JP6338190B2 - 薬液注入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、患者に薬液として少なくとも造影剤を注入する薬液注入装置等に関し、特には、1つの薬液注入装置で様々な注入プロトコルの設定方式を利用することができ、しかも注入プロトコルを簡単にかつ多様に作成することができる薬液注入装置等に関する。
現在、医療用の画像診断装置として、CT(Computed Tomography)スキャナ、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、超音波診断装置、血管造影(アンギオグラフィ)撮像装置等が知られている。このような撮像装置を使用する際、患者に造影剤や生理食塩水など(以下、これらを単に「薬液」とも言う)を注入することがある。
特許文献1には、薬液注入装置を用いて薬液を自動的に注入する技術に関し、画面上の注入グラフ上に表示された注入パターンを操作者が必要に応じて修正して最終的な注入プロトコルを完成させること等が記載されている。
WO2008/072636
ところで、注入プロトコルの設定方式としては、例えば検査部位や造影目的等の違い等によって様々な種類がある。また、医師(操作者)の好みによっていずれの注入プロトコル設定方式を使用するかが決まる場合もある。
本発明の目的は、1つの薬液注入装置で様々な注入プロトコルの設定方式を利用することができ、しかも注入プロトコルを簡単にかつ多様に作成することができる薬液注入装置等を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の一形態の薬液注入装置は下記の通りである:
シリンジのピストン部材を動作させるピストン駆動機構と、
そのピストン駆動機構の動作を制御する制御部と、
所定の情報を表示するための表示ユニットと、
操作者からの入力を受け付ける入力装置と、
を備える薬液注入装置であって、
前記制御部は、
a:前記表示ユニットに、複数の注入プロトコル設定モードの中から1つを選択するためのモード選択用表示部を少なくとも含む設定用初期画面を表示させ、
b:所定の注入プロトコル設定モードが選択された後、縦軸および横軸の一方が注入速度で他方が注入時間であり少なくとも1つのフェーズを含む注入グラフへの操作者からの注入パターンの入力を受け付け、
c:前記注入グラフ上に入力された注入パターンに基づいて薬液の注入プロトコルを作成し、
d:作成された前記注入プロトコルに従って前記ピストン駆動機構を動作させ、薬液を注入する。
(用語の説明)
「薬液」とは、例えば、造影剤、生理食塩水、またはそれらを混合したものをいう。
「造影剤」の具体例としては、ヨード濃度240mg/mlの造影剤(例えば、37℃において粘度3.3Pa・s、比重1.268〜1.296)、ヨード濃度300mg/mlの造影剤(例えば、37℃において粘度6.1mPa・s、比重1.335〜1.371)、ヨード濃度350mg/mlの造影剤(例えば、37℃において粘度10.6mPa・s、比重1.392〜1.433)等がある。
「生理食塩水」の生理食塩水の具体例としては、生理食塩水20mL中に塩化ナトリウム180mgを含有した生理食塩水(例えば、20℃において粘度0.9595mPa・s、比重1.004〜1.006)等がある。
「注入プロトコル」とは、どのような薬液を、どれくらいの量、どれくらいの速度で注入するかを示すものである。予め用意された複数の注入プロトコルがシステムに記憶されている場合、操作者がそれらの中から所望のものを1つ選び必要に応じて修正を行い、条件設定を行うことで検査効率の向上を図ることができる。注入プロトコル内の情報としては、薬液の種類、注入速度、注入時間、注入圧力、注入タイミング(一時停止、ホールド等を含む)から選ばれる1つまたは複数であってもよい。
「注入パターン」とは、基本的には薬液の注入条件を示すものであり、注入プロトコル設定画面との関連で用いられる場合には、注入グラフに表示される直線(線分)もしくは曲線等を示すこともある。
「設定方式」−本明細書においては、「設定方式」は「設定モード」と同義であることがある。
「患者」−本明細書においては、「患者」は「被検者」と同義であることがある。
「操作者」−本明細書においては、「操作者」は「ユーザ」と同義であることがある。
「身体区分」とは、例えば頭部、胸部、腹部などの身体の区分を表す上位項目のことをいう。
「撮像部位」とは、身体区分に含まれる下位項目、例えば心臓、肝臓、血管等といった撮像対象のことをいう。
「データ」−本明細書においては、「データ」は「情報」と同義であることがある。
「接続」−本明細書において、所定の機器と他の機器とが接続されていると言った場合には、有線接続または無線接続のいずれの態様であってもよい。また、他の機器を制御することができるように一方向または双方向に接続されている形態は、「操作可能に接続(operably connected/linked)」と表すこともできる。
「電気的に接続」とは、一方向または双方向に電気的信号の送信が行えるように構成要素どうしが接続されていることをいい、有線接続または無線接続のいずれの形態であってもよい。また、構成要素どうしが互いに直接接続されているものに加え、他の要素を介して間接的に接続されている場合も含む。
「端末」とは、ネットワークに接続されまたはスタンドアロンで使用される、データ処理を行うコンピュータシステムのことをいい、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、またはタブレット型コンピュータ等を含む。
「制御部」とは、CPUおよびメモリ等を有し演算処理を行うものであり、「コントローラ」、「プロセッサ」、「コントローラユニット(制御ユニット)」、「コントローラ回路(制御回路)」、「コントローラモジュール(制御モジュール)」、「プロセッサ部」、「プロセッサユニット」、「プロセッサモジュール」等と呼ぶこともできる。「制御部」は、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、プログラマブル論理コントローラ、特定応用向け集積回路、および他のプログラム可能な回路などで構成することができる。本明細書において、「制御部」は、物理的に1つの構成であってもよいが、2つまたは3以上の制御部が機能的に協働して1つの「制御部」を構成するものであってもよい。
制御部における基本的は処理は、一例で、まずメモリに記憶されたコンピュータプログラムを読み込み、次にコンピュータプログラムの指示に従って入力装置や記憶装置からデータを受け取り、そのデータを演算・加工した上で、データをメモリなどの記憶装置やディスプレイなどの出力装置に出力するというものである。
「コンピュータプログラム」は、それを記憶した記憶媒体を所定の装置・デバイス・機構等で読み出し、それらのコンピュータを所定の機能で動作させるものであってもよい。この場合、コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は本発明の一形態を構成することになる。また、コンピュータプログラムは、通信ネットワーク(一例でインターネット)を介して提供されるものであってもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分プログラムであってもよい。
「記憶媒体」としては、例えば、不揮発性のメモリカード(フラッシュメモリ)、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、一例で、CDやDVD等などを用いることができる。記憶媒体としては、磁気的記録媒体や光学的記録媒体等、種々のものを利用できる。
「入力装置」(コンピュータシステムに対する入力手段)としては、キーボード、マウス、タッチパネル、トラックボール、手動によりまたは機械によって操作される物理的スイッチ、マイク、音声入力、グラフィカル・ユーザ・インターフェース等であってもよい。操作者の動きを認識(一例で非接触)してその動きに応じた所定の入力を認識するものであってもよい。
「部(「エレメント」または「モジュール」等としても表現できる)」−本明細書で例えば「(機能の名称)」+「部」で表わされるものは、コンピュータの機能として実現可能なものである。このような「部(エレメント)、モジュール等」」は、システムにおけるいずれの機器に備わっていてもよい。また、必ずしも1つの機器内に備わっている必要はなく、相当する機能が2つ以上の機器に分散して備えられていてもよい。さらに、通信ネットワーク(例えばインターネット)を介して、所定の1つまたは複数の「部」のみが外部のサーバ等に備えられていてもよい。このような「部(エレメント)、モジュール等」」は、コンピュータが論理的に有する各種の機能であってもよい。
なお、本明細書で云う各種の構成要素(デバイス、装置、部、モジュールなど)は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等であってもよい。各種構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、ハードウェアにより実現するものでも、コンピュータプログラムにより実現されるものでも何れでも構わない。例えば、ある構成要素が、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより実現された処理装置、これらの組合せ、等として実現することができる。
「グラフィカル・ユーザ・インターフェース」とは、例えば、画面上のアイコン、画像ボタン、プルダウンメニュー、または数値入力ウィンドウなどを、カーソルによりまたはタッチパネルの場合にはタッチすることにより、視覚的に操作できるインターフェースのことをいう。
「アイコン」とは
、(i)所定の情報を表示しかつ操作者によって選択することができるものと、(ii)単に所定の情報を表示するためのものであって選択できるようには構成されていないものとの両方を含むものであってもよい。画面に表示される全てまたは一部のアイコンは、それぞれの表示箇所をタッチペンあるいは操作者の指等でタッチすることで、または、画面上のカーソルによって、選択可能である。
(I.薬液注入装置の一般的説明)
「薬液注入装置」は、一形態では、次の構成要素を備えている:ピストン駆動機構、制御部(制御ユニット)、および、ディスプレイ等。
ここで、これらの構成要素は、薬液注入装置を構成するいずれの機器に備えられていてもよい。すなわち、薬液注入装置が注入ヘッドおよびコンソール等を備える場合には、(i)注入ヘッドにピストン駆動機構が備えられ、コンソールに制御ユニットとディスプレイとが備えられてもよいし、(ii)注入ヘッドとコンソールの双方に制御ユニットが設けられもよいし、(iii)注入ヘッドとコンソールの双方にディスプレイが設けられもよい。このような制御部(制御ユニット)が、例えば、CTスキャナ、MRI装置、PET装置、超音波診断装置、血管造影撮像装置のような撮像装置の一部として設けられていてもよい。
「注入ヘッド」は、シリンジを保持するシリンジ保持部と、そのシリンジのピストンを前進および/または後退させるピストン駆動機構を有する。シリンジの装着方法としては、主に、(i)シリンジ保持部が、ヘッド上面の半円柱状の凹部として形成されそこにシリンジがセットされるいわゆるサイドローディングのタイプと、(ii)シリンジ保持部がヘッド前面に形成されシリンジの基端部が保持されるいわゆるフロントローディングのタイプとがある。本発明の一形態においては、いずれのタイプの注入ヘッドをも含む。
薬液注入装置は、次のようなもののうち1つまたは複数を有してもよい:1つまたは複数の圧力センサ、1つまたは複数のシリンジ検出センサ(磁石センサ、ホールセンサ等)、1つまたは複数の傾斜センサ、1つまたは複数のロータリエンコーダ、および、1つまたは複数のモータ電流検出器、等。
・圧力センサ:圧力センサは、例えばピストン部材を押す圧力を検出するためのものであり、これにより、薬液の圧力推定値を求めることができる。圧力センサは、一例でロードセルであってもよい。ロードセルは、ピストン駆動機構のラム部材がピストン部材を押す圧力を検出できるような位置に設けられていればよい。ロードセルの検出結果を利用して、例えば、薬液を注入しているときの薬液の圧力の推定値を求める場合、その算出は、注入回路の抵抗(例えば針のサイズ等)、薬液の濃度、注入条件なども考慮して行われてもよい。他の態様では、薬液の圧力を直接的に検出する圧力センサなどを有していてもよい。
・シリンジ検出センサ:シリンジ検出センサは、シリンジ、アダプタ、および/または保護ケースが装着されたか否かを検出する、あるいは、どのような種類のシリンジ、アダプタ、および/または保護ケースが装着されたかを判定するのに用いられるものである。このようなセンサとしては、接触式または非接触式のいずれであってもよく、例えば次のようなものを利用できる:物理的な接触を利用した接触センサ、電気的に対象物を検出する電気センサ、磁気センサ、ホールセンサ、光センサ、近接センサ、等。
・傾斜センサ:傾斜センサは、注入ヘッドの傾きを検出する。一般に、この種の注入ヘッドは、その前端側(つまりシリンジ側)が上方となるような姿勢でシリンジ内への薬液吸引が実施される。一方、薬液注入は、注入ヘッドの前端側が相対的に下方となるような姿勢(先端側をやや下に向けた姿勢)で実施される。傾斜センサの検出結果を用いることで、例えば、望ましくない姿勢での薬液吸引または薬液注入することを防止することも可能である。
・ロータリエンコーダ:ピストン駆動機構のモータや送りネジの回転数および/または回転方向を検出するためのロータリエンコーダ等が設けられていてもよい。
・モータ電流検出器:ロードセル等を用いずモータ電流に基づいて薬液の圧力推測値を算出することも可能である。この方式においては、モータ電流検出器により、モータの動作中、モータ電流を監視し、そのモータ電流に基づいて薬液の圧力推定値を求める。
薬液注入装置は、さらに、次のようなもののうち1つまたは複数を有してもよい:1つまたは複数のヘッドディスプレイ、1つまたは複数のヘッド状況表示部、1つまたは複数の物理ボタン、1つまたは複数のRFID通信デバイス、1つまたは複数のデータレシーバ、1つまたは複数のデータトランスミッタ等。
・ディスプレイ:所定の情報を表示するためのディスプレイが注入ヘッドに設けられていてもよい。ディスプレイは、例えば、注入ヘッドの筐体の一部に設けられていてもよい。あるいは、筐体とは別体に用意されたサブディスプレイであってもよい。ディスプレイは、LCD(Liquid
Crystal Display)や有機EL(Organic Electro−Luminescence)ディスプレイ等を利用した表示部であってもよいが、LED(Light
Emitting Diode)を利用した表示部であってもよい。このディスプレイに表示される内容としては、特に限定されないが、次のようなものであってもよい:注入動作中の所定の状態表示、注入予定の薬液注入条件、注入された薬液注入条件、薬液注入量、薬液圧力、注入速度、等。
例えば、注入ヘッドの筐体の一部に、注入ヘッドの所定の状態を操作者に知らせるための所定の発光部が設けられていてもよい。光源としては、一例でLED(Light
Emitting Diode)等を利用できる。このような発光部は、ヘッド状況表示部としての機能を有し、発光色や発光パターンを変化させることにより、注入ヘッドの種々の状況を操作者に知らせることができる。
・物理ボタン:物理ボタンとしては、特に限定されないが、次のようなものであってもよい。ラム部材を前進させるための前進ボタン、ラム部材を後退させるための後退ボタン、前進ボタンまたは後退ボタンと同時に押すことでラム部材の移動速度を早くするアクセラレータボタン、および、ヘッドの動作を停止させる停止ボタン等。これらの物理ボタンは注入ヘッドの筐体の上面、側面、下面、後端面等に適宜配置可能である。二筒式の注入ヘッドの場合、一方のピストン駆動機構のための物理ボタンの配置と、他方のピストン駆動機構のための物理ボタンの配置とが非対称となっていてもよい。
・RFID通信デバイス:シリンジ、アダプタ、または保護カバーにICタグなどのデータ保持手段が付されている場合には、同タグの情報を読み取る無線通信デバイスが設けられていてもよい。この無線通信デバイスは、単にICタグからデータの読取りを行うRFIDリーダであってもよいし、または、ICタグにデータの書込みを行うことも可能なRFIDリーダ/ライタであってもよい。
・データレシーバ:データレシーバは、有線または無線により、外部から注入ヘッドに対して送信されたデータを受けるためのものである。データレシーバは、一例で、次のようなデータを外部から受けるようになっていてもよい:撮像装置によって生成された任意のデータ病院システムによって生成された任意のデータ、等。
・データトランスミッタ:データトランスミッタは、有線または無線により、注入ヘッド等から外部に対して所定のデータを送り出すためのものである。データレシーバおよびデータトランスミッタの通信プロトコルは、通信の相手方である他の機器との通信方式を考慮して適宜好適なものを採用すればよい。なお、外部機器との通信を行うデータトランスミッタ等はコンソールまたはその他の機器に設けられていてもよい。データトランスミッタにより注入ヘッドから外部に送信可能なデータとしては、次のようなものの1つまたは複数であってもよい:使用された造影剤の名称等(造影剤識別情報)、造影剤の注入総量、造影剤の注入時間、造影剤の注入圧力、造影剤の注入速度、設定した注入プロトコル等。また、次のようなものの1つまたは複数:患者の識別情報(例えば患者ID)、検査識別情報(例えば検査ID)、撮像時刻に関する情報、等。このような情報は、上述した造影剤に関する情報と組み合わせて送信されてもよい。
