以下、本発明に係る測定条件設定情報表示装置、測定システムおよび確認画面表示用プログラムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す測定システム100は、「測定システム」の一例であって、測定装置1および携帯情報端末2を備え、「測定対象」についての予め規定された「被測定量」を測定して記録することができるように構成されている。なお、「測定条件設定情報表示装置」、「測定システム」および「確認画面表示用プログラム」の発明についての理解を容易とするために、一例として、以下の説明では、図5に示す測定対象基板Xを「測定対象」とし、かつ「被測定量」として電圧値および電流値を測定するものとする。
測定装置1は、「測定装置」および「外部装置」の一例であって、図1に示すように、信号ケーブル11cを介して接続具11a,11bが接続される測定ユニット13aと、信号ケーブル12cを介して測定用センサ12が接続される測定ユニット13bと、通信部14、処理部15および記憶部16とを備えている。
測定ユニット13aは、「測定部」の一例である図示しない電圧測定部と、電圧測定部に接続された接続用コネクタCa(信号入力部:図2参照)とを備え、この接続用コネクタCaに信号ケーブル11cを介して接続される接続具11a,11b(いずれも図3参照)の間の電圧値(接続具11a,11bが接続される任意の2点間の電圧値:「測定対象についての被測定量」の一例)を予め設定された測定条件に従って測定可能に構成されている。また、測定ユニット13aにおける接続用コネクタCaの近傍には、接続用コネクタCaに接続されている上記の電圧測定部に対して付与された「識別符号」を示すコードラベルLa1(「識別符号表示」の一例)が貼付されている。この場合、コードラベルLa1には、上記の「識別符号」と共に、このコードラベルLa1が「測定ユニット」に貼付されたラベルであることを示す予め規定された「符号」が記されている。
さらに、測定ユニット13bは、「測定部」の他の一例である図示しない電流測定部と、電流測定部に接続された接続用コネクタCb(信号入力部:図2参照)とを備え、この接続用コネクタCbに信号ケーブル12c(「信号ケーブル」の他の一例)を介して接続される測定用センサ12(いずれも図4参照)によってクランプしている導体を流れる電流の電流値(「測定対象についての被測定量」の他の一例)を予め設定された測定条件に従って測定可能に構成されている。また、測定ユニット13bにおける接続用コネクタCbの近傍には、接続用コネクタCbに接続されている上記の電流測定部に対して付与された「識別符号」を示すコードラベルLb1(「識別符号表示」の他の一例)が貼付されている。この場合、コードラベルLb1には、上記の「識別符号」と共に、このコードラベルLb1が「測定ユニット」に貼付されたラベルであることを示す予め規定された「符号」が記されている。
この場合、コードラベルLa1,Lb1は、一例として、カラービット(登録商標)の規格に従って上記の「識別符号」などがカラーコード化されて記されている。なお、後述するコードラベルLa2,La3(図3,5参照)についても、コードラベルLa1と同様にして、測定ユニット13aの電圧測定部に付与された「識別符号」などがカラービットの規格に従ってカラーコード化されて記され、コードラベルLb2,Lb3(図4,5参照)についても、コードラベルLb1と同様にして、測定ユニット13bの電流測定部に付与された「識別符号」などがカラービットの規格に従ってカラーコード化されて記されている。以下、コードラベルLa1〜La3を区別しないときには、「コードラベルLa」ともいい、コードラベルLb1〜Lb3を区別しないときには、「コードラベルLb」ともいい、コードラベルLa,Lbを区別しないときには「コードラベルL」ともいう。
接続具11a,11bは、測定装置1(測定ユニット13a)を測定対象基板Xに接続するための「接続具」の一例であるテストリードであって、図3に示すように、信号ケーブル11c(「信号ケーブル」の一例)を介して接続される接続用コネクタCaに接続されている測定ユニット13aの電圧測定部に付与された「識別符号」を示すコードラベルLa2が貼付されている。この場合、コードラベルLa2には、上記の「識別符号」と共に、このコードラベルLa2が「接続具」に貼付されたラベルであることを示す予め規定された「符号」が記されている。なお、本例では、接続具11a,11bにコードラベルLa2を貼付しているが、同図に破線で示すように、信号ケーブル11cにコードラベルLa2を貼付してもよい。
測定用センサ12は、「測定用センサ」の一例である「クランプ型電流検出センサ」であって、図4に示すように、信号ケーブル12c(「信号ケーブル」の他の一例)を介して接続される接続用コネクタCbに接続されている測定ユニット13bの電流測定部に付与された「識別符号」を示すコードラベルLb2が貼付されている。この場合、コードラベルLb2には、上記の「識別符号」と共に、このコードラベルLb2が「測定用センサ」に貼付されたラベルであることを示す予め規定された「符号」が記されている。なお、本例では、測定用センサ12にコードラベルLb2を貼付しているが、同図に破線で示すように、信号ケーブル12cにコードラベルLb2を貼付してもよい。
通信部14は、後述するように、処理部15の制御に従って携帯情報端末2などの各種無線通信機器との間で各種のデータを送受信することができるように構成されている。この場合、本例の測定装置1では、一例として、ブルートゥース等の近距離無線通信規格に準ずる無線通信が可能な通信アダプタで通信部14が構成されている。
処理部15は、測定装置1を総括的に制御する。具体的には、処理部15は、後述する測定条件データD0に従い、測定ユニット13a(電圧測定部)を制御して電圧値を測定させると共に、測定ユニット13b(電流測定部)を制御して電流値を測定させる。また、処理部15は、測定ユニット13a,13bによる測定結果に基づいて測定結果データD2を生成し、生成した測定結果データD2を記憶部16に記憶させる。さらに、処理部15は、携帯情報端末2等からの送信要求に応じて記憶部16から測定条件データD0、後述する識別符号特定用データD1、および測定結果データD2を読み出して通信部14から携帯情報端末2等に送信させる。
記憶部16は、測定条件データD0、識別符号特定用データD1および測定結果データD2などを記憶する。この場合、測定条件データD0は、「測定条件データ」の一例であって、測定ユニット13aの電圧測定部に対して設定された測定条件、および測定ユニット13bの電流測定部に対して設定された測定条件が記録されている。この測定条件データD0は、測定装置1における図示しない操作部を操作して測定装置1において生成するだけではなく、携帯情報端末2や、図示しない外部装置(パーソナルコンピュータ等)において生成したものを記憶部16に記憶させてもよい。また、識別符号特定用データD1は、測定ユニット13aの電圧測定部に対して付与された「識別符号」、および測定ユニット13bの電流測定部に対して付与された「識別符号」を記録したデータで構成されている。この識別符号特定用データD1は、測定装置1の製造者が予め規定した「識別符号」を記録して記憶部16に記憶させたり、測定装置1の利用者が任意に規定した「識別符号」を記録して記憶部16に記憶させたりすることができる。
この場合、本例の「測定対象」である測定対象基板Xは、図5に示すように、入力端子Xiおよび出力端子Xoを有する実装部品Xaが実装されると共に、入力端子XiにはケーブルXicが接続され、かつ出力端子XoにはケーブルXocが接続されている。また、本例では、一例として、接続具11aを実装部品Xaの入力端子Xiに接続し、かつ、接続具11bを測定対象基板Xのグランド電位に接続した状態において入力端子Xiとグランド電位との間の電位差(電圧)を測定すると共に、出力端子Xoに接続されているケーブルXocを測定用センサ12によってクランプすることでケーブルXocを流れる電流の電流値を測定するものとする。
この場合、接続具11aおよび信号ケーブル11cを介して測定ユニット13aの接続用コネクタCaに接続される入力端子Xiが「測定対象の被接続部」に相当すると共に、信号ケーブル12cを介して測定ユニット13bの接続用コネクタCbに接続される測定用センサ12によってクランプされる(測定用センサ12が取り付けられる)ケーブルXocが「測定対象の被取付け部」に相当する。
また、測定対象基板Xにおける実装部品Xaの入力端子Xiの近傍(実装部品Xaが実装されている基板面)には、接続具11aおよび信号ケーブル11cを介して接続される接続用コネクタCaに接続されている測定ユニット13aの電圧測定部に付与された「識別符号」を示すコードラベルLa3が貼付されている。なお、本例では、測定対象基板Xの基板面にコードラベルLa3を貼付しているが、同図に破線で示すように、実装部品Xaの表面における入力端子Xiの近傍や、入力端子Xiに接続されているケーブルXicにコードラベルLa3を貼付してもよい。
