JP6334618B2 - 非接触電力伝送モジュール及び携帯無線端末 - Google Patents

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Description

本発明は、非接触電力伝送モジュール及び携帯無線端末に関する。
例えば携帯電話端末又はスマートフォンなどの携帯無線端末では、FeliCa(登録商標)等を含むNFC(Near Field Communication)、即ち非接触無線通信(例えばRFID(Radio Frequency IDentification))機能を搭載したものが普及している。この種の非接触無線通信によって、電子マネー機能、及び電子乗車券機能などが実現されている。
また、携帯無線端末において、近年、非接触で電力を伝送することにより、電池の充電(非接触充電)を行う機能を搭載したものが用いられつつある。非接触電力伝送の方式としては、電磁誘導方式又は磁界共鳴方式などがあり、給電側のコイルと受電側のコイルとを対向配置して電力伝送を行うものが主流である。
非接触充電機能を搭載した携帯無線端末では、充電用コイルが電池パックと一体化されたものが主流となっている。このため、携帯無線端末の薄型化のために電池パックを更に薄くしようとすると、電池容量が少なくなるという課題がある。一方、充電用コイルを電池パックと別体として構成する場合、上記の非接触無線通信機能を搭載した携帯無線端末では、非接触無線通信用コイルと充電用コイルとを共存させることが課題となる。
非接触無線通信用コイルと非接触電力伝送用コイル(充電用コイル)とを共存させる場合を想定する。2つのコイルを設けた従来例として、例えば特許文献1には、電力波用アンテナを形成する第1のコイルと、データ波用アンテナを形成する第2のコイルとを2重の輪となるように配設した無線カードが開示されている。この構成により、無線カードを保持する手の指などで第1のコイル及び第2のコイルが覆われるおそれが少なく、双方のコイルの受信状況をほぼ同様にすることができる。
特開2004−110854号公報
上記の特許文献1には、2つのコイルを用いる場合の無線カードの製造過程の簡易化に関して言及されていない。上記の非接触充電機能及び非接触無線通信機能を含む携帯無線端末は今後普及する見込みが高く、この様な携帯無線端末を量産する場合には、簡単に製造できる様な各コイルの配設が要求されると考えられる。
本発明は、上記した従来の事情に鑑みてなされたもので、非接触無線通信用コイル及び非接触電力伝送用コイル等の複数のコイルを共存させる場合に、省スペースで簡単に製造可能にする非接触電力伝送モジュール及び携帯無線端末を提供することを目的とする。
本発明は、磁性体と、非接触電力伝送で電力を受電する第1コイルと、前記第1コイルと異なる形状に巻回され、無線通信に用いられる第2コイルと、を備え、前記第1コイルの巻回部は略円形状であり、前記第2コイルの巻回部は略方形形状であり、前記第2コイルは前記第1コイルの外側を囲むように配置され、かつ、前記磁性体は、前記第1コイルの巻回部及び前記第2コイルの巻回部の双方を載置することを特徴とする、非接触電力伝送モジュールを提供する。
また、本発明は、上記の非接触電力伝送モジュールを搭載したことを特徴とする、携帯無線端末を提供する。
本発明によれば、非接触無線通信用コイル及び非接触電力伝送用コイル等の複数のコイルを共存させる場合に、各コイルの性能劣化を抑制しつつ、省スペースで簡単に製造可能にすることができる。
第1の実施形態に係るコイルユニットの構成を示す平面図 第1の実施形態のコイルユニットの断面図、(A)図1のA−A′線における断面図、(B)図1のB−B′線における断面図 (A)図1のA−A′線断面の位置(図2(A)の位置)の、第1コイルの動作時におけるコイルユニットの磁界分布を示す図、(B)図1のA−A′線断面の位置(図2(A)の位置)の、第2コイルの動作時におけるコイルユニットの磁界分布を示す図 (A)図1のB−B′線断面の位置(図2(B)の位置)の、第1コイルの動作時におけるコイルユニットの磁界分布を示す図、(B)図1のB−B′線断面の位置(図2(B)の位置)の、第2コイルの動作時におけるコイルユニットの磁界分布を示す図 本実施形態のコイルユニットを搭載した携帯無線端末と外部機器としての充電器及びリーダ/ライタ装置の構成を示すブロック図 (A)、(B)実施例に係るコイルユニットの寸法の一例を示す図、(C)実施例に係るコイルユニットの平面図、(D)図6(C)のA−A′線における断面図 (A)実施例に係るコイルユニットの性能として、非接触電力伝送時の電力伝送効率を測定した結果を示す図、(B)実施例に係るコイルユニットの性能として、非接触無線通信時の最大通信距離を測定した結果を示す図 (A)、(B)コイルユニットの寸法の一例を示す図、(C)コイルユニットの平面図、(D)図8(C)のA−A′線における断面図 (A)コイルユニットの性能として、非接触電力伝送時の電力伝送効率を測定した結果を示す図、(B)コイルユニットの性能として、非接触無線通信時の最大通信距離を測定した結果を示す図 第2の実施形態に係るコイルユニットの構成を示す平面図 (A)図10のA−A′線における断面図、(B)図10のB−B′線における断面図 第1コイル12と第2コイル22との間の間隔を説明する図、(A)コイルユニットの構成を示す平面図、(B)第1コイル12と第2コイル22との間の配置間隔が適正である場合の図12(A)の領域gの拡大図、(C)第1コイル12と第2コイル22との間の配置間隔が適正でない場合の図12(A)の領域gの拡大図 (A)条件a,bにおける測定結果を示すテーブル、(B)条件a,bにおける測定結果を示すグラフ (A)〜(C)コイルユニットの組み立ての流れを説明する断面図 