JP6348976B2 - 検体評価方法 - Google Patents

検体評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6348976B2
JP6348976B2 JP2016527659A JP2016527659A JP6348976B2 JP 6348976 B2 JP6348976 B2 JP 6348976B2 JP 2016527659 A JP2016527659 A JP 2016527659A JP 2016527659 A JP2016527659 A JP 2016527659A JP 6348976 B2 JP6348976 B2 JP 6348976B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measurement
sample
cells
specimen
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016527659A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015190132A1 (ja
Inventor
和孝 西川
和孝 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Publication of JPWO2015190132A1 publication Critical patent/JPWO2015190132A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6348976B2 publication Critical patent/JP6348976B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials
    • G01N15/04Investigating sedimentation of particle suspensions
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/483Physical analysis of biological material
    • G01N33/4833Physical analysis of biological material of solid biological material, e.g. tissue samples, cell cultures

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

本発明は、検体評価方法に関し、特に、生検において採取された検体が検査に適しているか否かを、検体に含まれる細胞数に基づいて評価する方法に関するものである。
生検においては、検査に必要な量の検体を確実に採取することが重要である。もし検体の採取量が不十分であった場合には正確な検査結果を得ることができず、検体の再採取および再検査が必要となる。しかしながら、検査対象がマイクロメートルスケールの細胞である場合には、検体の量が十分であるか否かを目視のみで確認することが難しい。そこで、検体を懸濁した液体の濁度を測定することによって、採取された検体中の細胞数を確認する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特表2012−529048号公報
しかしながら、検体が、細胞以外にも様々な他の生体物質、例えば、血液成分や組織成分等を含む混合試料である場合、濁度の測定において他の生体物質に由来する濁度が高いバックグラウンドとなる。このような場合には、細胞に由来する正確な濁度を知ることが難しく、検体の採取量が十分であるか否かを正確に判断することができないという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、検体が細胞と他の生体物質との混同試料であっても、十分な細胞を含む検査に適切な検体であるか否かを正確に評価することができる検体評価方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、生体から採取された検体を含む測定液を撹拌することによって、前記検体に含まれる細胞を前記測定液中に均一に分散させる撹拌工程と、該撹拌工程における撹拌終了後、前記測定液の所定の深さ位置における濁度を第1の時刻において測定する測定工程と、前記第1の時刻から時間間隔を空けた第2の時刻において、前記測定液の前記所定の深さ位置における濁度を再度測定する再測定工程と、前記測定工程において測定された濁度と前記再測定工程で測定された濁度との差分を算出する変化算出工程と、前記変化算出工程において算出された濁度の差分に基づいて前記細胞の数を推定し、前記検体の良否を評価する評価工程とを含む検体評価方法を提供する。
