本発明に係る表示装置は、表示部、タッチセンサ、ハードウェアキー、及び制御部を備える。本発明に係る表示装置としては、それに接続された外部のソース機器から有線又は無線で出力された画像を表示できるモニタ機能を有するモニタ装置が挙げられる。上記ソース機器としては、例えば設置型のPCやモバイルPCやタブレット型の端末装置(以下、タブレット端末)等の情報処理装置、携帯電話機(スマートフォンと呼ばれるものも含む)、レコーダ機器等のコンテンツ録画再生装置、BD(Blu-ray Disc;登録商標)プレーヤ等のコンテンツ再生装置などが挙げられる。
以下、本発明の様々な実施形態について、表示装置としてモニタ装置を例に挙げて説明するが、本発明に係る表示装置はこれに限ったものではない。より具体的には、本発明に係る表示装置は、それ自体にコンテンツを再生するコンテンツ再生機能をもたせ、設置型PCやモバイルPCやタブレット端末等の情報処理装置、携帯電話機(スマートフォンと呼ばれるものも含む)、テレビ装置などとして構成することもできる。本発明に係る表示装置は、このようなコンテンツ再生機能を有する場合、外部のソース機器に接続するための構成を具備しないようにしてもよい。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置の一構成例を示すブロック図である。
図1で例示するように、本実施形態に係る表示装置1は、その全体を制御する制御部10と、タッチセンサ12と、画像を表示する表示部13と、ハードウェアキー18と、を備えている。また、図1で例示する表示装置1は、外部のソース機器と通信するための通信部11を備えている。
表示部13は、画像を表示する表示パネルを有する。表示パネルとしては、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等、様々な表示方式のパネルが挙げられる。
通信部11は、外部のソース機器と有線又は無線で通信するための通信インターフェイスである。この通信インターフェイスも、通信規格に応じた様々なものを適用することができる。例えば、画像を伝送するためのケーブルとしては、DP(DisplayPort;登録商標)ケーブル、High-Definition Multimedia Interface(HDMI;登録商標、以下同様)ケーブル、Mobile High-definition Link(MHL;登録商標、以下同様)規格のケーブルなど、様々なケーブルが適用できる。また、タッチ操作などのユーザ操作の情報をソース機器側に送信するためのケーブルとしては、Universal Serial Bus(USB;登録商標、以下同様)ケーブルなどの様々なケーブルが適用できる。また、無線で接続する場合には、例えば、Miracast対応のHDMIアダプタ、WiFi(登録商標)規格の無線機器などを、表示装置1やソース機器に搭載しておけばよい。
タッチセンサ12は、ユーザによる表示部13の表示領域(全表示領域)上でのタッチ操作を検出する静電容量方式のセンサである。タッチセンサ12は、タッチ操作を検出するとタッチ操作がなされた位置を特定する情報(入力座標情報)を制御部10に渡すか、若しくは制御部10がポーリング処理等によりタッチセンサ12に対するタッチ操作の入力を監視する。タッチセンサ12と、制御部10におけるそのタッチセンサ12を制御する部位とで、ユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチ操作部を構成する。制御部10は、タッチ操作部によるタッチ操作入力の検出に応答して、検出された入力座標情報を取得し、その入力座標が表示部13の表示画面のどの位置であるかを判定し、その判定結果に基づいて表示部13の表示画面に表示に応じた処理等を行う。
また、上記した静電容量方式は、指先と導電膜の間での静電容量の変化を捉えて位置を検出する方式であり、マルチタッチに対応させるために投射型の静電容量方式を採用することが好ましいが、表面型の静電容量方式を採用することもできる。静電容量方式のタッチセンサ12は、表示部(表示パネル)13の表面に重ねるようにパネルとして設けられており、タッチパネルとも言える。
ハードウェアキー18は、ユーザによる押下操作を受け付けるキー(操作ボタン)である。ハードウェアキー18としては、例えば電源キーや音量調整キーなどが挙げられる。ハードウェアキー18は、押下操作がなされたことを検出すると、その検出情報を制御部10に渡し、その押下操作に応じた処理を制御部10が実行する。
例えば電源キーを所定時間(t秒とする)以上押下されることで電源のON又はOFFを実行し、t秒未満の押下により操作メニューを示すOSD画像を読み出して表示部13に重畳して表示させてもよい。このOSD画像を表示した状態で、タッチセンサ12から表示装置1についての各種設定を受け付けるようにすればよい。但し、操作メニューへのタッチ操作をロックの対象にする場合には、アンロックされた状態でのみこの受け付けが可能となる。
制御部10は、ハードウェアキー18からの上記押下操作及び上記表示領域上でのタッチ操作のうち、一部又は全てをロック/アンロック(ロック解除)する制御を行う。後述するが、本発明は、このアンロックの制御に主たる特徴を有する。
上記一部をロックする制御は、上記押下操作の一部又は全部だけをロックする制御であっても、上記タッチ操作のうち一部又は全部だけをロックする制御であってもよい。例えば、ハードウェアキー18から電源を切るような押下操作をロックするだけでもよいし、表示領域(つまり表示画面)へのタッチ操作全てをロックするだけでもよい。
ハードウェアキー18からの上記押下操作の一部をロックするような制御は、ハードウェアキー18が複数のキー(例えば電源キーと音量調整キー)を有する場合にそのうちの予め定められたキーのみをロックする制御であっても、1つのキーのみ有する場合でも複数用意した操作方法(例えば上記t秒を閾値として区別した押下時間の違い)のうちの予め定められた操作方法のみをロックする制御であってもよい。
