[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係るロボットハンド1を示す斜視図である。このロボットハンド1は、例えば工具や部品などの対象物を保持する産業用ロボットの保持装置として用いられる。ロボットハンド1は、産業ロボットの他の用途、例えば宇宙関連、医薬関連、食品関連、及び遊具の少なくとも一つの用途にも適用可能である。
図1のロボットハンド1は、指部2と、指部2を支持する支持部3と、支持部3を駆動する駆動部4とを備える。駆動部4は、支持部3を所定軸の周りで回動可能である。本実施形態において、指部2は、第1指部2a、第2指部2b、及び第3指部2cを含む。第1指部2a、第2指部2b、及び第3指部2cは、支持部3の所定軸の周方向に離散的に配列されている。第1指部2a、第2指部2b、及び第3指部2cは、それぞれ、所定軸に近づく向きと離れる向きとに可動であり、例えば手を閉じたり開いたりするような動作が可能である。これにより、ロボットハンド1は、対象物を把持すること、把持されている対象物を開放(リリース)することなどが可能である。
本実施形態において、第1指部2a、第2指部2b、及び第3指部2cは、それぞれ内部が密閉されている。このため、ロボットハンド1は、食器などの洗浄機内や水槽内など、水分の多い場所の対象物を把持する場合にも用いることができる。また、駆動部4は、カバー部材5により覆われており、外部との干渉やゴミの侵入などから保護されている。
次に、指部2の構成について説明する。本実施形態において、第1指部2a、第2指部2b、及び第3指部2cは、いずれも同様の構成であるので、ここでは第1指部2aの構成を説明し、他の指部の説明を適宜省略する。
図1の第1指部2aは、先端部10、第1腹部11、及び第2腹部12を有する。第2腹部12は支持部3に対する第1指部2aの基端部である。第2腹部12の先端側には第1腹部11が接続されており、第1腹部11の先端側には先端部10が接続されている。先端部10、第1腹部11、及び第2腹部12の各部は、対象物に接触可能であるが、対象物と接触する部分が互いに不連続である。すなわち、第1指部2aは、対象物を多点支持できる。例えば、先端部10のうち対象物に接触する部分は、第1腹部11のうち対象物に接触する部分と不連続である。本実施形態において、先端部10は、第1腹部11と一体化されており、第1腹部11との相対位置が固定されている。また、先端部10および第1腹部11は、第2腹部12と別体であり、第2腹部12に対する姿勢が可変である。
図2は、指部2(第1指部2a)の先端部10および第1腹部11を示す断面図である。なお、図2においては、図を見やすくするために適宜ハッチングを省略した。
指部2は、剛性部材13と、先端部10に設けられた弾性体14と、先端部10に設けられた圧力センサー15と、第1腹部11に設けられた弾性体16と、第1腹部11に設けられた圧力センサー17とを備える。
剛性部材13は、指部2の骨格をなし、指部2の剛性を確保する部材である。剛性部材13の形成材料は、指部2に要求される剛性に応じて選択され、例えばポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂材料である。
剛性部材13は、開口13aを有する箱状部18と、開口13aを塞ぐ蓋部19とを有する。箱状部18の内側の空間は、ゴミなどが侵入しないように、蓋部19および封止材20により封止されている。封止材20は、蓋部19上とその周囲とにわたって、設けられている。箱状部18は、開口13aと反対側の底部18aと、底部18aに対して傾斜し、蓋部19に接続された側部18bとを含む。側部18bは先端部10に相当し、側部18bには弾性体14および圧力センサー15が設けられている。底部18aは第1腹部11に相当し、底部18aには弾性体16および圧力センサー17が設けられている。
弾性体14は、その一部が対象物に接触する接触部であり、対象物(物体)を吸着する吸着部21を含む。弾性体14は、弾性変形可能に形成され、弾性体14の形成材料は、剛性部材13よりも軟質のものが選択される。弾性体14の形成材料は、例えばポリウレタン樹脂などの樹脂材料である。
弾性体14は、剛性部材13の側部18bから外部に向かって突出した突起状であり、中空構造である。弾性体14は、指部2の外部に面する外面を含む外殻部14aと、外殻部14aの内側に設けられ、指部2の内部に面する内面を含む内殻部14bとを有する。外殻部14aおよび内殻部14bは、それぞれ有孔容器状であり、孔の縁が剛性部材13の側部18bと密着しており、孔が側部18bに塞がれている。弾性体14(内殻部14b)と剛性部材13(側部18b)とに囲まれる空間は、流体が配される流体室22になっている。
本実施形態において、流体室22に配される流体は気体である。この気体は、例えば窒素ガスなどの不活性ガスであるが、空気やその他のガスであってもよい。また、流体室22に配される流体は、気体または液体の単相流体であってもよいし、液体と気体との混相流体であってもよく、気体と液体の少なくとも一方と粒子などの固体を含む混相流体であってもよい。
