JP6345556B2 - 分散液及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、分散液組成物及びその製造方法に関する。更に詳細には、本発明は、有機溶剤に不溶な分散質を分散して利用する技術分野、例えば、分散質としての顔料や染料を分散して利用する塗料、印刷インキ、液体現像剤やインクジェットインキ分野、3Dプリンタ用インキ、分散質として無機微粒子を分散して利用する電子材料等の分野、分散質として医薬品を分散して利用する分野、及び分散質として触媒や重合開始剤等を分散して利用する分野等に利用できる分散液組成物とその製造方法に関するものである。また、本発明は、重合することにより分散質を高分子化合物に包含した色材、例えば乾式トナー、粉体塗料、加飾フィルム、ブラックマトリックス、封止剤、及びプラスチック等の分野にも利用できる分散液組成物とその製造方法に関する。
塗料、インキ、化粧品、食品、医薬品及びその他の各種の製造工程において、固体粒子等の分散質を分散させて分散液を作成する工程が含まれている。分散質の分散性を向上させる場合、ガラスビーズやセラミックビーズ等の分散メディアを利用した高分散エネルギーが得られるビーズミル方式の分散装置を用いられるが、上記のような分散メディアを利用した高分散装置は大きな分散エネルギーが得られる反面、重合性単量体を含む分散液を作成する場合においては、発生する熱やメカノケミカル的に発生するラジカルにより、重合性化合物が容易に重合反応を開始してしまい、粘度の増加やゲル化等の問題が発生する。
また、上述のような方法を改良するものとして、特許文献1では、分散時の粘度の増加やゲル化を防止するために重合禁止剤を用いることが開示されているが、粘度の増加やゲル化等の抑制は可能になる反面、重合禁止剤を添加することで、分散液を重合した際に、オリゴマーの生成量が増加する問題があった。
特開2011−12224号公報
本発明の解決課題は、実質的に重合禁止剤を含まずとも、分散液中の重合性単量体反応物含有量が少なく、分散質が重合性単量体中に微細に分散された分散液及び分散液の製造方法を提供することである。
上記課題は、分散質と重合性単量体を混合し、混合物と2MPa以上の圧力である圧縮性流体を混合し、その後減圧膨張して圧縮性流体を気化させ除去することで、重合禁止剤を実質的に含まない状態、具体的には原料である単量体に由来する分散液であって、重合禁止剤の含有量は重合性単量体の重量に対して0.1重量%未満であっても、分散液中の重合性単量体反応物含有量が少なく、分散液中の前記重合性単量体の反応物含有量が前記重合性単量体の全重量に基づいて5重量%未満である分散液である。
重合禁止剤を実質的に含まなくとも、分散液中の重合性単量体反応物含有量が少なく、かつ分散質が重合性単量体中に分散された分散液が得られる。
本発明における、ラインブレンドによる混合方法での分散液の作成に用いる実験装置のフローチャートである。
以下に本発明を詳述する。
本発明に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体又は光重合開始剤から生成するラジカルもしくはイオンにより重合可能な光重合性単量体等が用いられる。前記ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体又は多官能性重合性単量体を使用することができ、二種類以上併用しても良い。
重合性単量体は、25℃、10MPaにおいて圧縮性流体、特に二酸化炭素を前記重合性単量体に対して好ましくは20重量%以上溶解するものであり、より好ましくは50〜200重量%、更に好ましくは80〜150重量%である。
重合性単量体の溶解性パラメーター(SP値)は、好ましくは7〜18、より好ましくは8〜16、特に好ましくは9〜14である。SP値とは、下記に示したように、凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
SP=(ΔE/V)1/2
ここでΔEは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート、エフ.フェードルス(Robert F.Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであれば特に制限はないが、ビニルモノマーとしては、例えば下記(1)〜(10)が挙げられる。
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、及び前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、及び1,7−オクタジエン等。
(1−2)脂環式ビニル炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケン及びアルカジエン類、例えば(ジ)シクロペンタジエン等;テルペン類、例えばピネン等。
(1−3)芳香族ビニル炭化水素:スチレン及びそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等;及びビニルナフタレン。
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩:
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、及び不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物及びそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマー。
(3)スルホン基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩:
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えばビニルスルホン酸;及びその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、及び硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有ビニルモノマー;ならびそれらの塩等。
(4)燐酸基含有ビニルモノマー及びその塩:
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(C1〜C24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸。なお、上記(2)〜(4)の塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩もしくは4級アンモニウム塩が挙げられる。
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、及び蔗糖アリルエーテル等。
(6)含窒素ビニルモノマー:
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、及びペンタメチルピペリジルメタクリレ−ト等、
(6−2)アミド基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリルアミド、及びN−メチル(メタ)アクリルアミド等、
(6−3)ニトリル基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等、
