JP2003227820A - 赤血球沈降速度測定管、赤血球沈降速度測定方法およびその測定装置 - Google Patents

赤血球沈降速度測定管、赤血球沈降速度測定方法およびその測定装置

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JP2003227820A
JP2003227820A JP2002025805A JP2002025805A JP2003227820A JP 2003227820 A JP2003227820 A JP 2003227820A JP 2002025805 A JP2002025805 A JP 2002025805A JP 2002025805 A JP2002025805 A JP 2002025805A JP 2003227820 A JP2003227820 A JP 2003227820A
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sedimentation rate
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JP2002025805A
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Saburo Naiki
三郎 内記
Shigenori Kishimori
重則 岸森
Yoji Hasebe
洋治 長谷部
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SENTEKKU KK
Sefa Technology Inc
Sentec Co Ltd Japan
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    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/01Arrangements or apparatus for facilitating the optical investigation
    • G01N21/03Cuvette constructions
    • G01N2021/0346Capillary cells; Microcells

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  • Measurement Of Levels Of Liquids Or Fluent Solid Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Optical Measuring Cells (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熟練を要することなく、少量の血液でも常に
一定量を安定して採取することが可能な構造を備えた赤
血球沈降速度測定管を提供する。 【解決手段】 赤血球沈降速度測定管1は、毛細管現象
を利用した血液採取が可能な形状寸法を備え、赤血球の
沈降速度を光学的に測定可能な両端開放型の円管状透明
容器2の形態とされるとともに、この透明容器2の内部
に、血液採取量を規定するための採血量規定部材3が充
填配置されている。これにより、測定管1により採取さ
れる血液量は、透明容器2の内部に充填配置された採血
量規定部材3により規定された量に制御され、熟練を要
することなく、常に一定量を安定して採取することが可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、赤血球沈降速度
測定管、赤血球沈降速度測定方法およびその測定装置に
関し、さらに詳細には、血液中の赤血球の沈降速度を光
学的に測定する際に使用される測定管の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】赤沈(赤血球沈降速度)の測定は、日常
臨床で最もよく用いられる検査法の一つであり、この赤
沈測定方法としては、垂直に保持された一定規格の測定
管に非凝固化した血液を満たして静置し、赤血球の沈静
によって生ずる血球層より上の血漿の深さを静置から1
