JP6360517B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
乾式トナーを用いる電子写真方式の画像形成装置において、トナー像を加熱および加圧することにより記録媒体表面に定着する定着装置は、金属の芯金の外周面にトナー離型層を設け、該芯金の内部に加熱用の輻射ランプ発熱体を有する定着ロールと対向する加圧ロールを用い、トナーを加熱溶融させ記録媒体表面に定着させるものである。
定着スピードの高速化に対応する為、定着装置の定着温度を上昇させることにより定着装置の揮発成分や使用トナー中のワックスが揮発・凝固した、いわゆる超微粒子(Ultra Fine Particle)が発生することが知られており、環境への配慮から、これらの超微粒子を捕集する技術が開示されている(例えば、特許文献1〜8)。
特許文献1には、ゴム層を含む定着装置と、上記ゴム層から発生した超微粒子を捕捉可能なフィルタ部材が設けられている画像形成装置について開示されている。
特許文献2には、ゴム層を含む定着装置と、上記ゴム層の端部から発生した超微粒子を取り込むための取込口をもつダクトと、上記ダクトを通して流れる上記超微粒子を捕捉可能なフィルタ部材とを備えた画像形成装置について開示されている。
特許文献3には、ゴム層を含む定着装置と、上記ゴム層から発生した超微粒子を取り込むための取込口をもつダクトと、上記ダクト内を流れる上記超微粒子を含んだ空気を冷却して、上記超微粒子を凝集させてミスト状態にする冷却部を備えた画像形成装置について開示されている。
特許文献4には、円筒状または環状の定着部材と、上記定着部材から発生した微粒子を取り込むための取込口をもつダクトと、上記ダクトを通して流れる上記微粒子を捕捉可能なフィルタ部材とを備えた画像形成装置について開示されている。
特許文献5には、円筒状または環状の定着部材と、上記定着部材から発生した微粒子を取り込むための取込口を持つダクトと、上記ダクト内に設けられ、上記ダクトを通して流れる上記微粒子を捕捉可能なフィルタ部材とを備えた画像形成装置について開示されている。
特許文献6には、円筒状または環状の定着部材と、取込口を有する排気用ダクトと、上記排気用ダクトの内部に設けられ、上記排気用ダクトを通して流れる上記定着部材から発生した微粒子を捕捉可能なフィルタ部材とを備えた画像形成装置について開示されている。
特許文献7には、画像形成部及び定着部が設けられた画像形成装置本体の内側で生成された物質を除去するフィルタを有する画像形成装置について開示されている。
特許文献8には、転写紙上に転写されたトナー像を定着させる定着装置で発生する気化物質を含んだ空気を、フィルタを介して機外に排気する排気装置が開示され、さらに該フィルタを薄い金属板を積層した構造とし、該フィルタを金属製の本体構造体に接触させて排熱する排気装置について開示されている。
特開2011−128279号公報 特開2011−141338号公報 特開2011−141447号公報 特開2011−180235号公報 特開2011−180236号公報 特開2011−180341号公報 特開2006−119469号公報 特開2002−278341号公報
本発明の課題は、定着部材と加圧部材との間に形成されるニップ部を通過した後における記録媒体の搬送方向に、トナーの揮発成分を捕集する捕集部材が設けられていない場合に比べ、揮発成分の捕集効率が高い定着装置を提供することにある。
本発明の定着装置および画像形成装置は、以下の特徴を有する。
請求項1に係る発明は、記録媒体上のトナーを加熱して定着する定着部材と、前記定着部材に対向されて配置され、該記録媒体を前記定着部材に加圧する加圧部材と、前記定着部材により加熱されたトナーの揮発成分を捕集する金属製かつ板状の面を有する捕集部材と、を有し、前記捕集部材の前記揮発成分を捕集する側の前記面が前記トナーの揮発成分を含む気流の進行方向を前記捕集部材への衝突後に特定方向に導くための形状を有し、前記定着部材と前記加圧部材との間に形成されるニップ部を通過した直後における前記記録媒体の搬送方向の延長線上に前記捕集部材が設けられている、定着装置である。
請求項2に係る発明は、像保持体と、該像保持体表面を帯電させる帯電手段と、前記像保持体表面に潜像を形成させる潜像形成手段と、形成された前記潜像をトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写させる転写手段と、前記トナー像を記録媒体に定着させる請求項1に記載の定着装置と、を有する画像形成装置である。
請求項1に記載の発明によれば、定着部材と加圧部材との間に形成されるニップ部を通過した後における記録媒体の搬送方向に、トナーの揮発成分を捕集する捕集部材が設けられていない場合に比べ、揮発成分の捕集効率が向上する。
請求項2に記載の発明によれば、定着部材と加圧部材との間に形成されるニップ部を通過した後における記録媒体の搬送方向に、トナーの揮発成分を捕集する捕集部材が設けられていない場合に比べ、揮発成分の捕集効率が向上する。
定着装置の構成の一例を示す概略構成図である。 定着装置の構成の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態における定着装置の構成の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態における定着装置の構成の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態における定着装置の構成の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態における画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態における定着装置および画像形成装置について説明する。
[定着装置]
図1、図2は、本発明の実施の形態における捕集部材を配置しうる定着装置を例示する模式的な概略構成図である。
