JP6350860B2 - 玉掛け装置 - Google Patents
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Description
すなわち、無線による遠隔操作で、係止ピンを吊りピースの貫通穴に挿通する玉掛け作業を行う玉掛け装置では、貫通穴に対して係止ピンを自動的に挿入するので高い位置決め精度が要求されるうえ、遠隔部から係止ピンの挿入完了状態を確認することが必須であった。そのため、電気的な検出センサやその係止ピンの挿入完了を遠隔操作する玉掛け作業員に知らせる表示ランプや送受信機器、カメラなどの電気的な機器や制御機器が必要となり、複雑な構造となることから、その点で改良の余地があった。
このように、玉掛け作業員は、玉掛け装置から離れた外部から、係止ピンの貫通穴への挿入が確実に行われたことを確認マークにより認識することができる。したがって、玉掛け装置の遠隔操作を行う場合や、吊りピースに対する係止ピンの係合状態が外部から見えにくい場合であっても、玉掛け作業の確認を精度よく行うことができる。そのため、玉掛け作業員の立ち入りが困難で、かつ遠隔操作が必要な玉掛け作業においてとくに有効である。
また、確認マークは係止ピンの駆動に機械的に連動して、表示位置と非表示位置との間を移動する構成であるので、例えば位置検出用のセンサ等の電気的な部材を使用せずにすむことから、例えば雨天作業時であっても、従来のような電気機器やケーブルなどの接触不良による表示ランプの誤表示や故障がなくなり、作業条件にかかわらず確実な玉掛け作業を行うことができる利点がある。
また、本発明では、上述した位置決め部材による位置決め前の状態では、規制プレートによって係止ピンの突出が規制されるので、このとき前記確認マークは非表示位置となる。そして、被吊上げ部材を吊り上げる際に、位置決め部材による吊りピースに対する位置決めが完了すると、規制プレートが可動して貫通穴への係止ピンの突出が許容されるとともに、位置決め完了マークの少なくとも一部が玉掛け装置の外側に向けて突出する。そのため、玉掛け作業員は、位置決め完了マークを玉掛け装置の外方から目視により確認することができる。さらに、位置決め完了マークの確認後に、駆動装置を駆動させることで係止ピンを貫通穴に挿入させ、係止ピンが貫通穴に挿入完了になると、前述したように確認マークが非表示位置から表示位置に移動して、その確認マークを外方より確認することが可能となる。
ここで、水平面において、係止ピン5をピン軸O方向に直交するするとともに、上下方向Yにも直交する方向を幅方向Xといい、幅方向X周りに周回する方向を周方向という。
なお、本実施の形態の位置決め部材4では、前記開き角度が一定に固定されているが、任意の角度に調整、変更できるように構成されていてもよい。
規制プレート40は、帯状の平板形状をなし、一方の端部(基端部40a)が一方のクランプ部(ここでは4B)の下端に対して回動可能に支持されている。つまり、規制プレート40は、基端部40aの回転軸がピン軸Oに平行となる方向に配置され、ピン軸Oに直交する面に沿って回動する。
この規制プレート40は、吊りピース21に対して嵌合していない状態において、基端部40aと反対側の先端部40bが係止ピン5が挿入出される軌道上(ピン軸O)の規制位置P1、すなわち案内面4aの内側の空間に位置している。そして、規制プレート40は、位置決め部材4が吊りピース21に嵌合したときに、吊りピース21によって上方に向けて押され、規制位置P1を基点にして基端部40aを中心にして先端部40bがクランプ部4B側に近づく方向の規制解除位置P2へ向けて回動する構成となっている。規制プレート40における規制解除位置P2は、クランプ部4Bに対してピン軸O方向にほぼ重なる位置であり、先端部40bがクランプ部4A、4B同士の接続部側に向く傾きとなる位置である。
そのため、突起片41の形状は、規制解除位置P2において、前述のように少なくとも位置決め完了マーク41Aの一部が視認可能となるように設定されている。
可動プレート7の他端(支持端7aとは反対側)の先端7bには、ピン軸O方向の内側に向けて突出する突出部72が設けられている。そして、この突出部72を含む先端部分には、ピン軸O方向に沿う両面に例えば赤色などの視覚的に目立つように着色された確認マーク71が表示されている。
一方、図4に示すように、係止ピン5が挿通位置T2のときには、連結片61の回動とともに押出し端63bが上方に移動し、可動プレート7の突出部72を押し上げて、可動プレート7が回動する。そのため、可動プレート7の先端7bの一部が収容ボックス8Aの外壁82よりも外方に突出し、確認マーク71を玉掛け装置1の外部から視認することができるようになっている。
そのため、可動プレート7の形状及び回動による回転角度は、挿通位置T2において、前述のように少なくとも確認マーク71の一部が視認可能となるように設定されている。
そして、装置本体3を挟んだ収容ボックス8Aと反対側には、制御ボックス8Bが設けられている。この制御ボックス8Bには、検出センサ81でシリンダ先端62aの位置を検出し、図示しない表示灯等へ向けて出力信号を発信するように制御されている。