いずれの場合でも、ロック対象となった押下操作をハードウェアキー18で検出した場合に、制御部10がその検出結果を無視すればよい。なお、押下操作をロックする対象のキー(その検出回路を含む)への通電を遮断するなどによって、そのキーを機能させないようにすることもできる。
表示領域上でのタッチ操作の全てをロックするような制御としては、制御部10が、タッチセンサ12自体を機能させたままタッチ操作による入力(タッチ検出)があった場合にその検出結果を無視するようにすればよい。なお、通電を遮断するなどしてタッチセンサ12自体を機能させないことでも全てのロックは可能であるが、そのような制御を採用する場合にも、後述する本発明のアンロック制御を実行可能にしておく必要があるため、表示領域の最端部分に対応するセンサだけは機能させておく必要がある。
表示領域上でのタッチ操作の一部をロックする制御を行う場合について説明する。上記一部とは、例えばOSD画像による操作メニューを操作するタッチ操作など、表示領域上の特定領域へのタッチ操作を指す。この特定領域は、ロックする範囲(領域)として予め決めておけばよい。特定領域へのタッチ操作をロックするような制御としては、制御部10が、タッチセンサ12自体を機能させたまま、タッチ操作による入力(タッチ検出)があった場合に、上記特定領域内のタッチ検出であるか否かを判定し、上記特定領域内の検出結果を無視するようにすればよい。若しくは、制御部10が、タッチセンサ12における上記特定領域に該当するセンサ群自体を、通電遮断などにより機能させないようにしてもよい。
制御部10は、ハードウェアキー18の制御やロック/アンロックの制御のほか、表示部13における表示や通信部11における通信の制御も行う。制御部10は、プログラム保存領域に格納されたプログラムを動作させ、各種制御を行う。例えば制御部10は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)、作業領域としてのRAM(Random Access Memory)、及び記憶装置などの制御デバイスで構成され、その一部又は全部を集積回路/ICチップセットとして搭載することもできる。
この記憶装置には、制御プログラム(本発明に係るアンロック制御を実行するプログラムを含む)をはじめ、OSD画像として表示させるためのUI(User Interface)画像、各種設定内容などが記憶される。この記憶装置としては、フラッシュROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等が挙げられる。表示装置1の種類によってはこの記憶装置としてHDD(Hard Disk Drive)を採用することもできる。
なお、表示装置1には、タッチ操作部やハードウェアキー18の他に、マウス等のポインティングデバイス、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボールなどのいずれか1又は複数を用いて操作を受け付ける操作部を設けておいてもよい。この操作部の一部又は全てによる操作も、上記ロック/アンロックの対象に含めるようにしてもよい。
そして、図1では図示しないが、表示装置1には、表示部13の周囲にベゼル部が設けられている。このベゼル部は、基本的に表示部13を表示装置1のキャビネットに配設するための枠(外縁)であると言える。このベゼル部について、図2を参照しながら説明する。図2は、図1の表示装置におけるベゼル部近辺の一構成例を示す概略断面図である。
図2で例示する表示装置1は、液晶ユニット13aと、その表示面側に設けられたガラス等でなる前面化粧パネル14aと、前面化粧パネル14aの液晶ユニット13a側に貼り付けられたタッチパネルユニット12aと、液晶ユニット13aを前面化粧パネル14aとで覆うための背面キャビネット16aと、表示装置1の側面を覆うための側面キャビネット16bと、を備えている。図示しないが、背面キャビネット16a又は側面キャビネット16bには、操作者が押下可能な状態で図1のハードウェアキー18が設けられている。
液晶ユニット13aは、液晶パネル13bと、その背面側に設けられた光学シート13cと、光学シート13cの背面側に設けられた導光板13dと、導光板13dの背面側に設けられた反射シート13eと、LED(Light Emitting Diode)基板13fと、を有している。LED基板13fは、導光板13dの側面から光を照射するためのLEDを有し、このLEDから照射された光は導光板13dを介して液晶パネル13bの背面から照射される。
また、表示装置1は、背面シャーシ15aと、パネル固定部材15bと、LED基板固定部材15cと、スペーサ15dと、スペーサ15eと、を備えている。背面シャーシ15aは、液晶ユニット13aを固定するためのシャーシであり、反射シート13eの背面側に沿って設けられ、LED基板13fの背面側に沿うように折れ曲がり、さらにタッチパネルユニット12aに沿って外側に折れ曲がった形状を有している。
背面シャーシ15aの端部は、スペーサ15eを挟んでタッチパネルユニット12aに押し付けられている。また、側面キャビネット16bは、背面キャビネット16aの端部に固定されると共に、前面化粧パネル14aの端部に固定されている。このような機構と、背面キャビネット16aと背面シャーシ15aとを固定する図示しない機構とにより、表示装置1の内部で背面シャーシ15aが固定されている。また、背面シャーシ15aと背面キャビネット16aとの間には、制御部10等を搭載するための図示しない基板などが設けられている。
