JP6342628B2 - 複合フィルム - Google Patents

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本発明は、樹脂フィルムをその材料に含む複合フィルムに関する。
例えば、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)によるフィルムであるETFEフィルムが知られている。ETFEフィルムは通常ETFEのみでできている。ETFEフィルムは、その透光性の高さ(例えば、90%程度。)が特徴的であり、例えばその厚さが250μm程度のものが、農業用のビニールハウス等に用いられている。
その透光性を生かしてETFEフィルムを、例えば膜屋根や膜天井等を構成する建築材料として用いたいという要求もある。しかしながらETFEフィルムは、防炎性能に劣るため、建築材料に対する防炎性能についての要求が厳しい日本では特に、建築材料として用いることが難しい。
また、建築材料にETFEのみでできたETFEフィルムを用いようとした場合には、強度が若干足りない嫌いがある。
このような点を考慮して、ガラス繊維布を2枚のETFEフィルムでサンドイッチしてなるETFE複合フィルムも存在している(例えば、WO2008/105298)。しかしながら、このようなETFE複合フィルムの防炎性能を十分高くするとともに、最終的なETFE複合フィルムの強度を十分なものにしようとすると、ガラス繊維布の厚みが厚くなりすぎ、ETFEフィルムの最大の利点である透光性が低下する。
他方、ETFEの代わりに、半透明の樹脂によるフィルムを用い、そのようなフィルム2枚の間にガラス繊維布を挟むことによっても、透光性、防炎性能、及び強度をある程度のバランスで備えたETFE複合フィルムと同様の複合フィルムを得ることができる。しかしながら、このような複合フィルムにおいても、その透光性と、防炎性能、及び強度とがバーターの関係となるので、上述のETFE複合フィルムで生じる課題がやはり生じてしまう。
本発明は、防炎性能と強度に優れ、且つある程度の透光性を有する樹脂と、ガラス繊維布とによる複合フィルムを提供することをその課題とする。
以上の課題を解決するための本願発明は、以下のようなものである。
本願発明は、その両面が透明又は半透明の樹脂でできている複合フィルムであり、その内部に、不燃性の繊維でできた糸である第1繊維糸と、ガラス繊維でできた糸である第2繊維糸とで織られた織物を含んでいる。そして、前記織物中の前記第1繊維糸は、前記複合フィルムの強度を担える程度に太く、且つ前記織物中の前記第1繊維糸による部分は複合フィルムの透光性を確保できる程度の開口率を持つように織られており、前記織物中の前記第2繊維糸は、前記複合フィルムの透光性を確保できる程度に細く、且つ前記織物中の前記第2繊維による部分は前記複合フィルムの防炎性を確保できる程度に密に織られている。
本願の複合フィルムは、その内部に織物を含んでいるが、織物は、第1繊維糸と第2繊維糸という2種類の繊維による糸で織られている。この2種類の糸にそれぞれ異なる役割を担わせることにより、本願の複合フィルムは、防炎性能と強度に優れ、且つある程度の透光性を有する複合フィルムとなる。
なお、本願でのフィルムの用語の定義は、薄いフィルムだけでなく、多少厚みのあるシート状の材料(膜材料)も含むものとする。
本願の複合フィルムは、上述のように、その両面が透明又は半透明の樹脂でできている。
透明又は半透明の樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリウレタン樹脂(PU)、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、ナイロン樹脂(PA)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC),メチルペンテン樹脂(TPX)、シリコン樹脂、フッ素樹脂などの合成樹脂が挙げられる。また、樹脂のみの透光率としては、40%以上のものが、透明又は半透明の樹脂として利用可能である。
上記フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられる。
第1繊維糸と第2繊維糸の担う役割について説明する。
ここで、複合フィルムの強度を担うのは第1繊維糸である。第1繊維糸は、基本的に複合フィルムの強度を担うが、複合フィルムの防炎性をも考慮すべきなので、不燃性の素材でできている。そして、第1繊維糸は複合フィルムの強度の向上の役割を担う。それが可能なように、織物中の第1繊維糸は、複合フィルムの強度を担える程度に太いものとされる。なお、本願では、「複合フィルムの強度を担える」とは、複合フィルムの強度が50N/3cm以上であることを意味するものとする。この程度の強度であれば、複合フィルムを建築材料として用いるに足りるからである。もっとも、ある程度の太さの第1繊維糸を用いた場合、それが複合フィルムの透光性を落としかねない。そこで、本願発明の織物中の第1繊維糸による部分は複合フィルムの透光性を確保できる程度の開口率を持つように織られたものとしている。つまり、織物中の第1繊維糸による部分は十分な開口率を確保することにより、複合フィルムの透光性に与える影響をなるべく抑えるようにしている。
他方、複合フィルムの防炎性を担うのは第2繊維糸である。第2繊維糸は、複合フィルムの防炎性を考慮して、不燃性の素材、それもガラス繊維でできている。第2繊維糸をガラス繊維とするのは以下の理由による。複合フィルムの防炎性を高めるには、第2繊維糸を、前記複合フィルムの防炎性を確保できる程度に密に織る必要があるが、そうすると織物の中における織物中の第1繊維糸による部分でそうしたように、透光性を確保できる程度の開口率を与えることにより複合フィルムの透光性を確保するというのは困難である。そこで、第2繊維糸の繊維を、不燃性を持つ上、それ自体透光性の高いガラス繊維としたのである。なお、本願の第2繊維糸により確保される複合フィルムの防炎性は、建築基準法第2条第九号および建築基準法施行令第108条の2で定められる技術基準に適合する不燃性を持つ材料に該当するものと定義される。第2繊維糸の繊維として採用される、不燃性を持つ上、それ自体透光性の高いガラス繊維は、法律の定める上記材料にも合致する。もっとも、第2繊維糸を透光性が高いガラス繊維としたとしても、それが余りに太いと複合フィルムの透光性に影響を与える可能性がある。そこで、本願発明の織物中の第2繊維糸は、複合フィルム全体としての透光性を確保できる程度に細いものとする。
つまり、本願発明は、第1繊維糸と第2繊維糸にそれぞれ異なる役割を担わせるのみならず、それぞれ異なるやり方で複合フィルムの透光性を損なわないようにさせるという点をその基本的な考え方としている。
