JP6336750B2 - 脂肪蓄積抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、白色脂肪前駆細胞から小型の白色脂肪細胞への分化を促進することにより善玉アディポカインの産生を促進する作用や、白色脂肪前駆細胞から褐色脂肪細胞への分化を促進したり、褐色脂肪細胞を活性化することでエネルギー代謝を亢進する作用を有し、生体内での脂肪蓄積抑制効果に優れ、メタボリックシンドロームの予防や治療に有用で、安定性及び安全性に優れた脂肪蓄積抑制剤に関する。本発明は、さらに該脂肪蓄積抑制剤を含有する、脂肪蓄積抑制用飲食品、脂肪蓄積抑制用栄養組成物、脂肪蓄積抑制用飼料又は脂肪蓄積抑制用医薬品に関する。
近年、我が国のみならず世界的な、生活習慣、特に、食習慣の変化に伴い、先進国を中心とした糖尿病や高血圧、脂質代謝異常症、動脈硬化症等の疾患の増加が大きな社会問題となっている。また、我が国では、循環器系の疾患である心血管疾患と脳血管疾患が死因の約3分の1を占め、その数が年々増加し医療費を圧迫しているため、国政レベルの対策が講じられている。このような生活習慣に起因する疾病は、我が国では生活習慣病と呼ばれており、生体内での過剰な脂肪蓄積がその主要な要因一つと考えられている。また、過剰な脂肪蓄積に伴う肥満に加え、高血圧や高脂血症、耐糖能障害等のリスクファクターが一個人に集積した状態はメタボリックシンドロームとして、広く認識されており、最近では、ヒト以外の哺乳動物、特に、家庭で飼育されているペット等においても、生体内での過剰な脂肪の蓄積が寿命を短縮させることが、動物愛護の観点から大きな社会問題となっている。
白色脂肪組織は白色脂肪細胞から構成されており、白色脂肪細胞は生体内の過剰なエネルギーを脂肪として蓄える働きを有する。また、白色脂肪細胞に脂肪が蓄積して肥大化するとともに、白色脂肪細胞が分化し、その数が増加した状態は肥満と呼ばれている。したがって、白色脂肪前駆細胞から白色脂肪細胞への分化を抑制し、白色脂肪細胞の数を減少させることによって、生体内の過剰な脂肪の蓄積を抑制することが可能である。また、白色脂肪細胞はアディポネクチンやTNF−α、レジスチンなどのアディポカインや遊離脂肪酸をはじめとする様々な物質を分泌することが知られている。最近の研究では、肥大化した脂肪細胞のアポトーシスを促進したり、白色脂肪前駆細胞から小型の白色脂肪細胞への分化を促進することにより、肥大化した脂肪細胞を小型の脂肪細胞に置き換えることによって、アディポネクチン等、インスリン抵抗性を改善する善玉アディポカインの分泌を促進し、TNF−αやレジスチン等、インスリン抵抗性を惹起する悪玉アディポカインや遊離脂肪酸等の分泌を抑制して、生体内の過剰な脂肪蓄積を抑制できることが報告されている(特許文献1、2)。
また、褐色脂肪細胞は、白色脂肪細胞と同様に脂肪を貯蔵するものの、ミトコンドリアに存在する脱共役タンパク質1(uncoupling protein 1:UCP1)の働きにより、電子伝達系におけるATP合成を経ずに脂肪を熱へ変換する。生体内では、白色脂肪細胞によるエネルギーの貯蔵ならびにATP合成系を介したエネルギーの補給と、褐色脂肪細胞の熱産生によるエネルギーの消費により、全身のエネルギー消費や体脂肪の調節が行われていると考えられている。最近の研究では、褐色脂肪細胞には胚発生初期時にすでに細胞運命が決定している「既存型」と成人において様々な環境要因等により白色脂肪細胞から分化誘導される「誘導型」の2種類が存在することが分かっている(非特許文献1)。ヒトでは、「既存型」の褐色脂肪細胞は、肩甲骨周辺と首の後ろ、わきの下など限られた場所に少量存在し、加齢とともに減少するが、長期の寒冷刺激やPPARγアゴニストの投与などの環境要因等により、成人の白色脂肪組織に存在する白色脂肪前駆細胞が「誘導型」の褐色脂肪細胞に分化することが報告されている。したがって、白色脂肪前駆細胞から褐色脂肪細胞への分化を促進したり、褐色脂肪細胞を活性化することでエネルギー代謝を亢進して、生体における過剰な脂肪の蓄積を抑制し、メタボリックシンドローム等を予防または改善することが可能である。
