppm以下、更に好ましくは500質量ppm以下にすることができる。
反応蒸留器への供給流中には、未反応のイソブチレンを完全に転化するのに必要な量より多いメタノールを含んでいてもよい。メタノールの過剰量は、メタノールとC4炭化水素とから共沸混合物が形成されるのに十分な量がありながら、かつ塔底生成物中のメタノール濃度が10000質量ppm以下、好ましくは5000質量ppm以下となるように制御されることが好ましい。反応蒸留器に、追加でメタノールを供給してもよい。これは第n反応ゾーンからの供給流と一緒に供給するか、又は反応蒸留器の一箇所若しくは数カ所で行ってもよく、例えば塔頂部及び/又は触媒層上、触媒層間及び/又は触媒層下で行ってもよい。
MTBE分離工程において、前記流(α)を蒸留して得られた未反応の炭化水素混合物は、MTBE合成反応器(フィニッシングゾーン)を更に流通させて残存するイソブチレンをMTBEに変換してもよい。フィニッシングゾーンには、1つ以上の反応器を有することができる。反応器を2つ以上用いる場合は、反応器は直列に接続されていてもよく、並列に接続されていてもよく、直列と並列とを組み合わせて接続されていてもよい。反応器への供給は、アップフローでもダウンフローでもよい。反応は、固定床反応装置を用いて行うことが好ましく、単管式又は多管式のいずれを用いてもよい。該反応器は、熱交換器を備えたものでも断熱式でもよいが、単管式の管型反応器を用いた断熱反応器がより好ましい。
フィニッシングゾーンでは、MTBE合成工程で使用されるものと同様のものを同様の形態で使用できる。
フィニッシングゾーンには、メタノールを更に追加してもよい。メタノールとイソブチレンとの物質量比(フィニッシングゾーンに入るメタノールの物質量(単位:モル)/フィニッシングゾーンに入るイソブチレンの物質量(単位:モル))は、0.1以上50.0以下であることが好ましい。
[MTBE分解工程]
MTBE分解工程は、MTBE分離工程で得たMTBEを含有する流中のMTBEを分解してイソブチレンを得る工程である。MTBE分解工程において、MTBEは、主にメタノールとイソブチレンとに分解される。MTBE分解工程には、通常、固定床方式のMTBE分解反応器を用いる気相反応が採用される。反応温度は通常100〜500℃、好ましくは150〜350℃である。
反応圧力は通常大気圧〜2MPa−G(ゲージ圧)、好ましくは大気圧〜12MPa−Gである。原料の供給速度は反応温度、圧力、MTBEの転化率等により選定されるが、重量空間速度(WHSV)で通常0.1〜50h−1、好ましくは1〜20h−1が採用される。WHSVは、MTBE分解工程に供する全ての流の流速(kg/h)を触媒重量(kg)で除したものである。
MTBEのイソブチレン及びメタノールへの分解は、吸熱反応である。MTBE及び生成物の部分凝縮を避けるため、MTBE分解反応器内の最低温度が100℃以上、好ましくは150℃以上であるように運転するのが好ましい。従って、MTBE分解工程の入口温度は、100℃以上にすることが好ましく、150℃以上にすることがより好ましい。
MTBE分解工程におけるMTBEの転化率は、好ましくは40%〜99%、より好ましくは70%〜98%、更に好ましくは85%〜96%である。触媒が劣化し、徐々に転化率が下がってきたら、MTBE分解工程に供するMTBEを含有する流の温度を500℃まで上げて運転することで必要な転化率を維持することができる。温度を上げても転化率を維持できなくなった場合、触媒を再生した後に分解工程に用いるか、触媒の全て又は一部を交換して分解工程に用いてもよい。
MTBE分解工程では、通常、固体触媒が使用される。固体触媒としては、例えば、金属酸化物、非金属酸化物及び複合酸化物が挙げられる。金属酸化物としては、例えば、アルミナ、酸化チタン及び酸化クロムが挙げられる。非金属酸化物としては、例えば、二酸化ケイ素が挙げられる。複合酸化物としては、例えば、シリカアルミナ及びゼオライトが挙げられる。これらは結晶性でもアモルファスでもよく、また、硫黄、リン、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム等の元素を含んでいてもよい。MTBE分解工程で用いられる固体触媒としては、好ましくは、酸化アルミニウム換算で4〜30質量%のアルミニウム源と二酸化ケイ素換算で60〜95質量%のケイ素源とを含み、50〜450m/gのBET表面積を有するシリカアルミナが使用される。
MTBE分解工程は、180℃以上350℃以下でシリカアルミナを用いて行われることが好ましい。
本実施形態に係る方法においては、MTBE分解工程へ供給する流に水を添加してもよい。水の添加量は、分解反応器へ供給するMTBEを含有する流の供給量に対して、好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0.2〜5.0質量%となるように行われる。水の添加方法は特に指定されないが、例えば水は、前記流(α)や、MTBE分離工程の蒸留塔の還流に添加してもよく、蒸留後のMTBEを含有する流に添加してもよい。このとき水を添加した後に供給流を気化してもよく、供給流を気化した後、水又は水蒸気を添加してもよい。供給される水としては、イオン交換水、蒸留水又は水蒸気が好ましい。
MTBE分解工程を出た流は、イソブチレンとメタノールとを含有する。これを蒸留及び/又は水によるメタノールの抽出(抽出工程)により、メタノールとイソブチレンを分離する。蒸留のみでも、水によるメタノールの抽出のみでもよい。また、蒸留の後に水でメタノールを抽出してもよく、水でメタノールを抽出した後に蒸留を行ってもよい。メタノールと分離されたイソブチレンは、必要に応じて更に蒸留、乾燥等を行って精製してもよい。
MTBE分解工程を出た流を水によって抽出した場合、メタノールと水との混合物が得られる。この混合物を蒸留によってメタノールを含有する流と水を含有する流に分離し、水を含有する流は抽出工程に、メタノールを含有する流はMTBE合成工程にそれぞれリサイクルしてもよい。水を含有する流及び/又はメタノールを含有する流は、リサイクルする前に更に精製したり、一部パージしたりしてもよい。水を含有する流及び/又はメタノールを含有する流の精製方法としては、例えば、蒸留、抽出、洗浄、吸着及びそれらの組み合せが挙げられる。
次に、図面を参照しつつ、本実施形態のイソブチレンの製造方法の具体例について説明する。図5〜9は、本実施形態のイソブチレンの製造方法の一例を示す図である。
