JP6339412B2 - 交通管制サーバ - Google Patents

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    • G08GTRAFFIC CONTROL SYSTEMS
    • G08G1/00Traffic control systems for road vehicles

Description

本発明は、交通管制サーバに係り、特に鉱山内を自律走行する無線運搬車両同士の過度な接近を回避するための技術に関する。
鉱山では、安全性向上及び低コスト化を目的に、採掘現場で掘削された土砂や鉱物を、オペレータが搭乗することなく自律走行する無人運搬車両に運搬させる自律走行システムが求められている。
自律走行システムは、無人運搬車両に装着したGPS(Global Positioning System)などの位置算出装置が算出した自車位置情報に基づいて、無人運搬車両が自律的に走行できるように車両の走行制御を行っている。無人運搬車両の自車位置は、無線通信回線を通じて管制センタに送信される。管制センタは、ショベルなどの積込機により鉱物や表層土を積込む積込場から、鉱物や表層土を放土する放土場までの走行経路を生成し、無人運搬車両に送信する。この走行経路は、位置算出装置によって予め取得された位置情報から生成された鉱山の地図情報に基づいて生成される。
一方、積込場等の作業場では、掘削作業の進行に応じて、積込機の位置が移動する。積込機の移動に伴い、積込機の脇に設定された積込点の位置が移動する。そのため、積込場では積込場の入口から積込点までの走行経路を積込点の移動に追従させて動的に生成する必要がある。
この走行経路の動的生成技術として、特許文献1が公知である。特許文献1には、無人運搬車両が積込場の入口点から待機点まで走行中又は待機点で待機中に積込点の位置変更の指示があると、管制サーバが待機点から位置変更後の積込点までの部分走行経路を生成する構成が開示されている。
また自律走行システムの一例として、特許文献2には、予定走行路を複数のセグメントに分割し、複数の車両それぞれに設けられた送受信手段により、予定走行路の各分割地点に車両が到達する毎に位置データを監視局に送信させ、監視局において、複数の車両のそれぞれが予定走行路の各セグメントのいずれに存在しているかを判断し、この判断結果に応じて各車両に対して指示データを送信する構成が開示されている。
特許文献1及び2によれば、積込場までの搬送路及び積込場の入口からは積込点までの動的生成された走行経路をセグメントに分割して走行許可を与えることで、同一の走行経路を走行中の無人運搬車両同士の干渉を避けることができる。
しかし、走行経路の道路幅には制約があり、大型の無人運搬車両が走行経路の脇にある周辺構造物(路肩や崖など)との干渉を避けることも無人運搬車両の安全走行のためには必要である。
この点について特許文献3には、同一の走行経路上に対向車がいない場合には走行経路の中央を走行し、対向車がある場合にはお互いが路肩寄りに走行することで、対向車がいないときはより安全度が高い走行路の中央を走行し、対向車とすれ違うときは互いに走行経路の端によけて走行する構成が開示されている。これにより、走行路の周辺構造物との干渉を避けつつ、対向車同士の離合動作も容易に行うことができる。
国際公開第2011/090093号 国際公開第98/37468号 米国特許第6941201号明細書
鉱山内の走行路は、積込場や放土場が複数あり、複数の走行経路が交差したり近接したりする場合がある。特許文献3では、同一走行経路上の対向車との関係については考慮されているが、複数の走行経路のそれぞれを走行する無人運搬車両間の距離については考慮されていない。そのため、異なる走行経路が近接又は交差している場合には、無人運搬車両が過度に接近して、安全性が十分に確保されない可能性があるという課題が残る。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、異なる走行経路路上を走行する無人運搬車両が接近しすぎることを抑止しつつ、無人運搬車両の走行制御を行う交通管制サーバを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る交通管制サーバは、鉱山内に形成された第一の走行経路及び当該第一の走行経路と交差する第二の走行経路上を自律走行する複数の無人運搬車両の走行制御を行う交通管制サーバであって、前記第一の走行経路上を走行する第一の無人運搬車両に対し、その第一の無人運搬車両のみに走行を許可する前記第一の走行経路上の部分区間からなる第一の走行許可区間を設定する走行許可区間設定部と、前記第一の走行経路及び前記第二の走行経路を走行しながら地点座標を計測して走行軌跡情報を生成する航測車両から前記走行軌跡情報を取得して、地点座標を示すノード及び隣接するノード間を連結するリンクを含んで構成された前記第一の走行経路を示す地図情報及び前記第二の走行経路を示す地図情報を作成する地図情報作成部と、を備え、前記地図情報作成部は、前記第一の走行経路の地図情報に含まれるリンク及び前記第二の走行経路の地図情報に含まれるリンクが交差するリンク交差点が含まれる場合に、前記リンク交差点から、前記第二の走行経路上を走行する第二の無人運搬車両から無人運搬車両間の接近限界を規定するパラメータに応じて定められた所定の距離閾値としての第一距離閾値未満の範囲にある前記第一の走行経路の地図情報及び前記第二の走行経路の地図情報の其々に含まれるノードを、前記第一距離閾値以上離れた位置に修正した修正後地図情報を作成し、前記走行許可区間設定部は、前記修正後地図情報を用いて、前記第一の走行許可区間に含まれるノードが、前記リンク交差点から前記第一距離閾値以上離れるように、前記第一の走行許可区間を設定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、走行許可区間設定部は第一の走行許可区間の設定に際し、第一の走行許可区間に含まれるノードと第二の走行経路上を走行する第二の無人運搬車両との間の距離が所定の距離閾値以上離れるように設定する。そのため、第一の無人運搬車両と第二の無人運搬車両との間に、無人運搬車両間の接近限界を考慮した距離を確保することができる。これにより、複数の走行経路を走行する複数の無人運搬車両が異常接近することを抑止することができる。また、本発明によれば、地図情報作成部は航測車両から得られた走行軌跡情報を基に地図情報を作成し、この地図情報に対してリンク交差点から第一距離閾値未満にあるノード位置の修正を行って修正後地図情報を作成する。これにより、走行許可区間設定部は、修正後地図情報に基づいて第一の走行許可区間を設定するだけで、常に第一の走行許可区間に含まれるノードをリンク交差点から第一距離閾値以上離すことができる。
た上記構成において、前記第二の走行経路が前記ノード及びリンクを含んで構成されると共に、前記第一の走行経路に含まれるリンク及び前記第二の走行経路に含まれるリンクが交差してリンク交差点を形成し、前記走行許可区間設定部は、前記第一の走行許可区間に、前記リンク交差点から前記所定の距離閾値としての第一距離閾値未満の範囲にある前記第二の走行経路上のリンクを含めて設定するのが好ましい
リンク交差点は、第一の走行経路を走行する第一の無人運搬車両と、第二の走行経路を走行する第二の無人運搬車両とが最接近する可能性が高い地点の一つである。ここで、第一の走行許可区間は、第一の無人運搬車両のみの走行が許可された区間なので、第二の無人運搬車両にとっては進入ができない排他区間となる。上記構成では、第一の走行許可区間にリンク交差点から第一距離閾値未満にある第二の走行経路上のリンクを含めることにより、第一の無人運搬車両がリンク交差点を通過中に、第二の無人運搬車両との間の距離を第一距離閾値以上確保することができ、両車両の異常接近を抑止することができる。
更に上記構成では、走行許可区間の設定に際してリンク交差点からの距離を考慮する。そのため、もし走行許可区間を設定する際に参照される地図情報において、第二走行経路がリンク交差点から第一距離閾値未満のリンクを含んでいても、地図情報を修正することなく、第一の無人運搬車両と第二の無人運搬車両との間の距離を第一距離閾値以上確保することができる。
