JP2019099473A - ソフトカプセル - Google Patents

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利恭 山中
Toshitaka Yamanaka
利恭 山中
渉 須原
Wataru Suhara
渉 須原
智弘 諸岡
Tomohiro Morooka
智弘 諸岡
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Abstract

【課題】α−GPCを含有する新規なソフトカプセルを提供する。【解決手段】ゼラチンを皮膜基剤とするソフトカプセル皮膜に内容物が充填されたソフトカプセルにおいて、α−GPCを内容物にではなくソフトカプセル皮膜に含有させることにより、α−GPCを摂取目的成分としてソフトカプセルに含有させることができると共に、可塑剤としてグリセリンを添加することを要することがなく、また、崩壊性の経時的な低下を抑制することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、ソフトカプセルに関するものである。
α−GPC(アルファグリセロホスホコリン、又は、sn−グリセロ(3)ホスホコリン)はコリンの前駆体であり、コリンは神経伝達物質であるアセチルコリンの原料となる。アルツハイマー病の患者の脳内ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリンの分泌量の低下はアルツハイマー型認知症の原因の一つと考えられている。アセチルコリンの分泌量は加齢に伴って低下する傾向があるため、その分泌量を増加させるために、原料であるコリンを経口で補給することが提案されている。
また、コリンが不足すると、体内のコリン濃度を維持するためにメチオニン、葉酸、ビタミンB12等を消費してコリンが生成されるため、これらの栄養素の欠乏に伴う諸症状が生じるおそれがある。米国ではコリンは必須の栄養素として認識されており、FASEB(The Federation of American Societies for Experimental Biology)では一日の適正摂取量を定めている。
レシチンやその主要成分であるホスファチジルコリン、塩化コリン、アセチルコリンなど、α−GPCの他にもコリン前駆体は存在するが、α−GPCは血液脳関門を通過して中枢に作用する利点を有することに加え、ホスファチジルコリン等が小腸、リンパ管、静脈を介して肝臓に吸収されるのとは異なり、門脈を介して速やかに肝臓に吸収される利点を有しているため、他のコリン前駆体に比べてコリン補給原として適していると考えられる。実際に、α−GPCをコリン補給原としてアルツハイマー型認知症の患者に摂取させることにより、認知度が有意に改善したとの報告がなされている。
また、α−GPCの摂取により、脳下垂体前葉における成長ホルモンの分泌が促進され、血中の成長ホルモン濃度が上昇するとの報告もなされている。成長ホルモンの分泌によりタンパク質合成が促進されると共に、血中の遊離脂肪酸濃度も上昇し、脂肪が燃焼し易い体内環境となると考えられている。
上記のような複数の作用が期待されているα−GPCは、医薬品の範囲に関する基準(食薬区分)の非医薬品リスト(医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト)に収載されており、食品衛生法上の取り扱いの改正に伴い、厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課の判断を受けることにより、食品添加物として認められ得る成分となった。そのため、近年では、サプリメントでα−GPCを摂取することに、高い関心が寄せられている。
現在、α−GPCを摂取目的成分とするサプリメントとしては、米国の製品として、α−GPC粉末を内容物とするハードカプセルと、α−GPCを含有する粉末を打錠したペレットが存在する。これらの製品では、オイルコーティングされたα−GPC粉末が使用されている。本出願人は、ソフトカプセルの製造にも力を入れているため、α−GPCを含有する新規なソフトカプセルを製造しようと想到した。
本発明は、上記のように、α−GPCを含有する新規なソフトカプセルの提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかるソフトカプセルは、
