JP6354210B2 - 遊星歯車クラッチ機構及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、駆動源から被駆動体への回転駆動力の伝達と遮断とを遊星歯車機構を用いて行う遊星歯車クラッチ機構、及び、そのような遊星歯車クラッチ機構を搭載した画像形成装置に関するものである。
従来、モータ等の駆動源から被駆動体への回転駆動力の伝達と遮断とを行うクラッチ機構の一例として、遊星歯車機構を用いた遊星歯車クラッチ機構が知られている(例えば、特許文献1参照。)。遊星歯車機構は、太陽歯車と、内歯歯車と、遊星歯車と、キャリアと、を有している。内歯歯車は太陽歯車と同心円上でその外周を囲んでおり、遊星歯車が、太陽歯車と内歯歯車とに噛み合っている。そして、遊星歯車が、キャリアによって、自転及び太陽歯車の中心軸を中心とした公転が可能に支持されている。また、キャリアは、遊星歯車の公転を受けて太陽歯車の中心軸を中心として回転可能となっている。
遊星歯車機構は、太陽歯車、内歯歯車、及びキャリアのうち何れか1つの部材の回転を規制することで、残りの2つの部材間で回転駆動力の伝達を行う。遊星歯車機構におけるこのような構造を利用して、回転駆動力の伝達と遮断とを行う機構が遊星歯車クラッチ機構である。
遊星歯車クラッチ機構では、太陽歯車、内歯歯車、及びキャリアのうち何れか1つの部材の回転を規制することで、残りの2つの部材間で回転駆動力の伝達を行い、その規制を解除することで、回転駆動力の伝達を遮断する。例えば、太陽歯車の回転を規制した状態で、駆動源からの回転駆動力によって内歯歯車を回転させると、遊星歯車が自転するとともに公転し、その結果、キャリアが回転する。一方、太陽歯車に対する回転の規制を解除すると、遊星歯車は、回転する内歯歯車と回転する太陽歯車の間で自転するのみで、その公転を止める。その結果、キャリアへの回転駆動力の伝達が遮断される。
ところで、クラッチ機構の一例として電磁クラッチ機構も知られている。電磁クラッチ機構は、コイルへの通電の有無によってローターとアマチュアとを接離することで、回転駆動力の伝達及び遮断を行う機構である。ただし、この電磁クラッチ機構は、ローターとアマチュアとを接触させることで両者を摩擦連結する機構であることから、接離を繰り返すうちに接触面が摩耗することがある。これに対し、歯車の噛み合いによって構成される遊星歯車クラッチ機構は、上記のような摩耗の懸念が無く、電磁クラッチ機構に比べて寿命の点等で有利な機構となっている。
ここで、電磁クラッチ機構では、例えば被駆動体に故障が生じロック状態となったり、あるいはロック状態ではないものの高負荷状態となったりした場合、ローターとアマチュアとは、摩擦連結が不能となって空転する。電磁クラッチ機構では、このことが被駆動体のロック状態や高負荷状態に対するリミッタとして機能する。
一方、遊星歯車クラッチ機構では、このようなリミッタ機能がなく、被駆動体がロック状態や高負荷状態となった場合に、駆動源から被駆動体に至る経路上の歯車等に高い負荷が掛かってしまう可能性がある。
そこで、本発明は、被駆動体がロック状態や高負荷状態となった場合でも、駆動源から被駆動体に至る経路上の歯車等への負荷が抑えられる遊星歯車クラッチ機構を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、請求項1に係る発明は、回転可能な太陽歯車と、前記太陽歯車と同心円上でその外周を囲む回転可能な内歯歯車と、前記太陽歯車と前記内歯歯車とに噛み合う遊星歯車と、前記遊星歯車を、自転及び前記太陽歯車の中心軸を中心とした公転が可能に支持するとともに、前記中心軸を中心に前記公転を受けて回転可能なキャリアと、を有する遊星歯車機構を有し、前記太陽歯車、前記内歯歯車、及び前記キャリアのうちの何れか1つの部材が、所定の駆動源から回転駆動力を受けて回転する入力部材であり、該入力部材以外の他の何れか1つの部材が、所定の被駆動体を回転駆動する出力部材であり、残りの1つの部材が、回転を規制されることで、前記入力部材に入力された前記回転駆動力を前記出力部材に伝達する伝達部材であり、前記伝達部材の回転を規制することで前記出力部材に前記回転駆動力を伝達させ、前記伝達部材の回転に対する規制を解除することで前記出力部材への前記回転駆動力の伝達を遮断する回転規制部材を更に有した遊星歯車クラッチ機構において、前記出力部材に前記回転駆動力が伝達されたときに前記被駆動体又は前記出力部材が受ける負荷を検出する負荷検出部と、前記負荷検出部で検出された負荷が所定条件を満たした場合に、前記駆動源による駆動の出力を制御する制御指示と、前記回転規制部材に前記出力部材への前記回転駆動力の伝達を遮断させる遮断指示と、のうち少なくとも一方の指示を行うクラッチ制御部と、を備え、前記クラッチ制御部が、前記被駆動体がロック状態にあることを示す第1の閾値に比べると小さいが、前記被駆動体が所定の高負荷状態にあることを示す第2の閾値以上の負荷が前記負荷検出部で所定時間以上継続して検出された場合に、前記制御指示及び前記遮断指示のうち少なくとも一方の指示を行うことを特徴とする遊星歯車クラッチ機構となっている。
