JP6338447B2 - ハードカプセル - Google Patents

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本発明は、腸溶性を有するハードカプセルに関するものである。
乳酸菌や酵素など胃酸との接触によって死滅または不活性化する成分、鉄分など胃の組織に刺激を与える成分、大腸の疾患の治療を目的とする医薬成分など腸の組織に作用させたい成分、等をハードカプセルの内容物とする場合、ハードカプセル外殻には、胃では崩壊または溶解することなく、腸に到達してから崩壊または溶解する性質(腸溶性)を有することが要請される。
最近、詳細は後述するように、それ自体が耐胃液性(耐酸性)を有するハードカプセル外殻が市販されている。このハードカプセル外殻は、所定時間は胃液との接触により崩壊または溶解しないため、腸溶性のハードカプセルを得ることができると期待される。
しかしながら、ハードカプセル外殻は、それぞれが開口している半容器であるボディとキャップとを接合することにより、一つの容器が形成されるものである。そのため、ハードカプセル外殻自体が耐胃液性を有していたとしても、ボディとキャップとの間の僅かな隙間から胃液が浸入したり、ボディとキャップとの接合が胃液中で外れたりすることにより、腸溶性を発揮することができないという実情があった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、耐胃液性ハードカプセル皮膜のボディとキャップとの間隙を介した胃液の浸入や、ボディとキャップとの接合の外れが抑制されていることにより、腸溶性を発揮するハードカプセルの提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかるハードカプセルは、「耐胃液性ハードカプセル外殻のボディ及びキャップの接合部における隙間が、モノアセチルモノアシルグリセリンのみから形成されている単相の皮膜で帯状に形成されたバンドシールで封止されており、腸溶性を示す」ものである。
「モノアセチルモノアシルグリセリン」は、グリセリンの三つの水酸基の内の一つがアシル化されたモノグリセリドの誘導体であり、残る二つの水酸基の内の一つが更にアセチル化されたものである。また、「モノアセチルモノアシルグリセリンを含有する単相の皮膜」における「単相」とは、皮膜が、これを更にコーティングしている相を有する積層構造ではないことを意味している。
「耐胃液性ハードカプセル外殻」としては、ヒプロメロース(ヒドロキシプロプルメチルセルロース、HPMC)及びジェランガムを皮膜基剤とする後述の市販品を、使用可能である。
本発明者らは、モノアセチルモノアシルグリセリンを基剤とすることにより、ハードカプセル外殻のボディ及びキャップの接合部の封止に適した皮膜物性を有すると共に、胃液の浸入が抑制されたバンドシールを形成できることを見出し、本発明に至ったものである。従って、本発明では、耐胃液性ハードカプセル外殻のボディ及びキャップの接合部を封止するバンドシール自体が、胃液との接触により崩壊または溶解しにくく、ボディ及びキャップの隙間から胃液が浸入することを抑制することができる。また、ボディとキャップとの接合がバンドシールで補強されているため、胃液中におけるボディとキャップとの接合の外れが抑制されている。これらにより、耐胃液性ハードカプセル外殻のボディ及びキャップを使用し、全体として腸溶性を有するハードカプセルを提供することができる。
ここで、モノアセチルモノアシルグリセリンは、従来、チューインガムの可塑剤、マーガリンの低温での伸展性を改善する改質剤、チョコレートの低温での割れを抑制する改質剤等として使用されてきたものであり、これをバンドシールの基剤とするという発想は、従来にはなかった極めて独創的なものである。
本発明にかかるハードカプセルは、上記構成に替えて、「耐胃液性ハードカプセル外殻のボディ及びキャップの接合部における隙間、及び、前記耐胃液性ハードカプセル外殻の外表面の少なくとも一部が、モノアセチルモノアシルグリセリンのみから形成されている単相の皮膜で被覆されており、腸溶性を示す」ものとすることができる。