図1は、本発明の実施の形態における2ロール方式の定着装置の構成の概略を示すものである。図中、一対の定着ロールとして、定着ロール1および加圧ロール2が対向して設けられ、圧接してニップが形成されている。定着ロール1は、内部にヒーターランプ1dを有する金属製の中空芯金コア1aに耐熱性弾性体層1bおよび表面層1cが形成されて構成されている。本実施の形態において、表面層1cは、フッ素樹脂より構成されている。定着ロール1の表面には、ロール表面をクリーニングするためのクリーニング装置5、定着ロール1表面に補助的な加熱を行う外部加熱装置6、定着後の用紙を剥離するための剥離爪7、ロール表面の温度を制御するための温度センサ8が設けられている。また、加圧ロール2は、内部にヒーターランプ(図示せず)を有する金属製の中空芯金コア2aに耐熱性弾性体層2bおよび表面層2cが形成されて構成されている。4は、普通紙等の記録媒体3上に形成された未定着トナー像である。
図2は、本発明の実施の形態における定着ロール・ベルト型定着装置の構成の概略を示すものである。図中、定着ユニットとして、定着ロール1および加圧ベルト3が対向して設けられ、圧接してニップが形成されている。定着ロール1は、内部にヒーターランプ1dを有する金属製の中空芯金コア1aに耐熱性弾性体層1bおよび表面層1cが形成されて構成されている。本実施の形態において、表面層1cは、フッ素樹脂より構成されている。定着ロール1の表面には、ロール表面をクリーニングするためのクリーニング装置6、定着ロール1表面に補助的な加熱を行う外部加熱装置7、定着後の用紙を剥離するための剥離爪8、ロール表面の温度を制御するための温度センサ9が設けられている。また、加圧ベルト3は、2本の支持ロール10と1本の圧力ロール11とにより張架されている。また、支持ロール10は内部にヒーターランプ(図示せず)を有する。5は、普通紙等の記録媒体4上に形成された未定着トナー像である。
捕集部材は、定着部材(定着ロール1)と加圧部材(加圧ロール2/加圧ベルト3)との間に形成されるニップ部の中心点から、記録媒体の出口側に予め定められた距離だけ離れて配置され、表面に未定着のトナーを有する記録媒体がニップ部を通過するのに伴い発生する気体状のトナー由来成分を効率良く捕集するものである。捕集部材を配置した定着装置の例について、図3から図5を用いて説明する。
図3は、本発明の実施の形態における定着装置の構成の一例を示す模式図である。図3に示す定着装置60Aは、電磁誘導加熱方式を採用する。
図3に示すように、定着装置60Aは、無端ベルトである定着ベルト61、交流電流により生じる磁界によって定着ベルト61を発熱させる磁場発生ユニット85、定着ベルト61に対向するように配置する加圧ロール62、定着ベルト61を介して加圧部材の一例としての加圧ロール62から押圧される圧力パッド64、トナーの揮発成分を捕集する捕集部材90aを有する。
定着ベルト61は、X線回折における回折線の半値幅が3°以上である少なくとも1層の非晶質性(非晶質度)の高い金属の層(金属層)を有し、例えば、直径30mm程度の円筒形状を有する。定着ベルト61の層構成は後述する。定着ベルト61は、圧力パッド64とベルトガイド部材63、定着ベルト61の両側側端部に配置するエッジガイド部材(図示せず)によって回転駆動自在に支持される。そして、ニップ部N(押圧部)において加圧ロール62に圧接され、加圧ロール62に従動して矢印C方向に周回駆動する。
ベルトガイド部材63は、定着ベルト61の内部に配置するホルダ65に取り付ける。定着ベルト61の回転駆動方向に向けた複数のリブ(図示せず)で形成し、定着ベルト61内周面との接触面積を小さくする。ベルトガイド部材63は、摩擦係数が低く、かつ熱伝導率が低いポリフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の耐熱性樹脂で形成し、定着ベルト61内周面との摺動抵抗を低減し、熱の発散が低くなるように構成する。
圧力パッド64は、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧されて押圧部(ニップ部とも称する)Nを形成する。圧力パッド64は、バネや弾性体によって加圧ロール62を、例えば35kgfの荷重で押圧するようにホルダ65により支持される。圧力パッド64は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性体からなり、加圧ロール62側を平面状に形成し、ニップ部Nにおいて均一なニップ圧を形成する。定着ベルト61は、圧力パッド64の加圧ロール62側の面から離れる際に急激な曲率の変化を生じ、定着後の用紙Pは定着ベルト61から剥離する。
ニップ部Nの下流側近傍に配設する剥離補助部材70は、剥離バッフル71が定着ベルト61の回転方向と対向する方向(カウンタ方向)に向け、バッフルホルダ72により保持する。また、圧力パッド64と定着ベルト61との間に低摩擦シート68を配設し、定着ベルト61内周面と圧力パッド64との摺動抵抗を低減する。本実施の形態では、低摩擦シート68は圧力パッド64と別体に構成し、両端をホルダ65に固定する。
ホルダ65に、定着装置60Aの長手方向に亘って潤滑剤塗布部材67を配設する。潤滑剤塗布部材67は、定着ベルト61内周面に接触し、定着ベルト61と低摩擦シート68との摺動部に潤滑剤を供給する。潤滑剤としては、例えば、シリコーンオイル、フッ素オイル等の液体状オイル;固形物質と液体とを混合させたグリース等、さらにこれらを組み合わせたものが挙げられる。
加圧ロール62は、例えば、直径16mmの中実の鉄製のコア(円柱状芯金)621と、コア621の外周面を被覆する、例えば厚さ12mmのシリコーンスポンジ等のゴム層622と、例えば、厚さ30μmのPFA等の耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による表面層623とを有する。加圧ロール62の製造方法としては、例えば、PFAチューブの内周面に接着用プライマーを塗布したフッ素樹脂チューブと中実シャフトとを成形金型内にセットし、フッ素樹脂チューブと中実シャフトとの間に液状発泡シリコーンゴムを注入後、加熱処理(150℃×2時間)によりシリコーンゴムを加硫、発泡させて弾性層を形成する方法が挙げられる。
