JP6348347B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、長期間使用するうちに空気中の酸素やオゾンによりゴムが酸化劣化され、サイドウォール部やトレッド部の溝底にクラックが発生する場合があった。クラックの発生は、外観を悪くするだけでなく、タイヤの転動によりクラックが成長して破損に至るおそれがあるため耐久性を低下させる原因にもなり得る。
このため一般的に、サイドウォール部やトレッド部などに使用されるタイヤ用ゴム組成物には、各種の老化防止剤が配合され、劣化を防止するようにしている。
しかし、老化防止剤は、温度、歪み、オゾンなどの外的刺激を受けると、容易に表面に析出し、さらに紫外線などの光によって経時的に分解し、この分解物がタイヤを茶色または茶褐色に変色させていくため、タイヤの外観が悪くなり、タイヤの商品価値が低下するという問題があった。
ゴムに柔軟性を持たせる可塑剤は、タイヤを長期間使用すると配合物からブリードし、その際に老化防止剤の表面への析出を促進することがある。かかる茶色または茶褐色の変色を抑制するためには、可塑剤のブリードを抑制することが重要である。
また、可塑剤がブリードすると経年で配合物が硬化してしまい、サイドウォール配合の場合、タイヤの乗り心地性能が悪化する問題がある。
前記課題の解決に加えて、サイドウォール部は、耐屈曲亀裂成長性やハンドリング性能等の性能にも優れることが求められている。
本発明は、前記課題を解決し、耐オゾン性、耐屈曲亀裂成長性及びハンドリング性能のバランスに優れ、硬度変化やタイヤ表面の変色が少ない空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分100質量%中、シス含量が95質量%以上のハイシスポリブタジエンの含有量が15〜70質量%であり、ゴム成分100質量部に対して、重量平均分子量が1000〜500000のファルネセン系樹脂を1〜50質量部含有するゴム組成物を用いて作製したサイドウォールを有する空気入りタイヤに関する。
前記ファルネセン系樹脂がファルネセンの単独重合体であることが好ましい。
前記ファルネセン系樹脂がファルネセンとビニルモノマーとの共重合体であることが好ましい。
前記ビニルモノマーがブタジエンであることが好ましい。
前記共重合体における前記ファルネセンと前記ビニルモノマーとの共重合比が、質量基準で、ファルネセン/ビニルモノマー=99/1〜25/75であることが好ましい。
前記共重合体の38℃における溶融粘度が1000Pa・s以下であることが好ましい。
前記ファルネセン系樹脂が、糖から誘導される炭素源を用いて微生物を培養することによって調製されたファルネセンを重合して得られるものであることが好ましい。
本発明によれば、シス含量が特定量以上のハイシスポリブタジエンと、重量平均分子量が特定の範囲内である特定のファルネセン系樹脂とをそれぞれ所定量含有するゴム組成物を用いて作製したサイドウォールを有する空気入りタイヤであるので、耐オゾン性、耐屈曲亀裂成長性及びハンドリング性能のバランスに優れ、硬度変化やタイヤ表面の変色が少ない空気入りタイヤを提供できる。
本発明の空気入りタイヤは、シス含量が特定量以上のハイシスポリブタジエンと、重量平均分子量が特定の範囲内である特定のファルネセン系樹脂とをそれぞれ所定量含有するゴム組成物を用いて作製したサイドウォールを有するものである。前記ファルネセン系樹脂を軟化剤として配合することで、オイルを使用した場合と比較して、時間経過による硬度変化を抑制でき、タイヤの乗り心地性能の悪化を抑制できる。また、フィラー表面近傍にファルネセン系樹脂の被膜が形成されることや、ハイシスポリブタジエン等のゴム成分と共加硫することで、ファルネセン系樹脂のブリードや、それに付随するオイル、老化防止剤、ワックスのブリードが抑制されるため、オイル、老化防止剤、ワックスを使用した場合であっても、ゴム表面の変色(白色化、茶色化)を抑制できる。さらには、オイルを使用した場合と比較して、耐オゾン性、耐屈曲亀裂成長性及びハンドリング性能のバランスにも優れる。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分として、シス含量が95質量%以上(好ましくは97質量%以上)のハイシスポリブタジエン(ハイシスブタジエンゴム)を含有する。ハイシスポリブタジエンとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150Bなど、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
なお、本明細書において、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析により算出される値である。