本発明によれば、撹拌工程において撹拌された測定液の同一の深さ位置における細胞の密度を、時間間隔を空けて2回、測定工程と再測定工程とで測定する。測定液中の細胞は時間の経過に伴って沈降するので、測定液の各深さ位置における細胞の密度は、継時的に変化する。したがって、測定工程と再測定工程とでは、互いに異なる細胞の密度の測定値が得られる。ここで、検体が、細胞以外にも他の生体物質を含む混合試料である場合に、測定工程と再測定工程とで得られる測定値には、正味の細胞の密度の測定値に加えて、他の物質に由来するバックグラウンド値が含まれる。
細胞は他の生体物質に比べてはるかに重く、細胞の沈降速度に比べて他の生体物質の沈降速度は、無視できる程度に極めて小さい。すなわち、2回の測定で得られた2つの測定値に含まれるバックグラウンド値は、互いに同一となる。したがって、変化算出工程において、2つの測定値の差分を算出することによって、バックグラウンド値の影響を除去した、第1の時刻から第2の時刻までの正確な細胞の密度の時間変化量が検出される。細胞の密度の時間変化量は、検体に含まれる細胞数と相関する。評価工程においては、変化算出工程において得られた測定値の差分から、検体に含まれる正確な細胞数を推定し、推定された細胞数に基づいて、検体が検査に適したものであるか否かを正確に評価することができる。
上記発明においては、前記測定工程および前記再測定工程において、前記測定液の前記所定の深さ位置における濁度を測定し、前記変化算出工程において、前記測定工程において得られた濁度と、前記再測定工程において得られた濁度との差分を算出する
このようにすることで、測定液の濁度は測定液中の細胞の密度に対して正比例するので、濁度に基づいて、細胞の密度を非接触にかつ簡単に測定することができる。
上記発明の参考例においては、前記測定工程および前記再測定工程において、前記測定液の前記所定の深さ位置における画像を取得し、前記変化算出工程において、前記測定工程において取得された画像と、前記再測定工程において取得された画像との間で変化している領域の面積を算出してもよい。
このようにすることで、測定液の画像には測定液中の細胞の像が含まれるので、画像内の細胞の数に基づいて、細胞の密度を非接触にかつ簡単に測定することができる。
上記発明においては、前記所定の深さ位置が、測定容器に収容された前記測定液の底面もしくはその近傍、または、液面もしくはその近傍であることが好ましい。
このようにすることで、細胞の密度の単位時間当たりの変化量が最も大きくなる底面もしくは液面、またはこれら近傍において細胞の密度を測定することによって、細胞の密度の時間変化量を高精度に検出することができる。
上記発明においては、前記第1の時刻は、前記撹拌工程における撹拌終了直後であることが好ましく、前記第2の時刻は、前記撹拌工程における撹拌終了から120秒以内であることが好ましい。
測定液中の細胞の沈降は、測定液の撹拌終了直後から始まり、細胞の密度の時間変化率は時間の経過とともに小さくなる傾向にある。したがって、撹拌終了直後に1回目の測定を行い、撹拌終了後120秒以内に2回目の測定を行うことによって、細胞の密度の時間変化量を高精度に検出することができる。
上記発明においては、前記第1の時刻と前記第2の時刻との時間間隔は、10秒以上120秒以下であることが好ましい。
このようにすることで、細胞の密度の時間変化量の検出精度と作業効率とを両立することができる。2回の測定の時間間隔が10秒未満である場合には、細胞の密度の時間変化量が小さ過ぎて検体を正確に評価できない可能性がある。一方、2回の測定の時間間隔を120秒よりも長く確保したとしても、得られる細胞の密度の時間変化量のそれ以上の増大を期待できない。
本発明によれば、細胞以外の物質が含まれている検体についても、十分な細胞を含む検査に適切な検体であるか否かを評価することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る検体評価方法を示すフローチャートである。 図1の測定工程および再測定工程で使用される分光光度計の概要図である。 本発明の参考実施形態に係る検体評価方法を示すフローチャートである。 図3の測定工程および再測定工程で使用される明視野光学顕微鏡の概要図である。 本発明の実施例において測定された、サンプルAおよび対照サンプルの波長400,600,800nmにおける吸光度の時間変化量を示すグラフである。 サンプルAおよび対照サンプルの、波長600nmにおける吸光度の時間変化の詳細を示すグラフである。 本発明の実施例において使用した(a)サンプルAおよび(b)対照サンプルから作成したスライド標本の光学顕微鏡画像である。 