JP6338624B2 - サーボ制御される無針注射器を用いた注入方法 - Google Patents

サーボ制御される無針注射器を用いた注入方法 Download PDF

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Description

関連出願
本願は、2010年10月7日付出願の米国仮特許出願第61/391,045号の利益及び優先権を主張する。この米国仮特許出願の全内容を、参照をもって本明細書に取り入れたものとする。
本願は、概して無針式経皮輸送装置に関するものであり、特にサーボ制御される無針式装置を用いた注入方法および当該無針式装置用の制御システムに関する。
ヒト(患者)、家畜動物、またはペットに液体(例えば、薬剤等)を注入する方法は、数多くある。最も簡単な薬剤供給方法の一つとして、身体の最外保護層である皮膚を介した供給方法がある。皮膚は、表皮および真皮で構成される。表皮は、角質層、顆粒層、有棘層および基底層を含む。真皮は、特に毛細血管層を含む。角質層は、死んだ細胞組織からなる硬いうろこ状の層である。また、角質層は、皮膚の表面から10〜20ミクロン程度の深さにわたって存在し、血液が供給されていない。この角質層という高密度な細胞層が、皮膚を介した化合物の体外または体内への移動を、極めて困難にしている。
皮膚を介した局所投与用薬剤の供給技術のなかでも、最新のものとして、経皮パッチ、イオントフォレシス、ソノフォレシス、および針やその他の皮膚刺通装置を用いた方法が挙げられる。高侵襲性の方法、例えば、針やランセットを用いた方法等は、角質層のバリア機能を効果的に打ち破ることができる。しかし、そのような方法には、皮膚の局所的損傷、出血、注入箇所からの感染リスク、廃棄する必要性のある汚染針や汚染ランセットの発生、針に対する恐怖が原因となる服薬コンプライアンスの問題等、幾つかの重大な問題点がある。また、そのような装置を用いて家畜動物に薬剤を注入した際に、針が折れて、動物の体内に残ってしまう可能性がある。針を使用しない無針式の注入技術(又は注射技術)は、従来の供給方法にまつわる数多くの問題点を解消するだけでなく、そのような従来の供給方法に劣らず効果的に薬剤を供給することのできる技術である。しかし、現在上市されている無針式の技術の多くで使用されるアクチュエータ(例えば、ばね、圧縮ガス等)は、供給の最中に薬剤に印加される圧力について僅かな制御しかできないか、または全く制御することができない。
他種の無針式の装置とは異なり、電磁式のアクチュエータを備えた無針注射器は、可変の圧力プロファイルを生成することができる。この場合、電流入力によって力を選択することができ、かつ、それに応じた圧力を、任意の時間に発生させることができる。また、電磁式のアクチュエータにサーボ制御部を組み込むことにより、注入(又は注射)の最中の圧力対時間プロファイルを調節することが可能になる。このような応答性フィードバックにより、組織内の同じ深さに、正確な量の薬剤を、皮膚を介して再現性よく何度も注入することができる。
有利なことに、本発明にかかるサーボ制御される無針注射器は、制御自在かつ十分に予測可能な高速の高圧パルスを生成することのできるアクチュエータを備える。また、本発明にかかる無針注射器は、1つ以上のセンサからの入力を受け取るサーボ制御部と組み合わされることにより、注入(又は注射)の最中、各種検出された物理的特性に応じて、注入(又は注射)の圧力プロファイルをリアルタイムで調節することができる。
一構成において、本発明の実施形態は、物質を生体の表面を介して注入する方法に関する。この注入方法は、前記物質を前記生体の前記表面を介して注入するように構成された無針式経皮輸送装置を用意する過程を含む。前記物質は、(i)前記無針式経皮輸送装置に設置されたアンプルの変形、周囲の温度、注入される物質の温度、前記生体に衝突する物質の音、および気圧のうちの少なくとも1つを含む、注入に関するパラメータを検出し、(ii)検出されたパラメータに基づき、サーボ制御部を用いて、少なくとも1つの注入特性を動的に調節しながら、前記輸送装置により、前記生体に注入される。前記物質の注入の過程は、(i)前記物質の量の一部が第1の注入圧力で注入される第1の期間と、(ii)前記物質の量の残りが第2の注入圧力で注入される第2の期間とで行われる。
さらに、後述する構成のうち、1つ以上が含まれ得る。前記表面に対する前記無針式経皮輸送装置の向きが、例えばジャイロメータおよび/または加速度計により、監視され得る。また、前記パラメータの検出は、さらに、注入圧力、前記輸送装置内の圧力、位置、体積、機械インピーダンス、力、電流、および電圧のうちの少なくとも1つを検出することを含み得る。前記少なくとも1つの注入特性は、注入深さおよび/または注入される物質の量とされ得る。前記物質を注入する過程の前に、ジェット速度の波形が、前記輸送装置に予めプログラムされ得る。前記ジェット速度の波形は、第1のジェット速度、第1の期間、第2の後続速度、および量を含み得る。前記第2の期間は、前記無針式経皮輸送装置によって決定され得る。前記無針式経皮輸送装置はコイルを備え得る。この場合、前記注入特性が、コイルの変位量に基づいて動的に制御され得る。前記無針式経皮輸送装置は位置センサを備え得る。この場合、前記コイルの変位量が、前記位置センサによって検出され得る。
他の構成において、本発明の実施形態は、物質を生体の表面を介して注入する他の方法
に関する。この注入方法は、前記物質を前記生体の前記表面を介して注入するように構成
された無針式経皮輸送装置を用意する過程を含む。前記物質の粘度が決定される。前記決
定された粘度に基づき、前記物資を注入する圧力が算出される。前記無針式経皮輸送装置
により、前記算出された圧力で前記物質が注入される。
さらに、後述する構成のうち、1つ以上が含まれ得る。前記物質は、粘性を有する溶液を含み得る。前記物質は、温度に依存する少なくとも1つの特性を有する高分子材を含み得る。前記物質は、薬剤を含有し当該薬剤の徐放を可能にする生分解性高分子を含み得る。前記物質の粘度を決定する過程は:(i)前記粘度を、前記無針式経皮輸送装置に予めプログラムすること;(ii)前記無針式経皮輸送装置によって前記物質をアンプルに充填し、当該アンプルを充填するのに用いた力に基づいて前記粘度を算出すること;および(iii)前記物質の注入の最中に、当該物質の注入に必要な圧力および速度のうちの少なくとも一方の変化を検出すること;のうちの少なくとも1つを含み得る。前記無針式経皮輸送装置はサーボ制御部を備え得る。この場合、そのサーボ制御部により、前記決定された粘度に基づき前記注入圧力が算出され得る。
さらなる他の構成において、本発明の実施形態は、物質を生体の表面を介して注入するように構成された無針式経皮輸送装置用の制御システムに関する。この制御システムは、注入のパラメータを検出するセンサと、検出されたパラメータに基づき、少なくとも1つの注入特性を動的に調節するサーボ制御部とを備える。前記センサおよび前記サーボ制御部は、前記物質の注入を、(i)前記物質の量の一部が第1の注入圧力で注入される第1の期間と、(ii)前記物質の量の残りが第2の注入圧力で注入される第2の期間とで行うように制御する。前記センサは、ジャイロメータおよび/または加速度計および/または歪みゲージおよび/または温度センサおよび/または音響センサもしくは音響トランスデューサおよび/または気圧センサとされ得る。
