JP6353654B2 - 抗血管新生剤及びこのような薬剤の使用方法 - Google Patents

抗血管新生剤及びこのような薬剤の使用方法 Download PDF

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Description

[先行関連出願のデータ]
本出願は、2010年7月13日に出願された米国仮特許出願第61/363,933号の優先権を主張するものであり、この出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
[発明の分野]
本開示は、血管増殖を特徴とする又は血管増殖に依存する状態である血管新生依存性状態を制御又は治療する手段としての、血管新生の阻害又は防止に関する。本開示は更に、抗血管新生剤と化学療法剤との併用に関する。
血管新生は、脈管形成が内皮前駆細胞に由来する血管の成長を伴いながら、現存する毛細血管から新しい血管が形成されるプロセスである。血管新生は、血管新生促進分子と抗血管新生分子と間のバランスによって調節されるコンビナトリアルプロセスである。血管新生刺激(例えば、低酸素又は炎症性サイトカイン)は、血管内皮増殖因子(VEGF)又は線維芽細胞増殖因子(FGF)などの血管新生増殖因子の発現及び放出を誘発する。これらの増殖因子は、既存脈管構造の内皮細胞(EC)の増殖及び組織中の移動を刺激して、新しい内皮化チャネルを形成する。血管新生は、内皮細胞の増殖に関与する。
不適切な又は病的な血管新生は、アテローム硬化性プラークの成長、糖尿病性網膜症、黄斑変性症(degenerative maculopathy)、水晶体後線維増殖症、特発性肺線維症、急性成人呼吸促迫症候群及び喘息に関与する。更に、腫瘍進行は新血管新生と関連し、新血管新生は、次第に成長する腫瘍組織に栄養分が送達されるメカニズムを提供する。がんの進行をその血液供給を標的とすることによって遅延させ又は更には食い止めるという概念が初めて提唱されたのは30年余り前であるが)、血管新生阻害剤は最近になってようやく、がん療法の主流になりつつある。
したがって、当技術分野において、病的血管新生を低減する方法及び薬剤に対する必要性が常に存在する。中でも本開示が対象とするのは、この必要性である。
タンパク質の逆平行βシートの2つの短鎖を示す抗血管新生剤の概略図である。 図1Bは、疎水性表面が外側に向いているタンパク質の逆平行βシートの2つの短鎖を示す抗血管新生剤の別の概略図である。図1Cは、疎水性表面が内側に向いているタンパク質の逆平行βシートの2つの短鎖を示す抗血管新生剤の別の概略図である。 折り畳まれた(上部)及び折り畳まれていない(下部)抗血管新生剤及び宿主タンパク質のNMRスペクトルである。 図3Aは、HUVEC細胞を用いた抗血管新生剤対先行技術の薬剤(Anginex)の増殖アッセイを示すグラフである。図3Bは、M4A4がん細胞を用いた抗血管新生剤対先行技術の薬剤(Anginex)の増殖アッセイを示すグラフである。 抗血管新生剤による治療が8日後に開始された場合に、腫瘍体積が治療過程において比較的一定のままであったことを示すグラフである。 抗血管新生剤による治療が22日後に開始された場合に、腫瘍体積が治療過程において比較的一定のままであったことを示すグラフである。 抗血管新生剤による初回治療の終了までに腫瘍重量に有意差があったことを示すグラフである。 緩衝液及び宿主タンパク質で治療されたマウスでは腫瘍が通常の速度で成長したが、抗血管新生剤で治療されたマウスでは腫瘍成長速度がかなり遅いことを示す画像である。 抗血管新生剤によって治療されたマウスの血管密度の研究結果を示す画像である。 治療群においてマウスの体重に有意な変化が観察されなかったことを示すグラフである。 細胞生存率が用量によって異なり得ることを示すグラフである。 種々の用量の抗血管新生剤を用いた14日以上の治療中の腫瘍の成長曲線を示すグラフである。 Avastin(登録商標)及びrProAgio−PEGの腫瘍成長曲線を示すグラフである。 14日間の治療過程の終了時における腫瘍重量のグラフ表示である。
[定義]
以下の定義は、本明細書の全体を通じて使用する特定の用語の理解を容易にするために示す。
「血管新生」は、既存の血管床のあらゆる変化又は組織内灌流に有益な新しい脈管構造の形成と定義する。これには、既存の血管から内皮細胞を発芽させることによる新しい血管の形成、又は組織の血管灌流を改善するようにサイズ、成熟方向若しくは流動特性を変化させる既存の血管の再構築が含まれる。
用語「アミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸及び非天然アミノ酸、並びに天然に存在するアミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣体を指す。天然にコードされるアミノ酸は、20種の一般的なアミノ酸(アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリン)並びにピロリジン及びセレノシステインである。アミノ酸類似体は、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造を有する、ほんの一例として挙げると、水素、カルボキシル基、アミノ基及びR基に結合しているα−炭素を有する化合物を指す。このような類似体は、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造を依然として保持しながら、修飾されたR基を有していてもよく(一例として、ノルロイシン)、又は修飾されたペプチド主鎖を有していてもよい。アミノ酸類似体の非限定的な例としては、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムが挙げられる。
用語「保存的に修飾されたバリアント」は、天然及び非天然アミノ酸配列と天然及び非天然核酸配列の両方並びにそれらの組み合わせに適用される。個々の核酸配列に関して、「保存的に修飾されたバリアント」は、同一又は実質的に同一の天然及び非天然アミノ酸配列をコードする天然及び非天然核酸、又は天然及び非天然核酸が天然及び非天然アミノ酸配列をコードしない場合には、実質的に同一の配列を指す。一例として、遺伝暗号の縮重のため、多数の機能的に同一の核酸が任意の所与のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCG及びGCUは全て、アミノ酸アラニンをコードする。したがって、コドンによってアラニンが指定されるあらゆる位置において、コドンは、コードされたポリペプチドを変えることなく、前記対応コドンのいずれかに変化可能である。このような核酸バリエーションは、「サイレントバリエーション」であり、保存的に修飾されたバリエーションの1つの種である。したがって、一例として、天然又は非天然ポリペプチドをコードする、本明細書中に記載した全ての天然又は非天然核酸配列はまた、天然又は非天然核酸の可能な全てのサイレントバリエーションを表す。当業者ならば、天然又は非天然核酸中の各コドン(通常メチオニンに対する唯一のコドンであるAUG、及び通常トリプトファンに対する唯一のコドンであるTGGを除く)が修飾されて、機能的に同一の分子を生じ得ることがわかるであろう。したがって、天然及び非天然ポリペプチドをコードする天然及び非天然核酸の各サイレントバリエーションは、記載された各配列に潜在している。
本明細書中で使用する用語「有効量」は、治療される疾患又は状態の症状の1つ又は複数をある程度軽減するのに十分な、投与される薬剤又は化合物の量を指す。結果として、疾患の徴候、症状若しくは原因の低減及び/若しくは軽減、又は生体系の任意の他の望ましい変化が得られる。一例として、投与される薬剤又は化合物としては、天然アミノ酸ポリペプチド、非天然アミノ酸ポリペプチド、修飾天然アミノ酸ポリペプチド又は修飾非アミノ酸ポリペプチドが挙げられるが、これらに限定するものではない。このような天然アミノ酸ポリペプチド、非天然アミノ酸ポリペプチド、修飾天然アミノ酸ポリペプチド又は修飾非天然アミノ酸ポリペプチドを含有する組成物は、予防的、増強及び/又は治療的処置のために投与できる。任意の個々の症例において適切な「有効」量は、用量漸増試験などの手法を用いて決定できる。
本明細書中で使用する用語「核酸配列」は、核酸を含むヌクレオチドの順序及び同一性を指す。
