JP6338499B2 - 異物付着検知装置及び異物付着検知方法 - Google Patents

異物付着検知装置及び異物付着検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波センサへの異物の付着を検知する異物付着検知装置及び異物付着検知方法に関するものであり、特に車載用の超音波センサに適した異物付着検知装置及び異物付着検知方法に関する。
従来、自動車などの車両に超音波センサが搭載されている。超音波センサは、車両の周囲に向けて超音波を送信するとともに、障害物により反射された超音波を受信するものである。超音波センサを用いることで、車両周辺の障害物の位置及び形状を検知している。
車両の走行環境に応じて、超音波センサの送信面が結露したり、送信面が氷結したり、送信面に泥が付着したりする場合がある。超音波センサの送信面に異物が付着すると、超音波の送受信感度が低下したり、超音波の残響時間が長くなったりするため、障害物を正確に検知することができなくなる。これに対し、超音波センサへの異物の付着を検知する技術が開発されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
超音波センサの送信面に異物が付着すると、超音波センサのインピーダンスの変動が顕著になる。特許文献1の障害物検知装置は、超音波センサのインピーダンスを測定し、測定値の変化量から水及び泥などの付着を検知している。また、特許文献2の超音波ソナーは、超音波センサが発生した超音波の残響時間の長さ及び任意の残響時間帯における周波数成分に基づいて、超音波センサの断線及び氷結などの異常の有無を判定している。
特開昭60−15577号公報 特開2001−221849号公報
特許文献1の障害物検知装置は、超音波センサを励振する信号源に矩形波を用いている。特許文献1の障害物検知装置は、超音波センサへの電圧の印加を開始してから所定時間後に超音波センサに流れる電流を求め、電流値の低下に応じて超音波センサへの異物の付着を検知している。この構成では、送信電圧によって電流値が変動するので、送信電圧をモニタする電圧モニタを設けなければ異物の付着を正確に検知することができない課題があった。
特許文献2の超音波ソナーは、残響時間、残響周波数及び反射波の周波数成分の組み合わせを用いて異常の有無を判定している。このため、車両の周辺に障害物がない場合、反射波の周波数成分を検知できないので、異常の有無を正確に判定できない課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、送信電圧の変動によらず安定して超音波センサへの異物の付着を検知することができ、かつ、超音波センサが反射波を受信していない場合にも異物の付着を検知することができる異物付着検知装置及び異物付着検知方法を提供することを目的とする。
本発明の異物付着検知装置は、超音波振動子への印加電圧に対応する入力信号と、印加電圧によって超音波振動子に流れる負荷電流に対応する出力信号との位相差を検知する位相差検知部と、位相差の値を閾値と比較して、超音波振動子に異物が付着しているか否かを判定する異常判定部と、を備え、位相差検知部は、出力信号のうち入力信号との積算値が正になる信号成分の積分値と、出力信号のうち入力信号との積算値が負になる信号成分の積分値との比率を用いて位相差を検知するものである。
また、本発明の異物付着検知方法は、位相差検知部が、超音波振動子への印加電圧に対応する入力信号と、印加電圧によって超音波振動子に流れる負荷電流に対応する出力信号との位相差を検知し、異常判定部が、位相差の値を閾値と比較して、超音波振動子に異物が付着しているか否かを判定するものであって、位相差検知部は、出力信号のうち入力信号との積算値が正になる信号成分の積分値と、出力信号のうち入力信号との積算値が負になる信号成分の積分値との比率を用いて位相差を検知するものである。
本発明の異物付着検知装置及び異物付着検知方法は、超音波センサへの印加電圧に対応する入力信号と、負荷電流に対応する出力信号との位相差を用いて異物付着の有無を判定する。これにより、送信電圧の変動によらず安定して超音波センサへの異物の付着を検知することができ、かつ、超音波センサが反射波を受信していない場合にも異物の付着を検知することができる。
本発明の実施の形態1の異物付着検知装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1の位相差検知部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1の送信制御信号、電圧信号、セット信号、電流信号及びリセット信号を示すタイミング図である。 本発明の実施の形態1の異常判定部に設定された閾値を示す説明図である。 本発明の実施の形態1の異物付着検知装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1の異物付着検知装置の他の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1の異物付着検知装置の他の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1の異物付着検知装置の他の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1の送信アンプ、超音波センサ、入力信号検知部、出力信号検知部及び受信アンプの回路構成の一例を示す回路図である。 本発明の実施の形態2の異物付着検知装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2の送信制御信号、電圧信号、第1コンパレータ及び第2コンパレータの出力、電流信号、同相成分、積分値R、皮相成分並びに積分値Zclを示すタイミング図である。 本発明の実施の形態3の異物付着検知装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3の送信制御信号及び疑似送信制御信号、電圧信号、第1コンパレータ及び第2コンパレータの出力、電流信号、同相成分、積分値R、皮相成分並びに積分値Zclを示すタイミング図である。
実施の形態1.
