以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1(A)は、本発明の実施の形態に係わる文書管理システムの概略構成を示す図である。
本発明の実施の形態に係わる文書管理システム10は、図1(A)に示すように、文書管理サーバ装置12及び複数のクライアントコンピュータ14がネットワーク等の通信手段16に接続されて構成されている。なお、通信手段としては、インターネットやイーサネット(登録商標)等の各種ネットワークを適用することができる。また、図1(A)では、クライアントコンピュータ14は2台示すが、2台に限るものではない。
文書管理サーバ装置12は、クライアントコンピュータ14や当該文書管理サーバ装置12等で作成された文書情報を格納する。そして、文書管理サーバ装置12に格納された文書情報へのアクセスは、通信手段16に接続された各クライアントコンピュータ14から可能とされている。本実施の形態では、文書管理サーバ装置12に格納された文書情報が、通信手段16を介して接続された複数のクライアントコンピュータ14間で共有される。例えば、各クライアントコンピュータ14で文書情報が作成され、文書管理サーバ装置12にアップロードされたときに、本実施の形態では、クライアントコンピュータ14上の文書情報が、文書管理サーバ装置12に格納された文書情報へのショートカットに置換される。そして、ショートカットを操作することにより、文書管理サーバ装置12に格納された文書情報へのアクセスが行われる。
図1(B)は、文書管理サーバ装置12及びクライアントコンピュータ14の概略構成を示すブロック図である。
文書管理サーバ装置12及びクライアントコンピュータ14は、図1(B)に示すように、CPU20、ROM22、RAM24、及び入出力ポート26を備えている。入出力ポート26には、ディスプレイ28、マウス30、キーボード32、及びハードディスク(HDD)34等の記憶装置が接続されている。
ハードディスク34には、文書情報を管理するための文書管理プログラムが記憶されており、当該文書管理プログラムをCPU20が実行することにより、文書情報を管理するための種々の文書管理処理が実行される。
文書管理プログラムを実行することにより行われる種々の文書管理処理は、一例として以下に示す処理が実行される。
(1)クライアントコンピュータ14から文書管理サーバ装置12へ文書情報の送信(アップロード)が行われたことをトリガとして、文書管理サーバ装置12に格納された文書情報へアクセスするためのショートカットを生成して、クライアントコンピュータ14上の文書情報と置換する第1置換処理。
(2)クライアントコンピュータ14上で新規文書が保存、文書情報のメール添付送信、または文書情報の複製が行われた場合に、当該文書情報を文書管理サーバ装置12にアップロードし、ショートカットを作成して、保存、メール添付送信、または複製されたクライアントコンピュータ14上の文書情報と作成したショートカットを置換する第2置換処理。
(3)文書管理サーバ装置12への文書情報のアップロード実行の有無の選択を行う選択処理。
(4)クライアントコンピュータ14から文書管理サーバ装置12へアクセスして文書管理サーバ装置12上に文書を作成した時にショートカットを作成してクライアントコンピュータ14へ送信する文書新規作成処理。
(5)閲覧時に文書情報を一時記憶(キャッシュ)して通信手段16が切断された場合にキャッシュした文書情報を利用して表示する第1表示処理。
(6)文書管理サーバ装置12との通信が切断された場合に、他のクライアントコンピュータ14にキャッシュされた文書情報を利用して表示する第2表示処理。
(7)ショートカットの複製による実体文書情報の複製を作成するショートカット複製処理。
(8)ショートカットが存在しない、或いは予め定めた数に減少した文書情報について整理を行う文書整理処理。
(9)ショートカット削除に関する削除処理。
(10)文書管理サーバ装置12から文書情報をダウンロード(文書情報の所有権を獲得)して文書管理サーバ装置12上にショートカットを作成する実体文書取得処理。
なお、(1)〜(10)の処理のうち(5)、(6)を除く処理は、文書管理サーバ装置12またはクライアントコンピュータ14の何れかにインストールした文書管理プログラムを実行することにより実現可能であるが、(5)、(6)についてはクライアントコンピュータ14にインストールした文書管理プログラムを実行することで実現可能である。
