<第1実施形態>
図1は、本実施形態によるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10は、遊技の進行を制御するメイン制御手段60と、演出の出力を制御するサブ制御手段80とを備える。
メイン制御手段60は、役の抽選、リール31の駆動制御、入賞時の払出し、AT等を制御する。メイン制御手段60は、メイン制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
また、サブ制御手段80は、演出の選択・出力、ストップスイッチ42の操作情報の報知等を制御する。サブ制御手段80は、サブ制御基板(図示せず)上に設けられており、上記メイン制御基板と同様に、演算等を行うCPU、演出の出力に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
また、メイン制御基板とサブ制御基板は、別体で構成されるとともに、メイン制御基板からサブ制御基板に対し、遊技に関する情報(遊技結果等)を送信可能なように両者が電気的に接続されている。
図1に示すように、メイン制御手段60の入力側(図1中、左側)には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを当該遊技のために投入するときに操作するスイッチである。本実施形態でのベットスイッチ40は、max投入専用のスイッチであり、遊技者は、いずれの遊技状態においても、常に最大枚数のメダルを投入して遊技を行うようになっている。
なお、本実施形態では、特別遊技(MB遊技)以外の遊技では、3枚のメダルを投入して遊技を行い、特別遊技では2枚のメダルを投入して遊技を行うように設定されている。したがって、特別遊技以外の遊技でベットスイッチ40を操作したときは、3枚のメダルが投入され、特別遊技でベットスイッチ40を操作したときは、2枚のメダルが投入されるように設定されている。
また、メダル投入口43は、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルを投入することは、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
また、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
メイン制御手段60の出力側(図1中、右側)には、モータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。図2は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。図2では、図柄番号を併せて図示している。たとえば、左リール31において、図柄番号20番の図柄は、「ベル」である。
図2に示すように、本実施形態では、各リール31は、20コマに等分割され、各コマに所定の図柄が表示されている。
なお、図2に示すように、本実施形態では、「スイカ」は、異なる図柄である「スイカA」と「スイカB」とを備える。さらにまた、「BAR」は、異なる図柄である「黒BAR」と「白BAR」とを備える。
さらに、「ブランク」は、所定の図柄を有するものであり、当該コマに図柄が何も表示されていないという意味ではない。
また、図3は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、各リール31の位置関係と、有効ラインとを示す図である。
各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3つ(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計9個の図柄が見えるように配置されている。なお、各図柄の右下の数字は図柄番号を示している。
なお、本明細書では、図3中、左リール31の「スイカA」、中リール31の「リプレイ」、及び右リール31の「スイカB」の図柄が停止している位置を「上段」と称し、左、中及び右リール31の「ベル」の図柄が停止している位置を「中段」と称し、左リール31の「リプレイ」、中リール31の「スイカA」、及び右リール31の「リプレイ」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
さらにまた、図3に示すように、表示窓11から見える9個の図柄に対し、有効ラインが設定されている。
ここで、「有効ライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させる図柄組合せラインであり、かつ、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。本実施形態では、図3に示すように、水平方向中段の有効ライン(1本)のみが定められ、他の図柄組合せラインは、全て無効ラインとなっている。
たとえば、図3中、各リール31の上段を通過する図柄組合せラインや、左リール31の下段、中リール31の中段、及び右リール31の上段を通過する図柄組合せラインも考えられるが、このようなラインは、本実施形態では無効ラインとなっている。無効ラインは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
また、従来より、メダルの投入枚数に応じて有効ライン数が異なるスロットマシンが知られている。たとえば、メダル投入枚数が1枚のときは有効ラインは1本、メダル投入枚数が2枚のときは有効ライン数は3本、メダル投入枚数が3枚のときは有効ライン数は5本に設定すること等が挙げられる。これに対し、本実施形態では、遊技中は、2枚又は3枚のメダルを投入して遊技を行うとともに、すべての遊技において、常に水平方向中段の1本のみが有効ラインとなる。
さらに、図1において、サブ制御手段80の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、ドットディスプレイ、有機ELディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像や、ストップスイッチ42の押し順等を表示するものである。
図4及び図5は、本実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せを示す図である。
本実施形態の役は、大別して、特別役、小役、リプレイを有する。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(役が入賞する。以下同じ。)と、その役に対応する枚数のメダルが払い出される。
ただし、特別役の入賞時の払出し枚数は0枚に設定されている。また、リプレイは、メダルが自動投入される。さらに、小役(ベル)のうち、ベル01においては、特別遊技を除く遊技での払出し枚数は8枚であるが、特別遊技では2枚の払出しとなる。
小役は、図4及び図5に示すように、ベル、チェリー、スイカを備える。さらに、ベルは、ベル01〜ベル33の33種類を有する。また、チェリーは、中チェリーと角チェリーとを有する。なお、中チェリーにおける「ANY」とは、いずれの図柄でもよいこと(任意の図柄)を意味する。さらにまた、リプレイは、ノーマルリプレイ、ベルリプレイ(2種類)、特殊リプレイを有する。
ベル01は、いわゆる「ベル」揃いの図柄の組合せであり、ストップスイッチ42の押し順正解時(後述)に停止する図柄の組合せである。また、ベル02〜ベル33は、押し順不正解時に停止表示可能な図柄の組合せである。ベル02〜ベル25は、左リール31の図柄は「リプレイ」に設定されている。さらに、ベル02〜ベル07の右リール31の図柄は「赤7」、ベル08〜ベル13の右リール31の図柄は「青7」、ベル14〜ベル19の右リール31の図柄は「黒BAR」、ベル20〜ベル25の右リール31の図柄は「白BAR」である。
さらに、ベル02〜ベル25において、右リール31の図柄が同一であるベルについては、中リール31の図柄が、「スイカA」、「黒BAR」、「赤7」、「チェリー」、「青7」、又は「白BAR」のいずれかに設定されている。
さらにまた、ベル26〜ベル29については、中リール31の図柄は、「ベル」に設定されており、ベル30〜ベル33については、右リール31の図柄は、「ベル」に設定されている。
さらに、図4及び図5に示すように、ベル02〜ベル33の入賞時のメダル払出し枚数は、常に1枚に設定されている。
また、リプレイ(再遊技役)とは、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した(メダルを自動ベットする)再遊技が行えるようにした役である。
本実施形態のリプレイは、ノーマルリプレイ、2種類のベルリプレイ、及び特殊リプレイを備え、それぞれ図柄の組合せが異なる。
ベルリプレイとは、実際の入賞役は「リプレイ」であるが、遊技者には小役であるベルに見せるようにしたリプレイである。
上述したように、有効ラインは、「中段」−「中段」−「中段」であり、その他の一直線状のラインは、いずれも無効ラインに設定されている。
そして、ベルリプレイ1の当選時には、中段ライン(有効ライン)には、ベルリプレイ1に対応する図柄の組合せを停止させる。
ベルリプレイ1の当選時に、たとえば「リプレイ(14番)」−「スイカA(18番)」−「リプレイ(04番)」が中段ラインに停止したとする。なお、かっこ書きで示す番号は、図2の図柄番号である。これにより、中段ラインには、ベルリプレイの図柄の組合せである「リプレイ」−「スイカA」−「リプレイ」が停止したこととなるのでベルリプレイの入賞となる。さらに、この図柄の組合せの停止時に、「上段」−「上段」−「上段」の無効ラインには、「ベル(15番)」−「ベル(19番)」−「ベル(05番)」、すなわちベル揃いが停止する。
なお、図5に示すように、中リール31の停止時に、中段に「スイカB」又は「白BAR」が停止しても、上段ラインには上記と同様に常にベル揃いが停止する。
上記と同様に、ベルリプレイ2の当選時に、中段ライン(有効ライン)に、ベルリプレイ2に対応する図柄の組合せである「リプレイ」−「ベル」−「スイカA/スイカB」を停止させると、右下がりライン、すなわち「上段」−「中段」−「下段」には、常に、「ベル」揃いが停止する。たとえば、中段ラインに、「リプレイ(09番)」−「ベル(14番)」−「スイカB(01番)」が停止したときは、「上段」−「中段」−「下段」のライン上には、「ベル(10番)」−「ベル(14番)」−「ベル(20番)」が停止する。
そして、ベルリプレイの入賞時には、有効ラインである中段ライン上の図柄ではなく、「ベル」の図柄を点滅する等して、「ベル」(小役)が入賞したかのような演出を出力する。
さらに、ベルリプレイの入賞時に、直ちにメダルの自動ベットを行うと、リプレイの入賞に見えてしまうため、ベルリプレイの入賞と同時にたとえばフリーズを実行する。
ここで「フリーズ」とは、遊技の進行を、所定期間一時停止状態にして、遅延させることであり、たとえば、メダルの受付け、ベットスイッチ40の操作の受付け、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42の操作の受付け、又はリール31の停止操作の受付けに関する機能を一時停止状態にすることである。さらに、前記一時停止状態の間に、リール31が通常動作とは異なる動作をする等の演出期間として使用される(いわゆる擬似遊技を実行する)こともある。
本実施形態では、ベルリプレイの入賞と同時にフリーズを開始するとともに、その経過時間を計測する。そして、所定時間(たとえば20秒)を経過する前にベットスイッチ40が操作されたときは、そのベットスイッチ40の操作を契機としてフリーズを解除(キャンセル)する。メイン制御手段60は、フリーズを解除すると、ベルリプレイの入賞に基づくメダルの自動ベットを行うように制御する。
よって、3枚のメダルをベットして遊技を行い、ベルリプレイが入賞したとき、その入賞時から20秒を経過する前に遊技者がベットスイッチ40を操作したときは、3枚のメダルが自動ベットされる。これにより、遊技者に対し、ベットスイッチ40の操作により3枚のメダルがベットされた印象を与えることができるので、ベルリプレイを、擬似的にベル(小役)に見せることができる。
また、フリーズの解除は、ベットスイッチ40の操作時に限らず、遊技者によるメダル投入口43からのメダルの手入れ時に行うことも可能である。
ベルリプレイの入賞時に、遊技者は、ベルリプレイを小役であると認識していれば、3枚のメダルがクレジットに加算されると考える。したがって、その3枚のクレジットを用いて、ベットスイッチ40の操作により、次遊技を開始できると考える。
さらに、小役の入賞後、次遊技の開始前(スタートスイッチ41を操作する前)に、メダルを手入れベットして遊技を行うことは、当然に可能である。ここで、ベルリプレイの入賞後、次遊技の開始前に、遊技者がメダルを手入れしたときに、そのメダルを受け付けずに、払出し口から返却してしまうと、ベルリプレイを小役のように見せることができない。そこで、ベルリプレイの入賞時に、メダル投入口43からのメダルの手入れを検出したときに、フリーズを解除するとともに、そのメダルを受け付け、貯留するように制御する。
この場合、メダルセンサ(図示せず)によりメダルが検知された時にフリーズを解除するとともに、ベルリプレイの入賞に基づくメダルの自動ベットを行う。さらに、手入れされたメダルについては、貯留処理を行う。なお、メダルセンサが複数設けられている場合には、どのメダルセンサがメダルを検知したときにフリーズを解除してもよい。あるいは、スタートスイッチ41が操作されたときにフリーズを解除してもよい。
さらにまた、リプレイのうち、特殊リプレイは、ATを開始させるときに入賞させる(「赤7」揃いさせる)役である。特殊リプレイの当選時に、所定の押し順(本実施形態では、右中左)でストップスイッチ42を操作し、かつ、各リール31の「赤7」図柄を有効ラインに停止するように目押しすると、有効ライン上に「赤7」揃いが停止するように設定されている。
また、特別役は、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。本実施形態では、図5に示すように、特別役として、MB(ミドルボーナス。第2種ビッグボーナス(2BB)ともいう。)のみが設けられている。
なお、特別役としては、他に、1BB(第1種ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
MBが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技に相当するMB遊技に移行する。
なお、上記の1BBやRBの入賞によってそれぞれ移行する1BB遊技及びRB遊技は、出玉率が1を超えるように設定されていることで、通常遊技以上にメダル獲得が期待できる、遊技者にとって有利な遊技である。
これに対し、本実施形態のMBは、MB遊技でメダルを増加させることを直接の目的としたものではなく、MBに当選した後、入賞前の遊技状態(内部中)を作り出すことを主目的とする。
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役は、特別役であるMBである。MBに当選したときは、MBが入賞するまでの遊技において、MBの当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
一方、MBの当選は持ち越されるのに対し、MB以外の小役及びリプレイは、持ち越されない。役の抽選において、小役又はリプレイに当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが入賞可能にリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
なお、特別役(MB)に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役が入賞していない遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60に入力される。メイン制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向に移動表示される。
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60に入力される。メイン制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
そして、すべてのリール31の停止時における図柄の組合せにより、当該遊技の遊技結果を表示する。さらに、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
次に、メイン制御手段60の具体的構成について説明する。
図1に示すように、メイン制御手段60は、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、メイン制御手段60は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
