JP6352037B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、版胴の外周面に設けたクランプ部で孔版原紙の先端を保持し、この孔版原紙を同外周面に巻き付けて装着し、この版胴を回転させながら押圧部材で用紙を外周面に押圧して印刷を行なう孔版印刷装置に係り、特に、版胴の外周面に保持された孔版原紙の先端付近と版胴の外周面との間に生じた空隙に押圧部材が当たることによって孔版原紙が引っ張られて切れてしまう現象を解消した孔版印刷装置に関するものである。
下記特許文献1に開示されている孔版印刷装置の発明は、マスタ29を挟持する開閉自在なクランパ18と、クランパ18の開放時にクランパ18と連動して揺動しマスタ29をクランパ18より離間する方向へと押し出す排版補助部材21とを有する孔版印刷装置1の版胴9において、マスタ29の巻装動作が行われる際に排版補助部材21の一端21bをマスタ29の全幅にわたって接触させ、一端21bの形状をその両端部が中央部よりも突出するように形成したものである。これにより、既存の部材を使用しつつ、巻装時におけるマスタへのしわの発生を防止でき、コストアップすることなく良好な印刷物を得ることが可能になるものとされている(符号は同文献中の参照符号をそのまま使用した。)。
特開2006−315334号公報
図5は、上記特許文献1に記載された孔版印刷装置と同様の構造を有する孔版印刷装置の版胴を示す部分拡大図である。この図に示す孔版印刷装置の版胴100は円筒状であり、中心軸線Cの周りに回転駆動されるようになっている。版胴100の内周面にはインクが供給され、外周面には、孔版原紙Mを保持するためのクランプ部101が中心軸線Cと平行に設けられている。クランプ部101は、中心軸線Cの方向を長手方向とする略矩形状の台座102と、軸を中心に揺動可能とされ、台座102との間に孔版原紙Mの先端を挟むクランプ板103を備えている。また、クランプ部101で先端を保持された孔版原紙Mの後端方向についての台座102の隣部には、跳ね上げ板104が設けられている。跳ね上げ板104は、排版時にクランプ板103が開放された際にクランプ板103に連動して上昇し、孔版原紙Mを版胴100の外周面から持ち上げるための部材である。さらにまた、図示はしないが、版胴100の近傍にはプレスローラが移動可能に配置されており、所定のタイミングで供給された用紙を、回転する版胴100に押し付けて挟持搬送させることにより、用紙に印刷を行なうことができるようになっている。
以上の構成において、着版時には、製版された孔版原紙Mの先端をクランプ部101で保持し、版胴100を回転させながら孔版原紙Mを外周面に巻装する。印刷時には、孔版原紙Mが巻装されて回転駆動される前記版胴100に対し、版胴100とプレスローラの間に所定のタイミングで用紙が供給され、この供給のタイミングに合わせてプレスローラが移動し、用紙を版胴100の外周面の孔版原紙Mに押し付け、版胴100の内周面から孔版原紙Mを通過してきたインクを印刷用紙に転移させて用紙に画像を形成させる。
図5に示したような着版構造を有する孔版印刷装置によれば、版胴100の外周面に取り付けられたクランプ部101の台座102の上面に孔版原紙Mの先端を保持し、さらに孔版原紙Mを跳ね上げ板104の上面に重ねた後で外周面に巻き付けると、孔版原紙Mの巻き付け方向に沿って跳ね上げ板104の隣部には、版胴100の中心軸線Cに平行な視線で見た場合、跳ね上げ板104と孔版原紙Mと外周面で囲まれた略楔形の空隙Sが生じてしまう。つまり、外周面と跳ね上げ板104の間には段差があるため、その上に張られた孔版原紙Mは宙に浮いた状態になってしまう。
前述した通り、プレスローラは、印刷時には版胴100の回転と用紙の供給にタイミングを合わせて版胴100に接近し、用紙を版胴100との間に挟んで回転することによって用紙に印刷を行なうが、この印刷時にプレスローラが版胴100を押し始める位置は、孔版原紙Mの印刷領域又は版胴100のインク透過領域の最上流位置であり、この位置は跳ね上げ板104の隣で孔版原紙Mが浮いている部分に相当する。そして、印刷時、浮いた状態となっている孔版原紙Mの印刷領域の最上部を,図5中に矢印Aで示す方向にプレスローラが押すと、孔版原紙Mは空隙Sの部分に押し込まれる状態となるため、孔版原紙Mは図5中に矢印Bで示す方向の力を受ける。この力は印刷のたびに働くため、孔版原紙Mの先端付近の製版部分では、印刷を開始してから比較的少ない繰り返し回数で穿孔と穿孔の間がつながってしまい、孔版原紙Mが早期に切断してしまうことがあった。
