JP6349877B2 - 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 - Google Patents
酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6349877B2 JP6349877B2 JP2014073130A JP2014073130A JP6349877B2 JP 6349877 B2 JP6349877 B2 JP 6349877B2 JP 2014073130 A JP2014073130 A JP 2014073130A JP 2014073130 A JP2014073130 A JP 2014073130A JP 6349877 B2 JP6349877 B2 JP 6349877B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- zinc oxide
- silicon oxide
- oxide
- coated zinc
- coated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Silicon Compounds (AREA)
Description
紫外線遮蔽剤は、ベンゾフェノン系、メトキシケイ皮酸系、ジベンゾイルメタン系等の有機系紫外線遮蔽剤や、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系紫外線遮蔽剤が一般に用いられている。
一方、無機系紫外線遮蔽剤は、それに含まれる無機粒子自体のバンドギャップに対応する波長の紫外線を吸収する効果と、無機粒子が有する屈折率に起因する散乱により紫外線を遮蔽することから、熱や長時間の紫外線照射による劣化が無く、耐候性、耐熱性等に優れており、幅広い波長領域の紫外線を遮蔽することができるという利点がある。
ところで、このような利点を有する無機系紫外線遮蔽剤においても、紫外線のみならず可視光線をも散乱することから、このような無機系紫外線遮蔽剤を化粧料等に大量に配合すると、白色っぽくなり易いという問題点があり、そこで、このような問題点に対応するために、無機系紫外線遮蔽剤を有機系紫外線遮蔽剤と適宜組合せて利用することが行われている。
例えば、粒子表面に接触している物質を酸化する光触媒活性を、酸化亜鉛と酸化チタンとで比較すると、酸化亜鉛の方が非常に低い。また、酸化亜鉛の屈折率は2.0であり、酸化チタンの屈折率2.7よりも低いので、ナノ粒子化した場合、透明性に優れたものとなる。そこで、酸化亜鉛が紫外線遮蔽剤として注目されている。
また、光触媒活性については、酸化亜鉛は酸化チタンと比べて非常に低いものではあるが、抑制することが望ましい。例えば、酸化亜鉛を平均粒子径が50nm以下となるようにナノ粒子化した場合、比表面積が増大することから光触媒活性が高くなる。
このように、酸化亜鉛粒子においては、亜鉛イオンの放出及び高い光触媒活性が特に顕著な問題点となる。
例えば、増粘剤として汎用されるカルボマー(カルボキシビニルポリマー)と酸化亜鉛を併用すると、溶出した亜鉛イオンとカルボマーのカルボキシレート基(COO−)とが反応することにより、カルボマーのゲル構造が破壊され、粘度が低下するという問題点がある。
例えば、酸化亜鉛をケイ酸ソーダ水溶液中に加えて懸濁状態にした後、水素イオン指数(pH)を7程度に保持することで、シリカ被覆酸化亜鉛を得る方法が提案されている(特許文献1)。
また、原料である酸化亜鉛を、有機基及びハロゲンを含まないケイ酸またはケイ酸を生成し得る前駆体、水、アルカリ及び有機溶媒を含有するシリカ被覆形成用組成物に接触させることにより、光触媒作用による耐候劣化のないシリカ被覆酸化亜鉛を得る方法が提案されている(特許文献2)。
また、酸化亜鉛粉末を、オルガノポリシロキサン類及びシリコーン化合物(但し、シラン化合物を除く)の少なくとも1種により非気相状態で被覆した後、酸化性雰囲気下にて600〜950℃の温度で焼成することにより、酸化ケイ素で被覆されている活性抑制型酸化亜鉛粉末を得る方法が提案されている(特許文献3)。
また、特許文献3に記載された方法では、酸化亜鉛粉末の表面をオルガノポリシロキサン類及びシリコーン化合物にて被覆した後、これらオルガノポリシロキサン類及びシリコーン化合物を酸化して酸化亜鉛粉末の表面に酸化ケイ素の被膜を形成するためには、600℃以上の高温で焼成する必要がある。しかしながら、この高温による焼成は、酸化亜鉛の結晶成長を促進することから、一次粒子径の小さい、例えば50nm以下のシリカ被覆酸化亜鉛に使用することは困難であるという問題点があった。
前記酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を水素イオン指数5の水溶液に0.05質量%となるように浸漬したときに、前記水溶液中に溶出する亜鉛の溶出率は60質量%以下であることが好ましい。
なお、以下の実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本発明の一実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛は、酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛であり、この酸化亜鉛粒子の平均粒子径は1nm以上かつ50nm以下であり、この酸化ケイ素被膜中のケイ素のQ3環境における存在比をQ3、Q4環境における存在比をQ4としたとき、Q3+Q4≧0.6かつQ4/(Q3+Q4)≧0.5である。
ここで、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均粒子径を上記の範囲に限定した理由は、平均粒子径が3nm未満では、粒子径が小さすぎるために、得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の表面エネルギーが高く、したがって、互いに凝集し易く、所望の形状及びサイズの酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を合成することが困難になるからであり、一方、平均粒子径が500nmを超えると、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛自体の透明性が低下し易くなり、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を化粧料等に用いた場合に、可視光線領域の透明性を損なう虞があるからである。