第2磁性体21Bをガイド部材21gとして兼用させた場合の実施例1に係るコイルユニットの構成を示す図、(A)及び(B)実施例1に係るコイルユニットの寸法の一例を示す図、(C)実施例1に係るコイルユニットの平面図、(D)図15(C)のA−A′線における断面図 第2磁性体21Bと基板30Cとの両方をそれぞれガイド部材21g、30gとして兼用させた場合の実施例2に係るコイルユニットの構成を示す図、(A)及び(B)実施例2に係るコイルユニットの寸法の一例を示す図、(C)実施例2に係るコイルユニットの平面図、(D)図16(C)のA−A′線における断面図 ガイド部材を設けていない場合の比較例に係るコイルユニットの構成を示す図、(A)及び(B)比較例に係るコイルユニットの寸法の一例を示す図、(C)比較例に係るコイルユニットの平面図、(D)図17(C)のA−A′線における断面図 実施例1及び2に係るコイルユニットの性能の測定結果を示す図、(A)非接触電力伝送時の電力伝送効率、(B)非接触無線通信時の最大通信距離 (A)〜(C)種々のガイド部材の形状の一例を示す図 (D)〜(F)図19に続き、種々のガイド部材の形状の他の一例を示す図
以下の各実施形態では、本発明に係る伝送コイル及びこれを搭載した携帯無線端末の一例として、非接触無線通信用コイルと非接触電力伝送用コイルとを有する伝送コイルとしてのコイルユニットと、このコイルユニットを搭載した携帯無線端末の構成例を示す。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るコイルユニットの構成を示す平面図である。図2は、第1の実施形態のコイルユニットの断面図である。図2(A)は、図1のA−A′線における断面図である。図2(B)は、図1のB−B′線における断面図である。なお、図2(A)の矢印Hの方向は本実施形態のコイルユニットが搭載される携帯無線端末の背面筺体の内壁側の方向を表し、同図の矢印Hと反対側の方向は同携帯無線端末の筺体内部側、すなわち表面筐体側の方向を表す。
本実施形態のコイルユニットは、所定の透磁率を有する第1磁性体11と、非接触電力伝送用コイルとして機能する第1コイル12と、第1磁性体11の所定の透磁率と異なる透磁率を有する第2磁性体21と、非接触無線通信用コイルとして機能する第2コイル22とを備える。本実施形態のコイルユニットにおいて、第1磁性体11は第1コイル12に対応して設けられ、第2磁性体21は第2コイル22に対応して設けられる。
第1磁性体11は、方形の板状に形成され、板面の一方(携帯無線端末の背面筺体の内壁側)の面上に第1コイル12が配置され、板面の他方(携帯無線端末の筺体内部側)の面上には電池パック又はシールドケース(不図示)等が配置される。第1磁性体11は、例えばフェライトなどの透磁率が1よりも高い材料を用いて構成される。第1磁性体11の比透磁率μr1は、例えばμr1=200〜2000のものが用いられる。
第1コイル12は、導体の巻線が楕円環状に巻回されてなるコイルを用いて構成され、充電用のコイルとして、外部の充電器から供給(伝送)される電力を受電する。第1コイル12の共振周波数f1は、第1コイル12に並列若しくは直列に接続したコンデンサ等を用いて調整した周波数であり、例えばf1≒100kHz程度である。
第2磁性体21は、方形の環状の板状に形成され、板面の一方(携帯無線端末の筺体内部側)が第1磁性体11の板面の一方(携帯無線端末の背面筺体の内壁側)の面上に当接するように配置される。更に、第2磁性体21は、板面の他方(携帯無線端末の背面筺体の内壁側)の面上には、基板30の図2(A)の矢印Hの反対方向側(携帯無線端末の筺体内部側)に搭載された第2コイル22が配置される。更に、第2磁性体21は、板面の全体が第1コイル12の外周部よりも外側に配置され、第2磁性体21の外径と第1磁性体11の外径とは略同一である。第2磁性体21は、例えばフェライトなどの透磁率が1よりも高い材料を用いて構成される。第2磁性体21の比透磁率μr2は、例えばμr2=10〜300のものが用いられる。
第2コイル22は、基板30の図2(A)の矢印Hの反対側方向側(携帯無線端末の筺体内部側)の面上に形成された導体の配線パターンにより、方形環状に巻回されてなるコイルを用いて構成される。第2コイル22は、非接触無線通信用のコイルとして、リーダ/ライタ装置等の外部機器との間でデータを送受信する。第2コイル22の共振周波数f2は、第2コイル22に並列若しくは直列に接続したコンデンサ等を用いて調整した周波数であり、例えばf2≒13.56MHz程度である。
基板30は、例えばガラスエポキシ樹脂を用いて成形され、図2(A)の矢印Hの方向側の面上には例えばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂で形成された携帯無線端末の背面筐体が配置される。基板30の一端部には、第1コイル12用の一対の第1端子31と、第2コイル22用の一対の第2端子32とが導体の配線パターンにより形成されている。第1端子31は配線パターンを介して第1コイル12と接続され、第2端子32は基板30の配線パターンによって第2コイル22と接続されている。なお、図2(A),(B)には、図面の複雑化を避けるために、第1端子31、第2端子32から第1コイル12、第2コイル22へのそれぞれの配線パターンの図示を省略している。