図1を参照して、本発明の実施の形態1の異物付着検知装置について説明する。
送信制御部1は、超音波センサ(超音波振動子)3を駆動させる期間に、送信アンプ2にパルス状の送信制御信号を出力するものである。送信アンプ2は、送信制御部1が出力した送信制御信号を増幅して、超音波センサ3に正弦波状の交流電圧を印加するものである。
入力信号検知部4は、超音波センサ3の入出力端子間の電圧を検知するものである。入力信号検知部4は、検知した電圧を示す電圧信号を出力するものである。この電圧信号は、超音波センサ3に印加した電圧に対応する信号(入力信号)である。
出力信号検知部5は、超音波センサ3が出力した電流を検知するものである。出力信号検知部5は、検知した電流を示す電流信号を出力するものである。この電流信号は、印加電圧によって超音波センサ3に流れる負荷電流に対応する信号(出力信号)である。
位相差検知部6は、入力信号検知部4が出力した電圧信号と、出力信号検知部5が出力した電流信号との位相差Δθを検知するものである。位相差検知部6は、検知した位相差Δθの値を異常判定部7に出力する。
異常判定部7は、位相差検知部6が出力した位相差Δθの値を、予め設定された閾値と比較するものである。異常判定部7は、位相差Δθと閾値との比較結果を用いて、超音波センサ3に異物が付着しているか否かを判定する。
超音波センサ3は、例えば、圧電素子などで構成されており、図示しない車両に搭載されている。送信制御部1、位相差検知部6及び異常判定部7は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又は専用の集積回路、及び半導体メモリなどで構成されている。送信制御部1、送信アンプ2、入力信号検知部4、出力信号検知部5、位相差検知部6及び異常判定部7によって、異物付着検知装置100が構成されている。
次に、図2を参照して、位相差検知部6の詳細な構成について説明する。
第1コンパレータ60aは、入力信号検知部4が出力した電圧信号の、いわゆる「ゼロクロス点」を検知するものである。第1コンパレータ60aは、電圧信号が零値以上であれば「1」を示し、零値未満であれば「−1」を示すパルス状の信号(以下「セット信号」という)を出力するものである。
第2コンパレータ60bは、出力信号検知部5が出力した電流信号のゼロクロス点を検知するものである。第2コンパレータ60bは、電流信号が零値以上であれば「1」を示し、電圧信号が零値未満であれば「−1」を示すパルス状の信号(以下「リセット信号」という)を出力するものである。
第1フリップフロップゲート610aは、第1コンパレータ60aが出力したセット信号と、第2コンパレータ60bが出力したリセット信号とが入力される、いわゆる「RS型フリップフロップ」である。第1フリップフロップゲート610aは、セット信号の値が「1」を示し、かつリセット信号の値が「−1」を示す場合に「1」を示す信号(以下「Δtup信号」という)を出力するようになっている。Δtup信号は、セット信号の立ち上がりと、リセット信号の立ち上がりとの時間差を示すものである。
第1ANDゲート611aは、第1フリップフロップゲート610aが出力したΔtup信号の値が「1」を示し、かつクロック62が出力した周期Δtのクロック信号の値が「1」を示す場合に、「1」を示す信号を出力するものである。第1フリップフロップゲート610a及び第1ANDゲート611aによって、第1ゲート61aが構成されている。第1ゲート61aの動作の開始及び停止は、送信制御部1により制御されるようになっている。
第2フリップフロップゲート610bは、第1コンパレータ60aが出力したセット信号と、第2コンパレータ60bが出力したリセット信号とが入力されるRS型フリップフロップである。第2フリップフロップゲート610bは、セット信号の値が「−1」を示し、かつリセット信号の値が「1」を示す場合に「1」を示す信号(以下「Δtdown信号」という)を出力するようになっている。Δtdown信号は、セット信号の立ち下がりと、リセット信号の立ち下がりとの時間差を示すものである。
第2ANDゲート611bは、第2フリップフロップゲート610bが出力したΔtdown信号の値が「1」を示し、かつクロック62が出力した周期Δtのクロック信号の値が「1」を示している場合に、「1」を示す信号を出力するものである。第2フリップフロップゲート610b及び第2ANDゲート611bによって、第2ゲート61bが構成されている。第2ゲート61bの動作の開始及び停止は、送信制御部1により制御されるようになっている。
第1カウンタ63aは、第1ANDゲート611aが出力した信号を積算して、積算値Nupを出力するものである。第2カウンタ63bは、第2ANDゲート611bが出力した信号を積算して、積算値Ndownを出力するものである。
ここで、送信制御部1は、超音波センサ3の印加電圧又は負荷電流の周波数fの値と、クロック62が出力するクロック信号の周期Δtの値とを記憶するようになっている。位相差算出部64は、送信制御部1から取得した周波数f及び周期Δtの値と、第1カウンタ63aが出力した積算値Nupの値と、第2カウンタ63bが出力した積算値Ndownの値とを用いて、電圧信号と電流信号との位相差Δθを算出する。位相差算出部64は、算出した位相差Δθの値を異常判定部7に出力する。
第1コンパレータ60a、第2コンパレータ60b、第1ゲート61a、第2ゲート61b、クロック62、第1カウンタ63a、第2カウンタ63b及び位相差算出部64によって、位相差検知部6が構成されている。
次に、図2〜図4を参照して、異物付着検知装置100の動作について説明する。
まず、時刻t0において、送信制御部1が送信アンプ2への送信制御信号の出力を開始する。図3(a)に示す如く、送信制御信号の波形はパルス状である。
次いで、時刻t1において、送信アンプ2が超音波センサ3への交流電圧の印加を開始する。印加された電圧により、超音波センサ3は超音波の送信を開始する。入力信号検知部4は、超音波センサ3への印加電圧を検知して、電圧信号を出力する。図3(b)に示す如く、電圧信号の波形は、送信制御信号と周波数がほぼ等しい正弦波状となる。
次いで、時刻t2において、超音波センサ3に負荷電流が流れ始める。出力信号検知部5は、超音波センサ3が出力した電流を検知して、電流信号を出力する。図3(d)に示す如く、電流信号の波形は、電圧信号と周波数がほぼ等しい正弦波状となる。
