JP6339342B2 - 生体信号取得装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生体信号を測定するために用いられる体表面装着型の生体信号取得電極を用いて生体信号を取得する生体信号取得装置および生体信号取得方法に関するものである。
脳波、事象関連電位、誘発電位、筋電図、心電図等の生体電気信号の記録のために、体表面装着型の生体電極が広く使用されている。以下、体表面装着型の生体電極を単に生体電極と呼ぶ。これらの生体電極では、電極と皮膚との接触インピーダンスを下げることが信号を検出する上で重要となる。
従来広く使用されている生体電極は、金属製の電極板と電解質溶液を含むゲルまたはペーストとから構成される。これらの生体電極の基本構造は、金属製の電極板と皮膚表面との間にゲル又はペーストを使用(塗布)することにより、電極板と皮膚表面とを固定する基本構造を有する。すなわち、電解成分を介すことで、電極と皮膚表面との接触抵抗を低下させる手法が一般的にとられている(非特許文献1参照)。
生体電気信号を記録する別の手段として、スポーツ分野などにおいて、水道水などの水分を銀糸などのテキスタイル電極に染みこませ、生体電気信号を取得する手法も広く採用されている(非特許文献2参照)。
"ディスポ電極Nビトロード N−03IS3",日本光電工業株式会社,<http://www.nihonkohden.co.jp/iryo/products/supplies/01_electrode/n03is3_n03js3.html> "Polar WearLink + transmitter with Bluetooth",Polar社,<http://www.polar.com/en/products/accessories/Polar_WearLink_transmitter_with_Bluetooth>
医療をはじめ、ヘルスプロモーション(人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善することができるようにするプロセス)やインフォメーションテクノロジー、ウエアラブルコンピューターなどの幅広い分野から、長時間の連続使用が可能な体表面装着型の生体電極が求められている。しかしながら、上述したようなゲルの生体電極を用いた場合、生体電極の装着によって、常時皮膚の表面が密閉されるため、特に長期間の連続使用においては、発汗の蒸れによる不快感又は掻痒感が生じるという課題があった。また上述したような銀糸テキスタイル電極を用いた場合、時間の経過とともに水分が蒸発することで長時間の測定が困難であるという課題があった。
本発明は、このような問題に鑑み、長時間にわたり生体信号を取得可能な生体信号取得装置および生体信号取得方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、絶縁性を有する基材と、この基材の生体と接触する面に配置された導電性材料からなる電極部と、前記基材に配置され、前記電極部と接触している生体の皮膚表面を加熱するための導電性材料からなるヒーター部と、前記基材の生体と接触する面に配置され、生体の皮膚表面の温度を測定する温度センサと、前記基材の生体と接触する面に配置され、生体の皮膚表面の保湿具合を測定する水分センサとを備えた生体信号取得電極から、生体信号を取得する生体信号取得装置であって、前記電極部が検出した生体信号を取得する生体信号測定手段と、前記電極部と生体との間の接触インピーダンスを測定するインピーダンス測定手段と、前記ヒーター部に電流を供給して発熱させることにより、前記電極部と接触している生体の皮膚表面を加熱すると共に、前記インピーダンス測定手段が測定した接触インピーダンスと前記温度センサが測定した温度と前記水分センサが測定した保湿具合のうち少なくとも1つに応じて、前記ヒーター部への電流供給を制御する加熱制御手段と、前記生体信号の測定不可を示すエラー情報を出力するエラー出力部とを備え、前記加熱制御手段は、前記インピーダンス測定手段が測定した接触インピーダンスが対応するインピーダンス規定値以上で、前記温度センサが測定した温度が対応する温度規定値未満で、前記水分センサが測定した保湿具合を示す値が対応する保湿具合規定値未満の場合のみ、前記ヒーター部に電流を供給して、前記電極部と接触している生体の皮膚表面を加熱し、前記インピーダンス測定手段が測定した接触インピーダンスが対応するインピーダンス規定値未満、前記温度センサが測定した温度が対応する温度規定値以上、前記水分センサが測定した保湿具合を示す値が対応する保湿具合規定値以上の3つの条件のうち少なくとも1つが成立する場合に、前記ヒーター部に電流を供給せず、前記インピーダンス測定手段と前記生体信号測定手段とは、前記インピーダンス測定手段が測定した接触インピーダンスが前記インピーダンス規定値以上で、前記温度センサが測定した温度が前記温度規定値以上または前記水分センサが測定した保湿具合を示す値が前記保湿具合規定値以上となった場合に、前記接触インピーダンスと前記生体信号の測定を規定時間中止して、規定時間が経過した後に測定を再開し、前記エラー出力部は、前記測定を中止した回数が規定回数以上の場合にエラー情報を出力することを特徴とするものである。
また、本発明の生体信号取得装置の1構成例において、前記電極部と前記ヒーター部とは、同一の材料で一体の部材として成形されるものであり、前記加熱制御手段は、前記電極部と前記ヒーター部とが一体となった部材から前記生体信号測定手段が生体信号を取得しない時間に、この部材に電流を供給してヒーター部として動作させることを特徴とするものである。