ゴム成分100質量%中のハイシスポリブタジエンの含有量は、15質量%以上であり、30質量%以上が好ましく、35質量%以上がより好ましく、45質量%以上がさらに好ましい。15質量%未満であると、耐オゾン性、耐屈曲亀裂成長性及びハンドリング性能に劣り、サイドウォールとしての耐久性が十分に得られない傾向がある。ハイシスポリブタジエンの含有量は、70質量%以下であり、好ましくは65質量%以下である。70質量%を超えると、加工性が悪化し、破断時伸びも悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、上記ハイシスポリブタジエン以外に他のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、ブチルゴム、エポキシ化天然ゴム(ENR)などが挙げられる。なかでも、本発明の効果が良好に得られるという点から、NR、IRが好ましく、NRがより好ましい。NR、IRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上であり、また、好ましくは85質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、特に好ましくは65質量%以下、最も好ましくは55質量%以下である。この範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる。
本発明に係るゴム組成物は、ファルネセン系樹脂を含有する。ファルネセン系樹脂とは、ファルネセンをモノマー成分として重合して得られた重合体を意味する。ファルネセンには、α−ファルネセン((3E,7E)−3,7,11−トリメチル−1,3,6,10−ドデカテトラエン)やβ−ファルネセン(7,11−ジメチル−3−メチレン−1,6,10−ドデカトリエン)などの異性体が存在するが、以下の構造を有する(E)−β−ファルネセンが好ましい。
Figure 0006348347
本発明では、前記ハイシスポリブタジエンゴムと共に、重量平均分子量が特定の範囲内であるファルネセン系樹脂を軟化剤として配合することにより、耐オゾン性、耐屈曲亀裂成長性及びハンドリング性能に優れ、硬度変化やタイヤ表面の変色が少なくできる。なお、ファルネセン系樹脂は、従来配合されているオイルなどの軟化剤に置き換えて配合することが好ましい。これにより、本発明の効果がより好適に得られる。
ファルネセン系樹脂は、ファルネセンの単独重合体(ファルネセン単独重合体)であってもよいし、ファルネセンとビニルモノマーとの共重合体(ファルネセン−ビニルモノマー共重合体)であってもよい。ビニルモノマーとしては、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2−t−ブチルスチレン、3−t−ブチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ジフェニルエチレン、3級アミノ基含有ジフェニルエチレンなどの芳香族ビニル化合物や、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン化合物などが挙げられる。なかでも、ブタジエンが好ましい。すなわち、ファルネセン−ビニルモノマー共重合体としては、ファルネセンとブタジエンとの共重合体(ファルネセン−ブタジエン共重合体)が好ましい。ファルネセン−ブタジエン共重合体を配合することで、耐オゾン性、耐屈曲亀裂成長性の改善効果を高めることができる。
ファルネセン単独重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−60℃以下、より好ましくは−70℃以下であり、好ましくは−120℃以上、より好ましくは−110℃以上である。前記範囲内であれば、タイヤ用軟化剤として好適に使用できる。
同様の理由から、ファルネセン−ブタジエン共重合体のTgは、好ましくは−60℃以下、より好ましくは−70℃以下であり、好ましくは−120℃以上、より好ましくは−110℃以上である。
なお、Tgは、JIS−K7121:1987に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の示差走査熱量計(Q200)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定した値である。
ファルネセン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上、更に好ましくは5000以上、特に好ましくは8000以上である。1000未満では、ブリードを抑制する効果が十分に得られず、ハンドリング性能が悪化する傾向がある。また、該Mwは、500000以下、好ましくは300000以下、より好ましくは150000以下、特に好ましくは100000以下である。500000を超えると、乗り心地性能が悪化する傾向がある。Mwが前記範囲内のファルネセン系樹脂は、常温で液状であり、タイヤ用軟化剤として好適に使用できる。
ファルネセン単独重合体の溶融粘度は、好ましくは1000Pa・s以下、より好ましくは200Pa・s以下であり、好ましくは0.1Pa・s以上、より好ましくは0.5Pa・s以上である。前記範囲内であれば、タイヤ用軟化剤、および低燃費化剤として好適に使用でき、かつ耐ブルーム性にも優れる。
