JP6350264B2 - ホットランテーブル - Google Patents
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Description
フライング現象が発生すると、通板速度の低下や巻取不良等が誘発される。そのため、特許文献1では、ディスクを間隔をおいて複数個設けたディスクローラー(ディスクロール)の該ディスクを、隣接するディスクローラーのディスクとディスクの間の小径部に臨ませ、小径部と該小径部に面するディスクとの間の空間に冷却装置を配置したランナアウトテーブル(ホットランテーブル)が開示されている。特許文献1記載のランナアウトテーブルでは、ディスクローラーのディスクを、隣接するディスクローラーの小径部に臨ませるようにしているので、ローラーピッチが短くなりフライング現象を防止することができる。
しかし、従来のホットランテーブルの場合、図11(A)に示すように、上流側に配置されたディスク30と下流側に配置されたディスク30の間の隙間部33に滞水部32が形成されないため、隙間部33における鋼帯11の温度が他の部位に比べて高くなり、冷却ムラが発生するという問題がある。
5本以上の前記ロールから構成されるユニットが通板方向に連設されてなり、前記ユニット内の前記ディスクの幅方向センター位置が、ロール軸方向に関して全て異なっているホットランテーブルであって、
前記ユニット内の前記ディスクの幅方向センター位置が、通板方向の下流側に行くにつれてロール軸方向に順次シフトし、シフト量Yが一定値とされ、
前記ロールのディスクの幅を一定値A、該ロールのディスクとディスクの間の幅を一定値Bとすると、前記シフト量Yが(1)式の範囲にあることを特徴としている。
A<Y<(2A+B)/3 (1)
その際、YがA以下であると、隣接するロールのディスクが干渉する一方、Yが(2A+B)/3以上であると、上流側に配置されたディスクと下流側に配置されたディスクの間の隙間部の位置において鋼帯とディスクが接触する回数が減少し冷却ムラが大きくなる。
Y×m≒(A+B)/2×(m−1) (2)
特許文献2記載のホットランテーブルでは、ロール列単位を圧延材幅方向に移動させると共に、ディスクの幅の異なる継続用ロールが必要となるが、本発明では、(2)式を満足することにより、1種類のユニットを連設させてホットランテーブルを構成することができる。
Y×n≒(A+B)/2×(n−1) (3)
ただし、n=m/2
(3)式を満足することにより、上記と同様、1種類のユニットを連設させてホットランテーブルを構成することができる。
これにより、線対称なロールの上流側に配置されるロールの一方の端部と他方の端部を反転させたものを、線対称なロールの下流側に配置することができる。
ディスクの幅方向センター位置をロール軸方向にシフトさせて冷却ムラ低減効果を追求していくと、ロールの種類が増加していく。しかし、ロールの端部を反転して使用することができれば、ロールの製作本数を約1/2に低減することができる。
本発明の一実施の形態に係るホットランテーブルでは、ホットランテーブル全長に亘って配置された複数のロールが、通板方向に連なる複数のユニットにグループ化されている。本実施の形態に係るホットランテーブル10を構成する1ユニット19の平面図を図1に示す。本実施の形態に係るホットランテーブル10では、この1種類のユニット19が通板方向に連設されている。なお、ユニットの定義は前述したとおりである。
なお、以降の説明では、便宜上、ディスク20を「大径部」と呼ぶことがある。また、ロール軸方向に隣接するディスク20とディスク20の間の部位を「小径部」と呼ぶ。
シフト量Yは(4)式の範囲でなければならず、本実施の形態では201mmとしている。
A<Y<(2A+B)/3 (4)
ロール13の大径部20とロール14の大径部20の間の隙間部を17c、ロール15の大径部20とロール16の大径部20の間の隙間部を17aとすると、ロール14の大径部20とロール15の大径部20の間の隙間部17は、図2(A)に示すように、3つの隙間部17a、17b、17cに分けて考えることができる。隙間部17a及び隙間部17cはY−A、隙間部17bは2A+B−3Yで表すことができる。
しかし、図2(B)に示すように、シフト量Yが大きくなり過ぎると、隙間部17aと隙間部17cがオーバーラップし、隙間部の位置において鋼帯と大径部20が接触する回数が減少し冷却ムラが大きくなる。
従って、隙間部17aと隙間部17cがオーバーラップしないように、隙間部17b=2A+B−3Y>0でなければならず、Y<(2A+B)/3となる。
Y×m≒(A+B)/2×(m−1) (5)
Y=201mm、m=7本、A=183mm、B=286mmであるから、これらの値を(5)式に代入すると、両辺とも1407となる。