パネル固定部材15bは、L字状の部材であり、背面シャーシ15aにおけるLED基板13fの背面側の部分に取り付けられると共に、その部分から折れ曲がった部分により、スペーサ15dを挟んで液晶パネル13bの前面側の端部に押し付けられている。このように背面シャーシ15a及びパネル固定部材15bにより、液晶ユニット13aはスペーサ15dを介して挟持されている。
また、LED基板固定部材15cは、階段状の形状を有し、導光板13dの表示面側の端部を押さえると共に、LED基板13fの側面を押さえ、その反対側でパネル固定部材15bに固定されるように構成されている。このようにして、LED基板13fは、LED基板固定部材15cを介して、パネル固定部材15b及び背面シャーシ15aにより挟持されている。
前面化粧パネル14aは、液晶ユニット13aの表示領域に対応する表示領域部分14dが透明になり、表示領域部分14dを通して液晶ユニット13aの液晶パネル13bで表示させた画像がユーザに視認できるように構成されている。また、前面化粧パネル14aは、表示領域部分14dの周囲に対応するベゼル領域部分14bが黒色等で着色されており、喩え液晶パネル13bにおいて表示領域の外側まで画像を表示させていた場合でもユーザが視認できないように構成されている。
また、タッチパネルユニット12aにおけるタッチパネル12d(図1のタッチセンサ12に相当)は、液晶ユニット13aの表示を閲覧するための表示領域部分14dと同じ範囲で構成されており、その周囲にはタッチパネル12dの外枠部分12bが設けられている。
そして、表示部13の周囲に設けられたベゼル部17は、外枠部分12bの領域を指す。また、上述のように表示部13は、前面化粧パネル14aの表示領域部分14dに対応する液晶ユニット13aの表示領域を指すことになる。
ここで、図2で例示したように、表示部13の表面とベゼル部17とが段差無くフラットであることが好ましい。本発明に係る表示装置1では、その主たる特徴として後述するように、ベゼル部17上でのタッチ操作をタッチセンサ12で検知する必要があり、フラットである方が表示画面に別途部材を被せてベゼル部を形成する場合に比べて、ベゼル部17上でのタッチ(ベゼルタッチ)の位置からセンサへの距離が近く、センサの感度が良好であるためである。
また、金属は静電容量として検知されるため、表示部13の表面だけでなくベゼル部17でも金属を使用しないようにする。ベゼル部17は、例えばガラスや絶縁性樹脂を使用して形成しておけばよい。図2の例では、表示させた画像に対するタッチ操作を受け付ける操作領域(つまり表示領域)以外の領域であるベゼル部17を、前面化粧パネル14aにおいてベゼル領域部分14bだけ黒色シートを挟むか黒塗りするなどして着色して形成している。
また、図2では、一般的にフルフラットと呼ばれるように、ベゼル部の全てで表示画面とフラットとなった例を挙げているが、これに限らず、ベゼル部においてタッチ操作を受け付ける範囲の幅だけフラットであればよい。つまり、ベゼル部17における少なくとも表示部13に隣接する部分は、表示部13の表面と同じ高さの表面を有することが好ましい。但し、タッチセンサ12の検出感度によっては、ベゼル部は表示部13の表示領域の表面(図2の例では表示領域部分14d)に対して若干の高さをもたせてもよく、その場合、ベゼル部として、表示領域の表面と水平な面(表示領域の表面の周囲に位置する面)に有色の絶縁性樹脂を被せるなどの構造を採用すればよい。
また、図2では、液晶パネル13bを有する例を挙げて説明したが、他の表示方式でも同様の考え方でベゼル部が定義できる。また、液晶パネル13bを採用する場合にも、表示装置1の断面形状は、図2で例示する構成に限ったものではなく、表示部13とベゼル部17とが区別可能であり、タッチセンサ12が表示部13の表示領域に対するタッチ操作を検出するために同じ範囲で設けられていればよい。
次に、本発明の主たる特徴について説明する。本発明の主たる特徴として、制御部10は、上記ロックがなされた状態で、タッチセンサ12がベゼル部17上の点から始まる所定のタッチ操作を受け付けた場合、上記アンロックを実行する。
ベゼル部17上の点から始まる上記所定のタッチ操作を受け付けたか否かの判定は、制御部10側で行うか、若しくはタッチセンサ12自身で行うようにタッチセンサ12を構成しておけばよい。
まず、タッチセンサ12では、表示部13の表示領域上の各座標においてセンサをマトリクス状に配置し、各座標で静電容量を検出するように構成しておく。本発明では、上記表示領域外であるベゼル部17上の点がタッチされたことを検出する必要があるが、そのために、静電容量方式の性質を利用し、従来ノイズとして取り扱われていた検出結果を用いる。
ベゼル部17上の点であること(以下、条件Iとする)の判定は、例えば、表示部13表示領域の端部(ベゼル部17との境界に一番近い検出座標)がタッチされたときに検出される静電容量の変化量と、ベゼル部17上でタッチ操作がなされたときに上記一番近い検出座標やそれ付近の検出座標で検出される静電容量の変化量との違いにより、判定することができる。
前者の静電容量の変化量の方が後者の静電容量の変化量より大きいため、表示領域上のタッチを検出するための閾値(閾値Thとする)より小さなある閾値(閾値Th1とする)を設けておき、検出レベルが閾値Th以上であった場合に表示部13の表示領域上でタッチがなされたと判定し、検出レベルが閾値Thより小さく閾値Th1以上であった場合にベゼル部17上でタッチがなされたと判定すればよい。なお、閾値Th1より小さい検出結果は、表示部13でもベゼル部17上でもタッチされていない場合に発生したノイズとして取り扱う。閾値はベゼル部17の材質や高さなどによって異なるが、例えばTh=10×Th1などとして定めておけばよい。
このような検出レベルの判定に加えて、或いは検出レベルの判定の代わりに、マトリクス状に配置したタッチセンサ12の各座標からの出力信号が示す波形の違いによっても、ベゼル部17上の点がタッチされたのか、或いは表示部13の表示領域の端部(ベゼル部17との境界に一番近い検出座標)がタッチされたのかを判別することができる。
