JP5974638B2 - 脱硫不良判定方法及び脱硫不良判定装置 - Google Patents

脱硫不良判定方法及び脱硫不良判定装置 Download PDF

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Description

本発明は、溶銑予備処理における脱硫処理直後の脱硫良否を判定する脱硫不良判定方法及び脱硫不良判定装置に関する。
近年、鋼材の特性向上の要求が高まっており、溶銑段階から溶鋼精錬にいたる各工程で、例えばリン(P)や硫黄(S)等の不純物を低減するための処理が行なわれている。これらの不純物のうち、Sは、溶鋼の精錬に先立って溶銑段階で行なう脱硫処理(いわゆる溶銑予備処理)で除去するのが一般的である。
溶銑予備処理における脱硫方法としては、溶銑鍋等に収容した溶銑中に脱硫剤をインジェクションする方法、あるいは脱硫剤を溶銑の浴面に投入して機械攪拌する方法が広く採用されている。
脱硫剤を溶銑の浴面に投入して機械攪拌する方法は、脱硫剤を溶銑の浴面に投入し、溶銑中に挿入された攪拌羽根(いわゆるインペラ)を回転させることによって、脱硫剤を巻き込むとともに溶銑を攪拌するものである(例えば、特許文献1参照)。攪拌の結果、脱硫反応界面の面積が増大するので、低S濃度域まで脱硫処理が可能となる。
そして、脱硫処理を行った結果が目標値まで達しているかどうかの判定を行う方法として、通常操業では、処理後S濃度を計測する方法を採っている。すなわち、処理後溶銑をサンプル採取し、分析装置を使用して採取したサンプルのS濃度分析を行っている。
特開2001−262212号公報
ところで、脱硫不良判定に用いる分析装置は高価であり、且つ定期的な校正が必要なため、分析装置を多数保有することは現実的でない。ところが、高炉、製鋼全地区から収集したサンプルを、限られた台数の分析装置で処理しようとすると、サンプル分析待ちの待ち行列が発生してしまう。例えば、分析完了まで15分もの時間が必要になる場合がある。
そのため、分析の結果が出て脱硫不良であると判明した時点では、対象の溶銑は既に転炉装入直前であるという事態が多く発生してしまう。このように装入直前に脱硫不良であると判明した場合、脱硫再処理を実施すると転炉処理開始が大きく遅れてしまい、連続鋳造装置での操業ロス(連々切れ)が発生するという問題がある。
そこで、本発明は、溶銑予備処理における脱硫処理直後に迅速かつ適切に脱硫不良を判定することができる脱硫不良判定方法及び脱硫不良判定装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る脱硫不良判定方法は、脱硫処理直後の溶銑鍋中にある溶銑の浴面を赤外線カメラで撮影し、前記赤外線カメラで撮影した浴面画像の全領域における平均温度を逐次算出し、前記平均温度が最低温度となるタイミングを前記脱硫処理直後の脱硫不良判定タイミングとして設定し、当該脱硫不良判定タイミングにおいて、前記赤外線カメラで撮影した浴面画像を2次元メッシュに切り、小領域の画像の色情報から小領域毎の温度を算出し前記小領域内の各画素色情報を平均化して、算出した小領域毎の温度に基づいて温度ヒストグラムを作成し、前記温度ヒストグラムの分布幅を脱硫効率と相関のある定量的指標として算出し、当該分布幅に基づいて前記溶銑の脱硫具合の良否を判定することを特徴としている。
このように、脱硫処理直後の溶銑鍋中にある溶銑の浴面を撮影した浴面画像を画像処理することにより脱硫処理良否判定を行うので、脱硫処理直後、直ちに良否判定を行うことができ、限られた台数の分析装置を使用してサンプル分析する場合のように待ち行列が発生することがない。さらに、脱硫具合(脱硫効率)と相関のある定量化指標をもって脱硫処理良否判定を行うので、適切な良否判定を行うことができる。
また、脱硫処理良否判定を行う最適タイミングを自動で検索し、脱硫処理の良否判定を実施するので、オペレータが目視により判定タイミングを確認するなど、人の手を介することなく脱硫良否判定結果の自動出力が可能となる。したがって、実操業での運用に適した脱硫不良判定方法とすることができる。また、脱硫処理良否判定を行うタイミングを、溶銑面の平均温度が最低温度となるタイミングとするので、溶銑の回転が停止し、脱硫良否の重要な判定要素であるスラグが十分に浮遊した状態での溶面画像を用いて、適切な良否判定結果を得ることができる。