注入ヘッドおよびコンソールは、外部機器と通信を行うための通信部が設けられている。この通信部を介して外部機器から入力された注入条件に応じて、造影剤の注入量や注入の速度等を調節するようにピストン駆動機構が動作制御されるように構成されていてもよい。
・異常検出について:上記のような各種センサを利用して、次のようなもののうち1つまたは複数の注入異常を検出可能に構成されていることが好ましい。
−ピストン駆動機構が正常に動作しないことによる注入異常、
−シリンジが注入ヘッドに正常に搭載されていないことによる注入異常、
−シリンジ内に注入動作を行うに足りる造影剤が残存していないことによる注入異常、
−カテーテルや注射針が患者に正常に挿入されていないことによる注入異常
−薬液経路の途中でキンクが生じているなどに起因した注入異常、
−検出される薬液の圧力値が所定の範囲(上限および下限を有する所定範囲、または、所定の上限リミット、所定の下限リミットなど)にないという注入異常、等。
−薬液注入時、例えば、薬液経路が詰まったりしている場合には、ピストン駆動機構の駆動力が所定範囲を上回ることとなる。他方、注入針が患者から抜けているような場合には、駆動力が所定範囲を下回ることとなる。このような駆動力の変化をみることによって、薬液が正常に注入されているか否を検知できる。
−センサにより、所定量の薬液が正常に装填されていないことが検知された場合、その検知結果が通信部から外部に送信されてもよい。
−その他、例えば、延長チューブの途中に圧力を測定する圧力センサを設け、薬液が所定の圧力で注入されているかを検知してもよい。
(グラフィカル画像/グラフィカル・ユーザ・インターフェースについて)
薬液注入や条件設定に関し、次のような画面が表示されるようになっていてもよい。別の言い方をすれば、システムが次のようなグラフィカル画像を有する、または、そのようなグラフィカル画像が記憶された記憶デバイスを有していてもよい。
・「セルフチェック画面」は、電源起動直後にヘッドのセルフチェック結果の表示を行うための画面である。
・「キャリブレーション画面」は、タッチパネルのキャリブレーションを行うための画面である。
・「サービスメンテナンス画面」は、必要に応じてコンソール設定の変更を可能とする画面である。
・「部位選択画面」は、各部位に登録されているプロトコルを選択するための画面である。
・「注入条件設定画面」は、プロトコルの注入条件を設定するための画面である。

・「設定確認画面」は、注入直前に注入条件を確認し注入条件の微調整を行うための画面である。
・「注入画面」は、注入中の圧力を表示するための画面である。
・「プロトコル設定画面」は、プロトコルを作成、編集するための画面である。

・「環境設定画面」は、操作者が調整できる機能設定項目を表示する画面である。
・「注入結果画面」は、注入結果を表示するための画面である。
(II.撮像装置の一般的説明)
撮像装置としては、例えばX線CTスキャナ等であってもよく、一般的には、撮像部(一例でガントリ)と、患者を載せるベッド(寝台)と、それらの動作を制御する動作制御部と、透視撮像データを収集処理するデータ収集部と、全体の動作を制御するメインコントローラ等を有している。メインコントローラは、例えばコンソールとして設けられることもある。撮像装置は、また、所定の情報を表示する1つまたはそれ以上のディスプレイを有することもある。CTスキャナの場合、ガントリの内部には、X線管やコリメータ等を有しX線を患者に向けて照射するX線照射部と、患者を透過したX線の検出を行う検出部等が配置される。X線照射部および検出部は、それらの位置関係を保ったまま患者の体軸の周りを回転しながらスキャンを行い、データ収集部によって透視撮像データ(投影データ)の収集が行われる。ベッドは、例えばモータを駆動源として移動可能に構成され、その移動動作は動作制御部によって制御される。
撮像装置と薬液注入装置との間、撮像装置のその他の機器との間、薬液注入装置とその他の機器との間といった、機器間の通信プロトコルとしては種々のものを利用でき、例えば、CANopen、HL7、DICOM等のプロトコルが挙げられる。
本発明によれば、1つの薬液注入装置で様々な注入プロトコルの設定方式を利用することができ、しかも注入プロトコルを簡単にかつ多様に作成することができる薬液注入装置等が提供される。
薬液注入装置の全体構成を模式的に示すブロック図である。 薬液注入装置の制御部の構成の一部を示すブロック図である。 注入プロトコルの設定および薬液注入等の手順を示すフローチャートである。 画面に表示される設定用初期画面の一例を示す図である。 画面に表示されたポップアップ画面の一例を示す図である。 注入グラフ上に作成された注入パターンの一例を示す図である。 注入グラフ上に作成された注入パターンの他の例を示す図である。 注入グラフ上に作成された注入パターンのさらに他の例を示す図である。 注入グラフ上に作成された注入パターンの別の例を示す図である。 注入グラフ上に作成された注入パターンのさらに別の例を示す図である。 注入グラフの他の表示態様の例を示す図である。 パラメータと変更と注入プロトコルとの関連を示す図である(体重またはヨード量の変更)。 パラメータと変更と注入プロトコルとの関連を示す図である(可変定数の変更)。 パラメータと変更と注入プロトコルとの関連を示す図である(注入時間の変更)。 パラメータと変更と注入プロトコルとの関連を示す図である(初速度の変更)。 注入パターンの自動的修正の一例を示す図である。 薬液注入装置の一実施形態を示す斜視図である。 シリンジの他の例を示す斜視図である。 シリンジのさらに別の例を示す斜視図である。 延長チューブの他の例を示す図である。 天井懸垂型の保持アームの一例を示す図である。 サブディスプレイの一例を示す図である。 本発明の一形態に係る延長チューブを模式的に示す図である。 図10Aの延長チューブに使用されるミキシングデバイスの斜視図である。 図10Aの延長チューブに使用されるミキシングデバイスの断面図である。 設定した注入条件を確認するための画面の一例を示す図である。 病院システムの模式図である。 注入パターンを変更するためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースの一例を示す図である。 注入パターンを変更するためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースの他の例を示す図である。 本発明の一形態に係るコンピュータシステムの一例のブロック図である。 撮像装置側のコンソールで条件設定を行うシステムの模式図である。
本発明の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の薬液注入システム1000は、図1に示すように、患者に薬液として少なくとも造影剤を注入する薬液注入装置100と、患者の透視画像を撮像する撮像装置300とを備えている。薬液注入装置100は、具体例については後述するが、可動式スタンドの上部にもしくは天井懸垂型アームの一部に保持された注入ヘッド110と、それに接続されたコンソール150と、を備えている。注入ヘッド110には、2つのシリンジ200C、200Pが並列に取外し自在に装着されてもよい。なお、注入ヘッドとコンソールとは無線方式で接続されていてもよい。
なお、本発明においては注入ヘッドやコンソールの具体的構成は特に限定されるものではないが、一実施形態としての具体例については、他の図面を参照しつつ後述するものとする(図7〜図9Bを参照)。
以下の説明では、シリンジ200C、200Pを区別せずに単に「シリンジ200」ということもある。「注入ヘッド」は、インジェクタまたはインジェクションヘッドなどとも呼ばれる。また、以下の説明では、図面に表された1つの具体的な形態に基づいて説明を行うが、薬液注入装置やシリンジ等については下記に説明するもの以外にも種々変更可能である。
〔A1.シリンジ〕
シリンジ200C、200Pに充填される薬液としては、造影剤および生理食塩水などが挙げられる。例えば、一方のシリンジ200Cに造影剤が充填され、もう一方のシリンジ200Pに生理食塩水が充填されていてもよい。
シリンジ200は、中空筒状のシリンダ部材221と、そのシリンダ部材221にスライド自在に挿入されたピストン部材222とを有している。シリンダ部材221は、その基端部にシリンダフランジ221aが形成されるとともに先端部に導管部221bが形成されたものであってもよい。ピストン部材222をシリンダ部材221内に押し込むことにより、シリンジ内の薬液が導管部221bを介して外部に押し出される。
各シリンジ200の導管部221bには、延長チューブ230が連結される。延長チューブ230は、いわゆるT字管またはY字管であってもよく、一方のシリンジ200Cの導管部221bから分岐部まで延びるチューブ231aと、他方のシリンジ200Pの導管部221bから分岐部まで延びるチューブ231bと、分岐部から患者に向けて延びるチューブ231cとを有するものであってもよい。チューブ231cの先端側(不図示)には例えば注入針が接続される。この注入針を患者の血管に穿刺して、シリンジ200Cおよび/またはシリンジ200P内の薬液を押し出すことで血管内に薬液が注入される。なお、シリンジは予め薬液が充填されたプレフィルドタイプであってもよいし、空のシリンジに薬液を吸引して使用する吸引式のものであってもよい。
シリンダ部材221の一部にICタグ225が付されていてもよい。このICタグ225には下記の情報の少なくとも1つが記憶されていてもよい:
−シリンジに関する情報(シリンジの識別情報、シリンジの耐圧、シリンダ部材の内径、およびピストン部材のストローク等のうち1つまたは複数)、
−該シリンジに充填された薬液の情報(名称(例えば製品名)、ヨード量などの成分情報、消費期限、および薬液容量等のうち1つまたは複数)。
ICタグは、そのタグに固有のユニークIDを有していてもよい。ICタグは、シリンジサイズ、シリンジの製造番号、および薬剤標準化コードから選ばれる少なくとも1つの情報を有していてもよい。なお、ICタグ225としては、例えば、RFID(Radio frequency identification)タグを利用することができる。ICタグ225を貼り付ける位置としては、一例で、シリンダ部材221の外周面であってもよく、具体的には、外周面のうちシリンダフランジの付近であってもよい。
〔A2.注入ヘッド〕
注入ヘッド110は、一例として前後方向に長く延びるような筐体を有しており、この筐体の上面先端側に、それぞれシリンジ200C、200Pが載せられる2つの凹部が形成されたものであってもよい。凹部はシリンジ保持部として機能する部分である。凹部に対しては、シリンジ200が直接装着されてもよいし、または、所定のシリンジアダプタを介して装着されてもよい。
注入ヘッド110は、また、シリンジ200のピストン部材222を押し込む機能を少なくとも有するピストン駆動機構130を有している。ピストン駆動機構130は二系統設けられており、各機構130は独立して動作する。ピストン駆動機構130は、例えばシリンジ内への薬液吸引のために、ピストン部材222を後退させる機能を有するものであってもよい。2つのピストン駆動機構130は同時に駆動されてもよいし、別々のタイミングで駆動されてもよい。
ピストン駆動機構130は、詳細な図示は省略するが、駆動モータ(不図示)と、その駆動モータの回転出力を直線運動に変換する運動変換機構(不図示)と、その運動変換機構に連結され、ピストン部材222を前進および/または後退させるシリンジプレッサー(ラム部材)とを有するものであってもよい。このようなピストン駆動機構としては、薬液注入装置で一般に用いられる公知の機構を用いることができる。なお、モータ以外のアクチュエータを駆動源としてもよい。
典型的なピストン駆動機構の動作としては、次のようなものが挙げられる:薬液注入(ラム部材の前進)および薬液吸引(ラム部材の後退)。「薬液注入」では、所定のモータ制御信号にしたがってモータを動作させラム部材を前進させることにより、設定された注入プロトコル(注入条件)に従った薬液注入を行う。「薬液吸引」では、所定の制御信号にしたがってモータを動作させピストン部材を後退させることにより、シリンジ内に薬液を吸引する。なお、プレフィルドシリンジの場合には、薬液吸引は実施しなくてよい。
ピストン駆動機構130は、シリンジプレッサーがピストン部材220を押圧する力を検出するためのロードセル(不図示)を有していてもよい。ロードセルの検出結果を利用して、例えば、薬液を注入しているときの薬液の圧力の推定値を求めることができる。この推定値の算出は、針のサイズ、薬液の濃度、注入条件なども考慮して行われる。他にも、ロードセル(不図示)を用いるのではなく、駆動モータ(不図示)のモータ電流に基づいて圧力の算出を行うものであってもよい。
シリンジにICタグ225が付されている場合には、注入ヘッド110は、図3に示すように、同ICタグ225の情報を読み取るおよび/または同ICタグ225に情報を書き込むリーダ/ライタ145を有していてもよい。このリーダ/ライタ145は、シリンジ200が装着される凹部120aに設けられていてもよい。なお、リーダ/ライタ145は、ICタグ225の情報を読み取る機能のみを有するものであってもよい。
注入ヘッド110は、図3に示すように、ピストン駆動機構130やリーダ/ライタ145の動作を制御するための制御部144を有していてもよい。また、例えば、ICタグ225から読み取られた情報を一時的に記憶する記憶部146を有していてもよい。
注入ヘッド110の筐体の上面および側面には、注入ヘッド110に各種動作を行わせるための複数の物理ボタンも設けられている。これらの物理ボタンの一部は、例えば、所定の情報を術者に知らせるために発光するように構成されていてもよい。
〔A3.スタンド等のヘッド保持機構〕
注入ヘッド110を保持するための可動式のスタンドや、天井懸垂型の保持アームについては、他の図面を参照して後述する。
〔A4.コンソール〕
コンソール150は、検査室に隣接した操作室内に置かれて使用されるものであってもよい。コンソール150は、所定の画像を表示する表示ユニット151と、その筐体前面に設けられた操作パネル159と、筐体内に配置された制御回路(詳細下記)等を有している。操作パネル159は、1つまたは複数の物理ボタンが配置された部分であり、ユーザによって操作される。
表示ユニット151は、タッチパネル式ディスプレイであってもよいし、単なるディスプレイであってもよい。コンソール150は、音および/または音声を出力するためのスピーカ等(不図示)を有していてもよい。
コンソール150は、図1のブロック図では、接続されている各部の動作を制御する制御部153と、種々のデータが記憶される記憶部154とを有するものとして描かれている。コンソール150は、注入ヘッド110との接続のためのインターフェースと、撮像装置との接続のためのインターフェース(不図示)とを有していてもよい。コンソール150は、コンソールに有線または無線で接続されユーザの手元で操作されるハンドユニット157(図1では入力装置157)を有していてもよい。図1では図示していないが、コンソール150は情報記憶媒体が接続されるインターフェースを有していてもよく、具体的には、コンソール150の筐体前面、側面、または背面に配置されたスロット等を有していてもよい。
(コンソールの制御部構成)
制御部153は、メモリやプロセッサ等を有し、コンピュータプログラムにしたがって種々の処理を行うものであってもよい。このようなコンピュータプログラムはコンソールが有する所定の記憶領域に予め記憶されたものであってもよいし、ネットワーク等を通じて外部からダウンロードされ所定の記憶領域に記憶されるものであってもよいし、あるいは、スロットに挿入された情報記憶媒体から読み取られるものであってもよい。
制御部153は、一例として、図5に示すように、設定画面表示部153a、注入プロトコル作成部153b、注入制御部153c、履歴生成部153d、および履歴出力部153eを含んでいてもよい。
設定画面表示部153aは、注入プロトコルを設定するための画面、具体的には、後述するような設定用初期画面360(図4A参照)を表示させる機能に相当するものであってもよい。設定画面表示部153aは、詳細は後述するが、表示ユニット151に、複数の注入プロトコル設定モードの中から1つを選択するためのモード選択用表示部363を少なくとも含む設定用初期画面360を表示させる機能に相当するものであってもよい。設定用初期画面360等に関するデータは、薬液注入装置、撮像装置、病院システムまたはその他のコンピュータの記憶装置内に格納されていてもよい。
プロトコル作成部153bは、例えば、ユーザによる表示ユニット151のタッチパネル等への入力操作を受け付け、その内容が反映された注入プロトコルを作成する機能に相当するものであってもよい。このようにユーザによって入力される条件としては、例えば、薬液の種類、薬液の注入速度、薬液の注入量、患者の身体情報、撮像を行う患者の身体区分、および撮像部位などから選ばれる少なくとも1つであってもよい。
具体的には、プロトコル作成部153bは、後述するように、
−所定の注入プロトコル設定モードが選択された後、縦軸および横軸の一方が注入速度で他方が注入時間であり少なくとも1つのフェーズを含む注入グラフ361への操作者からの注入パターンの入力を受け付ける注入パターン入力受付部と、
−注入グラフ361上に入力された注入パターンに基づいて薬液の注入プロトコルを作成する注入プロトコル生成部と、