また、本発明は、絶縁性を有する基材と、この基材の生体と接触する面に配置された導電性材料からなる電極部と、前記基材に配置され、前記電極部と接触している生体の皮膚表面を加熱するための導電性材料からなるヒーター部と、前記基材の生体と接触する面に配置され、生体の皮膚表面の温度を測定する温度センサと、前記基材の生体と接触する面に配置され、生体の皮膚表面の保湿具合を測定する水分センサとを備えた生体信号取得電極から、生体信号を取得する生体信号取得方法であって、前記電極部が検出した生体信号を取得する生体信号測定ステップと、前記電極部と生体との間の接触インピーダンスを測定するインピーダンス測定ステップと、前記インピーダンス測定ステップで測定した接触インピーダンスと前記温度センサが測定した温度と前記水分センサが測定した保湿具合のうち少なくとも1つに応じて、前記ヒーター部への電流供給を制御する加熱制御ステップとを含み、前記加熱制御ステップは、前記インピーダンス測定ステップで測定した接触インピーダンスが対応するインピーダンス規定値以上で、前記温度センサが測定した温度が対応する温度規定値未満で、前記水分センサが測定した保湿具合を示す値が対応する保湿具合規定値未満の場合のみ、前記ヒーター部に電流を供給して、前記電極部と接触している生体の皮膚表面を加熱し、前記インピーダンス測定ステップで測定した接触インピーダンスが対応するインピーダンス規定値未満、前記温度センサが測定した温度が対応する温度規定値以上、前記水分センサが測定した保湿具合を示す値が対応する保湿具合規定値以上の3つの条件のうち少なくとも1つが成立する場合に、前記ヒーター部に電流を供給しないステップを含み、さらに、前記インピーダンス測定ステップで測定した接触インピーダンスが前記インピーダンス規定値以上で、前記温度センサが測定した温度が前記温度規定値以上または前記水分センサが測定した保湿具合を示す値が前記保湿具合規定値以上となった場合に、前記接触インピーダンスと前記生体信号の測定を規定時間中止して、規定時間が経過した後に測定を再開するステップと、前記測定を中止した回数が規定回数以上の場合にエラー情報を出力するステップとを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、生体信号取得電極のヒーター部によって生体の皮膚表面の加熱が可能である。ヒーター部が発熱すると、生体の皮膚表面が温められ、発汗が生じる。この汗により電極部に含浸されている保湿成分を補給することができ、電解質が基材と皮膚との間で適度な湿気を保持する役割を果たす。本発明では、電極部の乾燥を防止することが可能となり、電極部に保湿剤や導電性液体を補充することなく、長期間にわたり生体信号の取得が可能となる。
また、本発明では、さらに、生体の皮膚表面の温度を測定する温度センサと、生体の皮膚表面の保湿具合を測定する水分センサとを生体信号取得電極に設けることにより、温度センサが測定した温度と水分センサが測定した保湿具合のうち少なくとも1つに応じて、ヒーター部への電流供給を制御することが可能になる。
また、本発明では、電極部とヒーター部とを同一の材料で一体の部材として成形することにより、生体信号取得電極を簡略化することができ、生体信号取得電極と生体信号取得装置との間の配線数を減らすことができる。
また、本発明では、基材と電極部とヒーター部と温度センサと水分センサとを備えた生体信号取得電極から、生体信号を取得する生体信号取得装置にインピーダンス測定手段を設けることにより、インピーダンス測定手段が測定した接触インピーダンスと温度センサが測定した温度と水分センサが測定した保湿具合のうち少なくとも1つに応じて、ヒーター部への電流供給を制御することが可能になるので、必要に応じて生体の皮膚表面を温めて発汗を生じさせることにより、長期間にわたり生体信号を取得することができ、かつ火傷などの創傷が生じないように生体の皮膚表面の温度をモニタリングすることが可能になる。
本発明の第1の実施の形態に係る生体信号取得装置の構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る生体信号取得装置を人体に装着した様子を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る生体信号取得装置の制御部の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る生体信号取得装置の構成を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る生体信号取得装置の制御部の構成例を示すブロック図である。 人体の角質水分量の計測結果を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る生体信号取得装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る生体信号取得装置の構成を示す模式図である。
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明するが、本発明はかかる実施の形態に限定されない。以下、本発明の具体例を実施の形態として説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る生体信号取得装置の構成を示す模式図である。生体信号取得装置は、生体信号取得電極1と、生体信号取得電極1が検出した生体信号を取得する制御部2と、生体信号取得電極1と制御部2とを接続する配線3とから構成される。
