JP6352716B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、パンツ型使い捨ておむつ等の使い捨ておむつに関する。
吸収性物品の着用状態において、該物品の吸収体が着用者の身体に隙間なく密着するようにするために、該吸収体に、その長手方向に延びる一条又は多条の圧搾溝や、非積繊部からなる貫通孔を形成する技術が知られている。例えば特許文献1には、吸収体の肌対向面側に、吸収体のコア部とサイド部とを区画する圧搾溝を形成する技術が記載されている。特許文献2には、吸収性物品の吸収コアに、その肌対向面から非肌対向面に向かう方向に深さ方向を有する凹部を形成することが記載されている。この凹部は深さ方向に底を有するもの及び両対向面間を貫通しているものの双方を包含する。これら圧搾溝や貫通孔は、吸収体に外力が加わって変形するときの起点となり、それによって吸収体は三次元的な変形状態となり、着用者の身体にフィットするようになる。
特開2006−125917号公報 特開2012−139381号公報
吸収体における肌対向面には一般に表面シートが配置されるところ、上述の特許文献1及び2に記載の技術のように、肌対向面に圧搾溝を有する吸収体上や、非積繊部からなる貫通孔を有する吸収体上に表面シートを配置した場合には、該圧搾溝や非積繊部の形成部位において、表面シートと吸収体との間に空間が形成されてしまう。つまり表面シートが吸収体の肌対向面から浮いてしまう。その結果、表面シートのうち、吸収体から浮いた部位においては、表面シートから吸収体への液の移行が起こりづらくなる。吸収体へ移行しきれなかった液は、表面シートの表面を伝って平面方向に拡散してしまう。拡散した液は、着用者の肌と広面積で接触しやすくなり、そのことに起因して、不快な液濡れ感が増大する場合がある。
したがって本発明の課題は、非積繊部を有する吸収体を備えた使い捨ておむつの改良にあり、更に詳細には表面シートのドライ感が向上した使い捨ておむつを提供することにある。
本発明は、肌対向面側に配された表面シートと、非肌対向面側に配された裏面シートと、これら両シート間に配された縦長の吸収体とを備えた使い捨ておむつであって、
前記吸収体は、吸収ポリマーを含む吸収性コアを有し、該吸収性コアには、縦方向に延びる非積繊部が形成されており、
前記表面シートは、2層を有する繊維シートであり、
前記表面シートは、肌対向面側の繊維の繊度が、非肌対向面側の繊維の繊度に比べて低くなっており、
前記表面シートは、前記吸収性コア上に位置する部位での厚みよりも、前記非積繊部に位置する部位での厚みの方が大きくなっており、該表面シートのうち該非積繊部に位置する部位は、該部位の厚み方向の一部が該非積繊部内に存在している、使い捨ておむつを提供するものである。
本発明によれば、着用者の身体と吸収体とのフィット性を向上させつつ、表面シートのドライ感が向上した使い捨ておむつが提供される。
図1は、本発明の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの使用状態(着用状態)を示す斜視図である。 図2は、図1に示すおむつを展開して引き伸ばした状態を肌対向面側から見た展開平面図である。 図3は、図2に示すIII−III線断面図である。 図4は、図3に示す吸収体の製造工程を順次示す断面図(図3相当図)である。
以下、本発明の使い捨ておむつをその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明の一実施形態である使い捨ておむつ1(以下、「おむつ1」ともいう。)は、図1ないし図3に示すように、肌対向面側に配された表面シート2と、非肌対向面側に配された裏面シート3と、これら両シート2,3間に配された縦長の吸収体4とを備えている。
ここで、「肌対向面」とは、おむつ1又はその構成部材(例えば後述する吸収性本体6)における、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、「非肌対向面」とは、おむつ1又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。おむつ1において、縦方向(X方向)は、おむつ1又はその構成部材である縦長な吸収性本体6の長辺に沿う方向に一致し、横方向(Y方向)は、おむつ1又はその構成部材である吸収性本体6の幅方向に一致する。
また、おむつ1は、縦方向(X方向)に延びる中心線CLに対して左右対称に形成されている。以下、具体的に、おむつ1について説明する。
おむつ1は、いわゆるパンツ型の使い捨ておむつであり、図1ないし図3に示すように、表面シート2、裏面シート3及びこれら両シート2,3間に配された吸収体4を具備する吸収性本体6と、吸収性本体6の非肌対向面側に位置して吸収性本体6を固定する外装体7とを備えている。吸収性本体6の縦方向(X方向)に沿う両側部には、縦方向(X方向)に伸長状態で配された弾性部材51を有する側方カフス5,5が設けられている。おむつの着用時には、弾性部材51の収縮により側方カフス5の自由端部側が起立し、いわゆる立体ギャザーとなり、横方向(Y方向)への体液の流出が阻止される。
おむつ1は、図1及び図2に示すように、その縦方向(X方向)に、腹側領域A、股下領域C及び背側領域Bに区分されている。おむつ1の腹側領域Aは、着用時に、着用者の腹側に配される部位であり、背側領域Bは、着用者の背側に配される部位であり、股下領域Cは、着用者の股間に配される部位である。