「核酸」は、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド及び一本鎖又は二本鎖の形態のそれらのポリマーを指す。この用語は、参照核酸と類似した結合特性を有し且つ参照ヌクレオチドと類似した方法で代謝される、合成の、天然に存在する又は天然に存在しない、既知のヌクレオチド類似体又は修飾された主鎖残基若しくは連鎖を含む核酸を網羅する。このような類似体の例としては、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、メチルホスホネート、キラル−メチルホスホネート、2−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)が挙げられるが、これらに限定するものではない。
特に明記しない限り、個々の核酸配列はまた、その保存的に修飾されたバリアント(例えば、縮重コドン置換)及び相補的配列、並びに明示的に示される配列を暗黙的に網羅する。具体的には、縮重コドン置換は、1つ又は複数の選択された(又は全ての)コドンの第3の位置が混合−塩基及び/又はデオキシイノシン残基で置換されている配列を生じることによって達成され得る。用語「核酸」は、遺伝子、cDNA、mRNA、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドと同義で使用する。
個々の核酸配列はまた、「スプライスバリアント」を暗黙的に網羅する。同様に、核酸によってコードされる個々のタンパク質は、その核酸のスプライスバリアントによってコードされるあらゆるタンパク質を暗黙的に網羅する。「スプライスバリアント」は、名称によって示唆されるように、遺伝子の選択的スプライシング(alternative splicing)の産物である。転写後に、最初の核酸転写物は、異なる(オルタネート)核酸スプライス産物が異なるポリペプチドをコードするようにスプライシングされ得る。スプライスバリアントの産生メカニズムは多様であるが、エクソンのオルタネートスプライシング(alternate splicing)を包含する。リードスルー転写によって同じ核酸から得られるオルタネートポリペプチドも、この定義によって網羅される。組換え型のスプライス産物を含むスプライシング反応のあらゆる産物がこの定義に含まれる。
本明細書中で、用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指すのに同義で使用する。この用語は、天然に存在するアミノ酸ポリマー及び天然に存在しないアミノ酸ポリマーに適用されると同様に、1種又は複数のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の人工的な化学的模倣体であるアミノ酸ポリマーにも適用される。
本明細書中で使用する用語「医薬として許容される」は、化合物の生物活性又は生物学的特性を抑止せず且つ比較的無毒性の塩、担体又は賦形剤を含むがこれらに限定されない材料を指し、即ち、材料は、不所望な生物学的作用を引き起こすことも、含有される組成物の成分のいずれとも有害な相互作用をすることもなく、個体に投与できる。
本明細書中で使用する用語「予防的有効量」は、治療される疾患、状態又は障害の症状の1つ又は複数をある程度軽減する、患者に予防的に適用される少なくとも1種の非天然アミノ酸ポリペプチド又は少なくとも1種の修飾非天然アミノ酸ポリペプチドを含有する組成物の量を指す。このような予防的適用において、このような量は、患者の健康状態、体重などによって異なり得る。一例として、用量漸増臨床試験を含むがこれに限定されないルーチン実験によってこのような予防的有効量を決定することは、十分に当技術分野の範囲内であると考えられる。
2種の核酸又はポリペプチドの場面における「実質的に類似している」という表現は、例えば下記のような配列比較アルゴリズムを用いて最大一致するように比較してアライメントした場合に、又は、目視検査によって測定した場合に、ヌクレオチド又はアミノ酸残基の同一性がそれらの間で少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、95%若しくはそれ以上、又は、それらの間の任意の整数値である2つ以上の配列又はサブ配列を指す。好ましくは、実質的な同一性は、長さ少なくとも約10残基、好ましくは約20残基、より好ましくは40〜60残基又はそれらの間の任意の整数値の配列の領域にわたって、好ましくは60〜80残基、より好ましくは少なくとも約90〜100残基より長い領域にわたって存在し、最も好ましくは例えばヌクレオチド配列のコード領域などの比較される配列の全長にわたって実質的に同一である。
本明細書中で使用する用語「相乗(的な)」は、任意の2種以上の単剤の相加作用を上回る有効性を示す予防的又は治療的に有効な薬剤の組み合わせを指す。予防剤又は治療剤の組み合わせの相乗作用は、特定の疾患又は状態を有する対象に1種若しくは複数の薬剤をより少ない投与量で用いること及び/又は薬剤をより少ない頻度で投与することを可能にし得る。場合によっては、予防剤又は治療剤の組み合わせの相乗作用を用いて、任意の単独療法の使用に関連する有害な又は望ましくない副作用を回避又は低減することができる。
本明細書中で使用する用語「治療有効量」は、既に疾患、状態又は障害を患う患者に投与される少なくとも1種の非天然アミノ酸ポリペプチド及び/又は少なくとも1種の修飾された非天然アミノ酸ポリペプチドを含有する組成物の量であって、治療される疾患、障害又は状態の症状の1つ又は複数を治す又は少なくとも部分的に阻止する又はある程度軽減するのに十分な量を指す。このような組成物の有効性は、疾患、障害又は状態の重症度及び経過、以前の療法、患者の健康状態及び薬物に対する応答、並びに治療する医師の判断を含むがこれらに限定されない条件によって異なる。ほんの一例を挙げると、治療有効量は、用量漸増臨床試験を含むがこれに限定されないルーチン実験によって決定できる。
[詳細な説明]
本開示は、抗血管新生剤、及び、著しい毒性を生じさせずに状態の退縮又は阻止をもたらす治療有効量及び頻度で哺乳動物に抗血管新生剤を投与することによって哺乳動物の依存性状態を治療する、血管新生の阻害方法を提供する。血管新生依存性状態は、新生物、例えば、固形腫瘍新生物、例えば、乳がん、肺がん、前立腺がん、結腸がん、前立腺がん、卵巣がん、神経芽細胞腫、中枢神経系腫瘍、神経芽細胞腫、多形性神経膠芽細胞腫又は黒色腫からなる群から選択され得る。リストは完全とはいえないが、この抗血管新生剤は、全部ではないがほとんどの固形腫瘍の退縮又は阻止をもたらすのに使用できる。治療を受ける哺乳動物は、ヒトであり得る。
具体的な一実施形態において、抗血管新生剤は、ヒト及び非ヒト供給源から生じ得るCD2のドメイン1(domain one)に由来するポリペプチドのバリエーションを含む。より具体的には、CD2のドメイン1の構造及び機能を変化させて、安定性及び活性が変更された新しいポリペプチドを調製した。一部の例において、この変化を用いて、いくつかの内在性抗血管新生ポリペプチド、例えば、PF4、IL8、TSP−1、エンドスタチン及び他の合成ペプチドの活性部分を模倣する逆平行βシートの少なくとも2つの短鎖を調製することができた(例えば、図1A、1B及び1C)。一部の例において、抗血管新生剤又は抗血管新生ポリペプチドは、2つのセグメントによって形成されるβシート、逆平行の折り畳み、内向きの疎水性表面、外向きの親水性表面を有することができ、2つのセグメントは少なくとも4個のアミノ酸を有する。他の例において、6個以上のアミノ酸が1つのセグメントを構成していることが判明した。更に他の例において、8個以上のアミノ酸が1つのセグメントを構成していることが判明した。アミノ酸残基は、親水性と疎水性とを交互に繰り返すことができる(例えば、親水性−疎水性−親水性−疎水性又は親水性−疎水性−疎水性)。
抗血管新生剤は、臨床現場及び非臨床的現場における抗血管新生特性を含む、インビボ、インビトロ及びエクスビボの多くの有用性を有する。定向進化技術によって系統的ポリペプチドバリエーションを調製又は作製する方法は、当技術分野において知られている。本明細書中に開示された方法を用いて、逆平行βシートの少なくとも2つの短鎖を有する他の非CD2ポリペプチドを調製できることが企図され、理解される。
一実施形態において、抗血管新生剤は、合理的なポリペプチド設計を用いて調製できる。合理的な設計は、ポリペプチド配列中のアミノ酸残基が1つのポリペプチドに対して特定の影響を及ぼすことを特定及び予測する方法を含む。例えば、1つのこのような方法は、データがトレーニングセット中の各ポリペプチドバリアントの活性及び配列情報を提供する、ポリペプチドバリアントのトレーニングセットを用意するステップと、特定のアミノ酸の変更に基づいて活性を予測できる活性モデルを導き出すステップと、このモデルを用いて、特定の活性及び特性を有する1種又は複数のポリペプチド中の特定の位置の1つ又は複数のアミノ酸を特定するステップとを含む。
別の具体的な実施形態において、抗血管新生剤は、CD2の宿主ポリペプチド又はドメイン1(例えば、配列番号4、5及び7)内に変異を作製することによって調製できる。