例えば、表示部13の表示領域の非端部において、横方向に配置したセンサからの出力信号及び縦方向に配置したセンサからの出力信号は共に、実際にユーザがタッチした位置の座標において0となり、その前側の座標(又は後側の座標)で大きな山を形成し、その後側の座標(又は前側の座標)でマイナス側に大きな山を形成する、といったタッチセンサ12を用いる。
このようなタッチセンサ12においては、表示部13の表示領域の端部(ベゼル部17との境界に一番近い検出座標)でタッチされた場合でも、タッチした位置の座標を挟んで出力信号がプラスとマイナスとなるような波形(波形aとする)となる。なお、このような波形となる理由は、タッチセンサ12で上記一番近い検出座標でのタッチ操作を検出可能とするために、上記一番近い検出座標に続くベゼル部17の範囲内の僅かな行(横長のベゼル部の場合)又は列(縦長のベゼル部の場合)の座標にもセンサを配置しているためである。
一方で、ベゼル部17上でタッチされた場合、上記一番近い検出座標付近からの出力信号は、ベゼル部17の長手方向に沿った座標軸においては上記一番近い検出座標を挟んで出力信号がプラスとマイナスになるような波形aと同様の波形を示すものの、ベゼル部17の短手方向(ベゼル部17の幅方向)に沿った座標軸においては上記一番近い検出座標でプラスかマイナスかのいずれかとなるような波形(波形aの半周期より短い波形)を示す。よって、このような波形の違いによっても、ベゼル部17上の点がタッチされたのか、或いは表示部13の表示領域の端部がタッチされたのかを判別することができる。
上記所定のタッチ操作であること(以下、条件IIとする)の判定は、上記所定のタッチ操作をどのように定義しておくかにより決まる。
本実施形態では、上記所定のタッチ操作は、ベゼル部17上の点をタッチし、タッチした位置からベゼル部17の長手方向(ベゼル部17の幅方向に略垂直な方向)に弾くフリック操作であると定義する。また、この例に限らず、タッチはユーザの指又はタッチペンで行えばよい。なお、タッチセンサ12の検出方式は静電容量方式であるため、このタッチペンは電磁誘導方式などのように電力を必要とするものではなく、単にペン先に例えば導電性のシリコンゴムなどを用いたものであればよい。
次に、アンロック方法について、図3及び図4を参照しながら実際の使用場面を例に挙げて説明する。図3は、図1の表示装置における操作メニューの表示例を示す概略図で、図4は、図1の表示装置におけるアンロック方法の一例を説明するための概略図である。
図3で例示するように、表示装置1の表示部13には、操作メニュー30をOSD画像として表示することが可能となっている。また、表示装置1には、その側面にハードウェアキー18の一例としての電源キー18が押下可能に設けられている。
操作メニュー30には、「設定」ボタン、「入力切替」ボタン、「音量」ボタン、「ローテート」ボタン、「指」ボタン、「ペン」ボタン、及び「指・ペン」ボタンがアイコンで表示されている。これらのボタンはいずれも、少なくともアンロック状態では、操作者により押下可能な状態でOSD画像として表示されている。
「設定」ボタンは、表示装置1の表示部13における画質、明るさ等の各種表示設定を行うためのボタンである。「入力切替」ボタンは、表示部13に表示させる画像のソースを切り替えるボタンである。「音量」ボタンは、音量を調節するボタンである。「ローテート」ボタンは、表示部13に表示させる画像を180°回転させるボタンである。「指」ボタンは、タッチセンサ12でのタッチを指でのみ受け付けるための指専用モードにするボタンである。「ペン」ボタンは、指ではなくペンでのみ受け付けるためのペン専用モードにするボタンである。「指・ペン」ボタンは、指とペンの双方で受け付けるための指・ペンモードにするボタンである。「指」ボタン、「ペン」ボタン、「指・ペン」ボタンはそのいずれかが選択されたことが分かるように区別して表示される。
ここで、操作メニュー30の「設定」ボタンを押下すると、図示しない詳細設定メニューが表示され、その中に上記ロックを行う「ロック」ボタンが表示されるものとして説明する。この「ロック」ボタンが押下されると、制御部10は、ロックを実行する。
ここでは、操作メニュー30の全てについて、タッチ操作のロックがなされる例を挙げる。無論、上述したように表示領域に対する全てのタッチ操作をロックしてもよいし、例えば、図3の操作メニュー30のうち「設定」ボタンだけにロックをかけるようにしてもよい。また、電源キー18の押下操作もロックするようにしてもよい。
なお、操作メニュー30に対するタッチ操作のロックがなされても、表示領域におけるそれ以外の領域のタッチ操作は有効のままとなる。よって、例えば表示部13に表示された画像のソースにもよるが、操作メニュー30に被らないように表示させておけば、画像を拡大する操作や映像を早送りする操作などはロック状態であっても受け付けることができる。
操作メニュー30に対するタッチ操作のロックがなされた状態で、操作者が図4で例示するようにベゼル部17上の点から始まる上記フリック操作(ベゼル部17の長手方向に弾く操作)を指Fで行った場合、タッチセンサ12がそのフリック操作を受け付け、制御部10に渡す。それを受けた制御部10は、上記ロックを解除するように、つまり操作メニュー30に対するタッチ操作をアンロックするように制御する。
なお、ベゼル部17の幅の長さとタッチセンサ12の検出感度にもよるが、上記所定のタッチ操作は、ベゼル部17上の点をタッチし、タッチした位置からベゼル部17の幅方向に弾くフリック操作を採用することもできる。また、弾く方向は、これらに限らず、任意の方向に弾かれた場合に上記所定のタッチ操作がなされたと判定することもできる。