さらに、実装部品Xaの出力端子Xoに接続されているケーブルXocの近傍(ケーブルXocが接続された実装部品Xaが実装されている基板面)には、ケーブルXocをクランプする(ケーブルXocに取り付けられる)測定用センサ12が接続される接続用コネクタCbに接続されている測定ユニット13bの電流測定部に付与された「識別符号」を示すコードラベルLb3が貼付されている。なお、本例では、測定対象基板Xの基板面にコードラベルLb3を貼付しているが、同図に破線で示すように、実装部品Xaの表面における出力端子Xoの近傍や、出力端子Xoに接続されているケーブルXocにコードラベルLb3を貼付してもよい。
一方、携帯情報端末2は、「測定条件設定情報表示装置」に相当し、一例として、確認画面表示用プログラムDp(「確認画面表示用プログラム」の一例)をインストールした既存のタブレット端末やスマートフォン等の携帯型情報端末で構成されている。この場合、広義には、「タブレット端末」は「タッチパネル等のポインティングデバイスと表示装置とを備えた携帯情報端末」を意味し、「スマートフォン」は「PDA(携帯情報端末)の機能が備わった携帯電話」を意味するが、本明細書では、この広義の「タブレット端末」および広義の「スマートフォン」のうちの「各種プログラムのインストールによって任意の機能を付加したり、端末の操作環境や表示環境等をカスタマイズしたりすることができるもの」を「タブレット端末」や「スマートフォン」という。
この携帯情報端末2は、図1に示すように、カメラ21、操作部22、表示部23、通信部24、処理部25および記憶部26を備えている。なお、実際の携帯情報端末2は、上記の各構成要素21〜27の他に、「タブレット端末」や「スマートフォン」としての各種機能を実現するための各種の構成要素を備えているが、「測定条件設定情報表示装置」の構成に関する理解を容易とするために、上記の各構成要素21〜27以外の構成要素についての図示および説明を省略する。
カメラ21は、「撮像部」の一例であって、後述するように、測定装置1、接続具11a,11b、測定用センサ12および測定対象基板Xなどを撮像した撮像データDaを生成して処理部25に出力する。操作部22は、表示部23の前面側に配設されたタッチパネルや、携帯情報端末2を「タブレット端末」や「スマートフォン」として機能させるための各種の操作スイッチを備え、操作に応じた操作信号を処理部25に出力する。表示部23は、一例として液晶表示パネルを備え、処理部25の制御に従い、設定状態確認画面50(図6〜図9参照)、測定装置1の測定条件を設定する「測定条件設定画面(図示せず)」、および設定状態確認画面60(図9参照)などの各種の表示画面を表示する。
通信部24は、「通信部」の一例であって、後述するように、処理部25の制御に従って測定装置1などの各種無線通信機器との間で各種のデータを送受信することができるように構成されている。この場合、本例の携帯情報端末2では、一例として、前述した測定装置1の通信部14と同様にブルートゥース等の近距離無線通信規格に準ずる無線通信が可能な通信アダプタで通信部24が構成されている。この通信部24は、後述するように、処理部25の制御に従い、測定装置1に対して各種データの装置を要求する要求信号を送信したり、測定装置1から送信される各種データを受信して処理部25に出力したりする。
処理部25は、「処理部」の一例であって、携帯情報端末2を総括的に制御する。具体的には、処理部25は、予め規定された操作が行われたときに、確認画面表示用プログラムDpの記述に従い、通信部24を制御して測定条件データD0および識別符号特定用データD1の送信を要求する送信要求信号を「外部装置」としての測定装置1に向けて送信させると共に、測定装置1から送信された測定条件データD0および識別符号特定用データD1を記憶部26に記憶させる処理(「設定状態特定データ取得処理」の一例)を実行する。なお、この例では、測定条件データD0および識別符号特定用データD1の両データが「設定状態特定データ」に相当する。
また、処理部25は、確認画面表示用プログラムDpの記述に従って測定装置1における測定ユニット13aの電圧測定部に対する測定条件の設定、および測定ユニット13bの電流測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かを設定状態確認画面50(図6〜図9参照)に表示させる確認画面表示処理を実行する。この場合、処理部25は、確認画面表示処理において、確認画面表示用プログラムDpの記述に従い、「第1処理」から「第4処理」までの各処理、および「画像データ取得処理」などを実行する。
具体的には、処理部25は、カメラ21から出力される撮像データDaを画像解析処理することにより、カメラ21によって撮像された部位に配設されているコードラベルLが示す「識別符号」を特定する処理を「第1処理」として実行する。また、処理部25は、「第1処理」による特定の結果(識別符号)と、記憶部26に記憶させた測定条件データD0および識別符号特定用データD1とに基づき、特定した「識別符号」が付与されている測定部(本例では、測定ユニット13aの電圧測定部、または測定ユニット13bの電流測定部)に対する測定条件の設定が完了しているか否かを特定する処理を「第2処理」として実行する。さらに、処理部25は、カメラ21から出力される撮像データDaを「予め規定された少なくとも1つの像の画像データ」として記憶部26に記憶させる「画像データ取得処理」を実行する。
また、処理部25は、図6〜図9に示すように、記憶部26に記憶させた撮像データDaの画像Ia〜Id等を設定状態確認画面50に表示させると共に、「第2処理」において測定条件の設定が完了していると特定した測定部の「識別符号」を示すコードラベルLの像ILa1〜ILa3,ILb1〜ILb3(以下、像ILa1〜ILa3を区別しないときには「像ILa」ともいい、像ILb1〜ILb3を区別しないときには「像ILb」ともいい、像ILa,ILbを区別しないときには「像IL」ともいう)の画像Ia〜Id内における位置に対応させて設定状態確認画面50内に設定情報表示51を表示させる処理を「第3処理」として実行する。この場合、「第3処理」として設定状態確認画面50内に設定情報表示51を表示させるときに、処理部25は、設定情報表示51を対応させて表示させる像ILのコードラベルLによって示される「識別符号」の測定部に対して設定されている「測定条件」を測定条件データD0に基づいて特定し、特定した測定条件を示す文字情報を設定情報表示51内に「設定完了表示」として表示させる。
さらに、処理部25は、「第2処理」において測定条件の設定が完了していないと特定した測定部の「識別符号」を示すコードラベルLの像ILの画像Ia〜Id内における位置に対応させて、設定状態確認画面50内に設定情報表示51を表示させる処理を「第4処理」として実行する。この場合、「第4処理」として設定状態確認画面50内に設定情報表示51を表示させるときに、処理部25は、一例として、設定情報表示51内に「測定条件の設定が完了していません。」とのメッセージを「設定未完了表示」として表示させる。
また、処理部25は、「第2処理」において測定条件の設定が完了していないと特定した測定部が存在する状態、すなわち、設定状態確認画面50内に「設定未完了表示」としての設定情報表示51を表示させている状態において、その設定情報表示51をタッチする操作(「予め規定された設定開始操作」の一例)が行われたときに、設定状態確認画面50に代えて、測定条件の設定が完了していない測定部に対する測定条件の設定を行う設定画面(図示せず)を表示部23に表示させると共に、設定画面内に入力される測定条件に応じて測定条件データD0を生成して記憶部26に記憶させる「測定条件データ生成処理」を実行する。なお、上記の各処理の具体的な手順については、図面を参照しつつ詳細に後述する。
記憶部26は、「記憶部」の一例であって、インストールされた確認画面表示用プログラムDpを記憶すると共に、後述するように測定装置1から送信された測定条件データD0、識別符号特定用データD1および測定結果データD2や、カメラ21から出力された撮像データDaなどを記憶する。この場合、確認画面表示用プログラムDp、各データD0〜D2および撮像データDaなどを記憶するための「記憶部」は、携帯情報端末2の内蔵メモリで構成された記憶部26に限定されず、携帯情報端末2に装着された各種のリムーバブルメモリを「記憶部」として使用することもできる。
次に、測定システム100による測定対象基板Xについての被測定量の測定処理について、添付図面を参照して説明する。