本発明の実施形態において使用するのに好適である、制御可能な無針式経皮輸送装置の一例(すなわち、ジェット注射器等)を示す、概略ブロック図である。 図1の装置において使用することのできる、制御可能な電磁式のアクチュエータの展開状態を示す断面図である。 図1の装置において使用することのできる、制御可能な電磁式のアクチュエータの後退状態を示す断面図である。 図2Aおよび図2Bの制御可能な電磁式のアクチュエータに対する電気入力の一例の、電流対時間プロファイルのグラフである。 図3Aの電気入力を受けて制御可能な電磁式のアクチュエータが貯蔵部内に発生させる、物質を輸送するための圧力の一例の、圧力対時間プロファイルのグラフである。 本発明において使用可能な、手持ち式のサーボ制御されるジェット注射器の一例の写真である。 図4の装置において使用するのに好適である、制御可能な電磁式のアクチュエータの部分切開図である。 図4の装置において使用可能な、制御システムのアーキテクチャの一例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態において、印加する力の変化、つまり、流体の輸送される速度の変化に起因する影響を表したグラフである。 本発明の一実施形態において、輸送される流体の量の変化に起因する影響を表したグラフである。 本発明の一実施形態において、様々なジェット速度を用いた場合の、組織類似体への注入深さを表したグラフである。 本発明の一実施形態において、ジェット速度の時間(又は期間)として様々な数値を用いた場合の、組織類似体への注入深さを表したグラフである。 本発明の一実施形態において、被供給量の制御自在性および再現性を表したグラフである。 本発明の一実施形態において、被供給量の制御自在性および再現性を表した他のグラフである。 本発明の一実施形態において、グリセロール濃度の増加と、グリセロール溶液の粘度の測定値との関係を表したグラフである。 本発明の一実施形態において、様々なグリセロール濃度で供給する様子を表したグラフである。 本発明の一実施形態において、様々なグリセロール濃度のものを、様々なジェット速度で供給する場合の、被供給量の再現性を表したグラフである。 せん断速度の増加および温度の変化に対する、高分子の粘度の変化を表したグラフである。 せん断速度の増加および温度の変化に対する、高分子の粘度の変化を表した他のグラフである。
本発明にかかる方法の実施形態は、物質を生体の表面を介して輸送する経皮輸送装置または注入装置(もしくは注射装置)を用いて実行され得る。注入装置(又は注射装置)には、物質の注入に先立って皮膚を突き破るための1本以上の針(例えば、皮下注射針等)を含む。その一方で、針で皮膚を突き破らずに(つまり、針以外の手段で皮膚を突き破り)物質を皮膚の内側に注入する注入装置(又は注射装置)もある。なお、本明細書において「針無し」や「無針」という表現は、針以外の手段で皮膚を突き破って物質を注入する装置に対して用いられる。すなわち、無針式の装置(又は無針装置)とは、針で皮膚を突き破らないものであれば、針を備えた装置もその意味に含まれる。さらに、無針式の装置のなかには、皮膚を突き破るために用意された物質又は物体を最初に発射するものがある。その一方で、薬剤自体の衝突に起因する圧力を利用する無針式の装置もある。
本発明にかかる注入装置(又は注射装置)は、一般的に、発射される物質(例えば、薬剤等)を一時的に貯蔵する貯蔵する貯蔵部(又はチャンバ)を備える。また、本発明にかかる注入装置(又は注射装置)は、薬剤を発射して身体に送り込む遠位端を有する。前記貯蔵部は、典型的に、導管を介して前記遠位端と流体連通する。動作時には、前記貯蔵部に圧力が印加されることにより、薬剤が前記導管を通って前記遠位端から押し出される。一般的に、無針注入(又は無針注射)の用途では、前記遠位端がノズルを形成し得る。このノズルを介して薬剤が発射されることにより、ジェットを形成する。ジェットの速度(又はジェット速度)は、皮膚の最外層を突き破って身体内部の所望の深さまで貫通するのに十分な数値とされ得る。
本発明にかかる無針注射器は、閉ループでサーボ制御される装置とされ得る。本発明にかかるサーボ制御される無針注射器の一例は、1つ以上の物理的特性(例えば、圧力、位置、体積など)に応じてリアルタイムで注入圧力(又は注射圧力)を生成するようにサーボ制御部と組み合わせて構成された、電磁式の圧力アクチュエータを備える。そのような電磁式の圧力アクチュエータは、高速の立ち上がり時間(例えば、1ミリ秒未満)の高圧パルスを生成し、皮膚の内側に処方物を注入(又は注射)する。アクチュエータによって生成される圧力は、1回の注入(又は注射)の駆動の間に、所望の注入結果(又は注射結果)が得られるように変化し得る(又は変更され得る)。例えば、まず、処方物に対し、動物の皮膚の外表層を貫通するための第1の圧力である高い圧力を付与する。皮膚を突き破った後、次に、第2の圧力である低い圧力に低下させ、その圧力を残りの注入(又は注射)の間維持する。前記サーボ制御部により、チャンバ内の圧力の変化を検出することによって皮膚が突き破られたか否かが判断され、それに応じて注入圧力(又は注射圧力)が調節され得る。
本発明にかかるサーボ制御される無針注射器は、1つ以上のセンサ、サーボ制御部、および制御可能なアクチュエータを備え得る。1つ以上のセンサは、それぞれに応じた物理的特性、例えば、チャンバに対するコイルの位置および/またはそれに伴うチャンバ内の残りの体積および/またはそれに伴うチャンバ内の圧力等を側定し得る。サーボ制御部は、1つ以上のセンサから入力信号を受け取り、所定の関係に基づいて出力信号を生成し得る。前記サーボ制御部の出力を用いて、前記制御可能なアクチュエータを駆動する電流の振幅(又は大きさ)を制御することにより、圧力の制御を行うようにしてもよい。
前記サーボ制御部において、前記センサからの入力の受取り、前記所定の関係に基づいた前記入力の処理、およびそれに応じた出力の生成、これらを繰返し行うことにより、リアルタイムの制御を実現することができる。通常は、注入(又は注射)の最中に注入圧力(又は注射圧力)を調節するために、検出−制御の全プロセスが、その注入(又は注射)の最中に何回も(複数回)実行される。例えば、サーボ制御部は、前記センサから受け取った信号を処理して且つそれに応じた出力信号を100kHzの速度で(すなわち、10ミリ秒ごとに)高速生成することが可能な、高速のマイクロプロセッサを含むものとされる。このような高速の応答時間により、わずか5〜10ミリ秒の1回の注入(又は注射)の最中に、圧力を調節する機会を何百回も設けることができる。
制御可能なアクチュエータの一例は、導電性のコイルを含む。この導電性のコイルは、当該コイルに電流が流れることでそれに応じた機械的な力が発生するように、磁場に対して位置決めされ得る。このようなコイルの配置構成は、スピーカーのボイスコイルの配置構成に類似しており、磁場と電流とそれに伴う力(一般的に、ローレンツ力と称される)との関係が明確に定まっている。前記アクチュエータは、処方物が収容されたチャンバに対して作用するピストンに接続される。このような構成の変形例として、あるいは、このような構成に加えて、前記アクチュエータは、処方物が収容されたチャンバを形成する蛇腹構造部に接続され得る。いずれの構成においても、駆動を行うことにより、前記チャンバ内に圧力が発生し、処方物が前記チャンバからノズルを介して押し出される。本発明にかかる装置とは対照的に、従来の無針注射装置では、制御可能な度合いが極めて小さい(例えば、ばねやガス放出によるアクチュエータ等)か、あるいは、フィードフォワード制御(例えば、ニチノールなどの形状記憶材等)または閉ループ制御(例えば、圧電アクチュエータ等)を行えるが1〜10μL程度の注入量(又は注射量)しか達成できず、さらに、拡張性にも問題がある。電気で駆動するローレンツ力リニアモータにサーボ制御部を組み合せることにより、ストローク量を犠牲にせずに閉ループ制御を実行することができる。さらには、容易に拡張することもできる。
有利なことに、本発明にかかるサーボ制御される無針注射器は、制御自在かつ十分に予測可能な高速の高圧パルス(又は高速パルス)を生成することのできるアクチュエータを備える。また、本発明にかかる無針注射器は、1つ以上のセンサからの入力を受け取るサーボ制御部と組み合わされることにより、注入(又は注射)の最中、各種検出された物理的特性に応じて、圧力対時間プロファイル(又は速度対時間プロファイル)をリアルタイムで調節する。なお、注入プロファイル(又は注射プロファイル)は、2つの異なる供給フェーズを少なくとも有する。これら2つの供給フェーズは、短期間の高圧(又は高速)のフェーズと、この後の低圧(又は低速)の後続フェーズである。高圧(又は高速)のフェーズは、目標を突き破るためのものである。低圧(又は低速)の後続フェーズでは、大量の物質が供給される。これにより、せん断を抑えながら、組織が吸収するのに十分な時間を設けることができる。
一部の実施形態において、本発明にかかる無針注射器は、皮膚の特性を検出する皮膚センサに接続された制御部(又はコントローラ)と接続し得る。無針注射をサーボ制御するうえでそのような情報を利用することにより、特定の用途に応じて、注入圧力(又は注入速度)、つまり、皮膚に対する薬剤の深さ及び侵入を調節するようにしてもよい。また、一部の実施形態では、供給に用いる波形が、圧力トランスデューサ、例えば、注射筒(シリンダ)内の圧力またはアンプル内の圧力を測定する圧力トランスデューサ等に基づいて生成され得る。
一部の実施形態において、サーボ制御は、注入(又は注射)の時系列に基づいて実行され得る。この場合、注入プロフィル(又は注射プロファイル)の調節が、注入(又は注射)の最中において、所定の時間の経過後に実施され得る。他の実施形態では、注入特性が、圧力、検出された圧力、および時間の少なくとも1つに基づいて変更され得る。