次いで、時刻t3において、送信制御部1が送信アンプ2への送信制御信号の出力を停止する。送信制御信号の停止により、時刻t3から時刻t4にかけて、印加電圧が一時的に負電圧となる。時刻t4以降、印加電圧はいわゆる「自由振動」の状態となり、電圧信号は正弦波状の波形を保ちながら振幅が徐々に小さくなっていく。同様に、時刻t5以降、負荷電流も自由振動の状態となり、電流信号は正弦波状の波形を保ちながら振幅が徐々に小さくなっていく。
時刻t2以降、第1コンパレータ60aは電圧信号のゼロクロス点を検知して、セット信号を出力する。図3(c)に示す如く、セット信号の波形は、電圧信号と周波数がほぼ等しいパルス状となる。時刻t3以降、第2コンパレータ60bは電流信号のゼロクロス点を検知して、リセット信号を出力する。リセット信号の波形は、電流信号と周波数がほぼ等しいパルス状となる。
ここで、送信制御部1は、時刻t3と時刻t5間の時間に応じた待機期間を予め記憶しておく。送信制御部1は、送信制御信号の出力を停止してから待機期間が経過すると、第1ゲート61a及び第2ゲート61bの動作を開始させる。第1カウンタ63aは、時刻t5から所定の検知期間内に第1ANDゲート611aが出力した信号を積算して、積算値Nupを出力する。第2カウンタ63bは、時刻t5から検知期間内に第2ANDゲート611bが出力した信号を積算して、積算値Ndownを出力する。この検知期間は、印加電圧及び負荷電流が自由振動を継続する時間に応じて予め設定された期間である。
位相差算出部64は、送信制御部1から、印加電圧又は負荷電流の周波数fの値と、クロック信号の周期Δtの値とを取得する。位相差算出部64は、第1カウンタ63aから積算値Nupを取得し、第2カウンタ63bから積算値Ndownを取得する。
ここで、セット信号のゼロクロス点と、リセット信号のゼロクロス点との個々の位相差をθnで表す(nは0以上の整数)。nが奇数である場合、θnは、電圧信号の立ち上がりと、この立ち上がりの直後の電流信号の立ち上がりとの位相差を示している。nが偶数である場合、θnは、電圧信号の立ち下がりと、この立ち下がりの直後の電流信号の立ち下がりとの位相差を示している。
位相差算出部64は、以下の式(1)及び式(2)を用いて、電圧信号と電流信号との位相差Δθを算出する。なお、式(2)において、iが奇数である場合、Nは第1カウンタ63aの積算値Nupを示している。iが偶数である場合、Nは第2カウンタ63bの積算値Ndownを示している。
Figure 0006338499

Figure 0006338499
異常判定部7は、位相差算出部64で算出した位相差Δθの値を、予め設定された閾値と比較する。ここで、異常判定部7は、図4に示す如く、閾値として上限値と下限値とが設定されている。異常判定部7は、位相差Δθの値が上限値を超えている場合、及び位相差Δθの値が下限値未満である場合、超音波センサ3に異物が付着していると判定する。一方、異常判定部7は、位相差Δθの値が下限値以上かつ上限値以下である場合、超音波センサ3に異物が付着していないと判定する。
このように、実施の形態1の異物付着検知装置100は、超音波センサ3の印加電圧に対応する電圧信号と、印加電圧によって超音波センサ3に流れる負荷電流に対応する電流信号との位相差Δθを用いて、超音波センサ3への異物の付着を検知している。このため、送信電圧の変動によらず、安定して異物の付着を検知することができる。また、車両周辺に障害物が存在せず、超音波センサ3が反射波を受信していない場合でも、異物の付着を検知することができる。
以上のような異物付着検知装置100の動作のフローチャートを図5に示す。
まず、ステップST1において、送信制御部1が送信アンプ2への送信制御信号の出力を開始する(時刻t0)。次いで、ステップST2において、入力信号検知部4が電圧信号の出力を開始する(時刻t1)。次いで、ステップST3にて、出力信号検知部5が電流信号の出力を開始する(時刻t2)。次いで、ステップST4にて、位相差検知部6が電圧信号と電流信号との位相差Δθを検知する(時刻t5以降)。次いで、ステップST5にて、異常判定部7が位相差Δθの値を閾値と比較して、超音波センサ3への異物付着の有無を判定する。
なお、送信制御部1は、時刻t0から時刻t3までの送信制御信号出力期間を検知期間として、第1ゲート61a及び第2ゲート61bを動作させるものとしても良い。送信制御部1が送信アンプ2に送信制御信号を出力している期間、並びに印加電圧及び負荷電流が自由振動している期間は、電圧信号と電流信号との位相変化が大きくなる。この期間に電圧信号と電流信号との位相差Δθを検知することで、検知した値を個々の超音波センサ3が有する共振周波数の固有値に連動させて、検知した値の信頼性を向上させることができる。
また、第1コンパレータ60aがゼロクロス点を検知する信号(入力信号)は、超音波センサ3への印加電圧と同期した信号であればよく、超音波センサ3の入出力端子間の電圧を示す電圧信号に限定されるものではない。また、第2コンパレータ60bがゼロクロス点を検知する信号(出力信号)は、印加電圧によって超音波センサ3に流れる負荷電流と同期した信号であればよく、超音波センサ3に流れる電流を示す電流信号に限定されるものではない。
例えば、第1コンパレータ60aは、送信制御部1が送信アンプ2に出力した送信制御信号のゼロクロス点を検知するものとしても良い。第2コンパレータ60bは、超音波センサ3が出力した電流を示す電流信号のゼロクロス点を検知するものとしても良い。図6に、この場合の異物付着検知装置100のブロック図の一例を示す。図6の異物付着検知装置100は、入力信号検知部を用いずに、送信制御信号が位相差検知部6に直接入力されるようになっている。
又は、例えば、第1コンパレータ60aは、送信アンプ2における増幅前の電圧を示す電圧信号のゼロクロス点を検知するものとしても良い。第2コンパレータ60bは、超音波センサ3が出力した電流を示す電流信号のゼロクロス点を検知するものとしても良い。図7に、この場合の異物付着検知装置100のブロック図の一例を示す。図7の異物付着検知装置100は、入力信号検知部を用いずに、電圧信号が位相差検知部6に直接入力されるようになっている。
