JP6349695B2 - フィルムセンサを作製するために用いられる積層体 - Google Patents
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Description
このような損傷を防ぐため、例えば、銅よりも高い硬度を有する金属材料からなる層を、銅を保護するための被覆層として、銅からなる金属層の上に設けることが考えられる。ここで、本件発明者らが鋭意研究を重ねた結果、積層体の表面の損傷を十分に抑制するためには、単に被覆層を設けるだけでは不十分であり、金属層や被覆層を構成する金属結晶において、所定の結晶面の比率が適切な範囲内になっていることが重要であることを見出した。
以下、図1乃至図7を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。はじめに図3を参照して、本実施の形態における積層体10Aについて説明する。
図3は、積層体10Aを示す断面図である。図3に示すように、積層体10Aは、基材フィルム12と、基材フィルム12の一方の側の面12a上に順に設けられた第1ハードコート層13a、第1高屈折率層14a、第1低屈折率層15a、第1酸化珪素層16a、第1透明導電層17a、第1銅層18aおよび第1被覆層19aと、を含んでいる。なお「一方の側」および後述する「他方の側」とは、積層体10Aの各層の位置関係を、積層体10Aの載置のされ方に依らず相対的に表現するための用語である。例えば図3に示す例においては、「一方の側」および「他方の側」がそれぞれ上側および下側に相当するが、「一方の側」および「他方の側」が意味する向きが上側および下側に限られることはなく、積層体10Aの向きに応じて「一方の側」および「他方の側」が意味する向きは変化する。
以下、基材フィルム12、第1ハードコート層13a、第1高屈折率層14a、第1低屈折率層15a、第1酸化珪素層16a、第1透明導電層17a、第1銅層18aおよび第1被覆層19aについてそれぞれ説明する。
基材フィルム12としては、十分な透光性を有するフィルムが用いられる。基材フィルム12を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン・コポリマー(COC)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが挙げられる。基材フィルム12の厚みは、例えば25〜200μmの範囲内となっている。
第1ハードコート層13aは、擦り傷を防止するという目的や、層間の界面に低分子重合体(オリゴマー)が析出して白く濁ってみえることを防ぐという目的のために設けられる層である。第1ハードコート層13aとしては、例えばアクリル樹脂などが用いられる。なお図3に示すように、第1ハードコート層13aと同一の材料から構成された第2ハードコート層13bが、基材フィルム12の他方の面12b上にさらに設けられていてもよい。ハードコート層13a,13bの厚みは、例えば0.1〜10μmの範囲内となっている。
第1高屈折率層14aは、基材フィルム12を構成する材料よりも高い屈折率を有する材料から構成される層であり、一方、第1低屈折率層15aは、基材フィルム12を構成する材料よりも低い屈折率を有する材料から構成される層である。これら第1高屈折率層14aおよび第1低屈折率層15aは、積層体10Aにおける光の透過率や反射率を調整するために基材フィルム12と第1透明導電層17aとの間に任意に設けられるものである。第1高屈折率層14aおよび第1低屈折率層15aは、後述するように積層体10Aの第1透明導電層17aがパターニングされてフィルムセンサのセンサ電極となる場合に、センサ電極が設けられている領域と設けられていない領域との間の光の透過率および反射率の差を小さくするためのインデックスマッチング層として機能することができる。
第1酸化珪素層16aは、酸化珪素の膜として形成される層である。第1酸化珪素層16aに含まれる酸化珪素の組成が特に限られることはなく、SiOx(xは任意の数)の組成を有する様々な酸化珪素が用いられるが、例えばx=1.8となっている。
第1透明導電層17aは、後述するように、フィルムセンサのセンサ電極を形成するために用いられる層である。第1透明導電層17aを構成する材料としては、導電性を有しながら透光性を示す材料が用いられ、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)などの金属酸化物が用いられる。第1透明導電層17aの厚みは、積層体10Aから作製される透明電極またはセンサ電極における電気抵抗の仕様などに応じて適宜設定されるが、例えば15〜40nmの範囲内となっている。