役抽選手段61は、役(上述した特別役、リプレイ、及び小役)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、たとえば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
乱数発生手段は、所定の領域(たとえば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、たとえば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。たとえば、抽出した乱数値がMBの当選領域に属する場合は、MBの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。役抽選テーブル62は、遊技状態ごとに設けられ、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
図6は、各遊技状態で抽選される当選役の種類を示す図である。
ここで、本実施形態の「遊技状態」としては、通常遊技と特別遊技とを有する。通常遊技は、MBの非内部中遊技と内部中遊技とを有する。さらに非内部中遊技は、非RT(リプレイの当選確率が通常確率の遊技)であり、内部中遊技は、RT(リプレイの当選確率が高確率の遊技)である。内部中遊技におけるリプレイの当選確率(合算値)は、約47%である。
また、非内部中遊技は、常に非ATであり、ATである場合はない。さらにまた、内部中遊技は、非ATであるときと、ATであるときとを有する。また、MB遊技は、上述のように特別遊技である。
そして、各遊技状態ごとに役抽選テーブル62が設けられているとともに、抽選される役の種類や当選確率が設定されている。
まず、非内部中遊技では、MBが抽選される。そして、MBに当選したときは、次遊技から内部中遊技に移行する。内部中遊技に移行すると、MBは抽選されない。
特別遊技以外の遊技状態では、リプレイの当選として、4種類を有する。そして、非内部中遊技では、ノーマルリプレイのみが抽選される。これに対し、内部中遊技では、4種類のリプレイすべてが抽選される。
また、小役の当選の種類としては、第1に、複合ベルA1〜複合ベルD3の12種類を有し、いずれも複数種類のベルが重複当選するものである。そして、これらの各当選確率は1/24であり、合算の当選確率は1/2に設定されている。
内部中遊技は、複合ベル合算の当選確率が1/2、リプレイ合算の当選確率が約47%であり、他の小役の当選確率を含めると、非当選確率は、ほぼ「0」(極めて低確率)に設定される。
また、MB遊技では、すべての役の抽選が行われない。なお、リプレイについては抽選を行うことも可能である。後述するように、MB遊技では、すべての小役の当選フラグがオンとなり、いずれかの小役が入賞可能な遊技状態となる。
図7は、重複当選の種類、内容、及び押し順との関係を示す図である。
まず、リプレイ重複当選は、ノーマルリプレイと特殊リプレイとの重複当選である。そして、このリプレイ重複当選時には、右中左の押し順(逆押し)でストップスイッチ42が操作されたことを条件として、特殊リプレイが入賞可能となる(本実施形態では常に入賞する)。一方、それ以外の5通りの押し順では、常にノーマルリプレイが入賞し、特殊リプレイは入賞しない。
また、複合ベルA1〜D3は、いずれも、5種類のベル(ベル01〜ベル33のいずれか)の重複当選であり、いずれの複合ベルも、ベル01の当選を含む。
さらにまた、たとえば複合ベルA1では、ベル02及びベル03の当選を含むが、ベル02及びベル03の中リール31に係る図柄は、図4に示すようにそれぞれ「スイカA」と「黒BAR」である。
同様に、複合ベルA2では、ベル04及びベル05の当選を含むが、ベル04及びベル05の中リール31に係る図柄は、図4に示すようにそれぞれ「赤7」と「チェリー」である。
さらに同様に、複合ベルA3では、ベル06及びベル07の当選を含むが、ベル06及びベル07の中リール31に係る図柄は、図4に示すようにそれぞれ「青7」と「白BAR」である。
他の複合ベルについても上記と同様に、たとえば複合ベルB1においては、ベル08とベル09の中リール31の各図柄は、「スイカA」と「黒BAR」である。
また、図7に示すように、各複合ベルには、正解押し順が割り当てられている。
具体的には、複合ベルA1〜A3の正解押し順は、中左右であり、複合ベルB1〜B3の正解押し順は、中右左である。さらにまた、複合ベルC1〜C3の正解押し順は、右左中であり、複合ベルD1〜D3の正解押し順は、右中左である。
たとえば複合ベルA1では、中左右の押し順が正解押し順であり、他の5通りの押し順は不正解押し順となる。そして、正解押し順のときは、ベル01を常に入賞させる。これに対し、不正解押し順の場合において、順押し(左第一停止時。順挟みを含む。以下同じ。)のときは、ベル02又はベル03を入賞可能とし、変則押し(中又は右第一停止を指す。以下同じ。)のときは、ベル26又はベル27を入賞させる。
これらのリール停止制御については、後述する。
説明を図1に戻す。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、すべての役について、各役ごとに当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選においていずれかの当選となったときは、当該当選に対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。
たとえば、非内部中遊技において、複合ベルA1に当選したときは、ベル01、02、03、26、27(合計5個)に係る当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフとなる。
さらに、上述したように、特別役以外の小役及びリプレイの当選は持ち越されないので、当該遊技で小役又はリプレイに当選し、これらの役の当選フラグ63aがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグ63aがオフにされる。
これに対し、MBの当選は持ち越されるので、当該遊技でMBに当選し、当選したMBに係る当選フラグ63aが一旦オンになったときは、そのMBが入賞するまでオンの状態が維持され、そのMBが入賞した時点でオフにされる。
たとえば役抽選手段61でMBに当選し、当該遊技でMBが入賞しなかった場合において、次遊技(内部中遊技)で複合ベルA1に当選したときは、前遊技で当選したMB、及び当該遊技で当選したベル01、02、03、26、27(合計6個)の当選フラグ63aがオンにされる。そして、この遊技でMBが入賞しなかったときは、MBの当選フラグ63aのオンの状態は維持される。これに対し、当該遊技での遊技結果(入賞/非入賞)にかかわらず、当該遊技の終了時に複合ベルA1に係る5個の当選フラグ63aはオフにされる。
図1において、リール制御手段64は、リール31の回転開始命令を受けたとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたときに、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段64は、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
たとえば、リール制御手段64は、少なくとも1つの当選フラグ63aがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグ63aがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグ63aがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでの時間又はリール31の回転量(移動コマ(図柄)数)の範囲内を意味する。
本実施形態では、リール31は、定速時は1分間で約80回転する速度で回転される。
そして、MB遊技以外の遊技では、ストップスイッチ42が操作されたときは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が190ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動コマ数が4コマに設定されている。
また、MB遊技中の左リール31については、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が75ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動コマ数が1コマに設定されている。なお、MB遊技中の中及び右リール31については、上記と同様に190ms以内(最大移動コマ数が4コマ)に設定されている。
そして、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間に、リール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが所定の有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が所定の有効ラインに停止するように制御される。
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が所定の有効ラインに停止しないときには、リール31を停止させるまでの間に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄をできる限り所定の有効ラインに停止させるように制御する(引込み停止制御)。
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように制御する(蹴飛ばし停止制御)。
さらに、複数の役に当選している遊技では、入賞させる役の優先順位が予め定められており、所定の優先順位によって、最も優先する図柄の引込み停止制御を行う。
さらに、リール制御手段64は、ストップスイッチ42の押し順(操作順番)を検出する押し順検出手段64aを備える。押し順検出手段64aは、遊技者によりストップスイッチ42が操作されたときに、左、中、及び右ストップスイッチ42のうち、いずれが操作されたかを検出する。
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号が押し順検出手段64aに入力される。この信号を判別することで、押し順検出手段64aは、どのストップスイッチ42が操作されたかを検出する。
さらに、本実施形態では、非AT中(後述するAT準備中を除く)は、最初に操作すべき(第一停止の)ストップスイッチ42は、左(順押し)と定めている(左第一停止指示)。そして、左第一停止指示中に、中又は右第一停止(変則押し)でストップスイッチ42が操作されたときは、たとえば所定遊技回数の間、ペナルティ期間に設定する。
これにより、遊技者は、変則押し(第一停止が中又は右)の押し順報知が行われたとき以外は、常に左第一停止として遊技を消化する。
なお、AT中に押し順報知が行われた場合において、その報知内容が中又は右第一停止であるときはペナルティは設定されない。
また、変則押し時に設定するペナルティは、種々挙げられるが、本実施形態では、ペナルティ期間中は、AT抽選を行わないこと、及び当選役の報知を行わないことに設定されている。
停止位置決定テーブル65は、当選フラグ63aのオン/オフの状態ごと、すなわち役抽選手段61による役の抽選結果ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。そして、各停止位置決定テーブル65には、たとえば01番の図柄(左リール31であれば「スイカA」)が中段(有効ライン)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を中段に停止させる、というように停止位置が事前に定められている。
停止位置決定テーブル65は、以下のものを備える。
MBテーブルは、MBの当選フラグ63aのみがオンであるとき、すなわち当該遊技でMBに当選したとき、又は当該遊技以前にMBに当選し、かつ当該遊技で非当選であるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、MBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、MB以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
本実施形態では、MBに係る図柄は、すべてのリール31において「ブランク」である(図5)。さらに、「ブランク」は、左及び右リール31では1個、中リール31には2個設けられている。したがって、遊技者は、「ブランク」が有効ラインに停止するタイミングでストップスイッチ42を操作しなければ、「ブランク」を有効ラインに停止させることはできない。
ここで、上記のように、適切なリール31の位置で(対象図柄を最大移動コマ数の範囲内において停止可能な操作タイミングで)ストップスイッチ42を操作しなければ、対象図柄を有効ラインに停止させる(有効ラインまで引き込む)ことができないことを、「PB(引込み率)≠1」と称する。
これに対し、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31がどの位置であっても(ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず)、対象図柄を常に有効ラインに停止させる(引き込む)ことができることを、「PB=1」と称する。
そして、「PB=1」は、その役について、全リール31がそのようになっている場合と、特定の(一部の)リール31についてのみそのようになっている場合とを有する。
上述したように、第1実施形態では、最大移動コマ数は「4」であるので、5図柄以内の間隔で対象図柄が配列されているときは、「PB=1」となり、5図柄を超える間隔で配列されているときは、「PB≠1」となる。
さらに、本実施形態では、非内部中遊技におけるMB当選時の遊技、又はMB内部中遊技における役の非当選時の遊技、すなわちMBが入賞可能な遊技では、右中左の押し順でストップスイッチ42が操作されたときに限り、MBの入賞を許可する。それ以外の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、MBは入賞しない(役の非入賞となる)。
また、非内部中遊技におけるMB当選時の遊技は、常に非ATであるので、押し順報知が行われることはない。したがって、遊技者は、ペナルティとならないように左第一停止でストップスイッチ42を操作するので、当該遊技でMBが入賞することはない。
さらにまた、内部中遊技においても、非AT中は、左第一停止でストップスイッチ42を操作するので、当該遊技でMBが入賞することはない。
さらに、内部中遊技において、AT中であって、MBが入賞可能となった遊技では、左第一停止となる(ダミーの)押し順を報知する。これにより、MBの入賞を回避し、役の非当選時には、当選しているMBを入賞させないようにする。
また、MBの入賞を回避する方法として、たとえば、遊技者に対して所定の目押しを行わせることにより、当選しているMBの入賞を回避させる方法が挙げられる。たとえば、MBが入賞可能となった遊技では、左リール31について、「「赤7」を狙え!」等を報知し、左リール31の2番の「ブランク」が有効ラインに停止させないようにする報知を行うことが挙げられる。
あるいは、左及び中リール31の停止時には何ら報知を行わず、「ブランク」−「ブランク」−「回転中」となってMBのテンパイ形を形成したときに限り、右リール31について報知を行う(たとえば、「「赤7」を狙え!」等)ことも考えられる。
これに反し、MBを入賞させてしまったときは、ペナルティを課すようにしてもよい。たとえば、MB遊技の終了後は、所定遊技回数の間、ATの抽選を行わないことが挙げられる。
複合ベルA1テーブルは、複合ベルA1の当選となったとき(ベル01、02、03、26、27の各当選フラグ63aオン時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順及び操作タイミングに応じて、当選したベルを入賞させる又は入賞可能となるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
また、複合ベルA2〜D3の当選となったときの停止位置決定テーブル65として、それぞれ複合ベルA2テーブル〜複合ベルD3テーブルが設けられている。
なお、後述する図10〜図14(第2実施形態)では、複合ベルA1当選時に用いられる停止位置決定テーブル65の具体例を示している。したがって、停止位置決定テーブル65についての具体例は、後述の第2実施形態において説明する。
ここで、複数の役が同時に当選(重複当選)している場合のリール31を停止制御する方法として、「枚数優先」と「個数優先」とが挙げられる。
「枚数優先」とは、重複当選している役のうち、払出し枚数の最も多い役に係る図柄を優先して有効ラインに停止させる(引き込む)ように、リール31の停止位置を定めている。
一方、「個数優先」とは、リール31の停止時に、その図柄を有効ラインに停止させたときに入賞可能となる役の数が最も多くなるように、リール31の停止位置を定めている。