−画面上にポップアップ画面371を表示させるポップアップ画面表示部と、
−プロトコルの変更を受け付けてその内容を反映させるプロトコル変更処理部、等を有するものであってもよい。
換言すれば、コンソールのコンピュータシステムは、
−所定の注入プロトコル設定モードの選択を受け付け、
−縦軸および横軸の一方が注入速度で他方が注入時間であり少なくとも1つのフェーズを含む注入グラフを表示させ、
−その注入グラフへと操作者からの注入パターンの入力を受け付け、
−注入グラフ上に入力された注入パターンに基づいて薬液の注入プロトコルを作成し、
−画面上にポップアップ画面(詳細下記)を表示させ、
−プロトコルの変更を受け付けてその内容を反映させる、
ようにプログラミングされており、かつ、それに必要なグラフィカル・ユーザ・インターフェースのデータを有しているかまたは外部から取得するように構成されている。
注入制御部153cは、作成された注入プロトコルにしたがってピストン駆動機構130の動作を制御する機能に相当するものであってもよい。注入制御部153bは、ピストン駆動機構130の一方のみを動作させること、および、両方を同時に動作させることを行うものであってもよい。
履歴生成部153dは、注入履歴データを生成する機能に相当するものであってもよい。「注入履歴データ」としては、例えば、注入作業ごとに固有の識別情報である注入作業ID、注入開始および終了の日時、薬液注入装置の識別情報、前述の注入条件である薬液や撮像部位の識別情報などであってもよい。これらはテキストデータであってもよい。また、横軸と縦軸との一方が経過時間で他方が注入速度の経時グラフの画像データなどであってもよい。
履歴出力部153eは、注入履歴データを外部に送信する機能に相当するものであってもよい。具体的には、外部の所定の機器および/またはネットワークにデータを送信するものであってもよい。シリンジのICタグから取得した、または操作者によって手動で入力された、または外部ネットワーク等から入力された薬液の情報やシリンジの情報が、薬液注入装置から病院内の医療情報システムに送信され、例えば会計処理機能を備えるシステムが、その情報に基づいて会計処理を行うようなシステム構成も可能である。
記憶部154には、例えば、表示ユニット151に表示される画像のデータなどが記憶されていてもよい。また、注入条件を設定するための計算式などを含むアルゴリズムや、注入プロトコルのデータが記憶されていてもよい。注入速度は、一定であってもよいし、時間とともに変化するものであってもよい。造影剤と生理食塩水とを注入する場合、それらの薬液をどのような順序で注入するかといった情報も、注入プロトコルに含まれる。
なお、このような注入プロトコルに関する情報は、インターフェース端子(不図示)を介して接続された外部機器から入力されてもよい。また、コンソール150がスロット(不図示)を有し、そこに差し込まれ情報部記憶媒体をから入力されてもよい。
〔A5.撮像装置〕
撮像装置300は、例えばX線CTスキャナ、MRI装置、またはアンギオグラフィ装置、PET装置、超音波診断装置などであり、図3に示すように、患者の透視画像を撮像する撮像部303bと、患者を載せるベッド304と、それらの動作を制御する制御部303aとを有するものであってもよい。
注入ヘッドおよびコンソール等の構成に関し、下記のような変更がなされてもよい:
(a1)注入ヘッド110とコンソール150とは、ケーブルで接続されてもよいが、前述のとおり、無線方式の通信ユニット等を介して接続されていてもよい。この場合、通信ユニットは、注入ヘッド110に外付けされてもよいし、内蔵されてもよい。同様に、通信ユニットは、コンソール150に外付けされてもよいし、内蔵されてもよい。
(a2)上記では2つのシリンジが装着される注入ヘッドを示したが、1つの注入ヘッドのみが装着される注入ヘッドとしてもよい。
(a3)薬液注入装置100は、CT検査用に限らず、MR検査用、アンギオグラフィ検査用、PET検査用、超音波診断用等のものであってもよい。
(a4)造影剤の注入パターンとしては、注入速度を直線的に低下させ以後は注入速度を一定に維持する可変パターン、および/または、注入速度を直線的に低下させ以後は再び注入速度を直線的に増加させる可変パターンを使用することもできる。さらに、それらの第2フェーズを省略したものを使用してもよい。
(a5)上記では、例えば図1に示すように、注入ヘッドとコンソールとが別体に構成された薬液注入装置を示した。しかしながら、下記のような薬液注入装置としてもよい:
−注入ヘッドとコンソールとが一体となったような薬液注入装置、換言すれば、1つの装置で、注入プロトコルの設定、薬液注入中の各種状態の表示、およびピストン駆動機構の動作制御等を行うことができるような薬液注入装置。
−注入ヘッドとコンソールとが1つの筐体として一体となったような上記薬液注入装置において、さらに、別体のバッテリーユニットを備える薬液注入装置。このようなバッテリーユニットはAC電源であってもよく、また、検査室の任意の個所に据え置かれてもよいし、可動式スタンドの一部に保持されるものでもよい。
−例えば有線または無線のリモートコントローラを用いて、検査室の外部から薬液注入装置の所定の動作をコントロール可能な薬液注入装置。この場合、無線の方式としては、赤外線を用いる方式であってもよいし、無線LAN、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等を用いるものであってもよい。
−コントロールされる動作としては、例えば、装置の電源オン/電源オフ等をはじめとしてどのようなものであっても構わない。他の例としては、注入ヘッドの任意の動作の開始および/または停止がリモートコントローラでコントロールされてもよい。
−注入ヘッドとコンソールとが別体であるが、注入ヘッドにサブディスプレイが設けられた薬液注入装置。
−コンソールを小型化したようなコントロールユニット(例えば1つまたは複数のボタンおよび/またはディスプレイを有するようなものであってもよい)が、注入ヘッドの近傍に配置された薬液注入装置。例えばこのようなコントロールユニットは、注入ヘッドと一緒に可動式スタンド上に保持される。または、例えばこのようなコントロールユニットは、注入ヘッドと一緒に天井懸垂式のアームに保持される。または、注入ヘッドにと一体化される。
(a6)薬液注入装置は、注入ヘッドの制御部144が図2の各部153a、153b、153cの機能のうち少なくとも1つを有するものであってもよい。すなわち、本発明における、画面表示機能および注入プロトコル作成機能を担う「制御部」は、その配置位置はとくに限定されるものではなく、注入ヘッド内の制御部であってもよいし、コンソール内の制御部であってもよいし、またはそれらの組合せであってもよい。
(b1−1)注入プロトコルを設定するための設定画面(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)がコンソールのディスプレイに表示される構成に加え、次のような構成も採用できる。
−注入ヘッドがサブディスプレイを有し、そこにプロトコルを設定するための上記のような設定画面(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)が表示される。この場合、制御部153に相当するものを注入ヘッド110が内蔵していてもよい。換言すれば、本発明における「薬液注入装置」には、コンソール150の機能の少なくとも一部が注入ヘッド110に組み込まれたようなものも含まれる。
(b1−2)あるいは、撮像装置が有するディスプレイに、プロトコルを設定するための上記のような設定画面が表示されてもよい。すなわち、この場合、撮像装置が、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを提供することとなり、操作者はこのインターフェース経由で条件の設定を行うことができる。そして、このようにして撮像装置側で設定された条件のデータが、薬液注入装置に対して有線または無線でデータ送信され、撮像装置側から設定が行われるようになっていることも好ましい。
(b1−3)上記のような構成を実現するためにシステム内の任意の機器(例えば、薬液注入装置、撮像装置、データベースサーバ、またはその他のコンピュータシステム)にプロトコルを設定するための上記のような設定画面(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)のデータを保有することができる。
〔A6.注入動作の一例〕
本実施形態の薬液注入装置は、一例として次のように動作するものであってもよい:
まず、薬液注入装置100の電源がオンの状態で、ユーザは、注入ヘッド110にシリンジ200P、200Cを装着する。シリンジ200P、200Cの装着後、ユーザは、一例で、延長チューブ230を介してシリンジ200P、200Cに延長チューブを接続し、延長チューブの先端に設けられている注入針(不図示)を患者に穿刺する。
その後、一例として、ユーザがコンソール150の所定のボタンを操作すると、表示ユニット151に注入プロトコル設定用の1つまたは複数の画面が表示される。この画面では、次のようなパラメータの少なくとも1つが入力、選択、または変更されるようになっていてもよい:
−撮像の対象である身体区分
−撮像の対象である部位(撮像部位という)
−患者の体重などの情報
−注入する薬液の種類、等
これらのパラメータを選択するための画像は順次あるいは一括して表示されてもよい。上記のようなパラメータの入力、選択、または変更は、装置の機能によって自動的になされるものであってもよいし、ユーザの操作によりなされるものであってもよい。
パラメータの入力が完了したら、ユーザは画面上の所定のボタン(例えば確認ボタン)を押す。注入プロトコルを作成する場合には、画面に表示された注入プロトコル作成用の画像に従い、例えば、(i)予め用意された幾つかの基本パターンのうち1つを選択し、その内容を確認もしくは必要に応じて変更する、(ii)画面上に表示された注入グラフ内に幾つかの基準点をプロットしていくことにより任意の注入プロトコルを作成する、等の方式によって行うことができる。
なお、(ii)の方式については、他の図面を参照して後述するものとする。注入グラフ上に基準点をプロットしていくための操作としては、グラフ内の任意の位置(または、グラフ内の任意の格子点)に直接タッチして基準点を作成していく方式や、あるいは、所定のポップアップ画面の操作を経て基準点を作成していく方式等を採用しうる。
薬物動態解析を用いた造影剤の濃度変化推測方法を使って造影剤の濃度の予測を行いつつ、薬液の注入パターンを作成することも可能である。薬物動態解析を行うためには、患者および造影剤の注入条件(例えば、身長、体重、性別、心拍出量、造影剤濃度、注入速度、注入量等の少なくとも一部)を変化させたときの大動脈(右心、左心、動脈、肺循環、全身循環などであってもよい)の時間造影曲線の変化を推測することができるシミュレーションソフトウェア等を利用して実施可能である。また、1mgI/mlのCT値(HU)も設定してもよい。変化させる注入条件としては、体重当りのヨード量や時間当り体重当りのヨード量などであってもよい。
−上記シミュレーションソフトウェアにおける諸条件をPACS、HIS、RIS、撮像装置、ワークステーション等と双方向にデータ通信して入力、出力するようにしてもよい。
−撮像装置が複雑な注入プロトコルを取得したり、撮像装置が注入プロトコルを設定したり、CT値を見ながら速度および/または量を変更してもよい。
機器どうしの接続やネットワークへの接続、情報送信などに関し、次のような規格のいずれかまたは複数を利用してもよい:
−CANopen規格、
−医療情報交換の標準規格であるHL7規格、
−DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格、等。
注入プロトコルが作成されたら、ユーザにより所定の注入開始操作がなされた後、その注入プロトコルに基づいてピストン駆動機構130が動作制御され、患者への薬液注入が行われる。
〔B1:注入プロトコルの設定〕
次に、本実施形態の薬液注入装置100での注入プロトコルの設定の一例について、図3および図4A〜図4Hを参照しながら説明する。図3は、注入プロトコルの設定手順等の一例を示すフローチャートである。図4A〜図4Hは、コンソール150の表示ユニット151に表示される画面の一例である。
まず、例えば、操作者がコンソール150に対して所定の入力操作を行うことにより、図4Aに示すような画面360が表示ユニット151に表示される(ステップS1)。この画面360は、基本的には、複数の注入プロトコル設定モードの中から1つを選択するためのものであり以下の説明では設定用初期画面360ともいう。このステップでは、コンソールが不図示の記憶装置から設定用初期画面360のデータを読み出し、その画像をディスプレイに表示させる。
なお、図4Aの画面では既に注入グラフ361(詳細下記)が表示されているが、この注入グラフ361は例えばモード選択用アイコン363(詳細下記)を選択した後に出現するようになっていてもよい。
ここで、図4Aの設定用初期画面360の各表示について説明する。この画面では、プロトコル作成用の注入グラフ361が表示されている。注入グラフ361は、横軸が経過時間で縦軸が注入速度である。この例では、縦軸に関しては、速度が5.0ml/secまで表示されており(一例で、1.0ml/secごと)、また、横軸に関しては、5つのフェーズが含まれるような態様が示されている。
なお、当然ながら、表示されるフェーズ数は5つに限らず、1つ、2つ、3つ、4つ、または、6つ以上であってもよい。縦軸の速度に関する目盛りおよび横軸のフェーズの表示態様は適宜変更しても構わない。なお、この例では、縦軸が速度で横軸が時間であるが、縦軸が時間で横軸が速度のような表示としてもよい。
図4Aの画面において、注入グラフ361の上方(一例)に、種々のアイコン361a、361b、362a、362b、363〜366が表示されている。なお、画面に表示される全てまたは一部のアイコンは、それぞれの表示箇所をタッチペンあるいは操作者の指等でタッチすることで、または、画面上のカーソル等で、選択可能である。
図面に例示されたアイコンまたはその他の表示要素は全てが必須ではなく、適宜省略可能である。
アイコン361a、361bは、それぞれ造影剤、生理食塩水を示しており、一例で、造影剤が「A」で表され、生理食塩水が「B」で表されている。アイコン361a(造影剤)を選択している状態では、注入グラフ361内で、造影剤の注入パターンを作成可能となる。アイコン361b(生理食塩水)を選択している状態では、注入グラフ361内で、生理食塩水の注入パターンを作成可能となる。言い換えれば、これらのアイコン361a、361bは、造影剤と生理食塩水のうちいずれについての作業を行うかを選択するためのものである。
アイコン362a、362bは、所定の注入プロトコルの基本パターンを表示するためのものである。このような、注入プロトコルの基本パターンを表示するためのアイコンの数は、選択可能な注入プロトコルの数に合わせて適宜変更可能であり、3つ以上のこの種のアイコンが表示されるようになっていてもよい。また、このアイコンに、どのような注入プロトコルであるかを視覚的に容易に認識できるようにするための画像(例えば当該プロトコルの形状を簡略化したような画像)を表示するようにしてもよい。また、1つのアイコンをタッチすることで、2つまたは3つ以上の注入プロトコルの候補が順次表示されるようになっていてもよい。
なお、注入プロトコルの基本パターンを表示させるための操作としては、上記のようなアイコンをタッチするのではなく、例えば所定の文字情報を入力したり、マウス等を操作してカーソルで所定の対象画像を選択したりするものであってもよい。
モード選択用アイコン363は、基本的には、操作者が手動で任意の注入パターン(注入プロファイル)を作成するためのものである。その場合の、注入プロトコル設定モードを選択するためのものがこのアイコン363である。注入プロトコルの設定モードとしては、(i)フローレートモード、(ii)標準・体重入力モード、(iii)心臓・体重入力モードなどが挙げられる。それぞれの詳細については後述するものとする。モード選択用アイコン363を押すと、これらのうちの少なくとも2つ、好ましくは3つが順次切り換わるようになっていてもよい。
アイコン364は、患者の体重を表示しており、ここでは一例として「60」Kgとなっている。限定されるものではないが、アイコン364を押すと所定のポップアップ画面(不図示)またはプルダウン画面(不図示)が表示され、その画面内のテンキーもしくは増減用ボタンを押すことで、体重を変更できるようになっていてもよい。
アイコン365は、患者の体重当りのヨード量を表示しており、ここでは一例として「450」mgI/Kgとなっている。この450mgI/Kgという数値は、標準・体重入力モードにおけるヨード量の一例である。心臓・体重入力モードの場合には例えば24.5mgI/Kg/sec等の表示がされてもよい。
限定されるものではないが、上記同様、アイコン365を押すと所定のポップアップ画面(不図示)またはプルダウン画面(不図示)が表示され、その画面内のテンキーもしくは増減用ボタンを押すことで、この数値を変更できるようになっていてもよい。
アイコン366は、圧力リミット値を表示するものであってもよく、一例として「10.0」Kg/cmなどと表示されていてもよい。限定されるものではないが、上記同様、アイコン365を押すと所定のポップアップ画面(不図示)またはプルダウン画面(不図示)が表示され、その画面内のテンキーもしくは増減用ボタンを押すことで、この数値を変更できるようになっていてもよい。
