JP6346499B2 - 排ガス浄化装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、排ガス浄化装置及びその製造方法に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、スス等のパティキュレートマター(以下、PMともいう)が含まれており、近年、このPMが環境及び人体に害を及ぼすことが問題となっている。また、排ガス中には、CO、HC及びNOx等の有害なガス成分も含まれていることから、この有害なガス成分が環境及び人体に及ぼす影響についても懸念されている。
そこで、排ガス中のPMを捕集したり、有害なガス成分を浄化したりする排ガス浄化装置として、炭化ケイ素又はコージェライト等の多孔質セラミックからなる排ガス処理体と、排ガス処理体を収容するケーシングと、排ガス処理体とケーシングとの間に配設される無機繊維からなるマットとから構成される排ガス浄化装置が種々提案されている。
この排ガス浄化装置に用いられるマットは、自動車の走行等により生じる振動や衝撃により、排ガス処理体がその外周を覆うケーシングと接触して破損することを防止すること、排ガス処理体をしっかりと保持して排ガス浄化装置の内部から排ガス処理体が抜け出るのを防止すること、及び、排ガス処理体とケーシングとの間から排気ガスが漏れることを防止すること等を主な目的として配設されている。
特許文献1には、排ガス処理の1種である触媒担体の外周に緩衝部材を巻回して筒状部材内に収容し、該筒状部材の軸を中心とした回転を阻止するように上記筒状部材を固定し、上記筒状部材の少なくとも上記緩衝部材の一部を含む範囲に対し、上記筒状部材の外周回りに均等に配置し、上記筒状部材の外周回りを同径の円形軌跡にて公転すると共に上記筒状部材の径方向に駆動する複数のスピニングローラによってスピニング加工を行ない、上記筒状部材と共に上記緩衝部材を縮径して触媒担体を支持することを特徴とする触媒コンバータの製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、内燃機関の排気ガスを浄化する触媒を担持したセラミックス製の触媒担体と、上記触媒担体を収容する外筒と、上記外筒と上記触媒担体との間に介設されるマットとを備え、上記外筒内において、上記触媒担体及び上記マットが圧迫された状態で収容され、圧入された上記マットの上記触媒担体及び上記外筒に作用する反発力によって上記触媒担体を保持していることを特徴とする触媒装置が開示されている。
特開2001−107725号公報 特開2009−243417号公報
特許文献1に記載された触媒担体の断面が略四角である場合には、スピニングローラによって上記円筒体(ケーシング)を断面が略四角形状となるようにスピニング加工を行なう必要がある。
しかしながら、スピニング加工により発生する力を吸収しきれず、上記ケーシングに座屈や変形が発生し易く、上記スピニング加工によりケーシングの形状を寸法精度よく加工することができないという問題があった。
また、上記スピニング加工によってマットに必要以上の負荷がかかるため、圧入直後の保持力に比べて所定期間経過後では、マットの保持力が低下してしまうスプリングバックという現象が発生する。そのため、スプリングバックを見込んだ過圧縮の必要性が生じてしまうという問題があった。
特許文献2に記載されているように、マットが巻き付けられた触媒担体を外筒(ケーシング)に圧入する場合、触媒担体の断面が略四角形であると、上記ケーシングに残留応力が発生し、ケーシングと触媒担体のコーナー部における形状の違いに起因して、圧入後にケーシングに変形が生じ、ケーシングの形状を寸法精度よく加工することができない。
また、上記圧入によってマットに負荷がかかるため、特許文献1の場合と同様に、スプリングバックが発生し易く、スプリングバックを見込んだ過圧縮の必要性が生じてしまうという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、マットの保持力が低下しにくく、一定の保持力を維持することができる排ガス浄化装置及び過圧縮の必要のない排ガス浄化装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の排ガス浄化装置は、柱状の排ガス処理体と、上記排ガス処理体を収容するケーシングと、上記排ガス処理体と上記ケーシングとの間に挿入された無機繊維からなるマットとからなる排ガス浄化装置であって、上記排ガス処理体の長手方向に対して垂直な断面の輪郭は、3〜6個のコーナー部と上記排ガス処理体のコーナー部同士を連結する連結部とから構成され、上記排ガス処理体のコーナー部は曲線からなるとともに、上記排ガス処理体の連結部は直線又は曲線からなり、上記ケーシングの長手方向に対して垂直な断面の輪郭は、上記排ガス処理体と同数のコーナー部と連結部とから構成され、上記それぞれの連結部は、内側に凸となる曲線からなる湾曲部を有することを特徴とする。
本明細書において、排ガス処理体のコーナー部とは、以下の部分のことをいう。
まず、排ガス処理体の長手方向に対して垂直な断面において、輪郭が曲線となる部分における曲率半径の最小値を求める。該輪郭が曲線となる部分において、曲率半径が上記曲率半径の最小値の8倍以下である連続する部分が、排ガス処理体のコーナー部である。輪郭が曲線となる部分において、曲率半径の最小値を求めるとは、曲線が複数の曲率半径の曲線から構成されている場合に、その最小値を求めるとの意味であり、単一の曲率半径の曲線から構成されている場合には、その曲線部分がコーナー部となる。
また、本明細書において、排ガス処理体の連結部とは、排ガス処理体の長手方向に対して垂直な断面の輪郭において、上記コーナー部同士を連結する曲線の部分又は直線の部分のことをいい、上記したコーナー部が決まれば、それ以外の部分が連結部となる。排ガス処理体の連結部は、直線のみ又は曲線のみから構成されていてもよく、直線と曲線との両方から構成されていてもよい。