又は、例えば、第1コンパレータ60aは、送信制御部1が送信アンプ2に出力した送信制御信号のゼロクロス点を検知するものとしても良い。異物付着検知装置100は、超音波センサ3が超音波を受信したときに出力する信号を増幅する受信アンプ8を有し、第2コンパレータ60bは、受信アンプ8が増幅した信号のゼロクロス点を検知するものとしても良い。図8に、この場合の異物付着検知装置100のブロック図の一例を示す。図8の異物付着検知装置100は、入力信号検知部を用いずに、送信制御信号が位相差検知部6に直接入力されるようになっている。また、図8の異物付着検知装置100は、出力信号検知部を用いずに、受信アンプ8で増幅した信号が位相差検知部6に直接入力されるようになっている。
ここで、図9を参照して、送信アンプ2、超音波センサ3、入力信号検知部4、出力信号検知部5及び受信アンプ8の具体的な回路構成について説明する。
トランジスタ20のコレクタ端子に電源が接続されており、ベース端子に図示しない送信制御部1が接続されている。トランジスタ20のエミッタ端子と回路グランドとの間に、昇圧トランス21の1次巻線210が接続されている。トランジスタ20及び昇圧トランス21によって、送信アンプ2が構成されている。
昇圧トランス21の2次巻線211に対して並列に、2つの分圧抵抗40,41が直列に接続されている。分圧抵抗40,41によって、入力信号検知部4が構成されている。
分圧抵抗40,41に対して並列に、超音波センサ3が接続されている。超音波センサ3の回路グランド側の入出力端子と、分圧抵抗41の回路グランド側の一端部とは、シャント抵抗50を介して接続されている。超音波センサ3の回路グランド側の入出力端子には、抵抗素子510の一端部が接続されている。抵抗素子510の他端部はオペアンプ511に接続されている。オペアンプ511には、帰還抵抗512が接続されている。抵抗素子510、オペアンプ511及び帰還抵抗512によって、アンプ51が構成されている。シャント抵抗50及びアンプ51によって、出力信号検知部5が構成されている。
分圧抵抗40と2次巻線211間に、抵抗素子80の一端部が接続されている。抵抗素子80の他端部はオペアンプ81に接続されている。オペアンプ81には、帰還抵抗82が接続されている。抵抗素子80、オペアンプ81及び帰還抵抗82によって、受信アンプ8が構成されている。
図9の回路においてアンプ51が出力する信号Aは、図1、図6及び図7のブロック図における、超音波センサ3が出力する電流を示す電流信号に対応している。図9の回路において分圧抵抗40,41間から出力される信号Bは、図1のブロック図における、超音波センサ3の入出力端子間の電圧を示す電圧信号に対応している。図9の回路においてトランジスタ20から1次巻線210に印加した電圧あるいは流れる信号Cは、図7のブロック図における、送信アンプ2における増幅前の電圧を示す電圧信号に対応している。図9の回路において送信制御部1からトランジスタ20に印加した電圧あるいは流れる信号Dは、図6及び図8のブロック図における、送信制御信号に対応している。図9の回路において受信アンプ8が出力する信号Eは、図8のブロック図における、受信アンプ8が増幅した信号に対応している。
このように、図9に例示する回路を採用することで、図1及び図6〜図8のすべてのブロック図に対応した送信アンプ2、超音波センサ3、入力信号検知部4、出力信号検知部5及び受信アンプ8を構成することができる。
以上のように、実施の形態1の異物付着検知装置100は、超音波センサ3への印加電圧に対応する入力信号と、印加電圧によって超音波センサ3に流れる負荷電流に対応する出力信号との位相差Δθを検知する位相差検知部6と、位相差Δθの値を閾値と比較して、超音波センサ3に異物が付着しているか否かを判定する異常判定部7とを有している。入力信号と出力信号との位相差Δθを用いて異物付着の有無を判定することで、送信電圧の変動によらず安定して超音波センサ3への異物の付着を検知することができる。また、超音波センサ3が反射波を受信していない場合にも異物の付着を検知することができる。
また、異物付着検知装置100は、入力信号に、超音波センサ3の入出力端子間の電圧を示す電圧信号、超音波センサ3の入力側に接続した送信アンプ2における増幅前の電圧を示す電圧信号、又は、超音波センサ3の駆動を制御する送信制御部1が送信アンプ2に出力する送信制御信号を用いている。印加電圧のモニタに用いる入力信号を複数種類の信号から任意に選択することができるため、超音波センサ3を含む超音波センシングシステムの構成に制約されずに、異物付着検知装置100を実現することができる。
また、異物付着検知装置100は、出力信号に、超音波センサ3が出力する電流を示す電流信号、又は、超音波センサ3の出力側に接続した受信アンプ8が増幅した信号を用いている。負荷電流のモニタに用いる出力信号を複数種類の信号から任意に選択することができるため、超音波センサ3を含む超音波センシングシステムの構成に制約されずに、異物付着検知装置100を実現することができる。
また、位相差検知部6は、入力信号のゼロクロス点と出力信号のゼロクロス点との時間差を用いて位相差Δθを検知する。すなわち、位相差検知部6は、入力信号及び出力信号のゼロクロス点を検知する第1コンパレータ60a及び第2コンパレータ60bと、入力信号のゼロクロス点と出力信号のゼロクロス点との時間差を検知する第1ゲート61a及び第2ゲート61bと、時間差の値を積算する第1カウンタ63a及び第2カウンタ63bとを有している。コンパレータ、ゲート及びカウンタを用いて位相差検知部6を構成することで、回路構成を簡単にすることができる。
また、異常判定部7は、閾値に上限値と下限値とが設定されており、位相差Δθの値が上限値を超えている場合、及び位相差Δθの値が下限値未満である場合、超音波センサ3に異物が付着していると判定する。上限値と下限値とを設定することで、個々の超音波センサ3の特性のばらつきを吸収して、ばらつきによる判定結果の変動を低減することができる。
また、位相差検知部6は、送信制御部1が送信制御信号を出力している期間、若しくは送信制御部1が送信制御信号の出力を停止した後の期間、又はこれらの両方の期間における入力信号と出力信号との位相差Δθを検知する。これらの期間に入力信号と出力信号との位相差Δθを検知することで、検知した値を個々の超音波センサ3が有する共振周波数の固有値に連動させて、検知した値の信頼性を向上させることができる。
実施の形態2.