時間後に人が記録して、赤血球の沈降の遅速を測定判断
する方式のウェスターグレン法が標準的に用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな測定方法では、測定開始から終了まで1時間以上の
長時間を要し、緊急の処置を要するような場合の検査方
法としては適さない。
【0004】また、上記ウェスターグレン法に用いられ
る測定管は、内径2.55mm、全長300mmのガラス管
で、この測定管に、体積比で抗凝固剤であるクエン酸ナ
トリウム溶液1に対し血液4とする混合液を満たすため
には、2cc程度の血液が必要であり、許容採血量が少な
い乳幼児の血液検査には適さない。
【0005】この点に関して、本出願人は、鋭意研究試
験を行った結果、毛細管現象を利用した血液(非凝固化
血液)採取が可能な形状寸法を備え、かつ赤血球の沈降
速度を光学的に測定可能な両端開放型の円管状透明容器
の形態とされた測定管を開発した。
【0006】この測定管を用いた赤沈測定方法は、抗凝
固剤であるクエン酸ナトリウム溶液と混合した血液を、
測定管の下端開口から毛細管現象を利用して測定管内へ
採取収容した後、上記下端開口を施蓋して閉塞する。続
いて、この測定管に光を投射して、測定管内を透過した
光を電気的に検出するとともに、この検出値の経時的変
化から血液中の上澄み液である血漿の深さ寸法を算出し
て、沈降物である赤血球の沈降速度を測定するというも
である。
【0007】この測定方法によれば、少量の血液でも赤
血球の沈降速度の測定を光学的に行うことができ、特に
許容採血量が少ない乳幼児の血液検査に適していた。
【0008】本発明はかかる赤沈測定技術をさらに改良
して、熟練を要することなく、少量の血液でも常に一定
量を安定して採取することが可能な構造を備えた測定管
を提供するとともに、この測定管を用いることにより、
少量の血液でもバラつきのない高精度な測定結果を得る
ことができる赤血球沈降速度測定技術を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の赤血球沈降速度測定管は、毛細管現象を利
用した血液採取が可能な形状寸法を備え、赤血球の沈降
速度を光学的に測定可能な両端開口型の円管状透明容器
の形態とされ、この透明容器の内部に、血液採取量を規
定するための採血量規定部材が充填配置されていること
を特徴とする。
【0010】好適な実施態様として、上記透明容器の下
端開口に取外し可能に施蓋される蓋部材を備え、この蓋
部材が上記下端開口に施蓋されることにより、透明容器
の下端が密閉可能とされている。
【0011】また、上記採血量規定部材は、フッ素樹脂
やポリエチレン樹脂等の撥水性材料からなるとともに、
通気孔または通気溝を有する円筒体または棒体の形態と
され、この通気孔または通気溝は、毛細管現象を利用し
た血液採取を許容するとともに、採取された血液の通過
を防止し得る形状寸法を有する。
【0012】さらに、乳幼児の被検者に用いる測定管に
あっては、上記透明容器は、乳幼児の被検者の許容採血
量に応対した内容積となる内径寸法と長さ寸法を有する
極細のキャピラリ管の形態とされている。
【0013】また、本発明の赤血球沈降速度測定方法
は、上記測定管を用いるものであって、血液が採取収容
された上記測定管の下端開口を施蓋して閉塞した後、こ
の測定管を所定の傾斜角度をもって保持して、上記血液
中に赤血球の沈降を促進させる自然対流を生じさせ、上
記測定管に光を投射して、上記測定管内を透過した光を
電気的に検出するとともに、この検出値の経時的変化か
ら血液中の上澄み液である血漿の深さ寸法を算出して、
沈降物である赤血球の沈降速度を測定することを特徴と
する。
【0014】具体的には、上記血液が、上記自然対流に
よって上記血漿と血球層とに分離し、上記血漿の液面
と、前記血漿の液面と前記血球層との境界における、上
記透過光の光量変化を検出することにより、上記血漿の
深さ寸法を算出して、赤血球の沈降速度を測定する。
【0015】さらに、本発明の赤血球沈降速度測定装置
は、上記赤血球沈降速度測定方法を実施するためのもの
であって、血液が採取収容されるとともに、下端開口が
施蓋により閉塞された上記測定管を傾斜状に保持する傾