上記ケーシングの連結部は、内側に凸となる曲線からなる湾曲部を有するとは、上記連結部に対し、上記連結部の両側に存在する2点(P、P)が共有する接線を引いた際、上記湾曲部が上記接線より排ガス処理体側に存在することを意味する。上記湾曲部の形状は、隣り合う2個のコーナー部の半分の距離の点を中心とした点対称であることが望ましい。マットを介して排ガス処理体に圧力が均等にかかり易いからである。
なお、ケーシングの連結部は、上記した接線を引いた際に接線と接触する点Pと点Pの間の部分をいうものとし、その他の部分を連結部というものとする(図1(a)参照)。
上記排ガス浄化装置によれば、上記それぞれの連結部は、内側に凸となる曲線からなる湾曲部を有し、上記湾曲部に相当する部分で排ガス処理体とケーシングとの間に挿入されたマットに圧力をかけているので、適切にマットを介して排ガス処理体に圧力をかけて保持することができ、排ガス浄化装置は、排ガス処理体に対する一定の保持力を維持することができる。
本発明の排ガス浄化装置では、上記ケーシングの連結部を構成する湾曲部の両側に存在する2点(P、P)が共有する接線Xを引き、上記接線と上記湾曲部の距離が最大となるケーシング上の点Mを求め、点Mと接線Lとの距離をD、点Mと排ガス処理体の連結部との距離をDとし、湾曲度(%)を下記の(1)式により求められる値とした際、上記湾曲度は、5〜95%であることが望ましい。
[D/(D+D)]×100(%)・・・(1)
本発明の排ガス浄化装置において、上記湾曲度を5〜95%に設定しているので、排ガス処理体とケーシングとの間に挿入されたマットを介して排ガス処理体により適切に圧力をかけることができる。
本発明の排ガス浄化装置では、上記ケーシングは、上記連結部と同数のケーシング用部材であって、湾曲部を有するものを接合することにより製造されていることが望ましい。
上記排ガス浄化装置において、マットが巻き付けられた排ガス処理体の周囲に湾曲部を有するケーシング用部材を配置して接合していると、上記湾曲部がマットを常に押している状態を維持できるので、上記スプリングバックが発生しにくく、スプリングバックを見込んだ過圧縮の必要がない。
本発明の排ガス浄化装置では、上記ケーシングの接合部は外側に突出するとともに、上記ケーシングの接合部分の近傍には空隙が形成され、上記空隙の少なくとも一部に上記マットが挿入されていることが望ましい。
上記排ガス浄化装置において、上記ケーシングの接合部分の近傍には空隙が形成され、上記空隙の少なくとも一部に上記マットが挿入されていると、排ガスが通過し易い接合部分の近傍で排ガスに漏れが発生しにくい。なお、接合部分は、通常、コーナー部又はその近傍となる。
本発明の排ガス浄化装置では、上記排ガス処理体の長手方向に対して垂直な断面において、上記排ガス処理体の連結部は直線、又は、上記排ガス処理体の外側に凸となる曲線からなることが望ましい。
本発明の排ガス浄化装置において、上記排ガス処理体が上記のような形状であると、排ガス処理体とケーシングとの間に挿入されたマットを介して排ガス処理体に適切に圧力をかけて保持することができる。
本発明の排ガス浄化装置では、上記ケーシングのコーナー部の数は4個であることが望ましい。
本発明の排ガス浄化装置において、上記ケーシングのコーナー部の数は4個であると、排ガス処理体は、略四角柱形状となり、ケーシングの輪郭も略四角形状と安定的な形状となり、マットを介して排ガス処理体を一定の保持力で安定的に保持することができる。
本発明の排ガス処理装置では、上記排ガス処理体は、上記排ガス処理体のコーナー部と、上記ケーシングのコーナー部とが相対するように上記ケーシング内に収容されてなることが望ましい。
本発明の排ガス浄化装置では、上記無機繊維は、アルミナ繊維、アルミナ−シリカ繊維、シリカ繊維、及び、生体溶解性繊維からなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
本発明の排ガス浄化装置において、上記した種類の無機繊維を使用することにより、上記無機繊維が使用されたマットは、保持力に優れ、排ガス処理体をしっかりと保持することができる。
本発明の排ガス浄化装置では、上記マットには、さらに、ニードルパンチング処理が施されていることが望ましい。
本発明の排ガス浄化装置では、マットにニードルパンチング処理を施すことにより、無機繊維同士の交絡が発生し、マットの強度が向上する。そのため、マットに亀裂等が発生しにくくなる。
本発明の排ガス浄化装置の製造方法は、上記長手方向に対して垂直な断面の輪郭が、3〜6個のコーナー部と上記コーナー部同士を連結する連結部とから構成され、上記コーナー部は曲線からなるとともに、上記直線又は曲線からなる排ガス処理体を準備する工程と、上記排ガス処理体の側面にマットを巻き付けるマット巻付け工程と、上記連結部と同数のケーシング用部材であって、湾曲部を有するとともに接合用合わせ部を有するものを、上記湾曲部がマットを押し付け、隣り合う上記ケーシング用部材の上記接合用合わせ部が互いに対向するように配置するケーシング用部材配置工程と、隣り合う上記ケーシング用部材の上記接合用合わせ部を接合してケーシングを作製する接合工程とからなることを特徴とする。
本発明の排ガス浄化装置の製造方法においては、湾曲部を有するとともに接合用合わせ部を有するケーシング用部材を、上記湾曲部がマットを押し付け、隣り合う上記ケーシング用部材の上記接合用合わせ部が互いに対向するように配置した後、上記ケーシング用部材の上記接合用合わせ部を接合してケーシングを作製するので、マットにスプリングバックが発生しにくく、得られた排ガス浄化装置では、適切にマットを介して排ガス処理体に圧力をかけて保持することができ、排ガス処理体に対する一定の保持力を維持することができる。
本発明の排ガス浄化装置の製造方法では、上記ケーシング用部材配置工程において、対向する上記接合用合わせ部の間にマットの一部を挿入することが望ましい。
本発明の排ガス浄化装置の製造方法において、上記のようにすると、接合部の近傍における排ガスの漏れを確実に防止することができる。