外殻部14aには、外殻部14aを貫通する貫通孔14cが形成されている。貫通孔14cのうち指部2の外部に面する開口は、指部2の外部に開放された吸引口23である。吸引口23は、第1指部2aの外部から流体を吸引する吸引流路の端である。貫通孔14cのうち指部2の内部側の開口は、内殻部14bにより塞がれている。すなわち、貫通孔14cの内側およびその縁部は、内殻部14bの外表面を底面とする凹部状であり、内殻部14bのうち貫通孔14cに面する壁部24と吸引口23との間で外殻部14aに囲まれる部分は、流体が配される流体室25になっている。流体室25は、吸引口23(吸引流路)に通じている。
ところで、弾性体14の一部をなす内殻部14bの壁部24は、流体室22の圧力が減少すると、流体室25から流体室22に向かって変形する。これにより、流体室22の容積が変化し、流体室22の圧力が変化する。このように、流体室22は、弾性体14の変形により圧力変化を生じる圧力変化部である。
弾性体14の内部には、流体室25と連通する流路26が形成されている。本実施形態において、流路26は、外殻部14aに形成された溝部の側方を内殻部14bで塞いだものである。流路26の一端は、貫通孔14cの内壁に開いた吸気口になっており、流路26の他端は、配管27に接続されている。配管27は、剛性部材13の側部18bに形成された穴を通して、剛性部材13の箱状部18内を引き回されて指部2の外部へ引き出され、真空ポンプなどの吸引装置(図示略)に接続されている。
圧力センサー15は、流体室22の圧力を検出することにより、弾性体14の変形を検出するセンサーである。圧力センサー15は、例えば、圧力を感じる感圧部15aと、感圧部15aが感じた圧力を電気信号に変換する本体部15bと、本体部15bから出力された電気信号を処理する処理部15cとを含む。感圧部15aは、剛性部材13の側部18bを貫通する孔に挿通されており、弾性体14の内側の流体室22に隣接(露出)している。
本実施形態において、流体室22に配される流体は気体であるので、感圧部15aの濡れなどによる故障の発生が抑制される。本体部15bおよび処理部15cは、剛性部材13の箱状部18に収容されている。流体室22に配される流体は気体であるので、この流体が液体である場合と比較して、液体の漏れなどによる本体部15bおよび処理部15cの故障の発生などが抑制される。
剛性部材13の底部18aに設けられた弾性体16は、弾性変形可能に形成され、例えば弾性体14と同様の樹脂材料からなる。弾性体16は、底部18aから指部2の外部に向かって突出した突起状である。弾性体16は、有孔容器状であり、その孔の縁が剛性部材13の底部18aと密着しており、この孔は底部18aに塞がれている。弾性体16と剛性部材13(底部18a)とに囲まれる空間は、流体が配される流体室28になっている。
圧力センサー17は、流体室28の圧力を検出することにより、弾性体16の変形を検出するセンサーである。圧力センサー17は、例えば、圧力を感じる感圧部17aと、感圧部17aが感じた圧力を電気信号に変換する本体部17bと、本体部17bから出力された電気信号を処理する処理部17cとを含む。感圧部17aは、剛性部材13の底部18aを貫通する孔に挿通されており、弾性体16の内側の流体室28に隣接(露出)している。本体部17bおよび処理部17cは、剛性部材13の箱状部18に収容されている。
次に、指部2による吸着動作について説明する。指部2の吸着部21は、対象物を吸着する際に、対象物の付近に配置される。また、配管27に接続された吸引装置は、配管27および流路26を介して、流体室25の流体を吸引する。すると、吸着部21と対象物との間の流体が吸着部21の吸引口23から吸引され、吸着部21と対象物との間が減圧される。この減圧より、対象物は、吸着部21に引き寄せられて弾性体14に接触し、吸着部21に吸着する。
図3は、指部2の吸着動作中における流体室22、流体室25の圧力変化の一例を示す図である。図3において、縦軸は、流体室22および流体室25のそれぞれの圧力[kPa]を示し、横軸は、吸引口23から吸引が開始されてからの時間[sec]、符号t1は、対象物が吸着された時間を示す。
流体室25の圧力P1は、流体室25が大気解放されている状態においては、指部2の外部の圧力とほぼ同じである。流体室25の圧力P1は、吸引が開始されてもほぼ変化しないか、変化してもその傾きが緩やかであるが、時間t1において対象物が吸着されると、ステップ状に急激に減少する。これは、吸着した対象物により、吸引口23の少なくとも一部が塞がれた状態となり、流体室25が吸引装置により減圧されるからである。
