JP6345106B2 - ドライブプレート - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのクランクシャフトおよび動力伝達対象に連結されると共に、エンジンの始動に際してエンジン始動装置のモータにより一方向に回転させられるドライブプレートに関する。
従来、エンジンのクランクシャフトに連結されるリングギヤと、始動用モータに連結されるピニオンギヤとを含み、エンジン始動時にピニオンギヤをリングギヤ側に飛び込ませて当該リングギヤに噛み合わせるエンジン始動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このエンジン始動装置において、リングギヤとピニオンギヤとの双方は、斜歯歯車として構成されている。そして、リングギヤおよびピニオンギヤの歯のねじれ方向は、ピニオンギヤがリングギヤを駆動する状態でピニオンギヤに飛び込み方向のスラスト力が作用するように設定されている。このように、このエンジン始動装置は、リングギヤおよびピニオンギヤとして斜歯歯車を採用することで、エンジン始動時の騒音(ギヤノイズ)の低減化を図っている。
特開2002−130097号公報
しかしながら、エンジンの始動に際し、エンジン始動装置のピニオンギヤには、始動用モータにより駆動されて一方向に回転するリングギヤから当該一方向とは逆方向に反力が作用し、当該反力の作用によりピニオンギヤがリングギヤの軸心に対して傾いてしまうことがある。そして、このようなピニオンギヤの傾きが発生すると、ピニオンギヤの歯とリングギヤの歯とが局所的に当たってしまい、リングギヤに局所的に大きな応力が発生してしまう。また、いわゆるアイドリングストップシステムを搭載した車両では、エンジンの始動回数が大幅に増加する。従って、エンジンのクランクシャフトに連結されるリングギヤに対しては、更なる耐久性の向上を図ることが求められている。
そこで、本発明は、ドライブプレートのリングギヤ部の耐久性をより向上させることを主目的とする。
本発明によるドライブプレートは、エンジンのクランクシャフトおよび動力伝達対象に連結されるプレート部と、前記エンジンを始動させるエンジン始動装置のモータにより回転駆動される平歯車であるピニオンギヤに噛合するリングギヤ部とを含み、前記エンジンの始動に際して前記モータにより一方向に回転させられるドライブプレートにおいて、前記リングギヤ部の各歯の歯すじは、前記モータにより駆動されて前記一方向に回転する前記リングギヤ部からの反力によって該リングギヤ部の軸心に対して傾斜する前記ピニオンギヤの各歯の歯すじと同方向に傾斜させられ、前記リングギヤ部の各歯のねじれ角αは、0.2°以上であることを特徴とする。
このドライブプレートは、エンジンのクランクシャフトおよび動力伝達対象に連結されるプレート部と、平歯車として構成されたエンジン始動装置のピニオンギヤに噛合するリングギヤ部とを含む。また、リングギヤ部の各歯の歯すじは、モータにより駆動されて一方向に回転するリングギヤ部からの反力によって当該リングギヤ部の軸心に対して傾斜するピニオンギヤの各歯の歯すじと同方向に傾斜させられている。そして、リングギヤ部の各歯のねじれ角αは、0.2°以上に定められている。すなわち、このドライブプレートにおいて、リングギヤ部の各歯は、上記反力により当該リングギヤ部の軸心に対して傾斜したピニオンギヤの各歯の歯すじと同方向に極小さいねじれ角で傾斜する斜歯として形成される。これにより、エンジンの始動に際して、モータにより駆動されて一方向に回転するリングギヤ部からの反力によってピニオンギヤがリングギヤ部の軸心に対して傾斜しても、ピニオンギヤの歯とリングギヤ部の歯とが局所的に当たってしまうのを抑制することができる。この結果、エンジン始動時にリングギヤ部に局所的に大きな応力が発生しないようにして、当該リングギヤ部の耐久性をより向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るドライブプレートを示す平面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図1および図2に示すドライブプレートと共に用いられるエンジン始動装置の概略構成図である。 図1および図2に示すドライブプレートのリングギヤ部の構成を説明するための模式図である。 リングギヤ部の各歯のねじれ角を定めるために行った実験・解析結果を説明するための模式図である。