おむつ1には、図1に示すように、外装体7の腹側領域A側の両側縁部と背側領域B側の両側縁部とが合掌状に接合されることによって、一対のサイドシール部S,S、ウエスト開口部WO及び一対のレッグ開口部LO,LOが形成されている。
表面シート2は、2層を有する繊維シートである。すなわち、表面シート2は、2層以上の複数層の積層シートであり、かつ1プライの単一シートである。積層シートとしては、例えば、不織布となる前の複数の繊維ウエブを重ね合わせ互いの繊維どうしを熱融着してなるエアスルー不織布、あるいは複数枚の不織布を重ね合わせ互いに多数の接合部にて部分的に接合してなる積層シート等が挙げられる。おむつ1の表面シート2は、2つの繊維ウエブを重ね合わせ互いの繊維どうしを熱融着してなるエアスルー不織布である。各繊維ウエブを構成する繊維の樹脂は同種のものでもよく、あるいは異種のものでもよい。また、繊維は単一構造のものであってもよく、あるいは芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維等の複合繊維であってもよい。
おむつ1の表面シート2は、肌対向面側の繊維の繊度が、非肌対向面側の繊維の繊度に比べて低くなっている。肌対向面側の繊維の繊度は、好ましくは1dtex以上、更に好ましくは1.5dtex以上であり、好ましくは5dtex以下、更に好ましくは4dtex以下であり、例えば、1dtex以上5dtex以下であることが好ましく、1.5dtex以上4dtex以下であることが更に好ましい。また、非肌対向面側の繊維の繊度は、好ましくは3dtex以上、更に好ましくは4dtex以上であり、好ましくは7dtex以下、更に好ましくは6dtex以下であり、例えば、3dtex以上7dtex以下であることが好ましく、4dtex以上6dtex以下であることが更に好ましい。肌対向面側の繊維の繊度及び非肌対向面側の繊維の繊度は以下のようにして測定する。
<繊維の繊度の測定方法>
荷重がかかっていない状態のおむつ1から、表面シート2を50mm×100mm(面積5000mm)の長方形状に切り出して測定用サンプルを作製する。次いで、肌対向面側の繊維の繊度に関しては、測定用サンプルを断面視して、測定用サンプルの肌対向面から厚さ方向に0.2mm間隔を空けた位置での標準的な繊維10本を対象として繊維太さを、電子顕微鏡を用いて実測し、繊維太さ平均値Dn(μm)を算出する。次いで、前記肌対向面から厚さ方向に0.2mm間隔を空けた位置での標準的な繊維の構成樹脂を特定し、示差走査熱量測定器(DSC)を用いて、理論繊維存在密度Pn(g/cm)を求める。得られた繊維太さ平均値Dn(μm)及び理論繊維存在密度Pn(g/cm)から、繊維長さ10,000m当たりの重さ(g)を算出して、この算出された値を肌対向面側の繊維の繊度(dtex)とする。非肌対向面側の繊維の繊度に関しては、測定用サンプルを断面視して、測定用サンプルの非肌対向面から厚さ方向に0.2mm間隔を空けた位置での標準的な繊維10本を対象として、肌対向面側の繊維の繊度と同様にして測定する。
おむつ1においては、図3に示すように、表面シート2は、吸収体4の肌対向面側を被覆するとともに、その両側端部が、吸収体4の非肌対向面側に折り返されており、該非肌対向面側において、裏面シート3及び側方カフス5に接着剤あるいはシール等の公知の接合手段により接合固定されている。
吸収体4は、図2,図3に示すように、吸収ポリマーを含む吸収性コア40を有している。具体的には、おむつ1においては、吸収体4は、縦方向(X方向)に長い吸収性コア40及び吸収性コア40を被覆するコアラップシート41を有している。コアラップシート41は、吸収性コア40の肌対向面及び非肌対向面を被覆している。
また、吸収性コア40には、縦方向(X方向)に延びる一又は複数の非積繊部42が形成されている。具体的には、図2及び図3に示すように、非積繊部42が、吸収性コア40の股下領域Cにおいて、中心線CLに対して対称な位置に一対形成されている。各非積繊部42は、中心線CLに沿って縦方向(X方向)に長い矩形状に形成されている。各非積繊部42の長さは略同一である。略同一とは、一方の非積繊部42の長さに対して他方の非積繊部42の長さが0.9倍以上1.1倍以下であることを言う。また、各非積繊部42の縦方向に沿う一端及び他端の位置は、おむつ1の縦方向に沿って見たときに略同位置になっている。略同位置とは、一方の非積繊部42の端部の位置と、他方の非積繊部42の端部の位置との差が10mm以内であることを言う。非積繊部42は、吸収性コア40を形成する材料(コア形成材料)が全く存在しない貫通孔(つまり坪量がゼロ)であることが好ましいが、他の領域よりも少ない量のコア形成材料が20g/m程度に若干存在している場合も、同様な効果を奏しうるため、非積繊部に含めることとする。各非積繊部42の幅はそれぞれ独立に、0.5mm以上20mm以下であることが好ましい。
おむつ1には、図2及び図3に示すように、吸収体4の縦方向(X方向)に延びる両側縁部に沿って、吸収性コア40の側部部分を立ち上げるための弾性部材43が配されている。弾性部材43は、吸収性コア40を被覆するコアラップシート41の内面側又は外面側に配され、吸収性コア40の縦方向(X方向)に沿う両側縁に沿って伸長状態で配されており、腹側領域A及び背側領域Bに両端部が固定されている。