本発明者らの検討により、モノアセチルモノアシルグリセリンを基剤とすることにより、ハードカプセル外殻のボディ及びキャップの接合部を含む部位で、ハードカプセル外殻の外表面を単相の皮膜でコーティングすることができ、ボディ及びキャップの隙間から胃液が浸入することを抑制することができると共に、ボディ及びキャップの接合の外れを抑制できることが見出された。ここで、単相の皮膜は、少なくともボディ及びキャップの接合部を含む部位でハードカプセル外殻の外表面を被覆していれば、ハードカプセル外殻の外表面の全体を被覆するものであっても、外表面を部分的に被覆するものであってもよい。
従って、本構成では、耐胃液性ハードカプセル外殻を使用し、上記のようにバンドシールを施すことなく、全体として腸溶性を有するハードカプセルを、提供することができる。
本発明にかかるハードカプセルは、上記構成において、「前記単相の皮膜は、モノアセチルモノアシルグリセリンのみから形成されている」ものである。
本構成では、単相の皮膜がモノアセチルモノアシルグリセリンのみからなるため、皮膜原液の調製のために、複数の材料を定められた組成となるように計量したり混合したりする手間が一切不要である。従って、本構成のハードカプセルは、単相の皮膜を施すための工程を極めて簡易なものとして、製造することができる。
以上のように、本発明の効果として、耐胃液性ハードカプセル皮膜のボディとキャップとの間隙を介した胃液の浸入や、ボディとキャップとの接合の外れが抑制されていることにより、腸溶性を発揮するハードカプセルを、提供することができる。
以下、本発明の第一実施形態であるハードカプセル、及び、該ハードカプセルの製造方法について説明する。
第一実施形態のハードカプセルは、耐胃液性ハードカプセル外殻のボディ及びキャップの接合部が、モノアセチルモノアシルグリセリンを含有する単相の皮膜で形成されたバンドシールで封止されているものである。また、上記構成において、単相の皮膜は、モノアセチルモノアシルグリセリンのみから形成されている。
このような構成のハードカプセルは、耐胃液性ハードカプセル外殻に内容物を充填する内容物充填工程と、内容物が充填されたボディとキャップとを接合する接合工程と、モノアセチルモノアシルグリセリンの皮膜原液を調製する原液調製工程と、ボディ及びキャップの接合部に皮膜原液を塗布する原液塗布工程と、塗布された皮膜原液を皮膜化させる皮膜化工程とを有する製造方法によって、製造することができる。
より詳細には、内容物充填工程では、耐胃液性ハードカプセル外殻のボディに内容物を充填する。内容物としては、医薬成分、生薬成分、健康食品成分、栄養補助成分を、特に限定することなく使用することができるが、胃液との接触により死滅する成分や活性を失いやすい成分、胃の組織に刺激を与えやすい成分、腸の組織に作用させたい成分等は、本実施形態のハードカプセルの内容物とする意義が高い。
原液調製工程では、常温で固体であるモノアセチルモノアシルグリセリンを加温し液体として、これを皮膜原液とする。
原液塗布工程では、まず、ハードカプセルの向きを揃える方向規制が行われる。方向規制されたハードカプセルは、移送スラットの凹部内に配され、凹部の一部で貫通している孔部を介して支持台の上面に当接する。そして、移送スラットの水平方向への移動に伴い、支持台上を転がりながら移動する。支持台の下方には、バンドシールの皮膜原液を収容したパンが配され、皮膜原液に一部が浸漬された塗布用ローラが、移送スラットの移動方向に対して反対の方向に向かって回転している。そして、支持台の一部には貫通孔部が形成されており、この部分で塗布用ローラの上端の高さが、支持台の上面の高さ以上となるように設定されている。従って、移送スラットの移動に伴い、支持台上を転がるハードカプセルが塗布用ローラ上を通過する際、ハードカプセル外殻の外周面に沿って、皮膜原液が帯状に塗布される。
このとき、ボディ及びキャップの接合部で、且つ、接合部に沿う方向に、塗布用ローラが接触するように、ハードカプセルの位置がガイドされる。また、バンドシールの幅として所望される値(例えば、2mm〜5mm)に応じて、塗布用ローラの幅が選択される。なお、ハードカプセル外殻の外周面にバンドシールが巻回される周回数は、移送スラットの移動速度と、塗布用ローラの回転速度により調整することができる。
皮膜化工程では、乾燥、冷却、またはその併用により、ハードカプセル外殻の外周面に塗布された皮膜原液をゲル化させる。これにより、ボディ及びキャップの接合部がバンドシールで封止された上記構成のハードカプセルが得られる。