ここで、本実施の形態に係わる文書管理システム10の文書管理プログラムの概略構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係わる文書管理システム10の文書管理プログラムの一部の概略構成を示す機能ブロック図である。なお、文書管理プログラムは、各クライアントコンピュータ14にインストールして実行するものとしてもよいし、文書管理サーバ装置12にインストールして実行するものとしてもよい。
図2に示すように、文書管理プログラムは、文書情報格納部40、ショートカット生成部42、文書情報置換部44、文書操作作成検出部46、アップロード選択部48、及びサーバ上新規文書作成検出部50の機能を備えている。
文書情報格納部40は、通信手段16を介して文書管理サーバ装置12のHDD34等の記録領域に文書情報を格納する処理を行う。
ショートカット生成部42は、文書情報格納部40によって文書情報が格納された場合に、当該文書情報へアクセスするためのショートカットを生成する。
文書情報置換部44は、文書情報格納部40によって文書情報が格納された場合に、送信元の文書情報をショートカット生成部42によって生成されたショートカットに置換する処理を行う。すなわち、実体の文書情報は文書管理サーバ装置12に存在し、ショートカットによって当該実体文書情報にアクセスするため、文書が散在することがなくなる。
また、文書操作検出部46は、新規文書の保存や、文書情報のメール添付送信、または文書情報の複製を検出し、何れかが検出された場合に文書情報格納部40に通知する。これを受けて文書情報格納部40では、保存された文書、メール添付送信された文書、または複製された文書を文書管理サーバ装置12に格納する処理を行う。
アップロード選択部48は、文書管理サーバ装置12に文書情報を格納(アップロード)してショートカットに置換する処理を実行するか否かの選択を行う。該選択は、キーボードやマウス等の操作手段によって設定し、設定に応じて上記処理の実行の有無を選択する。
そして、サーバ上新規文書作成検出部50は、文書管理サーバ装置12上に新規文書が作成されたか否かを検出し、新規文書の作成が検出された場合には、ショートカット生成部42へ通知する。これを受けてショートカット生成部42では新規文書へアクセスするためのショートカットを生成して新規文書の作成元のクライアントコンピュータ14に送信する。
図3は、文書管理サーバ装置12に格納された文書を表示する際の表示プログラムの構成を示す機能ブロック図である。なお、表示プログラムも文書管理プログラムと同様に、各クライアントコンピュータ14にインストールして実行するものとしてもよいし、文書管理サーバ装置12にインストールして実行するものとしてもよい。
表示プログラムは、文書情報取得部52、通信切断検出部54、文書キャッシュ部56、キャッシュ文書情報取得部58、及び表示部60を備えている。
文書情報取得部52は、ショートカットに対応する文書情報を文書管理サーバ装置12から取得する処理を行う。
通信切断検出部54は、ネットワーク等の通信手段16に切断を検出し、検出結果を文書キャッシュ部56及びキャッシュ文書情報取得部58へ通知する処理を行う。
文書キャッシュ部56は、文書情報取得部52によって取得された文書情報を一時的に格納し、通信切断検出部54によって通信切断が検出された場合に格納した文書情報を利用する処理を行う。具体的には、文書情報の閲覧中に通信が切断された場合に、一時的に格納した文書情報を用いて閲覧を継続可能とする処理を行う。
キャッシュ文書情報取得部58は、閲覧中の文書情報をキャッシュしている他のクライアントコンピュータ14を検索して、通信切断検出部54によって通信の切断が検出された場合に、他のクライアントコンピュータ14にキャッシュされた文書情報を取得して閲覧を継続可能とする処理を行う。
そして、表示部60は、文書情報取得部52によって取得されたショートカットに対応する文書情報や、文書キャッシュ部56によってキャッシュされた文書情報、或いはキャッシュ文書情報取得部58によって取得された他のクライアントコンピュータ14にキャッシュされた文書情報に基づく表示処理を行う。
続いて、上述のように構成された本発明の実施の形態に係わる文書管理システム10の上述の文書管理プログラムを実行することによって行われる具体的な処理例について説明する。