本願発明の複合フィルムが持つべき透光性は、可視光透過率が、15%〜85%とすることができる。
前記織物は、前記第1繊維糸で織られた第1織物と、前記第2繊維糸で織られた第2織物とを含んでいてもよい。或いは、前記織物は、前記第1繊維糸と前記第2繊維糸とが混織された1枚物であってもよい。
いずれによっても、防炎性能と強度に優れ、且つある程度の透光性を有する複合フィルムを得られる。
前記第1繊維糸の繊維は、上述の条件が満たされるのであればその素材には特に制限はなく、不透明な素材により形成されていても構わない。前記第1繊維は、ガラス繊維、カーボン繊維、ステンレス繊維、バサルト繊維、アラミド繊維のいずれかとすることができる。
上述のように、第1繊維糸は、複合フィルムの強度を担う。そのために第1繊維糸にはある程度の太さが要求される。しかしながら第1繊維糸が太すぎると、複合フィルムの透明度や靭やかさに影響が生じる。そのような観点から、前記第1繊維糸の太さは、0.1mm〜5mmとするのが好ましい。
織物中の第1繊維糸による部分の開口率は、上述のように、複合フィルム全体としての透光性を確保できる程度のものとする。前記織物中の前記第1繊維糸による部分の開口率は、例えば、前記第1繊維糸によるメッシュの空隙率が15%〜95%の間となるようにすることができる。こうすることにより、複合フィルムの透光性を確保することが可能となる。複合フィルムの透光性がより高く必要である場合程、前記第1繊維糸によるメッシュの空隙率を大きくすれば良いのは当然である。
第1繊維糸は、上述のように複合フィルムの強度を担う。織物の中で第1繊維糸がずれると織物のひいては複合フィルムの強度の低下を招くおそれがある。そのため、第1繊維糸は、ずれにくい織り方で織るのが好ましい。その例としては、からみ織又は模紗織を挙げることができる。
第2繊維糸は、上述の条件が満たされるガラス繊維であれば良い。
上述のように、複合フィルムの防炎性を担う第2繊維糸は、複合フィルムに適当な防炎性を与えられる程度に密に織られたとしても複合フィルムの透光性に与える影響を出来るだけ小さくするために、ある程度細くする必要がある。例えば、前記第2繊維糸の太さは、50dtex〜1500dtexとすることができる。こうすることにより、複合フィルム全体としての透光性を確保できることになる。
また、前記織物中の前記第2繊維糸による部分の糸同士の空隙の間隔は0.5mm以下とすることができる。糸同士の空隙の間隔をこれ以下とすることにより、複合フィルムの防炎性を高められることになる。
本願発明の複合フィルムの第1の製法を説明するための側面図。 本願発明の複合フィルムの第2の製法を説明するための側面図。 本願発明の複合フィルムの第4の製法を説明するための側面図。 本願発明の複合フィルムの第5の製法を説明するための側面図。 本願発明の複合フィルムの第6の製法を説明するための側面図。 本願発明の複合フィルムの第8の製法を説明するための側面図。
以下、本発明の好ましい第1、第2実施形態を説明する。
各実施形態において共通する対象には共通の符号を付すこととし、重複する説明は場合により省略するものとする。
≪第1実施形態≫
以下、第1実施形態の複合フィルムの構成及びその製造方法について説明する。この実施形態で説明する製造方法は4種類ある。
この実施形態で説明するいずれの製造方法でも、第1繊維糸で織られた第1織物と、第2繊維糸で織られた第2織物という2種類の織物を用いる。
<第1の製法>
第1の製法では、図1に示したように、ETFEでできた既存の2枚のETFEフィルム10の間に、第1織物20と第2織物30とを挟み込み、その状態で、2枚のETFEフィルム10の少なくとも一方の面から加熱を行うことで、複合フィルムを製造する。
ETFEフィルムは、厚さ30μm〜500μmである。
なお、ETFEフィルムを構成するETFEは、本願における透明又は半透明の樹脂の一例として選択されたものである。ETFEに代えて、以下の透明又は半透明の樹脂でできたフィルムを用いても、以下に説明するような複合フィルムを製造することが可能である。この事情は、本願のすべての実施形態と、製法において共通である。
上述の透明又は半透明の樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリウレタン樹脂(PU)、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、ナイロン樹脂(PA)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC),メチルペンテン樹脂(TPX)、シリコン樹脂、フッ素樹脂などの合成樹脂が挙げられる。また、樹脂のみの透光率としては、40%以上のものが、透明又は半透明の樹脂として利用可能である。
上記フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられる。
第1織物20は、第1繊維糸21で織られてなる。第1繊維糸21は、完成した複合フィルムの強度を増す。
第1繊維糸21の繊維は、ガラス繊維、カーボン繊維、ステンレス繊維、バサルト繊維、アラミド繊維のいずれかでできている。これには限られないが、この実施形態では、第1繊維糸21は、ガラス繊維である。
第1繊維糸21は、複合フィルムの強度を高める役割を担うため一定の太さが必要であるが、あまりに太いと複合フィルムの靭やかさを損なうから、その太さは、0.1mm〜5mmとされている。第1繊維糸21がガラス繊維(比重は2.54〜2.60)である場合には、その糸の太さは、150dtex〜20000dtexとするのが良い。
上述したように、第1織物20は、第1繊維糸21を織ってできている。第1繊維糸21は、第1織物20中でずれ難くなるような織り方で織られている。具体的には、第1織物20は、からみ織又は模紗織で織られている。
また、第1織物20は、ある程度太い第1繊維糸21で織られているため、あまり密であると完成後の複合フィルムの透光性に影響を与える可能性がある。そこで、この実施形態の第1織物20は、複合フィルム全体としての透光性を確保できる程度の開口率を持つように織られている。具体的には、第1織物20中の開口率は、第1繊維糸21によるメッシュの空隙率が15%〜95%の間となるようにされている。
第2織物30は、第2繊維糸31で織られてなる。第2繊維糸31は、完成した複合フィルムの防炎性を増す。
第2繊維糸31の繊維は、ガラス繊維できている。これは、防炎性と完成後の複合フィルムの透光性を両立させるために選択されたものである。