次に、本実施形態のハードカプセルを、上記構成とした根拠について説明する。まず、本発明者らは、有機酸モノグリセリドの疎水性と、ハードカプセルの製造における実用的な温度で固液変化する性状に着目し、有機酸モノグリセリドを基剤として、胃液との接触により崩壊または溶解しにくいバンドシールを形成できるのではないかと考えた。そこで、常温で固体であり加温により液体となる複数の有機酸モノグリセリドについて、まず、次の方法で皮膜形成性を評価した。また、対比のために、常温で液体である有機酸モノグリセリドについても、同様に皮膜形成性を評価した。
<皮膜形成性の評価>
常温で固体である有機酸モノグリセリドについては、これを加温して液体とした皮膜原液を平滑なガラス板面に塗布し、冷却及び乾燥により皮膜化したものを「○」で、皮膜化しなかったものを「×」で評価した。常温で液体である有機酸モノグリセリドについては、そのままを皮膜原液として平滑なガラス板面に塗布し、乾燥により皮膜化したものを「○」で、皮膜化しなかったものを「×」で評価した。
また、皮膜形成性の評価が「○」であった有機酸モノグリセリドについては、皮膜物性を評価し、それが良好であった有機酸モノグリセリドについては、更にバンドシール性を評価した。皮膜物性及びバンドシール性の評価方法を、次に示す。
<皮膜物性の評価>
皮膜原液をガラス板面に塗布しゲル化した皮膜を、常温でガラス板面から剥がす試験を行った。皮膜が脆くなく適度な柔軟性を有しており、亀裂を生じることなくガラス板から剥がすことができた場合を、皮膜として良好な物性を有するとして「○」で、そうでない場合を「×」で評価した。
<バンドシール性の評価>
一般的なバンドシール機を使用し、ハードカプセル外殻のボディ及びキャップの接合部に均一に皮膜原液を塗布することができ、幅及び厚さの均一なバンドシールを形成できる場合を「○」で、そうでない場合を「×」で評価した。
表1に、13種類の有機酸モノグリセリド(S1〜S13)について、エステル結合している脂肪酸の種類、常温における性状(固体または液体)、及び、皮膜形成性・皮膜物性・バンドシール性の評価結果を示す。なお、表1に示した有機酸モノグリセリドには、エステル結合している脂肪酸及び有機酸の種類が何れも等しいが製造元が相違する、複数の製品が含まれている。
Figure 0006338447
表1に示すように、モノアセチルモノアシルグリセリン、すなわちS1のモノアセチルモノアシルグリセリン(KERRY製、マイバセット5−07K)、及びS2のモノアセチルモノアシルグリセリン(太陽化学製、サンファットS−11)は、何れも皮膜物性の良好な皮膜を形成し、その皮膜はハードカプセル外殻のバンドシールとして適していた。なお、常温で固体である他の有機酸モノグリセリドは、皮膜を形成するものの、割れが生じるなど皮膜の物性が良好ではなかった。また、常温で液体である有機酸モノグリセリドからは、皮膜は形成されなかった。
上記のように、モノアセチルモノアシルグリセリンはハードカプセル外殻のバンドシールの基剤として適していることが分かったため、次に、ボディ及びキャップの接合部がモノアセチルモノアシルグリセリンから形成されたバンドシールで封止された耐胃液性ハードカプセル外殻が、全体として腸溶性を有するか否かについて確認した。上記と同様に調製したS1のモノアセチルモノアシルグリセリンの皮膜原液を、耐胃液性ハードカプセル外殻のボディ及びキャップの接合部に塗布し、皮膜化してバンドシールとしたハードカプセル試料S20について、腸溶性の評価試験を行った。また、比較のために、ハードカプセル外殻に腸溶性を付与するためのコーティング剤として、従前より使用されているセラック及びツェインをそれぞれバンドシールの皮膜基剤としたハードカプセル試料R1及びR2、ハードカプセル外殻に施すバンドシールの皮膜基剤として一般的なゼラチン及びHPMCを、それぞれバンドシールの皮膜基剤としたハードカプセル試料R3及びR4についても、同様に腸溶性の評価試験を行った。
ここで、試料R1の皮膜原液はエタノールを溶媒とするセラック50質量%溶液であり、試料R2の皮膜原液はエタノールを溶媒とするツェイン20質量%溶液であり、試料R3の皮膜原液は水を溶媒とするゼラチン10質量%溶液であり、試料R4の皮膜原液はエタノールを溶媒とするHPMCの5質量%溶液である。
