JP6356153B2 - 局所可逆性のかかり付き縫合糸 - Google Patents

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Description

本発明は、広義には外科用縫合糸の分野に関するものであり、より具体的にはかかりを有する外科用縫合糸に関するものである。
縫合糸は、創傷及び切開痕を閉鎖するために、また損傷又は切断した筋肉、血管、及び組織を修復するために使用される。通常、縫合糸は一方の末端で針に取り付けられ、針は組織を通じて引き込まれて、組織を互いに保持する1つ以上のループを形成する。縫合糸はその後、組織が互いに引き寄せられて留まるように、1つ以上の結節を用いて結紮される。
皮下組織層と真皮組織層との近置は、切開部の最終的な審美的結末に直接関係している。理想的には、組織の縁部が最小の張力下で整列され、かつ並置されるが、このことは直接、瘢痕形成の程度及び閉鎖の様子に寄与する。
通常の外科用縫合糸は、創傷の閉鎖に非常に有効でかつ信頼性のあるものであるが、特定の種類の医療手技の間に使用するために、更なる縫合糸が開発されてきた。新しい種類の縫合糸であるかかり付き縫合糸は、突出するかかりを有するものであり、このかかりによって縫合糸は、創傷を閉鎖し、組織を接近させ、組織を締め付け、補綴具を取り付ける(すべて結び目を用いることなく)ために使用され得るようになっている。かかり付き縫合糸は、縫合糸に張力を加えることによって、適切な張力調整及び固定を達成する。例えば、米国特許第5,931,855号は、ブラウリフト及びフェースリフトのような美容手技のために用いられるかかり付き縫合糸を開示している。
かかり付き縫合糸は、使用が迅速かつ容易であること、結節に関連する複雑さがないこと、切開部に沿ってあるいは切開部にまたがって張力の分布が一様となること、そして、重大な創傷治癒期間の全体を通じて組織縁部を整列させた状態に維持するための創傷保持強度が適切となることから、皮下組織層及び真皮組織層の閉鎖に役立つ。
既存のかかり付き縫合糸は、抵抗が最小となるようにかかり付き縫合糸が第1の方向に組織を通過することを可能にする一方で、反対の第2の方向における保持強度を最大にする。これらの既存のかかり付き縫合糸は、組織の外傷及び可塑的変形並びにかかり自体の損傷を生じることなく局所可逆性となるようには設計されておらず、かかり自体の損傷によってかかり付き縫合糸は組織を適切に近置することができなくなる。加えて、既存のかかり付き縫合糸の設計は、かかりがモノフィラメント縫合糸に切り込まれるために損傷を受けやすいものであり、モノフィラメント縫合糸は基本的にかかりをモノフィラメントに繋ぎ止めるヒンジを形成する。かかり付き縫合糸の「噛み付き(bite)」が手術中に誤配置された場合、外科医が唯一頼れるのは、誤配置した縫合糸を切断し、新たなかかり付き縫合糸でステッチパターンを継続することである。
上記の利点にもかかわらず、局所可逆性であり、組織に外傷を生じたりかかりに損傷を与えたりすることなく組織を貫通して2方向にかかり付き縫合糸を通過させ、組織を近置させるのに適した十分な組織保持強度をもたらす縫合糸が依然として必要とされている。
一実施形態において、「局所可逆性の」かかり付き縫合糸は柔軟フィラメントを有し、柔軟フィラメントは、その柔軟フィラメントから突出する複数のかかりを有し、かかりは前縁部と、後縁部と、とがっていない先端部とを有し、後縁部は、フィラメントの長手方向軸に対して少なくとも68°の角度を画定する。
一実施形態において、「局所可逆性の」かかり付き縫合糸は、柔軟フィラメントから突出する複数のかかりを有する柔軟フィラメントを有し、それらのかかりは、前縁部と、後縁部と、それぞれがある半径を有する先端部とを有し、かかり先端部の半径はとがっていない面を形成し、柔軟フィラメントに対して垂直な線は、各半径によって形成された外側の湾曲に対して接線方向に通過する。
一実施形態において、かかり付き縫合糸は、ある方向には最小の抵抗(組織抵抗力によって定義される)で組織を通過することができ、反対の方向にはより大きな抵抗(かかり保持力によって定義される)で、組織に外傷を生じることなく組織を通過することができる。
一実施形態において、局所可逆性の創傷閉鎖装置は好ましくは、第1の末端と、第2の末端と、第1の末端と第2の末端との間に延在する長手方向軸とを有する柔軟フィラメントを有する。この創傷閉鎖装置は、柔軟フィラメントから外向きに突出する複数のかかりを有し、各かかりは望ましくは、柔軟フィラメントに接続した基部と、基部から離間したとがっていない先端部と、基部ととがっていない先端部との間に延在し、柔軟フィラメントの第1の末端に面している前縁部と、基部と先端部との間に延在し、柔軟フィラメントの第2の末端に面している後縁部とを有する。一実施形態において、かかりの後縁部と柔軟フィラメントの長手方向軸は、柔軟フィラメントの第2の末端に向かって開く、少なくとも68°の角度を画定する。一実施形態において、かかりの後縁部と柔軟フィラメントの長手方向軸は望ましくは、柔軟フィラメントの第2の末端に向かって開く、少なくとも90°の角度を画定する。
一実施形態において、かかりの前縁部と柔軟フィラメントの長手方向軸は好ましくは、柔軟フィラメントの第1の末端に面している第1の鈍角を画定し、かかりの後縁部と柔軟フィラメントの長手方向軸は好ましくは、柔軟フィラメントの第2の末端に面している第2の鈍角を画定する。
一実施形態において、かかりの前縁部は約0.23センチメートル(約0.090インチ)の半径を有する凹状表面を画定し、とがっていない先端部は約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径を有する凸状表面を画定する。一実施形態において、かかりは好ましくは、かかりの後縁部と柔軟フィラメントとの間に延在する移行面を有する。一実施形態において、移行面は望ましくは、約0.008センチメートル(約0.003インチ)の半径を有する凹状表面を画定する。
一実施形態において、柔軟フィラメントはある長さを有し、かかりは柔軟フィラメントのその長さに沿って均等に離間される。一実施形態において、均等に離間されたかかりのとがっていない先端部は望ましくは、約0.18センチメートル〜0.20センチメートル(約0.070インチ〜0.080インチ)の先端部間ピッチを画定する。しかしながら、他の実施形態において、先端部間ピッチは更に大きくてもよく、依然として本発明の範囲に含まれ得る。
一実施形態において、複数のかかりは、柔軟フィラメントの長さに沿って均等に離間された複数対のかかりを含む。一実施形態において、各対のかかりは互いに整列されている。一実施形態において、柔軟フィラメントから外向きに延在する1対の整列されたかかりが、同じ平面に存在してもよい。一実施形態において、柔軟フィラメントから外向きに延在する1対の整列されたかかりが、異なる平面に存在してもよい。各対の整列されたかかりは好ましくは、互いから離れて突出し、柔軟フィラメントの両側に配設される。一実施形態において、整列された1対のかかりの先端部間の距離は、0.48ミリメートル〜0.8ミリメートル(約19ミル〜30ミル)又は約0.05センチメートル〜0.08センチメートル(約0.019インチ〜0.030インチ)である。一実施形態において、整列された1対のかかりの先端部間の距離は、0.53ミリメートル(約21ミル)又は約0.05センチメートル(約0.021インチ)である。
一実施形態において、柔軟フィラメントの両側から外向きに延在するかかりは互いに整列されず、柔軟フィラメントの長さに沿って互いに対して千鳥状に配置されている。一実施形態において、千鳥状配置のかかりは単一の平面に存在してもよい。一実施形態において、千鳥状配置のかかりは異なる平面に存在してもよい。
一実施形態において、かかりの基部はかかりの先端よりも厚く、各かかりは基部と先端部との間で内向きに先細となる側壁を有する。一実施形態において、側壁の各々は約3°〜約5°の角度で内向きに先細となる。
一実施形態において、停止要素が柔軟フィラメントの第2の末端と接続される。停止要素は好ましくは、柔軟フィラメントの長手方向軸に対して実質的に垂直に延在する前縁部を有する。一実施形態において、針が柔軟フィラメントの末端と接続することができる。
一実施形態において、創傷閉鎖装置が望ましくは、第1の末端と、第2の末端と、第1の末端と第2の末端との間に延在する長手方向軸とを有する柔軟フィラメントと、柔軟フィラメントから突出する複数のかかりとを有する。一実施形態において、各かかりは望ましくは、柔軟フィラメントと接続した基部と、基部から離間された先端部であって、ある半径を有するとがっていない面を有する先端部と、基部と先端部との間に延在し柔軟フィラメントの第1の末端に面している前縁部と、基部と先端部との間に延在し柔軟フィラメントの第2の末端に面している後縁部とを有する。一実施形態において、各かかりは望ましくは、かかりの後縁部と柔軟フィラメントとの間に延在する移行面を有し、それにより、柔軟フィラメントの長手方向軸に対して垂直な線が、かかりの移行面と先端部のとがっていない面の半径との両方を接線方向に通過する。
一実施形態において、創傷閉鎖装置が好ましくは、第1の末端と、第2の末端と、第1の末端と第2の末端との間に延在する長手方向軸とを有する柔軟フィラメントを有する。複数のかかりが柔軟フィラメントから外向きに突出し、各かかりは望ましくは、柔軟フィラメントに接続した基部と、基部から離間したとがっていない先端部と、基部ととがっていない先端部との間に延在し、柔軟フィラメントの第1の末端に面している前縁部と、基部と先端部との間に延在し、柔軟フィラメントの第2の末端に面している後縁部と、後縁部と柔軟フィラメントとの間に延在する移行面とを有する。一実施形態において、前縁部は好ましくは約0.23センチメートル(約0.090インチ)の半径を有する凹状表面を画定し、とがっていない先端部は好ましくは約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径を有する凸状表面を画定し、移行面は好ましくは0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径を有する。かかりの後縁部と柔軟フィラメントの長手方向軸とは、柔軟フィラメントの第2の末端に向かって開く、望ましくは少なくとも68°の角度を画定する。一実施形態において、後縁部角は90°以上であり、柔軟フィラメントの第2の末端に向かって開く鈍角を画定する。