第2繊維糸31は、複合フィルムの防炎性を高める役割を担うため、密に織られている。より具体的には、第2織物31の糸同士の空隙の間隔は0.5mm以下となるようにされている。第2織物31の織り方は特に制限はないが、例えば平織である。
第2繊維糸31は密に織られるため、第2繊維糸31があまりに太いと完成後の複合フィルムの透光性が損なわれる。そのため、第2繊維糸31の太さは50dtex〜1500dtexとされている。
上述した通り、第1の製法では、図1に示したように、ETFEでできた既存の2枚のETFEフィルム10の間に、第1織物20と第2織物30とを挟み込み、その状態で、2枚のETFEフィルム10の少なくとも一方の面から加熱を行うことで、複合フィルムを製造する。
なお、第1の製法では、2枚のETFEフィルム10に挟み込まれた第1織物20と第2織物30は、予め所定の接着剤で接着されている。第1織物20と第2織物30はいずれも無機繊維でできているので、無機繊維を接着できる公知の接着剤を用いれば普通に接着できる。図1で第1織物20と第2織物30の間に示された層が接着剤による接着層40である。接着層40の厚さは、複合フィルムの透光性に大きな影響を与えないように、250μm以下とする。なお、接着剤は、複合フィルムの完成後においてもその接着性能が維持するように、紫外線に強い耐性を持つものを選択すべきである。複合フィルムの透光性が高いため、接着剤に対する紫外線の影響が大きくなり易いからである。なお、以下に登場する接着剤にもこの点は妥当する。
複合フィルムを製造するときの上述の加熱は、2枚のETFEフィルム10と、第1織物20と、第2織物30と接着層40の全体の温度がETFEの融点(270℃)を超えるようなものとする。また、加熱時間は、10秒とする。
そうすると、図1において上側のETFEフィルム10の内側の面が溶融し、溶融したETFEが第1織物20の目を通って接着層40に至り、ETFEフィルム10と接着層40とを溶融したETFEがブリッジした状態となる。また、図1において下側のETFEフィルム10の内側の面が溶融し、溶融したETFEが第2織物30の目を通って接着層40に至り、ETFEフィルム10と接着層40とを溶融したETFEがブリッジした状態となる。
その後冷却を行うと、接着層40を介して接着された第1織物20及び第2織物30と、それを挟み込む2枚のETFEフィルム10とが互いに固定される。
これにより、第1の製法による複合フィルムが完成する。
なお、複合フィルムの第1の製法では、上述のように、予め所定の接着剤で接着された第1織物20と第2織物30とを2枚のETFEフィルム10に挟み込んでから加熱することとしたが、第1織物20と第2織物30は加熱に先んじて必ずしも接着されている必要はない。
例えば、上記接着剤の代わりに、第1織物20と第2織物30の間の図1における接着層40として、薄い、例えば厚さ10μm〜250μm程度のETFEフィルムか、ETFEよりも融点の低いフッ素樹脂(例えば、融点が260℃のFEP:四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)でできたフッ素樹脂フィルムを挟み込み、フッ素樹脂を挟み込んだ第1織物20と第2織物30を更に2枚のETFEフィルム10で挟み込んだ状態としてから(この場合、これら5つの層の積層を行う順番は不問である。)、上述の場合と同様の加熱を行えばよい。
この場合、フッ素樹脂フィルムは予め第1織物20と第2織物30と加熱圧着等により少なくとも仮接着されていても良いが、必ずしも接着されている必要はない。ETFEかETFEよりも融点の低いフッ素樹脂でできたフッ素樹脂フィルムは、加熱により溶融し、第1織物20と第2織物30との間の隙間を埋めるとともに、2枚のフッ素樹脂フィルムの内側面から生じる溶融したETFEと、第1織物20又は第2織物30を超えてブリッジする。
その後冷却を行うと、第1織物20及び第2織物30と、それを挟み込む2枚のETFEフィルム10とが互いに固定される。
なお、第1の製法における第1織物20と第2織物30とを挟む2枚のETFEフィルムを、既に述べたように、上述の「透明又は半透明の樹脂」でできたフィルムに置換えることができる。この場合、接着層40の代わりとして用いることのできる上述の薄いETFEフィルムは、2枚の「透明又は半透明の樹脂」でできたフィルムよりも薄く(例えば厚さ10μm〜250μm程度)、且つ2枚の「透明又は半透明の樹脂」でできたフィルムと同じ素材か、それよりも融点の低い樹脂でできたフィルムに置換えることができる。要するに、2枚のETFEフィルムを、既に述べたように、上述の「透明又は半透明の樹脂」でできたフィルムに置換えた場合には、その2枚のフィルムを構成する「透明又は半透明の樹脂」の融点以下の溶融を持ち、2枚の「透明又は半透明の樹脂」でできたフィルムと同程度以上に簡単に溶融して接着剤と同様の機能を発揮することができる、透明又は半透明の樹脂を、接着剤の代わりとなるフィルムの材料に用いれば良い。
<第2の製法>
第2の製法により完成した複合フィルムを図2に示す。
図2に示したように、この複合フィルムは、2枚のETFEフィルム10の間に、2つの接着層41、42が配され、その2つの接着層41、42の間に、接着層40によって接着された第1織物20と第2織物30とが挟み込まれたものとなっている。
第2の製法は、第1の製法のような加熱を行わず、接着層41により図2における上側のETFEフィルム10と第1織物20を、接着層40により第1織物20と第2織物30とを、接着層42により第2織物30と下側のETFEフィルム10とを、それぞれ接着することにより複合フィルムを完成させるというものである。3箇所の接着の順番は不問である。
第2の製法におけるETFEフィルム10、第1織物20、第2織物30、及び接着層40の形成に用いる接着剤はそれぞれ、第1の製法で用いられたものと同様であり、また第2の製法における接着層41及び接着層42の形成に用いる接着剤は、第1の製法における接着層40の形成に用いる接着剤と同様のものである。
第2の製法における、接着層40による第1織物20と第2織物30との接着方法は、第1の製法の場合と同様である。
第2の製法における接着層41による図2における上側のETFEフィルム10と第1織物20との接着、及び接着層42による第2織物30と下側のETFEフィルム10との接着も基本的には、第1の製法と同じである。しかしながら、フッ素樹脂であるETFEフィルム10には通常、接着層41又は接着層42を形成する接着剤は接着しにくいので、第2の製法では、ETFEフィルム10の接着剤による接着がなされる側の面を、例えばコロナ処理で予め荒らし、接着剤による接着を可能ならしめている。
