JP6347098B2 - ズームレンズおよび光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は、ズームレンズおよび光学機器に関する。
従来、高変倍比のズームレンズが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2012−98699号公報
しかしながら、ズームレンズにおいては、更なる高変倍化が求められている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、高い変倍比を備えたズームレンズおよび光学機器を提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、本発明に係るズームレンズは、光軸に沿って物体側より順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、負の屈折力を持つ第2レンズ群と、正の屈折力を持つ第3レンズ群と、負の屈折力を持つ第4レンズ群と、正の屈折力を持つ第5レンズ群とにより、実質的に5個のレンズ群からなり、変倍に際して、各レンズ群の間隔が変化するように、全てのレンズ群が移動し、前記第5レンズ群は、正レンズ1枚と、負レンズ1枚とから構成され、以下の条件式を満足する。
0.50 < TLt/ft < 0.75
20.0 < νd2 < 25.0
但し、
TLt:望遠端状態における前記ズームレンズの最前面から像面までの光軸上の距離、
ft:望遠端状態における前記ズームレンズの焦点距離
νd2:前記第2レンズ群を構成する正レンズのうち、最も屈折力の強い正レンズの硝材のd線におけるアッベ数
本発明に係る光学機器は、上述のズームレンズを搭載する。
本発明によれば、高い変倍比を備えたズームレンズおよび光学機器を提供することができる。
第1実施例に係るズームレンズの構成及び広角端状態(W)から望遠端状態(T)までの各群の移動軌跡(矢印)を示す図である。 第1実施例に係るズームレンズの諸収差図であり、(a)は広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(b)は中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(c)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。 第2実施例に係るズームレンズの構成及び広角端状態(W)から望遠端状態(T)までの各群の移動軌跡(矢印)を示す図である。 第2実施例に係るズームレンズの諸収差図であり、(a)は広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(b)は中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(c)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。 第3実施例に係るズームレンズの構成及び広角端状態(W)から望遠端状態(T)までの各群の移動軌跡(矢印)を示す図である。 第3実施例に係るズームレンズの諸収差図であり、(a)は広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(b)は中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、(c)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。 (a)はデジタルスチルカメラの正面図であり、(b)はデジタルスチルカメラの背面図である。 図7(a)中の矢印A−A´に沿った断面図である。 ズームレンズの製造方法を示すフローチャートである。
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係るズームレンズZLは、図1に示すように、光軸に沿って物体側より順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、負の屈折力を持つ第4レンズ群G4と、正の屈折力を持つ第5レンズ群G5とを有し、広角端状態から望遠端状態への変倍(ズーミング)に際して、変倍に際して、各レンズ群の間隔が変化するように、全てのレンズ群が光軸に沿って移動し、第5レンズ群G5は、正レンズ1枚と、負レンズ1枚とから構成される。
この構成とすることにより、ズームレンズZLの全体の大きさと、非点収差と色収差を維持したまま、更なる高変倍化が可能となる。
そして、上記構成のもと、本実施形態に係るズームレンズZLは、次の条件式(1)を満足する。
0.50 < TLt/ft < 0.75 …(1)
但し、
TLt:望遠端状態におけるズームレンズZLの最前面から像面までの光軸上の距離、
ft:望遠端状態におけるズームレンズZLの焦点距離。
条件式(1)は、望遠端状態におけるズームレンズZL全体の焦点距離と、望遠端状態におけるズームレンズZLの最前面から像面までの光軸上の距離との比を規定している。条件式(1)の下限値を下回ると、倍率色収差、コマ収差、非点収差が悪化し、好ましくない。条件式(1)の上限値を上回ると、コマ収差、非点収差が悪化するため、好ましくない。
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(1)の下限値を0.53とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(1)の上限値を0.72とすることが好ましい。
本実施形態に係るズームレンズZLは、次の条件式(2)を満足することが好ましい。
10.0 < β2t/β2w < 25.0 …(2)
但し、
β2w:広角端状態における第2レンズ群G2の倍率、
β2t:望遠端状態における第2レンズ群G2の倍率。
条件式(2)は、広角端状態における第2レンズ群G2の倍率と、望遠端状態における第2レンズ群G2の倍率を規定している。条件式(2)の下限値を下回ると、コマ収差、非点収差が悪化し、好ましくない。また、条件式(2)の上限値を上回ると、コマ収差が悪化するため、好ましくない。
