JP6349115B2 - 車両用エアダクト、車両用グリルシャッター装置 - Google Patents

車両用エアダクト、車両用グリルシャッター装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両用エアダクト、車両用グリルシャッター装置に関する。
車両前面部のフロントバンパには、エンジンルーム内に設置されたラジエータの前方に外気(走行風)を導入するグリル開口部が設けられる。グリル開口部から走行風が導入されると、ラジエータの冷却水が冷却され、エンジンのオーバーヒートが防止される。
しかし、高速走行時においては、エンジンルーム内に導入される走行風の抵抗が大きくなってエンジンの燃費効率が低下する問題がある。また、冬季に長時間の高速走行が行われると、エンジンが過冷却されるおそれがある。
このため、ラジエータグリルを開閉して、エンジンルーム内への走行風を遮断できるようにしたグリルシャッター装置がある。
グリルシャッター装置は、グリル開口部に対応する枠形の本体部およびこの本体部の開口部を開閉する複数のフラップ等を備える。グリル開口部と枠形本体部の間には、外気を導入するエアダクトが設けられる。
フラップは、エアダクトからエンジンルームへの外気の導入を許容する全開位置とエンジンルームへの空気の侵入を阻止する全閉位置の2つの位置の間で回動する。これにより、グリル開口部からエンジンルームへの外気の侵入量が調整できる。
エアダクトやグリルシャッター装置は、フロントバンパとラジエータの間に配置される。このため、車両が前面衝突すると、グリルシャッター装置は、フロントバンパとラジエータの間で押し潰されて破損する。
もっとも、例えば時速2.5マイル(約4km/h)以下の速度で車両が正面衝突したときには、グリルシャッター装置が破損しないことが要請されている。
特許文献1には、車両前面衝突時におけるエアダクトが受ける衝突エネルギーを吸収することができるエアダクトが提案されている。
特開2012−086660号公報
特許文献1に記載されたエアダクトでは、平板形の整流板がU字状または回巻状に湾曲することで、衝突エネルギーが吸収されるようになっている。
しかし、エアダクトの一部をU字状または回巻状に湾曲させるためには、エアダクトをエチレンプロピレンゴム(EPDM)やオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO:ポリプロピレンの中にエチレンプロピレンゴムを微分散させた熱可塑性エラストマー)等の弾性体で成形する必要がある。これらは高価な材料であるため、特許文献1に記載されたエアダクトは、ポリプロピレン(PP)で成形したエアダクトに比べて、約1.5〜2倍程度に高価となってしまう問題がある。
また、特許文献1に記載されたエアダクトでは、整流板のアッパー部(ロア部)が容易に湾曲するように、サイド部との境界線にスリットを設けている。
しかし、このスリットから走行風が漏れてしまうため、エアダクトとしての機能を十分に発揮できないという問題がある。
さらに、特許文献1には、車両正面の全体(全面)に衝突エネルギーが加わった場合のみが記載されている。すなわち、車両正面の中央のみ、幅方向端部(左端、右端)、高さ方向端部(上端、下端)等に、衝突エネルギーが加わる場合については記載されていない。このため、特許文献1に記載されたエアダクトでは、例えばボンネットのみに衝突エネルギーが加わった場合には、整流板が良好に湾曲できずに、衝突エネルギーが吸収されないおそれがある。
本発明は、高価な材料を用いることなく、車両が前面衝突したときに確実に変形することができる車両用エアダクトおよびこの車両用エアダクトを備える車両用グリルシャッター装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両用エアダクトの第一実施態様は、車両前方に開口した車両開口部に取付けられて、エンジンルームに向けて走行風を導入させる車両用エアダクトであって、前記車両開口部に係合されるダクト前方部と、前記エンジンルームの前方に配置されるダクト後方部と、前記ダクト前方部と前記ダクト後方部を周方向の全周に亘って環状に連結しつつ屈曲可能な可撓部と、を有し、前記ダクト前方部は、前記ダクト後方部よりもダクト内周側に配置されることを特徴とする。
本発明に係る車両用エアダクトの第二実施態様は、第一実施態様において、前記ダクト前方部、前記ダクト後方部および前記可撓部は、一体成形されることを特徴とする。
