JP6358914B2 - 薄膜の形成方法、多孔性薄膜及び光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、製作が容易かつ低コストであり、蒸着されたものが亀裂、剥離、破壊等しづらく、充填率を自由に制御し、特に非常に低い屈折率のものを製造できる薄膜の形成方法、この方法により製造された多孔性薄膜及び光学素子に関し、反射防止膜、反射鏡、偏光子、フィルター等の光学素子の製作を容易にし、かつこれらを安定に使えるようにするだけでなく、赤外波長域から深紫外波長域までで使用するカメラ、ディスプレイ、レーザー、天体望遠鏡などで使用する光学素子の製作に好適なものである。
反射防止膜、高反射膜、偏光膜、フィルター等で採用される光学薄膜を形成するには、一般に真空蒸着法や化学的処理法が使われている。
真空蒸着法による反射防止膜としては、蒸着用の基板の屈折率より低い蒸着物質を指定された入射光の波長λの1/4の膜厚で蒸着用の基板面上に蒸着し形成する単層膜、或いは低屈折率と高屈折率の蒸着物質を2層以上積層して形成する多層膜によるものが存在する。また、高反射膜、偏光膜、フィルターなどは真空蒸着法により、蒸着用の基板面上に低屈折率と高屈折率の蒸着物質を多層に積層して製作することが知られている。
光学薄膜で使用する殆どの蒸着物質は高融点であるので、蒸着時における基板の温度は、それらの蒸着物質の融点の1/2以下である。そのため、光学薄膜の構造は殆どの場合、基板との境界面に対して垂直方向に沿って成長した柱状構造の柱状粒となる。大まかに言ってこの柱状粒は直径数十nmの円柱形状であり、光学薄膜の断面に沿った細い孔の形状の隙間が、この柱状粒の粒界間に存在する。細い孔を形作る柱状粒の界面の面積は大きく、これによって光学薄膜は周囲の雰囲気に晒されるため、多層膜で形成した光学薄膜の光学的特性は周囲の雰囲気に大きな影響を受けるようになる。
光学薄膜の充填率をpとすれば、下記(1)式により充填率pを定義できる。
p=V1/V2・・・(1)式
ここで、V1は光学薄膜の実質部分の体積(柱状粒の体積)を示し、V2は光学薄膜の全体積(柱状粒と隙間を併せた体積)を示す。この様に定義すると、光学薄膜での充填率pの値は、通常0.7〜1.0の範囲であり、0.8〜0.95が最も多く、1になることは非常に少ない。
したがって、充填率pが1より小さいので、光学薄膜の屈折率は光学薄膜の実質部分の屈折率よりも小さくなる。光学薄膜の屈折率nfは下記(2)式で表すことができる。
f=pns+(1−p)nv ・・・(2)式
ここで、nsは光学薄膜の実質部分の屈折率、nvは隙間の屈折率である。
(1)式から、光学薄膜中の隙間を大きくすれば、充填率pを小さくすることができるので、光学薄膜の屈折率nfを下げることが可能となる。そして、1980年代になると、この充填率を50%程度まで大幅に下げて単層膜で反射防止膜を製作する研究が盛んに行われるようになった。
他方、化学的処理法では、米国ローレンス・リバモア国立研究所のミラム(Milam)らが、ゾルゲル法によって石英基板面上に反射率0.1 〜0.3%の多孔性シリカ薄膜を形成した。この多孔性シリカ薄膜の詳細は、下記非特許文献1に開示されている。また、同研究所のトーマス(Thomas)は、ゾルゲル法によって石英ガラスおよびCaF2基板上にフッ化物であるMgF2やCaF2の多孔性薄膜を形成した。この多孔性MgF2薄膜および多孔性CaF2薄膜の詳細は、下記非特許文献2に開示されている。
この一方、真空蒸着法と化学的処理法とを併用した方法として、本願発明者によって提案された方法がある。これは、水溶性と非水溶性の蒸着物質を二元同時真空蒸着法で蒸着して混合薄膜を形成した後、この混合薄膜中の水溶性物質を純水で溶解除去して、基板上に非水溶性物質による多孔性薄膜を形成するようにしている。かかる多孔性薄膜の形成方法の詳細は、下記特許文献1に開示されている。
また、株式会社ニコンの北本達也は、基板上に二酸化ケイ素とフッ化物からなる混合薄膜を形成した後、フッ化水素ガスまたはフッ素ガスにて二酸化ケイ素のみを除去してフッ化物の多孔性薄膜を形成している。このフッ化物薄膜の製造方法は、下記特許文献2に開示されている。
