省エネルギーの観点から、家庭用冷蔵庫においては、防露パイプを切り換える切換バルブを有し、一部の防露パイプを不使用としながら冷凍サイクルを運転することにより、防露パイプに起因する熱負荷量を低減する冷蔵庫がある。これは、冷蔵庫周囲の温度及び湿度が比較的低い軽負荷条件において、一部の防露パイプを一時的に不使用とし、筐体の表面が発汗しない程度に防露パイプとその周辺の温度を下げることで筐体内部に伝熱する侵入熱量を低減するものであり、結果として冷蔵庫の熱負荷量を削減して省エネルギー化を図るものである。
さらに、一時的に不使用とする複数の防露パイプをそれぞれキャピラリチューブを介して蒸発器に接続する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、一時的に不使用となった防露パイプ内を低圧に維持することで、使用中に内部に滞留している冷媒を回収するものであり、結果として冷媒循環量の低下を回避することで、冷凍サイクル効率の低下を抑制するものである。
以下、図面を参照しながら従来の冷蔵庫を説明する。
図8は従来の冷蔵庫の縦断面図、図9は従来の冷蔵庫の冷凍サイクル構成図、図10は従来の冷蔵庫の流路切換バルブの動作を示した図である。
図8および図9において、冷蔵庫11は、筐体12、扉13、筐体12を支える脚14、筐体12の下部に設けられた下部機械室15、筐体12の上部に配置された冷蔵室17、筐体12の下部に配置された冷凍室18を有している。また、冷凍サイクルを構成する部品として、下部機械室15に収められた圧縮機56、冷凍室18の背面側に収められた蒸発器20、下部機械室15内に収められた主凝縮器21を有している。また、下部機械室15を仕切る隔壁22、隔壁22に取り付けられ主凝縮器21を空冷するファン23、圧縮機56の上部に設置された蒸発皿57、下部機械室15の底板25を有している。
また、底板25に設けられた複数の吸気口26、下部機械室15の背面側に設けられた排出口27、下部機械室15の排出口27と筐体12の上部を繋ぐ連通風路28を有している。ここで、下部機械室15は隔壁22によって2室に分けられ、ファン23の風上側に主凝縮器21、風下側に圧縮機56と蒸発皿57を収めている。
また、冷凍サイクルを構成する部品として、主凝縮器21の下流側に位置し、冷凍室18の開口部周辺の筐体12の外表面と熱結合された防露パイプ60、防露パイプ60の下流側に位置し、循環する冷媒を乾燥するドライヤ37、ドライヤ37と蒸発器20を結合し、循環する冷媒を減圧する絞り44を有している。そして、防露パイプ60を一時的に不使用とするために、防露パイプ60の上流側を分岐する流路切換バルブ40、流路切換バルブ40と蒸発器20の間を防露パイプ60と並列に接続するバイパス回路61、ドライヤ39、絞り45を有する。
また、蒸発器20で発生する冷気を冷蔵室17と冷凍室18に供給する蒸発器ファン5
0、冷凍室18に供給される冷気を遮断する冷凍室ダンパー51、冷蔵室17に供給される冷気を遮断する冷蔵室ダンパー52、冷蔵室17に冷気を供給するダクト53、冷凍室18の温度を検知するFCC温度センサ54、冷蔵室17の温度を検知するPCC温度センサ55、蒸発器20の温度を検知するDEF温度センサ58を有している。
以上のように構成された従来の冷蔵庫について以下にその動作を説明する。
ファン23、圧縮機56、蒸発器ファン50をともに停止している冷却停止状態(以下、この動作を「OFFモード」という)において、FCC温度センサ54の検知する温度が所定値のFCC_ON温度まで上昇するか、あるいは、PCC温度センサ55の検知する温度が所定値のPCC_ON温度まで上昇すると、冷凍室ダンパー51を閉とし、冷蔵室ダンパー52を開として、圧縮機56とファン23、蒸発器ファン50を駆動する(以下、この動作を「PC冷却モード」という)。
PC冷却モードにおいては、ファン23の駆動によって、隔壁22で仕切られた下部機械室15の主凝縮器21側が負圧となり複数の吸気口26から外部の空気を吸引し、圧縮機56と蒸発皿57側が正圧となり下部機械室15内の空気を複数の排出口27から外部へ排出する。
一方、圧縮機56から吐出された冷媒は、主凝縮器21で外気と熱交換しながら一部の気体を残して凝縮した後、防露パイプ60へ供給される。防露パイプ60を通過した冷媒は冷凍室18の開口部を暖めながら、筐体12を介して外部に放熱して凝縮する。防露パイプ60を通過した液冷媒は、ドライヤ37で水分除去され、絞り44で減圧されて蒸発器20で蒸発しながら冷蔵室17の庫内空気と熱交換して冷蔵室17を冷却しながら、気体冷媒として圧縮機56に還流する。
ここで、流路切換バルブ40の動作について説明する。
図10において、p1、p2、p3は冷凍サイクルの稼動区間を示し、q1、q2は冷凍サイクルの停止区間を示す。区間p1、区間p2、区間p3の各区間において、圧縮機56を運転するとともに、流路切換バルブ40を切り換えて防露パイプ60を断続的に使用する。また、図6において、防露パイプ60で暖められる冷凍室18の開口部の代表温度を筐体の表面温度として示している。流路切換バルブ40の動作「開閉」は防露パイプ60側の流路を開とし、バイパス61側の流路を閉とすることで、主凝縮器21の冷媒を防露パイプ60に流す。同様に、「閉開」は防露パイプ60側の流路を閉とし、バイパス61側の流路を開とすることで、主凝縮器21の冷媒をバイパス61に流すとともに、防露パイプ60内に滞留している冷媒を蒸発器20へ回収する。また、「閉閉」は防露パイプ60側の流路を閉とし、バイパス61側の流路を閉とすることで、圧縮機56が停止する区間q1、区間q2において主凝縮器21の冷媒が蒸発器20に圧力差で流入することを防止するものである。
このように従来の冷蔵庫においては、冷凍サイクルの稼動中に防露パイプ60とバイパス61を交互に切り換えることにより、防露パイプ60によって暖められる筐体の表面温度を低下させて侵入熱量を低減する。このとき、防露パイプ60を使用する時間rと使用しない時間sを固定して、1区間に複数回の切換を実施することで、防露パイプ60の不使用割合を制御し、防露パイプ60によって暖められる筐体の表面温度の平均値が所定のレベルになるように調整する。例えば、湿度センサ(図示せず)によって検知された冷蔵庫周囲の湿度に基づいて前記した防露パイプ60を使用する時間rと使用しない時間sとの割合を調整することにより、湿度が高い場合は防露パイプ60を使用する時間rを増やして筐体の表面温度を上げるとともに、湿度が低い場合は防露パイプ60を使用する時間
rを減らして筐体の表面温度を下げることで、発汗防止と省エネルギーを両立させることができる。
PC冷却モード中に、FCC温度センサ54の検知する温度が所定値のFCC_OFF温度まで下降上昇するとともに、PCC温度センサ55の検知する温度が所定値のPCC_OFF温度まで下降すると、OFFモードに遷移する。
また、PC冷却モード中に、FCC温度センサ54の検知する温度が所定値のFCC_OFF温度より高い温度を示すとともに、PCC温度センサ55の検知する温度が所定値のPCC_OFF温度まで下降すると、冷凍室ダンパー51を開とし、冷蔵室ダンパー52を閉として、圧縮機56とファン23、蒸発器ファン50を駆動する。以下、PC冷却と同様に冷凍サイクルを稼動させることにより、冷凍室18の庫内空気と蒸発器20を熱交換して冷凍室18を冷却する(以下、この動作を「FC冷却モード」という)。
FC冷却モード中に、FCC温度センサ54の検知する温度が所定値のFCC_OFF温度まで下降するとともに、PCC温度センサ55の検知する温度が所定値のPCC_ON温度以上を示すと、PC冷却モードに遷移する。
また、FC冷却モード中に、FCC温度センサ54の検知する温度が所定値のFCC_OFF温度まで下降するとともに、PCC温度センサ55の検知する温度が所定値のPCC_ON温度より低い温度を示すと、OFFモードに遷移する。
以上のように説明した動作によって、冷凍サイクルの稼動中に防露パイプ60とバイパス61を交互に切り換えることにより、防露パイプ60によって暖められる筐体の表面温度を低下させて侵入熱量を低減することにより、発汗防止性能を維持しながら省エネルギー化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図、図2は本発明の実施の形態1における冷蔵庫のサイクル構成図、図3は実施の形態1における冷蔵庫の通常条件の流路切換バルブの動作を示した図、図4は実施の形態1における冷蔵庫の軽負荷条件の流路切換バルブの動作を示した図である。
図1および図2において、冷蔵庫11は、筐体12、扉13、筐体12を支える脚14、筐体12の下部に設けられた下部機械室15、筐体12の上部に設けられた上部機械室16、筐体12の上部に配置された冷蔵室17、筐体12の下部に配置された冷凍室18を有する。また、冷凍サイクルを構成する部品として、上部機械室16に収められた圧縮機19、冷凍室18の背面側に収められた蒸発器20、下部機械室15内に収められた主凝縮器21を有している。また、下部機械室15を仕切る隔壁22、隔壁22に取り付けられ主凝縮器21を空冷するファン23、隔壁22の風下側に設置された蒸発皿24、下部機械室15の底板25を有している。
ここで、圧縮機19は可変速圧縮機であり、20〜80rpsから選択された6段階の回転数を使用する。これは、配管などの共振を避けながら、圧縮機19の回転数を低速〜高速の6段階に切り換えて冷凍能力を調整するためである。圧縮機19は、起動時は低速で運転し、冷蔵室17あるいは冷凍室18を冷却するための運転時間が長くなるに従って増速する。これは、最も高効率な低速を主として使用するとともに、高外気温や扉開閉などによる冷蔵室17あるいは冷凍室18の負荷の増大に対して、適切な比較的高い回転数を使用するためである。このとき、冷蔵庫11の冷却運転モードとは独立に、圧縮機19の回転数を制御するが、蒸発温度が高く比較的冷凍能力が大きいPC冷却モードの起動時の回転数をFC冷却モードよりも低く設定してもよい。また、冷蔵室17あるいは冷凍室18の温度低下に伴って、圧縮機19を減速しながら冷凍能力を調整してもよい。
また、底板25に設けられた複数の吸気口26、下部機械室15の背面側に設けられた排出口27、下部機械室15の排出口27と上部機械室16を繋ぐ連通風路28を有している。ここで、下部機械室15は隔壁22によって2室に分けられ、ファン23の風上側に主凝縮器21、風下側に蒸発皿24を収めている。
また、冷凍サイクルを構成する部品として、主凝縮器21の下流側に位置し、循環する冷媒を乾燥するドライヤ38、ドライヤ38の下流側に位置し、冷媒の流れを制御する流路切換バルブ40、冷蔵庫11の開口部の結露を防止する防露パイプA41及び防露パイプB42を有している。流路切換バルブ40は、防露パイプA41と防露パイプB42それぞれ単独の冷媒の流れを開閉制御することができる。また、防露パイプA41と防露パイプB42は、それぞれ絞りA44と絞りB45を介して蒸発器20に接続している。
ここで、流路切換バルブ40は下部機械室15に収められ、上部機械室16にある圧縮機19の振動に起因する配管の共振を抑制している。また、防露パイプA41及び防露パイプB42は一対で冷蔵室17及び冷凍室18の開口部周辺の結露を防止するために必要な放熱量に設計されている。ここで、防露パイプA41は、防露パイプB42に比べて冷蔵室17及び冷凍室18の開口部周辺に配設された沿面距離が長く、筐体12への侵入熱量及び外部への放熱量が大きい。
また、蒸発器20で発生する冷気を冷蔵室17と冷凍室18に供給する蒸発器ファン30、冷凍室18に供給される冷気を遮断する冷凍室ダンパー31、冷蔵室17に供給される冷気を遮断する冷蔵室ダンパー32、冷蔵室17に冷気を供給するダクト33、冷凍室18の温度を検知するFCC温度センサ34、冷蔵室17の温度を検知するPCC温度セ
ンサ35、蒸発器20の温度を検知するDEF温度センサ36を有している。ここで、ダクト33は冷蔵室17と上部機械室16が隣接する壁面に沿って形成され、ダクト33を通過する冷気の一部を冷蔵室の中央付近から排出するとともに、冷気の多くは上部機械室16が隣接する壁面を冷却しながら通過した後に冷蔵室17の上部から排出する。
以上のように構成された実施の形態1の冷蔵庫について以下にその動作を説明するが、従来例と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
ファン23、圧縮機19、蒸発器ファン30をともに停止している冷却停止状態(以下、この動作を「OFFモード」という)において、FCC温度センサ34の検知する温度が所定値のFCC_ON温度まで上昇するか、あるいは、PCC温度センサ35の検知する温度が所定値のPCC_ON温度まで上昇すると、冷凍室ダンパー31を閉とし、冷蔵室ダンパー32を開として、圧縮機19とファン23、蒸発器ファン30を駆動する(以下、この動作を「PC冷却モード」という)。
PC冷却モードにおいては、ファン23の駆動によって、隔壁22で仕切られた下部機械室15の主凝縮器21側が負圧となり複数の吸気口26から外部の空気を吸引し、蒸発皿24側が正圧となり下部機械室15内の空気を複数の排出口27から外部へ排出する。
一方、圧縮機19から吐出された冷媒は、主凝縮器21で外気と熱交換しながら一部の気体を残して凝縮した後、ドライヤ38で水分除去され、流路切換バルブ40を介して防露パイプA41あるいは防露パイプB42へ供給される。防露パイプA41あるいは防露パイプB42を通過した冷媒は冷凍室18の開口部を暖めながら、筐体12を介して外部に放熱して凝縮した後、絞り44あるいは絞り45でそれぞれ減圧されて蒸発器20で蒸発しながら冷蔵室17の庫内空気と熱交換して冷蔵室17を冷却しながら、気体冷媒として圧縮機19に還流する。
図3は通常条件における流路切換バルブ40の動作を示したものである。
図3において、g1、g2、g3、g4は冷凍サイクルの稼動区間を示し、h1、h2、h3は冷凍サイクルの停止区間を示す。区間g1、区間g2、区間g3、区間g4の各区間において、圧縮機19を運転するとともに、流路切換バルブ40を切り換えて防露パイプA41あるいは防露パイプB42を交互に使用する。流路切換バルブ40の動作「開閉」は防露パイプA41側の流路を開とし、防露パイプB42側の流路を閉とすることで、主凝縮器21の冷媒を防露パイプA41に流すとともに、防露パイプB42内に滞留している冷媒を蒸発器20へ回収する。同様に、「閉開」は防露パイプA41側の流路を閉とし、防露パイプB42側の流路を開とすることで、主凝縮器21の冷媒を防露パイプB42に流すとともに、防露パイプA41内に滞留している冷媒を蒸発器20へ回収する。「閉閉」は防露パイプA41側の流路を閉とし、防露パイプB42側の流路を閉とすることで、圧縮機19が停止する区間h1、区間h2、区間h3において主凝縮器21の冷媒が蒸発器20に圧力差で流入することを防止するものである。
また、図3において、防露パイプA41で暖められる冷凍室18の開口部の代表温度を筐体の表面温度として示している。冷凍サイクルの稼動区間の最初に使用する防露パイプを稼動区間毎に切り換えるとともに、防露パイプA41を使用する時間Kと、防露パイプB42を使用する時間Lとを制御し、防露パイプA41によって暖められる筐体の表面温度の平均値が所定のレベルになるように調整する。例えば、湿度センサ(図示せず)によって検知された冷蔵庫周囲の湿度に基づいて前記した時間Kと時間Lとの割合を調整することにより、湿度が高い場合は防露パイプA41を使用する時間Kを増やして筐体の表面温度を上げるとともに、湿度が低い場合は防露パイプB42を使用する時間Lを増やして
筐体の表面温度を下げることで、発汗防止と省エネルギーを両立させることができる。
このように、冷凍サイクルの稼動区間の最初に使用する防露パイプを稼動区間毎に切り換えることにより、時間K及び時間Lを冷凍サイクルの稼動区間と同等程度に設定することができ、冷凍サイクルの稼動区間中の切換回数を1回程度まで削減することができる。なお、冷凍サイクルの稼動区間中の切換回数を削減するため、時間Kと時間Lの和が冷凍サイクルの稼動区間と同程度か、あるいは稼動区間よりも大きくなるように調整することが望ましい。また、圧縮機19の起動時に、直近の冷凍サイクルの稼動区間と停止区間を基に時間Kと時間Lを決定することにより、冷凍サイクルの稼働率の変動に合わせて、発汗防止性能を維持しながら最低限の切換回数を実現することができる。
図4は軽負荷条件における流路切換バルブ40の動作を示したものである。
図4において、g1、g2、g3、g4は冷凍サイクルの稼動区間を示し、h1、h2、h3は冷凍サイクルの停止区間を示す。区間g1、区間g2、区間g3の各区間において、圧縮機19を運転するとともに、流路切換バルブ40を切り換えて防露パイプA41あるいは防露パイプB42を並列に使用する。流路切換バルブ40の動作「開開」は防露パイプA41側の流路及び防露パイプB42側の流路をともに開とすることで、主凝縮器21の冷媒を防露パイプA41及び防露パイプB42の両方に流すものである。また、図3と同様に、防露パイプA41で暖められる筐体の表面温度は、防露パイプA41側の流路を開にした際に上昇するが、防露パイプA41及び防露パイプB42の両方を使用する時間Mにおける温度上昇は、図3の時間Kにおける温度上昇よりも抑制される。これは、防露パイプA41を単独使用する時間Kに比べて冷媒流速が遅く熱伝達が抑制されるためである。この結果、軽負荷条件における筐体の表面温度を下げることで、発汗防止と省エネルギーを両立させることができる。
ここで、軽負荷条件において防露パイプA41及び防露パイプB42の両方を並列使用する理由は、運転率の低下により冷凍サイクルの停止区間h1、h2、h3が長くなると、図3における防露パイプA41の不使用時間が長くなりすぎて、発汗の恐れが生じるためである。従って、周囲温度が約20℃未満、あるいは運転率が約60%未満を軽負荷条件として、流路切換バルブ40の動作パターンを切換えることが望ましい。また、通常条件と軽負荷条件の判別は時間Kと時間Lの決定と同様に圧縮機19の起動時に行うことが望ましい。これによって、より広い範囲で周囲環境や冷凍サイクルの稼働率の変動に合わせて、発汗防止性能を維持しながら最低限の切換回数を実現することができる。
PC冷却モード中に、FCC温度センサ34の検知する温度が所定値のFCC_OFF温度まで下降上昇するとともに、PCC温度センサ35の検知する温度が所定値のPCC_OFF温度まで下降すると、OFFモードに遷移する。
また、PC冷却モード中に、FCC温度センサ34の検知する温度が所定値のFCC_OFF温度より高い温度を示すとともに、PCC温度センサ35の検知する温度が所定値のPCC_OFF温度まで下降すると、冷凍室ダンパー31を開とし、冷蔵室ダンパー32を閉として、圧縮機19とファン23、蒸発器ファン30を駆動する。以下、PC冷却と同様に冷凍サイクルを稼動させることにより、冷凍室18の庫内空気と蒸発器20を熱交換して冷凍室18を冷却する(以下、この動作を「FC冷却モード」という)。
FC冷却モード中に、FCC温度センサ34の検知する温度が所定値のFCC_OFF温度まで下降するとともに、PCC温度センサ35の検知する温度が所定値のPCC_ON温度以上を示すと、PC冷却モードに遷移する。
また、FC冷却モード中に、FCC温度センサ34の検知する温度が所定値のFCC_OFF温度まで下降するとともに、PCC温度センサ35の検知する温度が所定値のPCC_ON温度より低い温度を示すと、OFFモードに遷移する。
以上のように、本発明の形態1の冷蔵庫は、主凝縮器21の下流側に流路切換バルブ40を介して防露パイプA41と防露パイプB42を並列接続するとともに、通常条件においては、圧縮機19を起動する毎に、最も侵入熱量の大きい防露パイプA41を圧縮機19の起動時に使用するか否かを切り換えることで、防露パイプA41の切換回数を削減するとともに、冷蔵庫周囲の温湿度環境に基づいて防露パイプA41を使用する時間Kと使用しない時間Lとの割合を調整することにより、例えば、湿度が高い場合は筐体12の表面温度を上げるとともに、湿度が低い場合は筐体12の表面温度を下げることで、発汗防止と省エネルギーを両立させることができるとともに、軽負荷条件においては、防露パイプA41及び防露パイプB42の両方を並列使用することにより、より広い範囲で冷凍サイクルの稼働率の変動に合わせて、発汗防止性能を維持しながら最低限の切換回数を実現することができる。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における冷蔵庫のサイクル構成図、図6は実施の形態2における冷蔵庫の通常条件の流路切換バルブの動作を示した図、図7は実施の形態2における冷蔵庫の軽負荷条件の流路切換バルブの動作を示した図である。なお、実施の形態1と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図5において、冷凍サイクルを構成する部品として、主凝縮器21の下流側に位置し、循環する冷媒を乾燥するドライヤ38、ドライヤ38の下流側に位置し、出口配管の乾き度を変える気液分離器46、冷媒流量を調整する流量制御バルブ47、冷蔵庫11の開口部の結露を防止する防露パイプA41及び防露パイプB42を有している。気液分離器46は、2個の出口を有し、一方を防露パイプA41に接続し、もう一方を流量制御バルブ47を介して防露パイプB42に接続するとともに、防露パイプA41には比較的乾き度の大きい冷媒を、防露パイプB42には比較的乾き度の小さい冷媒を供給する。流量制御バルブ47は、気液分離器46から防露パイプB42へ流通する冷媒量を全閉から全開まで無段階に制御することができるとともに、気液分離器46と一体で防露パイプA41と防露パイプB42へ分流する冷媒供給量を調整する流路切換機構を構成している。また、防露パイプA41と防露パイプB42は、それぞれ絞りA44と絞りB45を介して蒸発器20に接続している。
ここで、気液分離器46と流量制御バルブ47は下部機械室15に収められ、上部機械室16にある圧縮機19の振動に起因する配管の共振を抑制している。また、防露パイプA41及び防露パイプB42は一対で冷蔵室17及び冷凍室18の開口部周辺の結露を防止するために必要な放熱量に設計されている。ここで、防露パイプA41は、防露パイプB42に比べて冷蔵室17及び冷凍室18の開口部周辺に配設された沿面距離が長く、筐体12への侵入熱量及び外部への放熱量が大きい。
以上のように構成された実施の形態2の冷蔵庫について以下にその動作を説明するが、実施の形態1と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
PC冷却モードにおいては、ファン23の駆動によって、隔壁22で仕切られた下部機械室15の主凝縮器21側が負圧となり複数の吸気口26から外部の空気を吸引し、蒸発皿24側が正圧となり下部機械室15内の空気を複数の排出口27から外部へ排出する。
一方、圧縮機19から吐出された冷媒は、主凝縮器21で外気と熱交換しながら一部の
気体を残して凝縮した後、ドライヤ38で水分除去され、気液分離器46と流量制御バルブ47からなる流路切換機構を介して防露パイプA41あるいは防露パイプB42へ供給される。防露パイプA41あるいは防露パイプB42を通過した冷媒は冷凍室18の開口部を暖めながら、筐体12を介して外部に放熱して凝縮した後、絞り44あるいは絞り45でそれぞれ減圧されて蒸発器20で蒸発しながら冷蔵室17の庫内空気と熱交換して冷蔵室17を冷却しながら、気体冷媒として圧縮機19に還流する。
ここで、流量制御バルブ47の動作について説明する。
図6は通常条件における流量制御バルブ47の動作を示したものである。
図6において、g1、g2、g3、g4は冷凍サイクルの稼動区間を示し、h1、h2、h3は冷凍サイクルの停止区間を示す。区間g1、区間g2、区間g3、区間g4の各区間において、圧縮機19を運転するとともに、流量制御バルブ47を制御して防露パイプA41あるいは防露パイプB42を交互に使用する。流量制御バルブ47の動作「閉」は気液分離器46から防露パイプB42への流路を全閉とすることで、気液分離器46からすべての冷媒を防露パイプA41に流すとともに、防露パイプB42内に滞留している冷媒を蒸発器20へ回収する。一方、流量制御バルブ47の動作「開」は気液分離器46から防露パイプB42への流路を全開とすることで、気液分離器46からほぼすべての冷媒を防露パイプB42に流すとともに、気液分離器46から一部の乾いた冷媒を供給することで防露パイプA41内に滞留している冷媒を蒸発器20へ回収する。
このように、気液分離器46と流量制御バルブ47からなる流路切換機構を介して防露パイプA41あるいは防露パイプB42へ冷媒を供給する構成を用いて、流量制御バルブ47を開閉制御することで、防露パイプA41の使用(時間K)と不使用(時間L)を擬似的に切換えることができる。なお、本実施の形態2では流量制御バルブ47の動作「開」は全閉としたが、微小流量であれば同様に防露パイプA41の使用(時間K)と不使用(時間L)を擬似的に切換えることができる。
ここで、冷凍サイクルの稼動区間の最初に使用する防露パイプを稼動区間毎に切り換えるとともに、防露パイプA41を使用する時間Kと、防露パイプB42を使用する時間Lとを制御し、防露パイプA41によって暖められる筐体の表面温度の平均値が所定のレベルになるように調整する。例えば、湿度センサ(図示せず)によって検知された冷蔵庫周囲の湿度に基づいて前記した時間Kと時間Lとの割合を調整することにより、湿度が高い場合は防露パイプA41を使用する時間Kを増やして筐体の表面温度を上げるとともに、湿度が低い場合は防露パイプB42を使用する時間Lを増やして筐体の表面温度を下げることで、発汗防止と省エネルギーを両立させることができる。
このように、冷凍サイクルの稼動区間の最初に使用する防露パイプを稼動区間毎に切り換えることにより、時間K及び時間Lを冷凍サイクルの稼動区間と同等程度に設定することができ、冷凍サイクルの稼動区間中の切換回数を1回程度まで削減することができる。なお、冷凍サイクルの稼動区間中の切換回数を削減するため、時間Kと時間Lの和が冷凍サイクルの稼動区間と同程度か、あるいは稼動区間よりも大きくなるように調整することが望ましい。また、圧縮機19の起動時に、直近の冷凍サイクルの稼動区間と停止区間を基に時間Kと時間Lを決定することにより、冷凍サイクルの稼働率の変動に合わせて、発汗防止性能を維持しながら最低限の切換回数を実現することができる。
図7は軽負荷条件における流量制御バルブ47の動作を示したものである。
図7において、g1、g2、g3、g4は冷凍サイクルの稼動区間を示し、h1、h2
、h3は冷凍サイクルの停止区間を示す。区間g1、区間g2、区間g3の各区間において、圧縮機19を運転するとともに、流量制御バルブ47を制御して防露パイプA41あるいは防露パイプB42を並列に使用する。このとき、流量制御バルブ47の動作は全閉と全開の中間状態にあり、気液分離器46から防露パイプB42への流路を制限しながら開けることで、気液分離器46の冷媒を防露パイプA41及び防露パイプB42の両方に流すものである。また、図6と同様に、防露パイプA41で暖められる筐体の表面温度は、防露パイプA41を使用した際に上昇するが、防露パイプA41及び防露パイプB42の両方を使用する時間Mにおける温度上昇は、図6の時間Kにおける温度上昇よりも抑制される。これは、防露パイプA41を単独使用する時間Kに比べて冷媒流速が遅く熱伝達が抑制されるためである。さらに、比較的乾き度の大きい冷媒を防露パイプA41に供給することで、防露パイプA41に滞留する冷媒量を削減することができる。この結果、軽負荷において防露パイプA41の内部に滞留する冷媒量を抑制しながら、防露パイプの切換回数を削減することができる。
このように、気液分離器46と流量制御バルブ47からなる流路切換機構を用いて、通常条件では防露パイプA41あるいは防露パイプB42を単独使用し、軽負荷条件では防露パイプA41及び防露パイプB42を並列使用することにより、防露パイプの切換回数を削減するとともに、使用中に防露パイプの内部に滞留する冷媒量を抑制することにより、発汗防止性能を維持しながらさらなる省エネルギー化を図ることができる。
なお、本実施の形態2においては、軽負荷条件における流量制御バルブ47の運転中の開度位置を固定としたが、例えば、湿度センサ(図示せず)によって検知された冷蔵庫周囲の湿度に基づいて、高湿度環境では流量制御バルブ47の開度をより全閉に近づけたり、低湿度環境では流量制御バルブ47の開度をより全開に近づけたりして、筐体の表面温度を調整してもよい。これによって、筐体の表面が結露しない限界まで表面温度を低減して、侵入熱量を抑制することができる。
なお、本実施の形態2においては、流量制御バルブ47の停止直前の開度位置を規定していないが、停止直前に流量制御バルブ47の開度位置を「開」として防露パイプA41内の滞留冷媒量を抑制してから、停止時に流量制御バルブ47の開度位置を「閉」に切換えてもよい。これによって、停止中に防露パイプA41から蒸発器20へ圧力差で還流する冷媒量を削減することができる。
以上のように、本発明の形態2の冷蔵庫は、主凝縮器21の下流側に気液分離器46と流量制御バルブ47からなる流路切換機構を設置し、防露パイプA41と防露パイプB42を並列接続するとともに、通常条件においては、圧縮機19を起動する毎に、最も侵入熱量の大きい防露パイプA41を圧縮機19の起動時に使用するか否かを切り換えることで、防露パイプA41の切換回数を削減するとともに、冷蔵庫周囲の温湿度環境に基づいて防露パイプA41を使用する時間Kと使用しない時間Lとの割合を調整することにより、例えば、湿度が高い場合は筐体12の表面温度を上げるとともに、湿度が低い場合は筐体12の表面温度を下げることで、発汗防止と省エネルギーを両立させることができるとともに、軽負荷条件においては、防露パイプA41及び防露パイプB42の両方を並列使用することにより、より広い範囲で冷凍サイクルの稼働率の変動に合わせて、発汗防止性能を維持しながら最低限の切換回数を実現することができる。また、比較的乾き度の大きい冷媒を防露パイプA41に供給することで、防露パイプA41に滞留する冷媒量を削減することができ、さらに冷凍サイクルの効率低下を抑制することができる。