「ソフトカプセル皮膜に内容物が充填されたソフトカプセルであって、
前記ソフトカプセル皮膜が、ゼラチン及びα−GPCを含有している」ものである。
ソフトカプセルに摂取目的成分を含有させる場合、内容物に摂取目的成分を含有させるのが、当業者の通常の考え方である。本発明では、このような常識に反し、ソフトカプセル皮膜の方にα−GPCを含有させるという手段を採用したことにより、α−GPCを含有する新規なソフトカプセルを提供することが可能となった。
本発明にかかるソフトカプセルは、上記構成に加え、
「前記ソフトカプセル皮膜は、グリセリンを含有していない」ものとすることができる。
ゼラチンを皮膜基剤とする従来のソフトカプセル皮膜には、皮膜に柔軟性を付与するために可塑剤が添加されており、可塑剤としてはグリセリンが一般的である。詳細は後述するように、摂取目的成分としてソフトカプセル皮膜に含有させたα−GPCが、可塑剤の作用をも発揮することが判明した。
本発明にかかるソフトカプセルは、上記構成に加え、
「前記ソフトカプセル皮膜は、ゼラチン100重量部に対して43重量部〜49重量部のα−GPCを含有しており、
α−GPCに代替してゼラチン100重量部に対して40重量部のグリセリンをソフトカプセル皮膜に含有している以外は同一構成のソフトカプセルに比べて、経時的な崩壊性の低下が抑制されている」ものとすることができる。
ゼラチンを皮膜基剤とする従来のソフトカプセル皮膜は、内容物と反応して経時的に崩壊性が低下することがある(崩壊遅延)。このような崩壊性の低下は、例えば、不飽和結合を多く含む油脂など、酸化し易い内容物を充填させた場合に顕著である。詳細は後述するように、ソフトカプセル皮膜にα−GPCを含有させることにより、α−GPCに代替して同程度のグリセリンを含有する従来のゼラチン製ソフトカプセルに比べて、経時的な崩壊性の低下が抑制されるという利点を、更に有することが判明した。なお、本発明のソフトカプセルと従来のソフトカプセルとで経時的な崩壊性の低下を対比する場合、当然ながら、同一方法、同一条件で崩壊試験を行う。
以上のように、本発明によれば、α−GPCを含有する新規なソフトカプセルを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態であるソフトカプセル、及び、その製造方法について説明する。
本実施形態のソフトカプセルは、ゼラチンを皮膜基剤とするソフトカプセル皮膜に内容物が充填されたものであり、摂取目的成分であるα−GPCが、内容物にではなくソフトカプセル皮膜に含有されているものである。
このようなソフトカプセルは、ソフトカプセル皮膜の原液を調製する皮膜原液調製工程と、ソフトカプセル皮膜に充填するための内容物を調製する内容物調製工程と、ソフトカプセル皮膜の成形と当時にソフトカプセル皮膜内に内容物を充填する成形・充填工程と、成形されたソフトカプセルを乾燥させる乾燥工程と、を具備する製造方法により製造することができる。
皮膜原液調製工程では、皮膜基剤であるゼラチンを加熱しながら水に溶解し、α−GPCの水溶液と混合して、流延に適する粘度の皮膜原液を調製する。後述するように、本実施形態のソフトカプセルでは、α−GPCがソフトカプセル皮膜に可塑性を付与しているため、通常のソフトカプセル皮膜に可塑剤として添加されているグリセリン、ソルビトール、マルチトール、ポリエチレングリコール等を、皮膜原液に添加することを要しない。
内容物調製工程では、非水溶性の内容物を調製する。ゼラチンを皮膜基剤とするソフトカプセル皮膜は水溶性であるためである。非水溶性の内容物としては、油溶性の摂取目的成分を溶媒としての油脂に溶解させたもの、難油溶性の摂取目的成分を分散媒としての油脂に懸濁させたもの、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)等のように摂取目的成分自体が油状であるもの、を例示することができる。本実施形態のソフトカプセルは、α−GPCを摂取目的成分とするものであるが、α−GPCはソフトカプセル皮膜に含有させるため、他の摂取目的成分を内容物に含有させることができる。内容物に含有させる摂取目的成分としては、医薬成分、生薬成分、健康食品成分、栄養補助成分を、特に限定することなく使用することができる。