画面には、上記アイコンの他にも、被験者のID、体重以外の等の患者情報や、撮像部位といった情報を表示させることもできる。また、所定の削除ボタンが表示され、この削除ボタンを押すことでグラフ361に表示されている注入プロトコルの一部または全部を削除できるようになっていてもよい。
再び図3のフローチャートを参照する。ステップS2−1、S2−2においては、それぞれ、患者の体重入力およびヨード量の入力が行われる。ステップS2−1とステップS2−2の順序はいずれが先であってもよいし、または、同時であってもよい。さらに、図3のフローチャートでは設定用初期画面360が表示された後にこのような入力が行われているが、当然ながら、設定用初期画面360が表示される前にこのような入力が行われてもよい。あるいは、ステップS2−1およびステップS2−2のうちの一方がステップS1よりも前に行われ、他方がステップS1よりも後に行われてもよい。
患者の体重入力やヨード量の入力の他にも、身体区分および/または撮像部位の入力等が行われてもよいが、これについては後述するものとする。
患者体重(例えば60Kg)の入力は、例えば、従来より実施されている方式などで行うことができる。一例では、操作者が表示ユニット151(ここでは入力装置も兼ねるタッチパネル)を通じて所定の入力(下記参照)することで体重の入力が行われてもよい:
−テンキー入力、
−画面に2つ、3つ、またはそれ以上の体重区分のアイコンが表示され、操作者がその内の1つを選択する、
−予め設定されたデフォルト値またはデフォルトの体重区分が表示され、必要に応じて、操作者が値または区分の変更を行う、等。
なお、外部のネットワーク経由でコンソール150に自動的に患者の体重データが入力されてもよい。具体的は、LAN(Local Area Network)やインターネット等を介して接続されたデータベースサーバ(例えば病院情報システム、HIS、Hospital Information System)から、少なくとも体重のデータを含む患者情報を入手するようにしてもよい。この場合、薬液注入装置は、一例で、図12のような、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)、HIS(Hospital Information System)、RIS(Radiology Information System)、ワークステーション、画像読影装置、プリンタなどのうち一部または全部が接続されたネットワークに有線または無線で接続されるものであってもよい。
また、薬液注入装置に電子体重計(図示せず)をオンライン接続しておき、その電子体重計で患者の体重を計測して、その結果を薬液注入装置にデータ入力することも可能である。また、撮像装置には寝台(ベッド)が存在するので、例えば、その寝台で被験者の体重を測定して薬液注入装置にデータ提供することも可能である。
ヨード量の入力としては、造影剤のヨード含有量(具体的な一例として、例えば300mg/ml)および体重当りに必要なヨード量(具体的な一例として、例えば450mgI/Kg)が挙げられる。造影剤のヨード含有量についても、操作者がコンソール150の表示ユニット151(例えばタッチパネル)を通じて所定の入力をすることで入力されてもよいし、または、シリンジのICタグから自動的に読み取られて入力されてもよい。体重当りに必要なヨード量に関しても、操作者が表示ユニット151(例えばタッチパネル)を通じてテンキー入力等をすることで入力されてもよい。あるいは、身体区分の選択や撮像部位の選択が行われる場合には、選択された身体区分ないし撮像部位に応じて予め設定された値が自動的に設定されるようになっていてもよい。
なお、図4Aの画面では、画面上部(一例)に「300」と表示されたアイコン373aが現れているが、これは、造影剤のヨード含有量が300mg/mlであることを示している。限定されるものではないが、このアイコン373を押すと、他のヨード含有量の候補(例えば240、330、350、370等)が例えばプルダウンメニューとして現れ、その1つを選択することでヨード含有量を変更できるように構成されていてもよい。
「タイミング」と表示されたアイコンに関し、このアイコンを押すと造影剤または造影剤から生食で薬液の到達時間を事前確認するために少量注入するような構成であってもよい。その際、プロット本注入に必要な残量に影響がないか残量を確認してもよい。
「ルートボタン」と表示されたアイコンに関し、このアイコンを押すと生食または造影剤で血管確保がきちんとされているか確認するために少量注入するような構成であってもよい。その際、プロット本注入に必要な残量に影響がないか残量を確認してもよい。
患者の体重入力およびヨード量の入力が完了したら、次いで、ステップS3において、その患者に注入すべき造影剤の注入量(ml)および初速度(ml/sec)の一方または両方を計算する。この計算は、一例で、コンピュータプログラムの命令に基づきコンソール150の制御部153が行う。他の例としては、撮像装置側のコンピュータシステムや、または、その他のコンピュータシステムによって計算が行われてもよい。つまり、本発明の一態様では、注入プロトコルを設定するための所定の計算や所定の設定画面の表示されるものであれば、それによる作用効果が奏される。したがって、そのような観点で言えば、どのコンピュータシステムが計算を行うか、あるいは、どのディスプレイモニタに画面を表示させるかといったことは任意に変更してもよい。
ここで、造影剤の注入量(ml)および初速度(ml/sec)の計算と、それぞれのプロトコル設定モードについて説明する。
(I.標準・体重入力モード)
「標準・体重入力モード」とは、体重とヨード量に基づいて、注入すべき造影剤の注入量を予め算出しておく方式であって、操作者が注入グラフ上の1つまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンを作成する設定方式である。この場合、注入量の計算には次の式を用いることができる:
V=I/ICM×W
V:注入量(ml)
:単位時間当りに必要とされるヨード量(mgI/Kg)
CM:造影剤のヨード含有量(mgI/ml)
W:体重(Kg)
(II.心臓・体重入力モード)
「心臓・体重入力モード」とは、心臓造影等の場合に使用されるモードであって、操作者が注入グラフ上の1つまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンを作成する設定方式である。この場合、初速度の計算には次の式を用いることができる:
=I/ICM×W
V:注入量(ml)
:毎秒単位時間当りに必要とされるヨード量
(mgI/Kg/sec)
CM:造影剤のヨード含有量(mgI/ml)
W:体重(Kg)
「毎秒単位時間当りに必要とされるヨード量」も、上述した「体重当りに必要なヨード量」と同様、例えば操作者が表示ユニット151(例えばタッチパネル)を通じてテンキー入力をすることで入力されてもよい。あるいは、シリンジのICタグから自動的に読み込まれるものであってもよい。身体区分の選択や撮像部位の選択が行われる場合には、選択された区分ないし部位に応じた予め設定された値が自動的に設定されるようになっていてもよい。
(III.フローレートモード)
「フローレートモード」とは、造影剤の注入量や初速度を決めずに、操作者が注入グラフ上の1つまたは複数のフェーズに注入パターンを入力していくことで全体として1つの注入パターンを作成するモードである。
再び図3のフローチャートを参照する。ステップS4では、操作者は設定モード選択アイコン363を押して注入プロトコルの設定モードを選択する。
以下、注入プロトコル作成の一例について説明する(ステップS5)。
(B2−1:標準・体重入力モード)
「標準・体重入力モード」を選択するために、操作者は画面上のモード選択用アイコン363を操作する。標準・体重入力モードが選択された状態では、上述のような計算式に基づいて少なくとも患者に注入すべき造影剤の注入量V(具体的な一例として、90ml、100ml、150ml等)が計算されている。
この時点では、薬液の注入速度は決定されていないので、基本的には、注入グラフ361上に注入パターンは現れない。そこで、操作者は注入グラフ361上に各フェーズ(フェーズが1つの場合には単一のフェーズ)の注入パターンを作成していく。具体的には、図4Bに示すように、操作者が注入グラフ361内の第1フェーズのエリア374にタッチすると、ポップアップ画面371が現れる。なお、エリア374にタッチするのではなく、例えば、画面上の所定のアイコン(不図示)を選択することにより、ポップ画面371が現れるようになっていてもよい。
ポップアップ画面371内には、可変定数の表示部371aおよび注入時間の表示部371b等が表示されている。また、フラッシュボタン372a、希釈ボタン372b、終速固定パターンボタン372cなどが表示されている。また、入力内容を確定するOKボタンと、入力内容を破棄するキャンセルボタンも表示されている。
可変定数の表示部371aは、この例では、可変定数の数値を示す文字表示部と、その値を増減させるための調整ボタンとを含んでいる。調整ボタンは、一例で、可変定数の数値を増やすための画像ボタン(upボタン)と、可変定数の数値を減らすための画像ボタン(downボタン)とを有するものであってもよい。
「可変定数」とは、造影剤の注入パターンの傾きに係わるパラメータであって、そのフェーズにおける終速度と初速度の比のことをいう。可変定数Cは、C=f/fで表わされる(ここで、fは終速度で、fは初速度)。
注入時間を示す表示部371bは、この例では、そのフェーズの注入時間の数値を示す文字表示部と、その値を増減させるための調整ボタンとを含んでいる。調整ボタンについては、可変定数の表示部371aのものと同様の構成であってもよい。調整ボタンを操作することで、現在の注入時間(一例で「10」sec)を、例えば「20」secあるいは「5」secのように変更することができる。
フラッシュボタン372aは、当該フェーズの次のフェーズに生理食塩水の一定速度注入を作成するためのボタンである。この場合の生理食塩水の注入速度は、一例で、当該フェーズの造影剤の初速度であってもよい。また、図4D(詳細下記)のような造影剤と生理食塩水の同時注入の場合には、造影剤の注入速度と生理食塩水の注入速度との和と同一の速度であってもよい。さらに、フラッシュ注入の効果が得られる注入速度である限り、たとえば上記のような基準速度(造影剤の初速度や、2つの薬液の合計速度)に対して±20%、好ましくは±10%の範囲内の速度であってもよい。
希釈ボタン372bは、当該フェーズにおいて造影剤と同時注入される生理食塩水の注入パターンを作成するためのボタンである。希釈ボタン372bを押すと、次のような注入パターンが作成されるようになっていてもよい:
(i)造影剤の注入速度が一定の場合、一定速度の生理食塩水の注入パターンが表示される、
(ii)造影剤の注入速度が減少するパターン、具体的には一例で図4Dに例示するような、注入速度が時間とともに減少するパターンのであって終速度がゼロおよび実質的にゼロではないパターンの場合、造影剤の注入パターンとクロスするような、具体的には、造影剤の注入速度と生理食塩水の注入速度との和がそのフェーズにおいて一定または実質的に一定となるように、所定の基準線(一例で注入パターンの線分の略中心を通過する垂直または水平の基準線)を基準として造影剤の注入パターンと線対称形となる生理食塩水の注入パターンが表示される、
(iii)造影剤の注入速度が減少するパターン、具体的には一例で図4Gに例示するような、注入速度が時間とともにパターンであって終速度がゼロまたは実質的にゼロではなのバターンの場合、この場合にも、上記(ii)と同様に、造影剤の注入パターンに対して線対称形にクロスするような生理食塩水の注入パターンが表示される。
終速固定パターンボタン372cは、当該フェーズにおいて、所定の初速度からゼロもしくは実質的ゼロの終速度へと変化するような形状の注入パターンを作成するためのボタンである。なお、注入速度がゼロということは、基本的には、ピストン駆動機構の130のモータ(不図示)を動作させないことを意味する。このような速度設定をしてもよい。しかしながら、例えば注入速度を0.01ml/sec〜0.5ml/secの範囲、または0.05ml/sec〜0.2ml/secの範囲などのように実質的にゼロとし、モータの動作を継続しつつ薬液注入は実質的には行わないという制御をしてもよい。
図4Cの例は、可変定数が1.0でかつフラッシュボタン372aが選択された状態で、ポップアップ画面371のOKボタンが押されて表示される注入パターンの一例を示している。この例では、第1フェーズに、一定速度の造影剤の注入パターン(線分)368aが表示され、第2のフェーズに、一定速度の生理食塩水の注入パターン(線分)368bが表示されている。注入速度はいずれも一例で4.0ml/secで同速である。
標準・体重入力モードでは、既に患者に注入すべき造影剤の注入量が計算されている(具体的な一例として80ml)。ここで、例えば、ポップアップ画面371で設定された注入時間が20secの場合は、注入速度は、注入量を注入時間で除することにより、4.0ml/secのように計算されることとなる。このような設定方式の場合、注入速度が自動的に計算されるので、操作者が注入量を計算しそれを入力するという作業が不要となる。
フラッシュ注入の条件が、前のフェーズの注入速度と同速となるように設定されている場合においては、図4Cの例のように、第2のフェーズの生理食塩水の速度も4.0ml/secとなる。
図4Dの例は、可変定数が0.5でかつ希釈ボタン372bが選択されて作成される注入パターンの一例を示している。この例では、第1フェーズに、速度が4.0ml/secから2.0ml/secに減少する造影剤の注入パターン368aと、速度が2.0ml/secから4.0ml/secに増加する生理食塩水の注入パターン(線分)368bが表示されている。すなわち、このフェーズでは、造影剤の注入速度および生理食塩水の注入速度はそれぞれ一定ではないものの、両方の合計速度は4.0ml/secで一定となっている。
なお、当然ながら、このような第1フェーズの注入パターンに、第2のフェーズの生理食塩水によるフラッシュ注入を組み合わせてもよい。その際の、第2のフェーズの生理食塩水の注入速度は、第1フェーズの造影剤の初速度と同じになるように設定されていてもよい。
図4Eの例は、ポップアップ画面371において、可変定数が1.0の場合に希釈ボタン372bを選択した状態の一例を示している。このように、可変定数が1.0の場合に希釈ボタン372bを選択したときに、混和比率を示す表示部371cが現れるようになっていてもよい。この例では、比率の数値を示す文字表示部と、その値を増減させるための調整ボタンとが表示されている。調整ボタンについては、可変定数の表示部371aのものと同様の構成であってもよい。混和比率を変更することで、造影剤と生理食塩水の比率を50:50から例えば60:40、70:30のように変更することも可能である。これに対応して造影剤および生理食塩水の注入パターンの表示位置が自動的に変更されてもよい。
図4Fの例は、第1フェーズで、造影剤および生理食塩水を50:50で一定速度で注入する例を示している。なお、この画面表示の例では、造影剤と生理食塩水との合計注入速度が4.0ml/secであることを示している。もっとも、このような表示態様に限らず、造影剤の注入パターンと生理食塩水の注入パターンの各々を2.0ml/secの高さに表示するようにしてもよい。
図4Gの例は、終速固定パターンボタン372cが選択されて作成される注入パターンの一例を示している。この例では、第1フェーズに、速度が4.0ml/secから0.1ml/sec(実質的にゼロ)に減少する造影剤の注入パターン368aが表示されている。
終速固定パターンボタン372cの他の機能としては次のようなものであってもよい:すなわち、図4Fのような、造影剤と生理食塩水との混和注入の場合に終速固定パターンボタン372cを選択すると、所定の初速度(ここでは一例で4.0ml/sec)から実質的にゼロの終速度に変化する造影剤の注入パターンと、その注入パターンに対してクロスするように、実質的にゼロの初速度から所定の終速度(ここでは一例で4.0ml/sec)に変化する生理食塩水の注入パターンとが現れる。
例えば図4Dに示すような注入パターンの場合に終速固定パターンボタン372cを選択すると、上記同様、所定の初速度(ここでは一例で4.0ml/sec)から実質的にゼロの終速度に変化する造影剤の注入パターンと、その注入パターンに対してクロスするように、実質的にゼロの初速度から所定の終速度(ここでは一例で4.0ml/sec)に変化する生理食塩水の注入パターンとが現れるように構成されていてもよい。
−また、可変定数が1.0未満の状態で終速固定パターンボタン372cを選択した場合にも、上記同様、造影剤の注入パターンに関し、所定の初速度から実質的にゼロの終速度に変化するパターンが現れるようになっていてもよい。
なお、注入グラフ361の表示に関しては、図4A〜図4Gに例示したようなものに限らず、種々変更可能である。例えば、図4Hの画面のように、フェーズの始点またはフェーズの終点のところに中断アイコン369aが表示され、このアイコンを操作する(一例として当該アイコンを長押しする)と所定の時間間隔の薬液中断フェーズが挿入されるようになっていてもよい。