また、上記ロックは、操作メニュー30での操作の代わりに、操作メニュー30を表示した状態で電源キー18のt秒未満の連続押下を受け付けた場合に実行できるように構成しておいてもよい。その他、t秒より小さな閾値t0を用いて、t0秒未満の連続押下で操作メニュー30の表示状態に拘わらず上記ロックが実行され、t0秒以上t秒未満の場合に操作メニュー30が表示され、t秒以上で電源がOFFされるように構成することもできる。
また、代替処理として、制御部10は、アンロック状態で、ベゼル部17上の点から始まる所定のタッチ操作を受け付けた場合に上記ロックを実行するようにしてもよい。ここで、上記ロックを行うための所定のタッチ操作としては、アンロックのための所定のタッチ操作と同じタッチ操作を採用してもよいし、異なるタッチ操作を採用してもよい。このようなベゼルタッチによるロックの方法については、本実施形態だけでなく、後述する他の実施形態でも同様に適用できる。
以上のように、本実施形態に係る表示装置1では、表示部13の周囲に設けられたベゼル部17へのタッチ操作(つまり画面の領域外でのタッチ操作)をタッチセンサ12で検出し、その検出結果を隠しコマンドとして利用しているため、操作ロックをアンロックさせる制御を一般ユーザ(表示装置1の設置者ではないユーザ)には分からない操作方法で実行させることができる。つまり、この表示装置1では、アンロック操作を行うための操作ボタンをOSD表示させる必要もなく、隠しコマンドでアンロック操作が可能となっているため、一般ユーザにアンロックされる可能性を大幅に減らすことができ、設置者が所望する画像を表示し続けることができる。
また、本実施形態に係る表示装置1では、アンロック操作のために新たなハードウェアキーを追加する必要もないし、ハードウェアキー18での押下操作を、上記アンロックの実行に割り当てる必要がないため、一般ユーザにハードウェアキー18でアンロックされてしまうといった事態も生じない。
よって、例えば、ハードウェアキー18を1つの電源キー18のみで構成し、その他の操作をOSD画像の操作メニューからのタッチ操作により受け付けるように、表示装置1を構成することもできる。その際、上述したように電源キー18のt秒未満の押下により操作メニューを表示させればよい。そして、このような電源キー18の押下操作をロックすることで、OSD画像を表示させないようにできる。これにより、喩え表示部13に表示されている画像の入力ソースがPC等のようにタッチ情報を受け取れるソース機器であっても、OSD画像の表示によりタッチ情報が無効になってしまうといった事態を防ぐことができる。そして、この例のように1つのキーのみで構成している場合には、アンロックといった特殊な機能にそのキーを割り当てることができないが、本実施形態ではベゼルタッチによりアンロックを実行することができるため、1つのキーだけの構成でも問題なく一般ユーザの誤操作を防ぐことができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明するが、第1の実施形態で説明した様々な応用例も同様に適用できる。
本実施形態における上記所定のタッチ操作は、第1の実施形態におけるフリック操作の代わりに、ベゼル部17上の点をタッチし、タッチした位置からベゼル部17の長手方向にスライドするスライド操作であると定義付けする。なお、このスライド操作は、タッチして離さないまま移動して止める操作であり、スワイプ操作とも呼ばれる。
また、ベゼル部17の幅の長さとタッチセンサ12の検出感度にもよるが、上記所定のタッチ操作は、ベゼル部17上の点をタッチし、タッチした位置からベゼル部17の幅方向にスライドするスライド操作を採用することもできる。また、スライドする方向は、これらに限らず、任意の方向にスライドされた場合に上記所定のタッチ操作がなされたと判定することもできる。
また、いずれのスライド操作を採用する場合にも、スライドする長さは特に定義しておく必要はない。定義しておく場合でも、長さの下限のみを定義するか、上限及び下限を定義するようにしておけばよい。つまり、上記所定のタッチ操作は、ベゼル部17上の点をタッチし、タッチした位置からベゼル部17の長手方向に、所定長以上、又は所定長以上でその所定長より長い他の所定長以下の長さだけ、スライドするスライド操作であるように定義してもよい。これにより、設置者もある程度の曖昧な操作でアンロックを実行させることができる。
補足的に、本実施形態に係るスライド操作と第1の実施形態に係るフリック操作との判定方法の違いについて説明する。両者の区別は、例えば(1)タッチしている期間、(2)タッチ開始時の静止期間、のいずれかにより判定することができる。
上記(1)では、タッチ後、平行移動させ、タッチが離されるまでの期間が第1の所定時間よりも短い場合はフリック操作がなされたと判定し、第1の所定時間以上であった場合はタッチを離した位置までのスライド操作がなされたと判定する。上記(2)では、タッチ開始時に第2の所定時間以上の静止状態が続いた場合はスライド操作がなされたと判定し、タッチ開始時に静止しなかった場合(第2の所定時間未満の場合)はフリック操作であると判定する。但し、例えばMicrosoft(登録商標) Windows(登録商標;以下同様。)7以降では、長押しのタッチをマウス等のポインティングデバイスによる右クリック操作に割り当てているため、上記(2)においてスライド操作と判定した場合(及びフリック操作と判定した場合)は、OSD表示などでその判定結果を表示するようにすることが好ましい。
本実施形態に係る表示装置1では、第1の実施形態と同様の効果を奏すると共に、上記所定のタッチ操作として上記スライド操作を採用することで、第1の実施形態におけるフリック操作に比べて判定されるまでの時間が長くなるため、より一般ユーザに誤ってアンロックさせてしまう可能性を減らすことができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態について、第1,第2の実施形態との相違点を中心に説明するが、第1,第2の実施形態で説明した様々な応用例も同様に適用できる。