本実施形態のコイルユニットは、コイルの厚さ方向(図2の上下方向)において、図2の下側から矢印H方向(携帯無線端末の背面筺体の内壁側の方向)に、第1磁性体11、第1磁性体11の面上に第1コイル12及び第2磁性体21が積層して配置される。また、第2磁性体21の面上には、コイルの厚さ方向において、図2の下側から矢印H方向(携帯無線端末の背面筺体の内壁側の方向)に、第2コイル22、基板30の順に積層して配置される。本実施形態のコイルユニットを携帯無線端末に搭載する場合、第2コイル22より更に矢印H方向に携帯無線端末の背面筐体が位置し、当該筐体内にコイルユニットが収納されて設けられる。よって、外部機器側、すなわち携帯無線端末の背面筐体の内壁側からみた場合、基板30、第2コイル22、第2磁性体21及び第1コイル12、第1磁性体11の順に積層して配置される。このように複数の磁性体をコイルに対して積層した構成でコイルを近接配置することで、両コイルの電磁結合による性能劣化を抑制でき、各コイルの性能を確保しつつ、コイルの配置面積を小さくでき、小型化を図れる。
このとき、第1コイル12と第2コイル22とは、コイルの厚さ方向において重ならないように配置されることが好ましい。また、第1コイル12は楕円形、第2コイル22は方形であるので、第2コイル22の四隅部分が重ならない領域となっており、この四隅部分で第2コイル22が第1コイル12の外側に位置している。このような構成により、両コイルの電磁結合を低減できる。
また、本実施形態では、第1コイル12及び第2コイル22の共振周波数の関係は、第1コイル12の共振周波数が第2コイル22の共振周波数よりも低い(f1<f2)ようにする。そして、第1磁性体11及び第2磁性体21の各透磁率の関係は、第1磁性体11の透磁率が第2磁性体21の透磁率よりも高い(比透磁率μr1>μr2)ようにするのが好ましい。上記のように第1コイル12,第2コイル22及び第1磁性体11,第2磁性体21の各特性を設定することにより、両コイルの電磁結合による性能劣化をより効果的に低減できる。
次に、本実施形態のコイルユニットの動作時の作用を説明する。図3(A)は、図1のA−A′線断面の位置(図2(A)の位置)の、第1コイル12の動作時におけるコイルユニットの磁界分布を示す図である。図3(B)は、図1のA−A′線断面の位置(図2(A)の位置)の、第2コイル22の動作時におけるコイルユニットの磁界分布を示す図である。図4(A)は、図1のB−B′線断面の位置(図2(B)の位置)の、第1コイル12の動作時におけるコイルユニットの磁界分布を示す図である。図4(B)は、図1のB−B′線断面の位置(図2(B)の位置)の、第2コイル22の動作時におけるコイルユニットの磁界分布を示す図である。
第1コイル12の動作時、すなわち電力伝送時には、図3(A)、図4(A)に示すように、第1コイル12の近傍において、磁力線が第1磁性体11の中を通過して空間に出るように磁界が発生する。この場合、第1コイル12から第2コイル22への磁界の影響は少ない。
また、第2コイル22の動作時、すなわち非接触無線通信のデータ伝送時には、図3(B)、図4(B)に示すように、第2コイル22の近傍において、磁力線が第2磁性体21の中を通過して空間に出るように磁界が発生する。この場合、第2コイル22から第1コイル12への磁界の影響は少ない。
本実施形態のコイルユニットは、第1コイル12及び第2コイル22が重ならない領域を有するため、コイル間の電磁結合が小さくなる。特に、図4(A)、(B)のように両コイルが重なっていないコイルの四隅の領域では、電磁結合を十分小さくできる。
図5は、本実施形態のコイルユニットを搭載した携帯無線端末と外部機器としての充電器及びリーダ/ライタ装置の構成を示すブロック図である。
携帯無線端末50は、充電用の第1コイル12と、非接触無線通信用の第2コイル22とを備える。第1コイル12は非接触充電部51に接続され、第2コイル22は非接触無線通信部52に接続される。第1コイル12は、コンデンサ54と並列に接続され、更に非接触充電部51の整流回路55と接続されている。第2コイル22は、コンデンサ56と並列に接続され、更に非接触無線通信部52の変復調回路57と接続されている。非接触充電部51及び非接触無線通信部52は、制御回路53に接続され、制御回路53によって各部の動作が制御される。
充電器60は、非接触電力伝送用コイル63を備える。非接触電力伝送用コイル63は、コンデンサ64と並列に接続され、更に交流電源回路61と接続されている。交流電源回路61は、制御回路62と接続され、制御回路62によって充電用の交流電力の出力が制御される。
リーダ/ライタ装置70は、非接触無線通信用コイル73を備える。非接触無線通信用コイル73は、コンデンサ74と並列に接続され、更に変復調回路71と接続されている。変復調回路71は、制御回路72と接続され、制御回路72によって非接触無線通信によるデータの変調、復調の動作が制御される。
上記の構成において、携帯無線端末50の充電を行う場合は、充電器60の非接触電力伝送用コイル63と携帯無線端末50の第1コイル12とを近接させて対向して配置し、充電器60から携帯無線端末50へ給電する。このとき、非接触電力伝送用コイル63と第1コイル12とが電磁結合し、両コイルを介して非接触で充電用の電力が伝送される。非接触電力伝送用コイル63から第1コイル12へ給電するための共振周波数f1は、第1コイル12に並列に接続したコンデンサ54及び、非接触電力伝送用コイル63に並列に接続したコンデンサ64によって調整され、ここではf1=100kHzである。交流電源回路61において発生し出力した交流電力は、非接触電力伝送用コイル63から第1コイル12に伝送され、携帯無線端末50にて受電される。伝送された交流電力は、整流回路55にて整流されて直流電力に変換され、その直流出力が電池部58に供給されることにより充電が行われる。なお、直流出力を携帯無線端末50内の回路に供給し、各部の動作電源とすることも可能である。