従来から、生体内の脂肪の蓄積を抑制する医薬として、肥満治療薬であるオルリスタットや高脂血症の治療薬であるフィブラートなどが知られている。しかし、これらの医薬品を用いた場合、かゆみや食欲不振などの副作用を伴うことがある。また、これらの物質を使用するには医師による処方箋が必要であり、安全性やコストの面から現在のところ飲食品に添加できない状況にある。さらに、生体内の脂肪の蓄積を抑制するためには、生活習慣、特に、食習慣を見直すことが重要であることから、日常的に安全に摂取することが可能で、長期間摂取しても安全上問題のない、脂肪蓄積抑制効果が期待できるような飲食品や飼料の開発が望まれている。
牛乳、乳製品は古来より食されてきたことから、日常的に安全に長期間摂取することが可能な食品であり、それらの摂取によって、生体内の脂肪の蓄積が抑制することが疫学調査により報告されている。また、乳に含まれるタンパク質であるκ-カゼインやラクトフェリンには、それぞれ、脂肪細胞における脂肪の蓄積を抑制することや脂質代謝を改善することが知られている(特許文献3、4)。しかしながら、バターオイルに、白色脂肪前駆細胞から小型の白色脂肪細胞への分化を促進することにより善玉アディポカインの産生を促進する作用や、白色脂肪前駆細胞から褐色脂肪細胞への分化を促進したり、褐色脂肪細胞を活性化することでエネルギー代謝を亢進する作用を介した、優れた生体内の脂肪蓄積を抑制する効果があることは知られていない。
特開2006−28049号公報 特開2011−153093号公報 特開2009−190980号公報 WO2003/057245
Kajimura, S. et. al.: Cell Metab., 2010,11:257−262, 2010
本発明は、白色脂肪前駆細胞から小型の白色脂肪細胞への分化を促進することにより善玉アディポカインの産生を促進する作用や、白色脂肪前駆細胞から褐色脂肪細胞への分化を促進したり、褐色脂肪細胞を活性化することでエネルギー代謝を亢進する作用に優れ、生体内での脂肪の蓄積を抑制し、メタボリックシンドロームの予防または改善に有用で、安定性及び安全性に優れた脂肪蓄積抑制剤、及び該脂肪蓄積抑制剤を配合した脂肪蓄積抑制用飲食品、脂肪蓄積抑制用栄養組成物、脂肪蓄積抑制用飼料又は脂肪蓄積抑制用医薬品を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を進めたところ、バターオイルに、白色脂肪前駆細胞から小型の白色脂肪細胞への分化を促進することにより善玉アディポカインの産生を促進する作用や、白色脂肪前駆細胞から褐色脂肪細胞への分化を促進したり、褐色脂肪細胞を活性化することでエネルギー代謝を亢進する作用を介した、顕著な生体内の脂肪蓄積抑制効果があることを見出した。
すなわち本発明は、以下の様態を含むものである。
(1)バターオイルを有効成分とする脂肪蓄積抑制剤。
(2)前記バターオイルが牛乳由来であることを特徴とする上記(1)に記載の脂肪蓄積抑制剤。
(3)前記バターオイルを一日あたり500mg〜4000mg投与することを特徴とする上記(1)乃至(2)に記載の脂肪蓄積抑制剤。
(4)脂肪蓄積抑制効果が善玉アディポカインの分泌を促進することを特徴とする上記(1)乃至(3)に記載の脂肪蓄積抑制剤。
(5)脂肪蓄積抑制効果がエネルギー代謝を亢進することを特徴とする上記(1)乃至(3)に記載の脂肪蓄積抑制剤。
(6)脂肪蓄積抑制効果が、白色脂肪前駆細胞から小型の白色脂肪細胞への分化を促進することを特徴とする上記(1)乃至(4)に記載の脂肪蓄積抑制剤。
(7)脂肪蓄積抑制効果が、白色脂肪前駆細胞から褐色脂肪細胞への分化を促進することを特徴とする上記(1)乃至(3)、(5)に記載の脂肪蓄積抑制剤。
(8)脂肪蓄積抑制効果が、褐色脂肪細胞を活性化することを特徴とする上記(1)乃至(3)、(5)に記載の脂肪蓄積抑制剤。
(9)上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の脂肪蓄積抑制剤を含むことを特徴とする脂肪蓄積抑制用飲食品、脂肪蓄積抑制用栄養組成物、脂肪蓄積抑制用飼料又は脂肪蓄積抑制用医薬品。
(10)上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の脂肪蓄積抑制剤を経口摂取することによる脂肪の蓄積を抑制する方法。