(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、及びジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等、
(6−5)ニトロ基含有ビニルモノマー:ニトロスチレン等。
(7)エポキシ基含有ビニルモノマー:グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、及びp−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)ハロゲン元素含有ビニルモノマー:塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、及びクロロプレン等。
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン類:
(9−1)ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)[ジシクロペンテニルアクリレ−ト等]、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等、
(9−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル等、
(9−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン等。
(10)その他のビニルモノマー:
テトラフルオロエチレン、フルオロアクリレート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、及びm−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
多官能ビニルモノマーであれば、とくに限定はないが、例えば下記(1)〜(3)が挙げられる。
(1)多官能アリルエーテル:
例えば、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、イソシアヌル酸トリアリル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル等。
(2)多官能(メタ)アクリレート
例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートフェニルグリシジルエーテルアクリレート、及びフェニルグリシジルエーテルアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー等。
(3)多官能イソプロペニル:
例えば、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、ビニルトリス(イソプロペニルオキシ)シラン等。
前記光重合性単量体としては、単官能性重合性単量体又は多官能性重合性単量体を使用することができる。
前記光重合性単官能性重合性単量体としては、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メトキシジエチレングリコールモノアクリレート、アクロイルモルホリン、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸シクロヘキシル、オキセタンメタアクリレート等を挙げることができる。
前記光重合性多官能性重合性単量体としては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレ−ト、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、ヒドロキシピオペリン酸エステルネオペンチンルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、トリメチロールプロパンEO付加物トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO付加物トリアクリレート、グリセリンEO付加物トリアクリレート、グリセリンPO付加物トリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート、ジペンタエリストールポリアクリレート等を挙げることができる。
本発明における重合性単量体の含有量は、分散質を除いた分散液の全重量に基づいて、好ましくは20〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは70〜100重量%である。
本発明における分散液は、実質的に重合禁止剤を添加することを必要としない。本発明における重合禁止剤は、原料である単量体に由来するものであり、重合禁止剤の含有量は重合性単量体の重量に対して0.1重量%未満である。好ましくは0.02重量%(200ppm)以下である。重合禁止剤の含有量が0.1重量%以上の場合、オリゴマー生成量が多くなるという問題がある。しかし、問題のない範囲内で重合禁止剤を使用することは可能である。なお、「重合禁止剤」とは、一般的な重合性組成物に配合されているものを意味し、具体的には、例えば、フェノール系酸化防止剤、ヒンダード・アミン光安定剤、リン系酸化防止剤、広く(メタ)アクリルモノマーに用いられるハイドロキノンモノメチルエーテルの他、ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、及びピロガロール等を挙げることができる。
本発明に係る分散液中の前記重合性単量体の反応物含有量(モノマー転化率)とは単量体の重合量(重合率)を意味する。最終的に単量体を重合して得られる樹脂の物性の観点から、分散液中のモノマー転化率が5重量%未満であることが好ましく、より好ましくは2重量%未満、さらに好ましくは1重量%未満である。5重量%以上の場合、樹脂強度、及び耐熱保存性等の物性が低下する。そのため、従来の物理的な剪断を利用したサンドグラインダー等では上記重合禁止剤量では実現できず、圧縮性流体の体積膨張を利用して分散する方法が最適である。
モノマー転化率は、1H−NMR法を用いて下記の計算方法によって求めた値である。
1H−NMR法の詳細を以下に具体的に説明する。
<測定条件>
測定機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)
周波数:300MHz
重水素化溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド
ここでの重水素化溶媒は、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させる溶媒を適宜選択できる。
<モノマー転化率の計算方法>
ここでは、重合性単量体としてスチレンを例に説明する。
分散前のスチレンを1H−NMR測定すると、ビニル基由来の信号(r1)は6.7ppm付近に観測され、芳香族由来の信号(s1)は7.3〜7.4ppm付近に観測される。同様に分散処理後の試料を1H−NMR測定し、ビニル基由来の信号(r2)及び芳香族由来の信号(s2)を観測すると、モノマー転化率は下式〔1〕により算出される。
モノマー転化率(%)={1−(r2/s2)/(r1/s1)}×100 〔1〕
ただし、
r1:分散処理前の6.7ppm付近のビニル基由来の信号の積分値
s1:分散処理前の7.3〜7.4ppm付近の芳香族由来の信号の積分値
r2:分散処理後の6.7ppm付近のビニル基由来の信号の積分値