図5では、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11と、メタノールを含有する流L113とを合成反応器R−1(10)に供する。イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11は、合成反応器R−1(10)に供する前に、水で洗浄してもよい。メタノールを含有する流L113は、リサイクルメタノールからなる流L111とフレッシュメタノールからなる流L112とを合わせたものである。合成反応器R−1(10)を出た流L12を温度調整ゾーン11に供し、合成反応器R−2(12)の入口温度がTになるようにその温度を調整する。温度調整ゾーン11を出た流L13は、合成反応器R−2(12)に温度Tで供される。合成反応器R−2(12)を出た流L14を、蒸留塔100に供し、蒸留することにより、塔頂から1−ブテン等の未反応の炭化水素混合物を含有する流L105を、塔底からMTBE、並びにTBA及びイソブチレンオリゴマー等の高沸点化合物を含有する流L106を、それぞれ取り出す。塔底から取り出された流L106は、MTBE分解反応器101に供される。MTBE分解反応器101を出た流L107を、蒸留塔102に供し、蒸留することにより、塔頂から製品となるイソブチレンの流L108が、塔底からメタノール及び高沸点化合物を含有する流L109が取り出される。塔底から取り出された流L109は、蒸留塔103で更に精製され、塔頂からメタノールを含有する流L111が、塔底から高沸点化合物を含有する流L110が、それぞれ取り出される。メタノールを含有する流L111は、合成反応器R−1(10)にリサイクルされる。なお、図5においては、リサイクルメタノールからなる流L111とフレッシュメタノールからなる流L112とを合成反応器R−1(10)に供する前に合わせているが、これらの流は、それぞれ別に合成反応器R−1(10)に供してもよい。
図6では、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11と、メタノールを含有する流L217とを合成反応器R−1(10)に供する。イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11は、合成反応器R−1(10)に供する前に、水で洗浄してもよい。メタノールを含有する流L217は、リサイクルメタノールからなる流L215とフレッシュメタノールからなる流L216とを合わせたものである。合成反応器R−1(10)を出た流の一部L12を温度調整ゾーン11に供し、残りの流L22を、合成反応器R−1(10)にリサイクルする。流L12の温度を、温度調整ゾーン11で合成反応器R−2(12)の入口温度がTになるように調整する。温度調整ゾーン11を出た流L13は、合成反応器R−2(12)に温度Tで供される。合成反応器R−2(12)を出た流L14を、蒸留塔200に供し、蒸留することにより、塔頂から1−ブテン等の未反応の炭化水素混合物を含有する流L205を、側方からMTBEを含有する流L206を、塔底からイソブチレンオリゴマー等の高沸点化合物を含有する流L207を、それぞれ取り出す。側方から取り出された流L206は、MTBE分解反応器201に供される。MTBE分解反応器201を出た流L208を、蒸留塔202に供し、蒸留することにより、塔頂からイソブチレンを含有する流L209が、塔底からメタノールを含有する流L210が取り出される。塔頂から取り出された流L209は、抽出塔203に送られ、水を含有する流L211によって流L209に残存するメタノールを抽出し、塔頂から製品となるイソブチレンの流L212が得られる。蒸留塔202の塔底から取り出された流L210及び抽出塔203の塔底から取り出された流L213は、メタノール精製塔204に送られる。メタノール精製塔204の塔頂からメタノールを含有する流L215が、塔底から水を含有する流L214が、それぞれ得られる。メタノールを含有する流L215は、合成反応器R−1(10)にリサイクルされる。メタノール精製塔204の塔底から得られる流L214は、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11を洗浄する水の一部や、L211の一部としてリサイクルしてもよい。なお、図6においては、リサイクルメタノールからなる流L215とフレッシュメタノールからなる流L216とを合成反応器R−1(10)に供する前に合わせているが、これらの流は、それぞれ別に合成反応器R−1(10)に供してもよい。
図7では、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11と、メタノールを含有する流L317とを合成反応器R−1(10)に供する。イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11は、合成反応器R−1(10)に供する前に、水で洗浄してもよい。メタノールを含有する流L317は、リサイクルメタノールからなる流L315とフレッシュメタノールからなる流L316とを合わせたものである。合成反応器R−1(10)を出た流の一部L12を温度調整ゾーン11に供し、残りの流L22を、合成反応器R−1(10)にリサイクルする。流L12の温度を、温度調整ゾーン11で合成反応器R−2(12)の入口温度がTになるように調整する。温度調整ゾーン11を出た流L13は、合成反応器R−2(12)に温度Tで供される。合成反応器R−2(12)を出た流L14を、蒸留塔200に供し、蒸留することにより、塔頂から1−ブテン等の未反応の炭化水素混合物を含有する流L205を、側方からMTBEを含有する流L206を、塔底からイソブチレンオリゴマー等の高沸点化合物を含有する流L207を、それぞれ取り出す。側方から取り出された流L206は、MTBE分解反応器201に供される。MTBE分解反応器201を出た流L208は、抽出塔300に供され、水を含有する流L309によって、流L208からメタノールが抽出される。抽出塔300の塔頂からはイソブチレンを含有する流L310が、塔底からはメタノールを含有する流L311が、それぞれ取り出される。塔頂から取り出された流L310は、蒸留塔301で精製され、塔頂から製品となるイソブチレンの流L312が、塔底からは高沸点化合物を含有する流L313が得られる。抽出塔300の塔底から取り出された流L311は、メタノール精製塔304に送られて精製され、メタノール精製塔304の塔頂からメタノールを含有する流L315が、塔底から水を含有する流L314が、それぞれ得られる。メタノールを含有する流L315は、合成反応器R−1(10)にリサイクルされる。メタノール精製塔304の塔底から得られる流L314は、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11を洗浄する水の一部や、L309の一部としてリサイクルしてもよい。なお、図7においては、リサイクルメタノールからなる流L315とフレッシュメタノールからなる流L316とを合成反応器R−1(10)に供する前に合わせているが、これらの流は、それぞれ別に合成反応器R−1(10)に供してもよい。
