JP6337835B2 - 溶銑の脱硫方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶銑中にフラックスを投入し、インペラを回転させて機械的に溶銑を攪拌することにより、溶銑中の硫黄成分を脱硫反応によって滓化させ、スラグとして取り除くようにした溶銑の脱硫方法に関する。
従来の溶銑の脱硫方法としては、溶銑鍋内の溶銑に脱硫剤を添加し、溶銑鍋内径の1/10〜1/3の代表計を有するインペラを用いて溶銑浴面中央部を150〜300r.p.m.の高速度で回転攪拌し、溶銑浴面中央部に生じた渦流陥没部に脱硫剤を巻き込ませて溶銑を脱硫するようにした溶銑の脱硫方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の溶銑の脱硫方法としては、溶融金属精錬容器内に保持した溶銑浴に、脱粒剤を添加すると共に、インペラを浸漬して回転させ、溶銑浴を攪拌し、インペラの外径と溶銑金属精錬容器の内径との比を、1/10〜2/3として、インペラを溶銑浴内で昇降運動をさせつつ、回転させるようにした溶銑の脱硫方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特公昭42−12343号公報 特開2001−49319号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、溶銑鍋内の溶銑浴面中央部に浸漬させたインペラを高速回転させることにより、溶銑表面に浮上している脱硫剤を渦流に巻き込ませることができるものであるが、インペラの浸漬深さを考慮していないので、インペラの形状、浸漬深さの誤差により脱硫剤溶銑浴面内への脱硫剤の巻き込みが不十分となる場合があり、脱硫処理後の残留硫黄(S)濃度が不安定となるという課題がある。
また、上記特許文献2に記載の従来例にあっては、インペラを昇降運動させつつ回転させることにより、溶銑が時間によって異なる深さ位置で攪拌が順次行われ、溶銑をまんべんなく均一に攪拌できるものであるが、常時インペラを昇降運動させるので、インペラを昇降させる昇降設備の負荷が大きく、設備故障のリスクが増加するという課題がある。
そこで、本発明は、溶銑浴面内への脱硫剤の巻き込み状態を管理して脱硫効率を向上させることができる溶銑の脱硫方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る溶銑の脱硫方法は、処理容器内の溶銑にインペラを浸漬させ、該インペラを回転させて溶銑の浴面に渦を形成して攪拌し、投入した脱硫剤を巻き込んで前記溶銑中に拡散する際に、少なくともインペラを回転させて溶銑の浴面に渦流が形成されたときに脱硫剤の巻き込み状況を、浴面に形成される下方に向かう渦を撮像装置で撮像し、撮像した渦画像を画像処理して渦流画像データを抽出することにより検出し、インペラの浸漬深さを、抽出した渦流画像データの下方に向かう渦流の先端がインペラ上端上で当該インペラの外径より内側となる適正範囲内に入るように調整する。
本発明の一態様によれば、インペラによって形成される溶銑浴面の脱硫剤の巻き込み状態を少なくとも脱硫開始後に形成される渦流が安定した時点でインペラの浸漬深さを調整することにより、脱硫剤の巻き込み状態を正確に管理して、脱硫効率を向上させながらインペラの昇降設備負荷を低減することができる。
本発明の一態様に適用し得る溶銑脱硫設備を示す模式図である。 図1の攪拌制御装置で実行する攪拌制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 石灰投入量と脱硫率との関係を示すグラフである。
次に、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本発明を適用し得る溶銑脱硫設備1の一形態は、図1に示すように、筐体2内に溶銑3を装入する溶銑鍋4が位置決めして配置される。筐体2内には、溶銑鍋4の上方側に、図示しない案内レールで上下方向に昇降可能に案内された昇降体5が配置されている。この昇降体5は、上板部5a及び下板部5bと、左側板部5c及び右側板部5dとで箱状に形成され、左側板部5c及び右側板部5dに案内レールによって案内される車輪5eが配置されている。