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るドライブプレート1を示す平面図であり、図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。これらの図面に示すドライブプレート1は、車両に搭載された原動機としての図示しないエンジン(内燃機関)から出力される動力を動力伝達対象であるトルクコンバータや流体継手といった図示しない流体伝動装置に伝達するのに用いられるものである。ドライブプレート1は、図示するように、エンジンのクランクシャフトおよび流体伝動装置に連結されるプレート部2と、エンジンをクランキングして始動させるエンジン始動装置(スタータ)50のピニオンギヤ51(図2参照)に噛合可能な環状のリングギヤ部3とを含む。
ドライブプレート1のプレート部2は、例えば冷間圧延鋼板といった可撓性を有する板材(金属板)をプレス加工することにより形成される。図示するように、プレート部2は、中心部に形成された平坦な環状の第1連結部20と、曲げ部23を介して第1連結部20に連なる環状の第2連結部24と、第2連結部24の外周からドライブプレート1(プレート部2)の軸方向に延びる短尺の筒状部27とを有する。
第1連結部20には、その中心に位置するように中心穴21が形成されており、当該中心穴21の周囲には、複数(本実施形態では、例えば8個)の第1連結穴(締結穴)22が等間隔に配設されている。また、第2連結部24には、複数(本実施形態では、例えば6個)の第2連結穴(締結穴)25と、複数(本実施形態では、例えば6個)の軽め穴26とが、それぞれ周方向に一定の間隔(本実施形態では60°間隔)をおいて形成されている。筒状部27は、第2連結部24(プレート部2)の外周から片持ち状に延びるように例えばプレス加工により形成される。
リングギヤ部3は、それぞれ例えばインボリュート曲線により構成された歯面および概ね平坦な歯先面を含むと共にピニオンギヤ51の歯と噛合可能な複数の歯(外歯)30を有する。リングギヤ部3は、例えば既存のリングギヤ製造設備を利用してプレート部2とは別に製造され、プレート部2の筒状部27の外周面に溶接により接合される。これにより、リングギヤ部3は、プレート部2の外周側でドライブプレート1の軸方向に延在する。なお、リングギヤ部3は、プレート部2と別体のものに限られず、例えばプレス加工等によりプレート部2と一体に成形されるものであってもよい。
そして、エンジンのクランクシャフトとプレート部2の第1連結部20とは、各第1連結穴22に挿通されたボルトにより互いに締結される。また、プレート部2の第2連結部24には、筒状部27の端面側から流体伝動装置に固定されたセットブロック5の端面が第2連結穴25を覆うように当接させられ、第2連結部24とセットブロック5とは、各第2連結穴25に挿通されたボルトにより互いに締結される。これにより、ドライブプレート1を介してエンジンと流体伝動装置とが連結され、エンジンから出力される動力を動力伝達対象である流体伝動装置に伝達することが可能となる。また、ピニオンギヤ51とリングギヤ部3とが噛合した状態でエンジン始動装置50を作動させることにより、エンジンをクランキングして始動させることができる。
図3は、エンジン始動装置50を示す概略構成図である。同図に示すように、エンジン始動装置50は、ピニオンギヤ51に加えて、モータMと、ピニオンシャフト52と、減速機構53およびワンウェイクラッチ54を介してモータMの回転軸に連結される駆動軸55と、ピニオン押出ソレノイド56と、モータM、ピニオンシャフト52、減速機構53、ワンウェイクラッチ54およびピニオン押出ソレノイド56等を収容するケース57と含む。ピニオンギヤ51は、平歯車として構成されており、当該ピニオンギヤ51の各歯は、軸心と平行に延びる歯すじを有する。なお、減速機構53は、エンジン始動装置50から省略されてもよい。