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(2)の下限値を11.0とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(2)の上限値を20.0とすることが好ましい。
本実施形態に係るズームレンズZLは、次の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.25 < f1/ft < 0.50…(3)
但し、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離。
条件式(3)は、望遠端状態における全系の焦点距離と、第1レンズ群G1の焦点距離の比を規定している。条件式(3)の下限値を下回ると、コマ収差、非点収差、倍率色収差が悪化し、好ましくない。条件式(3)の上限値を上回ると、非点収差が悪化するため、好ましくない。
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(3)の下限値を0.30とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(3)の上限値を0.42とすることが好ましい。
本実施形態に係るズームレンズZLは、次の条件式(4)を満足することが好ましい。
0.05 < f3/ft < 0.10 …(4)
但し:
f3:第3レンズ群G3の焦点距離。
条件式(4)は、望遠端状態における全系の焦点距離と、第3レンズ群G3の焦点距離の比を規定している。条件式(4)の下限値を下回ると、コマ収差が悪化するため、好ましくない。条件式(4)の上限値を上回ると、コマ収差が悪化するため、好ましくない。
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(4)の下限値を0.06とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(4)の上限値を0.09とすることが好ましい。
本実施形態に係るズームレンズZLは、次の条件式(5)を満足することが好ましい。
0.02 < (−f2)/ft < 0.05…(5)
但し、
f2:第2レンズ群G2の焦点距離。
条件式(5)は、望遠端状態における全系の焦点距離と、第2レンズ群G2の焦点距離の比を規定している。条件式(5)の下限値を下回ると、コマ収差、非点収差が悪化するため、好ましくない。条件式(5)の上限値を上回ると、コマ収差、非点収差が悪化するため、好ましくない。
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(5)の下限値を0.025とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(5)の上限値を0.045とすることが好ましい。
本実施形態に係るズームレンズZLは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に開口絞りSを有し、変倍に際して、開口絞りSが各レンズ群とは独立して光軸に沿って移動することが好ましい。
この構成によれば、広角端状態におけるコマ収差を改善することができる。
本実施形態に係るズームレンズZLは、次の条件式(6)を満足することが好ましい。
0.65 < β5t < 0.85 …(6)
但し、
β5t:望遠端状態における第5レンズ群G5の倍率。
条件式(6)は、望遠端状態における第5レンズ群G5の倍率を規定している。条件式(6)の下限値を下回ると、コマ収差、非点収差が悪化するため、好ましくない。条件式(6)の上限値を上回ると、コマ収差、非点収差が悪化するため、好ましくない。
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(6)の下限値を0.67とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(6)の上限値を0.80とすることが好ましい。
本実施形態に係るズームレンズZLは、次の条件式(7)を満足することが好ましい。
37.0 < νd1 < 42.0 …(7)
但し、
νd1:第1レンズ群G1を構成するレンズのうち、最も物体側に配置されるレンズL11の硝材のd線におけるアッベ数。
条件式(7)は、第1レンズ群G1の、最も物体側に配置されるレンズL11の硝材のアッベ数を規定している。条件式(7)の下限値を下回ると、軸上色収差、倍率色収差が悪化するため、好ましくない。条件式(7)の上限値を上回ると、非点収差が悪化するため、好ましくない。
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(7)の下限値を38.0とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(7)の上限値を41.0とすることが好ましい。
本実施形態に係るズームレンズZLは、次の条件式(8)を満足することが好ましい。
20.0 < νd2 < 25.0 …(8)
但し、
νd2:第2レンズ群G2を構成する正レンズのうち、最も屈折力の強い正レンズの硝材のd線におけるアッベ数。
条件式(8)は、第2レンズ群G2中の、最も屈折力の強い正レンズの硝材のアッベ数を規定している。条件式(8)の下限値を下回ると、軸上色収差、倍率色収差が悪化するため、好ましくない。条件式(8)の上限値を上回ると、軸上色収差、倍率色収差が悪化するため、好ましくない。
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(8)の下限値を20.5とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(8)の上限値を24.5とすることが好ましい。
本実施形態に係るズームレンズZLは、次の条件式(9)を満足することが好ましい。
35.0 < νd3 < 48.0 …(9)
νd3:第3レンズ群G3を構成する負レンズのうち、最も屈折力の強い負レンズの硝材のd線におけるアッベ数。
条件式(9)は、第3レンズ群G3中の、最も屈折力の強い負レンズの硝材のアッベ数を規定している。条件式(9)の下限値を下回ると、軸上色収差が悪化するため、好ましくない。条件式(9)の上限値を上回ると、軸上色収差が悪化するため、好ましくない。