同様の理由から、ファルネセン−ビニルモノマー共重合体の溶融粘度は、好ましくは1000Pa・s以下、より好ましくは650Pa・s以下、更に好ましくは200Pa・s以下であり、好ましくは1Pa・s以上、より好ましくは5Pa・s以上である。
なお、溶融粘度は、ブルックフィールド型粘度計(BROOKFIELD ENGINEERING LABS.INC.製)を用いて、38℃で測定した値である。
ファルネセン単独重合体において、モノマー成分100質量%中のファルネセンの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。
ファルネセン−ビニルモノマー共重合体において、モノマー成分100質量%中のファルネセン及びビニルモノマーの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。また、ファルネセンとビニルモノマーとの共重合比は、質量基準で、ファルネセン:ビニルモノマー=99/1〜25/75であることが好ましく、ファルネセン:ビニルモノマー=80/20〜40/60であることがより好ましい。ファルネセンの含有量が25質量%未満であると配合物の硬度が上昇し、ハンドリング性能が悪化する傾向がある。
ファルネセン系樹脂の合成は公知の手法により行うことができる。例えば、アニオン重合による合成の場合、充分に窒素置換した耐圧容器に、ヘキサンと、ファルネセンと、sec−ブチルリチウムと、必要に応じてビニルモノマーとを仕込んだ後、昇温させ、数時間撹拌することで行い、得られた重合溶液をクエンチ処理後、真空乾燥させることで、液状のファルネセン系樹脂を得ることができる。
ファルネセン単独重合体を調製する際の重合において、重合手順は特に限定されず、例えば、すべてのモノマーを一度に重合させてもよいし、逐次、モノマーを加えて重合させてもよい。また、ファルネセン−ビニルモノマー共重合体を調製する際の共重合においても、重合手順は特に限定されず、例えば、すべてのモノマーを一度にランダム共重合させてもよいし、予め特定のモノマー(例えば、ファルネセンモノマーのみ、ブタジエンモノマーのみなど)を共重合させた後に、残りのモノマーを加えて共重合させてもよいし、特定のモノマー毎に予め共重合させたものをブロック共重合させてもよい。
ファルネセン系樹脂に使用するファルネセンは、石油資源から化学合成によって調製されたものであってもよいし、アリマキなどの昆虫やリンゴなどの植物から抽出したものであってもよいが、糖から誘導される炭素源を用いて微生物を培養することによって調製されたものであることが好ましい。該ファルネセンを使用することで、効率よくファルネセン系樹脂を調製できる。
糖としては、単糖、二糖、多糖のいずれであってもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。単糖としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、リボースなどが挙げられる。二糖としては、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオースなどが挙げられる。多糖としては、スターチ、グリコーゲン、セルロース、キチンなどが挙げられる。
ファルネセンの製造に好適な糖は、多種多様な材料から得ることができ、例えば、サトウキビ、バガス、ミスカンタス、テンサイ、モロコシ、穀実用モロコシ、スイッチグラス、大麦、麻、ケナフ、ジャガイモ、サツマイモ、キャッサバ、ヒマワリ、果物、糖蜜、乳清、脱脂乳、トウモロコシ、ワラ、穀物、小麦、木、紙、麦わら、綿などが挙げられる。その他、セルロース廃棄物や、他のバイオマス材料も使用できる。なかでも、サトウキビ(Saccharum officinarum)などのSaccharum属に属する植物が好ましく、サトウキビがより好ましい。
微生物は、培養してファルネセンを製造できる微生物であれば特に限定されず、例えば、真核生物、細菌、古細菌などが挙げられる。真核生物としては、酵母、植物などが挙げられる。
また、微生物は形質転換体であってもよい。形質転換体は、宿主となる微生物に、外来遺伝子を導入して得られる。外来遺伝子としては、特に限定されないが、ファルネセンの製造効率をより改善できるという理由から、ファルネセン産生に関与する外来遺伝子が好ましい。
培養条件は、微生物がファルネセンを製造できる条件であれば特に限定されない。微生物を培養する際に使用される培地としては、微生物の培養に通常使用される培地であればよい。具体的には、細菌の場合にはKB培地、LB培地が挙げられる。酵母の場合には、YM培地、KY培地、F101培地、YPD培地、YPAD培地が挙げられる。植物の場合には、Whiteの培地、Hellerの培地、SH培地(SchenkとHildebrandtの培地)、MS培地(MurashigeとSkoogの培地)、LS培地(LinsmaierとSkoogの培地)、Gamborg培地、B5培地、MB培地、WP培地(Woody Plant:木本類用)などの基本培地が挙げられる。