た上記構成において、前記第二の走行経路は、前記ノード及びリンクを含んで構成され、前記走行許可区間設定部は、前記第一の走行経路に含まれるノードに、前記第二の走行経路に含まれるリンクのうち最も近いリンクまでの距離が前記所定の距離閾値としての第二距離閾値未満に位置するリンク近傍点が含まれる場合に、前記リンク近傍点を前記最も近いリンクから前記第二距離閾値以上離れた位置に修正して前記第一の走行許可区間を設定するのが好ましい
リンク近傍点は、第一の走行経路を走行する第一の無人運搬車両と、第二の走行経路を走行する第二の無人運搬車両とが最接近する可能性が高い地点の一つである。上記構成では、第一の走行許可区間に含まれるリンク近傍点を、第二の走行経路上のリンクから第二距離閾値以上離れた位置に修正することにより、第一の走行経路を通過中の第一の無人運搬車両と、第二の走行経路上を通過中の第二の無人運搬車両との間の距離を第二距離閾値以上確保することができ、両車両の異常接近を抑止することができる。
また本発明に係る交通管制サーバは、鉱山内に形成された第一の走行経路及び当該第一の走行経路に近接する第二の走行経路上を自律走行する複数の無人運搬車両の走行制御を行う交通管制サーバであって、前記第一の走行経路上を走行する第一の無人運搬車両に対し、その第一の無人運搬車両のみに走行を許可する前記第一の走行経路上の部分区間からなる第一の走行許可区間を設定する走行許可区間設定部と、前記第一の走行経路及び前記第二の走行経路を走行しながら地点座標を計測して走行軌跡情報を生成する航測車両から前記走行軌跡情報を取得して、地点座標を示すノード及び隣接するノード間を連結するリンクを含んで構成された前記第一の走行経路を示す地図情報及び前記第二の走行経路を示す地図情報を作成する地図情報作成部と、を備え、前記地図情報作成部は、前記第一の走行経路の地図情報に含まれるノードに、前記第二の走行経路の地図情報に含まれるリンクのうち最も近いリンクまでの距離が、前記第二の走行経路上を走行する第二の無人運搬車両から無人運搬車両間の接近限界を規定するパラメータに応じて定められた所定の距離閾値としての第二距離閾値未満に位置するリンク近傍点が含まれる場合に、前記リンク近傍点を前記最も近いリンクから前記第二距離閾値以上離れた位置に修正した修正後地図情報を作成し、前記走行許可区間設定部は、前記修正後地図情報を用いて、前記第一の走行許可区間に含まれるノードが前記第二の走行経路の地図情報に含まれる前記最も近いリンクから前記第二距離閾値以上離れるように、前記第一の走行許可区間を設定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、地図情報作成部は、航測車両から得られた走行軌跡情報を基に地図情報を作成し、この地図情報にリンク近傍点が含まれる場合に、そのリンク近傍点に最も近いリンクから第二距離閾値以上離れた位置にリンク近傍点の位置を修正した修正後地図情報を作成する。これにより、走行許可区間設定部は、修正後地図情報に基づいて第一の走行許可区間を設定するだけで、常に第一の走行許可区間に含まれるノードを、第二の走行経路に含まれるリンクから第二距離閾値以上離すことができる。
また本発明は上記構成において、前記地図情報に対するユーザからの修正指示を受け付け、それに基づいて前記地図情報を修正する地図情報修正部を更に備えることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザが所望した内容で地図情報を修正することができる。これにより、リンク交差点やリンク近傍点からの距離閾値に加えてユーザからの修正指示に従って地図情報を修正することができる。
た上記構成において、前記無人運搬車両間の接近限界を規定するパラメータは、前記第一の無人運搬車両又は前記第二の無人運搬車両の速度、車幅、車体長、又は積載量のうちの少なくとも一つである、ことが好ましい。
無人運搬車両の速度や積載量が変化すると、無人運搬車両の横揺れやスリップ動作などの挙動に変化が生じる。また、無人運搬車両の車幅、車体長が異なると、同一のノードであっても無人運搬車両の車体端部の位置が変化する。挙動や車体端部の位置が変化すると、無人運搬車両間をどのくらい接近させることができるかを規定する接近限界が変化する。上記構成によれば、接近限界を規定するパラメータに応じて、無人運搬車両間の距離を規定する所定の距離閾値を変化させることができる。
本発明によれば、異なる走行経路路上を走行する無人運搬車両が接近しすぎることを抑止しつつ、無人運搬車両の走行制御を行う交通管制サーバを提供することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
鉱山の全体配置の一例を示す説明図 本実施形態に係る交通管制サーバ及びダンプ端末装置のハードウェア構成図 本実施形態に係る航測車両端末装置のハードウェア構成図 本実施形態に係る交通管制サーバ、ダンプ端末装置、及び航測車両端末装置の機能ブロック図 本実施形態に係る航測車両端末装置の機能ブロック図 第一実施形態に係るノード位置調整の処理の流れを示すフローチャート ノード情報及びリンク情報を格納したテーブルを示し、(a)はノード情報テーブルを、(b)はリンク情報テーブルを示す。 搬送路上に生成された走行経路の地図情報の一例を示す図 図8の交差点領域を拡大した図 リンク交差点からノード位置を離す修正処理を示す図 リンク近傍点からノード位置を離す修正処理を示す図 動的生成された走行経路を示す図であって、(a)は修正前の地図情報を示し、(b)は修正後の地図情報を示す。 交通管制サーバ31の自律走行制御の処理の流れを示すフローチャート 搬送路交差点における走行許可区間の例を示す図 作業場内の走行経路交差点における走行許可区間の例を示す図 第二実施形態に係る交通管制サーバの機能ブロック図 第二実施形態に係る画面表示例を示す図 第三実施形態に係る交通管制サーバの処理の流れを示すフローチャート 第三実施形態に係る搬送路上での走行許可区間の設定例を示す図であって、(a)はリンク交差点付近の走行許可区間を示し、(b)はリンク近傍点付近の走行許可区間を示す。 第三実施形態に係る作業場内の走行経路上での走行許可区間の設定例を示す図であって、(a)はリンク交差点付近の走行許可区間を示し、(b)はリンク近傍点付近の走行許可区間を示す。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明する。以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。なお、以下の実施の形態において、その構成要素(処理ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須ではない。
また、以下の実施の形態における各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路その他のハードウェアとして実現しても良い。また、後述する各構成、機能、処理部、処理手段等は、コンピュータ上で実行されるプログラムとして実現しても良い。すなわち、ソフトウェアとして実現しても良い。各構成、機能、処理部、処理手段等を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、ICカード、SDカード、DVD等の記憶媒体に格納することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一または関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
<第一実施形態>
第一実施形態は、鉱山においてショベルやホイールローダ等の積込機が積み込んだ土砂や鉱石を搬送し、運転手が搭乗することなく自律走行する無人運搬車両と、無人運搬車両が鉱山内を自律走行するための地図情報の元となる走行軌跡情報を収集する航測車両と、航測車両の軌跡情報を基に無人運搬車両の走行制御を行う交通管制サーバと、を無線通信回線で接続した交通管制システムに係り、特に異なる走行路を走行する無人運搬車両同士が接近しすぎないように制御するための構成に特徴がある。以下、本発明の第一実施形態に係る交通管制システムについて、図面を参照しながら説明する。