まず、文書管理処理として上述した第1置換処理について説明する。図4(A)は第1置換処理の流れの一例を示すフローチャートであり、図4(B)は当該第1置換処理の流れの概略を示す図である。なお、図4(A)の処理は、第1置換処理の実行がアップロード選択部48によって予め選択されている場合に行われる。
ステップ100では、文書情報サーバ格納検出処理が行われてステップ102へ移行する。当該処理は、文書情報の文書管理サーバ装置12への格納を検出するために、文書情報の文書管理サーバ装置12への格納が指示されたか否かを文書情報格納部40が判定する。例えば、図4(B)に示すように、クライアントコンピュータ14から文書管理サーバ装置12へ文書情報のアップロードが行われたか否かを判定し、該判定が肯定された場合にステップ102へ移行する。
ステップ102では、文書情報格納部40によって文書情報が文書管理サーバ装置12に格納されてステップ104へ移行する。ここで、文書管理サーバ装置12に格納された文書情報は、UUIDなどの識別情報を用いて管理してもよい。これにより同一ファイル名の文書情報が多重にアップロードされても識別可能となる。なお、ファイル名で文書を識別する場合に、同一ファイル名の文書を多重にアップロードしたときには、文書を上書きするか否かを確認するようにしてもよいし、文書のアップロードを拒否してエラーを通知するようにしてもよいし、既に登録されている文書と同一のユーザからのアップロード要求であれば受け付けてそれ以外のユーザの場合は拒否するようにしてもよいし、既存文書とアップロード文書の内容やプロパティを比較して同一コンテキストか判定して同一であれば上書きしてそうでなければエラーを通知するようにしてもよい。文書を上書きするか否かを確認して上書きした場合には、既存の文書とは別のコンテキストの文書として扱われるため、既に存在するショートカットのアイコンを変更、または無効とすることで、ユーザに通知するようにしてもよい。アイコン更新や通知のタイミングは、文書管理サーバ装置12から各ショートカットに能動的に通知してもよいし、ショートカット操作時に文書管理サーバ装置12からのレスポンスとしてエラーを返してもよい。
次に、ステップ104では、格納された文書情報へアクセスするためのショートカットがショートカット生成部42によって生成されてステップ106へ移行する。なお、ショートカットの内容としては、文書管理サーバ装置12によって付与されたID(例えば、UUID等)や、文書管理サーバ装置12のIPアドレス及び文書へのパス情報、文書の内容やプロパティから生成されたハッシュ値、文書の作成者や作成日時などのプロパティの少なくとも一つを適用するようにしてもよい。
ステップ106では、送信元の文書情報が生成されたショートカットに文書情報置換部44によって置換されて一連の処理を終了する。文書情報をショートカットと置換する方法としては、ユーザが誤ってアクセスしないことが実現されればよく、例えば、別ファイル名で元文書情報をバックアップのように保存してもよいし、別ディレクトリに元文書情報を退避させるようにしてもよいし、オペレーティングシステムの機能を利用して、元文書情報を非可視状態にするようにしてもよいし、文書情報を非可視状態にする機能を有するアプリケーションを利用するようにしてもよい。なお、置換されたショートカットは、クライアントコンピュータ14上にある通常の文書情報と同様にアイコンなどで表示され、ファイル移動などの操作が可能とされている。アイコン表示する場合には、ショートカットであることを意識させない通常の文書情報を表すアイコンで表示してもよいし、通常のアイコンとは別のアイコンや、特定の図や記号を加えたアイコンとしてもよいし、半透明の文書アイコンとしてユーザにショートカットであることを意識させるようにしてもよい。
このように、クライアントコンピュータ14から文書管理サーバ装置12へ文書情報がアップロードされたときには、元の文書情報は文書管理サーバ装置12に格納されて、クライアントコンピュータ14にあった文書情報はショートカットに置換されるので、文書情報が散在することがなくなる。
例えば、図4の文書管理処理を行うプログラム(第1置換処理)をクライアントコンピュータ14にアプリケーションとしてインストールしてクライアントコンピュータ14で実行する場合には、図5に示すように、クライアントコンピュータ14においてインストールした文書管理ソフトを起動し、ディスクトップ62等から起動した文書管理ソフト64にドラッグアンドドロップすることで文書管理サーバ装置12に文書情報をアップロードする。このとき、クライアントコンピュータ14にインストールされた文書管理ソフト64が文書情報を文書管理サーバ装置12へアップロードし、そのショートカットを生成し、ディスクトップ62上の文書情報とショートカットを置換する。