また、流体室25と壁部24を介して隣り合う流体室22の圧力P2は、流体室25の圧力P1(指部2の外部の圧力)よりも高い正圧に設定されている。流体室22の圧力P2は、時間t1までは流体室25の圧力P1がほぼ変化しないため、圧力P1と同様にほぼ変化しない。ここで、貫通孔14cに面する内殻部14bの壁部24(図2参照)は、対象物が吸着された時間t1において、流体室25が減圧されることにより流体室25に向かって変形する。これにより、流体室22の容積が増加し、流体室22の圧力P2が低下する。この流体室22の圧力P2は、図2に示した圧力センサー15により検出されるので、圧力センサー15による検出の結果により、対象物が吸着しているか否かを判定すること等ができる。換言すると、ロボットハンド1は、対象物に隣接する流体室25の圧力を検出しなくても対象物の吸着状態(吸着力、吸着の有無など)を検出することができる。
なお、流体室25に配される流体は、例えば指部2が空気中で作業する場合には空気であり、例えば指部2が水中で作業する場合には水である。このように、流体室25に配される流体は、気体または液体を含む単相流体であってもよいし、気体および液体を含む混相流体であってもよく、気体と液体の少なくとも一方と粒子などの固体を含む混相流体であってもよい。
以上のような構成の本実施形態のロボットハンド1は、指部2に吸着部21が設けられているので、対象物が指部2に対して滑ること等が抑制され、対象物を安定して保持(把持)できる。このような吸着部21に圧力センサー15が併設されているので、対象物の吸着状態を精度よく検出することができる。その結果、ロボットハンド1は、対象物の吸着状態(保持状態)を精度よく制御することができ、例えば、対象物を落とさないように保持すること、対象物をつぶさないように保持することなどができる。
また、ロボットハンド1は、対象物の吸着状態を精度よく検出することができるので、例えば吸着状態を検出するための検出系、あるいは吸着状態を推定するための演算系などをシンプルにすることができ、シンプルな構成で高機能を実現可能である。
本実施形態において、流体室22の圧力は、流体室25の圧力に応じて変化し、図3に示したように対象物の吸着の有無に対して感度が高い。そのため、例えば圧力センサー15による検出の結果をモニタリングすること等により、対象物の吸着の有無を精度よく判定することができる。この判定は、例えば圧力センサー15が検出した圧力を閾値と比較することで実行でき、ロボットハンド1のオペレータが実行してもよいし、ロボットハンド1に併設される演算装置などが自動で実行してもよい。
本実施形態において、流体室22は、弾性体14により気密に封止されているので、流体室22へのゴミ等の異物の侵入が抑制される。圧力センサー17の少なくとも一部(感圧部17a)は、このような流体室22に隣接して配置されているので、異物の侵入による故障や誤動作が抑制される。また、吸着部21の一部をなす弾性体14を利用して、圧力センサー17を異物から保護することができるので、圧力センサー17の保護構造を別途設ける場合よりも、シンプルな構成にできる。
本実施形態において、ロボットハンド1は、複数の指部2を備えているので多様な物体を安定的に保持することができ、利便性が高い。なお、ロボットハンド1が備える指部2の数は、1つでもよい。また、本実施形態において、第1腹部11および第2腹部12は、吸着部21を有していないが、吸着部21を有していてもよい。このように、弾性体およびセンサーを含む構造が複数設けられていれば、物体をさらに安定的に保持することができる。
なお、第1指部2aは、対象物と接触する接触部を離散的に有する場合に、複数の接触部のうち少なくとも1つに吸着部21が設けられていればよく、吸着部21を有する接触部の数に限定はない。また、複数の接触部のうちのいずれに吸着部21が設けられていてもよく、例えば、先端部10に吸着部21が設けられておらず、第1腹部11に吸着部21が設けられていてもよい。また、第1指部2aのうち対象物と接触する接触部の数は、1つ以上であれば限定はなく、例えば接触部の数が1つであってもよく、この接触部に吸着部21が設けられていればよい。
次に、本実施形態に係るロボットハンド1の製造方法について、上記のロボットハンド1に基づいて、説明する。図4(a)〜(c)、図5(a)〜(c)、図6(a)〜(c)、図7(a)〜(c)は、ロボットハンド1(指部2)の製造方法を示す工程図である。
指部2を製造するには、図4(a)に示すように、指部2の弾性体14および弾性体16の外形に応じた型30を用意する。型30は、図2に示した弾性体14の外殻部14aに相当する凹部30a、及び弾性体16に相当する凹部30bを有する。この型30は、例えばワックス(ロウ材)などの母材を切削加工することで得られる。型30はメス型であり、その開口30cから見た場合に影となるオーバーハング部分が少ないものを用いると、後の工程で作業性が高くなる。そのためには、型30の開口30cから凹部30aの内側および凹部30bの内側が見通せるように、凹部30aの縁を含む面および凹部30bの縁を含む面を、型30の開口30cを含む面に対して傾けておくとよい。