本発明に係る車両用エアダクトの第三実施態様は、第一または第二実施態様において、前記可撓部は、ダクト外周側に開口する溝形に形成されることを特徴とする。
本発明に係る車両用エアダクトの第四実施態様は、第一から第三実施態様のいずれか一つにおいて、前記可撓部は、前記ダクト前方部および前記ダクト後方部よりも薄肉に形成されることを特徴とする。
本発明に係る車両用エアダクトの第六実施態様は、第一から第実施態様のいずれか一つにおいて、熱可塑性樹脂により成形されることを特徴とする。
本発明に係る車両用エアダクトの第七実施態様は、第一から第実施態様のいずれか一つにおいて、前記車両開口部は、フロントバンパの上方に形成されるアッパーグリルまたはフロントバンパの下方に形成されるロアグリルのいずれか一方または両方であることを特徴とする。
本発明に係る車両用エアダクトの第八実施態様は、第一から第実施態様のいずれか一つにおいて、前記ダクト後方部は、前記エンジンルームに配置された冷却放熱器に係止されることを特徴とする。
本発明に係る車両用グリルシャッター装置の実施態様は、枠形状のグリルシャッター本体と、前記グリルシャッター本体に形成された本体開口部を開閉するように前記グリルシャッター本体に対して回動可能に取付けられる複数のフラップと、車両前方に開口した車両開口部と前記グリルシャッター本体を連結するエアダクトと、を備え、前記エアダクトとして、本発明に係る車両用エアダクトの第一から第七実施態様のいずれか一つを用いたことを特徴とする。
本発明に係る車両用エアダクトは、ダクト前方部およびダクト後方部の周方向の全周に亘って環状に形成されるため、ダクト前方部のあらゆる位置姿勢の変化に応じて柔軟に屈曲することができる。ダクト前方部、ダクト後方部および可撓部が一体成形されるので、製品コストおよび組立コストを低減できる。特に、エアダクトは、プロポリピレン等の安価な樹脂により成形されるので、製品コストを低減できる。
本発明に係る車両用グリルシャッター装置は、軽衝突があっても破損することなく、その機能が維持される。特に、エアダクトも損傷しないので、車両開口部から導入した外気を外部に漏らすことなくグリルシャッター本体に向けて流すことができる。
本発明の実施形態に係る車両用グリルシャッター装置10が設けられた車両1の正面図ある。 車両用グリルシャッター装置10の概略構成を示す断面図である。 車両用グリルシャッター装置10の分解斜視図である。 エアダクト60を示す斜視図である。 通常状態における車両用グリルシャッター装置10を示す断面図であって、(a)全開状態、(b)全閉状態を示す。 軽衝突の初期段階における車両用グリルシャッター装置10を示す断面図である。 軽衝突の終期段階における車両用グリルシャッター装置10を示す断面図である。 エアダクト60の変形例を示す断面図であって、(a)はエアダクト70、(b)はエアダクト80、(c)はエアダクト90を示す図である。
本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用グリルシャッター装置10が設けられた車両1の正面図である。
図2は、車両用グリルシャッター装置10の概略構成を示す断面図である。
図3は、車両用グリルシャッター装置10の分解斜視図である。
図4は、エアダクト60を示す斜視図である。
車両1の前面には、車幅方向に沿ってフロントバンパ2が設けられる。フロントバンパ2の上方および下方には、外気を導入するための二つの開口部(車両開口部)3が形成される。
二つの開口部3のうち、フロントバンパ2の上方に形成されるものはアッパーグリル、フロントバンパ2の下方に形成されるものはロアグリルと呼ばれる。
車両用グリルシャッター装置10は、これら二つの開口部3から外気(走行風)を導入または遮断できるように、二つの開口部3に対してそれぞれ取り付けられる。
車両用グリルシャッター装置10は、グリルシャッター本体20、複数のフラップ30、リンク部40、回転モータ50およびエアダクト60を備える。
グリルシャッター本体20は、開口部3に対応する細長い枠形状に形成され、ラジエータ(冷却放熱器)RDの直前に配置される。
複数のフラップ30は、グリルシャッター本体20に対して回動可能に取付けられて、グリルシャッター本体20の開口部22を開閉する。フラップ30は、例えば6枚である。
リンク部40は、複数のフラップ30に対して連結して、複数のフラップ30を連動させる。
回転モータ50は、複数のフラップ30のうちの一つに連結して、リンク部40を介して複数のフラップ30を回動動作させる。
