JP6354934B2 - 液滴測定方法、及び液滴測定システム - Google Patents

液滴測定方法、及び液滴測定システム Download PDF

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本発明は、液滴測定方法、及び液滴測定システムに関するものである。
液晶ディスプレイのカラーフィルターや、有機ELディスプレイ等のデバイスを製造する方法として、例えば機能性材料を含む液状体をインクジェット法により複数のノズルから液滴として吐出し、被吐出体に機能性材料の膜を形成する方法が知られている。
この場合、液滴の吐出量を制御する制御装置の設定と液滴の実際の吐出量との対応関係を取得し、吐出量を一定の値に制御することが重要な工程となる。なぜなら吐出量が不均一であると機能性材料の膜厚に差が生じることでデバイスの不良へと繋がるからである。例えば、カラーフィルターや有機ELディスプレイであれば、膜厚の差が色むらや輝度むらとして観察される。
実際の吐出量を調べるためには、高分子系の溶質を備えたインクを用いた場合には、例えばガラス基板にインクを吐出/塗布し、溶媒を乾燥させた後、例えば白色干渉や共焦点などの高さ測定器を用いて溶質の体積を測定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、レーザ式距離測定器を用いて液滴の高さを測定し、液滴の体積を算出する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−240503号公報 特許第4093167号公報
しかしながら、白色干渉や共焦点の高さ測定器等を用いた従来の液滴測定方法では、測定原理上、測定に時間がかかるという課題があった。特に大画面ディスプレイの製造装置では、インクジェット印刷に使用するノズル数が10万を超える為、1滴あたりの測定時間が1秒であったとしても、全ての液滴を測定するためには少なくとも28時間程度を要する為、設備の稼働率に大きな影響を与えることになり、量産を考えるうえで大きな課題となっていた。
また、測定時間を短縮するために液滴体積ではなく、画像認識装置によって面積を測定する液滴測定方法もあるが、液滴の乾燥条件による高さ方向のばらつきを測定出来ない為、測定精度が確保できないという課題があった。
即ち、従来の液滴測定方法では、測定時間の短縮化と測定精度の確保はトレードオフの関係にあった。
本発明は、上記従来の液滴の体積の測定方法における課題に鑑みて、測定時間を短縮化するとともに液滴の面積から液滴の体積を測定する方法に比べ測定精度を確保することが可能な液滴測定方法、及び液滴測定システムを提供することを目的とする。
第1の本発明は、
ヘッドの少なくとも一部のノズルから複数の液滴と、前記液滴の周囲にダミー液滴と、を基板上に吐出させる吐出工程と、
前記複数の液滴を撮像し輝度情報を得る撮像工程と、
前記複数の液滴から抽出した液滴サンプルの表面の三次元座標を測定し、前記三次元座標系上の位置における前記液滴サンプルの傾きを求める傾き工程と、
前記液滴サンプルについて、前記傾き工程で求めた前記液滴サンプルの表面の三次元座標系上の位置における傾きと、前記撮像工程で得られた前記液滴サンプルの前記輝度情報に基づいて前記位置に対応する前記輝度情報と、の対応関係を作成し、更に前記傾きと輝度比との対応関係を表す対応テーブルを作成する、対応テーブル作成工程と、
前記ノズルの評価対象にしたノズルから吐出した複数の評価対象の液滴を撮像得られた輝度情報と前記対応テーブルとを用いて、前記複数の評価対象の液滴の体積あるいは表面形状を求める液滴評価工程と、
を備え、
前記輝度とは、前記撮像工程で撮像した各画素の輝度を、前記液滴サンプルごとに切り取った液滴毎画像の基準の輝度である基準輝度で除した値であり、
前記基準輝度は、前記液滴サンプル画像を構成する複数の画素の最大値の輝度か、または、前記基板の表面の輝度を平均化した輝度である
ことを特徴とする液滴測定方法である。
また、第の本発明は、
前記液滴評価工程の後、前記ヘッドの少なくとも一部のノズルから複数の液滴を基板上に新たに吐出させる別の吐出工程と、
前記新たに吐出された前記液滴を撮像する別の撮像工程と、
前記対応テーブルを用いて、前記新たに吐出された前記液滴の体積あるいは表面形状を求める別の液滴評価工程と、
を備えたことを特徴とする上記第1の本発明の液滴測定方法である。
また、第の本発明は、
前記撮像工程での、前記液滴と前記基板との接触角αが、前記撮像工程で用いるレンズの入射光の最大角度θと次式の関係を満たすことを特徴とする、上記第1又は第2の本発明の液滴測定方法である。
1/5×θ≦α≦3×θ
但し、θ=sin−1(NA/n)、NAは前記レンズの開口数、nは前記液滴と前記レンズの間の媒質の屈折率である。
また、第の本発明は、
前記基板の表面には撥水性を有する高分子膜が形成されており、
前記吐出工程と前記撮像工程との間に、減圧雰囲気中で前記基板上の前記液滴を乾燥させる減圧乾燥工程と、を有する、ことを特徴とする上記第1又は第2の本発明の液滴測定方法である。
また、第の本発明は、
前記液滴の表面の三次元座標系上の位置は、X−Y−Z座標で表され、
前記撮像工程で得られる前記輝度情報は、前記X−Y−Z座標系上のX−Y平面座標で表される、ことを特徴とする上記第1又は第2の本発明の液滴測定方法である。
また、第6の本発明は、
液滴の表面の三次元座標を測定し、前記三次元座標系上の位置における前記液滴の傾きを求める液滴形状測定装置と、
前記液滴と、前記液滴の周囲にダミー液滴と、を基板に吐出するノズルを複数有するヘッドと、
前記ヘッドの少なくとも一部の前記ノズルから基板上に吐出された複数の前記液滴を撮像する撮像部と、
前記液滴の少なくとも一部の液滴サンプルについての、前記液滴形状測定装置より求めた前記液滴サンプルの表面の三次元座標系上の位置における傾きと、前記撮像部により得られた前記液滴サンプルの前記輝度情報に基づいて、前記位置に対応する前記輝度情報と、の対応関係を作成し、更に前記傾きと輝度比との対応関係を表す対応テーブルを作成する、対応テーブル作成部と、
前記撮像部により得られた輝度情報と前記対応テーブル作成部により作成された前記対応テーブルとを用いて、前記ノズルの評価対象にしたノズルから吐出した複数の評価対象の液滴の体積あるいは表面形状を求める液滴評価部と、
を備え、
前記輝度とは、前記撮像部工程で撮像した各画素の輝度を、前記液滴サンプルごとに切り取った液滴毎画像の基準の輝度である基準輝度で除した値であり、
前記基準輝度は、前記液滴サンプル画像を構成する複数の画素の最大値の輝度か、または、前記基板の表面の輝度を平均化した輝度である
ことを特徴とする液滴測定システムである。
本発明によれば、測定時間を短縮化するとともに液滴の面積から液滴の体積を測定する方法に比べ測定精度を確保することができる。
本発明の実施の形態1における液滴測定システムに含まれる液滴吐出装置の概略斜視図 本実施の形態1の液滴測定方法を説明する概略のフロー図 本実施の形態1の液滴測定方法で用いる基板の構成を示す断面図 本実施の形態1の液滴測定方法における、カメラの対物レンズの開口数から計算される対物レンズに入射する最大角度と液滴の接触との関係を表した模式図 (a)〜(c):本実施の形態1の(式2)に示した接触角αの下限の根拠について説明する図 (a)〜(c):本実施の形態1の(式2)に示した接触角αの上限の根拠について説明する図 本実施の形態1の液滴測定方法の撮像工程及び形状測定工程において用いる体積測定用液滴サンプルの液滴塗布パターン(ダミー液滴が2周配置されたタイプ)を表す概略正面模式図 本実施の形態1の液滴測定方法の撮像工程及び形状測定工程において用いる体積測定用液滴サンプルの液滴塗布パターン(ダミー液滴が1周配置されたタイプ)を表す概略正面模式図 本実施の形態1の液滴測定方法における、液滴間を十分に離した場合の体積測定用パターンを表す概略正面模式図 図5のA−B断面の液滴の頂点高さと直径の関係を表したグラフ (a):乾燥が早い液滴の形状変化を示す模式図、(b):乾燥が遅い液滴の形状変化を示す模式図 本実施の形態1における、撮像機構の全体構成を示す模式図 本実施の形態1における液滴測定方法の液滴評価工程を説明するためのフロー図 (a)〜(e):本実施の形態1における液滴測定方法の対応テーブルの作成方法を説明する図 本実施の形態1において、一つの液滴の表面の三次元座標系上の位置における傾きを、二次元座標系においてベクトル成分として変換する方法を説明する図 本実施の形態1において、一つの液滴の表面の三次元座標系上の位置における高さを求める方法を説明する図 本発明の実施の形態1における液滴の体積演算の方法を説明するための液滴の模式図 本発明の実施の形態の第2の液滴測定方法を示す概略のフロー図 本発明の実施の形態の第3の液滴測定方法を示す概略のフロー図 本発明の実施の形態の第4の液滴測定方法を示す概略のフロー図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の液滴測定方法及び液滴測定システムの一実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施の形態により限定されない。