まず、図1に基づいて第一実施形態に係る交通管制システムの概略構成について説明する。図1は、鉱山の全体配置の一例を示す説明図である。
図1に示すように、鉱山は積込場2、駐機場3、放土場4と、これらを結ぶ搬送路60とを含んで構成される。一つの搬送路60上には、進行方向が逆方向になる二つの走行経路が形成される。無人運搬車両20は例えば右側走行をして同一の刃の搬送路60上に形成される二つの走行経路を行き交う。
積込場2は、積込機10が無人運搬車両20へ鉱物や表土層を積込点において積み込む作業を行う場所である。積込機10は、例えば油圧ショベルやホイールローダであり、掘削作業及び無人運搬車両20への積込作業を行う。積込機10は掘削作業をしながら移動する。そこで、積込場2内の走行経路、即ち積込場2の入口から積込点までの走行経路、及び積込点から積込場2の出口までの走行経路は、積込点の移動に追従して動的生成される。
駐機場3は、オペレータの交代や無人運搬車両20の駐車を行う場所である。駐機場3内には、管制センタ30が設けられる。管制センタ30には、無人運搬車両20の自律走行制御を行う交通管制サーバ31が設けられる。
放土場4は、無人運搬車両20が表層土や鉱物を積下ろす場所である。
本実施形態に係る交通管制システム1は、上記交通管制サーバ31と、無人運搬車両20及び航測車両70とを無線通信回線40を介して互いに通信接続して構成される。そして、鉱山内には、無線基地局41が設置され、無線基地局41を経由して、無線通信の電波が送受信される。
積込機10、無人運搬車両20、及び航測車両70は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation System)の少なくとも3つの航法衛星50−1、50−2、50−3から測位電波を受信して自車両の位置を取得するための位置算出装置(図1では図示を省略する)を備える。GNSSとして、例えばGPS、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、GALILEOを用いてもよい。積込機10や無人運搬車両20は実際には複数存在し、それぞれが交通管制サーバ31と無線で通信を行うが、その構成は同じであるので、以下では積込機10、無人運搬車両20、及び航測車両70を例に挙げて説明する。
積込機10は、超大型の油圧ショベルであって、走行体と、この走行体上に旋回可能に設けた旋回体と、運転室と、旋回体の前部中央に設けたフロント作業機と、を備えて構成される。フロント作業機は、旋回体に対し俯仰動可能に設けられたブームと、このブームの先端に回動可能に設けられたアームと、そのアームの先端に取り付けられたバケットとを含む。積込機10における見通しの良い場所、例えば運転室の上部に、無線通信回線40に接続するためのアンテナが設置されている。
無人運搬車両20は、鉱山用の電気駆動ダンプトラックであって、本体を形成するフレームと、前輪及び後輪と、フレームの後方部分に設けられたヒンジピンを回動中心として上下方向に回動可能な荷台と、この荷台を上下方向に回動させる左右一対のホイストシリンダと、を含んで構成される。また、無人運搬車両20は、見通しの良い場所、例えば、無人運搬車両20の上面前方に、無線通信回線40に接続するためのアンテナが設置される。
更に無人運搬車両20は、交通管制サーバ31からの指示に従って自律走行をするための車載端末装置(以下「ダンプ端末装置」と記載する)21を搭載する。
航測車両70は専用の車両、あるいは無人運搬車両を用いて構成される。航測車両70は、鉱山内の搬送路を走行しながら走行軌跡情報を取集し、交通管制サーバ31に出力する。この出力態様は、走行軌跡情報の収集中に随時無線通信回線を通じて送信してもよいし、固定的に記録できる記録媒体に走行軌跡情報を記録し、航測車両70が駐機場3に戻ってからこの記録媒体を交通管制サーバ31に電気的に接続し、走行軌跡情報を出力してもよい。航測車両70は、走行軌跡情報を収集するための車載端末装置(以下「航測車両端末装置」と記載する)71を搭載する。
交通管制サーバ31は、無線通信回線40を経由してダンプ端末装置21及び航測車両端末装置71の其々と通信する。
次に、図2乃至図4を参照して本実施形態に係る管制システムの構成について説明する。図2は、本実施形態に係る交通管制サーバ及びダンプ端末装置のハードウェア構成図である。図3は、本実施形態に係る航測車両端末装置のハードウェア構成図である。図4は、本実施形態に係る交通管制サーバ及びダンプ端末装置の機能ブロック図である。図5は、本実施形態に係る航測車両端末装置の機能ブロック図である。
図2に示すように、交通管制サーバ31は、サーバ側制御装置311、サーバ側入力装置312、サーバ側表示装置313、サーバ側通信装置314、通信バス315、マスタ地図情報データベース(以下データベースを「DB」と略記する)316、及び走行許可区間情報DB317(以下「区間情報DB」と略記する)を含んで構成される。
サーバ側制御装置311は、交通管制サーバ31の各構成要素の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)等の演算・制御装置の他、交通管制サーバ31で実行されるプログラムを格納するROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置、また、CPUがプログラムを実行する際の作業領域となるRAM(Random Access Memory)を含むハードウェアを用いて構成させる。
サーバ側入力装置312は、マウス、キーボードなどの入力装置により構成され、無人運搬車両20へのマニュアル指示や後述する地図情報の修正処理においてユーザから地図情報に対する修正指示の入力操作を受け付けるユーザインタフェースとして機能する。
サーバ側表示装置313は、液晶モニタ等により構成され、オペレータに対して情報を表示して提供するインターフェースとして機能する。本実施形態では、後述する地図情報の修正処理においてユーザに対して地図情報を表示するユーザインタフェースとなる。
サーバ側通信装置314は、有線/無線ネットワークとの通信接続を行う装置により構成される。交通管制サーバ31は不図示の有線通信回線及びアンテナに接続され、無線通信回線40、無線基地局41を介して無運搬車両20及び航測車両70と通信接続される。
通信バス315は、各構成要素を互いに電気的に接続する。
マスタ地図情報DB316は、HDDなど情報を固定的に記憶する記憶装置を用いて構成され、走行許可区間を設定する際に参照される地図情報を格納する。地図情報は、搬送路60上の走行経路を定義する各ノードの位置情報(座標値)と、隣接するノードを連結するリンクとを含む。また、鉱山の地形情報や、各ノードの絶対座標(測位電波を基に算出される3次元実座標)を含んでもよい。各ノード及びリンクには、そのノード及びリンクを固有に識別する識別情報(以下「ノードID」、「リンクID」と記載する)が付与される。
区間情報DB317は、HDDなど情報を固定的に記憶する記憶装置を用いて構成され、各無人運搬車両20を固有に識別する車両識別情報と、各無人運搬車両に割り当てられた走行許可区間を示す位置情報、各無人運搬車両の現在位置、走行速度を含む区間情報を記憶する。
上記の各DBは、地図情報や区間情報を記憶する記憶部だけを備え、サーバ側制御装置311がそれらのデータベースの更新・検索処理を行ってもよいし、各DBに情報の更新・検索処理を行うエンジンを搭載したものでもよい。
一方、無人運搬車両20は、電気駆動ダンプトラックであって、ダンプ端末装置21の他、ダンプ端末装置21の指示を受けて無人運搬車両の加減速やステアリングを制御する車両制御装置27、外界センサ装置28、及び位置算出装置29を備える。
ダンプ端末装置21は、端末側制御装置211、端末側入力装置212、端末側表示装置213、端末側通信装置214、通信バス215、及び端末側地図情報DB216を含んで構成される。