s2:分散処理後の7.3〜7.4ppm付近の芳香族由来の信号の積分値
である。
前記分散質としては、無機顔料、有機顔料、及び溶剤に溶解しない染料からなる着色剤、固体炭素、フィラー、抗菌剤、医薬、触媒、並びに紫外線吸収剤等が挙げられ、有機溶媒に溶解しなければこれらに限定されない。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、及びマイカ等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリン系、及びイソインドリノン系顔料等が挙げられる。
溶剤に溶解しない染料としては、例えば、アゾ系、アントラキノン系、インジゴ系、フタロシアニン系、カルボニル系、キノンイミン系、メチン系、キノリン系、及びニトロ系等が挙げられ、これらの中でも分散染料が特に好ましい。
有機顔料、無機顔料及び溶剤に溶解しない染料からなる着色剤を用いると、着色された重合性単量体の分散液が得られ、それを重合することでUVインク用組成物やトナー用組成物、加飾フィルム、カラーフィルター、及び顔料マスターバッチ等として用いることができ、従来品と比較して樹脂強度等が優れている。
固体炭素して活性炭、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ハードカーボン、ソフトカーボン、カーボンファイバー、フラーレン、ナノチューブ、グラフェン、グラファイト、及びダイヤモンド等が挙げられる。固体炭素の分散液としては、導電性樹脂、伝導性接着剤、熱伝導性樹脂、タイヤ、及び塗料等として用いることができ、従来品と比較して樹脂強度、導電性、熱伝導性、及び曲げクリープ特性等が優れている。
フィラーとしては、特に制限はないが、例えば、補強用フィラー、ガスバリアフィラー、軽量化フィラー、導電性フィラー、磁性付与フィラー、熱伝導性フィラー、圧電性フィラー、制振性フィラー、遮音性フィラー、摺動性フィラー、断熱性フィラー、電磁波吸収フィラー、光散乱性フィラー、難燃性フィラー、高屈折フィラー、熱線輻射性フィラー、放射線吸収フィラー、紫外線吸収フィラー、吸湿性フィラー、脱臭性フィラー、アンチブロッキングフィラー、吸油フィラー、及び吸水フィラー等が挙げられる。単量体中のオリゴマー量及び重合禁止剤量が少ないので樹脂物性に優れており、引き裂き強度や耐熱性に優れた様々な機能性フィラー分散樹脂等に用いることができる。
補強用フィラーとしては、例えば、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、ゾノトライト、石膏繊維、アルミボレート、MOS、アラミド繊維、各種ファイバー系、カーボンファイバー(炭素繊維)、グラスファイバー(ガラス繊維)、タルク、マイカ、モンモリロナイト、ガラスフレーク、及びポリオキシベンゾイルウイスカー等が挙げられる。自動車用部品、電子部品、建材等の原料、接着剤として用いることで、強度、接着性に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
ガスバリアフィラーとしては、例えば、合成マイカ系、及びクレー等が挙げられる。電子材料原料、包装材料等に用いることで、フィルム上に成形、硬化時の水蒸気バリア性、酸素バリア性、破断強度等が優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
軽量化フィラーとしては、例えば、シリカバルーン、ガラスバルーン、及びシラスバルーン等が挙げられる。スポーツ用品や塗料等に用いることで、軽量化等が優れたファイラー分散樹脂として利用できる。
導電性フィラーとしては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、金属粉、金属繊維、及び金属箔等が挙げられる。電子部品の搬送材、導電回路の接着剤等に用いることで、導電性、ピール強度等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
磁性付与フィラーとしては、例えば、ネオジウム、フェライト系、磁性酸化鉄、サマコバ(Sm−Co)、及びNd−Fe−B等が挙げられる。ボンド磁石等に用いることで、曲げ強度等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
熱伝導性フィラーとしては、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、グラフェン、鉄、及びアルミナ等が挙げられる。電子基盤、エアコンの熱交換部位等に用いることで、熱交換効率等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
圧電性フィラーとしては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、及びポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。圧力センサー、及びピエゾ素子等に用いることで、圧電歪み定数等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
制振性フィラーとしては、例えば、マイカ、黒鉛、チタン酸カリウム、ゾノトライト、炭素繊維、及びフェライト等が挙げられる。塗料等に用いることで、音の減衰性等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
遮音性フィラーとしては、例えば、鉄粉、鉛粉、及び硫酸バリウム等が挙げられる。建築材料等に用いることで、衝撃音の伝播阻害性等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
摺動性フィラーとしては、例えば、黒鉛、六方晶BN、硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン粉、及びタルク等が挙げられる。撹拌機用シール等に用いることで、摺動性に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
断熱性フィラーとしては、例えば、ガラスバルーン、及びシラスバルーン等が挙げられる。塗料等に用いることで、断熱性等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
電磁波吸収フィラーとしては、例えば、フェライト、黒鉛、木炭粉、CMC、CNT、及びPZT等が挙げられる。電子演算機、及び通信機器等に用いることで、電磁波吸収性に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
光散乱性フィラーとしては、例えば、酸化チタン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、アルミ粉、及びマイカ等が挙げられる。レジスト材料、及び光反射板等に用いることで、光散乱性等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
難燃性フィラーとしては、例えば、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、赤燐、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、ドーソナイト、及びメラミン等が挙げられる。建材、及び電車用材料等に用いることで、難燃性等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