参考実施例で取得されたサンプルAの(a)0秒および(b)60秒における明視野画像と、(c)(a)および(b)の明視野画像から生成した差分画像である。 参考実施例で取得されたサンプルBの(a)0秒および(b)60秒における明視野画像と、(c)(a)および(b)の明視野画像から生成した差分画像である。 参考実施例で取得されたサンプルCの(a)0秒および(b)60秒における明視野画像と、(c)(a)および(b)の明視野画像から生成した差分画像である。 参考実施例で取得されたサンプルDの(a)0秒および(b)60秒における明視野画像と、(c)(a)および(b)の明視野画像から生成した差分画像である。 参考実施例で取得されたサンプルEの(a)0秒および(b)60秒における明視野画像と、(c)(a)および(b)の明視野画像から生成した差分画像である。 参考実施例で取得された対照サンプルの(a)0秒および(b)60秒における明視野画像と、(c)(a)および(b)の明視野画像から生成した差分画像である。 サンプルAの(a)0秒、(b)10秒、(c)30秒および(d)60秒における明視野画像である。 図8から図13の差分画像から抽出した変化領域の画素の数Δpixelを示す図表である。 サンプルC,D,Eの細胞密度(縦軸)とΔpixel(横軸)との関係を示すグラフである。 参考実施例において使用した(a)サンプルA、(b)サンプルBおよび(c)対照サンプルから作成したスライド標本の光学顕微鏡画像である。
本発明の一実施形態)
以下に、本発明の実施形態に係る検体評価方法について図1および図2を参照して説明する。
本実施形態に係る検体評価方法は、図1に示されるように、検体に含まれる細胞を測定液X中に均一に分散させる撹拌工程SA1と、測定液Xの濁度を測定する測定工程SA2と、該測定工程SA2の後に時間間隔を空けて測定液Xの濁度を再度測定する再測定工程SA3と、測定工程SA2と再測定工程SA3とで得られた濁度の差分を算出する変化算出工程SA4と、得られた濁度の差分に基づいて、検体が検査に適しているか否かを評価する評価工程SA5,SA6,SA7とを含んでいる。
本実施形態で使用する検体は、例えば、前立腺等の生体組織から、25ゲージの穿刺針を用いた細胞吸引(FNA:fine−needle aspiration)によって採取した組織の一部である。
撹拌工程SA1においては、検体を加えた測定液Xを撹拌することによって、検体に含まれている細胞を均一に測定液X中に分散させる。測定液Xは、測定工程SA2および再測定工程SA3における吸光度測定の測定結果に影響を与えないように、無色透明なもの、例えば生理食塩水が好ましい。
次に、測定工程SA2において、図2に示されるように、一般的な生物学研究で使用されている分光光度計10を用いて測定液Xの濁度を測定する。分光光度計10は、光源2と、該光源2から測定試料である測定液Xに照射される測定光Iinおよび測定試料を透過した測定光Iinの透過光Ioutを検出する光検出器3とを備えている。
測定液Xの濁度は、測定液X中の細胞の密度に正比例し、測定液X中の細胞の密度は、細胞が吸収を示す波長λcellにおける測定液Xの吸光度に正比例する。したがって、波長λcellにおける測定液Xの吸光度を測定することによって、測定液Xの濁度および細胞の密度を得ることができる。測定光Iinの波長λcellは、320nmから1100nmの範囲内であり、より好ましくは、可視域の400nmから800nmの範囲内である。
ここで、測定容器1内の測定液Xの液面X’から所定の深さ位置に測定光Iinを水平に照射することによって、測定液Xの吸光度を測定する。所定の深さ位置は測定液Xの液面X’近傍に設定され、測定液Xの液面X’近傍の上層部の吸光度が測定される。測定容器1としては、分光測定において一般に使用されるキュベットのような、光学的に透明な材料からなるものが使用される。
次に、再測定工程SA3において、測定工程SA2と同一の測定条件で測定液Xの同一の深さ位置の濁度を測定する。すなわち、測定容器1内の測定液Xの、測定工程S1と同一の深さ位置に、測定工程SA1と同一の波長λcellの測定光Iinを水平に照射することによって、測定液Xの上層部の吸光度を測定する。
ここで、測定工程SA2および再測定工程SA3においては、測定液Xを静置した状態で吸光度測定を行う。静置状態において、測定液X中の細胞は時間の経過と共に沈降するので、測定液Xの上層部における細胞の密度は時間の経過と共に減少し、濁度も減少する。したがって、再測定工程SA3において得られる吸光度Abs2は、測定工程SA2において得られる吸光度Abs1よりも小さくなる。
