JP6337383B2 - 化学発色法による発色ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents

化学発色法による発色ステンレス鋼の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6337383B2
JP6337383B2 JP2016124048A JP2016124048A JP6337383B2 JP 6337383 B2 JP6337383 B2 JP 6337383B2 JP 2016124048 A JP2016124048 A JP 2016124048A JP 2016124048 A JP2016124048 A JP 2016124048A JP 6337383 B2 JP6337383 B2 JP 6337383B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
color
polishing
electrolytic
coloring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016124048A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017226883A (ja
Inventor
和嘉 川見
和嘉 川見
淳之 木下
淳之 木下
福田 智之
智之 福田
前田 圭一
圭一 前田
伸吾 廣瀬
伸吾 廣瀬
幸敏 江塚
幸敏 江塚
睦明 今岡
睦明 今岡
田中 俊行
俊行 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ASAHIMEKKI CORPORATION
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Tottori Institute of Industrial Technology
Original Assignee
ASAHIMEKKI CORPORATION
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Tottori Institute of Industrial Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ASAHIMEKKI CORPORATION, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Tottori Institute of Industrial Technology filed Critical ASAHIMEKKI CORPORATION
Priority to JP2016124048A priority Critical patent/JP6337383B2/ja
Publication of JP2017226883A publication Critical patent/JP2017226883A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6337383B2 publication Critical patent/JP6337383B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Description

本願発明は、化学発色法による発色ステンレス鋼の製造方法に関する。特に、化学発色処理前のステンレス鋼の表面を電解砥粒研磨により鏡面処理して、工業的色調を高度化させた新たな化学発色化技術を用いた発色ステンレス鋼の製造方法に関する。
ステンレス鋼材は、耐腐食性に優れるため工業製品、家庭用品に広く採用されている。しかし、ステンレス鋼材は銀白色の金属光沢が強いため、ステンレス鋼材を使用した製品の意匠はクールな色調となり、温かみのある色調を求める使用者に抵抗感を与えるという問題がある。このため、温かみのある色調に発色したステンレス鋼材が求められている。
ステンレス鋼材を発色する方法としては、ステンレス鋼材を塗装して発色塗膜を生成する方法があるが、塗膜に有機系素材を使用するため耐候性に劣り、経年劣化により塗膜の変色や塗膜剥がれが生じるという問題がある。
また、ステンレス鋼材を酸化発色させて発色皮膜を生成した後に電解処理して皮膜を硬化させる方法があり、クロム酸を使用したインコ法による酸化発色が広く採用されている(特許文献1)。しかしながら、発色機能を有する酸化皮膜の厚みを均一に制御する技術が十分でないため、色むらが生じやすいという問題がある。
発色機能を有する酸化皮膜の厚みを均一に制御するため、ステンレス鋼材を発色処理前に表面処理する方法が採用されている。表面処理方法として、アルカリ性水溶液を電解液としステンレス鋼を陰極として陰極電解処理した後、不動態処理する方法が開示されている(特許文献2)。
下地研磨したチタン材を、電動工具に取り付けた粘弾性研磨体によって摺擦しながら、その粘弾性研磨体に遊離砥粒を含む電解液を供給して、0.01μmRzレベルの粗さまで電解砥粒研磨して、チタン材を鏡面研磨することが開示されている(特許文献3)。
特開昭54− 10245号公報 特開昭58− 27997号公報 特開昭63−237815号公報
本願発明は、ステンレス表面の色むらがなく、工業的色調を高度化させた、化学発色化技術を用いた、耐腐食性に優れる化学発色法による発色ステンレス鋼の製造方法を提案するものである。
本願発明の課題は、以下の態様により解決できる。具体的には、