図8では、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11と、メタノールを含有する流L217とを合成反応器R−1(10)に供する。イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11は、合成反応器R−1(10)に供する前に、水で洗浄してもよい。メタノールを含有する流L217は、リサイクルメタノールからなる流L215とフレッシュメタノールからなる流L216とを合わせたものである。合成反応器R−1(10)を出た流の一部L12を温度調整ゾーン11に供し、残りの流L22を、合成反応器R−1(10)にリサイクルする。流L12の温度を、温度調整ゾーン11で合成反応器R−2(12)の入口温度がTになるように調整する。温度調整ゾーン11を出た流L13は、合成反応器R−2(12)に温度Tで供される。合成反応器R−2(12)を出た流L14を、温度調整ゾーン13で合成反応器R−3(14)の入口温度がTになるように調整する。温度調整ゾーン13を出た流L15は、合成反応器R−3(14)に温度Tで供される。合成反応器R−3(14)を出た流L16を、蒸留塔200に供し、蒸留することにより、塔頂から1−ブテン等の未反応の炭化水素混合物を含有する流L205を、側方からMTBEを含有する流L206を、塔底からイソブチレンオリゴマー等の高沸点化合物を含有する流L207を、それぞれ取り出す。側方から取り出された流L206は、MTBE分解反応器201に供される。MTBE分解反応器201を出た流L208を、蒸留塔202に供し、蒸留することにより、塔頂からイソブチレンを含有する流L209が、塔底からメタノールを含有する流L210が取り出される。塔頂から取り出された流L209は、抽出塔203に送られ、水を含有する流L211によって流L209に残存するメタノールを抽出し、塔頂から製品となるイソブチレンの流L212が得られる。蒸留塔202の塔底から取り出された流L210及び抽出塔203の塔底から取り出された流L213は、メタノール精製塔204に送られる。メタノール精製塔204の塔頂からメタノールを含有する流L215が、塔底から水を含有する流L214が、それぞれ得られる。メタノールを含有する流L215は、合成反応器R−1(10)にリサイクルされる。メタノール精製塔204の塔底から得られる流L214は、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11を洗浄する水の一部や、L211の一部としてリサイクルしてもよい。なお、図8においては、リサイクルメタノールからなる流L215とフレッシュメタノールからなる流L216とを合成反応器R−1(10)に供する前に合わせているが、これらの流は、それぞれ別に合成反応器R−1(10)に供してもよい。
図9では、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11と、メタノールを含有する流L217とを合成反応器R−1(10)に供する。イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11は、合成反応器R−1(10)に供する前に、水で洗浄してもよい。メタノールを含有する流L217は、リサイクルメタノールからなる流L215とフレッシュメタノールからなる流L216とを合わせたものである。合成反応器R−1(10)を出た流の一部L12を温度調整ゾーン11に供し、残りの流L22を、合成反応器R−1(10)にリサイクルする。流L12の温度を、温度調整ゾーン11で合成反応器R−2(12)の入口温度がTになるように調整する。温度調整ゾーン11を出た流L13は、合成反応器R−2(12)に温度Tで供される。合成反応器R−2(12)を出た流L14を、温度調整ゾーン13で合成反応器R−3(14)の入口温度がTになるように調整する。温度調整ゾーン13を出た流L15は、合成反応器R−3(14)に温度Tで供される。合成反応器R−3(14)を出た流L16を、反応蒸留塔15に供し、メタノールとイソブチレンとを更に反応させつつ蒸留することにより、塔頂から1−ブテン等の未反応の炭化水素混合物を含有する流L17を、塔底からMTBE及びイソブチレンオリゴマー等の高沸点化合物を含有する流L18を、それぞれ取り出す。塔底から取り出された流L18を、蒸留塔200に供し、蒸留することにより、塔頂からL11の不純物由来の炭素数5以上の炭化水素混合物を含有する流L205を、側方からMTBEを含有する流L206を、塔底からイソブチレンオリゴマー等の高沸点化合物を含有する流L207を、それぞれ取り出す。側方から取り出された流L206は、MTBE分解反応器201に供される。MTBE分解反応器201を出た流L208を、蒸留塔202に供し、蒸留することにより、塔頂からイソブチレンを含有する流L209が、塔底からメタノールを含有する流L210が取り出される。塔頂から取り出された流L209は、抽出塔203に送られ、水を含有する流L211によって流L209に残存するメタノールを抽出し、塔頂から製品となるイソブチレンの流L212が得られる。蒸留塔202の塔底から取り出された流L210及び抽出塔203の塔底から取り出された流L213は、メタノール精製塔204に送られる。メタノール精製塔204の塔頂からメタノールを含有する流L215が、塔底から水を含有する流L214が、それぞれ得られる。メタノールを含有する流L215は、合成反応器R−1(10)にリサイクルされる。メタノール精製塔204の塔底から得られる流L214は、イソブチレンを含有する炭化水素混合物流L11を洗浄する水の一部や、L211の一部としてリサイクルしてもよい。なお、図9においては、リサイクルメタノールからなる流L215とフレッシュメタノールからなる流L216とを合成反応器R−1(10)に供する前に合わせているが、これらの流は、それぞれ別に合成反応器R−1(10)に供してもよい。
なお、図5〜9に示す全ての例において、合成反応器R−1(10)では、イソブチレンとメタノールとが酸性イオン交換樹脂の存在下で反応し、合成反応器R−2(12)、合成反応器R−3(14)、反応蒸留塔15では、イソブチレンとメタノールとが酸性イオン交換樹脂の存在下で更に反応する。
次に、実施例及び比較例により本発明を説明する。また、実施例及び比較例の結果を表1〜3に示す。
ここで、イソブチレン収率並びにプロピレンのイソブチレンへの混入率は、以下の定義に従うものとする。
イソブチレン収率(%)=(MTBEを分解後、精製して製品として得られるイソブチレンの物質量(単位:モル))/(イソブチレンを含有する炭化水素混合物流中のイソブチレンの物質量(単位:モル))×100
プロピレンのイソブチレンへの混入率(%)=(製品となるイソブチレン中のプロピレンの物質量(単位:モル))/(イソブチレンを含有する炭化水素混合物流中のプロピレンの物質量(単位:モル))×100
[実施例1]
(1)合成反応器R−1
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−1(断熱反応器)に、イソブチレン51質量%、1−ブテン25質量%、プロピレン0.03質量%を含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する流とを合わせ、合成反応器R−1の入口温度T=52℃で供給し、圧力0.55MPa−G、LHSV 20h−1で、メタノールとイソブチレンとを反応させた。合成反応器R−1に供給された炭化水素混合物流に含まれるイソブチレンの物質量に対するメタノールの物質量の比は1.1であった。
(2)合成反応器R−2
合成反応器R−1を出た流は、温度を調整せずに合成反応器R−2に供し、圧力0.55MPa−G、LHSV 20h−1で、メタノールとイソブチレンとをさらに反応させた。合成反応器R−2を出た流の一部を、R/Fが1.3となるように合成反応器R−1入口にリサイクルした。
(3)温度調整ゾーン
合成反応器R−2から出た流を、合成反応器R−3の入口温度T=42℃となるように冷却した。合成反応器R−1の入口温度と合成反応器R−3の入口温度の比T/Tは1.2であった。
(4)合成反応器R−3
温度調整ゾーンを出た流は、酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−3(断熱反応器)を圧力0.55MPa−G、LHSV 2h−1で流通させた。Aは2.1であった。