高屈折フィラーとしては、例えば、酸化チタン、酸化セリウム、及び酸化ジルコニウム等が挙げられる。反射防止フィルム、及び光取り出しフィルム等に用いることで、樹脂強度等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
熱線輻射性フィラーとしては、例えば、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、MOS、アルミナ、及び木炭粉末等が挙げられる。窓等に用いることで、熱戦輻射性等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
放射線吸収フィラーとしては、例えば、鉛粉、硫酸バリウム、及びタングステン等が挙げられる。分析装置のシールド、及び防護服等に用いることで、放射線吸収性等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
紫外線吸収フィラーとしては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化鉄等が挙げられる。化粧品等に用いることで、紫外線吸収性に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
吸湿性フィラーとしては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及びシリカゲル等が挙げられる。壁紙、及び食品包装等に用いることで、吸湿性、調湿性等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
脱臭性フィラーとしては、例えば、ゼオライト、及び活性白土等が挙げられる。医療器具、及び衣服等に用いることで、脱臭性等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
アンチブロッキングフィラーとしては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、及びポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。インク、及びトナー等に用いることで、ブッロッキング防止性等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
吸油フィラーとしては、例えば、毬藻状炭酸カルシウム、及び毬藻状ゾノトライト等が挙げられる。インキ吸収性印紙等に用いることで、インキにじみ防止性等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
吸水性フィラーとしては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカゲル、ポリピニルアルコール、及びポリアクリル酸(塩)等が挙げられる。化粧品、医療品、及び建築材料等に用いることで、止水性等に優れたフィラー分散樹脂として利用できる。
分散質の含有量は、種類によって異なるが、本製造法によって得られる分散液の全重量に基づいて、90重量%以下が好ましく、より好ましくは60重量%、さらに好ましくは30重量%以下である。
分散液中の分散質は、体積平均粒径が5μm以下の粒子状で微細化しているのが好ましく、さらに好ましくは1μm以下であり、とくに好ましくは0.005μm以上0.5μm以下である。分散液中の分散質の最大粒子径(D90)が5μm以下であることが好ましい。
最大粒子径(D90)とは、積算分布90%の粒径のことである。
体積平均粒径及び最大粒子径(D90)は、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば LB−550:堀場製作所製)、レーザー式粒度分布測定装置(例えば LA−920:堀場製作所製)、及びマルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)等で測定できる。
圧縮性流体としては、重合性単量体が溶解しやすいであれば特に制限はなく、メタン、エチレン、代替フロン等でもよいが、安全性や、取り扱いの容易さ等の点から、液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素が好ましい。
本発明において、液体状態の二酸化炭素とは、二酸化炭素の温度軸と圧力軸とで表す相図上において、二酸化炭素の三重点(温度=−57℃、圧力0.5MPa)と二酸化炭素の臨界点(温度=31℃、圧力=7.4MPa)を通る気液境界線、臨界温度の等温線、及び固液境界線に囲まれた部分の温度・圧力条件である二酸化炭素を表し、超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度以上の温度・圧力条件である二酸化炭素を表す(ただし、圧力は、2成分以上の混合ガスの場合、全圧を表す)。
本発明の製造方法に用いる液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)中には、分散媒としての物性値(粘度、拡散係数、誘電率、溶解度、界面張力等)を調整するために、他の物質を適宜含んでよく、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、及び空気等の不活性気体等が挙げられる。
二酸化炭素と分散液の合計重量に基づいて(X)の重量分率は、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、とくに好ましくは90重量%以上である。
本発明の製造法において、分散質と重合性単量体を含み、重合禁止剤を実質的に含まない分散液に溶剤へ、塗膜の薄膜化等のニーズに応じて添加しても良い。添加する溶剤としては、圧縮性流体、特に二酸化炭素が溶解すること以外に特に制限はないが、常温常圧で液体であり、例えばケトン溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル溶剤(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、環状エーテル等)、エステル溶剤(酢酸エステル、ピルビン酸エステル、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル、乳酸エステル等)、アミド溶剤(ジメチルホルムアミド等)、アルコール溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノール、フッ素含有アルコール等)、芳香族炭化水素溶剤(トルエン、キシレン等)、及び脂肪族炭化水素溶剤(オクタン、デカン等)、水、及びこれらの混合物等の溶剤を使用したものが挙げられる。
本発明の製造方法において、分散質と共に、必要により、本発明の効果を阻害しない範囲で添加剤〔分散剤、レベリング剤、可塑剤、帯電防止剤、荷電制御剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、難燃剤、及び充填剤等〕を用いても差し支えない。
分散剤としては特に限定はなく、公知のものを使用することができる。分散安定剤の添加量は、分散安定性の観点から、分散質の重量に対し0.01〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは0.02〜50重量%、特に好ましくは0.03〜30重量%である。分散安定剤の好ましい重量平均分子量の範囲は100〜10万であり、さらに好ましくは200〜5万、特に好ましくは500〜3万である。この範囲内にすると、分散安定効果が向上する。