昇降体5の下板部5bの上面側の中央位置に回転駆動モータ6が配置され、この回転駆動モータ6の回転軸にインペラ7の回転軸7aが連結されている。このインペラ7は溶銑鍋4内に充填された溶銑3の浴面内に浸漬された状態で回転駆動モータ6によって一方向に又は正逆方向に回転駆動されることにより、浴面中央部に下方に向かう渦流を形成する。
昇降体5は、筐体2の上面に配置された例えばウィンチで構成される巻き上げ駆動装置8によって昇降される。
また、溶銑鍋4の開放端の上方には、溶銑鍋4内の浴面中央部に形成される渦流を例えばカラー撮像するカラー撮像カメラ10が配置されている。このカラー撮像カメラ10で撮像した渦流画像は、画像処理装置11へ送られる。このとき、渦流画像は、インペラ7の回転に伴う自己発光体となる溶銑3内に、溶銑3の浴面に浮遊する自己発光はしない脱硫剤や滓等が巻き込まれる状態を撮像した画像となる。このため、渦流画像を画像処理装置11で画像処理することにより、溶銑3と脱硫剤や滓の温度差による輝度差から脱硫剤や滓の移動軌跡である渦流を抽出し、抽出した渦流画像データを生成する。
一方、撮像カメラ10で撮像された画像は、画像表示装置12へも送られ、この画像表示装置12で溶銑の渦流状態を表示する。
そして、画像処理装置11から出力される渦流画像データが攪拌制御装置13へ送られる。この攪拌制御装置13は、巻き上げ駆動装置8を駆動してインペラ7の浸漬深さを制御する浸漬深さ制御装置14と、回転駆動モータ6を回転駆動してインペラ7の回転数を制御する回転制御装置15とに対して駆動指令を出力する。
ここで、浸漬深さ制御装置14では、巻き上げ駆動装置8を正逆転駆動すると共に、巻き上げ駆動装置8の回転軸に連結された回転数検出器8aの回転数検出信号が入力され、この回転数検出信号に基づいて求めた回転数検出値と巻き上げ駆動装置8の巻き胴の直径とインペラ7の昇降体5からの突出長さと溶銑鍋4の開放端面の高さ位置とからインペラ7の上端から溶銑鍋4の開放端面までの浸漬深さhを検出し、算出した浸漬深さhを攪拌制御装置13に出力する。
同様に、回転制御装置15では、回転駆動モータ6を例えば一方向に回転駆動すると共に、回転駆動モータ6の回転軸に連結された回転数検出器6aの回転数検出信号が入力され、この回転数検出信号に基づいて求めた回転数検出値が目標回転数に一致するように制御し、さらに回転数検出値を攪拌制御装置13へ出力する。
そして、攪拌制御装置13は、マイクロコンピュータ等の演算処理装置を含んで構成され、昇降体5が図1で鎖線図示のようにインペラ7の下端が溶銑鍋4の開放端から上方に離間する退避位置にある状態で、筐体2内の所定位置に溶銑3が充填された溶銑鍋4がセットされた後に、攪拌開始スイッチ13aをオン状態とすると、図2に示す攪拌処理を実行する。
この攪拌処理は、まず、ステップS1で浸漬深さ制御装置14に対してインペラ7を初期浸漬深さhまで下降させる初期浸漬深さ指令を出力する(ステップS1)。この初期浸漬深さ指令で指定される初期浸漬深さhは、インペラ7が溶銑鍋4の溶銑3の充填量(例えば200t〜320t)にかかわらず、溶銑3の静止浴面内に確実に浸漬する深さに設定されている。
次いで、ステップS2に移行して、浸漬深さ制御装置14で検出したインペラ7の溶銑鍋4の開放端からインペラ7の上端までの浸漬深さhを読み込み、この浸漬深さhが初期浸漬深さhに達したから否かを判定し、初期浸漬深さhに達していないときには、インペラ7が初期浸漬深さhに達するまで待機し、インペラ7が初期浸漬深さhに達したときにはステップS3へ移行する。
このステップS3では、回転制御装置15に対してインペラ7を目標回転数で回転させる回転指令を出力してからステップS4に移行する。ここで、目標回転数は、インペラ7が一方向に例えば80回/分以上の回転数で溶銑3を溶銑鍋4の中心部に引き込む渦流を生じさせる回転数に設定されている。
ステップS4では、インペラ7の回転数が目標回転数に到達したか否かを判定し、インペラ7の回転数が目標回転数に達していないときには目標回転数に達するまで待機し、目標回転数に達したときにはステップS5に移行する。