合成反応器R−3を出た流中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、0.02質量%であった。これを蒸留して、合成反応器R−3を出た流に含まれる1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンのうちの41質量%を未反応の炭化水素混合物とともに塔頂から抜き出した。側方からMTBEを含有する流を得、塔底からイソブチレンオリゴマー等の高沸点化合物を含有する流を得た。
側方から得たMTBEを含有する流に、4質量%になるように水を添加し、水を添加した流を、シリカアルミナを充填した多管反応器に、入口温度217℃で流通させ、MTBEを分解することにより、イソブチレンとメタノールとを含有する流を得た。これを冷却した後、蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流を、塔底からメタノールを含有する流を抜き出した。塔頂流は、水で抽出してメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得た。蒸留塔の塔底流は、塔頂流を抽出した水と合わせて蒸留し、メタノールと水とを分離した後にメタノールを合成反応器R−1にリサイクルした。イソブチレンの収率は94%、プロピレンのイソブチレンへの混入率は0.8%であった。
実施例2〜11並びに比較例1及び2の反応ゾーンでのイソブチレン転化率は、出口隆、Petrotech, 1992, 15 (9),874及びA.Rehfinger,U.Hoffmann,Chem.Eng.Sci.1990,45(6),1605を参考にして計算で求めた。触媒層中の温度は、メタノールとイソブチレンとの反応熱を8.84kcal/mol−MTBE生成量として、イソブチレン転化率から求めた。MTBE合成工程で得られた流(α)中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの濃度、蒸留塔の化合物の分配や、MTBE分解工程でのMTBE転化率は、実施例1を元に計算した。
[実施例2]
(1)合成反応器R−1
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−1(断熱反応器)に、イソブチレン35質量%、1−ブテン34質量%、プロピレン0.2質量%を含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する流とを供給する。合成反応器R−1に供給された炭化水素混合物流に含まれるイソブチレンの物質量に対するメタノールの物質量の比は1.1である。合成反応器R−1の入口温度T=40℃、圧力0.60MPa−G、LHSV 4h−1で反応させ、合成反応器R−1を出た流の一部をR/Fが2.3となるように合成反応器R−1入口にリサイクルする。
(2)温度調整ゾーン
合成反応器R−1から出た流を、合成反応器R−2の入口温度T=40℃となるように冷却する。合成反応器R−1の入口温度と合成反応器R−2の入口温度の比T/Tは1.0である。
(3)合成反応器R−2
温度調整ゾーンを出た流は、酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−2(断熱反応器)を圧力0.60MPa−G、LHSV 2h−1で流通させる。
(4)温度調整ゾーン
合成反応器R−2から出た流を、合成反応器R−3の入口温度T=35℃となるように冷却する。合成反応器R−2の入口温度と合成反応器R−3の入口温度の入口温度の比T/Tは1.1である。
(5)合成反応器R−3
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−3(断熱反応器)を圧力0.60MPa−G、LHSV 9h−1で流通させる。Aは0.4になる。
合成反応器R−3の出口流中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、0.004質量%になる。これを蒸留して、未反応の炭化水素混合物を塔頂から抜き出す。塔底からMTBEを含有する流を得、これに4質量%になるように水を添加し、シリカアルミナを充填した多管反応器に、入口温度217℃で流通させ、イソブチレンとメタノールとを含有する流を得る。これを冷却した後、蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流を、塔底からメタノールを含有する流を抜き出す。塔頂流は、水で抽出してメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得る。塔底流は、塔頂流を抽出した水と合わせて蒸留し、メタノールと水とを分離した後にメタノールを合成反応器R−1にリサイクルする。イソブチレンの収率は99%、原料炭化水素混合物中のプロピレンの高純度イソブチレンへの混入率は0.02%になる。
[実施例3]
(1)合成反応器R−1
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−1(断熱反応器)に、イソブチレン55質量%、1−ブテン25質量%、プロピレン0.2質量%を含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する流とを供給する。合成反応器R−1に供給された炭化水素混合物流に含まれるイソブチレンの物質量に対するメタノールの物質量の比は2.0である。合成反応器R−1の入口温度T=59℃、圧力0.55MPa−G、LHSV 2h−1で反応させ、合成反応器R−1を出た流の一部をR/Fが4.0となるように合成反応器R−1入口にリサイクルする。
(2)温度調整ゾーン
合成反応器R−1から出た流を、合成反応器R−2の入口温度T=30℃となるように冷却する。合成反応器R−1の入口温度と合成反応器R−2の入口温度の比T/Tは2.0である。
(3)合成反応器R−2
温度調整ゾーンを出た流は、酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−2(断熱反応器)を圧力0.55MPa−G、LHSV 7h−1で流通させる。パラメータAは6.1になる。
合成反応器R−2の出口流中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、0.2質量%になる。これを蒸留して、未反応の炭化水素混合物を塔頂から抜き出す。塔底からMTBEを含有する流を得、これに4質量%になるように水を添加し、シリカアルミナを充填した多管反応器に、入口温度217℃で流通させ、イソブチレンとメタノールとを含有する流を得る。これを冷却した後、蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流を、塔底からメタノールを含有する流を抜き出す。塔頂流は、水で抽出してメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得る。塔底流は、塔頂流を抽出した水と合わせて蒸留し、メタノールと水とを分離した後にメタノールを合成反応器R−1にリサイクルする。イソブチレンの収率は95%、原料炭化水素混合物中のプロピレンの高純度イソブチレンへの混入率は1.2%になる。