一実施形態において、かかりは柔軟フィラメントの長さに沿って均等に離間され、約0.18センチメートル〜0.20センチメートル(約0.070インチ〜0.080インチ)の長手方向の先端部間ピッチを画定する。一実施形態において、複数のかかりは、互いに整列されかつ柔軟フィラメントの長さに沿って均等に離間された複数対のかかりを含む。各対のかかりは望ましくは、互いから離れて突出し、柔軟フィラメントの両側に配設される。柔軟フィラメントの両側にある整列されたかかりの先端部間の距離は約0.48ミリメートル〜0.8ミリメートル(約19ミル〜30ミル)又は約0.05センチメートル〜0.08センチメートル(約0.019インチ〜0.030インチ)、より好ましくは約0.53ミリメートル(約21ミル)又は約0.05センチメートル(約0.021インチ)であってよい。
一実施形態において、かかりの前縁部分及び後縁部分の傾斜は緩やかであり、それによって組織における局所的な調整が可能となる。
一実施形態において、浅いアンダーカットにより、かかりは、(既存のかかり設計でよくあるように)ヒンジよりもむしろ支柱のように作用することになる。
一実施形態において、かかりは曲がるようには意図されず、むしろ縫合糸の長さに沿った抵抗点として働き、それにより、縫合糸の局所可逆性及び/又は配置の調整性が得られる。
その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2009/0312791号に記載されているように、このかかりの設計は、既知の打ち抜き加工によって容易に製造可能となるようなものである。
本発明のこれらの及び他の好ましい実施形態について、以下でより詳しく説明することにする。
第1のかかり付き縫合糸の斜視図を示している。 図1Aに示す第1のかかり付き縫合糸の側面図を示している。 図1Bの線1C−1Cに沿った、図1Bの第1のかかり付き縫合糸の断面図を示している。 第2のかかり付き縫合糸の斜視図を示している。 図2Aに示す第2のかかり付き縫合糸の側面図を示している。 図2Bの線2C−2Cに沿った、図2Bの第2のかかり付き縫合糸の断面図を示している。 本発明の一実施形態による第3のかかり付き縫合糸の斜視図を示している。 図3Aに示す第3のかかり付き縫合糸の正面図を示している。 図3Bに示す第3のかかり付き縫合糸の一部分の拡大図を示している。 図3Bの線3D−3Dに沿った、図3Bの第3のかかり付き縫合糸の断面図を示している。 本発明の一実施形態による第4のかかり付き縫合糸の斜視図を示している。 図4Aに示す第4のかかり付き縫合糸の側面図を示している。 図4Bに示す第4のかかり付き縫合糸の一部分の拡大図を示している。 図4Bの線4D−4Dに沿った、図4Bの第4のかかり付き縫合糸の断面図を示している。 組織平面を通過する、図1A、2A、3A及び4Aにそれぞれ示す4種類のかかり付き縫合糸の並列比較を示している。 図5に示す4種類のかかり付き縫合糸の各々に対する組織抵抗をプロットする第1のグラフを示している。 図5に示す4種類のかかり付き縫合糸の各々に対するかかり保持荷重をプロットする第2のグラフを示している。 図5に示す4種類のかかり付き縫合糸の各々に対するかかり保持荷重と組織抵抗との比を示す第3のグラフを示している。 図4A〜4Dに示す第4のかかり付き縫合糸と比較した、図1A〜1Cに示す第1のかかり付き縫合糸によって与えられる創傷保持力を示す第4のグラフを示している。 本発明の一実施形態による、第1の末端と第2の末端に取り付けられた末端止め具とを有するかかり付き縫合糸を示している。 本発明の一実施形態による、針を第1の末端に固定された図10のかかり付き縫合糸を示している。 本発明の別の実施形態による、押し潰し可能なかかりを有するかかり付き縫合糸の側面図を示している。 図12Aの線12B−12Bに沿った、図12Aのかかり付き縫合糸の断面図を示している。 本発明の一実施形態によるかかり付き縫合糸の側面図を示している。 図13Aの線13B−13Bに沿った、図13Aのかかり付き縫合糸の断面図を示している。 本発明の更に別の実施形態によるかかり付き縫合糸を示している。 図14Aの線14B−14Bに沿った、図14Aのかかり付き縫合糸の断面図を示している。 本発明の一実施形態による、コアフィラメントとフィラメントの長さに沿って千鳥状に配置されたかかりとを有するかかり付き縫合糸を示している。 本発明の一実施形態による、コアフィラメントと、異なる平面に存在する、コアフィラメントの両側から外向きに突出するかかりとを有するかかり付き縫合糸を示している。
図1A〜1Cを参照して、SB1と称される第1のかかり付き縫合糸130が柔軟フィラメント132を有しており、柔軟フィラメント132は、第1の末端134(すなわち前末端)と、第2の末端136(すなわち後末端)と、第1の末端134から第2の末端136へと延在する長手方向軸Aとを有している。かかり付き縫合糸130は複数のかかり138を有しており、かかり138は、柔軟フィラメント132から外向きに(すなわち長手方向軸Aから離れて)突出し、柔軟フィラメント132の第2の末端136に向かって延在している。各かかり138は、フィラメントの第1の末端134に面している前縁部140と、フィラメントの第2の末端136に面している後縁部142と、かかりの前縁部と後縁部との間に位置するかかり先端部144とを有している。各かかり138はまた、かかり138の後縁部142と柔軟フィラメントとの間の移行域を設けるために、かかり138の後縁部142と柔軟フィラメント132の外表面との間に位置する移行面146を有している。
第1のかかり138Aがフィラメント132の第1の側面から延在し、第2のかかり138A’が第1のかかり138Aと整列され、フィラメント132の反対の第2の側面から延在するように、複数のかかり138が対をなしている。フィラメントの同じ側面の隣接するかかり138が、約0.18センチメートル〜0.20センチメートル(約0.070インチ〜0.080インチ)の先端部間の距離Dを有するように、複数対のかかり138A、138A’、138B、138B’、138C、138C’などが、柔軟フィラメント132の長さ又は長手方向軸Aに沿って均等に離間されている。かかり138の後縁部142は、後縁部角と称される約10°の角度αをなして、フィラメント132の長手方向軸Aから離れて延在している。かかり138の前縁部140は、約0.508センチメートル(約0.200インチ)の半径Rを画定する凹状表面を有している。かかり138の後縁部142とフィラメント132との間の移行面146は、約0.008センチメートル(約0.003インチ)の半径Rを有するアンダーカットを形成する凹状表面を画定している。かかり先端部144は、約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径Rを有するとがっていない凸状曲面を有している。
とがっていない先端部144の最遠位面は、移行面146と比べて、フィラメント132の第2の末端136により接近している。その結果、柔軟フィラメント132の長手方向軸Aに対して垂直であり、とがっていない先端部144の凸状曲面を接線方向に通過する線P(図1B)が、移行面146から遠位側に離間される。別の言い方をすれば、垂直線Pは、とがっていない先端部144の最遠位面と移行面146の両方を通過しない。更に別の言い方をすれば、移行面146のアンダーカットはフィラメント132の第1の末端134により近く、とがっていない先端部144の最遠位面はフィラメント132の第2の末端136により近い。
図1Cは、長手方向軸Aに沿って延在する第1のかかり付き縫合糸130の柔軟フィラメント132を示している。対をなすかかり138A、138A’が、柔軟フィラメント132の両側で互いから離れて延在している。第1のかかり138Aは、柔軟フィラメント132のコアと第1のかかり138Aのとがっていない先端部144との間で互いに向かって内向きに先細となる第1及び第2の外側壁148A、148Bを有している。内向きに先細となる第1の外側壁148Aは約2°の角度αを画定している。内向きに先細となる第2の外側壁148Aはまた約2°の角度を画定している。第2のかかり138A’の各外側壁はまた、約2°の角度をなして内向きに先細となっている。
図2A〜2Cを参照して、SB2と称される第2のかかり付き縫合糸230が、第1の末端234と、第2の末端236と、第1の末端234から第2の末端236へと延在する長手方向軸Aとを有する柔軟フィラメント232を有している。かかり付き縫合糸230は複数のかかり238を有しており、かかり238は、柔軟フィラメント232から外向きに(すなわち長手方向軸Aから離れて)突出し、柔軟フィラメント232の第2の末端236に向かって延在している。各かかり238は、フィラメントの第1の末端に面している前縁部240と、フィラメントの第2の末端に面している後縁部242と、かかりの前縁部と後縁部との間に位置するかかり先端部244とを有している。各かかり238はまた、かかりの後縁部と柔軟フィラメントとの間の移行域を設けるために、かかり238の後縁部242と柔軟フィラメント232の外表面との間に位置する移行面246を有している。