ピニオンシャフト52は、少なくとも一端が開口されると共に駆動軸55が挿入される中心孔部を有し、ピニオンシャフト52の内周面には、駆動軸55の外周面に形成された雄ヘリカルスプラインに噛合する雌ヘリカルスプラインが形成されている。これにより、ピニオンシャフト52は、中心孔部に挿入された駆動軸55と一体回転可能かつ軸方向に移動可能となるように連結される。また、ピニオンシャフト52は、軸受58を介してケース57により回転自在かつ軸方向に移動自在に支持され、ピニオンシャフト52の遊端部は、ケース57から外部に突出する。そして、ピニオンギヤ51は、ケース57から突出したピニオンシャフト52の遊端部に固定される。また、ピニオンシャフト52は、シフトレバー59を介してピニオン押出ソレノイド56のプランジャに連結されている。これにより、ピニオン押出ソレノイド56の電磁部に電力を供給することで、図3において白抜矢印で示すように、ピニオンシャフト52を図3に示す退避位置からピニオンギヤ51とリングギヤ部3とが噛合する噛合位置まで軸方向に移動させることができる。
また、ケース57には、エンジン始動装置50が搭載される車両の車体または当該車両の変速機のトランスミッションケースに設けられたケース支持部60に締結(固定)される例えばフランジ状の取付部57aを有する。ケース57は、ピニオンシャフト52および駆動軸55の軸心がドライブプレート1すなわちリングギヤ部3の軸心SC(図2参照)と平行に延在するように車体またはトランスミッションケースに取り付けられる。これにより、ピニオンギヤ51およびピニオンシャフト52は、ケース57を介して車体またはトランスミッションケースにより片持ち状に支持される。本実施形態において、エンジン始動装置50は、図2に示すように、エンジンの始動に際してピニオンギヤ51が流体伝動装置側(変速機側)からドライブプレート1(エンジン側)に向けて移動するようにケース支持部60に取り付けられる。ただし、エンジン始動装置50は、エンジンの始動に際してピニオンギヤ51がエンジン側からドライブプレート1(流体伝動装置側)に向けて移動するように配置されてもよい。
図3に示すように、軸受58は、ピニオンシャフト52の外周面を摺動自在に支持するインナーレース58iや、ケース57により支持されるアウターレース、インナーレース58iとアウターレースとの間に配置される複数のボール等を有するボールベアリングである。本実施形態において、軸受58は、取付部57aやケース支持部60よりもピニオンギヤ51(ピニオンシャフト52の遊端部)に近接するようにケース57内に配置される。そして、ピニオンギヤ側における軸受58のインナーレース58iとピニオンシャフト52との境界(図3におけるA部)は、ケース支持部60とピニオンギヤ51とのピニオンシャフト52の軸方向における間に位置する。
続いて、ドライブプレート1のリングギヤ部3の構成について詳細に説明する。
エンジンの始動に際して、ドライブプレート1は、エンジン始動装置50のモータMにより駆動されて一方向に回転し、ピニオンギヤ51には、図4において破線矢印で示すように、一方向に回転するリングギヤ部3から当該一方向とは逆方向の反力が作用する。従って、エンジン始動時(クランキング時)には、図4に示すように、当該反力の作用によりピニオンギヤ51が本来の軸心、すなわちリングギヤ部3(ドライブプレート1)の軸心SCに対して傾いてしまうおそれがある。
特に、上述のエンジン始動装置50では、ピニオンギヤ51およびピニオンシャフト52が車体またはトランスミッションケースにより片持ち状に支持されることから、リングギヤ部3からの反力によってピニオンギヤ51がリングギヤ部3の軸心SCに対してより傾きやすくなる。すなわち、上記エンジン始動装置50では、リングギヤ部3からの反力がピニオンギヤ51に作用すると、ピニオンシャフト52がピニオンギヤ51側における軸受58のインナーレース58iと当該ピニオンシャフト52との境界(図3におけるA部)を基点として傾き、更に、エンジン始動装置50のケース57がケース支持部60と取付部57aとの境界(図3におけるB部)を基点として傾くことから、ピニオンギヤ51(歯すじ)の傾きが大きくなりがちである。
これを踏まえて、本実施形態のドライブプレート1では、図4に示すように、リングギヤ部3の各歯30の歯すじが、エンジン始動装置50のモータMにより駆動されて一方向に回転するドライブプレート1のリングギヤ部3からの反力によって当該リングギヤ部3の軸心SCに対して傾斜するピニオンギヤ51の各歯51tの歯すじと同方向に僅かに傾斜させられる。すなわち、ドライブプレート1において、リングギヤ部3の各歯30は、上記反力により当該リングギヤ部3の軸心SCに対して傾斜したピニオンギヤ51の各歯51tの歯すじと同方向に極小さいねじれ角αで傾斜する斜歯として形成される。図4に示すように、リングギヤ部3からの反力により当該リングギヤ部3の軸心SCに対して傾斜するピニオンギヤ51の各歯51tの歯すじが右ねじれとなる場合には、リングギヤ部3の各歯30のねじれ方向も、右ねじれとされる。