また、上述した課題を解決するため、請求項2に係る発明は、回転可能な太陽歯車と、前記太陽歯車と同心円上でその外周を囲む回転可能な内歯歯車と、前記太陽歯車と前記内歯歯車とに噛み合う遊星歯車と、前記遊星歯車を、自転及び前記太陽歯車の中心軸を中心とした公転が可能に支持するとともに、前記中心軸を中心に前記公転を受けて回転可能なキャリアと、を有する遊星歯車機構を有し、前記太陽歯車、前記内歯歯車、及び前記キャリアのうちの何れか1つの部材が、所定の駆動源から回転駆動力を受けて回転する入力部材であり、該入力部材以外の他の何れか1つの部材が、所定の被駆動体を回転駆動する出力部材であり、残りの1つの部材が、回転を規制されることで、前記入力部材に入力された前記回転駆動力を前記出力部材に伝達する伝達部材であり、前記伝達部材の回転を規制することで前記出力部材に前記回転駆動力を伝達させ、前記伝達部材の回転に対する規制を解除することで前記出力部材への前記回転駆動力の伝達を遮断する回転規制部材を更に有した遊星歯車クラッチ機構において、前記出力部材に前記回転駆動力が伝達されたときに前記被駆動体又は前記出力部材が受ける負荷を検出する負荷検出部と、前記負荷検出部で検出された負荷が所定条件を満たした場合に、前記駆動源による駆動の出力を制御する制御指示と、前記回転規制部材に前記出力部材への前記回転駆動力の伝達を遮断させる遮断指示と、のうち少なくとも一方の指示を行うクラッチ制御部と、を備え、前記回転規制部材が、前記伝達部材に係止して該伝達部材と一緒に回転可能な係止部と、前記係止部が前記伝達部材とともに回転しようとするとき、その回転方向とは逆向きに前記係止部を付勢する付勢部と、を有しており、前記負荷検出部が、前記付勢部による付勢に反して前記係止部が回転するときの回転角度に基づいて前記負荷を検出することを特徴とする遊星歯車クラッチ機構となっている。
請求項1に記載の発明では、出力部材に回転駆動力が伝達されたときに被駆動体又は出力部材が受ける負荷を検出する負荷検出部が設けられている。そして、その負荷検出部で検出された負荷が所定条件を満たした場合には、駆動の出力の制御、あるいは回転駆動力の伝達の遮断が指示される。ここでいう駆動の出力の制御とは、駆動の停止、回転の逆転、回転数の低速への切替え等が挙げられる。このような制御が行われる場合には、駆動源から被駆動体に至る経路上の歯車等が次のような状態におかれる。即ち、駆動が停止される場合には、上記の歯車等もその動きを止めることから、それら歯車等への負荷が抑えられる。駆動源における回転が逆転される場合には、上記の歯車等は、被駆動体や出力部材が負荷を受ける方向とは逆転されるので、その負荷が抑えられる。また、駆動源における回転数が低速に切り替えられる場合にも、上記の歯車等への負荷が抑えられる。また、回転駆動力の伝達が遮断される場合には、駆動源から遊星歯車クラッチ機構へと至る歯車や、遊星歯車クラッチ機構を構成する歯車は、被駆動体からの負荷を受けることなく空転する。従って、この場合にも、駆動源から被駆動体に至る経路上の歯車等への負荷が抑えられる。このように、請求項1に記載の発明によれば、被駆動体が例えばロック状態や高負荷状態等所定の負荷条件を満たした場合でも、駆動源から被駆動体に至る経路上の歯車等への負荷が抑えられることとなる。
本発明にいう画像形成装置の一実施形態の構成を示す図である。 本発明にいう遊星歯車クラッチ機構の一実施形態を示す図である。 図2に示されているクラッチ本体の分解斜視図である。 図2に示されているクラッチ本体の側面図である。 太陽歯車の回転に対する規制と解除により、被駆動体への回転駆動力の伝達と遮断が行われる様子を示す模式図である。 被駆動体63の回転駆動中に、その被駆動体から負荷により太陽歯車が回転する様子を示す図である。 図2に示されている遊星歯車クラッチ機構において行なわれる制御の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明にいう画像形成装置の一実施形態の構成を示す図である。この図1に示されている画像形成装置は、電子写真方式のカラー複合機(以下、複合機500という)である。まず、この複合機500の全体概要について説明する。
図1に示されている複合機500は、いわゆるタンデム式の画像形成装置である。この複合機500は、複合機本体100、複合機本体100を載置する給紙テーブル200、複合機本体100上に取り付けるスキャナ300、及びスキャナ300の上部に取り付ける原稿自動搬送装置400から構成されている。この複合機500では、スキャナ300から読み取った画像情報である画像データを受け取って、又はパソコン等の外部機器からの画像データを受け取って画像形成処理を行う。複合機本体100には、図に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色用の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkが並設されている。これら感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkは、駆動ローラを含む回転可能な複数のローラに支持された無端ベルト状の中間転写ベルト5に接触するように、そのベルト移動方向に沿って並んで配置されている。
また、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkの周りには、それぞれ、次のような電子写真プロセス用部材がプロセス順に配置されている。即ち、帯電器2Y,2M,2C,2Bk、各色対応の現像装置9Y,9M,9C,9Bk、クリーニング装置4Y,4M,4C,4Bk、除電ランプ3Y,3M,3C,3Bk等が配置されている。そして、各感光体ドラム1の上方には、光書込装置17が設けられている。また、各感光体ドラム1の中間転写ベルト5を介して対向する位置には、それぞれ1次転写手段である1次転写ローラ6Y,6M,6C,6Bkが配置されている。
中間転写ベルト5は、架張ローラ11,12,13及びテンションローラ14に架け渡されており、不図示の駆動源により回転駆動される駆動ローラである架張ローラ12の回転により回転駆動される。架張ローラ13の中間転写ベルト5を介して対向する位置には、ベルトクリーニング装置19が設けられており、2次転写後に中間転写ベルト5上に残留する残トナーを除去する。また、架張ローラ11は、2次転写手段である2次転写ローラ7に対向する2次転写対向ローラであり、中間転写ベルト5を介して2次転写ローラ7との間に2次転写ニップ部を形成する。
この2次転写ニップ部の用紙搬送方向下流側には、架張ローラ対16に架張された用紙搬送ベルト15が設けられており、トナー像が2次転写された用紙を定着装置18まで搬送する。定着装置18は、定着ローラ対8を備えており、その定着ニップ部で熱及び圧力を加えて、未定着のトナー像を用紙上に定着する。