また、図4の文書管理処理を行うプログラムを文書管理サーバ装置12にインストールして文書管理サーバ装置12で実行する場合には、図6に示すようなブラウザ画面66を用いて、クライアントコンピュータ14から文書管理サーバ装置12にWebブラウザでアクセスすることで実現される。例えば、ブラウザの拡張プラグイン機能(アドオン)などで、文書情報のアップロード操作を検知して、元の文書情報をショートカットに置き換えてもよいし、クライアントコンピュータ14上の文書情報への操作や、通信を監視するプロセス等を設けて、アップロード操作を検知した時に、文書管理サーバ装置12からクライアントコンピュータ14にショートカットを送信して元の文書情報と置換する。なお、文書管理サーバ装置12からクライアントコンピュータ14へのアクセス権は事前に確保しておいてもよいし、文書管理サーバ装置12からショートカットに置き換えるプログラムを送信するようにしてもよい。
なお、図5にはクライアントコンピュータ14に文書管理処理を行うプログラムをインストールした場合の文書管理アプリケーション64の表示画面の一例を示し、図6には文書管理サーバ装置12に文書管理処理を行うプログラムをインストールした場合のブラウザ画面の一例を示す。
続いて、上述の第2置換処理について説明する。図7(A)は第2置換処理の流れの一例を示すフローチャートであり、図7(B)は当該第2置換処理の流れの概略を示す図である。
ステップ200では、新規文書保存/メール添付送信/複製の検出処理が行われてステップ202へ移行する。当該処理は、新規文書情報の保存、文書情報のメール添付送信、または文書情報の複製が行われたか否かを文書操作検出部46が判定する。なお、文書保存を検知する方法としては、文書アプリを監視してもよいし、クライアントコンピュータ14のディスク書き込み処理と書き込み内容を監視してもよい。また、文書情報のメール添付送信の検知は、メールアプリのプラグイン機構を利用することで実現される。また、文書情報の複製の検知は、ファイラーを監視したり、ファイラーのプラグイン機構を利用したり、クライアントコンピュータ14のディスク書き込みイベントを監視することが実現される。
ステップ202では、保存、メール添付送信、または複製の対象の文書情報が文書情報格納部40によって文書管理サーバ装置12に格納されてステップ204へ移行する。
ステップ204では、格納された文書情報へアクセスするためのショートカットがショートカット生成部42によって生成されてステップ206へ移行する。
ステップ206では、クライアントコンピュータ14上の対象の文書情報が生成されたショートカットに文書情報置換部44によって置換されて一連の処理を終了する。なお、メール添付送信の場合には、文書管理サーバ装置12に格納される文書情報以外をショートカットに置き換える。すなわち、メール送信元及び送信先にショートカットが送信される。
例えば、図7(B)に示すように、クライアントコンピュータ14に文書が保存された場合にはこれを検知し、保存した文書情報を文書管理サーバ装置12にアップロードしてアップロード先へのショートカットを生成してクライアントコンピュータ14の保存された文書情報とショートカットを置換する。
なお、新規文書情報の保存、文書情報のメール添付送信、または文書情報の複製が行われたときに、作成途中の文書や草稿が公開されてしまうのを回避するために、文書管理サーバ装置12への文書情報のアップロード実行の有無の選択を行う選択処理を行うようにしてもよい。当該選択処理は、アップロード選択部48によって行われる。
例えば、図8(A)や図8(B)に示すように、文書編集アプリケーションの表示画面68上のメニューやツールバーに、「下書き保存」や「公開保存」のように選択可能として、「下書き保存」が操作された場合には文書管理サーバ装置12へのアップロードを行わず、「公開保存」が操作された場合に、文書管理サーバ装置12への文書情報の保存とクライアントコンピュータ14上の文書情報のショートカットへの置換を行うようにしてもよい。
また、文書の複製やメール添付送信などを契機とする場合には、文書管理サーバ装置12へのアップロードの有無をファイラーやメーラー等のプラグイン機構を利用して設定可能としてもよい。また、ディスク監視手段に設定手段を追加してもよい。