第1のかかり238Aがフィラメント232の第1の側面から延在し、第2のかかり238A’が第1のかかり238Aと整列され、フィラメント232の反対の第2の側面から延在するように、複数のかかり238が対をなしている。フィラメントの同じ側面の隣接するかかりが、約0.18センチメートル〜0.20センチメートル(約0.070インチ〜0.080インチ)の先端部間の距離Dを有するように、各対のかかり138A、138A’、138B、138B’、138C、138C’などが、柔軟フィラメント232の長さ又は長手方向軸Aに沿って均等に離間されている。かかり238の後縁部242は、後縁部角と称される約49°の角度αをなして、フィラメント232の長手方向軸Aから離れて延在している。かかり238の前縁部240は、約0.23センチメートル(約0.09インチ)の半径Rを画定する凹状表面を有している。かかり238の後縁部242とフィラメント232との間の移行面246は、約0.008センチメートル(約0.003インチ)の半径Rを有するアンダーカットを形成する凹状表面を画定している。かかり先端部244は、約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径Rを有するとがっていないな凸状曲面を有している。
とがっていない先端部244の最遠位面は、移行面246と比べて、フィラメント232の第2の末端236により接近している。その結果、柔軟フィラメント232の長手方向軸Aに対して垂直であり、とがっていない先端部244の凸状曲面を接線方向に通過する線Pが、移行面246から遠位側に離間される(すなわち、フィラメント132の第2の末端236により接近する)。別の言い方をすれば、垂直線Pは、とがっていない先端部244の最遠位面と移行面246の両方を貫通しない。
図2Cは、長手方向軸Aに沿って延在する第2のかかり付き縫合糸230の柔軟フィラメント232を示している。一対のかかり238A、238A’が、柔軟フィラメント232の両側で互いから離れて延在している。第1のかかり238Aは、柔軟フィラメント232のコアと第1のかかりのとがっていない先端部244との間で互いに向かって内向きに先細となる第1及び第2の外側壁248A、248Bを有している。内向きに先細となる第1の外側壁248Aは約2°の角度αを画定している。内向きに先細となる第2の外側壁248Bはまた約2°の角度を画定している。第2のかかり238A’の各外側壁はまた、約2°の角度をなして内向きに先細となっている。
図3A〜3Dを参照して、本発明の一実施形態において、SB3と称される第3のかかり付き縫合糸330が、第1の末端334と、第2の末端336と、第1の末端334から第2の末端336へと延在する長手方向軸Aとを有する柔軟フィラメント332を有している。かかり付き縫合糸330は複数のかかり338を有しており、かかり338は、柔軟フィラメント332から外向きに(すなわち長手方向軸Aから離れて)突出し、柔軟フィラメント332の第2の末端336に向かって延在している。一実施形態において、複数の突起は、約0.2ミリメートル〜0.64ミリメートル(約6ミル〜25ミル)又は0.02センチメートル〜0.06センチメートル(0.006インチ〜0.025インチ)だけ柔軟フィラメントから外向きに延在していてもよい。各かかり338は、フィラメントの第1の末端334に面している前縁部340と、フィラメントの第2の末端に面している後縁部342と、かかりの前縁部と後縁部との間に位置するかかり先端部344とを有している。各かかり338はまた、かかりの後縁部と柔軟フィラメントとの間の移行域を設けるために、かかり338の後縁部342と柔軟フィラメント332の外表面との間に位置する移行面346を有している。
第1のかかり338Aがフィラメント332の第1の側面から延在し、第1のかかり338Aと整列される第2のかかり338Bが、フィラメント332の反対の第2の側面から延在するように、複数のかかり338が対をなしている。フィラメントの同じ側にある隣接するかかりが、約0.18センチメートル〜0.20センチメートル(約0.070インチ〜0.080インチ)、より好ましくは約0.19センチメートル(約0.075インチ)の先端部間の距離Dを有するように、各対のかかり138A、138A’、138B、138B’、138C、138C’などが、柔軟フィラメント332の長さ又は長手方向軸Aに沿って均等に離間されている。かかり338の後縁部342は、後縁部角と称される約68°の角度αをなして、フィラメント332の長手方向軸Aから離れて延在している。かかり338の前縁部340は、約0.023センチメートル(約0.090インチ)の半径Rを画定する凹状表面を有している。かかり338の後縁部342とフィラメント332との間の移行面346は、約0.008センチメートル(約0.003インチ)の半径Rを有するアンダーカットを形成する凹状表面を画定している。かかり先端部344は、約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径Rを有するとがっていないな凸状曲面を有している。
一実施形態において、とがっていない先端部344の最遠位面と移行面346は実質上互いに一直線上にある。その結果、柔軟フィラメント332の長手方向軸Aに対して垂直であり、とがっていない先端部344の凸状曲面を接線方向に通過する線Pはまた、移行面346をも接線方向に通過する。別の言い方をすれば、垂直線Pは、とがっていない先端部344の最遠位面と移行面346の両方を接線方向に通過し、移行面346は、第1及び第2のかかり付き縫合糸130(SB1)及び230(SB2)のかかりの移行面領域に見出される「アンダーカット」を有さない。
図3Dは、長手方向軸Aに沿って延在する第3のかかり付き縫合糸320の柔軟フィラメント332を示している。一対のかかり338A、338A’が、柔軟フィラメント332の両側で互いから離れて延在している。第1のかかり338Aは、柔軟フィラメント332のコアと第1のかかりのとがっていない先端部344との間で互いに向かって内向きに先細となる第1及び第2の外側壁348A、348Bを有している。内向きに先細となる第1の外側壁348Aは約4°の角度αを画定している。内向きに先細となる第2の外側壁348Aもまた約4°の角度を画定している。第2のかかり338A’の各外側壁はまた、約4°の角度をなして内向きに先細となっている。
図4A〜4Dを参照するtと、本発明の一実施形態において、SB4と称される第4のかかり付き縫合糸430が好ましくは、第1の末端434と、第2の末端436と、第1の末端434から第2の末端436へと延在する長手方向軸Aとを有する柔軟フィラメント432を有している。かかり付き縫合糸430は複数のかかり438を有しており、かかり438は、柔軟フィラメント432から外向きに(すなわち長手方向軸Aから離れて)突出し、柔軟フィラメント432の第2の末端436に向かって延在している。各かかり438は、フィラメントの第1の末端434に面している前縁部440と、フィラメントの第2の末端に面している後縁部442と、かかりの前縁部と後縁部との間に位置するかかり先端部444とを有している。各かかり438はまた、かかりの後縁部と柔軟フィラメントとの間の移行域を設けるために、かかり438の後縁部442と柔軟フィラメント432の外表面との間に位置する移行面446を有している。
一実施形態において、第1のかかり438Aがフィラメント432の第1の側面から延在し、第2のかかり438A’が第1のかかり438Aと整列され、フィラメント432の反対の第2の側面から延在するように、複数のかかり438が対をなしている。一実施形態において、フィラメントの同じ側にある隣接するかかりが、約0.18センチメートル〜0.20センチメートル(約0.070インチ〜0.080インチ)、より好ましくは約0.19センチメートル(約0.075インチ)の先端部間の距離Dを有するように、各対のかかり438A、438A’、438B、438B’、438C、438C’などが、柔軟フィラメント432の長さ又は長手方向軸Aに沿って均等に離間している。かかり438の後縁部442は、後縁部角と称される約90°の角度αをなして、フィラメント432の長手方向軸Aから離れて延在している。かかり438の前縁部440は、約0.23センチメートル(約0.090インチ)の半径R10を画定する凹状表面を有している。かかり438の後縁部442とフィラメント432との間の移行面446は、約0.008センチメートル(約0.003インチ)の半径R11を有する凹状表面を画定している。かかり先端部444は、約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径R12を有するとがっていない凸状曲面を有している。
一実施形態において、とがっていない先端部444の最遠位面と移行面446は実質上互いに一直線上にある。その結果、柔軟フィラメント432の長手方向軸Aに対して垂直であり、とがっていない先端部444の凸状曲面を接線方向に通過する線Pはまた、移行面446をも接線方向に通過する。別の言い方をすれば、垂直線Pは、とがっていない先端部444の最遠位面と移行面446の両方を通過し、移行面446は、第1及び第2のかかり付き縫合糸SB1及びSB2のかかりの移行面領域に見出される「アンダーカット」を有さない。
図4Dは、長手方向軸Aに沿って延在する第4のかかり付き縫合糸430の柔軟フィラメント432を示している。一対のかかり438A、438A’が、柔軟フィラメント432の両側で互いから離れて延在している。第1のかかり438Aは、柔軟フィラメント432のコアと第1のかかりのとがっていない先端部444との間で互いに向かって内向きに先細となる第1及び第2の外側壁448A、448Bを有している。内向きに先細となる第1の外側壁448Aは約4°の角度αを画定している。内向きに先細となる第2の外側壁448Bもまた約4°の角度を画定している。第2のかかり438A’の各外側壁はまた、約4°の角度をなして内向きに先細となっている。