なお、以下の例では、一例として、測定装置1の製造者(測定ユニット13a,13bの製造者)によって、測定ユニット13aの電圧測定部、および測定ユニット13bの電流測定部に対してこれらを識別可能な「識別符号」がそれぞれ付与され、かつ付与された「識別符号」を記録した識別符号特定用データD1が測定装置1の記憶部16に記憶されているものとする。また、測定ユニット13a,13bにおける接続用コネクタCa,Cbの近傍には、前述したようにコードラベルLa1,Lb1が貼付され、接続用コネクタCaに接続される接続具11には、コードラベルLa2が貼付され、かつ接続用コネクタCbに接続される測定用センサ12には、コードラベルLb2が貼付されているものとする。
この測定システム100による被測定量の測定に際しては、まず、両測定ユニット13a(電圧測定部)および測定ユニット13b(電流測定部)に実行させる測定処理の測定条件を設定する。この場合、本例の測定システム100では、前述したように、図示しないパーソナルコンピュータ等において測定条件を設定して測定条件データD0を生成することもできるが、一例として、測定装置1の図示しない操作部を操作して任意の測定条件を設定する。これにより、測定ユニット13aの電圧測定部によって実行すべき測定処理(電圧測定処理)の測定条件が電圧測定部に対して付与されている「識別符号」に対応付けられて記録され、かつ、測定ユニット13bの電流測定部によって実行すべき測定処理(電流測定処理)の測定条件が電流測定部に対して付与されている「識別符号」に対応付けられて記録された測定条件データD0が測定装置1において生成されて記憶部16に記憶される。
次いで、測定装置1の図示しない操作部、および携帯情報端末2の操作部22を操作して、測定装置1の通信部14と、携帯情報端末2の通信部24との間における無線通信を行うための通信確立設定(ペアリング)を行う。なお、この通信確立設定の内容については公知のため、詳細な説明を省略する。
続いて、携帯情報端末2の操作部22を操作することにより、測定条件データD0および識別符号特定用データD1の送信を要求する送信要求信号を通信部24から送信させる。この際に、携帯情報端末2(通信部24)からの送信要求信号を通信部14によって受信した測定装置1では、処理部15が、記憶部16から測定条件データD0および識別符号特定用データD1を読み出すと共に、読み出した測定条件データD0および識別符号特定用データD1を通信部14から携帯情報端末2(通信部24)に送信させる。また、携帯情報端末2では、処理部25が通信部24によって受信された測定条件データD0および識別符号特定用データD1を記憶部26に記憶させる。これにより、「設定状態特定データ取得処理」が完了する。以上の作業を測定処理の開始に先立って実行しておくことにより、以下に説明する測定処理を迅速に開始することができる。
次いで、測定装置1の設置作業を実行する。具体的には、接続具11(信号ケーブル11c)を測定装置1における測定ユニット13aの接続用コネクタCaに接続し、かつ測定用センサ12(信号ケーブル12c)を測定ユニット13bの接続用コネクタCbに接続すると共に、測定用センサ12によって測定対象基板XのケーブルXocをクランプする(「測定対象の被取付け部」への「測定用センサ」の取付け)。また、図5に示すように、測定対象基板Xの実装部品Xaにおける入力端子Xiの近傍にコードラベルLa3を貼付すると共に、測定対象基板Xの実装部品Xaにおける出力端子Xoに接続されているケーブルXocの近傍にコードラベルLb3を貼付する。これにより、設置作業が完了し、測定装置1による測定処理を開始する準備が整う。
この場合、前述した測定条件の設定作業を行ってからある程度の時間が経過したときに測定装置1の設置作業を行う場合には、測定ユニット13a,13b(電圧測定部や電流測定部)に対する測定条件の設定が完了しているか否かを忘れてしまうことがある。したがって、測定条件の設定が完了しているか否かの記憶が曖昧なときには、一例として、上記の設置作業を開始するのに先立ち、携帯情報端末2の操作部22を操作して確認画面表示処理を実行させることにより、測定条件の設定が完了しているか否かを確認する。
この確認画面表示処理では、処理部25は、確認画面表示用プログラムDpに従い、まず、設定状態確認画面50を表示部23に表示させると共に、カメラ21を制御して撮像を開始させる。この際に、携帯情報端末2のカメラ21を測定装置1の背面(測定ユニット13a,13bにおける接続用コネクタCa,Cbの配設部:コードラベルLa1,Lb1が貼付されている部位)に向けることにより、カメラ21によって測定装置1の背面が撮像されて撮像データDaが出力される。
また、処理部25は、カメラ21から出力される撮像データDaを記憶部26に記憶させると共に(「画像データ取得処理」の一例)、撮像データDaを画像解析処理してカメラ21によって撮像された部位に配設されているコードラベルL(この例では、測定ユニット13aにおける接続用コネクタCaの近傍に貼付されたコードラベルLa1、および測定ユニット13bにおける接続用コネクタCbの近傍に貼付されたコードラベルLb1)が示す「識別符号」を特定する(「第1処理」の一例)。この際に、カメラ21の画角内にコードラベルLa1,Lb1が存在しないとき、すなわち、撮像データDaを画像解析処理したときに、コードラベルLの像が撮像データDa内に存在しないと特定したときに、処理部25は、一例として「測定条件の設定が完了しているか否かを確認する対象のコードラベルを撮像して下さい。」とのメッセージを設定状態確認画面50内に表示させる。
また、カメラ21の画角内にコードラベルLa1,Lb1のいずれか、または双方が存在し、撮像データDaを画像解析処理した際に、いずれかのコードラベルLの像が示す「識別符号」を特定することができたときに、処理部25は、特定した「識別符号」が付与されている電圧測定部および電流測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かを特定する(「第2処理」の一例)。
この際には、記憶部26に記憶されている識別符号特定用データD1に基づき、コードラベルLa1によって示される「識別符号」が、測定ユニット13aの電圧測定部に対して付与された「識別符号」であり、コードラベルLb1によって示される「識別符号」が、測定ユニット13bの電流測定部に対して付与された「識別符号」であると特定される。また、処理部25は、電圧測定部の「識別符号」に関連付けられた測定条件データD0が記憶部26に記憶されているか否か(測定条件データD0が存在するか否か)を判別し、記憶されているときには、電圧測定部に対する測定条件の設定が完了していると特定し、記憶されていないときには、電圧測定部に対する測定条件の設定が完了していないと特定する。同様にして、電流測定部の「識別符号」に関連付けられた測定条件データD0が記憶部26に記憶されているか否か(測定条件データD0が存在するか否か)を判別し、記憶されているときには、電流測定部に対する測定条件の設定が完了していると特定し、記憶されていないときには、電流測定部に対する測定条件の設定が完了していないと特定する。
また、処理部25は、上記の「第1処理」および「第2処理」と並行して、カメラ21から出力されて記憶部26に記憶させた撮像データDaの画像を設定状態確認画面50内に表示させる。この際に、測定装置1の背面を撮像している本例では、図6に示すように、測定装置1の像I1(接続用コネクタCa,Cbの像ICa,ICbやコードラベルLa1,Lb1の像ILa1,ILb1を含む測定ユニット13a,13bの像I13a,I13b)を含む画像Iaが設定状態確認画面50内に表示される。また、処理部25は、画像Ia内におけるコードラベルLa1,Lb1の像ILa1,ILb1の位置に対応させて設定情報表示51をそれぞれ表示させる。
この際に、上記の「第2処理」において、測定ユニット13aにおける電圧測定部に対する測定条件の設定が完了していると特定したとき、すなわち、電圧測定部の「識別符号」に対応する測定条件データD0が存在したときに、処理部25は、その測定条件データD0に基づいて特定される測定条件の一部を示す文字情報(一例として、「測定レンジ」、「測定可能範囲の上限値」および「測定可能範囲の下限値」を示す文字情報)を像ILa1に対応付けて表示する設定情報表示51内に「設定完了表示」として表示させる(「第3処理」の一例:図示せず)。これにより、設定状態確認画面50を見ている利用者は、カメラ21を向けている測定装置1における測定ユニット13a(電圧測定部)に対する測定条件の設定が完了していると直感的に認識する。
また、上記の「第2処理」において、測定ユニット13aにおける電圧測定部に対する測定条件の設定が完了していないと特定したとき、すなわち、電圧測定部の「識別符号」に対応する測定条件データD0が存在しないときに、処理部25は、一例として、「測定条件の設定が完了していません。」とのメッセージを像ILa1に対応付けて表示する設定情報表示51内に「設定未完了表示」として表示させる(「第4処理」の一例:図示せず)。これにより、設定状態確認画面50を見ている利用者は、カメラ21を向けている測定装置1における測定ユニット13a(電流測定部)に対する測定条件の設定が完了していないと直感的に認識する。