図10を参照して、実施の形態1と異なる位相差検知部6aと、温度情報取得部9とを設けた異物付着検知装置101について説明する。図10において、図1及び図2に示す実施の形態1の異物付着検知装置100と同様の構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
第1コンパレータ650aは、入力信号検知部4が出力した電圧信号のゼロクロス点を検知するものである。第1コンパレータ650aは、電圧信号が零値以上であれば「1」を示し、零値未満であれば「−1」を示すパルス状の信号を出力するものである。第2コンパレータ650bは、第1コンパレータ650aと同様に、電圧信号のゼロクロス点を検知してパルス状の信号を出力するものである。
ここで、第1コンパレータ650a及び第2コンパレータ650bは、送信制御部1から送信制御信号の周波数frの値を取得するようになっている。第1コンパレータ650a及び第2コンパレータ650bは、送信制御信号の周期tr=1/frの値を用いて、パルス状の信号の立ち下がりが送信制御信号の立ち下がりと同期し、かつデューティ比が50%となるように、パルスの位相を調整して出力するようになっている。第1コンパレータ650a及び第2コンパレータ650bによって、位相調整部65が構成されている。
動作の詳細ブロック図は省くが、第1スイッチ660aは、第1コンパレータ650aが出力した信号が「1」を示し、かつ出力信号検知部5が出力した電流信号の値が正である場合、電流信号の値を出力するものである。第1スイッチ660aは、第1コンパレータ650aが出力した信号が「−1」を示し、かつ出力信号検知部5が出力した電流信号の値が負である場合、電流信号の値を出力するものである。
すなわち、第1スイッチ660aは、出力信号検知部5が出力した電流信号のうち、入力信号検知部4が出力した電圧信号との積算値が正となる信号成分(以下「同相成分」という)を抽出するものである。この積算値は、超音波センサ3が消費する電力に対応している。同相成分は、超音波センサ3のインピーダンスの抵抗成分に対応している。
第2スイッチ660bは、第2コンパレータ650bが出力した信号が「1」を示し、かつ出力信号検知部5が出力した電流信号の値が負である場合、電流信号の値を出力するものである。第2スイッチ660bは、第2コンパレータ650bが出力した信号が「−1」を示し、かつ出力信号検知部5が出力した電流信号の値が正である場合、電流信号の値を出力するものである。
すなわち、第2スイッチ660bは、出力信号検知部5が出力した電流信号のうち、入力信号検知部4が出力した電圧信号との積算値が負となる信号成分(以下「皮相成分」という)を抽出するものである。皮相成分は、超音波センサ3のインピーダンスのインダクタンス成分に対応している。
第1スイッチ660a及び第2スイッチ660bの動作の開始及び停止は、送信制御部1によって制御されるようになっている。第1スイッチ660a及び第2スイッチ660bによって、信号成分抽出部66が構成されている。
実部積分器67は、第1スイッチ660aが出力した値を積分して、積分値Rを出力するものである。虚部積分器68は、第2スイッチ660bが出力した値を積分して、積分値Zclを出力するものである。
位相差算出部69は、実部積分器67が出力した積分値Rと、虚部積分器68が出力した積分値Zclとの比率Zcl/Rを用いて、電圧信号と電流信号との位相差Δθを算出するものである。位相差算出部69は、算出した位相差Δθの値を異常判定部7に出力する。位相調整部65、信号成分抽出部66、実部積分器67、虚部積分器68及び位相差算出部69によって、位相差検知部6aが構成されている。
温度情報取得部9は、超音波センサ3又は超音波センサ3の周辺部の温度を取得するものである。温度情報取得部9は、取得した温度を示す温度情報を出力する。位相差算出部69は、温度情報取得部9が出力した温度情報を用いて、位相差Δθの判定に用いる閾値を補正するようになっている。
位相差検知部6aは、例えば、CPU又は専用の集積回路などで構成されている。温度情報取得部9は、例えば、サーミスタなどで構成されている。送信制御部1、送信アンプ2、入力信号検知部4、出力信号検知部5、位相差検知部6a、異常判定部7及び温度情報取得部9によって、異物付着検知装置101が構成されている。
次に、図10及び図11を参照して、異物付着検知装置101の動作について説明する。
まず、時刻t0において、送信制御部1が送信アンプ2への送信制御信号の出力を開始する。図11(a)に示す如く、送信制御信号の波形は周期trのパルス状である。
次いで、時刻t1において、送信アンプ2が超音波センサ3への交流電圧の印加を開始する。印加された電圧により、超音波センサ3は超音波の送信を開始する。入力信号検知部4は、超音波センサ3の印加電圧を検知して、電圧信号を出力する。図11(b)に示す如く、電圧信号の波形は、送信制御信号と周波数がほぼ等しい正弦波状となる。
次いで、時刻t2において、超音波センサ3に負荷電流が流れ始める。出力信号検知部5は、超音波センサ3が出力した電流を検知して、電流信号を出力する。図11(d)に示す如く、電流信号の波形は、電圧信号と周波数がほぼ等しい正弦波状となる。
次いで、時刻t3において、送信制御部1が送信アンプ2への送信制御信号の出力を停止する。送信制御信号の停止により、時刻t3から時刻t4にかけて、印加電圧が一時的に負電圧となる。時刻t4以降、印加電圧はいわゆる自由振動の状態となり、電圧信号は正弦波状の波形を保ちながら振幅が徐々に小さくなっていく。同様に、時刻t5以降、負荷電流も自由振動の状態となり、電流信号は正弦波状の波形を保ちながら振幅が徐々に小さくなっていく。
時刻t1以降、第1コンパレータ650a及び第2コンパレータ650bは電圧信号のゼロクロス点を検知して、パルス状の信号を出力する。図11(c)に示す如く、第1コンパレータ650a及び第2コンパレータ650bが出力する信号は、立ち下がりのタイミングが送信制御信号と同期しており、かつデューティ比が50%となる。