本実施の形態の液滴測定システムは、液滴吐出装置50と、減圧チャンバー(図示省略)と、液滴形状測定装置(図示省略)から構成されている。
図1は、本実施の形態の液滴測定システムに含まれる液滴吐出装置50の概略斜視図である。
なお、減圧チャンバーは、基板に塗布された液滴を乾燥させる際に用いるが、これについては後述する。また、液滴形状測定装置は、評価対象となる全てのノズルから吐出される全ての液滴の中から所定の位置の液滴を抽出してその抽出した液滴の形状を測定する装置であるが、これについては後述する。
図1に示すように、印刷対象物1はヘッドユニット2の鉛直下方向の位置のテーブル3上に設置されている。テーブル3は駆動系を有するステージ11に取付けられ、X方向へ搬送される。ステージ11上には、一対の脚部4、脚部4とその上方に取り付けられた支持部5により構成された、鳥居状のガントリー6が固定されている。
さらに、ガントリー6の前面には、昇降方向(図1中のZ軸方向を参照)の昇降軸を有する支持台7が連結され、鉛直方向(図1中のZ軸方向を参照)に移動可能となっている。この支持台7にヘッドユニット2が配設されており、ヘッドユニット2は分配タンク8やラインヘッド9を具備している。昇降方向Zへの移動によって、印刷対象物1とラインヘッド9間のギャップを調整している。
ラインヘッド9は、インクを吐出させる複数のノズル(図示省略)と各ノズルに対応した圧電アクチュエータ(図示省略)を含む液滴吐出モジュールヘッド10を複数備えている。
また、液滴吐出装置50は、図1に示すように、印刷対象物1に塗布された全ての液滴を撮像することが出来るカメラ601等を有する撮像機構20をテーブル3の上方に備えている。なお、撮像機構20については、図12を参照しながら更に後述する。
また、液滴吐出装置50は、図1に示すように、制御部12を備えており、その制御部12により、各液滴吐出モジュールヘッド10に電力とヘッド毎の制御信号とを供給すると共に、上記X、Zの駆動軸にも制御信号を供給し、且つ、液滴を測定する際に使用する撮像機構20にも制御信号を供給する。また、制御部12は、後述する対応テーブル作成部120、及び体積算出部130を備える。
なお、本実施の形態の撮像機構20は、本発明の撮像部の一例にあたり、体積算出部130は、本発明の液滴評価部の一例にあたる。
このように、ラインヘッド9は印刷対象物1の全幅にわたって配列された液滴吐出モジュールヘッド10を備えている。このため、その印刷動作時には、上記印刷対象物1をX方向に搬送しながら、制御部12からの制御信号により所定のタイミングでラインヘッド9から液滴を吐出することで、印刷対象物1の全幅にわたって所望の画像を形成することが可能である。
次に、本実施の形態の液滴測定システムを用いて行う液滴測定方法の一実施の形態について、図2を参照しながら説明する。
図2は、本実施の形態の液滴測定方法を説明する概略のフロー図である。
本実施の形態の液滴測定方法は、図2に示すように、基板作成工程S10と、吐出・塗布工程S20と、乾燥工程S30と、撮像工程S40と、形状測定工程S50と、対応テーブル作成工程S60と、液滴評価工程S70とを備えている。
即ち、基板作成工程S10は、表面が撥水性を有する高分子膜を備えた基板に、UV光を照射して、液滴と撥水膜の角度が、所定の接触角となるように液水膜を形成する工程であり、吐出・塗布工程S20は、インクを、インクジェット方式を用いて評価対象のノズルから上記高分子膜に向けて液滴を吐出し、上記高分子膜にインクを塗布する工程である。
また、乾燥工程S30は、インクが塗布された基板を減圧チャンバー(図示省略)内に入れて、減圧しながら高分子膜に塗布されたインクを乾燥させる工程であり、撮像工程S40は、乾燥されたインクの液滴をカメラにより撮像する工程である。
なお、減圧チャンバーは、液滴吐出装置50上に搭載されていても良いし、若しくは、液滴吐出装置50上に搭載せず、装置外に単体で設置されていても良い。
また、形状測定工程S50は、撮像工程S40で用いた基板上の液滴の内から複数の液滴を抽出し、その抽出された複数の液滴についてそれぞれの形状(各液滴の表面における三次元座標系上の複数の位置の座標データ)を測定する工程である。
また、対応テーブル作成工程S60は、形状測定工程S50で測定された、各液滴の表面の三次元座標系上の位置における傾き情報と、その三次元座標系上の位置に対応する二次元座標系上の位置における、撮像工程S40で得られた輝度情報から、任意の2次元座標上の位置における輝度情報を入力値とし、前記任意の2次元座標上における3次元座標上の傾きを出力値とする対応テーブルを作成する工程である。
また、液滴評価工程S70は、撮像工程S40で得られた上記評価対象のノズルから吐出された全ての液滴についての輝度情報と、対応テーブル作成工程S60で作成された対応テーブルとを用いて、上記評価対象のノズルから吐出された全ての液滴のそれぞれの体積あるいは表面形状を求める工程である。なお、その結果に基づいて、各ノズルの圧電アクチュエータに印加すべき電圧を調整する工程を含んでも良い。
なお、本実施の形態の吐出・塗布工程S20は、本発明の吐出工程の一例にあたり、乾燥工程S30は、本発明の減圧乾燥工程の一例にあたる。
次に、上述した各工程について更に説明する。
ここでは、図3、図4を参照しながら、基板作成工程S10(図2参照)における基板100の構成、及び液滴の基板100に対する接触角αの設定条件を中心に説明する。
図3は、基板100の構成を示す断面図である。基板100は支持基板101と、高分子膜102を含んでいる。
また、図4は、カメラ601(図1参照)の対物レンズ201の開口数から計算される対物レンズ201に入射する最大角度θと液滴の接触αとの関係を表した模式図である。
支持基板101は、例えばガラスを用いることができる。高分子膜102は、例えば有機ELディスプレイの発光層を形成する際に使われるレジスト材料を有機溶媒に溶解させ支持基板101へスピンコートやダイコートなどにより塗布、乾燥させたものである。高分子層102となる材料は、ポリイミドやアクリル樹脂からなる感光性材料である。そしてこの中にフッ素を含んでいてもよい。フッ素を含む樹脂材料は、一般的に透明性が高く、その高分子繰返し単位のうちの少なくとも一部の繰返し単位に、フッ素原子を有するものであればよく、特に限定されない。フッ素化合物を含む樹脂の例には、フッ素化ポリオレフィン系樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、フッ素化ポリアクリル樹脂などが含まれる。その膜厚は、通常、0.1〜3μmであり、特に0.8〜1.2μmであることが好ましい。以下、高分子膜として例としてポリイミドやアクリル樹脂からなる感光性材料を用いた場合について説明を続ける。
高分子膜102は、ポリイミドやアクリル樹脂からなる感光性材料を有機溶媒に溶かし、液体にしたものを、スピンコート法等を用いて支持基板102に塗布/乾燥させたものである。
高分子膜102の材料にフッ素含有の高分子材料を用いることで、高分子膜102は撥水の機能を有することになる。