次に、上述の文書新規作成処理について説明する。図9(A)は文書新規作成処理の流れの一例を示すフローチャートであり、図9(B)は当該文書新規作成処理の流れの概略を示す図である。
ステップ300では、サーバ上新規文書作成検出処理が行われてステップ302へ移行する。当該処理は、例えば、クライアントコンピュータ14がブラウザを用いて文書管理サーバ装置12の文書編集アプリケーションを起動して新規文書を文書管理サーバ装置12上に作成したか否かをサーバ上新規文書作成検出部50が判定することによって行われる。なお、新規文書作成の検出は、例えば、文書管理サーバ装置12の文書編集アプリケーションの操作を監視するブラウザ拡張プラグインを用いて新規文書作成ボタンの操作などを監視することで実現される。或いは、文書管理サーバ装置12の文書編集アプリケーションで作成した文書リストをクライアントコンピュータ14に予め保持しておき、リストを検索することで新規文書の作成であるか否かを検出することで実現される。
ステップ302では、文書管理サーバ装置12上に作成された新規の文書情報が文書情報格納部40によって文書管理サーバ装置12に格納されてステップ304へ移行する。
ステップ304では、格納された文書情報へアクセスするためのショートカットがショートカット生成部42によって生成されてステップ306へ移行する。なお、メニューやボタン等で「サーバに保存」や「サーバに保存してショートカットを作成」を選択可能として、クライアントコンピュータ14にショートカットを作成するか否かを選択可能としてもよい。
ステップ306では、生成されたショートカットが文書情報を作成したクライアントコンピュータ14へ送信されて一連の処理を終了する。
例えば、図9(B)に示すように、クライアントコンピュータ14がブラウザで文書管理サーバ装置12の文書編集アプリケーションを起動(文書作成ブラウザ)して新規文書を作成し、この新規文書の作成を検出して、文書管理サーバ装置12上の新規文書へアクセスするためのショートカットを作成してクライアントコンピュータ14へ送信する。
なお、メニューやボタン等で「サーバに保存」や「サーバに保存してショートカットを作成」を選択可能として、クライアントコンピュータ14にショートカットを作成するか否かを選択可能としてもよい。
続いて、上述の何れかでクライアントコンピュータ14に作成されたショートカットを用いて文書情報を閲覧する場合の処理の一例について説明する。
図10は、クライアントコンピュータ14に作成されたショートカットを用いて文書情報を閲覧する場合の閲覧処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図10の閲覧処理は、クライアントコンピュータ14で行われ、ショートカットの操作が行われた場合に開始する。
ステップ400では、操作されたショートカットに対応する文書情報の取得要求が文書情報取得部52によって行われてステップ402へ移行する。
ステップ402では、他のクライアントコンピュータ14で使用中であるか否かが文書情報取得部52によって判定される。該判定は、ショートカットに対応する文書情報が文書管理サーバ装置12から送信されたか否か等を判定し、該判定が否定された場合にはステップ404へ移行し、肯定された場合にはステップ412へ移行する。
ステップ404では、文書情報の表示及び編集が許可されてステップ406へ移行する。これによって、ショートカットに対応する文書情報を表示部60によって表示して編集が行われる。
ステップ406では、他のクライアントコンピュータ14による当該文書情報へのアクセスが排他されてステップ408へ移行する。例えば、文書管理サーバ装置12に表示中の文書情報の占有を通知することにより、他からのアクセスを排他する。
ステップ408では、表示終了か否かが表示部60によって判定される。該判定は、編集や閲覧が終了して文書情報を閉じる操作が行われたか否か等を判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ410へ移行する。
ステップ410では、他のクライアントコンピュータ14による当該文書情報へのアクセスが許可されて一連の処理を終了する。例えば、文書管理サーバ装置12に占有の終了を通知することにより、他のクライアントコンピュータ14からのアクセスを許可する。