(態様1) ステンレス鋼表面を研磨材により摺擦しながら、遊離砥粒を含む電解液を供給し、前記ステンレス鋼表面を鏡面処理する電解砥粒研磨処理工程と、鏡面処理されたステンレス鋼を、クロム酸と硫酸の混合溶液からなる発色処理液に浸漬して、発色皮膜を生成する発色処理工程と、発色処理されたステンレス鋼を、クロム酸とリン酸の混合溶液からなる硬化処理液に浸漬して、発色処理工程で生成された発色皮膜を硬化する硬化処理工程と、からなることを特徴とする発色ステンレス鋼の製造方法である。ステンレス鋼材を電解砥粒研磨処理により鏡面処理を行うことで、形成される発色酸化皮膜の厚みの不均一性が低減し、色ムラも目視レベルで判断できないレベルまで低減できるからである。ここで、電解砥粒研磨法とは、砥粒で研磨しながら、電流密度0.1A/cm2程度の直流電流を負荷する加工法をいう。電解砥粒研磨法は、電流密度が低いため、加工表面に厚い不動態皮膜が形成されて金属の溶出はほとんど起こらない。しかし、その加工表面を砥粒擦過して皮膜を除去することで、皮膜除去部分で金属が溶出する。微細な凸部を砥粒が選択的に擦過することで当該凸部の電解溶出量が増えて凸部がなくなり、表面粗さが低減する。
(態様2) 前記電解砥粒研磨に供するステンレス鋼は、化学研磨、バフ研磨、電解研磨より選択される1又は2以上の研磨による下地研磨処理工程を経たものであることを特徴とする(態様1)に記載した発色ステンレス鋼の製造方法である。電解砥粒研磨処理を行う前処理として、ステンレス鋼材の表面粗さの程度、ステンレス鋼材の形態を考慮して、化学研磨、バフ研磨、電解研磨より選択される1又は2以上の研磨による下地研磨処理を行うことで、微細な凸部の平滑化を目的とする電解砥粒研磨工程でのステンレス鋼の鏡面処理を効率的かつ精度良く行うことができるからである。
(態様3) 前記電解砥粒研磨処理工程により鏡面処理されたステンレス鋼の算術平均表面粗さ(Ra)は、0.01μm未満であることを特徴とする(態様1)または(態様2)のいずれかに記載した発色ステンレス鋼の製造方法である。鏡面処理されたステンレス鋼の算術平均表面粗さ(Ra)が0.01μm以上であると、目視レベルで判断できる色ムラが生じる可能性が高いからである。
(態様4) 前記発色処理工程は、前記電解砥粒研磨処理工程により鏡面処理されたステンレス鋼を、クロム酸と硫酸の混合溶液からなる発色処理液に浸漬して、発色電位速度0.02〜0.08mV/secで発色皮膜を生成する発色処理工程であることを特徴とする(態様1)乃至(態様3)のいずれかに記載した発色ステンレス鋼の製造方法である。発色皮膜の生成速度を低くすることで、発色皮膜の生成厚みを精密に制御できるからである。発色皮膜の生成厚みを精密に制御することで、色ムラを低減できるからである。ここで、発色皮膜の生成速度を発色電位速度(mV/sec)で表すことができる。発色電位速度は、0.02〜0.08mV/sec、好ましくは0.050〜0.065mV/secである。発色電位速度が0.02mV/sec未満であると発色皮膜の生成が遅れ生産性が低下するからである。発色電位速度が0.08mV/secを超えると生成した発色皮膜の厚みが不均一となり、色味変化(ΔE)が生じて、色調の違和感、色ムラが生じるからである。
(態様5) 前記発色ステンレス鋼の色差(ΔE)は、0.4〜3.2であることを特徴とする(態様1)乃至(態様4)のいずれかに記載した発色ステンレス鋼の製造方法である。色差(ΔE)が3.2を超えると当業者が色ムラを認識でき、色違いとしてクレームになることがあるからである。また、色差(ΔE)が0.4未満は、分光測色計の測定値の再現性が劣るレベルとなるからである。
(態様6) 前記クロム酸と硫酸の混合溶液からなる発色処理液は、発色処理液中にマンガンイオン(Mn2+)濃度が0.5〜300mmol/Lであることを特徴とする(態様1)乃至(態様5)のいずれかに記載した発色ステンレス鋼の製造方法である。マンガンイオン(Mn2+)添加により、発色開始点が速くなり、発色反応開始点から発色反応終了点に至る浸漬時間が短くなる。このため、発色皮膜の生成速度を低くして、発色皮膜の生成厚みを精密に制御することにより色ムラの発生を低減する場合であっても生産性に与える影響が少ないからである。

本願発明によれば、電解砥粒研磨、化学研磨、バフ研磨、電解研磨によって発色処理工程前のステンレス鋼の算術平均表面粗さ(Ra)を0.01μm未満とすることができ、併せて発色皮膜の形成速度を制御することにより、発色ステンレス鋼の色ムラを当業者が色ムラと認識できるレベル以下にすることができる。また、発色液中にマンガンイオン(Mn2+)添加することで、発色開始点が早くなり、発色反応開始点から発色反応終了点に至る浸漬時間を短縮でき、発色皮膜の形成速度を制御することによる発色皮膜形成時間の増加を相殺できる。このため、生産性に与える影響は少ない。
本願発明の化学発色法による発色ステンレス鋼の製造方法を構成する工程の流れを示す工程図である。 本願発明の電解砥粒研磨装置を構成する電極工具の断面図である。 本願発明の色ムラ評価に用いた試験片を示す写真である。
本願発明の化学発色法による発色ステンレス鋼の製造方法は、図1に示すように、発色処理工程の前処理となる下地研磨処理工程及び電解砥粒研磨工程と、発色処理工程、硬化処理工程からなる。下地研磨処理工程、電解砥粒研磨工程、発色処理工程、硬化処理工程の各工程の後に、水洗工程を設けることができる(図示せず)。ただし、ステンレス鋼材の性状によっては、必ずしも下地研磨処理工程を必要としない。
以下、下地研磨処理工程、電解砥粒研磨工程、発色処理工程、硬化処理工程の順に説明し、評価方法についても説明する。なお、本願発明は以下の発明を実施するための態様に限定されるものではない。
(1)下地研磨処理工程