非接触無線通信を行う場合は、リーダ/ライタ装置70の非接触無線通信用コイル73と携帯無線端末50の第2コイル22とを近接させて対向して配置し、リーダ/ライタ装置70と携帯無線端末50との間においてデータの送受信を行う。このとき、非接触無線通信用コイル73と第2コイル22とが電磁結合し、両コイルを介して非接触無線通信のデータ伝送が行われる。非接触無線通信用コイル73と第2コイル22との間で通信するための共振周波数f2は、第2コイル22に並列に接続したコンデンサ56及び、非接触無線通信用コイル73に並列に接続したコンデンサ74によって調整され、ここではf2=13.56MHzである。リーダ/ライタ装置70から携帯無線端末50へ伝送するデータは、変復調回路71において変調され、非接触無線通信用コイル73から第2コイル22に伝送され、携帯無線端末50にて受信される。伝送されたデータは、携帯無線端末50の変復調回路57において復調される。携帯無線端末50からリーダ/ライタ装置70へ伝送するデータは、変復調回路57において変調され、第2コイル22から非接触無線通信用コイル73に伝送され、リーダ/ライタ装置70にて受信される。伝送されたデータは、リーダ/ライタ装置70の変復調回路71において復調される。このように、携帯無線端末50の非接触無線通信機能を用いて、リーダ/ライタ装置70から携帯無線端末50に対して非接触無線通信によるデータの書き込み、読み出しが可能である。
(コイルユニットの実施例)
次に、本実施形態のコイルユニットの性能について、実際に作製した評価サンプルを用いて測定した実施例を示す。図6(A)及び(B)は、実施例に係るコイルユニットの寸法の一例を示す図である。図6(C)は、実施例に係るコイルユニットの平面図である。図6(D)は、図6(C)のA−A´線における断面図である。即ち、図6(A)は第1磁性体11の面上に積層された第1コイル12のみ、図6(B)は第2磁性体21の面上に積層された第2コイル22のみ、図6(C)は第1コイル12と第2コイル22とを組み合わせて共存させたコイルユニット、図6(D)は図6(C)で示したコイルユニットの断面をそれぞれ示している。
実施例では、第1磁性体11を一辺a=40mmの正方形とし、第1コイル12を外径b=29mmの円形状とし、第2磁性体21を一辺c=40mmの正方形の略中央部分からから一辺d=30mmの正方形が切り抜かれた形状とし、コイルユニットの厚さe=1.0mmとして構成した。この場合、第1磁性体11と第2磁性体21の外周寸法は略一致して重なっており、第1コイル12と第2コイル22とは重ならない様に設けられている。特に、第1コイル12は円形、第2コイル22は方形であるので、第2コイル22の四隅部分で第1コイル12と第2コイル22の距離が大きくなっている。
図7(A)は、実施例に係るコイルユニットの性能として、非接触電力伝送時の電力伝送効率を測定した結果を示す図である。図7(B)は、実施例に係るコイルユニットの性能として、非接触無線通信時の最大通信距離を測定した結果を示す図である。電力伝送効率は、コイルのみの伝送効率ではなく、図5に示したような充電器の交流電源回路の直流入力から携帯無線端末の直流出力までを含めた充電システム全体の効率を測定した。
図6(D)から第2コイル22を除去した第1コイル12単体の状態では、電力伝送効率が37.4[%]であった。また、図6(D)に示した第1コイル12と第2コイル22とを共存させた状態では、電力伝送効率が38.2[%]であった。この場合、2つのコイルを共存させた状態であり、第1コイル12の外側に第2コイル22が配置されていても、非接触電力伝送において電磁結合による性能劣化が生じないことが分かる。
図6(D)から第1コイル12を除去した第2コイル22単体の状態では、最大通信距離が141[mm]であり、不感領域(Null領域)は生じなかった。また、図6(D)に示した第1コイル12と第2コイル22とを共存させた状態では、最大通信距離が130[mm]であり、不感領域(Null領域)は生じなかった。この場合、2つのコイルを共存させた状態であり、第2コイル22の近傍に第1コイル12が配置されると、非接触無線通信において電磁結合による性能劣化が生じるが劣化量が少ないことが分かる。
図8(A)及び(B)は、コイルユニットの寸法の一例を示す図である。図8(C)は、コイルユニットの平面図である。図8(D)は、図8(C)のA−A´線における断面図である。即ち、図8(A)は第1磁性体11の面上に積層された第1コイル12のみ、図8(B)は第2磁性体21が配設されていない状態における第2コイル22のみ、図8(C)は第1コイル12と第2コイル22とを組み合わせて共存させたコイルユニット、図8(D)は図8(C)で示したコイルユニットの断面をそれぞれ示している。
第1磁性体11を一辺a=40mmの正方形とし、第1コイル12を外径b=29mmの円形状とし、第2コイル22を一辺c=40mmの正方形の略中央部分からから一辺d=30mmの正方形が切り抜かれた形状の範囲内で構成し、第2コイル22と第1磁性体11を密着してコイルユニットの厚さe=0.8mmとして構成した。この場合、第1コイル12と第2コイル22とは重ならない様に設けられている。特に、第1コイル12は円形、第2コイル22は方形であるので、第2コイル22の四隅部分で第1コイル12と第2コイル22の距離が大きくなっている。
図9(A)は、コイルユニットの性能として、非接触電力伝送時の電力伝送効率を測定した結果を示す図である。図9(B)は、コイルユニットの性能として、非接触無線通信時の最大通信距離を測定した結果を示す図である。電力伝送効率は、コイルのみの伝送効率ではなく、図5に示したような充電器の交流電源回路の直流入力から携帯無線端末の直流出力までを含めた充電システム全体の効率を測定した。
図8(D)から第2コイル22を除去した第1コイル12単体の状態では、電力伝送効率が39.1[%]であった。また、図8(D)に示した第1コイル12と第2コイル22とを共存させた状態では、電力伝送効率が38.8[%]であった。