また、複合機本体100には制御部100aが搭載されており、複合機本体100の各構成要素の上述した動作を含む、複合機500の動作全体が、この制御部100aによって制御される。更に、複合機本体100には、ユーザーからの操作を受け付けるとともに各種情報の表示が行われる操作パネル100bが設けられている。また、複合機本体100には、ユーザーに対して各種エラーの発生を告げる警告音等を発するスピーカ100cも設けられている。
次に、本実施形態における複合機500のコピー動作について説明する。本実施形態に係る複合機500でフルカラー画像を形成する場合、まず、原稿自動搬送装置400の原稿台401に原稿をセットする。又は、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス301上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じて押さえる。その後、ユーザーがスタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス301上に搬送される。そして、スキャナ300が駆動して第1走行体302および第2走行体303が走行を開始する。これにより、第1走行体302からの光がコンタクトガラス301上の原稿で反射し、その反射光が第2走行体303のミラーで反射されて、結像レンズ304を通じて読取センサ305に案内される。このようにして原稿の画像情報を読み取る。
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、モータ(不図示)が駆動し、駆動ローラである架張ローラ12が回転駆動して中間転写ベルト5が回転駆動する。また、これと同時に、感光体ドラム1Yを図中矢印の方向に回転駆動しながら帯電器2Yで一様帯電する。その後、光書込装置17からの光ビームLyを照射して感光体ドラム1Y上にY静電潜像を形成する。このY静電潜像は、現像装置9Yにより、現像剤中のYトナーにより現像される。現像時には、現像ローラと感光体ドラム1Yとの間に所定の現像バイアスが印加され、現像ローラ上のYトナーは、感光体ドラム1Y上のY静電潜像部分に静電吸着する。
このように現像されて形成されたYトナー像は、感光体ドラム1Yの回転に伴い、感光体ドラム1Yと中間転写ベルト5とが接触する1次転写位置に搬送される。この1次転写位置において、中間転写ベルト5の裏面には、1次転写ローラ6Yにより所定のバイアス電圧が印加される。そして、このバイアス印加によって発生した1次転写電界により、感光体ドラム1Y上のYトナー像を中間転写ベルト5側に引き寄せ、中間転写ベルト5上に1次転写する。以下、同様にして、Mトナー像、Cトナー像、Bkトナー像も、中間転写ベルト5上のYトナー像に順次重ね合うように1次転写される。なお、2次転写後の中間転写ベルト5上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置19により除去される。
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、ユーザーが選択した用紙に応じた給紙テーブル200の給紙ローラ202が回転し、給紙カセット201の1つから用紙が送り出される。送り出された用紙は、分離ローラ203で1枚に分離して給紙路204に入り込み、搬送ローラ205により複合機本体100内の給紙路101まで搬送される。このようにして搬送された用紙は、レジストローラ102に突き当たったところで止められる。なお、給紙カセット201にセットされていない用紙を使用する場合、手差しトレイ105にセットされた用紙を給紙ローラ104により送り出し、分離ローラ108で1枚に分離した後、手差し給紙路103を通って搬送される。そして、同じくレジストローラ102に突き当たったところで止められる。
中間転写ベルト5上に4色重なり合ったトナー像は、中間転写ベルト5の回転にともない、2次転写ローラ7と対向する2次転写位置に搬送される。また、レジストローラ102は、上述のようにして中間転写ベルト5上に形成された合成トナー像が2次転写位置に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始し、用紙を2次転写位置に搬送する。そして、この2次転写位置において、2次転写ローラ7により用紙の裏面に所定のバイアス電圧が印加され、そのバイアス印加により発生した2次転写電界及び2次転写位置での当接圧により、中間転写ベルト5上のトナー像が用紙上に一括して2次転写される。その後、トナー像が2次転写された用紙は、用紙搬送ベルト15により定着装置18に搬送されて、定着装置18に設けられた定着ローラ対8により定着処理が行われる。そして、定着処理が行われた用紙は、排紙ローラ対106により、装置外に設けられた排紙トレイ107上に排出されてスタックされる。
ここで、複合機500には、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkや、1次転写ローラ6Y,6M,6C,6Bkや、搬送ローラ205や、レジストローラ102等といった回転駆動される複数の被駆動体が搭載されている。そして、これら複数の被駆動体それぞれの回転駆動の実行及び停止に、以下に説明する遊星歯車クラッチ機構が使われている。尚、以下では、被駆動体について上述した部材のいずれであるかを特定せず、単に「被駆動体」と呼んで遊星歯車クラッチ機構の説明を行う。
図2は、本発明にいう遊星歯車クラッチ機構の一実施形態を示す図である。この図2に示されている遊星歯車クラッチ機構20は、クラッチ本体30と、クラッチ制御部51と、負荷算出部52と、を備えている。尚、クラッチ制御部51及び負荷算出部52それぞれは、図1に示されている制御部100aのうち、遊星歯車クラッチ機構20の制御に関する制御を担当する機能部分である。