本発明の脂肪蓄積抑制剤は、白色脂肪前駆細胞から小型の白色脂肪細胞への分化を促進することにより善玉アディポカインの産生を促進する作用や、白色脂肪前駆細胞から褐色脂肪細胞への分化を促進したり、褐色脂肪細胞を活性化することでエネルギー代謝を亢進する作用が顕著であり、脂肪の蓄積を抑制して、糖尿病や高血圧、脂質代謝異常症、動脈硬化症等の生活習慣病や高血圧、高脂血症、耐糖能障害等のリスクファクターが一個人に集積した状態であるメタボリックシンドロームの予防や治療に有用である。また、本発明の脂肪蓄積抑制剤は、哺乳類の乳を原料としているため、簡便且つ経済的に製造することができ、日常的に安全に長期間摂取することが可能である。
本発明の脂肪蓄積抑制剤の有効成分であるバターオイルは、乳等省令にて定義されるものであり、公知の方法で調製されたものを使用することが可能である。例えば、生乳から分離したクリームを遠心分離等により脱水して脂肪分を99.3重量%以上に濃縮したり、常法により製造されたバターを60℃前後で加温融解した後に遠心分離等によりほとんどすべての水相成分を除去し、脂肪分を99.3重量%以上に濃縮することにより、バターオイルを調製することが可能であり、必要に応じて炭酸水素ナトリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ製剤を用いて中和することもできる。また、上記のように調製したバターオイルは、凍結乾燥や噴霧乾燥等により乾燥することも可能である。
本発明のバターオイルは、ヒト、ウシ、水牛、ヤギ、ヒツジ等の哺乳類の乳から調製されるものや、市販されているバターオイル等、すべてのバターオイルを使用することが可能である。
本発明のバターオイルは、そのまま脂肪蓄積抑制剤として使用してもよいが、必要に応じて、常法に従い、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤等に製剤化して用いることも出来る。また、凍結乾燥や噴霧乾燥等により乾燥したバターオイルについても、そのまま脂肪蓄積抑制剤として使用することも可能であり、常法に従い、製剤化して用いることもできる。
さらに、これらを製剤化した後に、これを栄養剤やヨーグルト、飲料、ウエハース等の飲食品、栄養組成物、飼料及び医薬品に配合することも可能である。
本発明の脂肪蓄積抑制用飲食品、脂肪蓄積抑制用栄養組成物、脂肪蓄積抑制用飼料及び脂肪蓄積抑制用医薬品とは、このバターオイルのみを含む場合の他に、安定剤や糖類、脂質、フレーバー、ビタミン、ミネラル、フラボノイド、ポリフェノール等、他の飲食品、飼料及び医薬に通常含まれる原材料等を含有することができる。また、本発明の有効成分であるバターオイルに加えて、脂肪蓄積抑制作用を示す他の成分、例えば、κ−カゼインやラクトフェリン等とともに使用することも可能である。
また、そのような脂肪蓄積抑制用飲食品、脂肪蓄積抑制用栄養組成物、脂肪蓄積抑制用飼料又は脂肪蓄積抑制用医薬品を原材料として、他の飲食品等に通常含まれる原材料等を配合して調製することも可能である。
脂肪蓄積抑制用飲食品、脂肪蓄積抑制用栄養組成物、脂肪蓄積抑制用飼料及び脂肪蓄積抑制用医薬品におけるバターオイルの配合量については、バターオイルが乳に由来する食品であることから、特に制限はなく、多量の摂取によっても安全性に全く問題はない。但し、本発明で白色脂肪前駆細胞や褐色脂肪前駆細胞等に作用して脂肪蓄積抑制効果を発揮させるためには、成人一人一日あたり本発明のバターオイルを500mgから4000mg、好ましくは、500mgから2000mg経口摂取できるように、飲食品や栄養組成物、飼料及び医薬等への配合量を調整すれば良い。
本発明の脂肪蓄積抑制剤は、上記の有効成分に適当な助剤を添加して任意の形態に製剤化して、経口投与が可能な脂肪蓄積抑制用組成物とすることができる。製剤化に際して、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤等の希釈剤又は賦形剤を用いることができる。賦形剤としては、例えばショ糖、乳糖、デンプン、結晶性セルロース、マンニット、軽質無水珪酸、アルミン酸マグネシウム、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシルメチルセルロースカルシウム等の1種又は2種以上を組み合わせて加えることができる。