次に、図4(b)に示すように、型30に弾性体14および弾性体16の形成材料である軟質樹脂31を堆積させ、この軟質樹脂31を凹部30aの内側および凹部30bの内側に充填する。軟質樹脂31は、例えばショア高度が50A程度のポリウレタン樹脂であり、一例としてAxson Japan製のポリウレタン樹脂(UR5801/UR5850)などが挙げられる。このようにして、軟質樹脂31のうち弾性体14の外形および弾性体16の外形に相当する部分を成形する。
また、型32を用いて、軟質樹脂31のうち型30の反対側を成形する。型32は、図2に示した弾性体14の外殻部14aの内面の形状に相当する凸部32a、及び弾性体16の内面の形状に相当する凸部32bを有する。
ところで、図2に示した外殻部14aには流路26に相当する溝部が形成されており、外殻部14aの内面の一部は、流路26の内面の一部となる。そこで、凸部32aとしては、流路26の溝部の形状に応じた突条部を有するものを用いる。
また、軟質樹脂31は、弾性体14の外殻部14aおよび弾性体16になる部分であり、それ以外の指部2の部位と接する面(以下、接触面という)を含む。例えば、軟質樹脂31のうち外殻部14aになる部分は、弾性体14の内殻部14bと接する接触面31a、剛性部材13の側部18bと接する接触面31bを有する。接触面31aおよび接触面31bは、平滑面に形成されてもよいが、表面粗さが高い方が他の部位との密着性が高くなる。そこで、本実施形態においては、型32のうち接触面31aおよび接触面31bを成形する部分の少なくとも一部の表面粗さを高くしておき、接触面31aおよび接触面31bを表面粗さが高くなるように成形する。
このような型32で軟質樹脂31を成形した後、図4(c)に示すように、軟質樹脂31を型30に付けた状態を維持しつつ、型32を軟質樹脂31から取り外す。成形された軟質樹脂31には、図2に示した指部2において流体が配される空隙(流路26)となる空間Saの周囲の一部に、弾性体14の外殻部14aが壁部として形成されている。
次に、図5(a)に示すように、弾性体14の外殻部14a上において流路26となる空間Saに、犠牲部33aを形成する。ここでは、犠牲部33aとなる犠牲材料を昇温により液状とし、液状の犠牲材料を空間Saに充填する。そして、液状材料を常温程度に冷却することにより固化し、必要に応じて切削加工、型成形などにより成形する。犠牲部33aの表面形状は、図2に示した弾性体14の内殻部14bの外面の形状に合わせるように成形する。
次に、図5(b)に示すように、弾性体14の外殻部14a上および犠牲部33a上に、図2に示した弾性体14の内殻部14bの形成材料として軟質樹脂34を堆積させる。そして、図5(c)に示すように、軟質樹脂34を切削加工あるいは型成形により成形し、弾性体14の内殻部14bを形成する。内殻部14bの一部は、流路26となる空間Saの犠牲部33a上に形成されており、空間Saを外殻部14aとともに囲む壁部として形成される。そして、犠牲部33aを例えば昇温により流動化し、外殻部14aと内殻部14bとの間から除去する。犠牲部33aが除去された空間Saは、空隙となり、図2に示した流路26となる。
ところで、弾性体14の内殻部14bは、図2に示した指部2において流体が配される空隙(流体室22)の周囲の一部に形成された壁部である。また、弾性体16は、指部2において流体が配される空隙(図2の流体室28)の周囲の一部に形成された壁部である。これら壁部を利用して、後の工程で流体室22および流体室28を形成する。
次に、図6(a)に示すように、弾性体14の内殻部14b上および弾性体16上に、犠牲材料を堆積させて犠牲部35を形成する。犠牲部35は、図5(a)に示した犠牲部33aと同様にして形成できる。そして、図6(b)に示すように、犠牲部35を切削加工や型成形などによって成形することにより、内殻部14b上において流体室22となる空間Sbに犠牲部33bを形成し、弾性体16上において流体室28となる空間Scに犠牲部33cを形成する。犠牲部33bの表面形状は、図2に示した剛性部材13の側部18bの表面形状に合わせるように成形する。また、犠牲部33cの表面形状は、剛性部材13の底部18aの表面形状に合わせるように、成形する。
次に、図6(c)に示すように、犠牲部33b上および犠牲部33c上に、図2に示した剛性部材13の形成材料として、硬質樹脂36を堆積させる。ところで、犠牲部33b、犠牲部33c等には、液状の犠牲材料に由来する水分、雰囲気中の水分が付着していることがある。そこで、硬質樹脂36の堆積に先立ち、犠牲部33bや犠牲部33c等の水分を減圧などにより除去しておくと、硬質樹脂36に水分に起因するの気泡を生じることなどが抑制される。