レベリング剤としては、オレフィン系重合体(重量平均分子量〔以下Mwと記載〕500〜5,000、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン)、オレフィン系共重合体[Mw500〜20,000、例えばエチレン−アクリル(アクリロニトリル等)共重合体、エチレン−メタクリル共重合体]、(メタ)アクリル共重合体〔Mw1,000〜20,000、例えば商品名:モダフロー[ソルーシア(株)製]〕、ポリビニルピロリドン(Mw1,000〜20,000)、シリコーン系レベリング剤[Mw1,000〜20,000、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルシロキサン、有機(カルボキシル、エーテル、エポキシ等)変性ポリジメチルシロキサン、フッ素化シリコーン]、低分子化合物(ベンゾイン等)及びこれらの混合物等が挙げられる。
レベリング剤の使用量は、得られる分散液の全重量に基づいて、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは0.3〜3重量%である。
可塑剤としては、芳香族カルボン酸エステル系[フタル酸エステル(ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等)等]、脂肪族モノカルボン酸エステル系[メチルアセチルリシノレート、トリエチレングリコールジベンゾエート等]、脂肪族ジカルボン酸エステル系[ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、アジピン酸−プロピレングリコール系ポリエステル等]、脂肪族トリカルボン酸エステル系[クエン酸エステル類(クエン酸トリエチル等)等]、リン酸トリエステル系[トリフェニルホスフェート等]、及びこれらの混合物等が挙げられる。
可塑剤の使用量は、分散液の全重量に基づいて、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは5〜15重量%である。
本発明の分散液の製造方法においては、分散質と重合性単量体と必要により上記添加剤と、2MPa以上の圧力である圧縮性流体とを混合し、その後減圧膨張して圧縮性流体を気化させ除去することで、分散質が重合性単量体中に分散された分散液を得る。
分散液の製造方法について詳細に説明する。
まず、分散質と重合性単量体を混合する。分散質の量は、重合性単量体の重量に対して1〜1000重量%使用するのが好ましく、より好ましくは10〜100重量%、さらに好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは20〜60重量%である。この範囲内において分散液を、取り扱いしやすい粘度で得ることができる。
分散質と重合性単量体を混合し、混合物とする手順としては特に制限はなく、常温の分散質と重合性単量体を混合した後に攪拌混合しても、攪拌混合した分散質あるいは重合性単量体にもう一方を導入しても、どちらでもよい。
添加剤を用いる場合、混合物中に添加剤を含有させる方法としては、あらかじめ分散質と、又は分散質と重合性単量体の混合物と添加剤を混合した後、分散させるのが好ましい。
分散質と重合性単量体と添加剤の合計重量に対する、添加剤の合計重量は、好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは0.1〜60重量%、特に好ましくは0.3〜50重量%である。
分散質と重合性単量体と必要により添加剤の混合物と、圧力が2MPa以上である圧縮性流体を混合する方法は特に限定されないが、好ましい具体的な方法としては、混合物と圧縮性流体の混合を耐圧式の容器で行う場合、混合物を耐圧式の容器に仕込み、必要により加熱し、耐圧容器に備え付けたポンプ等の加圧手段により、所望の圧力に達するまで圧縮性流体を容器内に導入し、混合物と混合する。圧縮性流体と混合物との体積割合は、混合物/圧縮性流体が0.25以上、より好ましくは0.5以上、特に好ましくは0.7以上である。
本発明の分散液の製造方法に用いる耐圧容器は、2MPa以上の使用圧力に耐え得るものであり、容器内で混合物と圧縮性流体を攪拌混合できる設備を備え付けたもので、さらに混合物取り出し部位を備えているものが好ましい。混合物取出し部位の開閉により、圧縮性流体混合後の混合物を高圧状態から所定圧力又は大気中に一気に噴出させることができるものが好ましい。
分散質、重合性単量体、圧縮性流体、及び必要により添加剤の混合物は、大気圧中に瞬時に減圧膨張させる必要があるため、適度な粘度であることが好ましい。さらに粒度分布の観点から、25℃において、好ましくは100Pa・s以下、さらに好ましくは10Pa・s以下である。
また、圧縮性流体〔特に二酸化炭素(X)〕と混合物を混合する際の圧力は、分散質を圧縮性流体中に良好に分散させるために、通常2MPa以上、好ましくは7MPa以上であり、設備コスト、運転コストの観点から、好ましくは40MPa以下である。さらに好ましくは7.5〜35MPa、より好ましくは8〜30MPa、とくに好ましくは8.5〜25MPaである。
圧縮性流体の導入後、しばらく攪拌することで十分混合物に浸透させる。攪拌時間は、圧縮性流体が全体に十分混合される最低限度の時間でよく、1〜30秒で混合できる。そして、温調等をおこなうために1〜6000秒攪拌してもよいが、単量体の安定性の観点から1〜1800秒が撹拌することが好ましく、より好ましくは1〜600秒である。また、圧縮性流体を十分混合することにより混合物の粘度を下がることで拡散係数が上がり、次工程の減圧膨張による分散質の微粒子化を効果的に行うことができる。
また、混合物と圧縮性流体の攪拌混合時の温度は、過昇温による単量体の熱分解、分散質の凝集防止や、吐出時の混合物の温度調整等の点から、好ましくは−57〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃である。
圧縮性流体を所定の圧力もしくは大気圧に減圧し、流体の急激な膨張を発生させることで、流体が浸透していた分散質を微細化させる。減圧膨張後の圧力としては、単量体の気化、圧縮性流体等の凝固が発生しない条件であれば特に制限はないが、圧縮性流体を減圧膨張時の圧力差が2〜100MPaとなることが好ましく、さらに好ましくは5〜30MPa、特に好ましくは7〜25MPaである。
これにより分散質が重合性単量体中に分散された分散液が得られる。
混合物と圧縮性流体の混合は、バッチ式混合方式と連続式混合方式等で製造することが可能であるが、連続式混合方式であるラインブレンド(インライン混合)方法が、生産性の向上、品質の一定化、製造スペースの縮小化等の面から特に好ましい。
バッチ式混合方式に用いる装置の具体例として、耐圧釜のような混合機が挙げられる。装置のミキサー部分の長さ及び配管径、ミキシング装置(エレメント)数に何ら限定はないが、2MPa以上の使用圧力に耐え得るものでなければならない。
バッチ式混合方式に用いる装置の出口には、混合物取り出し用のノズルを備えているのが好ましい。2MPa以上の使用圧力に耐ええるものであれば特に制限はないが、ノズル内径としては、直径6.8cm以下、より好ましくは直径4.2cm以下である。