下地研磨処理工程は、化学発色法による発色ステンレス鋼の製造において、ステンレス鋼材の表面粗さが大きい等の直ちに電解砥粒研磨処理を行うことに問題がある場合や、電解砥粒研磨処理の精度を高めてステンレス鋼材の表面平滑性を高める必要がある場合に行う。下地研磨処理工程で用いる研磨方法としては、化学研磨、電解研磨、バフ研磨があり、これらの研磨方法を単独または複数組み合わせて行うことができる。
(1−1)化学研磨
化学研磨は特殊な処理液(エッチング液)に浸し、化学反応によって表面の微細な凹凸を溶解除去する研磨方法である。電気を流さず処理液の溶解力で研磨するため、ムラを引き起こしにくく複雑な形状に対応できる。エッチング液は、酸化剤特性を有する酸性エッチング液であり、硝酸を用いた酸性エッチング液や無機酸とフッ化化合物からなるエッチング液がある。
硝酸を用いた酸性エッチング液としては、硝酸イオンを含む酸性水溶液、具体的には、硝酸塩とスルホン酸および/あるいは無機酸を溶解させて調整したものがある。硝酸塩としては、硝酸アンモニウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム等が挙げられ、使用濃度は0.1〜1.0mol/lである。これらの硝酸塩は水に易溶および酸に溶けるので、硝酸イオンが生成でき、酸性領域の水溶液にすると、直接硝酸を溶解させた化学研磨液と同様の働きをする。濃度が0.1mol/l以下では良好な金属光沢感がある研磨面が得られない。濃度が1.0mol/l以上では、その濃度に見合う酸濃度が供与されない場合、鏡面的な金属光沢感のある研磨面とならず、曇ったにぶい研磨面となり、その濃度に見合う酸濃度が供与された場合、溶解力が強まり金属光沢感のある研磨面となり得るが、溶解ガス発生が多くなり、ピット、ピンホールのある研磨面になってしまう。
無機酸とフッ化化合物からなるエッチング液は、腐食性が高く、猛毒であるため取扱いが難しく、環境負荷も大きいフッ化水素酸の代替となるエッチング液である。無機酸としては、硝酸、硝酸と硫酸との混酸、塩酸、リン酸、リン酸と硫酸との混酸等が挙げられ、硝酸、硝酸と硫酸との混酸好ましい。無機酸の濃度は、含まれる水への溶解度によって適宜決定されるが、好ましくは30〜70重量%、更に好ましくは40〜60重量%の範囲である。
フッ素化合物としては、フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモニウム、フッ化セリウム、四フッ化ケイ素、フッ化ケイ素酸、フッ化窒素、フッ化リン、フッ化ビニリデン、三フッ化ホウ素、ホウフッ化水素酸、フッ化ホウ素酸アンモニウム、モノエタノールアミンフッ化水素塩、メチルアミンフッ化水素塩、エチルアミンフッ化水素塩、プロピルアミンフッ化水素塩、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、フッ化トリエチルメチルアンモニウム、フッ化トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、フッ化テトラエトキシアンモニウム、フッ化メチルトリエトキシアンモニウム等のフッ素化合物塩、またはフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、酸性フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、酸性フッ化カリウム、フッ化ケイ素酸カリウム、六フッ化リン酸カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フッ化亜鉛、フッ化アルミニウム、フッ化第一錫、フッ化鉛、三フッ化アンチモン等の金属フッ素化合物が挙げられる。なかでも好ましいフッ素化合物は、フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモニウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化ナトリウム、及びフッ化カリウムであり、酸性フッ化アンモニウムが特に好ましい。また、単独でも2種類以上組み合わせて用いてもよい。フッ素化合物の濃度は、0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%の範囲である。0.1重量%未満ではスマット除去速度が遅くなり、10重量%を超えると、排水処理 性に負荷がかかり、環境負荷も大きいからである。
(1−2)電解研磨
電解研磨は、金属に応じた電解研磨溶液中で、金属をプラスとして直流電流を流して、微細な凹凸のある金属表面の凸部分の溶解により金属表面を平滑化し光沢化する研磨方法である。バフ研磨などの物理的研磨により発生した汚れ、異物、加工変質層を除去できる。
電解研磨液の種類は過酸化水素水,氷酪酸,燐酸,硫酸,硝酸,クロム酸,重クロム酸ソーダ等の単独または混合酸性水溶液が好ましい。その他、添加剤としてエチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチルエステルやグリセリンを使用することができる。これら添加剤は電解液を安定化させ、濃度変化、経時変化、使用による劣化に対して適正電解範囲を広げる効果がある。
具体的には、40〜80vol%リン酸、5〜30vol%硫酸、15〜20vol%水、0〜35vol%エチレングリコールからなる電解液中で、40〜70℃、3〜10min、直流(10〜30V、3〜60A/dm3)で行うことができる。
(1−3)バフ研磨
バフ研磨は、布又は不織布の外周面に研磨剤を塗ったものにより磨く方法である。表面状態が粗く不均一であるものを、布若しくは不織布又は研磨剤を代えて数回研磨することで、粗研磨から光沢を出す状態まで研磨できる。