本発明の排ガス浄化装置の製造方法では、上記排ガス処理体のコーナー部の数は4個であり、上記接合工程において、4個のケーシング用部材を接合してケーシングを作製することが望ましい。
本発明の排ガス浄化装置の製造方法において、上記構成の排ガス浄化装置を製造すると、排ガス処理体は、略四角柱形状となり、ケーシングの輪郭も略四角形状と安定的な形状となり、得られた排ガス浄化装置では、マットを介して排ガス処理体を一定の保持力で安定的に保持することができる。
図1(a)は、本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図であり、本発明の排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体の長手方向に垂直な断面を示している。図1(b)は、図1(a)に示す排ガス浄化装置のA−A線断面図である。 図2は、図1(a)に示す排ガス浄化装置の断面図の一部を拡大して示す拡大断面図である。 図3は、排ガス処理体を排ガス処理体の長手方向に対して垂直な方向に切断して模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の排ガス浄化装置を構成するマットの一例を模式的に示す斜視図である。 図5は、上記排ガス浄化装置の製造工程におけるマット巻付け工程を模式的に示した斜視図である。 図6は、本発明の排ガス浄化装置の製造方法におけるケーシング用部材配置工程を模式的に示した断面図である。 図7は、本発明の排ガス浄化装置の別の一例を、排ガス浄化装置の長手方向に対して垂直に切断して模式的に示す断面図である。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
本発明の排ガス浄化装置は、柱状の排ガス処理体と、上記排ガス処理体を収容するケーシングと、上記排ガス処理体と上記ケーシングとの間に挿入された無機繊維からなるマットとからなる排ガス浄化装置であって、上記排ガス処理体の長手方向に対して垂直な断面の輪郭は、3〜6個のコーナー部と上記排ガス処理体のコーナー部同士を連結する連結部とから構成され、上記排ガス処理体のコーナー部は曲線からなるとともに、上記排ガス処理体の連結部は直線又は曲線からなり、上記ケーシングの長手方向に対して垂直な断面の輪郭は、上記排ガス処理体と同数のコーナー部と連結部とから構成され、上記それぞれの連結部は、内側に凸となる曲線からなる湾曲部を有することを特徴とする。
以下、図1に示す排ガス浄化装置を本発明の一例として説明する。
図1(a)は、本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図であり、上記排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体の長手方向に垂直な断面を示している。また、図1(b)は、図1(a)に示す排ガス浄化装置のA−A線断面図である。
図1に示すように、本発明の排ガス浄化装置10では、ケーシング30の内部に排ガス処理体20が収容されており、排ガス処理体20とケーシング30との間には、無機繊維からなるマット40が挿入され、このマット40とケーシング30により排ガス処理体20がケーシング30から抜け出さないようにしっかりと保持されている。
排ガス処理体20は、略四角柱状であり、排ガス処理体20の長手方向に対して垂直な断面の輪郭は、4個のコーナー部26aとコーナー部26a同士を連結する連結部27aとから構成されており、コーナー部26aは曲線からなり、一方、コーナー部26a同士を連結する連結部27aは、直線からなる。
まず、本発明の排ガス浄化装置を構成するケーシングについて説明する。
本発明の排ガス浄化装置を構成するケーシング30は、SUS等の金属からなる管状体であり、ケーシング30の長手方向に対して垂直な断面の輪郭は、排ガス処理体20と同数の4個のコーナー部31aと4個の連結部32aとから構成され、それぞれの連結部32aは、図1(a)に示すように、内側に凸となる曲線からなる湾曲部320aを有している。また、図1(b)に示しているように、ケーシング30の排出ガス入口側と排出ガス出口側は、次第に径が小さくなっており、排気管と連結できるように構成されている。
連結部32aが内側に凸となる曲線からなる湾曲部320aを有しているとは、図1(a)に示すように、連結部32aの両側に存在する2点(P、P)が共有する接線Xを引いた際、連結部32aを構成する湾曲部320aが接線Xより排ガス処理体20側に存在することを意味している。
本発明の排ガス浄化装置10では、4個の連結部32aは、内側に凸となる曲線からなる湾曲部320aを有し、この湾曲部320aにより排ガス処理体20とケーシング30との間に挿入されたマット40に圧力をかけているので、マット40を介して排ガス処理体20に適切な圧力をかけて排ガス処理体20を保持することができ、排ガス浄化装置10は、排ガス処理体20に対する一定の保持力を維持することができる。
ケーシング30の長手方向に対して垂直な断面の輪郭における湾曲部の形状は、特に限定されるものでないが、隣り合う2個のコーナー部の半分の距離の点を中心とした点対称であることが望ましく、例えば、円弧、楕円形の一部、双曲線を形成していることが望ましい。マットを介して排ガス処理体に圧力が均等にかかり易いからである。
図2は、図1(a)に示す排ガス浄化装置の断面図の一部を拡大して示す拡大断面図である。
図2に示すように、ケーシングの連結部を構成する湾曲部の両側に存在する2点(P、P)が共有する接線Xを引き、上記接線と上記湾曲部の距離が最大となるケーシング上の点Mを求め、点Mと接線Lとの距離をD、点Mと排ガス処理体の連結部との距離をDとし、湾曲度(%)を下記の(1)式により求められる値とした際、上記湾曲度は、5〜95%であることが望ましい。
[D/(D+D)]×100(%)・・・(1)