第1銅層18aは、銅を含む層である。例えば第1銅層18aは、95atm%以上の銅を含んでいる。本実施の形態において、第1銅層18aおよび上述の第1被覆層19aは、第1透明導電層17aからの信号を外部に取り出すための配線を形成するために用いられる層である。すなわち、第1銅層18aおよび第1被覆層19aは、いわゆる額縁配線を形成するために用いられる層である。第1銅層18aの厚みは、額縁配線に対して求められる導電性に応じて適宜設定されるが、例えば80〜200nmの範囲内になっている。
ところで銅は一般に柔らかい。このため、仮に第1銅層18aが積層体10Aの最も外側の表面(以下、最表面とも称する)を構成するとした場合、積層体10Aの製造工程や、積層体10Aからフィルムセンサを作製するための工程において、積層体10Aの表面が損傷してしまうことが懸念される。第1被覆層19aは、このような損傷を防ぐために、第1銅層18aの一方の側の面上に設けられた層である。なお第1銅層18aおよび第1被覆層19aは上述のように、第1透明導電層17aからの信号を外部に取り出すための配線を形成するための層である。従って、第1被覆層19aには、フィルムセンサの信号を取り出すためのフレキシブル基板の端子などが接続される。このため、第1被覆層19aには、単に第1銅層18aを保護するという役割だけでなく、信号を低抵抗で伝達するという役割も求められる。このような点を考慮し、第1被覆層19aは、導電性を有する金属材料から構成されている。例えば、第1被覆層19aは、CuNi合金を含んでいる。
はじめに、第1銅層18aに含まれる銅結晶の結晶面について説明する。後述するように、積層体10Aの一方の側の面にX線を入射させると、積層体10Aの最表層である第1被覆層19aに含まれるCuNi結晶の回折ピークだけでなく、第1銅層18aに含まれる銅結晶の回折ピークも得られる。ここでは、回折ピークをθ−2θ法で測定した場合の、第1銅層18aの銅結晶の{220}面に基づく回折ピークの高さをPCu{220}とし、第1銅層18aの銅結晶の{311}面に基づく回折ピークの高さをPCu{311}とする。この場合、本件発明者らの研究の成果によれば、PCu{220}/PCu{311}が適切な範囲内になっているとき、良好な耐擦傷性を有する積層体10Aを得ることができた。PCu{220}/PCu{311}の具体的な数値については、実施例において詳細に説明するが、例えば、PCu{220}/PCu{311}が1.6〜1.9の範囲内になっていることが、積層体10Aの耐擦傷性を高める上で有効である。より好ましくは、PCu{220}/PCu{311}は1.64〜1.88の範囲内になっている。
次に、第1銅層18aに含まれる銅結晶の所定の結晶面の比率と、第1被覆層19aに含まれるCuNi結晶の所定の結晶面の比率との間の関係の適切な範囲について説明する。ここでは、回折ピークをθ−2θ法で測定した場合の、第1被覆層19aのCuNi結晶の{220}面に基づく回折ピークの高さをPCuNi{220}とする。この場合、本件発明者らの研究の成果によれば、PCuNi{220}/PCu{220}が適切な範囲内になっているとき、良好な耐擦傷性を有する積層体10Aを得ることができた。PCuNi{220}/PCu{220}の具体的な数値については、実施例において詳細に説明するが、例えば、PCuNi{220}/PCu{220}が0.5〜0.8の範囲内になっていることが、積層体10Aの耐擦傷性を高める上で有効である。より好ましくは、PCuNi{220}/PCu{220}は0.53〜0.76の範囲内になっている。
なお図4に示すように、第2ハードコート層13bの他方の側に順に設けられた第2高屈折率層14b、第2低屈折率層15b、第2酸化珪素層16bおよび第2透明導電層17b、第2銅層18bおよび第2被覆層19bをさらに備えた積層体10Bが提供されてもよい。すなわち、フィルムセンサのセンサ電極を構成するための透明導電層や、フィルムセンサの額縁配線を構成するための銅層および被覆層が、基材フィルム12の一方の側だけでなく他方の側にも設けられていてもよい。これによって、後述するように、基材フィルム12の両側にセンサ電極や額縁配線を形成することができる。なお本実施の形態においては、片側にのみ銅層および被覆層が設けられている積層体を符号10Aで表し、両側に銅層および被覆層が設けられている積層体を符号10Bで表している。また後述する中間積層体についても、片側にのみ透明導電層が設けられている中間積層体を符号11Aで表し、両側に透明導電層が設けられている中間積層体を符号11Bで表している。
図1に示すように、積層体製造装置1は、中間積層体11Aを巻き出す巻出装置20と、中間積層体11A上に第1銅層18aおよび第1被覆層19aを設ける成膜装置30と、第1銅層18aおよび第1被覆層19aが設けられた中間積層体11Aを巻き取る巻取装置50と、を備えている。