送信制御部1は、送信制御信号の出力を停止してから待機期間が経過すると、第1スイッチ660a及び第2スイッチ660bの動作を開始させる。時刻t5以降、第1スイッチ660aが抽出した同相成分の波形は図11(e)に示すような波形となる。また、第2スイッチ660bが抽出した皮相成分の波形は図11(g)に示すような波形となる。
実部積分器67は、時刻t5から検知期間の間に第1スイッチ660aが出力した値を積分して、積分値Rを出力する。図11(f)に示す如く、積分値Rは時刻t5以降徐々に大きくなっていく。
虚部積分器68は、時刻t5から検知期間の間に第2スイッチ660bが出力した値を積分して、積分値Zclを出力する。図11(h)に示す如く、積分値Zclは時刻t5以降徐々に大きくなっていく。
位相差算出部69は、実部積分器67から積分値Rを取得するとともに、虚部積分器68から積分値Zclを取得する。位相差算出部69は、以下の式(3)を用いて、電圧信号と電流信号との位相差Δθを算出する。
Figure 0006338499
このとき、位相差算出部69は、温度情報取得部9から温度情報を取得する。超音波センサ3は、周囲の温度が急変すると、印加電圧によらずに不要電流が流れる場合がある。位相差算出部69は、温度情報の示す温度が急変した場合、位相差Δθの判定に用いる閾値を変更する。例えば、図4に示す閾値の上下限値を上方あるいは下方にシフトする。
異常判定部7は、位相差算出部69が出力した位相差Δθの値を、予め設定された閾値又は位相差算出部69により変更された閾値と比較する。異常判定部7は、位相差Δθの値が上限値を超えている場合、及び位相差Δθの値が下限値未満である場合、超音波センサ3に異物が付着していると判定する。一方、異常判定部7は、位相差Δθの値が下限値以上かつ上限値以下の値である場合、超音波センサ3に異物が付着していないと判定する。
以上のように、実施の形態2の異物付着検知装置101は、入力信号と出力信号との位相差Δθを検知する位相差検知部6aを有している。位相差検知部6aは、出力信号のうち入力信号との積算値が正になる同相成分の積分値Rと、出力信号のうち入力信号との積算値が負になる皮相成分の積分値Zclとの比率Zcl/Rを用いて位相差Δθを検知する。入力信号と出力信号との位相差Δθを用いて異物付着の有無を判定することで、実施の形態1と同様に、送信電圧の変動によらず安定して超音波センサ3への異物の付着を検知することができる。また、超音波センサ3が反射波を受信していない場合にも異物の付着を検知することができる。さらに、いわゆる「相互相関演算」を行なっているため、ノイズ除去性が良く、位相差Δθの検知精度をさらに向上させることができる。
また、異物付着検知装置101は、超音波センサ3又は超音波センサ3の周辺部の温度を取得する温度情報取得部9を有している。位相差検知部6は、温度情報を用いて閾値を補正するようになっている。これにより、超音波センサ3の周囲の温度が急変した場合でも、温度変化の影響を補償して、異物の付着を正確に検知することができる。
なお、送信制御部1は、時刻t0から時刻t3までの送信制御信号出力期間を検知期間として、第1スイッチ660a及び第2スイッチ660bを動作させるものとしても良い。
また、第1コンパレータ650a及び第2コンパレータ650bがゼロクロス点を検知する信号(入力信号)は、超音波センサ3の印加電圧と同期した信号であればよく、超音波センサ3の入出力端子間の電圧を示す電圧信号に限定されるものではない。また、第1スイッチ660a及び第2スイッチ660bに入力される信号(出力信号)は、印加電圧によって超音波センサ3に流れる負荷電流と同期した信号であればよく、超音波センサ3が出力した電流を示す電流信号に限定されるものではない。
実施の形態3.
図12を参照して、送信制御信号よりも振幅が小さい疑似送信制御信号を用いた異物付着検知装置102について説明する。図12において、図10に示す実施の形態2の異物付着検知装置101と同様の構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
送信制御部1は、送信アンプ2に送信制御信号を出力しておらず、かつ超音波センサ3が反射波を受信していない期間に、送信アンプ2に疑似送信制御信号を出力するようになっている。疑似送信制御信号は、送信制御信号と周波数がほぼ等しく、送信制御信号よりも振幅が小さいパルス状の信号である。
送信アンプ2は、送信制御部1が疑似送信制御信号を出力した場合に、送信制御部1が送信制御信号を出力した場合よりも振幅が小さい交流電圧を超音波センサ3に印加するようになっている。
位相差算出部69は、位相差Δθの算出が可能な状態である場合(例えば、実部積分器67及び虚部積分器68から取得した積分値R,Zclが零値である場合)に、送信制御部1に対して疑似送信制御信号の出力を指示するようになっている。
次に、図12及び図13を参照して、このように構成された異物付着検知装置102の動作について説明する。
ここで、初期状態において、位相差算出部69は位相差Δθの算出が可能な状態であるものとする。
まず、時刻t6において、位相差算出部69は、送信制御部1に対して疑似送信制御信号の出力を指示する。送信制御部1は、送信制御信号を出力しておらず、かつ超音波センサ3が反射波を受信していない期間であるため、送信アンプ2への疑似送信制御信号の出力を開始する。なお、送信制御部1は、送信制御信号を出力している場合、送信制御信号の出力を停止して、印加電圧及び負荷電流の自由振動が収束した後に疑似送信制御信号の出力を開始する。
次いで、時刻t7において、送信アンプ2が超音波センサ3への交流電圧の印加を開始する。疑似送信制御信号の振幅は十分に小さく設定されており、超音波センサ3の印加電圧の振幅は超音波センサ3が超音波を送信しない程度の振幅になる。入力信号検知部4は、超音波センサ3の印加電圧を検知して、電圧信号を出力する。
次いで、時刻t8において、超音波センサ3に負荷電流が流れ始める。出力信号検知部5は、超音波センサ3が出力した電流を検知して、電流信号を出力する。