図1を参照すると、生体150の表面155を介して物質を輸送させる、例示的な無針式経皮輸送装置100は、本発明の実施形態においてそのような輸送を実行するのに好適な、サーボ制御能力を備えている。この例示的な無針式経皮輸送装置100は、下記の構成を有し得る。以下では、一種類の装置しか詳述しないが、本発明にかかる方法は、あらゆる種類の無針式経皮輸送装置を用いて実行することができ、上記の例示的な装置に必ずしも限定されない。
装置100は、有効成分(例えば、薬剤等)を液状に調製した処方物を、生体(例えば、家畜動物、ヒト等)に注入(又は注射)するために使用され得る。このような構成の変形例として、あるいは、このような構成に加えて、装置100は、生体150から試料を採取するために使用され得る。これは、生体150の表面155を介して試料を取り出し、装置100外部または装置100内部に設けられた貯蔵部113にその試料を送り込むことによって実行され得る。
典型的に、装置100は、生体150の表面155(例えば、皮膚等)を介してその表面155を突き破るのに必要な直径および速度で物質を送り込むためのノズル114を備える。ノズル114から発射された物質は、ジェットを形成し、このジェットの力により、侵入深さが決まる。一般的に、ノズル114は、皮膚に接触させて配置することのできる平坦な表面部(例えば、ヘッド115など)を有する。また、ノズル114は、オリフィス101を形成している。オリフィス101の内径は、輸送流の直径を制御する。また、オリフィス101を形成する導孔(又は導管)103の長さもまた、輸送圧力(例えば、注射圧力など)を制御する。
ノズル114は、輸送される物質(又は輸送された物質)を一時的に貯蔵する貯蔵部113を形成するシリンジ112に連結され得る。シリンジ112は、少なくとも遠位端が貯蔵部113内において摺動可能に配置されたプランジャ(又はピストン)126を具備し得る。プランジャ126が、シリンジ112の長手軸心に沿って2つの方向のうちの任意の方向に移動することにより、それに応じた圧力が、貯蔵部113内に発生する。例えば、上市されている針なしシリンジ112、例えば、Equidyne Systems Inc.社(米国カリフォルニア州サンディエゴ)製の品番100100のシリンジ112が、装置100に取り付けられてもよい。
有利なことに、制御可能なアクチュエータにより、チャンバ(又は貯蔵部)113に対し、圧力を選択的に印加することができる。電磁式のアクチュエータ125は、高速の立ち上がり時間(例えば、1ミリ秒未満)の高圧パルスを生成する。アクチュエータ125は、動的に制御可能なので、駆動の最中に、圧力対時間の調節を行うことができる。
電磁式のアクチュエータ125は、直線方向の力を生成する。この直線方向の力は、物質の経皮輸送を行うためにプランジャ126に印加される。この力の伝達は、力伝達部材110(例えば、軸受111を介して摺動可能に連結した剛体棒等)によって実現され得る。
アクチュエータ125は、固定側部材(例えば、磁石アセンブリ105等)と可動部材(例えば、コイルアセンブリ104等)とを有し得る。コイルアセンブリ104内で生成された力は、物質の経皮輸送を行うために、プランジャ126に直接印加されるか、または剛体棒110を介してプランジャ126に間接的に印加され得る。一般的に、アクチュエータ125、軸受111およびシリンジ112は、駆動の間にこれらを支持し且つこれらを定位置に維持するフレーム(又はハウジング)102に連結している。
装置100は、当該装置の状態を知らせるユーザインターフェース120を備え得る。例えば、ユーザインターフェース120は、前記装置が駆動可能な状態であることを知らせる。例えば、注入(又は注射)を行うための条件が満たされている場合に、制御部108に接続された発光ダイオード(LED)が発光するものとされてよい。例えば、ユーザインターフェース120は、ユーザと装置100との間で詳細な情報を交換する、任意の適切な技術を具備してもよい。これにより、例えば、投与量に関係するパラメータ、および/または試料(試料採取)に関係するパラメータ、および/または生体(例えば、年齢、体重等)に関係するパラメータを、ユーザが特定することができる。
電源106は、アクチュエータ125のコイルアセンブリ104に対して電気入力を供給する。磁石アセンブリ105によって生じる磁場の存在下で、コイルアセンブリ104に対して電流が印加されることにより、機械的な力が発生する。この機械的な力は、コイルアセンブリ104を移動させ、シリンジ112のプランジャ126に仕事をさせる。
制御部108が、電源106とアクチュエータ125との間に電気的に接続されている。制御部108は、電源106からアクチュエータ125に対して供給される電気入力信号を、選択的に印加、停止または調節することができる。制御部108は、ローカルインターフェースによって操作可能な単純なスイッチであってもよい。例えば、ハウジング102に設けられたボタンを、ユーザが操作することにより、電源106からアクチュエータ125に対する電気入力を、選択的に印加または遮断できるようにしてもよい。制御部108は、電源106からの電力をアクチュエータ125に対して選択的に印加させるように構成された構成要素(例えば、電気回路等)を制御するものであってもよく、前記電気入力の形状は、選択(指定)された用途に応じて成形(決定)され得る。
無針式経皮輸送装置100は、リモートインターフェース118を備え得る。リモートインターフェース118は、情報(例えば、装置100の状態、装置100内に収容された物質の状態等)を離れたソースに送信するものであってもよい。このような構成の変形例として、あるいは、このような構成に加えて、リモートインターフェース118は、制御部108と電気的に接続されて、離れた場所からの入力を受信して当該入力を制御部108に送り、アクチュエータ125の制御に影響を与えるものであってもよい。
リモートインターフェース118には、離れた装置/ユーザと公衆交換電話網を介して相互作用可能なネットワークインターフェース、例えば、ローカルエリアネットワークインターフェース、ワイドエリアネットワークインターフェース、モデム、ワイヤレスインターフェース等が含まれ得る。
制御部108は、それぞれに応じた物理的特性を検出する1つ以上のセンサからの入力を受け取るものであってもよい。例えば、装置100は、トランスデューサを備えていてもよい。このようなトランスデューサの例として、選択(指定)の基準に対する物体の座標位置(例えば、コイルの位置等)を検出する位置センサ116Bが挙げられる。同様に、変位量に基づいて、ある位置から別の位置への特定距離の移動を検出するようにしてもよい。有利なことに、このようにして得られたパラメータに基づき、投与量の指標となるプランジャ126の位置を検出することができる。また、近接センサにより、装置の一部(例えば、コイル等)が臨界的な距離に達したことを検出するようにしてもよい。これは、例えば、プランジャ126の位置、力伝達部材110の位置、または電磁式のアクチュエータ125のコイルアセンブリ104の位置を検出することによって実施され得る。一例として、光学式のセンサ(例えば、光学エンコーダ等)を用いて、コイルのターン数を計数することによってコイルの位置を検出する構成が考えられる。位置または変位量を測定するのに適したセンサには、他にも、誘導型トランスデューサ、滑り接触式の抵抗型トランスデューサ、フォトダイオード、線形可変変位トランス(LVDT)などが含まれる。
他種のセンサ、例えば、力トランスデューサ116A等により、アクチュエータ125によってプランジャ126に印加される力を検出するようにしてもよい。図示のように、力トランスデューサ116Aは、コイルアセンブリ104の遠位端と力伝達部材110との間に位置決めされて、アクチュエータ125によって力伝達部材110に印加される力を検出し得る。図示の力伝達部材110は剛体なので、力がそのままプランジャ126に伝達される。この力により、プランジャ126が移動し、それに応じた圧力が貯蔵部113内に発生する。正方向の力により、プランジャ126が貯蔵部113内に押し込まれて正方向の圧力が発生し、貯蔵部113内の物質がノズル114から押し出される。負方向の力により、プランジャ126がノズル114側から離れて近位側に向かって引かれて、負方向の圧力又は真空が発生し、装置外部の物質がノズル114を介して貯蔵部113内に吸引される。前記物質はアンプルから取り出されるものであってもよい。この場合、負方向の圧力により、貯蔵部113に前記物質が充填され得る。このような構成の変形例として、あるいは、このような構成に加えて、前記物質は生体から取り出されるものであってもよい。これは、血液および/または組織および/または他の間質液の試料採取に相当し得る。また、圧力トランスデューサ(図示せず)を設けて、貯蔵部113内の物質に印加される圧力を直接検出するようにしてもよい。