バフの種類は布バフでは、縫いバフ、とじバフ、ばらバフ、バイアスバフ、サイザルバフなどがある。その他のバフとしては、フラップホイール、不織布ホイール、ワイヤーホイールなどがある。これらのバフは、その用途に応じて使用される。ナイロン繊維を起毛したものが好ましい。また、バフ研磨材としては、比較的微粉の研磨材を主成分とし、これと油脂やその他適当な成分からなる媒体とを均一に混合した研磨材料がある。
(2)電解砥粒研磨処理工程
電解砥粒研磨処理工程は、ステンレス鋼表面を鏡面処理することを目的とする。次工程である発色処理工程及び硬化処理工程で生成する発色皮膜の均一性を最終的に確保する役割を担う重要な工程である。
電解砥粒研磨には、微細な研磨砥粒(遊離砥粒)を含む希薄な電解液中において、弾性体からなる研磨部材を接触回転させながらステンレス鋼材の表面を研磨する方法と、遊離砥粒に代えて、遊離砥粒よりも十分に微細な固定砥粒を、弾性材料からなる基材上に固定した弾性砥石を電解液中で接触回転させながらステンレス鋼材の表面を研磨する方法がある。
電解砥粒研磨は、図2に示す電解砥粒研磨装置を用いる。電解砥粒研磨装置は、XYテーブル送り機構を備えるもので、電極工具は、研磨の対象とするステンレス鋼材7に対向して回転する電極1に、研磨部材2を、取付板3を介してねじ止めしたものである。電極1は、研磨部材2の取付面に多数の開口4を有し、供給管5を通して自然落下で供給される電解液を開口4から研磨の対象とするステンレス鋼材7の表面に供給するようにしている。また、電解電流は、電源の陰極に接続された接触子6を介して電極1に供給するようにしている。
(2−1)研磨砥粒
電解砥粒研磨に用いる研磨砥粒としては、被研磨物の表面を所望の粗さに加工できる材質であれば特に制限はない。具体的には、鉄、アルミニウム、珪素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ニオブ、モリブデン、パラジウム、銀、テルル等の金属酸化物、ガラス、石英、アランダム、カーボンアランダム、カーボランダム、ジルコニア、ガーネット、ホウ化チタン、ホウ化炭素等のセラミック、クルミ、種子殻、パルプ、コルク等の植物由来物質、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル、ポリアセタール、酢酸セルロース等の樹脂、硫化タングステン、硫化モリブデン、水酸化マグネシウム、炭素、グラファイト、バリウム塩化物、アルミニウム塩化物等の無機物がある。
研磨砥粒の硬度は、被加工物と同等かそれ以上の硬度を有するものを使用することが好ましいが、被加工物の材質・加工条件等によっては、必ずしも砥粒の硬度が被加工物と同等かそれ以上であることが必要なわけではない。砥粒の粒径は目的の凹凸(表面粗さ)の程度に応じて適宜選択するとよい。また、砥粒の粒度について特に限定はなく、表面を粗くするためには粒径の大きいもの(番手の小さいもの)を使用するとよく、表面の粗さを低減するためには粒径の小さいもの(番手の大きいもの)を使用するとよい。具体的には、電解砥粒研磨に用いる遊離砥粒は、たとえば♯20〜20000(930〜0.5μm)の範囲のものを使用でき、電解作用とのバランスから平均粒径が0.1〜0.7μm程度が適当である。また、砥粒の形状についても被加工物の材質や加工条件等によって適宜変更してよく、球形だけでなく、多角形、円柱状、薄片状、針状およびこれらが混在した状態等,各種形状を広く使用することができる。
(2−2)研磨部材
電解砥粒研磨に用いる研磨部材としては、ゴム、熱可塑性エラストマー等の粘弾性特性を有する素材であれば特に制限はなく、一般的に鏡面研磨等に利用されている粘弾性体を用いることもできる。具体的には、ゴムとしては、天然ゴムのほか、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シリコンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム等の合成ゴムがある。
また、エラストマーとしては、スチレンブロックコポリマー、塩素化ポリエチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ニトリル系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等がある。ゴムおよび熱可塑性エラストマーは、単独で用いるほか、複数種をブレンドして用いても良い。
研磨部材には、ゴム、エラストマーの他に添加剤が含まれてもよい。たとえば、原材料としてゴムを使用する場合、ゴムに混合される添加剤としては,ゴム分子間を架橋するための加硫剤,加硫剤による架橋反応を促進するための加硫促進剤、ゴムに可塑性を与えて配合剤の混合・分散を助け,圧延や押出等の加工性をよくするための可塑剤、ゴム製造時に要求される粘着性を与えて加工性を良くするための粘着付与剤、増量によって製品コストを低下させる、あるいはゴムの物性(引張強度さや弾性等の機械的特性等)や加工性を向上させるためのフィラー、安定剤、分散剤等が挙げられる。
添加剤として充填剤が用いられても良い。たとえば、弾性体に重さを付加するために、たとえば,砥粒の硬度より低い金属、セラミックス、無機物樹脂等の充填剤を使用することができ、これらを配合することによって加工に適した弾性体の密度にすることができる。
また、静電気の防止のため、カーボンブラックや金属粒子等の導電性を有する物質を使用してもよい。
(2−3)電極
電解砥粒研磨に用いる電極としては、導電性を有する材料であれば特に制限はない。好ましくは、銅、鉄、ステンレスが用いられる。
(2−4)電解電流密度