本実施形態では、上記所定のタッチ操作として、第1,第2の実施形態とは異なり上記スライド操作や上記フリック操作以外を採用している。本実施形態は、タッチセンサ12がマルチタッチ対応である場合に限る。
本実施形態では、上記所定のタッチ操作は、ベゼル部17上の点(近接する2点)をタッチし、タッチした位置からピンチアウトするピンチアウト操作であると定義する。このピンチアウト操作はストレッチ操作とも呼ばれる。近接又は接触させた2つの指でタッチした後、その2つの指を開くような操作をタッチセンサ12が受け付けた場合、制御部10は、上記アンロックを実行する。
また、上記ピンチアウト操作の代わりに、上記所定のタッチ操作は、ベゼル部17上の点(離間した2点)をタッチし、タッチした位置からピンチインするピンチイン操作であると定義することもできる。このピンチイン操作は、単にピンチ操作とも呼ばれる。離間させた2つの指でタッチした後、その2つの指を閉じる(近接又は接触させる)ような操作をタッチセンサ12が受け付けた場合、制御部10は、上記アンロックを実行する。
本実施形態に係る表示装置1では、第1の実施形態と同様の効果を奏すると共に、上記所定のタッチ操作として上記ピンチアウト操作や上記ピンチイン操作を採用することで、第1の実施形態におけるフリック操作や第2の実施形態におけるスライド操作に比べて判定の確実性が増すため、より一般ユーザに誤ってアンロックさせてしまう可能性を減らすことができる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態について、第1〜第3の実施形態との相違点を中心に説明するが、第1〜第3の実施形態で説明した様々な応用例も同様に適用できる。第1〜第3の実施形態では、上記所定のタッチ操作を、4辺あるベゼル部17のいずれの辺でも受け付けることを前提として説明した。
本実施形態では、第1〜第3の実施形態において上述したベゼル部17上の点を、ベゼル部17のうちの予め定められた特定の辺上の点とする。つまり、本実施形態における上記所定のタッチ操作は、ベゼル部17の4辺のうちベゼル部17における特定の辺(例えば左側の辺)上の点でのみ受け付けるようにする。無論、上記所定のタッチ操作の種類は、第1〜第3の実施形態で説明したフリック操作、スライド操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作など様々なものが適用できる。
例えば、表示装置1を横長に置いた場合の上端に該当する辺のベゼル部17だけ受け付けないようにするなど、少なくとも1辺で受け付け可能に構成しておけばよい。また、受け付ける辺を固定しておくのではなく、図示しない画面向き検出部で検出された表示装置1の向きに応じて、限定する辺を変更するようにしてもよい。
また、第2の実施形態において、上記所定のタッチ操作として、スライドする長さの下限のみ又は上限及び下限を定義したスライド操作を採用した場合に適用することもできる。つまり、上記所定のタッチ操作は、ベゼル部17のうちの予め定められた特定の辺上の点をタッチし、タッチした位置からベゼル部17の長手方向に、所定長以上、又は所定長以上でその所定長より長い他の所定長以下の長さだけ、スライドするスライド操作であると定義することもできる。
なお、最初にタッチされた点がベゼル部17の角部に存在する場合、特に上記点に最も近い境界線が4辺のうちの2辺のいずれとも判定できる場合には、予め定めた一方の辺に上記点が存在すると判定するか、若しくはそのタッチ操作を無視するなどすればよい。
本実施形態に係る表示装置1では、第1の実施形態と同様の効果を奏すると共に、上記所定のタッチ操作を受け付ける辺を限定することで、アンロック方法がより厳密に規定されて判定の確実性が増すため、より一般ユーザに誤ってアンロックさせてしまう可能性を減らすことができる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について、図5A〜図5Cを併せて参照しながら説明する。図5A〜図5Cは、図1の表示装置におけるアンロック方法の他の例を説明するための概略図で、図5A,図5B,図5Cはそれぞれ、そのアンロック方法の第1,第2,第3の手順を説明するための概略図である。本実施形態について、第1〜第4の実施形態との相違点を中心に説明するが、第1〜第4の実施形態で説明した様々な応用例も同様に適用できる。
本実施形態では、上記所定のタッチ操作は、ベゼル部17のうち予め定められた特定の辺上の点をタッチし、タッチした位置からベゼル部17の長手方向に弾くフリック操作、又はタッチした位置からベゼル部17の長手方向にスライドするスライド操作を、上記特定の辺を少なくとも1回異ならせて2以上の所定回数行う操作であると定義する。
例えば、図5Aで示すように左端のベゼル部17(ベゼル部17の左側の辺)上の点を指Fでタッチし、タッチした位置から下方向にスライドさせ、次に図5Bで示すようにベゼル部17の下側の辺上の点を指Fでタッチし、タッチした位置から左方向にスライドさせ、最後に図5Cで示すようにベゼル部17の右側の辺上の点を指Fでタッチし、タッチした位置から上方向にスライドさせる、といった一連のタッチ操作を上記所定のタッチ操作として定義する。このような一連のタッチ操作が完了した段階で、制御部10は上記アンロックを実行する。
なお、フリック操作を適用する場合にも同様に例示でき、またスライド操作とフリック操作とを双方組み合わせてもよい。また、スライドやフリックさせる方向は、ベゼル部17の長手方向であればよいが、図5A〜図5Cで例示したようにその向きまで定義しておくことが好ましい。