エアダクト60は、開口部3とグリルシャッター本体20の間に配置されて、開口部3から導入された外気をグリルシャッター本体20に向けて送る。
グリルシャッター本体20は、フロントバンパ2の開口部3の開口縁に沿うように配置された、水平(左右)方向に細長い矩形の2つの枠体21を有する。
この2つの枠体21の開口部(本体開口部)22には、複数のフラップ30が、それぞれ水平方向に沿いつつ、上下方向に均等な間隔で配置される。
これらのフラップ30のうちの一つには、回転モータ50が連結される。回転モータ50は、グリルシャッター本体20の側方に配置される。
上下方向において隣接するフラップ30同士は、フラップ幅方向の端部同士が重なるように配置される。フラップ30のフラップ幅方向の端部同士が重なることにより、フロントバンパ2の開口部3からの外気(走行風)が遮蔽される。
グリルシャッター本体20は、例えばポリプロピレン樹脂(PP)とグラスファイバー(GF)の複合材料により成形される。
グリルシャッター本体20は、2つの枠体21およびこれら2つの枠体21を連結する連結部28を備える。2つの枠体21と連結部28は、一体成形される。
2つの枠体21は、それぞれ車幅方向に長い矩形に形成される。枠体21の四辺は、それぞれ細長い平板形に形成され、その主面が上下方向または車幅方向を向くように配置される。つまり、枠体21は、角管形に形成される。2つの枠体21は、連結部28を基準にして左右対称の形状を有する。このように、グリルシャッター本体20には、2つの開口部(本体開口部)22が形成される。
連結部28は、2つの枠体21のそれぞれの内辺部を連結する。
2つの枠体21の上辺部と下辺部には、エアダクト60の後端開口縁に係合する前方係合部が設けられる。2つの枠体21の上辺部と下辺部には、ラジエータRDに連結されたブラケットに係合する後方係合部が設けられる。
枠体21の内辺部には3つの支軸が、外辺部には3つの軸孔が設けられる。3つの支軸は、フラップ30の支持孔に挿入される。3つの軸孔には、フラップ30の支軸が挿入される。
フラップ30は、例えばポリプロピレン樹脂(PP)により成形される。フラップ30は、細長い平板形状を有する。フラップ30の長手方向(車幅方向)の長さは、枠体21の内辺部と外辺部の間隔(距離)と同一である。
フラップ30の車幅方向外側の端部には支軸が、車幅方向内側の端部には支持孔およびリンク孔が設けられる。リンク孔には、リンク部40のリンク支軸が挿入される。
リンク部40は、連結部28とほぼ同一の形状に形成された本体から外側に向かって6本のリンク支軸が突出するように形成される
リンク部40は、グリルシャッター本体20等と同様に、例えばポリプロピレン樹脂(PP)とグラスファイバー(GF)の複合材料により成形される。
回転モータ50は、6枚のフラップ30のうちの一つに対して連結される。回転モータ50の回転軸が、外辺部の軸孔から突出するフラップ30の支軸に対して連結される。これにより、1枚のフラップ30がグリルシャッター本体20に対して回動する。残りの5枚のフラップ30は、リンク部40を介して、回転モータ50に連結されたフラップ30に連動して回動する。
エアダクト(車両用エアダクト)60は、開口部3とグリルシャッター本体20の間に配置される。エアダクト60は、車幅方向に長い矩形形状に形成されて車両前後方向に連通する角管形の部材である。
エアダクト60は、例えばポリプロピレン樹脂(PP)やアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂(ABS)等の熱可塑性樹脂により成形される。
エアダクト60は、ダクト前方部61、ダクト後方部62とおよび可撓部65を有し、これらが一体成形される。ダクト前方部61、ダクト後方部62とおよび可撓部65は、いずれも、略角管形に形成される。これらは、車両前方(開口部3)から車両後方(エンジンルームER)に向けて、ダクト前方部61、可撓部65、ダクト後方部62の順に配置される。
ダクト前方部61は、開口部3に係合される部位であって、車両後方に向けて徐々に開口面積が縮小する角管形に形成される。ダクト前方部61は、開口部3に対して外嵌めされるようにして係合する。
ダクト後方部62は、グリルシャッター本体20に係止される部位であって、ダクト前方部61のよりも開口面積が大きくなる角管形に形成される。ダクト後方部62は、ダクト前方部61よりもダクト外周側に配置される。言い換えれば、ダクト前方部61は、ダクト後方部62よりもダクト内周側に配置される。