なお、点Mと排ガス処理体の連結部との距離Dは、点Mと上記連結部との最短距離とする。
また、ケーシング30は、コーナー部31aにおいて、外側に突出する1対の接合用合わせ部を有し、1対の接合用合わせ部が接合されて接合部310aを構成しているものが好ましい。
また、接合部310aでは、図1(a)に示すように、接合用合わせ部に起因する空隙35が形成されており、空隙35の少なくとも一部にマット40が挿入されているのが望ましい。接合部310aの空隙35に、マット40が挿入されることにより、排気ガスが排ガス浄化装置10の内部を流通しているときに、コーナー部31aの近傍で排気ガスが漏れるのを防止することができる。
本発明の排ガス浄化装置の製造方法については、後で詳しく説明する。
次に、本発明の排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体について説明する。
上記排ガス処理体20は、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中のPMを捕集する機能を有するもの、又は、上記排ガス中の有害なガス成分を無害なガス成分に転換する機能を有するものであるが、上述した2つの機能を有するものであってもよい。
本発明では、上記排ガス中のPMを捕集する機能を有するものを排ガス浄化フィルタといい、上記排ガス中の有害なガス成分を無害なガス成分に転換する機能を有するものを触媒コンバータということとする。
上記排ガス浄化フィルタは、特に限定されるものではなく、例えば、炭化ケイ素又はコージェライト等の多孔質セラミックからなる、いわゆる、ハニカムフィルタと呼ばれるもので、長手方向に多数のセルが併設され、排ガスの入口側か出口側のいずれかが目封止されたもの、板状のものを重ねてフィルタとしたもの、3次元網目構造を有する金属多孔質体からなるもの、セラミックファイバの積層体からなるもの等があげられる。板状のものを重ねてフィルタとしたもの、3次元網目構造を有する金属多孔質体からなるもの、セラミックファイバの積層体からなるもの等は、これらの部材が所定形状の耐熱性容器に収容されており、この場合、上記耐熱性容器が柱状である。
これらのなかでは、炭化ケイ素又はコージェライト等の多孔質セラミックからなり、長手方向に多数のセルが併設され、排ガスの入口側か出口側のいずれかが目封止されたハニカムフィルタが望ましい。
上記ハニカムフィルタは、コージェライト等からなり、一つの多孔質セラミックから一体的に形成された一体型ハニカムフィルタであってもよく、炭化ケイ素等からなる柱状の多孔質セラミックを主にセラミックを含む接着材層を介して複数個結束してなる集合型ハニカムフィルタであってもよい。
上記触媒コンバータは、特に限定されるものではなく、例えば、長手方向に多数のセルが併設された多孔質セラミックに触媒を担持したもの、ペレット状の多孔質セラミックに触媒を担持したもの、金属製の薄いシートを波状に加工したものを担体とし、この担体に触媒を担持したものも等があげられる。ペレット状の担体や金属製のシートを担体としたものでは、これらの担体が耐熱性の容器に収容されており、この場合、上記耐熱性容器が柱状である。
これらのなかでは、長手方向に多数のセルが併設された多孔質セラミックに触媒を担持した触媒コンバータが望ましい。
排ガス処理体に担持されている触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属、又は、酸化セリウム等の金属酸化物等があげられる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、排ガス処理体の形状について説明する。
図3は、排ガス処理体を排ガス処理体の長手方向に対して垂直な方向に切断して模式的に示す断面図である。
図3に示すように、排ガス処理体20の長手方向に対して垂直な断面の輪郭25は、正方形の角部がR面取りされた形状であることが望ましい。この場合、輪郭25は、4つの曲線28aと、これらを連結する4つの直線29aとから構成されている。
本発明の排ガス処理体20のコーナー部は、以下の方法により決定することとする。
曲線28aが複数の曲率半径の曲線から構成されている場合、まず、曲線28aにおける曲率半径の最小値(r20minを求める。得られた曲率半径の最小値(r20minの8倍以下である連続する部分が、排ガス処理体のコーナー部26aであり、それ以外の部分が連結部27aである。
なお、曲率半径とは、曲線や曲面の曲がり具合を表す量である。ある曲線において、その局所的な曲がり具合は円に近似することができ、近似した円の半径を曲率半径という。例えば、半径rの円周に近似できる場合は、曲率は1/rであり、曲率半径はrである。曲線の曲がり具合がきついほど曲率は大きくなり曲率半径は小さくなる。
また、株式会社東京精密の3次元座標測定機 RVA800A−X1等を使用し、排ガス処理体の複数点の位置を測定することにより、曲線を特定することができ、この曲線が円弧である場合には、円弧の曲率半径を求めることができる。
さらに、排ガス処理体の曲率半径を所定の値となるように設計している場合には、断面の写真を撮影して、設計時の曲率半径の曲線と一致しているか否かを確認することにより、曲率半径を得ることができる。
排ガス処理体20では、曲線28aの曲率が一定(円弧)のため、それぞれの曲線部分が、コーナー部26aとなる。すなわち、各曲線の始点及び終点が、各コーナー部の始点及び終点である。
また、直線29aがそれぞれ連結部27aである。排ガス処理体20において、4つのコーナー部26aは、それぞれ、連結部27aにより連結されている。