[実施例4]
(1)合成反応器R−1
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−1(断熱反応器)に、イソブチレン22質量%、1−ブテン17質量%、プロピレン0.2質量%を含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する流とを供給する。合成反応器R−1に供給された炭化水素混合物流に含まれるイソブチレンの物質量に対するメタノールの物質量の比は1.2である。合成反応器R−1の入口温度T=45℃、圧力0.55MPa−G、LHSV 9h−1で反応させ、合成反応器R−1を出た流の一部をR/Fが1.3となるように合成反応器R−1入口にリサイクルする。
(2)温度調整ゾーン
合成反応器R−1から出た流を、合成反応器R−2の入口温度T=35℃となるように冷却する。合成反応器R−1の入口温度と合成反応器R−2の入口温度の比T/Tは1.3である。
(3)合成反応器R−2
温度調整ゾーンを出た流は、酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−2(断熱反応器)を圧力0.55MPa−G、LHSV 2h−1で流通させる。パラメータAは0.08になる。
合成反応器R−2の出口流中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、0.009質量%になる。これを蒸留して、未反応の炭化水素混合物を塔頂から抜き出す。塔底からMTBEを含有する流を得、これに4質量%になるように水を添加し、シリカアルミナを充填した多管反応器に、入口温度217℃で流通させ、イソブチレンとメタノールとを含有する流を得る。これを冷却した後、蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流を、塔底からメタノールを含有する流を抜き出す。塔頂流は、水で抽出してメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得る。塔底流は、塔頂流を抽出した水と合わせて蒸留し、メタノールと水とを分離した後にメタノールを合成反応器R−1にリサイクルする。イソブチレンの収率は98%、原料炭化水素混合物中のプロピレンの高純度イソブチレンへの混入率は0.03%になる。
[実施例5]
(1)合成反応器R−1
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−1(断熱反応器)に、イソブチレン60質量%、1−ブテン25質量%、プロピレン0.2質量%を含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する流とを供給する。合成反応器R−1に供給された炭化水素混合物流に含まれるイソブチレンの物質量に対するメタノールの物質量の比は1.5である。合成反応器R−1の入口温度T=55℃、圧力0.55MPa−G、LHSV 23h−1で反応させ、合成反応器R−1を出た流の一部をR/Fが3.8となるように合成反応器R−1入口にリサイクルする。
(2)温度調整ゾーン
合成反応器R−1から出た流を、合成反応器R−2の入口温度T=40℃となるように冷却する。合成反応器R−1の入口温度と合成反応器R−2の入口温度の比T/Tは1.4である。
(3)合成反応器R−2
温度調整ゾーンを出た流は、酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−2(断熱反応器)を圧力0.55MPa−G、LHSV 3h−1で流通させる。パラメータAは0.2になる。
合成反応器R−2の出口流中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、0.01質量%になる。これを蒸留して、未反応の炭化水素混合物を塔頂から抜き出す。塔底からMTBEを含有する流を得、これに4質量%になるように水を添加し、シリカアルミナを充填した多管反応器に、入口温度217℃で流通させ、イソブチレンとメタノールとを含有する流を得る。これを冷却した後、蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流を、塔底からメタノールを含有する流を抜き出す。塔頂流は、水で抽出してメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得る。塔底流は、塔頂流を抽出した水と合わせて蒸留し、メタノールと水とを分離した後にメタノールを合成反応器R−1にリサイクルする。イソブチレンの収率は98%、原料炭化水素混合物中のプロピレンの高純度イソブチレンへの混入率は0.06%になる。
[実施例6]
(1)合成反応器R−1
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−1(断熱反応器)に、イソブチレン51質量%、1−ブテン25質量%、プロピレン0.1質量%を含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する流とを供給する。合成反応器R−1に供給された炭化水素混合物流に含まれるイソブチレンの物質量に対するメタノールの物質量の比は1.0である。合成反応器R−1の入口温度T=30℃、圧力0.55MPa−G、LHSV 5h−1で反応させ、合成反応器R−1を出た流の一部をR/Fが1.0となるように合成反応器R−1入口にリサイクルする。
(2)温度調整ゾーン
合成反応器R−1から出た流を、合成反応器R−2の入口温度T=31℃となるように冷却する。合成反応器R−1の入口温度と合成反応器R−2の入口温度の比T/Tは1.0である。
(3)合成反応器R−2
温度調整ゾーンを出た流は、酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−2(断熱反応器)を圧力0.55MPa−G、LHSV 5h−1で流通させる。パラメータAは0.05になる。
合成反応器R−2の出口流中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、0.002質量%になる。これを蒸留して、未反応の炭化水素混合物を塔頂から抜き出す。塔底からMTBEを含有する流を得、これに4質量%になるように水を添加し、シリカアルミナを充填した多管反応器に、入口温度217℃で流通させ、イソブチレンとメタノールとを含有する流を得る。これを冷却した後、蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流を、塔底からメタノールを含有する流を抜き出す。塔頂流は、水で抽出してメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得る。塔底流は、塔頂流を抽出した水と合わせて蒸留し、メタノールと水とを分離した後にメタノールを合成反応器R−1にリサイクルする。イソブチレンの収率は96%、原料炭化水素混合物中のプロピレンの高純度イソブチレンへの混入率は0.02%になる。
[実施例7]
(1)合成反応器R−1