なお、第2の製法における2枚のETFEフィルムを、既に述べたように、上述の「透明又は半透明の樹脂」でできたフィルムに置換えることが可能である。置換えられたフィルムがフッ素樹脂でできている場合には、上述のコロナ処理の如き接着が行われる側の面を予め荒らす工程が有用である。しかしながら、通常の接着剤で容易に接着される樹脂が、2枚のETFEフィルムに置換えられる2枚のフィルムの材料である「透明又は半透明の樹脂」として選択された場合には、それらのうちの接着される側の面を予め荒らす工程は不要である。
<第3の製法>
第3の製法により完成した複合フィルムは、第2の製法により完成した複合フィルムと同様の図2に示したようなものとなる。
第3の製法は、殆ど第2の製法と同じである。また、第3の製法におけるETFEフィルム10、第1織物20、第2織物30、及び接着層40、接着層41、接着層42の形成に用いる接着剤はそれぞれ、第2の製法で用いられたものと同様である。
第3の製法と第2の製法で異なるのは、第2の製法で、ETFEフィルム10の接着剤による接着がなされる側の面を、例えばコロナ処理で予め荒らす代わりに、第3の製法では、ETFEフィルム10の接着剤による接着がなされる側の面を、接着剤による接着を可能とするための適当なプライマーで予め被覆するという点である。このプライマーとしては例えば、ナトリウムを主成分とする公知のプライマーを用いることができる。
なお、第3の製法における2枚のETFEフィルムを、既に述べたように、上述の「透明又は半透明の樹脂」でできたフィルムに置換えることが可能である。置換えられたフィルムがフッ素樹脂でできている場合には、上述のプライマーによる被覆の如き、接着が行われる側の面を予め接着剤による接着を可能とするための工程が有用である。しかしながら、通常の接着剤で容易に接着される樹脂が、2枚のETFEフィルムに置換えられる2枚のフィルムの材料である「透明又は半透明の樹脂」として選択された場合には、それらのうちの接着される側の面を予めプライマーで被覆する工程は不要である。
<第4の製法>
第4の製法により完成した複合フィルムを図3に示す。
図3に示したように、この複合フィルムは、2枚のETFEフィルム10の間に、2つの接着層43、44が配され、その2つの接着層43、44の間に、フッ素樹脂フィルム51、52が配され、その2つのフッ素樹脂フィルム51、52の間に、接着層40によって接着された第1織物20と第2織物30とが挟み込まれたものとなっている。
第4の製法でも、第1の製法同様の加熱を行う。
ただし、加熱を行うに先んじて、第4の製法でも、第1の製法の場合と同様に、接着層40による第1織物20と第2織物30の接着を行なっておく。
また、第4の製法では、接着層43による図3における上側のETFEフィルム10とフッ素樹脂フィルム51の接着と、接着層44による図3における下側のETFEフィルム10とフッ素樹脂フィルム52の接着とを、加熱を行うに先んじて行なっておく。フッ素樹脂フィルム51、52は、ETFEよりも融点の低いフッ素樹脂でできたフィルムであり、例えばFEPでできたフィルムである。フッ素樹脂フィルム51、52は、完成後の複合フィルムの透光性に大きな影響を与えないように、その厚さを30μm〜250μmとする。
接着層43による図3における上側のETFEフィルム10とフッ素樹脂フィルム51の接着と、接着層44による図3における下側のETFEフィルム10とフッ素樹脂フィルム52の接着とは、いずれもフッ素樹脂同士の接着となるので、それらの接着される面には、第2の製法で説明したコロナ処理か、第3の製法で説明したプライマーの塗布を必要に応じて予め行う。
そして、図3に示したように配置したものを、第1の製法の場合と同様に、その全体がETFEの融点を超える温度となるように加熱する。
そうすると、ETFEよりも融点の低いフッ素樹脂でできたフッ素樹脂フィルム51、52の内側面は、第1の製法の場合におけるETFEフィルムの内側面よりもより容易に溶融して、第1織物20と第2織物30の間の接着層40とブリッジする。
これにより、図3に示したような並びの複合フィルムが完成する。
なお、第4の製法でも、第1の製法と同様に、加熱を行うに先んじて、接着層40による第1織物20と第2織物30の接着を行なっておく代わりに、接着層40の部分にETFEフィルムか、ETFEよりも融点が低い樹脂でできた薄いフッ素樹脂フィルムを第1織物20と第2織物30の間に挟み込んでおいてもよい。この場合は、フッ素樹脂フィルムを挟み込んだ第1織物20と第2織物30、及びこれらを挟み込んだ、図3における上側のETFEフィルム10及びフッ素樹脂フィルム51と図3における下側のETFEフィルム10とフッ素樹脂フィルム52の全体をまとめて第1の製法の場合と同じ方法で加熱する。
なお、第4の製法における2枚のETFEフィルムを、既に述べたように、上述の「透明又は半透明の樹脂」でできたフィルムに置換えることが可能である。この場合のフッ素樹脂フィルム51、52についての選択の仕方については、第1の製法で述べた考え方に従えば良い。
≪第2実施形態≫
以下、第2実施形態の複合フィルムの構成及びその製造方法について説明する。この実施形態で説明する製造方法は4種類ある。第2実施形態における各製造方法を、第5〜第8の製法として以下説明する。
この実施形態で説明するいずれの製造方法でも、第1繊維糸と第2繊維糸を混織してなる一枚物の織物を用いる。簡単にいうと、第5〜第8の製法はそれぞれ、第1〜第4の製法における第1織物20及び第2織物30(及びそれらに加えて、それらの間にあった接着層40又はフッ素樹脂フィルム)を、一枚物の織物に置き換えたものとなっている。
<第5の製法>
第5の製法では、図4に示したように、ETFEでできた既存の2枚のETFEフィルム10の間に、織物60を挟み込み、その状態で、2枚のETFEフィルム10の少なくとも一方の面から加熱を行うことで、複合フィルムを製造する。
織物60は、第1繊維糸21と第2繊維糸31で混織されてなる。
第1繊維糸21は、第1実施形態の場合と同様、完成した複合フィルムの強度を増す。また、第2繊維糸は、第1実施形態の場合と同様、完成した複合フィルムの防炎性を増す。
第5の製法における第1繊維糸21、及び第2繊維糸31の材料と太さは、第1の製法で説明したものと同様である。
織物60の第1繊維糸21で織られた部分は、織物60中でずれ難くなるような織り方で織られている。具体的には、織物60は、第1の製法の場合と同様、からみ織又は模紗織で織られている。また、第1繊維21はある程度太いため、織物60中の第1繊維糸21があまり密であると完成後の複合フィルムの透光性に影響を与える可能性がある。そこで、第5の製法における織物60中の第1繊維糸21で織られた部分は、複合フィルムの透光性を確保できる程度の開口率を持つように織られている。具体的には、第1織物20中の開口率は、第1繊維糸21によるメッシュの空隙率が15%〜95%の間となるようにされている。これらも第1の製法と変わらない。