一実施形態において、かかり付き縫合糸は、開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7,850,894号、同第8,216,497号、及び同第8,226,684号、並びに米国特許出願公開第2008/0312688号に開示されているように、プレス成形、外形打ち抜き、レーザー切断などを含めた様々な技術によって形成され得る。
米国特許第7,850,894号及び同第8,20,497号に開示されているように、外科手術で利用するためのかかり付き縫合糸を形成するための方法が、第1及び第2の雌型を用意することを含み、その雌型はそれぞれ、第1及び第2のくぼみを中に形成された第1及び第2の頂面を有する。第1及び第2のくぼみは、互いに整列されると所定の形状を有する成形用空洞を共に形成するように、寸法及び形状を定められている。この所定の形状は、長さに沿って延在するフィラメント部と、フィラメント部から外向きに延在する複数の組織保持かかりとを含む。この方法は好ましくは、高分子材料など、生体適合性の成形可能な材料を用意することと、その成形可能な材料を第1の型の頂面と第2の型の頂面との間に配置することと、第1の型の頂面と第2の型の頂面が互いに実質的に接触され、第1の型のくぼみと第2の型のくぼみが実質的に整列されて成形用空洞を形成し、それによって成形可能な材料が変形し成形用空洞に充填されて、所定の形状を有するかかり付き縫合糸を形成するまで、第1の型の頂面と第2の型の頂面とを互いに押し付けることとを含む。
一実施形態において、かかり付き縫合糸は、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第8,226,684号に開示されているように形成され得る。米国特許第8,226,684号に開示されているように、かかり付き縫合糸を製作する方法は、第1の型締め部と第2の型締め部とを有する雄型と、第1の型締め部と第2の型締め部とを有する雌型とを用意することを含む。一実施形態において、このプロセスの一段階の間、各雄型及び雌型の第1及び第2の型締め部が開放され、生体適合性の成形可能材料の細長シャフトが第1の型締め部と第2の型締め部との間に配置される。成形用材料の細長シャフトが、開放した雄型の型締め部と雌型の型締め部との間に配置された状態で、対向する型締め部が接近されて、成形可能材料の細長シャフトの外表面と係合する。一実施形態において、雄型と雌型が加熱されて成形可能材料の細長シャフトに熱が伝達され、その結果、細長シャフトは、雄型及び雌型によって成形され得るように、所望の温度に加熱される。
一実施形態において、雄型と雌型が成形可能材料の細長シャフトを好ましい成形温度に加熱した後、閉鎖された雄型は閉鎖された雌型に対して移動されて、細長シャフトの一部分を突起又はかかりへと付形する。一実施形態において、雄型が雌型に向かって移動するとき、シャフトの全長は短縮される。好ましい一実施形態において、型工具は、シャフトの短縮を補償するようにシャフトに対して移動する。一実施形態において、かかりが形成された後、そのかかりは、閉鎖した雄型及び雌型と依然として接触しながら冷却される。一実施形態において、かかりは、雄型及び雌型との係合から解除された後に冷却される。一実施形態において、雄型及び雌型は、好ましくは冷却のために、開放されてかかりを環境空気に暴露する。上述の工程が繰り返されて、細長シャフトの長さに沿って複数のかかりが形成される。
一実施形態において、フィラメントワインディング組立体により、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第8,210,085号に開示されているように、かかり付きインサートなど、かかり付き縫合糸の周りに複数のフィラメントを巻き付けて編組かかり付き縫合糸が形成される。
一実施形態において、かかりは、刃などの機械的切断要素を用いて柔軟フィラメント又はコアへと切断することによって、レーザーを用いて柔軟フィラメント又はコアへと切断することによって、あるいは薬品又はエネルギーを用いてコアへとエッチングすることによって形成され得る。
一実施形態において、本明細書で開示するかかり付き縫合糸は、通常の生体適合性の吸収性材料、非吸収性材料、及び吸収性材料と非吸収性材料との組合わせから製作され得る。両方のかかり付き縫合糸に適した好ましい非吸収性材料には、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデンとポリフッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレンとのポリマーブレンド、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、グリコール改質ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、フルオロポリマー、ナイロンなど、又はそれらの組合わせのコポリマーが挙げられる。かかり付き縫合糸に適した好ましい吸収性高分子材料には、ポリジオキサノン、ポリグラクチン、ポリグリコール酸、グリコリドとラクチドとのコポリマー、ポリオキサエステル、及びポリグレカプロンが挙げられる。特定の好ましい実施形態において、これらは、吸収性材料と非吸収性材料の両方の組合わせを含んでもよい。加えて、特定の強度又は耐食性が必要である場合のような特定の用途では金属又はセラミクスが好適な場合がある。好ましい一実施形態において、かかり付き縫合糸は好ましくは、ポリフッ化ビニリデンとポリフッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン材料のポリマーブレンドを含む。一実施形態において、かかり付き縫合糸は、コーティング、プラズマ処理、治療薬などを含む表面改質を有してもよい。
一実施形態において、本発明のかかり付き縫合糸は、非吸収性の高分子材料と非吸収性のマルチフィラメントポリエステル縫合糸とを使用して製作されるものであり、このマルチフィラメントポリエステル縫合糸は、エシコン社(Ethicon, Inc.)によって商標エチボンドエクセル(ETHIBOND EXCEL)ポリエステル縫合糸として一般的に販売されている。一実施形態において、外科用縫合針がかかり付き縫合糸の少なくとも一方の末端に取り付けられてもよい。一実施形態において、外科用縫合針がかかり付き縫合糸の両末端に取り付けられてもよい。一実施形態において、ストッパが柔軟フィラメントの末端に固定されてもよい。一実施形態において、テフロン(Teflon)(登録商標)の綿撒糸などの綿撒糸がかかり付き縫合糸の中央に配置されてもよい。
図5を参照して、本明細書で説明した4種類のかかり付き縫合糸130(SB1)、230(SB2)、330(SB3)、及び430(SB4)が、それら4種類のかかり付き縫合糸の各々に対して組織抵抗及びかかりの保持強度を評価するために、固定された組織平面に通されている。上記のように、4種類のかかり付き縫合糸130、230、330、430のかかりの各後縁部142、242、342、442は、異なる後縁部角を有しており、これらの後縁部角は組織抵抗とかかり保持強度の両方に影響を与える。第1のかかり付き縫合糸130のかかり138は、約10°の後縁部角αを有している。第2のかかり付き縫合糸230のかかり238は、約49°の後縁部角αを有している。第3のかかり付き縫合糸330のかかり338は、約68°の後縁部角αを有している。第4のかかり付き縫合糸430のかかり438は、約90°の後方かかり角αを有している。図5を参照して、それぞれのかかり付き縫合糸が、DIR1で示される方向に組織を通じて進められるとき、固定組織平面に対する組織抵抗が4種類のかかり付き縫合糸130、230、330、及び430の各々に対して測定される。それぞれのかかり付き縫合糸が、DIR1の反対方向であるDIR2で示される方向に組織を通じて進められるとき、固定組織平面に対するかかりの保持強度がかかり付き縫合糸130、230、330、及び430の各々に対して測定される。
実施例1.図5及び6を参照して、一実施形態において、4種類のかかり付き縫合糸130(SB1)、230(SB2)、330(SB3)、及び430(SB4)を、インストロン機械試験機によって加えられる一定荷重下で固定具に保持されたブタの皮下組織に同じ方向(例えば図5の方向DIR1)で通した。より具体的には、抵抗力試験を実施して、4種類のかかり付き縫合糸が組織に通過されるときのそれらの抵抗力を評価した。試験の間、4種類のかかり付き縫合糸130(SB1)、230(SB2)、330(SB3)、及び430(SB4)を、インストロン機械試験機によって同時に組織を通じて牽引しなかった。4種類のかかり付き縫合糸130(SB1)、230(SB2)、330(SB3)、及び430(SB4)の各々は、4種類のかかり付き縫合糸のうちの1種類のみが任意の1回の試験の間にインストロン機械試験機によって組織を通じて牽引されるように個別に試験される。試験の間、各フィラメントの第1の末端を、平面状の組織を締め付けた特製のスロット付き固定具の中に導入した。各フィラメントの第1の末端が組織に通された後、針を取り外し、各フィラメントの第1の末端を、インストロン機械試験機(5500シリーズ又は20ポンドのロードセルを備える等価なもの)の上部グリップに固定した。かかり付き縫合糸に取り付けられた針は、4種類のかかり付き縫合糸の設計の各々に対して同じタイプ及び寸法のものであった。インストロン機械試験機により、4種類のかかり付き縫合糸の各々が、組織を通じて2.5センチメートル/分(1インチ/分)で牽引され、最大抵抗力が記録された。4種類のかかり付き縫合糸の各々を組織に通すのに必要な最大荷重が、図6に示すグラフにプロットされている。第1のかかり付き縫合糸130(SB1)の組織抵抗は約0.33N(約0.075ポンド)であった。第2のかかり付き縫合糸230(SB2)の組織抵抗は約0.556N(約0.125ポンド)であった。第3のかかり付き縫合糸330(SB3)の組織抵抗は約0.667N(約0.150ポンド)であった。第4のかかり付き縫合糸430(SB4)の組織抵抗は約0.33N(約0.075ポンド)であった。