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(9)の下限値を37.0とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(9)の上限値を46.0とすることが好ましい。
以上のような構成を備える本実施形態に係るズームレンズZLによれば、高い変倍比を備えたズームレンズを実現することができる。
図7及び図8に、上述のズームレンズZLを備える光学機器として、デジタルスチルカメラCAM(光学機器)の構成を示す。このデジタルスチルカメラCAMは、不図示の電源釦を押すと、撮影レンズ(ズームレンズZL)の不図示のシャッタが開放されて、ズームレンズZLで被写体(物体)からの光が集光され、像面I(図1参照)に配置された撮像素子C(例えば、CCDやCMOS等)に結像される。撮像素子Cに結像された被写体像は、デジタルスチルカメラCAMの背後に配置された液晶モニターMに表示される。撮影者は、液晶モニターMを見ながら被写体像の構図を決めた後、レリーズ釦B1を押し下げて被写体像を撮像素子Cで撮影し、不図示のメモリーに記録保存する。
カメラCAMには、被写体が暗い場合に補助光を発光する補助光発光部EF、デジタルスチルカメラCAMの種々の条件設定等に使用するファンクションボタンB2等が配置されている。ここでは、カメラCAMとズームレンズZLとが一体に成形されたコンパクトタイプのカメラを例示したが、光学機器としては、ズームレンズZLを有するレンズ鏡筒とカメラボディ本体とが着脱可能な一眼レフカメラでも良い。
以上のような構成を備える本実施形態に係るカメラCAMによれば、撮影レンズとして上述のズームレンズZLを搭載することにより、高い変倍比を備えたカメラを実現することができる。
続いて、図9を参照しながら、上述のズームレンズZLの製造方法について概説する。まず、レンズ鏡筒内に、光軸に沿って物体側より順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、負の屈折力を持つ第4レンズ群G4と、正の屈折力を持つ第5レンズ群G5とが並ぶように、各レンズを配置する(ステップST10)。このとき、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、各レンズ群の間隔が変化するとともに、全てのレンズ群が光軸方向に移動するように、鏡筒内に各レンズを配置する(ステップST20)。また、第5レンズ群G5は、正レンズ1枚と、負レンズ1枚とから構成されるように、鏡筒内に各レンズを配置する(ステップST30)。そして、次の条件式(1)を満足するように、鏡筒内に各レンズを配置する(ステップST40)。
0.50 < TLt/ft < 0.75 …(1)
但し、
TLt:望遠端状態における前記ズームレンズの最前面から像面までの光軸上の距離、
ft:望遠端状態におけるズームレンズZLの焦点距離。
ここで、本実施形態におけるレンズ配置の一例を挙げると、図1に示すズームレンズZLでは、レンズ鏡筒内に、第1レンズ群G1として、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14を配置している。第2レンズ群G2として、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、両凸形状の正レンズL23と両凹形状の負レンズL24との接合レンズを配置している。第3レンズ群G3として、光軸に沿って物体側から順に、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33との接合レンズと、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL34とを配置している。第4レンズ群G4として、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL42とを貼り合わせた接合レンズを配置している。第5レンズ群G5として、光軸に沿って物体側から順に、両凸形状の正レンズL51と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL52との接合レンズを配置している。また、各レンズは、上記条件式(1)を満足するように、鏡筒内に配置されている(条件式(1)の対応値は0.625)。
上記のズームレンズZLの製造方法によれば、高い変倍比を備えたズームレンズを製造することができる。
これより本実施形態に係る各実施例について、図面に基づいて説明する。以下に、表1〜表3を示すが、これらは第1実施例〜第3実施例における各諸元の表である。
なお、第1実施例に係る図1に対する各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例ごとに独立して用いている。ゆえに、他の実施例に係る図面と共通の参照符号を付していても、それらは他の実施例とは必ずしも共通の構成ではない。
各実施例では収差特性の算出対象として、d線(波長587.5620nm)、g線(波長435.8350nm)を選んでいる。
表中の[レンズ諸元]において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序、Rは各光学面の曲率半径、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔、ndは光学部材の材質のd線に対する屈折率、νdは光学部材の材質のd線を基準とするアッベ数をそれぞれ示す。物面は物体面、(可変)は可変の面間隔、曲率半径の「∞」は平面又は開口、(絞りS)は開口絞りS、像面は像面Iをそれぞれ示す。空気の屈折率「1.0000」は省略する。光学面が非球面である場合には、面番号に*印を付し、曲率半径Rの欄には近軸曲率半径を示す。
表中の[全体諸元]において、fはレンズ全系の焦点距離、FNoはFナンバー、ωは半画角(最大入射角、単位:°)、Yは像高、Bfは光軸上でのレンズ最終面から近軸像面までの距離、Bf(空気換算)は光軸上でのレンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算長により表記したもの、TLは光軸上でのレンズ最前面から近軸像面までの距離、レンズ全長は光軸上でのレンズ最前面からレンズ最終面までの距離にBf(空気換算)を加えたものを示す。