また、上記において、前記温度ヒストグラムの分布幅が予め設定した判定閾値以上であるとき、脱硫処理が不良に終ったと判定することを特徴としている。
このように、脱硫不良である場合には、脱硫良好である場合と比較して浴面画像の温度ヒストグラムの分布幅が大きいことを利用して、脱硫処理の良否判定を行う。したがって、容易且つ適切に脱硫不良を判定することができる。
さらに、上記において、前記温度ヒストグラムの分布幅として、前記温度ヒストグラムのデータのうち所定頻度以上のデータの標準偏差を用いることを特徴としている。
このように、ある閾値以上の温度スペクトル分散の評価を用いるので、単純な温度幅の評価を用いる場合と比較して異常値の影響を受け難くすることができる。したがって、脱硫良否の誤判定を抑制することができる。
また、上記において、前記温度ヒストグラムの分布幅に基づいて脱硫効率を算出し、
算出した前記脱硫効率に基づいて、前記脱硫処理直後における溶銑の硫黄濃度を推定することを特徴としている。
このように、脱硫効率と相関のある定量化指標(温度ヒストグラムの分布幅)を抽出することで、脱硫処理直後における溶銑のS濃度を演算により求めることができる。したがって、脱硫処理後のS濃度分析を適切に行うことができる。
さらに、本発明に係る脱硫不良判定装置は、脱硫処理直後の溶銑鍋中にある溶銑の浴面を撮影する赤外線カメラと、前記赤外線カメラで撮影した浴面画像の全領域における平均温度を逐次算出し、前記平均温度が最低温度となるタイミングを前記脱硫処理直後の脱硫不良判定タイミングとして設定し、当該脱硫不良判定タイミングにおいて、前記赤外線カメラで撮影した浴面画像を2次元メッシュに切り、小領域の画像の色情報から小領域毎の温度を算出する温度算出手段と、前記小領域内の各画素色情報を平均化して前記温度算出手段で算出した小領域の温度に基づいて温度ヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、脱硫効率と相関のある定量的指標として、前記ヒストグラム作成手段で作成した温度ヒストグラムの分布幅を算出する分布幅算出手段と、前記分布幅算出手段で算出した分布幅に基づいて、前記溶銑の脱硫具合の良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴としている。
これにより、脱硫処理直後、直ちに良否判定を行うことができる。また、脱硫具合(脱硫効率)と相関のある定量化指標をもって脱硫処理良否判定を行うので、適切な良否判定を行うことができる。
本発明によれば、脱硫処理直後、直ちに脱硫処理良否判定ができるので、脱硫不良の場合には即座に再脱硫処理を実施することができる。したがって、連続鋳造装置での操業ロス(連々切れ)発生防止ならびに成分外れによる溶銑スクラップ化の削減が可能となる。
本実施形態の脱硫不良判定装置を適用した脱硫処理装置の構成図である。 赤外線カメラで撮影した溶銑浴面画像の一例を示す図である。 脱硫不良判定処理手順を示すフローチャートである。 脱硫不良判定に用いる画像範囲の一例を示す図である。 脱硫不良判定タイミングの検索方法を説明する図である。 Boxヒストグラムの一例を示す図である。 脱硫効率と温度標準偏差との関係を示す図である。 脱硫処理後Sの推定精度の検証結果である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の脱硫不良判定装置を適用した装置の構成図である。
図中、符号1は溶銑鍋である。溶銑鍋1内には溶銑2が収容されており、ここに脱硫剤3が投入される。
また、溶銑鍋1内には、回転軸4に取り付けられたインペラ5が浸漬される。回転軸4は回転駆動装置6によって回転駆動されるようになっており、これによりインペラ5を旋回させ溶銑2と脱硫剤3との接触促進を行う。さらに、インペラ5は、図示しない昇降駆動装置によって鉛直方向に昇降可能となっている。すなわち、ここでは機械攪拌式脱硫法を用いた溶銑予備処理を行っている。
脱硫処理後は、溶銑2の浴面に予備処理スラグ(脱硫スラグ)7が浮かぶ。
また、溶銑鍋1の付近には、溶銑2の浴面を上方から撮影する赤外線カメラ8が設置されている。赤外線カメラ8で撮影した溶銑浴面画像は、脱硫不良判定装置9に送られ画像処理される。そして、脱硫不良判定装置9は、その画像処理結果に基づいて、脱硫処理が不良かどうかの判定を行う。