成形・充填工程は、ロータリーダイ式の成形装置を使用して行う。ここで、一般的なロータリーダイ式成形装置は、皮膜原液をフィルム状に成形するキャスティングドラムと、外表面に成形鋳型が形成された一対のダイロールと、ダイロール間に配された内容物充填用のくさび状のセグメントと、セグメント内に内容物を圧入すると共にセグメントの先端から内容物を押し出すポンプとを主に具備している。
かかる構成の成形装置では、まず、皮膜原液がキャスティングドラムの表面に流延され、ゲル化することによりフィルム化される。次に、形成されたフィルムの二枚が、セグメントに沿って一対のダイロール間に送入される。そして、一対のダイロールの相反する方向への回転に伴い、二枚のフィルムがヒートシールされて上方に開放したソフトカプセル皮膜が形成されると、この中にセグメントから押し出された内容物が充填される。これと同時に、二枚のフィルムが上部でヒートシールされ、閉じた内部空間に内容物が充填されたソフトカプセルが形成される。つまり、皮膜原液がフィルム化されヒートシールされることにより、内部に閉じた空間を有するソフトカプセル皮膜が製造されるのと同時に、ソフトカプセル皮膜に内容物が充填されたソフトカプセルが製造される。製造されたフトカプセル皮膜は、外表面にヒートシールによる周方向の継ぎ目を有している。
乾燥工程では、ソフトカプセル皮膜の水分含有率が10質量%となるまで、乾燥器内でソフトカプセルを乾燥させる。
次に、本実施形態のソフトカプセル及びその製造方法を、上記構成とした根拠について説明する。
ソフトカプセルでは、摂取目的成分を内容物に含有させるのが当業者の通常の考え方である。そこで、ゼラチンを皮膜基剤とする従来の一般的なソフトカプセル皮膜に、α−GPCの粉末を油脂に懸濁させた内容物を充填することにより、試料S11のソフトカプセルを製造した。α−GPCの粉末としては、日油株式会社製「ニチユTMGPC85R」を使用した。
対比のために、試料S11と同一のソフトカプセル皮膜に同一の油脂を充填した試料R1のソフトカプセルを製造した。試料S11及び試料R1のソフトカプセル皮膜は、表1に示すように、ゼラチン100重量部に対してグリセリン40重量部及び水80重量部を含有し、その他の成分を含有しない皮膜原液から成形されたものである。油脂としては、炭素数6〜12の脂肪酸を構成脂肪酸とする中鎖脂肪酸トリグリセリドを使用した。
Figure 2019099473
試料S11及び試料R1のソフトカプセルについて、皮膜原液の溶解性、流延性、成形性、皮膜の柔軟性、付着性、崩壊性を、次のように評価した。
<溶解性>
皮膜原液の材料を温度80℃で加熱しながら撹拌したとき、溶液となるものを溶解性が良好であるとして「〇」で評価し、不溶成分が残るものを「×」で評価した。
<流延性>
皮膜原液の粘度を測定し、流延し易さを考慮して粘度が10,000mPa・s〜60,000mPa・sである場合を、流延性が良好であるとして「〇」で評価し、10,000mPa・s未満または60,000mPa・sより高い場合を「×」で評価した。ここで、粘度はB型粘度計を使用し(No.4ローター,回転速度6rpm)、温度60℃で測定した。
<成形性>
ロータリーダイ式成形装置を使用して1万個のソフトカプセル成形を行い、ソフトカプセル皮膜からの内容物の漏れが観察されないソフトカプセルの個数が、全数の95%以上であった場合を成形性が良好であるとして「〇」で評価し、95%未満であった場合を「×」と評価した。
<皮膜の柔軟性>
乾燥工程後のソフトカプセル1万個について、1mの高さから1個ずつ自然落下させる操作を1個につき10回繰り返し、ソフトカプセル皮膜に割れが生じなかった個数が、全数の95%以上であった場合を、ソフトカプセル皮膜が適度な柔軟性を備えているとして「〇」で評価し、10回の自然落下の過程のどこかで割れが生じた個数が全数の5%以上あった場合を「×」と評価した。
<付着性>
50個のソフトカプセルを容積97mLのガラス製規格瓶に入れて密栓し、所定の温度で100時間保存した。その後、開栓した瓶を上下反転させ、全てのソフトカプセルが瓶から個々に落下した場合を、非付着性が良好であるとして「○」と評価し、ソフトカプセル同士が付着した状態で落下する個数や、瓶に付着して落下しないソフトカプセルの個数が、1個以上存在した場合を「×」と評価した。保存温度は、一般的なソフトカプセルの保存温度より高い40℃と、それより更に高温で過酷な条件である50℃の二種類とした。