当業者ならば、組換え技術を用いて特異的な抗血管新生剤を調製できる。例えば、常法を用いて、配列番号1〜11のポリペプチドの適切な核酸、又は、配列番号1〜11のポリペプチドを調製できる。別法として、配列番号1〜11のポリペプチドを、部位特異的変異誘導技術によって作製して、所望の抗血管新生剤を生成できる。配列番号1〜11を含む任意の配列とは異なる任意の核配列を、遺伝暗号の縮重によって変化させることができる。次に、変異した核酸配列を適切な発現ベクター中にサブクローニングし、酵母又はE.coliなどの宿主中で発現させる。調製後の精製技術は、当業者には自明である。
一実施形態において、抗血管新生剤は、N結合グリコシル化を含むことができる。N結合グリコシル化プロセスは、真核生物中で行われ、ポリペプチドの折り畳み、ポリペプチドの溶解性及び長い血液循環と関係がある。N結合グリコシル化は、コンセンサス配列Asn−X−Ser/Thrを必要とすることがあり、このコンセンサス配列がペプチド中のループにみられる場合により頻繁に起こる。一例において、即ち、酵母Pichia発現系において、N結合グリコシル化部位はN65位であった。
一部の具体的な実施形態において、抗血管新生剤は、血管新生を制御又は阻害する。血管の発生が発芽によるか、循環幹細胞の出現とそれに続く内皮細胞への分化によるかにかかわらず、血管新生の阻害は一般に、新しい血管の発生の停止であると考えられる。しかし、抗血管新生剤は、活性化された内皮細胞のアポトーシスを誘導し得るので、血管新生の阻害はまた、細胞の死滅、特に、腫瘍血管新生因子によって活性化されている場合には腫瘍の近く又は腫瘍内部の既存血管の細胞の死滅を含むと解するべきである。したがって、本発明の場面内では、血管新生の阻害は、新しい血管の発生の阻害を含むと解するべきであり、この阻害は、すぐ近くの既存血管の破壊を伴っていても伴わなくてもよい。
抗血管新生剤は、アポトーシスの阻害又は制御によって血管新生を阻害又は防止すると思われる。開発されたポリペプチドは、インビトロ分析において上皮細胞及び線維芽細胞に影響を及ぼすことなく、内皮細胞のアポトーシスの誘導に強い活性を発現する。更に、開発されたポリペプチドは、HUVEC細胞によって形成される管構造に及ぼす影響がより少なく、これは、既に存在する正常血管に対する毒性がより少ないことを示唆する。生存因子は、血管内皮細胞増殖因子又はマイトジェン、及び直接的な増殖刺激作用は有さないが細胞を損傷から回復させると思われる因子を含む。
これらの抗血管新生剤は、抗血管新生剤を投与するステップを含む、血管新生の阻害による哺乳動物の治療方法に組み込むことができる。特定の実施形態において、抗血管新生ポリペプチドは、小分子及び短ペプチド剤と比較して、延長された循環時間を示した。
具体的な実施形態は、血管新生の阻害方法及び血管新生関連疾患の治療方法を提供する。他の実施形態において、本発明は、腫瘍成長の阻害又は低減方法及びがんを患う個体の治療方法を提供する。これらの方法は、前述した1種又は複数のポリペプチド治療剤の治療有効量を個体に投与するステップを含む。これらの方法は特に、動物、より特定すればヒトの治療的及び予防的処置を目的とする。
本明細書中に記載する血管新生関連疾患としては、血管新生依存性のがん、例えば、固形腫瘍、白血病などの血液由来の腫瘍、及び腫瘍転移;良性腫瘍、例えば、血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ及び化膿性肉芽腫;免疫性炎症及び非免疫性炎症などの炎症性障害;慢性関節リウマチ及び乾癬;眼性血管新生疾患、例えば、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、黄斑変性症、角膜移植後拒絶反応、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖症、ルベオーシス;オスラーウェバー症候群(Osler−Webber Syndrome);心筋血管新生;プラーク新血管新生;末梢血管拡張;血友病性関節(hemophiliac joint);血管線維腫;並びに創傷肉芽形成及び創傷治癒;末梢血管拡張乾癬強皮症(telangiectasia psoriasis scleroderma)、化膿性肉芽腫、冠血管側枝(cororany collateral)、虚血性肢血管新生、角膜疾患、ルベオーシス、関節炎、糖尿病性新血管新生、骨折、脈管形成、造血が挙げられるが、これらに限定するものではない。
抗血管新生剤と化学療法剤との併用の1つの潜在的有益性は、化学療法剤の用量の低減を伴う血管新生依存性状態の治療及び制御の改善であり得る。併用は長期間にわたって施すことができ、又は任意選択で、併用の増大した有効性のため、より短い持続期間の治療を適用してもよい。
併用療法の性質によっては、他の療法を適用しながら及び/又は他の療法の後に、本発明のポリペプチド治療剤の投与を続けることができる。ポリペプチド治療剤の投与は、単回投与で又は複数回投与で行うことができる。場合によっては、ポリペプチド治療剤の投与は、従来の療法の少なくとも数日前に開始し、他の場合には、従来の療法の適用直前に又は適用時に投与を開始する。
一実施形態において、抗血管新生剤は、化学療法剤及び他の治療剤並びに放射線療法と組み合わせて適用できる。化学療法剤は、ビンカアルカロイド、カンプトセシン(camptothecan)、タキサン、又は白金類似体、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、パクリタキセル、ドセタキセル、5FU、シスプラチン、カルボプラチン、イリノテカン、トポテカン又はシクロホスファミドからなる群から選択できる。抗血管新生剤に抗腫瘍作用があるため、化学療法剤は、低用量レジメンで、抗血管新生剤と組み合わせて投与できる。化学療法剤は、最大耐量より少ない用量で投与できる。
抗血管新生剤は、以下の抗新生物剤を含む抗新生物剤と併用できることが企図される。アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン(acrQnine);アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン(ambomycin);アメタントロン酢酸塩;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ビスナフィドジメシレート;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン(Cirolemycin);シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクォン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;ドロロキシフェンクエン酸塩;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキサート;エフロミチン塩酸塩(eflomithine hydrochloride);エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩(Esorubicin Hydrochloride);エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール;ヨード化ケシ油エチルエステルI 131;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロキシウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;金Au 198;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;インターフェロンα−2a;インターフェロンα−2b;インターフェロンα−n1;インターフェロンα−n3;インターフェロンβ−Ia;インターフェロンγ−Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;ランレオチド酢酸塩;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン(metoprine);メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;マイトジリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;マイコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン(peliomycin);ペンタムスチン(pentamustine);硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩(Piroxantrone