次に、積層体製造装置1の成膜装置30について説明する。成膜装置30における成膜方法としては、真空蒸着、スパッタリング、CVDやイオンプレーティングなど様々な方法が採用され得るが、ここでは、成膜方法としてスパッタリングが用いられる例について図2を参照して説明する。
はじめに基材フィルム12を準備する。次に、アクリル樹脂を含む塗布液を、コーターを用いて基材フィルム12の両側にコーティングする。これによって、基材フィルム12の両側にハードコート層13a,13bが形成される。次に、有機樹脂および有機樹脂内に分散された高屈折率材料の粒子、例えばジルコニウムの粒子を含む塗布液を、コーターを用いて第1ハードコート層13aの一方の側の面上にコーティングする。これによって、第1ハードコート層13a上に第1高屈折率層14aが形成される。その後、有機樹脂および有機樹脂内に分散された低屈折率材料の粒子、例えば酸化珪素の粒子を含む塗布液を、コーターを用いて第1高屈折率層14aの一方の側の面上にコーティングする。これによって、第1高屈折率層14a上に第1低屈折率層15aが形成される。その後、スパッタリング法などの真空成膜法を用いて、第1低屈折率層15a上に第1酸化珪素層16aを形成する。同様に、スパッタリング法などの真空成膜法を用いて、第1酸化珪素層16a上に第1透明導電層17aを形成する。このようにして中間積層体11Aを得ることができる。なお、第1酸化珪素層16aや第1透明導電層17aを形成するための真空成膜を実施するための装置は、上述の積層体製造装置1の中に、例えば上述の巻出装置20と成膜装置30との間に設けられたものであってもよく、または、積層体製造装置1からは分離されたものであってもよい。
積層体の製造方法
まず成膜装置30の第1領域31において、中間積層体11Aの第1透明導電層17aの一方の側の面上に第1銅層18aを形成する銅層形成工程を実施する。銅層形成工程においては、はじめに排気手段31cによって第1領域31の内部の気体を外部に排出し、これによって、第1領域31内を真空状態とする。次に、不活性ガス供給装置(図示せず)によって第1領域31内にアルゴンなどの不活性ガスを導入し、その後、放電装置によって第1ターゲット材31aに放電電力を印加する。これによって生じる、銅のスパッタリングによって、第1銅層18aを第1透明導電層17a上に形成することができる。
その後第1銅層18aの形成工程の場合と同様にして、第4ターゲット材34aを用いたスパッタリングにより、第4ターゲット材34aを構成するCuNi合金からなる第1被覆層19aを第1銅層18a上に形成することができる。
その後、巻取装置50において、中間積層体11Aと、中間積層体11A上に形成された第1銅層18aおよび第1被覆層19aと、を含む積層体10Aが、シャフト51によって巻き取られる。これによって、積層体10Aの巻回体が得られる。
次に、積層体の用途の一例として、本実施の形態による積層体をパターニングすることにより得られるフィルムセンサ(タッチパネルセンサ)60について説明する。フィルムセンサ60は、人の指などの被検出体の、フィルムセンサ60に対する接触位置を検出するためのものである。フィルムセンサ60は、液晶表示パネルや有機EL表示パネルなどの表示パネルの観察者側に設けられる。フィルムセンサ60としては、被検出体からの圧力に基づいて接触箇所を検出する抵抗膜方式のフィルムセンサや、人の指などの被検出体からの静電気に基づいて接触箇所を検出する静電容量方式のフィルムセンサなど様々なタイプのものが知られている。ここでは、積層体10Bをパターニングすることによって静電容量方式のフィルムセンサ60を形成する例について、図6および図7を参照して説明する。図6は、フィルムセンサ60を示す平面図であり、図7は、図6に示すフィルムセンサ60の線VII−VIIに沿った断面図である。
上述の第1の実施の形態においては、積層体の銅層および被覆層が、フィルムセンサの額縁配線を形成するための層として用いられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、積層体の銅層および被覆層は、フィルムセンサのセンサ電極を形成するための層として用いられてもよい。すなわち、いわゆるメッシュタイプのフィルムセンサを製造するための積層体として、上述の銅層および被覆層を備えた積層体が用いられてもよい。
図8は、積層体10Aを示す断面図である。図8に示すように、積層体10Aは、基材フィルム12と、基材フィルム12の一方の側の面12a上に順に設けられた第1銅層18aおよび第1被覆層19aと、を含んでいる。なお図8に示すように、第1ハードコート層13aと同一の材料から構成された第2ハードコート層13bが、基材フィルム12の他方の面12b上にさらに設けられていてもよい。