図2には、遊星歯車クラッチ機構20が、モータ61、歯車列62、及び被駆動体63とともに示されている。出力軸31と被駆動体63とはジョイント64によって連結されている。遊星歯車クラッチ機構20は、駆動源としてのモータ61から歯車列62を介してクラッチ本体30に供給される回転駆動力を、出力軸31を介して被駆動体63に伝達する。また、クラッチ本体30から被駆動体63への回転駆動力の伝達と遮断が、クラッチ制御部51によって制御される。また、クラッチ本体30には後述のロータリーエンコーダ39が設けられており、このロータリーエンコーダ39と負荷算出部52とによって、被駆動体63から受ける負荷トルクが検出される。その検出された負荷トルクは、クラッチ制御部51での制御に使われる。尚、ここでは説明の簡略化のために、遊星歯車クラッチ機構20の出力軸31と被駆動体63とがジョイント64によって単純に連結された形態を例示している。
図3は、図2に示されているクラッチ本体の分解斜視図であり、図4は、図2に示されているクラッチ本体の側面図である。クラッチ本体30は、出力軸31、入力歯車兼内歯歯車32、遊星歯車33、キャリア34、太陽歯車兼第1ラチェット35、第2ラチェット36、圧縮バネ37、誘導コイル38、ロータリーエンコーダ39、ねじりバネ40、及びホルダ41を備えている。入力歯車兼内歯歯車32、遊星歯車33、キャリア34、太陽歯車兼第1ラチェット35、第2ラチェット36、圧縮バネ37、誘導コイル38、ロータリーエンコーダ39、及びねじりバネ40がホルダ41に収められている。出力軸31は、ロッド形状を有し、一部がホルダ41に収められ残りがホルダ41から突出している。出力軸31における、その突出した部分にジョイント64を介して被駆動体63が連結されている。
出力軸31は、その外周面のうち、ホルダ41内に収まる部分に、回り止め用の平坦面31aが、その長手方向に延びて形成されている。キャリア34は、遊星歯車33を4つ、90°ずつ間隔を開けて支持するとともに、その中央に上記の平坦面が形成された部分の断面形状に応じた形状の貫通孔34aが形成されている。この貫通孔34aを、上記の平坦面31aが形成された出力軸31が貫通することで、出力軸31とキャリア34とが互いに連結されている。これにより、キャリア34が回転すると出力軸31が回転するようになっている。また、出力軸31は、他の部材については回転自在に貫通している。そして、ホルダ41の側壁に固定された止め輪41aに、抜け止められた状態で端部31bが回転自在に支持されている。
入力歯車兼内歯歯車32は、図2に示されているモータ61から歯車列62を介して回転駆動力が供給される外歯歯車32aと内歯歯車32bとが一体となったものである。太陽歯車兼第1ラチェット35は、太陽歯車35aと第1ラチェット35bとが一体となったものである。4つの遊星歯車33は、太陽歯車と同心円上でその外周を囲んで太陽歯車35aと内歯歯車32bとの両方に噛み合っている。これら4つの遊星歯車33は、キャリア34によって、自転及び太陽歯車35aの中心軸35a−1を中心とした公転が可能に支持されている。クラッチ本体30では、キャリア34は、4つの遊星歯車33の公転を受けて、上記の中心軸35a−1を中心に回転可能となっている。
入力歯車兼内歯歯車32と、4つの遊星歯車33と、太陽歯車兼第1ラチェット35と、キャリア34と、を合わせたものが、本発明にいう遊星歯車機構の一例に相当する。また、入力歯車兼内歯歯車32における内歯歯車32bが、本発明にいう内歯歯車の一例に相当し、遊星歯車33が、本発明にいう遊星歯車の一例に相当する。また、太陽歯車兼第1ラチェット35における太陽歯車35aが、本発明にいう太陽歯車の一例に相当し、キャリア34が、本発明にいうキャリアの一例に相当する。
本実施形態では、第2ラチェット36が圧縮バネ37によって太陽歯車兼第1ラチェット35における第1ラチェット35bに対して矢印D1方向に押し付けられている。第1ラチェット35bには、3つの凹部35b−1が設けられており、第2ラチェット36には3つの凸部36aが設けられている。圧縮バネ37による押付けにより、第2ラチェット36の3つの凸部36aが第1ラチェット35bの3つの凹部35b−1に入り込んで、第2ラチェット36が第1ラチェット35bに係止している。
第2ラチェット36は、クラッチ制御部51の指示を受けた誘導コイル38への通電により、圧縮バネ37の付勢に反して矢印D2方向に動かされて第1ラチェット35bへの係止が解除されるようになっている。逆に、通電状態にあるときに、クラッチ制御部51の指示により誘導コイル38への通電が停止されると、圧縮バネ37の付勢により第2ラチェット36が第1ラチェット35bに係止することとなる。
ロータリーエンコーダ39は、複数のスリットが円周方向に刻まれたスリット円板39aと、このスリット円板39aを間に挟むように配置された発光素子と受光素子とからなる光学センサ39bと、を有している。スリット円板39aに設けられたスリットが、発光素子と受光素子との間を通過すると光学センサ39bの出力信号がハイレベルとなり、スリット間が発光素子と受光素子との間を通過すると光学センサ39bの出力信号がローレベルとなる。光学センサ39bの出力信号はクラッチ制御部51に送られる。クラッチ制御部51では、送られてきた出力信号におけるハイレベルの個数をカウントすることで、スリット円板39aの回転角度を求める。
クラッチ本体30では、ロータリーエンコーダ39におけるスリット円板39aに上記の第2ラチェット36が連結されている。そして、このスリット円板39aにねじりバネ40の一端が固定され、そのねじりバネ40の他端がホルダ41に固定されている。これにより、第2ラチェット36は、スリット円板39a及びねじりバネ40を介して、その回転が規制されている。即ち、第2ラチェット36が回転しようとすると、スリット円板39aを介して、ねじりバネ40が、その回転方向と逆向きに第2ラチェット36を付勢する。その結果、上記の太陽歯車35aは、第1ラチェット35bへの第2ラチェット36の係止により、その第2ラチェット36とスリット円板39aとねじりバネ40とを介して回転が規制される。また、誘導コイル38への通電により、第1ラチェット35bへの第2ラチェット36の係止が解除されることで、太陽歯車35aの回転の規制も解除される。そして、このクラッチ本体30では、太陽歯車35aの回転に対する規制と解除により、出力軸31、即ち被駆動体63への回転駆動力の伝達と遮断が行われる。