本実施形態では、複合ベルA1の当選時は、8枚役のベル01、1枚役のベル02及び03、同じく1枚役のベル26及び27の重複当選となる。
複合ベルの当選時は、8枚役のベル01と、1枚役の4種類のベルとの重複当選になることは、他の複合ベルについても同様である。
そして、本実施形態では、いずれかの複合ベル当選時において、ストップスイッチ42の押し順が正解押し順であるときは枚数優先に基づく停止制御を行い、押し順が不正解押し順であるときは個数優先に基づく停止制御を行う。
以下、複合ベルA1当選時を例に挙げ、停止制御について説明する。
図7に示すように、複合ベルA1では、正解押し順は「中左右」である。したがって、中第一停止のときは、最初のストップスイッチ42の押し順は正解であるから、リール制御手段64は、中段に「ベル」の図柄を停止させるように制御する。
次に、左第二停止のときは、2番目のストップスイッチ42の押し順も正解であるから(6択押し順の場合には、第二停止で押し順正解が確定する)、リール制御手段64は、中段に「ベル」の図柄を停止させるように制御する。
最後の右第三停止時は、左及び中リール31と同様に、中段に「ベル」の図柄を停止させるように制御する。これにより、有効ラインにはベル01の図柄の組合せが停止するので、ベル01の入賞となり、通常遊技であれば8枚の払出しとなる。
一方、複合ベルA1当選時に、押し順不正解の場合において、左第一停止時は、個数優先を行うことにより、ベル02又はベル03を入賞可能に制御する。
左第一停止において、左リール31の「ベル」は、ベル01に係る図柄である。これに対し、左リール31の「リプレイ」は、ベル02及び03に係る図柄である。したがって、左リール31の停止時に、「ベル」を有効ラインに停止させると、その時点で入賞可能となる役の数は1個(ベル01)であるが、「リプレイ」を有効ラインに停止させると、その時点で入賞可能となる役の数は2個(ベル02及び03)となる。したがって、個数優先では、「リプレイ」の図柄を有効ラインに停止させる。
なお、左リール31の「リプレイ」は、「PB=1」であるので、左ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず常に停止させることができる。
また、左リール31の停止時に「リプレイ」を停止させると、左リール31の図柄が「リプレイ」でない図柄となっているベル01、26、27は、その時点で非入賞が確定する。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル02に係る「スイカA」又はベル03に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。
ここで、図2に示すように、中リール31において、ベル02又はベル03に係る図柄である「スイカA」又は「黒BAR」は、17番及び18番に配置されている。
そして、たとえば17番の「黒BAR」を有効ラインに停止させるためには、13番〜17番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。
同様に、18番の「スイカA」を有効ラインに停止させるためには、14番〜18番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。したがって、複合ベルA1当選時の順押し時(押し順不正解時)は、左リール31については「PB=1」であるが、中リール31については、「PB≠1」である。
なお、13番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、17番の「黒BAR」のみが有効ラインに停止可能であり、18番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、18番の「スイカA」のみが有効ラインに停止可能である。一方、14番〜17番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、「黒BAR」及び「スイカA」のいずれも有効ラインに停止可能である。
一方、17番の「黒BAR」又は18番の「スイカA」が有効ラインに停止可能なタイミング以外のタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、17番の「黒BAR」又は18番の「スイカA」を有効ラインに停止させることができないので、その時点で、ベル02又はベル03の非入賞が確定する。
また、ベル02又はベル03の右リール31に係る図柄は、「赤7」であり、12番に配置されている。そして、右リール31において、12番の「赤7」を有効ラインに停止させるためには、08番〜12番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に右ストップスイッチ42を操作する必要がある。一方、12番の「赤7」を有効ラインに停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、その時点で、ベル02又はベル03の非入賞となる。
一方、中リール31の停止時には「スイカA」又は「黒BAR」が有効ラインに停止したが、右リール31の停止時には「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、右リール31の停止時には、有効ライン(中段)に「ベル」を停止させる。右リール31において、「ベル」は、5図柄以内の間隔で配置されているので、常に有効ラインに停止させることができる。
また、左リール31の停止時に有効ラインに「リプレイ」を停止させた後、中第二停止時に、「スイカA」又は「黒BAR」のいずれも有効ラインに停止させることができないときは、他の役の図柄の組合せが有効ラインに停止しないことを条件に、どの図柄を有効ラインに停止させてもよい。
たとえば、中リール31の停止時には「ベル」を有効ライン(中段)に停止させることが挙げられる。
一方、この場合には、中リール31の停止時点で、複合ベルA1に係る当選役の非入賞が確定する。したがって、右リール31の停止時には、他の役の図柄の組合せが有効ラインに停止しない限り、どのような図柄を有効ラインに停止させてもよいが、たとえば「リプレイ」を中段に停止させることが挙げられる。右リール31の「リプレイ」は、「PB=1」の図柄配置であるので、常に停止させることができる。これにより、複合ベルA1当選時において、中及び右リール31の双方を取りこぼしたときの役の非入賞時は、「リプレイ」−「ベル」−「リプレイ」となる。そして、この図柄の組合せを、複合ベル当選時の1枚ベル取りこぼし出目としてもよい。
なお、複合ベルA1当選時に、左中右の押し順であり、中リール31の停止時点で役の非入賞が確定したときは、右リール31の停止時に、たとえば複合ベルA1の当選役であるベル02又はベル03に係る「赤7」の図柄が有効ラインに停止可能であるときは、「赤7」を停止させてもよい。
また、複合ベルA1の当選時に、左右中の順(順挟み)でストップスイッチ42が操作されたときは、上述の左中右の押し順時と同様の停止制御を、中及び右リール31に対して行う。
一方、複合ベルA1当選時において、AT中は、正解押し順である「中左右」が報知され、かつ、非AT中は、左第一停止と定めている。したがって、一般には、非ATでは、「中右左」や、「右第一停止」の押し順は、想定されない。しかし、遊技者のストップスイッチ42の操作ミス等でそのような押し順となったときは、以下のように制御する。
まず、ストップスイッチ42の押し順が「中右左」である場合において、中第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、中リール31の停止時には有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、右第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて右リール31を停止する。右リール31の停止時に、「ベル」を中段に停止させると、その時点で入賞可能性を有する役は、ベル01(1個)となるが、「リプレイ」を中段に停止させると、その時点で入賞可能性を有する役は、ベル26又はベル27(2個)となる。よって、ベル26又はベル27の入賞を優先し、「リプレイ」を中段に停止させる。
そして、最後の左リール31の停止時には、ベル26に係る「スイカA」、又はベル27に係る「ブランク」を有効ラインに停止させる。
ここで、図2に示すように、左リール31においては、5図柄以内の間隔で、「スイカA」又は「ブランク」のいずれかが配置されている。したがって、左リール31において、ベル26又はベル27に係るいずれかの図柄は、「PB=1」の配置である。
以上より、中右左の押し順では、常に、ベル26又はベル27を入賞させることができる。ただし、ベル26又はベル27は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
なお、非AT中において、複合ベルA1当選時に中右左の押し順でストップスイッチ42を操作したときは、ペナルティとなる。
次に、複合ベルA1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「右第一停止」である場合においては、右第一停止時点で、押し順不正解となる。そして、押し順不正解であるので、個数優先によりリール31を停止制御する。ここで、右リール31の停止時に中段に「赤7」を停止させると、入賞可能性のあるベルは、ベル02又はベル03の2個となり、「リプレイ」を停止させると、入賞可能性のあるベルは、ベル26又はベル27の2個となる。このように、個数優先時に入賞可能性を有する役の数が同一となる場合には、いずれを優先してもよく、いずれを優先するかを予め定めておけばよい。仮に、ベル02又はベル03を優先するのであれば、左第一停止時と同様に、各リール31を停止制御する。
これに対し、ベル26又はベル27を優先するのであれば、右リール31の停止時には「リプレイ」(右リール31では「PB=1」)を有効ラインに停止させる。そして、左リール31の停止時には「スイカA」又は「ブランク」を有効ラインに停止させ、中リール31の停止時には「ベル」を有効ラインに停止させる。これにより、右第一停止時には、上述の中右左の押し順時と同様の停止制御となり、「PB=1」でベル26又はベル27が入賞する。
次に、複合ベルA2当選時について説明する。複合ベルA2では、正解押し順は「中左右」である。したがって、中第一停止のときは、最初のストップスイッチ42の押し順は正解であるから、リール制御手段64は、有効ラインに「ベル」を停止させる。
次に、左第二停止のときは、2番目のストップスイッチ42の押し順も正解であるから、リール制御手段64は、有効ラインに「ベル」を停止させる。
最後の右第三停止時は、左及び中リール31と同様に、有効ラインに「ベル」を停止させる。これにより、有効ラインにはベル01の図柄の組合せが停止する。よって、個々のリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様となる。
一方、複合ベルA2当選時に、押し順不正解の場合において、左第一停止時は、個数優先を行うことにより、ベル04又はベル05を入賞可能に制御する。
左第一停止において、左リール31の「ベル」は、ベル01に係る図柄である。これに対し、左リール31の「リプレイ」は、ベル04及びベル05に係る図柄である。したがって、左リール31の停止時に「ベル」を有効ラインに停止させると入賞可能となる役の数は1個(ベル01)となり、「リプレイ」を有効ラインに停止させると入賞可能となる役の数は2個(ベル04及びベル05)となる。したがって、個数優先では、「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
また、左リール31の停止時に「リプレイ」を停止させると、左リール31の図柄が「ベル」でない図柄となっているベル01、26、27は、その時点で非入賞が確定する。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル04に係る「赤7」又はベル05に係る「チェリー」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」又は「チェリー」を停止させる。
ここで、図2に示すように、中リール31において、ベル04又はベル05に係る図柄である「赤7」と「チェリー」は、それぞれ12番と11番に配置されている。
そして、「赤7」又は「チェリー」を有効ラインに停止させるためには、07番〜12番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。したがって、複合ベルA2当選時の順押し時(押し順不正解時)は、左リール31については「PB=1」であるが、中リール31については、「PB≠1」である。
なお、07番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、11番の「チェリー」のみが有効ラインに停止可能であり、12番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、12番の「赤7」のみが有効ラインに停止可能である。一方、08番〜11番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、「チェリー」及び「赤7」のいずれも有効ラインに停止可能である。
最後の右リール31については、複合ベルA1当選時と同様に、「赤7」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させることができない。
中リール31の停止時に「赤7」又は「チェリー」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、複合ベルA1当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
さらに、ストップスイッチ42の押し順が「中右左」又は「右第一停止」であるときは、上述した複合ベルA1当選時と同様である。
複合ベルA3当選時において、押し順正解時の停止制御は、複合ベルA1と同様である。また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル06又はベル07を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル06に係る「青7」又はベル07に係る「白BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「青7」又は「白BAR」を停止させる。
ここで、図2に示すように、中リール31において、ベル06又はベル07に係る図柄である「青7」と「白BAR」は、それぞれ06番と03番に配置されている。
そして、「青7」又は「白BAR」を有効ラインに停止させるためには、19番〜20番、又は01番〜06番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。したがって、複合ベルA3当選時の順押し時(押し順不正解時)は、左リール31については「PB=1」であるが、中リール31については、「PB≠1」である。
なお、19番〜20番、及び01番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、03番の「白BAR」のみが停止可能であり、04番〜06番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、06番の「青7」のみが停止可能である。02番又は03番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、03番の「白BAR」及び06番の「青7」のいずれの図柄も有効ラインに停止可能である。
最後の右リール31については、複合ベルA1当選時と同様に、「赤7」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させることができない。
中リール31の停止時に「青7」又は「白BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、複合ベルA1当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
さらに、ストップスイッチ42の押し順が「中右左」又は「右第一停止」であるときは、上述した複合ベルA1当選時と同様である。
複合ベルB1当選時において、正解押し順は、中右左であり、複合ベルB1当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、複合ベルA1と同様にベル01を入賞させるように制御する。
また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル08又はベル09を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル08に係る「スイカA」又はベル09に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。このときのリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様である。