測定工程SA2における1回目の濁度の測定時刻(第1の時刻)T1は、撹拌工程S1において測定液Xの撹拌を終了した直後であることが好ましい。また、再測定工程SA3における2回目の濁度の測定時刻(第2の時刻)T2は、撹拌工程S1において測定液Xの撹拌を終了した時刻から120秒以内であることが好ましい。さらに、測定時刻T1と測定時刻T2との時間間隔は、10秒以上120秒以下であることが好ましい。
次の変化算出工程SA4および評価工程SA5,SA6,SA7は、例えば、分光光度計10に接続されたコンピュータのような情報処理装置が、取得された吸光度Abs1,Abs2を分光光度計10から受信し、受信した吸光度Abs1,Abs2を演算処理することによって実行される。
変化算出工程SA4においては、測定工程SA2において得られた吸光度Abs1と、再測定工程SA3において得られた吸光度Abs2との差分ΔAbs=|Abs1−Abs2|(以下、単にΔAbsと言う。)を算出する。ΔAbsは、測定液Xの上層部における細胞の密度の時間変化量に相当し、測定液X全体に含まれる細胞の数に正比例する。
評価工程SA5,SA6,SA7においては、ΔAbsを所定の閾値Thと比較し(ステップSA5)、ΔAbsが所定の閾値Th以上である場合には(ステップSA5のYES)、検査に必要な数の細胞が検体に含まれており、当該検体は検査に適していると評価する(ステップSA6)。一方、ΔAbsが所定の閾値Th未満である場合には(ステップSA5のNO)、検体に含まれる細胞の数は検査には足らず、検体は検査に適していないと評価する(ステップSA7)。所定の閾値Thは、検体を供する検査に必要な細胞の数に基づいて設定される。検査は、組織診断や細胞診断を行う病理検査であってもよく、比色法や免疫酵素法による標的タンパク質の測定、または、遺伝子検査であってもよい。
ここで、液中の粒子の沈降速度について説明する。
液中の粒子には、鉛直方向下向きの重力と、鉛直方向上向きの、浮力および液体から受ける抵抗力との和が作用する。液中の粒子は、はじめは加速しながら沈降し、重量と、浮力および抵抗力の和とが釣り合った後には一定速度で沈降するようになる。この一定速度を終末沈降速度と言い、一般に粒子の沈降速度とは終末沈降速度を意味する。終末沈降速度Vは、下式(1)に示されるストークスの式から導かれる。
Figure 0006348976
一例として、粒子の密度ρを1.1とすると、直径100μmの粒子の終末沈降速度Vは3.3cm/分であり、直径10μmの粒子の終末沈降速度Vは0.33cm/分である。すなわち、大きな粒子ほど速く沈降する。
生体から採取した検体には、細胞以外にも様々な他の生体物質、例えば血液成分や組織成分が含まれるが、細胞の直径は他の生体物質の直径に比べてはるかに大きい。特に、検体に含まれる細胞は大きな凝集塊を形成していることが多い。したがって、測定液X中において、細胞の沈降速度に比べて他の生体物質の沈降速度は無視できる程に極めて小さい。
測定工程SA2および再測定工程SA3において測定される各吸光度Abs1,Abs2には、細胞由来の吸光度に加えて、他の生体物質由来の吸光度も含まれる。ただし、上述のように他の生体物質の沈降速度は極めて小さく、測定時刻T1と測定時刻T2とにおいて測定される他の生体物質由来の吸光度は同じである。したがって、ΔAbsにおいて、他の生体物質由来の吸光度は除去され、正味の細胞の吸光度の時間変化量がΔAbsとして検出される。すなわち、ΔAbsを算出することによって、測定液X中に他の生体物質が含まれていたとしても、測定液X中の細胞の正確な数を推定することができる。これにより、検体に含まれる細胞の正確な数を推定し、検体が検査に適しているか否かを正確に評価することができる。
本実施形態においては、測定液Xのうち液面X’近傍の上層部において濁度を測定することとしたが、濁度の測定位置はこれに限定されるものではなく、任意の深さ位置でよい。特に、測定容器1の底面X”近傍の下層部において濁度を測定することが好ましい。
測定液X中の細胞の密度の単位時間当たりの変化量は、測定液Xの液面’および底面X”において最大となる。ただし、測定容器1の底面X”においては、細胞密度が時間経過と共に増加する。したがって、測定液Xの液面’または底面X”において吸光度を測定することによって、より大きなΔAbsが得られ、細胞の密度の時間変化量を精度良く検出することができる。
参考実施形態)
次に、本発明の参考実施形態に係る検体評価方法について図3および図4を参照して説明する。
本実施形態に係る検体評価方法は、図3に示されるように、撹拌工程SB1と、測定液の画像を取得する撮影工程(測定工程)SB2と、該撮影工程SB2の後に時間間隔を空けて測定液の画像を再度取得する再撮影工程(再測定工程)SB3と、撮影工程SB2と再撮影工程SB3とで得られた2つの画像の差分画像を生成する変化算出工程SB4と、得られた差分画像に基づいて、検体が検査に適しているか否かを評価する評価工程SB5とを含んでいる。