生体信号取得電極1は、絶縁性、保湿性を有する繊維または布からなるシート状の基材10と、基材10の生体と接触する面に配置された導電性材料からなる電極部11と、基材10の生体と接触する面と反対側の面に配置された導電性材料からなるヒーター部12とから構成される。
生体信号取得電極1は、人やその他動物などの生体から得られる電気信号(以下、生体信号)を測定するための電極であるが、以下の説明では人の心拍や心電を測定するための構成について説明する。生体信号を取得する例として、生体信号取得電極1を人体の脇下に相当する位置に取り付けた場合について説明するが、脇下以外の部位や人以外の動物に用いる場合でも、以下の説明と同様にすることで実現可能である。
図2に示す例では、生体信号取得電極1と制御部2と配線3とを例えばシャツ等の衣類4に縫い付けたり接着したりすることで、生体信号取得装置が衣類4に固定されている。生体信号取得電極1は、衣類4の人体と接触する側に、例えば人体の脇下の皮膚表面と電極部11とが接触するように設けられている。ヒーター部12は、電極部11と接触している部分の皮膚表面を加熱するため、電極部11を覆うような形態で配置される。
ヒーター部12と電極部11とを電気的に絶縁するため、これらの間に絶縁性を有する基材10を設けてある。また、基材10は、ヒーター部12による加熱によって発汗した皮膚表面の乾燥を抑える役割も担う。基材10、電極部11、ヒーター部12の具体的な構成については後述の実施の形態で詳細に説明する。
図3は制御部2の構成例を示すブロック図である。制御部2は、生体信号を測定する生体信号測定部20と、ヒーター部12を制御する加熱制御部21と、バッテリー等の電源22とを備えている。
制御部2は、配線3を介して生体信号取得電極1と接続されている。電極部11で受信した生体信号は、配線3を介して制御部2の生体信号測定部20に送信される。制御部2の加熱制御部21は、配線3を介してヒーター部12に電流を供給し、ヒーター部12を発熱させることにより、電極部11と接触している部分の皮膚表面の温度を上昇させる。制御部2は、制御部自体の動作とヒーター部12への電力供給のために電源22を備えている。
本実施の形態の生体信号取得電極1は、以上のような構成により、ヒーター部12によって生体の皮膚表面の加熱が可能となっている。ヒーター部12が発熱すると、生体の皮膚表面が温められ、発汗が生じる。汗はナトリウムなどの電解質を多く含むことから、汗自身が導電性液体となる。この汗により電極部11に含浸されている保湿成分を補給することができ、電解質が基材10と皮膚との間で適度な湿気を保持する役割を果たす。こうして、本実施の形態では、電極部11の乾燥を防止することが可能となり、長期間に渡り生体信号の取得が可能となる。
なお、本実施の形態では、生体信号取得電極1と制御部2とが離間して配置され、これら生体信号取得電極1と制御部2とがシャツ等の衣類4に固定されるものとして説明しているが、これに限定されない。例えば、生体信号取得電極1と制御部2とを一体的なユニットとして人の腕などに装着されるものにすることも可能である。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は、本発明の第2の実施の形態に係る生体信号取得装置の構成を示す模式図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の生体信号取得装置は、生体信号取得電極1aと、制御部2aと、生体信号取得電極1aと制御部2aとを接続する配線3a(3−1〜3−4)とから構成される。
生体信号取得電極1aは、シート状の基材10と、基材10の生体と接触する面に配置された導電性材料からなる電極部11と、基材10の生体と接触する面と反対側の面に配置された導電性材料からなるヒーター部12と、基材10の生体と接触する面に配置され、生体の皮膚表面の温度を測定する温度センサ13と、基材10の生体と接触する面に配置され、生体の皮膚表面の保湿具合を測定する水分センサ14とから構成される。
図2の例と同様に、生体信号取得電極1aと制御部2aと配線3aとを例えばシャツ等の衣類に縫い付けたり接着したりすることで、生体信号取得装置が衣類に固定される。生体信号取得電極1aは、電極部11と温度センサ13と水分センサ14とが人体の脇下の皮膚表面と接触するように設けられている。ヒーター部12は、生体信号取得電極1aと接触している部分の皮膚表面を加熱するため、電極部11と温度センサ13と水分センサ14とを覆うような形態で配置される。
電極部11およびセンサ13,14と、ヒーター部12とを電気的に絶縁するため、電極部11およびセンサ13,14と、ヒーター部12との間に絶縁性を有する基材10を設けてある。また、基材10は、ヒーター部12による加熱によって発汗した皮膚表面の乾燥を抑える役割も担う。
電極部11は、高い保水性を有し、皮膚炎や掻痒感等の違和感を生じる可能性が少ない導電性材料からなることが好ましい。具体的には、電極部11の材料として、国際公開WO2013/073673に開示された(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸)(以下、PEDOT−PSSと記載する)等の導電性高分子材料が使用される。PEDOT−PSSが単独で固化された導電体は、PEDOT−PSSが有する高い吸水性により、発汗する皮膚等の比較的湿潤な環境においてゲル化し、機械的強度が極端に低下する。このため、棒状又は板状に加工したPEDOT−PSSからなる導電体を単独で皮膚面に設置して、長期間に亘り使用することは困難である。