本実施形態に係る表示装置1では、第4の実施形態の効果に加えて、より複雑なアンロック方法を採用することで、アンロック方法がより厳密に規定されて判定の確実性が増すため、より一般ユーザに誤ってアンロックさせてしまう可能性を減らすことができる。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態について、第5の実施形態との相違点を中心に説明するが、第1〜第5の実施形態で説明した様々な応用例も同様に適用できる。
本実施形態では、第5の実施形態においてタッチする辺を1つの辺に限定したものである。すなわち、本実施形態における上記所定のタッチ操作は、ベゼル部17のうち予め定められた特定の辺上の点をタッチし、タッチした位置からベゼル部17の長手方向に弾くフリック操作、又はタッチした位置からベゼル部17の長手方向にスライドするスライド操作を、2以上の所定回数行う操作であると定義する。そして、このような一連のタッチ操作が完了した段階で、制御部10は上記アンロックを実行する。
本実施形態に係る表示装置1では、第4の実施形態の効果に加えて、より複雑なアンロック方法を採用することで、アンロック方法がより厳密に規定されて判定の確実性が増すため、より一般ユーザに誤ってアンロックさせてしまう可能性を減らすことができる。また、本実施形態では、第6の実施形態ほどアンロック方法が複雑でないため、設置者が覚え易くなる。
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態について、図6A〜図6Cを併せて参照しながら説明する。図6A〜図6Cは、図1の表示装置におけるアンロック方法の他の例を説明するための概略図で、図6A,図6B,図6Cはそれぞれ、そのアンロック方法の第1,第2,第3の手順を説明するための概略図である。本実施形態について、第5,第6の実施形態との相違点を中心に説明するが、第1〜第6の実施形態で説明した様々な応用例も同様に適用できる。
本実施形態に係る表示装置1では、図6Aに示すようにベゼル部17に発光ダイオード(LED)19を有する。そして、制御部10は、LED19を用いて、第5,第6の実施形態における上記フリック操作又は上記スライド操作を受け付けた回数を所定時間(T秒とする)以内の点滅回数で表現する。なお、上記フリック操作又は上記スライド操作がなされてから所定間隔が空くとカウントをリセットすることが好ましい。
上記所定のタッチ操作として図5A〜図5Cと同じ操作を採用した場合を例に挙げ、それらに対応する図6A〜図6Cを参照しながら説明する。例えば、最初のベゼルタッチから図6Aで示すようなスライド操作がなされたときには、制御部10がLED19をT秒以内に1回の割合で点滅させる。次に図6Bで示すようなスライド操作がなされたときには、制御部10がLEDをT秒以内に2回の割合で点滅させる。最後に図6Cで示すようなスライド操作がなされたときには、制御部10がLED19をT秒以内に3回の割合で点滅させる。
ここで、途中で設置者が操作手順を間違えた場合には、LED19を消灯させるか、別の色で表示させればよい。また、その際に併せて警告音や警告文を読み上げた音声を出力するようにしてもよい。
本実施形態に係る表示装置1では、第5,第6の実施形態と同様の効果を奏すると共に、設置者がアンロック操作を完了するための操作のうち何回目のタッチまで成功したかを提示するため、設置者がアンロック操作を間違え難くなる。
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態について、図7を併せて参照しながら説明する。図7は、本発明の第8の実施形態に係る表示装置の回路構成例を示す図である。図7で例示する表示装置7は、図1の表示装置1の回路構成例であると言え、第1〜第7のいずれの実施形態にも適用できる。
表示装置7は、USBコネクタ71、USB I/F(インターフェイス)コントローラ72、デジタル信号処理回路73、アナログ信号処理回路74、タッチセンサ75、DP/HDMIコネクタ76、画像処理回路77、パネルコントローラ78、及び表示パネル79を備えている。
また、図示しないが、表示装置7は表示装置1と同様にハードウェアキー18を備えている。ハードウェアキー18で押下操作を検出した場合、その検出情報を例えば図示しないメインコントローラに渡すなどすればよい。
ここで、パネルコントローラ78及び表示パネル79は、表示装置1の表示部13に対応している。また、アナログ信号処理回路74及びタッチセンサ75は、タッチセンサ12に対応している。USB I/Fコントローラ72、デジタル信号処理回路73、及び画像処理回路77は、制御部10に対応している。USBコネクタ71及びDP/HDMIコネクタ76は、通信部11に対応している。なお、図7においては、実線の矢印でタッチに関する信号、破線の矢印で映像に関する信号を示している。
DP/HDMIコネクタ76は、DPケーブル又はHDMIケーブルと接続するためのI/Fである。DP/HDMIコネクタ76はDPケーブル又はHDMIケーブルを介してPC8に接続されている。DPケーブル又はHDMIケーブルを介して、PC8から映像信号が表示装置7に送信され、画像処理回路77に出力される。
画像処理回路77は、このようにして外部から入力された映像信号を、表示パネル79に出力する信号に変換し、パネルコントローラ78に出力する回路であり、スケーラや黒帯付加/除去回路等も有している。画像処理回路77は、入力ソースの切り替え、音量調整などの表示装置7における各種設定の変更を受け付けるためのOSD画像を映像に重畳する処理も行う。パネルコントローラ78は、表示パネル79を駆動する駆動回路であり、表示パネル79はこの駆動により、画像処理回路77から出力された映像信号が示す映像を表示させる。