撹拌工程SB1は、本発明の一実施形態において説明した撹拌工程SA1と同じである。
撮影工程SB2において、図4に示されるように、一般的な明視野顕微鏡20を用いて測定容器1’の底面X”における測定液Xの画像を取得する。明視野顕微鏡20は、測定容器1’を載置するステージ4と、該ステージ4上の標本を観察する対物レンズ5と、該対物レンズ5によって取得された標本の像を撮影する撮像素子6とを備えている。対物レンズ5の倍率は、2倍から20倍程度が好ましい。測定容器1’としては、細胞の測定において一般に使用されるマイクロプレートのような、光学的に透明な材料からなるものが使用される。
次に、再撮影工程SB3において、測定容器1’の底面X”における、撮影工程SB2と同じ撮影範囲の測定液Xの画像を取得する。測定液X中の細胞は時間の経過と共に底面X”上に沈降するので、再撮影工程SB3において取得された第2の画像には、撮影工程SB2において取得された第1の画像よりも多くの細胞の像が含まれる。
次の変化算出工程SB4および評価工程SB5,SB6,SB7は、例えば、明視野顕微鏡20に接続されたコンピュータのような情報処理装置が、取得された第1の画像および第2の画像を明視野顕微鏡20から受信し、内蔵されている画像処理用のソフトウェアによって2つの画像を処理することによって実行される。
変化算出工程SB4においては、まず、撮影工程SB2において取得された第1の画像と再撮影工程SB3において取得された第2の画像との差分画像を生成する。具体的には、第1の画像の各画素の画素値と、第2の画像の各画素の画素値との差分を算出し、算出された差分の絶対値をその画素の画素値とする差分画像を生成する。これより、第1の画像と第2の画像との間で変化している変化領域、すなわち、第2の画像には存在するが第1の画像には存在しない細胞が抽出される。抽出された変化領域は、大きな画素値を有する明るい領域として、それ以外の領域(以下、「無変化領域」という。)は略ゼロの画素値を有する暗い領域として、それぞれ差分画像において表示される。
次に、変化領域を構成する画素の数Δpixel(差分。以下、単に「Δpixel」という。)を算出する。Δpixelは、測定容器1’の底面X”上における細胞の密度の時間変化量に相当し、測定液X全体に含まれる細胞の総に正比例する。変化領域と無変化領域とをより明確に区別できるように、差分画像に2値化処理を施して変化領域を白または黒で、無変化領域を黒または白でそれぞれ表示してもよい。
評価工程SB5,SB6,SB7においては、変化算出工程SB4において得られたΔpixelを所定の閾値Th’と比較する(ステップSB5)。そして、Δpixelが所定の閾値Th’以上である場合には(ステップSB5のYES)、検査に必要な数の細胞が検体に含まれており、当該検体は検査に適していると評価する(ステップSB6)。一方、Δpixelが所定の閾値Th’未満である場合には(ステップSB5のNO)、検体に含まれる細胞の数は検査には足らず、検体は検査に適していないと評価する(ステップSB7)。ここで、所定の閾値Th’は、検体を供する検査に必要な細胞の数に基づいて設定される。検査は、組織診断や細胞診断を行う病理検査であってもよく、比色法や免疫酵素法による標的タンパク質の測定、または、遺伝子検査であってもよい。
ここで、撮影工程SB2および再撮影工程SB3において取得される各画像には、細胞に加えて、他の生体物質も含まれる。ただし、上述のように他の生体物質の沈降速度は極めて小さいため、第1の画像と第2の画像との間の、生体物質に由来する変化は無視できる程に小さい。したがって、差分画像から得られるΔpixelは、正味の細胞の密度の時間変化量に相当する。この差分Δpixelを算出することによって、検体に含まれる細胞の正確な数を推定し、検体が検査に適しているか否かを正確に評価することができる。
(実施例)
次に、上述した本発明の一実施形態に係る検体評価方法の実施例について説明する。
本実施例においては、FNAによって採取した検体を使用した。FNAでは、三方活栓によって互いに接続された23ゲージの静脈注射針とシリンジとを使用した。具体的には、トリ肝臓に静脈注射針を穿刺し、シリンジで吸引することによって検体を採取した。
採取された検体を生理食塩水(測定液)に加え、生理食塩水を十分に撹拌することによって、サンプルAを調製した。次に、300μLのサンプルAを96穴プレート(べクトン ディッキンソン社製、カタログNo.351172)に分注した。
次に、プレートリーダ(コロナ電機、SH−8100)を用いて、波長400nm、600nm、および800nmにおける、サンプルAの上層部の吸光度を測定した(測定工程、再測定工程)。ここで、ウェル内のサンプルAをピペッティングによって5秒間撹拌し(撹拌工程)、撹拌終了直後(0秒)に1回目の吸光度の測定を行い(測定工程)、その後に10秒間隔で180秒まで測定を行った(再測定工程)。そして、0秒と180秒とにおける吸光度の差分ΔAbsを算出した(変化算出工程)。