端末側制御装置211、端末側入力装置212、端末側表示装置213、端末側通信装置214、通信バス215、及び端末側地図情報DB216のそれぞれは、サーバ側制御装置311、サーバ側入力装置312、サーバ側表示装置313、サーバ側通信装置314、通信バス315、及びマスタ地図情報DB316のそれぞれと同一の構成であるので、重複説明を省略する。上記端末側地図情報DB216は、マスタ地図情報DB316に格納された地図情報と同じ地図情報を格納する。
車両制御装置27は、リターダブレーキ271、サービスブレーキ272、ステアリング制御装置273、及び加速制御装置274を含む。車両制御装置27は、ダンプ端末装置21に電気的に接続され、交通管制サーバ31からの指示に従って無人運搬車両20を自律走行させる。
リターダブレーキ271は、通常制動時に使用するブレーキである。リターダブレーキ271は、電気駆動エンジンを構成する電動機を発電機としてとして作動させ、運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回生電力を生成し、これを抵抗器に印加して熱エネルギーとして消費させることで制動力を得るものである。
サービスブレーキ272は、緊急制動時に使用するブレーキであり、機械ブレーキにより構成される。
ステアリング制御装置273は、無人運搬車両20の操舵角を調整する。
加速制御装置274は、無人運搬車両20の燃料噴射量を調整して加速調整を行う。
外界センサ装置28は、ミリ波レーダや前方カメラなど無人運搬車両20の走行方向(進行方向)前方の障害物を検知するためのセンサや、ライダなど路肩検出を行うためのセンサを含む。外界センサ装置28の検知結果はダンプ端末装置21の端末側制御装置211に出力され、通常時は走行経路から離脱しないように走行位置の監視や加減速に用いられ、緊急時には緊急回避行動に必要な制動動作に用いられる。
位置算出装置29は、航法衛星50−1、50−2、50−3(図1参照)からの測位電波を基に自車両の現在位置を算出する。算出された自車両の位置情報は、ダンプ端末装置21から交通管制サーバ31に対して送信される。
図3に示すように、航測車両端末装置71はダンプ端末装置21と同様、端末側制御装置711、端末側入力装置712、端末側表示装置713、端末側通信装置714、通信バス715、及び走行軌跡情報記憶部716を含む。端末側制御装置711、端末側入力装置712、端末側表示装置713、端末側通信装置714、通信バス715の各構成要素はダンプ端末装置21の構成と同様であるので重複説明を省略する。
航測車両端末装置71は、ダンプ端末装置21と同様、航測車両70の現在位置を検出する位置算出装置79に電気的に接続される。そして、走行軌跡情報記憶部716は、位置算出装置79が算出した自車両の現在位置情報のうち端末側制御装置711がサンプリングした位置情報を走行軌跡情報として記憶する。
次に図4に示すように、交通管制サーバ31のサーバ側制御装置311は、地図情報作成部311a、配車管理部311b、走行経路設定部311c、走行許可区間設定部311d、サーバ側通信制御部311e、及び通信インターフェース(以下「通信I/F」と略記する)311fを備える。
地図情報作成部311aは、航測車両70によって取得された走行軌跡情報を基に、配車管理および自律走行制御(走行経路及び走行許可区間設定処理)のための地図情報を生成する。生成された地図情報はマスタ地図情報DB316に格納されるとともに、無人運搬車両20に送信される。無人運搬車両20は、この地図情報を端末側地図情報DB216に格納する。
配車管理部311bは、無人運搬車両の現在位置や他のダンプトラックの状況などを考慮して、無人運搬車両20の目的地を設定する。目的地は、例えば積込場2、放土場4、駐機場3(図1参照)の指定された座標を指定することによって与えられる。
走行経路設定部311cは、配車管理部311bによって決定された目的地までの走行経路を設定する。走行経路は以下のようにして設定される。まず、出発地から積込場2、放土場4、駐機場3(図1参照)の入口までの走行経路は、搬送路60上に含まれるノード情報点列を指定することによって与えられる。さらに、積込場2、放土場4、駐機場3(図1参照)入口から目的地までの経路は、作業場内に動的に生成された走行経路に含まれるノード情報点列を指定することによって与えられる。
走行許可区間設定部311dは、走行経路設定部311cによって指定された走行経路に基づいて、無人運搬車両同士が干渉しないように走行経路内において走行可能な区間を設定する処理を行う。そのために、走行許可区間は、当該走行許可区間の設定対象となる無人運搬車両のみの走行を許可する区間であり、他の無人運搬車両から見ると進入が不許可となる排他区間としての性質を有する。
サーバ側通信制御部311eは、航測車両端末装置71及びダンプ端末装置21との間の無線通信制御を行う。具体的は、航測車両端末装置71から走行規軌跡情報を受信し、地図情報作成部311aに出力する。またダンプ端末装置21に対して地図情報を送信する。更に、ダンプ端末装置21から目的地の設定要求を示す情報(以下「目的地要求情報」という)、及び走行許可区間の設定要求を示す情報(以下「走行許可区間要求情報」と記載する)を受信し、配車管理部311b及び走行経路設定部311cに出力する。これを契機として、走行経路の設定及び走行許可区間の設定処理が開始する。また、設定された目的地及び走行経路の内容を示す目的地・走行経路情報、及び走行許可区間設定処理の結果を示す走行許可区間応答情報をダンプ端末装置21に送信する。
通信I/F311fは、USB(Universal Serial Bus)規格の接続端子等、サーバ側通信装置314と通信接続をするためのハードウェアにより構成される。
次にダンプ端末装置21について説明する。ダンプ端末装置21の端末側制御装置211は、自律走行制御部211a、端末側通信制御部211b、通信I/F211c、及び要求情報処理部211dを備える。
自律走行制御部211aは、位置算出装置29から自車両の現在位置を取得し、端末側地図情報DB216の地図情報、及び区間情報に含まれる走行許可区間に従って自車両を走行させるための制御を車両制御装置27に対して行う。また、自律走行制御部211aは、外界センサ装置28の検知結果に基づいて前方障害物の有無を判定し、障害物との干渉、衝突の回避動作の有無も判定し、必要があれば制動動作のための制御を行う。更に自律走行制御部211aは、交通管制サーバ31からの指示に従って、車両制御装置27に含まれる制動装置に対する駆動制御を行い、減速動作、通常停止動作、又は緊急停止動作を行う。
端末側通信制御部211bは、交通管制サーバ31との間で行う無線通信の制御を行う。
通信I/F211cは、USB規格の接続端子等、端末側通信装置214と通信接続をするためのハードウェアにより構成される。
要求情報処理部211dは、端末側地図情報DB216に格納された地図情報及び位置算出装置29が算出した現在位置を基に、無人運搬車両20が走行許可区間要求情報を送信する地点に到達したかを判断し、要求地点に到達すると走行許可区間要求情報を生成する。また、目的地が設定されていない場合は、要求情報処理部211dは目的地要求情報を生成する。これらの要求情報は、端末側通信制御部211bを介して交通管制サーバ31に送信される。
また、図5に示すように航測車両70に搭載する航測車両端末装置71の端末側制御装置711は、データ収集部711a、端末側通信制御部711b、及び通信I/F711cを備える。
データ収集部711aは、位置算出装置79が算出した自車位置情報を所定時間間隔毎に走行軌跡情報記憶部716に保存する。ここで保存される時間と自車位置情報(緯度、経度、高度)とが関連付けられたレコード情報を走行軌跡情報という。データ収集部711aは、走行軌跡情報を端末側通信制御部711b、通信I/F711c及び端末側装置714を介して交通管制サーバ31に送信してもよい。
端末側通信制御部711b、及び通信I/F711cは、ダンプ端末装置2の構成と同様であるので重複説明を省略する。