加圧ロール62は、定着ベルト61に対向するように配置し、矢印D方向に、例えば140mm/sのプロセススピードで回転し、定着ベルト61を矢印C方向に従動させる。また、加圧ロール62と圧力パッド64とにより定着ベルト61を挟持した状態で保持してニップ部Nを形成し、このニップ部Nに未定着トナー像を保持した用紙Pを通過させ、熱及び圧力を加えて未定着トナー像を用紙Pに定着する。
加熱部材の一例としての磁場発生ユニット85は、断面が定着ベルト61の形状に沿ったアール形状を有し、定着ベルト61の外周表面と0.5mm〜2mm程度の間隙で設置する。磁場発生ユニット85は、磁界を発生させる励磁コイル851と、励磁コイル851を保持するコイル支持部材852と、励磁コイル851に電流を供給する励磁回路853とを有する。
励磁コイル851は、例えば、相互に絶縁された直径φ0.5mmの銅線材を16本〜20本程度束ねたリッツ線を、長円形状や楕円形状、長方形状等の閉ループ状に巻いて形成したものを用いる。励磁コイル851に励磁回路853によって予め定められた周波数の交流電流を印加することにより、励磁コイル851の周囲に交流磁界Hが発生する。交流磁界Hが、後述する定着ベルト61の金属層61a(後述する図5参照)を横切る際に、電磁誘導作用によってその交流磁界Hの変化を妨げる磁界を発生するように渦電流Iが生じる。励磁コイル851に印加する交流電流の周波数は、例えば、10kHz〜50kHzに設定する。渦電流Iが定着ベルト61の金属層61aを流れることによって、金属層61aの抵抗値Rに比例した電力W(W=IR)によるジュール熱が発生し、定着ベルト61を加熱する。
コイル支持部材852は、耐熱性を有する非磁性材料で構成する。このような非磁性材料としては、例えば、耐熱ガラス、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、PPS等の耐熱性樹脂、またはこれらにガラス繊維を混合した耐熱性樹脂が挙げられる。
定着装置60Aでは、加圧ロール62の矢印D方向への回転に伴い、定着ベルト61が矢印C方向に従動回転し、励磁コイル851により発生した磁界に曝される。この際、定着ベルト61中の金属層61aには渦電流Iが発生し、定着ベルト61の外周面が定着可能な温度まで加熱される。このようにして加熱された定着ベルト61は、加圧ロール62とのニップ部Nまで移動する。搬送手段により未定着トナー像がその表面に設けられた用紙Pが搬送され、用紙Pが定着ベルト61と加圧ロール62とのニップ部Nを通過した際に、未定着トナー像は定着ベルト61により加熱され用紙P表面に定着される。その後、画像が表面に形成された用紙Pは、搬送手段により搬送され、定着装置60Aから排出される。また、ニップ部Nにおいて定着処理を終え、外周面の表面温度が低下した定着ベルト61は、次の定着処理に備えて再度加熱されるために、定着ベルト61は、励磁コイル851方向へと回転する。
捕集部材90aは、その内部に水、エチレングリコール、空気などの冷却媒体を流通させる冷媒流路901が形成された板状の部材を含む。冷媒流路901は、捕集部材90aの外部に設けられた冷媒流通管92に連通している。循環ポンプ94などの流体循環手段により冷却媒体を流通させることでニップ部Nに対面する捕集部材90aのニップ部側表面902を強制的に冷却する。
捕集部材90aは、排気ファン96その他の1または複数の送気手段により形成される、定着装置60Aから定着装置60Aを収容する筐体(図示せず)の外部に向かう気流の流通経路上に配置されている。定着装置60Aでの定着処理の実行中、ニップ部Nでは、トナー由来の揮発成分が発生し、ニップ部Nおよびその近傍を流れる気流中に混入する。トナー由来の揮発成分を含む気流が、捕集部材90aの配置された下流側に送られると、捕集部材90aのニップ部側表面902で冷却されることにより凝縮し、固体または液体となって捕集されるため、機外への排気は清浄化される。
図3に示す本実施の形態では、定着装置60Aから捕集部材90aにほぼ水平方向に向かった気流が、捕集部材90aのニップ部側表面902を障壁として進行方向をほぼ鉛直方向に変化させるように捕集部材90aを配置しているが、捕集部材90aの配置および流体の経路は本実施形態に限定されない。
本実施の形態において、捕集部材90aは、定着ベルト61と加圧ロール62とのニップ部Nとの間に形成されるニップ部Nの中心点から200mm以内の箇所に配置されることが好ましい。ニップ部Nの中心点から200mm以内の箇所に捕集部材90aを配置すると、トナー由来の揮発成分を含む気流が気体状態のまま捕集部材90aに到達するため、揮発成分の捕集効率が向上する。
本実施の形態において、捕集部材90aは金属製であることが好ましく、具体的な材質として、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス合金、チタン、チタン合金、鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、純鉄および鉄鋼が挙げられる。
本実施の形態において、捕集部材90aの厚みは1mm以上50mm以下であることが好ましい。捕集部材90aの厚みが1mm未満であると、気流が十分に冷却されず、トナー由来の揮発成分の捕集効果が十分に発揮されない懸念がある一方、捕集部材90aの厚みが50mmを超えると、筐体内に配置する空間の確保が困難となる懸念がある。
本実施の形態において、トナーが、少なくとも離型剤を含む場合、捕集部材90aの表面温度が、該離型剤の融点またはガラス転移温度以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましい。捕集部材90aの表面温度が離型剤の融点またはガラス転移温度を超えると、トナー由来の揮発成分のうち、離型剤成分の一部が捕集されずに外部に排気される懸念がある。
本実施の形態において、捕集部材90aの表面温度が、定着部材60Aの定着温度以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましい。捕集部材90aの表面温度が定着部材60Aの定着温度を超えると、トナー由来の揮発成分のうち、比較的沸点の高い成分が捕集されずに外部に排気される懸念がある。
なお、定着部材のニップ部およびその近傍から送られる気流との接触面積を増大させるために、例えば、捕集部材90aの表面に凹凸を設けることも好適である。
図4は、定着装置の他の構成を示す図である。図4に示す定着装置60Bは、図3に示した電磁誘導加熱方式に代えて、輻射ランプ加熱方式を採用する。
図4に示すように、定着装置60Bは、図3に示した定着装置60Aにおける磁場発生ユニット85の代わりに、加熱部材の一例としての輻射ランプ発熱体86を設け、捕集部材90aの代わりに捕集部材90bを設けている。以下、図3に示した定着装置60Aと同様のものについては、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
輻射ランプ発熱体86は、定着ベルト61の内部に配置される。そして、輻射ランプ発熱体86を点灯すると、輻射ランプ発熱体86の発する赤外線を定着ベルト61が吸収することで、定着ベルト61が加熱される。定着ベルト61は、矢印C方向に従動回転するので、定着ベルト61の回転に従って、定着ベルト61が順次加熱されていく。輻射ランプ発熱体86としては、例えば、ハロゲンランプ等が挙げられる。図3では、輻射ランプ発熱体86を、定着ベルト61の内部に配置したが、定着ベルト61の外部に配置してもよい。
捕集部材90bは、内壁面903と外壁面904とを含む筒状の部材を含む。内壁面903と外壁面904との間には、水、エチレングリコール、空気などの冷却媒体を流通させる冷媒流路(図示せず)が形成されており、捕集部材90bの外部に設けられた冷媒流通管92に連通している。循環ポンプ94などの流体循環手段により冷却媒体を流通させることで少なくとも捕集部材90bの内壁面903を強制的に冷却する。
捕集部材90bは、排気ファン96その他の1または複数の送気手段により形成される、定着装置60Bから定着装置60Bを収容する筐体(図示せず)の外部に向かう気流の流通経路上に配置されている。より具体的には、入口側端面905から導入されたトナー由来の揮発成分を含む気流が、内壁面903に衝突して進行方向を変えながら、出口側端面906を経由して機外へ排気される。気流に含まれるトナー由来の揮発成分は、捕集部材90bの内壁面903で冷却されることにより凝縮し、固体または液体となって捕集される。
図4に示す本実施の形態では、定着装置60Bから捕集部材90bにほぼ水平方向に向かった気流が、捕集部材90bの内壁面903で進行方向を一度だけ変化させて排気される構成としているが、捕集部材90bの配置および流体の経路は本実施形態に限定されない。
本実施の形態において、捕集部材90bは、定着ベルト61と加圧ロール62とのニップ部Nとの間に形成されるニップ部Nの中心点から200mm以内の箇所に内壁面903が配置されることが好ましい。ニップ部Nの中心点から200mm以内の箇所に捕集部材90bを配置すると、トナー由来の揮発成分を含む気流が気体状態のまま捕集部材90bに到達するため、揮発成分の捕集効率が向上する。
本実施の形態において、捕集部材90bは金属製であることが好ましく、具体的な材質として、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス合金、チタン、チタン合金、鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、純鉄および鉄鋼が挙げられる。
本実施の形態において、捕集部材90bの厚み、つまり内壁面903と外壁面904との間隔は1mm以上50mm以下であることが好ましい。捕集部材90bの厚みが1mm未満であると、気流が十分に冷却されず、トナー由来の揮発成分の捕集効果が十分に発揮されない懸念がある一方、捕集部材90bの厚みが50mmを超えると、筐体内に配置する空間の確保が困難となる懸念がある。
本実施の形態において、トナーが、少なくとも離型剤を含む場合、捕集部材90bの表面温度が、該離型剤の融点またはガラス転移温度以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましい。捕集部材90bの表面温度が離型剤の融点またはガラス転移温度を超えると、トナー由来の揮発成分のうち、離型剤成分の一部が捕集されずに外部に排気される懸念がある。
本実施の形態において、捕集部材90bの表面温度が、定着部材60Bの定着温度以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましい。捕集部材90bの表面温度が定着部材60Bの定着温度を超えると、トナー由来の揮発成分のうち、比較的沸点の高い成分が捕集されずに外部に排気される懸念がある。
なお、定着部材のニップ部およびその近傍から送られる気流との接触面積を増大させるために、例えば、捕集部材90bの内壁面903に凹凸を設けることも好適である。
図5は、定着装置のさらに他の構成を示す図である。図5に示す定着装置60Cは、図3に示した電磁誘導加熱方式に代えて、抵抗加熱方式を採用する。
図5に示すように、定着装置60Cは、図3に示した定着装置60Aにおける磁場発生ユニット85の代わりに、圧力パッド64と低摩擦シート68との間に、加熱部材の一例としての抵抗発熱体69を設け、捕集部材90aの代わりに捕集部材90cを設けている。以下、図3に示した定着装置60Aと同様のものについては、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
抵抗発熱体69は、例えばセラミック基板に厚膜抵抗(抵抗)を印刷して焼成されている。そして、抵抗発熱体69に設けられた抵抗に電流を流すことにより、ジュール熱を発生させ、低摩擦シート68を介して定着ベルト61を加熱する。定着ベルト61は、矢印C方向に従動回転するので、定着ベルト61の回転に従って、定着ベルト61が順次加熱されていく。
抵抗発熱体69の抵抗としては、例えば、鉄−クロム−アルミ合金、ニッケル−クロム合金、白金、モリブデン、タンタル、タングステン、炭化珪素、モリブデン−シリサイト、カーボン等が挙げられる。
捕集部材90cは、その内部に水、エチレングリコール、空気などの冷却媒体を流通させる冷媒流路(図示せず)が形成され、らせん形状に巻かれたパイプ状の部材を含み、捕集部材90cの外部に設けられた冷媒流通管92に連通している。循環ポンプ94などの流体循環手段により冷却媒体を流通させることで捕集部材90cの表面を強制的に冷却する。
捕集部材90cは、排気ファン96その他の1または複数の送気手段により形成される、定着装置60Cから定着装置60Cを収容する筐体(図示せず)の外部に向かう気流の流通経路上に配置されている。より具体的には、トナー由来の揮発成分を含む気流が、らせん状に巻かれた捕集部材90cのわずかな隙間を通過して機外へ排気される。気流に含まれるトナー由来の揮発成分は、捕集部材90cの表面で冷却されることにより凝縮し、固体または液体となって捕集される。
図5に示す本実施の形態では、定着装置60Cから捕集部材90cにほぼ水平方向に向かった気流が、ほぼ方向を変えることなく排気される構成としているが、捕集部材90cの配置および流体の経路は本実施形態に限定されない。
本実施の形態において、捕集部材90cは、定着ベルト61と加圧ロール62とのニップ部Nとの間に形成されるニップ部Nの中心点から200mm以内の箇所に配置されることが好ましい。ニップ部Nの中心点から200mm以内の箇所に捕集部材90cを配置すると、トナー由来の揮発成分を含む気流が気体状態のまま捕集部材90cに到達するため、揮発成分の捕集効率が向上する。
本実施の形態において、捕集部材90cは金属製であることが好ましく、具体的な材質として、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス合金、チタン、チタン合金、鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、純鉄および鉄鋼が挙げられる。
本実施の形態において、捕集部材90cのピッチ、つまり螺旋形状に巻き付けられた捕集部材90cの巻き付け間隔は5mm以上30mm以下であることが好ましい。捕集部材90cのピッチが5mm未満であると、気流が十分に流通せず、トナー由来の揮発成分の捕集効果が十分に発揮されない懸念がある一方、捕集部材90cのピッチが30mmを超えると、捕集部材90cに対する揮発成分の接触機会が低減し、捕集効果が十分に発揮されない懸念がある。
本実施の形態において、トナーが、少なくとも離型剤を含む場合、捕集部材90cの表面温度が、該離型剤の融点またはガラス転移温度以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましい。捕集部材90cの表面温度が離型剤の融点またはガラス転移温度を超えると、トナー由来の揮発成分のうち、離型剤成分が捕集されずに外部に排気される懸念がある。
本実施の形態において、捕集部材90cの表面温度が、定着部材60Cの定着温度以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましい。捕集部材90cの表面温度が定着部材60Cの定着温度を超えると、トナー由来の揮発成分のうち、比較的沸点の高い成分が捕集されずに外部に排気される懸念がある。
なお、定着部材のニップ部およびその近傍から送られる気流との接触面積を増大させるために、例えば、捕集部材90cの表面を蛇腹形状とすることも好適である。
[画像形成装置]
図6には、本実施の形態における定着装置が適用される画像形成装置の概略構成が示されている。ここでは、一般にタンデム型と呼ぶ中間転写方式の画像形成装置を例に挙げて説明する。
図6に示す画像形成装置100は、潜像形成手段および現像手段からなる像形成部の一例として、電子写真方式により各色成分のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kを備える。次に、画像形成装置100は、転写手段の一例として、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成する各色成分トナー像を中間転写ベルト(像保持体)15に順次転写(一次転写)する一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写した重畳トナー画像を記録媒体P(記録材)である用紙に一括転写(二次転写)する二次転写部20とを備える。さらに、画像形成装置100は、定着手段の一例として、二次転写された画像を記録媒体P上に定着する、上述した定着装置60を備える。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を備える。
図6に示すように、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11と、感光体ドラム11を帯電する帯電器12と、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13と、各色成分トナーを収容し感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14とを有する。また、感光体ドラム11上に形成する各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16と、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17と、を有する。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に略直線状に配置されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールにより、図6に示す矢印B方向に循環駆動する。各種ロールとして、中間転写ベルト15を駆動する駆動ロール31と、中間転写ベルト15を支持する支持ロール32と、中間転写ベルト15に一定の張力を与え蛇行を防止するテンションロール33と、二次転写部20に設けるバックアップロール25と、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けるクリーニングバックアップロール34とを有している。
一次転写部70は、中間転写ベルト15を挟み感光体ドラム11に対向する一次転写ロール16を有する。二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置する二次転写ロール(転写部材)22と、二次転写ロール22の対向電極として中間転写ベルト15の裏面側に配置されたバックアップロール25と、バックアップロール25に二次転写バイアスを印加する給電ロール26とを有する。
二次転写部20の下流側に、中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去する中間転写ベルトクリーナ35を設ける。イエローの画像形成ユニット1Yの上流側に、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42を配設する。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43を配設する。
記録媒体搬送系には、記録媒体収容部50と、記録媒体収容部50中の記録媒体Pを取り出して搬送するピックアップロール51と、記録媒体Pを搬送する搬送ロール52と、記録媒体Pを二次転写部20へと送る搬送シュート53と、二次転写ロール22により二次転写された記録媒体Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55と、記録媒体Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56とを有する。
図6に示す定着装置60として、図3〜図5に示す、定着装置60A,60B,60Cのいずれかを適用することができる。なお、図1〜図5に示す定着装置本体の構成と捕集部材90a,90b,90cとの組み合わせに制限はなく、いかなる組み合わせで用いてもよい。また、捕集部材の形状は、トナー中の揮発成分を好適に冷却し、補修するものであれば図3〜図5に示した捕集部材90a,90b,90cの構成に限らず、例えば、椀またはボウル形状、ダクト形状、フィン形状などとしても良い。
画像形成装置100の基本的な作像プロセスについて説明する。図6に示すような画像形成装置100では、画像読取装置(図示せず)等から出力される画像データに画像処理を施した後、画像データをY、M、C、Kの4色の色材階調データに変換し、レーザ露光器13に出力する。レーザ露光器13は、入力される色材階調データに応じ、例えば、半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの矢印A方向に回転する各感光体ドラム11に照射する。各感光体ドラム11の表面を帯電器12によって帯電した後、レーザ露光器13によって表面を走査露光し、静電潜像を形成する。形成した静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像する。
次に、感光体ドラム11上に形成するトナー像を、一次転写部10において中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写を行う。中間転写ベルト15は矢印B方向に移動してトナー像を二次転写部20に搬送する。記録媒体搬送系は、トナー像を二次転写部20に搬送するタイミングに合わせて、記録媒体収容部50から記録媒体Pを供給する。二次転写部20では、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像を、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれた記録媒体P上に静電転写する。その後、トナー像を静電転写した記録媒体Pを搬送ベルト55により定着装置60まで搬送し、定着装置60は、記録媒体P上の未定着トナー像を熱及び圧力で処理し記録媒体P上に定着する。定着画像を形成した記録媒体Pは、画像形成装置の排出部に設けた排紙載置部に搬送される。
一方、定着装置60による、記録媒体P上の未定着トナー像の加熱により発生した気体状のトナー由来成分は、ここでは図示しない捕集部材により捕集される(図3〜5参照)。捕集部材により捕集されたトナー由来成分の内、融点が室温よりも高い成分は、捕集部材の表面で凝縮し、固体として保持される。一方、沸点は室温よりも高いが融点は室温よりも低い成分は、流動性のある液体として凝縮することがあるため、捕集部材の下部に回収用のパンを予め設け、貯留させる構成を採用しうる。
[静電荷像現像用現像剤]
本発明の実施の形態における定着装置および画像形成装置において適用される静電荷像現像用現像剤(以下、現像剤と略す場合がある)は、少なくとも静電荷像現像用トナー(以下、トナーと略す場合がある)を含む。トナーは、着色トナーであっても透明トナーであってもよく、さらに着色トナーと透明トナーの双方を用いてもよい。また、二成分現像剤の場合、さらに公知の静電荷像現像用キャリアを含む。二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100から30:100程度の範囲であり、3:100から20:100程度の範囲がより好ましい。
トナーは、少なくとも結着樹脂を含む公知のものが使用される。着色トナーは少なくとも着色剤をさらに含む。透明トナーは、着色剤の含有量が0.01質量%以下である白色のトナーをいう。
トナーに用いられる結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体が挙げられる。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィン、ワックス類が挙げられる。この中でも、特にポリエステルを結着樹脂とすることが好ましい。
また、トナーには離型剤を含んでいてもよい。好ましい離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量のポリオレフィン類;加熱により軟化点を示すシリコーン類:オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類、ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の高級脂肪酸と1価又は多価低級アルコールとのエステルワックス類;ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、テトラステアリン酸トリグリセリド等の高級脂肪酸と多価アルコール多量体とからなるエステルワックス類;ソルビタンモノステアレート等のソルビタン高級脂肪酸エステルワックス類;コレステリルステアレート等のコレステロール高級脂肪酸エステルワックス類などを挙げることができる。これらの離型剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂と、着色剤と、離型剤との組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて自由に選択して用いる。
また、流動性付与やクリーニング性向上の目的で、乾燥後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子や無機酸化物粒子、ビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂粒子を流動性助剤やクリーニング助剤として、乾燥状態でせん断をかけて本実施形態に係るトナー表面へ添加し得る。
記録媒体上の未定着トナー像を定着装置のニップ部で熱及び圧力で処理して定着させると、結着樹脂のモノマー成分や離型剤の一部など、一般に定着温度よりも沸点の低いトナー成分が揮発する。これらのトナー由来成分を、捕集部材を配置して捕集し、外気への飛散を抑制する。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
本発明の実施例に用いられた定着用部材は以下の製法にて作製された。
[定着ロール(加熱ロール)]
チューブ内面に接着用プライマーを塗布した外径50mm、長さ340mm、厚さ30μmのフッ素樹脂チューブと金属製の中空芯金コアを成形金型内にセットし、フッ素樹脂チューブとコア間に液状シリコーンゴムを注入(層厚:3mm)後、加熱処理(150℃、2時間)によりシリコーンゴムを加硫させ、ゴム弾性を有した定着ロールを作製した。
[加圧ロール]
チューブ内面に接着用プライマーを塗布した外径50mm、長さ340mm、厚さ30μmのフッ素樹脂チューブと金属製の中空芯金コアを成形金型内にセットし、フッ素樹脂チューブとコア間に液状シリコーンゴムを注入(層厚:2mm)後、加熱処理(150℃、2時間)によりシリコーンゴムを加硫させ、ゴム弾性を有した加圧ロールを作製した。
[加圧ベルト]
外径68mm、長さ340mm、厚さ75μmのポリイミド製エンドレスベルトの表面にプライマーを塗布後、フッ素樹脂ディスパージョン塗料をディップコートにより塗布し、加熱処理(350℃、1時間)によりフッ素樹脂を焼き付けることにより加圧ベルトを作製した。
[捕集部材1]
内部に冷却媒体流路を有する、縦100mm、横50mm、厚さ10mmの板状の捕集部材1を作製した。
[捕集部材2]
内部に冷却媒体流路を有する、内壁面と外壁面との間隔が10mm、外径100mm、長さ50mmの円筒状の捕集部材2を作製した。
[捕集部材3]
内部に冷却媒体流路を有する直径10mmの管を、巻き付け径(外径)100mm、巻き付け間隔10mmとなるように螺旋状に巻き付けたパイプ状の捕集部材3を作製した。
[定着装置1]
図1に示す構成を有する定着装置に適用される定着ロール1として、外径50mm、長さ340mm、厚さ30μmのPFAチューブを上記定着ロールの製法にて加工したものを用いた。また、加圧ロール2として、外径50mm、長さ340mm、厚さ30μmのPFAチューブを上記加圧ロールの製法にて加工したものを用いた。
これらのロール対は、それぞれ内部に800W、700Wのハロゲンランプ(加熱源)1d,2dが設けられており、定着ロールの表面温度は150℃×33kg/mm、200mm/secのスピード、8mmのニップ幅を有する様に設定した。ニップ部の中心点から水平に190mmの位置に捕集部材1を配置し、定着装置1を作製した。
[定着装置2]
捕集部材1に代えて捕集部材2を配置することを除き、定着装置1と同様の構成を有する定着装置2を作製した。
[定着装置3]
捕集部材1に代えて捕集部材3を配置することを除き、定着装置1と同様の構成を有する定着装置3を作製した。
[定着装置4]
ニップ部の中心点から水平に210mmの位置に捕集部材1を配置することを除き、定着装置1と同様の構成を有する定着装置4を作製した。
[定着装置5]
ニップ部の中心点から水平に150mmの位置に捕集部材1を配置することを除き、定着装置1と同様の構成を有する定着装置5を作製した。
[定着装置6]
図2に示す構成を有する定着装置に適用される加熱ロール1として、外径50mm、長さ340mm、厚さ30μmのPFAチューブを上記加熱ロールの製法にて加工したものを用いた。また、加圧ロール2として、外径50mm、長さ340mm、厚さ30μmのPFAチューブを上記加圧ロールの製法にて加工したものを用いた。また、加圧ベルト3として、外径68mm、長さ340mm、厚さ75μmのポリイミド製エンドレスベルトを上記加圧ベルトの製法にて加工したものを用いた。