なお、詳細な説明を省略するが、測定ユニット13b(電流測定部)についても上記の測定ユニット13a(電圧測定部)についての「第3処理」および「第4処理」と同様にして、測定条件の設定が完了しているか否かが判別されてコードラベルLb1の像ILb1に対応付けられて表示される設定情報表示51内に、測定条件の一部を示す文字情報(設定が完了しているとき)、および「測定条件の設定が完了していません。」とのメッセージ(設定が完了していないとき)のいずれかが表示される。
この場合、カメラ21から出力されて記憶部26に記憶させた撮像データDaの画像Iaを「画像データに基づく画像」として設定状態確認画面50内に表示させている本例の携帯情報端末2では、処理部25が、カメラ21から逐次出力されて記憶部26に記憶される撮像データDaに基づき、設定状態確認画面50内の画像Iaを一定時間間隔(例えば、0.5秒間隔)で更新する。したがって、例えば、設定状態確認画面50の端に測定装置1の像I1が表示されたときには、カメラ21を測定装置1の中央部に向けるように測定装置1に対して携帯情報端末2を移動させたり傾けたりすることにより、設定状態確認画面50の中央部に像I1が表示されるように調整する。また、測定装置1とカメラ21(携帯情報端末2)との間の距離が長過ぎて設定状態確認画面50内の画像Iaにおける測定装置1の像I1が小さ過ぎるときには、測定装置1に対して携帯情報端末2を近付けたり、ズームイン操作を行ったりすることにより、設定状態確認画面50内に像I1が適当な大きさで表示されるように調整する。
さらに、測定装置1とカメラ21(携帯情報端末2)との間の距離が短過ぎて設定状態確認画面50内の画像Iaにおける測定装置1の像I1が大き過ぎるとき(測定装置1の像I1の全体が設定状態確認画面50内に表示されず、測定ユニット13a,13bの像i13a,I13bの一部だけが設定状態確認画面50内に表示されているとき)には、測定装置1から携帯情報端末2を遠ざけたり、ズームアウト操作を行ったりすることにより、設定状態確認画面50内に像I1が適当な大きさで表示されるように調整する。
また、処理部25は、設定状態確認画面50内の画像Iaを更新するときに、画像Ia内におけるコードラベルLa1,Lb1の像ILa1,ILb1の位置に応じて設定情報表示51の表示位置を変化させる。これにより、測定ユニット13aにおける接続用コネクタCaの近傍に貼付されているコードラベルLa1の像ILa1に対応付けられて表示される設定情報表示51の内容、および測定ユニット13bにおける接続用コネクタCbの近傍に貼付されているコードラベルLb1の像ILb1に対応付けられて表示される設定情報表示51の内容(すなわち、測定条件の設定が完了しているか否か)を確実かつ容易に把握することが可能となる。
また、本例の携帯情報端末2では、「第2処理」において、測定ユニット13aにおける電圧測定部、および測定ユニット13bにおける電流測定部のいずれか(または、双方)に対する測定条件の設定が完了していないと特定したとき、すなわち、電圧測定部の「識別符号」に対応する測定条件データD0、および電流測定部の「識別符号」に対応する測定条件データD0のいずれか(または、双方)が存在せず、対応する設定情報表示51内に上記の「設定未完了表示」としてのメッセージが表示されたときに、設定が完了していない測定条件を携帯情報端末2において設定して測定条件データD0を生成することが可能となっている。
具体的には、処理部25は、一例として、「第2処理」において測定ユニット13a(電圧測定部)についての測定条件の設定が完了していないと特定し(「測定条件の設定が完了していないと特定した測定部が存在し」との状態の一例)、電圧測定部に対して付与された「識別符号」を示すコードラベルLa1の像ILa1に対応付けて表示させている設定情報表示51内に「設定未完了表示」としての上記のようなメッセージを表示させている状態において、その設定情報表示51に対するタッチ操作が行われたとき(「予め規定された設定開始操作が行われたとき」の一例)に、測定ユニット13a(電圧測定部)に対する測定条件の設定を行う測定条件設定画面(図示せず)を表示部23に表示させる。
次いで、処理部25は、測定条件設定画面の各部に入力される諸条件(この例では、電圧測定部に実行させる電圧測定処理の測定条件)に基づいて測定条件データD0を生成し、生成した測定条件データD0を、電圧測定部に対して付与されている「識別符号」に関連付けて記憶部26に記憶させる(「測定条件データ生成処理」の一例)。また、処理部25は、記憶部26への測定条件データD0の記憶が完了したときに、測定ユニット13aの電圧測定部に付与されている「識別符号」のコードラベルLa1の像ILa1の位置に対応させて表示させている設定情報表示51内に、生成した測定条件データD0に基づいて特定される測定条件の一部を示す文字情報を「設定完了表示」として表示させる(「第3処理」の他の一例:図示せず)。これにより、設定状態確認画面50を見ている利用者は、測定ユニット13a(電圧測定部)に対する測定条件の設定が完了したと直感的に認識する。
さらに、本例の携帯情報端末2では、「第2処理」において測定条件の設定が完了していると特定した測定部についての測定条件を携帯情報端末2において変更する(再設定する)ことができるように構成されている。具体的には、例えば、「第2処理」において測定ユニット13b(電流測定部)についての測定条件の設定が完了していると特定し、電流測定部に対して付与された「識別符号」を示すコードラベルLb1の像ILb1に対応付けて表示させている設定情報表示51内に「設定完了表示」としての文字情報(測定条件の一部を示す文字情報)を表示させている状態において、その設定情報表示51に対するタッチ操作が行われたときに、測定ユニット13b(電流測定部)に対する測定条件の設定を行う測定条件設定画面(図示せず)を表示部23に表示させると共に、電流測定部に付与されている「識別符号」に対応付けられて記憶部26に記憶されている測定条件データD0の内容(この例では、前述したように測定装置1において設定した測定条件)を測定条件設定画面内に表示させる。
次いで、処理部25は、利用者によって変更される諸条件(この例では、電流測定部に実行させる電圧測定処理の新たな測定条件)に基づいて測定条件データD0を生成し、生成した測定条件データD0を、電流測定部に対して付与されている「識別符号」に関連付けて記憶部26に記憶させる。さらに、処理部25は、記憶部26への測定条件データD0の記憶が完了したときに、測定ユニット13bの電流測定部に付与されている「識別符号」のコードラベルLb1の像ILb1の位置に対応させて表示させている設定情報表示51内に表示されている文字情報を、変更後の測定条件を示す文字情報に表示替えする(図示せず)。これにより、設定状態確認画面50を見ている利用者は、測定ユニット13b(電流測定部)に対する測定条件の設定変更が完了したと直感的に認識する。
なお、携帯情報端末2において測定条件の設定作業を新規に行ったとき(記憶部26に新たな測定条件データD0が記憶されたとき)や、携帯情報端末2において既存の測定条件の変更作業を行ったとき(記憶部26に記憶されている測定条件データD0が新たな測定条件データD0に変更されたとき)には、携帯情報端末2の通信部24から測定装置1に対して新たな測定条件データD0を送信する。この際には、測定装置1の処理部15が通信部14によって受信された測定条件データD0を記憶部16に追記または上書きする。これにより、携帯情報端末2において設定された測定条件に従って各種の測定処理を実行することが可能となる。
一方、測定ユニット13a(電圧測定部)および測定ユニット13b(電流測定部)に対する測定条件の設定が完了しているかを確認する際に、測定装置1の背面(コードラベルLa1,Lb1が貼付されている部位:測定ユニット13a,13bにおける接続用コネクタCa,Cbの配設部位)をカメラ21によって撮像して画像Iaおよび設定情報表示51,51を設定状態確認画面50内に表示させる例について説明したが、本例の携帯情報端末2では、電圧測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かを確認する際に、コードラベルLa2が貼付されている接続具11をカメラ21によって撮像したり、電流測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かを確認する際に、コードラベルLb2が貼付されている測定用センサ12をカメラ21によって撮像したりすることもできる。