交通管制サーバ31が備える地図情報作成部311a、配車管理部311b、走行経路設定部311c、走行許可区間設定部311d、サーバ側通信制御部311は、これらの機能を実現するプログラムが図2に示すサーバ側制御装置311(ハードウェア)により実行されることにより実現する。同様に、ダンプ端末装置21に備えられる自律走行制御部211a、端末側通信制御部211b、及び要求情報処理部211dは、これらの機能を実現するプログラムが図3に示す端末側制御装置211(ハードウェア)により実行されることにより実現する。更に航測車両端末装置71に備えられるデータ収集部711a、及び端末側通信制御部711bはこれらの機能を実現するプログラムが図3に示す端末側制御装置711(ハードウェア)により実行されることにより実現する。これらのハードウェアとプログラムとが協働して実現する構成要素は、各機能を実現するための集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)を用いて構成してもよい。
以下、本実施形態に係る交通管制システムの処理の流れについて図6乃至図12を参照して説明する。本実施形態では、ノード及びリンクを用いて定義された搬送路上の走行経路の地図情報を作成し、その地図情報を用いて各無人運搬車両の走行経路を算出する。更にその走行経路上において、無人運搬車両同士が異常接近しないための所定の距離閾値を確保して走行許可区間を設定する。このように走行許可区間を設定する手法として、地図情報作成部311aが走行軌跡情報を用いて作成した地図情報(以下「元地図情報」という)に対して、ノード位置の修正を施した修正後の地図情報(以下「修正後地図情報」という)を作成し、修正後地図情報を用いて走行許可区間を設定する手法と、元地図情報を用いて走行許可区間を設定する際に当該走行許可区間に含まれるリンクを調整して走行許可区間を設定する手法との二つがある。前者は第一実施形態及び第二実施形態に相当し、後者は第三実施形態に相当する。
以下、図6乃至図12を参照して第一実施形態に係る処理内容について説明する。図6は、第一実施形態に係るノード位置調整の処理の流れを示すフローチャートである。図7は、ノード情報及びリンク情報を格納したテーブルを示し、(a)はノード情報テーブルを、(b)はリンク情報テーブルを示す。図8は、搬送路上に生成された走行経路の地図情報の一例を示す図である。図9は、図8の交差点領域を拡大した図である。図10は、リンク交差点からノード位置を離す修正処理を示す図である。図11は、リンク近傍点からノード位置を離す修正処理を示す図である。図12は、動的生成された走行経路を示す図であって、(a)は修正前の地図情報を示し、(b)は修正後の地図情報を示す。
図6に示すように、ステップS600では地図情報作成部311aが航測車両70によって取得された走行軌跡情報を読み込む(S600)。
ステップS601では、地図情報作成部311aは、積込位置や放土位置の情報を取得する(S601)。具体的には、地図情報作成部311aが走行軌跡情報を解析して航測車両70が折り返した地点を検索する。この折り返し地点は、搬送路の末端部分であるので、積込位置又は放土位置を示す。積込位置と放土位置との弁別は、積込機10に搭載された位置算出装置が算出した自機の現在位置情報を交通管制サーバ31が取得し、それが示す座標と折り返し地点の座標とが近接していれば積込位置として扱い、そうでなければ放土位置として取り扱う。上記積込位置や放土位置の具体例は一例であり、この処理に限定されない。
次にステップS602では、地図情報作成部311aは、ノード情報を生成する(S602)。具体的には、搬送路60上の走行経路の地図情報を作成する場合には、走行軌跡情報から所定の時間間隔あるいは距離間隔ごとに走行軌跡情報の位置情報を抽出し、その抽出された位置データをノード座標とする。そして、各ノード座標にノードIDを付与することにより、ノード情報を生成する。
図7の(a)に示すように、ノード情報テーブルは、ノードID、ノード座標(x、y座標)に加え、属性情報として制限速度や道路幅を有する。
次にステップS603において地図情報作成部311aは、リンク情報を生成する(S603)。リンク情報とは、2つのノード情報間の接続情報である。リンク情報は、走行軌跡情報に記録された時間情報を基に、時間的に隣接する2つのノードを接続することにより生成される。図7の(b)は、リンク情報を格納したテーブルを示す。各リンク情報にも属性情報を有する。なお、図7では説明述便宜のため、ノード情報及びリンク情報の双方に属性情報を付帯したが、どちらか一つの情報にのみ属性情報を持たせてもよい。
図8は、ステップS601からS603までの処理によって生成された地図情報のうち、搬送路上に生成された走行経路の地図情報の一例を示す図である。地図情報はノード情報801及びリンク情報802から構成される。符号803は交差点が多数含まれる領域を示す。搬送路は交差点を多数含むことにより、駐機場から積込場、放土場を相互に往来可能な構造になっている。
なお、上記ステップS603において、リンク交差点から第一距離閾値未満にある2つのノードは同一のノードとみなす処理を行うことによって、リンク情報に交差点分岐構造を含めて表現することができる。例えば、図7の(b)及び図8のノードID「n4」、「n5」のx、y座標を基に2点間の距離を求め、それが第一距離閾値未満の場合、図7の(b)のリンクIDの付与処理に際し、リンクID「L3」は、ノードID「n3」、「n4」、「n5」までを連結するするリンクとして定義する。これにより、リンクID「L3」に、ノードID「n3」、「n4」が直線状に並ぶ走行経路R1と、この走行経路R1とは異なる走行経路R2にあるノードID「n5」と、が交差する交差点の構造を含めることができる。よって、走行経路R1上を走行する無人運搬車両にリンクID「L3」を含む走行許可区間を設定すると、走行経路R1と走行経路R2との交差点からノードID「n5」までの区間を当該無人運搬車両のみが走行できる区間、換言すると他の無人運搬車両が進入できない排他区間として定義することができる
図9に示すように、元地図情報のノード901,902,903は、リンクが交差する点(以下「リンク交差点」という)921,922に近接する。そのため、このままのノード位置ではリンク交差点付近を走行する無人運搬車両同士が接近しすぎる可能性がある。
そこで地図情報作成部311aは、リンク交差点に近接するノード位置を第一距離閾値以上離す修正を行う。ここでいう第一距離閾値とは、無人運搬車両間の接近限界を規定するパラメータに応じて定められた距離であり、一例として、接近限界に所定のマージンを加算して決定される。接近限界を規定するパラメータは、無人運搬車両の速度、車幅、車体長、又は積載量のうちの少なくとも一つを用いてもよい。上記パラメータが変化すると、無人運搬車両の挙動や車体端部の位置が変化するので、これに応じて第一距離閾値を変化させることができる
ステップS604において、地図情報作成部311aは、リンク交差点に近接するノード情報の修正処理に際し、リンク交差点を抽出する処理を行う(S604)。リンク交差点を抽出する処理は、例えばすべての2つのリンク情報の組み合わせに対して、リンクの始点と終点のノード位置から交差しているか否かを計算することによって行われる。
図9に示す符号905、906で示すノードを連結するリンクを示す線分911と、符号901、907で示すノードを連結するリンクを示す線分912とは、X、Y座標上において交点を持たない。従って、線分911、912をそれぞれ表す連立方程式には共通解が存在しない。一方、符号902、903で示すノードを連結するリンクを示す線分913と、符号901、907で示すノードを連結するリンクを示す線分912とは、X、Y座標上において交点を持つ。従って、線分912、913をそれぞれ表す連立方程式には共通解が存在する。このように、各リンクを示す線分を方程式で表し、任意のリンクの組み合わせを示す連立方程式の共通解の有無を算出することにより、リンク交差点を抽出する。
次いでステップS605において地図情報作成部311aは、リンク交差点の近傍に位置するノード位置を修正する処理を行う(S605)。具体的な処理について、図9の領域950を拡大した図10を参照して説明する。