トリ全血(コスモ・バイオ、12075505)を生理食塩水で10倍に希釈した、細胞を含まない対照サンプルも調製した。対照サンプルについても、サンプルAと同じ方法で吸光度の測定を行った。
図5は、サンプルAおよび対照サンプルの各測定波長におけるΔAbsを示している。サンプルAでは、全ての測定波長400,600,800nmにおいて、明らかな吸光度の減少が確認された。一方、細胞を含まない対照サンプルでは、有意な吸光度の減少は確認されなかった。この結果から、サンプルAの吸光度の減少は細胞に由来するものであり、血液成分を含むサンプルAについても、細胞の有無および細胞数と相関するΔAbsを得られることが確認された。
図6は、代表して波長600nmにおけるサンプルAおよび対照サンプルの吸光度の、0秒から180秒までの時間変化を示したものである。図6において、サンプルAの吸光度は、撹拌終了直後から直ちに減少し、約120秒以降は横ばいとなった。一方、対照サンプルでは、吸光度の有意な時間変化は認められなかった。本例においては、例えば、波長600nmにおける吸光度を0秒と60秒とで測定し、ΔAbsに対する所定の閾値Thを0.04に設定することによって、検体に十分な数の細胞が含まれているか否かを評価することができる。
図7(a),(b)は、サンプルAおよび対照サンプルをスライドガラスに滴下して作成したスライド標本であり、細胞をパパニコウロ染色した標本の画像である。図7(a)に示されるように、サンプルAのスライド標本には、多くの細胞が観察された。一方、図7(b)に示されるように、対照サンプルのスライド標本には、全く細胞が確認されなかった。
参考実施例)
次に、上述した参考実施形態に係る検体評価方法の実施例について説明する。
本実施例においては、サンプルA,B,C,D,Eを使用した。サンプルAは、実施例1のサンプルAと同じである。サンプルBは、23ゲージの静脈注射針に代えて26ゲージの静脈注射針を使用して採取した検体を用いたことを除いて、サンプルAと同様に調製した。サンプルCは、培養細胞(A549細胞株)を生理食塩水に懸濁した細胞懸濁液であり、細胞密度を1.33×10cells/mLに調製した。サンプルDは、サンプルCの細胞懸濁液を10倍(1.33×10cells/mL)に希釈することによって調製した。サンプルEは、サンプルCの細胞懸濁液を100倍(1.33×10cells/mL)に希釈することによって調製した。本実施例においては、対照サンプルとして、生理食塩水を使用した。
サンプルA,B,C,D,Eの各々について、300μLを96穴マイクロプレート(べクトン ディッキンソン社製、カタログNo.351172)に分注した。次に、サンプルA、B、C、D、またはEを収容したマイクロプレートの底面を倒立型の光学顕微鏡(オリンパス社製、CK X41)で観察しながら、マイクロピペットと用いてウェルの中のサンプルA、B、C、D、またはEを撹拌し(撹拌工程)、撹拌終了直後(0秒)にデジタルカメラ(オリンパス社製、DP21)によって1回目の撮影を行い(撮影工程)、60秒後に再撮影を行った(再撮影工程)。サンプルAについては、さらに10秒後および30秒後にも撮影を行った。
次に、画像処理用のソフトウェアを使用して、0秒および60秒における2枚の画像から、変化領域が白、無変化領域が黒となるように2値化した差分画像を作成した。次に、差分画像の画素値のヒストグラムから、白い領域を構成する画素の数Δpixelを得た(変化算出工程)。
図8から図13は、サンプルA,B,C,D,Eおよび対照サンプルの、0秒(各図の(a)参照。)および60秒(各図の(b)参照。)における画像と、差分画像(各図の(c)参照。)とを示している。図8および図9に示されるように、検体の採取に太い静脈注射針を使用したサンプルAは、細い静脈注射針を使用したサンプルBに比べて多くの細胞を含み、サンプルAの差分画像における変化領域(白い領域)の総面積は、サンプルBのそれよりも大きかった。さらに、サンプルAは、背景が赤いことから多くの血液を含むことが確認された。図10から図12に示されるように、サンプルC,D,Eに含まれる細胞の数が多い程、差分画像における変化領域の総面積が大きかった。図13に示されるように、対照サンプルの差分画像には、変化領域がほぼ存在しなかった。これらの結果から、サンプルA,B,C,D,Eに含まれる細胞の数と、Δpixelとの間には、正の相関関係が存在することが確認された。
図14(a)から(d)は、サンプルAの0秒、10秒、30秒および60秒における画像を示している。図14(b)に示されるように、細胞の凝集塊の、測定容器の底面への沈降は速く、撹拌を終了してから10秒後には既に多くの凝集塊が底面上に観察された。