ここで、表面にフッ素膜が形成された状態では撥水性が高すぎる場合があり、インクを塗布/乾燥後に所望の接触角が得られない為、基板100の高分子膜102に対してUV光を照射してフッ素の結合を部分的に切ることで基板100の撥水性を制御することが出来る。
本願発明者らは、高分子膜102の上に配置された液滴202の接触角αは、撮像工程で使用するカメラ601の対物レンズ201の開口数(NA)によって決まる対物レンズの最大角度θと、下記の関係式(式2参照)を満たすことが好ましいことを見出した。
以下、この関係式について説明する。
図4の201はカメラ601(図1参照)の対物レンズであり、202は乾燥後の液滴であり、100はサンプル作成用の基板である。また、θはレンズNAから計算される対物レンズ201に入射する光の最大角度であり、次式(式1)で表される。
θ=sin−1(NA/n) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式1)
ここで、NAは液滴の輝度情報の測定に使用するカメラ601の対物レンズ201の開口数であり、nは液滴と対物レンズ201の間の媒質の屈折率である。
乾燥後の液滴と基板100との接触角をαと定義すると、接触角αと最大角度θが等しくなる事が好ましく、この接触角αと、対物レンズ201の最大角度θとの関係は、最大角度θに対し大きすぎても小さすぎても、輝度情報から傾きを得て、液滴の体積或いは液滴の表面形状を求める際に誤差が生じる。
しかしながら、現実には液滴の接触角αを厳密に制御する事が困難である為、接触角αを次式(式2)の範囲内に収める事で所望の測定精度を得ることが出来る事が分かった。
1/5×θ≦α≦3×θ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式2)
但し、θ=sin−1(NA/n)、NAはレンズの開口数、nは液滴と対物レンズの間の媒質の屈折率である。
以下、上記(式2)に示した接触角αの下限、及び上限の根拠について、図5、図6を使いながら説明する。
図5、図6では、説明を簡単にするために、原点を通るX−Z平面で液滴を切断したときの当該液滴の断面形状における、液滴高さ、液滴傾き、及び、画像輝度について説明するが、原点とZ軸を通る多数の平面により、一つの液滴を何度も切断することで得られる当該液滴の多数の断面形状における、液滴高さ、液滴傾き、及び、画像輝度についても同様の説明が適用できる。
まず、接触角αの下限について図5を用いて説明する。図5は、液滴最大角度がα=θの場合と、α=1/5×θの場合の、液滴高さ、傾き、輝度を記述したグラフであり、(a)は液滴高さ、(b)は液滴傾き、(c)は画像輝度を表している。
図5の(b)の液滴傾きグラフにおいて、α=θの液滴傾きグラフ801は、液滴最大角度が、レンズの測定可能角度θと等しい為、液滴の最大傾きまで測定可能となり、(c)の画像輝度グラフ802の輝度幅iは、基板平面の輝度階調kのうち例えば90%程度を使用した値となる。それに対し、α=1/5×θのグラフでは、(b)液滴傾きグラフ811において、最大角度が±1/5×θとなっている為、(c)の液滴輝度グラフ812の輝度幅jはkの例えば10%程度の輝度差となる。ここで、画像認識を使用して液滴を識別するためには、一般的に画像輝度の平均値に対して10%程度の輝度差が必要となる為、画像認識によって液滴を識別する事が困難になる。即ち、液滴のX軸上の半径位置での接触角αを1/5×θとなる様に設定することは、カメラ601が、基板100上の液滴を認識できる最小の接触角αを設定することを意味する。
次に、接触角αの上限について図6を用いて説明する。図6は、液滴最大角度がα=θの場合と、α=3×θの場合の、液滴高さ、傾き、輝度を記述したグラフであり、(a)は液滴高さ、(b)は液滴傾き、(c)は画像輝度を表している。
図6の(b)の液滴傾きグラフにおいて、α=θの液滴傾きグラフ901は、液滴最大角度が、レンズの測定可能角度θと等しい為、液滴の最大傾きまで測定可能であるので、(c)の画像輝度グラフ902は液滴外周部まで形状を反映した情報となっている。
それに対し、α=3×θのグラフでは、(b)液滴傾きグラフ911において、最大角度が±3θとなっているが、レンズの測定可能角度θまでしか測定できない為、(c)画像輝度グラフ912の様に傾きがθを超えた部分の輝度情報は、液滴形状を反映した輝度情報ではなく、例えば一定の値を取ることになる。
この時、液滴の直径をD、液滴の角度がθ以内の範囲の直径をdとおくと、接触角α=3×θのときに、d=1/2×Dとなることを本願発明者らは見出した。
つまり、接触角αの上限3×θは、カメラ601が、基板100上の液滴の半径の少なくとも半分の範囲(X−Y平面上の面積では1/4の範囲)の液滴の部分を認識できれば、その少なくとも半分の範囲の液滴の部分の体積を求めることが出来るので、たとえ一つの液滴の全体の体積が求められなくても、液滴の面積を測定する従来方法に比べて、高い測定精度を維持することが出来ることを、本願発明者らが見出したものである。
以上説明した通り、接触角αは、上記(式2)の関係を満たすことが好ましく、接触角αを最大角度θに一致させる様に接触角αを調整すれば、より好ましい。
そのため、本実施の形態1では、この対物レンズ201の開口数(NA)から計算される対物レンズ201に入射する光の最大角度θに、液滴202と基板100との接触角αを一致させるように接触角αを調整する為、接触角αは次式(式3)で与えられる。
α=θ=sin−1(NA/n) ・・・・・・・・・・・・・・・・・(式3)
上記の(式3)によれば、例えばNA=0.1のレンズを使用する場合は、対物レンズと液滴の間の媒質を空気(0℃、1気圧)とすると屈折率nは、1.000292であるので、接触角は0.1radとなる。
次に、図7〜図9を参照しながら、吐出・塗布工程S20(図2参照)における、評価対象となる全てのノズルから吐出された体積測定用液滴サンプル301の作成を中心に説明する。
図7は、本実施の形態1の液滴測定方法の撮像工程S40及び形状測定工程S50において用いる体積測定用液滴サンプルの液滴塗布パターンを表す概略模式図である。図7の301は体積測定用液滴サンプルであり、302は体積測定用液滴サンプルの乾燥時の雰囲気を一定に保つ為のダミー液滴であり、303は、サンプル作成用の基板である。なお、サンプル作成用の基板303は、図3で説明した基板100と基本的に同じ構成である。
ダミー液滴302は、乾燥時に体積測定用液滴サンプル301の溶媒雰囲気を一定に保ち、体積測定用液滴サンプル301の接触角αを一定の範囲に保つ役割がある。
ここで、ダミー液滴302は複数個の体積測定用液滴サンプル301を取り囲むように配置しても良いし、個々の体積測定用液滴サンプル301を取り囲むように配置しても良い。なお、ダミー液滴302の個数は使用するインクの溶媒によって変わるが、例えばインクの溶媒がアニソールの場合は、1〜10周程度のダミー液滴で体積測定用液滴サンプル301の外周を取り囲むのが望ましく、本実施の形態では2周のダミー液滴を配置した(図7参照)。
なお、インクの溶媒によって、体積サンプル301の外周を取り囲むダミー液滴を、図8に示した通り、1周分配置する構成としても良い。
なお、溶媒雰囲気を一定に保つために、1個のダミー液滴に使用するインクの吐出回数を増減することでも溶媒雰囲気の調整を行っても良い。
また、図9のように体積測定サンプル用の液滴の間隔を変動させることで、で、溶媒雰囲気の調整を行っても良い。この構成によれば、任意の溶媒雰囲気を狙い通りに実現することができる。
なお、図9は、液滴間を十分に離した場合の体積測定用パターンを表す概略正面模式図である。図9の401は体積測定用液滴サンプルであり、402は液滴401から揮発した溶媒雰囲気であり、403はサンプル作成用の基板である。なお、サンプル作成用の基板403は、図3で説明した基板100と基本的に同じ構成である。
以上のようにして、吐出・塗布工程S20(図2参照)で作成された、評価対象となる全てのノズルから吐出された、全ノズルと同数の全ての体積測定用液滴サンプル301が、撮像工程S40で撮像対象とされるとともに、形状測定工程S50ではその一部の体積測定用液滴サンプル301が測定対象とされる。