おむつ1においては、コアラップシート41は、吸収性コア40の肌対向面と吸収性コア40の非肌対向面とで、接着剤により固定されている。具体的には、吸収性コア40の肌対向面と吸収性コア40の非肌対向面とに、接着剤が塗工されており、それらの塗工部分でコアラップシート41と固定されている。
おむつ1においては、図3に示すように、表面シート2と吸収体4とが接着剤8で固定されている。接着剤8は、吸収体4における非積繊部42以外の部位、及び非積繊部42における底部の位置に配されている。接着剤8は、吸収体4を構成するコアラップシート41と表面シート2との間に施されている。接着剤8の塗布パターンは、表面シート2からコアラップシート41への液の移動が妨げられないようなものであれば特に制限はない。例えばスパイラル状の塗布パターンやΩ字状の塗布パターンを採用することができる。
おむつ1においては、図2及び図3に示すように、吸収性本体6の縦方向(X方向)に沿う側部に設けられた側方カフス5に、自由端近傍に伸長状態で固定された弾性部材51以外に、側方カフス5の固定端と自由端との間に、縦方向(X方向)に伸長状態で固定されたカフス中間弾性部材52が配されている。おむつ1においては、図3に示すように、側方カフス5として、所定幅の帯状のシートの1枚を、その縦方向(X方向)に沿って二つ折りして、相対向する層間をホットメルト型接着剤又は部分的な熱シール若しくは超音波シール等で接合した2層構造のシートを用いており、前述した弾性部材51及びカフス中間弾性部材52は、この2層構造のシート間に伸長状態で固定されている。
以上のように構成された吸収性本体6は、その縦方向(X方向)を、展開かつ伸長状態におけるおむつ1の縦方向(X方向)に一致させて、外装体5の中央部に、接着剤8によって接合されている。このように、外装体5は、おむつ1の厚み方向における、吸収性本体6を構成する裏面シート3の非肌対向面側に配されて接着固定されている。
外装体7は、おむつ1においては、図2及び図3に示すように、2枚の外装体形成用シート71,72と、これら2枚のシート71,72間に伸長状態で固定された各部の弾性部材とからなる。すなわち、2枚の外装体形成用シート71,72間には、ウエスト開口部WOの周縁部にウエストギャザーを形成するウエスト部弾性部材73,レッグ開口部LOの周縁部にレッグギャザーを形成するレッグ部弾性部材74,及び胴回り部D(ウエスト開口部WOの周縁端から下方に20mm離間した位置からレッグ開口部LOの上端までの領域)に左右に分割された状態の胴回りギャザーを形成する胴回り弾性部材75が、それぞれ伸長状態で、ホットメルト型接着剤等の任意の接合手段により接合固定されている。
外装体形成用シート71,72は、その縦方向(X方向)に関し、これら2枚のシートのうちの一方又は双方が、ウエスト開口部WOの周縁部において折り返され、その折り返された部分が、吸収性本体6の前後端における吸収性本体6の肌対向面側に固定されている。
以上のように構成されたおむつ1における表面シート2は、図3に示すとおり、吸収性コア40上に位置する部位での厚みよりも、非積繊部42に位置する部位での厚みの方が大きくなっている。そして、表面シート2のうち非積繊部42に位置する部位、すなわち厚みの大きい部位は、該部位の厚み方向の一部が非積繊部42内に存在している、その結果、非積繊部42では、表面シート2の存在によって空間の形成が規制されている。したがって、表面シート2のうち、非積繊部42上に位置する部位に排泄された液は、厚みが大きくなっている部位を通じて厚み方向の下方に円滑に移行するようになる。そのことに起因して、表面シートの表面における液残りが生じにくくなり、表面シートの表面を伝って平面方向に拡散する液の量を低減させることができる。これらの理由によって、着用者の肌と液との接触面積が減少し、そのことに起因して、表面シート2はドライ感を呈するようになる。また、表面シート2の一部が非積繊部42内に存在している部位に相当するコアラップシート41も同様にその一部が非積繊部42内に存在している。
非積繊部42は、その全域が表面シート2によって満充填されていることが最も好ましいが、上述した有利な効果を損なわない限りにおいて、非積繊部42の一部に表面シート2の未充填空間が存在していることは妨げられない。
以上の有利な効果を一層顕著なものとする観点から、表面シート2のうち、非肌対向面側に位置する繊度の高い部位、例えば本実施形態においては下層22が、主として非積繊部42内に存在していることが好ましい。「主として」とは、表面シート2のうち、非積繊部42内に存在している部位の体積に対して、下層22の体積が占める割合が50%超であることを言う。
表面シート2における下層22が、主として非積繊部42内に存在している場合、吸収性コア40上に位置する下層22の繊維存在密度と、非積繊部42内に位置する下層22の繊維存在密度を比べると、非積繊部42内に位置する下層22の方が、繊維存在密度は小さくなっている。また、吸収性コア40上に位置する下層22の厚みと、非積繊部42内に位置する下層22の厚みを比べると、非積繊部42内に位置する下層22の方が、厚みは大きくなっている。これらとは対照的に、吸収性コア40上に位置する上層21の繊維存在密度と、非積繊部42内に位置する上層21の繊維存在密度を比べると、両者は概ね同一になっている。同様に、吸収性コア40上に位置する上層21の厚みと、非積繊部42内に位置する上層21の厚みを比べると、両者は概ね同一になっている。「概ね同一」とは、一方の繊維存在密度(又は厚み)に対して、他方の繊維存在密度(又は厚み)が0.9倍以上1.1倍以下であることを言う。これらのことから明らかなように、表面シート2の肌対向面に着目した場合、該肌対向面は概ね平坦になっているか、あるいは図3に示すとおり、肌対向面のうち、非積繊部42上に位置する部位が、吸収性コア40上に位置する部位よりも若干凹陥した状態になっている。