ラインブレンド方法に用いる装置の具体例として、スタティックミキサー、インラインミキサー、ラモンドスーパーミキサー、スルザーミキサーのような静止型インライン混合機や、バイブミキサー、ターボミキサーのような撹拌型インライン混合機等が挙げられる。装置のミキサー部分の長さ及び配管径、ミキシング装置(エレメント)数に何ら限定はないが、2MPa以上の使用圧力に耐え得るものでなければならない。
ラインブレンド方法に用いる装置の出口には、耐圧容器と同様の、混合物取り出し用のノズルを備えているのが好ましい。
混合物と圧縮性流体の混合方法としては、まず、圧縮性流体を、ラインブレンドを行う装置内に導入して圧力が2MPa以上(好ましい圧力は、前記の耐圧容器を用いて混合する場合と同様)となるよう調整し、次いで混合物を圧縮性流体に導入するのが好ましい。
ラインブレンドを行う温度は、前記の耐圧容器を用いて混合する場合と同様である。また、装置内の滞留時間は、混合が十分行われるのであれば特に限定されないが、0.1〜1800秒が好ましい。
ラインブレンド後の混合物を大気圧まで減圧膨張させ、圧縮性流体を気化させて除くことで、分散質が重合性単量体中に分散された分散液が得られる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部を示す。
<製造例1>[顔料の混合液(A−1)の調製]
ビーカー内に、ピグメントレッド57:1[SYMULER Brilliant Carmine6B、DIC株式会社製]110部、スチレンモノマー[昭和化学株式会社製、安定剤としてtert−Butylcatecohol 30ppm含有]385部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−1)を作成した。
<製造例2>[顔料の混合液(A−2)の調製]
ビーカー内に、ピグメントレッド57:1[SYMULER Brilliant Carmine6B、DIC株式会社製]110部、アクリル酸ブチル[昭和化学株式会社製、安定剤としてヒドロキノンモノメチルエーテル 100ppm含有]385部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−2)を作成した。
<製造例3>[顔料の混合液(A−3)の調製]
ビーカー内に、ピグメントイエロー180[FAST Yellow HG、Clariant社製]110部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル[株式会社日本触媒社製、安定剤としてヒドロキノン50ppm含有]385部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−3)を作成した。
<製造例4>[顔料の混合液(A−4)の調製]
ビーカー内に、ピグメントブルー15:3[シアニンブルー4920、大日精化工業株式会社製]110部、スチレンモノマー[昭和化学株式会社製、安定剤としてtert−Butylcatecohol30ppm含有]385部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−4)を作成した。
<製造例5>[アンチブロッキングフィラーの混合液(A−5)の調製]
ビーカー内に、シリカ[Nipsil-NA、東ソー・シリカ株式会社製]110部、スチレンモノマー[昭和化学株式会社製、安定剤としてtert−Butylcatecohol30ppm含有]440部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−5)を作成した。
<製造例6>[顔料の混合液(A−6)の調製]
ビーカー内に、酸化チタン[CR−EL、石原産業株式会社製]110部、スチレンモノマー[昭和化学株式会社製、安定剤としてtert−Butylcatecohol30ppm含有]440部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−6)を作成した。
<製造例7>[アンチブロッキングフィラーの混合液(A−7)の調製]
ビーカー内に、シリカ[Nipsil-NA、東ソー・シリカ株式会社製]110部、スチレンモノマー[昭和化学株式会社製、安定剤としてtert−Butylcatecohol30ppm含有]352部、及びアクリル酸ブチル[昭和化学株式会社製、安定剤としてヒドロキノンモノメチルエーテル100ppm含有]88部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−7)を作成した。
<製造例8>[固体炭素の混合液(A−8)の調製]
ビーカー内に、SAF カーボンブラック[Vulcan10H、キャボット ジャパン株式会社製]200部、ブタジエン[三井化学株式会社製]80部、スチレンモノマー[昭和化学株式会社製、安定剤としてtert−Butylcatecohol30ppm含有]120部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−8)を作成した。
<製造例9>[補強用フィラーの混合液(A−9)の調製]
ビーカー内に、ウォラストナイト[巴工業株式会社製]110部、スチレンモノマー[昭和化学株式会社製、安定剤としてtert−Butylcatecohol 30ppm含有]385部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−9)を作成した。
<製造例10>[ガスバリアフィラーの混合液(A−10)の調製]
ビーカー内に、モンモリロナイト[クニピアHY、クニミネ工業(株)製]110部、DA600[多官能アクリレート 三洋化成工業株式会社製]385部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−10)を作成した。
<製造例11>[軽量化フィラーの混合液(A−11)の調製]
ビーカー内に、シリカバルーン[日鉄鉱株式会社製]110部、スチレンモノマー[昭和化学株式会社製、安定剤としてtert−Butylcatecohol 30ppm含有]385部、及び分散剤としてサイマックUS−120 [東亜合成株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−11)を作成した。
<製造例12>[導電性フィラーの混合液(A−12)の調製]
ビーカー内に、アセチレンブラック[デンカ株式会社製]110部、スチレンモノマー[昭和化学株式会社製、安定剤としてtert−Butylcatecohol 30ppm含有]385部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−12)を作成した。
<製造例13>[磁性付与フィラーの混合液(A−13)の調製]
ビーカー内に、ネオジウム微粒子[ダイドー電子株式会社製]110部、スチレンモノマー[昭和化学株式会社製、安定剤としてtert−Butylcatecohol 30ppm含有]385部、及び分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム[花王株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−13)を作成した。
<製造例14>[熱伝導性フィラーの混合液(A−14)の調製]