次いで、時刻t9において、送信制御部1は疑似送信制御信号の出力を停止する。疑似送信制御信号の停止により、印加電圧及び負荷電流は自由振動の状態となる。印加電圧及び負荷電流の自由振動が収束すると、時刻t10において、送信制御部1は送信アンプ2への送信制御信号の出力を開始することが可能となる。
ここで、送信制御部1は、疑似送信制御信の出力を開始するのと同時に第1スイッチ660a及び第2スイッチ660bの動作を開始させる(時刻t6)。また、送信制御部1は、疑似送信制御信の出力を停止するのと同時に第1スイッチ660a及び第2スイッチ660bの動作を停止させる(時刻t9)。
位相差検知部6aは、時刻t6から時刻t9までの積分値R及び積分値Zclを用いて、実施の形態2と同様に位相差Δθを算出する。異常判定部7は、位相差Δθの値を閾値と比較して、超音波センサ3への異物の付着の有無を判定する。
以上のように、実施の形態3の異物付着検知装置102は、超音波センサ3を駆動させる送信制御信号を出力するとともに、送信制御信号の出力を停止している期間に送信制御信号よりも振幅が小さい疑似送信制御信号を出力する送信制御部1を有している。位相差検知部6aは、疑似送信制御信号により生じた入力信号と出力信号との位相差Δθを検知する。超音波を送受信していない期間において、振幅が十分に小さい疑似制御信号を用いることで、超音波センサ3の印加電流及び負荷電流の変異が小さくなる。このため、異物の影響が相対的に大きくなり、異物の検知感度を向上させることができる。
なお、図12に示す位相差検知部6aに代えて、実施の形態1と同様の位相差検知部6を設けたものとしても良い。この場合、位相差検知部6は、疑似送信制御信号により生じた入力信号のゼロクロス点と、疑似送信制御信号により生じた出力信号のゼロクロス点との時間差を用いて、位相差Δθを検知する。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 送信制御部、2 送信アンプ、3 超音波センサ(超音波振動子)、4 入力信号検知部、5 出力信号検知部、6,6a 位相差検知部、7 異常判定部、8 受信アンプ、9 温度情報取得部、20 トランジスタ、21 昇圧トランス、40,41 分圧抵抗50 シャント抵抗、51 アンプ、60a 第1コンパレータ、60b 第2コンパレータ、61a 第1ゲート、61b 第2ゲート、62 クロック、63a 第1カウンタ、63b 第2カウンタ、64 位相差算出部、65 位相調整部、66 信号成分抽出部、67 実部積分器、68 虚部積分器、69 位相差算出部、80 抵抗素子、81 オペアンプ、82 帰還抵抗、100,101,102 異物付着検知装置、210 1次巻線、211 2次巻線、510 抵抗素子、511 オペアンプ、512 帰還抵抗、610a 第1フリップフロップゲート、610b 第2フリップフロップゲート、611a 第1ANDゲート、611b 第2ANDゲート、650a 第1コンパレータ、650b 第2コンパレータ、660a 第1スイッチ、660b 第2スイッチ。

Claims (18)

  1. 超音波振動子への異物の付着を検知する異物付着検知装置において、
    上記超音波振動子への印加電圧に対応する入力信号と、上記印加電圧によって上記超音波振動子に流れる負荷電流に対応する出力信号との位相差を検知する位相差検知部と、
    上記位相差の値を閾値と比較して、上記超音波振動子に異物が付着しているか否かを判定する異常判定部と、
    を備え
    上記位相差検知部は、上記出力信号のうち上記入力信号との積算値が正になる信号成分の積分値と、上記出力信号のうち上記入力信号との積算値が負になる信号成分の積分値との比率を用いて上記位相差を検知することを特徴とする異物付着検知装置。
  2. 超音波振動子への異物の付着を検知する異物付着検知装置において、
    上記超音波振動子への印加電圧に対応する入力信号と、上記印加電圧によって上記超音波振動子に流れる負荷電流に対応する出力信号との位相差を検知する位相差検知部と、
    上記位相差の値を閾値と比較して、上記超音波振動子に異物が付着しているか否かを判定する異常判定部と、
    を備え
    上記異常判定部は、上記閾値に上限値と下限値とが設定されており、上記位相差の値が上記上限値を超えている場合、及び上記位相差の値が上記下限値未満である場合、上記超音波振動子に異物が付着していると判定することを特徴とする異物付着検知装置。
  3. 超音波振動子への異物の付着を検知する異物付着検知装置において、
    上記超音波振動子への印加電圧に対応する入力信号と、上記印加電圧によって上記超音波振動子に流れる負荷電流に対応する出力信号との位相差を検知する位相差検知部と、
    上記位相差の値を閾値と比較して、上記超音波振動子に異物が付着しているか否かを判定する異常判定部と、
    上記超音波振動子又は上記超音波振動子の周辺部の温度情報を取得する温度情報取得部を備え
    上記位相差検知部は、上記温度情報を用いて上記閾値を補正することを特徴とする異物付着検知装置。
  4. 上記位相差検知部は、上記入力信号のゼロクロス点と上記出力信号のゼロクロス点との時間差を用いて上記位相差を検知することを特徴とする請求項記載の異物付着検知装置。
  5. 上記位相差検知部は、上記入力信号のゼロクロス点と上記出力信号のゼロクロス点との時間差を用いて上記位相差を検知することを特徴とする請求項記載の異物付着検知装置。
  6. 上記位相差検知部は、上記入力信号及び上記出力信号のゼロクロス点を検知するコンパレータと、上記入力信号のゼロクロス点と上記出力信号のゼロクロス点との上記時間差を検知するゲートと、上記時間差の値を積算するカウンタと、を備えることを特徴とする請求項記載の異物付着検知装置。
  7. 上記異常判定部は、上記閾値に上限値と下限値とが設定されており、上記位相差の値が上記上限値を超えている場合、及び上記位相差の値が上記下限値未満である場合、上記超音波振動子に異物が付着していると判定することを特徴とする請求項1、請求項3または請求項5のうちのいずれか1項記載の異物付着検知装置。
  8. 上記超音波振動子又は上記超音波振動子の周辺部の温度情報を取得する温度情報取得部を備え、