実施例2.図5及び7を参照して、その後インストロン機械試験機を停止し、組織と固定具を裏返し、そこでインストロン機械試験機によって、4種類のかかり付き縫合糸130(SB1)、230(SB2)、330(SB3)、及び430(SB4)の各々を、再び組織を通じて反対方向DIR2に牽引した。上記のように、4種類のかかり付き縫合糸130(SB1)、230(SB2)、330(SB3)、及び430(SB4)を、インストロン機械試験機によって組織を通じて同時には牽引しなかった。4種類のかかり付き縫合糸130(SB1)、230(SB2)、330(SB3)、及び430(SB4)の各々を、4種類のかかり付き縫合糸のうちの1種類のみが任意の1回の試験の間にインストロン機械試験機によって組織を通じて牽引されるように個別に試験した。かかり保持試験の目的は、4種類のかかり付き縫合糸が組織に係合するときの、それらかかり付き縫合糸のかかり保持力を評価することであった。抵抗力試験が完了した後、スロット付き固定具を開放し(装置は依然として組織内にある)、組織をひっくり返し、固定具に再取付けし、装置の非針側末端をインストロン機械試験機(5500シリーズ又は20ポンドのロードセルを備えた等価なもの)の上部グリップに取り付ける。インストロン機械試験機によってかかり付き縫合糸を、組織を通じて2.5センチメートル/分(1インチ/分)で牽引し、最大のかかり保持力を記録した。かかり付き縫合糸の各々に対する最大力をかかり保持荷重として記録した(図7)。第1のかかり付き縫合糸130(SB1)のかかり保持荷重は約0.667N(約1.50ポンド)であった。第2のかかり付き縫合糸230(SB2)のかかり保持荷重は約4.0N(約0.90ポンド)であった。第3のかかり付き縫合糸330(SB3)のかかり保持荷重は約1.7N(約0.38ポンド)であった。第4のかかり付き縫合糸430(SB4)のかかり保持荷重は約0.98N(約0.22ポンド)であった。
図6及び7に示すデータはいくかの理由により有意義である。まず、図6に示すように、かかり付き縫合糸が第1の方向DIR1(図5)に牽引されるとき、4種類のかかり付き縫合糸設計SB1、SB2、SB3、及びSB4に対し、組織抵抗の値の差は無視できるものである。しかしながら、図7に示すグラフには傾向が現れており、かかり付き縫合糸の後縁部角を修正することによって、かかり保持強度が比較的高くあるいは低くなるように修正され得ることが示されている。例えば、より鋭い後縁部角を有する第1のかかり付き縫合糸130(SB1)は可逆性がより低く、創傷張力の高い範囲に、あるいは皺襞組織により適し得るが、より大きな後縁部角を有する第4のかかり付き縫合糸(SB4)は可逆性がより高く、より好都合な審美的結果を生じるように外科医が切開線の張力を調節できる表面組織層においてより価値を有し得る。
実施例3.図8は、4種類のかかり付き縫合糸130(SB1)、230(SB2)、330(SB3)、及び430(SB4)の各々に対する、かかり保持力の値と組織抵抗の値との比を示している。図8に示すように、組織を通じて第2の方向DIR2に第1のかかり付き縫合糸130を牽引するのに必要な力は、組織を通じて第1の方向DIR1に第1のかかり付き縫合糸を牽引するのに必要な力の20倍超である。対照的に、第3のかかり付き縫合糸330(SB3)及び第4のかかり付き縫合糸430(SB4)に関して言えば、縫合糸を逆行させる(すなわち方向DIR2に牽引する)のに必要な力は、組織を通じてかかり付き縫合糸を第1の方向DIR1(図5)に牽引するのに必要な力の約1倍〜2倍である。本発明はいかなる特定の動作理論によっても限定されるものではないが、かかり保持荷重と組織抵抗力との比が低いため、第3及び第4のかかり付き縫合糸はより可逆性があることが確認されている。
実施例4.図9を参照して、連続的なステッチパターンを用いて2枚のブタの組織を皮下組織にて互いに縫合する第3の試験を実施した。次いで、縫合した組織をインストロン機械試験機に装填し、荷重を縫合線に対して垂直に加えた。図9のグラフに示すように、この試験による最大力を創傷保持力として記録した。この試験を第1のかかり付き縫合糸130(SB1)及び第4の縫合糸430(SB4)に対して完了して、本明細書で説明した4種類のかかり付き縫合糸設計のうちの、2種類の極限設計の創傷保持能力を判断した。図9のグラフに示すように、2種類の「極限」設計(SB1対SB4)の創傷保持力は異なってはいるが、比較に値するものである。第1のかかり付き縫合糸130(SB1)の創傷保持力は約75.51N(約16.75ポンド)であった。第4のかかり付き縫合糸430(SB4)の創傷保持力は約54.49N(約12.25ポンド)であった。
一実施形態において、ベンチトップモデルにおいて様々な閉鎖構成を用いて動物又はヒトの組織内のかかり付き縫合糸の保持強度を測定するように創傷保持試験を企画した。この方法は、外科的切開が失敗するのに必要な創傷保持力をシミュレートするものである。組織の種類には、限定するものではないが、深部腹部組織、深部浅筋膜、他の軟組織、皮下組織、又は皮膚が挙げられる。外科的切開に再現するように、対象の層を分離し、検体を2つの切断することによって、組織を調製した。組織の厚さを測定及び記録し、試験グループを同等の厚さの組織で構成する。次いでテンプレートを2つの組織半部に当て付け、それによって、組織の食い込みが1cm離れるように、切開部(典型的に6cm〜10cmの長さ)をマーキングした。次いで縫合を組織に施し、テンプレートに従って配設した。縫合は多様な外科技術を用いて施され得る。縫合した組織を、生きている組織に及ぼされる張力をシミュレートする特製の固定具中に留置した。固定具と縫合した組織を次いでインストロン機械試験機(5500シリーズ又は100ポンドのロードセルを備えた等価なもの)に装填した。機器の制御パラメータは、クロスヘッド速度=13cm/分(5インチ/分)、サンプリング時間=60点/秒、ゲージ長=2.5cm(特注固定具内で設定)であった。8センチメートル(3インチ)の伸張が達成されるまで、あるいは、組織の解離(5mm)、組織の破損、縫合糸の破損、又は検体内での縫合糸の引抜きによって破損が生じるまで、試験を実行した。最大荷重、最大荷重での伸張、及び破損形態を記録した。組織保持強度を、上述の破損形態のうちの1つを生じさせるように検体に及ぼされる最大引張力として記録した。
図6〜9のグラフに提示するデータが示すことであるが、各かかり付き縫合糸130、230、330、430を組織に第1の方向DIR1(図5)で通過させたときに記録された荷重は、4種類の設計のすべてで比較に値するものであった。しかしながら、かかり付き縫合糸を組織に反対の第2の方向DIR2で通過させたとき、ある傾向がかかり保持力のデータに現れ、それによれば、かかり付き縫合糸の特定の設計に応じて、様々な程度のかかり保持抵抗又は抵抗の不足がかかりの設計によって示された。第3及び第4のかかり付き縫合糸330(SB3)及び430(SB4)は、調整性又は可逆性の構想を支持する、比較的低いかかり保持抵抗を与えるものであった。またこのデータが示すこととして、全体として、第1のかかり付き縫合糸130(SB1)及び第4のかかり付き縫合糸430(SB4)のかかりはそれぞれ、7.3kg〜5.4kg(16ポンド〜12ポンド)の範囲の創傷保持力を発生した。
本願で開示するかかり付き縫合糸は、ヘルニア修復、吻合術、創傷閉鎖、切開部の閉鎖、器官の支持(例えば骨盤臓器の支持又は閉塞性睡眠時無呼吸の治療のための舌の支持を用いた固定手技など)、外傷修復(この場合、迅速な組織修復が必要とされる)、美容手技、及び組織にかかる直接的な縫合圧力を最小にするために組織の表面に沿って力を分散させることが求められる他の外科手技など、多様な医療用途に使用され得る。一実施形態において、かかり付き縫合糸は、心臓弁の固定手技に使用され得る。一実施形態において、ある手術法が、針をかかり付き縫合糸の第1の末端に取り付けることと、かかり付き縫合糸の第2の末端にストップタブを設けることと、かかり付き縫合糸の第1の末端を切開部の開始末端の両側に通過させることと、かかり付き縫合糸の第2の末端の固定をもたらすためにかかり付き縫合糸の第2の末端のストップタブを利用することと、次いで連続パターン(例えば螺旋のパターン)で切開部の対向末端に縫合することとを含む。一実施形態において、かかり付き縫合糸の位置を調整するため、組織の外傷及び/又は塑性変形並びにかかりの損傷を生じることなく組織を適切に近置するように、かかり付き縫合糸が組織を通じて牽引される方向が反転され得る。
図10及び11を参照すると、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、本発明の譲受人に譲渡された2011年9月29日出願の米国特許出願第13/248542号及び2012年9月17日出願の同第13/621625号に開示されているように、一実施形態において、かかり付き縫合糸430が、フィラメント432の第1の末端434に固定された針450と、フィラメント432の第2の末端436に固定されたストップタブ又は固定タブ452とを有する。固定タブ452は望ましくは前縁部454を有し、前縁部454は、ある前縁部厚さ(図示せず)と前縁部幅Wとを有する。固定タブ452はまた望ましくは長さLを有する。第4のかかり付き縫合糸430が図10及び11に示されているが、他の実施形態において、本明細書で開示されるかあるいは参照によって本明細書に組み込まれる他のかかり付き縫合糸が、針450及び/又は固定タブ452に取り付けられてもよい。