本実施の形態の電極部11は、接着性材料であるバインダー樹脂およびバインダー樹脂を構成する重合性化合物(モノマー)の少なくとも一方と、導電フィラーである導電性高分子とを混合した樹脂組成物、またはこれらに必要に応じて溶剤を添加した樹脂組成物を、基材10に塗布、印刷、浸漬、噴霧、滴下等することにより付着させ、更に、乾燥、加温、加熱、光照射等により樹脂組成物を固化または重合させたものである。樹脂組成物に含まれる導電性高分子はバインダー樹脂に練り込まれて固化され、更に基材10によって支持されているため、耐久性に優れる。
バインダー樹脂の種類は特に制限されず、導電性高分子の導電性を失活させることなく、基材10に導電性高分子を接着(結着)させることが可能なバインダー樹脂であれば、従来公知のバインダー樹脂が適用可能である。また、1種のバインダー樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて併用してもよい。2種以上のバインダー樹脂を組み合わせることにより、バインダー樹脂の硬化性、接着性(粘着性)、取り扱い易さ(塗布等の作業性)を高められる場合がある。
バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが用いられ、例えばナフィオン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ−p−キシレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリアミド、ブタジエン系樹脂、フッ素系樹脂などの熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性樹脂、ポリウレタン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、変性シリコーン樹脂、フタル酸樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、アニリン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート系、アクリルエポキシカチオン重合系、感光性ポリイミドなどの光硬化性樹脂などが挙げられる。これらのうち、上記各種ビニル樹脂、ナフィオン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、フタル酸樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
特にアクリル系樹脂は基材10(繊維または布)との接着性が高く、基材10から剥がれ落ちにくいことから、バインダー樹脂として最も好ましい。さらにアクリル系樹脂は粘着性の調節が容易であり、加工性が高く、添加剤による柔軟性の付与や、接着および硬化作業が比較的容易であるため、導電性高分子を基材10の表面や繊維間にバインドする用途に特に適している。
本実施の形態の電極部11を作製する際にバインダー樹脂の前駆体である未重合のモノマーを前記樹脂組成物に含有させる場合、重合後(固化後)の樹脂組成物には、未重合のモノマーが残存していてもよい。なお、樹脂組成物中のモノマーは、基材10に付着した後に、加熱(熱硬化)、光照射(光硬化)、重合促進剤の添加等により、積極的に重合されてもよいし、乾燥、加温、空気との接触等により、穏やかに自発的に重合されてもよい。
本実施の形態の電極部11を作製する際、予め重合した樹脂(ポリマー)をバインダー樹脂として前記樹脂組成物に含有させてもよい。このようなバインダー樹脂の好ましい具体例として、次に例示するモノマーが重合した重合体が挙げられる。アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#1000(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#2000(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、プロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ブチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これらのアクリル樹脂をバインダー樹脂として用いることにより、基材10に導電性高分子とバインダー樹脂との混合物を確実に固定することができ、当該混合物の耐摩耗性、耐剥離性、耐水性、耐化学性および機械的強度をより向上させることができるとともに、アクリル樹脂に埋包された導電性高分子の導電性を容易に維持することができる。
さらに、混合物中の導電性高分子とアクリル樹脂との配合比にもよるが、アクリル樹脂に埋包された導電性高分子が有する親水性および柔軟性が維持されて、当該混合物にこれらの性質がある程度反映される。親水性および柔軟性は、電極部11の好ましい特性として求められる性質である。導電性高分子の性質がアクリル樹脂に埋包された後も維持される理由は、埋包された状態においても導電性高分子同士の接触が維持され、更に、当該混合物の表面に導電性高分子の少なくとも一部が露出するためであると考えられる。
