JP6350606B2 - 気泡欠陥の少ない偏光子 - Google Patents
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Description
(ア)基材フィルムの少なくとも一方の面に、減圧脱泡したポリビニルアルコール系樹脂水溶液を塗工して、基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層が形成された積層フィルムを得る樹脂層形成工程と、
(イ)積層フィルムを延伸して延伸フィルムを得る延伸工程と、
(ウ)延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色して偏光子層を形成する染色工程。
多層フィルムから基材フィルムを剥離する工程(剥離工程)を含む、偏光子の片面に透明保護フィルムが設けられた偏光板の製造方法を提供する。
図1は、本発明に係る偏光性積層フィルムの基本的な層構成の一例を示す概略断面図である。偏光性積層フィルム10は、基材フィルム11と、基材フィルム11の一方の面に形成されている偏光子層12とを備える。偏光子層12は、厚さ10μm以下であり、二色性色素を吸着配向させたポリビニルアルコール系樹脂から形成されている。
基材フィルム11の材料としては、たとえば、透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、セルローストリアセテート等のセルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、およびこれらの混合物などが挙げられる。
基材フィルムの材料として、セルロースエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂および(メタ)アクリル系樹脂からなる群から選択される少なくともいずれか1つが含まれることが好ましい。
これらの中でも、セルローストリアセテートが特に好ましい。セルローストリアセテートは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。セルローストリアセテートの市販品の例としては、フジタック(登録商標)TD80(富士フィルム(株)製)、フジタック(登録商標)TD80UF(富士フィルム(株)製)、フジタック(登録商標)TD80UZ(富士フィルム(株)製)、フジタック(登録商標)TD40UZ(富士フィルム(株)製)、KC8UX2M(コニカミノルタオプト(株)製)、KC4UY(コニカミノルタオプト(株)製)などが挙げられる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、たとえば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとその共重合体(代表的にはランダム共重合体)、およびこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびにそれらの水素化物などが挙げられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。
好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが挙げられる。(メタ)アクリル系樹脂として、より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が用いられる。
本発明の偏光子は、吸収軸方向における長さが100μm以上の空隙が10個/m2以下のポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子である。かかる偏光子の厚みは、10μm以下、さらに薄くして7μm以下とすることもできる。偏光子層12の厚みを10μm以下とした薄型の偏光性積層フィルムを製作できる。
ケン化度が高いほど、水酸基の割合が高いことを示しており、すなわち結晶化を阻害する酢酸基の割合が低いことを示している。また、本発明に用いるポリビニルアルコール系樹脂は、ケン化度が99.0モル%以下であれば特に限定されるものではなく、一部が変性されている変性ポリビニルアルコールでもよい。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂をエチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アクリルアミドなどで数%ほど変性したものなどが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度も特に限定されるものではないが、100〜10000が好ましく、1500〜10000がより好ましい。
減圧は、通常、容器内の圧力(ゲージ圧)をできるだけ下げて、低くすると、処理時間が短くなるので好適である。容器内の圧力(ゲージ圧)は、通常、−0.04Mpa以下、好ましくは、−0.05Mpa以下、さらに好ましくは、−0.08Mpa以下、なおさらに好ましくは、−0.09Mpa以下に設定される。処理時間は、典型的には、30分以上であり、好ましくは60分以上、さらに好ましくは120分もしくはそれ以上であるが、生産性を損なわない範囲で長くしてもよい。