表中の[非球面データ]には、[レンズ諸元]に示した非球面について、その形状を次式(a)で示す。X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離を、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を、κは円錐定数を、Aiは第i次の非球面係数を示す。「E-n」は、「×10-n」を示す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。
X(y)=(y2/R)/{1+(1−κ×y2/R21/2}+A4×y4+A6×y6…(a)
表中の[ズーミングデータ]において、広角端、中間焦点距離、望遠端の各状態における可変間隔の値Diを示す。なお、Diは、第i面と第(i+1)面の可変間隔を示す。
表中の[ズームレンズ群データ]において、Gは群番号、群初面は各群の最も物体側の面番号、群焦点距離は各群の焦点距離、レンズ構成長は各群の最も物体側のレンズ面から最も像面側のレンズ面までの光軸上での距離を示す。
表中の[条件式]には、上記の条件式(1)〜(9)に対応する値を示す。
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、ズームレンズは比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での説明を省略する。
(第1実施例)
第1実施例について、図1,図2及び表1を用いて説明する。第1実施例に係るズームレンズZL(ZL1)は、図1に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、光量を調節することを目的とした開口絞りSと、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、負の屈折力を持つ第4レンズ群G4と、正の屈折力を持つ第5レンズ群G5と、フィルタ群FLとから構成される。
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とから構成される。
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとL21と、両凹形状の負レンズL22と、両凸形状の正レンズL23と両凹形状の負レンズL24との接合レンズとから構成される。
第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33との接合レンズと、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL34とから構成される。なお、両凸形状の正レンズL31の両面には、非球面が形成されている。
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL42との接合レンズから構成される。
第5レンズ群G5は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL51と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL52との接合レンズから構成される。
フィルタ群FLは、像面Iに配設されるCCD等、固体撮像素子の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルターや赤外カットフィルター等で構成されている。
本実施例に係るズームレンズZL1においては、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、各レンズ群の間隔が変化するように、全てのレンズ群G1〜G5が光軸方向に移動する。また、開口絞りSは、各レンズ群とは独立して光軸方向に移動する。具体的には、第1レンズ群G1は、ズーミングにおいて、物体側へ移動する。第2レンズ群G2は、ズーミングにおいて、像面側に移動する。開口絞りSは、ズーミングにおいて、物体側へ移動する。第3レンズ群G3は、ズーミングにおいて、物体側へ移動する。第4レンズ群G4は、ズーミングにおいて、物体側へ移動する。第5レンズ群G5は、ズーミングにおいて、一旦物体側に移動し、その後像面側へ移動する。
下記の表1に、第1実施例における各諸元の値を示す。表1における面番号1〜32が、図1に示すm1〜m32の各光学面に対応している。
(表1)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 602.1924 4.3328 1.8044 39.6
2 155.6478 13.2289 1.4370 95.0
3 -575.8710 0.5113
4 162.5104 8.1928 1.4978 82.6
5 774.6313 0.4867
6 134.7817 8.6699 1.4978 82.6
7 722.6309 D7(可変)
8 1690.4207 2.6024 1.8040 46.6
9 19.1990 11.6120
10 -59.1281 1.9349 1.7292 54.6
11 81.6584 1.2096
12 40.6796 7.2771 1.8081 22.7
13 -97.9290 1.6867 1.9108 35.3
14 226.1617 D14(可変)
15 ∞(絞りS) D15(可変)
*16 23.4798 6.5133 1.5533 71.7
*17 -60.0319 1.1981
18 24.7963 4.8916 1.4978 82.6
19 -187.4053 1.3639 1.8830 40.7
20 20.0841 2.8964
21 -64.4176 3.6892 1.4875 70.3
22 -28.4246 D22(可変)
23 276.0564 0.9518 1.8348 42.7
24 31.3829 2.8964 1.8503 32.4
25 76.4218 D25(可変)
26 35.7242 5.5614 1.4875 70.3
27 -86.9471 1.9181 1.9020 25.3
28 -347.1760 D28(可変)
29 ∞ 0.7133 1.5168 63.9
30 ∞ 1.0281
31 ∞ 1.1957 1.5168 63.9
32 ∞ (Bf)
像面 ∞