<崩壊性>
乾燥後のソフトカプセルを、魚油(DHA70質量%)に浸漬した状態で、温度50℃の恒温槽内で所定期間保存し、保存開始前及び所定期間の保存後のソフトカプセルについて、第十七改正日本薬局方の規定に則って崩壊試験を行い、20分以内に崩壊した場合を「○」、それ以外を「×」で評価した。保存期間は、1週間、2週間、及び3週間とした。ゼラチンを皮膜基剤とする一般的なソフトカプセルでは、内容物の油脂の酸化に伴ってソフトカプセル皮膜の崩壊性が経時的に低下する。本試験は、このような崩壊性の経時的な低下が生じるか否かを確認するための試験である。魚油は酸化し易い油脂として選択したものであり、魚油に浸漬した状態における温度50℃での保存は、内容物である油脂の酸化によりソフトカプセル皮膜が影響を受け得る状態を疑似的に作り出すことを意図したものである。各評価の結果を、表2に示す。
Figure 2019099473
表2に示すように、α−GPCを内容物に含有する試料S11は、成形性が良好ではなく、ロータリーダイ式成形装置を使用した成形の後、液漏れが生じているソフトカプセルの個数が5%以上存在した。内容物において油脂に懸濁させているα−GPC粉末(ニチユTMGPC85R)は、α−GPCの水溶性が高い上に高い潮解性を示すため、オイルコーティングが施されている製品である。このオイルコーティングが、分散媒である油脂によって溶解することにより、水溶性であるゼラチン製のソフトカプセル皮膜との接触によってα−GPC粉末が溶解して水溶液となると共にソフトカプセル皮膜の一部が溶解し、ソフトカプセル皮膜の成形性が阻害されていると考えられた。
正常に成形できた分については、試料S11のソフトカプセルの皮膜の柔軟性、付着性、及び崩壊性は、従来のソフトカプセルである試料R1と同程度であった。
上記のように、α−GPCを内容物に含有する試料S11のソフトカプセルは、成形性が良好ではなかったことから、摂取目的成分であるα−GPCをソフトカプセル皮膜に含有させることを試みた。α−GPCとしてα−GPC水溶液を使用し、α−GPC水溶液の割合がゼラチン100重量部に対して40重量部〜100重量部の範囲である皮膜原液から成形したソフトカプセル皮膜に内容物を充填することにより、試料S21〜S29のソフトカプセルを製造した。α−GPC水溶液としては、α−GPCの含有率が77質量%〜93質量%の範囲である日油株式会社製「ネオリキッドGPC85」を使用した。内容物としては、試料R1と同様に中鎖脂肪酸トリグリセリドを使用した。また、試料S21〜S29の皮膜原液には、従来のソフトカプセル(試料R1)の皮膜原液に可塑剤として添加しているグリセリンは添加せず、ゼラチン、α−GPC水溶液、及び水以外の成分を添加しなかった。試料S21〜S29の皮膜原液の組成及び内容物を、表1に合わせて示す。
各試料S21〜S29について、上記と同様の方法で、皮膜原液の溶解性、流延性、成形性、皮膜の柔軟性、付着性、及び崩壊性を評価した。その結果を、表2に合わせて示す。なお、皮膜原液の溶解性が良好でなかった試料については、ソフトカプセル皮膜の成形は行わず、他の評価も行わなかった。また、皮膜の柔軟性が不十分であった試料については、付着性及び崩壊性の評価を行わなかった。
表2に示すように、ソフトカプセル皮膜においてゼラチン100重量部に対するα−GPCの割合が31重量部〜42重量部の範囲である試料S21及び試料S22のソフトカプセルは、皮膜原液の溶解性、流延性及び成形性は良好であったものの、成形されたソフトカプセルにおいて、皮膜の柔軟性は十分なものではなかった。また、ソフトカプセル皮膜においてゼラチン100重量部に対するα−GPCの割合が50重量部以上である試料S26〜S29では、皮膜原液の溶解性が良好ではなかった。
一方、ソフトカプセル皮膜においてゼラチン100重量部に対するα−GPCの割合が39重量部〜56重量部の範囲である試料S23〜S25のソフトカプセルは、皮膜原液の溶解性、流延性、成形性、皮膜の柔軟性、付着性、及び崩壊性の何れも、良好であった。
特に、従来のソフトカプセル(試料R1)では、温度50℃の過酷な保存状態で非付着性が低下したところ、試料S23〜S25のソフトカプセルは温度50℃の保存でも非付着性が良好であり、従来のソフトカプセルより非付着性に優れていた。