特許3905035号公報 特開2001−11602号公報
D.Milam et al.,CLEO’84 Technical Digest, THB 2 (1984) Ian M. Thomas,Appl. Opt.,Vol.27,No.16, 3356―3358頁(1988)
しかし、上記した従来の薄膜の形成方法では以下に述べるような各種の問題点があった。
従来の真空蒸着法による光学薄膜は、蒸着物質によって屈折率が決まっているので、特性の優れた反射防止膜、高反射膜、偏光膜、フイルターなどの製作が非常に困難であった。さらに、基板と蒸着物質の熱膨張係数の違いにより、形成された光学薄膜に内部的な応力を生じ、これによって光学薄膜に亀裂が生じたり、光学薄膜が剥離したりする問題点があった。
そして、この真空蒸着法では、基板表面と蒸着した光学薄膜との境界部に局所的な吸収層が形成されるものの、この吸収層は高密度の光学薄膜に被覆されているため、超音波による洗浄やレーザー光照射によるレーザークリーニングで除去できず、そのまま残留している。この結果として、この光学薄膜に高出力レーザー光を照射した場合、高出力レーザー光の照射によってこの吸収層がプラズマ化して光学薄膜を破壊してしまうおそれがあった。
また、非常に広帯域の反射防止膜の製造には、高屈折率と低屈折率の2種類の蒸着物質を5〜9層程度積層する方法か、または膜厚がλ/4の単層膜の1/100〜1/300の厚さの2種類の物質を100〜300層積層する方法が用いられているが、これらの方法は製造コストが高価で実用的でない。
次に、ミラムらによるゾルゲル法で形成された多孔性シリカ薄膜およびトーマスによるゾルゲル法で形成された多孔性MgF2薄膜や多孔性CaF2薄膜などは、所定の波長での反射率が0.5%以下であり、レーザー耐力も真空蒸着法による薄膜の2倍以上の耐力を有するが、表面が機械的に弱い。つまり、ゾルゲル法では、基板表面にコロイド粒子がファンデル・ワールス力で付着して多孔性薄膜を形成しているので、機械的な外力を加えると容易に剥離する。
本願発明者の提案による真空蒸着法と化学処理法とを併用して混合薄膜を形成してから多孔性薄膜を形成する方法は、純水で処理して多孔性にするので、この方法では真空中において多層膜を形成するのは極めて困難である。また、この方法は、薄膜の充填率を50%程度まで大幅に下げることはできたが、充填率を自由に制御し、必要とされる充填率を達成することはできない。
前述の北本達也によるガスにより二酸化ケイ素を除去することによってフッ化物の多孔性薄膜を形成方法は、フッ化物の薄膜のみしか製造できず、二酸化ケイ素を完全に除去するのに長時間を要するので多層膜の形成には難点がある。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、製作が容易かつ低コストであり、蒸着されたものが亀裂、剥離、破壊等しづらく、充填率を自由に制御し、特に非常に低い屈折率のものを製造できる薄膜の形成方法、この方法により製造された多孔性薄膜及び光学素子を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1の薄膜の形成方法は、薄膜形成物質とプラスチックとからなる混合薄膜を基板面上に蒸着し、前記混合薄膜よりプラスチックのみを選択的に除去し、密度の低い多孔性薄膜を形成することを特徴とする。この際、請求項2によれば、前記除去が、150〜350℃の温度で混合薄膜を加熱するドライプロセスにて行われることを特徴とする。また、薄膜形成物質としては、酸化物、フッ化物、半導体、金属のうちの何れかの物質とされる。
これらのことから、屈折率を任意に制御した単層の多孔性薄膜を低コストで製作することができる。これにより、必要とされる任意の屈折率を得ることができ、また、多孔性薄膜の表面はオーバーコートをすることによって傷つきにくい硬度にすることもできる。さらに、薄膜を多孔性構造の多孔性薄膜としたため、内部に発生する応力が1/5〜1/10程度に減少し、従来の薄膜で問題となっている薄膜の微細なクラック(クレージング)、或いは剥離などの問題が解決し、レーザー耐力も2倍程度の高さになった。これに伴い、光学薄膜である多孔性薄膜を蒸着した光学機器用光学素子や高出力レーザーを含むレーザー用の光学素子などの性能・特性を大幅に向上させることができる。