次に、図7(a)に示すように、硬質樹脂36を切削加工などにより成形することにより、剛性部材13の箱状部18を形成する。箱状部18の側部18bは、流体室22となる空間Sbの犠牲部33b上に形成されており、空間Sbを内殻部14bとともに囲む壁部である。ここでは、箱状部18の側部18bに圧力センサー15の取付孔37を形成する。取付孔37は、側部18bを貫通しており、犠牲部33bに通じることになる。また、箱状部18の底部18aは、流体室28となる空間Scの犠牲部33c上に形成されており、空間Sbを弾性体16とともに囲む壁部である。ここでは、箱状部18の底部18aに圧力センサー17の取付孔38を形成する。取付孔38は、底部18aを貫通しており、犠牲部33cに通じることになる。
次に、図7(b)に示すように、図7(a)の犠牲部33bおよび犠牲部33cを除去する。犠牲部33bは、例えば昇温により流動化した状態で、取付孔37を介して除去可能である。同様に、犠牲部33cは、例えば昇温により流動化した状態で、取付孔38を介して除去可能である。犠牲部33bが除去された空間Sb、犠牲部33cが除去された空間Scは、それぞれ空隙となり、図2に示した流体室22、流体室28となる。
次に、図7(c)に示すように、取付孔37に圧力センサー15を取り付け、取付孔38に圧力センサー17を取り付ける。また、流路26に配管27を接続する。このように、剛性部材13の箱状部18に各部を収容した後に、図2に示した蓋部19および封止材20により箱状部18を封止することなどにより、指部2が得られる。封止材20は、例えば、弾性体14と同様に軟質樹脂などで形成できる。
このような本実施形態のロボットハンド1の製造方法は、物体を安定的に保持できるロボットハンド1を製造できる。また、流体が配される空隙を形成する工程において、図5(c)に示した空間Saの犠牲部33aを除去することにより流路26を形成するので、流路26を弾性体14と一体的に形成できる。また、図7(a)および図7(b)に示した空間Sbの犠牲部33bを除去することにより、流体室22を形成するので、流体室22を弾性体14および剛性部材13と一体的に形成できる。同様に、空間Scの犠牲部33cを除去することにより、流体室28を形成するので、流体室28を弾性体16および剛性部材13と一体的に形成できる。このように、流体が配される空隙をその周囲の部材と一体化して形成するので、製造コストを抑えることができるとともに、シンプルな構成で高機能を実現可能である。
なお、弾性体14の成形については、型成形の他に切削加工などで行ってもよいが、型成形によれば、切削加工に比べて弾性体14が損傷しにくい。そのため、弾性体14の厚みを減らすことが容易になり、弾性体14の柔軟性を向上させることなどができる。これにより、対象物への密着性が向上し、対象物を安定的に保持できる。また、弾性体14を柔軟にすることにより、例えば、フィルムなどの損傷しやすい対象物への適用が容易になる。また、弾性体14が変形しやすくなるので、圧力センサー15の感度を実質的に向上することができる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。本実施形態において、上記の実施形態と同様の構成については、上記の実施形態と同じ符号を付してその説明を簡略化あるは省略する。
図8は本実施形態に係るロボットハンドの指部2を示す断面図、図9は指部2の吸着部21を示す断面図である。本実施形態の指部2は、吸着部21の構成が第1実施形態と異なる。図9の吸着部21は、弾性体14の外表面に配置された隔壁40と、弾性体14の内側において隔壁40に隣接する流体室25と、流体室25から流体を吸引する吸引口41と、を有する。吸引口41は、配管27を介して吸引装置(図示略)と接続されている。吸引口41を介して流体室25から流体が吸引されると、流体室25の圧力が減少する。本実施形態において、流体室25に配される流体は気体であるが、液体の単相流体であってもよいし、混相流体であってもよい。
隔壁40は、弾性体14の一部であり、弾性体14の他の部分よりも薄肉である。ここでは、弾性体14において対象物に接触する面42は、ほぼ平面状であり、隔壁40の外面は、面42の一部である。隔壁40は、流体室25の圧力が指部2の外部の圧力よりも低圧(負圧)になると、流体室25に向かって変形(湾曲)する。対象物が面42に接触した状態において、隔壁40が流体室25に向かって変形すると、隔壁40と対象物との間の空隙が広がり、この空隙の負圧により対象物が吸着部21に吸着される。
圧力センサー17は、上記の実施形態と同様に、その感圧部15aが流体室22に隣接している。流体室22は、隔壁43によって流体室25と仕切られており、正圧に保たれている。隔壁43は、有底中空の柱状であり、その内部が流体室25になっている。隔壁43は、その開口の縁が隔壁40と接しており、その底部が流体室22と流体室25との仕切りになっている。