次に、図10、図11を参照しながら、乾燥工程S30(図2参照)について説明する。
乾燥工程S30では、使用するインクの溶媒の物性によるが、例えば溶媒がアニソールの場合には、インクの乾燥は、23℃以上60℃以下の温度範囲で、且つ減圧雰囲気で行う。
上記の温度範囲で、且つ減圧雰囲気で乾燥を行うことで、例えば溶媒がアニソールの場合の様に沸点が100℃以上のインクであっても実用的な時間範囲で乾燥を行うことができる。
図10に、図7のA−B断面の液滴の頂点高さと直径の関係を表したグラフを示す。
図10の一端側領域501と他端側領域502は、基板303(図7参照)上に塗布された複数の体積測定用液滴サンプル301(図7参照)の外周部に塗布された主としてダミー液滴302(図7参照)の頂点高さと直径の関係を表した領域であり、中央領域503は基板303上に塗布された複数の体積測定用液滴サンプル301の中央部の頂点高さと直径の関係を表した領域である。
図10から分かるように、外周部の一端側領域501と他端側領域502におけるダミー液滴302では、液滴頂点高さと直径が大きく変化しているのに対して、中央領域503における体積測定用液滴サンプル301では、液滴頂点高さと直径が、外周部のダミー液滴302に比べて安定していることがわかる。
これは、中央領域503の液滴は、図7に示すように周囲を液滴に囲まれている為、乾燥中の溶媒雰囲気が安定し、時間をかけて乾燥するのに対して、外周部の一端側領域501と他端側領域502におけるダミー液滴302は、周囲に液滴が無い為、乾燥時の溶媒雰囲気が変化しやすく急速に乾燥が進んだ為だと考えられる。
以上のことから、体積測定用液滴サンプル301の形状を安定させるためには、ダミー液滴302が必要となる。
次に、乾燥速度と液滴の形状について説明する。
図11(a)、図11(b)に、乾燥が早い場合と乾燥が遅い場合の液滴形状の変化の模式図を示す。
図11(a)は、乾燥が早い液滴801の形状変化を示す模式図であり、図11(b)は、乾燥が遅い液滴802の形状変化を示す模式図である。
乾燥が早い液滴801は、液滴が直径方向に縮むより早く高さ方向に縮む為、直径が大きく高さが低い液滴が形成されることとなり、乾燥後の液滴は、基板との接触角が低く(小さく)なる。
これに対して、乾燥が遅い液滴802は乾燥速度が遅い為、液滴が高さ方向に縮むより早く高さ直径に縮む為、直径が小さく高さが高い液滴が形成されることとなり、基板との接触角が高く(大きく)なる。
本実施の形態では、ダミー液滴302を体積測定用サンプル液滴301の周囲に形成することでサンプル全体の乾燥を抑えた状態で、且つ減圧雰囲気で乾燥することで、基板との接触角が低い液滴を作成することを可能としている。
次に、図12を参照しながら、撮像工程S40(図2)において用いる撮像機構20について説明する。
本実施の形態の液滴吐出装置50は、図1で説明した通り、撮像機構20を具備する。
図12は、本発明の実施の形態における、撮像機構20の全体構成を模式的に示した図である。
撮像機構20は、光源600と、カメラ601とレンズ機構602と、カメラ601およびレンズ機構602を保持する治具603と、それらを走査軸604に沿って駆動させる駆動機構605と、ピント調整のためのZ方向駆動機構606を有する。
カメラお601よびレンズ機構602は、走査軸604方向に沿って移動しながら、基板100に塗布された体積測定用液滴サンプル301の画像を撮像する。液滴サンプルの画像データは、制御部12に設けられた対応テーブル作成部120、及び体積算出部130に送られる。
なお、治具603に併設された高さセンサ607と、Z方向駆動機構606を用いて、随時オートフォーカスで調整する構成としても良い。
この構成によれば、基板100のガラス面のうねりの影響を除去することが出来る。
なお、動作簡略化のために、撮像開始時にZ方向駆動機構606を用いてフォーカスを調整し、その後Z方向は固定で撮像を行っても良い。
カメラ601は、エリアセンサを搭載したものでもラインセンサを搭載したものでも良いが、本実施の形態ではラインセンサを搭載したカメラを用いる。画素数および画素サイズは撮像対象物に合わせて選定すれば良いが、本実施の形態では、幅方向の画素数4096、画素サイズ2μmとした。
ラインセンサのスキャン分解能は、設備の要求タクトから逆算して求まるカメラの走行速度から求める。走行軸の速度は、10mm/s〜200mm/sが望ましく、本実施の形態では、100mm/sとした。
レンズ602の倍率およびNAは、撮像対象液滴の形状に合わせて選定する。本実施の形態では倍率5倍、NAが約0.1のレンズを用いた。
なお、レンズはテレセントリックレンズを用い、フォーカスの影響を相対的に小さくするのが望ましい。
なお、光軸傾きの影響を避けるため、照明は同軸落射のレンズを用いるのが良い。
次に、撮像工程S40で得られた液滴の画像データを用いて各液滴の体積を算出する液滴評価工程S70と、形状測定工程S50と、対応テーブル作成工程S60について、図13〜図16を参照しながら説明する。
ここで、図13は、液滴評価工程S70を説明するためのフロー図であり、図14(a)〜図14(e)は、対応テーブルの作成方法を説明する図である。
液滴評価工程S70を説明する前に、形状測定工程S50と対応テーブル作成工程S60について主として図14(a)〜図14(e)を参照しながら説明する。
まず、形状測定工程S50は、撮像工程S40で撮像対象(評価対象)となった全ての液滴の中から所定の位置の液滴を抽出してその抽出した液滴の形状を測定する工程である(図2参照)。即ち、本実施の形態では、液滴の表面の三次元座標系(X−Y−Z座標系)上の位置座標データ(x,y,z)を、公知の液滴形状測定装置(図示省略)により測定する。
具体的には、基板303に塗布された複数の液滴のうち、一つまたは複数の液滴を抽出し、公知の液滴形状測定装置を用いて液滴のプロファイルを測定する。
ここでは、抽出された液滴の各液滴について、基板303の表面をX−Y二次元平面とし、平面視で液滴の頂点をX−Y二次元平面の原点として、その原点を通るZ軸の方向が液滴の高さを表すことになる。
図14(a)は、液滴について、原点を通るX−Z平面で切断したときの当該液滴の表面の「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」と、「Z軸方向の高さ」の関係を示す曲線であり、この曲線が、液滴の一つのプロファイルである。ここでは、説明を簡単にするために、図14(a)に示す、液滴の一つのプロファイルに基づいて説明するが、実際には、原点とZ軸を通る多数の平面により、一つの液滴を何度も切断することで得られる当該液滴の多数のプロファイルから、当該液滴の形状を求めることになる。なお、この曲線は、多項関数や三角関数により近似関数として表しても良い。
なお、形状測定工程S50において抽出する液滴の数は、多ければ多いほど液滴の体積測定精度は向上するが、その分、測定時間が長くなるため、例えば液滴サンプル301(図7、図8参照)の5〜100000液滴ごとに1液滴を抽出するのが望ましい。抽出の方法は、印刷対象物1に吐出された液滴の配列情報を元に抽出するか、液滴吐出モジュールヘッド10の配列情報を元に抽出するのが良い。
なお、画像情報から得られる直径等の液滴形状を参照しながら抽出する液滴を決定しても良い。この構成によれば、液滴形状に合わせて対応テーブルを使い分けることができるため、前記対応テーブル作成に用いた液滴と、評価対象の液滴の形状が異なることによる誤差の影響を抑制することができる。
また、上述した公知の液滴形状測定装置は、たとえ測定に時間がかかっても正確に形状を測定できるものが望ましく、例えば光干渉原理や共焦点原理の測定器を用いるのが良い。本実施の形態では、光干渉を利用した測定器を用いた。
また、液滴形状測定装置は、液滴吐出装置50上に搭載されていても良いし、若しくは、液滴吐出装置50上に搭載せず、装置外に単体で設置されていても良い。
次に、再び図14に戻り、対応テーブル作成工程S60について説明する。