図4(a)ないし(c)には、図3に示す構造のおむつ1を製造する工程が順次示されている。まず図4(a)に示す構造のおむつ前駆体1’を製造する。おむつ前駆体1’は、完成後のおむつ1(図4(c)参照)と比べて、非積繊部42における表面シート2の構造が相違している。図4(a)に示すおむつ前駆体1’においては、表面シート2のうち、非積繊部42上に位置する部位の構造は、吸収性コア40上に位置する部位の構造と同一になっている。具体的には、上層21の繊維存在密度及び厚み、並びに下層22の繊維存在密度及び厚みは、非積繊部42上に位置する部位及び吸収性コア40上に位置する部位の双方で同じになっている。このような構造のおむつ前駆体1’は、従来から採用されている一般的なおむつの製造方法と同様の方法で製造される。具体的には、吸収体4の肌対向面側に表面シート2を配するとともに、吸収体4の非肌対向面側に裏面シート3を配して吸収性本体6を製造し、該吸収性本体6における非肌対向面側に外装体7を配置することでおむつ前駆体1’が得られる。このとき、吸収体4と表面シート2との間に接着剤8を施しておく。具体的には、吸収体4の外面をなすコアラップシート41と、表面シート2との間に接着剤8を施しておき、両者を接合する。同様に、コアラップシート41と、裏面シート3の間にも接着剤8を施しておき、両者を接合することが好ましい。更に、吸収性本体6と外装体7との間にも接着剤8を施しておき、両者を接合することが好ましい。
このようにしておむつ前駆体1’が製造されたら、次に該おむつ前駆体1’における非積繊部42の位置において、表面シート2を裏面シート3側に向けて押し込む。この押し込みには、例えば図4(b)に示すとおりの段付きロール9を用いることができる。段付きロール9は、大径部91と小径部92とを有している。大径部91は、ロール9の軸方向に距離を隔てて一対設けられている。2つの大径部91の半径は同じになっている。小径部92は、2つの大径部91の間に位置している。また小径部92は、各大径部91よりも軸方向の外方にも設けられている。各小径部92の半径は同じでもよく、あるいは、中央の小径部92と半径と、左右の各小径部92の半径とが異なっていてもよい。左右の各小径部92の半径は同じであることが好ましい。
段付きロール9における一対の大径部91間の距離は、図4(a)に示すおむつ前駆体1’における一対の非積繊部42間の距離と概ね一致している。このような構造の段付きロール9を用い、その各大径部91を、吸収性コア40に形成された各非積繊部42内に挿入させて、図4(b)に示すとおり、表面シート2を非積繊部42内に押し込む。大径部91の押し込み状態においては、小径部92が、おむつ前駆体1’における非積繊部42以外の部位を適度な圧力で押さえ付けている。
大径部91の押し込み状態においては、表面シート2と吸収体4とが接着剤8で接合されていることに起因して、表面シート2は引き延ばされながら非積繊部42内に押し込まれる。この引き伸ばしは、上層21よりも下層22の方が、その程度が大きい。この理由は、表面シート2は、肌対向面側の繊維の繊度が、非肌対向面側の繊維の繊度に比べて低くなっているため、つまり上層21の繊維の繊度が、下層22の繊維の繊度よりも低くなっているためである。詳細には、同坪量で比較した場合、上層21の方が、下層22よりも繊維どうしの結合点が密に存在することになる。換言すれば、下層22の方が、上層21よりも繊維どうしの結合点が疎に存在することになる。そして、繊維シートを引き延ばすとき、一般には、繊維どうしの結合点が疎に存在するシートの方が、繊維どうしの結合点が密に存在するシートよりも引き延ばされやすいので、下層22の方が上層21よりも引き延ばされやすい。その結果、上述した大径部91による表面シート2の押し込み及びそれに起因する表面シート2の引き伸ばしにおいては、下層22の方が上層21よりも引き延ばしの程度、つまり塑性変形の程度が大きくなる。
図4(b)に示す操作によって下層22の方が上層21よりも引き延ばされた表面シート2は、図4(c)に示すとおり、段付きロール9による引き伸ばしが解除されると、弾性収縮によって元の状態、すなわち図4(a)に示すおむつ前駆体1’の状態に復帰しようとする。しかし、表面シート2の下層22は、段付きロール9による塑性変形の程度が大きくなっているので、変形前の状態へは完全に復帰せず、塑性変形した状態がある程度維持されたままで非積繊部42内に留まる。これに対して、上層21は、下層22に比べて塑性変形の程度が小さいので、弾性収縮によって、変形前の状態に近い状態まで復帰する。このような機序によって、段付きロール9による引き伸ばしの解除後の表面シート2は、吸収性コア40上に位置する部位での厚みよりも、非積繊部42に位置する部位での厚みの方が大きくなる。しかも表面シート2のうち該非積繊部42に位置する部位は、該部位の厚み方向の一部が非積繊部42内に充填される。また、下層22に着目すると、吸収性コア40上に位置する部位での繊維存在密度よりも、非積繊部42に位置する部位での繊維存在密度の方が小さくなる。一方、上層21に関しては、段付きロール9による引き伸ばしの解除後は、弾性収縮によって引き伸ばし前の状態まで概ね復帰するので、吸収性コア40上に位置する部位での繊維存在密度と、非積繊部42に位置する部位での繊維存在密度とは概ね同じになる。