Hydrochloride);プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフムゴール(safmgol);サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルホセートナトリウム(sparfosate sodium);スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;塩化ストロンチウムSr 89;スロフェヌル;タリソマイシン(talisomycin);タキサン;タキソイド;テコガランナトリウム(tecogalan sodium);テガフール;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;塩酸トポテカン;トレミフェンクエン酸塩;トレストロン酢酸塩(trestolone acetate);リン酸トリシリビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩(tubulozole hydrochloride);ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン(vinepidine sulfate);ビングリシネートスルフェート(vinglycinate sulfate);硫酸ビンロイロシン(vinleurosine sulfate);ビノレルビン酒石酸塩;硫酸ビンロシジン(vinrosidine sulfate);硫酸ビンゾリジン(vinzolidine sulfate);ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;ゾルビシン塩酸塩。
他の抗新生物化合物としては、以下が挙げられる。20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL−TK拮抗薬;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス(amidox);アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アトラサクリン(atrsacrine);アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;拮抗薬D;拮抗薬G;アンタレリックス(antarelix);抗背側化形態形成ポリペプチド−1(anti−dorsalizing morphogenetic polypeptide−1);抗アンドロゲン、前立腺がん;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィディコリングリシン酸塩;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシスレギュレーター;アプリン酸;ara−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン(axinastatin)1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABL拮抗薬;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β−アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナフィド;ビストラテン(bistratene)A;ビゼレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルフォスチンC;カンプトセシン誘導体;カナリアポックスIL−2;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタアントラキノン;シクロプラタム(cycloplatam);シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキシフォスアミド(dexifosfamide);デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクォン;ジデムニンB;ジドックス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;ジヒドロタキソール,9−;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシン(duocannycin)SA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲン作用薬;エストロゲン拮抗薬;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エクセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド(fmasteride);フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin hydrochloride);ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミドアゾアクリドン;イミキモド;免疫賦活ペプチド;インシュリン様増殖因子−1受容体阻害剤;インターフェロン作用薬;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール,4−;イリノテカン;イロプラクト(iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン−Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病抑制因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミゾール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン(lysofylline);溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストーン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;メトナフィド;マイトトキシン(mitotoxin)線維芽細胞増殖因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+マイコバクテリア細胞壁(myobacterium cell wall)sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤(genie inhibitor);多発性腫瘍サプレッサー1をベースとする療法;マスタード抗がん剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N−置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン(napavin);ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン(nemorubicin);ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン(nisamycin);一酸化窒素モジュレーター;窒素酸化物抗酸化剤;ニトルリン(nitrullyn);O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカインインデューサー;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン(palauamine);パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン(parabactin);パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリスルフェートナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニル酢酸塩;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチン(placetin)A;プラセチンB;プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プロピルビスアクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAをベースとする免疫モジュレーター;プロテインキナーゼC阻害剤;(微細藻類の)プロテインキナーゼC阻害剤;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;raf拮抗薬;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質転移酵素阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;エチドロン酸レニウム(Re186);リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド;ロキニメクス;ルビジノン(rubiginone)B1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチン;Sdi1模倣薬;セムスチン;老化由来阻害剤(senescence