具体的には、測定ユニット13aにおける電圧測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かを確認する際に、携帯情報端末2のカメラ21を接続具11に向けたときには、カメラ21によって接続具11が撮像されて撮像データDaが出力される。この際に、処理部25は、カメラ21から出力される撮像データDaを記憶部26に記憶させると共に(「画像データ取得処理」の他の一例)、その撮像データDaを画像解析処理してカメラ21によって撮像された部位に配設されているコードラベルLa2が示す「識別符号」を特定し(「第1処理」の他の一例)、特定した「識別符号」が付与されている電圧測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かを特定する(「第2処理」の他の一例)。
この際には、記憶部26に記憶されている識別符号特定用データD1に基づき、コードラベルLa2が示す「識別符号」が測定ユニット13aの電圧測定部に対して付与された「識別符号」であると特定されると共に、電圧測定部の「識別符号」に関連付けられた測定条件データD0が記憶部26に記憶されているか否か(測定条件データD0が存在するか否か)に基づき、電圧測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かが特定される。次いで、処理部25は、記憶部26に記憶させた撮像データDaの画像を設定状態確認画面50内に表示させる。この際には、図7に示すように、接続具11a(11b)の像I11a(I11b)、信号ケーブル11cの像I11c、およびコードラベルLa2の像ILa2などを含む画像Ibが設定状態確認画面50内に表示される。
また、処理部25は、画像Ib内におけるコードラベルLa2の像ILa2の位置に対応させて設定情報表示51を表示させる。さらに、処理部25は、対応する測定条件データD0が記憶部26に記憶されており、「第2処理」において電圧測定部に対する測定条件の設定が完了していると特定したときは、その測定条件データD0に基づいて特定される測定条件を示す文字情報を「設定完了表示」として設定情報表示51内に表示させ、対応する測定条件データD0が記憶部26に記憶されておらず、「第2処理」において電圧測定部に対する測定条件の設定が完了していないと特定したときは、上記したようなメッセージを「設定未完了表示」として設定情報表示51内に表示させる。これにより、測定装置1の背面を撮像した上記の例のときと同様にして、設定状態確認画面50を見ている利用者は、カメラ21を向けている接続具11が接続される測定ユニット13a(電圧測定部)に対する測定条件の設定が完了しているか否かを直感的に認識する。
この場合、本例とは相違するが、例えば、測定装置1における測定ユニット13aと同様の「測定ユニット」を複数備えた「測定装置」において、各「測定ユニット」に上記の接続具11と同様の「接続具」がそれぞれ接続されているときには、いずれの「接続具」が、いずれの「測定ユニット」に接続されているかを特定するのが困難となるおそれがある。このような場合にも、上記のコードラベルLa2のような「識別符号表示」を各「接続具」に配設しておくことにより、その「接続具」を撮像するだけで上記の設定状態確認画面50と同様の「設定状態確認画面」が表示されるため、撮像した「接続具」が接続されている「測定ユニット」についての測定条件が設定されているか否かだけでなく、その「接続具」がいずれの「測定ユニット」に接続されているかについても直感的に認識させることができる。
また、測定ユニット13b(電流測定部)に対する測定条件の設定が完了しているか否かを確認する際に、携帯情報端末2のカメラ21を、コードラベルLb2が貼付されている測定用センサ12に向けたときには、カメラ21によって測定用センサ12が撮像されて撮像データDaが出力される。この際に、処理部25は、カメラ21から出力される撮像データDaを記憶部26に記憶させると共に(「画像データ取得処理」のさらに他の一例)、その撮像データDaを画像解析処理してカメラ21によって撮像された部位に配設されているコードラベルLb2が示す「識別符号」を特定し(「第1処理」のさらに他の一例)、特定した「識別符号」が付与されている電流測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かを特定する(「第2処理」のさらに他の一例)。
この際には、記憶部26に記憶されている識別符号特定用データD1に基づき、コードラベルLb2が示す「識別符号」が測定ユニット13bの電流測定部に対して付与された「識別符号」であると特定されると共に、電流測定部の「識別符号」に関連付けられた測定条件データD0が記憶部26に記憶されているか否か(測定条件データD0が存在するか否か)に基づき、電流測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かが特定される。次いで、処理部25は、記憶部26に記憶させた撮像データDaの画像を設定状態確認画面50内に表示させる。この際には、図8に示すように、測定用センサ12の像I12、信号ケーブル12cの像I12c、およびコードラベルLb2の像ILb2などを含む画像Icが設定状態確認画面50内に表示される。
また、処理部25は、画像Ic内におけるコードラベルLb2の像ILb2の位置に対応させて設定情報表示51を表示させる。さらに、処理部25は、対応する測定条件データD0が記憶部26に記憶されており、「第2処理」において電流測定部に対する測定条件の設定が完了していると特定したときは、その測定条件データD0に基づいて特定される測定条件を示す文字情報を「設定完了表示」として設定情報表示51内に表示させ、対応する測定条件データD0が記憶部26に記憶されておらず、「第2処理」において電流測定部に対する測定条件の設定が完了していないと特定したときは、上記したようなメッセージを「設定未完了表示」として設定情報表示51内に表示させる。これにより、測定装置1の背面を撮像した上記の例のときと同様にして、設定状態確認画面50を見ている利用者は、カメラ21を向けている測定用センサ12が接続される測定ユニット13b(電流測定部)に対する測定条件の設定が完了しているか否かを直感的に認識する。
この場合、本例とは相違するが、例えば、測定装置1における測定ユニット13bと同様の「測定ユニット」を複数備えた「測定装置」において、各「測定ユニット」に上記の測定用センサ12と同様の「測定用センサ」がそれぞれ接続されているときには、いずれの「測定用センサ」が、いずれの「測定ユニット」に接続されているかを特定するのが困難となるおそれがある。このような場合にも、上記のコードラベルLb2のような「識別符号表示」を各「測定用センサ」に配設しておくことにより、その「測定用センサ」を撮像するだけで上記の設定状態確認画面50と同様の「設定状態確認画面」が表示されるため、撮像した「測定用センサ」が接続されている「測定ユニット」についての測定条件が設定されているか否かだけでなく、その「測定用センサ」がいずれの「測定ユニット」に接続されているかについても直感的に認識させることができる。
さらに、本例の携帯情報端末2では、測定ユニット13aの電圧測定部や測定ユニット13bの電流測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かを確認する際に、測定ユニット13aに接続される接続具11が接触させられると共に、測定ユニット13bに接続される測定用センサ12が取り付けられる(クランプさせられる)測定対象基板X(コードラベルLa3,Lb3が貼付されている部位)をカメラ21によって撮像することもできる。
具体的には、電圧測定部や電流測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かを確認する際に、携帯情報端末2のカメラ21を測定対象基板Xに向けたときには、カメラ21によって測定対象基板Xが撮像されて撮像データDaが出力される。この際に、処理部25は、カメラ21から出力される撮像データDaを記憶部26に記憶させると共に(「画像データ取得処理」のさらに他の一例)、その撮像データDaを画像解析処理してカメラ21によって撮像された部位に配設されているコードラベルLa3が示す「識別符号」、およびコードラベルLb3が示す「識別符号」をそれぞれ特定し(「第1処理」の他の一例)、特定した「識別符号」が付与されている電圧測定部や電流測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かを特定する(「第2処理」の他の一例)。