このステップS5では、脱硫剤投入装置9に対して脱硫剤投入指令を出力してからステップS6に移行する。
このステップS6では、溶銑の浴面に投入した脱硫剤がインペラ7によって形成される渦流に巻き込まれ始めるまでに必要な所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していないときには所定時間が経過するまで待機し、所定時間が経過したときにはステップS7に移行する。
このステップS7では、画像処理装置11から渦流による脱硫剤等の移動軌跡である渦画像データを読み込み、次いでステップS8に移行して、読み込んだ渦画像データに基づいて渦流が形成されているか否かを判定し、渦流が形成されている場合にはステップS9に移行し、渦流が形成されておらず、脱硫剤等の移動軌跡が溶銑鍋4の内周に沿うリング状である場合には、インペラ7の浸漬深さhが深すぎるものと判断してステップS10に移行する。
ステップS9では、渦画像データで表される渦の内側端が図1に示すインペラ7の上端の外周縁で囲まれる領域より内側の適正範囲A内に収まる適正渦が形成されているか否かを判定し、適正渦が形成されている場合には、そのまま攪拌処理を終了する。一方、ステップS9の判定結果が渦の内側端がインペラ7の上端の外周縁で囲まれる適正範囲A内に収まっていないときには、ステップS10に移行する。
ステップS10では、浸漬深さ制御装置14に対してインペラ7を緩やかに上昇させるインペラ上昇指令を出力し、次いでステップS11に移行して、画像処理装置11から再度渦画像データを読み込んでからステップS12に移行する。
このステップS12では、インペラ7の浸漬深さhが上限浸漬深さhuに到達したか否かを判定する。ここで、上限浸漬深さhuは、例えばインペラ7の上端外周縁が溶銑浴面から露出する深さであり、カラー撮像カメラ10の画像情報に基づいて画像処理装置11でインペラ7の上端外周縁が識別できるか否かで判断したり、溶銑の静止浴面の高さとインペラ7の回転数と溶銑鍋4の内径とから演算によって上限浸漬深さhuを算出するようにしたりしてもよい。
このステップS12の判定結果がインペラ7の浸漬深さhが上限浸漬深さhuに達していないときには、ステップS13に移行して、ステップS11で読み込んだ渦画像データから渦の内側端がインペラ7の上端の外周縁で囲まれる適正範囲A内に収まったか否かを判定し、渦の内側端が適正範囲A内に収まった場合には、脱硫剤の巻き込み状態が適正であると判断してステップS14に移行して浸漬深さ制御装置14に対してインペラ上昇停止指令を出力してから攪拌処理を終了する。
また、ステップS13の判定結果が、渦の内側端が適正範囲A内に収まらないときには、前記ステップS11に戻る。
一方、ステップS12の判定結果が、インペラ浸漬深さhが上限浸漬深さhuに到達した場合には、ステップS15に移行して、浸漬深さ制御装置14に対してインペラ7を緩やかに下降させるインペラ下降指令を出力してからステップS16に移行する。
このステップS16では、画像処理装置11から再度渦画像データを読み込んでからステップS17に移行して、インペラ浸漬深さhが下限浸漬深さhdに到達したか否かを判定する。この判定では、インペラ7の下端が溶銑鍋4の内側底面に対してインペラ7の下端が当接することがないように所定深さの余裕を持たせた値に設定されている。
そして、ステップS17の判定結果が、インペラ7の浸漬深さhが下限浸漬深さhdに到達していないときにはステップS18に移行して、渦の内側端がインペラ7の上端外周縁で囲まれる適正範囲A内に収まっているか否かを判定し、渦の内側端が適正範囲A内に収まっているときには脱硫剤の巻き込み状態が適正であるものと判断して浸漬深さ制御装置14に対してインペラ下降停止指令を出力してから攪拌処理を終了する。
また、ステップS18の判定結果が、渦の内側点が適正範囲A内に収まっていないときにはステップS16に戻る。
一方、ステップS17の判定結果が、インペラ7の浸漬深さhが下限浸漬深さhdに到達したときにはステップS10に戻る。
次に、上述したカラー撮像カメラ10、画像処理装置11、攪拌制御装置13、浸漬深さ制御装置14及び回転制御装置15を使用する溶銑鍋4内の溶銑3の脱硫方法を説明する。