まずステップS604において抽出されたリンク交差点に最も近いノード901が、第一距離閾値d1内(未満)に存在するか否かを判定する。そして最も近いノード901が第一距離閾値d1内に存在する場合、最も近いリンク交差点921から離す処理を行う。次いで、次にリンク交差点921に近いノード902も第一距離閾値d1以内にあるか否かを判定し、あればリンク交差点921から離す。これを繰り返し、全てのノードが各リンク交差点から第一距離閾値d1以上離れるように修正する。具体的には、図10に示すように、リンク交差点(921)と当該ノード901を結ぶベクトルt1に沿ってノード901の位置を第一距離閾値d1以上離すことによってノード位置を修正する(符号901a参照)。同様に、ノード902もリンク交差点921から第一距離閾値d1以上離れていない。そこで、リンク交差点921とノード902とを結ぶベクトルt2を第一距離閾値d1分延長し、ノード位置を902aに修正する。同様にリンク交差点922に近接するノード903の位置は、903aに修正する。このとき、地図情報作成部311aは修正後のノード903aがリンク交差点921、922の双方から第一距離閾値d1離れるように修正する。
ステップS606において、地図情報作成部311aはステップS605によって修正されたノード位置情報を基に全てのリンク交差点の座標の再計算を行う(S606)。
ステップS607において、地図情報作成部311aは全てのノード位置がリンク交差点と第一距離閾値d1以上離れているか否かを判定する。そしてもし離れていれば(S607/Yes)次のステップS608に進む。一方もし離れていなければ(S607/No)ステップS605に戻り、処理を繰り返す。
修正地図情報を示す図10において、ノード904及び901aを連結するリンク914とノード905とは交差してはいないが、第二距離閾値d2以上離れていないと無人運搬車両が接近しすぎる危険性が高くなる。そのため、ノード905を近接するリンク914から離す処理が必要である。図6におけるステップS608以後の処理がこの処理に該当する。なお、上記第二距離閾値d2は、第一距離閾値d1と同じ距離でもよいし、異なってもよい。また、第一距離閾値d1及び第二距離閾値d2で、距離閾値を決定するためのパラメータを変えてもよい。
ステップS608では、地図情報作成部311aは、リンク近傍点を抽出する処理を行う(S608)。ここでいうリンク近傍点とは、例えば図11において、処理対象となるノード905が属さないリンクのうちで、最もノード905に近いリンク914に対して垂線を下ろしたときの交点930である。処理対象となるノードからリンク近傍点までの距離d_vlが第二距離閾値d2未満である場合、地図情報作成部311aはこの処理対象のノードをリンク近傍点と判定する。地図情報作成部311aは、全てのノードとそれに最も近いリンクの組み合わせに対して上記リンク近傍点を抽出する処理を行う。
ステップS609において、地図情報作成部311aは近傍ノード位置を修正する処理を行う(S609)。具体的な処理は、以下のようにして行われる。地図情報作成部311aはステップS608において抽出された、リンク近傍点と第二距離閾値d2未満に存在するノードに対して、その位置をリンク近傍点から離す処理を行う。より詳しくは、処理対象のノード903の位置を、リンク近傍点930と当該ノード905を結ぶベクトルt3上に沿ってリンク近傍点930から第二距離閾値d2以上離した位置905aに修正する。
ステップS610において、地図情報作成部311aはステップS609によって修正されたノード位置情報をもとに、リンク近傍点の再抽出を行う(S610)。
ステップS611において、地図情報作成部311aはすべてのノード位置がリンク近傍点と第二距離閾値d2以上離れているか否かを判定する。そしてもし離れていれば(S611/Yes)、次のステップS612に進む。一方もし離れていなければ(S611/No)、ステップS609に戻り、処理を繰り返す。
ステップS612において、地図情報作成部311aは最終的な地図情報を出力して、処理を終了する(S612)。本実施形態では、地図情報作成部311aは出力態様としてマス地図情報DB316に格納する処理を行う。また、この地図情報は、ダンプ端末装置21の端末側地図情報DB216にも格納される。
以上により、積込場2の入口から放土場4、及び駐機場3内の搬送路60の地図情報が形成される。
一方、積込場2の入口から積込機10までの地図情報は、積込機10の位置の変化に伴って、動的に変化する。この動的走行経路の生成処理は、走行経路設定部311cにより実行される。走行経路設定部311cによる動的走行経路の生成処理の内容は限定されないが、例えば一例として下記の動的生成処理を行う。
走行経路設定部311cは、過去に作業場内で動的生成された走行経路上のノードの位置情報を蓄積しておく。そして、ユーザが作業場内においてスイッチバック点を指定すると、走行経路設定部311cは指定された地点を蓄積されたノードの位置情報により定義する。
次に走行経路設定部311cは、積込機10に搭載された位置算出装置が算出した積込機の現在位置情報を基に、積込点の座標を決定する。そして、走行経路設定部311cは、積込点とスイッチバック点の相対的な位置関係を生成する。
次いで走行経路設定部311cは、積込場2の入口とスイッチバック点とを結ぶ走行経路と、それより先に上記相対的な位置関係により規定される走行経路を連結する。これにより、積込場2の入口から積込点までの走行経路が生成される。
更に、走行経路設定部311cは、積込点から積込場2の出口までの結ぶ走行経路を過去に蓄積されたノードの位置情報を基に算出する。
積込機10が掘削作業をしながら移動して積込点の位置が変わると、走行経路設定部311cは積込機10からの位置情報を基に新たな積込点を設定するとともに、上記で規定された相対的な位置関係を基に新たなスイッチバック点を設定し、これらの間の走行経路を生成する。更に新たなスイッチバック点と積込場2の入口とを連結する走行経路を生成する。これにより、走行経路設定部311cは、積込機10の移動に追従して作業場内の走行経路を動的に生成する。
図12の(a)に示した地図情報は、図3に示した地図情報作成部の処理フローのうち、ステップS601からステップS604の処理によって生成された作業場内の動的生成された走行経路を示す。
図12(a)において、例えばノード1201はリンク1204に接近する臨港近傍点であり、ノード1202はリンク交差点1203に近接する。そのため、異なる走行経路を走行する無人運搬車両20−1、20−2のそれぞれが、走行タイミングによってはノード1201、ノード1202付近で接近しすぎる可能性がある。
そこで、動的生成された走行経路についても、地図情報作成部311aがステップS605以降の処理を実行することにより、リンク交差点やリンク近傍点から離す修正を行う。
図12の(b)は、地図情報作成部311aがノード位置を修正した後の作業場内における地図情報を示す。図12の(b)において、点線は修正前のノード1201及びそれが含まれるリンクと、ノード1202とを示し、実線は修正後のノード1201a、1202aを示す。
本実施形態では、交通管制サーバ31は修正後地図情報を参照して走行許可区間を設定し、無人運搬車両の自律走行制御を行う。以下、図13乃至図15を参照して、交通管制サーバ31の自律走行制御の処理の流れを説明する。図13は、交通管制サーバ31の自律走行制御の処理の流れを示すフローチャートである。図14に、搬送路交差点における走行許可区間の例を示す図である。図15に、作業場内の走行経路交差点における走行許可区間の例を示す図である。
ステップS1301では、無人運搬車両20の要求情報処理部211dが、位置算出装置29が算出した自車両の現在位置情報を含む目的地要求情報を生成する。目的地要求情報は、端末側通信制御部211b、通信I/F211c、端末側通信装置214から無線通信回線40を介して交通管制サーバ31に対して送信される。交通管制サーバ31の配車管理部311は、サーバ側通信装置314、通信I/F311f、サーバ側通信制御部311eを介して目的地要求情報を受信する(S1300)。
ステップS1301では、配車管理部311bがマスタ情報地図情報DB316の地図情報及び目的地要求情報に含まれる無人運搬車両20の現在位置情報を基に目的地を設定し、走行経路設定部311cに出力する。走行経路設定部311cは、マスタ情報地図情報DB316の地図情報を参照し、無人運搬車両20の現在位置から目的地までの走行経路を設定する。そして、目的地及び走行経路を示す目的地・走行経路情報を生成し、サーバ側通信制御部311e、通信I/F311f、及びサーバ側通信装置314を経由して無人運搬車両20に送信する(S1301)。