織物60中の第2繊維31は、複合フィルムの防炎性を高める役割を担うため、密に織られている。より具体的には、織物60のうち第2繊維31で織られた部分の糸同士の空隙の間隔は0.5mm以下となるようにされている。第2織物31の織り方は特に制限はないが、例えば平織である。
上述した通り、第5の製法では、図4に示したように、ETFEでできた既存の2枚のETFEフィルム10の間に、織物60を挟み込み、その状態で、2枚のETFEフィルム10の少なくとも一方の面から加熱を行うことで、複合フィルムを製造する。
複合フィルムを製造するときの上述の加熱は、2枚のETFEフィルム10と、織物60の全体の温度がETFEの融点(270℃)を超えるようなものとする。また、加熱時間は、10秒とする。
そうすると、図4において上側のETFEフィルム10の内側の面と、図4において下側のETFEフィルム10の内側の面とが溶融し、溶融したETFEが織物60の目を通って互いにブリッジする。
その後冷却を行うと、織物60と、それを挟み込む2枚のETFEフィルム10が互いに固定される。
これにより、第5の製法による複合フィルムが完成する。
<第6の製法>
第6の製法により完成した複合フィルムを図5に示す。
図5に示したように、この複合フィルムは、2枚のETFEフィルム10の間に、2つの接着層41、42が配され、その2つの接着層41、42の間に、織物60が挟み込まれたものとなっている。
第6の製法は、第1の製法のような加熱を行わず、接着層41により図5における上側のETFEフィルム10と織物60を、接着層42により織物60と下側のETFEフィルム10とを、それぞれ接着することにより複合フィルムを完成させるというものである。2箇所の接着の順番は不問である。
第6の製法におけるETFEフィルム10、織物60、接着層41及び接着層42の形成に用いる接着剤は、第2の製法における接着層40の形成に用いる接着剤と同様のものである。
第6の製法における接着層41による図5における上側のETFEフィルム10と織物60との接着、及び接着層42による織物60と下側のETFEフィルム10との接着も基本的には、第1の製法と同じである。なお、フッ素樹脂であるETFEフィルム10には通常、接着層41又は接着層42を形成する接着剤は接着しにくいので、第6の製法では、ETFEフィルム10の接着剤による接着がなされる側の面を、例えばコロナ処理で予め荒らし、接着剤による接着を可能ならしめている。
なお、第6の製法における2枚のETFEフィルムを、既に述べたように、上述の「透明又は半透明の樹脂」でできたフィルムに置換えることが可能である。この場合に接着剤による接着を可能ならしめるためにETFEフィルムの接着なされる側の面を予め荒らすか否かは、第2の製法で説明したのと同様の考え方によれば良い。
<第7の製法>
第7の製法により完成した複合フィルムは、第6の製法により完成した複合フィルムと同様の図5に示したようなものとなる。
第7の製法は、殆ど第6の製法と同じである。また、第7の製法におけるETFEフィルム10、織物60、及び接着層41と接着層42の形成に用いる接着剤はそれぞれ、第6の製法で用いられたものと同様である。
第7の製法と第6の製法で異なるのは、第6の製法で、ETFEフィルム10の接着剤による接着がなされる側の面を、例えばコロナ処理で予め荒らす代わりに、第7の製法では、ETFEフィルム10の接着剤による接着がなされる側の面に、接着剤による接着を可能とするための適当なプライマーで予め被覆するという点である。このプライマーとしては、第3の製法で説明したものを用いることができる。
なお、第7の製法における2枚のETFEフィルムを、既に述べたように、上述の「透明又は半透明の樹脂」でできたフィルムに置換えることが可能である。この場合に接着剤による接着を可能ならしめるためにETFEフィルムの接着なされる側の面を予めプライマーで被覆する等の処理を行うか否かは、第3の製法で説明したのと同様の考え方によれば良い。
<第8の製法>
第8の製法により完成した複合フィルムを図6に示す。
図6に示したように、この複合フィルムは、2枚のETFEフィルム10の間に、2つの接着層43、44が配され、その2つの接着層43、44の間に、フッ素樹脂フィルム51、52が配され、その2つのフッ素樹脂フィルム51、52の間に、織物60が挟み込まれたものとなっている。
第8の製法でも、第6の製法同様の加熱を行う。
第8の製法では、接着層43による図6における上側のETFEフィルム10とフッ素樹脂フィルム51の接着と、接着層44による図6における下側のETFEフィルム10とフッ素樹脂フィルム52の接着とを、加熱を行うに先んじて行なっておく。フッ素樹脂フィルム51、52は、第4の製法で説明したものと同様であり、ETFEよりも融点の低いフッ素樹脂でできたフィルムである。
接着層43による図6における上側のETFEフィルム10とフッ素樹脂フィルム51の接着と、接着層44による図6における下側のETFEフィルム10とフッ素樹脂フィルム52の接着とは、いずれもフッ素樹脂同士の接着となるので、それらの接着される面には、第6の製法で説明したコロナ処理か、第7の製法で説明したプライマーの塗布を必要に応じて予め行う。
そして、図6に示したように配置したものを、第1の製法の場合と同様に、その全体がETFEの融点を超える温度となるように加熱する。
そうすると、ETFEよりも融点の低いフッ素樹脂でできたフッ素樹脂フィルム51、52の内側面は、第1の製法の場合におけるETFEフィルムの内側面よりもより容易に溶融して、織物60の目を通してブリッジする。
これにより、図6に示したような並びの複合フィルムが完成する。
なお、第8の製法における2枚のETFEフィルムを、既に述べたように、上述の「透明又は半透明の樹脂」でできたフィルムに置換えることが可能である。この場合のフッ素樹脂フィルム51、52についての選択の仕方については、第1の製法、及び第4の製法で述べた考え方に従えば良い。
(実験例1)
以上の第1実施形態及び第2実施形態で得られた複合フィルムの性能を評価した。評価した項目は、引張強度、防炎性、及び透光性である。評価の結果は以下の表1、表2に示したとおりである。実験例1で、2枚のフィルムを構成する透明又は半透明の樹脂として選択したのは、ETFEである。
[第1実施形態の製法で得られたETFE複合フィルムの性能の評価]
Figure 0006342628
※建築基準法第2条第九号に定める不燃材料の認定試験による結果

[第2実施形態の製法で得られたETFE複合フィルムの性能の評価]
Figure 0006342628
※建築基準法第2条第九号に定める不燃材料の認定試験による結果

第1実施形態の製法で得られた表1の複合フィルムの可視光透過率は、20.3%であった。他方、その引張強さは、タテ3480N/3cm、ヨコ3144N/3cmと十分であり、また、その不燃性の程度は、発熱量が6MJ/m、及び不燃性の試験の結果生じたピンホールの大きさは0.3mm以下と十分であった(なお、穴に関しては、建築基準法第2条第九号では、試験後に生じたピンホールの大きさが0.5mm未満である場合には合格としている。)。
第2実施形態の製法で得られた表2の複合フィルムの可視光透過率は、15.6%であった。他方、その引張強さは、タテ3050N/3cm、ヨコ2980N/3cmと十分であり、また、その不燃性の程度は、発熱量が4MJ/m、及び不燃性の試験の結果生じたピンホールの大きさは0.3mm以下と十分であった。
(対比例1)
実験例1に対し、第1実施形態及び第2実施形態の製法で、織物中の前記第1繊維糸及び第2繊維糸による部分の各糸同士の空隙の間隔を変えた場合の複合フィルムの性能を評価した。対比例1で、2枚のフィルムを構成する透明又は半透明の樹脂として選択したのは、ETFEである。
[第1実施形態の製法で得られたETFE複合フィルムの性能の評価]
Figure 0006342628
※建築基準法第2条第九号に定める不燃材料の認定試験による結果