(5)式を満足することにより、鋼帯幅方向にロール列単位で移動させることなく、1種類のユニット19を連設させてホットランテーブル10を構成することができる。
ユニット19では、線対称とされているロール16の1段上流側に配置されているロール15の端部を反転させたロール15’をロール16の1段下流側に配置し、ロール16の2段上流側に配置されているロール14の端部を反転させたロール14’をロール16の2段下流側に配置し、ロール16の3段上流側に配置されているロール13の端部を反転させたロール13’をロール16の3段下流側に配置している。
即ち、3本のロール12が、その一方の端部と他方の端部を反転して使用されている。
図4は、ホットランテーブルの鋼帯幅方向(ロール軸方向)の冷却均一性を比較したグラフである。図4(A)は従来のホットランテーブルの検討結果、図4(B)は本実施の形態に係るホットランテーブルの検討結果を示している。なお、従来のホットランテーブルも、本実施の形態に係るホットランテーブルと同様、大径部20の幅A183mm、小径部23の幅Bは286mmである。
また、谷の数は、ロール軸方向に関する谷の総和であり、従来のホットランテーブルにおける谷の数は9箇所(図11(A)参照)、本実施の形態に係るホットランテーブルにおける谷の数は31箇所(図5参照)である。
従来のホットランテーブルのように、ユニットが2本のディスクロールで構成されている場合、ホットランテーブル全長に亘り、谷の位置に大径部が存在しないため、谷の位置で鋼帯が大径部を通過する回数(min通過回数)は0回となり、谷を除く箇所において鋼帯が大径部を通過する回数(max通過回数)は97回である。従って、max通過回数/min通過回数は∞となる。
一方、本実施の形態に係るホットランテーブルのように、ユニットが7本のディスクロールで構成されている場合では、谷の位置に大径部が存在する個数は1ユニット当たり2個であるから、ホットラン全長では、谷の位置で鋼帯が大径部を通過する回数(min通過回数)は54回となる。また、谷を除く箇所において鋼帯が大径部を通過する回数(max通過回数)は83回である。従って、max通過回数/min通過回数は1.54となる。
このように、本実施の形態に係るホットランテーブルによれば、ユニット内において、鋼帯の通板方向に亘って滞水部が形成されない隙間部の発生を防止して、従来のホットランテーブルに比べて鋼帯幅方向の冷却均一性を向上させることができる。
Y×n≒(A+B)/2×(n−1) (6)
ただし、n=m/2である。
本変形例におけるロール本数mは8本、大径部の幅Aは130mm、小径部の幅Bは286mm、シフト量Yは156mmである。
Claims (4)
- 複数のディスクがロール軸方向に間隔をあけて設けられたロールの該ディスクが、隣接するロールのディスクとディスクの間に位置するように配置された、複数の前記ロールによって構成されるホットランテーブルにおいて、
5本以上の前記ロールから構成されるユニットが通板方向に連設されてなり、前記ユニット内の前記ディスクの幅方向センター位置が、ロール軸方向に関して全て異なっているホットランテーブルであって、
前記ユニット内の前記ディスクの幅方向センター位置が、通板方向の下流側に行くにつれてロール軸方向に順次シフトし、シフト量Yが一定値とされ、
前記ロールのディスクの幅を一定値A、該ロールのディスクとディスクの間の幅を一定値Bとすると、前記シフト量Yが(1)式の範囲にあることを特徴とするホットランテーブル。
A<Y<(2A+B)/3 (1) - 請求項1記載のホットランテーブルにおいて、前記ユニットを構成する前記ロールの本数をm(ただし、mは奇数)とすると、(2)式が成立することを特徴とするホットランテーブル。
Y×m≒(A+B)/2×(m−1) (2) - 請求項1記載のホットランテーブルにおいて、前記ユニットを構成する前記ロールの本数をm(ただし、mは4の倍数)とすると、(3)式が成立することを特徴とするホットランテーブル。
Y×n≒(A+B)/2×(n−1) (3)
ただし、n=m/2 - 請求項2又は3記載のホットランテーブルにおいて、前記ユニットを構成する前記ロールのうちの1本が、そのロール軸のセンターを通る通板方向仮想線に関して線対称とされていることを特徴とするホットランテーブル。
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JP2014258470A JP6350264B2 (ja) | 2014-12-22 | 2014-12-22 | ホットランテーブル |
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