対応テーブル作成工程S60は、形状測定工程S50で測定された各プロファイルに基づいた位置座標データ(x,y,z)から、液滴の表面の三次元座標系上の位置における傾きを求め、その求めた傾きと、その位置に対応する二次元座標系上の位置における輝度比(この輝度比は、撮像工程S40で得られた液滴の輝度データから求める)との対応関係を表す対応テーブルを作成する工程である(図2参照)。本実施の形態では、対応テーブルは、対応テーブル作成部120(図1参照)において作成する。
具体的には、形状測定工程S50で測定した、液滴の表面の「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」と、その位置における「Z軸方向の高さ」の関係を示す曲線(図14(a)参照)を微分することで、図14(b)に示すとおり、「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」と、その位置における「傾き」の関係が求まる。
次に、撮像工程S40で得られた、評価対象の全てのノズルから吐出された全ての液滴における各液滴の画像を構成する複数の画素(カメラ601のCCD素子の各画素に対応)の各画素の輝度情報(例えば、階調レベル0〜階調レベル255)から、「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「輝度」との対応関係を作成し(図14(c)参照)、更に、「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「輝度比」との対応関係を作成する(図14(d)参照)。
なお、図14(c)、図14(d)の対応関係を作成する際、評価対象の全てのノズルから吐出された全ての液滴の画像の内、形状測定工程S50において抽出された液滴と同じ液滴の画像が抽出される。
ここで、「輝度比」とは、各画素の輝度を、液滴ごとに切り取った「液滴毎画像」の基準位置での輝度(基準輝度)で除した値である。
なお、基準輝度は液滴内輝度の最大値とするのがよく、ばらつき低減のために、平滑化処理を行ってから最大値を算出するのが望ましい。
なお、ばらつき低減のため、面積の広い基板303の表面の輝度を平均化した輝度を基準輝度としても良い。
本構成のように、輝度ではなく輝度比を用いることで、照明の変動や印刷対象物の反射率の違いなどによる輝度情報変化の影響を低減することができる。
次に、図14(b)に示した、「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」と、その位置における「傾き」の関係と、図14(d)に示した、「液滴中心(原点)からの距離」とその位置における「輝度比」との関係から、「輝度比―傾き」対応テーブルを作成する(図14(e)参照)。
なお、抽出された全ての液滴の各液滴についても同様に「液滴中心(原点)からの距離」とその位置における「輝度比」との対応関係を作成して、それら作成された全ての対応関係を平均化して「輝度比―傾き」対応テーブルを作成しても良い。
なお、図14(e)に示す曲線は、多項関数や三角関数により近似関数として表しても良い。
なお、これらの形態では、図14を用いて、液滴の一つのプロファイルに基づいて説明したが、原点とZ軸を通る多数の平面により、一つの液滴を何度も切断することで得られる当該液滴の多数のプロファイルを用いて「輝度比―傾き」対応テーブルを作成しても良い。
また、本実施の形態の「輝度比―傾き」対応テーブルが、本発明の対応テーブルの一例にあたる。
なお、上述した対応テーブル(図14(e)参照)は、光の反射モデルから、理論的に作成しても良い
しかし、液滴の物性や形状が不安定であるために光の反射率が不明瞭になる場合は、図14(a)〜図14(e)を用いて説明した方法を用いて対応テーブル作成を行うのが良い。
以上が、形状測定工程S50と対応テーブル作成工程S60についての説明であり、次に、図13の液滴評価工程S70について説明する。本実施の形態では、液滴評価工程は、体積算出部130(図1参照)において行う。
まず、工程S71では、撮像工程S40で撮像した、評価対象となる全てのノズルから吐出された全ての液滴についての画像から、各液滴の位置を特定し、それぞれの液滴ごとに切り取った「液滴毎画像」を作成する。
なお、画像から各液滴の位置を特定する特定方法は、公知の画像処理における位置特定方法を用いた。
次に、工程S71で得られた、「液滴毎画像」を用いて、各液滴について順番に、画像の輝度情報から輝度比を求め、「輝度比―傾き」対応テーブル(図14(e)参照)を用いて、一つの液滴の画像に対応する複数の画素に含まれる各画素の画素位置での傾きを全て算出する(図13の工程S72参照)。
次に、一つの液滴の画像について、工程S72で得られた各画素位置の全ての傾き情報を用いて、各画素の位置のZ方向高さ(仮値)を算出する(工程S73参照)。
以下に、各画素位置での傾きから各画素位置でのZ方向高さを算出する方法を、図15、図16を参照しながら説明する。
なお、説明の便宜上第4象限のみの場合について説明するが、第1〜第3象限においても同様の考えで同定を行う。
なお、図15は、一つの液滴の表面の三次元座標系上の位置における傾きを、二次元座標系においてベクトル成分として変換する方法を説明する図であり、図16は、一つの液滴の表面の三次元座標系上の位置における高さを求める方法を説明する図である。
まず、図15に示す様に、一つの液滴についての各画素位置に対応する、当該一つの液滴の表面の三次元座標系上の位置Pにおける傾きkpは、液滴頂点に向かうベクトルのスカラー値と考え、X成分kxとY成分kyに分解する。次に、液滴毎画像内の、液滴頂点を含む画素位置(図15では原点位置(0,0)に対応)に一旦任意の高さ(H0)を与える。
なお、液滴頂点を含む画素位置は、液滴毎画像内で輝度が最大となる画素位置とするのが良い。
なお、ノイズによる誤認識防止のため、平均化フィルタまたはメディアンフィルタまたはガウシアンフィルタ等を用いて平滑化した後の液滴毎画像内で輝度が最大となる画素位置としても良い。
なお、液滴毎画像内で輝度重心を求め、輝度重心を液滴頂点と定義としても良い。
次に、図16を参照しながら、一つの液滴の表面の三次元座標系上の位置における高さを求める方法を説明する。
液滴頂点(図16の原点に対応)を含む画素位置A以外の、X軸上の任意の画素位置Bの高さは、画素位置Bに対してX方向負の方向に隣接する画素位置の高さから、画素位置BのX成分傾きに、又は画素位置Bに対してX方向負の方向に隣接する画素位置のX成分傾きに、若しくはそれらの平均値に、画素位置Bと画素位置Bに対してX方向負の方向に隣接する画素位置間の距離を掛けた値を加算することで算出できる。
また同様にして、液滴頂点(図16の原点に対応)を含む画素位置A以外の、Y軸上の任意の画素位置Cの高さは、画素位置Cに対してY方向正の方向に隣接する画素位置の高さから、画素位置CのY成分傾きに、又は画素位置Cに対してY方向正の方向に隣接する画素位置のY成分傾きに、若しくはそれらの平均値に、画素位置Cと画素位置Cに対してY方向正の方向に隣接する画素位置の間の距離を掛けた値を加算することで算出できる。
なお、液滴頂点を含む画素位置A、もしくはX軸またはY軸上の画素位置(B,C)以外の画素位置Dの高さを求める際には、画素位置Dに対してX方向負の方向に隣接する画素またはY方向正の方向に隣接する画素もしくはその双方の高さおよび傾きを用いて、上記方法と同様に算出できる。
次に、液滴直径を画像の輝度情報を用いて算出する(工程S74参照)。
算出方法は、輝度と液滴中心からの距離の対応関係(図14(c)、図14(d)参照)を作成し、輝度の最小値となるときの、液滴中心からの距離をもとに導出するのが良い。
また、ノイズの影響を抑えるため、輝度と液滴中心からの距離の対応関係を示す関数または散布図を一回微分し、その関数または散布図の値が極値となるときの、滴中心からの距離をもとに導出しても良い。
なお、液滴直径の算出は、全画素の情報を用いても良いが、簡略化のため、X軸方向またはY軸方向もしくはその双方のみの画素情報を用いても良い。
次に、工程S74で求めた液滴直径と、工程S73で求めた各画素位置での高さ(仮値)を用いて、外周部での高さHe(仮値)を算出する。外周部での高さHeは、液滴中心からの距離が、液滴直径より求められる液滴半径から一定距離eの範囲以内の画素位置での高さの平均で求めるのが良い。