ダクト後方部62は、車両前後方向の長さが、ダクト前方部61の1/3程度に形成される。ダクト後方部62は、最後端に複数の係止爪63を有する。この複数の係止爪63は、グリルシャッター本体20の2つの枠体21の上辺部と下辺部に設けられた前方係合部にそれぞれ嵌め込まれる。これにより、ダクト後方部62は、グリルシャッター本体20に係止される。
可撓部65は、ダクト前方部61とダクト後方部62を周方向の全周に亘って環状に連結する部位である。可撓部65は、ダクト前方部61およびダクト後方部62の周方向に沿って、全周に亘って環状に一周するように形成される。つまり、可撓部65は、ダクト前方部61とダクト後方部62を隙間なく連結する。
可撓部65は、ダクト外周側に開口するU字状の溝形に形成される。可撓部65は、車両前後方向の長さがダクト前方部61の1/3程度に形成される。つまり、可撓部65は、車両前後方向の長さがダクト後方部62とほぼ同一に形成される。可撓部65は、深さが車両前後方向の長さとほぼ同一に形成される。
可撓部65の開口面積は、ダクト前方部61およびダクト後方部62よりも小さくなるように形成される。可撓部65の底部は、ダクト前方部61よりもダクト内周側に配置される。可撓部65の開口面積は、グリルシャッター本体20の開口面積とほぼ同一またはやや小さく形成される。このため、ダクト前方部61から流入した外気は、可撓部65に阻害されることなく、グリルシャッター本体20の開口部22に向かって流れる。
可撓部65は、ダクト前方部61およびダクト後方部62よりも薄肉に形成される。ダクト前方部61およびダクト後方部62は、例えば2〜3mm程度の厚みに形成されるのに対して、可撓部65は、例えば1〜1.5mm程度の厚みに形成される。このため、可撓部65は、ダクト前方部61およびダクト後方部62よりも機械的強度が低い。したがって、可撓部65は、ダクト前方部61やダクト後方部62に外力が加わると、いち早く屈曲することができる。
可撓部65は、ダクト前方部61およびダクト後方部62の周方向の全周に亘って環状に形成されるため、ダクト前方部61のいずれの箇所に外力が加わった場合であっても、柔軟に屈曲(変形)できる。つまり、可撓部65は、ダクト前方部61のあらゆる位置姿勢の変化に応じて柔軟に屈曲できる。
次に、車両用グリルシャッター装置10の動作について説明する。
図5は、通常状態における車両用グリルシャッター装置10を示す断面図であって、(a)全開状態、(b)全閉状態を示す。
6枚のフラップ30は、回転モータ50を駆動することにより回動する。フラップ30は、主面が上下方向を向く姿勢(全開位置)と主面が前後方向を向く姿勢(全閉位置)の2つの姿勢(位置)の間で回動する。
図5(a)に示すように、全開位置では、6枚のフラップ30の主面が上下方向を向くので、開口部3から外気(走行風)が導入される。外気は、エアダクト60からグリルシャッター本体20の2つの枠体21(開口部22)を通過して、エンジンルームERへ流れる。
図5(b)に示すように、全閉位置では、6枚のフラップ30の主面が前後方向を向くので、外気が遮蔽される。グリルシャッター本体20の2つの枠体21の開口が6枚のフラップ30により開口部22が封鎖されるため、外気の導入が阻止(遮蔽)される。
次に、エアダクト60の作用について説明する。具体的には、例えば時速2.5マイル(約4km/h)以下の速度で車両1が正面衝突したときのエアダクト60の作用について説明する。
以下では、このような低速度で車両1が(正面)衝突した場合を「軽衝突」と呼ぶ。
図6は、軽衝突の初期段階における車両用グリルシャッター装置10を示す断面図である。図7は、軽衝突の終期段階における車両用グリルシャッター装置10を示す断面図である。
時速2.5マイル以下の速度で車両1が走行するとき、車両用グリルシャッター装置10の6枚のフラップ30は、全開位置になっている(図5(a)参照)。
この状態で車両1が他車等に正面衝突すると、フロントバンパ2に外力(衝突エネルギー)が加わって、フロントバンパ2が車両後方に移動する。フロントバンパ2と開口部3は一体的に形成されているので、開口部3も車両後方へ移動する。このため、エアダクト60のうち、開口部3に係合されたダクト前方部61が、フロントバンパ2の車両後方への移動に伴って車両後方へ移動する。
上述したように、エアダクト60の可撓部65は、ダクト前方部61およびダクト後方部62よりも機械的強度が低い。このため、ダクト前方部61が車両後方へ移動し始める同時に、可撓部65が屈曲し始める。
図6に示すように、U字状の溝形であった可撓部65は、車両前後方向に収縮して、Ω字形に変形(屈曲)する。つまり、ダクト前方部61の後端とダクト後方部62の前端が近接する。