図8(D)から第1コイル12を除去した第2コイル22単体の状態では、第2磁性体が設けられておらず第2コイル22が第1磁性体に密着するため、最大通信距離が131[mm]に留まるが、不感領域(Null領域)は生じなかった。また、図8(D)に示した第1コイル12と第2コイル22とを共存させた状態では、最大通信距離が117[mm]であり、不感領域(Null領域)は生じなかった。この場合、2つのコイルを共存させた状態であり、第2コイル22に対応して第2磁性体21が設けられていないため、コイル間の電磁結合によりさらに最大通信距離が劣化する。
これにより、実施例に係るコイルユニットは、第2コイルに対応する第2磁性体21を第1磁性体11の面上であって第1コイル12より外側に設けることにより、非接触無線通信において電磁結合の発生を抑制でき、最大通信距離を向上できる。
このように、本実施形態によれば、第1コイル12及び第2コイル22の複数のコイルを共存させる場合に、コイル間の電磁結合を低減でき、電磁結合による性能劣化を抑制できる。また、このように複数の磁性体をコイルに対して積層した構成でコイルを近接配置することで、配置面積を削減でき、性能劣化の少ないコイルを省スペースで簡単に製造可能できる。このため、本実施形態の非接触無線通信用コイルを含むコイルユニットを搭載した携帯無線端末において、小型化を図りつつ、非接触電力伝送時と非接触無線通信時の双方の性能劣化を抑制でき、省スペースで簡単に製造可能なコイルユニットを用いることによって所望の性能(電力伝送性能、通信性能)を得ることが可能となる。
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係るコイルユニットの構成を示す平面図である。図11(A)は、図10のA−A′線における断面図である。図11(B)は、図10のB−B′線における断面図である。なお、図10及び図11(A),(B)の説明では、図1及び図2に示した第1の実施形態と同様の構成要素については同一符号を付して説明を省略する。なお、図11(A),(B)には、図面の複雑化を避けるために、第1端子31、第2端子32から第1コイル12、第2コイル22へのそれぞれの配線パターンの図示を省略している。
第2の実施形態は、第1の実施形態における第2磁性体21及び第2コイル22の形状を変更した例である。第1磁性体11A及び第1コイル12Aは第1の実施形態と略同様の構成である。すなわち、第1磁性体11Aは方形の板状に形成され、第1コイル12Aは、導体の巻線が楕円環状に巻回されてなるコイルを用いて構成される。第2磁性体21Aは楕円環状の板状に形成され、第2コイル22Aは基板30Aの図11の矢印Hの反対側方向の面上に形成された導体の配線パターンにより、楕円環状に巻回されてなるコイルを用いて構成される。
本実施形態のコイルユニットは、第1の実施形態と同様に、コイルの厚さ方向(図11(A),(B)の上下方向)において、図11の下側から矢印H方向(携帯無線端末の背面筺体の内壁側の方向)に、第1磁性体11A、第1磁性体11Aの面上に第1コイル12A及び第2磁性体21Aが積層して配置される。また、第2磁性体21Aの面上には、コイルの厚さ方向において、図11の下側から矢印H方向(携帯無線端末の背面筺体の内壁側の方向)に、第2コイル22A、基板30Aの順に積層して配置される。外部機器側、すなわち携帯無線端末の背面筐体の内壁側からみた場合、基板30A、第2コイル22A、第2磁性体21A及び第1コイル12A、第1磁性体11Aの順に積層して配置される。
第1コイル12Aと第2コイル22Aとは、コイルの厚さ方向において重ならないように配置されている。
このような構成により、第1の実施形態と同様、2つのコイルを近接して共存させた状態であっても、両コイルの電磁結合を低減でき、電磁結合による性能劣化を抑制できる。また、2つのコイルを共存させて配置することで、小型化を図れる。
(第3の実施形態に至る経緯)
次に、第1コイルと第2コイルとの間で位置ずれが生じた場合、即ち第1コイルと第2コイルとの間の距離(間隔)が狭くなるようにずれた場合にコイルユニットの性能が劣化することを、図12及び図13を参照して説明する。
図12は、第1コイル12と第2コイル22との間の間隔を説明する図である。ここでは、コイルユニットの各部の符号を第1の実施形態と同じ符号を用いて説明する。
図12(A)は、コイルユニットの構成を示す平面図である。図12(B)は、図12(A)の領域gの拡大図であり、第1コイル12と第2コイル22との間隔が適正である。図12(C)は、図12(A)の領域gの拡大図であり、第1コイル12と第2コイルとの間隔が狭くなるように位置ずれが生じている。
具体的には、図12(B)の右上部において、第2コイル22が配置された第2磁性体21の左端部と第1コイル12の右端部との間隔が1.20mmであり、更に、同図の左下部において、第2コイル22が配置された第2磁性体21の上端部と第1コイル12の下端部との間隔が1.08mmである。図12及び図13の説明において、図12(B)に示す第1コイル12と第2コイル22との間の間隔が保たれる配置条件を条件aとする。
次に、図12(C)の右上部において、第2コイル22が配置された第2磁性体21の左端部と第1コイル12の右端部との間隔が0.01mmであり、更に、同図の左下部において、第2コイル22が配置された第2磁性体21の上端部と第1コイル12の下端部との間隔が0.01mmである。図12及び図13の説明において、図12(C)に示す第1コイル12と第2コイル22との間の間隔が図12(B)に示す間隔に比べて相対的に狭くなっている配置条件を条件bとする。