なお、外周部での高さHeの算出は、液滴半径から一定距離eの範囲以内に存在する画素の全画素位置での高さ情報を用いても良いが、簡略化のため、X軸方向またはY軸方向もしくはその双方のみの画素情報を用いても良い。
ここで、上記のようにして求めた外周部での高さ(仮値)Heが0になるように、工程S73で求めた各画素位置での高さ(仮値)から外周部での高さ(仮値)Heを引くことで全画素位置での高さにオフセットを与え、各画素位置での高さ(真値)を算出する。
例えば、画素位置Aでの高さ(仮値)がHA0、外周部での高さ(仮値)HeがHe0だった場合、画素位置Aでの高さ(真値)HAは以下の(式4)で求まる。
HA=HA0−He0 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式4)
次に、工程S74で求めた直径の範囲内の画素位置について、工程S75でもとめた各画素位置での高さHA(真値)と、各画素位置に対応する画素の面積S0との積V0(図17参照)を、一つの液滴700について全て足すことで、当該一つの液滴の体積Vを求めることが出来る(工程S76参照)。ここで、図17は、工程S76での演算を説明するための液滴700の模式図である。
次に、工程S77では、全ての液滴について、液滴の体積Vの算出が完了したか否かを判定し、完了していないと判定すれば、工程S71の直前に戻り、上記の工程S72から工程S76を繰り返し、完了していると判定すれば、工程S78へ進み、工程S76で求めた評価対象となったノズルの全ての液滴の体積を求める。
なお、求めた液滴の体積と、予め定められたノズルの液滴の体積との変異量を求め、所定の範囲内に収まる様に、各ノズルに対応した圧電アクチュエータへの印加電圧を調整するのが良い。
上述した様に、液滴の表面の三次元座標系上の位置における傾きと当該位置に対応する輝度情報との対応関係を表す対応テーブルから、ヘッドの少なくとも一部のノズルから吐出させた任意の液滴の任意箇所の輝度情報から任意の液滴の任意箇所の傾きを導出することが出来る。
また、上述した構成によれば、印刷対象物に塗布された液滴の形状が大きく異ならない場合において、高速に液滴吐出量を同定することができる。
またこれらの構成によれば、液滴形状が点対称でない場合にも適用することが可能であり、吐出量(液滴の体積)測定以外にも、液滴の表面形状等の測定にも用いることができる。
なお、本構成による吐出量測定方法では、光の反射量が測定精度を決める重要な要素であるため、例えば測定対象物を設置するステージ面の反射率にムラがあった場合に測定精度の悪化を招く。
そこで、測定対象物を設置するステージ面の反射率のムラを排除するために、測定対象物の撮像とは別途、測定物を置かない状態でステージ面を撮像し、測定物を置いた状態で撮像した画像輝度から、測定物を置かない状態で撮像した画像輝度を引いた画像を作成してから、上記方法により体積を測定するのが望ましい。
なお、本構成による吐出量測定方法では、測定対象物とレンズの位置関係が異なる場合、対象液滴は同一であっても、レンズ歪みの影響によって、測定される体積が異なる可能性がある。また、カメラの取り付け角度の微小な違いによって、測定対象物とレンズの位置関係と、測定される体積の関係も異なる。
そのため、事前にマスターサンプル等を用い、測定対象物とレンズの位置関係と、測定される体積の関係を導出しておき、実際に撮像して体積測定を行った後に上記違いをキャンセルする手法を用いるのが望ましい。
次に、上記実施の形態で説明した液滴測定方法が従来の方法に比べて顕著な効果を発揮するノズル数Nの範囲を、次式(式5)に示す。
60≦N≦1,200,000 ・・・・・・・・・・・・・・・・・(式5)
以下に、(式5)の下限と上限の根拠を説明する。
下限については、次の通りである。
光干渉等による従来の液滴測定方式と、本実施の形態の液滴測定方法のそれぞれの測定時間を比較した際に、本実施の形態の液滴測定方法では、従来方式と同等の測定装置を用いて、評価対象となる全てのノズルから吐出される体積測定用液滴サンプル中から所定数の液滴を抽出して、形状を測定して「輝度比−傾き」対応テーブルを作る必要がある為、測定に準備が必要となる。
その為、例えば1液滴を測定するだけであれば、従来の方法の方が早いが、本実施の形態の液滴測定方法は、1液滴当たりの測定時間が従来に比べて早い為、ある滴数以上で従来法より総合的な測定時間が短くなる。
そこで、従来の方法による測定時間Fは、次式(式6)で表すことが出来る。
F=A+B×N ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式6)
ここで、Aは従来の方法の準備時間、Bは従来の方法の1液滴当たりの測定時間、Nは測定対象(評価対象)の液滴個数、即ちノズル数を示すものとする。
次に、本実施の形態の方法による測定時間Gは、次式(式7)で表すことが出来る。
G=A’+D×N+B×(N/E+1) ・・・・・・・・・・・(式7)
ここで、A’は本実施の形態の方法の準備時間、Dは本実施の形態の方法の1液滴当たりの測定時間、Eは従来の方法を用いて液滴の形状を測定する際の抽出される液滴間隔を示すものとする。
上記変数の具体的な値としては、A=30sec、B=1sec、A’=60sec、D=0.001sec、E=100滴として、これらの値を、上記(式6)、(式7)にそれぞれ代入すると、N=60個あたりで、従来の方法による測定時間Fと、本実施の形態による測定時間Gが、ともに概ね90secとなり、それ以上大きな液滴数(ノズル数)になれば、本実施の形態による測定時間Gの方が、従来の方法による測定時間Fより短くなるため、下限は60個と設定できる。
一方、上限については次の通りである。
仮に、測定対象を60個より大幅に増やすと、測定時間が長くなり事実上、測定が困難となる。
そこで、本実施の形態の方法を用いたとしても、1色当たりの測定時間が4時間程度になるノズル数では、例えば、RGBの3色で測定時間が12時間となる。液滴の体積調整は、電圧変更(図14の工程S78参照)と、体積測定(図14の工程S71からS76参照)の工程を2〜3回行って調整するものとすると、トータルの測定時間は、24時間〜36時間となり、実用上は、稼働率等を確保するためには実現困難な値の下限となる。
よって、上記1色当たりの測定時間Gが4時間程度になるノズル数を求めると概ね1,200,000個となるため、これを上限とした。
以上のことから、ノズル数が60個以上で10万個以下の範囲では、本実施の形態の液滴測定方法によれば、従来の方法より、短い測定時間で、且つ、測定精度を確保できる。
なお、上記実施の形態では、本発明の液滴測定方法として、評価対象となる液滴を吐出して、その一部の液滴を、対応テーブルの作成に用いる場合について説明した(図2参照)。
しかし、これに限らず例えば、本発明の他の液滴測定方法の一例として、図18に示す工程により構成されていても良い。図18は、第2の液滴測定方法を示す概略のフロー図である。
図18において、第1工程SS100は、図2で示した液滴測定方法を示すフロー図であり、各工程において、図2と同じ工程には同じ符号を付した。また、図18において、別の基板作成工程S110、別の吐出・塗布工程S120、別の乾燥工程S130、別の撮像工程S140は、図2で説明した、基板作成工程S10、吐出・塗布工程S20、乾燥工程S30、撮像工程S40と基本的に同じである。また、図18の別の液滴評価工程S170は、対応テーブル作成S60で作成された対応テーブルを用いて液滴を評価する点を除いて、図2で説明した液滴評価工程S70と基本的に同じである。
図18に示す第2の液滴測定方法は、例えば、図1のラインヘッド9について、第1工程SS100(S10〜S70を含む)を最初に実施して、その後、同じラインヘッド9について、例えば、1週間毎に簡易測定を実施する場合は、1週間前に行った最初の測定で作成された対応テーブル(S60参照)を用いて、工程S110〜S170に従って測定を行い、更に、例えば、1ヶ月毎に実施する定期測定では、再び、第1工程SS100(S10〜S70を含む)に従って測定を行う構成である。