[全体諸元]
ズーム比 56.572
広角端 中間焦点 望遠端
f 10.00 206.29 565.72
開口絞り径 14.5 18.1 18.1
FNo 3.5 5.2 6.7
ω 46.05 2.73 0.98
Bf 1.34 1.34 1.34
Bf(空気換算) 12.97 48.21 20.43
TL 252.19 344.18 353.66
レンズ全長 251.54 343.53 353.01

[非球面データ]
面番号 κ A4 A6
16 0.840 -5.321E-06 0.000E+00
17 1.000 8.565E-06 0.000E+00

[ズーミングデータ]
可変間隔 広角端 中間焦点 望遠端
f 10.00 206.29 565.72
D7 1.931 132.997 150.367
D14 82.384 10.508 0.970
D15 32.284 8.188 3.642
D22 3.470 23.171 22.370
D25 24.879 26.833 61.607
D28 9.348 44.584 16.802

[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離 レンズ構成長
G1 1 192.7 35.422
G2 8 -19.9 26.323
G3 16 42.2 20.553
G4 23 -132.8 3.848
G5 26 86.5 7.480

[条件式]
条件式(1)TLt/ft = 0.625
条件式(2)β2t/β2w = 14.364
条件式(3)f1/ft = 0.341
条件式(4)f3/ft = 0.075
条件式(5)(−f2)/ft = 0.035
条件式(6)β5t = 0.704
条件式(7)νd1 = 39.6
条件式(8)νd2 = 22.7
条件式(9)νd3 = 40.7
表1から、本実施例に係るズームレンズZL1は、条件式(1)〜(9)を満たすことが分かる。
図2は、第1実施例に係るズームレンズの諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)である。具体的には、図2(a)は本実施例の広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図2(b)は本実施例の中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図2(c)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
各収差図において、FNOはFナンバー、Aは各像高に対する半画角(単位:°)を示す。dはd線、gはg線における収差を示す。また、記載のないものは、d線における収差を示す。球面収差図において、実線は球面収差を、破線は正弦条件を示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示す。コマ収差図において、実線はメリディオナルコマを示す。なお、後述する各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用いる。
図2に示す各収差図から明らかなように、第1実施例に係るズームレンズZL1は、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において、諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。歪曲収差については、この程度の収差量では撮像後の画像処理により十分補正可能であるため、光学的な補正は必要ない。
(第2実施例)
第2実施例について、図3,図4及び表2を用いて説明する。第2実施例に係るズームレンズZL(ZL2)は、図3に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、光量を調節することを目的とした開口絞りSと、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、負の屈折力を持つ第4レンズ群G4と、正の屈折力を持つ第5レンズ群G5と、フィルタ群FLとから構成される。
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とから構成される。
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとL21と、両凹形状の負レンズL22と、両凸形状の正レンズL23と両凹形状の負レンズL24との接合レンズとから構成される。
第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33との接合レンズと、両凸形状の正レンズL34とから構成される。なお、両凸形状の正レンズL31の両面には、非球面が形成されている。