本実施形態に係る隔壁43は、弾性体14よりも変形しにくい硬質材料からなり、例えば剛性部材13と同じ材料で形成される。このような隔壁43は、流体室22と流体室25との圧力差による変形量が少なく、この圧力差を緩和しにくい。その結果、流体室25が負圧になった状態においても、流体室22の圧力は正圧に保たれる。この正圧は、弾性体14が対象物に接触する際のクッションになるので、弾性体14を対象物に対して柔軟に接触させることができる。
図10は、吸着部21の吸着力と圧力センサー15の検出値との関係を示す図である。図10の縦軸は、吸着パッド内の圧力、すなわち隔壁40と対象物との間の圧力[kPa]であり、この圧力が低いほど吸着力が強いことを示す。また、横軸は、圧力センサー15が検出した圧力、すなわち流体室22の圧力[kPa]を示す。
図9の吸着部21は、弾性体14の面42を対象物に押し付けた状態で、吸引口41からの吸引により流体室25を減圧させることで壁部24を変形させ、隔壁40と対象物との間を負圧にすることにより、対象物を吸着する。吸着させる際に弾性体14の面42を対象物に押し付ける力を増すほど、弾性体14が剛性部材13に向かって変形し、流体室22の圧力が高くなる一方、壁部24と対象物との間の隙間が小さくなり、この隙間を隔壁40の変形により広げた際に壁部24と対象物との間の圧力の減少が顕著になる。このように、吸着部21の吸着力と圧力センサー15の検出結果との間には関係性があるので、圧力センサー15の検出結果に基づいて、吸着力の吸着力を検出することができ、吸着力を精度よく制御すること等ができる。
以上のような構成の本実施形態のロボットハンド1は、吸着部21に圧力センサー15が併設されているので、対象物の吸着状態を精度よく検出することができ、対象物を安定的に保持できる。
次に、本実施形態に係るロボットハンド1の製造方法について、上記のロボットハンド1に基づいて、説明する。図11(a)〜(c)、図12(a)〜(d)、図13(a)〜(d)、図14(a)〜(d)は、ロボットハンド1(指部2)の製造方法を示す工程図である。なお、第1実施形態と共通する工程については、その説明を簡略化あるいは省略する。
本実施形態に係る指部2を製造するには、図11(a)に示すように、指部2(図8参照)の弾性体14および弾性体16の外形に応じた型30を用意する。本実施形態において、弾性体14の面42は概ね平面であり、型30において、弾性体14の外殻部14aに相当する凹部30aの底面は、弾性体14の面42に対応して概ね平面である。次に、図11(b)に示すように、型30に軟質樹脂31を堆積させ、軟質樹脂31の型30と反対を型32により成形する。これにより、弾性体14および弾性体16が形成される。次に、図11(c)に示すように、型30に軟質樹脂31をはめ込んだ状態を維持しつつ、型32を軟質樹脂31から取り外す。
次に、図12(a)に示すように、弾性体16上に犠牲材料を堆積させ、犠牲部45を形成する。次に、図12(b)に示すように、犠牲部45を切削加工あるいは型成形により成形し、図8に示した弾性体16と剛性部材13の底部18aとの間の流体室28となる空間Scに、犠牲部45aを形成する。
次に、図12(c)に示すように、弾性体14に硬質樹脂などで隔壁43を形成する。隔壁43は、後に流体室22となる空間Sbの周囲の一部に、壁部として形成する。また、隔壁43の内側の流体室25に連通する配管27を取り付ける。配管27は、他の部材との干渉を避けるように、例えば圧力センサー17の取付位置を避けるように、犠牲部45a上を適宜引き回して配置する。次に、図11(d)に示すように、隔壁43上と配管27上に犠牲材料を堆積させ、犠牲部46を形成する。次に、犠牲部46を切削加工あるいは型成形により成形し、図13(a)に示すように、図9に示した弾性体14と剛性部材13の側部18bとの間の流体室22となる空間Sbに、犠牲部46aを形成する。
次に、図13(b)に示すように、犠牲部45a上および犠牲部46a上に、図8に示した剛性部材13の形成材料として、硬質樹脂36を堆積させる。次に、硬質樹脂36を切削加工などにより成形し、図13(c)に示すように、剛性部材13の箱状部18を形成する。次に、図13(d)に示すように、犠牲部45aを除去し、犠牲部45aが占有していた空間Scを流体室28とする。また、犠牲部46aを除去し、犠牲部46aが占有していた空間Sbを流体室22とする。
次に、図14(a)に示すように、圧力センサー15を箱状部18の側部18bに取り付け、圧力センサー17を剛性部材13の底部18aに取り付ける。次に、図14(b)に示すように、剛性部材13の箱状部18に蓋部19を接着し、箱状部18の内側を封止する。次に、図14(c)に示すように、蓋部19上に軟質樹脂47を堆積させる。次に、軟質樹脂47を切削加工などにより成形し、図14(d)に示すように、封止材20を形成する。そして、型30を取り外すこと等により、図8に示した指部2が得られる4
