JP6333422B2 - 環境音生成装置、環境音生成プログラム及び音環境形成方法 - Google Patents

環境音生成装置、環境音生成プログラム及び音環境形成方法 Download PDF

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本発明は、放音されることにより音環境を形成する環境音を示す環境音信号を生成する環境音生成装置、環境音生成プログラム及び音環境形成方法に関するものである。
従来から、病院の待合室・診察室やオフィスや喫茶店等において、聴取者自身にとって不要な他者の会話や騒音等をマスキングして静粛を演出したり、緊張を和らげて精神的な穏やかさをもたらしたりする目的で、BGM(ヒーリング・ミュージックやクラシック音楽等のバックグラウンドミュージック)や、ゆらぎを加えて自然音を再生した再生音(例えば、下記特許文献1)が、環境音として放音されている。
一方、下記特許文献2には、音楽教育の場において聴音訓練または演奏練習用の課題曲の作曲等に用いられる自動作曲機として、複数種の音高データを記憶させた音高データメモリと、所定の読出起動信号が供給される度に、前記音高データメモリから前記複数種の音高データの一つをランダムに読出す読出制御手段と、前記音高データメモリから読出された音高データを所定の音楽的条件と比較し、条件と合致した場合には、当該音高データを曲の構成音の一つとして選択し、かつ合致しない場合には、前記読出制御手段に対して再度読出起動信号を供給する音楽条件判別手段とを少なくとも具備することを特徴とする自動作曲機が、開示されている。
この特許文献2に開示された自動作曲機では、音高データメモリから前記複数種の音高データの一つをランダムに読出すが、読み出された音高データのうち音楽条件判別手段により所定の音楽的条件と合致するもののみが曲の構成音の一つとして採用されており、音高データメモリから前記複数種の音高データの一つをランダムに読出すことは、所定の音楽的条件を満たす曲を自動的に作曲するための一過程にすぎない。また、特許文献2に開示された自動作曲機は、課題曲の作曲等に用いられるものであって、環境音とは全く関係がない。したがって、引用文献2は、音高データメモリから前記複数種の音高データの一つをランダムに読出したものをそのまま配列したものを、環境音として用いることを、何ら開示も示唆もしていないことは、明らかである。
特許第3231802号公報 特公昭60−40027号公報
しかしながら、環境音としてBGMを用いる場合には、メロディが特定の感性に結びついているため、万人に共通の効果を期待することは難しく、人によって好き嫌いや快不快が生じてしまう。したがって、BGMは環境音として適さない。
環境音として、ゆらぎを加えて自然音を再生した再生音を用いる場合には、いくらゆらぎを加えているとは言え、自然音を比較的忠実にベースにしたものであるため、やはり万人に共通の効果を期待することは難しく、人によって好き嫌いや快不快が生じてしまう。例えば、日本人の多くにとって秋の夕べの虫の声は風情を感じさせるものであって一般に不快ではないが、欧米人にとって虫の音は単なるノイズとしてしか聞こえない。また、木々をわたる風が木の葉を揺らす音も、ある人にとっては恐怖を感じさせる音になる。したがって、ゆらぎを加えて自然音を再生した再生音も、環境音として適さない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、BGMやゆらぎを加えて自然音を再生した再生音に比べて、より多くの人に対して好き嫌いや快不快を生じさせることなく、聴取者自身にとって不要な他者の会話や騒音等をマスキングして静粛を演出したり、緊張を和らげて精神的な穏やかさをもたらしたりすることができる環境音(厳密に言えば、その環境音を示す環境音信号)を生成することができる、環境音生成装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、コンピュータにこのような環境音生成装置として機能させるための環境音生成プログラムを提供すること目的とする。
さらに、本発明は、より多くの人に対して好き嫌いや快不快を生じさせることなく、聴取者自身にとって不要な他者の会話や騒音等をマスキングして静粛を演出したり、緊張を和らげて精神的な穏やかさをもたらしたりすることができる音環境を形成することができる音環境形成方法を提供することを目的とする。
さらにまた、本発明は、前述したような環境音を示す環境音信号を記録した記録媒体を提供することを目的とする。
ここでは、前記課題を解決する技術手段及びこれに関連する技術手段として、以下の各態様を提示する。
第1の態様による環境音生成装置は、放音されることにより音環境を形成する環境音であって、各個別音がその属性の1つである発音開始タイミングを順次ずらしながら連なって構成される連鎖音からなる環境音を示す環境音信号を生成する環境音生成装置であって、前記各個別音の少なくとも1つの属性を、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の区間毎に設定された選択対象範囲内の内容のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された内容に設定する属性設定手段を、備えたものである。
この第1の態様において、各個別音は、その次に発音される個別音と重なってもよいし、重ならずに連続してもよいし、重なりも連続もしなくてもよい。この点は、後述する第9の態様についても同様である。