斜保持手段と、上記測定管に光を投射する投光手段と、
上記測定管を挟んで上記投光手段に対向して設けられ、
上記投光手段から前記測定管内を透過した光を受光して
光電変換する受光手段と、この受光手段出力の経時的変
化を測定する光量変化測定手段と、上記光量変化測定手
段の測定結果に基づいて、上記測定管内の沈殿物である
赤血球の沈降速度を演算する赤血球沈降速度演算手段と
を備えてなることを特徴とする。
【0016】本発明においては、赤血球沈降速度を測定
するに際し、上記測定管を用いて、抗凝固剤であるクエ
ン酸ナトリウム溶液と混合した血液を採取する。具体的
には、上記測定管は毛細管現象を利用した血液採取が可
能な形状寸法を備えた両端開放型の円管状透明容器の形
態とされており、この測定管の下端部を上記血液中に浸
漬することにより、血液が測定管の下端開口から毛細管
現象を利用して測定管内へ採取収容される。
【0017】この場合、上記測定管により採取される血
液量は、透明容器の内部に充填配置された採血量規定部
材により規定された量に制御され、熟練を要することな
く、常に一定量を安定して採取することが可能となる。
【0018】続いて、血液が採取収容された上記測定管
の下端開口を施蓋して閉塞した後、この測定管を傾斜状
に保持することにより、赤血球の沈降速度を促進させる
自然対流が血液中に生じ、血球層(赤血球等がかたまり
沈殿したもの)の沈降集積にともなって測定管内に上澄
み液としての血漿と沈降物としての血球層の境界が現れ
る。この境界は測定管内を経時的に下降していき、一定
時間を経過するとこの境界の下降が停止(血球の沈降が
停止)することとなる。
【0019】上記測定管に対して光を投射した場合に、
測定管内の血液中を透過する光の光量は、測定管の透明
度(血液の赤血球沈降状況に対応する)に従って変化
し、上澄み液としての上記血漿より上の空間(血液の存
在しない空間)、血漿そして沈降物としての血球層を透
過した光は互いに明確に区別することができ、この透過
光量の変化を検出すれば、血漿液面と血漿と血球層の境
界を確実に捉えることができる。
【0020】したがって、測定管内を透過した光の光量
変化を、CCDラインセンサやフォトダイオードアレ
イ、あるいはCCDエリアセンサ等の受光素子を用いて
電気的に検出することにより、これら検出値の経時的変
化から血漿の深さ寸法を算出するとともに、この算出値
と測定時間から赤血球の沈降速度を算出する。
【0021】例えば、体積比で、クエン酸ナトリウム溶
液1に対し血液4の混合液を用いて赤沈を測定する場
合、沈降物である血球層とその上澄み液である血漿との
境界、血漿と混合液の存在しない空間との境界すなわち
血漿液面を透過する光の光量が大きく変化し、この光量
変化をCCDラインセンサやフォトダイオードアレイ、
あるいはCCDエリアセンサ等を用いて検出すること
で、血漿の深さの経時的変化をリアルタイムに捉えるこ
とができ、またその最大深さ寸法も算出することがで
き、これにより赤沈測定を可能とする。
【0022】また測定管を傾斜状に保持することによる
赤血球の沈降速度の促進効果は、測定管が毛細管(キャ
ピラリ管)の場合においても変わらず、したがって、許
容採血量の少ない赤ん坊等の乳幼児の赤沈測定も安全
に、しかも迅速かつ確実に行うことが可能となる。
【0023】しかも、上述のごとく、採血量を常に安定
して一定の所定量に採取維持できる測定管を用いるの
で、測定結果にバラつきがなく、高精度な赤血球沈降速
度測定が可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0025】本発明に係る赤血球沈降速度測定用の測定
管を図1〜図3に示し、この測定管1は、血液を採取す
るとともに、図4に示される赤血球沈降速度測定装置に
取外し可能に装置して使用可能なものである。
【0026】測定管1は、具体的には、毛細血管現象を
利用して血液を採取するものであって、図1に示すよう
に、透明容器2の内部に、採血量規定部材3が充填配置
されるとともに、下端開口2aが蓋部材4により密閉可
能な構造を備える。
【0027】透明容器2は、図示のごとく両端開放型の
薄肉円管状の透明容器の形態とされており、その形状寸