このような本実施形態のロボットハンド1の製造方法によれば、物体を安定的に保持できるロボットハンド1を製造できる。また、本実施形態において、流体が配される空隙を形成する工程は、図13(c)および(d)に示した犠牲部45aを除去することにより流体室28を形成するので、流体室28を弾性体16および剛性部材13と一体的に形成できる。同様に、犠牲部46aを除去することにより流体室22を形成するので、流体室22を弾性体14および剛性部材13と一体的に形成できる。このように、流体が配される空隙をその周囲の部材と一体化して形成するので、製造コストを抑えることができるとともに、シンプルな構成で高機能を実現可能である。
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。本実施形態において、上記の実施形態と同様の構成については、上記の実施形態と同じ符号を付してその説明を簡略化あるは省略する。
図15は本実施形態に係るロボットハンドの指部2を示す断面図、図16は指部2の吸着部21を示す断面図である。本実施形態の指部2は、隔壁40の変形により吸着する点が第2実施形態と同様であるが、隔壁40を変形させる機構が第2実施形態と異なる。
図16の吸着部21は、流体室25において隔壁40に接続されたワイヤー50を有する。隔壁40のうち流体室25を向く内面には、補強部51が設けられており、ワイヤー50は補強部51に取り付けられている。すなわち、ワイヤー50の一端は、補強部51を介して隔壁40と接続されている。補強部51は、隔壁40(弾性体14)よりも硬質の材料からなり、例えば剛性部材13と同様の硬質樹脂からなる。ワイヤー50の他端は、図15に示す配管27を通して、指部2の外部へ引き出されている。本実施形態において、隔壁40は、ワイヤー50から引っ張られることにより、流体室25に向かって変形する。これにより、隔壁40と対象物との間が減圧され、対象物が吸着部21に吸着される。
以上のような構成の本実施形態のロボットハンド1は、吸着部21に圧力センサー15が併設されているので、対象物の吸着状態を精度よく検出することができ、シンプルな構成で高機能を実現可能である。また、ワイヤー50のテンションにより隔壁40の変形を制御できるので、流体室25を減圧する機構が不要になる。また、流体室25を減圧しないことにより、弾性体14と剛性部材13との間の空隙を正圧に保つことが容易になり、この正圧をクッションとして、弾性体14を対象物に柔軟に接触させることがでる。また、弾性体14と剛性部材13との間の空隙を正圧を保つことが容易であるので、隔壁43を省略することもでき、構成をシンプルにできる。
次に、本実施形態に係るロボットハンド1の製造方法について、上記のロボットハンド1に基づいて、説明する。図17(a)〜(c)、図18(a)〜(c)、図19(a)〜(d)、図20(a)〜(c)、図21(a)〜(c)は、ロボットハンド1(指部2)の製造方法を示す工程図である。なお、第2実施形態と共通する工程については、その説明を簡略化あるいは省略する。
本実施形態に係る指部2を製造するには、図17(a)に示すように、指部2(図15参照)の弾性体14および弾性体16の外形に応じた型30を用意する。次に、図17(b)に示すように、型30に軟質樹脂31を堆積させ、軟質樹脂31の型30と反対を型32により成形する。これにより、弾性体14および弾性体16が形成される。次に、図17(c)に示すように、型30に軟質樹脂31をはめ込んだ状態を維持しつつ、型32を軟質樹脂31から取り外す。
次に、図18(a)に示すように、弾性体16上に犠牲材料を堆積させ、犠牲部45を形成する。次に、犠牲部45を切削加工あるいは型成形により成形し、図18(b)に示すように、図15に示した弾性体16と剛性部材13の底部18aとの間の流体室28となる空間Scに、犠牲部45aを形成する。次に、図18(c)に示すように、隔壁40に補強部51を形成し、弾性体14に硬質樹脂などで隔壁43を形成する。また、隔壁43の内側の流体室25に連通する配管27を取り付け、配管27の内側にワイヤー50を通して、ワイヤー50の一端を補強部51と接続する。
次に、図19(a)に示すように、隔壁43上と配管27上に犠牲材料を堆積させ、犠牲部46を形成する。次に、犠牲部46を切削加工あるいは型成形により成形し、図19(b)に示すように、図15に示した弾性体14と剛性部材13の側部18bとの間の流体室22となる空間Sbに、犠牲部46aを形成する。次に、図19(c)に示すように、犠牲部45a上および犠牲部46a上に、図15に示した剛性部材13の形成材料として、硬質樹脂36を堆積させる。
次に、硬質樹脂36を切削加工などにより成形し、図20(a)に示すように、剛性部材13の箱状部18を形成する。次に、図20(b)に示すように、犠牲部45aを除去し、犠牲部45aが占有していた空間Scを流体室28とする。また、犠牲部46aを除去し、犠牲部46aが占有していた空間Sbを流体室22とする。次に、図20(c)に示すように、圧力センサー15を剛性部材13の側部18bに取り付け、圧力センサー17を剛性部材13の底部18aに取り付ける。