図1及び図3に示した排ガス処理体20は、排ガス浄化フィルタであり、長手方向に多数のセル21が形成された複数のフィルタユニットが接着材を介して接着されている。このような構成の排ガス処理体20では、内燃機関から排出され、排ガス浄化装置10に流入した排ガス(図1中、排ガスをGで示し、排ガスの流れを矢印で示す)は、排ガス処理体(ハニカムフィルタ)20の排ガス流入側端面20aに開口した1のセル21に流入し、セル21を隔てるセル隔壁22を通過する。この際、排ガス中のPMがセル隔壁22で捕集され、排ガスが浄化されることとなる。浄化された排ガスは、排ガス流出側端面20bに開口した他のセル21から流出し、外部に排出される。なお、23は、目封止部を示している。
排ガス浄化フィルタは、主に炭化ケイ素等の多孔質セラミックからなり、図3に示すように柱状であるが、排ガス浄化フィルタの具体的な形状は特に限定されず、例えば、略三角柱状、略四角柱状、略五角柱、略六角柱等があげられる。この際、排ガス処理体の長手方向に対して垂直な断面の輪郭は、3〜6個のコーナー部と連結部とから構成されており、ケーシングの長手方向に対して垂直な断面の輪郭は、排ガス処理体と同数(3〜6個)のコーナー部と連結部とから構成されている。
本発明の排ガス浄化装置では、ケーシング及び排ガス処理体は、4個のコーナー部を有するものが好ましい。上記排ガス処理体の連結部は直線、又は、上記排ガス処理体の外側に凸となる曲線からなることが望ましい。
なお、図3に示すよう、排ガス浄化フィルタ20の側面(外周)には、排ガス浄化フィルタ20の側面を補強したり、形状を整えたり、排ガス浄化フィルタ20の断熱性を向上させたりする目的で、外周コート層が設けられていてもよい。
次に、排ガス浄化装置を構成するマットについて説明する。
図4は、本発明の排ガス浄化装置を構成するマットの一例を模式的に示す斜視図である。
図4に示すように、マット40は、所定の長手方向の長さ(以下、単に全長ともいう。図4中、矢印Lで示す)、幅(図4中、矢印Wで示す)及び厚み(図4中、矢印Tで示す)を有する無機繊維を含む平面視矩形のマットである。
また、マット40は、凸部41aが形成された端面41と、凹部42aが形成された端面42とを備えている。後述するように、マット40は排ガス処理体20に巻き付けられることになる。凸部41a及び凹部42aは、マット40を排ガス処理体20に巻き付けた際に、ちょうど互いに嵌合するような形状となっている。
また、本発明の排ガス浄化装置10では、接合部310aを構成する空隙35(図1参照)にマット40の一部が挿入されていることが好ましい。接合部310aの空隙35に、マット40が挿入されることにより、排気ガスが排ガス浄化装置10の内部を排気ガスが流通しているときに、コーナー部31aの近傍で排気ガスが漏れるのを防止することができる。
なお、本発明の排ガス浄化装置に係るマットを構成する無機繊維としては、特に限定されないが、アルミナ繊維、アルミナ−シリカ繊維、シリカ繊維、及び、生体溶解性繊維からなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
これら種類の無機繊維が使用されたマットは、保持力に優れ、無機繊維の機械的特性にも優れているので、マットに亀裂や圧壊が発生しにくく、排ガス処理体がしっかりと保持される。
無機繊維の種類は、耐熱性や耐風蝕性等、マットに要求される特性等に応じて変更すればよく、各国の環境規制に適合できるような太径繊維や繊維長のものを使用するのが望ましい。
この中でも、低結晶性アルミナ質の無機繊維が望ましく、ムライト組成の低結晶性アルミナ質の無機繊維がより望ましい。加えて、スピネル型化合物を含む無機繊維がさらに好ましい。高結晶性アルミナ質であると、硬く脆いため、クッション材として用いられるマットには不向きである。
さらに低結晶性アルミナ質かつスピネル型化合物を含む無機繊維の場合、結晶化比率は0.1〜30%の範囲が望ましく、さらには結晶化比率0.4〜20%の範囲がさらに好ましい。この範囲の無機繊維で製作されたマットの反発力及び耐久試験後の復元面圧は高く、性能が良い。しかし、結晶化比率が0.1%未満又は30%を超えると、急激に反発力や復元面圧は急激に低下してしまう。結晶化比率の測定方法は、ムライト回析線(2θ=26.4°)とγアルミナ回析線(2θ=45.4°)の積分強度比より算出することができる。
マットは、無機繊維からなる素地マットに対してニードルパンチング処理が施されていることが望ましい。ニードルパンチング処理とは、ニードル等の繊維交絡手段を素地マットに対して抜き差しすることをいう。
マットにニードルパンチング処理を施すことにより、無機繊維同士の交絡が発生し、マットの強度が向上する。そのため、マットに亀裂や圧壊が発生しにくくなる。
なお、交絡構造を呈するために、無機繊維はある程度の平均繊維長を有していることが望ましく、例えば、無機繊維の平均繊維長は、4〜120mmであることが望ましい。この範囲の平均繊維長であると、ニードルパンチング処理を施した箇所で繊維同士が絡まり、マットの強度を増加させる。好ましいニードルパンチの存在密度は、100cmあたり10〜500個である。ニードルパンチの存在密度が100cmあたり10個未満であると、マットが引き裂かれて分離してしまう。また、ニードルパンチの存在密度が100cmあたり500個を超えるとマットを曲げにくくなり、排気ガス処理体への巻回時に平面状にマットがなろうとし、紐状部材を付与した際に、紐状部材に大きな張力がかかってしまい、紐状部材が破断したりするので好ましくはない。
また、マットの面比重は、400g/m〜2000g/mであることが望ましい。マットの面比重が400g/m未満であると排ガス浄化装置作動時の振動から排ガス処理体を充分に保護することができないため、排ガス処理体の欠損や、ケーシングから脱落するといった不具合が生じる。また、2000g/mを超えると、マットの復元力が強すぎるため、排ガス処理体の強度を上回って破損させてしまう。
マットは、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。マットが多層構造からなる場合には、引掛け部は、複数のマットの同じ位置に形成されていることが望ましい。そうすることで、紐状部材が複数あるマット同士を、はがれないようにさせることができる。通常の多層マットでは、ステッチや接着剤を使用するなどするので、有機分の増加が懸念されるほか、工数が複雑となるので不良の増加や作業効率の低下を招く。