培養温度は、微生物の種類によって異なるが、0〜50℃であることが好ましく、10〜40℃であることがより好ましく、20〜35℃であることが更に好ましい。pHは、pH3〜11であることが好ましく、4〜10であることがより好ましく、5〜9であることが更に好ましい。また、培養は、微生物の種類に応じて、嫌気的条件下、好気的条件下のいずれにおいても行うことができる。
微生物の培養は、バッチ式培養でも可能であり、また、バイオリアクターを用いた連続式培養でも可能である。具体的な培養方法として、振とう培養、回転培養などが挙げられる。ファルネセンは、微生物の細胞内に蓄積させることができ、また、培養上清中に生成蓄積させることもできる。
培養後の微生物からファルネセンを取得する場合、遠心分離により微生物を回収した後、微生物を破砕し、破砕液から1−ブタノールなどの溶剤を使用して抽出することができる。また、溶剤抽出法に、クロマトグラフィーなど公知の精製方法を適宜併用することもできる。ここで、微生物の破砕は、ファルネセンの変性・崩壊を防ぐために、例えば4℃などの低温で行うことが好ましい。微生物は、例えば、ガラスビーズを使用した物理的破砕などにより破砕することができる。
培養上清からファルネセンを取得するには、遠心分離にて菌体を除去した後、得られた上清から、1−ブタノールなどの溶剤にて抽出すればよい。
上述の微生物由来のファルネセンを使用して得られるファルネセン系樹脂は市販品として入手することができ、例えば、ファルネセン単独重合体としては、(株)クラレ製のKB−101、KB−107などが挙げられ、ファルネセン−ブタジエン共重合体としては、(株)クラレ製のFBR−746、FB−823、FB−884などが挙げられる。
ファルネセン系樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは3質量部以上である。1質量部未満では、ファルネセン系樹脂配合により得られる性能の改善効果が充分に得られない傾向がある。また、該含有量は、50質量部以下、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。50質量部を超えると、耐オゾン性及びハンドリング性能が悪化する傾向がある。
本発明に係るゴム組成物は、カーボンブラックを含有してもよい。カーボンブラックとしては、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、SRF、GPF、APF、FF、CF、SCF及びECFのようなファーネスブラック(ファーネスカーボンブラック);アセチレンブラック(アセチレンカーボンブラック);FT及びMTのようなサーマルブラック(サーマルカーボンブラック);EPC、MPC及びCCのようなチャンネルブラック(チャンネルカーボンブラック);グラファイトなどをあげることができる。これらは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、通常、5〜200m/gであり、下限は好ましくは50m/g、より好ましくは80m/gであり、上限は好ましくは150m/g、より好ましくは120m/g、更に好ましくは100m/gである。また、カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸収量は、通常、5〜300ml/100gであり、下限は好ましくは80ml/100g、より好ましくは100ml/100g、さらに好ましくは120ml/100gであり、上限は好ましくは180ml/100g、より好ましくは150ml/100gである。カーボンブラックのNSAやDBP吸収量が前記範囲の下限未満では、補強効果が小さく耐摩耗性が低下する傾向があり、前記範囲の上限を超えると、分散性が悪化する傾向がある。該窒素吸着比表面積は、ASTM D4820−93に従って測定され、該DBP吸収量は、ASTM D2414−93に従って測定される。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは40質量部以上である。20質量部未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。80質量部を超えると、ゴムが硬くなりすぎて、グリップ性能が悪化する傾向がある。
添加剤としては、公知のものを用いることができ、硫黄などの加硫剤;チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤などの加硫促進剤;ステアリン酸、酸化亜鉛などの加硫活性化剤;有機過酸化物;シリカ、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカなどの充填剤;シランカップリング剤;オイルなどの軟化剤;老化防止剤;ワックスを例示することができる。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどのチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどのグアニジン系加硫促進剤をあげることができ、なかでも、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドが好ましい。また、その使用量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、0.2〜3質量部がより好ましい。