請求項2のようにドライプロセスを採用すれば、大量の純水を用いることなく真空中で多層膜を形成することができ、廃液処理の問題も生じない。請求項3のようにドライプロセス後、酸素プラズマでプラスチックを除去すれば、薄膜に影響を与えることなく、加熱処理において除去しきれなかったプラスチックを酸化除去することが可能となる。請求項4のように混合薄膜の蒸着を二元同時真空蒸着法により行うようにすれば、低屈折率蒸着物質である酸化物、フッ化物、半導体、金属を蒸着物質として選択することで、より屈折率の低い多孔性薄膜を得ることが可能となる。
請求項5のように、薄膜形成物質とプラスチックとの混合比を変えることにより、薄膜形成物質の充填率を操作し、任意の屈折率を有する薄膜を得ることができる。請求項6のように混合比を膜厚方向に変化させることで、混合薄膜の膜厚方向の密度分布を変えて屈折率の変化を生じさせれば、低屈折率蒸着物質である酸化物、フッ化物、半導体、金属の種類を変更することによって異なる屈折率勾配をもつ光学薄膜を再現性良く製作でき、これにより従来の真空蒸着法では製作できなかった紫外から赤外波長域までの広帯域にわたって小さな反射をする多孔性薄膜を製作することができる。
請求項8のように薄膜形成物質とプラスチックとが基板面上に蒸着され、この後にプラスチックのみが選択的に除去されて多孔質とされるようにすれば、低屈折率で高いレーザー耐力等の優れた性質を有しつつ、薄膜の亀裂及び剥離が防止される。このため、例えば、紫外域から可視域、特に赤外域での高出力レーザーを含むレーザーシステム用の光学素子、天文観測用の光学素子や光学機器用の光学素子として有効に利用できる。請求項9のように酸化物、フッ化物、半導体、金属のうちの何れかの物質による層を複数含むようにすれば、多孔性薄膜の層と既存の高屈折率蒸着物質による層を交互に重ねる多層膜とすることで、高反射ミラー、偏光子、バンドパスフイルターなどの光学素子に有効に利用することができる。
上記請求項1の薄膜の形成方法において、前記基板が、石英ガラス、硼珪クラウンガラス、リン酸塩ガラスを含む光学ガラス、蛍石、水晶、サファイヤの結晶、YAG、Al23のレーザー用結晶、セラミックス、半導体、プラスチック、金属のいずれかよりなることを特徴とする。
上記請求項1の薄膜の形成方法において、酸化物として、SiO2、Al23、CeO2、HfO2、Ta25、ThO2、TiO2、ZrO2、Sc23、Y23、La23、Nd23のいずれかが用いられ、フッ化として、MgF2、AlF3、BaF2、CaF2、GdF3、Na5Al314、Na3AlF6、PbF2、LaF3、LiF、NdF3、NaF、YbF3、YF3のいずれかが用いられ、半導体として、Ge、Siのいずれかが用いられ、金属として、Al、Ag、Au、Pt、W、Moのいずれかが用いられることを特徴とする。
上記請求項1の薄膜の形成方法において、前記プラスチックとして、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、テフロン(登録商標)のいずれかが用いられることを特徴とする。
以上に説明したように、本発明によれば以下のような効果を奏することができる。
(1)酸化物、フッ化物、半導体、金属のうちの何れかの物質とプラスチックとの二元同時真空蒸着法で製作した混合薄膜から、加熱或いは加熱と酸素プラズマとによって、プラスチックを選択的に除去して多孔性薄膜を形成する方法を用いた。このことにより屈折率勾配を持つ多孔性薄膜を容易に形成でき、これによって従来の真空蒸着法では製作できなかった小さな屈折率を持つ薄膜が得られるようになった。
(2)本発明によれば、低屈折率蒸着物質である酸化物、及びフッ化物の種類を変えることによって、異なる屈折率勾配をもつ光学薄膜である多孔性薄膜を再現性良く製作できるようにもなった。これにより従来の真空蒸着法では製作できなかった紫外波長域から赤外波長域までの広帯域にわたって小さな反射をする光学薄膜を製作可能になった。