最後の右リール31については、ベル08又はベル09に係る図柄は「青7」であるので、図2中、07番の「青7」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは「青7」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「青7」を有効ラインに停止させることができない。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「青7」を有効ラインに停止させることができないときは、他の複合ベル当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
また、複合ベルB1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「中左右」である場合において、中第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、左第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて左リール31を停止する。すなわち、ベル28又はベル29の入賞を優先するように制御する。これにより、ベル01よりもベル28又はベル29の入賞が優先されるので、左リール31の停止時には「スイカA」(左リール31ではPB=1)を有効ラインに停止させる。
また、最後の右リール31については、「チェリー」又は「ブランク」を有効ラインに停止させる。図2に示すように、右リール31においては、5図柄以内の間隔で、「チェリー」又は「ブランク」のいずれかが配置されている。したがって、右リール31において、ベル28又はベル29に係るいずれかの図柄は、「PB=1」の配置である。
以上より、複合ベルB1当選時の中左右の押し順では、常に、ベル28又はベル29を入賞させることができる。ただし、ベル28又はベル29は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
さらにまた、ストップスイッチ42の押し順が「右第一停止」である場合においては、右第一停止時点で、押し順不正解となる。したがって、右第一停止時は、個数優先によりリール31を停止制御するので、「青7」(ベル08又はベル09)、又は「チェリー」若しくは「ブランク」(ベル28又はベル29)を停止させる。
右第一停止時に「青7」を停止させたときは、中リール31の停止時には、「スイカA」又は「黒BAR」を停止可能であるときは、これらのいずれかの図柄を停止させる。
また、右第一停止時に「チェリー」又は「ブランク」を停止させたときは、中リール31の停止時には、「ベル」(PB=1)を停止させる。
複合ベルB2当選時の停止制御は、上述の複合ベルB1当選時に対し、ベル08又はベル09をベル10又はベル11と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「赤7」又は「チェリー」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「赤7」又は「チェリー」の停止制御は、複合ベルA2当選時と同様である。
さらに、複合ベルB3当選時の停止制御は、上述の複合ベルB1当選時に対し、ベル08又はベル09をベル12又はベル13と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「青7」又は「白BAR」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「青7」又は「白BAR」の停止制御は、複合ベルA3当選時と同様である。
複合ベルC1当選時において、正解押し順は、右左中であり、複合ベルC1当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、複合ベルA1と同様にベル01を入賞させるように制御する。
また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル14又はベル15を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル14に係る「スイカA」又はベル15に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。このときのリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様である。
最後の右リール31については、ベル14又はベル15に係る図柄は「黒BAR」であるので、図2中、17番の「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは「黒BAR」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「黒BAR」を有効ラインに停止させることができない。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないときは、他の複合ベル当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
また、複合ベルC1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「右中左」である場合において、右第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、中第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて中リール31を停止する。すなわち、ベル30又はベル31の入賞を優先するように制御する。これにより、中リール31の停止時には「リプレイ」(中リール31ではPB=1)を有効ラインに停止させる。
また、最後の左リール31については、「スイカA」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
以上より、複合ベルC1当選時の右中左の押し順では、常に、ベル30又はベル31を入賞させることができる。ただし、ベル30又はベル31は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
さらにまた、ストップスイッチ42の押し順が「中第一停止」である場合においては、中第一停止時点で、押し順不正解となる。したがって、中第一停止時は、個数優先によりリール31を停止制御するが、「スイカA」又は「黒BAR」のいずれかを停止させると、その停止時点で入賞可能性のあるベルは、1つに絞られるが、「リプレイ」を停止させると、入賞可能性のあるベルは、ベル30又はベル31の2個となる。よって、個数優先により、中第一停止時には「リプレイ」(「PB=1」)を停止させる。
そして、左リール31の停止時には「スイカA」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させ、右リール31の停止時には「ベル」(「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
複合ベルC2当選時の停止制御は、上述の複合ベルC1当選時に対し、ベル14又はベル15をベル16又はベル17と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「赤7」又は「チェリー」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「赤7」又は「チェリー」の停止制御は、複合ベルA2当選時と同様である。
さらに、複合ベルC3当選時の停止制御は、上述の複合ベルC1当選時に対し、ベル14又はベル15をベル18又はベル19と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「青7」又は「白BAR」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「青7」又は「白BAR」の停止制御は、複合ベルA3当選時と同様である。
複合ベルD1当選時の正解押し順は、右中左であり、複合ベルD1当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、複合ベルA1と同様にベル01を入賞させるように制御する。
また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル20又はベル21を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル20に係る「スイカA」又はベル21に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。このときのリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様である。
最後の右リール31については、ベル20又はベル21に係る図柄は「白BAR」であるので、図2中、02番の「白BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは「白BAR」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「白BAR」を有効ラインに停止させることができない。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「白BAR」を有効ラインに停止させることができないときは、他の複合ベル当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
また、複合ベルD1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「右左中」である場合において、右第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、左第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて左リール31を停止する。すなわち、ベル32又はベル33の入賞を優先するように制御する。これにより、左リール31の停止時には「スイカA」(左リール31ではPB=1)を有効ラインに停止させる。
また、最後の中リール31については、「スイカB」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
以上より、複合ベルD1当選時の右左中の押し順(不正解時)では、常に、ベル32又はベル33を入賞させることができる。ただし、ベル32又はベル33は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
さらにまた、複合ベルD1当選時において、ストップスイッチ42の押し順が「中第一停止」である場合においては、中第一停止時点で、押し順不正解となる。したがって、中第一停止時は、個数優先によりリール31を停止制御するが、「スイカA」(ベル20)、「黒BAR」(ベル21)、「スイカB」(ベル32)、又は「ブランク」(ベル33)のいずれを停止させても、その停止時点で入賞可能性を有する役は、1個となる。
このような場合には、いずれを優先してもよく、いずれを優先するかを予め定めておけばよい。たとえば、中第一停止時に、16番の「スイカB」が有効ラインを通過する直前に中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカB(16番)」、「黒BAR(17番)」、又は「スイカA(18番)」のいずれかを有効ラインに停止可能となる。
ここで、仮に、ベル20又はベル21を優先し、中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」のいずれかを停止させたときは、左リール31は「PB=1」、右リール31は「PB≠1」となる。
これに対し、ベル32又はベル33を優先するのであれば、中リール31の停止時には「スイカB」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。そして、左リール31の停止時には「スイカA」(「PB=1」)を有効ラインに停止させ、右リール31の停止時には「ベル」(「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
複合ベルD2当選時の停止制御は、上述の複合ベルD1当選時に対し、ベル20又はベル21をベル22又はベル23と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「赤7」又は「チェリー」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「赤7」又は「チェリー」の停止制御は、複合ベルA2当選時と同様である。
さらに、複合ベルD3当選時の停止制御は、上述の複合ベルD1当選時に対し、ベル20又はベル21をベル24又はベル25と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「青7」又は「白BAR」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「青7」又は「白BAR」の停止制御は、複合ベルA3当選時と同様である。
中チェリーテーブルは、中チェリーの当選となったときに用いられ、左リール31の停止時に、「チェリー」を有効ライン(中段)に停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
なお、左リール31の「チェリー」の図柄は、「PB≠1」配置である。
また、中チェリーテーブルにおいては、中及び右リール31の停止時における図柄の制限は特にないが、たとえば「赤7」揃い、「青7」揃い、「黒BAR」揃い、「白BAR」揃い、「リプレイ」揃い、「ベル」揃い、「スイカ(A、B)」揃いが一直線状のラインに停止しないように制御する。
また、角チェリーテーブルは、角チェリーの当選となったときに用いられ、角チェリーに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
ここで、角チェリーである「黒BAR/赤7/青7」−「チェリー」−「黒BAR/赤7/青7」が有効ラインに停止すると、「下段」−「中段」−「上段」の無効ライン(右上がりライン)には、「チェリー」−「チェリー」−「チェリー」、いわゆる3連チェリーが停止する。角チェリーの各リール31の図柄配置は、いずれも「PB≠1」である。
さらにまた、スイカテーブルは、スイカの当選となったときに用いられ、左リール31については「スイカA」を、中及び右リール31については「スイカB」を有効ラインに停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
なお、左リール31の「スイカA」の図柄は、「PB=1」配置であり、中及び右リール31の「スイカB」の図柄は、「PB≠1」配置である。
次に、リプレイに係る停止位置決定テーブル65について説明する。
まず、ノーマルリプレイイテーブルは、ノーマルリプレイの当選となったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ノーマルリプレイを入賞させるとともに、ノーマルリプレイ以外の役を入賞させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
図2に示すように、すべてのリール31において、「リプレイ」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。したがって、ノーマルリプレイについては、ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず、ノーマルリプレイを常に入賞させることができる(PB=1)。
非内部中遊技及び内部中遊技のいずれも、ノーマルリプレイの当選時は、「PB=1」でノーマルリプレイが入賞する。
ベルリプレイ1テーブルは、ベルリプレイ1の当選となったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ベルリプレイ1を入賞させるとともに、ベルリプレイ1以外の役を入賞させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。ベルリプレイ1の図柄の組合せは、図2に示すように、「リプレイ」−「スイカA/スイカB/白BAR」−「リプレイ」である。ここで、左及び右リール31の「リプレイ」は、上述したように「PB=1」の図柄配置である。
また、中リール31については、5図柄以内の間隔で、「スイカA」、「スイカB」、又は「白BAR」のいずれかが配置されている。これにより、これら3図柄の合算で「PB=1」となっている。したがって、ベルリプレイ1の当選時は、「PB=1」でベルリプレイ1が入賞する。