混合物に含まれる導電性高分子の含有量を調整することにより、得られる電極部11の導電性を調整することができる。通常は、導電性高分子の含有量を高める程、電極部11の導電性を高めることができる。混合物に含まれるバインダー樹脂の種類や含有量を目的に合わせて選択することにより、得られる電極部11の性質を調整することができる。例えば、親水性(疎水性)、ぬれ性、吸水性、耐水性、耐摩耗性、耐剥離性、耐化学性、耐熱性等を調整することができる。通常は、バインダー樹脂の含有量を高める程、当該バインダー樹脂が有する性質を電極部11により多く反映させることができる。
電極部11の寸法は、生体信号を検出することができる寸法であればよく、任意に設定可能である。電極部11の材料として導電性高分子材料を用い、電極部11に生体親和性の高いグリセロールや化粧水などの保湿成分を塗布または浸漬させると、この保湿成分と人の皮膚から滲み出る汗に含まれる電解質成分とにより、電極部11と皮膚との接触インピーダンスを低下させることができ、生体信号を安定に(高いS/N比で)取得することが可能となる。
電極部11は、配線3−1を介して制御部2aと電気的に接続されている。電極部11で受信した生体信号は、配線3−1を介して制御部2aに送信される。電極部11と配線3−1との接続は、電極部11の端子(不図示)を介して行われる。端子は、少なくとも一部が電極部11と電気的に接続されていればよく、端子の電極部11への固定方法としては例えば接着などの方法、あるいは金属製スナップからなる端子を電極部11に装着するなどの方法を採用することができる。
なお、本実施の形態では、電極部11を基材10に直接付着させる作製方法の例で説明しているが、これに限るものではなく、例えば基材10と同様の絶縁性を有する繊維または布に電極部11を付着させた上で、この繊維または布の電極部11が形成されていない面を基材10に固定するようにしてもよい。繊維または布の基材10への固定方法としては粘着シールまたは接着などの方法を採用することができる。
ヒーター部12は、生体信号取得電極1aと接触している部分の皮膚表面を加熱することが可能な素子であり、例えば、導電性高分子で被覆された繊維または布で構成されているヒーター繊維や、電熱線などをヒーター部12とすることができる。導電性高分子としては、例えばポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロールおよびPEDOT−PSSからなる群より選ばれる一種類または二種類以上の混合物が挙げられる。ヒーター部12の柔軟性、安定性および生体親和性が高まる点から、導電性高分子にはPEDOT−PSSが含まれていることが好ましい。
導電性高分子を繊維または布に付着させる方法としては、含浸等の方法がある。導電性高分子で被覆される繊維または布としては、例えば綿、麻、羊毛、絹、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリプロピレンからなる群より選ばれる一種類の繊維または二種類以上の繊維を混紡したものが挙げられる。ヒーター部12の基材10への固定方法としては粘着シールまたは接着などの方法を採用することができる。
ヒーター部12は、配線3−2を介して制御部2aと電気的に接続されている。制御部2aは、配線3−2を介してヒーター部12に電流を供給し、ヒーター部12を発熱させることにより、生体信号取得電極1aと接触している部分の皮膚表面の温度を上昇させる。ヒーター部12の加熱のタイミングや加熱温度は、制御部2aによって制御される。ヒーター部12と配線3−2との接続は、ヒーター部12の端子(不図示)を介して行われる。端子は、少なくとも一部がヒーター部12と電気的に接続されていればよく、端子のヒーター部12への固定方法としては例えば接着などの方法、あるいは金属製スナップからなる端子をヒーター部12に装着するなどの方法を採用することができる。
温度センサ13は、生体の皮膚表面の温度を測定することが可能な素子であり、例えば温度センサ13として、文献「“シートカップル CO60”,株式会社チノー,<http://www.chino.co.jp/products/sensors/c060.html>」に記載されたような熱電対を利用することができる。温度センサ13の基材10への固定方法としては粘着シールまたは接着などの方法を採用することができる。温度センサ13は、配線3−3を介して制御部2aと電気的に接続されている。温度センサ13が測定した温度を示す信号(熱電対の場合は起電力)は、配線3−3を介して制御部2aに送信される。
水分センサ14は、生体の皮膚表面の保湿具合を測定することが可能な素子であり、例えば水分センサ14として、文献「“モイスチャーチェッカー MY808S”,Scalar社,<http://www.ureruzo.com/pdf/my-808s.pdf>」に記載されたような機器を利用することができる。皮膚表面の保湿具合を示す値としては、例えば水分率、水分量、湿度などがある。水分センサ14の基材10への固定方法としては粘着シールまたは接着などの方法を採用することができる。水分センサ14は、配線3−4を介して制御部2aと電気的に接続されている。水分センサ14が測定した保湿具合を示す信号は、配線3−4を介して制御部2aに送信される。
基材10としては、市販の透湿性防水繊維を用いることができる。例えば、東レ株式会社製のエントラントなどが好適である。
本実施の形態の生体信号取得電極1aは、以上のような構成により、ヒーター部12によって生体の皮膚表面の加熱が可能となっている。ヒーター部12が発熱すると、生体の皮膚表面が温められ、発汗が生じる。汗はナトリウムなどの電解質を多く含むことから、汗自身が導電性液体となる。この汗により電極部11に含浸されている保湿成分を補給することができ、電解質が基材10と皮膚との間で適度な湿気を保持する役割を果たす。こうして、本実施の形態では、電極部11の乾燥を防止することが可能となり、長期間に渡り生体信号の取得が可能となる。