また、各フェーズの注入時間を示す時間表示部369bが表示されてもよい。この表示部369bは単なる文字表示であってもよいし、選択可能なアイコンであってもよい。また、注入パターンの端部の速度を示す速度表示部369(ここでは、一例として、初速度の「4.0」のみを示す)が表示されてもよい。また、各フェーズの造影剤および薬液のそれぞれの注入量を示す注入量表示部369dが表示されていてもよい。
上述したようなポップアップ画面371を通じて、操作者が1つまたは複数のフェーズの注入パターンを設定していくことで全体として1つの注入パターンの入力が完了する(ステップS5)。
次いで、操作者による確認および必要に応じたパターン修正(詳細後述)を経て、注入プロトコルが完成する(ステップS6)。
その後、例えば、操作者により所定の注入開始ボタンが操作された後、その注入プロトコルに基づいてピストン駆動機構130が動作制御され、患者への薬液注入が行われる(ステップS7)。
なお、アイコン362a、362bなどに予め登録されている注入プロトコル(例えば2フェーズからなるようなもの)に対して、ポップアップ画面371の操作を介して第3フェーズを付加するようなことも可能である。また、登録されている注入プロトコルの基本パターンをポップアップ画面371の操作を介して適宜修正するようなことを行なっても良い。
(B2−2:心臓・体重入力モード)
「心臓・体重入力モード」を選択するために、操作者は画面上の設定モード選択アイコン363を操作する。この設定モードが選択された状態では、前述したような計算式に基づいて少なくとも患者に注入すべき造影剤の初速度(具体的な一例として、3.0ml/sec、4.0ml/sec、5.0ml/sec等)が計算されている。
この設定モードにおいても、基本的には、操作者は上記標準・体重入力モードと同じように、注入グラフ361上のポップアップ画面371を操作して任意の注入パターンを作成することができる。ただし、心臓・体重入力モードでは予め造影剤の初速度が求められているので、第1フェーズの注入パターン(線分)の起点が自動的に決定されることとなり、操作者が初速度を入力する必要がない。注入パターンを作成するその他の手順については、上述した標準・体重入力モードのものと同様とすることができる。
(B2−3:フローレート入力モード)
「フローレート入力モード」を選択するために、操作者は画面上の設定モード選択アイコン363を操作する。この設定モードでは、上述の2つの設定モードのように造影剤の注入量や初速度は算出されておらず、操作者が任意の注入パターンを入力していくことで、全体として1つの注入パターンを作成することができる。このモードに関しても、注入パターンを作成するその他の手順については、上述した標準・体重入力モードのものと同様とすることができる。
なお、フローレート入力モードでは造影剤の注入量や初速度は算出されていないことから、アイコン363でフローレート入力モードが選択された場合には、画面上(図4A)のアイコン364、365が消えるように構成されていてもよい。他の入力方式が画面上に表示されそれらを適宜選択できるようになっていてもよいことについては、後述するものとする。
(B3:注入パターン修正)
注入条件の各パラメータが変更された場合の注入パターンの修正の基本的な考え方について、以下、図5A〜図5Dを参照して説明する。以下では、注入時間がtで、注入量がVであり、速度がfからfに減少する注入パターン(いわゆる可変パターン)に対して、その各パラメータを変更した場合について説明する。
(体重またはヨード量を変更)
図5Aは、注入量をVからV′に変更する場合を示している。ここでは、注入時間tは変更されず、初速度fと終速度fが変更される。初速度f′および終速度f′は下記の式で求めることができる:
′=2/t(1+C)×V′
′=f′・C
ここで、注入量をVからV′に変更する場合としては、看者の体重がWからW′に変更(増加)された場合や、ヨード量がaからa′に変更(増加)された場合が挙げられる。図4Aの画面との関連で言えば、アイコン364を押して体重が変更された場合や、アイコン365を押してヨード量が変更された場合がこれに相当する。
このようなパラメータが変更された場合、例えば図6の例のように、表示されている注入パターンが自動的に変更されるようになっていてもよい。すなわち、注入時間および可変定数は維持したまま、造影剤の初速度が自動的に一例として4.0ml/secから2.0ml/secに変更され、終速度が2.0ml/secから1.0ml/secに変更される(注入パターン368a、368a′参照)。また、これに対応して生理食塩水の注入パターン368bも自動的に注入パターン368b′のように変更される。
(可変定数を変更)
図5Bは、可変定数をCからC′に変更する場合を示している。ここでは、注入時間tは変更されず、終速度fと注入量Vが変更される。すなわち、変更後の終速度f と注入量V′は下記の式で求めることができる:
′=f′・C′
V′=f(1+C′)/2×t
図4Bのポップアップ画面371内の可変定数の数値が変更された場合に、それに対応して、注入グラフに表示されていた造影剤の注入パターンが上記に例示したような態様で自動的に変更されてもよい。また、生理食塩水の注入パターンもこれに対応して自動的に変更されるようになっていてもよい。
(注入時間を変更)
図5Cは、注入時間をtからt′に変更する場合を示している。ここでは、初速度、終速度、および可変定数は変更されず、注入量Vが変更される。すなわち、変更後の注入量V′は下記の式で求めることができる:
V′=f(1+C)/2×t′
上記同様、注入グラフ361上で注入時間が変更された場合、それに対応して、注入グラフに表示されていた造影剤の注入パターンが上記に例示したような態様で自動的に変更されてもよい。また、生理食塩水の注入パターンもこれに対応して自動的に変更されるようになっていてもよい。
(初速度を変更)
図5Dは、初速度をfからf′に変更する場合を示している。ここでは、可変定数は変更されず、終速度fおよび注入量Vが変更される。すなわち、変更後の終速度f および注入量V′は下記の式で求めることができる:
′=f′・C
V′=f+f/2×t
上記同様、注入グラフ361上で造影剤の初速度が変更された場合、それに対応して、注入グラフに表示されていた造影剤の注入パターンが上記のような態様で自動的に変更されてもよい。また、生理食塩水の注入パターンもこれに対応して自動的に変更されるようになっていてもよい
(表示されている注入グラフの変更)
なお、注入グラフ361上に表示されている注入パターン(線分)の形状を変更するための操作としては特に限定されるものではなく、どのような入力方式であっても構わない。例えば、GUI(Graphical User Interface)機能により、注入パターンの一方または両方の端部が選択可能となっており、選択した端部を上下方向および/または左右方向に移動させることで、注入パターンの端部の位置が変更され、それに応じて注入速度および注入時間の少なくとも一方が自動的に変更されるようになっていてもよい。あるいは、注入パターン(線分)を任意方向(上下方向および左右方向の少なくとも一方)に動かし、それに応じて自動的に条件の変更がなされるようになっていてもよい。
一度設定した注入パターン(例えば図4Dのような、造影剤の注入パターンと生理食塩水の注入パターンとが交差するようなパターン)を修正する場合に、一例として、注入パターンどうしの交差部付近にタッチするとポップアップ画面371が表示され、このポップアップ画面371を操作して条件の変更を行うことができる構成としてもよい。
このように、本実施形態の薬液注入装置では、注入グラフ361上で操作者が自由に所望の注入パターンを入力することがでる。
なお、仕上げた注入プロトコルについて、薬液注入装置の制御部がそのデータを所定の記憶部に保存するように構成されていてもよい。この場合、記憶部としては、薬液注入装置(例えばコンソール内)が有する記憶領域であってもよいし、コンソールのスロットに挿入される記憶媒体であってよいし、または、有線または無線で薬液注入装置に接続された外部のネットワークの記憶領域であってもよい。また、薬液注入装置の制御部は、注入プロトコルの内容が事後的に変更・上書きされないようにロックをかけた状態で保存してもよい。当該ロックは、パスワードを入力することによって解除されるものであってもよい。
薬液注入装置はそのような注入パターンに基づいて作成された注入プロトコルに従った薬液注入を行う。薬液注入中の注入圧検出動作や、漏出検出動作、あるいは薬液注入後の注入履歴データの作成、記憶、外部への送信等に関しては、従来公知の態様をはじめとして種々の態様をとることができる。
〔C:薬液注入装置の各部の具体的構成〕
(薬液注入装置)
薬液注入装置100は、具体的には、図7のような構成であってもよい。この薬液注入装置100は、可動式スタンド111の上部に回動自在に保持された二筒式の注入ヘッド110を備えている。この注入ヘッド110は、各凹部120aに対して、一例として、シリンジのシリンダフランジおよびその近傍を保持するシリンジアダプタS121、S122を介してシリンジが装着される。
コンソール150は、一例で、ケーブル102により注入ヘッド110に接続されている。表示ユニット151はタッチパネル式ディスプレイである。操作パネル159としては複数の物理ボタンが配置されていている。例えば、コンソール正面にホームボタン(物理ボタン)が設けられており、このホームボタンを押すと、画面上に、複数のアイコンが配列されたホーム画面が表示されるように構成されていてもよい。このようなアイコンとして「PLOT」アイコンが表示され、このアイコンを選択することで、図4Aに示したような設定用初期画面360が表示される構成としてもよい。ハンドユニット157は、コンソール150に有線接続され、作業テーブル上などで使用される。
(シリンジ)
なお、シリンジとしては具体的には図8A(a)、(b)に示すようなものであってもよく、このシリンジは例えば100ml用のものである。このシリンジは、シリンダ部材501とピストン部材502とを備え、シリンダ部材501のシリンダフランジ501aはIカット形状の輪郭形状を有し、同フランジ501aの外周部には2つの切欠き部505(一方のみを示す)が形成されている。シリンダ部材501の先端の導管部501bは、同軸状に配置された内側および外側の2つの筒状部を有するルアーロック接続用のものであってもよい。図8A(b)に示すように、シリンダフランジ501aの後面には、リング状の突起部501cが形成されていてもよい。
2本のシリンジのうちの他方としては、図8B(a)、(b)に示すようなシリンジであってもよく、このシリンジは例えば200ml用のものである。このシリンジも、上記シリンジと同様、シリンダ部材501とピストン部材502とを備え、シリンダ部材501のシリンダフランジ501aはIカット形状の輪郭形状を有するものであってもよい。シリンダフランジ501aの外周部には2つの切欠き部505(一方のみを示す)が形成されている。シリンダ部材501の先端の導管部501bは、同軸状に配置された内側および外側の2つの筒状部を有するルアーロック接続用のものであってもよい。図8B(b)に示すように、シリンダフランジ501aの後面には、リング状の突起部501cと、その突起部501cから外側に向かって延びる複数のリブ501dが形成されていてもよい。
なお、図8Bではシリンダフランジ501aに切欠き部505とリブ501dの両方が形成されたものが描かれているが、いずれか一方のみが形成されたもの(例えば、切欠き部S505が形成されていないもの)であってもよい。また、リブS501dに関し、図示上下方向に並んだ複数のリブのうち上部と下部の2つのリブのみを残し、他のリブを省略したような形状としてもよい。このようなリブ群が、フランジ部の左右両側のいずれか一方のみに形成されたシリンジとしてもよい。あるいは、上側両端の2つのリブもしくは下側両端の2つのリブとしてもよい。
延長チューブ508の一例としては、図8Cに示すようなものであってもよい。この延長チューブ508は、T字コネクタを介して接続された3本のチューブを有している。各シリンジに接続されるチューブの端部には接続コネクタ509、509が取り付けられており、患者側に向かうチューブの端部には別の形態の接続コネクタ510が取り付けられている。各接続コネクタ509は、先端にネジ部509bが形成された円筒部509aを有し、ルアーロック方式でシリンジの導管部501bに接続されるものであってもよい。また、この接続コネクタ509は、一方弁としての機能を有するもの、特には、WO2012/060365に公開されているようなものであってもよい。接続コネクタ510は、例えば不図示のカテーテルや留置針に接続されるものであってもよい。
(天井懸垂型の保持アーム)
天井懸垂型の保持アーム111′としては、図9Aに示すような、水平回転および上下移動の組合せを可能とするようなものであってもよい。この例では、天井に取り付けられるベース部と、そこから延び出した多関節のアーム部とを有しており、注入ヘッド110は、アーム部の末端側の支持バー(一例で鉛直方向に延びる棒状部材)に保持されている。
(サブディスプレイ)
図9Bのように、保持アーム111′の一部、具体的には注入ヘッド110を保持する部分の近傍に、サブディスプレイ149を取り付けた薬液注入装置としてもよい。このサブディスプレイ149は、注入ヘッド110に電気的に接続され、または、コンソール150に電気的に接続され、薬液注入に関する様々な情報を表示できるように構成されていてもよい。サブディスプレイ149は、タッチパネル式ディスプレイであってもよいし、タッチパネルの機能の無い単なるディスプレイであってもよい。
なお、このようなサブディスプレイ149が注入ヘッド110の一部に直接設けられていてもよい。例えば、注入ヘッド110の筐体の側方または後方にそのようなサブディスプレイ149を設けてもよい。または、サブディスプレイ149が可動式スタンド111の一部に取り付けられてもよい。なお、可動式スタンド111上に、注入ヘッド110とは別体に制御ユニット(不図示)が搭載されていてもよい。
サブディスプレイ149に関連して、薬液注入装置の制御部は次のように構成されていてもよい:
(s1)サブディスプレイ149に、図4A〜図4Hに例示したような注入グラフ361を表示表示させる、
(s2)その注入グラフ361における操作者からの注入パターンの入力を受け付ける、
(s3)その注入グラフ361において、一端作成された注入パターンを修正するための操作者からの入力を受け付ける、
(s4)修正内容を反映して新たな注入パターンを表示する。
なお、上記s2とs3については、いずれか一方のみ行うものであってもよい。すなわち、コンソール側で作成された注入パターンを、サブディスプレイ側で修正のみ行うような構成としてもよい。
以上説明したような本実施形態の薬液注入装置100によれば、図4Aに示したような設定用初期画面360において、モード選択用アイコン363が表示されており、操作者はこのアイコン363を操作して自分が使用するプロトコル設定モードを選択することができる。したがって、例えば、撮像目的などに応じて設定すべき注入プロトコルの内容が変わったような場合においても、プロトコル設定モードを適宜変更し、その検査に適したプロトコル設定モードで条件設定を行うことができる。
このような設定モードの変更が仮に可能であったとしても、例えば画面上で複雑な操作を要するなど、簡単に変更が出来ない場合には、現場の医師が当該機能を使用しない可能性もある。しかしながら、本実施形態の構成によれば画面上に表示された表示部(ここではモード選択用アイコン363)を押すだけでモードの変更を行うことができるので、複雑な作業を必要とせず、しかも画面上で直感的に行うことができる。
以上、本発明について幾つかの形態を参照して説明したが当然ながら、上述した各種の形態はその内容が相反しないかぎり適宜組み合わせることができる。また、本発明は上記内容に限定されるものではなく、種々変更可能である。
(b1)上記では、標準・体重入力モードと、心臓・体重入力モードと、フローレートモードとの2つまたは3つが選択できる構成について説明した。しかしながら、本発明の薬液注入装置としては、2種以上の異なるプロトコル設定モードを選択できるものであれば、その具体的な設定方式の内容、および、選択可能なプロトコル設定モードの数はどのようなものであっても構わない。
(b2)例えば、標準・体重入力モードや心臓・体重入力モード等に加え、例えば、
−除脂肪体重に基づく条件設定方式、
−体表面積に基づく条件設定方式、および、
−血液量に基づく条件設定方式、
から選ばれる少なくとも1つの入力モードが選択できるように構成されていてもよい。これは、薬液注入装置の制御部がこのような機能を有することにより実現可能である。
(b3−1)例えば、「スリップ注入プロトコル」(SLIP、Stable Line Imaging Protocol)と呼ばれるプロトコルを設定するための表示部が画面上に表示されてもよい。この注入プロトコルは、一例として、心臓から延びる血管といった広い範囲を造影するのに好適に利用可能である。スリップ注入プロトコルにおいては、造影剤および生理食塩水は次のような条件で注入される:
(i)第1フェーズ、時間tから時間tまで:
−造影剤の注入速度が速度Vcから速度Vcまで単調に減少する。
−希釈剤の注入速度が速度Vpから速度Vpまで単調に増加する。
−速度Vcと速度Vpとは実質的に同一である。
(ii)第2フェーズ、時間t1以降:
−希釈剤の注入速度がVpより速い速度Vpとなる。
−造影剤の注入速度は0ml/secである。
「単調に増加/減少する」とは、注入速度が直線的に増加/減少する態様に加え、曲線状もしくは階段状であるが実質的には直線的に増加/減少する態様をも含むことを意図している。「実質的に同一」とは、2つの速度が同一の場合に加え、一方の速度と他方の速度との差が例えば10%以内であるような場合をも含むことを意図している。