また、上述したように、ベルリプレイ1の入賞時には、「上段」−「上段」−「上段」の無効ラインに、「ベル」揃いとなる。
また、ベルリプレイ2テーブルは、ベルリプレイ2の当選となったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ベルリプレイ2を入賞させるとともに、ベルリプレイ2以外の役を入賞させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。ベルリプレイ2の図柄の組合せは、図2に示すように、「リプレイ」−「ベル」−「スイカA/スイカB」である。ここで、左リール31の「リプレイ」及び中リール31の「ベル」は、上述したように「PB=1」の図柄配置である。
また、右リール31については、5図柄以内の間隔で、「スイカA」又は「スイカB」のいずれかが配置されている。これにより、これら2図柄の合算で「PB=1」となっている。したがって、ベルリプレイ2の当選時は、「PB=1」でベルリプレイ2が入賞する。
また、上述したように、ベルリプレイ2の入賞時には、「上段」−「中段」−「下段」の無効ラインに「ベル」揃いとなる。
リプレイ重複テーブルは、ノーマルリプレイ及び特殊リプレイの重複当選となったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順が右第一停止のときは特殊リプレイを入賞させ、左又は中第一停止となる押し順ではノーマルリプレイを入賞させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
特に本実施形態では、ATを開始するときに、リプレイ重複当選となるのを待ち、リプレイ重複当選となった遊技において、右中左の押し順でストップスイッチ42を操作すべきこと及び「赤7」図柄を狙うべきことを遊技者に報知する。
ここで、右第一停止時に12番の「赤7」を狙い、中第二停止時に12番の「赤7」を狙い、さらに左第三停止時に13番の「赤7」を狙うと、有効ライン上に「赤7」揃いとなる特殊リプレイが停止する。一方、右第一停止、中第二停止の押し順において、右及び中リール31の停止時に「赤7」を停止させることができないときは、それぞれ「リプレイ」を停止させる。さらに右第一停止の押し順において、左リール31の停止時に「赤7」を停止させることができないときは「ベル」を停止させる。
一方、左又は中第一停止となる押し順ではノーマルリプレイテーブルを用いて各リール31を停止させる。
なお、右第一停止の押し順をした場合において、遊技者の目押しミスにより、「赤7」揃いを取りこぼしても、特殊リプレイの図柄は、全リール31で「PB=1」の配置であるので、特殊リプレイ当選時には常に特殊リプレイが入賞する。
MBの当選を持ち越しているとき(内部中)にいずれかの小役又はリプレイに当選したときは、以下の停止位置決定テーブル65を用いてリール31を停止制御する。
先ず、内部中遊技のリプレイ当選時は、リプレイの入賞を優先する停止位置決定テーブル65が用いられる。そして、リプレイは、上述したように、常に入賞するので(PB=1)、内部中遊技におけるリプレイの当選時は、当選を持ち越しているMBが入賞する場合はない。
また、内部中遊技における複合ベル当選時は、ベルの入賞を優先し、ベルを入賞させることができないときは、当選を持ちしているMBを入賞させる停止位置決定テーブル65が用いられる。
まず、内部中遊技において、複合ベル当選時の押し順正解時には、常にベル01を入賞させる停止位置決定テーブル65が用いられる。したがって、内部中遊技における複合ベル当選時かつ押し順正解時は、「PB=1」でベル01が常に入賞し、当選を持ち越しているMBが入賞する場合はない。
また、内部中遊技において、複合ベル当選時の押し順不正解時(第一停止左時)には、1枚ベルを入賞させることを優先し、MBが入賞する場合はない。
上述したように、複合ベル当選時の押し順不正解時において、第一停止左時は、常に、中段に「リプレイ」が停止する。これに対し、MBの左リール31の図柄は、「ブランク」であるから、左第一停止時点でMBの非入賞が確定する。したがって、MBの内部中遊技において、複合ベル当選時の押し順不正解時、かつベル取りこぼし時であっても、MBが入賞する場合はない。
なお、ベル29については、右リール31の図柄がMBと同一の「ブランク」である。そして、複合ベルB1〜B3の当選時には、ベル29の当選を含む。このため、複合ベルB1〜B3のいずれかの当選時に、右第一停止時(押し順不正解時)には、右リール31の「ブランク」が有効ラインに停止する場合がある。しかし、ベル29の左リール31の「スイカA」、中リール31の「ベル」は、いずれも「PB=1」の配置であるので、常にベル29が有効ラインに停止する。よって、MBが入賞する場合はない。
さらに、複合ベルD1〜D3の当選時において、中第一停止時(押し順不正解時)には、ベル33の「ブランク」を停止させる場合がある。しかし、ベル33の左リール31の「スイカA」及び右リール31の「ベル」は、いずれも「PB=1」配置であるので、ベル33が常に入賞する。したがって、この場合にもMBが入賞する場合はない。
MB遊技中テーブルは、MB遊技中において役の抽選が一切行われないか、又は役(たとえば、リプレイ)の抽選が行われる場合にあっては当該役に当選していないときに用いられ、全小役の当選フラグ63aがオンとなり、リール31の停止制御の範囲内において、いずれかの小役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
本実施形態では、左リール31については75ms以内(最大移動コマ数が1コマ)の停止制御、中及び右リール31については190ms(4コマ以内)の停止制御が行われる。
さらに、MB遊技中は、どのような小役を入賞させるように制御してもよいが、本実施形態では、ベル01を入賞させるように制御する。
非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるときに用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
説明を図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、たとえばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。また、リプレイの入賞時には、メダルを払い出すことなく、当該遊技で投入されたメダル枚数を自動投入するように制御する。
遊技状態制御手段68は、MBの当選又は入賞に基づき遊技状態を移行させるとともに、MB遊技の開始及び終了を制御するものである。
ここで、「遊技状態」とは、メイン制御手段60で移行が制御される状態であり、MBの当選又は入賞等によって移行する。
図8は、遊技状態の移行を示している。本実施形態の遊技状態は、図8中、二重ライン囲みで図示しており、非内部中遊技、MB内部中遊技、及びMB遊技の3種類である。非内部中遊技及びMB内部中遊技は、MB遊技以外の遊技であり、「通常遊技」等と称される。
「非内部中遊技」は、MBに当選していない(MBの当選が持ち越されていない)遊技である。また、「MB内部中遊技」は、当該遊技以前の遊技においてMBに当選しているが、当選したMBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)していない(MBの当選が持ち越されている)遊技である。
図6で示したように、各遊技状態ごとに役抽選テーブル62が異なっている(少なくとも1つの役の当選確率が異なっているか、又は少なくともリプレイの1つの当選確率が異なっている)。
遊技状態制御手段68は、非内部中遊技においてMBに当選し、当該遊技でMBが入賞しなかったときは、次遊技からMB内部中遊技に移行する。MB内部中遊技は、当選したMBが入賞するまで継続する。そして、当選したMBが入賞すると、遊技状態制御手段68は、MB遊技に移行する。MB遊技は、所定の終了条件を満たすまで(たとえば、払出し枚数が所定枚数に到達するまで)継続する。そして、MB遊技が終了すると、遊技状態制御手段68は、遊技状態を非内部中遊技に移行させる。
なお、上述したように、MBは、押し順が右中左であることを条件として入賞可能となるが、当該押し順は、ペナルティに設定しているので、遊技者が意図的に逆押ししたり操作ミスをしない限り、当該押し順でストップスイッチ42が操作されることはない。このため、MBが入賞することはない。したがって、MBの当選後は、MBが入賞しない状態、すなわちMB内部中遊技がずっと継続することとなる。よって、当選したMBが入賞することは稀であるから、MB遊技が実行されることも稀である。
また、MBの当選確率は任意に設定できるが、本実施形態では、比較的高確率(図6の例では1/10)に設定されている。これにより、仮に、当選したMBが入賞してMB遊技に移行し、そのMB遊技が終了して非内部中遊技に移行すると、早期にMBに当選してMB内部中遊技となる。
図1において、内部状態(AT)制御手段69は、MB内部中遊技における内部状態の移行を制御するものである。図8では、MB内部中遊技における内部状態を示している。内部状態は、図8中、太線囲みで図示している。
「内部状態」とは、メイン制御手段60で移行が制御される状態であり、本実施形態では、MB内部中遊技(1つの遊技状態)内において複数設けられている。
本実施形態の内部状態は、非AT、AT準備中、ATを備える。
ここで、「AT」とは、ストップスイッチ42の操作態様に応じて、当該遊技の遊技結果又はその後の遊技において有利/不利が生じる役(単独及び重複の双方を含む)に当選したときに、遊技者にとって最も有利となるストップスイッチ42の操作態様を遊技者に対して報知する遊技(報知遊技)をいう。特に本実施形態では、複合ベル当選時に、正解押し順(8枚の払出しとなる押し順)を報知する遊技である。
非AT中は、複合ベル当選時に正解押し順を報知しない。さらに、非AT中は、左第一停止指示であり、変則押し(中又は右第一停止)はペナルティとなる。これにより、非AT中に左第一停止を遵守して遊技を行う限り、複合ベル当選時に正解押し順となる場合はない。そして、非AT中は、複合ベル当選時の中及び右リール31の停止時には、偶然に、当該遊技で当選しているベルに係る図柄の組合せを構成する図柄を有効ラインに停止可能な操作タイミングでストップスイッチ42を操作すれば、1枚ベルを入賞させることは可能である。
よって、AT中は、複合ベル当選時に8枚の払出しとなるベル01を入賞させることができるが、非AT中は、偶然で1枚の払出しとなるベル02〜ベル25を入賞させることができだけである。したがって、AT中は、非AT中よりも、メダル払出し枚数の期待値が高くなる。
非ATは、ATに当選する確率が異なる低確率、通常確率、及び高確率を備える。さらに、これら低確率、通常確率、高確率中にATに当選すると、ATに当選しているがATの開始前の遊技期間である前兆に移行する。この前兆中において、ATに当選していることが遊技者に報知される。
また、前兆の終了後、AT開始時(特殊リプレイ入賞時)までの間の期間は、AT準備中となる。
さらにまた、ATは、ATの遊技回数が上乗せされる期待値が異なる通常確率と高確率とを備える。
これらの内部状態の移行は、当該遊技における当選役によって行われる。また、一つの内部状態から他の内部状態に移行するときは、前記一つの内部状態における遊技終了時(全リール31が停止して当該遊技の遊技結果を表示した時)に行われる。
本実施形態では、内部状態のうち、前兆に移行することに決定したときが、ATの当選に相当する。したがって、ATを実行するか否かの抽選は、内部状態制御手段69によって実行される。このため、内部状態制御手段69は、AT(報知遊技)制御手段を兼ねるものである。
内部状態において、非AT(ATに当選している前兆を除く。)では、低確率、通常確率、高確率間を移行する。たとえば、以下のように設定される。
(1)低確率中
a)中チェリー当選時、40%の確率で通常確率に移行し、5%の確率で高確率に移行し、1%の確率で前兆に移行する(54%の確率で移行なしとなる)。
b)角チェリー当選時、30%の確率で通常確率に移行し、1%の確率で高確率に移行する(69%の確率で移行なしとなる)。
c)スイカ当選時、30%の確率で通常確率に移行し、3%の確率で高確率に移行する(67%の確率で移行なしとなる)。
(2)通常確率中
a)中チェリー当選時、50%の確率で高確率に移行し、10%の確率で前兆に移行する(40%の確率で移行なしとなる)。
b)角チェリー当選時、40%の確率で高確率に移行する(60%の確率で移行なしとなる)。
c)スイカ当選時、40%の確率で高確率に移行し、5%の確率で前兆に移行する(55%の確率で移行なしとなる)。
d)リプレイ当選時、5%の確率で低確率に移行する(95%の確率で移行なしとなる)。
(3)高確率中
a)中チェリー当選時、100%の確率で前兆に移行する。
b)角チェリー当選時、15%の確率で前兆に移行し、2%の確率で通常確率に移行し、1%の確率で低確率に移行する(82%の確率で移行なしとなる)。
c)スイカ当選時、50%の確率で前兆に移行する(50%の確率で移行なしとなる)。
d)リプレイ当選時、5%の確率で通常確率に移行し、3%の確率で低確率に移行する(92%の確率で移行なしとなる)。
(4)前兆中
内部状態制御手段69は、上記のような抽選において前兆に移行することに決定したときは、前兆の遊技回数を、「1」〜「32」の範囲内において抽選で決定し、カウンターにその値をセットする。そして、カウンター値を毎遊技「1」ずつ減算し、「0」となったときは、前兆を終了してAT準備中に移行する。
なお、一旦前兆に移行したときは、前兆から、低確、通常確率、又は高確率に移行する場合はない。また、ATに当選したときは、その時点でAT確定である旨を報知し、前兆を経由せずに(前兆の遊技回数を「0」にして)AT準備中としてもよい。
また、前兆の終了時は、AT確定演出を表示し、リプレイ重複当選となるまで待機する。したがって、前兆の終了後、リプレイ重複当選となるまでの遊技がAT準備中となる。
AT準備中に複合ベルに当選したときは、正解押し順を報知する。そして、リプレイ重複当選となったときは、上述したように、逆押しし、かつ「赤7」を狙うべき旨の演出を出力する。当該遊技では、「赤7」揃いであるか否かにかかわらず常に特殊リプレイが入賞する。そして、特殊リプレイの入賞時には、ATを開始する旨の演出を出力し、その次遊技からATを開始する。
なお、本実施形態のようにAT準備中を設けなくてもよい。たとえば、前兆の残り遊技回数が「0」となったときは、次遊技からATを開始することも可能である。
なお、ATに当選していない非AT(報知なし時)において、リプレイ重複当選時に遊技者が逆押しをし、特殊リプレイを入賞させても、内部状態制御手段69は、ATを開始しない。また、次遊技から、ペナルティ期間を設定する。
内部状態制御手段69は、図1に示すように、ATフラグ69a及び押し順フラグ69bを備える。
ATフラグ69aは、AT中はオン、非AT中(前兆、AT準備中を含む)はオフとなるフラグである。前兆を終了した後、特殊リプレイが入賞したときに、ATフラグ69aがオフからオンとなる。また、後述するように、ATの終了条件を満たし、非ATに移行したときに、オンからオフとなる。
また、押し順フラグ69bは、前兆を終了したときからオンとなる。したがって、AT中かつAT準備中はオンとなる。また、AT中はずっとオンのままである。そして、ATを終了すると、ATフラグ69aがオンからオフとなり、同時に押し順フラグ69bもオフとなる。
また、必要に応じて、非AT中に押し順を報知する演出を出力する場合には、当該遊技のみ、押し順フラグ69bをオンにし、当該遊技で押し順を報知することも可能である。また、押し順の報知は、複合ベル当選時に行う。
なお、非AT中に押し順報知を行い、遊技者がその押し順に従う限りでは、第一停止左でない場合であってもペナルティを設定しないのは、もちろんである。
非AT中に、必要に応じて、複合ベル当選時に正解押し順を報知し、ベル01を入賞させることで、非AT中における一定の出玉率(ベース)を維持することが可能となる。
また、たとえばいずれの押し順でも遊技結果が同一(再遊技)となるリプレイ当選時に、押し順報知を行い、その頻度等に応じて、滞在している内部状態を暗示、示唆することも可能である。
ATを開始した後、ATの終了条件としては、種々挙げられる。たとえば、
(1)遊技回数が所定回数(たとえば初期遊技回数を「50」とし、この「50」に「N」が上乗せされた場合には、「50+N」)に到達したとき
(2)払出し枚数又は差枚数(払出し枚数から投入枚数を引いた枚数)が所定枚数(たとえば、300枚)に到達したとき
(2)複合ベル当選回数(正解押し順時)が所定回数(たとえば40回)に到達したとき
が挙げられる。
また、AT中は、内部状態として、通常確率と高確率とを有する。たとえば第1に、ATの開始時は常に通常確率に設定する方法と、ATを開始するまでに、ATの初期内部状態を通常確率とするか高確率とするかを抽選で決定する方法とが挙げられる。