ここで、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛同士が凝集している場合には、この凝集体の凝集粒子径を測定するのではなく、この凝集体を構成している酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の粒子(一次粒子)を所定数測定し、平均粒子径とする。
ここで、亜鉛の溶出率を60質量%以下とした理由は、亜鉛の溶出率が60質量%を超えると、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛自体の安定性が低下し、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を化粧料に適用した場合に、溶出する亜鉛イオンが、有機系紫外線遮蔽剤、増粘剤等の水溶性高分子等と反応し、化粧料としての性能の低下、変色、粘度の増減等を生じさせるので好ましくないからである。
pH=5の緩衝液としては、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を分散させることのできる緩衝液であればよく、例えば、0.1Mフタル酸水素カリウム水溶液500mlと0.1M水酸化ナトリウム水溶液226mlを混合した後、水を加えて全体量を1000mlとした緩衝液が好適に用いられる。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛は、シリコーン樹脂にて表面処理されることにより、油相、特にシリコーン油への親和性が高くなり、よって、油中水型(W/O型)や水中油型(O/W)の化粧料への配合がより容易になる。
すなわち、シリコーン樹脂にて表面処理してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を油相に配合して、油中水型又は水中油型の化粧料とすることで、油中水型(W/O型)や水中油型(O/W)の化粧料における亜鉛イオンの溶出を抑制することができる。
「酸化亜鉛粒子」
この酸化亜鉛粒子の平均粒子径は、1nm以上かつ50nm以下であることが好ましく、より好ましくは5nm以上かつ50nm以下、さらに好ましくは10nm以上かつ40nm以下である。
この酸化亜鉛粒子の平均粒子径は、上述した酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と同様の方法、すなわち、この酸化亜鉛粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて観察した場合に、顕微鏡の視野から酸化亜鉛粒子を所定数、例えば、200個、あるいは100個を選び出し、これら酸化亜鉛粒子各々の最長の直線部分(最大長径)を測定し、これらの測定値を加重平均することにより求めることができる。
一般に、金属酸化物粒子の粒子径が光の波長よりも十分に小さい場合、即ち下記式
α=πD/λ ……(1)
(但し、α:粒径パラメーター、D:粒径、λ:光の波長)
にて、α<<1が成り立つ場合、一般にはα<0.4が成り立つ場合には、レイリー散乱となり、それよりも金属酸化物粒子の粒子径が大きい場合には、ミー散乱となる。
酸化ケイ素被膜は、後述する「ケイ素のQ3環境における存在比をQ3、Q4環境における存在比をQ4としたとき、Q3+Q4≧0.6かつQ4/(Q3+Q4)≧0.5」を満たすほど、縮合度の高いものであればよく、特に限定されない。
酸化ケイ素の縮合度については、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を、固体29Si MAS−核磁気共鳴(NMR)分光法によりNMRスペクトルを測定し、このNMRスペクトルのピーク面積比からQ0、Q1、Q2、Q3、Q4それぞれの環境に帰属されるシグナルの面積比を測定することで容易に知ることができる。
これらQ0、Q1、Q2、Q3、Q4それぞれの環境に帰属されるシグナルの面積比を、Q0、Q1、Q2、Q3、Q4と表記する。ただし、Q0+Q1+Q2+Q3+Q4=1である。
ここで、Q3+Q4≧0.6は満足するものの、Q4/(Q3+Q4)が0.5未満(Q4/(Q3+Q4)<0.5)の場合、または、Q4/(Q3+Q4)≧0.5は満足するものの、Q3+Q4が0.6未満(Q3+Q4<0.6)の場合には、酸化ケイ素被膜中の酸化ケイ素の縮合が十分に進行しておらず、したがって、緻密な被膜を得ることができず、その結果、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の亜鉛イオンの溶出抑制効果が十分に得られない虞があるので好ましくない。
本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の製造方法は、酸化亜鉛粒子を溶媒中に懸濁させて酸化亜鉛懸濁液とする酸化亜鉛懸濁液作製工程と、この酸化亜鉛懸濁液に、アルコキシシラン及び10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーのうちいずれか1種または2種以上と、触媒と、水とを添加して反応させる反応工程と、得られた反応物を200℃以上かつ550℃以下の温度にて熱処理する熱処理工程とを有する方法である。
酸化亜鉛粒子を溶媒中に懸濁させて酸化亜鉛懸濁液とする工程である。
ここで、酸化亜鉛粒子を懸濁させる溶媒としては、酸化亜鉛粒子を懸濁させることのできる溶媒であればよく、特には限定されないが、水の他、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類が好適に用いられる。
これらの溶媒は、1種のみ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この場合、必要に応じて分散剤を添加してもよい。