(b3−2)第1フェーズの時間は、基本的には撮影速度や撮像時間に依存するが、一例として、撮像時間(スキャンタイム)と同様またはそれよりやや短い程度であってもよい。第2のフェーズの時間は、生理食塩水の注入量と注入速度から算出されるものであってもよい。例えば、注入量が30mlで速度が一例で5.0ml/secの場合には6.0secということになる。
(b3−3)一例のスリップ注入プロトコルにおいて、造影剤の速度は速度Vcから速度Vcまで直線的に減少するようになっている。速度Vcは、一例で、2ml/sec以上、または3ml/sec以上、または4ml/sec以上であってもよい。具体的には、速度Vcは4.8ml/sec等としてもよい。血管造影において、注入速度が速すぎると血管に損傷を与える可能性がある。そのような観点からは、上限速度は、例えば6.0ml/secなどであってもよい。速度Vcから速度Vcまでの速度変化を表す可変定数(Vc/Vc)は、一例で、0.6〜0.4の範囲内であってもよい。例えば、速度Vcは4.8ml/secで可変定数が0.5の場合、Vcは2.4ml/secとなる。
(b3−4)生理食塩水の速度Vpに関しては、速度Vpから速度Vpまで直線的に増加するようになっている。速度Vpは、一例で0ml/secであってもよい。速度Vpから速度Vpまでの生理食塩水の速度Vpは、造影剤の注入速度の減少に対応して徐々に増加するものであってもよい。具体的には、速度Vpは、時間t0から時間t1のまでの間、速度Vc+速度Vp=一定(速度Vttl)となるように設定されていてもよい。一例のスリップ注入プロトコルにおいて、時間t以降の生理食塩水の速度Vpは、一例で、造影剤の時間tにおける速度Vcと同一であってもよい。または、この値に対して+/−20%の範囲内、または+/−10%の範囲内であってもよい。
(b4)注入グラフ361の表示内容に関して、各フェーズの注入時間(時間の短長)に対応して、表示するフェーズの幅を変更してもよいし、または、各フェーズの注入時間がどのようなものであってもフェーズの幅は一定に表示される構成としてもよい。
(b5)プロトコル設定モードを変更するための画面上の表示部としては、1つのアイコン363で切り替える態様に限らず、例えばモードの候補ごとにアイコンが用意され、そのうちの1つのアイコンを選択するような態様としてもよい。
(b6)上記では、ポップアップ画面371への入力を通じてそれぞれのフェーズの注入パターンを作成していく例について説明した。しかしながら、例えば、注入グラフ内の任意の点(または格子点)を選択していくことで、自由に注入パターン(一例で注入パターン368aのようなもの)を順次作成していくことができる構成としてもよい。
(b7)上記で説明したポップアップ画面371内の表示部371a〜371c、372a〜372cの1つまたは複数は、他のポップアップ画面内に表示されてもよいし、あるいは、ポップアップ画面ではない画面上の所定位置に表示されてもよい。ポップアップ画面371内には、必ずしも、表示部371a〜371c、372a〜372cの全てが表示されている必要はなく、いずれか1つのみあるいは一部のみが表示されていてもよい。
(b8)入力された注入パターンの数値(例えば注入速度、注入時間など)が予め設定された基準値を超えている、または、同基準値を下回っているような場合に、画面上に警告のためのメッセージ表示が現れるように構成してもよい。
(b9)ところで、フェーズの境界でグラフの傾きが大きく異なると、その境界で薬液の注入速度が大きく変化し、ピストン駆動機構が注入プロトコルに追随できなくなる場合もあり得る。そこで、画面上に曲線補間ボタン(アイコン)を設け、それが選択されると、制御部は、折れ線で表された注入プロトコルを曲線に変換する演算を行うようにすることもできる。直線から曲線への変換は、制御部の演算機能が、入力された注入パターン形状を解析して、注入速度の変化率が許容される変化率以下となるように、隣り合うフェーズの部分同士を曲線で結ぶようなものであってもよい。この場合、結ぶ曲線の曲率の程度は、少なくともピストン駆動機構が追随できる範囲であればよく、ピストン駆動機構に対する負荷および消費電力を考慮して調整することも好ましい。直線から曲線への変換は、好ましくはスプライン曲線補間で行うことができる。
(c1)情報記憶媒体であるカード媒体から薬液注入装置に動作条件(例えば薬液注入プロトコル情報)を取得してもよい。情報記憶媒体としては各種製品を使用することが可能である。注入プロトコル情報などは、外部のデータベースサーバに記憶されたものをオンラインでダウンロードすることも可能である。
(c2)注入される造影剤や生理食塩水の圧力は薬液シリンジのピストン部材を押圧する圧力から算出することができるが、例えば、薬液シリンジや延長チューブの内部に感圧素子を設置して造影剤などの注入圧力を直接に検出することも可能である。
(c3)装着される薬液シリンジの造影剤の種類を判定することで造影剤の種類の入力操作を無用とし、作業負担を軽減することが可能である。これを実現するため、例えば、本出願人が特願2002−021762号として出願したように、各種の薬液シリンジが、各々に専用のシリンダアダプタ(図示せず)で注入ヘッドに装着される場合、注入ヘッドがシリンダアダプタ(図示せず)から薬液シリンジおよび造影剤の識別データを取得することが可能である。
(c4)薬液シリンジにバーコードなどで造影剤の種類などをデータ付与しておき(図示せず)、そのバーコードなどを注入ヘッドが読み取ることでも、薬液注入装置が造影剤情報を取得することが可能である。
(c5)造影剤の種類の前回の設定が保存されており、造影剤を変更しない限りは種類の入力操作を無用とすることができる薬液注入装置としてもよい。部位選択機能を有する場合には、例えば、撮像部位の前回の設定を保存することも可能である。薬液注入装置を使用する環境が、例えば、脳外科の場合は脳部しか撮像せず、心臓外科の場合は心臓しか撮像しないことがあるので、このような場合には、撮像部位の前回の設定を保存して変更が必要となるまで入力操作を無用とすることも有用である。
(c6)注入速度を直線的に低下させ以後は注入速度を一定に維持する、または、以後は再び注入速度を直線的に増加させる可変パターンの基本パターン情報が予め記憶されており、画面上の所定のアイコンを選択することで当該基本パターンが表示されてもよい。
(c7)部位選択機能を有する場合、横型または縦型の人体形状として表された複数の身体区分の模式画像が画面上に表示されてもよい。
(c8)部位選択機能を有する場合、撮像部位の選択と体重と造影剤の種類との入力操作が必要な構成であってもよいが、それに限らず、撮像部位の選択のみ実行すれば、体重や造影剤の種類は入力操作せずとも注入速度/総量/時間がデータ設定されることも可能である。このようなことは、造影剤が一種類しかない場合や、各種の造影剤に実質的な差異がない場合や、使用する造影剤が特定されていて事前にデータ登録されている場合や、標準的な体重の被験者のみ撮像する場合、等に有効であり、さらに作業負担を軽減することが可能である。
なお、本明細書で云う各種の構成要素(デバイス、装置など)は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等であってもよい。
ここで、構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、ハードウェアにより実現するものでも、ソフトウェアにより実現されるものでも何れでも構わない。例えば、ある構成要素が、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより実現された処理装置、これらの組合せ、等として実現することができる。
コンピュータプログラムに対応してプロセッサが動作することにより、薬液注入装置(制御部)の各種機能として各種手段(各部、各ユニット)が論理的に実現されてもよいが各種手段(各部、各ユニット)は、固有のハードウェアとして形成したり、あるいは、ソフトウェアにより実現される部分とハードウェアにより実現される部分との組合せとしてもよい。
薬液注入装置およびそれを含むシステム等については、上記内容に限定されるものではなく、更に例えば下記のように種々変更可能である:
(d1−1)シリンジのICタグが、そのシリンジを加温するかどうかの情報を含んでいてもよい。
(d1−2)シリンジのICタグから読み取られた情報の少なくとも一部の項目をプリンタ等を用いて印刷する。または、シリンジのICタグから読み取られた情報の少なくとも一部の項目と薬液の注入履歴データとを少なくとも含むデータを、プリンタ等を用いて印刷する。
(d2)使用後のシリンジが廃棄されたかどうかの情報をシステム内の所定の管理サーバで管理する。
(d3)薬液注入装置の制御部は、注入中の薬液圧力の推定値を、ロードセルとモータ電流との両方を用いて算出してもよい。
(d4)薬液注入装置に注入動作を開始させるため、停止させるため、または終了させるため操作に関して、このような操作としては、
−注入ヘッドの物理ボタンを押す、
−コンソールのディスプレイ(メインディスプレイ)上の画像ボタンを押す、
−コンソールに設けられた物理ボタンを押す、
−サブディスプレイ上の画像ボタンを押す、
−コンソールのハンドスイッチを押す
から選択される1つまたは複数の組合せが挙げられる。
(d5−1)設定用初期画面において、画面上に所定のヘルプボタンが表示され、それを押すと、動作や画面上の表示についてのヘルプテキスト、ペルプ画像、音声としてのヘルプガイダンス、またはこれらの組合せが表示されるように、薬液注入装置の制御部が構成される。
(d5−2)設定用初期画面において表示される各種数値データの単位は適宜変更可能である。例えば、圧力については「Kg/cm」などではなく「psi」であってもよい。
(d5−3)コンソールの画面の一部(例えばアイコン373、図4A参照)に、造影剤名称(製品名など)を表示させる。薬液注入装置の制御部がこのような機能を有する。
(d5−4)コンソールの画面の一部に、そのコンソールが他の機器の接続されているか、または、接続されかつ連動する状態となっているかなどのステーテスを表示する。薬液注入装置の制御部がこのような機能を有する。
(d6−1)空のシリンジに薬液を吸引する方式の場合では、薬液注入装置は次のように構成されてもよい:
−シリンジを注入ヘッドにセットして、チューブを薬液ボトル等に接続した状態で、所定のボタンを押すとガスケットが前進してエア抜きを行う。ここで、所定のボタンとしては具体的な一例でオートフィルボタンであってもよい。
−次いで、薬液の吸引を行う。
−このステップとしては、まず、薬液を途中まで吸引する(すなわち、目的量の全量を引くのではなく、一部のみを引く)。
−次いで、再度エア抜きの動作を行う。
−その後、目的量となるまで薬液の吸引を継続する。この吸引は、上記最初の吸引速度と同じであってもよいし、そより速い速度であってもよい。その後、シリンジのピストン部材を少量前進させることで準備が完了する。
(d6−2)注入ヘッドに傾斜センサが内蔵されている薬液注入装置としてもよい。この場合、制御部は、次の処理の一部または全部を行う:
−注入ヘッドが略垂直となっている状態(言い換えれば、シリンジが搭載されるヘッド前方が鉛直上方を向いた状態)かどうかを判定する。
−注入ヘッドが略垂直となっている状態の場合、オートフィル動作の実施を許容する。そうでない場合にはオートフィル動作は禁止する。
−注入ヘッドが水平姿勢もしくは前方が相対的に低くなった姿勢かどうかを判定する。
−これらの姿勢であって場合、薬液の注入動作を許容する。そうでない場合には、注入動作は禁止する。
(d7)仕上げた注入プロトコルの書き出しに関し、上書き等を禁止するロックをかける場合、そのロックの解除は、パスワード入力、生体認証、指紋認証、顔認証などから選択される1つまたは組合せを利用することができる。
(d8−1)操作者が所定の入力を行うための装置(入力装置)としては、マウス、トラックボール、卓上コントローラ、キーボード、ペンタブレットなどを利用できる。他にも、これらとの組合せもしくは単独で、入力装置として音声入力やタッチパネルからの入力をも利用可能である。
(d8−2)他の例として、注入ヘッド、コンソール、ヘッドディスプレイ等に設けられた物理的ボタン等でもよい。また、音声入力、タッチセンサなどであってもよい。
(e1:延長チューブの一態様)
延長チューブからのエア抜きのための動作としては、Aシリンジ(造影剤)側のピストン駆動機構を動作させ、次いで、Bシリンジ(生理食塩水)側のピストン駆動機構を動作させさせてもよい。あるいは、Aシリンジ(造影剤)側のピストン駆動機構とBシリンジ(生理食塩水)側のピストン駆動機構とを同時に動作させさせてもよい。図8Cの延長チューブのような構成の場合、チューブ末端の接続コネクタ510に液溜まりキャップを設けてもよい。この液溜まりキャップは、チューブからの薬液を受け止め、薬液が床や他の医療機器等の上に垂れることを防止する。薬液が機器の隙間等に浸入した場合、機器の故障や操作者の誤操作の原因となりうるが、このような構成によればそうした不具合の発生を低減させることができる。延長チューブのT管部分として、特開2011−217796に開示されたような部材を備える延長チューブである場合には、薬液注入を行う際の薬液どうしの混合をより効果的に実施でき、優れた造影効果を得ることが可能となる。
(e2:延長チューブの他の態様)
以下、図10A〜図10Cを参照して、2つの薬液が良好に混合されるようにミキシングデバイスを備えた延長チューブの一例について説明する。
この延長チューブは、第1の薬液(例えば造影剤)が充填されるシリンジとミキシングデバイス241とを接続する第1のチューブ231aと、第2の薬液(例えば生理食塩水)が充填されるシリンジとミキシングデバイス241とを接続する第2のチューブ231bと、ミキシングデバイス241の液体出口(詳細下記)に接続され患者側へと延びる第3のチューブ231cとを有している。
特に限定されるものではないが、第1および第2のチューブ231a、231bはそれぞれ接続コネクタ239a、239bを介してシリンジの導管部に接続されるようになっていてもよい。同様に、第3のチューブ231cも、接続コネクタ239cを介してカテーテル等に接続されるようになっていてもよい。
なお、薬液注入装置による薬液の注入前には、エア抜きを目的としたプライミングが行われる。このプライミングにはいくつかの方法があり、延長チューブ内が生理食塩水、造影剤のいずれかの薬液で満たされる。具体的な一例としては、(a)まず造影剤シリンジから造影剤を押し出し、ミキシングデバイスまでの第1のチューブを造影剤で満たす。次いで、生理食塩水シリンジから生理食塩水を押し出して、第2のチューブ、ミキシングデバイス、第3のチューブ、および、カテーテルまでを生理食塩水で満たす。これにより街路全体が薬液で満たされ、エアが抜かれた状態となる。他にも、(b)まず、造影剤シリンジから造影剤を押し出し、次いで生理食塩水シリンジから生理食塩水を押し出した後に、両シリンジから同時に薬液を押し出す方法や、(c)まず生理食塩水シリンジから生理食塩水を押し出し、次いで造影剤シリンジから造影剤を押し出して薬液の回路全体を薬液で満たす方法などもある。
なお、薬液注入装置には上記のようなプライミング動作を自動的に行わせる機能が備わっていてもよく、また、プライミング動作開始のトリガとなるものは例えば操作者による入力操作であってもよい。
続いて、ミキシングデバイス241について、詳しく説明する。ミキシングデバイス241は、図10A、図10Bに示すように、旋回流を生成する旋回流生成室242aである第1室と、旋回流を軸方向に集中させる狭窄室242bである第2室と有する本体部242を備えている。この例では、旋回流生成室242aは円柱状の内部空間を有し、狭窄室242bは旋回流生成室242aと共軸の円錐状の内部空間を有する。なお、旋回流生成室の短手方向の断面形状は、円、楕円、その他の曲線から形成される種々の形状が考えられる。また、旋回流生成室は、狭窄室に近づくにつれて先が狭まる狭窄形状を有するように構成することもできる。
ミキシングデバイス241の本体部242の流れ上流側には第1のチューブ231aが接続される導管部243aが設けられ、下流側には第3のチューブ231cが接続される導管部243cが設けられている。第2のチューブ231bが接続される導管部243bは、旋回流生成室242aの中央から上流側の位置に配置されている(詳細下記)。
この例では、導管部243aから造影剤が流入するとともに導管部243bから生理食塩水が流入し、ミキシングデバイス内で両薬液が混合される。その後、造影剤及び生理食塩水の混合薬液は、液体出口としての導管部243cから流出する。
比重の大きい薬液が流入する導管部243aは、流れ方向の上流側において、旋回流生成室242a上流側壁面の中央部に設けられている。液体出口である導管部243cは、この導管部243cの中心線と導管部243aの中心線とが一致するように、すなわち両者が共軸となるように設けられている。各部が共軸を有するように配置することにより、ミキシングデバイス内において発生する渦の等方性を高めることができる。つまり、渦を空間内で淀みなく均一に発生させ,混合効率を向上させることができる。