電極工具と被加工物であるステンレス鋼材との間に流す電解電流密度は、5〜35A/dm2であり、より好ましくは、10〜30A/dm2であり、更に好ましくは、12〜25A/dm2である。ただし、電解電流密度は、処理温度、処理時間、研磨部材の押し付け圧、研磨部材の回転数その他加工条件との関連において適切に選択されるべきものである。処理温度は、10〜40℃が好ましく、より好ましくは45〜55℃である。処理時間は、生産性の観点から15分以下、より好ましくは10分以下である。研磨部材の押付け圧も、他の研磨条件との関連において適切に設定されるが、一般的には、10〜20kPa以下である。研磨部材の回転数は、200〜400rpmである。
また、良好な光沢度が得られる電解電流密度の上限及び下限は、砥粒研磨による機械的除去量に依存するものと考えられ、例えば、研磨部材の押付け圧を高めた場合や、工具の回転数を高めた場合には、良好な光沢度が得られる電流密度の上限が高くなる。
(2−5)電解液
電解砥粒研磨に用いる電解液としては、例えば、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩素化ナトリウム等の水溶液が適しているが、硝酸ナトリウム水溶液が好ましい。電解液としての硝酸ナトリウム水溶液の濃度は、0.01〜20wt%のものを用いることができるが、0.05〜5.0wt%程度の希薄なものが適している。電解液濃度が上記範囲の下限よりも低下すると、所要の電流密度を得るための電圧の設定が困難になり、また、濃度を必要以上に高めることは、廃液の処理という観点から望ましくないからである。
電解砥粒研磨では、電解液の流速を調整することが好ましい。例えば、電流密度を高めるときには、溶出する金属イオン量の増加が見込まれるため、電解液の流速を高め、電流密度を弱めるときには、溶出する金属イオン量の減少が見込まれるため、電解液の流速を弱めることが好ましい。このように電解電流密度を制御することにより、被加工物であるステンレス鋼材表面の電解量を調節することができる。
(2−6)表面粗さ
電解砥粒研磨により、ステンレス鋼材の表面粗さを0.01μm未満、好ましくは0.08μm以下に抑える必要がある。ここで、「表面粗さ」とは、JIS B 0601に規定する算術平均粗さ(Ra)をいう。
(3)発色処理工程
発色処理工程は、上述した電解砥粒研磨工程を経たステンレス鋼材の表面に極薄の光透過性酸化皮膜(以下、「発色皮膜」という。)を生成する工程である。生成した発色皮膜による光の干渉作用を利用して発色する。ステンレス鋼材の素地表面が持つ美麗さを反映した趣のある色調を発現させることが可能である。
(2−1)発色処理
発色方法としては、硫酸とクロム酸との混合液(以下、「発色溶液」という。)中にステンレス鋼材を陽極として直流による電気分解を行い、水溶液中に浸漬した参照電極との電位差により所望する発色皮膜を生成する、いわゆるインコ法を採用する(特開昭48−011243号公報参照)。
光の干渉ピークから光学的に発色皮膜の厚みを求めると、ステンレス鋼材(SUS304BA)の表面に生成される発色皮膜の厚みは、陽極と参照極との電位差(以下、「発色電位」という。)に比例する。その値は、各色調において、6mV(ブルー:90nm)、13mV(ゴールド:150nm)、16mV(レッド:180nm)、19.5mV(グリーン:220nm)である(竹内 武著、実務表面技術33巻11号、1986年 参照)。この発色皮膜の厚みは、ステンレス鋼材に生成されている不動態皮膜の厚み(1〜3nm)に比べて有意に大きい。
したがって、発色ステンレス鋼材に生じる色ムラは、発色皮膜の厚みのばらつきにより生じるため、発色皮膜の厚みを制御することが肝要である。
(2−2)発色皮膜
発色皮膜の生成速度を低くすることで、色調の発現を穏やかにして、色むらを低減することができる。ステンレス鋼材(SUS304BA)の表面に生成される発色皮膜の厚みは、発色電位と相関があるからである。
発色溶液中の硫酸とクロム酸の混合比(クロム酸/硫酸)は、クロム酸15〜30wt/vl%に対し、硫酸40〜50wt/vl%が好適である。クロム酸濃度を低減することで、発色皮膜の生成速度を低くすることができ、発色皮膜の生成厚みを精密に制御できるからである。
発色皮膜の生成速度は、発色電位速度(mV/sec)で制御することができる。発色電位速度は、0.02〜0.08mV/sec、好ましくは0.050〜0.065mV/secである。発色電位速度が0.02mV/sec未満であると発色皮膜の生成が遅れ生産性が低下するからである。発色電位速度が0.08mV/secを超えると生成した発色皮膜の厚みが不均一となり、色味変化(ΔE)が生じて、色調の違和感、色ムラが生じるからである。
(2−3)マンガンイオン
発色溶液中のクロム酸濃度の低減に伴う発色皮膜の生成速度を補うために、マンガンイオン(Mn2+)を添加することができる。発色溶液に用いるマンガン塩としては、塩酸マンガン(MnCl2)、硫酸マンガン(MnSO4)、硝酸マンガン(Mn(NO3)2)などがあり、これらの中の1種または2種以上を用いることができる。発色溶液中のマンガンイオン(Mn2+)濃度は、0.5〜300mmol/Lが好ましく、5〜150mmol/Lがより好ましい。マンガンイオン(Mn2+)濃度が0.5mmol/L未満では、発色皮膜の生成を促す効果がなく、マンガンイオン(Mn2+)濃度が300mmol/Lを超えると不溶な部分が残って、発色皮膜の生成に影響を及ぼすからである。
(3)硬化処理工程
酸化発色させて発色皮膜を形成したステンレス鋼を電解処理して発色皮膜を硬化させる。この硬化処理は、リン酸とクロム酸との混液中で電解によりクロムを発色皮膜の多孔部分に埋め込ませることにより発色皮膜を硬化させる(硬化処理を施し、ステンレス鋼材表面に金属光沢を有する各種色調の発色を施すようにしたものである。
(4)発色性評価