この際には、記憶部26に記憶されている識別符号特定用データD1に基づき、コードラベルLa3が示す「識別符号」が測定ユニット13aの電圧測定部に対して付与された「識別符号」であり、かつコードラベルLb3が示す「識別符号」が測定ユニット13bの電流測定部に対して付与された「識別符号」であると特定される。また、電圧測定部や電流測定部の「識別符号」に関連付けられた測定条件データD0が記憶部26に記憶されているか否か(測定条件データD0が存在するか否か)に基づき、電圧測定部や電流測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かが特定される。次いで、処理部25は、記憶部26に記憶させた撮像データDaの画像を設定状態確認画面50内に表示させる。この際には、図9に示すように、測定対象基板Xにおける実装部品Xa(入力端子Xiおよび出力端子Xo)の像IXa(像IXiおよび像IXo)、ケーブルXic,Xocの像IXic,IXoc、およびコードラベルLa3,Lb3の像ILa3,ILb3などを含む画像Idが設定状態確認画面50内に表示される。
また、処理部25は、画像Id内におけるコードラベルLa3,Lb3の像ILa3,ILb3の位置に対応させて設定情報表示51をそれぞれ表示させる。さらに、処理部25は、対応する測定条件データD0が記憶部26に記憶されており、「第2処理」において測定条件の設定が完了していると特定したときは、その測定条件データD0に基づいて特定される測定条件を示す文字情報を「設定完了表示」として設定情報表示51内に表示させ、対応する測定条件データD0が記憶部26に記憶されておらず、「第2処理」において測定条件の設定が完了していないと特定したときは、上記したようなメッセージを「設定未完了表示」として設定情報表示51内に表示させる。これにより、測定装置1の背面、接続具11および測定用センサ12などを撮像した上記の例のときと同様にして、設定状態確認画面50を見ている利用者は、カメラ21を向けている測定対象基板Xに接続される測定ユニット13a(電圧測定部)や測定ユニット13b(電流測定部)に対する測定条件の設定が完了しているか否かを直感的に認識する。
この場合、本例とは相違するが、例えば、測定装置1における測定ユニット13aと同様の「測定ユニット」を複数備えた「測定装置」において、各「測定ユニット」に上記の接続具11と同様の「接続具」がそれぞれ接続され、かつ、それらの「接続具」が互いに相違する「被接続部」に接続されているときや、測定装置1における測定ユニット13bと同様の「測定ユニット」を複数備えた「測定装置」において、各「測定ユニット」に上記の測定用センサ12と同様の「測定用センサ」がそれぞれ接続され、かつ、それらの「測定用センサ」が互いに相違する「被取付け部」に取り付けられているときには、いずれの「被接続部」が、いずれの「測定ユニット」に接続されているか、および、いずれの「被取付け部」が、いずれの「測定ユニット」に接続されているかを特定するのが困難となるおそれがある。このような場合にも、上記のコードラベルLa3,Lb3のような「識別符号表示」を各「被接続部」や各「被取付け部」に配設しておくことにより、その「被接続部」や「被取付け部」を撮像するだけで上記の設定状態確認画面50と同様の「設定状態確認画面」が表示されるため、撮像した「被接続部」や「被取付け部」が接続されている「測定ユニット」についての測定条件が設定されているか否かだけでなく、その「被接続部」や「被取付け部」がいずれの「測定ユニット」に接続されているかについても直感的に認識させることができる。
なお、電圧測定部や電流測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かを測定装置1の設置作業を開始するのに先立って実行する例について説明したが、携帯情報端末2の処理部25に「確認画面表示処理」を実行させるタイミングは、これに限定されない。例えば、測定ユニット13a,13bの接続用コネクタCa,Cbに対する信号ケーブル11c,12cの接続を完了した状態において「確認画面表示処理」を実行させることができる。この際には、図6に示す画像Iaに代えて、接続用コネクタCa,Cbに信号ケーブル11c,12cが接続された状態が撮像されて、そのような画像が設定状態確認画面50内に表示され、コードラベルLa1,Lb1の像ILa1,ILb1の位置に対応付けられて設定情報表示51内に測定条件を示す文字列、またはメッセージが表示される(図示せず)。
また、測定対象基板Xの実装部品Xaにおける出力端子Xoに接続されている出力端子Xoを測定用センサ12によってクランプした状態(測定対象基板Xに測定用センサ12を取り付けた状態)において「確認画面表示処理」を実行させることができる。この際には、図9に示す画像Idに代えて、測定用センサ12によって出力端子Xoがクランプされた状態が撮像されて、そのような画像が設定状態確認画面50内に表示され、コードラベルLa3,Lb3の像ILa3,ILb3の位置に対応付けられて設定情報表示51内に測定条件を示す文字列、またはメッセージが表示されると共に、測定用センサ12に貼付されているコードラベルLb2が撮像されているときには、コードラベルLb2の像ILb2の位置に対応付けられて、その設定情報表示51内にも測定条件を示す文字列、またはメッセージが表示される(図示せず)。
さらに、接続具11(テストリード)に代えて、図示しないクリップを「接続具」として測定ユニット13aの接続用コネクタCaに接続し、このクリップを介して実装部品Xaの入力端子Xiを電圧測定部に接続する際には、クリップを入力端子Xiに接続した状態において「確認画面表示処理」を実行させることができる。この際には、入力端子Xiにクリップが接続された状態が撮像されて、そのような画像が設定状態確認画面50内に表示され、コードラベルLa3,Lb3の像ILa3,ILb3の位置に対応付けられて設定情報表示51内に測定条件を示す文字列、またはメッセージが表示されると共に、クリップに貼付されているコードラベルL(電圧測定部に付与された「識別符号」を示すコードラベルL)が撮像されているときには、そのコードラベルLの像の位置に対応付けられて、その設定情報表示51内にも測定条件を示す文字列、またはメッセージが表示される(図示せず)。
したがって、本例の携帯情報端末2では、測定装置1の設置作業の開始以前、設置作業の途中、および設置作業が完了した時点のいずれの時点においても、測定ユニット13a(電圧測定部)、および測定ユニット13b(電流測定部)に対する測定条件の設定が完了しているか否かを携帯情報端末2において確認することが可能となっている。
一方、電圧測定部および電流測定部の双方に対する測定条件の設定が完了していると確認し、かつ、測定装置1の設置作業を完了したときには、一例として、測定装置1の図示しない操作部を操作することによって測定装置1において測定処理が実行される。この際に、処理部15は、記憶部16に記憶されている測定条件データD0に従って測定ユニット13a(電圧測定部)、および測定ユニット13b(電流測定部)を制御することにより、電圧測定部による電圧測定処理を実行させ、かつ電流測定部による電流測定処理を実行させる。
この際には、測定ユニット13aの電圧測定部が、信号ケーブル11cを介して入力される入力信号S11(図1参照)に基づき、接続具11a,11bが接触させられている2点間の電圧値(この例では、入力端子Xiと測定対象基板Xのグランド電位との間の電圧値)を測定して測定結果を処理部15に出力し、処理部15が、電圧測定部から出力される測定結果に基づいて測定結果データD2を生成すると共に、生成した測定結果データD2を、電圧測定部に付与されている「識別符号」に関連付けて記憶部16に記憶させる。
また、測定ユニット13bの電流測定部が、信号ケーブル12cを介して入力されるセンサ信号S12(図1参照)に基づき、測定用センサ12がクランプしている出力端子Xoを流れる電流値を測定して測定結果を処理部15に出力し、処理部15が、電流測定部から出力される測定結果に基づいて測定結果データD2を生成すると共に、生成した測定結果データD2を、電流測定部に付与されている「識別符号」に関連付けて記憶部16に記憶させる。さらに、処理部15は、電圧測定部および電流測定部による測定結果(電圧値および電流値)を測定装置1の図示しない表示部に表示させる。これにより、予め設定した測定条件に従っての各測定処理が完了する。
一方、本例の測定システム100では、測定装置1による上記の測定処理が完了して記憶部16に測定結果データD2が記憶された状態において、携帯情報端末2の表示部23に測定結果を表示させることができるように構成されている。具体的には、まず、携帯情報端末2の操作部22を操作することにより、測定結果データD2の送信を要求する送信要求信号を通信部24から送信させる。この際に、携帯情報端末2(通信部24)からの送信要求信号を通信部14によって受信した測定装置1では、処理部15が、記憶部16から測定結果データD2を読み出して通信部14から携帯情報端末2(通信部24)に送信させる。また、携帯情報端末2では、処理部25が通信部24によって受信された測定結果データD2を記憶部26に記憶させる。