第4レンズ群G4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL42との接合レンズから構成される。
第5レンズ群G5は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL51と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL52との接合レンズから構成される。
フィルタ群FLは、像面Iに配設されるCCD等、固体撮像素子の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルターや赤外カットフィルター等で構成されている。
本実施例に係るズームレンズZL2においては、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、各レンズ群の間隔が変化するように、全てのレンズ群G1〜G5が光軸方向に移動する。また、開口絞りSは、各レンズ群とは独立して光軸方向に移動する。具体的には、第1レンズ群G1は、ズーミングにおいて、物体側へ移動する。第2レンズ群G2は、ズーミングにおいて、像面側に移動する。開口絞りSは、ズーミングにおいて、物体側へ移動する。第3レンズ群G3は、ズーミングにおいて、物体側へ移動する。第4レンズ群G4は、ズーミングにおいて、物体側へ移動する。第5レンズ群G5は、ズーミングにおいて、一旦物体側に移動し、その後像面側へ移動する。
下記の表2に、第2実施例における各諸元の値を示す。表2における面番号1〜32が、図3に示すm1〜m32の各光学面に対応している。
(表2)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 683.361 4.337 1.8044 39.6
2 157.492 13.253 1.4370 95.0
3 -666.320 0.482
4 164.458 9.157 1.4978 82.6
5 2409.639 0.482
6 116.869 8.675 1.4978 82.6
7 376.645 D7(可変)
8 1688.145 2.651 1.8040 46.6
9 19.129 11.084
10 -91.992 1.928 1.7292 54.6
11 48.994 1.205
12 34.531 7.229 1.8081 22.7
13 -198.463 1.687 1.9108 35.3
14 143.890 D14(可変)
15 ∞(絞りS) D15(可変)
*16 20.878 6.506 1.5533 71.7
*17 -80.311 1.205
18 23.861 4.819 1.4978 82.6
19 -1792.432 1.446 1.8830 40.7
20 17.185 2.892
21 97.772 3.614 1.4875 70.3
22 -56.284 D22(可変)
23 -76.280 2.892 1.8503 32.4
24 -31.325 0.964 1.8348 42.7
25 -275.550 D25(可変)
26 35.760 5.542 1.4875 70.3
27 -94.9411 1.928 1.9020 25.3
28 -415.468 D28(可変)
29 ∞ 0.723 1.5168 63.9
30 ∞ 1.028
31 ∞ 1.205 1.5168 63.9
32 ∞ (Bf)
像面 ∞

[全体諸元]
ズーム比 56.57
広角端 中間焦点 望遠端
f 10.0 75.2 565.7
開口絞り径 15.7 15.7 15.7
FNo 3.1 5.7 6.3
ω 45.2 7.4 0.97
Bf 1.00 1.00 1.00
Bf(空気換算) 13.66 41.76 12.84
TL 243.35 297.32 321.27
レンズ全長 242.60 297.66 321.62

[非球面データ]
面番号 κ A4 A6
16 0.4783 -3.12E-06 0.00E+00
17 1.0000 3.44E-06 0.00E+00

[ズーミングデータ]
可変間隔 広角端 中間焦点 望遠端
f 10.0 75.2 565.7
D7 2.325 96.266 149.386
D14 80.450 30.586 0.314
D15 28.745 2.046 2.031
D22 6.858 15.124 5.363
D25 16.587 17.910 57.707
D28 10.360 38.456 9.541

[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離 レンズ構成長
G1 1 188.0 36.386
G2 8 -19.9 25.784
G3 16 40.6 20.482
G4 23 -132.5 3.856
G5 26 86.7 7.470