以下に実施例、試験例を示し、本発明について詳細に説明するが、これらは単に例示するのみであり、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(バターオイルの製造)
遠心分離機を用いて、生乳から分離したクリーム(脂肪分47%)10kgの脂肪分を濃縮して、脂肪分80%のクリームを調製した。次に、調製したクリームをホモゲナイザーで均質処理した後、遠心分離機と真空チャンバーを用いて脱水処理して、本発明のバターオイル(実施例品1)4.6kgを得た。このようにして得られたバターオイルは、乳脂肪分が99.8%であり、そのまま本発明の脂肪蓄積抑制剤として使用可能である。
[試験例1]
白色脂肪前駆細胞である3T3−L1細胞の白色脂肪細胞への分化に対する、バターオイルの効果を調べた。
3T3-L1細胞を12ウェルプレートに播種し、10%ウシ胎児血清(FBS)を含有する高グルコースダルベッコ変法基礎培地(DMEM)で培養した。コンフルーエントに達してから2日後に、白色脂肪細胞への分化を誘導する物質であるインスリン、イソブチルキサンチン(IBMX)、デキサメタゾン(DEX)を、それぞれ10μg/ml、0.5mM、0.25μM含む10%FBS含有高グルコースDMEMに交換して2日間培養した。次に、インスリンを5μg/ml含む10%FBS含有高グルコースDMEMに交換し、さらに6日間培養した。また、白色脂肪細胞への分化誘導開始時より、上記培地に実施例品1のバターオイル(終濃度:150μg/ml、エタノールに溶解)を添加した。培養後、細胞を冷ホルマリン/PBSで固定し、0.5% Oil red O染色液を添加し脂肪分を染色した。PBSで洗浄後、白色脂肪細胞の写真を撮影して、画像解析ソフト(ImageJ、NIH)を用いて脂肪細胞の面積を測定するとともに、イソプロパノールにより抽出した色素の510nmにおける吸光度を測定して細胞内の脂肪蓄積量を半定量化し、白色脂肪細胞への分化の程度を確認した。また、脂肪細胞分化のマスター因子であるPparγ2遺伝子の発現を調べるために、培養後の細胞からTrizol試薬(ライフテクノロジー社製)を用いて全RNAを抽出した。逆転写反応はHigh―Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(ライフテクノロジー社製)を用いた。得られたcDNAを使用して、SYBR Premix Ex TaqII(タカラバイオ社製)でリアルタイムPCRを用い、Pparγ2遺伝子の発現量を測定した。なお、遺伝子発現量を評価するための内部標準として、18S遺伝子の発現量を使用し、解析には以下のプライマーを用いた。
Pparγ2遺伝子の発現解析に用いたプライマー
Pparγ2−F;tgctgttatgggtgaaactctg
Pparγ2−R;ctgtgtcaaccatggtaatttctt
その結果、表1から表3に示したように、バターオイルの添加により、脂肪蓄積量とPparγ2遺伝子の発現量が有意に高値を示したものの、コントロールに比べ、白色脂肪細胞の平均面積が有意に減少した。したがって、本発明のバターオイルは白色脂肪前駆細胞から白色脂肪細胞への分化を促進するものの、分化した白色脂肪細胞は小型であることがわかった。
Figure 0006336750
数値は、平均値±標準誤差(n=3)を示す。
※は、コントロール(無添加)と比較して有意差があることを示す(p<0.05)。
Figure 0006336750
数値は、平均値±標準誤差(n=4)を示す。
※は、コントロール(無添加)と比較して有意差があることを示す(p<0.05)。
Figure 0006336750
数値は、平均値±標準偏差(n=3)を示す。
※は、コントロール(無添加)と比較して有意差があることを示す(p<0.05)。
[試験例2]
白色脂肪前駆細胞である3T3−L1細胞の褐色脂肪細胞への分化に対する、バターオイルの効果を調べた。