これらのロール/ベルトは、ロール内部に1200W、のハロゲンランプ(加熱源)1d,2dが設けられており、加熱ロールの表面温度は160℃×33kg/mm、220mm/secのスピード、9mmのニップ幅を有する様に設定した。ニップ部の中心点から水平に190mmの位置に捕集部材1を配置し、定着装置6を作製した。
[トナー1]
富士ゼロックス社製オイルレス用カラートナー(シアン色)を使用した。なお、当該トナー中に含まれる、定着処理において揮発する成分として、ポリスチレン(ガラス転移温度Tg=100℃、融点=150℃)、低分子量ポリプロピレン(ガラス転移温度130℃、融点=170℃)が想定される。
[トナー2]
富士ゼロックス社製オイルレス用試作カラートナー(イエロー色)を使用した。なお、当該トナー中に含まれる、定着処理において揮発する成分として、スチレンブタジエン(ガラス転移温度Tg=90℃、融点=155℃)、低分子量ポリエチレン(ガラス転移温度110℃、融点=150℃)が想定される。
[トナー3]
富士ゼロックス社製オイルレス用試作カラートナー(マゼンタ色)を使用した。なお、当該トナー中に含まれる、定着処理において揮発する成分として、ポリエステル(ガラス転移温度Tg=80℃、融点=120℃)、カルナウバロウ(ガラス転移温度Tg=90℃、融点=140℃)が想定される。
[トナー4]
富士ゼロックス社製オイルレス用試作カラートナー(シアン色)を使用した。なお、当該トナー中に含まれる、定着処理において揮発する成分として、スチレンアクリル(ガラス転移温度Tg=65℃、融点=100℃)、パラフィン(ガラス転移温度Tg=70℃、融点=105℃)が想定される。
[実施例1]
トナー1を用いて、富士ゼロックス社製J紙上に形成された未定着トナー像を、定着装置1の加熱ロールと加圧ロールによって形成されるニップ部に導入して通過させ、熱および圧力によって定着させる連続定着テストを実施した。捕集用フィルターで捕集されるトータルの超微粒子発生量(トータル発生重量)と、本実施の形態の捕集部材によって捕集される超微粒子の捕集重量とを測定するとともに、捕集効率を算出した。定着温度および定着圧力、捕集部材の表面温度などの諸条件とともに表1に示す。(なお、その際の未定着トナー像のトナー密度は1.2mg/cmであった。)
<トータル発生重量>
ニップ部の中心点から水平に150mmの位置に捕集用フィルター(目開き0.01μm)を設置し、連続定着テスト前後の重量変化を測定した。
<捕集重量>
捕集用フィルターの代わりに捕集部材1を取り付けた定着装置1において、トータル発生重量の測定と同条件で連続定着テストを実施し、前後の重量変化を測定した。
[実施例2]
定着装置1に代えて定着装置2を用いたことを除き、実施例1と同様に連続定着テストを実施し、トータル発生重量、捕集重量を測定し、捕集効率を算出した。結果を表1に示す。
[実施例3]
定着装置1に代えて定着装置3を用いたことを除き、実施例1と同様に連続定着テストを実施し、トータル発生重量、捕集重量を測定し、捕集効率を算出した。結果を表1に示す。
[比較例1]
定着装置1に代えて定着装置4を用いたことを除き、実施例1と同様に連続定着テストを実施し、トータル発生重量、捕集重量を測定し、捕集効率を算出した。結果を表1に示す。
[実施例4]
定着装置1に代えて定着装置5を用いたことを除き、実施例1と同様に連続定着テストを実施し、トータル発生重量、捕集重量を測定し、捕集効率を算出した。結果を表1に示す。
[実施例5]
捕集部材2の表面温度を変更したことを除き、実施例2と同様に連続定着テストを実施し、トータル発生重量、捕集重量を測定し、捕集効率を算出した。結果を表1に示す。
[実施例6]
トナー1をトナー2に変更したことを除き、実施例1と同様に連続定着テストを実施し、トータル発生重量、捕集重量を測定し、捕集効率を算出した。結果を表1に示す。
[実施例7]
トナー1をトナー3に変更したことを除き、実施例1と同様に連続定着テストを実施し、トータル発生重量、捕集重量を測定し、捕集効率を算出した。結果を表1に示す。
[実施例8]
トナー1をトナー4に変更したことを除き、実施例1と同様に連続定着テストを実施し、トータル発生重量、捕集重量を測定し、捕集効率を算出した。結果を表1に示す。
[実施例9]
定着装置1を定着装置6に変更したことを除き、実施例1と同様に連続定着テストを実施し、トータル発生重量、捕集重量を測定し、捕集効率を算出した。結果を表1に示す。
60A,60B,60C 定着装置、90a,90b,90c 捕集部材、92 冷媒流通管、94 循環ポンプ、96 排気ファン、901 冷媒流路、902 ニップ部側表面、903 内壁面、904 外壁面、905 入口側端面、906 出口側端面。

Claims (2)

  1. 記録媒体上のトナーを加熱して定着する定着部材と、
    前記定着部材に対向されて配置され、該記録媒体を前記定着部材に加圧する加圧部材と、
    前記定着部材により加熱されたトナーの揮発成分を捕集する金属製かつ板状の面を有する捕集部材と、を有し、前記捕集部材の前記揮発成分を捕集する側の前記面が前記トナーの揮発成分を含む気流の進行方向を前記捕集部材への衝突後に特定方向に導くための形状を有し、
    前記定着部材と前記加圧部材との間に形成されるニップ部を通過した直後における前記記録媒体の搬送方向の延長線上に前記捕集部材が設けられていることを特徴とする定着装置。
  2. 像保持体と、
    該像保持体表面を帯電させる帯電手段と、
    前記像保持体表面に潜像を形成させる潜像形成手段と、
    形成された前記潜像をトナー像として現像する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写させる転写手段と、
    前記トナー像を記録媒体に定着させる請求項1に記載の定着装置と、
    を有する画像形成装置。
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