上記の酸化亜鉛懸濁液に、アルコキシシラン及び10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーのうちいずれか1種または2種以上と、触媒と、水とを添加し、30分以上かつ24時間程度撹拌して反応させる工程である。
ここで、アルコキシシラン及び10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーに限定した理由は、酸化ケイ素の縮合度の高い緻密な酸化ケイ素被膜を得るためである。
なお、アルコキシシランの替わりにケイ酸アルカリ金属塩を用いた場合、酸化ケイ素被膜中の酸化ケイ素の縮合度を向上させることが困難で、緻密な酸化ケイ素被膜を得ることができないので、好ましくない。
このテトラアルコキシシランは、下記の一般式(2)
Si(OR)4 ……(2)
(但し、Rはアルコキシル基(RO基)であり、これら4つのアルコキシル基(RO基)は、すべて同一であってもよく、一部または全部が異なったものであってもよい。)で表される。これらのアルコキシル基の炭素数は、1〜8であることが好ましい。
これらの中でも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランは、Siの含有量が多く、溶媒に分散した場合に濃度をコントロールし易いこと、加水分解・縮合反応性が高いことから、好適に用いることができる。
これらのテトラアルコキシシランは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようなテトラアルコキシシランのオリゴマーは、MKCシリケートMS51(三菱化学(株)社製)、メチルシリケート51(平均4量体)、メチルシリケート53A(平均7量体)、エチルシリケート40(平均5量体)、エチルシリケート48(平均10量体)(以上、コールコート社製)等として市販されている。
この酸触媒の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸等の有機酸が挙げられ、なかでも無機酸、特に、塩酸を好適に使用することができる。また、上記の酸触媒は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中で、アンモニア、有機アミン類、アンモニウムハイドロオキサイド類を好適に用いることができる。これらの塩基性触媒は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの触媒は、酸触媒、塩基性触媒のどちらを用いてもよいが、求電子反応である酸触媒を好適に用いることができる。
水は、テトラアルコキシシラン及び10量体以下のテトラアルコキシシランのオリゴマーのうちいずれか1種または2種以上を加水分解するのに必要な量以上、すなわち加水分解率100%以上となる量を添加すればよい。
上記の反応液を、常圧濾過、減圧濾過、加圧濾過、遠心分離等により固液分離することにより固形状の反応物が得られる。
上記の反応物を200℃以上かつ550℃以下の温度にて熱処理する工程である。
反応物の熱処理は、酸化ケイ素被膜の緻密化を促進するためには、250℃以上かつ500℃以下がより好ましく、300℃以上かつ500℃以下がさらに好ましい。
ここで、熱処理温度を200℃以上かつ550℃以下に限定した理由は、200℃未満では、十分に縮合した緻密な酸化ケイ素被膜が得られず、その結果、酸化亜鉛粒子から亜鉛イオンが溶出するのを抑制する効果が十分に得られない虞があるからである。一方、550℃を超えると、酸化ケイ素被膜が形成された酸化ケイ素被覆酸化亜鉛同士が結合して粗大粒子となったり、酸化亜鉛が粒成長したりする結果、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を配合した化粧料を使用した場合に、可視光領域で十分な透明性が得られない虞があるからである。
熱処理工程後の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛は、シリコーン樹脂を含有する溶媒に分散させる場合、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率がシリコーン樹脂を含む溶媒中に10質量%以上かつ40質量%以下、好ましくは25質量%以上かつ35質量%以下となるように混合するのが好ましい。この範囲で混合することで、生産効率を向上させることができる。
以上により、本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を作製することができる。
本実施形態の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物は、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、溶媒と、を含有している。
ここで、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均粒子径を上記の範囲に限定した理由は、平均粒子径が3nm未満では、粒子径が小さすぎるために、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の表面エネルギーが高く、したがって、互いに凝集し易く、所望の形状及びサイズを維持することが困難になるからであり、一方、平均粒子径が500nmを超えると、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛自体の透明性が低下し易くなり、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物を化粧料等に用いた場合に、可視光線領域の透明性を損なう虞や、きしみ等が生じて使用感が悪化する虞があるからである。
ここで、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率を1質量%以上かつ80質量%以下とした理由は、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率が1質量%未満では、この組成物が十分な紫外線遮蔽機能を示すことができなくなる虞があり、したがって、この組成物を化粧料等に配合する際に、所望の紫外線遮蔽機能を示すためには大量の組成物を添加する必要があり、製造コストが高くなる虞があるので好ましくない。一方、含有率が80質量%を越えると、組成物の粘性が増加して酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の分散安定性が低下し、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛が沈降し易くなる虞があるので好ましくない。
酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;
ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;
が好適に用いられる。
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;
シクロヘキサン等の環状炭化水素;
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン類;
も好適に用いられる。
アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン類;
も好適に用いられる。
これらの溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの増粘剤の中でも、好ましくは合成高分子であり、より好ましくはカルボマーである。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物におけるカルボマーの含有率が0.01質量%未満であると、増粘効果が得られない虞があるからであり、一方、カルボマーの含有率が10質量%を超えると、粘度が高くなり過ぎてしまい、使用上の観点から好ましくない。
また、無機酸化物や樹脂で被覆して表面活性を抑制した酸化亜鉛を用いた場合においても、多くの場合、数時間から数日のうちに低粘度化または分相が進行する。よって、カルボマーと酸化亜鉛を併用する場合、これらを含む混合物の粘度低下を抑制または低減することが問題点となる。
初期の粘度低下は、カルボマー水溶液の粘度を予め高めに調整すること等で対応することができるが、一定時間経過した後の中長期にて粘度が変化すると、流通段階で化粧料の性状が変化し、経時安定性を損なうこととなる。特に、無機酸化物や樹脂で表面処理を施した酸化亜鉛は、一定の溶出抑制効果を有していることから、中長期に亘って徐々に亜鉛イオンを溶出する虞があった。
また、従来、カルボマーを含む組成物の粘度変化に関する報告例は少なく、また、報告例があったとしても、室温にて7日程度の経時による粘度変化までしか抑制が確認されていなかった。
このように、促進条件下300時間後の粘度を初期粘度低下後の粘度にて割った値を上記範囲内とすることにより、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物の粘度を中長期に亘って維持することができる。
この透過率は、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を15質量%含有する酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物を、石英基板上にバーコーターにて塗布して、厚みが32μmの塗膜を形成し、この塗膜の分光透過率をSPFアナライザー UV−1000S(Labsphere社製)にて測定することにより求めることができる。
このような分散方法としては、公知の分散方法を用いることができる。例えば、攪拌機の他、ジルコニアビーズを用いたビーズミル、ボールミル、ホモジナイザー、超音波分散機、混練機、三本ロールミル、自転・公転ミキサー等が好適に用いられる。
分散処理に要する時間としては、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を上記の溶媒中に均一に分散されるのに十分な時間であればよい。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有シリコーン樹脂系組成物は、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛をシリコーン樹脂中に分散してなるシリコーン樹脂系組成物であり、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率を1質量%以上かつ80質量%以下、より好ましくは20質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上かつ60質量%以下としたシリコーン樹脂系組成物である。
このようなシリコーン樹脂としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン等の環状シロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の変性シリコーン、メチルトリメチコン等が挙げられる。
これらのシリコーン樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この分散剤としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、ジメチルシリコーン等の変性シリコーン;
陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等の界面活性剤;
オルガノアルコキシシラン、オルガノクロロシラン等のシランカップリング剤;
等を挙げることができる。
これらの分散剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
分散剤の添加量を上記の範囲内で調整することにより、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有シリコーン樹脂系組成物を単独で用いた場合においても、また、化粧料に直接混合した場合においても、肌に塗り広げて塗布した場合に透明性を十分に確保することができる。
また、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有シリコーン樹脂系組成物に、その特性を損なわない範囲で、さらに天然オイル、保湿剤、増粘剤、香料、防腐剤等を混合させてもよい。