マットが単層構造のマットからなる場合は、マットの厚みTが5〜15mmであることが望ましい。
以下、本発明の排ガス浄化装置の製造方法の一例について説明する。
本発明の排ガス浄化装置の製造方法は、前記長手方向に対して垂直な断面の輪郭が、3〜6個のコーナー部と前記コーナー部同士を連結する連結部とから構成され、前記コーナー部は曲線からなるとともに、前記直線又は曲線からなる排ガス処理体を準備する工程と、
前記排ガス処理体の側面にマットを巻き付けるマット巻付け工程と、
前記連結部と同数のケーシング用部材であって、湾曲部を有するとともに接合用合わせ部を有するものを、前記湾曲部がマットを押し付け、隣り合う前記ケーシング用部材の前記接合用合わせ部が互いに対向するように配置するケーシング用部材配置工程と、
隣り合う前記ケーシング用部材の前記接合用合わせ部を接合してケーシングを作製する接合工程とからなることを特徴とする。
本発明の排ガス浄化装置を製造するには、まず、前記長手方向に対して垂直な断面の輪郭が、3〜6個のコーナー部と前記コーナー部同士を連結する連結部とから構成され、前記コーナー部は曲線からなるとともに、前記直線又は曲線からなる排ガス処理体を準備する。
この説明では、図1に示した排ガス処理体20であって、長手方向に対して垂直な断面の輪郭が正方形の角部がR面取りされた形状のものを用いる。
本発明で用いる排ガス処理体については、本発明の排ガス浄化装置の説明で説明した通りであり、従来公知の方法により製造することができる。従って、ここでは、その製造方法の説明を省略する。
次に、マット巻付け工程として、排ガス処理体の側面にマットを巻き付ける。
上記マットについては、本発明の排ガス浄化装置の説明で説明した通りであるが、まず、その作製方法について、以下に説明する。
上記マットを作製する場合には、まず、所定の大きさのマット材を準備する。マット材の材料等については、上述したので、ここでは、その説明を省略する。
上述した構成のマット材には、必要に応じてバインダを付着させる。マット材にバインダを付着させることで、無機繊維同士の交絡構造をより強固なものとすることができるとともに、マット材の嵩高さを抑えることができる。バインダの添着量としては、マット材の重量を基準として、0.01〜10.0%が望ましい。0.05〜3.0%がさらに望ましく、0.1〜1.5%の範囲が最も望ましい。
バインダとしては、アクリル系ラテックスやゴム系ラテックス等を水に分散させて調製したエマルジョンを用いることができる。このバインダをスプレー等を用いてマット材全体に均一に吹きかけて、バインダをマット材に付着させる。また、上記バインダは有機成分であるが、アルミナ粒子などを含んでいる無機バインダも上記有機バインダと一緒に使用しても良く、上記有機バインダを使用せずに無機バインダのみの使用でも良い。
その後、バインダ中の水分を除去するために、マット材を乾燥させる。乾燥条件としては、例えば、95〜150℃で1〜30分間乾燥させればよい。乾燥工程を経ることでマット材を作製することができる。乾燥は通気乾燥機を使用することが望ましい。通気乾燥機を使用することでマット材の乾燥速度が増加し、さらにマット材の厚さ方向にバインダの添着量が一様にならずに樹脂のマイグレーションにより分布ができる。例えば、通気乾燥機の通気速度や温度など様々な条件設定により、マット材の厚み方向中央部に樹脂量を多く、または少なくするなどの分布調節をすることも可能である。
また、圧縮や減圧環境下の乾燥でも可能であり、乾燥時間を削減することができる。
次に、打ち抜き工程を行い、例えば、図4に示すような形状のマットを作製する。
図5は、上記排ガス浄化装置の製造工程におけるマット巻付け工程を模式的に示した斜視図であり、図6は、本発明の排ガス浄化装置の製造方法におけるケーシング用部材配置工程を模式的に示した断面図である。
上記マット巻付け工程では、図4に示す形状のマット40を作製した後、排ガス処理体20の側面にマット40を巻き付け、図5に示す巻付体50を作製する。
次に、ケーシング用部材配置工程として、図6に示すように、ケーシング30の連結部32aと同数(4個)のケーシング用部材100であって、湾曲部1020aを有するとともに接合用合わせ部101を有するものを、湾曲部1020aがマット40を押し付け、隣り合うケーシング用部材100の接合用合わせ部101が互いに対向するように配置する。
上記ケーシング用部材配置工程においては、4個のケーシング用部材100を上述のように配置した後、配置した排ガス処理体20の長手方向に垂直な方向の断面がT字形状の4個の押し付け部材105を用いて、4個のケーシング用部材100の湾曲部1020aがマット40を押し付けるように押し付け部材105を配置する。押し付け部材105をマット40に押し付ける圧力は、25〜1000kPaが望ましく、250〜450kPaがより望ましい。
次に、接合工程として、隣り合うケーシング用部材100の接合用合わせ部101を溶接等により接合してケーシング30を作製する。
その際、対向する接合用合わせ部101の間にマット40の一部を挿入し、マット40が接合用合わせ部101の間に挿入された状態で接合を行う。これにより、製造された排ガス浄化装置10では、排気ガスが排ガス浄化装置10の内部を流通しているときに、作製されたケーシング30のコーナー部31aの近傍で排気ガスが漏れるのを防止することができる。
上記方法により製造された排ガス浄化装置の製造方法では、湾曲部を有するとともに接合用合わせ部を有するケーシング用部材を、上記湾曲部がマットを押し付け、隣り合う上記ケーシング用部材の上記接合用合わせ部が互いに対向するように配置した後、上記ケーシング用部材の上記接合用合わせ部を接合してケーシングを作製するので、マットにスプリングバックが発生しにくく、得られた排ガス浄化装置では、適切にマットを介して排ガス処理体に圧力をかけて保持することができ、排ガス処理体に対する一定の保持力を維持することができる。