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−1(断熱反応器)に、イソブチレン60質量%、1−ブテン25質量%、プロピレン0.2質量%を含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する流とを供給する。合成反応器R−1に供給された炭化水素混合物流に含まれるイソブチレンの物質量に対するメタノールの物質量の比は2.0である。合成反応器R−1の入口温度T=70℃、圧力0.55MPa−G、LHSV 13h−1で反応させ、合成反応器R−1を出た流の一部をR/Fが3.0となるように合成反応器R−1入口にリサイクルする。
(2)温度調整ゾーン
合成反応器R−1から出た流を、合成反応器R−2の入口温度T=40℃となるように冷却する。合成反応器R−1の入口温度と合成反応器R−2の入口温度の比T/Tは1.8である。
(3)合成反応器R−2
温度調整ゾーンを出た流は、酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−2(断熱反応器)を圧力0.55MPa−G、LHSV 3h−1で流通させる。パラメータAは2.1になる。
合成反応器R−2の出口流中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、0.1質量%になる。これを蒸留して、未反応の炭化水素混合物を塔頂から抜き出す。塔底からMTBEを含有する流を得、これに4質量%になるように水を添加し、シリカアルミナを充填した多管反応器に、入口温度217℃で流通させ、イソブチレンとメタノールとを含有する流を得る。これを冷却した後、蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流を、塔底からメタノールを含有する流を抜き出す。塔頂流は、水で抽出してメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得る。塔底流は、塔頂流を抽出した水と合わせて蒸留し、メタノールと水とを分離した後にメタノールを合成反応器R−1にリサイクルする。イソブチレンの収率は95%、原料炭化水素混合物中のプロピレンの高純度イソブチレンへの混入率は0.8%になる。
[実施例8]
(1)合成反応器R−1
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−1(断熱反応器)に、イソブチレン51質量%、1−ブテン25質量%、プロピレン0.2質量%を含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する流とを供給する。合成反応器R−1に供給された炭化水素混合物流に含まれるイソブチレンの物質量に対するメタノールの物質量の比は1.1である。合成反応器R−1の入口温度T=30℃、圧力0.55MPa−G、LHSV 4h−1で反応させ、合成反応器R−1を出た流の一部をR/Fが1.0となるように合成反応器R−1入口にリサイクルする。
(2)温度調整ゾーン
合成反応器R−1から出た流を、合成反応器R−2の入口温度T=78℃となるように冷却する。合成反応器R−1の入口温度と合成反応器R−2の入口温度の比T/Tは0.4である。
(3)合成反応器R−2
温度調整ゾーンを出た流は、酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−2(断熱反応器)を圧力0.55MPa−G、LHSV 2h−1で流通させる。パラメータAは9.0になる。
合成反応器R−2の出口流中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、0.2質量%になる。これを蒸留して、未反応の炭化水素混合物を塔頂から抜き出す。塔底からMTBEを含有する流を得、これに4質量%になるように水を添加し、シリカアルミナを充填した多管反応器に、入口温度217℃で流通させ、イソブチレンとメタノールとを含有する流を得る。これを冷却した後、蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流を、塔底からメタノールを含有する流を抜き出す。塔頂流は、水で抽出してメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得る。塔底流は、塔頂流を抽出した水と合わせて蒸留し、メタノールと水とを分離した後にメタノールを合成反応器R−1にリサイクルする。イソブチレンの収率は93%、原料炭化水素混合物中のプロピレンの高純度イソブチレンへの混入率は0.7%になる。
[実施例9]
(1)合成反応器R−1
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−1(断熱反応器)に、イソブチレン51質量%、1−ブテン25質量%、プロピレン0.2質量%を含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する流とを供給する。合成反応器R−1に供給された炭化水素混合物流に含まれるイソブチレンの物質量に対するメタノールの物質量の比は1.5である。合成反応器R−1の入口温度T=38℃、圧力0.55MPa−G、LHSV 14h−1で反応させ、合成反応器R−1を出た流の一部をR/Fが2.0となるように合成反応器R−1入口にリサイクルする。
(2)温度調整ゾーン
合成反応器R−1から出た流を、合成反応器R−2の入口温度T=49℃となるように冷却する。合成反応器R−1の入口温度と合成反応器R−2の入口温度の比T/Tは0.8である。
(3)合成反応器R−2
温度調整ゾーンを出た流は、酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−2(断熱反応器)を圧力0.55MPa−G、LHSV 3h−1で流通させる。パラメータAは10.7になる。
合成反応器R−2の出口流中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、0.3質量%になる。これを蒸留して、未反応の炭化水素混合物を塔頂から抜き出す。塔底からMTBEを含有する流を得、これに4質量%になるように水を添加し、シリカアルミナを充填した多管反応器に、入口温度217℃で流通させ、イソブチレンとメタノールとを含有する流を得る。これを冷却した後、蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流を、塔底からメタノールを含有する流を抜き出す。塔頂流は、水で抽出してメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得る。塔底流は、塔頂流を抽出した水と合わせて蒸留し、メタノールと水とを分離した後にメタノールを合成反応器R−1にリサイクルする。イソブチレンの収率は91%、原料炭化水素混合物中のプロピレンの高純度イソブチレンへの混入率は1.3%になる。
[実施例10]
(1)合成反応器R−1
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−1(断熱反応器)に、イソブチレン42質量%、1−ブテン24質量%、プロピレン0.03質量%を含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する流とを供給する。合成反応器R−1に供給された炭化水素混合物流に含まれるイソブチレンの物質量に対するメタノールの物質量の比は2.0である。合成反応器R−1の入口温度T=56℃、圧力0.55MPa−G、LHSV 23h−1で反応させ、合成反応器R−1を出た流の一部をR/Fが5.0となるように合成反応器R−1入口にリサイクルする。