図5は制御部2aの構成例を示すブロック図であり、図3と同一の構成には同一の符号を付してある。制御部2aは、生体信号測定部20と、加熱制御部21aと、バッテリー等の電源22と、電極部11と生体との間の接触インピーダンスを測定するインピーダンス測定部23と、生体信号の測定不可を示すエラー情報を出力するエラー出力部24とを備えている。
制御部2aは、電極部11から生体信号を受信し、かつヒーター部12を制御する。具体的には、制御部2aの生体信号測定部20が生体信号を測定しながら、インピーダンス測定部23が定期的に接触インピーダンスを測定する。生体信号の測定の種類としては、例えば心電測定、心拍測定などがある。
電極部11と生体との間の接触インピーダンスを測定するためには、例えば1対の電極部11の間に電圧を印加して、1対の電極部11の間に流れる電流を測定し、印加した電圧と測定した電流値とに基づいて接触インピーダンスを算出すればよい。なお、ここでは、制御部2aの構成および処理を簡略化するため、簡単な方法で接触インピーダンスを求めている。ここで求めるインピーダンスは、厳密には接触インピーダンス単独ではなく、生体の皮膚インピーダンスと電極部11のインピーダンスとを含むものであるが、本実施の形態では接触インピーダンスとして説明する。接触インピーダンスは、特定の周波数において測定すればよい。
制御部2aの加熱制御部21aは、インピーダンス測定部23が測定した接触インピーダンスが対応するインピーダンス規定値(例えば、50kΩ)以上となった場合、すなわち電極部11と生体の皮膚表面との電気的接触が十分でなくなった場合には、ヒーター部12へ電流を供給してヒーター部12の発熱を開始させる。
加えて、加熱制御部21aは、水分センサ14が測定した生体の皮膚表面の保湿具合をモニタリングし、保湿具合を示す値(水分率、水分量、湿度など)が保湿具合規定値となるまで加熱温度を制御する。さらに、加熱制御部21aは、温度センサ13が測定した生体の皮膚表面の温度をモニタリングし、皮膚表面の温度が規定の温度(例えば、45℃)となった場合にヒーター部12への電流供給を止めることで、火傷などの創傷を防止する。
人体の皮膚表面の保湿具合に関して、角質水分量計(装置名:コルネオメーター、型番:CM825、メーカー:Courage+Khazaka社製)を用いた評価を行なった。この角質水分量計では、プローブ先端から電界を人の皮膚に発生させて皮膚表面から約15μmの範囲に含まれる水分量を静電容量として計測する。水の誘電率定数は他の物質と比べて突出して高いため、皮膚が水分を多く含有すると静電容量値が大きくなる。角質水分量計では、静電容量に応じて、0から120の指数で角質水分量の数値が表示される。
図6は、角質水分量計を用いて計測した、被験者69名の角質水分量の計測結果である。この図6において、角質水分量の指数が80以上の場合、安定して生体信号が得られることが分かっている。したがって、生体の皮膚表面の保湿具合を示す値として水分量を測定する場合には、図6の指数80に対応する水分量を保湿具合規定値として設定しておけばよい。
なお、図2から明らかなとおり、第1の実施の形態の生体信号取得電極1または本実施の形態の生体信号取得電極1aは、必要に応じて複数個設けられてもよい。例えば接触インピーダンスを測定する場合には、複数個の電極間でインピーダンスを測定する必要があるので、電極が複数個必要である。制御部2,2aは、各電極1,1aに対して、個別に生体信号の受信や加熱の制御を実行するものとすることも可能である。また、1つの基材10に複数個の電極部11を設けるようにしてもよい。
次に、本実施の形態の生体信号取得装置の動作について説明する。図7は生体信号取得装置の動作を示すフローチャートである。
まず、制御部2aのインピーダンス測定部23は、電極部11と生体との間の接触インピーダンスを測定する(図7ステップS1)。
制御部2aの生体信号測定部20は、接触インピーダンスが対応するインピーダンス規定値以上でない場合(図7ステップS2においてNo)、生体信号測定を行なう(図7ステップS3)。こうして、接触インピーダンスがインピーダンス規定値未満の場合は、生体信号の測定が定期的に行なわれる。
次に、接触インピーダンスがインピーダンス規定値以上となった場合(図7ステップS2においてYes)、制御部2aの加熱制御部21aは、温度センサ13から温度を示す信号を取得する(図7ステップS4)。加熱制御部21aは、温度センサ13が測定した温度が対応する温度規定値未満の場合(図7ステップS5においてNo)、水分センサ14から保湿具合を示す信号を取得する(図7ステップS6)。加熱制御部21aは、水分センサ14が測定した保湿具合を示す値が保湿具合規定値未満の場合(図7ステップS7においてNo)、ヒーター部12に電流を供給して、ヒーター部12による加熱を一定時間行ない(図7ステップS8)、ステップS1に戻る。
一方、ステップS5において温度が温度規定値以上となった場合、またはステップS7において保湿具合を示す値が保湿具合規定値以上となった場合、接触インピーダンス、生体信号、温度および保湿具合の測定を規定時間中止する(図7ステップS9)。測定を中止した回数が規定回数未満の場合(図7ステップS10においてNo)、ステップS9の測定中止時点から規定時間が経過した後にステップS1に戻り、インピーダンス測定を再び開始する。