derived inhibitor)1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイト(sodium borocaptate);フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン(sonermin);スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド(stipiamide);ストロメライシン阻害剤;スルフモシン(sulfmosine);超活性血管作用性小腸ペプチド拮抗薬(superactive vasoactive intestinal peptide antagonist);スラジスタ(suradista);スラミン;スウェインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム(tecogalan sodium);テガフール;テルラピリリウム(tellurapyrylium);テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロマイド;テニポシド;テトラクロロデカオキサイド;テトラゾミン;タリブラスチン;サリドマイド;チオコラリン;トロンボポエチン;トロンボポエチン模倣薬;チマルファシン;サイモポエチン受容体作用薬;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプルプリンすず;チラパザミン;チタノセンジクロリド;トポテカン;トポセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チロホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来増殖抑制因子(urogenital sinus−derived growth inhibitory factor);ウロキナーゼ受容体拮抗薬;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子療法;ベラレソール;ベラミン(veramine);ベルジン(verdin);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン(vinxaltine);ビタキシン(vitaxin);ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;ジノスタチンスチマラマー。当業者ならば、抗血管新生剤との併用において有用なこのカテゴリーの薬剤に含まれる多数の他の化合物もわかるであろう。
抗血管新生剤は、以下の抗がん作用補充性増強剤(anti−cancer supplementary potentiating agent)を含む抗がん作用補充性増強剤と併用できることが企図される。三環系抗うつ薬(例えば、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン(amitryptyline)、クロミプラミン(clomiprainine)、トリミプラミン、ドキセピン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピンとマプロチリン);非三環系抗うつ薬(例えば、セルトラリン、トラゾドン及びシタロプラム);Ca++拮抗薬(例えば、ベラパミル、ニフェジピン、ニトレンジピン及びカロベリン);カルモジュリン阻害剤(例えば、プレニラミン、トリフルオロペラジン及びクロミプラミン);アムホテリシンB;トリパラノール類似体(例えば、タモキシフェン);抗不整脈薬(例えば、キニジン);降圧薬(例えば、レセルピン);チオール枯渇薬(例えば、ブチオニン及びスルホキシイミン)及びCremaphor ELなどの多剤耐性低減剤(multiple drug resistance reducing agent)。本発明の化合物は、顆粒球コロニー刺激因子などのサイトカインと併用投与してもよい。当業者ならば、抗血管新生剤との併用において有用なこのカテゴリーの薬剤に含まれる多数の他の化合物もわかるであろう。
一実施態様はまた、抗血管新生剤と化学療法剤とを含む、哺乳動物における血管新生依存性状態を治療するためのキットを含む。薬剤の組み合わせは、血管新生の阻害又は退縮をもたらすのに治療的に有効な量及び頻度での投与を可能にするように行う。特定の実施形態において、抗血管新生剤及び/又はポリヌクレオチドは、単独で投与するか、又は抗炎症剤と併用投与する。本発明の抗血管新生剤と併用投与できる抗炎症剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定するものではない。副腎皮質ステロイド(例えば、ベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン及びトリアムシノロン)、非ステロイド系抗炎症薬(例えば、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フロクタフェニン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナメート、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、テノキシカム、チアプロフェン酸及びトルメチン)、並びに抗ヒスタミン剤、アミノアリールカルボン酸誘導体、アリール酢酸誘導体、アリール酪酸誘導体、アリールカルボン酸、アリールプロピオン酸誘導体、ピラゾール、ピラゾロン、サリチル酸誘導体、チアジンカルボキサミド(thiazinecarboxamide)、e−アセトアミドカプロン酸、S−アデノシルメチオニン、3−アミノ4−ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン、ベンダザック、ベンジダミン、ブコローム、ジフェンピラミド、ジタゾール、エモルファゾン、グアイアズレン、ナブメトン、ニメスリド、オルゴテイン、オキサセプロール、パラニリン(paranyline)、ペリソキサール、ピホキシム、プロクァゾン、プロキサゾール及びテニダプ。
医薬品は、以下のカテゴリー及び具体例を含む。このカテゴリーは具体例によって限定されないものとする。当業者ならば、中枢神経系以外において有用性を有する医薬品を容易に特定できるであろう。また、当業者ならば、これらのカテゴリーに含まれ且つ本発明によって有用な多数の他の化合物がわかるであろう。
一部の実施形態において、抗血管新生剤の溶解性及び血液循環時間を増加させるのが望ましいことがある。ポリペプチド溶解性、血液循環時間を増加させるために、例えば、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリオキソマー、ポリソルベート及びポリ(ビニルアルコール)を含むポリエチレングリコールを使用して、本発明のポリペプチドを誘導体化することができ、PEGポリマーが特に好ましい。PEGポリマーは、約100〜約40,000の分子量を有するPEGポリマーである。前記で例証したものに加えて、他の好適な親水性ポリマーは、本開示に基づけば当業者には容易に明らかになるであろう。一般に、使用するポリマーは、アルキル化又はアシル化反応によって本発明のポリペプチドに結合させることができるポリマーを含むことができる。一例において、抗血管新生剤を、20kDaのPEG鎖によってPEG化した。