(2)温度調整ゾーン
合成反応器R−1から出た流を、合成反応器R−2の入口温度T=30℃となるように冷却する。合成反応器R−1の入口温度と合成反応器R−2の入口温度の比T/Tは1.9である。
(3)合成反応器R−2
温度調整ゾーンを出た流は、酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−2(断熱反応器)を圧力0.55MPa−G、LHSV 3h−1で流通させる。パラメータAは0.08になる。
合成反応器R−2の出口流中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、0.001質量%になる。これを蒸留して、未反応の炭化水素混合物を塔頂から抜き出す。塔底からMTBEを含有する流を得、これに4質量%になるように水を添加し、シリカアルミナを充填した多管反応器に、入口温度217℃で流通させ、イソブチレンとメタノールとを含有する流を得る。これを冷却した後、蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流を、塔底からメタノールを含有する流を抜き出す。塔頂流は、水で抽出してメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得る。塔底流は、塔頂流を抽出した水と合わせて蒸留し、メタノールと水とを分離した後にメタノールを合成反応器R−1にリサイクルする。イソブチレンの収率は89%、原料炭化水素混合物中のプロピレンの高純度イソブチレンへの混入率は0.03%になる。
[実施例11]
(1)合成反応器R−1
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−1(断熱反応器)に、イソブチレン20質量%、1−ブテン17質量%、プロピレン0.2質量%を含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する流とを供給する。合成反応器R−1に供給された炭化水素混合物流に含まれるイソブチレンの物質量に対するメタノールの物質量の比は1.2である。合成反応器R−1の入口温度T=45℃、圧力0.55MPa−G、LHSV 4h−1で反応させ、合成反応器R−1を出た流の一部をR/Fが0.01となるように合成反応器R−1入口にリサイクルする。
(2)温度調整ゾーン
合成反応器R−1から出た流を、合成反応器R−2の入口温度T=35℃となるように冷却する。合成反応器R−1の入口温度と合成反応器R−2の入口温度の比T/Tは1.3である。
(3)合成反応器R−2
温度調整ゾーンを出た流は、酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−2(断熱反応器)を圧力0.55MPa−G、LHSV 2h−1で流通させる。パラメータAは4.2になる。
合成反応器R−2の出口流中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、0.2質量%になる。これを蒸留して、未反応の炭化水素混合物を塔頂から抜き出す。塔底からMTBEを含有する流を得、これに4質量%になるように水を添加し、シリカアルミナを充填した多管反応器に、入口温度217℃で流通させ、イソブチレンとメタノールとを含有する流を得る。これを冷却した後、蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流を、塔底からメタノールを含有する流を抜き出す。塔頂流は、水で抽出してメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得る。塔底流は、塔頂流を抽出した水と合わせて蒸留し、メタノールと水とを分離した後にメタノールを合成反応器R−1にリサイクルする。イソブチレンの収率は96%、原料炭化水素混合物中のプロピレンの高純度イソブチレンへの混入率は0.6%になる。
[比較例1]
(1)合成反応器R−1
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−1(断熱反応器)に、イソブチレン60質量%、1−ブテン25質量%、プロピレン0.2質量%を含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する流とを供給する。合成反応器R−1に供給された炭化水素混合物流に含まれるイソブチレンの物質量に対するメタノールの物質量の比は10.0である。合成反応器R−1の入口温度T=55℃、圧力0.55MPa−G、LHSV 59h−1で反応させ、合成反応器R−1を出た流の一部をR/Fが3.8となるように合成反応器R−1入口にリサイクルする。
(2)温度調整ゾーン
合成反応器R−1から出た流を、合成反応器R−2の入口温度T=40℃となるように冷却する。合成反応器R−1の入口温度と合成反応器R−2の入口温度の比T/Tは1.4である。
(3)合成反応器R−2
温度調整ゾーンを出た流は、酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−2(断熱反応器)を圧力0.55MPa−G、LHSV 7h−1で流通させる。パラメータAは0になる。
合成反応器R−2の出口流中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、0.0004質量%になる。これを蒸留して、未反応の炭化水素混合物を塔頂から抜き出す。塔底からMTBEを含有する流を得、これに4質量%になるように水を添加し、シリカアルミナを充填した多管反応器に、入口温度217℃で流通させ、イソブチレンとメタノールとを含有する流を得る。これを冷却した後、蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流を、塔底からメタノールを含有する流を抜き出す。塔頂流は、水で抽出してメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得る。塔底流は、塔頂流を抽出した水と合わせて蒸留し、メタノールと水とを分離した後にメタノールを合成反応器R−1にリサイクルする。イソブチレンの収率は45%、原料炭化水素混合物中のプロピレンの高純度イソブチレンへの混入率は0.005%になる。
[比較例2]
(1)合成反応器R−1
酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−1(断熱反応器)に、イソブチレン35質量%、1−ブテン25質量%、プロピレン0.2質量%を含有する炭化水素混合物流と、メタノールを含有する流とを供給する。合成反応器R−1に供給された炭化水素混合物流に含まれるイソブチレンの物質量に対するメタノールの物質量の比は1.5である。合成反応器R−1の入口温度T=31℃、圧力0.55MPa−G、LHSV 10h−1で反応させ、合成反応器R−1を出た流の一部をR/Fが1.3となるように合成反応器R−1入口にリサイクルする。
(2)温度調整ゾーン