また、本発明者らは、リングギヤ部3の各歯30のねじれ角αを定めるために、モータMにより駆動されてドライブプレート1が一方向に回転する際のリングギヤ部3の軸心SCに対するピニオンギヤ51の各歯51tの歯すじの傾斜角度β(図4参照)を測定した。傾斜角度βの測定に際しては、ピニオンギヤ51の歯51tの軸方向における両端部のエッジ部51aおよび51bを測定点とした。また、ピニオンギヤ51とリングギヤ部3とを噛合させた状態(ピニオンギヤ51をリングギヤ部3に飛び込ませた状態)であって、ピニオンギヤ51からリングギヤ部3にトルクが伝達されない状態(無負荷状態)でのエッジ部51aおよび51bの位置をゼロ点に設定した。更に、ピニオンギヤ51からリングギヤ部3に伝達されるトルクが最大となるタイミング(エンジン上死点付近)でのエッジ部51aおよび51bの位置を測定し、測定値と上記ゼロ点でのエッジ部51aおよび51bの位置との差分から各歯51tの歯すじの傾斜角度βを算出した。その結果、ドライブプレート1およびエンジン始動装置50における上記傾斜角度βは、0.4°以上かつ0.6°以下の範囲に含まれることが判明した。
このような測定結果を基に、本発明者らは、上記範囲の中央値である0.5°を基準角度とすると共に、リングギヤ部3の製造公差を±0.3°とし、リングギヤ部3の各歯30のねじれ角αを0.2°以上かつ0.8°以下にすることとした。更に、本発明者らは、0.2°以上かつ0.8°以下というねじれ角αの範囲の妥当性を検証すべく、実験・解析を行った。その結果、ねじれ角αが0.2°未満である場合には、エンジンの始動に際して、図5(a)に示すように、例えばリングギヤ部3の歯30の軸方向における流体伝動装置側(飛び込み側:図中下側)の端部がピニオンギヤ51の歯51tの歯面に局所的に当たってしまう(実質的に点接触してしまう)ことが判明した。また、ねじれ角αが0.8°以上である場合には、図5(b)に示すように、エンジンの始動に際して、例えばピニオンギヤ51の歯51tの軸方向におけるエンジン側(反飛び込み側:図中上側)の端部がリングギヤ部3の歯30の歯面に局所的に当たってしまうことが判明した。
これに対して、リングギヤ部3の各歯30のねじれ角αが0.2°以上かつ0.8°以下である場合には、エンジンの始動に際して、リングギヤ部3の歯30がピニオンギヤ51の歯51tの歯面に局所的に当たってしまうのを抑制し、図5(c)に示すように、歯30の歯面と歯51tの歯面とを広い範囲で接触させ得ることが判明した。このような実験・解析結果に基づいて、エンジン始動時にピニオンギヤ51の各歯51tの歯すじがリングギヤ部3の軸心SCに対して0.4°〜0.6°程度傾斜するドライブプレート1およびエンジン始動装置50では、リングギヤ部3の各歯30のねじれ角αが0.2°以上かつ0.8°以下に設定される。
これにより、エンジン始動装置50と共に用いられるドライブプレート1では、エンジンの始動に際して、モータMにより駆動されて一方向に回転するリングギヤ部3からの反力によってピニオンギヤ51がリングギヤ部3の軸心SCに対して傾斜しても、ピニオンギヤ51の歯51tとリングギヤ部3の歯30とが局所的に当たってしまうのを抑制することができる。この結果、エンジン始動時にリングギヤ部3に局所的に大きな応力が発生しないようにして、当該リングギヤ部3の耐久性を極めて良好に確保することが可能となる。
また、上述のように構成されるドライブプレート1をピニオンギヤ51が片持ち状に支持されるエンジン始動装置50と共に用いれば、ピニオンギヤ51の傾きを抑制するためにピニオンシャフト52(および駆動軸55)の外径を大きくしたり、エンジン始動装置50の支持構造(ケース支持部60等)を大型化したりする必要がなくなるので、エンジン始動装置50や車両または変速機(トランスミッションケース)の大型化を抑制することが可能となる。ただし、上述のドライブプレート1がピニオンギヤ51を両持ち状に支持するエンジン始動装置と組み合わされてもよいことはいうまでもない。