本実施形形態では、AT中にレア小役であるチェリー又はスイカに当選したときには、ATの上乗せ抽選を行う。そして、通常確率よりも高確率の方が、上乗せされる確率が高く、かつ遊技回数が多くなるように設定する。
たとえば、ATの終了条件を遊技回数とし、遊技回数の初期値を「50」に設定する。そして、チェリー又はスイカ当選時に、遊技回数を上乗せするか否か、及び上乗せ遊技回数を抽選で決定する。上乗せ遊技回数を決定したときは、その時点でのATの残り遊技回数に上乗せ遊技回数を加算する処理を行う。
たとえば、以下のようなパターンが挙げられる。なお、上乗せ数「0」とは、上乗せ抽選で非当選であることを意味する。
(1)通常確率中
a)中チェリー当選時、上乗せ数は、「10」(30%)、「30」(50%)、「50」(20%)の中から抽選で決定する。
b)角チェリー当選時、上乗せ数は、「0」(80%)、「10」(15%)、「30」(5%)の中から抽選で決定する。
c)スイカ当選時、上乗せ数は、「0」(60%)、「10」(20%)、「30」(20%)の中から抽選で決定する。
(2)高確率中
a)中チェリー当選時、上乗せ数は、「30」(30%)、「50」(40%)、「100」(30%)の中から抽選で決定する。
b)角チェリー当選時、上乗せ数は、「0」(60%)、「10」(15%)、「30」(25%)の中から抽選で決定する。
c)スイカ当選時、上乗せ数は、「0」(30%)、「30」(30%)、「50」(25%)、「100」(15%)の中から抽選で決定する。
また、AT中における通常確率と高確率の移行は、役の抽選結果や、役抽選とは別個に行う抽選で行うことが挙げられる。
役抽選結果に基づいて内部状態を移行する場合、たとえば、通常確率中は、中チェリー当選時の70%、角チェリー当選時の20%、スイカ当選時の40%で高確率に移行することが挙げられる。
また、高確率中は、リプレイ当選時の10%で通常確率に移行することが挙げられる。
図1において、サブ送信手段70は、メイン制御手段60からサブ制御手段80に対し、各種の情報(コマンド)を送信する手段である。送信される情報としては、メダルが投入された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、役の抽選結果(当選役)の情報、リール31の回転が開始された旨の情報、ストップスイッチ42が操作されたかの情報、リール31が停止した旨の情報、各リール31の停止位置(有効ラインに停止した図柄)の情報、入賞役の情報、メダルの払出しの情報、遊技状態(非内部中、内部中、MB遊技中)及び内部状態(非AT(低確率、通常確率、高確率、前兆)、AT準備中、AT中(通常確率、高確率))の情報等が挙げられる。
さらに、ATフラグ69a及び押し順フラグ69bのオン/オフの状態を送信する。
また、図1において、メイン制御手段60は、外部端子基板100と電気的に接続されている。そして、外端信号送信手段71は、ATを実行することに決定されたときに、外部端子基板100に対して外端信号(ATの実行信号)を送信する。その外端信号は、たとえば外部端子基板100から、遊技情報表示装置110やホールコンピュータ等に送信される。
本実施形態では、外端信号送信手段71は、ATの開始時、すなわち特殊リプレイの入賞時に送信する。なお、これに限らず、AT当選時から、そのAT終了時までの間において、どのタイミングで外端信号を送信してもよい。たとえば、他の例として、AT当選時(レア役に当選し、かつAT抽選で当選したとき)、前兆中、前兆終了時、AT準備中の開始時、ATの最初の遊技開始時等が挙げられる。
図1において、サブ制御手段80は、演出制御手段81等を備える。
演出制御手段81は、上述したランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
演出制御手段81は、遊技ごとに、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって演出を選択し、出力する。
演出制御手段81は、遊技ごとに、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、演出内容を選択する。特に本実施形態では、複数種類の演出内容が予め設けられている。そして、演出制御手段81は、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって演出内容を選択する。
また、演出内容は、当選役及び遊技状態等に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。たとえば、小役(チェリー、スイカ、ベル)当選時、リプレイ当選時、非当選時等というように、それぞれ複数種類の演出内容が設けられている。
演出内容は、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
そして、演出制御手段81は、選択した演出内容に従い、所定のタイミングで演出出力機器から演出を出力するように制御する。
メイン制御手段60の内部状態の情報は、サブ制御手段80に送信され、サブ制御手段80側においても、メイン制御手段60側の内部状態を共有する。たとえば、演出制御手段81は、非AT中において、低確率時、通常確率時、高確率時、前兆時には、それぞれ、その内部状態を暗示するような演出、その内部状態特有の演出を出力する。また、AT準備中及びAT中は、それぞれAT準備中及びAT中特有の演出を出力し、さらに、AT中は、通常確率であるか高確率であるかを暗示するような演出を出力する。
なお、非AT中にATに当選したときに移行する前兆は、「本前兆」と称される。
これに対し、本前兆とは別に、ATに当選していないが本前兆と類似するフェイク(いわゆるガセ)前兆を設け、演出を出力してもよい。フェイク前兆演出は、たとえばチェリーやスイカのレア役当選時において、ATの抽選に非当選となった場合に(常に、又は所定確率で)行うことや、毎遊技、あるいは前回のATの終了後又は前回のフェイク前兆演出終了後から所定遊技回数を消化したとき等に、抽選で決定することが挙げられる。
本前兆演出及びフェイク前兆演出のいずれも、32遊技以内の所定回数間に行われ、本前兆演出の場合には、最終的に、ATに当選した旨を遊技者に報知する。これに対し、フェイク前兆演出の場合には、ATに当選した旨を報知することなく前兆演出を終了するか、又はATには当選していない旨を報知して前兆演出を終了する。
また、ATの初期遊技回数は、たとえば「50」のように固定する場合と、「50」、「60」又は「70」の中から抽選で選択する方法がある。そして、ATの初期遊技回数を抽選で決定する場合の決定タイミングは、AT当選時、前兆終了時、AT開始時(特殊リプレイ入賞時)等、種々設定することが可能である。
ここで、メイン制御手段60がAT当選時に初期遊技回数を決定すると、サブ制御手段80は、メイン制御手段60から初期遊技回数の情報を受信する。そして、演出制御手段81は、初期遊技回数に基づいて、前兆演出を異ならせることも可能である。すなわち、前兆演出において、ATに当選しているか否かと、ATに当選しているときの遊技回数の初期値との双方を包括して遊技者に示唆する演出を行うことも可能である。
押し順報知手段82は、非AT中にATに当選し、前兆終了後にリプレイ重複当選となったときは、特殊リプレイを入賞させる押し順を報知する。本実施形態では、「右中左」の押し順を報知する。さらには、上述したように、演出制御手段81は、「「赤7」を狙え!」と報知する。
さらに、押し順報知手段82は、AT中は、複合ベル当選時に、ベル01を入賞させるストップスイッチ42の押し順、すなわち正解押し順を報知する。
演出制御手段81は、メイン制御手段60から送信されてくる情報に基づいて、非AT中及びAT中の演出を制御する。
さらに、演出制御手段81及び押し順報知手段82は、メイン制御手段60から送信されてくる情報(当選役に係る情報、ATフラグ69aのオン/オフの情報、押し順フラグ69bのオン/オフの情報)に基づいて、当選役や正解押し順の報知を制御する。
図9は、メイン制御手段60からサブ制御手段80に送信する情報(コマンド)と、押し順報知手段82の制御との関係を示す図である。
図9において、非AT中及びAT中のいずれも、本実施形態では、ATフラグ69aのオン/オフの状態、及び押し順フラグ69aのオン/オフの状態に係る情報を送信する。
そして、AT中は、毎遊技、当選役の情報、ATフラグ69a及び押し順フラグ69bの双方がオンである旨の情報を送信する。また、AT準備中は、当選役の情報、ATフラグ69aがオフかつ押し順フラグ69bがオンである旨の情報を送信する。
ここで、AT中及びAT準備中におけるいずれかの複合ベル当選時には、正解押し順の情報も含まれる。この場合、
(1)当選した複合ベルの種類をサブ制御手段80に送信し、サブ制御手段80は、当選した複合ベルの種類の情報を受信すれば、正解押し順を判別できるようにする。つまり、サブ制御手段80側で、当選した複合ベルの種類を知ることができれば、その複合ベルに対応する正解押し順を判別できるデータテーブルを持つ。
(2)サブ制御手段80は、当選した複合ベルの種類と正解押し順との対応関係を知らず(記憶しておらず)、メイン制御手段60から、複合ベルに当選した旨の情報及び正解押し順の情報を受信することが挙げられる。
なお、当選役の情報、ATフラグ69a及び押し順フラグ69bの情報を送信するタイミングとしては、スタートスイッチ41の操作時(すなわち、役抽選手段61による役の抽選後)から、リール31が回転を開始してストップスイッチ42の操作受付け可能となるまで(リール31が定速となるまで)の間である。
また、メイン制御手段60は、非AT中は、毎遊技、当選役の情報、ATフラグ69a及び押し順フラグ69bの双方がオフである旨の情報をサブ制御手段80に送信する。ここで、いずれかの複合ベル当選時には、(いずれかの)複合ベルに当選した旨の情報を送信するが、AT中及びAT準備中のように、正解押し順を判別可能な情報については送信しない。たとえば、当選役として、「複合ベル」とだけ情報を送信し、「複合ベルA1」のように正解押し順を判別可能な情報を送信しない。
あるいは、「複合ベル1」というように、正解押し順を判別不能な情報を送信することが挙げられる。具体例を挙げて説明すると、図7において、
複合ベル1:複合ベルA1、B1、C1、D1のいずれか
複合ベル2:複合ベルA2、B2、C2、D2のいずれか
複合ベル3:複合ベルA3、B3、C3、D3のいずれか
と分け、複合ベルA1、B1、C1、D1のいずれかが当選したときは、「複合ベル1」とだけ情報を送信する。複合ベル1は、正解押し順が中左右の複合ベルA1、中右左の複合ベルB1、右左中の複合ベルC1、右中左の複合ベルD1のいずれかであるので、「複合ベル1」のみの情報では、正解押し順を特定することも、絞り込むこともできない。
一方、サブ制御手段80では、「複合ベル1」という情報を受信すれば、正解押し順を報知することはできないが、「ベル」(当選役)に関する演出を出力することが可能となる。
さらに、非AT中におけるいずれかの複合ベルの当選時には、複合ベルとは無関係の情報(何かが当選した旨の情報)を送信してもよい。
また、上述したように、非AT中に変則押しをしたときには、ペナルティ期間が設定されるが、このペナルティ期間中は、メイン制御手段60は、ATフラグ69a及び押し順フラグ69bの双方がオフである旨の情報を送信する。一方、当選役の情報については、一切、送信しない。したがって、メイン制御手段60は、複合ベル当選時には、正解押し順の情報はもちろん、非AT中のように複合ベルに当選したこと自体についても送信しない。
ただし、AT中又はAT準備中に複合ベルに当選し、正解押し順を報知した場合において、遊技者の操作ミスにより正解押し順でストップスイッチ42が操作されなかったときは、ペナルティを設定せず、次遊技以降に複合ベルに当選したときも、複合ベル当選時には、正解押し順の情報を送信し、正解押し順を報知する。
また、上述したように、非AT中の複合ベル当選時に、出玉率(ベース)の都合等から正解押し順を報知する場合もあるが、当該遊技で正解押し順でストップスイッチ42が操作されなかったときは、次遊技以降でペナルティを設定するか否かは任意である。
以上より、押し順フラグ69bがオンのときは、複合ベル当選時に、サブ制御手段80側で正解押し順を判別可能な情報を送信する。そして、サブ制御手段80側の押し順報知手段82は、押し順フラグ69bがオンである情報を受信し、かつ複合ベルに当選した旨の情報を受信したときは、当該遊技で正解押し順を報知すると判断する。
一方、非AT中は、複合ベル当選時に、サブ制御手段80は、どの複合ベルに当選したかの情報を受信しないので、正解押し順を知ることができない。また、押し順フラグ69bがオフである旨の情報を受信する。これらにより、サブ制御手段80は、押し順を報知しないと判断する。
一方、サブ制御手段80は、非AT中における複合ベル当選時は、いずれかの複合ベルに当選した旨の情報を受信するので、当選役が「ベル」であること自体は報知可能となる。したがって、演出制御手段81は、抽選等に基づいて、「ベル」の当選を報知するか否かを判断し、報知すると判断したときは、当選役が「ベル」であることを示す演出(たとえば、ベルに対応する色(黄色)の表示等)を出力する。
さらに、サブ制御手段80は、ペナルティ期間中は、押し順フラグ69bがオフである旨の情報を受信するが、当選役の情報自体を受信しない。したがって、いずれかの複合ベルに当選した場合であっても、サブ制御手段80は、当選役が複合ベルであること自体、判別できない。これにより、押し順報知手段82は、押し順を報知せず、かつ、演出制御手段81は、当選役に関する報知を行わない。すなわち、サブ制御手段80は、当選役が不明であるので、当選役を特定する演出を出力することができない。
メイン制御手段60は、役抽選手段61で非当選となったときは、非当選である旨の情報を送信してもよいが、非当選であるときは、当選役に関する情報を送信しないようにしてもよい。この場合、ペナルティ期間中は、当選役に関する情報が送信されないので、サブ制御手段80が受信する情報は、役の非当選時と同様となる。
なお、ペナルティ期間中は、当選役に関する演出として、いずれかの役に当選したこと及び非当選を含むチャンス演出(色演出としては、たとえばいずれかの役の当選及び非当選のすべてを意味する白色を表示する演出)を出力することは、もちろん可能である。
以上より、メイン制御手段60の抽選でATに当選していないとき、すなわち非AT中は、サブ制御手段80に対し、複合ベル当選時の正解押し順の情報を送信しないので、サブ制御手段80側を不正改造し、メイン制御手段60からサブ制御手段80に送信される当選役に係る情報を不正取得しても、正解押し順の情報を取得することができない。これにより、ATの権利を有さない状態において、複合ベル当選時の正解押し順を不正に知ることを防止することができる。
また、非AT中において、押し順報知が行われないときに正解押し順でストップスイッチ42を操作すると、次遊技からペナルティ期間に入る。そして、このペナルティ期間中は、複合ベルに当選しても、いずれかの複合ベルに当選したこと自体がサブ制御手段80に送信されない。これにより、サブ制御手段80側を不正改造し、複合ベルを連続して正解押し順で入賞させることはできない。
さらにまた、非AT中のリプレイ重複当選時に、遊技者が右中左の押し順(ペナルティ押し順)でストップスイッチを操作した結果、特殊リプレイが入賞しても、メイン制御手段60は、当該遊技がAT準備中でなければ、AT遊技を開始しない。したがって、不正行為を行う側から見れば、リプレイ重複当選時に、右中左の押し順で操作することにメリットはない。
一方、AT開始時でないのに特殊リプレイが入賞する(「赤7」揃いする)ことは不自然であるので、AT準備中以外は、リプレイ重複当選である旨の情報を送信しないようにしてもよい(これにより、リプレイ当選に係る演出は出力されない)。
あるいは、AT準備中以外の内部状態でリプレイ重複当選となったときは、意図的に、左中右(順押し)の押し順情報をサブ制御手段80に送信する。ただし、サブ制御手段80は、非AT中であるので(押し順フラグ69bがオフである旨の情報を受信するので)、左中右の押し順を報知することはない。
また、AT中におけるリプレイ重複当選時は、左中右の押し順情報をサブ制御手段80に送信するとともに、サブ制御手段80は、左中右の押し順を報知することにより、ノーマルリプレイを積極的に入賞させ、特殊リプレイの入賞を回避してもよい。
さらにまた、非AT中及びAT中のいずれにおいても特殊リプレイを入賞させたくないときは、リプレイ重複当選時における当選役情報として、サブ制御手段80に対し、ノーマルリプレイに当選した旨の情報を送信することが挙げられる。
なお、AT中に遊技回数を上乗せする場合に、上乗せ確定演出として、リプレイ重複当選時に「赤7」揃いをさせる演出を行うときは、メイン制御手段60から右中左の押し順情報をサブ制御手段80に送信するとともに、サブ制御手段80は、右中左の押し順及び「赤7」揃いをすべき旨を報知する。このように、AT中においても、リプレイ重複当選時に、特殊リプレイを入賞させる押し順をサブ制御手段80に送信し、特殊リプレイを入賞させる場合も考えられる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、いずれかの複合ベルに当選したときは、