(3)本発明の多孔性薄膜は、屈折率勾配を持ち、既存の低屈折率蒸着物質よりも屈折率が非常に小さいので、この多孔性薄膜と既存の高屈折率蒸着物質との交互層で高反射ミラー、偏光子、バンドパスフイルターなどを製作した場合、薄膜の層数を30%程度減らすことができる。
(4)光学薄膜を製作した際に膜内に発生する応力を、既存の蒸着物質で薄膜を製作した場合に比べて、本発明の多孔性薄膜は約1/10以下にすることができるので、膜厚の厚い赤外波長域においても問題なく使用できる。
(5)強力なレーザー光による光学薄膜の損傷に関しては、光学薄膜内の吸収物質がレーザー光を吸収して光学薄膜内に急激な温度上昇を生じるのに伴い、圧力上昇して損傷が発生するが、本発明の多孔性薄膜では内部に存在する孔により圧力上昇を防止でき、レーザー損傷閾値を高くすることができる。
本実施の形態に係る蒸着用基板上に混合薄膜を蒸着した状態の説明図であって、(A)は各層の厚さと屈折率の関係を示すグラフであり、(B)は各層の構成を示す断面図である。 本実施の形態に係る混合薄膜を多孔性薄膜にした状態の説明図であって、(A)は各層の厚さと屈折率の関係を示すグラフであり、(B)は各層の構成を示す断面図である。 分光光度計により測定した結果とされる多孔性のMgF2薄膜の透過率と石英ガラスの透過率との比較を波長との関係で表したグラフを示す図である。 5層構造の反射鏡の反射率の特性曲線を波長との関係で表したグラフを示す図である。 5層構造の反射鏡の反射率の計算値と実験値の比較を波長との関係で表したグラフを示す図である。
以下、本発明に係る薄膜の形成方法、多孔性薄膜及び光学素子の実施の形態を各図面に基づき、詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る蒸着用基板上に混合薄膜を蒸着した状態の説明図である。図1(A)は各層の厚さと屈折率の関係を示すグラフであり、図1(B)は各層の構成を示す断面図である。
光学素子に用いられる蒸着用基板1の面上に、酸化物、フッ化物、半導体、金属とされる4種類のうちの何れかの物質とプラスチックとからなる2種類の物質を同時に、この蒸着用基板1の表面までプラスチックが浸入するように蒸着することで、図1(B)に示す混合薄膜2を形成する。ここに、3は空気層であり、この空気層3の屈折率は1.0とされ、nsは蒸着用基板1の屈折率であり、n1は酸化物、フッ化物、半導体、金属の何れかの物質の屈折率である。
これら2種類の物質を同時に蒸着する際に、酸化物、フッ化物、半導体、金属のうちの何れかの物質とプラスチックとの混合比を変えて、蒸着用基板1上に蒸着された蒸着物質の状態を変化させることができる。
上記蒸着物質として、シリカ(SiO2)などの酸化物、フッ化マグネシウム(MgF2)などのフッ化物、Geなどの半導体、Auなどの金属の内の何れかの物質が採用され、また、ポリエチレンなどのプラスチックが採用される。
ただし、これ以外でも同様に機能するものであれば良く、酸化物として、例えばAl23、CeO2、HfO2、Ta25、ThO2、TiO2、ZrO2、Sc23、Y23、La23、Nd23のいずれかを用いることができる。また、フッ化物として、例えばAlF3、BaF2、CaF2、GdF3、Na5Al314、Na3AlF6、PbF2、LaF3、LiF、NdF3、NaF、YbF3、YF3のいずれかを用いることができる。半導体として、例えばSiを用いることができる。金属として、例えばAl、Ag、Pt、W、Moのいずれかを用いることができる。なお、これら酸化物、フッ化物、半導体、金属が、本発明における薄膜形成物質とされている。また、プラスチックとして、例えばアクリル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、テフロン(登録商標)のいずれかを用いることができる。
蒸着用基板1として、主に石英ガラス、硼珪クラウンガラス(BK−7)、リン酸塩ガラスなどを含む各種の光学ガラス、蛍石(CaF2)、水晶(SiO2)、サファイヤ(Al23)などの結晶、YAGやAl23などのレーザー用結晶、セラミックス、半導体、プラスチック、金属などの基板を使用する。