次に、積層体の用途の一例として、本実施の形態による積層体をパターニングすることにより得られるフィルムセンサ(タッチパネルセンサ)60について説明する。図11は、フィルムセンサ60を示す平面図であり、図12は、図11に示すフィルムセンサ60の線XII−XIIに沿った断面図である。
基材フィルム12と、基材フィルム12の一方の側に順に設けられた第1銅層18aおよび第1被覆層19aと、を備えた積層体10Aを作製した。第1銅層18aは、95atm%以上の銅を含むよう、スパッタリング法によって成膜した。第1銅層18aの厚みは145nmであった。また第1被覆層19aは、95atm%以上のCuNi合金を含むよう、スパッタリング法によって成膜した。第1被覆層19aの厚みは34nmであった。第1銅層18aおよび第1被覆層19aの成膜温度は室温(RT、約25℃)とした。
第1銅層18aおよび第1被覆層19aの成膜温度を60℃としたこと以外は、サンプル1の場合と同様にして、積層体10Aを作製した。
第1銅層18aおよび第1被覆層19aの成膜温度を80℃としたこと以外は、サンプル1の場合と同様にして、積層体10Aを作製した。
第1銅層18aおよび第1被覆層19aの成膜温度を100℃としたこと以外は、サンプル1の場合と同様にして、積層体10Aを作製した。
第1銅層18aおよび第1被覆層19aの成膜温度を150℃としたこと以外は、サンプル1の場合と同様にして、積層体10Aを作製した。
積層体10Aの一方の側の表面にX線を入射させ、第1銅層18aに含まれる銅結晶の回折ピーク、および、第1被覆層19aに含まれるCuNi結晶の回折ピークを測定した。測定方法としては、図13に示すように、θ−2θ法を採用した。測定器としては、(株)リガク製のSmartLabを用いた。
なお図14に示すように、銅結晶の回折ピークおよびCuNi結晶の回折ピークとは、互いに重なり合って現れる。従って、銅結晶の回折ピークの高さおよびCuNi結晶の回折ピークの高さをそれぞれ個別に評価するためには、観測された回折ピークを2つに分離し、分離されたピークそれぞれの高さを算出する必要がある。図15は、2θ=75°近傍の回折ピークが、銅結晶の{220}面に基づく回折ピークと、CuNi結晶の{220}面に基づく回折ピークとに分離され、そして各々の回折ピークの高さPCu{220}およびPCuNi{220}が算出される様子の概略を示す図である。
サンプル1乃至5に係る積層体10Aの一方の側の表面の耐擦傷性を評価した。評価用の試験機としては、JIS K 5701に準拠した学振試験機である、テスター産業(株)製のAB−301型を用いた。試験条件は以下のとおりである。
・往復距離:20mm
・往復速度:300mm/sec
・往復回数:50回
・試験荷重:200gf
・ヘッド:白ネル(白ネルの柔面を積層体10Aの表面に接触させた)
AB−301型を用いてサンプル1〜5に係る積層体10Aの第1被覆層19aに摩擦を加えた後、各サンプルに係る積層体10Aの表面を、光学顕微鏡を用いて観察し、第1被覆層19aの表面に形成された傷の密度(傷面積率)を算出した。結果、サンプル1〜5に係る積層体10Aにおける傷面積率は、それぞれ23.6%、6.6%、9.8%、10.8%および1.2%であった。図16(a)〜(e)に、試験後のサンプル1〜5に係る積層体10Aの表面の観察結果をそれぞれ示す。
サンプル1乃至5に係る積層体の一方の側の表面におけるインデンテーション硬度を測定した。
具体的には、はじめに、所定の圧子を、各サンプルに係る積層体10Aの一方の側の表面に押し込んだ。この際、圧子の最大押し込み力を15μNにした状態での押し込み量を測定することにより、各サンプルに係る積層体10Aのインデンテーション硬度を算出した。結果、サンプル1〜5に係る積層体10Aにおけるインデンテーション硬度は、それぞれ3.43GPa、4.81GPa、5.09GPa、5.08GPaおよび5.07GPaであった。なお、圧子を積層体10Aに押し込むための試験機としては、(株)エリオニクス製のENT−2100を用いた。
図18に示すように、インデンテーション硬度がほぼ同一であっても、傷面積率が大きく異なる、というサンプルが存在していた。このことから、インデンテーション硬度だけでは、各サンプルに係る積層体の耐擦傷性を正確に予測することは困難であると言える。
5 接着層
10A 積層体
10B 積層体
11A 中間積層体
11B 中間積層体
12 基材フィルム
13a,13b ハードコート層
14a,14b 高屈折率層
15a,15b 低屈折率層
16a,16b 酸化珪素層
17a,17b 透明導電層
18a,18b 銅層
19a,19b 被覆層
20 巻出装置