図15は、サンプルA,B,C,D,Eおよび対照サンプルの差分画像から得たΔpixelを示している。
図16は、細胞密度が既知であるサンプルC,D,Eおよび対照サンプルについて、細胞密度とΔpixelとの関係をプロットしたグラフである。図16に示されるように、Δpixelは、細胞密度に対して正比例することが確認された。図16のグラフを用いて、サンプルA,Bの各Δpixelから、サンプルAの細胞密度は71998cells/mL、サンプルBの細胞密度は8551cells/mLとそれぞれ見積ることができた。
本例においては、例えば、撹拌終了後、0秒と60秒とに画像を取得し、Δpixelに対する所定の閾値Th’を、細胞密度5000cells/mLに相当する14021に設定することによって、検体に十分な数の細胞が含まれているか否かを評価することができる。
図17(a),(b),(c)は、サンプルA,Bおよび対照サンプルのスライド標本であり、細胞をパパニコウロ染色した標本の画像である。図17(a),(b)に示されるように、サンプルA,Bのスライド標本には多くの細胞が観察され、サンプルAの方が、サンプルBよりも多くの細胞を含むことが確認された。一方、図17(c)に示されるように、対照サンプルのスライド標本には、全く細胞が確認されなかった。
1 測定容器
2 光源
3 検出器
4 ステージ
5 対物レンズ
6 撮像素子
10 分光光度計
20 明視野顕微鏡
X 測定液
SA1,SB1 撹拌工程
SA2 測定工程
SA3 再測定工程
SB2 撮影工程(測定工程)
SB3 再撮影工程(再測定工程)
SA4,SB4 変化算出工程
SA5,SA6,SA7,SB5,SB6,SB7 評価工程

Claims (5)

  1. 生体から採取された検体を含む測定液を撹拌することによって、前記検体に含まれる細胞を前記測定液中に均一に分散させる撹拌工程と、
    該撹拌工程における撹拌終了後、前記測定液の所定の深さ位置における濁度を第1の時刻において測定する測定工程と、
    前記第1の時刻から時間間隔を空けた第2の時刻において、前記測定液の前記所定の深さ位置における濁度を再度測定する再測定工程と、
    前記測定工程において測定された濁度と前記再測定工程で測定された濁度との差分を算出する変化算出工程と、
    前記変化算出工程において算出された濁度の差分に基づいて前記細胞の数を推定し、前記検体の良否を評価する評価工程とを含む検体評価方法。
  2. 前記所定の深さ位置が、測定容器に収容された前記測定液の底面もしくはその近傍、または、液面もしくはその近傍である請求項1に記載の検体評価方法。
  3. 前記第1の時刻は、前記撹拌工程における撹拌終了直後である請求項1または請求項に記載の検体評価方法。
  4. 前記第2の時刻は、前記撹拌工程における撹拌終了から120秒以内である請求項1から請求項のいずれかに記載の検体評価方法。
  5. 前記第1の時刻と前記第2の時刻との時間間隔は、10秒以上120秒以下である請求項1から請求項のいずれかに記載の検体評価方法。
JP2016527659A 2014-06-11 2015-02-20 検体評価方法 Active JP6348976B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014120575 2014-06-11
JP2014120575 2014-06-11
PCT/JP2015/054724 WO2015190132A1 (ja) 2014-06-11 2015-02-20 検体評価方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015190132A1 JPWO2015190132A1 (ja) 2017-04-20
JP6348976B2 true JP6348976B2 (ja) 2018-06-27

Family

ID=54833242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016527659A Active JP6348976B2 (ja) 2014-06-11 2015-02-20 検体評価方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20170074769A1 (ja)
JP (1) JP6348976B2 (ja)
WO (1) WO2015190132A1 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05196564A (ja) * 1992-01-21 1993-08-06 Kawasaki Steel Corp 光透過式沈降法による粒度分布測定方法