図13(A)は、条件a,bにおける測定結果を示すテーブルである。図13(B)は、条件a,bにおける測定結果を示すグラフである。この測定は、コイルユニットを銅板の上に載置した場合と載置していない場合との両方のケースにおいて実行された。図13(A)に示すテーブルは、インダクタンス(L値)、抵抗値(R値)及び共振周波数の測定値を表す。図13(B)に示すグラフは、銅板なしの場合における共振周波数の変化を表す。図13(B)の横軸は周波数を示し、同図の縦軸は通過特性を表すSパラメータ・S21特性を示す。
図13(A)及び(B)では、銅板がある場合と銅板がない場合のいずれにおいても、条件aにおける本来の共振周波数13.56MHzに対し、条件bにおける共振周波数は、13.66(13.67)MHzとなり、約100kHzずれた値となっている。このように、第2コイル及び第1コイル間の位置ずれにより、共振周波数がずれてしまう。このため、コイルユニットの性能、即ち非接触電力伝送時における電力伝送効率と非接触無線通信時における最大通信距離が劣化することになる。
(第3の実施形態)
そこで、第3の実施形態では、コイルユニットを組み立てる際、第2コイルと第1コイルとの間で位置ずれが生じないようにする。即ち、第3の実施形態では、コイルユニットを組み立てる際に、第1コイルと第2コイルとの間の間隔を所定の間隔以上となるように構成し、各コイルの位置ずれによる性能劣化を防ぐコイルユニットの例を説明する。
先ず、コイルユニットの組み立てについて簡単に説明する。図14(A)〜(C)は、コイルユニットの組み立ての流れを説明する断面図である。図14(A)がコイルユニットの組み立ての第1工程の一例であり、図14(B)がコイルユニットの組み立ての第1工程の他の一例であり、図14(C)がコイルユニットの組み立ての完成時を示す。
第1工程の一例又は他の一例の前に、基板30上に銅箔パターン(金属パターン)として形成された第2コイル22を、第2磁性体21の上に貼り付けた部分コイルユニットを用意しておく。
図14(A)に示す第1工程の一例では、第1磁性体11の面上に第1コイル12を貼り付けておき、第1コイル12の外側に位置するように、部分コイルユニットを第1磁性体11の上に貼り付ける。
一方、図14(B)に示す第1工程の他の一例では、先に第1磁性体11の上に第2コイルユニットを貼り付けておき、部分コイルユニットの内側に位置するように、第1コイル12を第1磁性体11の上に貼り付ける。
そして、コイルユニットの組み立ては、図14(C)に示すように完了する。
図14(A)又は(B)のいずれの手順でコイルユニットを組み立てる場合も、第1磁性体11の上に配置された、第1コイル12と第2コイル22との距離(間隔)が、コイルユニットの電力伝送性能及び無線通信性能を劣化させる影響を与えないように、つまり、所定の間隔以上となるように位置決めを行う必要がある。
第3の実施形態では、第1コイル12若しくは部分コイルユニットを案内するガイド部材を第2磁性体21若しくは基板30に形成し、コイルユニットを組み立てる際に、第1コイルと第2コイルとの距離(間隔)が所定の間隔以上となるようにした。
次に、シミュレーションによって作製した評価サンプルを用いて測定した2つの実施例(実施例1及び2)をそれぞれ説明する。
図15は、第2磁性体21Bをガイド部材21gとして兼用させた場合の実施例1に係るコイルユニットの構成を示す図である。図15(A)及び(B)は、実施例1に係るコイルユニットの寸法の一例を示す図である。図15(C)は、実施例1に係るコイルユニットの平面図である。図15(D)は、図15(C)のA−A´線における断面図である。
実施例1では、第1磁性体11Bを一辺a=40mmの正方形とし、第1コイル12Bを外径b=29mmの円形状とし、第2磁性体21Bを一辺c=40mmの正方形の略中央部分から外径d=30mmの円形が切り抜かれた形状として構成した。また、コイルユニットの厚さe=1.0mmとして構成した。
この場合、第1コイル12Bの外周寸法と第2コイル22Bの内周寸法とは略一致して第1コイル12Bと第2コイル22Bとは第1磁性体11Bの面上において重なっており、第1コイル12Bと第2コイル22Bとはコイルの厚さ方向において重ならない。特に、第1コイル12Bは円形、第2コイル22Bは方形であるので、第2コイル22Bの四隅部分で第1コイル12Bと第2コイル22Bとの距離(間隔)が大きくなっている。
また、実施例1に係るコイルユニットでは、第2磁性体21Bがガイド部材21gを兼用する。即ち、ガイド部としてのガイド部材21gは、第2磁性体21Bの内側の周縁部に形成されている。
従って、第2磁性体21Bの内側の孔は方形ではなく円形に形成され、第2磁性体21B自身の外側の角部に対応する四隅から中央内側方向にせり出した円弧状部分(図15(B)参照)がガイド部材21gに相当する。このように、ガイド部材21gが、第1コイル12Bを第2磁性体21Bの孔の内側の位置に固定的に案内する、或いは第2磁性体21Bの孔を第1コイル12Bの外側の位置に固定的に案内することで、第1コイル12Bと第2コイル22Bとの間の距離(間隔)において位置ずれが生じなくなる。
このように、実施例1に係るコイルユニットは、第2磁性体21Bの内側(第1コイル12B側)の周縁部にガイド部材21gが形成されるので、第1コイル12Bと略同等の厚さで第1コイル12Bと第2コイル22Bとの間の距離(間隔)の位置ずれを規制することができ、第1コイル12Bと第2コイル22Bとの位置決めを正確に実行できる。
次に、図16は、第2磁性体21Bと基板30Cとの両方をそれぞれガイド部材21g、30gとして兼用させた場合の実施例2に係るコイルユニットの構成を示す図である。図16(A)及び(B)は、実施例2に係るコイルユニットの寸法の一例を示す図である。図16(C)は、実施例2に係るコイルユニットの平面図である。図16(D)は、図16(C)のA−A´線における断面図である。