30 成膜装置
38 搬送ドラム
50 巻取装置
60 フィルムセンサ
62a,62b センサ電極
64a,64b 額縁配線
65a,65b 端子部
70a,70b 導線
Claims (11)
- フィルムセンサを作製するために用いられる積層体であって、
基材フィルムと、
前記基材フィルムの一方の側に設けられ、結晶状態の銅を含む銅層と、
前記銅層の一方の側の面上に設けられ、導電性を有する被覆層と、を備え、
前記銅層における銅の含有率は、95atm%以上であり、
前記積層体の一方の側の面にX線を入射させることによって発生する回折ピークをθ−2θ法で測定した場合の、前記銅層の銅結晶の{220}面に基づく回折ピークの高さをPCu{220}とし、前記銅層の銅結晶の{311}面に基づく回折ピークの高さをPCu{311}とするとき、PCu{220}/PCu{311}が1.6〜1.9の範囲内になっている、積層体。 - 前記被覆層が、結晶状態のCuNi合金を含み、
前記積層体の一方の側の面にX線を入射させることによって発生する回折ピークをθ−2θ法で測定した場合の、前記被覆層のCuNi結晶の{220}面に基づく回折ピークの高さをPCuNi{220}とするとき、PCuNi{220}/PCu{220}が0.5〜0.8の範囲内になっている、請求項1に記載の積層体。 - 前記銅層の厚みが、80〜200nmの範囲内になっており、
前記被覆層の厚みが、10〜50nmの範囲内になっている、請求項2に記載の積層体。 - タッチパネルセンサを作製するために用いられる積層体であって、
基材フィルムと、
前記基材フィルムの一方の側に設けられ、結晶状態の銅を含む銅層と、
前記銅層の一方の側の面上に設けられ、結晶状態のCuNi合金を含む被覆層と、を備え、
前記積層体の一方の側の面にX線を入射させることによって発生する回折ピークをθ−2θ法で測定した場合の、前記銅層の銅結晶の{220}面に基づく回折ピークの高さをPCu{220}とし、前記被覆層のCuNi結晶の{220}面に基づく回折ピークの高さをPCuNi{220}とするとき、PCuNi{220}/PCu{220}が0.5〜0.8の範囲内になっている、積層体。 - 前記銅層の厚みが、80〜200nmの範囲内になっており、
前記被覆層の厚みが、10〜50nmの範囲内になっている、請求項4に記載の積層体。 - 積層体の一方の側の表面のインデンテーション硬度が4.8GPa以上になっている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の積層体。
- フィルムセンサを作製するために用いられる積層体の製造方法であって、
前記積層体は、
基材フィルムと、
前記基材フィルムの一方の側に設けられ、結晶状態の銅を含む銅層と、
前記銅層の一方の側の面上に設けられ、導電性を有する被覆層と、を備え、
前記銅層における銅の含有率は、95atm%以上であり、
前記製造方法は、
前記基材フィルムの一方の側に60〜150℃の成膜温度で前記銅層を成膜する工程と、
前記銅層の一方の側の面上に60〜150℃の成膜温度で前記被覆層を成膜する工程と、を備える、積層体の製造方法。 - 前記積層体の一方の側の面にX線を入射させることによって発生する回折ピークをθ−2θ法で測定した場合の、前記銅層の銅結晶の{220}面に基づく回折ピークの高さをPCu{220}とし、前記銅層の銅結晶の{311}面に基づく回折ピークの高さをPCu{311}とするとき、PCu{220}/PCu{311}が1.6〜1.9の範囲内になっている、請求項7に記載の積層体の製造方法。
- 前記製造方法は、前記積層体の一方の側の面にX線を入射させることによって発生する回折ピークをθ−2θ法で測定し、PCu{220}/PCu{311}が1.6〜1.9の範囲内になっていることを検査する工程を更に備える、請求項8に記載の積層体の製造方法。
- 前記被覆層が、結晶状態のCuNi合金を含み、
前記積層体の一方の側の面にX線を入射させることによって発生する回折ピークをθ−2θ法で測定した場合の、前記被覆層のCuNi結晶の{220}面に基づく回折ピークの高さをPCuNi{220}とするとき、PCuNi{220}/PCu{220}が0.5〜0.8の範囲内になっている、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。 - 前記製造方法は、前記積層体の一方の側の面にX線を入射させることによって発生する回折ピークをθ−2θ法で測定し、PCuNi{220}/PCu{220}が0.5〜0.8の範囲内になっていることを検査する工程を更に備える、請求項10に記載の積層体の製造方法。
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