無人運搬車両20は目的地・走行経路情報を受信し自律走行制御部211aが走行制御する際に参照できる記憶装置内の領域(例えばRAM内に一時的に割り当てられた領域)に格納する。
ステップS1302では、無人運搬車両20の要求情報処理部211dは、走行許可区間要求情報を生成し交通管制サーバ31に対して送信する。交通管サーバ31の走行許可区間設定部311dは、走行許可区間要求情報を受信する(S1302)。走行許可区間要求情報は、位置算出装置29が算出した自車両の位置情報を含む。無人運搬車両20は、目的地・走行経路情報の受信だけでは走行することができず、走行許可区間が設定されてはじめてその区間内を走行することができる。
ステップS1303では、走行許可区間設定部311dは、走行許可区間要求情報内の自車両の位置情報を参照し、それよりも先の区間のうち、走行許可区間として割り当てる予定の区間内にリンク交差点が存在するか否かを判定する(S1303)。そしてもし存在すれば(S1303/Yes)ステップS1304に進み、リンク交差点及び交差点を含む、あるいは近接するリンクを合わせて走行許可区間を設定する(S1304)。一方もし存在しなければ(S1303/No)、ステップS1305に進み、進行方向に存在するリンクに対してのみ走行許可区間を設定する(S1305)。いずれの場合も、他の車両に対して与えられている走行許可区間の手前のノードにまで走行許可区間を与える。走行許可区間設定部311dは設定した走行許可区間を区間情報DB317に格納する。この区間情報は、他の無人運搬車両20に走行許可区間を設定する際に、走行許可区間が被らないように参照される。
ステップS1306において、走行許可区間設定部311dは設定した走行許可区間を示す走行許可区間応答情報を生成する。そして交通管制サーバ31は無人運搬車両20に走行許可区間応答情報を送信する(S1306)。
ステップS1307において、走行許可区間設定部311dは、無人運搬車両20が通過し終えた区間の走行許可を解除する(S1307)。走行許可区間設定部311dは解除内容に合わせて区間情報DB317の区間情報を更新する。その後ステップS1300へ戻り、処理を繰り返す。
図14に、搬送路交差点における走行許可区間の例を示す。2台の無人運搬車両20−1、20−2が交差点1401に向かって走行している。無人運搬車両20−1に対しては、走行経路に沿う区間1411と自車両が走行する走行経路と交差するリンク1412を含む走行許可区間1410が設定される。一方無人運搬車両20−2に対しては、最後端のノード1420からリンク1412に係るノード1425を最前端とする走行許可区間1420が与えられる。
無人運搬車両20−2が走行許可区間1420の最前端ノード1425に到達後、リンク1412には進入しない。従って、無人運搬車両20−2が最前端ノード1425にいる際に無人運搬車両20−1が最も接近する位置、即ちリンク交差点1401を通過するときの両車両間の距離は、交差点1401から最前端ノード1425までの距離を確保することができる。
図15に、作業場内経路における走行許可区間の例を示す。作業場内を走行する2台の無人運搬車両20−1、20−2に対して、作業場の入口から出発して積込機10−1、10−2に到達し、さらに作業場の出口につながる走行経路1501,1502が設定されている。無人運搬車両20−1に対しては、走行経路1501に沿う区間1511と走行経路と交差するリンク1512とを含む走行許可区間1510が設定される。一方無人運搬車両20−2に対しては、走行許可区間1510に含まれるリンクの手前までが走行許可区間1520として与えられる。
本実施形態によれば、走行軌跡情報を基に作成した元地図情報に対して異なる走行経路路上を走行する無人運搬車両が接近しすぎないようにノード位置の修正を加え、これを用いて走行許可区間を設定することにより、無人運搬車両間の距離を適切に確保して過度な接近を抑止することができる。
<第二実施形態>
第二実施形態は、ユーザから地図情報の修正指示を受け付ける実施形態である。以下、図16乃至図17を参照して第二実施形態について説明する。図16は、第二実施形態に係る交通管制サーバの機能ブロック図である。図17は、第二実施形態に係る画面表示例を示す図である。
図16に示すように第二実施形態に係る交通管制サーバ31aは、第一実施形態に係る交通管制サーバ31の構成に加えて、地図情報修正部311gを備える。地図情報修正部311gは、地図情報作成部311aが作成した地図情報に対し、ユーザからの修正指示の入力を受け付て、その入力内容に従って地図情報を修正する機能を有する。地図情報修正部311gは、マスタ地図情報DB316に格納された地図情報を読み出してサーバ側表示装置313に表示する。ユーザが表示内容を見ながらサーバ側入力装置312から修正内容を入力すると、その入力内容に従って地図情報を修正し、マスタ地図情報DB316の地図情報を更新保存する。地図情報修正部311gは、地図情報作成部311aから地図情報の出力を受け付けて、これを修正対象としてもよい。
地図情報修正部311gは、サーバ側制御装置311を構成するハードウェアと、地図情報修正部311gの機能を実現するためのソフトウェアとが協働して構成される。
図17に示すように、地図情報を修正する際の画面1701には、地図情報作成部311aが作成した地図情報1702が表示される。そして例えばマウスポインタ1703によってあるノード1704が選択されると、ノード1704に関する属性、例えばノードID1705、座標値としてX座標1706及びY座標1707が表示される。ユーザがサーバ側入力装置312を用いてこれらの属性値を無人運搬車両走行の安全性が確保されるように所定の位置に修正した後、修正ボタン1708を押下することにより、地図情報の修正が可能になる。あるいは修正ボタン1408を押下することにより、実施例1における地図情報作成部311aの処理304から312の処理が実行される構成も可能である。
本実施形態によれば、地図情報作成部311aによって作成された地図情報に対してユーザが任意に修正をかけることができる。これにより、例えば第一実施形態の第一距離閾値d1、d2を離してノードが設けられている場合に、搬送路や作業内の走行経路の周辺環境や状態、例えばカーブ、勾配、路肩や崖などの崩れ状態、作業場内における積込機、給水車の走行状態などを考慮して、個別にノード位置を更にずらしたい場合にも任意の修正を行うことができる。
<第三実施形態>
第三実施形態は、地図情報作成部が走行軌跡情報から作成した地図情報に対して修正を施すことなく、走行許可区間の設定処理内容を変更することで、異なる走行経路を走行中の無人運搬車両間の距離が所定距離よりも接近することを抑止する実施形態である。以下、図18乃至図20を参照して第三実施形態について説明する。図18は、第三実施形態に係る交通管制サーバの処理の流れを示すフローチャートである。図19は、第三実施形態に係る搬送路上での走行許可区間の設定例を示す図であって、(a)はリンク交差点付近の走行許可区間を示し、(b)はリンク近傍点付近の走行許可区間を示す。図20は、第三実施形態に係る作業場内の走行経路上での走行許可区間の設定例を示す図であって、(a)はリンク交差点付近の走行許可区間を示し、(b)はリンク近傍点付近の走行許可区間を示す。
第三実施形態に係る交通管制サーバ31の処理が第一実施形態に係る処理と異なる点は、第一実施形態では元地図情報データに対して修正を施した修正後地図情報を用いて図13に示す走行許可区間設定処理を施したが、本実施形態では、元地図情報データをそのまま用いる点と、第一実施形態の走行許可区間設定処理に際してリンク交差点及び近傍点と隣接ノードが所定の距離離れているか否かを判定するステップS1801を追加した点との2点が異なる。このステップS1801を追加することにより、地図情報作成部311aが図6のステップS601からステップS604の処理を実行して作成した元地図情報を使って、すなわち地図情報に対して修正処理を施すことなく、安全な走行許可区間を設定することが可能になる。以下、図18を参照して第三実施形態に係る交通管制サーバ31の処理について説明する。なお、図18の各ステップのうち、図13のステップと同一のものについては同一の符号を付し説明を省略する。