図5は、太陽歯車の回転に対する規制と解除により、被駆動体への回転駆動力の伝達と遮断が行われる様子を示す模式図である。この図5には、出力軸31と、入力歯車兼内歯歯車32と、遊星歯車33と、キャリア34と、太陽歯車35aと、が示されている。
入力歯車兼内歯歯車32における外歯歯車32aへの回転駆動力の供給により内歯歯車32bが矢印D3方向に回転すると、この内歯歯車32bに噛み合っている4つの遊星歯車33が矢印D4方向に自転する。このとき、太陽歯車35aの回転が規制されていると、4つの遊星歯車33は、自転しつつ太陽歯車35aの中心軸35a−1を中心に矢印D5方向に公転する。4つの遊星歯車33は、キャリア34に支持されているので、遊星歯車33が公転することでキャリア34が矢印D5方向に回転する。そして、キャリア34が出力軸31に連結されているので、このキャリア34の回転により出力軸31が矢印D6方向に回転し、被駆動体63に回転駆動力が伝達される。一方、太陽歯車35aの回転に対する規制が解除されると、被駆動体63から負荷を受ける出力軸31及びキャリア34の回転が止まり、変わって太陽歯車35aが矢印D7方向に回転する。このように、このクラッチ本体30では、太陽歯車35aの回転に対する規制と解除により、出力軸31、即ち被駆動体63への回転駆動力の伝達と遮断が行われる。
入力歯車兼内歯歯車32における内歯歯車32bは、本発明にいう入力部材の一例にも相当しており、キャリア34は、本発明にいう出力部材の一例にも相当している。また、太陽歯車兼第1ラチェット35における太陽歯車35aは、本発明にいう伝達部材の一例にも相当している。また、第2ラチェット36とねじりバネ40とを合わせたものが、本発明にいう回転規制部材の一例に相当する。そして、第2ラチェット36が、本発明にいう係止部の一例に相当し、ねじりバネ40が、本発明にいう付勢部の一例に相当する。
ここで、被駆動体63の回転駆動中は、出力軸31及びキャリア34は、被駆動体63から負荷を受ける。そして、その負荷により、太陽歯車35aは、次のような位置まで回転する。図6は、被駆動体63の回転駆動中に、その被駆動体からの負荷により太陽歯車が回転する様子を示す図である。
上述したように、デフォルト状態では、第2ラチェット36が第1ラチェット35bに係止しており、ねじりバネ40の付勢によって太陽歯車35aの回転が規制されている。そして、入力歯車兼内歯歯車32における外歯歯車32aに回転駆動力が供給されて外歯歯車32aとともに内歯歯車32bが回転すると、遊星歯車33の自転と公転によりキャリア34が回転して出力軸31が回転する。このとき、出力軸31を介してキャリア34は、被駆動体63から負荷を受ける。即ち、キャリア34には、入力歯車兼内歯歯車32における外歯歯車32aに供給された回転駆動力に反して、その回転を止めようとする負荷トルクが働く。この負荷トルクは、太陽歯車35aをねじりバネ40の付勢によって生じるバネトルクに反して回転させようとする。その結果、被駆動体63の回転駆動中は、太陽歯車35aは、キャリア34に働く負荷トルクに起因して太陽歯車35aを回転させようとするトルクとバネトルクとが釣り合う位置に向かって回転する。このキャリア34に働く負荷トルクが、本発明にいう負荷の一例に相当する。
第1ラチェット35bは太陽歯車35aと一体であり、ロータリーエンコーダ39のスリット円板39aは第2ラチェット36と連結されている。このため、太陽歯車35aが回転するときにはスリット円板39aは、太陽歯車35aと一緒に回転する。そして、このときのスリット円板39aの回転角度θが、光学センサ39bの出力信号に基づいて負荷算出部52において求められる。さらに、負荷算出部52では、スリット円板39aの回転角度θに基づいて、更に、被駆動体63の回転駆動中にキャリア34に働く負荷トルクが次の2つの数式によって算出される。
Figure 0006354210
Figure 0006354210
ここで、式1における「TS」は、ねじりバネ40によって第2ラチェット36に働くバネトルクであり、式1における「kT」は、ねじりバネ40のバネ定数である。式2における「TC」は、キャリア34が受ける負荷トルクであり、式2における「ZS」は、太陽歯車35aの歯数であり、式2における「ZI」は、内歯歯車32bの歯数である。
ロータリーエンコーダ39と負荷算出部52とを合わせたものが、本発明にいう負荷検出部の一例に相当する。
本実施形態の遊星歯車クラッチ機構20では、図2に示されているモータ61の動作中は、負荷算出部52において、常に、ロータリーエンコーダ39の光学センサ39bの出力信号を用いて負荷トルクの算出が行われる。そして、その算出した負荷トルクに基づいて、クラッチ制御部51によって以下に説明する制御が行われる。
図7は、図2に示されている遊星歯車クラッチ機構において行なわれる制御の流れを示すフローチャートである。このフローチャートが示す制御は、図1に示されている複合機500において、操作パネル100bに対するユーザーの操作を受けて開始される画像形成とともに開始され、画像形成の終了とともに終了する。
図1に示されている複合機500では、画像形成の開始とともにモータ61が回転を始める(ステップS1)。すると、負荷算出部52において、ロータリーエンコーダ39の光学センサ39bの出力信号を用いて負荷トルクの算出が行われる(ステップS2)。そして、その算出された負荷トルクが、被駆動体63がロック状態にあることを示す第1の閾値以上となっているか否かをクラッチ制御部51が判定する(ステップS3)。このロック状態とは、ここでは特定しないが、例えば、被駆動体63が、図1に示されている用紙の搬送ローラ205である場合の、用紙の詰まりによる回転停止状態等が挙げられる。