油相には、高級アルコール及び高級脂肪酸の少なくとも一方が含有されることが好ましく、双方が含有されることがより好ましい。これらの成分が油相に含有されることで、ハリ感、保湿感が向上し、かつこれらの効果の持続性が向上する。
この油相には、必要に応じて油溶性防腐剤、紫外線吸収剤、油溶性薬剤、油溶性色素類、油溶性蛋白質類、植物油、動物油等を適宜混合してもよい。
このような分散方法としては、公知の分散装置を用いることができる。このような分散装置としては、例えば、攪拌機、ビーズミル、ボールミル、ホモジナイザー、超音波分散機、混練機、三本ロールミル、自転・公転ミキサー等が好適に用いられる。
分散処理に要する時間としては、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛が上記のシリコーン樹脂中に均一に分散されるのに十分な時間であればよい。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有水系組成物は、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛をアルコール類を含む水系分散媒中に分散してなる水系組成物であり、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率を1質量%以上かつ80質量%以下、より好ましくは20質量%以上かつ70質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上かつ60質量%以下含有するとともに、アルコール類を含む水系分散媒を5質量%以上かつ20質量%以下含有してなる水系組成物である。
特に、アルコール類の含有率を10質量%以上かつ20質量%以下とした場合には、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の水系組成物における分散性及び経時安定性を向上させることができるので好ましい。
この水溶性高分子は、分散剤及び粘度調整剤としての役割を有するとともに、水系組成
物に添加することによって酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の水系組成物中における分散性及び経時安定性も向上する。
ここで、水系組成物が水溶性高分子を含む場合のアルコール類の含有率を5質量%以上かつ20質量%以下とした理由は、含有率が5質量%未満では、アルコール類の含有量が少なすぎてしまうために、水溶性高分子がアルコール類に均一に浸潤できずに水分にて不均一に膨潤することとなり、その結果、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の分散性が低下して取扱いが困難となり、さらには水系組成物の経時安定性が低下するので、好ましくない。
また、含有率が20質量%を超えると、水系組成物全体の粘性が高くなり、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の分散安定性が低下するとともに、水系組成物の経時安定性も低下するので、好ましくない。
水の量を上記範囲で調整することにより、単独で用いても、あるいは化粧料に混合しても、肌に塗り広げて塗布した場合に透明性を十分に確保することができる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有水系組成物が得られる。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有水系組成物を水相として、油相と混合した乳化系組成物としてもよい。
本実施形態の化粧料は、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛及び上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物のうちいずれか一方または双方を基剤中に含有している。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を紫外線遮蔽用途で用いる場合には、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均粒子径は3nm以上かつ500nm以下のものを用いるのが好ましい。
また、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物を紫外線遮蔽用途で用いる場合には、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物に含まれる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均粒子径は3nm以上かつ500nm以下のものを用いるのが好ましい。
この化粧料に含まれる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均分散粒径は、10nm以上かつ1μm以下であることが好ましく、より好ましくは20nm以上かつ800nm以下、さらに好ましくは25nm以上かつ500nm以下である。
この有機系紫外線遮蔽剤としては、例えば、アントラニラート類、ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ショウノウ誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β'-ジフェニルアクリラート誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロナート誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾリン類、ビスベンゾアゾリル誘導体、p−アミノ安息香酸(PABA)誘導体、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体等が挙げられ、これらの群から選択される1種または2種以上を選択して用いることができる。