まず、昇降体5が図1で鎖線図示のようにインペラ7の下端が溶銑鍋4の開放端より上方に離間している退避位置にあるものとする。
この状態で、筐体2内に、インペラ7の下端側に、溶銑3を充填した溶銑鍋4をその中心軸がインペラ7の中心軸と一致するように位置決めして配置する。
溶銑鍋4の位置決めが完了したら、攪拌制御装置13の攪拌開始スイッチ13aをオン状態とすることにより、攪拌制御装置で、図2に示す攪拌処理が実行開始される。
このため、インペラ7の回転を停止した状態で、インペラ7の浸漬深さhが溶銑3の充填量(例えば200t〜320t)にかかわらず、溶銑3の浴面内に確実に浸漬する初期浸漬位置hまで浸漬させる(ステップS1,S2)。
そして、インペラ7が初期浸漬位置hに達すると、浸漬深さ制御装置14から初期浸漬完了通知が攪拌制御装置13に出力され、攪拌制御装置13では、回転制御装置15に対して回転指令を出力する(ステップS3)。これにより、回転駆動モータ6がインペラ7を例えば80回/分以上の回転数目標値で例えば一方向に回転するように回転開始される。
インペラ7が回転されると、溶銑3の浴面が回転し始め、このインペラ7の回転に伴ってインペラ7の浸漬深さhに応じた渦流が溶銑3の浴面に形成される。そして、インペラ7の回転数が回転数目標値に到達すると、脱硫剤投入装置9から溶銑3の浴面上の外周側に脱硫剤を投入する(ステップS5)。この脱硫剤としては、脱硫処理を行うためのCaO−CaF系のフラックスと、脱硫反応をさらに進める脱酸材(Al)とスラグ(酸化物)とを投入することにより、フラックスによって下記の脱硫反応を行わせて脱硫を行う。
S+CaO=CaS+O
ここで、フラックスに含まれるCaFはCaSを滓化するために投入される。
その後、インペラ7の回転開始からインペラ7によって形成される溶銑浴面の渦流が安定するに要する時間(例えば回転開始から2〜3分)が経過した後に、攪拌制御装置13は、浸漬深さ調整処理を実行する。この浸漬深さ調整処理では、画像処理装置11から入力される渦流画像データを読み込み、この渦流画像データから渦流の内側先端がインペラ7の上端外径より内側となる適正範囲A内に達しているか否かを判定する。
このとき、渦流が螺旋状にならず溶銑鍋4の内周面に沿う場合や渦流が形成されても渦流の内側端がインペラ7の外径より外側に離れている場合にはインペラ7の浸漬深さhが適正でないと判断し(ステップS8,S9)、渦流の内側先端がインペラ7の外径より内側に達している場合にはインペラ7の浸漬深さhが適正であると判断する。
この判定処理で、渦流の内側先端が適正範囲A内に達している場合にはインペラ7の浸漬深さhが適正であると判断し、浸漬深さ調整処理を終了するが、インペラ7の浸漬深さhが適正でないと判断されたときには、浸漬深さ調整処理を継続し、浸漬深さ制御装置14に対して上昇指令を出力し(ステップS10)、巻き上げ駆動装置8で昇降体5を比較的緩やかな上昇速度で上昇させる。
このインペラ7の上昇過程で順次画像処理装置11から入力される渦画像データを解析し、インペラ7の浸漬深さhが浸漬深さ上限値huに到達するまでの間で、渦流が形成されてその内側先端がインペラ7の上端外径範囲内の訂正範囲内に収まるか否かを判定する(ステップS11〜S13)。
インペラ7の浸漬深さhが浸漬深さ上限値huに達する以前に、渦流の内側先端がインペラ7の上端外径範囲内の適正範囲Aに収まった場合には、適正な渦流が形成されて脱硫剤の巻き込み状態が適正であると判断して浸漬深さ制御装置14へインペラ上昇停止指令を出力し(ステップS14)て浸漬深さ調整処理を終了し、インペラ7の上昇を停止させる。
ところが、インペラ7の上昇過程で、渦流の内側先端がインペラ7の上端外径範囲内の適正範囲A内に収まらないうちにインペラ7の浸漬深さhが浸漬深さ上限値huに達したときには、インペラ7の浸漬深さhが浅すぎるものと判断して、浸漬深さ制御装置14に対して緩やかに下降させる下降指令を出力し(ステップS15)、インペラ7を緩やかに下降させる。
このインペラ7の下降過程でも前述したインペラ7の上昇過程と同様に、逐次画像処理装置11から渦流画像データを読み込み(ステップS16)、インペラ7の浸漬深さhが浸漬深さ下限値hdに到達する前に、渦流の内側先端がインペラ7の上端外径範囲内の適正範囲A内に収まった場合に、浸漬深さ制御装置14へ下降停止指令を出力し(ステップS19)、浸漬深さ調整処理を終了する。