負荷トルクが第1の閾値以上となっている場合(ステップS3におけるYES判定)、クラッチ制御部51は、誘導コイル38への通電を行うことで、第2ラチェット36に第1ラチェット35bへの係止を解除させる(ステップS4)。この係止の解除により、上述したように太陽歯車35aが回転して、キャリア34(即ち、被駆動体63)への回転駆動力の伝達が遮断される。誘導コイル38への通電が、本発明にいう遮断指示の一例に相当する。また、クラッチ制御部51は、モータ61に駆動を停止させる停止指示を行う(ステップS5)。このモータ61に対する停止指示が、本発明にいう制御指示の一例に相当する。また、モータ61に対する停止指示は、本発明にいう停止指示の一例にも相当している。さらに、クラッチ制御部51は、図1に示されている操作パネル100bに使用者への注意喚起をする表示を行うとともに、スピーカ100cから注意喚起をする警告音を出力させる指示も行う(ステップS6)。操作パネル100b及びスピーカ100cを合わせたものが、本発明にいう警告装置の一例に相当する。そして、ステップS6で行われる指示が、本発明にいう警告装置に行われる指示の一例に相当する。また、ステップS3において満たしているか否かが判定される、負荷トルクが第1の閾値以上となっているという条件が、本発明にいう所定条件の一例に相当する。
一方、負荷トルクが第1の閾値未満である場合(ステップS3におけるNO判定)、クラッチ制御部51は、負荷トルクが、次のような第2の閾値以上となっているか否かを判定する(ステップS7)。第2の閾値は、上記の第1の閾値に比べると小さいが、被駆動体63が所定の高負荷状態にあることを示す閾値である。この高負荷状態は、ここでは特定しないが、例えば、被駆動体63が、図1に示されている用紙の搬送ローラ205である場合に、用紙の詰まり等により、回転は停止していないものの回転に対する抵抗が通常よりも高くなっている状態等が挙げられる。
負荷トルクがこのような第2の閾値以上となっている場合(ステップS7におけるYES判定)、クラッチ制御部51は、第2の閾値以上となった状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップS8)。第2の閾値以上となった状態が所定時間以上継続している場合(ステップS8におけるYES判定)、処理は上記のステップS4へと進む。そして、クラッチ制御部51は、誘導コイル38への通電(ステップS4)、モータ61への停止指示(ステップS5)、及び、操作パネル100bとスピーカ100cへの指示(ステップS6)を行う。ステップS7及びステップS8において満たしているか否かが判定される、負荷トルクが第2の閾値以上となった状態が所定時間以上継続しているという条件も、本発明にいう所定条件の一例に相当している。
他方、負荷トルクが第2の閾値未満の場合(ステップS7におけるNO判定)、又は、第2の閾値以上となった状態の経過時間が所定時間未満の場合(ステップS8におけるNO判定)、処理はステップS9に進む。ステップS9では、クラッチ制御部51は、モータ61が停止しているか否かを判定する。モータ61が停止している場合(ステップS9におけるYES判定)は処理が終了する。モータ61が停止していない場合(ステップS9におけるNO判定)は、処理がステップS2へと戻る。そして、ステップS2〜ステップS9が繰り返されて、算出した負荷トルクに基づく各種処理が行われる。これらの処理は、問題なく画像形成が終了してモータ61が停止するか、又は、用紙の詰まり等により被駆動体63がロック状態あるいは高負荷状態となって、回転駆動力の伝達遮断や使用者への注意喚起を伴ってモータ61が停止すると終了する。
この図7のフローチャートが表している制御を実行するクラッチ制御部51が、本発明にいうクラッチ制御部の一例に相当する。
以上に説明した本実施形態の遊星歯車クラッチ機構20では、太陽歯車35aの回転を規制したとき、即ち、被駆動体63が回転駆動されているときに太陽歯車35aから第2ラチェット36が受ける負荷トルクが検出される。そして、その検出された負荷トルクが、被駆動体63のロック状態や、長期に亘る高負荷状態を示す各種の負荷条件を満たす場合に、モータ61の停止や、あるいは回転駆動力の伝達遮断が行われる。モータ61が停止される場合には、モータ61から被駆動体63に至る経路上の歯車等も、その動きを止めることから、それら歯車等への負荷が抑えられる。また、回転駆動力の伝達が遮断される場合には、モータ61から遊星歯車クラッチ機構20へと至る歯車や、遊星歯車クラッチ機構20を構成する歯車は、被駆動体63からの負荷を受けることなく空転する。従って、この場合にも、モータ61から被駆動体63に至る経路上の歯車等への負荷が抑えられる。このように、本実施形態の遊星歯車クラッチ機構20によれば、被駆動体63がロック状態となった場合や長期に亘って高負荷状態となった場合でも、モータ61から被駆動体63に至る経路上の歯車等への負荷が抑えられることとなる。
また、本実施形態の遊星歯車クラッチ機構20では、モータ61への制御指示の一例として、上述したようにモータ61の停止指示が採用されている。モータ61への制御指示としては、停止指示の他に、モータ61の逆転や、回転数の低速への切替え等が挙げられる。本実施形態の遊星歯車クラッチ機構20によれば、モータ61の停止指示により、上記の歯車等がその回転を止めるのでそれら歯車等への負荷が一層確実に抑えられることとなる。
そして、本実施形態の遊星歯車クラッチ機構20では、モータ61の停止指示や回転駆動力の伝達の遮断指示の条件として、まず、負荷トルクが、被駆動体63がロック状態にあることを示す第1の閾値以上であるという条件が採用されている。これにより、ロック状態について、上記経路上の歯車等への負荷が抑えられている。
さらに、本実施形態の遊星歯車クラッチ機構20では、上記の停止指示や遮断指示の条件として、負荷トルクが、被駆動体63が高負荷状態にあることを示す第2の閾値以上となった状態が所定時間以上継続しているという条件も採用されている。これにより、長期に亘る高負荷状態についても、上記経路上の歯車等への負荷が抑えられる。