ビーカー内に、窒化ホウ素[HP−P1、水島合金鉄株式会社製]110部、スチレンモノマー[昭和化学株式会社製、安定剤としてtert−Butylcatecohol 30ppm含有]385部、及び分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム[花王株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−14)を作成した。
<製造例15>[圧電性フィラーの混合液(A−15)の調製]
ビーカー内に、チタン酸バリウム[BT−HP9DX、共立マテリアル株式会社製]110部、スチレンモノマー[昭和化学株式会社製、安定剤としてtert−Butylcatecohol 30ppm含有]385部、及び分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム[花王株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−14)を作成した。
<製造例16>[制振性フィラーの混合液(A−16)の調製]
ビーカー内に、超微粒子マイカ[A−11、ヤマグチマイカ株式会社製]110部、多官能アクリレート[DA−600、三洋化成工業株式会社製]385部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−16)を作成した。
<製造例17>[遮音性フィラーの混合液(A−17)の調製]
ビーカー内に、鉄 微粒子[JFE株式会社製]110部、多官能アクリレート[DA−600、三洋化成工業株式会社製]385部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−17)を作成した。
<製造例18>[摺動性フィラーの混合液(A−18)の調製]
ビーカー内に、黒鉛[SCL、SECカーボン株式会社製]110部、多官能アクリレート[DA−600、三洋化成工業株式会社製]385部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−18)を作成した。
<製造例19>[断熱性フィラーの混合液(A−19)の調製]
ビーカー内に、シリカバルーン[日鉄鉱株式会社製]110部、ウレタンアクリレート [UA−1100H、新中村化学工業株式会社製、安定剤として4-メトキシフェノール 200ppm含有]385部、及び分散剤としてサイマックUS−120 [東亜合成株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−19)を作成した。
<製造例20>[電磁場吸収性フィラーの混合液(A−20)の調製]
ビーカー内に、Mn−Zn系ソフトフェライト[BSF−547、戸田工業株式会社製]100部、多官能アクリレート[DA−600、三洋化成工業株式会社製]20部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−20)を作成した。
<製造例21>[光散乱性フィラーの混合液(A−21)の調製]
ビーカー内に、酸化チタン[R−62N、堺化学工業株式会社製]110部、ウレタンアクリレート [UA−1100H、新中村化学工業株式会社製、安定剤として4−メトキシフェノール 200ppm含有]385部、及び分散剤としてサイマックUS−120 [東亜合成株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−21)を作成した。
<製造例22>[難燃性フィラーの混合液(A−22)の調製]
ビーカー内に、ハイドロタルサイト[DHT−4A、協和化学工業株式会社製]110部、ウレタンアクリレート [UA−1100H、新中村化学工業株式会社製、安定剤として4-メトキシフェノール 200ppm含有]385部、及び分散剤としてサイマックUS−120 [東亜合成株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−22)を作成した。
<製造例23>[高屈折性フィラーの混合液(A−23)の調製]
ビーカー内に、微粒子 酸化チタン[MT−100HD、テイカ株式会社製]110部、シリコーンメタクリレート[X−22−2475、信越シリコーン株式会社製]55部、多官能アクリレート[DA−600、三洋化成工業株式会社製]55部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−23)を作成した。
<製造例24>[熱線輻射性フィラーの混合液(A−24)の調製]
ビーカー内に、酸化マグネシウム[MT−100HD、テイカ株式会社製]110部、シリコーンメタクリレート[X−22−2475、信越シリコーン株式会社製]55部、多官能アクリレート[DA−600、三洋化成工業株式会社製]55部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−24)を作成した。
<製造例25>[放射線吸収フィラーの混合液(A−25)の調製]
ビーカー内に、酸化亜鉛[LPZINC、堺化学工業株式会社製]110部、多官能アクリレート[DA−600、三洋化成工業株式会社製]380部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−25)を作成した。
<製造例26>[紫外線吸収性フィラーの混合液(A−26)の調製]
ビーカー内に、微粒子 酸化チタン[MT−100HD、テイカ株式会社製]110部、シリコーンメタクリレート[X−22−2475、信越シリコーン株式会社製]190部、多官能アクリレート[DA−600、三洋化成工業株式会社製]190部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−26)を作成した。
<製造例27>[吸湿性フィラーの混合液(A−27)の調製]
ビーカー内に、微粉 酸化カルシウム[吉沢石灰工業株式会社製]110部、多官能アクリレート[DA−600、三洋化成工業株式会社製]380部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−27)を作成した。
<製造例28>[脱臭性フィラーの混合液(A−28)の調製]
ビーカー内に、ゼオライト[ATR株式会社製]110部、多官能アクリレート[DA−600、三洋化成工業株式会社製]380部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−28)を作成した。
<製造例29>[吸油性フィラーの混合液(A−29)の調製]
ビーカー内に、毬藻状炭酸カルシウム[吉沢石灰工業株式会社製]110部、多官能アクリレート[DA−600、三洋化成工業株式会社製]380部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−29)を作成した。
<製造例30>[吸水性フィラーの混合液(A−30)の調製]
ビーカー内に、シリカ[SFP−d100、電気化学工業株式会社製]110部、多官能アクリレート[DA−600、三洋化成工業株式会社製]380部、及び分散剤としてアジスパーPB822[味の素ファインテクノ株式会社製]11部を入れ、5℃にてTK式ホモミキサーで2,000rpmで撹拌し、混合液(A−30)を作成した。
<実施例1>