次いで、携帯情報端末2の操作部22を操作することで、「測定結果表示処理」を開始させると共に、一例として、測定対象基板X(コードラベルLa3,Lb3が貼付されている部位)をカメラ21によって撮像する。この際に、処理部25は、図9に示すように、設定状態確認画面60を表示部23に表示させると共に、カメラ21から出力される撮像データDaの画像Idを設定状態確認画面60内に表示させる。なお、設定状態確認画面60内への画像Idの表示については、前述した設定状態確認画面50内への画像Idの表示のときと同様のため、詳細な説明を省略する。また、処理部25は、撮像データDaを画像解析処理することにより、カメラ21によって撮像されたコードラベルLの像(この例では、コードラベルLa3,Lb3の像ILa3,ILb3)が示す「識別符号」を特定する。
さらに、処理部25は、像ILa3,ILb3が示す「識別符号」が付与されている測定部(本例では、測定ユニット13aの電圧測定部、および測定ユニット13bの電流測定部)による測定の結果が記録された測定結果データD2が記憶部26内に存在するか否かを判別し、存在するときには、像ILa3,ILb3の位置に対応させて測定結果表示61内に測定結果(電圧値や電流値)を表示させる。これにより、本例の測定システム100では、入力端子Xiの電圧値、および出力端子Xoを流れる電流値を直感的に把握することが可能となっている。なお、上記の例とは相違するが、電圧測定部および電流測定部による測定結果が記録された測定結果データD2が記憶部26内に存在しないときに、処理部25は、一例として、像ILa3,ILb3の位置に対応させて測定結果表示61内に「測定結果が存在しません。」とのメッセージを表示させる。
このように、この携帯情報端末2では、確認画面表示処理において、カメラ21から出力される撮像データDaを画像解析処理して撮像されたコードラベルLが示す識別符号を特定する「第1処理」、および特定した識別符号が付与されている測定部(本例では、測定ユニット13aの電圧測定部、および測定ユニット13bの電流測定部)に対する測定条件の設定が完了しているか否かを設定状態特定データ(本例では、測定条件データD0および識別符号特定用データD1)に基づいて特定する「第2処理」を実行し、かつ撮像データDaに基づく画像Ia〜Idを設定状態確認画面50に表示させると共に、設定が完了していると特定した測定部、並びにその測定部の識別符号を示すコードラベルLが配設された、信号ケーブル11c,12c、測定対象基板Xの入力端子Xi、測定用センサ12、および測定対象基板XのケーブルXocのうちの予め規定された少なくとも1つの像I13a,I13b,I11c,I12c,IXi,I12,IXocの位置に対応させて設定状態確認画面50内に「設定完了表示(本例では、測定条件を示す文字列が表示された設定情報表示51)」を表示させる「第3処理」、および設定が完了していないと特定した測定部の識別符号を示すコードラベルLが配設された上記の予め規定された少なくとも1つの像I13a,I13b,I11c,I12c,IXi,I12,IXocの位置に対応させて設定状態確認画面50内に「設定未完了表示(本例では、所定のメッセージが表示された設定情報表示51)」を表示させる「第4処理」の少なくとも一方(本例では、双方)を実行する。
また、この測定システム100では、携帯情報端末2と、上記の測定部を有して測定対象基板Xについての電圧値や電流値を測定可能に構成された測定装置1とを備えて構成されている。さらに、この確認画面表示用プログラムDpでは、携帯情報端末2の処理部25に上記の確認画面表示処理を実行させる手順が記録されている。
したがって、この携帯情報端末2、測定システム100および確認画面表示用プログラムDpによれば、測定ユニット13a,13bに貼付されているコードラベルLa1,Lb1、信号ケーブル11c,12cに取り付けられているコードラベルLa2,Lb2、接続具11に貼付されているコードラベルLa2、測定用センサ12に貼付されているコードラベルLb2、および測定対象基板Xに貼付されているコードラベルLa3,Lb3をカメラ21によって撮像するだけで、設定状態確認画面50内に表示されている画像Ia〜Id内の測定ユニット13a,13bの像I13a,I13b、接続具11の像I11、測定用センサ12の像I12、信号ケーブル11c,12cの像I11c,I12c、測定対象基板Xにおける入力端子XiおよびケーブルXocの像IXi,IXocの位置に対応して「設定完了表示」としての設定情報表示51や「設定未完了表示」としての設定情報表示51が設定状態確認画面50内に表示されるため、動作条件設定画面を表示させる煩雑な操作を行うことなく、この種の装置の操作に不慣れな利用者に対しても、各測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かを確実かつ容易に確認させることができる。また、測定条件の設定が完了しているか否かを動作条件設定画面を表示させて確認するのとは異なり、カメラ21によって撮像したコードラベルLの「識別符号」が付与されている測定部についての「設定完了表示」や「設定未完了表示」が設定状態確認画面50内に自動的に表示されるため、確認すべき測定部とは異なる測定部についての測定条件の設定が完了しているか否かが誤って確認される事態を招くことなく、確認すべき測定部に対する測定条件の設定が完了しているか否かを確実に確認させることができる。
また、この携帯情報端末2によれば、「第2処理」において、識別符号に関連付けられた測定条件データD0が存在するとき(記憶部26に記憶されているとき)に識別符号が付与された測定部に対する測定条件の設定が完了していると特定し、識別符号に関連付けられた測定条件データD0が存在しないとき(記憶部26に記憶されていないとき)に識別符号が付与された測定部に対する測定条件の設定が完了していないと特定することにより、測定条件の設定が完了しているか否かを携帯情報端末2において特定するために専用の「設定状態特定データ」を生成することなく、測定装置1による測定処理の実行に必要な測定条件データD0や識別符号特定用データD1を「設定状態特定データ」として利用して、携帯情報端末2において測定条件の設定が完了しているか否かを特定することができるため、専用の「設定状態特定データ」を生成する作業が不要となる分だけ、測定条件の設定が完了しているか否かを一層容易に特定させることができる。
さらに、この携帯情報端末2によれば、「第2処理」において測定部に対する測定条件の設定が完了していると特定したときに、「第3処理」において測定条件データD0に基づいて特定される測定条件を示す文字情報を「設定完了表示」として設定情報表示51内に表示させることにより、単に、測定条件の設定が完了していると特定させるだけではなく、どのような条件が設定されているかを認識させることができる。このため、例えば、利用者が意図しない測定条件が設定されているときには、設定されている測定条件を、利用者が意図した測定条件に変更させて、利用者が希望する測定処理を実行させることができる。
また、この携帯情報端末2によれば、「第3処理」において予め規定された少なくとも1つにおけるコードラベルLの像の位置に対応させて設定状態確認画面50内に「設定完了表示(設定情報表示51)」を表示させ、「第4処理」において予め規定された少なくとも1つにおけるコードラベルLの像の位置に対応させて設定状態確認画面50内に「設定未完了表示(設定情報表示51)」を表示させることにより、複数の測定部が存在するときに、いずれの測定部に対する測定条件の設定が完了しており、いずれの測定部に対する測定条件の設定が完了していないかを確実かつ容易に認識させることができる。
さらに、この携帯情報端末2によれば、カメラ21から出力される撮像データDaを上記の「予め規定された少なくとも1つの像の画像データ」として記憶部26に記憶させる画像データ取得処理を実行可能に構成したことにより、「予め規定された少なくとも1つ」の像を設定状態確認画面50内に表示させるためだけに「予め規定された少なくとも1つ」を描いた画像の画像データを生成しておくことなく、コードラベルLが貼付されている部位をカメラ21によって撮像するたけで、「予め規定された少なくとも1つ」の像を設定状態確認画面50内に表示させ、その像に対応させて「設定完了表示」や「設定未完了表示」を表示させることができる。これにより、「予め規定された少なくとも1つ」を描いた画像の画像データを生成する作業が不要となる分だけ、測定条件の設定が完了しているか否かを一層容易に特定させることができる。