図2は、赤外線カメラ8で撮影した溶銑浴面画像の一例を示す図である。図2(a)は脱硫具合が良い場合(脱硫良好の場合)の画像、図2(b)は脱硫具合が悪い場合(脱硫不良の場合)の画像をそれぞれ示している。
脱硫剤(石灰)3は溶銑2と良く反応し脱硫が良好に行われると、直径10mm程度のボール状の細かい粒状のスラグとなって処理後に溶銑面に浮遊する。このため、図2(a)の画像に観られるように溶銑より温度の低い、細かな粒状のスラグが浴面全体に亘って観察できる。
これに対して、脱硫剤(石灰)3と溶銑2との反応が上手く行われず脱硫不良に終った場合には、スラグの粘度が高く、粒径が大きい塊となってしまう。図2(b)の画像に観られるように、塊となったスラグの間から温度の高い溶銑(色の濃い部分)が直接観察できる。このように、脱硫の良し悪しによって画像のパタ−ンが異なる(浴面での温度分布が異なる)。
そこで、本実施形態では、脱硫処理の良否判定を行うのに最適な脱硫不良判定タイミングを自動で検出し、当該脱硫不良判定タイミングで撮影した溶銑浴面画像を画像処理して浴面の温度分布を確認することで、脱硫処理の良否判定を行う。
脱硫不良判定タイミングとしては湯面変動のないタイミングが最適であり、本実施形態では、溶銑面の回転がほぼ停止し、且つインペラ引き上げによる湯面変動が発生する前のタイミングを採用する。このタイミングは、後述するように溶銑湯面画像内の湯面平均温度に基づいて自動的に検索する。
図3は、脱硫不良判定装置9で実行する脱硫不良判定処理手順を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1で、脱硫不良判定装置9は、赤外線カメラ8で撮影した溶銑浴面画像を取得し、ステップS2に移行する。
ステップS2では、脱硫不良判定装置9は、前記ステップS1で撮影した画像において、脱硫不良判定に用いる画像範囲を設定する。この画像範囲は、例えば図4の白枠で示すように、撮影した画像のうち溶銑浴面が写っている範囲に設定する。
次にステップS3では、脱硫不良判定装置9は、前記ステップS2で設定した画像範囲内の平均温度(画像内湯面平均温度)を算出し、ステップS4に移行する。なお、ここで用いる温度とは、赤外線カメラが捕らえる放射エネルギーの温度換算値である。
ステップS4では、脱硫不良判定装置9は、前記ステップS3で算出した画像内湯面平均温度を、前記ステップS1で取得した撮影画像と対応付けて図示しないメモリに記憶する。
次にステップS5では、脱硫不良判定装置9は、脱硫不良判定タイミングの検索を開始するか否かを判定する。ここでは、前記ステップS3で算出した画像内湯面平均温度が、逐次保存した画像内湯面平均温度の最高値から所定温度Ta(例えば50℃)以上下降した温度であるとき、脱硫不良判定タイミングの検索を開始すると判断し、ステップS6に移行する。一方、脱硫不良判定タイミングの検索を開始しないと判断した場合には、前記ステップS1に移行する。
ステップS6では、脱硫不良判定装置9は、脱硫不良判定タイミングを検索する。脱硫不良判定タイミングは、上述したように、溶銑面の回転がほぼ停止し、且つインペラ引き上げによる湯面変動のないタイミングである。
図5は、湯面(スラグ面)状態と湯面平均温度との関係を示す図である。この図5に示すように、湯面が回転している溶銑攪拌中(時刻t1まで)は、溶銑の温度が赤外線カメラ8により観測されるため、湯面平均温度は比較的高い温度となる。ところが、インペラ5の減速に伴う湯面の回転停止と共にスラグが浮遊し、徐々に観測面前面を覆うようになると、赤外線カメラ8にて捕らえられる湯面平均温度は急激に低下する。その後、インペラ引上げによって湯面が攪乱状態となると(時刻t3以降)、観測面に溶銑が現れ、赤外線カメラ8にて捕らえられる湯面平均温度は急激に上昇する。
すなわち、溶銑面の回転がほぼ停止し、且つインペラ引き上げによる湯面変動のないタイミングでの湯面平均温度は最低温度となる。したがって、この温度変化を利用し、湯面平均温度が最低温度となるタイミングを脱硫不良判定タイミングとして検索する。