また、電気センサ116Cを設けて、アクチュエータ125に供給される電気入力を検出するようにしてもよい。電気センサ116Cは、コイル電圧およびコイル電流の少なくとも一方を検出し得る。既述した種類のセンサ以外にも、例えば、ジャイロメータ(角速度計)116D、および/または加速度計116E、および/または歪みゲージ116F、および/または温度センサ116G、および/または音響センサ(若しくは音響トランスデューサ)116H、および/または気圧センサ116Jが設けられてもよい。センサ116A〜116J(あるいは、まとめて符号116で表す)は制御部108に接続され、制御部108に各種検出された特性値が供給される。制御部108は、前記各種検出された特性値のうちの少なくとも1つを用いて、電源106からのアクチュエータ125に対する電気入力の印加を制御するものであってもよい。これにより、シリンジ112内で発生する圧力を制御して、所望の輸送性能を実現することができる。例えば、位置センサを利用してアクチュエータ125をサーボ制御することにより、コイルアセンブリ104を所望の位置に初期配置し、位置が変化した後はその位置に固定したまま、駆動サイクルを完了することができる。この場合、第1の位置から第2の位置までのコイルアセンブリ104の移動により、それに対応する量の物質が輸送される。制御部108は、物質の輸送量を、貯蔵部113の物理的サイズおよびコイルの位置に基づいて算出するようにプログラムされたプロセッサを含むものであってもよい。
一般的に、駆動サイクルは、物質の輸送を実行するためのアクチュエータ125に対する電気入力の開始から、物質の輸送を停止するための前記電気入力の停止までに相当する。動的に制御可能な電磁式のアクチュエータ125に、サーボ制御能力が組み合わさることにより、駆動サイクルの最中に、圧力を調節することが可能になる。1つ以上のセンサ116を利用することにより、輸送の最中または駆動サイクルの最中において当該駆動サイクルのさらなる制御を行うことができる。このような構成の変形例として、あるいは、このような構成に加えて、ローカルインターフェースおよびリモートインターフェースの少なくとも一方を利用することにより、駆動サイクルの制御にさらに影響を与えることができる。
また、制御部108には、生体表面(biological surface)の各種物理的特性をそれぞれ検出する、1つ以上のセンサ(図示せず)が接続されていてもよい。そのような情報を用いてアクチュエータ125をサーボ制御することにより、特定の用途に応じて、注入圧力(又は注射圧力)、つまり、皮膚に対する薬剤の侵入深さを調節するようにしてもよい。また、注入圧力(又は注射圧力)を、経時的に変化させてもよい。
図2Aは、電磁インパルスを用いるアクチュエータ200の断面図である。アクチュエータ200は、環状の溝形の空洞214が形成された磁石アセンブリ205と、その空洞214に摺動自在に挿入されたコイルアセンブリ203とを有する。コイル・磁石が成すアセンブリの長さによって、コイル203のストロークが制御され得る。
磁石アセンブリ205は、中央の軸心203に沿って列状に配設された磁石204A,204Bを含む。前記磁石の列は、1つ以上の磁石要素(例えば、永久磁石等)をスタック(又は交互に連結)させることによって形成され得る。強力かつ高磁束密度である磁石の種類として、希土類磁石が挙げられ、特に、N50磁石などのネオジム−鉄−ボロン磁石(例えば、NdFe14B)が知られている。一般的に、前記磁石によって形成される磁場は、図示の磁場線208のようになる。
磁石204A,204Bは、一方の端部が閉じた軸方向に中空な空洞を形成する直円筒状のシェル201の一端部に対して取り付けられる。磁石204A,204Bとケーシングの内壁との間に形成される環状の溝は、シェル201の前記一端部と反対側の他端部に通じて(開いて)いる。例えば、シェル201は、外径が約40mmで内径が約31.6mmであり、壁厚が約4.2mmとされる。磁石204A,204Bは、直径が約25.4mmの円筒状とされ得る。
シェル201は、磁石204A,204Bによって形成される磁場を漏れ難くする材料で構成されることが好ましい。例えば、シェル201は、強磁性材またはフェライトで構成される。そのような強磁性材の一例として、炭素鋼と称される合金(例えば、米国鉄鋼協会(AISI)の型番:1026の炭素鋼など)が挙げられる。同様の強磁性材で構成されたエンドキャップ206が、磁石204A,204Bの前記他端部に取り付けられる。エンドキャップ206を設置することにより、磁場がエンドキャップ206内を導通するようになる。これにより、エンドキャップ206とシェル201の外壁との間の環状ギャップにおいて、径方向に流れる磁場を形成することができる。一般的に、エンドキャップ206の厚さは、シェル201の壁厚よりも厚く設定される。これにより、上側の(又はエンドキャップ206側の)磁石の一端部側で磁気回路を閉じることができるので、磁場が漏れ難くなる。シェル201の前述した例では、エンドキャップ206の軸方向の厚さは、約8mmとされる。
コイルアセンブリ203は、導電体(例えば、銅線等)を巻枠210に巻回することによって形成されたコイル212を含む。巻型210は円筒状とされ得る。これにより、軸方向に中空の空洞が形成され得る。この空洞のサイズは、コイル212が巻き付いた状態で環状の空間214内部に収まるように設定され得る。巻型210は、環状の空洞214に突き合わされる側の端部が実質的に閉じたものとされ得る。この閉じた端部は、プランジャ214または力受け棒体210を押圧し、力受け面を形成する。
軽量で高強度のコイルアセンブリ203には、大きな力を高速で生成させなければならない用途、例えば、針無し輸送等の用途に対して望ましい。好ましくは、巻型210は、軽量にもかかわらず高強度であり且つ容易に機械加工可能な材料で構成される。そのような材料として、例えば、高温度の用途にも良好に対応可能なポリアセタール樹脂が挙げられる。
巻型210は、前記環状の溝内に収まるように肉薄に設定される。このように巻型210は肉薄なので、環状の溝214を幅狭にすることができる。これにより、ギャップ内の磁場強度を増加させることができる。
巻型210は、例えば、外径が約27mm、内径が約26mm、軸方向の長さが約46mmとされ得る。コイル212は、例えば、当該コイル212の長さ(約35mm)あたり約115の巻き数の割合で、28ゲージの銅線を巻型210に6層分巻き付けてなるものであり、この場合、ターン数は全部で700程度になる。磁石の材料にN50磁石を使用し、強磁性材としてAISIの型番:1026の炭素鋼を使用することにより、エンドキャップ206には、約0.55〜約0.63テスラの磁束が導通する(この数値は、エンドキャップ206の中心から径方向外方に遠ざかるにつれて減少する)。
このようにして、コイル212には、エンドキャップ206とシェル201の壁との間に形成される磁場208に対して垂直に電流が流れる。これにより、コイル212には、長手軸心に沿った方向に力が働く。なお、その力の方向は、前記電流の方向によって決まる。前述した例示的な装置では、駆動サイクルのうちの突き破りフェーズに対応する約1ミリ秒の期間の間、コイルに約100ボルトの電記入力(又は駆動電圧)が印加される。輸送フェーズの間は、それよりも低い約2〜約5ボルトの電気入力が印加される。
一般的に、コイル212は、2本の電気リード線216を介して電気入力信号を受け取る。シェル201は1つ以上の導孔218を有しており、リード線216は当該導孔218を通って電源106(図1)に接続されている。シェル201は、閉じた側の端部において、1つ以上のさらなる導孔を有していてもよい。当該さらなる導孔を通じて、コイルの移動時において空気が入れかわるようにしてもよい。コイル212と環状の溝214との間のギャップには比較的厳しい公差が設けられるので、そのような導孔がない場合、コイルの移動に抗する圧力が蓄積される可能性がある。このような構成の変形例として、あるいは、このような構成に加えて、巻型210は、駆動の最中において望ましくない減衰を行う圧力が蓄積するのをさらに防止する、1つ以上の導孔220を有していてもよい。