他方、比重の小さい薬液が流入する導管部243bは、は、旋回流生成室242aの側面に配置けられ、断面円形である旋回流生成室242aの円周の接線方向に延在する。別の言い方をすれば、導管部243bは、旋回流生成室242aが有する円柱状空間の中心軸線からの周縁側にずれた位置に設けられ、これにより、導管部243bから流入した比重の小さい薬液の旋回流が生成されるようになっている。より詳しくは、図10Cに示すように、流路241fbが、旋回流生成室242aの湾曲した内面の円周接線方向に延在するように構成されており、これにより、この流路から流入した薬液が旋回流となる。さらに狭窄室242bは、図面からも明らかなように、流れ方向下流側に向かってすぼまる傾斜した内面を有しているので、発生した旋回流は、渦の中心軸方向に集中することになる。
また、造影剤が流入する導管部243aは、流路241faを介して旋回流生成室242aと連通している。これにより、比重の大きい薬液を、比重の小さい薬液の旋回流の中心軸と平行な方向で旋回流生成室に導入することができる。つまり、比重の大きい薬液は、旋回流生成室が有する円柱状空間の中心軸線と平行な方向に導入される。また、生理食塩水が流入する導管部は、流路241fbを介して旋回流生成室と連通している。一例で、流路241fbの内径は、造影剤(一例)が流入する流路241faの内径よりも小さく形成されていてもよい。こうした構成によれば、所定の圧力で薬液を注入する場合、断面積が相対的に小さい流路241fbから流入する比重の小さい薬液の流速が、比重の大きい薬液の流速よりも速くなる。したがって、比重の小さい薬液の流速が遅い場合に生じうる、旋回流の慣性力の減衰やそれに伴う旋回強度の不足に起因する、薬液どうしの混合効率の低下を回避することができる。
上記のように構成されたミキシングデバイス241では、例えば造影剤および生理食塩水を同デバイス内に流入させると、流路faから旋回流生成室に流入した造影剤は軸方向下流側に向かう流れとなる。一方、流路241fbから旋回流生成室に流入した生理食塩水は、同室内の湾曲した内面に沿って旋回する旋回流となり、そして、生理食塩水の旋回流は、狭窄室に導かれて旋回流の中心軸方向に集中する。このような渦はランキン渦として知られ、旋回流のもつ慣性力を渦の回転軸の近傍に集中させることができる。
そしてこのようなミキシングデバイス241を有する延長チューブで2つの薬液の同時注入を行う場合、両薬液が良好に混合されることとなる。すなわち、この例では、造影剤と生理食塩水とが良好に混合された希釈造影剤を得ることができ、その結果、造影剤の濃度のムラ等が無くなるので一般的な分岐チューブの場合と比較して優れた造影効果が期待できる。
さらに、このような延長チューブを用い、生理食塩水の後押し注入(すなわち薬液の同時注入ではなく生理食塩水のみの注入)を行う場合、生理食塩水の旋回流を生じさせることができ、その結果、一般的な分岐チューブで生理食塩水の後押し注入を行う場合と比較して造影効果をより向上させる(具体的にはより高いHU値を得る)ことができると考えられる。
(ディスプレイに表示される画像例)
上記実施形態では、身体区分や撮像部位といった撮像対象を特定する情報を入力または選択し、それに基いて(当然ながら、この情報だけでなく、例えば患者体重等の他の情報にも基いてよい)、システムが注入条件を決定することについて触れたが、このような部位選択が行われる場合、図11のような設定確認画面(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)が表示されるようになっていてもよい。
図11の画面では、画面上部にステータスバー721−1が表示され、その下にもう1つのステータスバー721−2が表示され、その下に設定した注入パターンのグラフが表示されている。
ステータスバー721−1内には、例えば、タイミングテスト画面に移行するためのアイコン722aや、ルート確認画面に移行するためのアイコン722bが表示されていてもよい。ステータスバー721−2内には、患者の体重情報、単位体重あたり必要とされる造影剤ヨード量の情報、注入時間の情報のうちの1つまたは複数が表示される。
この例では、特に、部位選択で選択された患者の部位が視覚的に分かるように画像化された人体型の部位表示アイコン723が表示されている。なお、図では部位表示アイコン723が下段のステータスバー721−2内に表示されている例が示されているが、このアイコン723は画面内の任意の位置に表示可能である。
部位表示アイコン723を押すと、撮像部位を選択するための画面に戻るようになっており、したがって、操作者は、図11のような確認画面で撮像部位を変更したいと思った場合にはこのアイコン723を押して部位の再選択を行うことができる。また、部位選択アイコン723は、現在選択されている部位が例えば反転表示されるなどして分かるようになっているので、操作者が図11の画面を見た際に、選択された部位の確認を行いやすい。
(注入パターンの画面上での修正例)
注入グラフ上に表示されている注入パターン(線分)368は、図13Aおよび図13Bのような方式で変更可能となっていてもよい。
図13A(a)では、一例で、第1フェーズにおいて可変定数が1.0、注入速度が3.0ml/secの注入パターン368が示されている。ここで、例えば、終端速度を変えたい場合、操作者は注入パターンの端部368qをタッチする。なお、当然ながら、タッチパネルではない場合には画面上のカーソルにより端部368qを選択してもよい。
すると、図13A(b)に示すように、端部368qの位置が変更可能な状態となる(例えば端部368qを囲むようなマーカ表示が表れてもよい)。そして、図13A(c)に示すように、この状態で操作者が例えば2.0ml/secの格子点付近をタッチすると、端部368qの位置が変わり、注入パターン(線分)368の終端速度が変更されることとなる。なお、注入パターンの始端速度を変更する場合にもこれと同様の変更方式で行うことができる。
本実施形態のシステムがこのようなグラフィカル・ユーザ・インターフェースを提供するものである場合、操作者は注入グラフ上で直感的に注入速度を修正することができる。
また、この他にも、例えば図13B(a)の状態で注入パターン368の端部368qを選択すると、より具体的には、図13Aの場合と異なる方式(例えば、長押しする(一定時間タッチし続ける)または2回ないし複数回タッチする等)端部368qを選択すると、図13B(b)のようなポップアップウィンドウ377が表示されるようになっていてもよい。
このポップアップウィンドウ377は、数値を直接入力する数値入力部377aと、増加ボタンおよび減少ボタン377bとの少なくとも一方を有している。図13B(b)では、今、注入速度は「3.0」であるが、これを「4.0」に変えたい場合には、図示するように数値入力部377aを選択して4.0と入力する。この入力は、例えば画面上のテンキー等を介して行うことができる。そして、リターンキー(決定キー)をタッチすることで、注入速度は「3.0」から「4.0」に変わり、図示は省略するが、注入パターン(線分)368の表示位置が変更される。なお、このような数値入力ではなく、増加ボタンおよび減少ボタン377bで所定の速度に変更し、リターンキー(決定キー)をタッチすることで速度の変更を行ってもよい。
(ディスプレイコントロールユニットでの表示制御)
図14は、本発明の一形態のコンピュータシステムのブロック図である。このコンピュータシステム1500は、一例で薬液注入装置のコンソールを構成するが、それに限定されるものではない。
コンピュータシステム1500は、具体的には以下のような構成要素の一部または全部を備えるものであってもよい:全体的な制御を行うメインコントローラ1510と、ディスプレイコントロールユニット(画面表示回路)1530と、記憶装置1520と、ディスプレイモニタ(不図示)等にデータを出力するための出力インターフェース1512aと、操作者からの種々の入力を可能とする入力手段1513と、コンピュータ可読媒体からデータを読み込むスロット1515と、外部機器との通信等を行う入力インターフェース1512b等。
メインコントローラ1510は、一例で、CPUやメモリ、コンピュータプログラム等を有するプロセッサユニットであってもよく、図面では1つのものとして描かれているが、複数のコントローラによって構成されるものであってもよい。
ディスプレイコントロールユニット1530は、例えばソフトウェアの機能として提供されるものであってもよいし、電気回路として提供されるものであってもよいし、それらの組合せであってもよい。入力手段1513を通じた操作者からの所定の入力、または、外部機器からの所定の入力があったときに、メインコントローラ1510がそれをトリガとして、所定の動作信号をディスプレイコントロールユニット1530に与え、ディスプレイコントロールユニット1530に一定の動作を行わせてディスプレイモニタに所定の画面、アイコン、警告メッセージ、グラフィカル・ユーザ・インターフェース等を表示させる。
ディスプレイモニタとしては、情報を表示できるものであればどのようなものであっても構わないが、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ等であってもよい。モニタの数は特に限定されるものではなく、1つまたは複数であってもよい。1つまたは複数のモニタが、コンピュータシステムとは別個に(離隔した位置に)、任意の位置に配置されてもよい。この場合、コンピュータシステムとそれらモニタとの間の接続は、例えば有線接続であってもよいし無線接続であってもよい。
入力手段1513は、キーボード、マウス、トラックボール、音声入力、グラフィカル・ユーザ・インターフェース等から選ばれる1つまたは2つ以上であってもよい。入力手段1513を通じて医師等からの指令が入力されうる。
スロット1515は、別の言い方をすれば媒体読取部ということもできる。すなわち、コンピュータ可能媒体から接触式または非接触式でデータを読み取ることができるユニットであってもよい。このコンソールC150は、撮像装置C300と注入ヘッドC110の両方の動作を制御する共通コンソールとして構成することもできる。
記憶装置1520には、グラフィカル・ユーザ・インターフェースのデータや、注入プロトコルを設定する際に使用されるデータテーブルや数式等の種々のデータが記憶されていてもよい。
このようなコンピュータシステム1500であっても、すなわち、上記実施形態のような薬液注入装置のコンソールではないコンピュータシステムであっても、注入プロトコルの設定画面(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)を提供できるものである限り、上述した本発明の一形態のものと同様の作用効果を奏することができる。
コンピュータシステムとしては、前述の説明からも明らかなように、撮像装置内に組み込まれたもの、あるいは、撮像装置のコンソールとして機能するものとして構成することができる。
(撮像装置コンソール)
図15では、ガントリC303とベッドC304を備える撮像装置C300と、その動作制御を行う撮像装置コンソールC150と、薬液注入装置の注入ヘッドC110が描かれている。コンピュータシステムは、この例では、撮像装置コンソールC150であってもよい。撮像装置コンソールC150において設定された注入プロトコルを撮像装置コンソールC150から注入ヘッドC110に転送し、注入ヘッドC110がそれにしたがって動作してもよい。
(付記1)
本出願は下記の発明を開示する:
1.シリンジのピストン部材を動作させるピストン駆動機構(130)と、
そのピストン駆動機構の動作を制御する制御部(144、153)と、
所定の情報を表示するための表示ユニット(151)と、
操作者からの入力を受け付ける入力装置(151、157)と、
を備える薬液注入装置(100)であって、
前記制御部(144、153)は、
a:前記表示ユニットに、複数の注入プロトコル設定モードの中から1つを選択するためのモード選択用表示部(363)を少なくとも含む設定用初期画面(360)を表示させ、
b:所定の注入プロトコル設定モードが選択された後、縦軸および横軸の一方が注入速度で他方が注入時間であり少なくとも1つのフェーズを含む注入グラフ(361)への操作者からの注入パターンの入力を受け付け、
c:前記注入グラフ(361)上に入力された注入パターンに基づいて薬液の注入プロトコルを作成し、
d:作成された前記注入プロトコルに従って前記ピストン駆動機構(130)を動作させ、薬液を注入する、
薬液注入装置(100)。
2.前記複数の注入プロトコル設定モードとして、
(i)前記注入グラフ上の1つのフェーズまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンが作成される、フローレートモードと、
(ii)少なくとも患者の体重に基づいて薬液の造影量が予め決定され、次いで、前記注入グラフ上の1つのフェーズまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンが作成される第1の体重入力モードと、
(iii)少なくとも患者の体重に基づいて薬液の初速度が予め決定され、次いで、前記注入グラフ上の1つのフェーズまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンが作成される第2の体重入力モードと、
のうち少なくとも2つが選択可能である、上記記載の薬液注入装置。
3.独立して動作する2つの前記ピストン駆動機構(130)を備え、前記薬液として造影剤と生理食塩水とを注入するように構成され、
前記制御部(144、153)は、操作者が前記注入グラフの1フェーズにおいて注入パターンを作成するためのポップアップ画面(371)を表示し、
前記ポップアップ画面(371)は、
−当該フェーズにおける注入パターンの傾きに係わるパラメータを入力するための表示部(371a)、
−当該フェーズの注入時間を入力するための表示部(371b)、および、
−当該フェーズの注入速度を入力するための表示部、
のうち少なくとも1つを含む、上記記載の薬液注入装置。
4.注入パターンの傾きに係わる前記パラメータが、注入速度の終速度と初速度との比として表わされる可変定数である、上記記載の薬液注入装置。
5.独立して動作する2つの前記ピストン駆動機構(130)を備え、前記薬液として造影剤と生理食塩水とを注入するように構成され、
前記制御部(144、153)は、操作者が前記注入グラフの1フェーズにおいて注入パターンを作成するためのポップアップ画面(371)を表示し、
前記ポップアップ画面(371)は、
−前記生理食塩水の注入パターンを作成するための表示部(372a)であって、造影剤の注入速度が一定速度の場合に当該表示部(372a)を選択すると、希釈注入を行うために、当該フェーズ内に一定速度の生理食塩水の注入パターンが表示される、希釈注入表示部(372b)を含む、
上記記載の薬液注入装置。
6.さらに、
所定のフェーズ内で一定速度の造影剤の注入パターンと一定速度の生理食塩水の注入パターンとが表示されている場合に、前記希釈注入表示部(372b)を選択すると、造影剤と生理食塩水との混和比率を示す表示部(371c)が表示される、
上記記載の薬液注入装置。
7.さらに、
造影剤の注入パターンが傾斜したパターンである場合に、前記希釈注入表示部(372b)を選択すると、造影剤の注入速度と生理食塩水の注入速度との和が当該フェーズにおいて実質的に一定となるように、所定の基準線を基準として前記造影剤の注入パターンと線対称形となる生理食塩水の注入パターン(368b)が表示される、
上記記載の薬液注入装置。
8.独立して動作する2つの前記ピストン駆動機構(130)を備え、前記薬液として造影剤と生理食塩水とを注入するように構成され、
前記制御部(144、153)は、操作者が前記注入グラフの1フェーズにおいて注入パターンを作成するためのポップアップ画面(371)を表示し、
前記ポップアップ画面(371)は、
−当該フェーズの次のフェーズ内に、生理食塩水によるフラッシュ注入のための注入パターンを追加するためのフラッシュ注入表示部(372a)を含む、
上記記載の薬液注入装置。
9.独立して動作する2つの前記ピストン駆動機構(130)を備え、前記薬液として造影剤と生理食塩水とを注入するように構成され、
前記制御部(144、153)は、操作者が前記注入グラフの1フェーズにおいて注入パターンを作成するためのポップアップ画面(371)を表示し、
前記ポップアップ画面(371)は、
造影剤の注入パターンを作成するための表示部(372c)であって、当該表示部を選択すると、速度が所定の初速度からゼロもしくは実質的ゼロの終速度へと変化するような形状の注入パターンが表示される、傾斜パターン表示部(372c)を含む、
上記記載の薬液注入装置。
10.前記制御部(144、153)が、さらに、
検査対象となる患者の身体区分および撮像区分の少なくとも一方の情報の入力を受け付け、
入力された身体区分または撮像区分の情報に少なくとも基づいて、患者に注入すべき注入量の計算を行う、
上記記載の薬液注入装置。
11.前記制御部(144、153)が、さらに、
患者の身体情報のうち少なくとも患者の体重の情報の入力を受け付け、
入力された前記体重の情報に少なくとも基づいて、患者に注入すべき注入量の計算を行う、
上記記載の薬液注入装置。
12.前記制御部(144、153)が、さらに、
造影剤のヨード量の情報の入力を受け付け、
入力された前記ヨード量の情報に少なくとも基づいて、患者に注入すべき注入量の計算を行う、
上記記載の薬液注入装置。
13.前記制御部(144、153)が、さらに、
患者の身体情報のうち少なくとも患者の体重の情報と、造影剤のヨード量の情報との入力を受け付け、
入力されたそれらの情報に少なくとも基づいて造影剤の初速度の計算を行う、
上記記載の薬液注入装置。
14.シリンジが取外し可能に装着される注入ヘッド(110)と、