次に、図21(a)に示すように、剛性部材13の箱状部18に蓋部19を接着し、箱状部18の内側を封止する。次に、図21(b)に示すように、蓋部19上に軟質樹脂47を堆積させる。次に、軟質樹脂47を切削加工などにより成形し、図21(c)に示すように、封止材20を形成する。そして、型30を取り外すこと等により、図15に示した指部2が得られる。
このような本実施形態のロボットハンド1の製造方法は、図20(a)及び(b)に示した犠牲部45aを除去することにより流体室28を形成するので、流体室28を弾性体16および剛性部材13と一体的に形成できる。同様に、犠牲部46aを除去することにより流体室22を形成するので、流体室22を弾性体14および剛性部材13と一体的に形成できる。このように、流体が配される空隙をその周囲の部材と一体化して形成するので、製造コストを抑えることができるとともに、シンプルな構成で高機能を実現可能である。
なお、上記の各実施形態において、弾性体14の変形を検出するセンサーは、流体室22の圧力を検出する圧力センサー15であるが、圧力以外を検出するセンサーであってもよい。例えば、弾性体14に歪ゲージを設けておき、弾性体14の変形に伴う歪ゲージの電気抵抗値の変化を検出してもよい。
[ロボット]
次に、ロボットについて説明する。本実施形態において、上記の実施形態と同様の構成については、上記の実施形態と同じ符号を付してその説明を簡略化あるは省略する。
図22は、本実施形態に係るロボット100を示す図である。図22のロボット100は、例えば産業用ロボットアームとして用いられる。ロボット100は、多軸アームと、この多軸アームの先端に取り付けられたロボットハンド1とを備える。この多軸アームは、取付部101、第1リンク102、第2リンク103、第3リンク104、第4リンク105、第5リンク106、及び第6リンク107を有する。
取付部101は、例えば床部や壁部、天井部などに取り付けられる部分である。第1リンク102〜第6リンク7は、例えば取付部101から順に直列に接続されている。そして、ロボット100は、取付部101と第1リンク102、およびリンク同士が接続部(関節110、111、112、113、114、115)で回転可能に連結されている。第1リンク102〜第6リンク107のそれぞれが回転可能に設けられているため、それぞれのリンクを関節110〜関節115で適宜回転させることで、ロボットアーム全体としての複合的な動作が可能になっている。
第6リンク107は、ロボット100におけるロボットアームの先端部分である。この第6リンク107の先端部に、上記の実施形態で説明したロボットハンド1が取り付けられている。
本実施形態のロボット100は、上記の実施形態のロボットハンド1を備えているので、シンプルな構成で高機能を実現可能である。なお、図22には6つの関節を有するロボットの例を示したが、関節の数に限定はない。関節の数が多くなるほど、アームの動きに冗長性を持たせることができる。
図23は、他の態様のロボット130を示す図である。このロボット130は、図22に示した多軸アーム(ロボット100)を複数(ここでは2つ)設けた双腕ロボットである。ロボット130は、双腕のそれぞれにロボットハンド1を設けることで、双腕のロボットハンド1で対象物Mを挟み込んで把持させて作業をさせることができる。
図24は、他の態様のロボット140を示す図である。このロボット140は、胴体部141と、胴体部141に設けられた2つの多軸アーム(ロボット100)を備える。2つの多軸アームには、それぞれ、図22に示したロボットハンド1が設けられる。図24において、各多軸アームは、第1リンク102〜第7リンク108を有する7軸アームである。このロボット140においては、6つの接続部(関節110、111、112、113、114、115)のうち関節111と関節112の関節の間に回転軸116を設けることにより、7軸アームとなっている。
このロボット140は、例えば、人間が2本の腕と手を使って一つの大きなものを持つのと同様のアームの動きと把持形態を実現できる。また、図23および図24に示したような複数のアーム(ロボットハンド1)を有するロボットは、ロボットアームの数が1つであるロボットと比較して、大きな対象物を把持することができる。また、箱の中の物体を、箱と物体との隙間に指部を差し込んで2つのロボットアームで把持することもできる。
また、ロボット140は、底部に車輪142を備えるとともに図示しない制御装置を収容した本体部143に胴体部141が支持されており、車輪142によって移動可能となっている。そのため、作業範囲を広げること、設置位置を変更すること等が容易である。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、上記の実施形態で説明した要件の少なくとも1つは、省略されることある。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で多様な変形が可能である。