図2Aには、注入フェーズ(又は注射フェーズ)後または注入フェーズの最中のコイルアセンブリ203が示されており、コイル212がシェル210から押し出されることで、前部のプレート215が前進する。図2Bには、試料採取フェーズ後の、コイルアセンブリ203がシェル201内に後退した様子が示されており、コイルアセンブリ203はシェル201内に収まっている。
導電性のコイル212は、比較的高振幅の(又は比較的大きい)電流を導通させるものとされ得る。これによって生成された大きな力は、大きな圧力の発生につながる。また、コイル212は、高周波数域の動作に対応できるように比較的低インダクタンス、例えば、100ミリヘンリーに設定され得る。低インダクタンスと高電流容量とを両立させる方法として、大径の導体を少ないターン数(例えば、1〜3ターン数)で巻いて形成されたコイルを使用することが考えられる。
これにより、高速の立ち上がり時間の高圧パルスを生成可能な圧力アクチュエータが実現される。また、このアクチュエータの動作は、当該アクチュエータの物理的特性および電気入力電流を利用することにより、制御自在かつ十分に予測可能である。さらに、このアクチュエータは、コイルに流れる電流の方向に基づいて、互いに反対方向へ可逆的な力を生成することができる。
そのような制御自在性により、注入プロファイル(又は注射プロファイル)は、高速の高圧パルスで皮膚外層を突き破った後、低圧の長パルスで処方物を供給するようにできる。図3Aに、経時的に変化する電気入力の一例を示す。図3Aのグラフの線は、アクチュエータ125のコイルアセンブリ104に対して印加される電流の変化を表している。時間tにおいて、コイル104に電流が印加される。この電流は、休止時の数値(例えば、0アンペア)から最大値Iに上昇し、選択可能な(指定可能な)期間の間最大値Iを維持し、時間tにおいて別の電流値Iに遷移する。前記電流の振幅(又は大きさ)は、時間tまでの間ほぼ電流値Iで維持されてもよいし、あるいは、時間tまでの間経時的に変化するものであってもよい。時間tになると、前記電流は休止時の数値に戻る。
時間tから時間tまでの期間を、まとめて、駆動期間または駆動サイクルと称することができる。上記電流入力と同様の形状の電流入力について、次のことが言える。時間tから時間tまでの期間を、突き破りフェーズと称することができる。その名前が示すとおり、高い電流値Iにより、これに応じた高い圧力が発生し、針や欄セットがなくとも生体の表面を突き破ることができる。駆動サイクルの残りの期間である時間tから時間tまでの期間を、輸送フェーズと称することができる。その名前が示すとおり、比較的低い電流値Iにより、低い圧力が発生し、突き破りフェーズにおいて形成された前記表面上の孔を介して、貯蔵部113(図1)からの物質を、前記生体に輸送することができる。
図3Bは、電気入力を受けて貯蔵部113(図1)内に発生する圧力の、グラフの一例である。図示のとおり、時間tにおいて、圧力が休止時の数値から上昇する。このとき、相対最大値Pに達するまでに、電気コイルの伝達特性に起因する小さな遅延Δが伴うものと予想される。この最大の圧力値Pにより、図1に関連して説明したジェットを形成することができる。輸送フェーズでは、電流が減少することにより、圧力も低い圧力値Pに減少する。なお、この低い圧力値Pは、物質の所望な輸送を達成できるように設定された数値である。輸送フェーズは、所望の物質量の輸送が終了するまで続行される。その後、圧力が取り除かれて駆動サイクルが完了する。
サーボ制御される注射器は、1つ以上の物理的特性(例えば、圧力、位置、体積など)に応じてリアルタイムで注入圧力(又は注射圧力)を生成するようにサーボ制御部と組み合わせて構成された、電磁式の圧力アクチュエータを備える。一部の実施形態において、前記サーボ制御される注射器は、針無し式の装置(無針注射器)である。前記電磁式の圧力アクチュエータは、高速の立ち上がり時間(例えば、1ミリ秒未満)の高圧パルスを生成し、皮膚の内側に処方物を注入(又は注射)する。そのような高速の立ち上がり時間により、輸送全体を約10ミリ秒未満で完了させることができる。アクチュエータによって生成される圧力は、1回の注入(又は注射)の駆動の間に、所望の注入結果(又は注射結果)が得られるように変化するものであってもよい。例えば、まず、処方物に対し、動物(ヒトも含む)の皮膚外表層を貫通するための第1の圧力である高い圧力を付与する。皮膚を突き破った後、次に、第2の圧力である低い圧力に低下させ、その圧力を残りの注入(又は注射)の間維持する。前記サーボ制御部により、チャンバ内の圧力の変化を検出することによって皮膚が突き破られたか否かを判断し、それに応じて注入圧力(又は注射圧力)を調節するようにしてもよい。
サーボ制御部108は、1つ以上のセンサ116から入力信号を受け取り、所定の関係に基づいて出力信号を生成する。サーボ制御部108の出力を用いて、制御自在な前記アクチュエータを駆動する電流の振幅(又は大きさ)を制御することにより、圧力の制御を行うようにしてもよい。
サーボ制御部108において、センサ116からの入力の受取り、前記所定の関係に基づいた前記入力の処理、およびそれに応じた出力の生成、これらを繰返し行うことにより、リアルタイムの制御を実現することができる。好ましくは、注入(又は注射)の最中に注入圧力(又は注射圧力)を調節するために、検出−制御の全プロセスが、その注入(又は注射)の最中に何回も(複数回)実行される。例えば、サーボ制御部108は、センサから受け取った信号を処理して且つそれに応じた出力信号を100kHzの速度で(すなわち、10ミリ秒ごとに)高速生成することが可能な、高速のマイクロプロセッサを含むものとされる。このような高速の応答時間により、わずか5〜10ミリ秒の1回の注入(又は注射)の最中に、圧力を調節する機会を何百回も設けることができる。
図4に、本発明の実施形態において使用するのに好適な、サーボ制御されるジェット注射器を示す。このジェット注射器は、手持ち式の注射器400と、リアルタイムコントローラ(リアルタイム制御部)(図示せず)と、線形電力増幅器(リニアパワーアンプ)とを備える。手持ち式の注射器400は、ローレンツ力リニアアクチュエータ(LLA)からなるモータ410内を移動する際に鋼製の押出成形体に沿って自由に摺動するボイスコイル420と、アンプル430と、プッシュボタン式の起動スイッチ440と、当該注射器400の内部構成品を取り囲むハウジング450と、コントローラに接続されたケーブル(又は配線)460とを具備する。なお、アンプル430として、例えば、上市されている使い捨てのアンプルであるInjex(登録商標)30(0.3mL;品番100100;Injex-Equidyne Systems, Inc社(米国カリフォルニア州フラートン)製)が挙げられる。
部分切開図である図5を参照すると、アンプル430として、Injex(登録商標)30がジェット注射器の前部プレート535に螺合しており、かつ、ピストン510が移動コイル420の前部に螺合している。アンプルは、入手し易さ、相対的な低コスト、性能の信頼性、注入装置(又は注射装置)への組み込み易さなどに基づいて選択され得る。また、アンプルは、先端部の内径を徐々に減少させる(又は先端部をテーパ状にする)ことによって形成された、ノズルのオリフィス520、例えば、直径220±5μmのオリフィスを有するものであってもよい。図示の実施形態では、30mmのストロークにより、300μmの被供給量を達成することができる。
ローレンツ力リニアモータは、例えば、直径360μmのエナメル被覆された銅線を、肉薄の巻型に対して、全部で582のターン数となるように6層巻き付けてなるものである。前記巻型は、ポリエーテルイミドを機械加工してなるものであってもよい。ポリエーテルイミドを材料とすることにより、移動質量を最小限に(50g程度まで)抑えることができ、かつ、巻型に渦電流が誘起されて抗力が発生するのを防ぐことができる。前記銅線に電流を印加すると、最大200Nの軸方向のローレンツ力(力定数:10.8±0.5N/A)が発生する。前記コイルの総合的な直流抵抗は、約11.3Ωとなり得る。
ボイスコイル420は、AISIの型番:1026の炭素鋼を押出成形してなるケーシング560内部で、支承面550上を自由に且つ円滑に摺動する。このケーシング560も磁気回路を形成する。その磁気回路には、前記ケーシング内に挿設された2つのNdFeB磁石525(0.4MN/m(50MGOe))が含まれ得る。磁気ギャップにおける磁束密度は、約0.6テスラとなり得る。