ポリエチレングリコール分子(又は他の化学部分)は、ポリペプチドの機能ドメイン又は抗原ドメインに対する作用を考慮して、ポリペプチドに結合させるべきである。当業者が利用できる結合方法はいくつかある。例えば、ポリエチレングリコールは、遊離アミノ基若しくは遊離カルボキシル基などの反応性基を介してアミノ酸残基に共有結合できる。反応性基は、活性化されたポリエチレングリコール分子を結合させることができるものである。遊離アミノ基を有するアミノ酸残基としては、リジン残基及びN末端アミノ酸残基が挙げられ、遊離カルボキシル基を有するアミノ酸残基としては、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基及びC末端アミノ酸残基が挙げられる。スルフヒドリル基も、ポリエチレングリコール分子を結合させるための反応性基として使用できる。治療目的で好ましいのは、アミノ基における結合、例えば、N末端又はリジン基における結合である。具体的には、N末端が化学的に修飾されているポリペプチドが望ましい可能性がある。本組成物の実例として、ポリエチレングリコールの使用は、種々のポリエチレングリコール分子(分子量、分岐などが異なる)、反応混合物中のポリペプチド(ポリペプチド)分子に対するポリエチレングリコール分子の比率、実施するPEG化反応の型及び選択されたN末端PEG化ポリペプチドを得る方法から選択できる。適切な反応条件下で、カルボニル基含有ポリマーを用いてN末端においてポリペプチドの実質的に選択的な誘導体形成を行うことができる。
種々の投与経路を利用できる。選択される個々の投与様式は、抗血管新生剤、治療される個々の状態及び有効性に必要な投与量によって異なり得る。これらの方法は、医学的に許容される任意の投与様式を用いて実施でき、この投与様式は、臨床的に許容されない副作用を引き起こすことなく有効なレベルの免疫反応をもたらす任意の投与様式を意味する。特定の投与様式は、非経口経路である。
特定の具体的な実施形態はまた、医薬組成物を提供する。このような組成物は、治療有効量の有効成分(例えば、抗血管新生剤、抗血管新生剤+化学療法剤又は抗血管新生剤+抗炎症剤)と医薬として許容される担体とを含む。このような医薬担体は、滅菌液体、例えば、水及び油、例えば、石油、動物、植物又は合成由来の油(例えば、落花生油、大豆油、鉱物油、ゴマ油など)であり得る。医薬組成物を静脈内投与する場合には、水が担体である。生理食塩水並びにデキストロース及びグリセロールの水溶液も、液体担体として、特に注射剤用の液体担体として使用できる。好適な医薬添加剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦、白亜、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。組成物は、所望ならば、少量の湿潤剤若しくは乳化剤、並びにpH緩衝剤を含有できる。これらの組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放性製剤などの形態を取ることができる。組成物は、従来の結合剤及びトリグリセリドなどの担体を用いて、坐剤として製剤化することができる。経口製剤は、標準的な担体、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含み得る。このような組成物は、治療有効量の抗血管新生剤を、患者に適正に投与するための形態を生じるのに好適な量の担体と共に含有する。製剤は投与様式に適合すべきである。
治療的ポリペプチドの異常な発現及び/又は活性と関連する疾患又は障害の治療(例えば、図9を参照)、阻害及び防止に有効な抗血管新生剤の量は、標準的な臨床技術によって決定できる。更に、最適投与量範囲の特定を助けるために、インビトロアッセイを任意選択で使用できる。製剤において使用する正確な用量は、投与経路及び疾患又は障害の重篤度によっても異なり、開業医の判断及び各患者の状況によって確定すべきである。有効用量は、インビトロ又は動物モデル試験システムから得られる用量応答曲線から推定し得る。
より具体的には、薬剤又は医薬組成物は、ヒトでの使用前に、所望の治療活性又は予防活性についてインビトロで、次いでインビボで試験することができる。例えば、化合物又は医薬組成物の治療的有用性又は予防有用性を立証するためのインビトロアッセイは、細胞株又は患者組織試料に対する化合物の作用を含む。細胞株及び/又は組織試料に対する化合物の作用は、ロゼット形成アッセイ及び細胞溶解アッセイを含むがこれらに限定されない、当業者に周知の技術を用いて判定できる。本発明によれば、特異的な化合物の投与の適用があるか否かを判定するのに使用できるインビトロアッセイは、インビトロ細胞培養アッセイを含む。このインビトロ細胞培養アッセイは、患者組織試料を培養で成長させ且つ化合物に暴露させるか、又は他の方法で化合物を投与し、このような化合物の組織試料に対する作用を観察するものである。
抗血管新生剤は、ルーチン手順に従って、ヒトへの静脈内投与に適する医薬組成物として製剤化できることが企図される。典型的には、静脈内投与のための組成物は、滅菌等張水性緩衝液である。必要ならば、組成物は、可溶化剤及び注射部位の疼痛を緩和するリグノカインなどの局所麻酔薬を更に含んでいてもよい。一般に、成分は、例えば、活性薬剤の量を表示するアンプル又は分包(sachette)などの密封容器中の乾燥した凍結乾燥粉末若しくは水を含まない濃縮物として、別個に供給するか又は単位剤形中に混合する。組成物を注入によって投与しようとする場合には、滅菌した医薬品グレードの水又は生理食塩水を含有する注入ボトルを用いて適量ずつ供給できる。組成物を注射によって投与する場合には、滅菌した注射用水又は生理食塩水のアンプルを用意して、投与前に成分を混合できるようにする。
例えば、リポソームへの封入、微小粒子、マイクロカプセル、化合物を発現できる組換え細胞、受容体介在性エンドサイトーシス、レトロウイルスベクター又は他のベクターの一部としての核酸の作製などの種々の送達系が知られており、それらを使用して、本発明の化合物を投与できる。導入方法としては、皮内、筋肉内、腹膜内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外及び経口経路が挙げられるが、これらに限定するものではない。化合物又は組成物は、任意の簡便な経路によって、例えば、注入又はボーラス注入によって、上皮層又は皮膚粘膜層(例えば、口腔粘膜、直腸粘膜及び腸粘膜など)からの吸収によって投与でき、他の生物活性物質と一緒に投与することもできる。投与は、全身投与であっても局所投与であってもよい。更に、本発明の医薬化合物又は医薬組成物は、脳室内及び髄腔内注射を含む任意の好適な経路によって中枢神経系に導入するのが望ましい場合もあり、脳室内注射は脳質内カテーテルによって容易にすることができる。
具体的な実施形態において、抗血管新生剤は、治療を必要とする領域に局所投与するのが望ましいことがある。これは、例えば、限定するものではないが、手術中の局所注入、局所適用によって、例えば、手術後の創傷被覆材と併用して、注射によって、カテーテルによって、坐剤によって、又は、植込錠によって行うことができ、前記植込錠は、シラスティック(sialastic)膜などの膜を含む多孔性、非多孔性若しくはゼラチン状材料又は繊維からなることができる。ポリペプチドを投与する場合には、ポリペプチドを吸収しない材料を使用するように注意すべきである。
抗血管新生剤が、ポリペプチドをコードする核酸である具体的な実施形態において、適切な核酸発現ベクターの一部として核酸を構築し細胞内に入るように投与すること、例えば、レトロウイルスベクターの使用、又は直接注射、又は微小粒子銃の使用、又は脂質若しくは細胞表面受容体若しくは形質導入剤(transfecting agent)で被覆すること、又は核に入ることが知られているホメオボックス様ペプチドと連結して核酸を投与することなどによって、核酸をインビボで投与してそのコードされたポリペプチドの発現を促進することができる。別法として、核酸を細胞内に導入し、相同的組換えによって発現のために宿主細胞DNA内に組み込むことができる。
他の実施形態は、抗血管新生剤をコードするポリヌクレオチドを含有するベクター、宿主細胞、並びに合成及び組換え技術による抗血管新生剤の製造を対象とする。ベクターは、例えば、ファージ、プラスミド、ウイルス又はレトロウイルスベクターでよい。レトロウイルスベクターは、複製コンピテントであっても複製欠損であってもよい。後者の場合には、ウイルス増殖は一般に、補完宿主細胞の中でのみ起こる。抗血管新生剤をコードするポリヌクレオチドは、宿主中での増殖に関して選択可能なマーカーを含有するベクターに連結させることができる。一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿物などの沈殿物中に、又は、荷電脂質との複合体中に導入する。ポリヌクレオチド挿入断片は、いくつかを挙げれば、λファージPLプロモーター、E.coliのlac、trp、phoA及びtacプロモーター、SV40初期及び後期プロモーター並びにレトロウイルスLTRプロモーターなどの適切なプロモーターに機能的に(operatively)連結させるべきである。他の好適なプロモーターは、当業者に知られている。発現構築物は、転写開始、終結のための部位、及び転写領域中の、翻訳のためのリボソーム結合部位を更に含む。構築物によって発現される転写物のコード部分は好ましくは、翻訳されるポリペプチドの最初に適切に配置された翻訳開始コドンと、翻訳されるポリペプチドの最後に適切に配置された終結コドン(UAA、UGA又はUAG)を含む。示されるように、発現ベクターは好ましくは、少なくとも1つの選択可能なマーカーを含む。