法は、毛細血管現象を利用した血液採取が可能なように
設定されている。
【0028】具体的には、この透明容器2は、乳幼児の
被検者の許容採血量に対応した内容積となる内径寸法と
長さ寸法を有する極細のキャピラリ管の形態とされ、例
えば、外径D1が1.9mm、内径D2が1.1mmおよび
長さLが75mm程度に設定されている。
【0029】この透明容器2の構成材料としては、透明
プラスチックまたは透明ガラスが好適に使用され、図示
の実施形態の透明容器2は透明ガラス製とされている。
なお、透明ガラス製の透明容器2においては、その内面
にいわゆる濡れ性があるため、そのままでも毛細血管現
象で血液が容器内を上がっていくが、一方、透明プラス
チック製の透明容器2においては、その内面に濡れ性が
ないため、毛細血管現象で血液が容器内を上がっていく
ような内面処理が施される。
【0030】採血量規定部材3は、透明容器2の内部に
充填配置された血液採取量を規定するためのもので、血
液等の水分をはじく撥水性材料からなり、具体的にはフ
ッ素樹脂またはポリエチレン樹脂などが構成材料として
好適に用いられる。図示の採血量規定部材3はフッ素樹
脂製とされている。
【0031】また、採血量規定部材3の具体的構造は、
図2に示すように、中央部に貫設された円形断面の通気
孔3aを有する円筒体の形態とされている。
【0032】上記通気孔3aは、採血量規定部材3が透
明容器2内に密閉状に充填配置された状態において、透
明容器2が毛細管現象を利用した血液採取を許容すると
ともに、採取された血液の通過を防止し得る径寸法を有
するように設定されている。
【0033】図示の実施形態においては、採血量規定部
材3は、透明容器2の内径D2に対応した外径d1(例
えば1.1mm程度)を有するとともに、上記通気孔とし
ての機能と血液の通過を防止する機能の両機能を発揮し
得る内径つまり孔径d2(例えば0.6mm程度)を有
し、長さ1が10mm程度に設定されている。
【0034】蓋部材4は、透明容器2の下端を密閉する
もので、透明容器2の下端開口2aに取外し可能に施蓋
される構造とされている。具体的には、蓋部材4は透明
容器2の下端外周に密着状に嵌合するキャップ形状のも
ので、弾性変形可能な材質とされ、図示の実施形態にお
いてはゴム製とされている。
【0035】しかして、以上のような構成とされた測定
管1により、赤血球沈降速度測定用の血液を採取するに
は、図3(a)に示すように、シャーレ等の容器5に、
人体(乳幼児被検者)から採血した血液と抗凝固剤であ
るクエン酸ナトリウム溶液を入れて、これらを混合させ
た後、この測定用血液Bの中に測定管1の下端部を浸漬
することにより、測定用血液Bが測定管1つまり透明容
器2の下端開口2aから毛細管現象により測定管1内へ
流入して採取収容される。
【0036】この場合、上記測定管1により採取される
血液量は、透明容器2の内部に充填配置された採血量規
定部材3により規定された量に制限される。具体的に
は、採血量規定部材3の通気孔3aの通気作用により、
透明容器2内に毛細管現象が生じて、血液Bは透明容器
2の下端開口2aから内部へ流入して上昇していくが、
通気孔3aの血液通過防止作用により、血液上昇は採取
量規定部材3の下端3Cまたは通気孔3a内に侵入充満
した時点で停止し、透明容器2内にはもはやこれ以上の
測定用血液Bが流入することはない。これにより、熟練
を要することなく、常に一定量の血液Bが透明容器2内
に安定して採取されることになる。
【0037】以上のように、透明容器2内への所定量の
血液採取が完了すると、図3(b)に示すように、蓋部
材4により透明容器2の下端開口2aを施蓋して閉塞す
ることにより、透明容器2の下端が密閉されて、赤血球
沈降速度測定装置に装置可能な測定容器としての構造と
なる。
【0038】次に、測定用血液Bが採取収容された測定
管1を用いる赤血球沈降速度測定装置の構成について具
体的に説明する。
【0039】この測定装置は、図4に示すように、1本
の測定管1を傾斜状、好適には15゜〜25゜の傾斜角
度に保持する傾斜保持手段としての測定管ホルダ6、投
光手段12、受光手段13、光量変化測定手段である信
号処理部15、制御手段である制御部16および沈降速