前記コイルとの電気的な接続は、プラスチック被覆された可撓性の銅リボン線でおこなってもよい。1kHzを超える高帯域に対応可能な、10kΩのリニアポテンショメータ(すなわち、変位トランスデューサ)540を、リニアガイド(linear guide system)に取り付けて、コイルの位置を監視するようにしてもよい。このような位置センサは、巻型の先端(leading edge)に取り付けられた可動ピンを介して前記コイルに接続され得る。このようにして構築されたシステムは、4kW増幅器(Techron社製)によって電力供給され、かつ、Labview(登録商標)8.5(National Instruments社製)で動作するPCベースのデータ取得・制御システムによって制御され得る。これにより、様々な波形をテストすることができ、かつ、電流および変位量を同時に評価することができる。
コイルの位置の、高速な監視および高速なサーボ制御は、リアルタイムコントローラ(cRIO−9004(National Instruments社(米国テキサス州オースティン)製)を、再構成可能なフィールドプログラマブルゲートアレイ(PPGA)シャーシ(cRIO−9104)に埋め込んでなる、再構成可能な小型のシステムを用いて実行することができる。前記コントローラは、LabVIEW8.5のリアルタイム「ホスト」アプリケーションを実行することにより、前記FPGAの回路と相互作用し、高次の注入軌道計画(又は注射軌道計画)を実行し、ユーザの命令を解釈(interpret)して、リアルタイムのフィードバックおよび注入後の(又は注射後の)フィードバックを行う。この「ホスト」アプリケーションのユーザインターフェースは、前記コントローラによって動作するウェブサーバによって表示され、ネットワーク接続されたラップトップ型コンピュータ上のウェブブラウザで操作可能とされ得る。
位置を利用したジェット注射器の制御アルゴリズムは、2つのコンポーネントを有する。図6に示すように、これら2つのコンポーネントは、(1):所与のジェット速度を得るのに必要な電圧を予測する、速度に基づいたフィードフォワード(FF)モデル、および(2):注射器システムへのノイズおよび外乱の影響を抑えるための、比例積分(PI)に基づいた線形な変位フィードバックコントローラからなる。コイルの移動時には、いずれのコンポーネントも有効となる。注入(又は注射)の最中にはFFが優勢となり、充填や位置維持の最中にはフィードバックが優勢となる。これにより、流体を正確な量で確実に供給することができる。
注入波形(注入軌道)は、2つの異なる供給フェーズを有するように生成され得る。これら2つの供給フェーズは、短期間の高速の第1フェーズと、この後の変更可能な期間の低速の第2フェーズとされ得る。第1フェーズにより、コイルは、突き破りに必要とされる所望のジェット速度(Vjet)にまで加速される。この速度は、所定の期間(Tjet)の間維持される。その後、コイルは、次の低い速度(Vft)にまでゆっくりと減速される。この速度(Vft)は、コイルの位置が、所望の注入量(又は注射量)(V)を実現する変位量に達するまで維持される。コイルの位置対時間プロットの微分または傾きは、速度を表す。したがって、位置のフィードバックにより、ジェット速度のフィードバックが暗黙的に行われる。また、コイルの位置対時間プロットの積分を取ることにより、被供給量を算出することができる。
任意の種類のさらなるセンサを設けて、ジェット注射器を用いた供給を支援するための情報を得るようにしてもよい。ジャイロメータおよび加速度計により、供給前または供給間の装置の位置/向きを検出するようにしてもよい。また、音響センサにより、装置と物体との界面に関する情報を供給するようにしてもよい。歪みゲージおよび温度センサを設けて、生体を介して物質を輸送するのに必要とされる圧力及び力に関する情報を得るようにしてもよい。この情報は、力、位置および電流又は電圧を測定するセンサを用いて得ることもできる。好ましい一実施形態では、コイルの位置が監視される。位置を利用した制御アルゴリズムは、2つのコンポーネントを有する。図6に示すように、これら2つのコンポーネントは、(1):速度に基づいたフィードフォワードモデル、および(2):注射器システムへのノイズおよび外乱の影響を抑えるための、線形部分積分変位フィードバックコントローラを有する。コイルの移動時には、いずれのコンポーネントも有効となる。注入(又は注射)の最中にはFFが優勢となり、充填や位置維持の最中にはフィードバックが優勢となる。これにより、流体を正確な量で確実に供給することができる。
ユーザが指定(選択)した速度プロファイルに基づいて、コイルに印加された電圧によってそれに応じた力がピストンに働き、この力が所定量の流体を目標に供給するのに十分な流体圧を発生させる。コイルの位置対時間プロットの微分または傾きは、速度を表すので、位置のフィードバックにより、ジェット速度のフィードバックが暗黙的に行われる。また、コイルの位置対時間プロットの積分を取ることにより、被供給量を算出することができる。この実施形態では、オペレータが、注入(又は注射)実行前にジェット速度の波形(又は軌道)を、以下の4つのパラメータに基づいて指定(選択)・確認する:
● 目標を突き破るのに必要とされる所望のジェット速度(Vjet
● ジェット速度の時間(又は期間)(Tjet
● 典型的にジェット速度(Vjet)よりも低速である後続速度(Vft
● 総注入量(又は総注射量)(V)
最初の供給フェーズでは、コイルが、所望のジェット速度Vjetにまで加速される。この速度は、ユーザが指定した期間Tjetの間維持される。その後、コイルは、所望の速度Vftにまでゆっくりと減速される。この速度Vftは、コイルの位置が、所望の注入量(又は注射量)を実現する変位量に達するまで維持される。
本発明にかかる流体の注入(又は注射)は、以下の特徴を有し得る。フィードバック制御システムにより、注入(又は注射)の最中に、検出されたコイルの変位量をフィードバックして、薬剤の発射量が制御される。被供給量およびVftを同一に保ちながら、ジェット速度を変化させると、供給に必要とされる総時間が変化する。同様に、ジェット速度およびVftを同一に保ちながら、被供給量を変化させた場合にも、供給に必要とされる総時間が変化する。突き破りで形成される孔(又はただれ孔)の深さは、注入(又は注射)における最初の高速なフェーズによって決まる。ピストンの速度を厳密(精密)に制御することができるので、電子的にVjetまたはTjetの変更を行うことにより、電子的に注入深さ(又は注射深さ)を選択(指定)することができる。
図7Aおよび図7Bは、それぞれ印加する力の変化とそれによる流体が輸送されたときの速度および輸送された流体の体積の影響を表したグラフである。図7Aには、TjetおよびVftを同一に保ちながら、様々なジェット速度で一定量の流体を発射させた場合、注入時間(又は注射時間)が変化する様子が示されている。ジェット速度が増加すると、Vjetで供給される流体の量も増加するので、Vftで供給される流体の量が少なくなる。つまり、所望の量を、短い時間で供給することが可能になる。図7Bから分かるように、ジェット速度および後続速度を同一に保ちながら、供給される流体の量を増加させると、予想どおり、供給するのに必要とされる時間も増大する。図7Aおよび図7Bの備考欄内に記載された一連の数字(例えば、1502001050)は、供給に用いるパラメータを表している。最初の3桁は、供給される流体の量(μL)を指し、次の3桁は、ジェット速度(m/秒)を指し、その次の2桁は、ジェット速度の時間(又は期間)(ミリ秒)を指し、最後の2桁は、後続速度(m/秒)を指している。
図8Aのグラフは、サーボ制御されるジェット注入(又はジェット注射)において、ジェット速度が、侵入深さ(すなわち、ただれ深さ)に影響を及ぼすことを表している。図8Bのグラフは、サーボ制御されるジェット注入(又はジェット注射)において、ジェット速度を維持する時間が、侵入深さ(すなわち、ただれ深さ)に影響を及ぼすことを表している。10%アクリルアミドゲルでは、侵入深さとジェット速度との間に線形の関係(R=0.99)が見られるが、20%アクリルアミドゲルに対する注入(又は注射)では、上記の関係は非線形的であった。詳細に述べると、図8Aから分かるように、20%アクリルアミドゲルの場合は、10%アクリルアミドゲルの場合と比べて、ジェット速度に対する侵入深さの変化にばらつきが見受けられた。図8Bに示すように、ジェット速度および後続速度を同一に保ちながら、ジェット速度の時間(又は期間)(Tjet)を変化させると、侵入深さが増加した。