    上記位相差検知部は、上記温度情報を用いて上記閾値を補正する
    ことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項4のうちのいずれか1項記載の異物付着検知装置。
  9. 上記超音波振動子又は上記超音波振動子の周辺部の温度情報を取得する温度情報取得部を備え、
    上記異常判定部は、上記閾値に上限値と下限値とが設定されており、上記位相差の値が上記上限値を超えている場合、及び上記位相差の値が上記下限値未満である場合、上記超音波振動子に異物が付着していると判定し、
    上記位相差検知部は、上記温度情報を用いて上記閾値を補正する
    ことを特徴とする請求項1記載の異物付着検知装置。
  10. 上記入力信号は、上記超音波振動子の入出力端子間の電圧を示す電圧信号、上記超音波振動子の入力側に接続した送信アンプにおける増幅前の電圧を示す電圧信号、又は、上記超音波振動子の駆動を制御する送信制御部が上記送信アンプに出力する送信制御信号を用いることを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の異物付着検知装置。
  11. 上記出力信号は、上記超音波振動子が出力する電流を示す電流信号、又は、上記超音波振動子の出力側に接続した受信アンプが増幅した信号を用いることを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の異物付着検知装置。
  12. 上記超音波振動子を駆動させる送信制御信号を出力する送信制御部を備え、
    上記位相差検知部は、上記送信制御部が上記送信制御信号を出力している期間、又は、上記送信制御部が上記送信制御信号の出力を停止した後の期間における上記入力信号と上記出力信号との上記位相差を検知する
    ことを特徴とする請求項記載の異物付着検知装置。
  13. 超音波振動子への異物の付着を検知する異物付着検知装置において、
    上記超音波振動子への印加電圧に対応する入力信号と、上記印加電圧によって上記超音波振動子に流れる負荷電流に対応する出力信号との位相差を検知する位相差検知部と、
    上記位相差の値を閾値と比較して、上記超音波振動子に異物が付着しているか否かを判定する異常判定部と、
    上記超音波振動子を駆動させる送信制御信号を出力するとともに、上記送信制御信号の出力を停止している期間に上記送信制御信号よりも振幅が小さい疑似送信制御信号を出力する送信制御部を備え
    上記位相差検知部は、上記疑似送信制御信号により生じた上記入力信号と上記出力信号との上記位相差を検知することを特徴とする異物付着検知装置。
  14. 上記超音波振動子又は上記超音波振動子の周辺部の温度情報を取得する温度情報取得部を備え、
    上記位相差検知部は、上記温度情報を用いて上記閾値を補正する
    ことを特徴とする請求項13記載の異物付着検知装置。
  15. 超音波振動子への異物の付着を検知する異物付着検知方法において、
    位相差検知部が、上記超音波振動子への印加電圧に対応する入力信号と、上記印加電圧によって上記超音波振動子に流れる負荷電流に対応する出力信号との位相差を検知し、
    異常判定部が、上記位相差の値を閾値と比較して、上記超音波振動子に異物が付着しているか否かを判定する
    ことを特徴とする異物付着検知方法であって、
    上記位相差検知部は、上記出力信号のうち上記入力信号との積算値が正になる信号成分の積分値と、上記出力信号のうち上記入力信号との積算値が負になる信号成分の積分値との比率を用いて上記位相差を検知することを特徴とする異物付着検知方法。
  16. 超音波振動子への異物の付着を検知する異物付着検知方法において、
    位相差検知部が、上記超音波振動子への印加電圧に対応する入力信号と、上記印加電圧によって上記超音波振動子に流れる負荷電流に対応する出力信号との位相差を検知し、
    異常判定部が、上記位相差の値を閾値と比較して、上記超音波振動子に異物が付着しているか否かを判定する
    ことを特徴とする異物付着検知方法であって、
    上記異常判定部は、上記閾値に上限値と下限値とが設定されており、上記位相差の値が上記上限値を超えている場合、及び上記位相差の値が上記下限値未満である場合、上記超音波振動子に異物が付着していると判定することを特徴とする異物付着検知方法。
  17. 超音波振動子への異物の付着を検知する異物付着検知方法において、
    位相差検知部が、上記超音波振動子への印加電圧に対応する入力信号と、上記印加電圧によって上記超音波振動子に流れる負荷電流に対応する出力信号との位相差を検知し、
    異常判定部が、上記位相差の値を閾値と比較して、上記超音波振動子に異物が付着しているか否かを判定し、
    送信制御部が、上記超音波振動子を駆動させる送信制御信号を出力するとともに、上記送信制御信号の出力を停止している期間に上記送信制御信号よりも振幅が小さい疑似送信制御信号を出力する
    ことを特徴とする異物付着検知方法であって、
    上記位相差検知部は、上記疑似送信制御信号により生じた上記入力信号と上記出力信号との上記位相差を検知することを特徴とする異物付着検知方法。
  18. 超音波振動子への異物の付着を検知する異物付着検知方法において、
    位相差検知部が、上記超音波振動子への印加電圧に対応する入力信号と、上記印加電圧によって上記超音波振動子に流れる負荷電流に対応する出力信号との位相差を検知し、
    異常判定部が、上記位相差の値を閾値と比較して、上記超音波振動子に異物が付着しているか否かを判定し、
    温度情報取得部が、上記超音波振動子又は上記超音波振動子の周辺部の温度情報を取得する
    ことを特徴とする異物付着検知方法であって、
    上記位相差検知部は、上記温度情報を用いて上記閾値を補正することを特徴とする異物付着検知方法。
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