その注入ヘッド(110)に接続されたコンソール(150)と、を備え、
前記注入ヘッドが前記ピストン駆動機構を有し、前記コンソールが前記制御部を有する、上記記載の薬液注入装置。
15.前記コンソールが、前記入力装置としての機能も有する前記表示ユニットとして、タッチパネル式ディスプレイ(151)を有する、上記記載の薬液注入装置。
16.前記シリンジが、シリンジ内に予め造影剤が充填されたプレフィルドタイプのシリンジである、上記記載の薬液注入装置。
17.前記シリンジがICタグ付きのシリンジである、上記記載の薬液注入装置。
18.記シリンジが、
中空のシリンダ部材とそれにスライド自在に挿入されたピストン部材を有するものであり、
前記シリンダ部材の端部のシリンダフランジに少なくとも1つの切欠き部が形成されている、上記記載の薬液注入装置。
A1.制御部と、
所定の情報を表示するための表示ユニットと、
操作者からの入力を受け付ける入力装置と、
を備えるコンピュータ装置であって、
前記制御部は、
a:前記表示ユニットに、複数の注入プロトコル設定モードの中から1つを選択するためのモード選択用表示部(363)を少なくとも含む設定用初期画面(360)を表示させ、
b:所定の注入プロトコル設定モードが選択された後、縦軸および横軸の一方が注入速度で他方が注入時間であり少なくとも1つのフェーズを含む注入グラフ(361)への操作者からの注入パターンの入力を受け付け、
c:前記注入グラフ(361)上に入力された注入パターンに基づいて薬液の注入プロトコルを作成し、
d:作成された前記注入プロトコルに従って前記ピストン駆動機構(130)を動作させ、薬液を注入する、コンピュータ装置。
すなわち、本発明においては、図面を参照して例示したようなプロトコルの設定を行えるものであれば、薬液注入装置に限定されるものではなく、注入機能を有しないコンピュータ装置などにも応用可能である。このことは、上記A1.で規定される技術的事項だけではなく、本明細書で開示する他の技術的事項と組み合せ得るものである。
(付記2)
さらに、本明細書は次の発明をも開示する:
B1.注入プロトコルを設定するためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースを有するシステムであって、
上記グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、
a:複数の注入プロトコル設定モードの中から1つを選択するためのモード選択用表示(例えばアイコン)を少なくとも含む設定用初期画面と、
b:所定の注入プロトコル設定モードが選択された後、縦軸および横軸の一方が注入速度で他方が注入時間であり少なくとも1つのフェーズを含む注入グラフへの操作者からの注入パターンの入力を受け付ける入力画面と、
を含み、
c:(操作者による確認の入力または変更の入力を受け付け、)上記注入グラフ上に入力された注入パターンに基づいて薬液の注入プロトコルを作成する、システム。
B2.前記複数の注入プロトコル設定モードとして、
(i)前記注入グラフ上の1つのフェーズまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンが作成される、フローレートモードと、
(ii)少なくとも患者の体重に基づいて薬液の造影量が予め決定され、次いで、前記注入グラフ上の1つのフェーズまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンが作成される第1の体重入力モードと、
(iii)少なくとも患者の体重に基づいて薬液の初速度が予め決定され、次いで、前記注入グラフ上の1つのフェーズまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンが作成される第2の体重入力モードと、
のうち少なくとも2つが選択可能である、システム。
C1−1.注入プロトコルの設定方法であって、
a:表示ユニットに、複数の注入プロトコル設定モードの中から1つを選択するためのモード選択用表示部を少なくとも含む設定用初期画面を表示させるステップと、
b:所定の注入プロトコル設定モードが選択された後、縦軸および横軸の一方が注入速度で他方が注入時間であり少なくとも1つのフェーズを含む注入グラフへの操作者からの注入パターンの入力を受け付けるステップと、
c:前記注入グラフ上に入力された注入パターンに基づいて薬液の注入プロトコルを作成するステップと、
を有する、方法。
C1−2.さらに、
d:作成された前記注入プロトコルに従ってピストン駆動機構を動作させ、薬液を注入するステップを有する、方法。
C2.複数の注入プロトコル設定モードとして、
(i)前記注入グラフ上の1つのフェーズまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンが作成される、フローレートモードと、
(ii)少なくとも患者の体重に基づいて薬液の造影量が予め決定され、次いで、前記注入グラフ上の1つのフェーズまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンが作成される第1の体重入力モードと、
(iii)少なくとも患者の体重に基づいて薬液の初速度が予め決定され、次いで、前記注入グラフ上の1つのフェーズまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンが作成される第2の体重入力モードと、
のうち少なくとも2つが選択可能である、上記記載の方法。
C3.さらに、
e:操作者が前記注入グラフの1フェーズにおいて注入パターンを作成するためのポップアップ画面を表示するステップを有し、
前記ポップアップ画面は、
−当該フェーズにおける注入パターンの傾きに係わるパラメータを入力するための表示部、
−当該フェーズの注入時間を入力するための表示部、および、
−当該フェーズの注入速度を入力するための表示部、
のうち少なくとも1つを含む、方法。
D1.1つまたは複数のコンピュータに、上記本発明の一形態に係る方法を実施させるためのコンピュータプログラム。
E1.シリンジのピストン部材を動作させるピストン駆動機構と、所定の情報を表示するための表示ユニットと、その表示ユニットに表示する内容を制御する表示コントローラと、操作者からの入力を受け付ける入力装置と、を備えるシステムの動作方法であって、
a:表示コントローラが、前記表示ユニットに、複数の注入プロトコル設定モードの中から1つを選択するためのモード選択用表示部(363)を少なくとも含む設定用初期画面(360)を表示させるステップと、
b1:表示コントローラが、所定の注入プロトコル設定モードが選択された後、縦軸および横軸の一方が注入速度で他方が注入時間であり少なくとも1つのフェーズを含む注入グラフ(361)を表示させるステップと、
b2:入力装置が、上記注入グラフへの操作者からの注入パターンの入力を受け付けるステップと、
を有する、システムの動作方法。
さらに、コンピュータ(制御部)が、入力された注入パターンに基づいて注入プロトコルを作成するステップを有する、方法。
100 薬液注入装置
102 ケーブル
110 注入ヘッド
120a 凹部
111 可動式スタンド
130 ピストン駆動機構
144 制御部
145 リーダ/ライタ
146 記憶部
150 コンソール(注入制御ユニット)
151 表示ユニット(表示デバイス)
153 制御部
154 記憶部
157 ハンドユニット
158 インターフェース端子
159 操作パネル
200 シリンジ
221 シリンダ部材
222 ピストン部材
225 ICタグ
230 延長チューブ
231a〜231c チューブ
300 撮像装置
303a 制御部
300b 撮像部
304 ベッド
360 設定用初期画面
361 注入グラフ
362 パターンアイコン
363 モード選択用アイコン
364〜366 アイコン
368a、368b 注入パターン
369a 中断アイコン
369b 時間表示部
369c 速度表示部
369d 注入量表示部
371 ポップアップ画面
371a〜371c 表示部(入力部)
373 アイコン
374 エリア
500 シリンジ
501 シリンダ部材
502 ピストン部材
502a ピストンフランジ
508 分岐チューブ

Claims (15)

  1. シリンジのピストン部材を動作させるピストン駆動機構と、
    そのピストン駆動機構の動作を制御する制御部と、
    所定の情報を表示するための表示ユニットと、
    操作者からの入力を受け付ける入力装置と、を備える薬液注入装置であって、
    前記制御部は、
    a:患者体重の入力および使用する造影剤のヨード量の入力を受け付ける処理と、
    :前記表示ユニットに、複数の注入プロトコル設定モードの中から1つを選択するためのモード選択用表示部を含む設定用初期画面を表示させる処理と、
    c:入力された前記患者体重および前記ヨード量の情報に基づき患者に注入すべき造影剤の初速度および注入量の少なくとも一方を計算する処理と、
    :所定の注入プロトコル設定モードが選択された後、縦軸および横軸の一方が注入速度で他方が注入時間であり複数のフェーズを含む注入グラフへの操作者からの注入パターンの入力を受け付ける処理であって、前記注入パターンの情報として少なくとも注入時間の情報が入力される、処理と、
    :前記注入時間の情報と、計算された前記薬液の注入量に基づいて、注入速度を計算し、薬液の注入プロトコルを作成する処理と、
    を行うように構成され、
    前記dの処理では、操作者が前記注入グラフの1フェーズごとの注入パターンを作成するためのポップアップ画面が表示され、当該ポップアップ画面は(i)当該フェーズにおける注入速度の終速度と初速度との比として表わされる可変定数を入力するための表示部、および、(ii)そのフェーズの注入時間を入力するための表示部を含んでいる
    薬液注入装置。
  2. 前記複数の注入プロトコル設定モードとして、
    (i)前記注入グラフ上の1つのフェーズまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンが作成される、フローレートモードと、
    (ii)少なくとも患者の体重に基づいて薬液の注入量が予め決定され、次いで、前記注入グラフ上の1つのフェーズまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンが作成される第1の体重入力モードと、
    (iii)少なくとも患者の体重に基づいて薬液の初速度が予め決定され、次いで、前記注入グラフ上の1つのフェーズまたは複数のフェーズに注入パターンを入力することで全体として1つの注入パターンが作成される第2の体重入力モードと、
    のうち少なくとも2つが選択可能である、請求項1に記載の薬液注入装置。
  3. 独立して動作する2つの前記ピストン駆動機構を備え、前記薬液として造影剤と生理食塩水とを注入するように構成され
    記ポップアップ画面は、
    記生理食塩水の注入パターンを作成するための表示部であって、造影剤の注入速度が一定速度の場合に当該表示部を選択すると、希釈注入を行うために、当該フェーズ内に一定速度の生理食塩水の注入パターンが表示される、希釈注入表示部を含む、
    請求項1または2に記載の薬液注入装置。
  4. さらに、
    所定のフェーズ内で一定速度の造影剤の注入パターンと一定速度の生理食塩水の注入パターンとが表示されている場合に、前記希釈注入表示部を選択すると、造影剤と生理食塩水との混和比率を示す表示部が表示される、
    請求項に記載の薬液注入装置。
  5. さらに、
    造影剤の注入パターンが傾斜したパターンである場合に、前記希釈注入表示部を選択すると、造影剤の注入速度と生理食塩水の注入速度との和が当該フェーズにおいて実質的に一定となるように、所定の基準線を基準として前記造影剤の注入パターンと線対称形となる生理食塩水の注入パターンが表示される、
    請求項3または4に記載の薬液注入装置。
  6. 独立して動作する2つの前記ピストン駆動機構を備え、前記薬液として造影剤と生理食塩水とを注入するように構成され
    記ポップアップ画面は、
    −当該フェーズの次のフェーズ内に、生理食塩水によるフラッシュ注入のための注入パターンを追加するためのフラッシュ注入表示部を含む、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の薬液注入装置。
  7. 独立して動作する2つの前記ピストン駆動機構を備え、前記薬液として造影剤と生理食塩水とを注入するように構成され
    記ポップアップ画面は、
    造影剤の注入パターンを作成するための表示部であって、当該表示部を選択すると、速度が所定の初速度からゼロもしくは実質的ゼロの終速度へと変化するような形状の注入パターンが表示される、傾斜パターン表示部を含む、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の薬液注入装置。
  8. 前記制御部が、さらに、
    検査対象となる患者の身体区分および撮像区分の少なくとも一方の情報の入力を受け付け、
    入力された身体区分または撮像区分の情報に少なくとも基づいて、患者に注入すべき注入量の計算を行う、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の薬液注入装置。
  9. シリンジが取外し可能に装着される注入ヘッドと、
    その注入ヘッドに接続されたコンソールと、を備え、
    前記注入ヘッドが前記ピストン駆動機構を有し、前記コンソールが前記制御部を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬液注入装置。
  10. 前記コンソールが、前記入力装置としての機能も有する前記表示ユニットとして、タッチパネル式ディスプレイを有する、請求項に記載の薬液注入装置。
  11. 前記シリンジが、シリンジ内に予め造影剤が充填されたプレフィルドタイプのシリンジである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の薬液注入装置。
  12. 前記シリンジがICタグ付きのシリンジである、請求項11に記載の薬液注入装置。
  13. 前記シリンジが、
    中空のシリンダ部材とそれにスライド自在に挿入されたピストン部材を有するものであり、
    前記シリンダ部材の端部のシリンダフランジに少なくとも1つの切欠き部が形成されている、請求項11または12に記載の薬液注入装置。
  14. 薬液注入装置の注入プロトコルを設定するための方法であって、
    a:患者体重の入力および使用する造影剤のヨード量の入力を受け付ける処理と、
    b:表示ユニットに、複数の注入プロトコル設定モードの中から1つを選択するためのモード選択用表示部を含む設定用初期画面を表示させる処理と、
    c:入力された前記患者体重および前記ヨード量の情報に基づき患者に注入すべき造影剤の初速度および注入量の少なくとも一方を計算する処理と、
    d:所定の注入プロトコル設定モードが選択された後、縦軸および横軸の一方が注入速度で他方が注入時間であり複数のフェーズを含む注入グラフへの操作者からの注入パターンの入力を受け付ける処理であって、前記注入パターンの情報として少なくとも注入時間の情報が入力される、処理と、
    e:前記注入時間の情報と、計算された前記薬液の注入量に基づいて、注入速度を計算し、薬液の注入プロトコルを作成する処理と、
    を含み、a〜eの各ステップはコンピュータが行うものであり、
    前記dの処理では、操作者が前記注入グラフの1フェーズごとの注入パターンを作成するためのポップアップ画面が表示され、当該ポップアップ画面は(i)当該フェーズにおける注入速度の終速度と初速度との比として表わされる可変定数を入力するための表示部、および、(ii)そのフェーズの注入時間を入力するための表示部を含んでいる、
    注入プロトコルの設定方法。
  15. 薬液注入装置の注入プロトコルを設定するためのコンピュータプログラムであって、
    コンピュータに、
    a:患者体重の入力および使用する造影剤のヨード量の入力を受け付ける処理と、
    b:表示ユニットに、複数の注入プロトコル設定モードの中から1つを選択するためのモード選択用表示部を含む設定用初期画面を表示させる処理と、
    c:入力された前記患者体重および前記ヨード量の情報に基づき患者に注入すべき造影剤の初速度および注入量の少なくとも一方を計算する処理と、
    d:所定の注入プロトコル設定モードが選択された後、縦軸および横軸の一方が注入速度で他方が注入時間であり複数のフェーズを含む注入グラフへの操作者からの注入パターンの入力を受け付ける処理であって、前記注入パターンの情報として少なくとも注入時間の情報が入力される、処理と、
    e:前記注入時間の情報と、計算された前記薬液の注入量に基づいて、注入速度を計算し、薬液の注入プロトコルを作成する処理と、
    を実行させ、
    前記dの処理では、操作者が前記注入グラフの1フェーズごとの注入パターンを作成するためのポップアップ画面が表示され、当該ポップアップ画面は(i)当該フェーズにおける注入速度の終速度と初速度との比として表わされる可変定数を入力するための表示部、および、(ii)そのフェーズの注入時間を入力するための表示部を含んでいる、
    コンピュータプログラム。

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