なお、エンジン始動装置50と共に用いられるドライブプレート1では、ねじれ角αを大きくし過ぎることでピニオンギヤ51の歯51tとリングギヤ部3の歯30とが局所的に当たってしまうのを良好に抑制することが可能となるが、必ずしも、これに限られるものではない。すなわち、ドライブプレートやエンジン始動装置の諸元によっては、リングギヤ部3の各歯30のねじれ角αを0.8°以上に設定してもよい。
また、ここまでの説明からわかるように、リングギヤ部3の各歯30のねじれ角αと、エンジン始動時におけるリングギヤ部3の軸心SCに対するピニオンギヤ51の各歯51t(歯すじ)の傾斜角度βとが完全に一致する必要はなく、リングギヤ部3の各歯30のねじれ角αは、各歯51tの傾斜角度βとある程度一致していればよい。すなわち、リングギヤ部3の各歯30の歯すじの方向は、エンジン始動時に傾斜したピニオンギヤ51の各歯51tの歯すじの方向と概ね一致していればよい。
以上説明したように、本発明によるドライブプレートは、エンジンのクランクシャフトおよび動力伝達対象に連結されるプレート部と、前記エンジンを始動させるエンジン始動装置のモータにより回転駆動される平歯車であるピニオンギヤに噛合するリングギヤ部とを含み、前記エンジンの始動に際して前記モータにより一方向に回転させられるドライブプレートにおいて、前記リングギヤ部の各歯の歯すじは、前記モータにより駆動されて前記一方向に回転する前記リングギヤ部からの反力によって該リングギヤ部の軸心に対して傾斜する前記ピニオンギヤの各歯の歯すじと同方向に傾斜させられ、前記リングギヤ部の各歯のねじれ角αは、0.2°以上であることを特徴とする。
このドライブプレートは、エンジンのクランクシャフトおよび動力伝達対象に連結されるプレート部と、平歯車として構成されたエンジン始動装置のピニオンギヤに噛合するリングギヤ部とを含む。また、リングギヤ部の各歯の歯すじは、モータにより駆動されて一方向に回転するリングギヤ部からの反力によって当該リングギヤ部の軸心に対して傾斜するピニオンギヤの各歯の歯すじと同方向に傾斜させられている。そして、リングギヤ部の各歯のねじれ角αは、0.2°以上に定められている。すなわち、このドライブプレートにおいて、リングギヤ部の各歯は、上記反力により当該リングギヤ部の軸心に対して傾斜したピニオンギヤの各歯の歯すじと同方向に極小さいねじれ角で傾斜する斜歯として形成される。これにより、エンジンの始動に際して、モータにより駆動されて一方向に回転するリングギヤ部からの反力によってピニオンギヤがリングギヤ部の軸心に対して傾斜しても、ピニオンギヤの歯とリングギヤ部の歯とが局所的に当たってしまうのを抑制することができる。この結果、エンジン始動時にリングギヤ部に局所的に大きな応力が発生しないようにして、当該リングギヤ部の耐久性をより向上させることが可能となる。
なお、「同方向」とは、リングギヤ部の各歯のねじれ角αと、エンジン始動時におけるリングギヤの軸心に対するピニオンギヤの各歯(歯すじ)の傾斜角度とが完全に一致していることのみを意味するものではなく、リングギヤ部の各歯のねじれ角αと、ピニオンギヤの各歯の傾斜角度とがある程度一致していることをも意味する。すなわち、リングギヤ部の各歯の歯すじの方向は、エンジン始動時に傾斜したピニオンギヤの各歯の歯すじの方向と概ね一致していればよい。更に、リングギヤ部は、プレート部に接合される当該プレート部とは別体の部材であってもよく、例えばプレス成形等によりプレート部と一体に成形されてもよい。
また、前記リングギヤ部の各歯のねじれ角αは、0.8°以下であってもよい。これにより、ねじれ角αを大きくし過ぎることでピニオンギヤの歯とリングギヤ部の歯とが局所的に当たってしまうのを良好に抑制することが可能となる。
更に、前記モータにより駆動されて前記リングギヤ部が前記一方向に回転する際の該リングギヤ部の軸心に対する前記ピニオンギヤの各歯の歯すじの傾斜角度βは、0.4°以上かつ0.6°以下であってもよい。このように、ピニオンギヤがリングギヤ部からの反力により当該リングギヤ部の軸心に対して0.4°〜0.6°程度傾斜する場合に、リングギヤ部の各歯のねじれ角αを0.2°以上かつ0.8°以下にすることで、リングギヤ部の耐久性を極めて良好に確保することが可能となる。
また、前記ピニオンギヤは、前記モータにより回転駆動されるピニオンシャフトの遊端部に固定されてもよい。このようにピニオンギヤがピニオンシャフトの遊端部に固定される場合、当該ピニオンギヤは片持ち状に支持されることから、モータより駆動されて一方向に回転するリングギヤ部からの反力によってピニオンギヤがリングギヤ部の軸心に対してより傾きやすくなる。従って、上述のようなドライブプレートをピニオンギヤが片持ち状に支持されるエンジン始動装置と共に用いれば、ピニオンギヤの傾きを抑制するためにピニオンシャフト等の外径を大きくしたり、エンジン始動装置の支持構造を大型化したりする必要がなくなるので、エンジン始動装置等の大型化を抑制することが可能となる。