一実施形態において、フィラメント432の第2の末端436に配置された固定タブ452は、連続的な縫合パターンを開始するための係留要素となるものである。固定タブ452の寸法及び形状によりいくつかの利点がもたらされる。固定タブ452は、表面組織層におけるモノフィラメント縫合糸の結節に一般的に使用される、通常の5重結節塔構造(five-throw knot tower)よりも少ない量の縫合糸材料からなるように設計されている。縫合糸材料の嵩又は質量を最小にすることは、いくつかの理由で表面組織層において特に重要である。縫合糸材料がより少量となることにより、動悸の可能性が低減され得るが、患者が自身の指で皮膚表面を撫でると、移植された多量の縫合糸材料を感じるのはこのときである。また縫合糸材料がより少量となることにより、縫合糸の「吐き出し」の可能性も低減され得るが、この「吐き出し」は、人体が縫合糸材料に対する拒絶反応を有し、皮膚表面を通じて大半の縫合糸材料を基本的に排出しようとする場合に起こり得ることである。固定タブ452は、丸み付き後末端456を有するが、この丸み付き後末端は、丸み付き後末端456の丸み付き表面が、皮膚の表面を貫通し、「吐き出される」可能性が、通常の縫合糸結節の尾と比べてより小さくなり得るため、表面組織層における使用に好適である。加えて、固定タブ452は、通常の5重結節塔構造と比べて、より大きな表面積をもたらし、これにより、固定タブを備えた吸収性縫合糸材料の分解プロセスが生体内で加速され得る。通常の5重結節塔構造よりも少ない質量と、比較的大きな表面積と、丸み付き後末端456を有する固定タブ452を有することは、適切に使用された場合、外科手技及び患者の個人的特徴によっては、臨床成績の改善をもたらすと考えられる。
図12A〜12Bを参照すると、本発明の一実施形態において、第5のかかり付き縫合糸530が好ましくは、第4のかかり付き縫合糸430(図4A〜4D)に関して上述したものと類似した構成及び寸法を有している。一実施形態において、第5のかかり付き縫合糸は好ましくは、第1の末端と、第2の末端と、第1の末端から第2の末端436へと延在する長手方向軸Aとを有する柔軟フィラメント532を有している。かかり付き縫合糸530は複数の押し潰し可能なかかり538を有しており、かかり538は、柔軟フィラメント532から外向きに(すなわち長手方向軸Aから離れて)突出し、柔軟フィラメント532の第2の末端に向かって延在している。その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許出願公開第20090312791号に開示されているように、このかかり付き縫合糸は好ましくは、かかり538内に形成された開口部560を有している。開口部560は望ましくは、かかり538の硬さ及び剛性を最小にし、それによって、かかり付き縫合糸が第1の方向DIR1又は第2の方向DIR2のいずれかに牽引されるとき、かかりは内向きにつぶれることが可能となる。一実施形態において、開口部560は、フィラメント532の外表面を越えて(すなわちフィラメントのコアの中へと)内向きに延在し得る。
図12Bを参照すると、一対のかかり538A、538A’が、柔軟フィラメント532の両側で互いから離れて延在している。第1のかかり538Aは、柔軟フィラメント532のコアと第1のかかりのとがっていない先端部544との間で約4°の角度をなして互いに向かって内向きに先細となる第1及び第2の外側壁548A、548Bを有している。内向きに先細となる第2の外側壁548Aもまた約4°の角度を画定している。第2のかかり538A’の各外側壁はまた、約4°の角度をなして内向きに先細となっている。
図13A及び13Bを参照すると、一実施形態において、かかり付き縫合糸630が、双峰を備えたかかり638を有する。第1のかかり638Aの前縁部640は、少なくとも68°の長手方向軸Aとの角度を画定し、第1のかかりの後縁部646もまた、少なくとも68°の長手方向軸との角度を画定する。第2のかかり638A’は、第1のかかり638Aの形状及び寸法を模倣している。図13Bを参照すると、第1のかかり638Aの側壁は、約4°の角度をなしてとがっていない先端部644に向かって内向きに先細となっている。第2のかかり638A’の各外側壁もまた、約4°で内向きに先細となっている。
図14A及び14Bを参照すると、一実施形態において、かかり付き縫合糸730が、菱形を画定する1対のかかり738A、738A’を有する。第1のかかり738Aの前縁部740は、少なくとも68°の長手方向軸Aとの角度を画定し、第1のかかり738Aの後縁部746は、少なくとも68°の長手方向軸Aとの角度を画定する。図14Bを参照すると、第1のかかり738Aの側壁の各々は、約4°の角度をなしてとがっていない先端部744に向かって内向きに先細となっている。第2のかかり738A’は第1のかかり738Aの形状及び寸法を模倣していて、そのため、整列されたかかり738A、738A’は菱形の要素を形成する。
図15を参照すると、一実施形態において、かかり付き縫合糸830が柔軟フィラメント832を有し、柔軟フィラメント832は、柔軟フィラメントから外向きに突出する複数のかかり838を有する。一実施形態において、かかり838A〜838Eは、柔軟フィラメント832の長さに沿って互いに対して千鳥状に配置にされている。
図16を参照すると、一実施形態において、かかり付き縫合糸930が柔軟フィラメント932を有し、柔軟フィラメント932は、柔軟フィラメントから外向きに突出する複数のかかり938を有する。一実施形態において、かかり938A〜938Cの少なくともいくつかは単一の平面に存在しないが、異なる平面P1、P2、P3内で、柔軟フィラメント932から外向きに突出する。一実施形態において、かかりは柔軟フィラメントの長さに沿って互いに整列されるが、単一の平面には存在し得ず、またかかりは好ましくは、異なる平面内で柔軟フィラメントから外向きに突出する。
一実施形態において、創傷閉鎖装置は、吸収性又は非吸収性である高分子、金属及び/又はセラミック材料から製作され得る。更に別の実施形態において、創傷閉鎖装置は、吸収性材料と非吸収性材料との組合わせ及び/又は共重合体を含めて、吸収性及び非吸収性の単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又はポリジオキサノン、ポリグラクチン、ポリグリコール酸、グリコリドの共重合体、ラクチド、及び/若しくはカプロラクトンから作られた配合物、ポリオキサエステル、ポリグレカプロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、グリコール改質ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、フルオロポリマー、熱可塑性エラストマー、イオノマー、エチレンとメタクリル酸との共重合体、ポリアミド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリスチレン、ポリブタジエン、並びにポリブチレンからなる群から選択された高分子材料から製作され得る。
一実施形態において、かかり付き縫合糸は、非吸収性の高分子材料と非吸収性のマルチフィラメントポリエステル縫合糸とを使用して製作され、このマルチフィラメントポリエステル縫合糸は、エシコン社(Ethicon, Inc.)によって商標エチボンドエクセル(ETHIBOND EXCEL)ポリエステル縫合糸として一般的に販売されているものである。
上記説明は本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の他の及び更なる実施形態も本発明の基本的な範囲から逸脱することなく行われることが可能であり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。例えば、本発明は、本明細書に記載した任意の実施形態に示される、又は参照により本明細書に組み込まれる任意の特徴に、本明細書に記載した任意の別の実施形態に示される、又は参照により本明細書に組み込まれる任意の特徴を組み込むことができ、それらは尚、本明細書の範囲内に含まれることが意図されている。
〔実施の態様〕
(1) 第1の末端と、第2の末端と、前記第1の末端と第2の末端との間に延在する長手方向軸とを有する柔軟フィラメントと、
前記柔軟フィラメントから外向きに突出する複数のかかりであって、前記かかりはそれぞれ、前記柔軟フィラメントに接続した基部と、前記基部から離間した、とがっていない先端部と、前記基部と前記とがっていない先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第1の末端に面している前縁部と、前記基部と前記先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第2の末端に面している後縁部とを有する、かかりと、を備える創傷閉鎖装置であって、前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸とは少なくとも68°の角度を画定する、創傷閉鎖装置。
(2) 前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸とは少なくとも90°の角度を画定する、実施態様1に記載の創傷閉鎖装置。
(3) 前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸とは鈍角を画定する、実施態様1に記載の創傷閉鎖装置。
(4) 前記かかりの前記前縁部は、約0.23センチメートル(約0.090インチ)の半径を有する凹状表面を画定する、実施態様1に記載の創傷閉鎖装置。
(5) 前記とがっていない先端部は、約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径を有する凸状表面を画定する、実施態様1に記載の創傷閉鎖装置。