以上の方法によって表面シート2を非積繊部42内に一層首尾よく存在させる観点から、表面シート2においては、肌対向面側の繊維存在密度(D1)を、非肌対向面側の繊維存在密度(D2)に比べて高くすることが有利である。これによって、表面シート2の非肌対向面側が、肌対向面側に比べて一層引き延ばされやすくなる。この観点から、非肌対向面側の繊維存在密度(D2)に対する肌対向面側の繊維存在密度(D1)の比(D1/D2)は、好ましくは1.1以上10以下であり、更に好ましくは1.3以上5以下である。上述したように、おむつ1の表面シート2は、例えば2つの繊維ウエブから形成されたエアスルー不織布であるので、肌対向面側の繊維存在密度(D1)とは2層の内の上層21の繊維存在密度を意味し、非肌対向面側の繊維存在密度(D2)とは2層の内の下層22の繊維存在密度を意味する。なお、3つ以上の繊維ウエブから形成されたエアスルー不織布の場合には、肌対向面側の繊維存在密度(D1)とは3層以上の層の内の最も肌対向面側の層の繊維存在密度を意味し、非肌対向面側の繊維存在密度(D2)とは該最も肌対向面側の層を除く他の層の繊維存在密度を意味する。上述した繊度及び後述する坪量に関しても繊維存在密度と同様である。
具体的に、肌対向面側の繊維存在密度(D1)は、好ましくは0.01g/cm3以上、更に好ましくは0.015g/cm3以上であり、好ましくは0.1g/cm3以下、更に好ましくは0.08g/cm3以下であり、例えば、0.01g/cm3以上0.1g/cm3以下であることが好ましく、0.015g/cm3以上0.08g/cm3以下であることが更に好ましい。
また、肌対向面側の層の坪量は、好ましくは2g/m以上、更に好ましくは5g/m以上であり、好ましくは50g/m以下、更に好ましくは30g/m以下であり、例えば2g/m以上50g/m以下であることが好ましく、4g/m以上30g/m以下であることが更に好ましい。
非肌対向面側の繊維存在密度(D2)は、好ましくは0.003g/cm3以上、更に好ましくは0.005g/cm3以上であり、好ましくは0.06g/cm3以下、更に好ましくは0.05g/cm3以下であり、例えば、0.003g/cm3以上0.06g/cm3以下であることが好ましく、0.005g/cm3以上0.05g/cm3以下であることが更に好ましい。
また、非肌対向面側の層の坪量は、好ましくは5g/m以上、更に好ましくは8g/m以上であり、好ましくは60g/m以下、更に好ましくは50g/m以下であり、例えば、5g/m以上60g/m以下であることが好ましく、8g/m以上50g/m以下であることが更に好ましい。
肌対向面側の繊維存在密度(D1)及び非肌対向面側の繊維存在密度(D2)並びに肌対向面側の層の坪量及び非肌対向面側の層の坪量は以下のようにして測定する。
<繊維存在密度及び坪量の測定方法>
荷重がかかっていない状態のおむつ1から、表面シート2を50mm×100mm(面積5000mm)の長方形状に切り出して測定用サンプルを作製する。画像解析装置を用いて、荷重がかかっていない状態で測定用サンプルの断面を観察し、各層の厚みを測定する。次いで、測定用サンプルを構成する各層を分離し、各層の重量を求める。そして、各層の重量を、各層の体積(厚み×測定用サンプルの面積)で除して、各層の繊維存在密度を算出する。また、各層の重量を、測定用サンプルの面積で除して、各層の坪量を算出する。画像解析装置としては、例えば、日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡(型番JCM−5100)を用いることができる。
表面シート2を非積繊部42内に一層首尾よく存在させる観点から、表面シート2は、肌対向面側の繊維における酸化チタンの含有量を、非肌対向面側の繊維における酸化チタンの含有量に比べて多くすることも有利である。繊維に酸化チタンを多量に含有させると、繊維の剛性が高くなり、引き伸ばし時に塑性変形しづらくなる。その結果、段付きロール9による引き伸ばしが解除されたときに、肌対向面側の繊維が弾性収縮しやすくなり、変形前の状態に近い状態まで復帰しやすくなる。表面シート2は、例えば2つの繊維ウエブから形成されたエアスルー不織布であるので、肌対向面側の酸化チタンの含有量とは2層の内の上層21の酸化チタンの含有量を意味し、非肌対向面側の酸化チタンの含有量とは2層の内の下層22の酸化チタンの含有量を意味する。なお、3つ以上の繊維ウエブから形成されたエアスルー不織布の場合には、肌対向面側の酸化チタンの含有量とは3層以上の層の内の最も肌対向面側の層の酸化チタンの含有量を意味し、非肌対向面側の酸化チタンの含有量とは該最も肌対向面側の層を除く他の層の酸化チタンの含有量を意味する。おむつ1の表面シート2における肌対向面側の上層21の酸化チタンの含有量は、上層21の全量に対して、好ましくは0.5質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以上10質量%以下である。また、おむつ1の表面シート2における非肌対向面側の下層22の酸化チタンの含有量は、下層22の全量に対して、好ましくは0質量%以上5質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以上3質量%以下である。