さらに、従来では処方が困難であった化粧水や日焼け止めジェル等の水系化粧料に、上記の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を配合することにより、紫外線遮蔽能、透明感及び使用感に優れた水系化粧料を得ることができる。
この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物は、亜鉛イオンの溶出が抑制されているので、水系分散体、水中油型(O/W型)分散体、油中水型(W/O)分散体、多層型(W/O/W型またはO/W/O)分散体等の化粧料、特にサンスクリーンに好適に用いることができる。また、ポリエステルやポリアミド等の樹脂フィルムに適用した場合には、樹脂フィルムの紫外線遮蔽剤としても好適に用いることができる。
さらに、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物は、カルボマーまたはカルボマー水溶液と混合することができるので、使用感に優れた水溶性組成物または非水溶性組成物を提供することができる。
酸化亜鉛粒子(平均粒子径25nm;住友大阪セメント製)とメタノールを混合し、次いで超音波分散し、酸化亜鉛の含有率が12.5質量%の酸化亜鉛メタノール懸濁液を調整した。
次いで、この酸化亜鉛メタノール懸濁液に、この酸化亜鉛メタノール懸濁液中の酸化亜鉛粒子に対して酸化ケイ素に換算して10質量%となるようにメチルシリケート51(コルコート社製)とメタノールと水とを混合した。次いで、この混合液に1Nの塩酸を加え、混合液を調製した。
この混合液中の酸化亜鉛の含有率は5質量%、メチルシリケート51と純水と塩酸のモル比は1:10:0.1であった。
反応後、遠心分離により固液分離を行い、得られた固形状の反応物を120℃にて乾燥し、生成物Aを得た。
次いで、この生成物Aを、500℃にて2時間、熱処理し、実施例1の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を得た。
メチルシリケート51(コルコート社製)の量を、酸化亜鉛粒子に対して酸化ケイ素に換算して20質量%となるようにした以外は、実施例1に準じて、実施例2の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を得た。
酸化亜鉛粒子(平均粒子径25nm;住友大阪セメント製)を、酸化亜鉛粒子(平均粒子径35nm;住友大阪セメント製)に替えた以外は、実施例1に準じて、実施例3の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を得た。
実施例1に準じて作製した熱処理を行っていない生成物Aを、比較例1の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とした。
酸化亜鉛粒子(平均粒子径35nm;住友大阪セメント製)と水を混合し、次いで超音波分散し、酸化亜鉛の含有率が10質量%の酸化亜鉛水性懸濁液を調整した。
次いで、この酸化亜鉛水性懸濁液に、この酸化亜鉛水性懸濁液中の酸化亜鉛粒子に対して酸化ケイ素に換算して9質量%となるようにケイ酸ソーダ水溶液を添加し、強く撹拌した。得られた懸濁液のpHは6.5であった。
次いで、この懸濁液を濾過し、得られた固形物を水にて洗浄し、さらに、乾燥器を用いて105℃にて加熱乾燥し、比較例2の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を得た。
酸化亜鉛水性懸濁液中の酸化亜鉛粒子に対して酸化ケイ素に換算して17質量%となるようにケイ酸ソーダ水溶液を添加した以外は、比較例2に準じて、比較例3の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を得た。
比較例2に準じて得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を、500℃にて2時間、熱処理し、比較例4の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を得た。
比較例3に準じて得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を、500℃にて2時間、熱処理し、比較例5の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を得た。
メチルシリケート51(コルコート社製)の量を、酸化亜鉛粒子に対して酸化ケイ素に換算して25質量%となるようにした以外は、実施例1に準じて、生成物Xを得た。
次いで、この生成物Xを、乾燥機を用いて105℃にて加熱乾燥し、比較例6の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を得た。
実施例1〜3及び比較例1〜6各々の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の評価を行った。評価項目は次のとおりである。
(1)平均粒子径
酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察して100個を選び出し、酸化亜鉛各々の最長の直線部分(最大長径)を測定し、これらの測定値を加重平均して算出した。
酸化ケイ素被覆酸化亜鉛のIR評価を、JASCO FT/IR−670Plus(日本分光製)を用い、KBr法にて行った。ここでは、1000〜1200cm−1と、400〜600cm−1にSi−O−Si伸縮由来の吸収帯と酸化亜鉛由来の吸収帯がそれぞれ観測されたものを「○」とし、これらの吸収帯のうちいずれか一方または双方が観測されなかったものを「×」とした。
酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を、固体29Si MAS−核磁気共鳴(NMR)分光法によりNMRスペクトルを測定し、このNMRスペクトルのピーク面積比からQ0、Q1、Q2、Q3、Q4それぞれの環境に帰属されるシグナルの面積比Q0、Q1、Q2、Q3、Q4を算出した。
この酸化ケイ素被膜中のケイ素のQ3環境における存在比をQ3、Q4環境における存在比をQ4としたときのQ3+Q4の値と、Q4/(Q3+Q4)の値を算出し、Q3+Q4≧0.6を満たした場合を「○」、満たさなかった場合を「×」、またQ4/(Q3+Q4)≧0.5を満たした場合を「○」、満たさなかった場合を「×」とした。