(6) 前記かかりは、前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントとの間に延在する移行面を更に備え、前記移行面は約0.008センチメートル(約0.003インチ)の半径を有する凹状表面を画定する、実施態様1に記載の創傷閉鎖装置。
(7) 前記柔軟フィラメントはある長さを有し、前記かかりは前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って均等に離間されている、実施態様1に記載の創傷閉鎖装置。
(8) 前記均等に離間されたかかりの前記とがっていない先端部は、約0.18センチメートル〜0.20センチメートル(約0.070インチ〜0.080インチ)の先端部間のピッチを画定する、実施態様7に記載の創傷閉鎖装置。
(9) 前記かかりは、前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って均等に離間された複数対のかかりを構成し、かつ各前記対の前記かかりは互いに整列されている、実施態様1に記載の創傷閉鎖装置。
(10) 各前記対の前記整列されたかかりは、互いから離れて突出し、かつ前記柔軟フィラメントの両側に配設されている、実施態様9に記載の創傷閉鎖装置。
(11) 各前記対の前記整列されたかかりは共通の平面内に存在する、実施態様10に記載の創傷閉鎖装置。
(12) 前記かかりは、前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って、互いに対して千鳥状に配置されている、実施態様1に記載の創傷閉鎖装置。
(13) 前記かかりのうちの少なくともいくつかは、前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って整列され、かつ前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って整列された前記かかりのうちの前記少なくともいくつかは、異なる平面内に存在する、実施態様1に記載の創傷閉鎖装置。
(14) 前記かかりの前記基部は前記かかりの前記とがっていない先端部よりも厚く、かつ前記かかりはそれぞれ、前記基部と前記先端部との間で約3°〜5°の角度をなして内向きに先細となる、実施態様1に記載の創傷閉鎖装置。
(15) 前記柔軟フィラメントの前記第2の末端に接続した停止要素を更に備え、前記停止要素は、ある全表面領域と、厚さと幅とによって画定される前縁部領域とを有し、前記前縁部領域は、前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸に対して実質的に垂直に延在し、前記前縁部領域と前記全表面領域との比は10%未満である、実施態様1に記載の創傷閉鎖装置。
(16) 前記柔軟フィラメントの前記第1の末端に接続した針を更に備える、実施態様15に記載の創傷閉鎖装置。
(17) 第1の末端と、第2の末端と、前記第1の末端と第2の末端との間に延在する長手方向軸とを有する柔軟フィラメントと、
前記柔軟フィラメントから突出する複数のかかりであって、前記かかりはそれぞれ、前記柔軟フィラメントに接続した基部と、前記基部から離間していて、ある半径を有する、とがっていない面を有する先端部と、前記基部と前記先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第1の末端に面している前縁部と、前記基部と前記先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第2の末端に面している後縁部とを有する、かかりと、を備える創傷閉鎖装置であって、
前記かかりはそれぞれ、前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントとの間に延在する移行面を更に備え、前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸に対して垂直な線が、前記移行面と前記先端部の前記とがっていない面の前記半径とを接線方向に通過する、創傷閉鎖装置。
(18) 前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸とは少なくとも68°の角度を画定する、実施態様17に記載の創傷閉鎖装置。
(19) 前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸とは少なくとも90°の角度を画定する、実施態様18に記載の創傷閉鎖装置。
(20) 前記かかりの前記前縁部は、約0.23センチメートル(約0.090インチ)の半径を有する凹状表面を画定し、前記とがっていない面は、約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径を有する凸状表面を画定する、実施態様17に記載の創傷閉鎖装置。
(21) 前記移行面は、約0.008センチメートル(約0.003インチ)の半径を有する凹状表面を画定する、実施態様17に記載の創傷閉鎖装置。
(22) 第1の末端と、第2の末端と、前記第1の末端と第2の末端との間に延在する長手方向軸とを有する柔軟フィラメントと、
前記柔軟フィラメントから外向きに突出する複数のかかりであって、前記かかりはそれぞれ、前記柔軟フィラメントに接続した基部と、前記基部から離間した、とがっていない先端部と、前記基部と前記とがっていない先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第1の末端に面している前縁部と、前記基部と前記先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第2の末端に面している後縁部と、前記後縁部と前記柔軟フィラメントとの間に延在する移行面とを有する、かかりと、を備える創傷閉鎖装置であって、前記前縁部は約0.23センチメートル(約0.090インチ)の半径を有する凹状表面を画定し、前記とがっていない先端部は約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径を有する凸状表面を画定し、かつ前記移行面は約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径を有し、前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸とは少なくとも68°の角度を画定する、創傷閉鎖装置。
(23) 前記かかりは、前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って均等に離間され、かつ約0.18センチメートル〜0.20センチメートル(約0.070インチ〜0.080インチ)の長手方向の先端部間のピッチを画定し、前記複数のかかりは、互いに整列されかつ前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って均等に離間された複数対のかかりを含み、各前記対の前記かかりは、互いから離れて突出し、かつ前記柔軟フィラメントの両側に配設されている、実施態様22に記載の創傷閉鎖装置。
(24) 組織の創傷を閉鎖する方法であって、
局所可逆性のかかり付き縫合糸を用意することであって、前記かかり付き縫合糸は、第1の末端と、第2の末端と、前記第1の末端と第2の末端との間に延在する長手方向軸とを有する柔軟フィラメントと、前記柔軟フィラメントから外向きに突出する複数のかかりとを含み、前記かかりはそれぞれ、前記柔軟フィラメントに接続した基部と、前記基部から離間された、とがっていない先端部と、前記基部と前記とがっていない先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第1の末端に面している前縁部と、前記基部と前記先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第2の末端に面している後縁部と、を有し、前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸とは、前記柔軟フィラメントの前記第2の末端に向かって開く、少なくとも68°の角度を画定する、局所可逆性のかかり付き縫合糸を用意することと、
前記かかり付き縫合糸を組織に挿入し、前記柔軟フィラメントの前記第1の末端を牽引し、前記組織を貫通して前記かかり付き縫合糸を第1の方向に進めることと、
前記組織を貫通して前記かかり付き縫合糸を第1の方向に進めた後に、前記柔軟フィラメントの前記第2の末端を牽引し、前記第1の方向と反対である第2の方向に、前記組織を貫通して前記かかり付き縫合糸を進めることと、を含む、方法。

Claims (19)

  1. 第1の末端と、第2の末端と、前記第1の末端と第2の末端との間に延在する長手方向軸とを有する柔軟フィラメントと、
    前記柔軟フィラメントから外向きに突出する複数のかかりであって、前記かかりはそれぞれ、前記柔軟フィラメントに接続した基部と、前記基部から離間した、とがっていない先端部と、前記基部と前記とがっていない先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第1の末端に面している前縁部と、前記基部と前記先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第2の末端に面している後縁部とを有する、かかりと、を備える創傷閉鎖装置であって、前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸とは鈍角を画定する、創傷閉鎖装置。
  2. 第1の末端と、第2の末端と、前記第1の末端と第2の末端との間に延在する長手方向軸とを有する柔軟フィラメントと、