3T3-L1細胞を12ウェルプレートに播種し、10%FBS含有高グルコースDMEMで培養した。コンフルーエントに達してから2日後に、褐色脂肪細胞へ分化させるために、インスリン、IBMX、DEX、トリヨードサイロニン(T3)をそれぞれ10μg/ml、0.5mM、0.25μM、50nM含む10%FBS含有高グルコースDMEMに交換して2日間培養した。次に、インスリン、IBMX、T3、ロジグリタゾン、A−83−01をそれぞれ5μg/ml、0.5mM、50nM、1μM、2μM含む10%FBS含有高グルコースDMEMに交換し、さらに6日間培養した。また、褐色脂肪細胞への分化誘導開始時より上記培地に、実施例品1のバターオイル(終濃度:150μg/ml、エタノールに溶解)を添加した。8日間培養した細胞を、インスリンを含む10%FBS含有高グルコースDMEMにイソプロテノール(Iso)を10μM添加した培地で4時間培養した後、全RNAの抽出ならびにcDNAの合成を行った。その後、リアルタイムPCRを行い、褐色脂肪細胞特異的遺伝子であるUCP1遺伝子の発現量を測定した。なお、解析には以下のプライマーを用いた。
UCP1遺伝子の発現解析に用いたプライマー
UCP1−F;ccaaagtccgccttcaga
UCP1−R;ggcaatccttctgtttttgc
その結果、表4から明らかなように、バターオイルはUCP1遺伝子の発現量を有意に増加させた。したがって、本発明のバターオイルは白色脂肪前駆細胞から褐色脂肪細胞への分化を促進することがわかった。
Figure 0006336750
数値は、平均値±標準誤差(n=4)を示す。
※は、コントロール(無添加)と比較して有意差があることを示す(p<0.05)。
[試験例3]
褐色脂肪細胞の活性化に対する、バターオイルの効果を調べた。
褐色脂肪前駆細胞であるHB2細胞を12ウェルプレートに播種し、10%FBS含有高グルコースDMEMで培養した。コンフルーエントに達してから2日後に、20nMのインスリンを含む10%FBS含有高グルコースDMEMに、実施例品1のバターオイル(終濃度:150μg/ml、エタノールに溶解)を添加した培地に交換して8日間培養した後、上記培地に10μMのIsoを添加した培地に交換し、さらに4時間培養した。その後、試験例2と同様の方法で全RNAを抽出してUCP1遺伝子の発現量をリアルタイムPCRにて解析した。なお、遺伝子発現量を評価するための内部標準として、TATA binding protein遺伝子の発現量を使用した。その結果、表5に示したように、バターオイルは褐色脂肪細胞のUCP1遺伝子の発現を有意に増加させた。したがって、本発明のバターオイルは褐色脂肪細胞を活性化することがわかった。
Figure 0006336750
数値は、平均値±標準誤差(n=4)を示す。
※は、コントロール(無添加)と比較して有意差があることを示す(p<0.05)。
[試験例4]
善玉アディポカインであるアディポネクチンの分泌と褐色脂肪細胞の活性化に対する、バターオイルの効果を調べた。
6週齢の雄性Fisherラットを8匹ずつ、実施例品1のバターオイルをラット体重1kgあたり500mg投与する群と実施例品1のバターオイルをラット体重1kgあたり1500mg投与する群に分け、1日1回ゾンデで経口投与し、溶媒である水のみを投与する群(コントロール)とアディポネクチンの分泌と褐色脂肪細胞の活性化に対する効果を比較検証した。なお、すべてのラットには、高脂肪食を4週間自由に摂取させた。試験終了後に、血液に分泌されたアディポネクチン量をマウス/ラットアディポネクチンELISAキット(大塚製薬製)を用いて測定した。また、摘出した腸管膜脂肪を用いて、試験例2と同様にUCP1遺伝子の発現量を解析した。その結果を、表6、7に示す。バターオイルを体重1kg当たり500mg以上投与した群では、ラット血清中のアディポネクチン濃度が有意に増加した。また、腸間膜脂肪におけるUCP1遺伝子の発現量は、バターオイルを体重1kg当たり500mg以上投与した群で、コントロールに比べ有意に増加した。したがって、バターオイルは、優れたアディポネクチン分泌促進効果を有するとともに、白色脂肪前駆細胞から褐色脂肪細胞への分化を促進することがわかった。また、その効果は、ラット体重1kgあたり500mg以上摂取した場合に認められることが明らかとなった。
Figure 0006336750
数値は、平均値±標準偏差(n=8)を示す。
※は、コントロールと比較して有意差があることを示す(p<0.05)。
Figure 0006336750