抗血管新生剤の発現及び複製で制御遺伝子及び配列を使用できることが企図される。遺伝子発現のための制御配列の性質は、種間又は細胞型間で異なり得るが、一般的には必要に応じて、転写及び翻訳の開始にそれぞれ関与する5’非転写配列及び5’非翻訳配列、例えば、TATAボックス、キャッピング配列、CAAT配列などを含むものとする。プロモーターは、構成的でもよく又は誘導性でもよい。制御配列はまた、所望に応じて、エンハンサー配列又は上流アクチベーター配列を含む。
一実施形態において、抗血管新生剤をコードするポリヌクレオチドは、原核細胞又は真核細胞の特定のコンパートメントへのポリペプチドの局在化及び/又はポリペプチドの分泌を方向づけるシグナル配列をコードするポリヌクレオチドに融合させることができる。例えば、E.coliにおいて、タンパク質の発現を細胞膜周辺腔に方向づけたい場合がある。タンパク質の局在化を指示する融合タンパク質の作製のためのいくつかにベクターが市販されている。
具体的な一実施形態は、表面が前述のように抗血管新生剤で被覆されている、概して管状の構造(例えば、螺旋形状を含む)を含むステントを提供する。ステントは、通常は形状が円筒の足場材料であり得、疾患過程(例えば、腫瘍による内腔増殖)によって狭くなった、外形が不規則になった、閉塞された又は閉鎖された身体通路(例えば、胆管)又は身体通路の一部に挿入することによって、通路の閉鎖又は再閉鎖を防ぐことができる。
具体的な一実施形態はまた、さまざまな外科手技における抗血管新生剤の使用を提供する。例えば、本発明の1つの態様において、抗血管新生タンパク質(例えば、スプレー又はフィルムの形態の)を利用して腫瘍除去前の領域に被覆又はスプレーを行うことによって、悪性組織から正常な周囲組織を単離し且つ/又は周囲組織への疾病の拡散を防ぐことができる。本発明の更に他の態様において、抗血管新生タンパク質で被覆した手術用メッシュを、手術用メッシュを利用できる全ての手技において利用することができる。
以下の例は、本発明の理解を助けるために記載するのであって、本発明の範囲を限定することを意図せず、本発明を限定するものと決して解すべきでない。
〔実施例1〕
[抗血管新生剤の発現]
抗血管新生剤を、細菌E.coliから発現させ、精製した。設計したポリペプチドが依然として適切に折り畳まれることを確認するのを助けるために、1H−NMR分析で構造を確認した。抗血管新生剤(120μM)とCD2−D1(120μM)のNMRスペクトルを比較した。図2に示すように、抗血管新生剤のNMRスペクトルはCD2−D1(上部)のNMRスペクトルとほぼ同一であったが、ほどかれた(折り畳まれていない)ポリペプチド(有機溶媒によって)は完全に異なるスペクトル(下部)を示した。得られたポリペプチドは、宿主タンパク質及び開発されたタンパク質の両者のH−NMR、CD及び蛍光スペクトルの類似性によって示されるように、非常に類似した構造特性を示した。
〔実施例2〕
[内皮細胞及びアポトーシス]
内皮細胞に対する抗血管新生剤の効果を判定するために、HUVEC細胞を用いて細胞生存率アッセイを行った。種々の濃度の開発した抗血管新生剤の一例、anginex、及びその抗血管新生剤が由来する宿主ポリペプチドで、細胞を処理した。図3Aに示すように、抗血管新生剤は、HUVEC細胞のアポトーシス誘導においてより効果的であった(図2A)。我々は更に、効果が内皮細胞に特異的か否か試験した。このために、5μM又は10μMの抗血管新生剤、Anginex及び宿主タンパク質の存在下でHUVEC細胞、M4A4細胞を用いて、細胞増殖アッセイを行った。図3B及び9に示すように、HUVEC細胞の場合には薬剤によって細胞増殖の強い阻害が観察されるが、上皮M4A4細胞の場合には効果が観察されないことが明白であった。これらの観察から、抗血管新生剤の効果が内皮細胞に特異的であることが示された。
〔実施例3〕
[PC−3細胞の異種移植片の腫瘍成長の阻害]
HUVEC細胞に対する成長阻害及びアポトーシス誘導において、抗血管新生剤の活性が強いことは明らかであった。PC−3細胞の異種移植片モデルは、免疫不全マウスを用いて調製した。担腫瘍マウス(マウス6匹/群)を、抗血管新生剤(10mg/kg)、PEG化抗血管新生剤(10mg/kg)、宿主タンパク質(10mg/kg)及び緩衝生理食塩水を用いて一日量によって2週間治療した。治療は、腫瘍接種の7日後に開始した。腫瘍は、体積によって又は腫瘍細胞の生物発光によって測定した。
図4A及び4Bに示すように、抗血管新生剤及び抗血管新生剤−PEGは、腫瘍成長を阻害した。図4Aは、治療を8日後に開始した場合には、抗血管新生剤による治療過程において腫瘍体積は比較的一定のままであったことをグラフによって示している。図4Bは、用量依存的な効果と、治療を22日後に開始した場合には抗血管新生剤による治療過程において腫瘍体積が比較的一定のままであったことを、グラフによって示している。更に対照として、緩衝液及び宿主タンパク質で治療されたマウスにおいては、腫瘍は通常の速度で成長した。治療過程の終わりに、各治療群の腫瘍を切除し、秤量した。
図5に示すように、抗血管新生剤群と対照群とを比較すると、腫瘍重量にかなりの相違が認められた。今度は、腫瘍を、2×10個の細胞で初期化した。治療は、腫瘍移植の22日後に開始した。抗血管新生剤は、腫瘍成長を完全に阻害した。
図6に示すように、対照群では、緩衝液及び宿主タンパク質(CD2)で治療したマウスにおいて腫瘍は通常の速度で成長した。画像から、検討される抗血管新生剤で治療した場合には腫瘍は不変のままであったことがわかる。参照のみを目的として、タンパク質M1WTはAngio1と、M1PEGはAngio2と記載することができる。
〔実施例4〕
[治療後の血管密度]
図7は、治療マウスから採取した腫瘍組織切片の免疫蛍光染色を用いて観察した血管密度が、抗血管新生剤とPEG化抗血管新生剤による治療後にはPEG化宿主タンパク質及び緩衝液によって治療した群と比較して劇的に減少したことを示している。腫瘍血管に対する抗血管新生剤治療の効果が実際にあったかどうかを判定するために、治療後の腫瘍を収集した。収集した腫瘍から、組織スライドを調製した。スライドを、内皮細胞に特異的な分子マーカーであるCD31に対する抗体で免疫染色した。腫瘍組織スライドの免疫染色を、共焦点顕微鏡によって可視化した。結果から、抗血管新生剤は腫瘍血管新生に特異的な影響を及ぼすことが示された。
〔実施例5〕
[抗血管新生剤の毒性及び免疫原性]
CD2のドメイン1の親タンパク質の毒性は、以前に分析され、マウスでは毒性がなかった。新しい設計がタンパク質の毒性を変えなかったことを確認するのを助けるために、抗血管新生ポリペプチドの毒性を、CD−1マウスを用いて検討した。まず、担腫瘍ヌードマウスの体重を、14日間の治療過程において慎重に測定した。図8に示すように、どの治療群でも、マウス体重に有意な変化は観察されなかった。更に、毒性を、正常CD−1マウスで試験した。3つの群のマウス(マウス7匹/群)に、各注射間の間隔を3日間として、100μlのポリペプチド(100mg/kg、使用投与量の20倍)を静脈内に1用量、2用量及び3用量注射した。動物を30日間、それらのケージに戻した。試験したマウスに、死亡は観察されなかった。全ての動物は、正常な挙動を示した(食餌習性に変化はなく、異常な重量増加又は減少はなく、毛皮に異常外観はなかった)。
毒性研究から、抗血管新生剤及びPEGを含む抗血管新生剤は、我々の腫瘍マウス治療で使用した投与量の約20倍高い少なくとも3つの用量について、急性毒性がないことが示された。更に、我々は、抗血管新生剤及びPEGを含む抗血管新生剤による治療時に肝臓、腎臓及び心血管の損傷があるか否かを試験した。組織学的分析により、治療動物の器官への損傷は認められなかった。
〔実施例6〕
[N−結合グリコシル化]
配列番号11で示されるポリペプチドを、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)発現系から発現させ、精製した。酵母ピキア・パストリスにおけるこのポリペプチドの発現は、細胞内発現及び分泌発現の両方によって行った。このポリペプチドを、イオン交換カラムを用いて更に精製した。ポリペプチドは、Hisタグポリペプチドとして発現された。Hisタグを、トロンビン切断によって除去した。酵母ピキア・パストリスから発現させ、精製したグリコシル化タンパク質は、抗血管新生剤であり、N−結合グリコシル化されていることがわかった。図13に示すように、抗血管新生剤の種々の例によって治療された細胞は、強い生存能を示した。