酸化ケイ素被覆酸化亜鉛をpH=5の緩衝液に0.05質量%となるように分散し、1時間撹拌した後、固液分離を行い、液相の亜鉛濃度をICP発光分析装置にて測定した。
そして、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛中の亜鉛含有量(mol)のうち上記の液相に溶出した亜鉛イオン(mol)の比率を亜鉛溶出率(%)とした。
pH=5の緩衝液は、0.1Mフタル酸水素カリウム水溶液500mlと0.1M水酸化ナトリウム水溶液226mlを混合した後、水を加えて全体量を1000mlとすることにより作製した。
これらの評価結果を表1に示す。
実施例2、比較例5に準じて得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛、及び実施例1にて使用した酸化亜鉛粒子(平均粒子径25nm;住友大阪セメント製)、それぞれについてビタミンCとの混合安定性を評価した。
実施例2に準じて得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛3質量部と、アスコルビン酸3質量部と、水94質量部とを混合して混合液を作製し、室温で3時間撹拌した。
この混合直後の混合液と3時間撹拌後の混合液は、いずれも白色で、ほとんど変色が認められなかった。
実施例2にて使用した酸化亜鉛粒子(平均粒子径25nm;住友大阪セメント製)の替わりに比較例5に準じて得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を用いた以外は、実施例4と同様にしてビタミンCとの混合安定性を評価した。
得られた混合液の混合直後の色調は白色であったが、撹拌時間が進むにつれて変色し、3時間撹拌後の混合液はオレンジ色に変色していた。
実施例2に準じて得られた酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の替わりに実施例1にて使用した酸化亜鉛粒子(平均粒子径25nm;住友大阪セメント製)を用いた以外は、実施例4と同様にしてビタミンCとの混合安定性を評価した。
得られた混合液の混合直後の色調は白色であったが、撹拌時間が進むにつれて変色し、3時間撹拌後の混合液は鮮やかなオレンジ色に変色していた。
すなわち、実施例4の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛は、天然の美白剤等を使用するオーガニック化粧品にも好適であることが確認された。
Claims (7)
- 酸化亜鉛粒子と、前記酸化亜鉛粒子の表面を被覆してなる酸化ケイ素被膜と、を有する酸化ケイ素被覆酸化亜鉛であって、
前記酸化亜鉛粒子の平均粒子径は1nm以上かつ50nm以下であり、
固体29Si MAS−核磁気共鳴(NMR)分光法で測定した前記酸化ケイ素被膜中のケイ素のQ3環境における存在比をQ3、Q4環境における存在比をQ4としたとき、Q3+Q4≧0.6かつQ4/(Q3+Q4)≧0.5であることを特徴とする酸化ケイ素被覆酸化亜鉛。 - 前記酸化亜鉛粒子の含有率は50質量%以上かつ90質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛。
- 前記酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を水素イオン指数5の水溶液に0.05質量%となるように分散させ、1時間撹拌したときに、前記水溶液中に溶出する亜鉛の溶出率は60質量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛。
- 酸化亜鉛粒子を溶媒中に懸濁させて酸化亜鉛懸濁液とし、次いで、この酸化亜鉛懸濁液に、アルコキシシラン及び10量体以下のアルコキシシランのオリゴマーのうちいずれか1種または2種以上と、触媒と、水とを添加して反応させ、次いで、得られた反応物を250℃以上かつ550℃以下の温度にて熱処理することを特徴とする酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項記載の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、溶媒と、を含有してなることを特徴とする酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物。
- さらに増粘剤を含有してなることを特徴とする請求項5記載の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物。
- 請求項1ないし3のいずれか1項記載の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛及び請求項5または6記載の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物のうちいずれか一方または双方を基剤中に含有してなることを特徴とする化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014073130A JP6349877B2 (ja) | 2013-04-19 | 2014-03-31 | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013088864 | 2013-04-19 | ||
JP2013088864 | 2013-04-19 | ||
JP2013111009 | 2013-05-27 | ||
JP2013111009 | 2013-05-27 | ||
JP2014073130A JP6349877B2 (ja) | 2013-04-19 | 2014-03-31 | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015006976A JP2015006976A (ja) | 2015-01-15 |
JP6349877B2 true JP6349877B2 (ja) | 2018-07-04 |
Family