オイルとしては、アロマオイル(粘度比重恒数(V.G.C.値)0.900〜1.049)、ナフテンオイル(V.G.C.値0.850〜0.899)、パラフィンオイル(V.G.C.値0.790〜0.849)などがあげられ、必要に応じてブレンドして使用しても良い。
上述のように、ファルネセン系樹脂は、従来軟化剤として配合されているオイルなどの一部又は全量と置き換えて配合することが好ましい。軟化剤100質量%中のファルネセン系樹脂の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、100質量%であってもよい。また、軟化剤の合計含有量(ファルネセン系樹脂の含有量を含む)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上である。また、該合計含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは60質量部以下、特に好ましくは30質量部以下、最も好ましくは10質量部以下である。
本発明に係るゴム組成物を製造する方法としては、公知の方法、例えば、各成分をロールやバンバリーのような公知の混合機で混錬する方法を用いることができる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を配合する場合、混練温度は、通常50〜200℃であり、好ましくは80〜190℃であり、混練時間は、通常30秒〜30分であり、好ましくは1分〜30分である。
加硫剤、加硫促進剤を配合する場合、混練温度は、通常100℃以下であり、好ましくは室温〜80℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を配合した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理を行って用いられる。加硫温度としては、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃である。
本発明に係るゴム組成物は、サイドウォールに用いられる。
本発明の空気入りタイヤは、前記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合した前記ゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのサイドウォールの形状にあわせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して、本発明の空気入りタイヤを製造できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例、参考例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:TSR20
ハイシスポリブタジエン:宇部興産(株)製のウベポールBR150B(シス含量:97質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN339(NSA:96m/g、DBP吸収量:124ml/100g)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のX−140(アロマオイル)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン3C
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
ファルネセン単独重合体1:(株)クラレ製のKB−101(Mw:10000、溶融粘度:0.7Pa・s、Tg:−72℃)
ファルネセン単独重合体2:(株)クラレ製のKB−107(Mw:135000、溶融粘度:69Pa・s、Tg:−71℃)
ファルネセン−ブタジエン共重合体1:(株)クラレ製のFBR−746(Mw:100000、質量基準の共重合比:ファルネセン/ブタジエン=60/40、溶融粘度:603Pa・s、Tg:−78℃)
ファルネセン−ブタジエン共重合体2:(株)クラレ製のFB−823(Mw:50000、質量基準の共重合比:ファルネセン/ブタジエン=80/20、溶融粘度:13Pa・s、Tg=−78℃)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)
(実施例、参考例及び比較例)