図7は、本発明の排ガス浄化装置の別の一例を模式的に示す断面図である。
図7に示すように、この排ガス浄化装置200を構成する排ガス処理体220は、排ガス処理体220の長手方向に対して垂直な断面の輪郭が、3個のコーナー部226aと3個の連結部227aを有する形状である。この場合、排ガス浄化装置200を構成するケーシング230も3個のコーナー部231aと3個の連結部232aを有する形状であり、ケーシング230のそれぞれの連結部232aは、内側に凸となる曲線からなる湾曲部2320aを有し、接合部2310aで接合されている。なお、図7に示す排ガス処理体220の長手方向に対して垂直な断面の輪郭は、正三角形のコーナー部がR面取りされた形状である。また、符号240はマットである。
図には示していないが、本発明の排ガス浄化装置のさらに別の例では、排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体の長手方向に対して垂直な断面の輪郭が5個、又は、6個のコーナー部と連結部とを有する形状であり、排ガス浄化装置を構成するケーシングの長手方向に対して垂直な断面の輪郭が5個、又は、6個のコーナー部と連結部とを有し、それぞれの連結部は、内側に凸となる曲線からなる湾曲部を有する形状であってもよい。この場合、排ガス処理体の長手方向に対して垂直な断面の輪郭は、五角形又は六角形のコーナー部が面取りされた形状となる。
本発明の排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体において、連結部は、直線のみ又は曲線のみから構成されていてもよい。また、連結部は、直線と曲線との両方から構成されていてもよい。
以下に、本発明の排ガス浄化装置の作用効果について列挙する。
(1)本発明の排ガス浄化装置では、ケーシングの湾曲部に相当する部分で排ガス処理体とケーシングとの間に挿入されたマットに圧力をかけているので、適切にマットを介して排ガス処理体に圧力をかけて保持することができ、排ガス浄化装置は、排ガス処理体に対する一定の保持力を維持することができる。
(2)本発明の排ガス浄化装置では、(1)式で示される湾曲度が5〜95%であると、排ガス処理体とケーシングとの間に挿入されたマットを介して排ガス処理体により適切に圧力をかけることができる。
(3)本発明の排ガス浄化装置で、上記ケーシングは、上記連結部と同数のケーシング用部材であって、湾曲部を有するものを接合することにより製造されていることが望ましい。
上記排ガス浄化装置において、マットが巻き付けられた排ガス処理体の周囲に湾曲部を有するケーシング用部材を配置して接合していると、上記湾曲部がマットを常に押している状態を維持できるので、スプリングバックが発生しにくく、上記スプリングバックを見込んだ過圧縮の必要がない。
(4)本発明の排ガス浄化装置の製造方法において、湾曲部を有するとともに接合用合わせ部を有するものを、上記湾曲部がマットを押し付け、隣り合う上記ケーシング用部材の上記接合用合わせ部が互いに対向するように配置した後、上記ケーシング用部材の上記接合用合わせ部を接合してケーシングを作製するので、マットにスプリングバックが発生しにくく、得られた排ガス浄化装置では、適切にマットを介して排ガス処理体に圧力をかけて保持することができ、排ガス処理体に対する一定の保持力を維持することができる。
(5)本発明の排ガス浄化装置の製造方法におけるケーシング用部材配置工程において、対向する上記接合用合わせ部の間にマットの一部を挿入すると、接合部の近傍における排ガスの漏れを確実に防止することができる。
(実施例)
以下に、本発明の実施形態をより具体的に開示した実施例を示すが、本発明の実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
アルミナ−シリカ組成を有するアルミナ繊維製の素地マットとして、組成比がAl:SiO=72:28である素地マットを用意した。この素地マットに対し、ニードルパンチング処理を施すことで、嵩密度が0.20g/cm、目付量が1591g/mのニードルマットを作製した。
別途、アクリル系ラテックスを水に充分に分散させることで、アクリル系ラテックスエマルジョンを調製しておき、これをバインダとして用いた。
次に、ニードルマットを平面視寸法で全長1100mm×幅1280mmに裁断した。裁断したニードルマットのアルミナ繊維量に対し1.0重量%となるように、裁断したニードルマットに対してバインダを含浸させた。
その後、バインダを付着させたニードルマットを140℃の温度で6分間通気乾燥させることにより、マット材を作製した。
続いて、マット材から図4に示すような形状のマットの打ち抜きを行った。
マット材の打ち抜きは、トムソン刃及び油圧プレス機を用いて行った。
打ち抜いたマットの寸法は、長手方向の長さL=545mm、幅W=110mm、厚さT=9.1mm、凹形状及び凸形状の嵌合部の長手方向の長さがD=50mmである。
排ガス浄化フィルタとして、気孔率が42%、大きさが34.3mm×34.3mm×120mm、セルの数(セル密度)が310個/inch、セル隔壁の厚さが0.18mm、封止部の厚みが3mmの炭化ケイ素焼結体からなる複数のフィルタユニットが接着材を介して接着され、外周加工され、周囲に外周コート層が形成されたものを使用した。
具体的な排ガス浄化フィルタの長手方向に対して垂直な断面の形状は、1辺が145mmの四角形をコーナー部が半径30mmの円弧によりR面取りされた形状である。
上記形状の排ガス浄化フィルタに上述の特性を有するマットを巻き付けた。
次に、図6に示すように、ケーシング用部材配置工程として、4個のケーシング用部材100であって、湾曲部1020aを有するとともに接合用合わせ部101を有するものを、湾曲部1020aがマット40を押し付け、隣り合うケーシング用部材100の接合用合わせ部101が互いに対向するように配置した。