つまり、このステップS6では、前記ステップS5で脱硫不良判定タイミングの検索を開始すると判断したタイミング(時刻t4)から遡って、湯面平均温度が最低温度となるタイミング(時刻t2)を検索し、これを脱硫不良判定タイミングとして設定する。
次にステップS7では、脱硫不良判定装置9は、メモリに記憶したこれまでの溶銑湯面画像から、前記ステップS6で設定した脱硫不良判定タイミングで撮影した溶銑湯面画像を読み出し、その画像範囲を2次元メッシュに切り、小領域に区切る。そして、小領域の画像の色情報から小領域毎の温度を算出する。温度の算出に当たっては、例えば、小領域内の各画素色情報を平均化するようにする。
ステップS8では、脱硫不良判定装置9は、前記ステップS7で算出した小領域毎の温度をもとにしてBoxヒストグラム(温度ヒストグラム)を作成する。図6の(a)及び(b)は、それぞれ図2の(a)及び(b)に対応するBoxヒストグラムであり、横軸に温度、縦軸に画素数(頻度)をとっている。
次にステップS9では、脱硫不良判定装置9は、前記ステップS8で作成したBoxヒストグラムをもとに、温度標準偏差σを算出する。温度標準偏差σ[℃]は、Boxヒストグラムのデータのうち、所定頻度A以上(ここではピーク画素数25%以上)のデータの標準偏差である。ここで、所定頻度Aは、雑音影響を取り除くことができる程度の値とし、これまでの操業実績などを考慮して適宜設定する。
そして、ステップS10で、脱硫不良判定装置9は、前記ステップS9で算出した温度標準偏差σが予め設定した判定閾値B以上であるか否かを判定する。そして、σ≧Bである場合には、ステップS11に移行して脱硫不良であると判定し、σ<Bである場合には、ステップS12に移行して脱硫良好であると判定して処理を終了する。
なお、図3において、ステップS7が温度算出手段に対応し、ステップS8がヒストグラム作成手段に対応し、ステップS9が分布幅算出手段に対応し、ステップS10〜S12が判定手段に対応している。
このように、温度標準偏差σが判定閾値B以上である場合に、脱硫不良であると判定する。これは、脱硫不良の場合は、図6(b)に示すように、温度ヒストグラムの分布幅(広がり)ΔTが、図6(a)に示す脱硫良好の場合と比較して大きくなるためである。この現象は、脱硫具合が悪いほど溶銑2の表面性状が粗く、放射率のばらつきが大きくなるためであると考えられる。
このように、脱硫効率と温度ヒストグラムの分布幅との間には相関関係があるため、本実施形態では、脱硫効率と相関のある定量的指標として温度標準偏差σを利用し、脱硫不良を判定している。
なお、脱硫効率は、次式により定義される値である。
脱硫効率={ln(処理前S/処理後S)}/(石灰原単位[kg/t] ………(1)
ここで、処理前Sは、脱硫処理前の溶銑中における硫黄濃度、処理後Sは脱硫処理後の溶銑中における硫黄濃度である。
図7は、脱硫効率と温度分布幅(温度標準偏差σ)との関係を示す図である。この図7に示すように、脱硫効率が低下するにつれて温度標準偏差σが大きくなっていることがわかる。つまり、脱硫効率と温度標準偏差σとの間には、直線Cで示す相関関係がある。
したがって、例えば脱硫効率0.3よりも大きいときを脱硫良好と判定するようにする場合には、脱硫効率0.3に対応する温度標準偏差σを判定閾値Bとすればよい。これにより、温度標準偏差σと判定閾値Bとを比較した結果、脱硫効率0.3に満たない場合に脱硫不良であるという判定結果を出力することができる。
次に、本実施形態の動作及び効果について説明する。
脱硫処理に際し、先ずインペラ5を下降させて溶銑2に浸漬させる。インペラ5が溶銑2に浸漬したら、回転駆動装置6を駆動制御してインペラ5の旋回を開始し、所定の回転数まで昇速する。次に、所定量の脱硫剤3を溶銑鍋1に投入し、所定時間の攪拌を行う。このインペラ5の回転中は、図5に示すように、湯面平均温度は比較的高い温度となっている。
所定時間攪拌したら、回転駆動装置6を駆動制御してインペラ5の回転数を減少させ、徐々に停止させる。それに伴い、時刻t1以降は溶銑2の湯面状態も回転状態から徐々に減速し、やがて時刻t2で停止する。このとき、生成したスラグが浮上して溶銑表面を覆い、静止した状態で脱硫処理が終了する。この時刻t2では、当該スラグの温度が赤外線カメラ8により観測されるため、湯面平均温度は最低温度となる。