発色性評価は、ステンレス鋼(SUS304)で作製した図3に示す形状の試験片(以下、「本試験片」という。)の上面部10で行った。硬化処理を終えた本試験片の色ムラを、1976年にCIE(国際照明委員会)で決められたL*、a*、b*表色系(JISZ8781−4:2013)に準拠した色差ΔE*=[(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2を分光測色計により測色して評価した。本試験片で評価される発色ステンレス鋼の色差(ΔE)は、0.4〜3.2であることが好ましい。色差(ΔE)が3.2を超えると当業者が色ムラを認識でき、色違いとしてクレームになることがあるからである。色差(ΔE)が0.4未満は、分光測色計の測定値の再現性が劣るレベルとなるからである。
次に本願発明の効果を奏する実施態様を実施例として示す。また、そのまとめを表1に示す。
<実施例1>
(1)電解砥粒研磨処理
本試験片の角部8に電極(+)を取り付け、電極回転工具を本試験片上面部10表面に接触させ、加工液供給装置により電解砥粒液を循環させて、電極回転工具に滴下させ、以下の処理条件で電解砥粒研磨を行い、研磨処理品1を作製した。
[電解砥粒研磨処理条件]
・電極回転工具
研磨部材 ウレタン・ナイロン不織布
回転速度 300rpm
押し付け圧 20kPa
走行速度 10mm/sec
パス回数 60パス
・電解砥粒液
砥粒〔アルミナ:昭和電工製AL−160SG−3〕 3wt%
電解質〔硝酸ナトリウム:関東化学製〕 5wt%
・電解砥粒液流量 0.5L/min
・電流密度 5A/dm2
(2)表面粗さ計測
研磨処理品1の算術平均粗さ(Ra)を表面粗さ測定機(テーラーホブソン製、フォームタリサーフPGI―PLS)計測した。表面粗さは、0.008μmであった。
(3)発色硬化処理
研磨処理品1を以下の条件で発色処理を行い、発色処理品1を作製した。
〔発色処理条件〕
・発色液組成 酸化クロム250g/L、硫酸500g/L
・処理温度 80℃
・処理時間 8min
・発色電位速度 0.053mV/sec
(4)硬化処理
発色処理品1を以下の条件で硬化処理を行い、硬化処理品1を作製した。
〔硬化処理条件〕
・硬化液組成 酸化クロム250g/L、リン酸2.5g/L
・処理温度 25℃
・処理時間 10min
・電流密度 0.5A/dm2
(5)色差計測
硬化処理品1について、1976年にCIE(国際照明委員会)で決められたL*、a*、b*表色系(JISZ8781−4:2013)に準拠した色差ΔE*=[(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2を分光測色計(コニカミノルタ製、CM−2600d)により測色して算出した。色ムラ(ΔE)は、2.5であった。
<実施例2>
実施例1と同様の条件で作製した研磨処理品1を、マンガン塩添加した発色溶液中で以下の条件で発色処理を行い、発色処理品2を作製した。硬化処理は実施例1と同様として、硬化処理品2を作製した。色ムラ(ΔE)は、2.4であった。
〔発色処理条件〕
・発色液組成 酸化クロム250g/L、硫酸500g/L、硫酸マンガン6.3g/L
・処理温度 80℃
・処理時間 8min
・発色電位速度 0.053mV/sec
<実施例3>
実施例1と同様の条件で作製した研磨処理品1を、以下の条件で発色処理を行い、発色処理品3を作製した。硬化処理は実施例1と同様として、硬化処理品3を作製した。色ムラ(ΔE)は、2.8であった。
〔発色処理条件〕
・発色液組成 酸化クロム250g/L、硫酸500g/L
・処理温度 80℃
・処理時間 8min
・発色電位速度 0.061mV/sec
<実施例4>
実施例1と同様の条件で作製した研磨処理品1を、マンガン塩添加した発色溶液中で以下の条件で発色処理を行い、発色処理品4を作製した。硬化処理は実施例1と同様として、硬化処理品4を作製した。色ムラ(ΔE)は、2.6であった。
〔発色処理条件〕
・発色液組成 酸化クロム250g/L、硫酸500g/L、硫酸マンガン6.3g/L
・処理温度 80℃
・処理時間 8min
・発色電位速度 0.053mV/sec
<実施例5>
下地研磨処理として、以下の条件でバフ研磨を行い、その後実施例1と同様に電解砥粒研磨を行い、研磨処理品2を作製した。研磨処理品2の表面粗さは、0.003μmであった。研磨処理品2を実施例1と同様に発色処理と硬化処理を行い、硬化処理品5を作製した。色ムラ(ΔE)は、1.1であった。
[バフ研磨処理条件]
・ナイロン不織布 #500,#800,#1000,#3000
・研磨材 アルミナ(粒径 1μm)
<実施例6>
研磨処理品2を実施例4と同様に発色処理と硬化処理を行い、硬化処理品6を作製した。色ムラ(ΔE)は、1.2であった。
<実施例7>
下地研磨処理として、以下の条件で、化学研磨、電解研磨を行い、その後実施例1と同様に電解砥粒研磨を行い、研磨処理品4を作製した。研磨処理品4の表面粗さは、0.005μmであった。研磨処理品4を実施例4と同様に発色処理と硬化処理を行い、硬化処理品7を作製した。色ムラ(ΔE)は、2.4であった。
[化学研磨処理条件]
・化学研磨液組成 硝酸300ml/L、一水素二フッ化アンモニウム 50g/L
・処理温度 25℃
・処理時間 5min
[電解研磨処理条件]
・電解研磨液組成 リン酸70ml/L、硫酸20ml/L、エチレングリコール0.2ml/L
・処理温度 70℃
・処理時間 5min
・電流密度 10A/dm
<実施例8>
下地研磨処理として、実施例7と同様の条件で、電解研磨を行い、その後実施例1と同様に電解砥粒研磨を行い、研磨処理品5を作製した。研磨処理品5の表面粗さは、0.006μmであった。研磨処理品5を実施例4と同様に発色処理と硬化処理を行い、硬化処理品8を作製した。色ムラ(ΔE)は、2.4であった。
<比較例1>