この構成によれば、測定の度に対応テーブルを作成する必要がないので、より効率良く、短時間で測定が行えて、且つ測定精度も確保出来るという効果を発揮する。
また、上記実施の形態では、本発明の液滴測定方法として、評価対象となる液滴を吐出して、その一部の液滴を、対応テーブルの作成に用いる場合について説明した(図2参照)。
しかし、これに限らず例えば、本発明の他の液滴測定方法の一例として、図19に示す様に、対応テーブルを作成するだけのために液滴を吐出し、評価対象の液滴を吐出する工程を別の工程として設けた構成であっても良い。図19は、第3の液滴測定方法を示す概略のフロー図である。図19において、図2と同じ工程には同じ符号を付した。
図19の対応テーブル作成用吐出・塗布工程S220は、評価対象のノズルの内、対応テーブル作成用として設定された一部のノズルから液滴を吐出する点を除いて、図2の吐出・塗布工程S20と基本的に同じである。ここで、一部のノズルの設定の方法は、上記実施の形態1の形状測定工程S50における液滴の抽出について説明した「抽出の仕方」と同じである。また、図19の形状測定工程S250は、対応テーブル作成用吐出・塗布工程S220において予め設定された一部のノズルから吐出された全ての液滴について形状を測定する点を除いて、図2の形状測定工程S50と基本的に同じである。また、図19の対応テーブル作成工程S260は、対応テーブル作成用吐出・塗布工程S220において予め設定された一部のノズルから吐出された液滴を全て用いて対応テーブルを作成する点を除いて、図2の対応テーブル作成工程S60と基本的に同じである。また、液滴評価工程S370は、対応テーブル作成工程S260で作成された対応テーブルを用いて液滴を評価する点を除いて、図2で説明した液滴評価工程S70と基本的に同じである。ここで、対応テーブル作成工程S220で用いた液滴と、液滴評価工程S370で評価対象となった液滴とは異なる液滴であるが、それらの液滴を吐出したノズルを有するラインヘッド(図1のラインヘッド9参照)は同じものである。この構成により、上記実施の形態の液滴測定方法と同様の効果を発揮する。
また、図19では、図中の左側に記載した、基板作成工程S10から対応テーブル作成用吐出・塗布工程S220を経て、対応テーブル作成工程S260に至る第1の作業工程と、図19の右側に記載した、基板作成工程S10から吐出・塗布工程S20を経て、液滴評価工程S370に至る第2の作業工程が、概ね並行して進行する場合について説明したが、これに限らず例えば、対応テーブル作成工程S260を完了してから、図19の右側に記載した、基板作成工程S10から吐出・塗布工程S20を経て、液滴評価工程S370に至る第2の作業工程に進む構成でも良い。要するに、同じラインヘッドからの液滴を用いることを前提として、液滴評価工程S370に進む前に、対応テーブル作成工程S260が完了しておりさえすれば、図19中の左側に記載の各工程と右側に記載の各工程がどの様な順番で進行しても良い。
また、図19に示す第3の液滴測定方法では、図19中の左側に記載の第1の作業工程と、図19中の右側に記載の第2の作業工程は、概ね同じ場所であって、概ね同時期に行われる場合について説明したが、これに限らず例えば、同じラインヘッドからの液滴を用いることを前提として、液滴評価工程S370に進む前に、対応テーブル作成工程S260が完了しておりさえすれば、図19中の左側に記載した第1の作業工程と、図19中の右側に記載した第2の作業工程とは、互いに異なる場所で行われても良いし、又は、互いに異なる時期に行われても良いし、若しくは、互いに異なる作業主体によって行われても良い。
また、図19に示す第3の液滴測定方法は、対応テーブル作成用吐出・塗布工程S220において、対応テーブルを作成するだけのために、評価対象の全てのノズルの内の一部のノズルから液滴を吐出し、それとは別に、吐出・塗布工程S20において、評価対象の全てのノズルから液滴を吐出する点で、図2の液滴測定方法と相違するが、図19の対応テーブル作成用吐出・塗布工程S220は、図2の吐出・塗布工程S20と同様に、評価対象の全てのノズルから液滴を吐出させて、対応テーブル作成工程S260において、全てのノズルから吐出された液滴の一部の液滴を抽出して、対応テーブル作成に用いる構成であっても良い。
また、上記実施の形態(図19参照)では、本発明の他の液滴測定方法の一例として、対応テーブルを作成するだけのために液滴を吐出し、評価対象の液滴を吐出する工程を別の工程として設けた構成について説明した。
しかし、これに限らず例えば、本発明の他の液滴測定方法の一例として、図20に示す工程により構成されていても良い。図20は、第4の液滴測定方法を示す概略のフロー図である。
図20において、第2工程SS200は、図19で示した第3の液滴測定方法を示すフロー図であり、各工程において、図19と同じ工程には同じ符号を付した。また、図20において、別の基板作成工程S410、別の吐出・塗布工程S420、別の乾燥工程S430、別の撮像工程S440は、図19で説明した、基板作成工程S10、吐出・塗布工程S20、乾燥工程S30、撮像工程S40と基本的に同じである。また、図20の別の液滴評価工程S470は、対応テーブル作成S260で作成された対応テーブルを用いて液滴を評価する点を除いて、図19で説明した液滴評価工程S370と基本的に同じである。
図20に示す第4の液滴測定方法は、例えば、図1のラインヘッド9について、第2工程SS200を最初に実施して、その後、同じラインヘッド9について、例えば、1週間毎に簡易測定を実施する場合は、1週間前に行った最初の測定で作成された対応テーブル(S260参照)を用いて、工程S410〜S470に従って測定を行い、更に、例えば、1ヶ月毎に実施する定期測定では、再び、第2工程SS200に従って測定を行う構成である。
この構成によれば、測定の度に対応テーブルを作成する必要がないので、より効率良く、短時間で測定が行えて、且つ測定精度も確保出来るという効果を発揮する。
また、上記実施の形態では、減圧チャンバー(図示省略)内において、減圧雰囲気中で基板上の液滴を乾燥させる乾燥工程を備えた構成について説明した。しかし、これに限らず例えば、減圧チャンバーを備えず、大気圧中において、基板上の液滴を乾燥させる乾燥工程を備えた構成であっても良いし、乾燥工程そのものが無くても良い。
また、上記実施の形態では、評価対象のノズルは、ラインヘッド9の全てのノズルを対象とした場合について説明したが、これに限らず例えば、ラインヘッド9の一部のノズルを評価対象としても良い。
また、上記実施の形態では、液滴評価工程では、吐出・塗布工程で吐出された液滴(但し、ダミー液滴は除く)は全て評価する場合について説明したが、これに限らず例えば、吐出・塗布工程で吐出された液滴(但し、ダミー液滴は除く)の一部の液滴についてのみ評価する構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、液滴と基板の接触角αを、対物レンズの最大角度θに一致させる様に接触角αを調整した場合(α=θ)について説明したが、これに限らず例えば、接触角αは、対物レンズの最大角度θに一致していなくても良い。
また、本実施の形態では、対応テーブル作成工程において、液滴と基板の接触角αを、対物レンズの最大角度θに一致させる様に接触角αを調整した場合(α=θ)について説明したが、これに限らず例えば、接触角αが(式2)に示した下限に調整された場合(即ち、α=1/5×θ)であっても、上述したα=θの場合と同様、公知の液滴形状測定装置を用いて液滴のプロファイルを測定し(図5(a)のグラフ810参照)、その測定されたプロファイルから、対応テーブル作成部130により、「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「傾き」との関係が求められると共に(図5(b)の液滴傾きグラフ811参照)、カメラ601を用いて撮像された液滴の輝度情報から「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「輝度」との対応関係を作成し(図5(c)の液滴輝度グラフ812参照)、更に、「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「輝度比」との対応関係(図示省略)を作成することが出来る。そして、図5(b)に示した、「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「傾き」との関係(図5(b)の液滴傾きグラフ811参照)と、「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「輝度比」との関係から、上記と同様に、「輝度比―傾き」対応テーブルを作成することが出来る。