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、製造例1で得られた混合液(A−1)30.0部を仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度60℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し10MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、分散質を微細化させ、二酸化炭素を気化させ除去して、分散液(B−1−1)を得た。(B−1−1)中の分散質の濃度は20重量%であった。
<実施例2>
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置(M1)としては、スタティックミキサー(ノリタケカンパニーリミテド社製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まずT1に製造例1で得られた混合液(A−1)124部の混合物を仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度60℃まで昇温し、均一溶液を作製した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.2L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、10MPaとした。次いで、タンクT1、ポンプP1より混合液(A−1)を0.5L/hの流量で導入し、10MPaを維持しながら、M1でラインブレンドされた混合液をノズルからT2内(大気圧)に開放することで、分散質を微細化させ、二酸化炭素を気化させ除去して、分散液(B−1−2)を得た。
<実施例3〜31>
実施例2における混合液(A−1)を、混合液(A−2)〜(A−30)に変更した以外は実施例2と同様の分散液(B−2)〜(B−30)を得た。
<比較例1>
製造例1で得られた混合液(A−1)30.0部をビーズミルによって微分散して、分散液(X−1)を得た。
<比較例2>
製造例1で得られた混合液(A−1)30.0部に安定剤としてtert−Butylcatecoholを添加し、重合禁止剤量を3000ppmとした後、ビーズミルによって微分散して、分散液(X−1−2)を得た。
<比較例3〜31>
比較例1における混合液(A−1)を、混合液(A−2)〜(A−30)に変更した以外は比較例1と同様に混合液をそれぞれ30.0部をビーズミルによって微分散して、分散液(X−2)〜(X−30)を得た。
分散液(B−1−1)、(B−1−2)、(B−2)〜(B−30)、及び比較の分散液(X−1−1)、(X−1−1)、(X−1−2)、(X−2)〜(X−30)についてそれぞれの分散質の体積平均粒径、最大粒子径(D90)5μm以上の割合及び分散処理後のモノマー転化率(重合性単量体の反応物含有量)を評価した。結果を表1及び2に示す。
なお、分散質の体積平均粒径、及び最大粒子径(D90)5μm以上の割合は、堀場製作所製粒子径測定装置LA−920で測定した。
<分散処理後のモノマー転化率>
本発明において、重合性単量体の反応率は、1H−NMR法により求める。1H−NMR法の詳細を以下に具体的に説明する。
<測定条件>
測定機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)
周波数:300MHz
重水素化溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド
ここでの重水素化溶媒は、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させる溶媒を適宜選択できる。
<モノマー転化率の計算方法>
ここでは、重合性単量体としてスチレンを例に説明する。なお、重水素化溶媒には重水素化ジメチルスルホキシドを用いた。しかし、重合性単量体及び重水素化溶媒はこれらに限定されるものではない。
分散前のスチレンを1H−NMR測定すると、ビニル基由来の信号(r1)は6.7ppm付近に観測され、芳香族由来の信号(s1)は7.3〜7.4ppm付近に観測される。同様に分散処理後の試料を1H−NMR測定し、ビニル基由来の信号(r2)及び芳香族由来の信号(s2)を観測すると、モノマー転化率は下式〔1〕により算出される。
モノマー転化率(%)={1−(r2/s2)/(r1/s1)}×100 〔1〕
ただし、
r1:分散処理前の6.7ppm付近のビニル基由来の信号の積分値
s1:分散処理前の7.3〜7.4ppm付近の芳香族由来の信号の積分値
r2:分散処理後の6.7ppm付近のビニル基由来の信号の積分値
s2:分散処理後の7.3〜7.4ppm付近の芳香族由来の信号の積分値
である。
<重合体の品質評価>
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、得られた分散液(B−1−1)、(B−1−2)、(B−2)〜(B−30)及び(X−1−1)、(X−1−2)、(X−2)〜(X−30)を各々30.0部仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル[V−60、和光純薬(株)社製]0.3部を加えて、窒素雰囲気下で攪拌しながら加熱し、系内温度80℃まで昇温した。10時間後に重合物を取り出し、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によってオリゴマー生成量を算出した。
オリゴマー生成量は、GPCチャートで得られる全ピークの面積に対する数平均分子量が1000以下の面積の割合をいう。
なお、得られた重合体のTHF可溶分の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、GPCにより以下の条件で測定することができる。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(Mw 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
Figure 0006345556
Figure 0006345556
表1及び2に示したように、本発明の分散液(実施例1〜31)は、比較例の分散液(比較例1〜31)に比べて、オリゴマー生成量、重合性単量体の反応物含有量(モノマー転化率)が著しく少なく、良好な結果が得られた。
本発明の分散液及び分散液の製造方法により、実質的に重合禁止剤を含まずに、分散液中の重合性単量体反応物含有量が少なく、分散質が重合性単量体中に微細に分散された分散液を製造できる。
T1:溶解槽(最高使用圧力20MPa、最高使用温度200℃、攪拌機つき)
T2:分散液受け槽
B1:二酸化炭素ボンベ
P1:溶液ポンプ
P2:二酸化炭素ポンプ
M1:スタティックミキサー
V1:バルブ

Claims (1)

  1. 分散質と重合性単量体とを含む分散液の製造法であって、重合性単量体がビニルモノマーであって、ビニル炭化水素、カルボキシル基含有ビニルモノマー、ヒドロキシル基含有ビニルモノマー及び多官能(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上であり、重合禁止剤の含有量が重合性単量体の重量に対して0.1重量%未満であって、分散質と重合性単量体と2MPa以上の圧縮性流体とを混合し、その後減圧膨張して圧縮性流体を気化させ除去する工程を含む分散液の製造方法であって、前記圧縮性流体が超臨界状態の二酸化炭素である分散液の製造方法
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