ケーシング用部材の具体的な形状は、コーナー部が半径約34mmの円弧によりR面取りされた形状であり、(1)式中のDは、0.5mmであり、(1)式で示される湾曲度は、11%であった。また、図1(a)に示されている点Pと排ガス処理体20の連結部27aとの距離は、4.5mmであった。
この後、排ガス処理体20の長手方向に垂直な断面が4個のT字形状の押し付け部材105を用いて、4個のケーシング用部材100の湾曲部1020aがマット40を押し付けるように押し付け部材105を配置した。押し付け部材105をマット40に押し付ける圧力は、250〜450kPaであった。
押し付け部材105をマット40に押し付ける直前に、対向する接合用合わせ部101の間にマット40の一部を挿入し、その状態で接合を行った。
このようにして製造された排ガス浄化装置をエンジンの排気管に配置し、排気ガスを導入して、100時間運転を行ったが、同様の排ガス処理体を使用した従来から用いられている排ガス浄化装置と同様に、パティキュレートの漏れはなく、排ガス処理体も、マットに保持された当初の位置からの移動も観察されなかった。
10、200 排ガス浄化装置
20、220 排ガス処理体(排ガスフィルタ)
20a 排ガス流入側端面
20b 排ガス流出側端面
21 セル
22 セル隔壁
23 目封止部
24 外周コート層
25 輪郭
26a、226a 排ガス処理体のコーナー部
27a、227a 排ガス処理体の連結部
28a 曲線
29a 直線
30、230 ケーシング
31a、231a ケーシングのコーナー部
32a、232a ケーシングの連結部
35 空隙
40 マット
41、42 端面
41a 凸部
42a 凹部
50 巻付体
100 ケーシング用部材
101 接合用合わせ部
105 押し付け部材
310a、2310a 接合部
320a、2320a 湾曲部
1020a 湾曲部

Claims (11)

  1. 柱状の排ガス処理体と、
    前記排ガス処理体を収容するケーシングと、
    前記排ガス処理体と前記ケーシングとの間に挿入された無機繊維からなるマットと
    からなる排ガス浄化装置であって、
    前記排ガス処理体の長手方向に対して垂直な断面の輪郭は、3〜6個のコーナー部と前記排ガス処理体のコーナー部同士を連結する連結部とから構成され、前記排ガス処理体のコーナー部は曲線からなるとともに、前記排ガス処理体の連結部は直線又は曲線からなり、前記ケーシングの長手方向に対して垂直な断面の輪郭は、前記排ガス処理体と同数のコーナー部と連結部とから構成され、前記それぞれの連結部は、内側に凸となる曲線からなる湾曲部を有し、
    前記ケーシングは、前記連結部と同数のケーシング用部材であって、湾曲部を有するものを接合することにより製造されていることを特徴とする排ガス浄化装置。
  2. 前記ケーシングの連結部を構成する湾曲部の両側に存在する2点(P、P)が共有する接線Xを引き、前記接線と前記湾曲部の距離が最大となるケーシング上の点Mを求め、点Mと接線Lとの距離をD、点Mと排ガス処理体の連結部との距離をDとし、湾曲度(%)を下記の(1)式により求められる値とした際、前記湾曲度は、5〜95%である請求項1に記載の排ガス浄化装置。
    [D/(D+D)]×100(%)・・・(1)
  3. 前記ケーシングの接合部は外側に突出するとともに、前記接合部の近傍には空隙が形成され、前記空隙の少なくとも一部に前記マットが挿入されている請求項1又は2に記載の排ガス浄化装置。
  4. 前記排ガス処理体の長手方向に対して垂直な断面において、前記排ガス処理体の連結部は直線、又は、前記排ガス処理体の外側に凸となる曲線からなる請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  5. 前記ケーシングのコーナー部の数は4個である請求項1〜4のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  6. 前記排ガス処理体は、前記排ガス処理体のコーナー部と、前記ケーシングのコーナー部とが相対するように前記ケーシング内に収容されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  7. 前記無機繊維は、アルミナ繊維、アルミナ−シリカ繊維、シリカ繊維、及び、生体溶解性繊維からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  8. 前記マットには、さらに、ニードルパンチング処理が施されている請求項1〜7のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  9. 長手方向に対して垂直な断面の輪郭が、3〜6個のコーナー部と前記コーナー部同士を連結する連結部とから構成され、前記コーナー部は曲線からなるとともに、前記連結部は直線又は曲線からなる排ガス処理体を準備する工程と、
    前記排ガス処理体の側面にマットを巻き付けるマット巻付け工程と、
    前記連結部と同数のケーシング用部材であって、湾曲部を有するとともに接合用合わせ部を有するものを、前記湾曲部がマットを押し付け、隣り合う前記ケーシング用部材の前記接合用合わせ部が互いに対向するように配置するケーシング用部材配置工程と、
    隣り合う前記ケーシング用部材の前記接合用合わせ部を接合してケーシングを作製する接合工程とからなることを特徴とする排ガス浄化装置の製造方法。
  10. 前記ケーシング用部材配置工程において、対向する前記接合用合わせ部の間にマットの一部を挿入する請求項9に記載の排ガス浄化装置の製造方法。
  11. 前記排ガス処理体のコーナー部の数は4個であり、前記接合工程において、4個のケーシング用部材を接合してケーシングを作製する請求項9又は10に記載の排ガス浄化装置の製造方法。
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