(1)メイン制御手段60側で、当選した複合ベルに対応する正解押し順を知るためのデータテーブルを有しており、複合ベルの当選とともに正解押し順をサブ制御手段80に送信する。
(2)メイン制御手段60側では当選した複合ベルに対応する正解押し順を知るためのデータを有さず、メイン制御手段60からサブ制御手段80に対して当選した複合ベルの情報(たとえば、複合ベルA1)を送信する。そして、サブ制御手段80側で、当選した複合ベルに対応する正解押し順を知るためのデータテーブルを有しており、どの複合ベルに当選したかを知ることができれば、正解押し順を判別することができる。
ものである。
これに対し、第2実施形態では、メイン制御手段60及びサブ制御手段80のいずれも、複合ベルと正解押し順とを対応づけるデータを有さない。
そして、メイン制御手段60は、複合ベル当選時に、上述した停止位置決定テーブル65を用いて正解押し順を検索し、その検索結果(すなわち正解押し順)をサブ制御手段80に送信する。
より具体的には、複合ベルに当選したときは、当選した複合ベルに対応する停止位置決定テーブル65を用いて、「仮想」停止制御、すなわち停止制御のシミュレーションを実行する。そして、遊技者に最も有利な図柄の組合せ、すなわち払出し枚数が最も多いベル01が入賞する押し順を割り出し、その結果をサブ制御手段80に送信する。
図10は、複合ベルA1当選時(正解押し順が「中左右」)の第一停止時の停止位置決定テーブル65を示す図である。図10では、左側からそれぞれ左リール31(左第一停止)、中リール31(中第一停止)、右リール31(右第一停止)を示す。
また、図10中、たとえば左リール31の図柄番号20において、「04」と表示されているのは、図柄番号20番の図柄が有効ライン(中段)を通過する直前に左ストップスイッチ42が操作されたときは、図柄番号04の図柄を有効ライン(中段)に停止させることを意味する(以降も同様である)。したがって、左リール31の図柄番号20番(図2中、「ベル」)が有効ラインを通過する直前に左ストップスイッチ42が操作されたときは、4コマスベリにより、04番の「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
図10に示すように、左第一停止時には、常に、「リプレイ」を有効ラインに停止させる。なお、複合ベルA1当選時に、左第一停止時は、この時点で押し順不正解が確定する。
また、中第一停止時には、図10に示すように、04番、09番、14番、又は19番の「ベル」(図2参照)を有効ラインに停止させる。なお、中第一停止時には、最初の押し順は正解となる。
さらにまた、右第一停止時には、図10に示すように、04番、09番、14番、又は19番の「リプレイ」を有効ラインに停止させる。なお、右第一停止時には、この時点で押し順不正解が確定する。
図11は、複合ベルA1当選時において、左第一停止時での中及び右リール31の停止位置決定テーブル65を示す図である。
左第一停止時には、第二停止が中及び第三停止が右(よって、左中右)であるときと、第二停止が右及び第三停止が中(よって、左右中)であるときとで、同一の停止位置決定テーブル65を用いている。
図11に示すように、中リール31については、13番から18番の図柄が有効ラインを通過する直前に中ストップスイッチ42が操作されたときは、ベル02又はベル03に係る図柄(17番の「黒BAR」又は18番の「スイカA」)を有効ラインに停止させることができるが、それ以外の位置で中ストップスイッチ42が操作されたときは、ベル02又はベル03に係る図柄を停止させることができない。そして、先の左第一停止時に、有効ラインには「リプレイ」が停止しているので、中リール31の停止時にベル02又はベル03に係る図柄を有効ラインに停止させることができないときは、その時点で当該遊技での役の非入賞が確定する。
同様に、右リール31については、08番から12番の図柄が有効ラインを通過する直前に右ストップスイッチ42が操作されたときは、ベル02又はベル03に係る図柄(12番の「赤7」)を有効ラインに停止させることができるが、それ以外の位置で右ストップスイッチ42が操作されたときは、ベル02又はベル03に係る「赤7」を停止させることができない。そして、先の左第一停止時に、有効ラインには「リプレイ」が停止しているので、右リール31の停止時にベル02又はベル03に係る「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、その時点で当該遊技での役の非入賞が確定する。
以上より、左第一停止時には、「リプレイ」−「スイカA」−「赤7」のベル02若しくは「リプレイ」−「黒BAR」−「赤7」のベル03が入賞するか、又は役の非入賞となる。
図12は、複合ベルA1当選時において、中第一停止時での左及び右リール31の停止位置決定テーブル65を示す図である。
左第二停止時には、押し順が「中左右」となるので、左第二停止時点で押し順正解が確定する。これに対し、右第二停止時には、押し順が「中右左」となるので、右第二停止時点で押し順不正解が確定する。
左第二停止時には、図12に示すように、左ストップスイッチ42の操作タイミングに応じて、05番、10番、15番、又は20番の「ベル」を有効ラインに停止させる。
また、右第二停止時には、図12に示すように、右ストップスイッチ42の操作タイミングに応じて、04番、09番、14番、又は10番の「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
図13は、複合ベルA1当選時において、中左右時(押し順正解時)の右第三停止時、及び中右左時(押し順不正解時)の左第三停止時の停止位置決定テーブル65を示す図である。
中左右時の右第三停止時は、正解押し順であるので、図13に示すように、右ストップスイッチ42の操作タイミングに応じて、05番、10番、15番、又は20番の「ベル」を有効ラインに停止させる。
これにより、有効ライン上の図柄は「ベル」−「ベル」−「ベル」となり、ベル01が入賞する。
一方、中右左時の左第三停止時は、不正解押し順であるので、図13に示すように、左ストップスイッチ42の操作タイミングに応じて、01番、06番、11番若しくは16番の「スイカA」、又は02番の「ブランク」を有効ラインに停止させる。
図14は、複合ベルA1当選時において、右第一停止時での左及び中リール31の停止位置決定テーブル65を示す図である。右第一停止時には、第一停止時に不正解が確定している。
また、右第一停止時には、第二停止が左及び第三停止が中(よって、右左中)であるときと、第二停止が中及び第三停止が左(よって、右中左)であるときとで、同一の停止位置決定テーブル65を用いている。
図14に示すように、左リール31については、左ストップスイッチ42の操作タイミングに応じて、01番、06番、11番若しくは16番の「スイカA」、又は02番の「ブランク」を有効ラインに停止させる。
また、右リール31については、右ストップスイッチ42の操作タイミングに応じて、04番、09番、14番、又は19番の「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
これにより、右左中、及び右中左のいずれも、「スイカA」−「ベル」−「リプレイ」のベル26、又は「ブランク」−「ベル」−「リプレイ」のベル27が入賞する。
他の複合ベルA2〜D3の停止位置決定テーブル65についても、上記と同様して、ストップスイッチ42の押し順と、その押し順に対応する各リール31の(ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する)停止位置が定められている。
以上の停止位置決定テーブル65を用いて、いずれかの複合ベル当選時に、押し順ごとに、有効ライン上のリール31の停止位置を検索し、最も有利となる押し順を特定し、その検索結果をサブ制御手段80に送信する。これにより、メイン制御手段60及びサブ制御手段80側の双方で、当選した複合ベルと正解押し順との関係を定めたデータテーブルを設けておく必要がなくなる。
たとえば上記の複合ベルA1に当選した場合において、すべてのリール31について、01番が有効ラインに位置する直前にストップスイッチ42が操作されるものとみなし、各押し順に対応する図柄の組合せを検索する。
全リール31について01番の図柄が有効ラインに位置する直前にストップスイッチ42が操作されるしたとき、有効ライン上の図柄の組合せを検索すると、
左中右:「リプレイ」−「ベル」−「リプレイ」(役非入賞、0枚)
左右中:「リプレイ」−「ベル」−「リプレイ」(役非入賞、0枚)
中左右:「ベル」−「ベル」−「ベル」(ベル01入賞、8枚)
中右左:「スイカA」−「ベル」−「リプレイ」(ベル26入賞、1枚)
右左中:「スイカA」−「ベル」−「リプレイ」(ベル26入賞、1枚)
右中左:「スイカA」−「ベル」−「リプレイ」(ベル26、入賞1枚)
となる。
そして、メイン制御手段60は、最も払出し枚数が多くなる図柄の組合せが有効ライン上に停止する押し順を正解押し順(上記の例では、中左右)に決定し、その押し順をサブ制御手段80に送信する。
なお、たとえば複合ベルD3当選時において、全リール31について01番の図柄が有効ラインに位置する直前にストップスイッチ42が操作されるしたとき、有効ライン上の図柄の組合せを検索すると、
左中右:「リプレイ」−「白BAR」−「白BAR」(ベル25入賞、1枚)
左右中:「リプレイ」−「白BAR」−「白BAR」(ベル25入賞、1枚)
中左右:「スイカA」−「スイカB」−「ベル」(ベル32入賞、1枚)
中右左:「スイカA」−「スイカB」−「ベル」(ベル32入賞、1枚)
右左中:「スイカA」−「スイカB」−「ベル」(ベル32入賞、1枚)
右中左:「ベル」−「ベル」−「ベル」(ベル01入賞、8枚)
となり、いずれかのベルが入賞する。
複合ベル当選時に、どの図柄番号の図柄を基準にするか(ストップスイッチ42が操作された瞬間の有効ライン上の図柄をどの図柄とするか)については、任意である。どの図柄番号の図柄を基準にしても、正解押し順では、全リール31とも「PB=1」でベル01が入賞するので、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄番号にかかわらず、同一の図柄の組合せとなる。たとえば、リール31ごとに、異なる図柄番号の図柄を基準としても同一の結果となる。
また、上記の方法では、左第一停止についても検索を行ったが、複合ベル当選時における左第一停止は常に押し順不正解となるので、左第一停止時の検索を省略してもよい。
さらに、この場合、最初に中第一停止と右第一停止とを検索し、第一停止時に有効ラインに「ベル」が停止する押し順を正解押し順候補とし、第一停止時に有効ラインに「ベル」以外の図柄が停止する押し順を不正解押し順として、この不正解押し順の検索を打ち切るようにしてもよい。
この時点で、正解押し順候補は2つとなるので、第二停止の仮想停止制御を実行し、第二停止時に有効ラインに「ベル」が停止する方を正解押し順とし、「ベル」が停止しない方を不正解押し順とすることも可能である。
具体例を挙げると、たとえば複合ベルA1当選時には、中第一停止と右第一停止の仮想停止制御を実行する。これにより、中第一停止時には「ベル」が停止するので正解押し順候補となり、右第一停止時には「リプレイ」が停止するので、この時点で右第一停止に係る仮想停止制御を打ち切る。
次に、中第一停止時において、いずれか一方の第二停止に対して仮想停止制御を実行する。たとえば左第二停止について仮想停止制御を実行すると、左第二停止時には有効ラインに「ベル」が停止するので、この時点で、正解押し順は「中左右」と特定することができる。よって、右第二停止については仮想停止制御を実行することなく終了する。
以上のように、第2実施形態では、複合ベル当選時の正解押し順を知るためのデータテーブルを事前に記憶しておく必要がないので、メイン制御手段60及びサブ制御手段80の記憶容量を削減することができる。特に、メイン制御手段60側でATの抽選を含むATの管理を行うときは、それに見合うメイン制御手段60側の記憶容量が必要となるが、第2実施形態のように構成することで、メイン制御手段60側の記憶容量削減に貢献することができる。
<第3実施形態>
第1実施形態では、MB内部中遊技において、内部状態として非ATとATとを設け、非ATからATへの移行は、RT(遊技状態)移行を伴わないものである。
これに対し、第3実施形態は、遊技状態(RT)の移行を行い、所定のRTに移行したときにATを実行するものである。
図15は、第3実施形態における遊技状態の移行を説明する図である。
たとえば、メイン制御手段60側の遊技状態としてMB非内部中遊技を有し、このMB非内部中遊技として、RT1遊技(非AT)、RT2遊技(AT準備中)、RT3遊技(AT)を設ける。また、抽選される役として、ノーマルリプレイの他に、レアリプレイ(ノーマルリプレイとの重複当選を含む)を設ける。
まず、メイン制御手段60は、非AT中は、RT1遊技に滞在し続ける。
次に、メイン制御手段60における抽選でATに当選したときは、サブ制御手段80は、レアリプレイの当選時に変則押し(左第一停止以外)を報知する。レアリプレイの当選時に報知された変則押しでストップスイッチ42が操作されたときは、昇格リプレイが入賞するようにリール31を停止制御する。昇格リプレイが入賞したときは、メイン制御手段60は、遊技状態をRT1遊技からRT2遊技(AT準備中)に移行させる。
なお、「レアリプレイの当選」とは、
a)1種類のレアリプレイの単独当選であって、所定の変則押し順では昇格リプレイが入賞し、前記所定の押し順以外の押し順では昇格リプレイ取りこぼし目(転落停止出目)が停止表示される場合、
b)2種類以上のレアリプレイの重複当選又は1種類以上のレアリプレイとノーマルリプレイとの重複当選であって、所定の変則押し順では昇格リプレイが入賞し、前記所定の押し順以外の押し順では転落リプレイ(転落リプレイに相当するノーマルリプレイを含む)が入賞する場合
等が挙げられる。
さらに、RT2遊技では、レアリプレイの抽選を継続し、ATに移行させるときは、サブ制御手段80は、レアリプレイ当選時に所定の変則押しを報知する。そして、その変則押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、昇格リプレイが入賞するようにリール31を停止制御する。ここで昇格リプレイが入賞したときは、メイン制御手段60は、遊技状態をRT2遊技からRT3遊技(AT)に移行させる。遊技状態がRT3遊技に移行したときは、メイン制御手段60は、ATを開始するとともに、外端信号の送信を行う。第3実施形態における外端信号の送信条件は、RT3遊技に移行したことに設定することができる。
メイン制御手段60は、RT3遊技への移行後は、転落リプレイが入賞しない限り、RT3遊技に滞在し続ける。RT3遊技で転落リプレイが入賞して初めて、RT1遊技に移行する。
これに対し、サブ制御手段80は、ATを終了したときは、次遊技から、レアリプレイ当選時に、転落リプレイの入賞を回避するための押し順の報知や、複合ベルの当選時に正解押し順の報知を行わない。したがって、メイン制御手段60による遊技状態の移行(RT3遊技からRT1遊技への移行)と、サブ制御手段80によるATの終了のタイミングとは必ずしも一致するものではない。
なお、RT1遊技においてAT抽選に当選していない状態で、遊技者のストップスイッチ42の操作ミス等によって偶然にレアリプレイ当選時に昇格リプレイが入賞してRT2遊技に移行したときであっても、AT当選後のAT準備中ではないので、メイン制御手段60は、サブ制御手段80に対して、正解押し順を送信しないか、又は報知を行わないことを指示する情報を送信する。これにより、RT2遊技からRT3遊技に昇格する押し順は報知されない。その結果、RT2遊技で抽選されるレアリプレイの当選時に転落リプレイの入賞確率が高くなるので、RT3遊技に移行する前にRT1遊技に転落する可能性が高くなる。
特に、本実施形態のように、ストップスイッチ42の押し順が左第一停止以外はペナルティに設定するとともに、レアリプレイの当選時に左第一停止時には転落リプレイが入賞するように設定しておけば、当該遊技で転落リプレイを入賞させることができるので、RT3遊技に移行してしまう可能性を低く設定することができる。
第1実施形態では、非ATとATとで、同一のRT(内部中遊技)であるので、リプレイの当選確率に変動はない。このため、非AT中であっても、リプレイの当選確率が高くなる。したがって、非AT中のベースを下げるためには、非AT中における押し順ベル当選時の入賞率を低く設定する必要がある。よって、第1実施形態では、左第一停止で押し順正解となる複合ベルを設けていない。
これに対し、第3実施形態では、ATとなるRT3遊技でのみリプレイの当選確率を高く設定し(ARTとし)、非ATであるRT1遊技では、リプレイの当選確率を通常確率(第1実施形態のMB非内部中遊技)である1/7.3程度に設定することができる。これにより、非AT中では、リプレイを含む出玉率(ベース)を下げることができるので、たとえば左第一停止時に押し順正解となるベルを設けることが可能となる。