[第2実施形態の製法で得られたETFE複合フィルムの性能の評価]
Figure 0006342628
※建築基準法第2条第九号に定める不燃材料の認定試験による結果

第1実施形態の製法で得られた表3の複合フィルムは、引張強さや可視光透過率、不燃性試験の発熱量等は要求性能を満たす。しかし、不燃性試験におけるピンホールの項目において、0.6mmの径のピンホールが見られたため、要求性能を完全には満たさなかった。
第2実施形態の製法で得られた表4の複合フィルムは、可視光透過率で14.4%及び不燃性試験におけるピンホールの項目で0.6mmの径のピンホールが見られたため、要求性能を満たさなかった。
(実験例2)
実験例2として、上記第1実施形態及び第2実施形態で得られた複合フィルムの性能を評価した。評価した項目は、引張強度、防炎性、及び透光性である。評価の結果は以下の表5、表6に示したとおりである。実験例2で、2枚のフィルムを構成する透明又は半透明の樹脂として選択したのは、PTFEである。

[第1実施形態の製法で得られたPTFE複合フィルムの性能の評価]
Figure 0006342628
※建築基準法第2条第九号に定める不燃材料の認定試験による結果

[第2実施形態の製法で得られたPTFE複合フィルムの性能の評価]
Figure 0006342628
※建築基準法第2条第九号に定める不燃材料の認定試験による結果

第1実施形態の製法で得られた表5のPTFE複合膜材の可視光透過率は、26.5%であった。他方、その引張強さは、タテ2541N/3cm、ヨコ1740N/3cmと十分であり、また、その不燃性の程度は、発熱量が3MJ/m、及び不燃性の試験の結果生じたピンホールの大きさは0.5mm以下と十分であった。
第2実施形態の製法で得られた表6のPTFE複合膜材の可視光透過率は、25.4%であった。他方、その引張強さは、タテ2918N/3cm、ヨコ1501N/3cmと十分であり、また、その不燃性の程度は、発熱量が3MJ/m、及び不燃性の試験の結果生じたピンホールの大きさは0.5mm以下と十分であった。
(対比例2)
実験例2に対し、第1実施形態及び第2実施形態の製法で、織物中の前記第2繊維糸による部分の各糸同士の空隙の間隔を変えた場合複合フィルムの性能を評価した。対比例2で、2枚のフィルムを構成する透明又は半透明の樹脂として選択したのは、PTFEである。

[第1実施形態の製法で得られたPTFE複合フィルムの性能の評価]
Figure 0006342628
※建築基準法第2条第九号に定める不燃材料の認定試験による結果

[第2実施形態の製法で得られたPTFE複合フィルムの性能の評価]
Figure 0006342628
※建築基準法第2条第九号に定める不燃材料の認定試験による結果

第1実施形態の製法で得られた表7のPTFE複合フィルムは、引張強さや可視光透過率、不燃性試験の発熱量等は要求性能を満たす。しかし、不燃性試験におけるピンホールの項目において、0.6mmの径のピンホールが見られたため、要求性能を完全には満たさなかった。
第2実施形態の製法で得られた表8のPTFE複合フィルムは、不燃性試験におけるピンホールの項目で0.6mmの径のピンホールが見られたため、要求性能を満たさなかった。
(実験例3)
実験例3として、第1実施形態及び第2実施形態で得られた複合フィルムの性能を評価した。評価した項目は、引張強度、防炎性、及び透光性である。評価の結果は以下の表9、表10に示したとおりである。実験例3で、2枚のフィルムを構成する透明又は半透明の樹脂として選択したのは、PVCである。
[第1実施形態の製法で得られたPVC複合フィルムの性能の評価]
Figure 0006342628
※建築基準法第2条第九号に定める不燃材料の認定試験による結果