上記特許文献1に記載された孔版印刷装置によれば、巻装動作時に排版補助部材をマスタの全幅にわたって接触させることでマスタのしわ発生を防止できる効果が得られるものとされているが、上述したように浮いた状態にある孔版原紙がプレスローラで押し込まれて引っ張り力で切断するという問題点には対応できていない。
本発明は、このような従来の技術及びその課題に鑑みてなされたものであり、クランプ部で先端を保持された孔版原紙を外周面に巻装し、外側からプレスローラで用紙を押圧して印刷を行う孔版印刷装置において、クランプ部の近傍で宙に浮いた状態となった孔版原紙がプレスローラに押圧されるために早期に切断してしまい、期待した耐久性が得られないという現象を可及的に防止することを主たる目的としている。
請求項1に記載された孔版印刷装置は、
内周面にインクが供給されるともに外周面に孔版原紙が巻装されて中心軸線の周りに回転駆動される円筒状の版胴と、前記外周面に巻装された孔版原紙の先端を保持するために前記外周面に設けられたクランプ部と、前記版胴の近傍に移動可能に設けられて前記版胴を押圧する押圧部材とを有し、孔版原紙が巻装されて回転駆動される前記版胴に前記押圧部材で用紙を押し付けて印刷を行なう孔版印刷装置であって、
前記クランプ部で保持された先端から前記版胴の回転方向に沿って連続する孔版原紙の一部と前記外周面との間の空隙に、
前記中心軸線の方向における両端部分が中央部分よりも高く、前記空隙の少なくとも一部を埋めるスペーサが設けられたことを特徴としている。
請求項2に記載された孔版印刷装置は、請求項1記載の孔版印刷装置において、
前記スペーサは、前記版胴の回転方向下流に向けて低くなる形状とされていることを特徴としている。
請求項1に記載された孔版印刷装置において、クランプ部で先端を保持した孔版原紙を版胴の外周面に巻き付けると、孔版原紙を巻き付ける方向についてクランプ部の隣にはスペーサが設けられているので、孔版原紙はクランプ部と外周面との間でスペーサによって支持された状態となる。すなわち、仮にスペーサがないとすれば、クランプ部と外周面の間、又はクランプ部の近傍に設けられた跳ね上げ部材等と外周面との間に段差が認められるとしても、この段差となりうる部分には本発明の特徴であるスペーサがあり、孔版原紙は下側からスペーサに接触して支えられ、宙に浮いた状態とはならない。すなわち、孔版原紙と外周面との間に空隙があれば、印刷時に押圧部材に押圧された孔版原紙が空隙に押し込まれて引っ張られ、切断する原因となっていたが、本発明では、この空隙はスペーサによって埋められているため存在しない。従って、印刷時、クランプ部によって保持された孔版原紙の先端付近よりも上流の所定位置に押圧部材が接触し、さらに回転方向の上流に向けて転動していっても、押圧部材の押圧力はスペーサによって支えられるため、孔版原紙は引っ張られにくく、これによって切断する事象も発生しにくくなる。
また、特に請求項1に記載された孔版印刷装置のスペーサは、版胴の半径方向についての高さ、すなわち外周面からの高さ、換言すれば当該部分における版胴の実質的な外径が、版胴の中心軸線の両端部分では相対的に大きく、版胴の中心軸線の中央部分では相対的に小さくなっているため、版胴の外周面に孔版原紙を周方向に張力をかけて巻装した場合、版胴の中心軸線の両端部分では孔版原紙に加わる張力が相対的に大きくなるため、これよりも中心軸線の中央部分では孔版原紙の張りが相対的に弱く皺ができにくい状態となる。
請求項2に記載された孔版印刷装置によれば、スペーサの形状を、版胴の回転方向上流に向けて低くなるような形状、すなわち版胴の中心軸線に平行な視線で見た場合、版胴の半径方向についてのスペーサの高さを、版胴が回転する方向に沿って上流に向けて小さくなるようにしたので、版胴の外周面のクランプ部から外周面に巻装された孔版原紙と外周面との間に生じる楔状の空間をスペーサで過不足なく埋めることができ、版胴に巻装された孔版原紙の先端近傍部分を確実に支えて押圧部材による押圧力が孔版原紙に引っ張り力として作用しないようにする又は作用しにくくすることができる。