図9Aおよび図9Bのグラフは、サーボ制御されるジェット注射器を用いた場合の、被供給量の制御自在性および再現性を表している。図9Aのグラフには、ジェット速度を増加させた場合の、バイアルに供給される流体の量(重量に基づいて算出)が示されている。グラフ中のエラーバーは、24回の注入(又は注射)における平均偏差および標準偏差のそれぞれを表している。図9Aから分かるように、様々なジェット速度で、アンプルの収容物をバイアルに対して何度発射しても、その被供給量(重量に基づいて算出)は、厳密(精密)に制御される。このシステムの流体の発射量は、平均で目標量の99.18±0.04%(σ±se)に達し、変動係数は通常0.01未満(24回の注入(又は注射)全体に基づいて定量化)となる。
図9Bのグラフには、目標組織に対し、一般的に流体の80%超を供給できることが示されている。なお、供給される体積の再現性は、組織の厚さや服薬コンプライアンスの影響を受ける。図9Bのグラフには、ジェット速度を増加させた場合の、死んだ動物の様々な皮膚試料に対する侵入深さが示されている。円で囲まれた部分は、所望の総注入量(又は総注射量)として、20μLおよび100μLのいずれかを指している。また、数字は、実際に組織に吸収された平均薬剤量を百分率(重量%)で表したものである。
マウス:Vjet=100m/秒の場合;n=103、CV=0.15
モルモット:Vjet=100m/秒の場合;n=20、CV=0.31
ウサギ:Vjet=100m/秒の場合;n=30、CV=0.03
jet=200m/秒の場合;n=30、CV=0.02
ブタ:Vjet=125〜150m/秒の場合;n=20、CV=0.11
jet=150〜175m/秒の場合;n=26、CV=0.08
jet=200m/秒の場合;n=20、CV=0.08
位置(したがって、被供給量)に基づくサーボ制御のさらなる他の実施形態では、光学式または電気式の様々な非接触技術を用いて、ピストンの位置を検出するようにしてもよい。
前述した説明から分かるように、本発明にかかる物質を生体の表面を介して注入する方法は、前記物質を前記生体の前記表面を介して注入する無針式経皮輸送装置を用意する過程を含む。好適な装置の例が、図1および図4に示されている。なお、当業者であれば、本明細書で説明する方法を実施できるうえで、他の無針注射器が利用可能となり得ることを理解するであろう。前記物質は、(i)注入のパラメータを検出し、(ii)検出されたパラメータに基づき、サーボ制御部を用いて、少なくとも1つの注入特性を動的に調節しながら、前記生体に注入される。前記検出されるパラメータは、位置、前記無針式経皮輸送装置に設置されたアンプルの変形、周囲の温度、注入される物質の温度、前記生体に衝突する物質の音、および気圧のうちの少なくとも1つであり得る。前記検出されるパラメータには、さらに、例えば、注入圧力、前記輸送装置内の圧力、位置、力、電流、および電圧のうちの少なくとも1つが含まれ得る。動的に調節される前記注入特性は、例えば、注入深さ、注入される物質の量等である。前記物質の注入は、(i)前記物質の量の一部が第1の注入圧力で注入される第1の期間と、(ii)前記物質の量の残りが第2の注入圧力で注入される第2の期間とで行われる。前記物質の注入の前に、ジェット速度の波形が前記輸送装置に予めプログラムされ得る(又はプログラムによって適用され得る)。既述したように、前記ジェット速度の波形は、第1の速度であるジェット速度、第1の期間、第2の速度である後続速度、および量を含み得る。前記第2の期間)は、前記無針式経皮輸送装置によって決定され得る。
前記無針式経皮輸送装置はコイルを備え得る。この場合、前記注入特性は、コイルの変位量に基づいて動的に制御され得る。また、前記無針式経皮輸送装置は位置センサを備え得る。この場合、その位置センサによって前記コイルの変位量が検出され得る。
本発明の一部の実施形態において、注入のプロファイル(注入プロファイル)は、注入される処方物の構造に応じて変化する(又は変更される)。例えば、分子量の大きい処方物を投与する場合、注入圧力またはジェット速度が増加する。また、試料の粘度は、例えば生物学的製剤もしくは生物由来薬剤の濃度、温度もしくはpHの変化、および/または処方物の組成の変化等によって変化し得る。さらに、液体の粘度は、極度の圧力およびせん断速度の増加によって変化し得る。なお、擬塑性流体(例えば、高分子)等の非ニュートン流体の場合、せん断速度が増加すると、ずり減粘を引き起こす。そのため、注入のパラメータは、これらのパラメータに基づいて変化する(又は変更する)ようにしてもよい。
既述したような、物質を生体の表面を介して注入するように構成された無針式経皮輸送装置が用意され得る。前記物質の粘度が、そのような輸送装置のシステムに予めプログラムされ得る(又は入力され得る)。一部の実施形態において、前記物質の粘度は、当該物質の注入の前に当該物質をアンプルに充填するのに用いた力を測定することによって間接的に決定される。また、供給を行うのに必要な圧力(または速度)が、十分に発達した層流を仮定したうえで前記力から算出され得る。
さらなる他の実施形態において、前記粘度は、前記物質の注入の最中に検出される。供給を行うのに必要な圧力(又は速度)の変化が、粘度の変化の指標とされ得る:
P=1/2ρv+Pμ (5)
一部の実施形態において、前記無針式経皮輸送装置は、サーボ制御部を含んでもよく、前記サーボ制御部は決定された粘度に基づき注入圧力を算出し得る。
また、1回の注入(又は注射)で消費される電力を、粘度の変化を推定するパラメータとして利用してもよい。
また、前記粘度を、温度に基づいてサーボ制御するようにしてもよい。物質の粘度は、温度によって変化し得る。高速であるジェット速度では、粘性を有する物質が、ずり減粘を引き起こす場合がある。ずり減粘は、供給を行うのに必要な圧力(または速度)に影響を及ぼし得る。その一方で、低速である後続速度では、粘度の変化の大半が、温度に起因するものとなり得る。そのため、供給を行うのに必要な圧力(又は速度)を利用して物質の粘度を決定する場合、注入(または注射)の後続フェーズでは、決定された粘度が、温度の変化に伴って変化し得る。
本発明にかかるサーボ制御されるジェット注射器により、粘性を有する物質を、優れた再現性で供給できることが証明された。例えば、図10Aは、2°円錐平板測定システム(円錐の直径:60mm)を用いてせん断速度10−3〜10−1で測定された、様々なグリセロール濃度と25℃での粘度との関係を表したグラフであり、図10Bおよび図10Cは、ユーザが指定した量を、グリセロール濃度を1〜90%と様々に変化させて、様々なジェット速度で供給した場合の再現性を表したグラフである。
図4のサーボ制御される無針注射器を用いた場合、最大200Nの力を出力可能なものでは、粘度0.02Pa・s以下(グリセロール濃度70%以下に相当)の試料を、優れた信頼性で充填・発射することができる。この場合の変動係数は、図10Bに示すように、グリセロール濃度0%のもので平均0.0161、グリセロール濃度70%のもので平均0.0119となり得る。装置の出力が増加することで、0.02Pa・sを超える粘度を有する試料を供給することが可能となり得る。
図11Aおよび図11Bのグラフは、それぞれせん断速度の増加および温度の変化に対する、高分子の挙動を表したグラフである。本発明にかかるサーボ制御されるジェット注射器により、図示の例のような物質の供給を、温度の変化に対する当該物質の挙動の変化に基づいて支援するようにしてもよい。
一部の実施形態において、供給される物質は、生分解性の生体高分子または合成高分子(例えば、コラーゲン、キトサン、ポリ乳酸、ポリオルトエステル等)である。このような構成により、高分子構造内に含有された(又は組み込まれた若しくは担持された)薬剤を徐放させることができる。
当業者であれば、例示した無針式経皮輸送装置100および手持ち式の注射器400以外にも、様々な無針注射器を、本発明の実施形態の方法に利用できることを理解するであろう。また、当業者であれば、本明細書で述べたパラメータが例示的なものに過ぎず、本発明にかかる方法および材料の詳細な用途によっては、実際のパラメータが変化し得ることを容易に理解するであろう。また、当業者であれば、前述した実施形態が例示的なものに過ぎず、添付の特許請求の範囲および等価物の範疇であれば、本明細書で具体的に説明した以外の形態であっても、本発明を実施できることを理解するであろう。さらに、構成要素について、材料、形状、サイズ、および構成要素間の相互関係を変更し、それらを多種多様に組み合わせたり置換したりしてもよく、そのような変形例および等価物も、本発明の一部をなすものとする。
なお本発明は、実施態様として以下の内容を含んでいてもよい。
[実施態様1]