ID=52337600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014073130A Active JP6349877B2 (ja) | 2013-04-19 | 2014-03-31 | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6349877B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6349873B2 (ja) * | 2013-04-19 | 2018-07-04 | 住友大阪セメント株式会社 | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 |
WO2018025610A1 (ja) | 2016-08-04 | 2018-02-08 | 日本板硝子株式会社 | 酸化亜鉛含有複合粒子、紫外線遮蔽用組成物、及び化粧料 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3491983B2 (ja) * | 1994-08-24 | 2004-02-03 | 住友大阪セメント株式会社 | 表面処理した酸化亜鉛粉末 |
EP0957139B1 (en) * | 1996-10-23 | 2008-04-23 | Kanebo Cosmetics Inc. | Zinc oxide powder with suppressed activity and cosmetic preparation |
JP4582439B2 (ja) * | 2002-06-05 | 2010-11-17 | 昭和電工株式会社 | シリカ被覆酸化亜鉛含有粉末、それを含有する有機重合体組成物およびその成形品 |
JP4836232B2 (ja) * | 2005-07-07 | 2011-12-14 | テイカ株式会社 | シリカ被覆微粒子酸化チタンまたはシリカ被覆微粒子酸化亜鉛の製造方法 |
JP5137503B2 (ja) * | 2006-09-15 | 2013-02-06 | 株式会社日本触媒 | 化粧料用紫外線カット剤およびそれを用いた化粧料 |
-
2014
- 2014-03-31 JP JP2014073130A patent/JP6349877B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015006976A (ja) | 2015-01-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2014171322A1 (ja) | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 | |
JP6458737B2 (ja) | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 | |
WO2015152138A1 (ja) | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 | |
KR102414297B1 (ko) | 산화 규소 피복 산화 아연과 그 제조 방법 및 산화 규소 피복 산화 아연 함유 조성물과 화장료 | |
JP5942701B2 (ja) | 酸化亜鉛複合粉体及び酸化亜鉛複合粉体含有分散液並びに化粧料 | |
JP6349877B2 (ja) | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 | |
JP6349873B2 (ja) | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 | |
JP6859949B2 (ja) | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物、化粧料 | |
JP6349876B2 (ja) | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 | |
JP6349875B2 (ja) | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法及び酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 | |
KR20190103228A (ko) | 산화 규소 피복 자외선 차폐 입자, 산화 규소 피복 자외선 차폐 입자 함유 수계 조성물, 화장료 | |
JP2018111690A (ja) | 酸化ケイ素被覆紫外線遮蔽粒子、酸化ケイ素被覆紫外線遮蔽粒子含有水系組成物、化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160810 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170410 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170530 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170731 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20180109 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180409 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20180416 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180508 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180521 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6349877 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |