JP6340232B2 - 複座平衡弁 - Google Patents

複座平衡弁 Download PDF

Info

Publication number
JP6340232B2
JP6340232B2 JP2014077007A JP2014077007A JP6340232B2 JP 6340232 B2 JP6340232 B2 JP 6340232B2 JP 2014077007 A JP2014077007 A JP 2014077007A JP 2014077007 A JP2014077007 A JP 2014077007A JP 6340232 B2 JP6340232 B2 JP 6340232B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
seat
fluid
double
gap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014077007A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015197209A (ja
Inventor
潔 出本
潔 出本
Original Assignee
株式会社ミヤワキ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=54547023&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP6340232(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by 株式会社ミヤワキ filed Critical 株式会社ミヤワキ
Priority to JP2014077007A priority Critical patent/JP6340232B2/ja
Publication of JP2015197209A publication Critical patent/JP2015197209A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6340232B2 publication Critical patent/JP6340232B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lift Valve (AREA)

Description

本発明は、弁棒の軸心方向に離間した位置に取り付けられた一対の弁体により、対応する一対の弁座を開閉する複座平衡弁に関するものである。
上述のような一対の弁体と弁座を備えた複座平衡弁は、一対の弁体に流体から作用する力が互いに打ち消されて平衡となることにより、小さな操作力で弁開閉が可能な特徴を有している。この複座平衡弁は、例えば、蒸気配管から蒸気を漏れないようにトラップして復水(ドレン)のみを排出するフロート式スチームトラップなどに主に採用されている。
一般に、複座平衡弁では、軸心方向に移動する弁棒に一対の弁体が取り付けられていることから、一対の弁体のうちの一方が、弁座を存するホルダの内側から弁座の弁口を開閉する外接型に、他方が、ホルダの外側から弁座の弁口を開閉する内接型にそれぞれ構成される。この複座平衡弁は、閉弁を保持した静的状態において両弁体に作用する流体の圧力が平衡に保たれているが、開弁開始時には、両弁体が、弁座の狭い弁口に流入する復水によって閉弁方向への吸付け力を受ける。そのため、開弁開始時には、両弁体には閉弁方向への大きな力が作用するので、開弁させるには大きな開弁力が必要となる。この対策として、従来では、弁体を、これに閉弁時に対応する弁座との接触面よりも上流側に、開弁開始時に流体(復水)を弁座との接触面に向かって通過させる貫通孔を有した形状とすることにより、閉弁時および開弁開始時の何れにおいても、両弁体における流体からの力が平衡に保たれるように図った複座平衡弁が提案されている(特許文献1参照)。
また、スチームトラップを設置する機器には、復水の発生量が、常に一定量となる機器があり、その場合、復水の発生量を非変動分(一定量)と変動分とに明確に分けることができる。このような機器のスチームトラップに適用する複座平衡弁として、図2に仮想線で示すように、複座平衡弁のホルダ18に細い円孔からなるオリフィス60を設け、発生する復水F2のうちの一定量の非変動分の一部をオリフィス60から排出するようにした複座平衡弁も知られている。
特開2010−242923号公報
しかしながら、特許文献1の複座平衡弁は、開弁開始時において弁体が流体から受ける閉弁方向への吸付け力を低減して両弁体が平衡に近い状態を保持するように図ることができるが、復水の発生量が非変動分と変動分とに明確に分けることができる特性を有する機器のスチームトラップに適用する場合には、復水の排出が開弁時のみに行われるだけであり、発生する復水のうちの非変動分の一部は、常時排出可能であるにも拘わらず排出されない。そのため、特に、大容量のフロート式スチームトラップに採用した場合には、不必要に溜まった多量の復水が弁口に向け流入するので、吸付け力により、弁体の閉弁方向への力が大きくなってしまい、それだけ大きな開弁力が必要になる。一方、オリフィス60(図2)を設けた複座平衡弁は、発生する復水のうちの一定量の非変動分の一部をオリフィス60から常時排出することができるが、開弁開始時において弁体が流体から受ける閉弁方向への吸付け力を十分に低減させることができず、しかも、オリフィス60を別途加工する分だけコスト高となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、オリフィスのような部材を別途加工することなしに排出可能な一定量の流体を常時排出できるとともに、開弁開始時において弁体が流体から受ける閉弁方向への吸付け力を低減させることにより開弁力を低下させた複座平衡弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る複座平衡弁は、弁棒と、前記弁棒の軸心方向に離間した位置に取り付けられた第1および第2の弁体と、流体の流出路を形成するホルダと、前記ホルダに設けられて前記第1および第2の弁体のそれぞれにより開閉され、前記流出路への流体の流入を制御する第1および第2の弁座とを有し、前記第1の弁体は前記第1の弁座の弁口から前記流出路への流体の流入量を制御し、前記第2の弁体は前記第2の弁座への流体の流入量を制御し、前記第1の弁体と、対応する前記第1の弁座との間に閉弁時に隙間が設けられている。
本発明の複座平衡弁によれば、閉弁時においても、一方の弁体とこれに対応する弁座との間に設けられた隙間を通して一定量の流体が常時排出される。したがって、この複座平衡弁を、復水の発生量が常に一定量の非変動分と変動分とに明確に分けることができる特性を有する機器に適用すれば、前記一定量の流体を開弁開始前に予め排出できる。つまり、隙間が設けられた一方の弁体は、開弁開始時には既に隙間分だけ開弁しているので、弁口を通過する流体の速度が抑制される結果、閉弁方向への大きな吸付け力が作用することがない。したがって、弁全体として開弁力が小さくなる。しかも、隙間は、一方の弁体の弁棒に対する取付位置を変更するだけで設けることができるから、オリフィスのように別途加工を行う要がないので、安価になる。
本発明において、前記第1の弁体が前記第2の弁体よりも下方に配置され、前記第1の弁体と前記第1の弁座との間に前記隙間が設けられていることが好ましい。これによれば、例えば、蒸気と復水とを含む流体の配管に設けたスチームトラップに適用した場合、復水の水位は常に上方側の第2の弁体を下回らないように設定されるが、復水が波立つ状態となったとき、復水の水位と弁体の高さとの差である水位差が小さい上方の第2の弁体に隙間を設けると、この隙間から蒸気を排出してしまうことがある。これに対し、下方の弁体に隙間を設けると、下方の弁体では前記水位差が大きいので、復水が波立っても隙間から蒸気を排出することがない。
本発明において、前記隙間の軸方向寸法Sは、この隙間に連なる弁口の通路面積に等しい仮想円孔の直径をDとしたとき、S/D=1/15〜3/10であることが好ましい。S/D=2/15〜2/10がさらに好ましい。これにより、隙間の軸方向寸法Sは、この隙間に連なる弁口の通路面積の大きさに対応した所要量の流体を常時排出できるとともに、流体の流れによって弁体に閉弁方向への大きな吸付け力が作用することがない好適なものとなる。すなわち、S/Dが1/15未満の場合は、隙間が小さ過ぎて、閉弁時の流体の排出量が十分でないとともに、開弁開始時に弁口に流入する流体から弁体に作用する閉弁方向の吸付け力を効果的に低減できない。S/Dが3/10を越えると、隙間が大き過ぎて、弁体の開閉による排出量の制御が十分行われなくなる。
本発明において、前記弁座を形成する弁座部材が前記ホルダの弁座取付孔に嵌合されており、前記弁座部材は前記弁棒を挿通させるカラーと、このカラーから放射状に径方向外方に延びて前記弁座取付孔の内面に接触ないし近接する複数のバー部材とを有し、これら複数のバー部材間の周方向の空間が前記流体の通路を形成していることが好ましい。この構成によれば、弁座部材が、これのカラーに弁棒を挿通させた状態で取り付けられているので、弁開閉時には、弁棒、弁体および弁座部材が一体に移動する。このとき、弁座部材のカラーから径方向外方に延びる複数のバー部材の外方端が、ホルダの弁座取付孔の内面に接触ないし近接する状態で移動することにより、弁体は、弁座の中心軸に対しずれないようにセンタリングされながら軸方向に移動するので、弁体の開閉動作が安定する。
本発明に係るフロート式スチームトラップは、蒸気および復水を含んだ流体が上部から流入するトラップ室と、前記トラップ室の下部に開口し前記復水を排出する排出孔と、前記トラップ室内に配置されて前記復水の浮力により上下移動するフロートと、前記トラップ室に配置された本発明の複座平衡弁とを備え、前記フロートがその上下移動に連動して前記複座平衡弁の弁棒を軸心方向に移動させるように弁棒に連結されている。
本発明のフロート式スチームトラップによれば、前述のとおり、本発明の複座平衡弁は、開弁力が小さくて済むから、開弁力を発生させるフロートを小さくできる分だけ、スチームトラップの全体を小型化することができる。
本発明の複座平衡弁によれば、閉弁時においても、一方の弁体とこれに対応する弁座との間に設けられた隙間を通じて一定量の流体が常時排出されるので、閉弁時の急激な流体の排出によって弁体の閉弁方向への吸付け力が大きくなることがない。したがって、開弁力が小さくて済む。しかも、隙間は、一方の弁体の弁棒に対する取付位置を変更するだけで設けることができるから、オリフィスのような部材を別途設ける必要がなくなるので、安価になる。
本発明の一実施形態に係る複座平衡弁を備えたフロート式スチームトラップを示す縦断面図である. 図1の複座平衡弁の拡大断面図である。 同上の複座平衡弁の開弁状態の拡大断面図である。 図2のIV−IV線に沿った断面図である。 本発明の他の実施形態に係る複座平衡弁を示す模式図である。 同上の複座平衡弁の隙間を設けた弁体における移動ストロークに対する流体から作用する閉弁方向の吸付け力の関係を示す特性図である。 同上の複座平衡弁の弁体における移動ストロークに対する流体から両弁体にそれぞれ作用する閉弁方向の吸付け力の合計の関係を示す特性図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る複座平衡弁2を備えたフロート式スチームトラップを示す縦断面図である。このフロート式スチームトラップ1は、トラップボディ3のフランジ部3aと側壁カバー4のフランジ部4aとがガスケット8を介在してボルト9とナット10の締結により互いに結合されて筐体が構成され、この筐体の内部にトラップ室11が形成されている。トラップボディ3の上部には、蒸気および復水を含む高温の1次側流体F1をトラップ室11内に上部から流入させる流入孔12が設けられているとともに、側壁カバー4には、トラップ室11内の下部から複座平衡弁2の流出路13を通って送られてきた復水F2を排出する排出孔14が設けられている。
トラップ室11における底面近傍の側壁カバー4に近接する位置には複座平衡弁2が配設されている。すなわち、複座平衡弁2は、そのホルダ18に形成された復水F2の流出路13が側壁カバー4の排出孔14に連通した状態でガスケット15を介在して側壁カバー4に当てがわれ、ホルダ18のフランジ部(図示せず)がボルト(図示せず)の締結により側壁カバー4に固定されることにより、トラップ室11内に配設されている。複座平衡弁2のホルダ18の上面には、上下方向に延びる取付部材19が固定されている。この取付部材19の上端近傍箇所には、支点ピン20回りに回動自在にレバー21の基端部が連結され、このレバー21の先端部に、例えばボール型のフロート22が装着されている。
レバー21の基端部近傍箇所には、複座平衡弁2に上下移動可能に設けられた弁棒23の上端部が、連結ピン24および後述する連結軸54を介して連結されている。フロート22は、トラップ室11内に溜まった復水F2の水位に応じてその浮力により上下移動し、前記弁棒23は、フロート22の上下移動に連動して軸心方向、つまり上下方向に移動する。この弁棒23の上下移動により、複座平衡弁2が後述するように開閉動作をおこなう。
図1の複座平衡弁の拡大断面図である図2において、この複座平衡弁2は、弁棒23の軸心方向に離間した位置に取り付けられた第1および第2の弁体28、29と、流体の流出路13を形成する前記ホルダ18と、このホルダ18に設けられて第1および第2の弁体28、29のそれぞれにより開閉され、流出路13への流体の流入を制御する第1および第2の弁座30、31とを有している。第1の弁体28は、ホルダ18の外側に位置して第1の弁座30の弁口33から流出路13への復水F2の流入量を制御する内接型である。一方、第2の弁体29は、ホルダ18の内側に位置して第2の弁座31の弁口34から流出路13への復水F2の流入量を制御する外接型であって、復水F2の圧力を上方から下方の開弁方向に受ける。
一対の弁体28,29のうちの下方に配置された第1の弁体28と第1の弁座30との間には、閉弁時において所定間隔の隙間38が設けられている。この隙間38の軸方向(図2の上下方向)の寸法Sは、この隙間38に連なる弁口33の通路面積に等しい仮想円孔の直径、つまり有効直径をDとしたとき、S/D=1/15〜3/10の範囲に設定されている。弁口33の通路面積をPAとしたとき、有効直径Dは、PA=π(D/2)2より、D=2√(PA/π)である。
ホルダ18は図2の左側に開口した角筒形であり、その上下方向中央部には、第1および第2の弁体28,29の間に配置されて水平方向に延在する隔壁32が設けられている。この隔壁32は、流出路13の全体を、第1の弁口33を通った復水F2が流入する第1流出分路13aと、第2の弁口34を通った復水F2が流入する第2流出分路13bとに、上下に区画している。これにより、第1および第2の弁口33,34を通った直後の復水F2が相互干渉するのが防止される。
弁棒23における弁体28,29の各々の取付位置の近傍箇所には、後述する構成を備えた弁座部材41、41が、ホルダ18の弁座取付孔42、43に摺動自在に嵌合した状態で取り付けられている。前記弁口33、34の外周は、各弁座取付孔42、43により形成されている。
図2のIV−IV線に沿った断面図である図4において、弁座部材41は、弁棒23を挿通させる弁座カラー44と、この弁座カラー44に形成されて周方向に90°の等間隔で放射状に径方向外方に延びる4つのバー部材48とを有している。各バー部材48の先端部は、弁座取付孔42,43の内面に接触、または0.5mm以下の僅かな間隙を有するように近接している。弁棒23の軸方向から見て、弁座カラー44の外周面と、弁座取付孔43の内周面と、バー部材48との間の空間が、復水F2が通る流体通路53を形成している。この流体通路53の面積が、前述した弁口33の通路面積PAである。弁座部材41および第1、第2の弁体28,29は以下のような構成で弁棒23に固定されている。
すなわち、図2の弁棒23の上端部には有底円筒状の連結部材49が固定されており、第2の弁体29が、上方の弁座部材41の弁座カラー44およびバー部材48を介在して連結部材49の底面に押し当てられ、下方の弁座部材41が、弁棒23を挿通させた第1のスペーサ部材50を介して第2の弁体29の底面に押し当てられ、第1の弁体28が、弁棒23を挿通させた第2のスペーサ部材51を介して下方の弁座部材41の弁座カラー44に押し当てられた状態で、弁棒23の下端の雄ねじ部23aにナット52が締結されることにより、第1および第2の弁体28,29と上下の弁座部材41、41とが所定の配置に位置決めされて弁棒23に固定されている。弁棒23の上下移動に連動して第1および第2の弁体28,29と上下の弁座部材41、41とが一体に移動する。このとき、各バー部材48の先端部は弁座取付孔42,43の内径面に接触ないし近接した状態で軸方向に移動する。なお、弁棒23の上端をレバー21に連結するための連結軸54は、これの下端部が有底円筒状の連結部材49内に遊嵌された状態で、連結部材49の周壁の対向箇所に架け渡された軸支ピン58が挿通されて、軸支ピン58の回りに回動可能に連結部材49に連結されている。
つぎに、本発明の複座平衡弁2を備えたフロート式スチームトラップ1の作用について説明する。図1に示すように、トラップ室11には流入孔12から蒸気および復水を含んだ1次側流体F1が流入する。弁棒23はトラップ室11内の復水Fから受ける浮力により上下位置が定まる。トラップ室11内の復水Fの滞留量が少ないときにはフロート22が下方位置に移動するのに伴いレバー21が支点ピン20を支点に図の時計回りに回動し、レバー21の回動により連結ピン24を介して弁棒23が引き上げられて、第2の弁体29が第2の弁座31に着座して閉弁状態を保持する。他方、第1の弁体28は、図2の第2のスペーサ部材51によって設定された隙間38分だけ第1の弁座31から離間しているため、この隙間38から弁口33に流入する流体である復水F2が流出路13を通って常時、フロート式スチームトラップ1から、2次側流体として排出される。
トラップ室11内の復水Fの水位が上昇すると、この上昇に伴う浮力によりフロート22も上昇するので、レバー21が反時計回りに回動し、連結ピン24を介して弁棒23を押し下げる。そのため、図3に示すように、複座平衡弁2は、弁棒23に固定されている第1および第2の弁体28,29が同時に押し下げられ、第2の弁体29が第2の弁座31から離座して開弁状態になるとともに、第1の弁体28は、第1の弁座30に対して予め設けられた隙間38分だけ第2の弁体29よりも大きな間隔になるように離間する。この開弁開始時には、復水F2が上下の弁座部材41,41の隣接する各二つのバー部材48,48間の周方向の空間により形成された流体通路53(図4)を通って流出路13内に円滑に流入する。
図2に明示するように、この複座平衡弁2では、閉弁時においても、一方の弁体28とこれに対応する弁座30との間に設けられた隙間38を通して、流体である復水F2の一定量が常時排出される。したがって、この複座平衡弁2を、復水F2の発生量が常に一定量の非変動分と変動分とに明確に分けることができる特性を有する機器に適用すれば、流体のうちの不必要分を開弁前に予め排出できる。つまり、隙間38が設けられた一方の弁体28は、開弁開始時には既に隙間38分だけ開弁しているので、弁口33を通過する復水F2の速度が抑制される結果、閉弁方向への大きな吸付け力が作用することがない。したがって、弁全体として開弁力が小さくなる。
実測結果によると、図6に示すように、弁座との間に隙間を設けた本発明の弁体に対して流体(復水F2)から作用する閉弁方向の吸付け力の特性曲線Aと、隙間を設けない従来の弁体に対して流体から作用する閉弁方向の吸付け力の特性曲線Bとの比較から明らかなように、隙間を設けた弁体では、全閉状態で一定量の流体を常時排出していることと、開弁時に弁体の弁座に対する離座間隔が隙間分だけ大きくなることとにより、弁座との間に隙間を設けた弁体に対して流体から作用する閉弁方向の吸付け力は、隙間を設けない弁体に対して流体から作用する閉弁方向の吸付け力に比べて大幅に低下することが確認できた。
したがって、図7に示すように、本発明のように弁座との間に隙間を設けた弁体と隙間を設けない弁体とを備えた複座平衡弁に対して流体から作用する閉弁方向の吸付け力の特性曲線Cと、従来のように共に隙間を設けない一対の弁体を備えた複座平衡弁に対して流体から作用する閉弁方向の吸付け力の特性曲線Dとの比較から明らかなように、弁座との間に隙間を設けた弁体を備えた本発明の複座平衡弁では、流体から作用する閉弁方向の吸付け力が低減する。
しかも、図2の隙間38は、第1および第2の弁体28、29のうちの一方の弁体28の弁棒23に対する取付位置を変更するだけで設けることができるから、オリフィスのように別途加工する必要がないので、安価である。
また、下方に配置される第1の弁体28と第1の弁座30との間に隙間38が設けられているので、蒸気を不測に排出することがない。すなわち、復水Fの水位は開弁状態でも閉弁状態でも、上方側の第2の弁体29を下回らないように設定されるが、復水Fが波立つ状態となったとき、復水Fの水位と弁体の高さとの差である水位差が小さい上方の第2の弁体29に隙間を設けた場合には、この隙間から蒸気が排出されることがある。これに対し、下方の第1の弁体28では前記水位差が大きいので、復水Fが波立っても、隙間38から蒸気が排出されることがない。
隙間38の軸方向寸法Sを、この隙間38に連なる弁口33の通路面積に等しい仮想円孔の有効直径をDとしたとき、S/D=1/15〜3/10に設定したので、隙間38の軸方向寸法Sは、この隙間38に連なる弁口33の通路面積の大きさに対応した所要量の復水F2を常時排出できるとともに、復水F2の流れによって第1の弁体28に閉弁方向への大きな吸付け力が作用することがないものとなる。すなわち、S/Dが1/15未満の場合は、隙間38が小さ過ぎて、閉弁時の復水F2の排出量が十分でないとともに、開弁開始時に弁口33に流入する復水F2から第1の弁体28に作用する閉弁方向の吸付け力を効果的に低減できない。S/Dが3/10を越えると、隙間38が大き過ぎて、第1の弁体28の開閉による排出量の制御が十分行われなくなる。
さらに、第1および第2の弁体28,29が取り付けられた弁棒23に、ホルダ18の弁座取付孔42に嵌合された弁座部材41が、これのカラー44に弁棒23を挿通させた状態で取り付けられているので、弁開閉時には、弁棒23、弁体28,29および弁座部材41,42が一体に移動する。このとき、弁座部材41,42のカラー44から径方向外方に延びる複数のバー部材48の外方端が、ホルダ18の弁座取付孔42,43の内面に接触ないし近接する状態で移動することにより、弁体28,29は、これと同心状に配置された弁座30,31の中心軸に対しずれないようにセンタリングされながら移動するので、弁体28,29の開閉動作が安定化される。
図1に示すフロート式スチームトラップ1によれば、前述のとおり、複座平衡弁2は、開弁力が小さくて済むから、開弁力を発生させるフロート22を小さくできる分だけ、スチームトラップ1の全体を小型化することができ
複座平衡弁2は、図5に模式図で示すような構成としても、上述したのとほぼ同様の作用効果を得ることができる。この複座平衡弁2は、レバー21における連結ピン24による弁棒23への連結箇所に対しフロート22とは反対側の箇所が支点ピン20により取付部材19に揺動自在に支持されており、前記一実施形態のものに対してレバー21を支点ピン20により取付部材19に支持する箇所が異なっている。これに伴って第1の弁体28が図2の一実施形態の内接型から外接型に変更され、第2の弁体29が一実施形態の外接型から内接型に変更されている。
なお、本発明は上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 フロート式スチームトラップ
2 複座平衡弁
13 流出路
18 ホルダ
22 フロート
23 弁棒
28 第1の弁体
29 第2の弁体
30 第1の弁座
31 第2の弁座
33、34 弁口
38 隙間
41 弁座部材
42、43 弁座取付孔
44 カラー
48 バー部材
53 弁口の通路

Claims (5)

  1. 弁棒と、前記弁棒の軸心方向に離間した位置に取り付けられた第1および第2の弁体と、流体の流出路を形成するホルダと、前記ホルダに設けられて前記第1および第2の弁体のそれぞれにより開閉され、前記流出路への流体の流入を制御する第1および第2の弁座とを有し、
    前記第1の弁体は前記第1の弁座の弁口から前記流出路への流体の流入量を制御し、
    前記第2の弁体は前記第2の弁座への流体の流入量を制御し、
    前記第1の弁体と、対応する前記第1の弁座との間に閉弁時に隙間が設けられている複座平衡弁。
  2. 請求項1に記載の複座平衡弁において、前記第1の弁体が前記第2の弁体よりも下方に配置されている複座平衡弁。
  3. 請求項1または2に記載の複座平衡弁において、前記隙間の軸方向寸法Sは、この隙間に連なる弁口の通路面積に等しい仮想円孔の直径をDとしたとき、S/D=1/15~3/10である複座平衡弁。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の複座平衡弁において、前記弁座を形成する弁座部材が前記ホルダの弁座取付孔に嵌合されており、前記弁座部材は前記弁棒を挿通させるカラーと、このカラーから放射状に径方向外方に延びて前記弁座取付孔の内面に接触ないし近接する複数のバー部材とを有し、これら複数のバー部材間の周方向の空間が前記流体の通路を形成している複座平衡弁。
  5. 蒸気および復水を含んだ流体が上部から流入するトラップ室と、
    前記トラップ室の下部に開口し前記復水を排出する排出孔と、
    前記トラップ室内に配置されて前記復水の浮力により上下移動するフロートと、
    前記トラップ室に配置された請求項1から4のいずれか一項に記載の複座平衡弁とを備え、
    前記フロートがその上下移動に連動して前記複座平衡弁の前記弁棒を軸心方向に移動させるように前記弁棒に連結されているフロート式スチームトラップ。
JP2014077007A 2014-04-03 2014-04-03 複座平衡弁 Active JP6340232B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014077007A JP6340232B2 (ja) 2014-04-03 2014-04-03 複座平衡弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014077007A JP6340232B2 (ja) 2014-04-03 2014-04-03 複座平衡弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015197209A JP2015197209A (ja) 2015-11-09