下地研磨処理として、実施例7と同様の条件で、化学研磨と電解研磨を行い、電解砥粒研磨を行わないで研磨処理品6を作製した。研磨処理品6の表面粗さは、0.07μmであった。研磨処理品6を実施例1と同様に発色処理と硬化処理を行い、硬化処理品9を作製した。色ムラ(ΔE)は、3.8であった。
<比較例2>
下地研磨処理として、実施例7と同様の条件で、電解研磨のみを行い、電解砥粒研磨を行わないで研磨処理品7を作製した。研磨処理品7の表面粗さは、0.08μmであった。研磨処理品7を実施例1と同様に発色処理と硬化処理を行い、硬化処理品10を作製した。色ムラ(ΔE)は、3.7であった。
<比較例3>
下地研磨処理として、実施例7と同様の条件で、バフ研磨のみを行い、電解砥粒研磨を行わないで研磨処理品8を作製した。研磨処理品8の表面粗さは、0.07μmであった。研磨処理品8を実施例1と同様に発色処理と硬化処理を行い、硬化処理品11を作製した。色ムラ(ΔE)は、6.7であった。
<比較例4>
実施例1と同様の条件で作製した研磨処理品1を、以下の条件で発色処理を行い、発色処理品4を作製した。硬化処理は実施例1と同様として、硬化処理品12を作製した。色ムラ(ΔE)は、3.5であった。
〔発色処理条件〕
・発色液組成 酸化クロム250g/L、硫酸500g/L
・処理温度 80℃
・処理時間 8min
・発色電位速度 0.09mV/sec
<比較例5>
実施例1と同様の条件で作製した研磨処理品1を、以下の条件で発色処理を行い、発色処理品5を作製した。硬化処理は実施例1と同様として、硬化処理品13を作製した。色ムラ(ΔE)は、3.4であった。
〔発色処理条件〕
・発色液組成 酸化クロム250g/L、硫酸500g/L、硫酸マンガン6.3g/L
・処理温度 80℃
・処理時間 8min
・発色電位速度 0.09mV/sec
<比較例6>
未研磨処理品を、以下の条件で発色処理を行い、発色処理品6を作製した。硬化処理は実施例1と同様として、硬化処理品13を作製した。色ムラ(ΔE)は、7.2であった。
〔発色処理条件〕
・発色液組成 酸化クロム250g/L、硫酸500g/L、硫酸マンガン6.3g/L
・処理温度 80℃
・処理時間 8min
・発色電位速度 0.08mV/sec
本願発明により、工業的色調を高度化させた、化学発色化技術を用いた、耐腐食性に優れる発色ステンレス鋼を提供できる。
1 電極
2 研磨部材
3 取付板
4 開口
5 電解液供給菅
6 接触子
7 ステンレス鋼材
8 角部
9 左右下面部
10 上面部

Claims (6)

  1. ステンレス鋼表面を研磨材により摺擦しながら、遊離砥粒を含む電解液を供給し、前記ステンレス鋼表面を鏡面処理する電解砥粒研磨処理工程、
    鏡面処理されたステンレス鋼を、クロム酸と硫酸の混合溶液からなる発色処理液に浸漬して、発色皮膜を生成する発色処理工程、
    発色処理されたステンレス鋼を、クロム酸とリン酸の混合溶液からなる硬化処理液に浸漬して、発色処理工程で生成された発色皮膜を硬化する硬化処理工程、
    とからなることを特徴とする発色ステンレス鋼の製造方法。
  2. 前記電解砥粒研磨に供するステンレス鋼は、化学研磨、バフ研磨、電解研磨より選択される1又は2以上の研磨による下地研磨処理工程を経たものであることを特徴とする請求項1に記載した発色ステンレス鋼の製造方法。
  3. 前記電解砥粒研磨処理工程により鏡面処理されたステンレス鋼の算術平均表面粗さ(Ra)は、0.01μm未満であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載した発色ステンレス鋼の製造方法。
  4. 前記発色処理工程は、前記電解砥粒研磨処理工程により鏡面処理されたステンレス鋼を、クロム酸と硫酸の混合溶液からなる発色処理液に浸漬して、発色電位速度0.02〜0.08mV/secで発色皮膜を生成する発色処理工程であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載した発色ステンレス鋼の製造方法。
  5. 前記発色ステンレス鋼の色差(ΔE)は、0.4〜3.2であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載した発色ステンレス鋼の製造方法。
  6. 前記クロム酸と硫酸の混合溶液からなる発色処理液は、発色処理液中にマンガンイオン(Mn2+)濃度が0.5〜300mmol/Lであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載した発色ステンレス鋼の製造方法。
JP2016124048A 2016-06-23 2016-06-23 化学発色法による発色ステンレス鋼の製造方法 Active JP6337383B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016124048A JP6337383B2 (ja) 2016-06-23 2016-06-23 化学発色法による発色ステンレス鋼の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016124048A JP6337383B2 (ja) 2016-06-23 2016-06-23 化学発色法による発色ステンレス鋼の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017226883A JP2017226883A (ja) 2017-12-28
JP6337383B2 true JP6337383B2 (ja) 2018-06-06

Family