また、本実施形態の遊星歯車クラッチ機構20では、上記の停止指示や遮断指示を行う場合には、更に、操作パネル100bへの注意喚起のための表示やスピーカ100cによる警告音の出力をするように指示が行われる。これにより、ユーザーは、上記の停止指示や遮断指示に至る何等かのエラーの発生を認識することができる。
また、本実施形態の遊星歯車クラッチ機構20によれば、回転駆動力の伝達時に太陽歯車35aから第2ラチェットが受ける負荷トルクを、ロータリーエンコーダ39という簡単なセンサを用いて検出することができる。
尚、以上に説明した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の遊星歯車クラッチ機構及び画像形成装置の何れかの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
例えば、上述した実施形態では、本発明にいう遊星歯車機構の一例として、遊星歯車33が4つ設けられた機構が例示されているが、本発明にいう遊星歯車機構はこれに限るものではない。本発明にいう遊星歯車機構は、遊星歯車が、1つ、あるいは4つ以外の複数個設けられたものであってもよい。
また、例えば、上述した実施形態では、本発明にいう制御指示の一例として、モータ(駆動源)の停止指示が例示されている。しかしながら、本発明にいう制御指示はこれに限るものではなく、例えば、駆動源の回転の逆転、回転数の低速への切替え等であってもよい。駆動源における回転が逆転される場合には、駆動源から被駆動体に至る経路上の歯車等は、被駆動体や出力部材が負荷を受ける方向とは逆転されるので、その負荷が抑えられる。また、駆動源における回転数が低速に切り替えられる場合にも、上記の歯車等への負荷が抑えられる。駆動源の逆転は、その逆転の原因となった負荷が用紙の詰まりであった場合において、用紙の噛み込み等を緩和させて除去作業を簡単なものとする役割も担う。
また、例えば、上述した実施形態では、本発明にいう所定条件の一例として、次の2つの条件が例示されている。即ち、1つの条件は、負荷トルクが、被駆動体がロック状態にあることを示す第1の閾値以上となっているという条件である。もう1つの条件は、負荷トルクが、被駆動体が高負荷状態にあることを示す第2の閾値以上となった状態が所定時間以上継続しているという条件である。しかしながら、本発明にいう所定条件は、これら2つの条件の何れか一方のみであってもよく、あるいは、駆動源による駆動力の出力の制御や回転駆動力の伝達遮断が望ましいと判断される他の条件であってもよい。
また、例えば、上述した実施形態では、本発明にいうクラッチ制御部の一例として、負荷トルクが上記の条件を満たす時には、駆動源による駆動力の出力の制御と回転駆動力の伝達遮断との両方を指示するクラッチ制御部51が例示されている。しかしながら、本発明にいう制御部は、上記の条件を満たす時に駆動源による駆動力の出力の制御と回転駆動力の伝達遮断との何れか一方のみを指示するものであってもよい。
また、例えば、上述した実施形態では、例えば図2において、説明の簡略化のために、遊星歯車クラッチ機構20の出力軸31と被駆動体63とがジョイント64によって単純に連結された形態が例示されている。しかしながら、本発明にいう遊星歯車クラッチ機構と被駆動体との結合は、このような単純な結合形態に限るものではない。例えば、遊星歯車クラッチ機構の出力軸と被駆動体とが、例えば複数の歯車列を介して所定の減速比でもって結合された形態等であってもよい。
また、例えば、上述した実施形態では、本発明にいう負荷の一例として、キャリア34に働く負荷トルクが例示されている。しかしながら、本発明にいう負荷はこれに限るものではなく、例えば、被駆動体そのものに働く負荷トルクであってもよい。ここで、図2に示されているように、遊星歯車クラッチ機構の出力軸と被駆動体とが単純に連結された形態では、キャリアの負荷トルクは被駆動体に働く負荷トルクと略同等となる。一方、遊星歯車クラッチ機構の出力軸と被駆動体とが、例えば複数の歯車列を介して所定の減速比でもって結合された形態である場合には、被駆動体に働く負荷トルクは次のように求められる。即ち、被駆動体に働く負荷トルクは、上述したように算出されたキャリアの負荷トルクに、上記の減速比を考慮したものとなる。また、この場合には、被駆動体に働く負荷トルクと比較される第1及び第2の閾値も、この減速比を考慮したものとなる。
また、例えば、上述した実施形態では、本発明にいう遊星歯車機構の一例として、太陽歯車35aが回転を規制される伝達部材で、内歯歯車32bが入力部材で、キャリア34が出力部材となった形態が例示されている。しかしながら、本発明にいう遊星歯車機構はこの形態に限るものではない。本発明にいう遊星歯車機構は、例えば、内歯歯車とキャリアとの何れかが回転を規制される伝達部材で、太陽歯車を含む他の2つの部材が入力部材と出力部材となっている形態であってもよい。
また、例えば、上述した実施形態では、本発明にいう画像形成装置の一例として、タンデム式のカラーの複合機500が例示されている。しかしながら、本発明にいう画像形成装置は、これに限るものではなく、ロータリー式のカラーの画像形成装置であってもよく、あるいはモノクロの画像形成装置であってもよい。また、本発明にいう画像形成装置は、複合機以外の、プリンターや複写機、あるいはファクシミリ等であってもよい。
20 遊星歯車クラッチ機構(遊星歯車クラッチ機構の一例)
30 クラッチ本体
31 出力軸
32 入力歯車兼内歯歯車(遊星歯車機構の一例の一部)
32a 外歯歯車
32b 内歯歯車(内歯歯車の一例)
33 遊星歯車(遊星歯車機構の一例の一部)
34 キャリア(遊星歯車機構の一例の一部)
35 太陽歯車兼第1ラチェット(遊星歯車機構の一例の一部)
35a 太陽歯車(太陽歯車の一例)
35b 第1ラチェット
36 第2ラチェット(回転規制部材の一例の一部,係止部の一例)
37 圧縮バネ
38 誘導コイル