ただし、第1実施形態において、左第一停止時に押し順正解となるベルを設けることができないわけではなく、たとえば左第一停止時に押し順正解となるベルの当選確率を、中又は右第一停止時に押し順正解となるベルの当選確率よりも低く設定等すれば、設けることは十分に可能である。
さらに第3実施形態では、ATに当選していない遊技中は、複合ベル当選時に正解押し順をサブ制御手段80に送信しないだけでなく、上述したレアリプレイに当選した遊技、すなわち当該遊技で正解押し順(遊技状態を昇格させる押し順)でストップスイッチ42を操作したときは遊技状態を昇格させる(遊技者に有利となる)図柄の組合せを停止可能な遊技において、正解押し順を含む情報をサブ制御手段80に送信しないように制御する。
このようにすれば、サブ制御手段80側の不正行為により、遊技状態を昇格させる正解押し順が知られてしまうことを防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、AT遊技の開始時に特殊リプレイを入賞させるようにしたが、これに限らず、フリーズ中の擬似遊技を利用して、「赤7」揃い等のAT作動図柄を表示させてもよい。
ここで、本遊技と擬似遊技とについて説明する。
「本遊技」とは、操作スイッチの本来の機能(ベットスイッチ40は遊技を開始するためにメダルを投入する機能、スタートスイッチ41は遊技を開始するためにリール31の回転を開始する機能、ストップスイッチ42は、回転中のリール31を役の抽選結果に基づいて最大移動コマ数の範囲内において停止させる機能)が遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっている遊技を指す。
本遊技では、ベットスイッチ40が操作されたときにメダルが投入され、スタートスイッチ41が操作されたときにリール31の回転を開始し(及び役の抽選を行い)、ストップスイッチ42が操作されたときに、役の抽選結果に基づいてリール31を停止させ、リール31の停止時における図柄の組合せによってその遊技における遊技結果を表示する。
これに対し、フリーズ中は、ベットスイッチ40を操作してもメダルが投入されない、スタートスイッチ41を操作してもリール31の回転が開始しない、ストップスイッチ42を操作しても、リール31が遊技結果を表示しない(リール31が停止しない)ことは、操作スイッチの機能が本遊技を進行して本遊技での遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態である。
そして、「擬似遊技」とは、このフリーズ中に実行される遊技であって、本遊技と異なり、少なくとも1つの操作スイッチについて、その機能が、本遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっていない遊技を指す。特に、スタートスイッチ41が操作された時から、リール31が定速となってストップスイッチ42の操作受付け可能となるまで(ストップスイッチ42の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になるまで)の間に、擬似遊技を実行する。
擬似遊技の実行のタイミングは、前兆終了後の次遊技である。この次遊技に、擬似遊技で停止させる図柄の組合せ、たとえば「赤7」を狙わせる報知を行う。なお、擬似遊技で「赤7」揃いをさせる場合には、「赤7」揃いを役の図柄の組合せに設定しないようにする。
フリーズ及び擬似遊技を実行することに決定したときは、次遊技において、本遊技の開始前にフリーズ及び擬似遊技を開始する。
遊技者によりスタートスイッチ41が操作されると、役の抽選を行うとともに、擬似遊技を開始する。一方、スタートスイッチ41が操作されると、リール31の回転を開始する。スタートスイッチ41が操作されたことによりリール31を回転させる場合において、当該遊技で、本遊技の前に擬似遊技を実行する場合には、そのスタートスイッチ41の操作によるリール31の回転開始時は擬似遊技となる。
また、擬似遊技では、遊技者によるストップスイッチ42の操作を契機として、そのストップスイッチ42に対応するリール31を変動させ、遊技結果を表示する停止とは異なる図柄の表示状態とすることにより、遊技結果を示すものではない図柄の組合せの表示状態(リール31の停止に近い状態)となるように制御する。すなわち、ストップスイッチ42の機能は遊技結果を表示するものとして有効になっていないものの、ストップスイッチ42の操作を契機としてリール31の変動を行う。
このときに、ストップスイッチ42の操作を契機として上述したAT作動図柄を表示させることで、AT開始時の演出とする。また、AT作動図柄を表示した時に、外端信号を送信する。
なお、擬似遊技中に、ストップスイッチ42の操作を契機としてAT作動図柄を表示させる場合には、そのAT作動図柄は、本遊技における停止位置決定テーブル65を用いる停止制御(最大スベリコマ数が4コマ)と同様の制御を行ってもよいが、ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず(最大スベリコマ数が4コマを超える場合であっても)、AT作動図柄を常に有効ラインに表示するようにリール31を制御してもよい。擬似遊技は、本遊技における最大スベリコマ数の制約を受けないためである。
さらに、擬似遊技中の図柄の表示状態は、リール31(図柄)が一定位置に完全にとどまることなく、揺れ変動を伴うものとする。
ここで、「揺れ変動」とは、図柄が一定の振幅(揺れ幅)をもって上下移動を繰り返すものであり、常に上下移動を繰り返す場合や、静止及び移動を繰り返す場合、たとえば有効ラインを基準として上寄りの位置で所定時間静止した後、下寄りに移動してその位置で所定時間静止した後、再度上寄りに移動して所定時間静止することを繰り返す等の動作である。
より具体的には、図柄の表示状態とした時から390msその位置にとどまり、上寄り位置に移動してその位置で10msとどまり、次に下寄り位置に移動してその位置で10msとどまる、というように、最初は390msとどまり、次に移動及び10msとどまることを繰り返すパターンが挙げられる。
なお、最初のとどまる時間を390msに設定したのは、とどまる時間を500ms未満とすることで、遊技結果を表示する停止と区別するためである。
「リール31を停止させること」は、遊技結果を表示することを意味するものなる。そして、遊技結果を一旦表示した後は、その一遊技内で、遊技結果を表示したリール31の再変動を行うことはできない。したがって、擬似遊技中にリール31を停止させてしまうと、その後に本遊技においてリール31を停止させて遊技結果を表示することはできない。
そこで、擬似遊技中は、ストップスイッチ42の操作を契機として、リール31の停止に近い状態(一時的な仮停止、擬似停止)である、揺れ変動を伴う図柄の表示状態とする。すなわち、擬似遊技中の図柄の表示状態は、遊技結果を示す停止ではない。いいかえれば、ストップスイッチ42を操作しても、当該遊技における遊技結果を示すようにリール31が停止することはない。
このため、擬似遊技中の図柄の表示状態は、役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したこと、すなわち役の入賞を意味するものではない。よって、小役入賞時のようなメダルの払出しや、リプレイ入賞時のようなメダルの自動投入が行われることはない。
このようにして、擬似遊技では、すべてのリール31について図柄の表示状態とした後、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されることを待ち、スタートスイッチ41が操作されたときは、擬似遊技及びフリーズを終了し、全リール31の再変動を行う。なお、このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態での操作であり、遊技者が自ら擬似遊技を終了させる(フリーズを解除ないしキャンセルする)操作である。また、リール31の再変動は、ランダム遅延によって、各リール31ごとに、再変動のタイミングをばらばらにする制御を行う。
以上のようにして、擬似遊技を用いてAT作動図柄を表示するようにすれば、前兆終了後の次遊技でAT作動図柄を表示させ、かつ当該遊技(当該擬似遊技終了後の本遊技)からATを開始することができる。これにより、第1実施形態のようなAT準備中(複合ベル当選時に正解押し順を報知する遊技)を設けることがないので、その分、AT前の出玉率(ベース)を下げることができる。
(2)上記実施形態では、ATは、基本遊技回数をたとえば「50」とし、この「50」に上乗せされる仕様とした。しかし、これに限らず、継続条件を満たさなくなるまで、1セット所定回数からなるATを継続する仕様であってもよい。この場合には、AT当選時、AT作動図柄(特殊リプレイ)入賞時等に継続率を抽選で決定する。そして、所定のタイミングで継続抽選を実行し、この継続抽選に当選したときは、次のセットのAT(所定遊技回数)を実行する。
(3)ペナルティ期間中は、上述したように、メイン制御手段60から、当選役に係る情報を一切送信しないようにしてもよいが、他の役であるチェリー、スイカ、又はリプレイの当選時には当選役の情報を送信してもよい。あるいは、レア役であるチェリー又はスイカ当選時(又は、「PB≠1」の役の当選時)のみ、当選役の情報を送信してもよい。
さらに、サブ制御手段80は、ペナルティ期間中であっても、当選役情報を受信したときは、その当選役情報に基づいて、当選役に係る演出を出力してもよい。すなわち、ペナルティ中は、複合ベル当選時のみ、当選役に関する情報を送信せず、かつ演出を出力しないようにしてもよい。
(4)第1実施形態では、特殊リプレイの入賞時等に外端信号を送信するようにした。ここで、特殊リプレイの入賞時及び/又は外端信号の送信時に、上述したフリーズを発生させ、たとえば数秒程度、AT開始時の演出を出力してもよい。
(5)第1実施形態では、AT中にレア役に当選したときに、ATの遊技回数を上乗せするか否かを抽選し、この抽選に当選したときは、AT遊技回数を上乗せするようにした。ここで、AT中のレア役当選時に上記抽選を行い、この抽選に当選すれば、当該遊技でATの遊技回数が上乗せされるが、遊技回数が上乗せされた演出は、当該遊技から所定遊技回数の経過後に出力してもよい。たとえば、ATの遊技回数を上乗せすることに決定した後、何遊技遅らせてその情報をサブ制御手段80に送信するかを抽選で決定する。
そして、たとえば「3遊技後」と決定したときは、レア役当選時(ATの遊技回数上乗せ時)から3遊技後に、サブ制御手段80に対してATの遊技回数を上乗せすること及び上乗せ数の情報を送信する。サブ制御手段80は、当該情報を受信した遊技で、ATの遊技回数の上乗せ、及び上乗せ数を報知する。このように設定すれば、AT中のレア役当選時からの数遊技間において、上乗せ期待演出を出力することができる。
(6)上記各実施形態、及び各種の変形例は、単独で実施されることに限らず、適宜組み合わせて実施することが可能である。
<付記>
本願の出願当初の請求項に係る発明(当初発明)が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。
(a)当初発明が解決しようとする課題
従来のスロットマシンにおいて、ストップスイッチの押し順(操作態様)に応じて遊技者の有利さが異なる押し順役を設けたものが知られている。具体的には、押し順役に当選したときに、正解押し順でストップスイッチを操作したときは、不正解押し順時よりも、遊技者にとって有利となる(メダル獲得枚数が多くなる等)停止態様となる。
正解押し順を報知する遊技は、AT(アシストタイム)と称されるが、ATの抽選、実行等の管理は、サブ制御基板側で行われる。
一方、メイン制御基板側では、役の抽選を行い、その抽選結果をサブ制御基板に送信する。サブ制御基板は、ATの抽選を行い、ATに当選したときは、所定の役抽選結果となったときに特定の押し順を報知する。メイン制御基板は、所定の役抽選結果となったときに特定の押し順でストップスイッチが操作されたときは、サブ制御基板側でATが開始されたと判断する(たとえば、特開2012−085825号公報参照)。
前述の従来の技術において、非AT中は、押し順役に当選しても、正解押し順は報知されない。
ここで、メイン制御基板とサブ制御基板とを備えるスロットマシンでは、メイン制御基板は、役の抽選を行うために十分なセキュリティ性を担保している(たとえば、解析不能なROMを用いるとともに、基板を基板ケース内に封止してカシメする等)。これに対し、サブ制御基板は、一般的な基板ケースに収納されているだけであるので、セキュリティの面ではメイン制御基板に比べて劣る。
このため、押し順役に当選した場合において、正解押し順の情報がメイン制御基板からサブ制御基板に送信されたときに、サブ制御基板に不正な方法を施すことで、正解押し順を知られてしまうおそれがある。たとえば、サブ制御基板に搭載されるサブROMを不正改造する(ゴトROMと交換する)等が挙げられる。
ここで、サブ制御基板においてもメイン制御基板と同様に、たとえばサブ制御基板をケース内に封止し、その後、ケースのカシメ等を行うことで、セキュリティ性を担保することができる。しかし、このような方法では、コスト高となるという問題がある。
当初発明が解決しようとする課題は、ストップスイッチの操作態様に応じて遊技者に有利/不利が生じる遊技(たとえば、上記の押し順役の当選時の遊技)で、簡易な方法で、遊技者に有利となるストップスイッチの操作態様を、サブ制御基板を利用して不正に知られることがないようにすることである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段(なお、かっこ書きで、対応する実施形態を示す。)
第1の解決手段は、
複数のリール(31)と、
各前記リールを停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチ(42)と、
遊技の進行を制御するメイン制御手段(60)と、
前記メイン制御手段から送信される情報に基づいて、演出の出力を制御するサブ制御手段(80)と
を備え、
特定操作態様(正解押し順)で前記ストップスイッチを操作したときに遊技者に有利となる(払出しが最も多くなる)特定遊技(複合ベル当選時の遊技)において、その特定操作態様を報知する報知遊技状態(AT)を有し、
前記メイン制御手段は、
報知遊技状態とするか否かの決定を含み、報知遊技状態を管理する報知遊技状態制御手段(内部状態制御手段69)を備え、
報知遊技状態において、前記特定遊技では、特定操作態様を判断可能な情報(正解押し順)を前記サブ制御手段に送信するように制御し、
報知遊技状態でないときは、前記特定遊技であっても、特定操作態様を判断可能な情報を前記サブ制御手段に送信しないように制御し、
前記サブ制御手段は、
前記特定遊技では、特定操作態様を判断可能な情報を前記メイン制御手段から受信しなければ、特定操作態様を判断できないようにし、
報知遊技状態において、特定操作態様を判断可能な情報を受信したときは、その特定操作態様を報知可能とし、
前記メイン制御手段は、
報知遊技状態でないときは、前記ストップスイッチの一定の操作態様(中又は右第一停止の変則押し)をペナルティ操作態様に設定し、
報知遊技状態でないときに前記ペナルティ操作態様で前記ストップスイッチが操作されたときは、次遊技以降の少なくとも所定回数の遊技をペナルティ期間とし、
前記ペナルティ期間中は、前記特定遊技であっても、前記特定遊技であることを意味する情報(いずれかの複合ベルに当選したこと)を前記サブ制御手段に送信しないように制御し、
前記サブ制御手段は、前記ペナルティ期間中は、前記特定遊技であることを意味する演出(いずれかの複合ベルの当選)を出力しないように制御する
ことを特徴とする。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、
請求項2の発明は、請求項1において、
前記メイン制御手段は、報知遊技状態でない場合において、前記特定遊技では、特定操作態様を判断不能な情報であって前記特定遊技であることを意味する情報を前記サブ制御手段に送信する(どの複合ベルに当選したかは送信しないが、いずれかの複合ベルに当選したことを送信する)
ことを特徴とする。
第3の解決手段は、第1又は第2の解決手段において、
前記報知遊技状態制御手段は、
報知遊技状態であるか否かを判断する手段(ATフラグ69a)と、
前記特定遊技において、特定操作態様を判断可能な情報を前記サブ制御手段に送信するか否かを判断する手段(押し順フラグ69b)とを備える
ことを特徴とする。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、報知遊技状態でないときは、サブ制御手段側では、特定遊技時に、特定操作態様を知ることができない。これにより、サブ制御手段を不正改造等し、報知遊技状態でないときに特定遊技時の特定操作態様を知られてしまうことを防止することができる。
また、報知遊技状態でないときにペナルティ操作態様でストップスイッチが操作されたときは、その後のペナルティ期間では、特定遊技であることを意味する情報自体をサブ制御手段に送信しないので、特定遊技時に特定操作態様を知られるおそれをより確実になくすことができる。さらにまた、ペナルティ期間中は、当選役自体の報知をなくすことで、ペナルティ期間の実効を高めることができる。