また、混合薄膜2を形成するには、真空蒸着法、スパッタリング蒸着法、イオンプレーティング法、化学的蒸着法等の各種蒸着法、及びそれらの組み合わせによる方法を用いることができる。ここでプラスチックは、酸化物、フッ化物、半導体、金属等の蒸着物質の奥深くまで到達できるように蒸着装置及び蒸着方法に工夫することを注意すべきである。
次に、上記の蒸着法で蒸着された混合薄膜2を150〜350℃の温度で加熱するドライプロセスにてプラスチックを除去し、図2で示すように蒸着用基板1上に、酸化物、フッ化物、半導体、金属のうちの何れかの物質の多孔性薄膜4を形成するか、或いは加熱によるドライプロセスの後、酸素プラズマで混合薄膜2からプラスチックを除去して、多孔性薄膜4を形成する。
つまり、図1で示す混合薄膜2が図2で示す多孔性薄膜4となるが、混合薄膜2中のプラスチックが例えば上記したアクリルやポリエチレンなどの場合、真空中において約300℃の温度で加熱することによって、これらのプラスチックを容易に除去できる。これにより、残余の蒸着物質である例えばSiO2やMgF2などにより、蒸着用基板1上に図2(A)で示す屈折率勾配を有する薄膜である多孔性薄膜4が形成される。
具体的には、蒸着用基板1上に蒸着された蒸着物質の状態を変化させることで、所定の屈折率を有する多孔性薄膜4を容易に得ることができる。このため、屈折率制御をすべく混合薄膜2におけるプラスチックと他の蒸着物質との混合比を変えることで、このようにして形成されて屈折率勾配をもつ多孔性薄膜4における空気層3側寄りの屈折率npの値及びこの屈折率勾配を自由に変えられる。このように屈折率制御された多孔性薄膜4における光学的膜厚は、多孔性薄膜4の各部分の屈折率と膜厚との積で与えられ、この光学的膜厚は指定された入射光の波長λの1/4、すなわちλ/4に設定されている。
例えば、多孔性薄膜4の屈折率を蒸着用基板1の屈折率より小さくすると、λ/4の奇数倍の光学的膜厚では指定された入射光に対して反射率が最小となる反射防止膜になる。このことで、深紫外域〜赤外域の波長の光に対して使用できる広帯域の反射防止膜が得られる。
さらに、上記した屈折率勾配を有する多孔性薄膜4は、従来技術の真空蒸着法で形成した薄膜に比べて反射率を大きく減らすことができる。因みに本実施の形態で形成された多孔性薄膜4の反射率は、以下に示す式で記述できる。まず、図1に示す蒸着用基板1上に混合薄膜2がλ/4の膜厚で蒸着されていた場合、垂直入射における反射率R1は、次の(3)式により与えられる。
Figure 0006358914
また、蒸着物質とされる混合薄膜2を加熱して図2に示す多孔性薄膜4にしたときには屈折率勾配を有するが、この場合、垂直入射における反射率Rpは、次の(4)式により与えられる。尚、λは入射光の波長であり、dpは多孔性薄膜4の厚さであり、θは下記(5)式による。
Figure 0006358914
次に、本発明に係る薄膜の形成方法を具体的に説明する。
直径40mmの石英ガラス基板とされる蒸着用基板1を200℃に加熱しつつ、2台の電子銃を用いた二元同時真空蒸着法によりアクリルとMgF2とからなる混合薄膜2をこの蒸着用基板1上に蒸着することで形成した。アクリルとMgF2の混合割合として、初めは1:3程度であるが最後は2:1となるように調整し、膜厚96nmの混合薄膜2を製作した。
具体的には、初めはアクリルが少なめであると共にMgF2が多めであるが、これらの量を単位時間当たり均一に変化させて、最後はアクリルの量を2に対してMgF2の量が1になるように配合量を変化させた。このことで混合薄膜2の表面側では、底面側に対してアクリルの量が多くされていることになる。
次に、こうして製作した混合薄膜2を300℃の温度で10分間加熱することによって、アクリルを混合薄膜2から選択的に除去し、多孔性のMgF2薄膜であって直線的に変化する屈折率勾配を有する多孔性薄膜4を得た。
石英ガラス基板の片面に多孔性のMgF2薄膜を多孔性薄膜4として形成した場合の透過率を特性曲線Aで表し、薄膜を形成していない石英ガラス単体の透過率を特性曲線Bで表し、これらを比較しつつ図3に示している。つまり、図3の特性曲線Bで表す石英ガラスの透過率が最大で94パーセント程度であるのに対して、特性曲線Aで表す多孔性薄膜4の透過率は500〜700nm程度の波長範囲で96パーセントを超えていて、多孔性薄膜4の透過率が明らかに高いことが理解できる。