表1及び2に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。また、得られた未加硫ゴム組成物をサイドウォールの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃で12分間加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物及び試験用タイヤについて下記の評価を行った。結果を表1及び2に示す。
<試験項目及び試験方法>
(黒色度)
オゾン50pphm、40℃で1週間放置した後の試験用タイヤについて、色差計を用いて黒色度を測定し、タイヤ表面の変色(白変及び茶変)を下記基準で評価した。
5:変色なし
4:若干変色
3:変色部位が全体の半分未満
2:変色部位が全体の半分以上
1:全面的に変色
(硬度変化)
オゾン50pphm、40℃で1週間放置した後の試験用タイヤについて、サイドウォール部の硬度(JIS−A)を測定した。下記硬度変化指数が95〜105であれば良いレベルとする。
(硬度変化指数)=(放置後の硬度)/(放置前の硬度)×100
(耐オゾン性)
JIS K6259に準拠し、加硫ゴム片(長さ60mm×幅10mm×厚み2.0mm)を30%伸張させ、オゾン濃度50pphm、雰囲気温度40℃にて24時間放置させる静的オゾン劣化試験を行った。また、同規格に準拠し、オゾン濃度50pphm、雰囲気温度40℃にて24時間、0〜20%で往復運動伸長させる動的オゾン劣化試験を行った。試験後のクラックの発生状態を目視により観察し、比較例1を100として、耐オゾン性をそれぞれ指数表示した。指数が大きいほど耐オゾン性に優れることを示す。
(耐屈曲亀裂成長性)
得られた加硫ゴム組成物を用い、JIS−K−6260「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−デマッチャ屈曲亀裂試験方法」に基づいてサンプルを作製し、屈曲亀裂成長試験を行い、70%伸張を100万回繰り返してサンプルを屈曲させた後、発生した亀裂の長さを測定した。
そして、比較例1の測定値(長さ)を100とし、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど、亀裂の成長が抑制され、耐屈曲亀裂成長性に優れることを示す。
(耐屈曲亀裂成長性指数)=(比較例1の測定値)/(各配合の測定値)×100
(ハンドリング性能)
上記試験用タイヤを排気量2500ccの乗用車に装着し、1周3kmのコースを蛇行しながら走行し、ハンドリング性能を以下に示す基準で官能評価した。
5点を基準とし、
6.5点:明らかに感知できる程度良い
6点:十分に感知できる程度良い
5.5点:わずかに感知できる程度良い
4.5点:わずかに感知できる程度悪い
4点:十分に感知できる程度悪い
3.5点:明らかに感知できる程度悪い
Figure 0006348347
Figure 0006348347
表1及び2より、シス含量が特定量以上のハイシスポリブタジエンと、重量平均分子量が特定の範囲内である特定のファルネセン系樹脂とを所定量配合した実施例、参考例は、耐オゾン性、耐屈曲亀裂成長性及びハンドリング性能のバランスに優れ、硬度変化やタイヤ表面の変色が少ない空気入りタイヤを提供できることが明らかとなった。

Claims (7)

  1. ゴム成分100質量%中、シス含量が95質量%以上のハイシスポリブタジエンの含有量が15〜70質量%であり、ゴム成分100質量部に対して、重量平均分子量が1000〜500000のファルネセン系樹脂を1〜50質量部含有し、前記ファルネセン系樹脂がファルネセンとビニルモノマーとの共重合体であるゴム組成物を用いて作製したサイドウォールを有する空気入りタイヤ。
  2. 前記ゴム組成物がカーボンブラックを含有する請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ゴム組成物が天然ゴムを含有する請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ビニルモノマーがブタジエンである請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記共重合体における前記ファルネセンと前記ビニルモノマーとの共重合比が、質量基準で、ファルネセン/ビニルモノマー=99/1〜25/75である請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記共重合体の38℃における溶融粘度が1000Pa・s以下である請求項〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ファルネセン系樹脂が、糖から誘導される炭素源を用いて微生物を培養することによって調製されたファルネセンを重合して得られるものである請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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