前記第1の態様によれば、各個別音の少なくとも1つの属性が偶然性をもって設定されるので、音楽から遠ざかった個別音の列からなる環境音を生成することができる。したがって、前記第1の態様によれば、BGMやゆらぎを加えて自然音を再生した再生音に比べて、より多くの人に対して好き嫌いや快不快を生じさせることなく、聴取者自身にとって不要な他者の会話や騒音等をマスキングして静粛を演出したり、緊張を和らげて精神的な穏やかさをもたらしたりすることができる環境音(厳密に言えば、その環境音を示す環境音信号)を生成することができる。また、各個別音の少なくとも1つの属性が偶然性をもって選択された内容に設定されるので、生成された環境音は注意を引き難いものとなることから、聴取者自身にとって着目すべき音情報が環境音と同時に又は相前後して発せられたときにその音情報が環境音から際立ち、その音情報が聴取し易くなる。
第2の態様による環境音生成装置は、前記第1の態様において、前記少なくとも1つの属性は音高を含み、前記属性設定手段は、前記各個別音の音高を、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の区間毎に設定された複数種の音高のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された音高に設定するものである。
この第2の態様において、各個別音の音高はそれぞれ偶然性をもって選択された音高に設定されればよく、引き続く複数の個別音の音高が、偶然に同じ音高となることを許容してもよい。もっとも、前記第2の態様では、引き続く所定数(2以上の数の任意の数)以上の個別音の音高が同じ音高とならないという条件下で、各個別音の音高がそれぞれ偶然性をもって選択されるようにしてもよい。これらの点は、後述する第10の態様についても同様である。
この第2の態様によれば、個別音の属性のうち特に着目される属性である音高に偶然性が付与されるので、より一層多くの人に対して好き嫌いや快不快を生じさせることなく、聴取者自身にとって不要な他者の会話や騒音等をマスキングして静粛を演出したり、緊張を和らげて精神的な穏やかさをもたらしたりすることができる環境音を生成することができる。
第3の態様による環境音生成装置は、前記第2の態様において、前記複数種の音高は、音名が互いに異なる2種以上の音高と、前記2種以上の音高のうちの少なくとも1種の音高に対して音名が同じでオクターブが異なる1種以上の音高と、を含むものである。
この第3の態様によれば、音名が互いに異なる2種以上の音高、及び、前記2種以上の音高のうちの少なくとも1種の音高に対して音名が同じでオクターブが異なる1種以上の音高を含むグループから、各個別音の音高が選択されるので、音名の相違とオクターブの相違の両方を音高の選択の偶然性に取り込むことができ、音高の選択肢を広げることができる。
第4の態様による環境音生成装置は、前記第3の態様において、前記属性設定手段が前記複数種の音高のうちから各音高を選択する確率は、前記複数種の音高を音名でグループ分けしたときに前記グループ毎の選択確率が同一となる確率であるものである。
この第4の態様によれば、前記複数種の音高を音名でグループ分けしたときに前記グループ毎の選択確率が同一となるので、音名が同一であればオクターブが異なっても同一の音高であると感覚的に捉えられる傾向があるにも拘わらず、選択される音高が一部の音高に偏っているような感覚が生ずるのを抑えることができる。
第5の態様による環境音生成装置は、前記第1乃至第4のいずれかの態様において、前記属性設定手段は、前記発音開始タイミング間の時間間隔を、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の少なくとも1つの区間において、等間隔又はその他の一定のパターンをなす間隔、あるいは、所定範囲内で偶然性をもって選択された間隔に設定するものである。
この第5の態様は、各発音開始タイミング間の時間間隔の設定例を挙げたものである。
第6の態様による環境音生成装置は、前記第1乃至第5のいずれかの態様において、前記属性設定手段は、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の少なくとも1つの区間において、前記個別音の発音開始タイミングの候補となる候補タイミングを設定し、設定された各候補タイミングを前記発音開始タイミングとするか否かを、それぞれ偶然性をもってを定めるものである。
この第6の態様によれば、設定された各候補タイミングを前記発音開始タイミングとするか否かを、それぞれ偶然性をもってを定めるので、各個別音の発音開始タイミング間の時間間隔の偶然性が高まるため、より一層多くの人に対して好き嫌いや快不快を生じさせることなく、聴取者自身にとって不要な他者の会話や騒音等をマスキングして静粛を演出したり、緊張を和らげて精神的な穏やかさをもたらしたりすることができる環境音を生成することができる。
第7の態様による環境音生成装置は、前記第6の態様において、前記属性設定手段は、前記候補タイミング間の時間間隔を、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の前記少なくとも1つの区間において、等間隔又はその他の一定のパターンをなす間隔、あるいは、所定範囲内で偶然性をもって選択された間隔に設定するものである。
この第7の態様は、各候補タイミング間の時間間隔の設定例を挙げたものである。