これとは別に、従来の真空蒸着法による均質なMgF2による単層薄膜の屈折率は1.38程度であり、この場合、蒸着用基板1に石英ガラスを使用すると1.8%の反射率となる。また、片面当りの石英ガラスの反射率は3.7%であるのに対して、上記のようにして得られた多孔性のMgF2薄膜による多孔性薄膜4では、反射率を0.2%まで小さくできた。
内部に発生する応力については、プラスチックとMgF2とから成る混合薄膜2の場合は495kgf/cm2の引っ張り応力に対し、加熱をしてプラスチックを除去した多孔性のMgF2薄膜の場合は50kgf/cm2の引っ張り応力となり、約1/10の応力となった。したがって、従来の薄膜で問題となっている薄膜の微細なクラック(クレージング)、或いは剥離などの問題が解決し、レーザー耐力も2倍程度の高さになった。
レーザー耐力に関しては、YAGレーザーの4倍高調波である波長266nmでパルス幅5nsに対して、真空蒸着法による均質なMgF2薄膜では5.9J/cm2となるが、多孔性のMgF2薄膜は7.2J/cm2となり、1.2倍も高くなった。また、機械的な強度については、膜厚が約50ÅのMgF2をオーバーコートすることによってMgF2の蒸着膜とほぼ同じ値になった。
次に、本発明に係る薄膜の形成方法を用いて5層構造の反射鏡を製作した場合について説明する。
高屈折率蒸着物質にAl23薄膜を用い低屈折率蒸着物質にMgF2薄膜を用いた5層構造の反射鏡を図4の特性曲線Dで表す。また、高屈折率蒸着物質にAl23薄膜を用い低屈折率蒸着物質に多孔性のMgF2薄膜を用いた5層構造の反射鏡を図4の特性曲線Cで表す。
このようにそれぞれ5層構造の反射鏡を製作した場合の反射率の計算値の波長に沿った変化を図4のグラフに示す。図4のグラフよりYAGレーザーの3倍高調波である355nmの波長において、前者のMgF2薄膜を用いた場合は特性曲線Dより22%の反射率に対して、後者の多孔性のMgF2薄膜を用いた場合は特性曲線Cより32%の反射率となった。このことから、本発明の実施形態の多孔性薄膜である多孔性のMgF2薄膜を用いた場合が約1.5倍の高反射率となることが理解できる。
図5では、高屈折率蒸着物質にAl23薄膜を用い、低屈折率蒸着物質に多孔性のMgF2薄膜を用いて、5層構造の反射鏡を製作した場合の計算値と実験値の比較を示す。この5層構造の反射鏡は、YAGレーザーの3倍高調波である波長が355nm用であるが、特性曲線Eで表す計算値と特性曲線Fで表す実験値とは殆んど同じ値となった。この結果から、低屈折率蒸着物質に多孔性薄膜4を用いた場合でも、従来の薄膜の計算法により多層膜の特性は予測できることが証明された。
以上より、本発明は、赤外波長域から深紫外波長域である190nmから10,600nmまでの波長範囲で用いられる光学薄膜の充填率を制御することによって、必要とされる任意の屈折率を得ることができ、これに伴い、これらの波長範囲の光学系機器に最適なものが製造できる。また、多孔性薄膜の表面に必要に応じてMgF2をオーバーコートをすることによって、多孔性薄膜を傷つきにくい硬度にすることもできる。
したがって、本発明は、薄膜の屈折制御による多孔性薄膜の製作に関するものであるが、本発明により、光学薄膜を蒸着した光学機器用の光学素子や高出力レーザーを含むレーザー用の光学素子などの性能・特性を大幅に向上させることができる。
以上、本発明に係る実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明に係る薄膜の形成方法で得られた多孔性薄膜は、紫外域から可視域はもちろんのこと、特に赤外域での高出力レーザーを含むレーザーシステム用の光学素子、天文観測用の光学素子や光学機器用の光学素子、例えばデジタルカメラ、ビデオカメラ、液晶プロジェクター、絵画、ディスプレイ用の保護ガラスなどに最適である。
1 蒸着用基板(基板)
2 混合薄膜
3 空気層
4 多孔性薄膜
s 蒸着用基板の屈折率
1 酸化物、フッ化物、半導体、金属の何れかの物質の屈折率