また、ハードカプセル試料S20、R1〜R4では、耐胃液性ハードカプセル外殻(ボディ及びキャップ)として、耐酸性を有するハードカプセル外殻として市販されている、HPMC及びジェランガムを基剤とするハードカプセル外殻(CAPSUGEL製、DRcaps)を使用した。このハードカプセル外殻は、酸との接触によりジェランガムがゲル化し、耐酸性を示すものである。この耐胃液性ハードカプセル外殻の組成を次に示す。
HPMC:90質量%
ジェランガム:5質量%
水:5質量%
なお、何れのハードカプセル試料についても、耐胃液性ハードカプセル外殻は1号(質量75mg)のサイズを使用し、バンドシールの皮膜原液は、ハードカプセルの総質量(ハードカプセル外殻とバンドシールの質量の和)に対するバンドシールの質量の割合が10%となるように塗布した。
腸溶性の評価試験の方法を次に示し、評価試験の結果を表2に示す。
<腸溶性の評価>
日本薬局方に規定された崩壊試験法に則り、第一液及び第二液を使用して行った。ここで、第一液は耐胃液性を評価するためのpH1.2の試験液であり、ハードカプセル試料を試験液中で所定時間上下運動させ、その後の観察においてハードカプセル外殻が残存しているか否かを確認した。また、第二液は腸液溶解性を評価するためのpH6.8の試験液であり、試験液中でハードカプセル試料を所定時間上下運動させ、その後の観察において、ハードカプセル外殻が残存しているか否かを確認した。評価は、ハードカプセル外殻が、第一液による崩壊試験において残存し、第二液による崩壊試験において崩壊する場合に腸溶性を有するものとして「○」で表示し、それ以外の場合、つまり第一液による崩壊試験において崩壊する場合、及び、第一液による崩壊試験において残存するが、第二液による崩壊試験においても残存する場合は「×」と表示した。なお、第一液による崩壊試験において崩壊する場合は、第二液による試験は行わなかった。
Figure 0006338447
表2に示すように、モノアセチルモノアシルグリセリンをバンドシールの基剤とする試料S20と、セラックをバンドシールの基剤とする試料R1は腸溶性を示した。このことから、モノアセチルモノアシルグリセリンで形成されたバンドシールで接合部が封止された耐胃液性ハードカプセルは、従前よりハードカプセル外殻に腸溶性を付与するコーティング剤として使用されていたセラックで形成されたバンドシールで接合部が封止された耐胃液性ハードカプセルと、同等の腸溶性を示すことが確認された。
また、表2の結果から、ハードカプセル外殻が耐胃液性であっても、バンドシールとして一般的なゼラチン及びHPMCをそれぞれ皮膜基剤とするバンドシールを施した場合は、ハードカプセルとして腸溶性を示さないとことが確認された。加えて、上記と同一の耐胃液性ハードカプセル外殻を使用するが、バンドシールを行わなかったハードカプセル試料R10についても腸溶性の評価試験を行ったところ、表3に示すように腸溶性を示さなかった。このことからも、ハードカプセルが腸溶性を示すためには、ハードカプセル外殻が耐胃液性であるだけでは足らず、ボディ及びキャップの接合部を封止するバンドシールが胃液との接触により崩壊または溶解しにくく、ボディ及びキャップの隙間から胃液が浸入することを抑制できることが必要であることが確認された。
Figure 0006338447
なお、表4に示すように、それぞれゼラチン、HPMC、及びプルランを基剤とする一般的なハードカプセル外殻を使用したハードカプセル試料R11〜R13では、モノアセチルモノアシルグリセリンで形成されたバンドシールを施したとしても、ハードカプセルとしては腸溶性を有さないことも確認された。なお、試料R11〜R13のハードカプセル外殻としては、それぞれ1号サイズ(R1:77mg、R2:70mg、R3:77mg)を使用し、バンドシールの皮膜原液は、ハードカプセルの総質量(ハードカプセル外殻とバンドシールの質量の和)に対するバンドシールの質量の割合が10%となるように塗布した。
Figure 0006338447
上記のように、第一実施形態のハードカプセルは、耐胃液性ハードカプセル外殻のボディ及びキャップの接合部の隙間がモノアセチルモノアシルグリセリンで形成されたバンドシールで封止されていることにより、ハードカプセル全体として腸溶性を発揮する。
また、バンドシールがモノアセチルモノアシルグリセリン100%で形成されているため、バンドシールの皮膜原液の調製のために、複数の材料を定められた組成となるように計量したり混合したりする手間が一切不要であり、極めて容易にバンドシールを施すことができる。