しかしながら、渦流の内側先端が適正範囲A内に収まらないうちにインペラ7の浸漬深さhが浸漬深さ下限値hdに達したときには、再度浸漬深さ制御装置14へインペラ7を緩やかに上昇させる上昇指令を出力し(ステップS10)、インペラ7を緩やかに上昇させて再度渦流の内側先端が適正範囲A内となるインペラ7の浸漬深さhを探索する。
また、攪拌制御装置13では、攪拌開始時点から所定の攪拌時間(例えば22〜23分)が経過すると、回転制御装置15に対して回転停止指令を出力し、これによって回転制御装置15による回転駆動モータ6の回転駆動を停止し、次いで、浸漬深さ制御装置14に対して昇降体5をインペラ7の下端が溶銑鍋4の開放端より上方となる退避位置への退避指令を出力する。これによって、浸漬深さ制御装置14で巻き上げ駆動装置8を駆動して昇降体5を退避位置に上昇させる。
その後、溶銑鍋4内で、生成した脱硫スラグが浮上して溶銑表面を覆い、静止した状態で溶銑3の脱硫処理が終了する。
この状態で、溶銑鍋4を筐体2から外部に移動させると共に、新たな溶銑鍋4を筐体2の中央位置に位置決めしてセットし、再度脱硫処理を開始する。
なお、浸漬深さ調整処理は、脱硫を開始する起動時に1回だけ行う場合に限らず、所定時間間隔で複数回行うようにしてもよい。
このように、本実施形態の脱硫方法によれば、溶銑の脱硫を開始するようにインペラ7を溶銑3の浴面内に初期浸漬深さhまで浸漬させた状態で、インペラ7を回転させて安定した渦流が形成される状態となったときに、溶銑3の浴面の溶銑鍋4の内周面に沿う上面に脱硫剤を投入し、この脱硫剤がインペラ7の回転に伴って浴面中央部に形成される渦流の状態をカラー撮像カメラ10で撮像して得られる渦流画像データを画像処理装置11に供給して、脱硫剤等の移動軌跡である渦流画像データを抽出し、この渦流画像データに基づいて脱硫剤の移動軌跡がインペラ7の上端外径範囲内の適正範囲A内となるようにインペラ7の浸漬深さhを調整している。
このため、脱硫開始直後にインペラ7の浸漬深さを適正な状態に調整することができ、その後は浸漬深さの調整処理を行わないか、又は間欠的に行うので、インペラ7の昇降を行う巻き上げ駆動装置8に対する負荷が少なくて済むという効果が得られる。
しかも、インペラ7を浸漬させる初期浸漬深さhを、溶銑鍋4の溶銑3の充填量(例えば200t〜320t)にかかわらず、溶銑3の静止浴面内に確実に浸漬する深さに設定することにより、インペラ7を回転させるときに、インペラ7の上部が溶銑3の浴面から上方に突出して溶銑3を飛散させることを確実に防止することができ、渦流の形成を安定して行うことができる。
また、溶銑の浴面に形成される渦流を検出して、脱硫剤の巻き込み状態を判断し、巻き込み状態が良好な状態となるようにインペラ7の浸漬深さhを調整するので、脱硫剤の溶銑3内への分散を確実に行うことができる。この結果、本実施形態によれば、図3に示すように、通常時の石灰投入量である3〔kg/t〕付近で、インペラ7の浸漬深さhを調整しない場合の脱硫率70%前後に比較して脱硫率を80%以上に向上させることができる。さらに、通常時の石灰投入量より少ない石灰投入量1〔kg/t〕でもインペラ7の浸漬深さhを調整しない場合の脱硫率60%前後を75%〜82%に向上させることができる。
ここで、脱硫率は、脱硫処理前の溶銑中硫黄濃度と脱硫処理後の溶銑中硫黄濃度との差を、脱硫処理前の溶銑中硫黄濃度に対して百分率で表示した値であり、下記式1で表される。
Figure 0006337835