[条件式]
条件式(1)TLt/ft = 0.568
条件式(2)β2t/β2w = 22.2
条件式(3)f1/ft = 0.332
条件式(4)f3/ft = 0.072
条件式(5)(−f2)/ft = 0.035
条件式(6)β5t = 0.79
条件式(7)νd1 = 39.6
条件式(8)νd2 = 22.7
条件式(9)νd3 = 40.7
表2から、本実施例に係るズームレンズZL2は、条件式(1)〜(9)を満たすことが分かる。
図4は、第2実施例に係るズームレンズの諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)である。具体的には、図4(a)は本実施例の広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図4(b)は本実施例の中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図4(c)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
図4に示す各収差図から明らかなように、第2実施例に係るズームレンズZL2は、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において、諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。歪曲収差については、この程度の収差量では撮像後の画像処理により十分補正可能であるため、光学的な補正は必要ない。
(第3実施例)
第3実施例について、図5,図6及び表3を用いて説明する。第3実施例に係るズームレンズZL(ZL3)は、図5に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、負の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、光量を調節することを目的とした開口絞りSと、正の屈折力を持つ第3レンズ群G3と、負の屈折力を持つ第4レンズ群G4と、正の屈折力を持つ第5レンズ群G5と、フィルタ群FLとから構成される。
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸形状の正レンズL12との接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成される。
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとL21と、両凹形状の負レンズL22と、両凸形状の正レンズL23と両凹形状の負レンズL24との接合レンズとから構成される。
第3レンズ群G3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL32と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL33との接合レンズと、両凸形状の正レンズL34とから構成される。なお、両凸形状の正レンズL31の両面には、非球面が形成されている。
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL41から構成される。
第5レンズ群G5は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL51と両凹形状の負レンズL52との接合レンズから構成される。
フィルタ群FLは、像面Iに配設されるCCD等、固体撮像素子の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルターや赤外カットフィルター等で構成されている。
本実施例に係るズームレンズZL3においては、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、各レンズ群の間隔が変化するように、全てのレンズ群G1〜G5が光軸方向に移動する。また、開口絞りSは、各レンズ群とは独立して光軸方向に移動する。具体的には、第1レンズ群G1は、ズーミングにおいて、物体側へ移動する。第2レンズ群G2は、ズーミングにおいて、像面側に移動する。開口絞りSは、ズーミングにおいて、物体側へ移動する。第3レンズ群G3は、ズーミングにおいて、物体側へ移動する。第4レンズ群G4は、ズーミングにおいて、物体側へ移動する。第5レンズ群G5は、ズーミングにおいて、一旦物体側に移動し、その後像面側へ移動する。
下記の表3に、第3実施例における各諸元の値を示す。表3における面番号1〜30が、図5に示すm1〜m30の各光学面に対応している。
(表3)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 409.007 4.337 1.8830 40.8
2 140.233 14.458 1.4370 95.0
3 -274.265 0.482
4 111.246 10.361 1.5932 67.9
5 361.446 D5(可変)
6 240.964 2.651 1.9004 37.4
7 19.901 9.639
8 -76.198 2.169 1.8348 42.7
9 130.360 1.205
10 38.692 6.506 1.9229 20.9
11 -86.991 1.205
12 -43.966 1.928 1.8348 42.7
13 138.973 D13(可変)
14 ∞(絞りS) D14(可変)
*15 28.824 6.506 1.5533 71.7
*16 -74.970 2.410
17 22.892 6.024 1.4875 70.3
18 1207.218 1.446 1.9108 35.3
19 21.839 3.133
20 969.979 3.614 1.4875 70.3
21 -33.765 D21(可変)
22 168.675 2.410 1.5311 55.9
23 52.834 D23(可変)
24 34.349 5.783 1.4875 70.3
25 -286.309 1.928 1.9108 35.3
26 450.774 D26(可変)
27 ∞ 0.723 1.5168 63.9
28 ∞ 0.964
29 ∞ 1.205 1.5168 63.9
30 ∞ (Bf)
像面 ∞

[全体諸元]
ズーム比 56.63
広角端 中間焦点 望遠端
f 10.0 74.7 566.3
開口絞り径 14.5 14.5 21.7
FNo 3.3 5.3 6.0
ω 46.6 7.4 0.96
Bf 1.00 1.00 1.00
Bf(空気換算) 13.94 47.33 11.72
TL 214.18 298.06 388.60
レンズ全長 213.53 297.40 387.94

[非球面データ]
面番号 κ A4 A6
15 1.0524 -4.37E-06 0.00E+00
16 1.0000 5.98E-06 0.00E+00

[ズーミングデータ]
可変間隔 広角端 中間焦点 望遠端
f 10.0 74.7 566.3
D5 0.353 101.253 180.863
D13 68.444 9.587 3.644
D14 20.665 12.231 4.279
D21 5.113 30.664 40.303
D23 16.816 7.740 58.937
D26 10.706 44.498 8.486

[ズームレンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離 レンズ構成長
G1 1 228.9 29.638
G2 6 -18.7 25.303
G3 15 38.8 23.133
G4 22 -145.9 2.410
G5 24 91.6 7.711