実施形態の孔版印刷装置を正面側から見た部分断面図である。 実施形態の孔版印刷装置を側面側から見た部分拡大断面図である。 (a)は実施形態の孔版印刷装置におけるスペーサの側面図であり、(b)は同正面図である。 印刷時にプレスローラが版胴に最初に接触する位置である着接位置(横軸)と、当該着接位置にて開始される孔版印刷を連続的に多枚数行った場合に孔版原紙が切断した時の枚数、すなわち印刷時切断枚数(縦軸)との関係を、実施形態の孔版印刷装置の場合と、比較例である従来構造の孔版印刷装置の場合とで比較して示す表図である。 従来の孔版印刷装置を側面側から見た部分拡大断面図である。
実施形態の孔版印刷装置を図1〜図4を参照して説明する。
図1の正面断面図(図2の矢視A図に相当)に示す実施形態の孔版印刷装置1は、印刷手段として版胴2を備えている。この版胴2は、仮想的に示す中心軸線Cの両端に設けられた円盤状の基部材3の周りに、その所定範囲がインク透過性の印刷領域とされた可撓性の周壁4を、外方に向けて膨出可能となるように巻き付けてなる円筒状の部材である。この版胴2は、図示しない駆動機構によって中心軸線Cの周りに回転駆動されるようになっている。また、図示はしないが、版胴2の内部には、必要なタイミングで版胴2の内周面に接触可能な金属製のスキージローラを含むインク供給機構が設けられており、供給されたインクをスキージして外周面側に押し出し、後述するプレスローラと協働して用紙に印刷を行うようになっている。
図1に示すように、版胴2の下方近傍には、押圧手段として、NBR等で構成された押圧部材としてのプレスローラ5が昇降自在かつ回転自在に配置されている。このプレスローラ5は、版胴2とプレスローラ5の間に所定のタイミングで用紙が供給されると、これに同期したタイミングで上昇し、回転する版胴2の外周面に用紙を押し付け、回転駆動される版胴2と協働して用紙を挟持搬送させる。スキージローラで圧力を加えられたインクは版胴2のインク透過領域を通過して外周面に押し出され、後述するように版胴2の外周面に巻装された製版済みの孔版原紙Mの穿孔を通過して印刷用紙に転移し、画像を形成する。
図2の側面断面図に示すように、版胴2の外周面には、孔版原紙Mを保持するためのクランプ部6が中心軸線C(図2において紙面垂直方向)と平行に設けられている。クランプ部6は、中心軸線Cの方向を長手方向とする略矩形状の台座7と、中心軸線Cと平行な軸(図示せず)を中心に揺動可能とされ、台座7との間に孔版原紙Mの先端を挟むクランプ板8とを備えている。台座7には磁石が埋め込まれており、クランプ板8は磁性体から構成されており、両者の間に挟まれた孔版印刷の先端は磁着した台座7とクランプ板8によって保持される。
前述した通り、この版胴2は、中心軸線Cの周りに回動自在とされた一対の円盤状の基部材3の周囲に、可撓性の周壁4を巻きつけて円筒状にした構成であるため、その外周面に巻装する孔版原紙Mの先端を保持するためのクランプ部6を、周壁4の内部に埋込構造で設けることは構造上不可能である。そこで、本実施形態では、版胴2の中心軸線Cの両端にある円盤状の基部材3,3の間に、前記台座7を掛け渡して固定している。このため、孔版原紙Mの先端を外周面に直接固定することはできず、孔版原紙Mの先端は版胴2の外周面よりも外方の位置(台座7の上面)で保持されるようになっている。
図2に示すように、クランプ部6で先端を保持された孔版原紙Mの後端方向についての台座7の隣部、すなわち孔版原紙Mを版胴2に巻装していく方向についてクランプ部6の隣の外周面上には、跳ね上げ部材9が設けられている。跳ね上げ部材9は、排版時にクランプ板8が開放された際にクランプ板8に連動して上昇し、孔版原紙Mを版胴2の外周面から持ち上げるための部材である。
図2に示すように、クランプ部6で先端を保持された孔版原紙Mの後端方向である跳ね上げ部材9の隣部、すなわち孔版原紙Mを版胴2に巻装していく方向について跳ね上げ部材9の隣の外周面上には、スペーサ10が設けられている。跳ね上げ部材9は所定の厚さを有し、版胴2の外周面に設けられているため、版胴2との間には段差がある。従って、クランプ部6で先端を保持された孔版原紙Mを跳ね上げ部材9の上から被せて版胴2の外周面に巻きつければ、仮にスペーサ10がない場合には、跳ね上げ部材9と外周面と孔版原紙Mの間には、版胴2の軸線方向に平行な視線で見て、同方向を長手方向とする楔状の空間が生じてしまうことになる。しかしながら、本実施形態では、この空間に略同形状のスペーサ10を設けているため、孔版原紙Mは中空に浮いた状態にはならず、下方からスペーサ10で支えられた状態になる。