なお、上記実施形態においては、カラー撮像カメラ10で撮像した渦画像データを画像処理装置11に供給して脱硫剤の移動軌跡である渦画像データを抽出し、この渦画像データに基づいてインペラ7の浸漬深さhを適正に調整する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、カラー撮像カメラ10で撮像した画像データを画像処理装置11に供給し、この画像処理装置11で自己発光体である溶銑3の画像データを量子化して同一濃度の画素の移動距離、移動方向及び所用時間に基づいてインペラの攪拌速度を表す速度ベクトルを演算し、この攪拌速度を目標攪拌速度に一致するようにインペラ7の浸漬深さhを調整するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、溶銑の浴面の撮像装置としてカラー撮像カメラ10を適用した場合について説明したが、モノクロ撮像カメラを適用することもでき、さらに赤外線サーモグラフィを使用して温度差による渦流画像データを検出するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては渦流画像データに基づいて脱硫剤の巻き込み状態を判定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、カラー撮像装置10で撮像し、画像処理装置11で撮像した渦画像を量子化して画像処理することにより溶銑の攪拌流速を算出し、算出した攪拌流速が予め設定した目標攪拌流速と一致するようにインペラ7の浸漬深さhを調整するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては渦流を撮像した画像データに基づいて脱硫剤の巻き込み状態を判定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、インペラ7の回転により形成される溶銑の渦流の凹み深さをマイクロ波距離計等の非接触距離計で実測し、この凹み深さがインペラ7の浸漬深さhより下側となり且つインペラ7の上端外周部が溶銑3の浴面より露出しないようにインペラ7の浸漬深さhを調整するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、起動時にインペラ7を溶銑鍋4への溶銑3の充填量(例えば200t〜320t)にかかわらず、溶銑3の浴面内に確実に浸漬する初期浸漬位置hまで浸漬させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、初期浸漬位置hを浅めに設定し、インペラ7を下降させながら浸漬深さhを調整するようにしてもよい。
1…溶銑脱硫装置、2…筐体、3…溶銑、4…溶銑鍋、5…昇降体、6…回転駆動モータ、7…インペラ、8…巻き上げ駆動装置、9…脱硫剤投入装置、10…カラー撮像カメラ、11…画像処理装置、12…画像表示装置、13…攪拌制御装置、14…浸漬深さ制御装置、15…回転制御装置

Claims (3)

  1. 処理容器内の溶銑にインペラを浸漬させ、該インペラを回転させて溶銑の浴面に渦を形成して攪拌し、投入した脱硫剤を巻き込んで前記溶銑中に拡散する際に、少なくとも前記インペラを回転させて溶銑の浴面に渦流が形成されたときに前記脱硫剤の巻き込み状況を、前記浴面に形成される下方に向かう渦を撮像装置で撮像し、撮像した渦画像を画像処理して渦流画像データを抽出することにより検出し、前記インペラの浸漬深さを、抽出した渦流画像データの下方に向かう渦流の先端が前記インペラ上端上で当該インペラの外径より内側となる適正範囲内に入るように調整することを特徴とする溶銑の脱硫方法。
  2. 前記撮像装置は、溶銑と脱硫剤との輝度差を撮像するカメラおよび溶銑の温度分布を撮像する赤外線サーモグラフィの何れか一方で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の溶銑の脱硫方法。
  3. 前記インペラの浸漬深さの調整は、当該インペラを溶銑の充填量にかかわらず溶銑の静止浴面内に浸漬する深さである初期浸漬深さに浸漬させた状態で、回転駆動したときの巻き込み状態を判定し、巻き込み状況が適正でないときに、前記インペラの浸漬深さを一旦初期浸漬深さから上昇及び下降の何れか一方に移動させ、巻き込み状況が改善されないときに、前記インペラの浸漬位置を、前記初期浸漬深さを超えて逆方向に移動させて調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑の脱硫方法。
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