ID=60889090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016124048A Active JP6337383B2 (ja) 2016-06-23 2016-06-23 化学発色法による発色ステンレス鋼の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6337383B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109676483B (zh) * 2018-11-30 2020-07-28 合肥巍华钢结构有限公司 一种用于彩钢瓦加工的除锈设备
KR102103349B1 (ko) * 2019-11-29 2020-04-22 세신유엔씨 주식회사 스테인리스 조리기의 제조방법
JP7411155B2 (ja) * 2019-12-23 2024-01-11 国立研究開発法人産業技術総合研究所 色ムラ検査装置および色ムラ検査方法
CN113510563B (zh) * 2021-09-09 2021-11-19 江苏大威新能源科技有限公司 一种彩钢板加工用磨边装置
JP7492206B1 (ja) 2023-11-28 2024-05-29 オロル株式会社 半導体製造装置用ステンレス鋼部材およびその製造方法
CN118219185A (zh) * 2024-05-27 2024-06-21 山西鼎荣冷弯型钢有限公司 一种高速公路护栏不锈钢冷弯焊管加工表面保护及处理工艺

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56112480A (en) * 1980-02-12 1981-09-04 Nisshin Steel Co Ltd Production of solar heat absorbing body

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017226883A (ja) 2017-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6337383B2 (ja) 化学発色法による発色ステンレス鋼の製造方法
US5656099A (en) Method of forming oxide passivation film having chromium oxide layer on the surface thereof, and stainless steel having excellent corrosion resistance
CN102686786B (zh) 电解质溶液和电抛光方法
CN103643278B (zh) 一种汽车配件铝材微弧氧化的方法
US4242417A (en) Lithographic substrates
KR101908320B1 (ko) 차량용 알루미늄 루프랙의 표면처리용액 및 표면처리방법
TW201500593A (zh) 在強硫酸中的錳三價離子的電解生成
US4324841A (en) Lithographic substrates
US4396468A (en) Three phase graining of aluminum substrates
WO2018146841A1 (ja) めっき液、及び、めっき製品の製造方法
KR102088847B1 (ko) 선박평형수 전기분해용 음극 전극의 스케일 저감 방법
CN108193254B (zh) 一种钛合金表面保护膜的原位生长方法
US2773821A (en) Composition for use in electropolishing
KR101872436B1 (ko) 알루미늄계 소재의 내산내알칼리 강화 표면처리방법 및 알루미늄계 소재
US10704159B2 (en) Method of metal polishing and oxidation film process and system thereof
CN112359385B (zh) 一种中碳钢表面碳氮共渗改性层及其制备方法
KR102079429B1 (ko) 금속 도금을 위한 후막 알루미늄 전극의 선처리
JP4737492B2 (ja) メタルレスボンド砥石とそれによる電解ドレッシング研削方法及び装置
CA1152414A (en) Aluminum substrates grained with a saturated solution of aluminum salts of mineral acids
CN112251780B (zh) 一种改进的平板电沉积铜箔制备方法
US2904479A (en) Electrolytic polishing of zirconium, hafnium and their alloys
CN111088512A (zh) 一种钛制品阳极氧化着色的工装
US3365380A (en) Electrolytic polishing solution and the process of polishing therewith
CN111979565A (zh) 一种电镀微孔纳米晶硬铬层的方法
JP2009270190A (ja) マグネシウム系金属部材に着色及び光沢を具現可能にする表面処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180111

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180111

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6337383

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250