合成反応器R−1から出た流を、合成反応器R−2の入口温度T=60℃となるように冷却する。合成反応器R−1の入口温度と合成反応器R−2の入口温度の比T/Tは0.5である。
(3)合成反応器R−2
温度調整ゾーンを出た流は、酸性イオン交換樹脂としてデュオライトC−26H(商品名、住化ケムテックス株式会社製)を充填した合成反応器R−2(断熱反応器)を圧力0.55MPa−G、LHSV 3h−1で流通させる。
合成反応器R−2の出口流中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量は、0.9質量%になる。これを蒸留して、未反応の炭化水素混合物を塔頂から抜き出す。塔底からMTBEを含有する流を得、これに4質量%になるように水を添加し、シリカアルミナを充填した多管反応器に、入口温度217℃で流通させ、イソブチレンとメタノールとを含有する流を得る。これを冷却した後、蒸留し、塔頂からイソブチレンを含有する流を、塔底からメタノールを含有する流を抜き出す。塔頂流は、水で抽出してメタノールを除去し、高純度のイソブチレンを得る。塔底流は、塔頂流を抽出した水と合わせて蒸留し、メタノールと水とを分離した後にメタノールを合成反応器R−1にリサイクルする。イソブチレンの収率は84%、原料炭化水素混合物中のプロピレンの高純度イソブチレンへの混入率は4.1%になる。パラメータAは15.5になる。
Figure 0006360982
Figure 0006360982
Figure 0006360982
10…合成反応器R−1、11,13…温度調整ゾーン、12…合成反応器R−2、14…合成反応器R−3、15…反応蒸留塔、100,102,103,200,202,301…蒸留塔、101,201…MTBE分解反応器、203,300…抽出塔、204,304…メタノール精製塔。

Claims (7)

  1. イソブチレンを含有する炭化水素混合物中のイソブチレンと、メタノールとを、酸性イオン交換樹脂の存在下で反応させて、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)と未反応の炭化水素混合物とを含有する流(α)を得るMTBE合成工程と、
    前記流(α)を、未反応の炭化水素混合物を含有する第1の流、及びメチル−tert−ブチルエーテルを含有する第2の流、に分離するMTBE分離工程と、
    MTBE分離工程で得たメチル−tert−ブチルエーテルを含有する第2の流中のメチル−tert−ブチルエーテルを分解してイソブチレン及びメタノールを含有する流を得るMTBE分解工程と、
    MTBE分解工程で得たイソブチレン及びメタノールを含有する流を、メタノールを含有する流と、イソブチレンの流とに分離するイソブチレン分離工程と、
    イソブチレン分離工程で得られるメタノールを含有する流をMTBE合成工程に供するリサイクル工程と、を備えるイソブチレンの製造方法であって、
    MTBE分離工程における前記第1の流中の未反応の炭化水素混合物の割合は、前記第2の流中の未反応の炭化水素混合物の割合より多く、
    MTBE分離工程における前記第1の流中のメチル−tert−ブチルエーテルの割合は、前記第2の流中のメチル−tert−ブチルエーテルの割合より少なく、
    MTBE合成工程は、流体の流れ方向に、上流から順にR−1〜R−mのm個(m≧2の整数)の合成反応器を有し、
    i番目(1≦i≦mの整数)の合成反応器R−iの触媒層の入口温度をTi−in、触媒層の出口温度をTi−outとし、
    合成反応器R−i内の触媒層中の流の温度を、流れ方向にk箇所(k≧3の整数)で測定した場合に、
    A(単位:℃・h)が、下記式(f1)を満たす、イソブチレンの製造方法。
    0.05≦A≦11.0 ・・・(f1)
    [ここで、Aは、以下のように定義される。
    合成反応器R−iの出口流の流速をV(単位:m/h)とし、合成反応器R−iの触媒体積をCとする。
    合成反応器R−i内の触媒層において、流体の流れ方向に沿ってj番目(1≦j≦kの整数)の温度測定位置までの触媒体積をCij(単位:m)とし、
    ij/Vを、位置jにおける流体の流れ方向の接触時間(単位:h)とする。
    前記合成反応器R−i内の触媒層の位置jにおける触媒層の温度をTij(単位:℃)とする。
    前記合成反応器R−i内の触媒層において、流体の流れ方向の接触時間(Cij/V)を横軸x、触媒層の温度Tijを縦軸yとして、
    接触時間が0(h)及び温度がTi−inの点、接触時間がCij/V(h)及び温度がTij(℃)の各点、並びに接触時間がC/V(h)及び温度がTi−outの点をそれぞれ直線で結んだ線(a)の線上又は線の下側、かつ、
    x=0の直線(b)の線上又は線の右側、かつ、
    x=C/Vの直線(c)の線上又は線の左側、かつ
    y=60の直線(d)の線上又は線の上側を満たす領域の面積をAとする。
    ただし、j=1の位置は、反応器R−iの流れ方向の触媒体積の中間点より上流であり、j=2〜k−1の位置中、少なくとも一つの位置は、反応器R−iの流れ方向の触媒体積の中間点付近であり、j=kの位置は、反応器R−iの流れ方向の触媒体積の中間点より下流である。
    全ての合成反応器のAの和をAとする。]
  2. 前記MTBE合成工程において、少なくとも一つの合成反応器の出口流の一部(リサイクル流)を、該合成反応器及び/又は該合成反応器より上流の合成反応器の入口に供し、リサイクル流が供される合成反応器を合成反応器Xとし、
    前記リサイクル流の質量流量をRとし、
    合成反応器Xへ供される流のうち、前記リサイクル流以外の流の合計の質量流量をFとして、
    R/Fが5.0より小さい、請求項1に記載のイソブチレンの製造方法。
  3. MTBE合成工程で得られた前記流(α)中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンの合計含有量が、0.70質量%以下である、請求項1又は2に記載のイソブチレンの製造方法。
  4. MTBE合成工程の少なくとも一つの合成反応器が、断熱反応器である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のイソブチレンの製造方法。
  5. 前記MTBE分離工程が、蒸留及び/又は反応蒸留によって行われる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のイソブチレンの製造方法。
  6. 前記MTBE分離工程が、未反応の炭化水素混合物を含有する前記第1の流に、前記MTBE合成工程で得られた前記流(α)中の1−メトキシプロパン及び2−メトキシプロパンのうちの15質量%以上が含有されるように蒸留して分離する工程である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のイソブチレンの製造方法。
  7. 前記MTBE分解工程が、180℃以上350℃以下でシリカアルミナを用いて行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のイソブチレンの製造方法。
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