実施例2に係るコイルユニットでも、実施例1に係るコイルユニット同様に、第1磁性体11Bを一辺a=40mmの正方形とし、第1コイル12Bを外径b=29mmの円形状とし、第2磁性体21Bを一辺c=40mmの正方形の略中央部分から外径d=30mmの円形が切り抜かれた形状として構成した。また、コイルユニットの厚さe=1.0mmとして構成した。
実施例2に係るコイルユニットでは、実施例1に係るコイルユニットと同様、第2磁性体21Bの内側の周縁部にガイド部材21gが形成され、更に、基板30Cの内側の周縁部にもガイド部材30gが形成されている。
即ち、基板30Cの内側の孔は第2磁性体21Bと同様に円形に形成され、第2磁性体21B自身の外側の角部に対応する四隅から中央内側方向にせり出した円弧状部分がガイド部材30gに相当する。このように、ガイド部材30g、21gが、第1コイル12Bを第2磁性体21Bの孔の内側の位置に固定的に案内する、或いは第2磁性体21Bの孔を第1コイル12Bの外側の位置に固定的に案内することで、第1コイル12Bと第2コイル22Bとの間の距離(間隔)において位置ずれが生じなくなる。
なお、基板30Cがガイド部材30gを兼ねる場合、つまり、基板30Cにガイド部材30gが形成される場合、第2磁性体21Bの内側にガイド部材21gを形成しなくても、ガイド部材としての機能は満たされる。ただし、この場合、基板30Cの下面が第1コイル12Bの上面より下方に位置する構成であることが望ましく、第1コイル12Bと第2コイル22Bとの間の距離(間隔)の正確な位置決めが可能となる。
以上により、基板30Cの内側の周縁部をガイド部材30gに形成することで、ガイド部材の成形が容易となり、ガイド部材を種々の形状にすることが簡単になる。
図17は、ガイド部材を設けていない場合の比較例に係るコイルユニットの構成を示す図である。図17(A)及び(B)は、比較例に係るコイルユニットの寸法の一例を示す図である。図17(C)は、比較例に係るコイルユニットの平面図である。図17(D)は、図17(C)のA−A´線における断面図である。
比較例に係るコイルユニットでも、実施例1又は2に係るコイルユニット同様に、第1磁性体11Bを一辺a=40mmの正方形とし、第1コイル12Bを外径b=29mmの円形状とし、第2磁性体21Bを一辺c=40mmであって、外径d=30mmの方形が切り抜かれた正方形の形状として構成した。また、コイルユニットの厚さe=1.0mmとして構成した。
この比較例は第1の実施形態の実施例(図6(A)〜(D)参照)と同じであるので、同一の符号を用いることにする。この場合、基板30及び第2磁性体21の内側には、ガイド部材となるようなせり出した部分は無く、方形状の孔が形成されたままである。従って、第1コイル12等は、ガイド部材によって案内されることなく、第1磁性体11の面上に貼り付けられる。
図18は、実施例1及び2に係るコイルユニットの性能の測定結果を示す図である。図18(A)は、非接触電力伝送時の電力伝送効率の測定結果を示す図である。図18(B)は、非接触無線通信時の最大通信距離の測定結果を示す図である。電力伝送効率は、コイル(第1コイル)のみの伝送効率ではなく、図5に示したような充電器の交流電源回路の直流入力から携帯無線端末の直流出力までを含めた充電システム全体の効率を測定した。
図18(A)に示すように、第1の実施形態における実施例に係るコイルユニットでは、電力伝送効率は38.2[%]であった。一方、第3の実施形態における実施例1、2に係る各コイルユニットでは、電力伝送効率は38.1[%]であった。このように、両実施例に係る各コイルユニットにおいて、電力伝送効率の差分は生じなかった。
また、図18(B)に示すように、第1の実施形態における実施例に係るコイルユニットでは、最大通信距離が130[mm]であり、不感領域(Null領域)は生じなかった。一方、第3の実施形態の実施例1、2に係る各コイルユニットにおいても、第2コイル22Bによる最大通信距離がそれぞれ131[mm]であり、不感領域(Null領域)は生じなかった。このように、両実施例に係る各コイルユニットにおいて、最大通信距離の差分は生じなかった。
また、図18に示す各テーブルには示していないが、第3の実施形態の実施例1、2に係るコイルユニットの各共振周波数は、第1の実施形態の実施例と同じく、13.56MHzであり、これらの間で共振周波数の差分は生じなかった。また、インダクタンス(L値)、抵抗値(R値)についても、同様に、これらの間で差分は生じなかった。
以上により、第3の実施形態のコイルユニットは、コイルユニットを組み立てる際、ガイド部材により第1コイルと第2コイルとの間の距離(間隔)が固定的になるように第1コイル又は第2コイルの配置位置が規制されるので、第1コイルと第2コイルとの間で位置ずれが生じることはなく、第1コイルと第2コイルとの間隔が所定の間隔以上になる。これにより、本実施形態のコイルユニットは、第2コイルによる無線通信を行う際、通信性能の劣化、特に共振周波数が大きくずれることを抑えることができる。
図19(A)〜(C)は、種々のガイド部材の形状の一例を示す図である。図20(D)〜(F)は、図19(A)〜(C)に続き、種々のガイド部材の形状の他の一例を示す図である。上述した第3の実施形態の実施例1、2に係るコイルユニットと同様に、ガイド部材は、基板と第2磁性体とのどちらに形成されてもよい。図19、図20では、ガイド部材が例えば第2磁性体に形成されている場合における、ガイド部材の種々の形状を示す。