ここでは、基材フィルムの一方の表面上にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成する。
ここでは、延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を、二色性色素で染色する。
二色性色素としては、たとえば、ヨウ素や有機染料などが挙げられる。有機染料としては、たとえば、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラックなどが使用できる。これらの二色性物質は、一種類でも良いし、二種類以上を併用して用いても良い。
図2は、本発明に係る偏光板の基本的な層構成の一例を示す概略断面図である。偏光板13は、透明保護フィルム14と、透明保護フィルム14の一方の面に形成されている偏光子層12とを備える。偏光子層12は、厚さ10μm以下であり、二色性色素を吸着配向させたポリビニルアルコール系樹脂から形成されている。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は99.0モル%以下である。
透明保護フィルム14としては、光学機能を有さない単なる透明保護フィルムであってもかまわないし、位相差フィルムや輝度向上フィルムといった光学機能を併せ持つ透明保護フィルムであってもかまわない。透明保護フィルム14の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂フィルム、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのような樹脂からなる酢酸セルロース系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのような樹脂からなるポリエステル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルムなど、当分野において従来より広く用いられてきているフィルムを挙げることができる。
偏光子層12は、上述の偏光性積層フィルム10の偏光子層12と同様の構成とすることができる。
透明保護フィルム14と偏光子層12との貼合に用いられる粘着剤は、通常、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベースポリマーとし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋剤を加えた組成物からなる。
さらに微粒子を含有して光散乱性を示す粘着剤層とすることもできる。
透明保護フィルム14と偏光子層12との貼合に用いられる接着剤は、たとえば、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤などを用いた水系接着剤が挙げられる。透明保護フィルム14としてケン化処理などで親水化処理された酢酸セルロース系フィルムを用いる場合、偏光子層12との貼合用の水系接着剤として、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液が好適に用いられる。接着剤として用いるポリビニルアルコール系樹脂には、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるビニルアルコール系共重合体、さらにはそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体などがある。水系接着剤には、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物などが添加剤として添加されてもよい。このような水系の接着剤を用いた場合、それから得られる接着剤層は、通常、1μm以下となり、通常の光学顕微鏡で断面を観察しても、その接着剤層は事実上観察されない。
時間が長くなりすぎず、6000mW/cm2以下である場合、光源から輻射される熱および光硬化性接着剤の硬化時の発熱によるエポキシ樹脂の黄変や偏光フィルムの劣化を生じるおそれが少ない。光硬化性接着剤への光照射時間は、硬化させる光硬化性接着剤に応じて適用されるものであって特に限定されないが、上記の照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜10000mJ/cm2となるように設定されることが好ましい。光硬化性接着剤への積算光量が10mJ/cm2以上である場合、重合開始剤由来の活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、10000mJ/cm2以下である場合、照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。なお、活性エネルギー線照射後の接着剤層の厚みは、通常、0.001μm〜5μm程度であり、好ましくは0.01μm〜2μm、さらに好ましくは0.01μm〜1μmである。