また、本実施の形態では、対応テーブル作成工程において、液滴と基板の接触角αを、対物レンズの最大角度θに一致させる様に接触角αを調整した場合(α=θ)について説明したが、これに限らず例えば、接触角αが(式2)に示した上限に調整された場合(即ち、α=3×θ)であっても、上述したα=θの場合と同様、公知の液滴形状測定装置を用いて液滴のプロファイルを測定し(図6(a)のグラフ910参照)、その測定されたプロファイルから、対応テーブル作成部130により、「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「傾き」との関係が求められると共に(図6(b)の液滴傾きグラフ911参照)、カメラ601を用いて撮像された液滴の輝度情報から「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「輝度」との対応関係を作成し(図6(c)の液滴輝度グラフ912参照)、更に、「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「輝度比」との対応関係(図示省略)を作成することが出来る。そして、図6(b)に示した、「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「傾き」との関係(図6(b)の液滴傾きグラフ911参照)と、「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「輝度比」との関係から、上記と同様に、「輝度比―傾き」対応テーブルを作成することが出来る。なお、図6(c)に示す「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「輝度」との対応関係を示す液滴輝度グラフ912は、上述した通り、傾きがθを超えた部分の輝度情報は、液滴形状を反映した輝度情報ではなく、例えば一定の値を取ることになる。従って、「液滴中心(原点)からのX軸方向の距離」とその位置における「輝度比」との対応関係についても、傾きがθを超えた部分の輝度比は、液滴形状を反映した輝度比ではなく、上記と同様に一定の値を取ることになるので、「輝度比―傾き」対応テーブルは、液滴中心から液滴の半径の1/2の範囲内において作成される。
本発明の液滴測定方法、及び液滴測定システムよれば、塗布した液滴の体積或いは形状を高速に測定するとともに、測定精度を確保することが可能となり、例えば、印刷対象物の色むら等を管理するための測定およびインクジェット装置の校正を高速に行うことができる。
また、そのため、例えば有機ELディスプレイパネルの製造における有機発光材料を塗布形成するための液滴吐出式印刷装置の利用に有用である。
1 印刷対象物
2 ヘッドユニット
3 テーブル
4 脚部
5 支持部
6 ガントリー
7 支持台
8 分配タンク
9 ラインヘッド
10 液滴吐出モジュールヘッド
11 ステージ
12 制御部
20 撮像機構
50 液滴吐出装置
120 対応テーブル作成部
130 体積算出部

Claims (6)

  1. ヘッドの少なくとも一部のノズルから複数の液滴と、前記液滴の周囲にダミー液滴と、を基板上に吐出させる吐出工程と、
    前記複数の液滴を撮像し輝度情報を得る撮像工程と、
    前記複数の液滴から抽出した液滴サンプルの表面の三次元座標を測定し、前記三次元座標系上の位置における前記液滴サンプルの傾きを求める傾き工程と、
    前記液滴サンプルについて、前記傾き工程で求めた前記液滴サンプルの表面の三次元座標系上の位置における傾きと、前記撮像工程で得られた前記液滴サンプルの前記輝度情報に基づいて前記位置に対応する前記輝度情報と、の対応関係を作成し、更に前記傾きと輝度比との対応関係を表す対応テーブルを作成する、対応テーブル作成工程と、
    前記ノズルの評価対象にしたノズルから吐出した複数の評価対象の液滴を撮像得られた輝度情報と前記対応テーブルとを用いて、前記複数の評価対象の液滴の体積あるいは表面形状を求める液滴評価工程と、
    を備え、
    前記輝度とは、前記撮像工程で撮像した各画素の輝度を、前記液滴サンプルごとに切り取った液滴毎画像の基準の輝度である基準輝度で除した値であり、
    前記基準輝度は、前記液滴サンプル画像を構成する複数の画素の最大値の輝度か、または、前記基板の表面の輝度を平均化した輝度である
    ことを特徴とする液滴測定方法。
  2. 前記液滴評価工程の後、前記ヘッドの少なくとも一部のノズルから複数の液滴を基板上に新たに吐出させる別の吐出工程と、
    前記新たに吐出された前記液滴を撮像する別の撮像工程と、
    前記対応テーブルを用いて、前記新たに吐出された前記液滴の体積あるいは表面形状を求める別の液滴評価工程と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の液滴測定方法。
  3. 前記撮像工程での、前記液滴と前記基板との接触角αが、前記撮像工程で用いるレンズの入射光の最大角度θと次式の関係を満たすことを特徴とする、請求項1又は2に記載の液滴測定方法。
    1/5×θ≦α≦3×θ
    但し、θ=sin-1(NA/n)、NAは前記レンズの開口数、nは前記液滴と前記レンズの間の媒質の屈折率である。
  4. 前記基板の表面には撥水性を有する高分子膜が形成されており、
    前記吐出工程と前記撮像工程との間に、減圧雰囲気中で前記基板上の前記液滴を乾燥させる減圧乾燥工程と、を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴測定方法。
  5. 前記液滴の表面の三次元座標系上の位置は、X−Y−Z座標で表され、
    前記撮像工程で得られる前記輝度情報は、前記X−Y−Z座標系上のX−Y平面座標で表される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴測定方法。
  6. 液滴の表面の三次元座標を測定し、前記三次元座標系上の位置における前記液滴の傾きを求める液滴形状測定装置と、
    前記液滴と、前記液滴の周囲にダミー液滴と、を基板に吐出するノズルを複数有するヘッドと、
    前記ヘッドの少なくとも一部の前記ノズルから基板上に吐出された複数の前記液滴を撮像する撮像部と、
    前記液滴の少なくとも一部の液滴サンプルについての、前記液滴形状測定装置より求めた前記液滴サンプルの表面の三次元座標系上の位置における傾きと、前記撮像部により得られた前記液滴サンプルの前記輝度情報に基づいて、前記位置に対応する前記輝度情報と、の対応関係を作成し、更に前記傾きと輝度比との対応関係を表す対応テーブルを作成する、対応テーブル作成部と、
    前記撮像部により得られた輝度情報と前記対応テーブル作成部により作成された前記対応テーブルとを用いて、前記ノズルの評価対象にしたノズルから吐出した複数の評価対象の液滴の体積あるいは表面形状を求める液滴評価部と、
    を備え、
    前記輝度とは、前記撮像部工程で撮像した各画素の輝度を、前記液滴サンプルごとに切り取った液滴毎画像の基準の輝度である基準輝度で除した値であり、
    前記基準輝度は、前記液滴サンプル画像を構成する複数の画素の最大値の輝度か、または、前記基板の表面の輝度を平均化した輝度である
    ことを特徴とする液滴測定システム。
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