次に、おむつ1の各部の形成材料について説明する。
吸収性本体6を構成する裏面シート3、吸収体4及び側方カフス5等としては、パンツ型使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられている各種のもの等を特に制限なく用いることができる。例えば、裏面シート3としては、透湿性の樹脂フィルム等を用いることができる。吸収体4の吸収性コア40としては、吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料から構成されたものを用いることができ、コアラップシート41としては、ティッシュペーパー等を用いることができる。なお、吸収性コア40の坪量は、100g/m以上800g/m以下であることが好ましく、150g/m以上700g/m以下であることが好ましい。吸収性コア40の厚みは、荷重がかかっていない状態で、2mm以上16mm以下であることが好ましく、3mm以上14mm以下であることが更に好ましい。また、側方カフス5としては、撥水性の単層又は多層構造の不織布等を用いることができる。
外装体7を構成する2枚の外装体形成用シート71,72としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布等からなる単層の不織布又は2層以上の積層不織布等を用いることができる。なお、2枚の外装体形成用シート71,72とで、異なるシート材を用いてもよい。
弾性部材(弾性部材43、弾性部材51、カフス中間弾性部材52、ウエスト部弾性部材73、レッグ部弾性部材74、胴回り弾性部材75等)としては、例えば、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、楕円形又は多角形状等の糸状(糸ゴム等)、若しくは紐状(平ゴム等)のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。
接着剤8としては、パンツ型使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられている各種のホットメルト接着剤等を特に制限なく用いることができる。
サイドシール部Sは、外装体7の腹側領域A側の両端部と外装体7の背側領域B側の両端部とを重ねて、その部分に熱エンボス加工を施すことにより形成されている。また、サイドシール部Sを形成する加工として、熱エンボス加工に代えて、超音波シール、レーザー等を採用することもできる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態は、本発明を、図1に示すとおりの腹側領域A、股下領域C及び背側領域Bにわたる砂時計状等の連続した形状の外装体5を有するパンツ型使い捨ておむつに適用した例であるが、これ以外の構造のおむつ、例えば外装体5が、腹側外装体、背側外装体及び股下外装体に別部材として区分された分割型のパンツ型使い捨ておむつに本発明を適用してもよい。また、本発明の使い捨ておむつは、パンツ型使い捨ておむつ以外にも、例えば、展開型の使い捨ておむつ等に好適に用いることができる。また、使い捨ておむつは、幼児又は成人用の使い捨ておむつであってもよい。
上述した実施形態に関し、更に以下の使い捨ておむつを開示する。
<1>
肌対向面側に配された表面シートと、非肌対向面側に配された裏面シートと、これら両シート間に配された縦長の吸収体とを備えた使い捨ておむつであって、
前記吸収体は、吸収ポリマーを含む吸収性コアを有し、該吸収性コアには、縦方向に延びる非積繊部が形成されており、
前記表面シートは、2層を有する繊維シートであり、
前記表面シートは、肌対向面側の繊維の繊度が、非肌対向面側の繊維の繊度に比べて低くなっており、
前記表面シートは、前記吸収性コア上に位置する部位での厚みよりも、前記非積繊部に位置する部位での厚みの方が大きくなっており、該表面シートのうち該非積繊部に位置する部位は、該部位の厚み方向の一部が該非積繊部内に存在している、使い捨ておむつ。
<2>
前記表面シートは、肌対向面側の繊維の繊度が好ましくは1dtex以上、更に好ましくは1.5dtex以上であり、好ましくは5dtex以下、更に好ましくは4dtex以下である前記<1>に記載の使い捨ておむつ。
<3>
前記表面シートは、非肌対向面側の繊維の繊度が好ましくは3dtex以上、更に好ましくは4dtex以上であり、好ましくは7dtex以下、更に好ましくは6dtex以下である前記<1>又は<2>に記載の使い捨ておむつ。
<4>
前記表面シートのうち、非肌対向面側に位置する繊度の低い部位が、主として前記非積繊部内に存在している前記<1>ないし<3>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
<5>
前記表面シートのうち、非肌対向面側に位置する繊度の高い部位は、該部位のうち、前記非積繊部内に位置する部位の繊維存在密度の方が、前記吸収性コア上に位置する部位の繊維存在密度よりも小さくなっている前記<1>ないし<4>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
<6>
前記表面シートのうち、非肌対向面側に位置する繊度の高い部位は、該部位のうち前記非積繊部内に位置する部位の厚みの方が、前記吸収体上に位置する部位の厚みよりも大きくなっている前記<1>ないし<5>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