また、この携帯情報端末2によれば、設定状態特定データ(本例では、測定条件データD0および識別符号特定用データD1)の送信を要求する送信要求信号を「外部装置」としての測定装置1に向けて送信させると共に測定装置1から送信された設定状態特定データ(測定条件データD0および識別符号特定用データD1)を記憶部26に記憶させる設定状態特定データ取得処理を実行可能に構成したことにより、「設定状態特定データ」として使用する測定条件データD0および識別符号特定用データD1を測定装置1から容易に取得することができるため、リムーバブルメディア等を介して「設定状態特定データ」を取得するのと比較して、測定条件の設定が完了しているか否かを一層容易に特定させることができる。
さらに、この携帯情報端末2によれば、測定条件の設定が完了していない測定部に対する測定条件の設定を行う測定条件設定画面を表示させると共に、測定条件設定画面内に入力される測定条件の測定条件データD0を生成して記憶部26に記憶させる測定条件データD0生成処理を実行可能に構成したことにより、測定条件の設定が完了しないことを確認したときに、他の機器を操作することなく、携帯情報端末2において測定条件データD0を生成することができるため、測定装置1による測定処理を迅速に開始させることができる。
なお、「測定条件設定情報表示装置」および「測定システム」の構成や、「確認画面表示用プログラム」の処理内容については、上記の例に限定されない。例えば、カラービットの規格に従って「識別符号」をカラーコード化して記したコードラベルLを「識別符号表示」として使用する例について説明したが、カラービットの規格に代えて、QRコード(登録商標)などの各種二次元コードの規格に従って「識別符号」をコード化して記した「識別符号表示」や、バーコードなどの各種一次元コードの規格に従って「識別符号」をコード化して記した「識別符号表示」を使用することもできる。また、「識別符号表示」については、コードラベルLのような貼付体を対象物に貼付するものに限定されず、対象物に対して直接印刷したものを使用することもできる。さらに、測定システム100専用のコードラベルLに代えて、対象物に対して予め貼付されている「識別符号表示」や、予め印刷されている「識別符号表示」を使用することもできる。
また、「設定完了表示」を表示させる「第3処理」、および「設定未完了表示」を表示させる「第4処理」の双方を実行する例について説明したが、「第3処理」および「第4処理」の一方だけを実行する構成・処理内容を採用することもできる。この場合、「第3処理」だけを実行する構成・処理内容を採用したときには、「設定完了表示」が表示されたときに、その「設定完了表示」に対応する測定部に対する測定条件の設定が完了していると確実かつ容易に確認することができ、かつ「設定完了表示」が表示されていないときに、その測定部に対する測定条件の設定が完了していないと確実かつ容易に確認することができる。また、「第4処理」だけを実行する構成・処理内容を採用したときには、「設定未完了表示」が表示されたときに、その「設定未完了表示」に対応する測定部に対する測定条件の設定が完了していないと確実かつ容易に確認することができ、かつ「設定未完了表示」が表示されていないときに、その測定部に対する測定条件の設定が完了していると確実かつ容易に確認することができる。
さらに、設定された測定条件を示す文字情報を「設定完了表示」として設定情報表示51内に表示させると共に、「測定条件の設定が完了していません。」等の予め規定されたメッセージを「設定未完了表示」として設定情報表示51内に表示させる例について説明したが、「設定完了表示」や「設定未完了表示」は、上記のような表示に限定されない。例えば、「○」との記号や「OK」との文字列などを「設定完了表示」として表示させたり、「×」との記号や「NO」との文字列などを「設定未完了表示」として表示させたりすることができる。また、上記のような文字や記号に代えて(または、文字や記号に加えて)緑色や青色を用いた予め規定された図柄を「設定完了表示」として表示させたり、黄色や赤色を用いた予め規定された図柄を「設定未完了表示」として表示させたりすることもできる。このような「設定完了表示」や「設定未完了表示」を表示させる構成および処理内容を採用したときにも、測定条件の設定が完了しているか否かを確実かつ容易に確認させることができる。
また、カメラ21によって撮像した撮像データDaを「予め規定された少なくとも1つの像の画像データ」として使用する例について説明したが、「予め規定された少なくとも1つ」を描いた画像を記録した「画像データ」を使用することもできる。具体的には、測定装置1の背面を撮像した撮像データDaに代えて、測定装置1の測定ユニット13a,13bおよびコードラベルLa1,Lb1を描いた画像を記録した画像データを使用したり、接続具11を撮像した撮像データDaに代えて、接続具11およびコードラベルLa2を描いた画像を記録した画像データを使用したり、測定用センサ12を撮像した撮像データDaに代えて、測定用センサ12およびコードラベルLb2を描いた画像を記録した画像データを使用したり、測定対象基板Xを撮像した撮像データDaに代えて、測定対象基板Xにおける実装部品Xa(入力端子Xiおよび出力端子Xo)やケーブルXic,Xocを描いた画像を記録した画像データを使用したりすることができる。
この場合、撮像データDaに代えて、対象物を描いた画像の画像データを使用する際には、対象物に対する携帯情報端末2の位置の変化や姿勢の変化を検出して、検出結果に応じて設定状態確認画面50内の画像を表示替えするのが好ましい。具体的には、一例として、コードラベルLa1,Lb1によって示される「識別符号」を特定するために測定装置1の背面を携帯情報端末2のカメラ21によって撮像したときに、測定装置1の背面を描いた画像の画像データに基づき、測定装置1の背面の画像(接続用コネクタCa,Cbの像や、コードラベルLa1,Lb1の像を含む画像)を設定状態確認画面50に表示させる。
この状態において、携帯情報端末2を上向きに姿勢変化させたときには、設定状態確認画面50内の画像を下向きにスクロールさせ、携帯情報端末2を下向きに姿勢変化させたときには、設定状態確認画面50内の画像を上向きにスクロールさせ、携帯情報端末2を左向きに姿勢変化させたときには、設定状態確認画面50内の画像を右向きにスクロールさせ、携帯情報端末2を右向きに姿勢変化させたときには、設定状態確認画面50内の画像を左向きにスクロールさせる。また、測定装置1に対して携帯情報端末2を接近させたときには、設定状態確認画面50内の画像を拡大表示させ、測定装置1から携帯情報端末2を離間させたときには、設定状態確認画面50内の画像を縮小表示させる。
これにより、カメラ21から出力される撮像データDaによって設定状態確認画面50内の画像Ia〜Idを逐次更新する上記の例と同様にして、測定装置1に対する携帯情報端末2の姿勢や位置の変化に応じて設定状態確認画面50内の画像の表示位置や表示サイズが逐次変化するため、携帯情報端末2の姿勢や位置の変化に連動して表示替えされる自然な表示を視認させることができる。なお、撮像データDaを画像解析処理することで測定装置1等に対する携帯情報端末2の姿勢や位置の変化を検出するのに代えて、携帯情報端末2が備えているGセンサ27(一例として、X方向、Y方向およびZ方向の3方向への携帯情報端末2の加速度をそれぞれ測定して携帯情報端末2の姿勢の変化を特定可能なセンサ信号S27を出力する3軸加速度センサ:図1参照)からのセンサ信号S27に基づいて測定装置1等に対する携帯情報端末2の姿勢や位置の変化を検出することもできる。
また、測定装置1と携帯情報端末2との間において測定条件データD0、識別符号特定用データD1および測定結果データD2などを直接送受信する例について説明したが、測定装置1および携帯情報端末2の双方が接続可能な「外部装置(各種の通信アダプタや、ネットワーク内に構築された各種のサーバー)」を介してこれらのデータを送受信する構成を採用することもできる。また、測定装置1と携帯情報端末2との間で各種データを送受信する場合にも、上記のような無線通信によるデータの送受信だけでなく、有線ケーブルやリムーバブルメディア等を介して必要なデータを入出力する構成を採用することもできる。
さらに、接続具11等(テストリードやクリップ)を介して測定ユニット13aの電圧測定部に接続される測定対象基板Xにおける実装部品Xaの入力端子Xiを「被接続部」として「確認画面表示処理」を実行する例について説明したが、「測定部」に接続される「信号ケーブル」の導線を、直接、または接続金具等を介して「測定対象」に接続する場合には、「信号ケーブル」の導線が、直接、または接続金具等を介して接続される部位を「被接続部」として「確認画面表示処理」を実行することができる。加えて、「被測定量」の一例である「電圧値」や「電流値」を測定する例について説明したが、これらの値の測定に代えて(または、これらの値の測定に加えて)、「抵抗値、電力値、位相、温度、湿度、歪み、輝度(光度)、照度、雨量および流量」などの各種の「被測定量」を測定することもできる。