さらにダクト前方部61が車両後方へ移動すると、ダクト前方部61がダクト後方部62よりもダクト内周側に配置されているので、ダクト前方部61がダクト後方部62に入り込む。つまり、ダクト前方部61の後端がダクト後方部62の前端よりも車両後方に位置するようになる。
図7に示すように、Ω字形に変形した可撓部65は、車両後方側に倒れ込みながら潰れるようにさらに変形する。
このように、車両用グリルシャッター装置10は、エアダクト60が柔軟に変形することにより、車両用グリルシャッター装置10の主要部の破損を回避できる。車両用グリルシャッター装置10の主要部とは、グリルシャッター本体20、フラップ30、リンク部40および回転モータ50である。つまり、車両用グリルシャッター装置10の機能が維持される。
そして、フロントバンパ2および開口部3の車両後方へ移動が止まり、フロントバンパ2および開口部3が元の位置に戻り始めると、可撓部65の変形も復元し始める。このため、エアダクト60も破損することがなく、その機能も維持される。つまり、エアダクト60に流入した外気を外部に漏らすことなくグリルシャッター本体20に向けて流すことができる。
したがって、車両用グリルシャッター装置10を駆動して、開口部3からの外気を導入したり、外気を遮断したりできる。
特に、可撓部65は、ダクト前方部61およびダクト後方部62の周方向の全周に亘って環状に形成されるため、ダクト前方部61のあらゆる位置姿勢の変化に応じて柔軟に屈曲可能である。軽衝突時にフロントバンパ2の一部にのみ外力(衝突エネルギー)が加わったとしても、可撓部65は、良好に屈曲する。
フロントバンパ2ではなく、ボンネット4やアンダースポイラー5(図1参照)に外力が加わった場合であっても、可撓部65は、良好に屈曲する。つまり、可撓部65は、車両1の正面の中央、左端、右端、上端、下端などにのみ外力が加わった場合であっても、良好に屈曲する。
そして、車両用グリルシャッター装置10(エアダクト60)は、損傷することなく、その機能を維持しつつ、良好に復元できる。
エアダクト60は、ダクト前方部61、ダクト後方部62および可撓部65が一体成形されるので、製品コストおよび組立コストを低減できる。特に、エアダクト60は、プロポリピレン等の安価な樹脂により成形されるので、製品コストを低減できる。
可撓部65は、ダクト外周側に開口するU字状の溝形であるため、成形が容易であり、製品コストを低減できる。
可撓部65は、ダクト前方部61およびダクト後方部62よりも薄肉に形成されるのでダクト前方部61やダクト後方部62に外力が加わると、いち早く屈曲することができる。
ダクト前方部61は、ダクト後方部62よりもダクト内周側に配置されるので、ダクト前方部61とダクト後方部62が干渉することなく、可撓部65を変形させることができる。つまり、ダクト前方部61の移動量が大きい場合であっても、エアダクト60が損傷しないので、その機能を維持しつつ復元することができる。
車両用グリルシャッター装置10は、軽衝突があっても破損することなく、その機能が維持される。特に、エアダクト60も損傷しないので、開口部3から導入した外気を外部に漏らすことなくグリルシャッター本体20に向けて流すことができる。
図8は、エアダクト60の変形例を示す断面図であって、(a)はエアダクト70、(b)はエアダクト80、(c)はエアダクト90を示す図である。
以下では、エアダクト60と同様の構成部分については詳細な説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図8(a)に示すように、エアダクト(車両用エアダクト)70は、ダクト前方部61、ダクト後方部62および可撓部75を有し、これらが一体成形される。可撓部75は、ダクト内周側に開口する溝形に形成される。
可撓部75は、U字状に限らず、V字状等の溝形であってもよい。
図8(b)に示すように、エアダクト(車両用エアダクト)80は、ダクト前方部61、ダクト後方部62および可撓部85を有し、これらが一体成形される。可撓部85は、車両前方側に開口する溝形に形成される。
図8(c)に示すように、エアダクト(車両用エアダクト)90は、ダクト前方部61、ダクト後方部62および可撓部95を有し、これらが一体成形される。可撓部95は、S字状に湾曲するように形成される。
可撓部95は、S字状に限らず、波状や蛇腹状等に湾曲するように形成される場合であってもよい。