加えて、第一実施形態のハードカプセルは、一般的なハードカプセルの製造工程においても行われることが多いバンドシールの工程において、バンドシールの基剤をモノアセチルモノアシルグリセリンとするのみの簡易な方法で、腸溶性ハードカプセルを製造することができるという利点を有している。
次に、本発明の第二実施形態であるハードカプセル、及び、該ハードカプセルの製造方法について説明する。第二実施形態のハードカプセルは、耐胃液性ハードカプセル外殻のボディ及びキャップの接合部を含む部位で、前記ハードカプセル外殻の外表面が、モノアセチルモノアシルグリセリンを含有する単相の皮膜で被覆されているものである。また、上記構成において、単相の皮膜は、モノアセチルモノアシルグリセリンのみから形成されている。
このような構成のハードカプセルは、耐胃液性ハードカプセル外殻に内容物を充填する内容物充填工程と、内容物が充填されたボディとキャップとを接合する接合工程と、モノアセチルモノアシルグリセリンの皮膜原液を調製する原液調製工程と、ボディ及びキャップの接合部を含む部位でハードカプセル外殻の外表面を皮膜原液で被覆する原液被覆工程と、被覆した皮膜原液を皮膜化させる皮膜化工程とを有する製造方法によって、製造することができる。
第二実施形態のハードカプセルの製造方法が第一実施形態のハードカプセルの製造方法と相違する点は、ボディ及びキャップの接合部に皮膜原液を塗布する原液塗布工程の代わりに、ボディ及びキャップの接合部を含む部位でハードカプセル外殻の外表面を皮膜原液で被覆する原液被覆工程を行う点である。原液被覆工程は、上記と同様に調製された皮膜原液に、ボディ及びキャップが接合された状態のハードカプセル外殻を浸漬する工程、或いは、ボディ及びキャップの接合部を含む部位でハードカプセル外殻の外表面に、皮膜原液をスプレーまたは塗布する工程とすることができる。
実際に、ボディ及びキャップが接合された状態の耐胃液性ハードカプセル外殻を、S1のモノアセチルモノアシルグリセリンの皮膜原液に浸漬したハードカプセル試料S31について、上記と同様の腸溶性の評価試験を行った結果を表5に示す。ここで、試料S31のハードカプセル外殻は、HPMC及びジェランガムを基剤とする上述の組成の耐胃液性ハードカプセル外殻である。また、ハードカプセルの総質量(ハードカプセル外殻と、これを被覆している皮膜の質量の和)に対する皮膜の質量の割合が10%となるように、コーティングを行った。
Figure 0006338447
試料S31のハードカプセルは、ボディ及びキャップの接合部を含めてハードカプセル外殻の外表面のほぼ全体が、モノアセチルモノアシルグリセリンの単相の皮膜で被覆されており、表5に示すように腸溶性を有していた。これにより、少なくともボディ及びキャップの接合部を含む部位でハードカプセル外殻の外表面が、胃液との接触により崩壊または溶解しにくいモノアセチルモノアシルグリセリンの皮膜で被覆されていることにより、ボディ及びキャップの隙間から第一液が浸入することが抑制されており、少なくともボディ及びキャップの接合部が単相の皮膜で補強されていることにより、第一液中におけるボディとキャップとの接合の外れが抑制されていると考えられた。
従って、第二実施形態のハードカプセルは、バンドシールを施さなくても腸溶性を有しており、バンドシールを施す設備を要することなく製造することができるという利点を有している。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。

Claims (2)

  1. 耐胃液性ハードカプセル外殻のボディ及びキャップの接合部における隙間が、モノアセチルモノアシルグリセリンのみから形成されている単相の皮膜で帯状に形成されたバンドシールで封止されており、
    腸溶性を示す
    ことを特徴とするハードカプセル。
  2. 耐胃液性ハードカプセル外殻のボディ及びキャップの接合部における隙間、及び、前記耐胃液性ハードカプセル外殻の外表面の少なくとも一部が、モノアセチルモノアシルグリセリンのみから形成されている単相の皮膜で被覆されており、
    腸溶性を示す
    ことを特徴とするハードカプセル。
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