更に、前記エンジン始動装置は、前記モータを収容すると共に、前記エンジンを搭載した車両の車体または変速機のトランスミッションケースに設けられたケース支持部に取り付けられる取付部を有するケースを含んでもよく、前記ピニオンシャフトは、軸受を介して前記ケースにより回転自在に支持されてもよく、前記ピニオンギヤ側における前記軸受のインナーレースと前記ピニオンシャフトとの境界は、前記ケース支持部と前記ピニオンギヤとの前記ピニオンシャフトの軸方向における間に位置してもよい。このように構成されるエンジン始動装置では、リングギヤ部からの反力がピニオンギヤに作用すると、ピニオンシャフトがピニオンギヤ側における軸受のインナーレースとピニオンシャフトとの境界を基点として傾き、更に、ケースが車体またはトランスミッションケースのケース支持部と取付部との境界を基点として傾くことから、ピニオンギヤの傾きが大きくなりがちである。従って、かかるエンジン始動装置と共に上述のドライブプレートを用いれば、ピニオンギヤの傾きを抑制するためにピニオンシャフトの外径を大きくしたり、エンジン始動装置の支持構造を大型化したりする必要がなくなるので、エンジン始動装置や車両または変速機(トランスミッションケース)の大型化を抑制することが可能となる。
そして、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本発明は、エンジンからの動力を動力伝達対象に伝達するドライブプレートの製造産業において利用可能である。
1 ドライブプレート、2 プレート部、3 リングギヤ部、5 セットブロック、20 第1連結部、21 中心穴、22 第1連結穴、23 曲げ部、24 第2連結部、25 第2連結穴、26 軽め穴、27 筒状部、30,51t 歯、50 エンジン始動装置、51 ピニオンギヤ、51a,51b エッジ部、52 ピニオンシャフト、53 減速機構、54 ワンウェイクラッチ、55 駆動軸、56 ピニオン押出ソレノイド、57 ケース、57a 取付部、58 軸受、58i インナーレース、59 シフトレバー、60 ケース支持部、M モータ、SC 軸心。

Claims (3)

  1. エンジンのクランクシャフトおよび動力伝達対象に連結されるプレート部と、前記エンジンを始動させるエンジン始動装置のモータにより回転駆動される平歯車であるピニオンギヤに噛合するリングギヤ部とを含み、前記エンジンの始動に際して前記モータにより一方向に回転させられるドライブプレートにおいて、
    前記リングギヤ部の各歯の歯すじは、前記モータにより駆動されて前記一方向に回転する前記リングギヤ部からの反力によって該リングギヤ部の軸心に対して傾斜する前記ピニオンギヤの各歯の歯すじと同方向に傾斜させられ、
    前記リングギヤ部の各歯のねじれ角αは、0.2°以上かつ0.8°以下であり、
    前記モータにより駆動されて前記リングギヤ部が前記一方向に回転する際の該リングギヤ部の軸心に対する前記ピニオンギヤの各歯の歯すじの傾斜角度βは、0.4°以上かつ0.6°以下であることを特徴とするドライブプレート。
  2. 請求項1に記載のドライブプレートにおいて、
    前記ピニオンギヤは、前記モータにより回転駆動されるピニオンシャフトの遊端部に固定されていることを特徴とするドライブプレート。
  3. 請求項2に記載のドライブプレートにおいて、
    前記エンジン始動装置は、
    前記モータを収容すると共に、前記エンジンを搭載した車両の車体または変速機のトランスミッションケースに設けられたケース支持部に取り付けられる取付部を有するケースを含み、
    前記ピニオンシャフトは、軸受を介して前記ケースにより回転自在に支持され、
    前記ピニオンギヤ側における前記軸受のインナーレースと前記ピニオンシャフトとの境界は、前記ケース支持部と前記ピニオンギヤとの前記ピニオンシャフトの軸方向における間に位置することを特徴とするドライブプレート。
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