JP6340232B2 true JP6340232B2 (ja) 2018-06-06

Family

ID=54547023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014077007A Active JP6340232B2 (ja) 2014-04-03 2014-04-03 複座平衡弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6340232B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS471731U (ja) * 1971-01-22 1972-08-19
JPS52151933A (en) * 1976-06-11 1977-12-16 Katsuji Fujiwara Float type trap
JPH10176795A (ja) * 1996-12-13 1998-06-30 Tlv Co Ltd ドレントラップ
JP2000266287A (ja) * 1999-01-14 2000-09-26 Tlv Co Ltd フリーフロート式ドレントラップ
JP5524648B2 (ja) * 2010-02-15 2014-06-18 株式会社テイエルブイ レバーフロート式ドレントラップ
JP2013024271A (ja) * 2011-07-19 2013-02-04 Tlv Co Ltd レバーフロート式ドレントラップ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015197209A (ja) 2015-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN210265922U (zh) 平衡内件压力调节器和平衡内件组件
RU2011133959A (ru) Клапан с функцией р (перепада давления) и функцией ограничения потока
JP2006258812A (ja) 流量計
JP5986941B2 (ja) レベリングバルブ
JP6340232B2 (ja) 複座平衡弁
KR102641641B1 (ko) 체크 밸브
JP5366623B2 (ja) 複座平衡弁
JP5575590B2 (ja) 減圧弁
JP5524648B2 (ja) レバーフロート式ドレントラップ
KR102003013B1 (ko) 유량 조정 밸브 어셈블리
KR101023799B1 (ko) 디스크와 스템 분리형 역류방지밸브
JP6185238B2 (ja) バイパス弁付フロート式スチームトラップ
JP5901934B2 (ja) スチームトラップ
JP6022199B2 (ja) 排気弁
JP4409916B2 (ja) 配管ジョイント付スチームトラップ
JP2007107642A (ja) 配管ジョイント付スチームトラップ
US1094543A (en) Valve.
JP2008111473A (ja) 感温弁
JP6346751B2 (ja) 蒸気トラップ
US8336571B2 (en) Overpressure shutoff and relief valve assembly
JP4689318B2 (ja) 開放弁
JP5774175B2 (ja) フロート式スチームトラップ
JP2014109362A (ja) バイパス弁付フロート式スチームトラップ
JP5607489B2 (ja) フロート式スチームトラップ
JP7461623B2 (ja) フロート式スチームトラップ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180501

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180514

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6340232

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250