[第2実施形態の製法で得られたPVC複合フィルムの性能の評価]
Figure 0006342628
※建築基準法第2条第九号に定める不燃材料の認定試験による結果

第1実施形態の製法で得られた表9のPVC複合フィルムの可視光透過率は、30.1%であった。他方、その引張強さは、タテ2741N/3cm、ヨコ1940N/3cmと十分であり、また、その不燃性の程度は、発熱量が8MJ/m、及び不燃性の試験の結果生じたピンホールの大きさは0.5mm以下と十分であった。
第2実施形態の製法で得られた表10のPVC複合フィルムの可視光透過率は、31.8%であった。他方、その引張強さは、タテ3018N/3cm、ヨコ1701N/3cmと十分であり、また、その不燃性の程度は、発熱量が8MJ/m、及び不燃性の試験の結果生じたピンホールの大きさは0.5mm以下と十分であった。
(対比例3)
実験例3に対し、第1実施形態及び第2実施形態の製法で、織物中の前記第2繊維糸による部分の各糸同士の空隙の間隔を変えた場合の複合フィルムの性能を評価した。対比例3で、2枚のフィルムを構成する透明又は半透明の樹脂として選択したのは、PVCである。

[第1実施形態の製法で得られたPVC複合フィルムの性能の評価]
Figure 0006342628
※建築基準法第2条第九号に定める不燃材料の認定試験による結果

[第2実施形態の製法で得られたPVC複合フィルムの性能の評価]
Figure 0006342628
※建築基準法第2条第九号に定める不燃材料の認定試験による結果

第1実施形態の製法で得られた表11のPVC複合フィルムは、引張強さや可視光透過率、不燃性試験の発熱量等は要求性能を満たす。しかし、不燃性試験におけるピンホールの項目において、0.6mmの径のピンホールが見られたため、要求性能を完全には満たさなかった。
第2実施形態の製法で得られた表12のPVC複合フィルムは、不燃性試験におけるピンホールの項目で0.6mmの径のピンホールが見られたため、要求性能を満たさなかった。
10 ETFEフィルム
20 第1織物
21 第1繊維糸
30 第2織物
31 第2繊維糸
41 接着層
42 接着層
43 接着層
44 接着層
51 フッ素樹脂フィルム
52 フッ素樹脂フィルム
60 織物

Claims (4)

  1. その両面が透明又は半透明の樹脂でできている複合フィルムであって、
    その内部に、不燃性の繊維でできた糸である第1繊維糸と、ガラス繊維でできた糸である第2繊維糸とで織られた織物を含んでおり、
    前記織物中の前記第1繊維糸は、前記複合フィルムの強度を担える程度に太く、且つ前記織物中の前記第1繊維糸による部分は複合フィルムの透光性を確保できる程度の開口率を持つように織られており、
    前記織物中の前記第2繊維糸は、前記複合フィルムの透光性を確保できる程度に細く、且つ前記織物中の前記第2繊維糸による部分は前記複合フィルムの防炎性を確保できる程度に密に織られているとともに、
    前記第1繊維糸の太さは、0.1mm〜5mmであり、
    前記織物中の前記第1繊維糸による部分の開口率は、前記第1繊維糸によるメッシュの空隙率が15%〜95%の間となるようにされており、
    前記第2繊維糸の太さは、50dtex〜1500dtexであり、
    前記織物中の前記第2繊維糸による部分の糸同士の空隙の間隔は0.5mm以下となるようにされており、
    透明又は半透明の樹脂として、樹脂のみの透光率として40%以上のものを用いるものとされ
    前記織物は、前記第1繊維糸で織られた第1織物と、前記第2繊維糸で織られた第2織物とを含んでいる、
    複合フィルム。
  2. その両面が透明又は半透明の樹脂でできている複合フィルムであって、
    その内部に、不燃性の繊維でできた糸である第1繊維糸と、ガラス繊維でできた糸である第2繊維糸とで織られた織物を含んでおり、
    前記織物中の前記第1繊維糸は、前記複合フィルムの強度を担える程度に太く、且つ前記織物中の前記第1繊維糸による部分は複合フィルムの透光性を確保できる程度の開口率を持つように織られており、
    前記織物中の前記第2繊維糸は、前記複合フィルムの透光性を確保できる程度に細く、且つ前記織物中の前記第2繊維糸による部分は前記複合フィルムの防炎性を確保できる程度に密に織られているとともに、
    前記第1繊維糸の太さは、0.1mm〜5mmであり、
    前記織物中の前記第1繊維糸による部分の開口率は、前記第1繊維糸によるメッシュの空隙率が15%〜95%の間となるようにされており、
    前記第2繊維糸の太さは、50dtex〜1500dtexであり、
    前記織物中の前記第2繊維糸による部分の糸同士の空隙の間隔は0.5mm以下となるようにされており、
    透明又は半透明の樹脂として、樹脂のみの透光率として40%以上のものを用いるものとされ
    前記第1繊維糸は、からみ織又は模紗織で織られている、
    複合フィルム。
  3. 前記織物は、前記第1繊維糸と前記第2繊維糸とが混織された1枚物である、
    請求項記載の複合フィルム。
  4. 前記第1繊維糸の繊維は、ガラス繊維、カーボン繊維、ステンレス繊維、バサルト繊維、アラミド繊維のいずれかである、
    請求項1〜3のいずれかに記載の複合フィルム。
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