<7>
前記表面シートのうち、肌対向面側に位置する繊度の低い部位は、該部位のうち前記非積繊部内に位置する部位の繊維存在密度と、前記吸収体上に位置する部位の繊維存在密度とが概ね同一になっている前記<1>ないし<6>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
<8>
前記表面シートにおいては、肌対向面側の繊維存在密度(D1)が、非肌対向面側の繊維存在密度(D2)に比べて高くなっている前記<1>ないし<7>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
<9>
非肌対向面側の繊維存在密度(D2)に対する肌対向面側の繊維存在密度(D1)の比(D1/D2)が、好ましくは1.1以上10以下であり、更に好ましくは1.3以上5以下である前記<8>に記載の使い捨ておむつ。
<10>
肌対向面側の繊維存在密度(D1)が、好ましくは0.01g/cm3以上、更に好ましくは0.015g/cm3以上であり、好ましくは0.1g/cm3以下、更に好ましくは0.08kg/m3以下である前記<8>又は<9>に記載の使い捨ておむつ。
<11>
非肌対向面側の繊維存在密度(D2)が、好ましくは0.003g/cm3以上、更に好ましくは0.005g/cm3以上であり、好ましくは0.06g/cm3以下、更に好ましくは0.05g/cm3以下である前記<8>ないし<10>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
<12>
前記表面シートの肌対向面側の層の坪量が、好ましくは2g/m以上、更に好ましくは5g/m以上であり、好ましくは50g/m以下、更に好ましくは30g/m以下である前記<1>ないし<11>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
<13>
前記表面シートの非肌対向面側の層の坪量が、好ましくは5g/m以上、更に好ましくは8g/m以上であり、好ましくは60g/m以下、更に好ましくは50g/m以下である前記<1>ないし<12>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
<14>
前記表面シートと前記吸収体とが接着剤で固定されており、
前記接着剤は、前記吸収体における前記非積繊部以外の部位、及び該非積繊部における底部の位置に配されている前記<1>ないし<13>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
<15>
前記表面シートは、肌対向面側の繊維の方が、非肌対向面側の繊維に比べて酸化チタンの含有量が多くなっている前記<1>ないし<14>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
<16>
前記表面シートのうち、肌対向面側に位置する繊度の低い部位の酸化チタンの含有量が、該部位の全量に対して、好ましくは0.5質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以上10質量%以下である前記<15>に記載の使い捨ておむつ。
<17>
前記表面シートのうち、非肌対向面側に位置する繊度の高い部位の酸化チタンの含有量が、該部位の全量に対して、好ましくは0質量%以上5質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以上3質量%以下である前記<15>又は<16>に記載の使い捨ておむつ。
<18>
前記表面シートが、樹脂で構成された繊維ウエブを2層以上の複数層に積層したシートである前記<1>ないし<17>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
<19>
前記吸収性コアにおける非積繊部は、該吸収性コアを形成する材料が全く存在しない貫通孔である前記<1>ないし<18>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
<20>
前記吸収性コアにおける非積繊部は、該吸収性コアの中心線CLに沿って縦方向に長い矩形状に複数形成されており、
各非積繊部の長さは略同一であり、
各非積繊部の縦方向に沿う一端及び他端の位置は、おむつの縦方向に沿って見たときに略同位置になっている前記<1>ないし<19>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
<21>
前記非積繊部が複数形成されており、各非積繊部の幅がそれぞれ独立に0.5mm以上20mm以下である前記<1>ないし<20>のいずれか1に記載の使い捨ておむつ。
以下、本発明の使い捨ておむつを実施例により更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例によって何ら制限されるものではない。
〔実施例1ないし3〕
図1ないし図3示すおむつ1と同様の基本構成を有するパンツ型使い捨ておむつを図4に示す手順で作製し、これを実施例1のサンプルとした。表面シートにとしては、肌対向面側の上層21の繊維ウエブと非肌対向面の下層22の繊維ウエブを重ね合わせて形成された2層のエアスルー不織布を用いた。得られたおむつの諸元を以下の表1に示す。同表における符号aないしgの示す位置は、同表上の図面に示されている。これらの符号の示す位置での厚み測定方法は以下のとおりである。