    前記柔軟フィラメントから外向きに突出する複数のかかりであって、前記かかりはそれぞれ、前記柔軟フィラメントに接続した基部と、凸状曲面を有し、前記基部から離間した、とがっていない先端部と、前記基部と前記とがっていない先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第1の末端に面している前縁部と、前記基部と前記先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第2の末端に面している後縁部とを有する、かかりと、を備える創傷閉鎖装置であって、前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸とは少なくとも68°の角度を画定し、
    各々のかかりは、更に、前記かかりの前記後縁部から前記柔軟フィラメントの外面まで延在する凹面を画定する移行面を備え、前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸に対して垂直な線は、前記移行面の前記凹面に接触しており、前記とがっていない先端部の前記凸状曲面と接線方向に接触しており、
    前記かかりの前記前縁部は、約0.23センチメートル(約0.090インチ)の半径を有する凹状表面を画定する、創傷閉鎖装置。
  3. 前記かかりの前記前縁部は、約0.23センチメートル(約0.090インチ)の半径を有する凹状表面を画定する、請求項に記載の創傷閉鎖装置。
  4. 前記とがっていない先端部は、約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径を有する凸状表面を画定する、請求項に記載の創傷閉鎖装置。
  5. 前記かかりは、前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントとの間に延在する移行面を更に備え、前記移行面は約0.008センチメートル(約0.003インチ)の半径を有する凹状表面を画定する、請求項に記載の創傷閉鎖装置。
  6. 前記柔軟フィラメントはある長さを有し、前記かかりは前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って均等に離間されている、請求項に記載の創傷閉鎖装置。
  7. 前記均等に離間されたかかりの前記とがっていない先端部は、0.18センチメートル〜0.20センチメートル(0.070インチ〜0.080インチ)の先端部間のピッチを画定する、請求項6に記載の創傷閉鎖装置。
  8. 前記かかりは、前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って均等に離間された複数対のかかりを構成し、かつ各前記対の前記かかりは互いに整列されている、請求項に記載の創傷閉鎖装置。
  9. 各前記対の前記整列されたかかりは、互いから離れて突出し、かつ前記柔軟フィラメントの両側に配設されている、請求項8に記載の創傷閉鎖装置。
  10. 各前記対の前記整列されたかかりは共通の平面内に存在する、請求項9に記載の創傷閉鎖装置。
  11. 前記かかりは、前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って、互いに対して千鳥状に配置されている、請求項に記載の創傷閉鎖装置。
  12. 前記かかりのうちの少なくともいくつかは、前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って整列され、かつ前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って整列された前記かかりのうちの前記少なくともいくつかは、異なる平面内に存在する、請求項に記載の創傷閉鎖装置。
  13. 前記かかりの前記基部は前記かかりの前記とがっていない先端部よりも厚く、かつ前記かかりはそれぞれ、前記基部と前記先端部との間で3°〜5°の角度をなして内向きに先細となる、請求項に記載の創傷閉鎖装置。
  14. 前記柔軟フィラメントの前記第2の末端に接続した停止要素を更に備え、前記停止要素は、ある全表面領域と、厚さと幅とによって画定される前縁部領域とを有し、前記前縁部領域は、前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸に対して実質的に垂直に延在し、前記前縁部領域と前記全表面領域との比は10%未満である、請求項に記載の創傷閉鎖装置。
  15. 前記柔軟フィラメントの前記第1の末端に接続した針を更に備える、請求項14に記載の創傷閉鎖装置。
  16. 第1の末端と、第2の末端と、前記第1の末端と第2の末端との間に延在する長手方向軸とを有する柔軟フィラメントと、
    前記柔軟フィラメントから外向きに突出する複数のかかりであって、前記かかりはそれぞれ、前記柔軟フィラメントに接続した基部と、凸状曲面を有し、前記基部から離間した、とがっていない先端部と、前記基部と前記とがっていない先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第1の末端に面している前縁部と、前記基部と前記先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第2の末端に面している後縁部とを有する、かかりと、を備える創傷閉鎖装置であって、前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸とは少なくとも68°の角度を画定し、
    各々のかかりは、更に、前記かかりの前記後縁部から前記柔軟フィラメントの外面まで延在する凹面を画定する移行面を備え、前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸に対して垂直な線は、前記移行面の前記凹面に接触しており、前記とがっていない先端部の前記凸状曲面と接線方向に接触しており、
    前記かかりの前記基部は前記かかりの前記とがっていない先端部よりも厚く、かつ前記かかりはそれぞれ、前記基部と前記先端部との間で3°〜5°の角度をなして内向きに先細となる、創傷閉鎖装置。
  17. 第1の末端と、第2の末端と、前記第1の末端と第2の末端との間に延在する長手方向軸とを有する柔軟フィラメントと、
    前記柔軟フィラメントから外向きに突出する複数のかかりであって、前記かかりはそれぞれ、前記柔軟フィラメントに接続した基部と、前記基部から離間した、とがっていない先端部と、前記基部と前記とがっていない先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第1の末端に面している前縁部と、前記基部と前記先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第2の末端に面している後縁部と、前記後縁部と前記柔軟フィラメントとの間に延在する移行面とを有する、かかりと、を備える創傷閉鎖装置であって、前記前縁部は約0.23センチメートル(約0.090インチ)の半径を有する凹状表面を画定し、前記とがっていない先端部は約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径を有する凸状表面を画定し、かつ前記移行面は約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径を有し、前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸とは鈍角を画定する、創傷閉鎖装置。
  18. 第1の末端と、第2の末端と、前記第1の末端と第2の末端との間に延在する長手方向軸とを有する柔軟フィラメントと、
    前記柔軟フィラメントから外向きに突出する複数のかかりであって、前記かかりはそれぞれ、前記柔軟フィラメントに接続した基部と、凸状曲面を有し、前記基部から離間した、とがっていない先端部と、前記基部と前記とがっていない先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第1の末端に面している前縁部と、前記基部と前記先端部との間に延在し前記柔軟フィラメントの前記第2の末端に面している後縁部と、前記後縁部と前記柔軟フィラメントとの間に延在する移行面とを有する、かかりと、を備える創傷閉鎖装置であって、前記前縁部は約0.23センチメートル(約0.090インチ)の半径を有する凹状表面を画定し、前記とがっていない先端部は約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径を有する凸状表面を画定し、かつ前記移行面は約0.01センチメートル(約0.004インチ)の半径を有し、前記かかりの前記後縁部と前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸とは少なくとも68°の角度を画定し、
    各々のかかりは、更に、前記かかりの前記後縁部から前記柔軟フィラメントの外面まで延在する凹面を画定する移行面を備え、前記柔軟フィラメントの前記長手方向軸に対して垂直な線は、前記移行面の前記凹面と接触して、前記とがっていない先端部の前記凸状曲面と接線方向に接触している、創傷閉鎖装置。
  19. 前記かかりは、前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って均等に離間され、かつ0.18センチメートル〜0.20センチメートル(0.070インチ〜0.080インチ)の長手方向の先端部間のピッチを画定し、前記複数のかかりは、互いに整列されかつ前記柔軟フィラメントの前記長さに沿って均等に離間された複数対のかかりを含み、各前記対の前記かかりは、互いから離れて突出し、かつ前記柔軟フィラメントの両側に配設されている、請求項17または18に記載の創傷閉鎖装置。
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