インペラ5の旋回が停止すると、昇降駆動装置(不図示)を駆動制御してインペラ5を上昇させ、溶銑鍋1の上方に待機させる。これにより、溶銑2は、静止した状態から時刻t3で攪乱状態へ移行する。このとき、湯面には溶銑2が現れるため、湯面平均温度は急激に上昇する。
この攪乱状態(インペラ上昇中)において、湯面平均温度が最高温度から所定温度Ta以上下降した時刻t4で、脱硫不良判定装置9は、脱硫不良判定タイミングの検索を開始する(図3のステップS5でYes)。このとき、時刻t4から遡って、湯面平均温度が最低温度となるタイミングを検索し、そのタイミングを最適な脱硫不良判定タイミングとして設定する(ステップS6)。この例では、時刻t2が脱硫不良判定タイミングとなる。
したがって、この時刻t4では、時刻t2で撮影した溶銑湯面画像を画像処理し、脱硫良否を判定する。このように、脱硫処理の良否判定を行うのに最適な脱硫不良判定タイミングの直後(数秒〜数十秒後)に、当該最適な脱硫不良判定タイミングでの観測データに基づいた脱硫良否判定処理を実施することができる。
また、インペラ引き上げ前の湯面平均温度が最低温度となるタイミングを脱硫不良判定タイミングとして検索するので、溶銑2の回転が停止し、脱硫良否の重要な判定要素であるスラグが十分に浮遊した状態での溶銑浴面画像を用いて、脱硫処理の良否判定を行うことができる。そのため、高精度な良否判定結果を得ることができる。このとき、インペラ上昇中に湯面平均温度が最高温度から所定温度Ta以上下降した時点を脱硫不良判定タイミングの検索開始タイミングとするので、脱硫不良判定タイミングを適切に検索することができる。
脱硫良否判定処理では、溶銑湯面画像を2次元メッシュに切り、小領域毎の温度を算出し(ステップS7)、算出した小領域毎の温度に基づいてBoxヒストグラムを作成する(ステップS8)。そして、脱硫効率と相関のある定量的指標として温度標準偏差σを算出し(ステップS9)、算出した温度標準偏差σを判定閾値Bとを比較することで溶銑2の脱硫具合の良否を判定する(ステップS10)。
このとき、脱硫具合が不良である場合には、図6(b)に示すように、Boxヒストグラムの広がりが広く、温度標準偏差σは判定閾値B以上の値となる(ステップS10でYes)。そのため、この場合には脱硫不良と判定し、その判定結果をオペレータに知らせる。すると、オペレータは再脱硫処理を実施する。
一方、脱硫具合が良好である場合には、図6(a)に示すように、Boxヒストグラムの広がりは狭く、温度標準偏差σは判定閾値Bよりも小さい値となる(ステップS10でNo)。そのため、この場合には脱硫良好と判定し、その判定結果をオペレータに知らせる。すると、オペレータは脱硫処理を終了し、生成した脱硫スラグを溶銑鍋1から排出すると共に、次の精錬工程に溶銑鍋1を搬送する。脱硫スラグは回収し、次回以降の脱硫処理で投入する脱硫剤3として活用する。
このように、脱硫効率と相関のある定量化指標をもって脱硫処理良否判定を行うので、観測データに対する脱硫良否の度合いを判定することができ、適切に良否判定を行うことができる。その結果、成分外れによる溶銑スクラップ化の削減を図ることができる。
また、最適な脱硫不良判定タイミングを自動で検索し、脱硫良否判定処理を実施するので、脱硫処理終了後のオフライン解析にてオペレータが目視で最適な判定タイミング(判定に適しているタイミングの画像)を検索し、脱硫良否判定処理を実施する場合と比較して、脱硫処理後、迅速に脱硫状況を判定することができる。
したがって、脱硫不良の場合には、即座に再脱硫処理を実施することができる。そのため、再脱硫による操業ロスの短縮を図ることができる。
(応用例)
上記実施形態においては、脱硫効率と温度標準偏差σとの間に図7の直線Cに示す関係があり、且つ脱硫効率と脱硫処理後の溶銑中のS濃度(処理後S)との間に上記(1)式で表す関係があることを利用し、温度標準偏差σに基づいて処理後Sを推定することもできる。
この場合、先ず、脱硫効率と温度標準偏差σとの関係を予め一次関数で近似しておき、その一次関数の近似式と、図3のステップS9で算出した温度標準偏差σと用いて脱硫効率を算出する。そして、算出した脱硫効率と操業条件(処理前S、石灰原単位、RS投入回数)とを用いて、上記(1)式をもとに処理後Sを演算する。これにより、脱硫処理後のS濃度分析を行うことができる。