数値は、平均値±標準偏差(n=8)を示す。
※は、コントロールと比較して有意差があることを示す(p<0.05)。
(脂肪蓄積抑制用カプセル剤の調製)
表8に示す配合で原材料を混合後、常法により造粒し、カプセルに充填して、本発明の脂肪蓄積抑制用カプセル剤を製造した。
Figure 0006336750
(脂肪蓄積抑制用液状栄養組成物の調製)
実施例品1のバターオイル50gと乳化剤20gを4,930gの脱イオン水に溶解し、50℃まで加熱後、TKホモミクサー(TK ROBO MICS;特殊機化工業社製)にて、6,000rpmで30分間撹拌混合して50g/5kgのバターオイル溶液を得た。このバターオイル溶液5.0kgに、カゼイン5.0kg、大豆タンパク質5.0kg、魚油1.0kg、シソ油3.0kg、デキストリン17.0kg、ミネラル混合物6.0kg、ビタミン混合物1.95kg、乳化剤2.0kg、安定剤4.0kg、香料0.05kgを配合し、200mlのレトルトパウチに充填し、レトルト殺菌機 (第1種圧力容器、TYPE: RCS−4CRTGN、日阪製作所製)で121℃、20分間殺菌して、本発明の脂肪蓄積抑制用液状栄養組成物50kgを製造した。
(脂肪蓄積抑制用飲料の調製)
脱脂粉乳300gを408gの脱イオン水に溶解した後、実施例品1のバターオイル1gと乳化剤1gを溶解し、50℃まで加熱後、ウルトラディスパーサー(ULTRA−TURRAX T−25;IKAジャパン社製)にて、9,500rpmで30分間撹拌混合した。マルチトール100g、酸味料2g、還元水飴20g、香料2g、脱イオン水166gを添加した後、100mlのガラス瓶に充填し、95℃、15秒間殺菌後、密栓し、本発明の脂肪蓄積抑制用飲料10本(100ml入り)を調製した。
(イヌ用脂肪蓄積抑制用飼料の調製)
実施例品1のバターオイル2kgと乳化剤1kgを97kgの脱イオン水に溶解し、50℃まで加熱後、TKホモミクサー(MARK II 160型;特殊機化工業社製)にて、3,600rpmで40分間撹拌混合して2g/100gのバターオイル溶液を得た。このバターオイル溶液10kgに大豆粕12kg、脱脂粉乳14kg、大豆油4kg、コーン油2kg、パーム油23.2kg、トウモロコシ澱粉14kg、小麦粉9kg、ふすま2kg、ビタミン混合物5kg、セルロース2.8kg、ミネラル混合物2kgを配合し、120℃、4分間殺菌して、本発明の脂肪蓄積抑制用飼料100kgを製造した。


Claims (9)

  1. バターオイルを有効成分とする脂肪蓄積抑制剤であって、前記バターオイルを一日あたり500mg〜2000mgの量で投与することを特徴とする、前記脂肪蓄積抑制剤(高血圧を有する対象に投与するものを除く)
  2. 前記バターオイルが牛乳由来であることを特徴とする請求項1に記載の脂肪蓄積抑制剤。
  3. 脂肪蓄積抑制効果が善玉アディポカインの分泌を促進することを特徴とする請求項1又は2に記載の脂肪蓄積抑制剤。
  4. 脂肪蓄積抑制効果がエネルギー代謝を亢進することを特徴とする請求項1又は2に記載の脂肪蓄積抑制剤。
  5. 脂肪蓄積抑制効果が、白色脂肪前駆細胞から小型の白色脂肪細胞への分化を促進することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の脂肪蓄積抑制剤。
  6. 脂肪蓄積抑制効果が、白色脂肪前駆細胞から褐色脂肪細胞への分化を促進することを特徴とする請求項1、2、及び4のいずれかに記載の脂肪蓄積抑制剤。
  7. 脂肪蓄積抑制効果が、褐色脂肪細胞を活性化することを特徴とする請求項1、2、及び4のいずれかに記載の脂肪蓄積抑制剤。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の脂肪蓄積抑制剤を含むことを特徴とする脂肪蓄積抑制用飲食品、脂肪蓄積抑制用栄養組成物、脂肪蓄積抑制用飼料又は脂肪蓄積抑制用医薬品(高血圧を有する対象に投与するものを除く)
  9. 請求項1乃至7のいずれかに記載の脂肪蓄積抑制剤を経口投与することによる脂肪の蓄積を抑制する方法(ヒトに対する投与及び高血圧を有する対象への投与を除く)。
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