制御部2aのエラー出力部24は、測定を中止した回数が規定回数以上の場合(図7ステップS10においてYes)、エラー情報を出力して(図7ステップS11)、図7の一連の動作を終了する。エラー情報の出力形態としては、例えばエラー信号の外部への出力、LEDの点灯、エラーメッセージの表示、音声出力等がある。
本実施の形態では、生体信号測定中において規定時間が経過すると、接触インピーダンスが測定される。規定時間は任意の値であり、モニタリングしたい時間に対して、保湿がなされている時間で決定することができる。インピーダンス測定部23により測定された接触インピーダンスがインピーダンス規定値未満の場合、電極部11は乾燥していないと判断でき、生体信号測定が再開される。一方、接触インピーダンスがインピーダンス規定値以上で、保湿具合を示す値が保湿具合規定値未満の場合、電極部11が乾燥していると判断できる。この場合、ヒーター部12により皮膚表面が加熱される。この後、ステップS1からのシーケンスが再度実行される。
上記のようにヒーター部12による加熱により生体信号取得電極1aが接触する皮膚表面が温められて発汗が生じ、電極部11の水分および電解質が補給される。
以上のように、本実施の形態に係る生体信号取得装置においては、生体の発汗を利用して電極部11の乾燥を防止することが可能となるため、電極部11に保湿剤や導電性液体を都度補充することなく、長時間にわたって生体信号の測定を実行することが可能となる。
なお、本実施の形態では、インピーダンス測定部23が測定した接触インピーダンスがインピーダンス規定値以上で、温度センサ13が測定した温度が温度規定値未満で、水分センサ14が測定した保湿具合を示す値が保湿具合規定値未満の場合のみ、ヒーター部12に電流を供給しているが、これに限るものではなく、インピーダンス測定部23が測定した接触インピーダンスがインピーダンス規定値以上、水分センサ14が測定した保湿具合を示す値が保湿具合規定値未満の2つの条件のうち少なくとも1つが成立する場合に、ヒーター部12に電流を供給するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、生体信号取得電極1aと制御部2aとが離間して配置され、これら生体信号取得電極1aと制御部2aとがシャツ等の衣類に固定されるものとして説明しているが、これに限定されない。例えば、生体信号取得電極1aと制御部2aとを一体的なユニットとして人の腕などに装着されるものにすることも可能である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図8は、本発明の第3の実施の形態に係る生体信号取得装置の構成を示す模式図であり、図1、図4と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の生体信号取得装置は、生体信号取得電極1bと、制御部2bと、生体信号取得電極1bと制御部2bとを接続する配線3b(3−3〜3−5)とから構成される。
生体信号取得電極1bは、シート状の基材10と、基材10の生体と接触する面および反対側の面に配置された導電性材料からなる電極部11bと、温度センサ13と、水分センサ14とから構成される。図2の例と同様に、生体信号取得電極1bと制御部2bと配線3bとを例えばシャツ等の衣類に縫い付けたり接着したりすることで、生体信号取得装置が衣類に固定される。生体信号取得電極1bは、電極部11bと温度センサ13と水分センサ14とが人体の脇下の皮膚表面と接触するように設けられている。
電極部11bは抵抗を有するため、電流を流すと発熱する。したがって、生体信号を測定しない時間に電極部11bへ電流を流すことで、電極部11bをヒーター部として利用することができる。電極部11bの作製方法は電極部11と同様でよいが、電極としての役割とヒーターとしての役割を持たせるため、電極部11bの一部が生体の皮膚表面と接触し、かつこの接触箇所と温度センサ13と水分センサ14とを覆うように電極部11bが配置される。
制御部2bの構成は図5に示した制御部2aと同様であるので、図5の符号を用いて説明する。制御部2bの加熱制御部21aは、生体信号測定部20が生体信号を取得しない時間に、電極部11bへ電流を供給することで、電極部11bを発熱させ、ヒーター部として利用する。他の動作は制御部2aと同じである。
本実施の形態によれば、第2の実施の形態と比較して生体信号取得電極1bの構成を簡略化することができ、生体信号取得電極1bと制御部2bとの間の配線3bの数を減らすことができる。
なお、本実施の形態では、生体信号取得電極1bと制御部2bとが離間して配置され、これら生体信号取得電極1bと制御部2bとがシャツ等の衣類に固定されるものとして説明しているが、これに限定されない。例えば、生体信号取得電極1bと制御部2bとを一体的なユニットとして人の腕などに装着されるものにすることも可能である。
第1〜第3の実施の形態で説明した制御部2,2a,2bは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1〜第3の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明に係る生体信号取得電極は、医療をはじめ、ヘルスプロモーションやインフォメーションテクノロジー、ウエアラブルコンピューターなどの幅広い分野において、長時間の連続使用が可能な体表面装着型の生体電極として広く利用可能である。