一方、ステップ412では、他のクライアントコンピュータ14で使用中であるため、使用中が通知、またはリードオンリーで表示されて一連の処理を終了する。
このようにショートカットによる表示閲覧処理を行うことにより、複数のクライアントコンピュータ14によってアクセスされて同時編集されることがなくなる。
また、本実施の形態では、図10の閲覧処理によって文書情報の閲覧が可能であるが、ショートカットに対応する文書情報をクライアントコンピュータ14で表示する場合には、上述した第1表示処理または第2表示処理によって行われる。
ここで、第1表示処理について説明する。図11は、第1表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップ500では、操作されたショートカットに対応する文書情報が文書情報取得部52によって取得されてステップ502へ移行する。
ステップ502では、取得した文書情報に基づく表示が表示部60によって行われてステップ504へ移行する。
ステップ504では、取得した文書情報が文書キャッシュ部56によってキャッシュされてステップ506へ移行する。
ステップ506では、サーバ接続が切断されたか否か通信切断検出部54によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ502に戻って上述の処理が繰り返され、判定が肯定された場合にはステップ508へ移行する。
ステップ508では、ステップ504でキャッシュされた文書情報に基づく表示が表示部60によって行われてステップ510へ移行する。例えば、ショートカット先情報をキーとしてキャッシュされている文書情報を検索して表示する。これにより、文書管理サーバ装置12との通信が遮断されてもキャッシュされた文書情報によって表示が継続される。
ステップ510では、文書管理サーバ装置12との接続が再開したか否かが通信切断検出部54によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ508に戻ってキャッシュされた文書情報に基づく表示が継続され、判定が肯定された場合にはステップ512へ移行する。
ステップ512では、文書情報取得部52によって文書情報の再取得が行われてステップ502に戻って上述の処理が繰り返される。
なお、文書情報をキャッシュするタイミングは上記に限るものではなく、例えば、オリジナルの文書情報を作成したクライアントコンピュータ14では、その文書情報をショートカットに置換する際にキャッシュとしてオリジナルの文書情報を格納するようにしてもよい。
また、キャッシュされた文書情報は、予め定めた容量または数になったところで削除するようにしてもよい。この場合の削除する判定基準としては、最後にショートカットを介して文書情報を参照した日時が最も古いものを削除してもよいし(LRU法と称する)、ショートカットを介して文書情報を参照した間隔が最も長いものを削除するようにしてよいし(例えば、頻繁に使用する文書Aとめったに使用しない文書Bのアクセスが「AAAAABAAAAAAAAB」のようにアクセスした場合には上記LRU法ではAが削除されてしまうがこの場合にはBが削除される)、実体の文書情報の更新日時が最も古い文書情報を削除するようにしてもよいし(更新が頻繁な文書は利用頻度が高いと考えられる)、文書情報サイズが最も大きい文書情報を削除するようにしてもよい(キャッシュ容量優先)、自分以外が作成した文書情報を削除するようにしてもよい(文書作成者はその後も文書情報を更新する頻度が高いと考えられ、利用頻度が高い)。
次に、第2表示処理について説明する。図12は、第2表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップ600では、操作されたショートカットに対応する文書情報が文書情報取得部52によって取得されてステップ602へ移行する。
ステップ602では、取得した文書情報に基づく表示が表示部60によって行われてステップ604へ移行する。
ステップ604では、サーバ接続が切断されたか否か通信切断検出部54によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ602に戻って上述の処理が繰り返され、判定が肯定された場合にはステップ606へ移行する。