度演算手段である演算処理部17を主要部として構成さ
れている。
【0040】測定管ホルダ6は、具体的には、図5に示
すように、樹脂材料等からなるスタンドの形態とされ、
上記測定管1の上部を保持する上部保持部6aと、測定
管1の下部を保持する下部保持部6bと、測定管1の底
部を保持する底部保持部6cとを主要部として備えてい
る。
【0041】これら上部および下部保持部6a、6b
は、測定管1を傾斜状態で保持するように相対配置され
ている。具体的には、上部および下部保持部6a、6b
は、上記測定管1を矢符Fの方向から挿入支持するU字
形状断面の挿入溝h1、h2をそれぞれ備える。これら
挿入溝h1、h2は、前述したように、測定管ホルダ6
が所定の傾斜角度(図4および図5の状態)をもって保
持されるように相対配置されるとともに、挿入溝h1、
h2の軸線もこれに対応した同一の傾斜角度をもって設
けられている。
【0042】上部保持部6a、6bの挿入溝h1、h2
は、測定管1の外径D1に対応した内径寸法を有するU
字形状断面に形成されている。一方、底部保持部6c
は、測定管1の下端部分を保持する構造とされている。
【0043】投光手段12は、サンプルである測定用血
液Bが採血収容された測定管1に対して、光(投射光)
20aを投射するもので、図6に示すように、発光源L
Dと、この発光源LDからの投射光20aを測定管1に
まんべんなく均一に当てるための散光板21とを備え
る。
【0044】発光源LDとしては、LED(発行ダイオ
ード)アレイ好適には赤色LEDアレイ等が用いられる
が、この発光源LDと上記散光板21は測定管1の傾斜
角度と同一の傾斜角度に設定されている。
【0045】受光手段13は、上記投光手段12から上
記測定位置にある測定管1内を透過した光を受光して光
電変換するもので、上記測定管1を挟んで上記投光手段
12に対向して設けられている。具体的には、この受光
手段13は、測定管1を挟んで投光手段12に対向配置
されたCCDラインセンサやフォトダイオードアレイ等
のラインセンサLSと、測定管1内を透過した発光源L
Dからの光20bを、上記ラインセンサLSに収束させ
る対物レンズLLとを備える。
【0046】ラインセンサLSの光電変換出力Vは、図
7に示すように測定管1内の血液に対応した光の透過量
により変化する。すなわち、採血量規定部材3の存在す
る部分の透過量は、その存在によりほとんどなく0で示
され、次にサンプルS1(血漿)の透過量は、血漿の存
在により光が減衰されるが透過してVbとなり、サンプ
ルS2(血球層)の透過量は血球の存在により、そのほ
とんどが減衰されて0に等しくなる。
【0047】信号処理部15は、上記受光手段13の出
力の経時的変化を測定する。具体的には、信号処理部1
5は、ラインセンサLSの光電変換出力Vを検出し、そ
の経時的変化を測定する。この出力変化は、先にも述べ
たように測定管1の内容物に対応し、例えば図7に示す
ようになり、VbはサンプルS1(血漿)を透過した光
の受光量を表す。なお、サンプルS2(血球層)は光が
ほとんど透過せず、0である。
【0048】上記光電変換出力Vは、本実施形態におい
ては測定管1の内部に充填された採血量規定部材3の下
端と血漿S1との境界B1および血漿S1と血球S2と
の境界B2で大きく変化する。
【0049】この境界のうち境界B1の位相は、同一の
測定管に対して変化せず、境界B2のみが変化する。す
なわち、測定開始時は境界B2は存在しないが、測定開
始からしばらくして、赤血球の集合体が沈降して集積が
始まると、時間経過に伴い境界B2が発生して、それが
下方(図7の矢符G参照)に移動して32で示す位置に
光電変換出力Vbを生じる。
【0050】そして、さらに沈降が進んで赤沈測定に最
適なタイミングにおいては、境目B2が図7の33の位
置に移動している。この時の光電変換出力Vbは、境界
B2が32の位置における光電変換出力Vbとほぼ等し
い。
【0051】信号処理部15は、上記2つの境界位置の
光電変換出力Vbを処理して、演算処理部17へ位置パ
ルス(ラッチ信号)を送出するものである。
【0052】すなわち、光電変換出力V(Vb)を一次
微分して一次微分波形f’を得、二次微分して二次微分
波形f”を得る。その後一次微分波形f’と設定値L1