p 多孔性薄膜の空気層側寄りの屈折率

Claims (12)

  1. 薄膜形成物質とプラスチックとからなる混合薄膜を基板面上に蒸着し、
    前記混合薄膜よりプラスチックのみを選択的に除去し、密度の低い多孔性薄膜を形成する際に、
    前記薄膜形成物質とプラスチックとの混合比を膜厚方向に変化させることで、膜厚方向の密度分布を変えて屈折率の変化を生じさせた前記多孔性薄膜とすることを特徴とする薄膜の形成方法。
  2. 前記除去が、150〜350℃の温度で混合薄膜を加熱するドライプロセスにて行われることを特徴とする請求項1記載の薄膜の形成方法。
  3. 前記除去が、混合薄膜の加熱によるドライプロセスで行われた後、酸素プラズマでプラスチックを除去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜の形成方法。
  4. 前記薄膜形成物質が、酸化物、フッ化物、半導体、金属のうちの何れかの物質とされ、
    前記混合薄膜の蒸着が、酸化物、フッ化物、半導体、金属のうちの何れかの物質とプラスチックとの二元同時真空蒸着法により行われることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の薄膜の形成方法。
  5. 前記薄膜形成物質が、酸化物、フッ化物、半導体、金属のうちの何れかの物質とされ、
    酸化物、フッ化物、半導体、金属のうちの何れかの物質とプラスチックとの混合比を順次変化することにより、前記混合薄膜の屈折率を制御することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の薄膜の形成方法。
  6. 前記基板が、石英ガラス、硼珪クラウンガラス、リン酸塩ガラスを含む光学ガラス、蛍石、水晶、サファイヤの結晶、YAG、Al23のレーザー用結晶、セラミックス、半導体、プラスチック、金属のいずれかよりなることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の薄膜の形成方法。
  7. 薄膜形成物質とプラスチックとが基板面上に蒸着され、この後にプラスチックのみが選択的に除去されて多孔質とされた多孔性薄膜であって、
    前記薄膜形成物質とプラスチックとの混合比を膜厚方向に変化させることで、膜厚方向の密度分布を変えて屈折率が変化していることを特徴とする多孔性薄膜。
  8. 前記薄膜形成物質が、酸化物、フッ化物、半導体、金属のうちの何れかの物質とされ、
    酸化物、フッ化物、半導体、金属のうちの何れかの物質による層を複数含むことを特徴とする請求項7記載の多孔性薄膜。
  9. 190nmから10,600nmまでの波長範囲の光学系機器で用いられることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の多孔性薄膜。
  10. 酸化物、フッ化物、半導体、金属のうちの何れかの物質とプラスチックとが基板面上に蒸着され、この後にプラスチックのみが選択的に除去されて多孔質とされた多孔性薄膜を含むことを特徴とする光学素子。
  11. 酸化物として、SiO2、Al23、CeO2、HfO2、Ta25、ThO2、TiO2、ZrO2、Sc23、Y23、La23、Nd23のいずれかが用いられ、フッ化として、MgF2、AlF3、BaF2、CaF2、GdF3、Na5Al314、Na3AlF6、PbF2、LaF3、LiF、NdF3、NaF、YbF3、YF3のいずれかが用いられ、半導体として、Ge、Siのいずれかが用いられ、金属として、Al、Ag、Au、Pt、W、Moのいずれかが用いられることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項記載の薄膜の形成方法。
  12. プラスチックとして、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、テフロン(登録商標)のいずれかが用いられることを特徴とする請求項1記載の薄膜の形成方法。
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