図1及び図5に示すように、被吊上げ部材2を吊り上げる際に、図示しない揚重機械のワイヤ先端に取り付けられた玉掛け装置1を降下させて被吊上げ部材2に上方から近接させ、位置決め部材4の下向きに開いた一対のクランプ部4A、4Bの奥側に吊りピース21が案内される。これにより位置決め部材4を吊りピース21に把持させることができ、図6に示すように、係止ピン5の位置が貫通穴21aに挿入可能となるように位置決めされる。この位置決めにより、貫通穴21aの中心軸がピン軸Oに一致することになる。
そのため、玉掛け作業員は、位置決め完了マーク41Aを玉掛け装置1の外方から目視により確認することができ、玉掛け作業の確認精度を高めることができる。
そして、係止ピン5が貫通穴21aに対して挿入が完了したときに、駆動装置6のリンク部材63に機械的に連動して可動プレート7が収容ボックス8Aの外側に向けて回動し、これに合わせて確認マーク71が玉掛け装置1に対して内側の非表示位置S1から外側の表示位置S2へ移動し、この確認マーク71の一部が玉掛け装置1より外方に向けて突出する(図2参照)。そのため、玉掛け作業員は、表示位置S2に位置した確認マーク71を玉掛け装置1の外方から目視により確認することができる。
また、確認マーク71は係止ピン5の突出する駆動に対して機械的に連動して、表示位置S2と非表示位置S1との間を移動する構成であるので、例えば位置検出用のセンサ等の電気的な部材を使用せずにすむことから、例えば雨天作業時であっても、従来のような電気機器やケーブルなどの接触不良による表示ランプの誤表示や故障がなくなり、作業条件にかかわらず確実な玉掛け作業を行うことができる利点がある。
例えば、本実施の形態では、位置決め部材として一対のクランプ部4A、4Bによって下方に従って開く形状の位置決め部材4を用いているが、これに限定されることはない。要は、係止ピン5のピン軸Oが吊りピース21の貫通穴21aに同軸になるように位置決めされれば良いのであって、位置決め部材4で吊りピース21に対して把持するのではなく、当接などにより吊りピース21に係合して位置決めできる構成であればよいのである。
例えば、本実施の形態では、1台の玉掛け装置1において1箇所の確認マーク71となっているが、2箇所、或いは周囲4箇所など複数箇所に設けることで、遠隔操作する玉掛け作業員がいずれの方向からでも確認マーク71を目視で確認することができ、確認の精度を高めることが可能である。
さらに、本実施の形態では、確認マーク71や位置決め完了マーク41Aの一部が玉掛け装置1から突出する構成となっているが、これらマークの突出量は任意であり、マーク全体が突出するようにしても良い。
2 被吊上げ部材
3 装置本体
4 位置決め部材
4A、4B クランプ部
5 係止ピン
6 駆動装置
7 可動プレート
8A 収容ボックス
21 吊りピース
21a 貫通穴
40 規制プレート
41A 位置決め完了マーク
61 連結片
62 電動シリンダ
63 リンク部材(リンク部)
71 確認マーク
O ピン軸
P1 規制位置
P2 規制解除位置
T1 未挿通位置
T2 挿通位置
S1 非表示位置
S2 表示位置
X 幅方向
Y 上下方向
Claims (4)
- 揚重機のワイヤ先端に設けられ、被吊上げ部材の吊りピースの貫通穴に挿入可能な係止ピンを備えた玉掛け装置であって、
前記吊りピースに係合することで、前記係止ピンを前記吊りピースの貫通穴に挿入できるように位置決めする位置決め部材と、
前記係止ピンが前記貫通穴に対して挿入可能位置に位置決めされた状態で、前記係止ピンを前記貫通穴に向けて突出させる駆動装置と、
該駆動装置に設けられる駆動機構に機械的に連動し、当該玉掛け装置に対して外側の表示位置と内側の非表示位置との間を移動し得る確認マークと、
を備え、
前記係止ピンの前記貫通穴に対する挿入が完了したときに、前記確認マークが前記表示位置に位置し、
前記位置決め部材には、前記係止ピンの突出を規制するとともに、位置決め完了マークを有する規制プレートが設けられ、
前記位置決め部材による前記吊りピースに対する位置決めが完了したときに、前記貫通穴への前記係止ピンの突出を許容するように前記規制プレートが可動し、前記位置決め完了マークの少なくとも一部が当該玉掛け装置より外方に向けて突出されることを特徴とする玉掛け装置。 - 前記位置決め部材は、下方に開いた形状をなし、内周側に前記吊りピースの外周縁に当接可能な案内面を有し、前記吊りピースが前記案内面に案内され前記位置決め部材における前記開いた形状の奥側に当接して係合した状態で、前記係止ピンが前記吊りピースの前記貫通穴に挿入可能な位置に位置決めされ、
前記係止ピンの前記貫通穴に対する挿入が完了したときに、前記確認マークが前記表示位置に位置することを特徴とする請求項1に記載の玉掛け装置。 - 前記駆動機構には、前記係止ピンの突出に連動するリンク部が備えられ、
前記確認マークは、前記リンク部を介して前記表示位置と前記非表示位置との間で移動されることを特徴とする請求項1又は2に記載の玉掛け装置。 - 前記位置決め部材は、下方に開いた形状であり、
前記位置決め部材の内周側の面は、前記吊りピースの外周縁に対して上方から当接可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の玉掛け装置。
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