JPH0634638A (ja) * 1992-07-20 1994-02-10 Shimadzu Corp 自動化学分析装置
JP2003227820A (ja) * 2002-02-01 2003-08-15 Sefa Technology Kk 赤血球沈降速度測定管、赤血球沈降速度測定方法およびその測定装置
JP4821950B2 (ja) * 2005-01-31 2011-11-24 栗田工業株式会社 汚泥性状診断装置
US8877507B2 (en) * 2007-04-06 2014-11-04 Qiagen Gaithersburg, Inc. Ensuring sample adequacy using turbidity light scattering techniques
EP2232319B8 (en) * 2007-12-19 2017-10-18 Diagnostic Vision Corporation Method and system for identifying biological specimen slides using unique slide fingerprints
GB2461882B (en) * 2008-07-15 2012-07-25 Thales Holdings Uk Plc Integrated microwave circuit
EP2617011A1 (en) * 2010-09-14 2013-07-24 Ramot at Tel Aviv University, Ltd. Cell occupancy measurement
US20120088230A1 (en) * 2010-10-11 2012-04-12 Monique Givens System And Method For Cell Analysis

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2015190132A1 (ja) 2017-04-20
WO2015190132A1 (ja) 2015-12-17
US20170074769A1 (en) 2017-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11137339B2 (en) Method for performing a blood count and determining the morphology of a blood smear
JP4077154B2 (ja) 全血サンプル分析器の検量
JP5188001B2 (ja) 精液分析
CA2714903C (en) Method and apparatus for analysis of particles in a liquid sample
US20090185734A1 (en) Apparatus and method for analysis of particles in a liquid sample
JP2011515681A (ja) 赤血球中に含まれるヘモグロビンの固有色素を利用して血液試料のヘマトクリットを測定する方法及び装置
JP2015521288A (ja) 血液粒子等の液体中に含まれる粒子の移動速度を特性評価するための方法及びシステム
KR20150036494A (ko) 소량의 혈액 표본을 사용한 혈구 침강 속도의 빠른 측정
KR20160137697A (ko) 미생물 검출, 동정 또는 계수 방법 및 이를 이용한 시스템
JP6348976B2 (ja) 検体評価方法
JP6571210B2 (ja) 観察装置
WO2016166847A1 (ja) 観察装置
KR20190016387A (ko) 플라즈모닉 효과를 이용한 질병의 진단 방법 및 질병 진단용 슬라이드
US20240303813A1 (en) Quality evaluation method for spheroid including hepatocytes
US20240077479A1 (en) Detection system and method for the migrating cell
CA2741544C (en) Semen analysis
JP2024067255A (ja) 体液測定方法及び体液測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180601

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6348976

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250