[条件式]
条件式(1)TLt/ft = 0.687
条件式(2)β2t/β2w = 11.247
条件式(3)f1/ft = 0.405
条件式(4)f3/ft = 0.069
条件式(5)(−f2)/ft = 0.033
条件式(6)β5t = 0.804
条件式(7)νd1 = 40.8
条件式(8)νd2 = 20.9
条件式(9)νd3 = 35.3
表3から、本実施例に係るズームレンズZL3は、条件式(1)〜(9)を満たすことが分かる。
図6は、第3実施例に係るズームレンズの諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)である。具体的には、図6(a)は本実施例の広角端状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図6(b)は本実施例の中間焦点距離状態における撮影距離無限遠での諸収差図であり、図6(c)は望遠端状態における撮影距離無限遠での諸収差図である。
図6に示す各収差図から明らかなように、第3実施例に係るズームレンズZL3は、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において、諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。歪曲収差については、この程度の収差量では撮像後の画像処理により十分補正可能であるため、光学的な補正は必要ない。
上記の各実施例によれば、高い変倍比(50倍以上)を備えたズームレンズを実現することができる。
ここまで本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
実施例では、5群構成を示したが、6群、7群等の他の群構成にも適用可能である。また、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。また、レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
例えば、単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としてもよい。この合焦レンズ群は、オートフォーカスにも適用することができ、オートフォーカス用の(超音波モーター等を用いた)モーター駆動にも適している。特に、第5レンズ群G5を合焦レンズ群とするのが好ましい。
また、レンズ群または部分レンズ群を光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させるか、或いは光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレによって生じる像ブレを補正する防振レンズ群としてもよい。特に、第3レンズ群G3全体を防振レンズ群とするのが好ましい。
ZL(ZL1〜ZL3) ズームレンズ
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
S 開口絞り
FL フィルタ群
I 像面
CAM デジタルスチルカメラ(光学機器)

Claims (13)

  1. 光軸に沿って物体側より順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、負の屈折力を持つ第2レンズ群と、正の屈折力を持つ第3レンズ群と、負の屈折力を持つ第4レンズ群と、正の屈折力を持つ第5レンズ群とにより、実質的に5個のレンズ群からなり
    変倍に際して、各レンズ群の間隔が変化するように、全てのレンズ群が移動し、
    前記第5レンズ群は、正レンズ1枚と、負レンズ1枚とから構成され、
    以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
    0.50 < TLt/ft < 0.75
    20.0 < νd2 < 25.0
    但し、
    TLt:望遠端状態における前記ズームレンズの最前面から像面までの光軸上の距離、
    ft:望遠端状態における前記ズームレンズの焦点距離
    νd2:前記第2レンズ群を構成する正レンズのうち、最も屈折力の強い正レンズの硝材のd線におけるアッベ数
  2. 前記第1レンズ群は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸形状の正レンズとの接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを有することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  3. 前記第2レンズ群は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、両凹形状の負レンズと、両凸形状の正レンズと両凹形状の負レンズとの接合レンズとを有することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
  4. 前記第3レンズ群は、光軸に沿って物体側から順に、両凸形状の正レンズと、両凸形状の正レンズと両凹形状の負レンズとの接合レンズと、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  5. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    10.0 < β2t/β2w < 25.0
    但し、
    β2w:広角端状態における前記第2レンズ群の倍率、
    β2t:望遠端状態における前記第2レンズ群の倍率。
  6. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    0.25 < f1/ft < 0.50
    但し、
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離。
  7. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    0.05 < f3/ft < 0.10
    但し:
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離。
  8. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    0.02 < (−f2)/ft < 0.05
    但し、
    f2:前記第2レンズ群の焦点距離。
  9. 前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間に開口絞りを有し、
    変倍に際して、前記開口絞りが各レンズ群とは独立して移動することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  10. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    0.65 < β5t < 0.85
    但し、
    β5t:望遠端状態における前記第5レンズ群の倍率。
  11. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    37.0 < νd1 < 42.0
    但し、
    νd1:前記第1レンズ群を構成するレンズのうち、最も物体側に配置されるレンズの硝材のd線におけるアッベ数。
  12. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    35.0 < νd3 < 48.0
    νd3:前記第3レンズ群を構成する負レンズのうち、最も屈折力の強い負レンズの硝材のd線におけるアッベ数。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のズームレンズを搭載することを特徴とする光学機器。
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