図2及び図3(a)に示すように、このスペーサ10は、前述したように版胴2の中心軸線Cに平行な視線で見れば楔状であり、同方向を長手方向とする部材である。このように、版胴2の中心軸線Cに平行な視線で見て楔状であるということは、版胴2の半径方向についてのスペーサ10の寸法、すなわちスペーサ10の高さが、版胴の回転方向上流に向けて徐々に低くなっていることを意味している。
また、図1及び図3(b)に示すように、このスペーサ10は、版胴2の中心軸線Cに直交する視線(図2の矢視X方向)で見れば、版胴2の半径方向についての高さが、版胴2の中心軸線Cの方向(図1では左右方向)について版胴2の両端部分が中央部分より高い形状となっている。より具体的には、スペーサ10の高さは、中心軸線Cに沿って、版胴2の両端部分で最も高く、その内方では一段低くなり、さらにその内方ではさらに一段低くなり、中央にはスペーサ10が存在しない部分が設けられている。
このように、スペーサ10は、図3(b)に示すように、正面から見れば最も高い部分の高さが異なる3段の階段状であり、図3(a)に示すように、側面から見れば最も高い部分から共通な最も低い部分へと平坦な斜面が連続する楔形である。
図3に示す一具体例では、図3(a)に示すように、3段の各段部の最も高い部分の高さは、それぞれ3mm、2.6mm、2mmであり、共通な最も低い部分の高さは0.3mmである。また版胴2の周方向に沿う長さは13mmである。図3(b)に示すように、版胴2の中心軸線Cに沿って測った3段の各段部の長さは、それぞれ65mm、65mm、165mmである。図1に示すように、このスペーサ10は、2個を一組としており、版胴2の中心軸線Cの垂直2等分線を対称線とし、中央に間隔をおいて版胴2の外周面上に対称に配置されている。
以上の構成において、孔版原紙Mを版胴2に着版する際には、まず製版された孔版原紙Mの先端をクランプ部6の台座7に配置し、クランプ板8で挟んで保持する。そして、版胴2を回転させながら孔版原紙Mを外周面に巻装していく。ここで、孔版原紙Mを巻き付ける方向についてクランプ部6の隣には跳ね上げ部材9があり、跳ね上げ部材9のさらに隣にはスペーサ10が設けられているので、孔版原紙Mは跳ね上げ部材9と外周面との間ではスペーサ10によって支持された状態となる。
ここで、仮にスペーサ10がないとすれば、跳ね上げ部材9と外周面との間には段差が認められるはずである。しかし、実際には、この段差となりうる部分には本発明の特徴であるスペーサ10が設けられているので、この部分において孔版原紙Mは下側からスペーサ10に接触して支えられ、宙に浮いた状態とはならない。
印刷用紙を供給して印刷を行う際には、孔版原紙Mが巻装されて回転駆動される版胴2に対し、版胴2とプレスローラ5の間に所定のタイミングで用紙を供給し、この供給のタイミングに合わせてプレスローラ5を上昇させ、用紙を版胴2の外周面の孔版原紙Mに押し付け、版胴2の内周面から孔版原紙Mを通過してきたインクを印刷用紙に転移させて用紙に画像を形成させる。
この時、仮にスペーサ10がなくて孔版原紙Mと外周面との間に空隙が生じていれば、印刷時にプレスローラ5に押圧された孔版原紙Mが空隙に押し込まれて引っ張られ、切断する原因となる大きな引っ張り力が働いていたはずであるが、本実施形態では、この空隙はスペーサ10によって埋められており、存在しない。
印刷時、プレスローラ5が所定のタイミングで上昇し、クランプ部6に保持された孔版原紙Mの先端付近より上流の所定位置(この位置を着接位置と呼ぶ)にプレスローラ5が接触する。この着接位置は、版胴2の周壁4のインク透過領域の最上部の位置に相当する。そして、さらに、プレスローラ5は版胴2の回転に伴って外周面に沿って回転方向の上流に向けて連続的に転動していく。この間、印刷用紙、孔版原紙M及び版胴2はプレスローラ5の圧力を受け続けるが、前記着接位置の付近においては、このプレスローラ5による押圧力はスペーサ10によって支えられるため、孔版原紙Mが過剰な引っ張り力を受けることはない。従って、孔版原紙Mの穿孔と穿孔がつながって切断してしまう不具合が従来のように早期に生じることはなく、実用上十分な耐久性が得られる。