との比較からクリッピング信号Aおよび、同じく一次微
分波形f’と設定値L2との比較からクリッピング信号
Dを得る。一方二次微分波形f”からゼロクロス信号B
およびEを得る。さらに、クリッピング信号Aとゼロク
ロス信号Bとの比較一致から境界B1の位置パルス(ラ
ッチ信号)Cを得、やはりクリッピング信号Dとゼロク
ロス信号Eとの比較一致から境界B2の位置パルス(ラ
ッチ信号)Fを得る。
【0053】演算処理部(沈降速度演算手段)10は、
信号処理部15の測定結果に基づいて、測定管1内の血
漿S1の高さ寸法を演算して赤沈を算出するもので、具
体的には、演算処理部17は、信号処理部15で測定さ
れ送出される位置パルス(ラッチ信号)Cから境界B1
とB2との高さ寸法を算出し、それと設定された測定時
間(好適には5分〜10分)とから、赤沈を算出する。
【0054】以上のように構成された赤血球沈降速度測
定装置により、赤血球沈降速度を測定するには、まず、
測定管1を用いて、前述した要領で測定用血液Bを採取
する(図3参照)。続いて、このようにして測定用血液
Bを採取収容した測定管1が、上記測定装置における測
定管ホルダ6に傾斜状態でセットされた後、投光手段1
2から投射光20aを投射させる。
【0055】そして、前述したような受光手段13のラ
インセンサLSにより、測定管1を透過する透過光20
bの光量を電気信号として検出し、その赤沈測定が行わ
れる。
【0056】この場合の測定管1内の測定用血液Bの挙
動は、測定管1が傾斜状に保持されていることにより、
赤血球の沈降速度を促進させる自然対流が血液中に生
じ、血球層(赤血球等がかたまり沈殿したもの)の沈降
集積にともなって測定管1内に上澄み液としての血漿S
1と沈降物としての血球層S2の境界B2が現れる。こ
の境界B2は測定管1内を経時的に下降していき、一定
時間を経過するとこの境界B2の下降が停止(血球層S
2の集積が停止)することとなる。
【0057】この赤沈測定結果は、図示しない表示装置
やプリンタ等により国際標準法に基づく表示方式で表示
される。
【0058】さらに、採血量を常に安定して一定の所定
量に採取維持できる測定管1を用いるので、測定結果に
バラつきがなく、高精度な赤血球沈降速度測定が可能と
なる。
【0059】実施形態2 本実施形態は図8に示されており、採血量規定部材3の
構造が改変されたものである。
【0060】すなわち、本実施形態の採血量規定部材3
の具体的構造は、図2に示すように、外周部に通気溝3
bを有する棒体の形態とされている。具体的には、採血
量規定部材3を構成する棒体は、図示のごとく実施形態
1の円筒体と同じ外径d2を有する円柱体の外周に、V
字形状断面の通気溝3bが、全長にわたってかつ周方向
へ等間隔をもって複数本(図示のものにおいては12
本)配されてなる。
【0061】これら通気溝3bは、採血量規定部材3が
透明容器2内に密閉状に充填配置された状態において、
通気孔として機能するもので、透明容器2が毛細管現象
を利用した血液採取を許容するとともに、採取された血
液の通過を防止し得る断面形状寸法を有するように設定
されている。その他の構成および作用は実施形態1と同
様である。
【0062】なお上述した実施形態においてはあくまで
も本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明
はこれに限定されることなくその範囲内で種々の設計変
更が可能である。
【0063】例えば、上述した実施形態においては、測
定管1が乳幼児の赤沈測定に好適なキャピラリ管の形態
とされているが、成人用に好適な形状寸法の測定管を用
いてもよい。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の赤血球沈
降速度測定管によれば、毛細管現象を利用した血液採取
が可能な形状寸法を備え、赤血球の沈降速度を光学的に
測定可能な両端開放型の円管状透明容器の形態とされ、
この透明容器の内部に、血液採取量を規定するための採
血量規定部材が充填配置されているから、この測定管に
より採取される血液量は、透明容器の内部に充填配置さ
れた採血量規定部材により規定された量に制御され、熟
練を要することなく、常に一定量を安定して採取するこ