ステップ606では、キャッシュ文書情報の検索がキャッシュ文書情報取得部58によって行われてステップ608へ移行して、検索したクライアントコンピュータ14からキャッシュ文書情報がキャッシュ文書情報取得部58によって取得されてステップ610へ移行する。キャッシュ文書の検索は、例えば、文書情報へのショートカットを持つクライアントコンピュータ14のリストを調べる。当該リストは、文書管理サーバ装置12から予め受信したり、ショートカット作成時にショートカットのプロパティとして記憶したり、ショートカット作成時にクライアントコンピュータ14に記憶する。そして、最も効率的にキャッシュされた文書情報を取得できるクライアントコンピュータ14を検索する。例えば、初回は自装置にキャッシュした文書情報を取得し、それ以降はショートカットを作成した日時が最も新しいクライアントコンピュータ14選択したり、通信速度が高速なクライアントコンピュータ14を選択したりする。そして、選択したクライアントコンピュータ14にキャッシュされた文書情報がある場合に取得し、ない場合には他のクライアントコンピュータ14からキャッシュ文書情報を取得する。
ステップ610では、取得したキャッシュ文書情報に基づく表示が表示部60によって行われてステップ612へ移行する。
ステップ612では、文書管理サーバ装置12との接続が再開したか否かが通信切断検出部54によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ610に戻って取得したキャッシュ文書情報に基づく表示が継続され、判定が肯定された場合にはステップ614へ移行する。
ステップ614では、文書情報取得部52によって文書情報の再取得が行われてステップ602に戻って上述の処理が繰り返される。
なお、第1表示処理と第2表示処理は、予め設定することにより、何れかを実行するようにしてもよいし、他のクライアントコンピュータ14へのアクセスが可能な場合は第2表示処理を行い、不可能な場合には第1表示処理を行うようにしてもよい。
続いて、ショートカット複製処理について説明する。図13(A)はショートカット複製処理の流れの一例を示すフローチャートであり、図13(B)は当該ショートカット複製処理の流れの概略を示す図である。
ステップ700では、ショートカット複製指示検出処理が行われてステップ702へ移行する。当該処理は、クライアントコンピュータ14上のショートカットの複製の指示が行われたか否かを判定することによって行われる。
ステップ702では、文書管理サーバ装置12上の実体文書が複製された新たな文書情報が生成されてステップ704へ移行する。なお、複製されたファイル名は複製されたことが分かるファイル名とするようにしてもよい。
ステップ704では、複製された文書情報へアクセスするためのショートカットがショートカット生成部42によって生成されてステップ706へ移行する。
ステップ706では、生成されたショートカットが複製指示したクライアントコンピュータ14へ送信されて一連の処理を終了する。
例えば、図13(B)に示すように、クライアントコンピュータ14によってショートカットの複製が指示された場合にはこれを検知し、ショートカットに対応する文書情報の複製を生成すると共に、当該複製の文書情報にアクセスするためのショートカットを生成してクライアントコンピュータ14へ送信する。
クライアントコンピュータ14から文書情報を複製する指示の具体例としては、例えば、図14(A)に示すように、複製する文書情報のショートカットを選択してメニューボタン70等を操作することにより、複製指示(図14(A)の「実体コピー」)を表示して選択可能とする。そして、複製指示の操作を検出して文書管理サーバ装置12では文書情報を複製し、クライアントコンピュータ14側では図14(B)に示すようにショートカットを複製する(文書2の派生)。
続いて、文書整理処理について説明する。図15(A)は文書整理処理の流れの一例を示すフローチャートであり、図15(B)は当該文書整理処理の流れの概略を示す図である。
ステップ750では、ショートカット数が予め定めた数以下になったか否か文書管理サーバ装置12によって判定される。該判定は、例えば、クライアントアプリケーションでショートカットの削除が指示された場合にはこれを検知することにより、文書管理サーバ装置12が1つの文書情報に対するショートカット数を監視し、該判定が否定された場合には当該処理を終了し他の処理を行い、判定が肯定された場合にはステップ752へ移行する。
ステップ752では、文書管理サーバ装置12上の文書情報を削除、圧縮、ディレクトリ移動、または表示変更して当該処理を終了する。