加えて、従来のソフトカプセル(試料R1)では、温度50℃の過酷な環境下で内容物の油脂が酸化した状態を模した保存状態において、2週間の保存により崩壊性が低下したところ、試料S23〜S25のソフトカプセルは4週間の保存後も崩壊性が良好であり、経時的な崩壊性の低下が従来のソフトカプセルより抑制されていた。
α−GPCの原料としたα−GPC水溶液の濃度には幅があるため、試料S23〜S25のソフトカプセル皮膜におけるα−GPCの割合の範囲から、皮膜の柔軟性が良好ではなかった試料S22及び溶解性が良好ではなかった試料S26のソフトカプセル皮膜におけるα−GPCの割合の範囲を除外すると、皮膜原液の溶解性、流延性、成形性、皮膜の柔軟性、付着性、及び崩壊性の何れも良好であることが明らかなα−GPCの割合は、ゼラチン100重量部に対して43重量部〜49重量部であると考えられた。
なお、α−GPCと同様にコリン前駆体であるレシチンをα−GPCに代替してソフトカプセル皮膜に含有させ、ソフトカプセルを製造することを試みた。具体的には、レシチンとして大豆レシチン及び酵素分解レシチンを使用し、表3に示すように、ゼラチン100重量部に対するレシチン及び水の割合を、それぞれ40重量部及び80重量部とした試料S31及び試料S32の皮膜原液を使用して、ソフトカプセルの製造を試みた。皮膜原液には、その他の成分は添加しなかった。
Figure 2019099473
しかしながら、試料S31及び試料S32では、レシチンを水に完全に溶解させることができず、皮膜原液の調製が困難であった。レシチンは疎水性基と親水性基の双方を有するため、ソフトカプセルの内容物が油脂懸濁液である場合に分散性を高める目的で添加されることがある成分であるが、試料S23〜S25におけるα−GPCに代替される程度の量を、ゼラチン製のソフトカプセル皮膜に含有させることは困難であると考えられた。
以上のように、本実施形態によれば、内容物ではなくソフトカプセル皮膜に含有させることにより、α−GPCを含有する新規なソフトカプセルを提供することができる。そして、α−GPCを摂取目的成分としてソフトカプセル皮膜に含有させることにより、ゼラチンを皮膜基剤とする従来のソフトカプセル皮膜に添加されてきたグリセリン等の可塑剤を添加しなくても、ソフトカプセル皮膜が適度な柔軟性を有していることが判明した。
加えて、α−GPCをソフトカプセル皮膜に含有させることにより、ゼラチンを皮膜基剤とする従来のソフトカプセルに比べて、高温下での保存において非付着性に優れていると共に、経時的な崩壊性の低下が抑制されているソフトカプセルを、提供することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、本発明では、上記のようにα−GPCが可塑剤の作用を発揮するため、ソフトカプセル皮膜に他の可塑剤を添加しなくても適度な柔軟性を有しているが、通常のソフトカプセル皮膜に可塑剤として添加されているグリセリン、ソルビトール、マルチトール、ポリエチレングリコール等を、ソフトカプセル皮膜に含有させることを排除するものではない。他の可塑剤を添加することにより、ソフトカプセル皮膜の柔軟性を高めることができる。
また、本発明のソフトカプセルのソフトカプセル皮膜には、光隠ぺい剤、着色料、香料等の添加剤を添加することができる。

Claims (3)

  1. ソフトカプセル皮膜に内容物が充填されたソフトカプセルであって、
    前記ソフトカプセル皮膜が、ゼラチン及びα−GPCを含有している
    ことを特徴とするソフトカプセル。
  2. 前記ソフトカプセル皮膜は、グリセリンを含有していない
    ことを特徴とする請求項1に記載のソフトカプセル。
  3. 前記ソフトカプセル皮膜は、ゼラチン100重量部に対して43重量部〜49重量部のα−GPCを含有しており、
    α−GPCに代替してゼラチン100重量部に対して40重量部のグリセリンをソフトカプセル皮膜に含有している以外は同一構成のソフトカプセルに比べて、経時的な崩壊性の低下が抑制されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載のソフトカプセル。
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