〔実施例7〕
[配列]
配列番号1は、ラット由来のCD2のドメイン1(WTラットCD2−D1)のアミノ酸配列である。
RDSGTVWGAL GHGINLNIPN FQMTDDIDEV RWERGSTLVA EFKRKMKPFL KSGAFEILAN GDLKIKNLTR DDSGTYNVTV YSTNGTRILN KALDLRILE
配列番号2は、ヒト由来のCD2のドメイン1(WTヒトCD2−D1)のアミノ酸配列である。
KEITNALETWGALGQDINLDIPSFQMSDDIDDIKWEKTSDKKKIAQFRKEKETFKEKDTYKLFKNGTLKIKHLKTDDQDIYKVSIYDTKGKNVLEKIFDLKIQER
M1WT又はAngio1と称する配列番号3は、変異W7Q、G8M、A9K、D94N、R96K、I97V、L98I及びE99Iによって得られた配列番号1由来のCD2のバリアントドメイン1のアミノ酸配列である。
RDSGTVQMKL GHGINLNIPN FQMTDDIDEV RWERGSTLVA EFKRKMKPFL KSGAFEILAN GDLKIKNLTR DDSGTYNVTV YSTNGTRILN KALNLKVII
配列番号4は、変異E41I、K43V、K45L、M46G、K47S、P48V及びG53Lによって得られた配列番号1由来のCD2dのバリアントドメイン1のアミノ酸配列である。
RDSGTVKWKA GHGINLNIPN FQMTDDIDEV RWERGSTLVA EFKRKMKPFL KSGAFEILAN GDLKIKNLTR DDSGTYNVTV YSTNGTRILN KALSLDVNI
配列番号5は、変異E41N、M46Q及びF49Sによって得られた配列番号1由来のCD2のバリアントドメイン1のアミノ酸配列である。
RDSGTEVIKA GHGINLNIPN FQMTDDIDEV RWERGSTLVA EFKRKMKPFL KSGAFEILAN GDLKIKNLTR DDSGTYNVTV YSTNGTRILN KALKLTAIL
ProAngio−PEG又はAngio2と称する配列番号6は、変異M23Cによって得られた配列番号3由来のCD2のバリアントドメイン1のアミノ酸配列である。
RDSGTVQMKL GHGINLNIPN FQCTDDIDEV RWERGSTLVA EFKRKMKPFL KSGAFEILAN GDLKIKNLTR DDSGTYNVTV YSTNGTRILN KALNLKVII
配列番号7は、変異E41I、K43V、K45L、M46G、K47S及びF49Sによって得られた配列番号1由来のCD2のバリアントドメイン1のアミノ酸配列である。
RDSGTVWGAL GHGINLNIPN FQMTDDIDEV RWERGSTLVA IFVRLGSVKM KPLLKSGAFE ILANGDLKIK NLTRDDSGTY NVTVYSTNGT RILNKALDLR ILE
配列番号8は、CD2のバリアントドメイン1のアミノ酸配列である。
RDSGTVWGALGHGINLNIPNFQMTDDIDEVRWERGSTLVANFKRKQKPSL KSGAFEILANGDLKIKNLTRDDSGTYNVTVYSTNGTRILNKALDLRILE
hProAngioB又はAngio3と称する配列番号9は、変異E8S、T9V、W10Q、G11M、A12K、D99N、I102V、Q103I及びE104Iによって得られた配列番号2由来のCD2のバリアントドメイン1のアミノ酸配列である。
KEITNALSVQMKLGQDINLDIPSFQMSDDIDDIKWEKTSDKKKIAQFRKEKETFKEKDTYELLKNGALKIKHLKTDDQDIYKVSIADTKGKNVLEKIFNLKVII
hProAngio又はAngio4と称する配列番号10は、変異M30Cによって得られた配列番号9由来のCD2のバリアントドメイン1のアミノ酸配列である。
KEITNALSVQMKLGQDINLDIPSFQMSDDIDDIKWEKTSDKKKIAQFRKEKETFKEKDTYELLKNGALKIKHLKTDDQDIYKVSIADTKGKNVLEKIFNLKVII
hProAngioY又はAngio5と称する配列番号11は、酵母からのCD2のバリアントドメイン1のアミノ酸配列である。
KEITNALSVQMKLGQDINLDIPSFQMSDDIDDIKWEKTSDKKKIAQFRKEKETFKEKDTYKLFKNGTLKIKHLKTDDQDIYKVSIADTKGKNVLEKIFNLKVII
〔実施例7〕
[腫瘍成長抑制]
図10は、14日間以上の治療期間における腫瘍の増殖曲線を示す。結果は、配列番号10をコードするポリペプチドから開発されたhProAgio又はAngio4が、腫瘍成長の抑制において効果的であったことを示している。実験は、PC−3異種移植片を使用して、hProAgio又はAngio4(10mg/kg、一日量)及び対照としての緩衝生理食塩水を用いて行った。治療は、腫瘍接種の8日後に開始した。
〔実施例8〕
[Avastin(登録商標)と比較した有効性]
抗血管新生ポリペプチドの有効性を更に試験するために、PC−3異種移植片に関してrProAgio−PEG又はAngio2(20mg/kg、一日量)及びAvastin(20mg/kg、2日毎に1用量)を用いて実験を実施し、分析した。治療は、腫瘍接種の21日後に開始した。図11は、Avastin(登録商標)及びrProAgio−PEG又はAngio2の腫瘍成長曲線である。図12は、14日間の治療過程の終了時における腫瘍重量のグラフを示す。各治療群の腫瘍を摘出し、秤量した。Angio2及びAvastin(登録商標)で治療された動物群の腫瘍の重量及び成長には、有意差が認められた。
前述の詳細な説明及び添付した図は、例示及び説明のみを目的として示した。これらは網羅的なものではなく、本発明の精神を制限することを意図としない。本発明の原理及びその実際の適用を最もよく説明する実施形態を選択し、記載した。当業者ならば、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書中に開示された本発明に多くの変形を行えることがわかるであろう。

Claims (11)

  1. 個体における血管新生を低減するための、ヒト又はラット由来の改変されたCD2ポリペプチドのドメイン1のバリアントの有効用量を含有する医薬組成物であって、前記改変されたCD2ポリペプチドのドメイン1のバリアントが、配列番号3、配列番号6、配列番号9、配列番号10及び配列番号11からなる群から選択される、医薬組成物。
  2. 前記バリアントが、腫瘍成長、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性症及び水晶体後線維増殖症から選択される障害に関連する血管新生を低減する、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 静脈内、固形腫瘍の内部又は周囲、全身、動脈内、眼内、腹膜内及び局所から選択される経路により投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 内皮細胞のアポトーシスを誘導する、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 治療有効量又は予防量の化学療法剤を更に含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  6. 放射線療法、治療有効量又は予防量の第2の薬剤を更に含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  7. 改変されたCD2ポリペプチドのドメイン1のバリアントからなる抗血管新生ポリペプチドであって、前記改変されたCD2ポリペプチドのドメイン1のバリアントが、配列番号3、配列番号6、配列番号9、配列番号10及び配列番号11からなる群から選択される、ポリペプチド。
  8. ポリエチレングリコール(PEG)部分を更に含む、請求項7に記載のポリペプチド。
  9. グリカン部分を更に含む、請求項7に記載のポリペプチド。
  10. 請求項7に記載のポリペプチドをコードする核酸。
  11. 請求項7に記載のポリペプチドをコードする核酸を酵母中において発現させるステップを含み、発現の際に前記ポリペプチドがグリコシル化される、改変されたCD2のドメイン1のバリアントからなる抗血管新生ポリペプチドの調製方法。
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