1,1a,1b…生体信号取得電極、2,2a,2b…制御部、3,3a,3b,3−1〜3−5…配線、4…衣類、10…基材、11,11b…電極部、12…ヒーター部、13…温度センサ、14…水分センサ、20…生体信号測定部、21,21a…加熱制御部、22…電源、23…インピーダンス測定部、24…エラー出力部。

Claims (3)

  1. 絶縁性を有する基材と、この基材の生体と接触する面に配置された導電性材料からなる電極部と、前記基材に配置され、前記電極部と接触している生体の皮膚表面を加熱するための導電性材料からなるヒーター部と、前記基材の生体と接触する面に配置され、生体の皮膚表面の温度を測定する温度センサと、前記基材の生体と接触する面に配置され、生体の皮膚表面の保湿具合を測定する水分センサとを備えた生体信号取得電極から、生体信号を取得する生体信号取得装置であって、
    前記電極部が検出した生体信号を取得する生体信号測定手段と、
    前記電極部と生体との間の接触インピーダンスを測定するインピーダンス測定手段と、
    前記ヒーター部に電流を供給して発熱させることにより、前記電極部と接触している生体の皮膚表面を加熱すると共に、前記インピーダンス測定手段が測定した接触インピーダンスと前記温度センサが測定した温度と前記水分センサが測定した保湿具合のうち少なくとも1つに応じて、前記ヒーター部への電流供給を制御する加熱制御手段と、
    前記生体信号の測定不可を示すエラー情報を出力するエラー出力部とを備え、
    前記加熱制御手段は、前記インピーダンス測定手段が測定した接触インピーダンスが対応するインピーダンス規定値以上で、前記温度センサが測定した温度が対応する温度規定値未満で、前記水分センサが測定した保湿具合を示す値が対応する保湿具合規定値未満の場合のみ、前記ヒーター部に電流を供給して、前記電極部と接触している生体の皮膚表面を加熱し、前記インピーダンス測定手段が測定した接触インピーダンスが対応するインピーダンス規定値未満、前記温度センサが測定した温度が対応する温度規定値以上、前記水分センサが測定した保湿具合を示す値が対応する保湿具合規定値以上の3つの条件のうち少なくとも1つが成立する場合に、前記ヒーター部に電流を供給せず、
    前記インピーダンス測定手段と前記生体信号測定手段とは、前記インピーダンス測定手段が測定した接触インピーダンスが前記インピーダンス規定値以上で、前記温度センサが測定した温度が前記温度規定値以上または前記水分センサが測定した保湿具合を示す値が前記保湿具合規定値以上となった場合に、前記接触インピーダンスと前記生体信号の測定を規定時間中止して、規定時間が経過した後に測定を再開し、
    前記エラー出力部は、前記測定を中止した回数が規定回数以上の場合にエラー情報を出力することを特徴とする生体信号取得装置。
  2. 請求項1記載の生体信号取得装置において、
    前記電極部と前記ヒーター部とは、同一の材料で一体の部材として成形されるものであり、
    前記加熱制御手段は、前記電極部と前記ヒーター部とが一体となった部材から前記生体信号測定手段が生体信号を取得しない時間に、この部材に電流を供給してヒーター部として動作させることを特徴とする生体信号取得装置。
  3. 絶縁性を有する基材と、この基材の生体と接触する面に配置された導電性材料からなる電極部と、前記基材に配置され、前記電極部と接触している生体の皮膚表面を加熱するための導電性材料からなるヒーター部と、前記基材の生体と接触する面に配置され、生体の皮膚表面の温度を測定する温度センサと、前記基材の生体と接触する面に配置され、生体の皮膚表面の保湿具合を測定する水分センサとを備えた生体信号取得電極から、生体信号を取得する生体信号取得方法であって、
    前記電極部が検出した生体信号を取得する生体信号測定ステップと、
    前記電極部と生体との間の接触インピーダンスを測定するインピーダンス測定ステップと、
    前記インピーダンス測定ステップで測定した接触インピーダンスと前記温度センサが測定した温度と前記水分センサが測定した保湿具合のうち少なくとも1つに応じて、前記ヒーター部への電流供給を制御する加熱制御ステップとを含み、
    前記加熱制御ステップは、前記インピーダンス測定ステップで測定した接触インピーダンスが対応するインピーダンス規定値以上で、前記温度センサが測定した温度が対応する温度規定値未満で、前記水分センサが測定した保湿具合を示す値が対応する保湿具合規定値未満の場合のみ、前記ヒーター部に電流を供給して、前記電極部と接触している生体の皮膚表面を加熱し、前記インピーダンス測定ステップで測定した接触インピーダンスが対応するインピーダンス規定値未満、前記温度センサが測定した温度が対応する温度規定値以上、前記水分センサが測定した保湿具合を示す値が対応する保湿具合規定値以上の3つの条件のうち少なくとも1つが成立する場合に、前記ヒーター部に電流を供給しないステップを含み、
    さらに、前記インピーダンス測定ステップで測定した接触インピーダンスが前記インピーダンス規定値以上で、前記温度センサが測定した温度が前記温度規定値以上または前記水分センサが測定した保湿具合を示す値が前記保湿具合規定値以上となった場合に、前記接触インピーダンスと前記生体信号の測定を規定時間中止して、規定時間が経過した後に測定を再開するステップと、
    前記測定を中止した回数が規定回数以上の場合にエラー情報を出力するステップとを含むことを特徴とする生体信号取得方法。
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