以上のようして製造される本発明の偏光板は、実用に際して他の光学層を積層した偏光板として用いることができる。また、上記透明保護フィルム14がこれらの光学層の機能を有していてもよい。他の光学層の例としては、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルム、表面に凹凸形状を有する防眩機能付きフィルム、表面反射防止機能付きフィルム、表面に反射機能を有する反射フィルム、反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルム、視野角補償フィルムが挙げられる。
図3は、図1に示す偏光性積層フィルム10の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。これによると、偏光性積層フィルム10の製造方法は、基材フィルム11の一方の表面上にケン化度が99.0モル%以下であって、減圧脱泡したポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムとする樹脂層形成工程(S10)、上記積層フィルムを5倍超の延伸倍率で一軸延伸処理を施し延伸フィルムとする延伸工程(S20)、上記樹脂層を二色性色素で染色して偏光子層12として偏光性積層フィルム10を得る染色工程(S30)をこの順番に実施するものである。
偏光度(%)={(MD−TD)/(MD+TD)}1/2×100 式(2)
図4は、図2に示す偏光板13の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。
これによると、偏光板13の製造方法は、基材フィルムの一方の表面上にケン化度が99.0モル%以下である減圧脱泡したポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成して積層フィルムとする樹脂層形成工程(S10)、上記積層フィルムに5倍超の延伸倍率で一軸延伸処理を施し延伸フィルムとする延伸工程(S20)、二色性色素で染色して偏光子層12として偏光性積層フィルムを得る染色工程(S30)をこの順番に実施した後、上記偏光性積層フィルムの偏光子層12の基材フィルム11側の面とは反対側の面に透明保護フィルム14を貼合して多層フィルムを得る貼合工程(S40)、上記多層フィルムから基材フィルム11を剥離する剥離工程(S50)をこの順に備える。
ここでは、偏光子層の基材フィルム側の面とは反対側の面に透明保護フィルムを貼合して多層フィルムを得る。透明保護フィルムを貼合する方法としては、粘着剤で偏光子層12と透明保護フィルム14を貼合する方法、接着剤で偏光子層12面と透明保護フィルム14を貼合する方法が挙げられる。透明保護フィルムとして適した材料は、上述の偏光板の構成の説明で述べた通りである。また、使用に適した接着剤、粘着剤の材料、およびこれらを用いて偏光子層12と透明保護フィルム14を貼合する好ましい方法は、上述の偏光板の構成の説明で述べた通りである。
本実施形態の偏光板の製造方法では、図4に示すように、透明保護フィルムを偏光子層12に貼合する貼合工程(S40)の後、基材フィルムの剥離工程(S50)を行なう。
基材フィルムの剥離工程(S50)では、基材フィルムを多層フィルムから剥離する。基材フィルムの剥離方法は特に限定されるものでなく、通常の粘着剤付偏光板で行われる剥離フィルムの剥離工程と同様の方法で剥離できる。透明保護フィルムの貼合工程(S40)の後、そのまますぐ剥離してもよいし、一度ロール状に巻き取った後、別に剥離工程を設けて剥離してもよい。
(1)基材フィルムの作製
エチレンユニットを約5重量%含むプロピレン/エチレンのランダム共重合体(住友化学(株)製の「住友ノーブレン W151」、融点Tm=138℃)からなる樹脂層の両面にプロピレンの単独重合体(住友化学(株)製の「住友ノーブレンFLX80E4」、融点Tm=163℃)からなる樹脂層を配置した3層構造の長尺の基材フィルムを、多層押出成形機を用いた共押出成形により作製した。基材フィルムの合計厚みは100μmであり、各層の厚み比(FLX80E4/W151/FLX80E4)は3/4/3であった。
ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業(株)製の「Z−200」、平均重合度1100、平均ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(田岡化学工業(株)製の「スミレーズレジン650」)をポリビニルアルコール粉末2重量部に対して1重量部の割合で混合して、プライマー層形成用塗工液を得た。
(2)で調製したポリビニルアルコール系樹脂層形成用塗工液を、処理容器の中に入れ、−0.04Mpa(ゲージ圧)で、120分間処理した。このとき容器は吸気しつづけた。脱泡処理後の液温は26.0℃であり特に加温、冷却を実施することなく塗工に使用した。