図19(A)は、前述した図15に示すコイルユニットにおけるガイド部材の構成を示す。即ち、図19(A)では、第2磁性体21Bの内側には、第2磁性体21B自身の外側の角部に対応する四隅から中央内側方向にせり出したガイド部材21gが形成されている。ガイド部材21gは、円形を有する第1コイル12Bの形状に沿うように、ガイド部材21gの、第1コイル12Bと対向する周縁部が円弧状に形成されている。なお、ここでは、第2磁性体21B自身の外側の角部に対応する四隅の全てに対してガイド部材21gが形成されているが、少なくとも1か所に形成されている限り、コイルユニットを組み立てる際のガイドとして機能させることが可能である。
図19(B)では、第2磁性体21Bの内側の、第2磁性体21B自身の外側の角部に対応する四隅から中央内側方向にせり出したガイド部材21hの、第1コイル12Bと対向する周縁部が直線状に形成されている。なお、ここでは、第2磁性体21B自身の外側の角部に対応する四隅の全てに対してガイド部材21hが形成されているが、少なくとも1か所に形成されている限り、コイルユニットを組み立てる際のガイドとして機能させることが可能である。
図19(C)では、第2磁性体21Bの内側の、第2磁性体21B自身の外側の角部に対応する四隅には、四角形(例えば正方形又は長方形)のガイド部材21iが中央内側方向にせり出すように形成されている。また、各ガイド部材21iの1ヶ所の角部が第1コイル12Bに近接している。なお、ここでは、第2磁性体21Bの内側の四隅の全てにガイド部材21iが形成されているが、少なくとも1か所に形成されている限り、コイルユニットを組み立てる際のガイドとして機能させることが可能である。
図20(D)では、第2磁性体21Bの内側の、四角形の孔が形成された各周縁部(各辺)の略中点の位置に、凸状のガイド部材21jがせり出すように形成されている。各ガイド部材21jの先端部は第1コイル12Bに近接している。なお、ここでは、第2磁性体21Bの内側の周縁部を形成する4つの辺の全てにガイド部材21jが形成されているが、少なくとも1か所に形成されている限り、コイルユニットを組み立てる際のガイドとして機能させることが可能である。
図20(E)は第1コイル12Cの形状が角丸四角形である場合を示す。第2磁性体21Bの内側には、第2磁性体21B自身の外側の角部に対応する四隅から中央内側方向にせり出したガイド部材21kが形成されている。ガイド部材21kの内側の周縁部は、第1コイル12Cの角丸の形状に沿うように、略円弧状に形成されている。なお、ここでは、第2磁性体21B自身の外側の角部に対応する四隅の全てに対してガイド部材21kが形成されているが、少なくとも1か所に形成されている限り、コイルユニットを組み立てる際のガイドとして機能させることが可能である。
図20(F)は、図20(E)の場合と同様、第1コイル12Cの形状が角丸四角形である場合を示す。第2磁性体21Bの内側の右下隅の周縁部は、第1コイル12Cの角丸の形状に沿うように、略円弧上に形成され、且つ、その両側で凸状に形成されたガイド部材21lが、第2磁性体21Bの中央内側方向にせり出すように形成されている。なお、このガイド部材21lは、2ヶ所以上の隅に形成されていてもよい。
なお、本発明は、本発明の趣旨ならびに範囲を逸脱することなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が様々な変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、上記実施形態では、ガイド部材は、第2磁性体あるいは基板の一部として形成された場合を示したが、第2磁性体あるいは基板とは別体のもので、材質も同じもしくは異なるもので形成されてもよい。この場合、コイルユニットには、新たな部材が加わることになるが、第2磁性体あるいは基板の形状を変えることなく、任意の形状のガイド部材を簡単に設けることが可能となる。
また、コイル形状は、四角形、円形、楕円形などの任意の形状であってもよく、特に限定されない。
また、上記各実施形態では、分かり易くするために、コイルユニットが上下方向に配置されているものとして説明したが、左右方向等、任意の方向に配置されても良い。
本発明は、非接触無線通信用コイル及び非接触電力伝送用コイル等の複数のコイルを共存させる場合に、各コイルの性能劣化を抑制しつつ、省スペースで簡単に製造可能にするという効果を有し、例えば携帯電話端末、スマートフォン等の非接触無線通信が可能な非接触無線通信用コイル、及びこれを搭載した携帯無線端末等として有用である。
11、11A、11B 第1磁性体
12、12A、12B、12C 第1コイル
21、21A、21B、21C 第2磁性体
21g、21h、21i、21j、21k、21l ガイド部材
22、22A、22B 第2コイル
30、30A、30B、30C 基板
31 第1端子
32 第2端子

Claims (4)

  1. 磁性体と、
    非接触電力伝送で電力を受電する第1コイルと、
    前記第1コイルと異なる形状に巻回され、無線通信に用いられる第2コイルと、を備え、
    前記第1コイルの巻回部は略円形状であり、
    前記第2コイルの巻回部は略方形形状であり、
    前記第2コイルは前記第1コイルの外側を囲むように配置され、かつ、前記磁性体は、前記第1コイルの巻回部及び前記第2コイルの巻回部の双方を載置する、
    非接触電力伝送モジュール。
  2. 前記第1コイルの端子と前記第2コイルの端子とは同一方向から引き出されることを特徴とする、
    請求項1に記載の非接触電力伝送モジュール。
  3. 前記第2コイルは、前記磁性体の外辺に沿うように配置されることを特徴とする、
    請求項1に記載の非接触電力伝送モジュール。
  4. 請求項1〜のうちいずれか一項に記載の非接触電力伝送モジュールを搭載したことを特徴とする、
    携帯無線端末。
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