しかも、このスペーサ10は、図2に示す通り、版胴2の中心軸線Cに平行な視線で見た場合、版胴2の外周面から測った高さが、版胴2が回転する方向に沿って上流に向けて連続的に低くなっている。すなわち、スペーサ10がなければ孔版原紙Mと外周面と跳ね上げ部材9の間に生じる楔状の空間とスペーサ10の形状は略同形であり、当該空間は同形状のスペーサ10で過不足なく埋めることができる。このため、プレスローラ5の着接位置にある孔版原紙Mを支えてプレスローラ5による押圧力が孔版原紙Mに過剰な引っ張り力として作用しないようにする効果が確実に得られる。
また、図1に示すように、スペーサ10は、版胴2の半径方向についての高さが一定とはなっていないため、次のような効果も得られる。すなわち、スペーサ10の外周面からの高さ、換言すればスペーサ10の配置部分における版胴2の実質的な外径は、版胴2の中心軸線Cの両端部分では相対的に大きく、版胴2の中央部分では相対的に小さくなっている。このため、版胴2の外周面に孔版原紙Mを周方向に張力をかけて巻装した場合、版胴2の中心軸線Cの両端部分では孔版原紙Mに加わる張力が相対的に大きくなるため、これよりも中心軸線Cの内方では孔版原紙Mの張りが相対的に弱くなり、皺ができにくい状態となる。つまり、着版皺が防止される効果が得られる。
このように、版胴2の外周面の外径を、中心軸線Cの両端部分で相対的に大きくして当該部分で孔版原紙Mに周方向に加わる張力を相対的に大きくすれば、同方向の中央部分で孔版原紙Mに生じた若干の弛みは中心軸線Cの両端に向けて引っ張られるため皺にならない。図3を参照して先に説明したように、本実施形態では、スペーサ10の最大高さは、スペーサ10がない中心軸線Cの中央部分に比べ、中心軸線Cの両端部分において外周面から3mmとなっている。実験によれば、このように3mm程度の高低差があっても、版胴2に巻装した孔版原紙Mには皺が発生することはなく、均一に巻装された状態が得られる。
図4は、スペーサ10を有する本実施形態の孔版印刷装置1と、比較例であるスペーサ10を持たない従来構造の孔版印刷装置を、それぞれ実際に駆動して多枚数の連続印刷を行わせ、孔版原紙Mが切断した時の枚数と、その時の印刷動作における着接位置との関係を示した表図である。
図4の表図の横軸は、印刷時にプレスローラ5が版胴2に最初に接触する位置である着接位置を示している。横軸において、着接位置の原点は、版胴2の周壁4のインク透過領域の最上部、すなわち版胴2の回転方向についてインク透過領域の最上流位置を原点としており、図示はしないが、この原点を横軸の右方に設定し、横軸を左に進むと着接位置が長くなるように表示している。すなわち、プレスローラ5が版胴2に接触し始める着接位置が版胴2の回転方向について上流側にいく程、その着接位置は横軸において左方に示される。図4中、「設定範囲」と称される着接位置が10.2mm〜12mmの範囲は、一般的なこの種孔版印刷装置において適正な着接位置として設定されている値である。
図4の表図の縦軸は、孔版印刷を連続的に多枚数行った場合に、孔版原紙Mが切断した時の枚数、すなわち印刷時切断枚数を示している。図4に示すように、本実験は、本実施形態と比較例について、設定範囲内の1個所(着接位置が約11mm)と、これより着接位置が原点に近い2個所(着接位置が約7mm及び9mm)において行った。
表図中三角印で示す比較例では、設定範囲において、一応の基準とされている印刷時切断枚数の基準値である2000枚を越えた。しかし、着接位置が原点に近くなるほど、すなわちプレスローラが孔版原紙Mに当たる位置が跳ね上げ部材から遠ざかるほど、印刷時切断枚数は低下し、いずれも2000枚を下回った。これは、プレスローラの着接位置が、孔版原紙Mが宙に浮いている部分に近づくほど、孔版原紙Mに加わる引っ張り力が大きくなり、孔版原紙Mに対する負荷が増大するためと考えられる。
表図中丸印で示す実施形態では、比較例と同一の3カ所の着接位置のいずれにおいても、印刷時切断枚数は4000枚以上を記録した。これは、プレスローラ5の着接位置に係わらず、孔版原紙Mに対する負荷はスペーサ10に支えられて孔版原紙Mには引っ張り力としては加わりにくく、孔版原紙Mが過大な引っ張り力を受けて切断する事象が発生しにくいことを実証している。