上記(1)で作製した基材フィルムを連続的に搬送しながら、その片面にコロナ処理を施し、そのコロナ処理された面にマイクログラビアコーターを用いて上記(2)で作成したプライマー層形成用塗工液を連続的に塗工し、60℃で3分間乾燥させることにより、厚み0.2μmのプライマー層を形成した。引き続き、フィルムを搬送しながら、塗工ヘッドまでポリビニルアルコール系樹脂層形成用塗工液が充填された上記のカンマコーターを用いて該塗工液をプライマー層上に連続的に塗工し、90℃で1分間、70℃で3分間、次いで60℃で4分間乾燥させることにより、プライマー層上に厚み11.0μmのポリビニルアルコール系樹脂層を形成した。
上記(4)で得られた積層フィルムを連続的に搬送しながら、ニップロール間延伸方式により、160℃の延伸温度で縦方向(フィルム搬送方向)に5.5倍の倍率で自由端一軸延伸して延伸フィルムとした。延伸フィルムにおけるポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは、一方が5.5μm、他方が5.9μmであった。
上記(5)で作製した延伸フィルムを連続的に搬送しながら、60℃の温水浴に滞留時間が60秒間となるように浸漬した後、ヨウ素とヨウ化カリウムとを含む30℃の染色溶液に滞留時間が150秒間程度となるように浸漬してポリビニルアルコール系樹脂層の染色処理を行い、次いで、10℃の純水で余分な染色溶液を洗い流した。引き続き、ホウ酸とヨウ化カリウムとを含む76℃の架橋溶液に滞留時間が600秒間となるように浸漬して架橋処理を行った。その後、10℃の純水で4秒間洗浄し、80℃で300秒間乾燥させることにより、偏光性積層フィルムを作製した。
得られた偏光性積層フィルムにおいて厚み6.0μmの面を剥離し、基材フィルムと厚み5.8μmの偏光子層からなる片面積層フィルムを作成した。
ポリビニルアルコール粉末((株)クラレ製の「KL−318」、平均重合度1800)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(田岡化学工業(株)製の「スミレーズレジン650」)をポリビニルアルコール粉末2重量部に対して1重量部の割合で混合し、接着剤水溶液とした。
得られた偏光子の厚みが5.8μmの偏光板のプライマー層側の表面にコロナ処理を施し、離型処理が施されたPETフィルム(セパレーターフィルム)に厚み25μmのアクリル系粘着剤が積層されたシート状粘着剤を貼着して、「セパレートフィルム/粘着剤/プライマー層/偏光フィルム/接着剤層/透明保護フィルム」からなる粘着剤付偏光板を作成した。
得られた粘着剤付偏光板を吸収軸が辺に対して0°となるように、60mm×60mmのサイズでカットし、セパレーターフィルムを剥離し粘着面をガラスに貼合した。これを評価サンプルとした。
評価サンプル24枚を試験槽にいれ-40℃で30分、85℃で30分のサイクルを400回繰り返したところ、偏光子の吸収軸方向にクラックが生じた。
光学顕微鏡(キーエンス製 VHX-500)を用いて透過で生じたクラックを観察したところ、生じたクラックのうち1本にクラックの中に微小な気泡(マイクロバブル)によるものと見られる吸収軸方向に100μm未満の微小な空隙を有するものが観察された。微小な空隙は厚み方向の長さが偏光子の厚み以下であり非常に小さい、また気泡起因の空隙とは異なり微小な空隙は偏光子の膜中に埋没している。そのため通常目視や顕微鏡による発見および観察が困難であるが、前記のとおりクラックの中に観察されることがありクラックのきっかけになっているものと見られる。
実施例1における(3)の減圧処理のゲージ圧を−0.09Mpaとしたこと以外は実施例1と同様にしてサンプルを作成し評価を実施した。処理後の液温は24.7℃であった。得られた脱泡処理後の液は特に加温、冷却などの操作を実施することなく、塗工に使用した。
実施例1における(3)の減圧脱泡処理を実施することなく、同様にして偏光性積層フィルムを作成したところ、一方の面の偏光子は、5.8μm、他方の面は、5.1μmであった。
熱衝撃試験:クラック内に吸収軸方向に100μm未満の微小な空隙が観察されたクラックの数(本)
かかる偏光子からなる偏光板は、液晶表示装置に組み込み使用する際の温度変化を考慮した熱衝撃試験に供しても、ポリビニルアルコール系樹脂層中に残った微小気泡(マイクロバブル)由来の空隙に起因すると見られるクラックの発生も少ない。
Claims (3)
- 吸収軸方向における長さが100μm以上の空隙が0.83〜10個/m2であり、
厚みが10μm以下である、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子。 - 請求項1に記載の偏光子を、基材フィルムの少なくとも一方の面に設けた偏光性積層フィルム。
- 請求項1に記載の偏光子の少なくとも一方の面に、透明保護フィルムを積層した偏光板。
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