エアダクト70,80,90を用いた場合であっても、可撓部65を用いた場合と同様の作用効果が得られる。すなわち、可撓部71,72,73は、ダクト前方部61やダクト後方部62に外力が加わると、いち早く屈曲する。このため、可撓部71,72,73は、損傷することなく、良好に復元できる。つまり、エアダクト70,80,90の機能を維持できる。したがって、エアダクト70,80,90に流入した外気を外部に漏らすことなくグリルシャッター本体20に向けて流すことができる。
よって、車両用グリルシャッター装置10を駆動して、開口部3からの外気を導入したり、外気を遮断したりできる。
上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
ダクト前方部61は、ダクト後方部62よりもダクト外周側に配置される場合であってもよい。
エアダクト60は、開口部3とグリルシャッター本体20の間に配置される場合に限らない。エアダクト60を、開口部3とラジエータRDの間に配置してもよい。この場合には、ダクト後方部62は、ブラケット等を介してラジエータRDに係止される。
つまり、エアダクト60は、車両用グリルシャッター装置10(主要部)が搭載されない車両1であっても用いることができる。
車両用グリルシャッター装置10(エアダクト60)は、二つの開口部3(アッパーグリルとロアグリル)の両方に配置される場合に限らない。車両用グリルシャッター装置10(エアダクト60)は、二つの開口部3のいずれか一方に配置される場合であってもよい。つまり、車両用グリルシャッター装置10(エアダクト60)は、ロアグリルのみに配置される場合や、アッパーグリルのみに配置される場合であってもよい。
例えば、ロアグリルに車両用グリルシャッター装置10が配置され、アッパーグリルにエアダクト60のみが配置される場合であってもよい。
1 車両 3 開口部(車両開口部) 10 車両用グリルシャッター装置 20 グリルシャッター本体 22 開口部(本体開口部) 30 フラップ 60 エアダクト(車両用エアダクト) 61 ダクト前方部 62 ダクト後方部 65 可撓部 70,80,90 エアダクト(車両用エアダクト) 75,85,95 可撓部 ER エンジンルーム RD ラジエータ(冷却放熱器)

Claims (8)

  1. 車両前方に開口した車両開口部に取付けられて、エンジンルームに向けて走行風を導入させる車両用エアダクトであって、
    前記車両開口部に係合されるダクト前方部と、
    前記エンジンルームの前方に配置されるダクト後方部と、
    前記ダクト前方部と前記ダクト後方部を周方向の全周に亘って環状に連結しつつ屈曲可能な可撓部と、
    を有し、
    前記ダクト前方部は、前記ダクト後方部よりもダクト内周側に配置されることを特徴とする車両用エアダクト。
  2. 前記ダクト前方部、前記ダクト後方部および前記可撓部は、一体成形されることを特徴とする請求項1に記載の車両用エアダクト。
  3. 前記可撓部は、ダクト外周側に開口する溝形に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用エアダクト。
  4. 前記可撓部は、前記ダクト前方部および前記ダクト後方部よりも薄肉に形成されることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の車両用エアダクト。
  5. 熱可塑性樹脂により成形されることを特徴とする請求項1からのうちいずれか一項に記載の車両用エアダクト。
  6. 前記車両開口部は、フロントバンパの上方に形成されるアッパーグリルまたはフロントバンパの下方に形成されるロアグリルのいずれか一方または両方であることを特徴とする請求項1からのうちいずれか一項に記載の車両用エアダクト。
  7. 前記ダクト後方部は、前記エンジンルームに配置された冷却放熱器に係止されることを特徴とする請求項1からのうちいずれか一項に記載の車両用エアダクト。
  8. 枠形状のグリルシャッター本体と、
    前記グリルシャッター本体に形成された本体開口部を開閉するように前記グリルシャッター本体に対して回動可能に取付けられる複数のフラップと、
    車両前方に開口した車両開口部と前記グリルシャッター本体を連結するエアダクトと、
    を備え、
    前記エアダクトとして、請求項1からのうちいずれか一項に記載の車両用エアダクトを用いたことを特徴とする車両用グリルシャッター装置。
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