USBコネクタ71は、USBケーブルと接続するためのI/Fである。USBコネクタ71はUSBケーブルを介してPC8に接続されている。USBケーブルを介して、表示装置7から操作信号がPC8に送信される。USB I/Fコントローラ72は、USBコネクタ71にUSBケーブルを介して接続されたPC8との間で、USB規格のプロトコルに従って信号のやり取りを行う制御回路である。
タッチセンサ75は、図2を参照して説明したように、表示パネル79の表示領域に対応する範囲でマトリクス状に設けられた静電容量方式のセンサであり、表示パネル79の上に重ねて設けられている。アナログ信号処理回路74は、タッチセンサ75の駆動を行うと共に、タッチセンサ75からのアナログの検出信号を入力する回路である。この検出信号は、例えば、タッチ操作がなされた位置を特定する情報(入力座標情報)とその位置での静電容量の変化量の値とを示す信号である。アナログ信号処理回路74は、入力した検出信号をそのまま、或いはノイズ処理等を施してから、デジタル信号処理回路73に出力する。
デジタル信号処理回路73は、アナログ信号処理回路74からアナログの検出信号を入力し、所定の演算を行い、デジタル情報としてのタッチ情報に変換し、USB I/Fコントローラ72に出力する回路である。この所定の演算は、図2を参照しながら説明したような条件I,IIの判定を含む。よって、デジタル信号処理回路73により、タッチ操作が表示パネル79の表示領域上でなされたのか、ベゼル部上でなされたのかについてや、どのようなタッチ操作がなされたのか(アンロック操作として定義された上記所定のタッチ操作がなされたのか否か)についても区別できる。
USB I/Fコントローラ72は、入力されたタッチ情報が表示領域上でなされたものであるのか、ベゼル部上でなされたものであるのかによって、タッチ情報の出力先を振り分ける。
USB I/Fコントローラ72は、表示領域上でなされたものである場合には、USBコネクタ71を介してそのタッチ情報をPC8に出力する。PC8は、そのタッチ情報を反映させた映像信号をそれぞれDP/HDMIコネクタ76を介して送信し、最終的に表示パネル79での表示映像に反映されることになる。
一方、USB I/Fコントローラ72は、入力されたタッチ情報がベゼル部上でなされたものであり、且つ上記所定のタッチ操作がなされたことが判定されている場合には、アンロック操作がなされたことを示す情報(アンロック操作情報)を画像処理回路77に出力する。画像処理回路77は、そのアンロック操作情報を受けて、上記メインコントローラに対し、若しくはUSB I/Fコントローラ72及びハードウェアキー18に対し、アンロックを実行するように指示する。なお、上記条件I,IIの判定の一部又は全部をUSB I/Fコントローラ72側で実行するような構成を採用することもできる。
また、上記条件IIの判定は、画像処理回路77が実行してもよい。その場合、画像処理回路77は、入力されたタッチ情報がベゼル部上でなされたものである場合にデジタル信号処理回路73からそのタッチ情報(ベゼルタッチ情報)を受信し、上記所定のタッチ操作に該当するか否かを判定し、該当する場合には、上記メインコントローラに対し、若しくはUSB I/Fコントローラ72及びハードウェアキー18に対し、アンロックを実行するように指示すればよい
本実施形態に係る表示装置7は、上述のような構成であるため、ベゼルタッチを検出するに際しては、例えば、従来のタッチセンサ75をそのまま用いて(従来のタッチセンサ75のハードウェア構成を変更することなく)、デジタル信号処理回路73、USB I/Fコントローラ72、画像処理回路77のいずれか1又は複数に組み込まれたソフトウェア(ファームウェア)の変更のみで対応できる。
(その他)
以上、本発明に係る表示装置について説明したが、処理の流れを説明したように、本発明は、画像を表示する表示部と、ユーザによる上記表示部の表示領域上でのタッチ操作を検出する静電容量方式のタッチセンサと、ユーザによる押下操作を受け付けるハードウェアキーと、上記押下操作及び上記表示領域上でのタッチ操作のうち、一部又は全てをロック/アンロックする制御を行う制御部と、上記表示部の周囲に設けられたベゼル部と、を備えた表示装置におけるアンロック方法や、そのアンロック方法をコンピュータ(表示装置の制御部)に実行させるためのプログラムとしての形態も採り得る。
このアンロック方法は、上記ロックがなされた状態で、上記タッチセンサが上記ベゼル部上の点から始まる所定のタッチ操作を受け付けた場合、上記制御部が上記アンロックを実行する。その他の応用例については、表示装置について説明した通りであり、その説明を省略する。
上記プログラムは、換言すると、このアンロック方法を、上記表示部、上記タッチセンサ、上記ハードウェアキー、及び上記ベゼル部を備えたコンピュータに実行させるためのプログラムである。すなわち、このプログラムは、上記コンピュータに、ハードウェアキーへの押下操作及び上記表示部の表示領域上でのタッチ操作のうち、一部又は全てがロックされた状態で、上記タッチセンサが上記ベゼル部上の点から始まる所定のタッチ操作を受け付けた場合、上記ロックに対するアンロックを実行するステップを実行させるためのプログラムである。その他の応用例については、表示装置について説明した通りであり、その説明を省略する。
また、上記プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録したプログラム記録媒体としての形態についても容易に理解することができる。このコンピュータとしては、上述したように、汎用のPCに限らず、マイクロコンピュータやプログラム可能な汎用の集積回路/チップセットなど、様々な形態のコンピュータが適用できる。また、このプログラムは、可搬の記録媒体を介して流通させるに限らず、インターネット等のネットワークを介して、また放送波を介して流通させることもできる。ネットワークを介して受信するとは、外部サーバの記憶装置などに記録されたプログラムを受信することを指す。