〔吸収性コアの厚みa及びb〕
株式会社キーエンス製の非接触式レーザー変位計(レーザーヘッドLK−G30、変位計LK−GD500(商品名))を用いた。0.05kPa(0.5g/cm2)の荷重となるように調整したプレートを吸収性コアの上にのせ、サンプル2つ以上の厚みを前記レーザー変位計にて測定し、その平均値aを求めた。この操作を非積繊部(厚みb)でも行った。
〔表面シートの厚みc及びd〕
表面シートをフェザー安全剃刀株式会社製の片刃(品番FAS−10)を使用して切断し、表面シートの断面を作製した。日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡(型番JCM−5100)を使用して、切り出した断面を無荷重下に拡大観察した。断面を画像データや印刷物とし、3点の厚みを測定し平均値c及びdを求めた。
〔吸収体+表面シートの厚みe及びf〕
株式会社キーエンス製の非接触式レーザー変位計(レーザーヘッドLK−G30、変位計LK−GD500(商品名))を用いた。バックシートを剥がし、吸収体と表面シートのみにしたサンプルの表面シートの上に、0.05kPa(0.5g/cm)の荷重となるように調整したプレートを載せた。3点のサンプルの厚みを前記レーザー変位計にて測定し、その平均値e及びfを求めた。この操作を吸収性コアと非積繊部の双方で行った。
〔比較例1〕
表面シートとして単層構造のものを用いた。それ以外は実施例1と同様にしてパンツ型使い捨ておむつを図4に示す手順で作製した。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られたおむつについて、表面シート上での液の拡散面積を測定した。測定手順は以下に述べるとおりである。測定結果を以下の表1に示す。
〔表面シート上での液の拡散面積〕
表面シートのうち、非積繊部42上に位置する部位の上方から5mlの液を注入した。使用した液は、濃度0.005質量%の赤色2号にて着色した生理食塩水である。注入から2秒後の表面シートの濡れ面積を測定した。濡れ面積の測定は、表面シートのうち、着色された部分をOHPフィルムに写し取り、写し取った画像を画像解析することで求めた。画像解析には、株式会社ローパー製のImage―Pro plus6.2 Installationを用いた。このようにして測定された液の拡散面積が狭いほど、肌と液との接触面積が小さいため、表面シートのドライ感が高いと判断される。
表1に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られたおむつは、比較例のおむつに比べて液の拡散面積が小さくドライ感に優れていることが判る。比較例のおむつは、非積繊部において表面シートに浮きが生じていることに起因して表面シートから吸収体への液の移行が起こりづらくなり、表面シートの表面を伝って液が平面方向に拡散してしまった。
1 パンツ型使い捨ておむつ
2 表面シート
21 上層
22 下層
3 裏面シート
4 吸収体
40 吸収性コア
41 コアラップシート
42 非積繊部
5 側方カフス
6 吸収性本体
7 外装体
8 接着剤
A 腹側領域、B 背側領域、C 股下領域

Claims (5)

  1. 肌対向面側に配された表面シートと、非肌対向面側に配された裏面シートと、これら両シート間に配された縦長の吸収体とを備えた使い捨ておむつであって、
    前記吸収体は、吸収ポリマーを含む吸収性コアを有し、該吸収性コアには、縦方向に延びる非積繊部が形成されており、
    前記表面シートは、2層を有する繊維シートであり、
    前記表面シートは、肌対向面側の繊維の繊度が、非肌対向面側の繊維の繊度に比べて低くなっており、
    前記表面シートは、前記吸収性コア上に位置する部位での厚みよりも、前記非積繊部に位置する部位での厚みの方が大きくなっており、該表面シートのうち該非積繊部に位置する部位は、該部位の厚み方向の一部が該非積繊部内に存在している、使い捨ておむつ。
  2. 前記表面シートのうち、非肌対向面側に位置する繊度の高い部位が、主として前記非積繊部内に存在している請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記表面シートのうち、非肌対向面側に位置する繊度の高い部位は、該部位のうち、前記非積繊部内に位置する部位の繊維存在密度の方が、前記吸収性コア上に位置する部位の繊維存在密度よりも小さくなっている請求項2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記表面シートと前記吸収体とが接着剤で固定されており、
    前記接着剤は、前記吸収体における前記非積繊部以外の部位、及び該非積繊部における底部の位置に配されている請求項1ないし3のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記表面シートは、肌対向面側の繊維の方が、非肌対向面側の繊維に比べて酸化チタンの含有量が多くなっている請求項1ないし4のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
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