以上説明したように、実施形態の孔版印刷装置1によれば、クランプ部6で先端を保持された孔版原紙Mを外周面に巻装し、外側からプレスローラ5で用紙を押圧して印刷を行うタイプの孔版印刷装置1において、クランプ部6の近傍において孔版原紙Mをスペーサ10で下側から支えることによって孔版原紙Mが宙に浮いた状態になることを防止し、プレスローラ5に押圧されて引っ張り力が働くことにより孔版原紙Mが切断してしまう現象を確実に起こりにくくすることができるという効果を得ることができる。
さらに、このようなスペーサ10を有する本実施形態の孔版印刷装置1において、版胴2の外周面上のスペーサ10の厚さを中心軸線Cの方向について一定にしたとしても、同方向について完全に平坦な形状にすることは現実にはできず、同方向についてスペーサ10の上面の何れかの位置で他の部分よりも突出した部分(凸部)ができてしまうことは避けられない。孔版原紙Mを、クランプ部6で先端を保持した後、同方向について前記凸部が表面に存在するようなスペーサ10を覆って外周面に巻きつけたとすれば、スペーサ10の表面の当該凸部に接した孔版原紙Mの一部に力が集中し、当該凸部を中心に皺が生じてしまう。一般に孔版原紙Mは0.04mm程度と薄いために小さな力が働いても皺がよりやすく、本願発明者等の実験によれば高さ0.1mm程度の微小な凸部であっても皺が生じる可能性がある。
しかしながら、本実施形態では、スペーサ10の上面の高さを版胴2の中心軸線Cの方向について一定にすることによって、その上に重ねて巻装した孔版原紙Mに皺ができないようにするのではなく、むしろ、積極的にスペーサ10の上面の形状に変化をつけるようにしている。すなわち、スペーサ10の上面の形状を、その高さが版胴2の中心軸線Cの方向について中央部分で低く、両端部分で高くなるよう連続的に変化するような形状とすることにより、その上に巻装される孔版原紙Mの軸線方向の両端側に働く張力を大きくして、版胴2に巻装される孔版原紙Mの全体に皺が発生しにくくしている。
具体的には、スペーサ10の上面の形状を、その高さが高い中心軸線Cに沿って両端部分の位置から、その高さが低い中央部分の位置まで、階段状に断続的に変化する形状としている。しかしながら、これは一具体例にすぎず、その高さが両端部分から中央部分に向けて連続的にカーブするように変化する形状としてもよい。
このように、クランプ部6の近傍(跳ね上げ部材9の近傍を含む)において孔版原紙Mを下側から支えるスペーサ10により、孔版原紙Mに過剰な引っ張り力が作用する現象を確実に防止して繰り返し印刷に対する耐久性を向上させるだけでなく、同一のスペーサ10によって、版胴2に孔版原紙Mを巻装する際に孔版原紙Mに皺が生じにくいという効果も同時に達成することができる。
1…孔版印刷装置
2…版胴
5…押圧部材としてのプレスローラ
6…クランプ部
10…スペーサ
S…空隙
M…孔版原紙
C…中心軸線

Claims (2)

  1. 内周面にインクが供給されるともに外周面に孔版原紙が巻装されて中心軸線の周りに回転駆動される円筒状の版胴と、前記外周面に巻装された孔版原紙の先端を保持するために前記外周面に設けられたクランプ部と、前記版胴の近傍に移動可能に設けられて前記版胴を押圧する押圧部材とを有し、孔版原紙が巻装されて回転駆動される前記版胴に前記押圧部材で用紙を押し付けて印刷を行なう孔版印刷装置であって、
    前記クランプ部で保持された先端から前記版胴の回転方向に沿って連続する孔版原紙の一部と前記外周面との間の空隙に、
    前記中心軸線の方向における両端部分が中央部分よりも高く、前記空隙の少なくとも一部を埋めるスペーサが設けられたことを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 前記スペーサは、前記版胴の回転方向上流に向けて低くなる形状とされていることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷装置。
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