物質を生体の表面を介して注入する方法であって、
前記物質を前記生体の前記表面を介して注入するように構成された無針式経皮輸送装置を用意する過程と、
(i)前記無針式経皮輸送装置に設置されたアンプルの変形、周囲の温度、注入される物質の温度、前記生体に衝突する物質の音、および気圧のうちの少なくとも1つを含む、注入に関するパラメータを検出し、
(ii)検出されたパラメータに基づき、サーボ制御部を用いて、少なくとも1つの注入特性を動的に調節しながら、
前記輸送装置により、前記物質を前記生体に注入する過程と、
を含み、
前記物質は、(i)前記物質の量の一部が第1の注入圧力で注入される第1の期間と、
(ii)前記物質の量の残りが第2の注入圧力で注入される第2の期間とで注入される、注入方法。
[実施態様2]
実施態様1に記載の注入方法において、前記パラメータの検出が、さらに、注入圧力、前記輸送装置内の圧力、位置、体積、機械インピーダンス、力、電流、および電圧のうちの少なくとも1つを検出することを含む、注入方法。
[実施態様3]
実施態様1に記載の注入方法において、前記少なくとも1つの注入特性が、注入深さおよび注入される物質の量からなる群から選択される、注入方法。
[実施態様4]
実施態様1に記載の注入方法において、さらに、
前記物質を注入する過程の前に、ジェット速度の波形を、前記輸送装置に予めプログラムする過程、
を含む、注入方法。
[実施態様5]
実施態様4に記載の注入方法において、前記ジェット速度の波形が、第1のジェット速度、第1の期間、第2の後続速度、および前記物質の量を含む、注入方法。
[実施態様6]
実施態様5に記載の注入方法において、前記第2の期間が、前記無針式経皮輸送装置によって決定される、注入方法。
[実施態様7]
実施態様1に記載の注入方法において、前記無針式経皮輸送装置がコイルを備えており、
前記注入特性を、コイルの変位量に基づいて動的に制御する、注入方法。
[実施態様8]
実施態様7に記載の注入方法において、前記無針式経皮輸送装置が位置センサを備えており、
前記コイルの変位量を、前記位置センサによって検出する、注入方法。
[実施態様9]
物質を生体の表面を介して注入する方法であって、
前記物質を前記生体の前記表面を介して注入する無針式経皮輸送装置を用意する過程と、
前記物質の粘度を決定する過程と、
前記決定された粘度に基づき、前記物資を注入する圧力を算出する過程と、
前記無針式経皮輸送装置により、前記算出された圧力で前記物質を注入する過程と、
を含む、注入方法。
[実施態様10]
実施態様9に記載の注入方法において、前記物質が、粘性を有する溶液を含む、注入方法。
[実施態様11]
実施態様9に記載の注入方法において、前記物質が、温度に依存する少なくとも1つの特性を有する高分子材を含む、注入方法。
[実施態様12]
実施態様11に記載の注入方法において、前記物質が、薬剤を含有し当該薬剤の徐放を可能にする生分解性高分子を含む、注入方法。
[実施態様13]
実施態様9に記載の注入方法において、前記物質の粘度を決定する過程が、前記粘度を、前記無針式経皮輸送装置に予めプログラムすることを含む、注入方法。
[実施態様14]
実施態様9に記載の注入方法において、前記物資の粘度を決定する過程が、前記無針式経皮輸送装置によって前記物質をアンプルに充填し、当該アンプルを充填するのに用いた力に基づいて前記粘度を算出することを含む、注入方法。
[実施態様15]
実施態様9に記載の注入方法において、前記物資の粘度を決定する過程が、前記物質の注入の最中に、当該物質の注入に必要な圧力および速度のうちの少なくとも一方の変化を検出することを含む、注入方法。
[実施態様16]
実施態様15に記載の注入方法において、前記無針式経皮輸送装置がサーボ制御部を備えており、当該サーボ制御部により、前記決定された粘度に基づき前記注入圧力を算出する、注入方法。
[実施態様17]
物質を生体の表面を介して注入する無針式経皮輸送装置用の制御システムであって、
注入のパラメータを検出するセンサと、
検出されたパラメータに基づき、少なくとも1つの注入特性を動的に調節するサーボ制御部と、
を備え、前記センサおよび前記サーボ制御部は、
前記物質の注入を、(i)前記物質の量の一部が第1の注入圧力で注入される第1の期間と、(ii)前記物質の量の残りが第2の注入圧力で注入される第2の期間とで行うように制御する、制御システム。
[実施態様18]
実施態様17に記載の制御システムにおいて、前記センサが、ジャイロメータ、加速度計、歪みゲージ、温度センサ、音響センサもしくは音響トランスデューサ、および気圧センサからなる群から選択される、制御システム。
100 装置
112 シリンジ
113 チャンバ(又は貯蔵部)
125 アクチュエータ
126 プランジャ(又はピストン)
150 生体
155 生体の表面

Claims (15)

  1. 物質を生体の表面を介して注入するように構成された無針注射器と、
    前記無針注射器に設置されたアンプルの変形、および前記生体に衝突する物質の音のうちの少なくとも1つを含む、注入に関するパラメータを検出する検出手段と、
    検出されたパラメータに基づき、少なくとも1つの注入特性を動的に調節しながら、前記無針注射器により、前記物質を前記生体に注入するサーボ制御部と
    を備え、
    前記物質を、(i)前記物質の量の一部が第1の注入圧力で注入される第1の期間と、(ii)前記物質の量の残りが第2の注入圧力で注入される第2の期間とで注入する、
    無針式経皮輸送装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、前記検出手段が検出するパラメータが、さらに、前記無針注射器内の圧力、前記無針注射器の可動部材の位置、前記無針注射器のプランジャに印加される、および前記無針注射器の電磁式アクチュエータへの電気入力のうちの少なくとも1つを含む、装置。
  3. 請求項1に記載の装置において、前記少なくとも1つの注入特性が、注入深さおよび注入される物質の量からなる群から選択される、装置。
  4. 請求項1に記載の装置において、前記サーボ制御部は、さらに、
    前記物質を注入する過程の前に、ジェット速度の波形を、前記無針注射器に予めプログラムする、
    装置。
  5. 請求項4に記載の装置において、前記ジェット速度の波形が、第1のジェット速度、第1の期間、第2の後続速度、および前記物質の量を含む、装置。
  6. 請求項5に記載の装置において、前記第2の期間が、前記無針注射器によって決定される、装置。
  7. 請求項1に記載の装置において、前記無針注射器がコイルを備えており、
    前記サーボ制御部は、前記注入特性を、コイルの変位量および検出された前記パラメータに基づいて動的に制御する、装置。
  8. 請求項7に記載の装置において、前記検出手段が位置センサを備えており、
    前記コイルの変位量を、前記位置センサによって検出する、装置。
  9. 請求項1に記載の装置において、検出される前記パラメータが、前記無針注射器に設置されたアンプルの変形である、装置。
  10. 請求項1に記載の注入方法において、検出される前記パラメータが、前記生体に衝突する物質の音である、装置。
  11. 物質を生体の表面を介して注入する無針式経皮輸送装置用の制御システムであって、
    前記無針式経皮輸送装置に設置されたアンプルの変形を検出するセンサ、および前記生体に衝突する物質の音を検出するセンサから選択される、注入のパラメータを検出するセンサと、
    検出されたパラメータに基づき、少なくとも1つの注入特性を動的に調節するサーボ制御部と、
    を備え、前記センサおよび前記サーボ制御部は、
    前記物質の注入を、(i)前記物質の量の一部が第1の注入圧力で注入される第1の期間と、(ii)前記物質の量の残りが第2の注入圧力で注入される第2の期間とで行うように制御する、制御システム。
  12. 請求項11に記載の制御システムにおいて、前記センサが、前記無針式経皮輸送装置に設置されたアンプルの変形を検出するセンサである、制御システム。
  13. 請求項11に記載の制御システムにおいて、前記センサが、前記生体に衝突する物質の音を検出するセンサである、制御システム。
  14. 請求項12に記載の制御システムにおいて、前記センサが歪みゲージである、制御システム。
  15. 請求項13に記載の制御システムにおいて、前記センサが、音響センサもしくは音響トランスデューサである、制御システム。
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