とが可能となる。
【0065】また、本発明の赤血球沈降速度測定方法
は、上記測定管を所定の傾斜角度をもって保持して、上
記血液中に赤血球の沈降を促進させる自然対流を生じさ
せ、上記測定管に光を投射して、上記測定管内を透過し
た光を電気的に検出するとともに、この検出値の経時的
変化から血液中の上澄み液である血漿の深さ寸法を算出
して、沈降物である赤血球等の血球層の沈降速度を測定
するところ、上記測定管を傾斜状に保持することによる
赤血球の沈降速度の促進効果は迅速な赤沈測定を可能と
して、緊急の医療措置が必要な場合において非常に有効
となる。
【0066】さらに、上述のごとく、採血量を常に安定
して一定の所定量に採取維持できる測定管を用いるの
で、測定結果にバラつきがなく、高精度な赤血球沈降速
度測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1である赤血球沈降速度測定
管を示す正面断面図である。
【図2】同測定管の採血量規定部材を示す傾視図であ
る。
【図3】同測定管の使用方法を説明するための図であ
り、図3(a)は採血時の状態を示す断面図、図3
(b)は採血後の赤血球沈降速度測定時の状態を示す断
面図である。
【図4】同測定管を用いる赤血球沈降速度測定装置の概
略を示す構成ブロック図である。
【図5】同沈降速度測定装置における測定管ホルダの概
略構成を示す正面図である。
【図6】同沈降速度測定装置における投光手段、測定
管、および受光手段の相対位置関係を示す図である。
【図7】同沈降速度測定装置において、投射光が、測定
管内の空間、血漿(上澄み液)および血球層(沈降物)
中を透過する場合の透過光のライン光量(光電変換出
力)と、その信号処理部における信号処理波形とを示す
線図である。
【図8】本発明の実施形態2である赤血球沈降速度測定
管の採血量規定部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
B 測定用血液 1 測定管 2 透明容器 2a 透明容器の下端開口 3 採血量規定部材 3a 採血量規定部材の通気孔 3b 採血量規定部材の通気溝 4 蓋部材 6 測定管ホルダ(傾斜保持手段) 12 投光手段 13 受光手段 15 信号処理部(光量変化測定手段) 16 制御部(制御手段) 17 演算処理部(沈降速度演算手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/03 G01N 21/59 Z 21/59 G01F 23/28 H (72)発明者 岸森 重則 大阪府枚方市新町1丁目12番1号 セファ テクノロジー株式会社内 (72)発明者 長谷部 洋治 大阪府枚方市大峰元町2丁目16番1号 株 式会社センテック内 Fターム(参考) 2F014 FA03 2G045 AA14 CA25 FA13 GC20 HC05 HC10 2G052 AA30 AD06 AD26 AD46 BA02 CA02 CA04 CA39 HA02 JA09 JA13 JA16 2G057 AA01 AB04 AB06 AC01 BA01 BB01 BB06 BD08 CB03 2G059 AA05 BB13 CC16 DD12 EE01 FF04 GG01 GG02 HH02 JJ11 KK01 KK04 MM01 PP04

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 毛細管現象を利用した血液採取が可能な
    形状寸法を備え、赤血球の沈降速度を光学的に測定可能
    な両端開放型の円管状透明容器の形態とされ、この透明
    容器の内部に、血液採取量を規定するための採血量規定
    部材が充填配置されていることを特徴とする赤血球沈降
    速度測定管。
  2. 【請求項2】 前記透明容器の下端開口に取外し可能に
    施蓋される蓋部材を備え、この蓋部材が前記下端開口に
    施蓋されることにより、透明容器の下端が密閉可能とさ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の赤血球沈降
    速度測定管。
  3. 【請求項3】 前記採血量規定部材は、撥水性材料から