ステップS1303の判定処理で肯定であれば(S1303/Yes)ステップS1801に進む。
ステップS1801において、リンク交差・近傍点と隣接ノードが所定の距離閾値以上離れているか否かを判定する。所定の距離閾値は、無運搬車両間の接近限界を規定するパラメータを考慮して決定される。そして所定の距離閾値以上離れていると判定されれば(S1801/Yes)、ステップS1304に進む。一方、所定の距離閾値以上離れていないと判定されれば(S1801/No)、ステップS1802に進み、交差・近接するリンクに接続するリンクと合わせて走行許可区間を設定する処理を行う(S1802)。その後、ステップS1306へ進む。
図19の(a)に、第三実施形態における搬送路交差点における走行許可区間の例を示す。図14に示した第一実施形態における走行許可区間との違いは、一つは無人運搬車両20−1、20−2に対する走行許可区間1910、1920は、地図情報作成部311aが図6のステップS601からS604までの処理によって作成した元地図情報を基に設定されたことである。もう一つの違いはさらにリンク1913が無人運搬車両20−1に対する走行許可区間1910に追加されたことである。これは換言すると無人運搬車両20−2に対する走行許可区間1920からリンク1913が除かれたことと同義である。
図19の(b)に、第三実施形態における搬送路上のリンク近傍点における走行許可区間の例を示す。無人運搬車両20−2に対する走行許可区間1920にリンク近傍点1925が含まれる場合、このリンク近傍点1925に近接するリンク1926を無人運搬車両20−2の走行許可区間1920に追加する。リンク1926は、無人運搬車両20−1の搬送路上にあるリンクであり、もし無人運搬車両20−2がリンク近傍点1925付近を走行していなければ無人運搬車両20−1の走行許可区間1910に含まれるリンクである。しかし、本実施形態では、リンク1926を無人運搬車両20−2の走行許可区間として設定することにより、無人運搬車両20−1、20−2が接近することを防ぐ。
図20の(a)に、第三実施形態における作業場内の走行許可区間の例を示す。図15に示した第一実施形態における走行許可区間との違いは、一つは無人運搬車両20−1、20−2に対する走行許可区間2010、2020は、図12の(a)の元地図情報に基づいていることである。もう一つの違いはさらにリンク2013が無人運搬車両20−1に対する走行許可区間2010に追加されたことである。これは換言すると無人運搬車両20−2に対する走行許可区間2020からリンク12013が除かれたことと同義である。
図20の(b)に、第三実施形態における作業場内の走行許可区間の例を示す。無人運搬車両20−2に対する走行許可区間2020にリンク近傍点2025が含まれる場合、このリンク近傍点2025に近接するリンク2026を無人運搬車両20−2の走行許可区間2020に追加する。リンク2026は、無人運搬車両20−1の走行経路上にあるリンクであり、もし無人運搬車両20−2がリンク近傍点2025付近を走行していなければ無人運搬車両20−1の走行許可区間2010に含まれるリンクである。しかし、本実施形態では、リンク2026を無人運搬車両20−2の走行許可区間として設定することにより、無人運搬車両20−1、20−2が接近することを防ぐ。
本実施形態によれば、元地図情報を用いた場合でも異なる搬送路や走行経路を走行中の複数の無人運搬車両が所定距離未満に接近することを抑止し、より無人運搬車両の自律走行時の安全性を高めることができる。特に、本実施形態では、地図情報に修正を加えることなく、走行中の複数の無人運搬車両が、所定距離以下に接近することを抑止することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記までに説明した実施形態における地図情報作成部311aにおける処理フローは、搬送路と作業場内における走行経路を表す地図情報を同じタイミングで作成する処理フローになっている。これに対して、搬送路を表す地図情報を作成した後に、作業場内における走行経路を表す地図情報を作成する処理を行う構成にすることも可能である。
1 交通管制システム
10 積込機
20 無人運搬車両
21 ダンプ端末装置
31 交通管制サーバ
40 無線通信回線
70 航測車両
71 航測車両端末装置

Claims (3)

  1. 鉱山内に形成された第一の走行経路及び当該第一の走行経路と交差する第二の走行経路上を自律走行する複数の無人運搬車両の走行制御を行う交通管制サーバであって、
    前記第一の走行経路上を走行する第一の無人運搬車両に対し、その第一の無人運搬車両のみに走行を許可する前記第一の走行経路上の部分区間からなる第一の走行許可区間を設定する走行許可区間設定部と、
    前記第一の走行経路及び前記第二の走行経路を走行しながら地点座標を計測して走行軌跡情報を生成する航測車両から前記走行軌跡情報を取得して、地点座標を示すノード及び隣接するノード間を連結するリンクを含んで構成された前記第一の走行経路を示す地図情報及び前記第二の走行経路を示す地図情報を作成する地図情報作成部と、
    を備え、
    前記地図情報作成部は、前記第一の走行経路の地図情報に含まれるリンク及び前記第二の走行経路の地図情報に含まれるリンクが交差するリンク交差点が含まれる場合に、前記リンク交差点から、前記第二の走行経路上を走行する第二の無人運搬車両から無人運搬車両間の接近限界を規定するパラメータに応じて定められた所定の距離閾値としての第一距離閾値未満の範囲にある前記第一の走行経路の地図情報及び前記第二の走行経路の地図情報の其々に含まれるノードを、前記第一距離閾値以上離れた位置に修正した修正後地図情報を作成し、
    前記走行許可区間設定部は、前記修正後地図情報を用いて、前記第一の走行許可区間に含まれるノードが、前記リンク交差点から前記第一距離閾値以上離れるように、前記第一の走行許可区間を設定する、
    ことを特徴とする交通管制サーバ。
  2. 鉱山内に形成された第一の走行経路及び当該第一の走行経路に近接する第二の走行経路上を自律走行する複数の無人運搬車両の走行制御を行う交通管制サーバであって、
    前記第一の走行経路上を走行する第一の無人運搬車両に対し、その第一の無人運搬車両のみに走行を許可する前記第一の走行経路上の部分区間からなる第一の走行許可区間を設定する走行許可区間設定部と、
    前記第一の走行経路及び前記第二の走行経路を走行しながら地点座標を計測して走行軌跡情報を生成する航測車両から前記走行軌跡情報を取得して、地点座標を示すノード及び隣接するノード間を連結するリンクを含んで構成された前記第一の走行経路を示す地図情報及び前記第二の走行経路を示す地図情報を作成する地図情報作成部と、
    を備え、
    前記地図情報作成部は、前記第一の走行経路の地図情報に含まれるノードに、前記第二の走行経路の地図情報に含まれるリンクのうち最も近いリンクまでの距離が、前記第二の走行経路上を走行する第二の無人運搬車両から無人運搬車両間の接近限界を規定するパラメータに応じて定められた所定の距離閾値としての第二距離閾値未満に位置するリンク近傍点が含まれる場合に、前記リンク近傍点を前記最も近いリンクから前記第二距離閾値以上離れた位置に修正した修正後地図情報を作成し、
    前記走行許可区間設定部は、前記修正後地図情報を用いて、前記第一の走行許可区間に含まれるノードが前記第二の走行経路の地図情報に含まれる前記最も近いリンクから前記第二距離閾値以上離れるように、前記第一の走行許可区間を設定する、
    ことを特徴とする交通管制サーバ。
  3. 前記地図情報に対するユーザからの修正指示を受け付け、それに基づいて前記地図情報を修正する地図情報修正部を更に備える、
    ことを特徴とする請求項又はに記載の交通管制サーバ。

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