すなわち、クライアントコンピュータ14からショートカットが削除された文書情報は直接的に誰からも参照されない文書とみなすことができるので、文書を削除、圧縮、ディレクトリ移動、または表示変更することにより、利用頻度が低い文書であることが明示される。
また、削除または圧縮する場合には、文書管理サーバ装置12の記憶容量が確保され、効率的なストレージ利用が行われる。
例えば、利用頻度が低い文書を明示する例としては、図15(B)に示すように、文書管理サーバ装置12は、ブラウザまたはクライアントコンピュータ14のアプリケーションで、文書管理サーバ装置12が保持している文書一覧を表示する。そして、文書一覧表示したときに、ショートカット数が予め定めた数以下(例えば、ゼロ)の文書情報のアイコンを加工して表示する(例えば、図15(B)の文書2のアイコン参照)。また、ショートカット数が少ない加工した文書のアイコンに対してショートカットが作成された場合には元のアイコンに戻す。
次に、削除処理について説明する。図16は、削除処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップ800では、ショートカット削除指示検出処理が行われてステップ802へ移行する。当該処理は、クライアントコンピュータ14によってショートカットの削除指示が行われたか否かを判定することによりショートカットの削除指示を検出する。
ステップ802では、ショートカット設定が取得されてステップ804へ移行する。ショートカット設定は、予め操作によって設定されたショートカットの削除条件を取得する。ショートカットの削除条件の設定としては、例えば、全てのショートカットを削除できない、全てのショートカットを削除できる、文書作成時に作成したショートカットは削除できないがその複製は削除できる、ショートカットのプロパティに削除禁止フラグを設けて禁止フラグに応じて削除するなどの設定を可能として、予め設定された内容をステップ802で取得する。
ステップ804では、削除条件が成立しているか否か判定され、該判定が否定された場合にはステップ806へ移行し、肯定された場合にはステップ808へ移行する。
ステップ806では、ショートカットの削除条件が不成立である旨が表示される。すなわち、誤ってショートカットを削除することが防止される。
ステップ808では、ショートカットが削除されて一連の処理を終了する。
なお、文書管理サーバ装置12上の文書情報のプロパティを利用して、ショートカットの削除可否を設定可能としてもよい。或いは、ユーザに権限を与えて、削除可能な権限か否か等に応じてショートカットの削除を行うようにしてもよい。或いは、文書管理サーバ装置12からショートカット数を取得して予め定めたショートカット数に満たない場合には削除できないようにしてもよいし、文書管理サーバ装置12から文書の所有者を取得して文書の所有者はショートカットを削除できないようにしてもよい。ここで、所有者は、ユーザ情報、端末情報、ショートカット情報等によって識別される。
続いて、実体文書取得処理について説明する。図17は、実体文書取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップ900では、実体文書ダウンロード指示検出処理が行われてステップ902へ移行する。当該処理は、実体の文書情報のダウンロード指示が行われたか否かを判定することにより行われる。
ステップ902では、文書管理サーバ装置12上の文書情報がクライアントコンピュータ14にダウンロードされてステップ904へ移行する。
ステップ904では、文書管理サーバ装置12上の実体の文書情報が削除されてステップ906へ移行する。
ステップ906では、文書管理サーバ装置12上にクライアントコンピュータ上の文書へのショートカットが生成されて一連の処理を終了する。
すなわち、文書管理サーバ装置12上の文書情報をクライアントコンピュータ14側に移動して、それ自体を実体文書とし、文書管理サーバ装置12上にクライアントコンピュータ14上の実体文書情報へのショートカットを残すことで、文書情報の所有権がクライアントコンピュータ14に変更となり、文書管理サーバ装置12経由で 文書にアクセスすることができる。
なお、上記の実施の形態における文書管理プログラムは、各種メディアに記憶して流通する構成としてもよいし、インターネット等からダウンロードして使用する構成としてもよい。