39 ロータリーエンコーダ(負荷検出部の一例の一部)
39a スリット円板
39b 光学センサ
40 ねじりバネ(回転規制部材の一例の一部,付勢部の一例)
41 ホルダ
51 クラッチ制御部(クラッチ制御部の一例)
52 負荷算出部(負荷検出部の一例の一部)
61 モータ(駆動源の一例)
62 歯車列
63 被駆動体
100 複合機本体
100a 制御部
100b 操作パネル(警告装置の一例の一部)
100c スピーカ(警告装置の一例の一部)
500 複合機(画像形成装置の一例)
特開2009−073648号公報

Claims (7)

  1. 回転可能な太陽歯車と、前記太陽歯車と同心円上でその外周を囲む回転可能な内歯歯車と、前記太陽歯車と前記内歯歯車とに噛み合う遊星歯車と、前記遊星歯車を、自転及び前記太陽歯車の中心軸を中心とした公転が可能に支持するとともに、前記中心軸を中心に前記公転を受けて回転可能なキャリアと、を有する遊星歯車機構を有し、
    前記太陽歯車、前記内歯歯車、及び前記キャリアのうちの何れか1つの部材が、所定の駆動源から回転駆動力を受けて回転する入力部材であり、該入力部材以外の他の何れか1つの部材が、所定の被駆動体を回転駆動する出力部材であり、残りの1つの部材が、回転を規制されることで、前記入力部材に入力された前記回転駆動力を前記出力部材に伝達する伝達部材であり、
    前記伝達部材の回転を規制することで前記出力部材に前記回転駆動力を伝達させ、前記伝達部材の回転に対する規制を解除することで前記出力部材への前記回転駆動力の伝達を遮断する回転規制部材を更に有した遊星歯車クラッチ機構において、
    前記出力部材に前記回転駆動力が伝達されたときに前記被駆動体又は前記出力部材が受ける負荷を検出する負荷検出部と、
    前記負荷検出部で検出された負荷が所定条件を満たした場合に、前記駆動源による駆動の出力を制御する制御指示と、前記回転規制部材に前記出力部材への前記回転駆動力の伝達を遮断させる遮断指示と、のうち少なくとも一方の指示を行うクラッチ制御部と、を備え
    前記クラッチ制御部が、前記被駆動体がロック状態にあることを示す第1の閾値に比べると小さいが、前記被駆動体が所定の高負荷状態にあることを示す第2の閾値以上の負荷が前記負荷検出部で所定時間以上継続して検出された場合に、前記制御指示及び前記遮断指示のうち少なくとも一方の指示を行うことを特徴とする遊星歯車クラッチ機構。
  2. 回転可能な太陽歯車と、前記太陽歯車と同心円上でその外周を囲む回転可能な内歯歯車と、前記太陽歯車と前記内歯歯車とに噛み合う遊星歯車と、前記遊星歯車を、自転及び前記太陽歯車の中心軸を中心とした公転が可能に支持するとともに、前記中心軸を中心に前記公転を受けて回転可能なキャリアと、を有する遊星歯車機構を有し、
    前記太陽歯車、前記内歯歯車、及び前記キャリアのうちの何れか1つの部材が、所定の駆動源から回転駆動力を受けて回転する入力部材であり、該入力部材以外の他の何れか1つの部材が、所定の被駆動体を回転駆動する出力部材であり、残りの1つの部材が、回転を規制されることで、前記入力部材に入力された前記回転駆動力を前記出力部材に伝達する伝達部材であり、
    前記伝達部材の回転を規制することで前記出力部材に前記回転駆動力を伝達させ、前記伝達部材の回転に対する規制を解除することで前記出力部材への前記回転駆動力の伝達を遮断する回転規制部材を更に有した遊星歯車クラッチ機構において、
    前記出力部材に前記回転駆動力が伝達されたときに前記被駆動体又は前記出力部材が受ける負荷を検出する負荷検出部と、
    前記負荷検出部で検出された負荷が所定条件を満たした場合に、前記駆動源による駆動の出力を制御する制御指示と、前記回転規制部材に前記出力部材への前記回転駆動力の伝達を遮断させる遮断指示と、のうち少なくとも一方の指示を行うクラッチ制御部と、を備え
    前記回転規制部材が、
    前記伝達部材に係止して該伝達部材と一緒に回転可能な係止部と、
    前記係止部が前記伝達部材とともに回転しようとするとき、その回転方向とは逆向きに前記係止部を付勢する付勢部と、を有しており、
    前記負荷検出部が、前記付勢部による付勢に反して前記係止部が回転するときの回転角度に基づいて前記負荷を検出することを特徴とする遊星歯車クラッチ機構。
  3. 前記クラッチ制御部が、前記被駆動体がロック状態にあることを示す第1の閾値に比べると小さいが、前記被駆動体が所定の高負荷状態にあることを示す第2の閾値以上の負荷が前記負荷検出部で所定時間以上継続して検出された場合に、前記制御指示及び前記遮断指示のうち少なくとも一方の指示を行うことを特徴とする請求項記載の遊星歯車クラッチ機構。
  4. 前記制御指示が、前記駆動源に駆動を停止させる停止指示であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の遊星歯車クラッチ機構。
  5. 前記クラッチ制御部が、前記被駆動体がロック状態にあることを示す第1の閾値以上の負荷が前記負荷検出部で検出された場合に、前記制御指示及び前記遮断指示のうち少なくとも一方の指示を行うことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の遊星歯車クラッチ機構。
  6. 前記クラッチ制御部が、前記制御指示と前記遮断指示とのうち少なくとも一方の指示を行う場合には、更に、使用者への注意喚起の動作をするように所定の警告装置に指示を行うことを特徴とする請求項1からのうちいずれか1項記載の遊星歯車クラッチ機構。
  7. 駆動源と、遊星歯車クラッチ機構と、該遊星歯車クラッチ機構を介して前記駆動源からの回転駆動力が供給される被駆動体と、を備えた画像形成装置であって、
    前記遊星歯車クラッチ機構が、請求項1からのうちいずれか1項記載の遊星歯車クラッチ機構であることを特徴とする画像形成装置。
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