    なるとともに、中央部に通気孔を有する円筒体の形態と
    されていることを特徴とする請求項1または2に記載の
    赤血球沈降速度測定管。
  4. 【請求項4】 前記採血量規定部材は、撥水性材料から
    なるとともに、外周部に通気溝を有する棒体の形態とさ
    れ、 前記通気溝は、前記採血量規定部材が前記透明容器内に
    密閉状に充填配置された状態において、通気孔として機
    能するように構成されていることを特徴とする請求項1
    または2に記載の赤血球沈降速度測定管。
  5. 【請求項5】 前記通気孔の形状寸法は、毛細血管現象
    を利用した血液採取を許容するとともに、採取された血
    液の通過を防止し得るように設定されていることを特徴
    とする請求項3または4に記載の赤血球沈降速度測定
    管。
  6. 【請求項6】 前記採血量規定部材の構成材料がフッ素
    樹脂であることを特徴とする請求項1から5のいずれか
    一つに記載の赤血球沈降速度測定管。
  7. 【請求項7】 前記採血量規定部材の構成材料がポリエ
    チレン樹脂であることを特徴とする請求項1から5のい
    ずれか一つに記載の赤血球沈降速度測定管。
  8. 【請求項8】 前記透明容器の構成材料が透明ガラスで
    あることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに
    記載の赤血球沈降速度測定管。
  9. 【請求項9】 赤血球沈降速度測定用の血液が採取収容
    された請求項1から8のいずれか一つに記載の赤血球沈
    降速度測定管の下端開口を施蓋して閉塞した後、この測
    定管を所定の傾斜角度をもって保持して、前記血液中に
    赤血球の沈降を促進させる自然対流を生じさせ、 前記測定管に光を投射して、前記測定管内を透過した光
    を電気的に検出するとともに、この検出値の経時的変化
    から血液中の上澄み液である血漿の深さ寸法を算出し
    て、沈降物である赤血球等の血液の沈降速度を測定する
    ことを特徴とする赤血球沈降速度測定方法。
  10. 【請求項10】 前記血液が、前記自然対流によって前
    記血漿と血球層とに分離し、前記血漿の液面と、前記血
    漿の液面と前記血球層との境界とにおける、前記透過光
    の光量変化を検出することにより、前記血漿の深さ寸法
    を算出して、その沈降速度を測定することを特徴とする
    請求項9に記載の赤血球沈降速度測定方法。
  11. 【請求項11】 赤血球沈降速度測定用の血液が採取収
    容されるとともに、下端開口が施蓋により閉塞された請
    求項1から8のいずれか一つに記載の赤血球沈降速度測
    定管を傾斜状に保持する傾斜保持手段と、 前記測定管に光を投射する投光手段と、 前記測定管を挟んで前記投光手段に対向して設けられ、
    前記投光手段から前記測定管内を透過した光を受光して
    光電変換する受光手段と、 この受光手段出力の経時的変化を測定する光量変化測定
    手段と、 前記光量変化測定手段の測定結果に基づいて、前記測定
    管内の沈殿物である赤血球等の血球層の沈降速度を演算
    する赤血球沈降速度演算手段とを備えてなることを特徴
    とする赤血球沈降速度測定装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015190132A1 (ja) * 2014-06-11 2017-04-20 オリンパス株式会社 検体評価方法
CN108020530A (zh) * 2018-01-18 2018-05-11 中实医疗科技江苏有限公司 快速血沉分析装置及其方法
JP2020032376A (ja) * 2018-08-30 2020-03-05 株式会社シン・コーポレイション 毛細管封止具及び微量試料採取器具
CN111638110A (zh) * 2020-07-05 2020-09-08 江苏拜明生物技术有限公司 一种处理末梢血得到定量血浆的装置及应用

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