図8は、脱硫処理後Sの推定精度を検証した結果である。図8において、縦軸が推定処理後Sであり、横軸が実績処理後S(分析値)である。
この図8からも明らかなように、上述した方法で推定した処理後Sは概ね理想直線Dに乗っており、推定処理後Sの残差標準偏差σは2.4(10-3%)、即ち3σは7.2(10-3%)であった。このように、脱硫処理後のS濃度分析を精度良く行なうことができることが確認できた。
(変形例)
なお、上記実施形態においては、温度ヒストグラムの広がり(分布幅)を表すものとして、温度標準偏差σを用いる場合について説明したが、これに代えて、単純なMAX温度とMIN温度との差等を用いることもできる。
また、上記実施形態においては、溶銑面の平均温度から脱硫不良判定タイミングを検出する場合について説明したが、回転駆動装置6から、インペラ5が回転中/減速/上昇の何れの動作中であるかを示すインペラ動作信号を入力し、当該インペラ動作信号をもとに脱硫不良判定タイミングを検出するようにしてもよい。この場合、例えば、「インペラ上昇」や「インペラ回転停止」を示すインペラ動作信号の出力タイミング(+タイマ)を脱硫不良判定タイミングとする。但し、実用として画像解析装置単体で判定でき、かつ実際の溶銑面の状態を観測して判定できるため、溶銑面の平均温度が最低値となるタイミングを脱硫不良判定タイミングとする方法の方が好ましい。
1…溶銑鍋、2…溶銑、3…脱硫剤、4…回転軸、5…インペラ、6…回転駆動装置、7…予備処理スラグ、8…赤外線カメラ、9…脱硫不良判定装置

Claims (5)

  1. 脱硫処理直後の溶銑鍋中にある溶銑の浴面を赤外線カメラで撮影し、
    前記赤外線カメラで撮影した浴面画像の全領域における平均温度を逐次算出し、
    前記平均温度が最低温度となるタイミングを前記脱硫処理直後の脱硫不良判定タイミングとして設定し、
    当該脱硫不良判定タイミングにおいて、前記赤外線カメラで撮影した浴面画像を2次元メッシュに切り、小領域の画像の色情報から小領域毎の温度を算出し、前記小領域内の各画素色情報を平均化して算出した小領域毎の温度に基づいて温度ヒストグラムを作成し、
    前記温度ヒストグラムの分布幅を脱硫効率と相関のある定量的指標として算出し、当該分布幅に基づいて前記溶銑の脱硫具合の良否を判定することを特徴とする脱硫不良判定方法。
  2. 前記温度ヒストグラムの分布幅が予め設定した判定閾値以上であるとき、脱硫処理が不良に終ったと判定することを特徴とする請求項1に記載の脱硫不良判定方法。
  3. 前記温度ヒストグラムの分布幅として、前記温度ヒストグラムのデータのうち所定頻度以上のデータの標準偏差を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱硫不良判定方法
  4. 前記温度ヒストグラムの分布幅に基づいて脱硫効率を算出し、
    算出した前記脱硫効率に基づいて、前記脱硫処理直後における溶銑の硫黄濃度を推定することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の脱硫不良判定方法。
  5. 脱硫処理直後の溶銑鍋中にある溶銑の浴面を撮影する赤外線カメラと、
    前記赤外線カメラで撮影した浴面画像の全領域における平均温度を逐次算出し、前記平均温度が最低温度となるタイミングを前記脱硫処理直後の脱硫不良判定タイミングとして設定し、当該脱硫不良判定タイミングにおいて、前記赤外線カメラで撮影した浴面画像を2次元メッシュに切り、小領域の画像の色情報から小領域毎の温度を算出する温度算出手段と、
    前記小領域内の各画素色情報を平均化して前記温度算出手段で算出した小領域の温度に基づいて温度ヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、
    脱硫効率と相関のある定量的指標として、前記ヒストグラム作成手段で作成した温度ヒストグラムの分布幅を算出する分布幅算出手段と、
    前記分布幅算出手段で算出した分布幅に基づいて、前記溶銑の脱硫具合の良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする脱硫不良判定装置。
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