第8の態様による環境音生成装置は、前記第1乃至第7のいずれかの態様において、前記連鎖音の少なくとも1つの区間の長さを、所定範囲内で偶然性をもって選択された長さに設定する手段を備えたものである。
この第8の態様によれば、より一層多くの人に対して好き嫌いや快不快を生じさせることなく、聴取者自身にとって不要な他者の会話や騒音等をマスキングして静粛を演出したり、緊張を和らげて精神的な穏やかさをもたらしたりすることができる環境音を生成することができる。
第9の態様による環境音生成装置は、放音されることにより音環境を形成する環境音であって、各個別音がその属性の1つである発音開始タイミングを順次ずらしながら連なって構成される複数の連鎖音が重畳されてなる環境音を示す環境音信号を生成する環境音生成装置であって、前記複数の連鎖音のうちの少なくとも1つの連鎖音について、前記各個別音の少なくとも1つの属性を、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の区間毎に設定された選択対象範囲内の内容のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された内容に設定する属性設定手段を、備えたものである。
第10の態様による環境音生成装置は、前記第9の態様において、前記複数の連鎖音のうちの前記少なくとも1つの連鎖音について、前記少なくとも1つの属性は音高を含み、前記属性設定手段は、前記複数の連鎖音のうちの前記少なくとも1つの連鎖音について、前記各個別音の音高を、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の区間毎に設定された複数種の音高のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された音高に設定するものである。
第11の態様による環境音生成装置は、前記第10の態様において、前記複数種の音高は、音名が互いに異なる2種以上の音高と、前記2種以上の音高のうちの少なくとも1種の音高に対して音名が同じでオクターブが異なる1種以上の音高と、を含むものである。
第12の態様による環境音生成装置は、前記第11の態様において、前記属性設定手段が前記複数種の音高のうちから各音高を選択する確率は、前記複数種の音高を音名でグループ分けしたときに前記グループ毎の選択確率が同一となる確率であるものである。
第13の態様による環境音生成装置は、前記第9乃至第12のいずれかの態様において、前記属性設定手段は、前記複数の連鎖音のうちの少なくとも1つの連鎖音について、前記発音開始タイミング間の時間間隔を、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の少なくとも1つの区間において、等間隔又はその他の一定のパターンをなす間隔、あるいは、所定範囲内で偶然性をもって選択された間隔に設定するものである。
第14の態様による環境音生成装置は、前記第9乃至第13のいずれかの態様において、前記属性設定手段は、前記複数の連鎖音のうちの少なくとも1つの連鎖音について、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の少なくとも1つの区間において、前記個別音の発音開始タイミングの候補となる候補タイミングを設定し、設定された各候補タイミングを前記発音開始タイミングとするか否かを、それぞれ偶然性をもってを定めるものである。
第15の態様による環境音生成装置は、前記第14の態様において、前記属性設定手段は、前記候補タイミング間の時間間隔を、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の前記少なくとも1つの区間において、等間隔又はその他の一定のパターンをなす間隔、あるいは、所定範囲内で偶然性をもって選択された間隔に設定するものである。
第16の態様による環境音生成装置は、前記第9乃至第15のいずれかの態様において、前記複数の連鎖音のうちの少なくとも1つの連鎖音の少なくとも1つの区間の長さを、所定範囲内で偶然性をもって選択された長さに設定する手段を備えたものである。
前記第9乃至第16の態様は、前記第1乃至第8の態様にそれぞれ対応しているが、前記第1乃至第8の態様では、環境音は連鎖音からなるのに対し、前記第9乃至第16の態様では、環境音は複数の連鎖音が重畳されてなる点で、両者は異なる。したがって、前記第9乃至第16の態様によれば、前記第1乃至第8の態様に比べて、より一層多くの人に対して好き嫌いや快不快を生じさせることなく、聴取者自身にとって不要な他者の会話や騒音等をマスキングして静粛を演出したり、緊張を和らげて精神的な穏やかさをもたらしたりすることができる環境音を生成することができる。
第17の態様による環境音生成装置は、前記第1乃至第16のいずれかの態様において、前記環境音信号を生成するための基礎となる基礎情報であって、前記選択対象範囲内の内容を示す情報を含む基礎情報を、外部から受け取る取得手段を備え、前記取得手段が受け取った前記基礎情報に基づいて前記環境音信号を生成するものである。
前記第1乃至第16では、前記選択対象範囲内の内容によって生成される環境音の印象が変わる。したがって、環境音の聴取者に飽きが来ないようにするなどのためには、前記選択対象範囲内の内容を適宜変えることが好ましい。前記第17の態様では、取得手段が外部から受け取った、選択対象範囲内の内容を示す情報を含む基礎情報に基づいて、環境音信号を生成されるので、選択対象範囲内の内容の変更を容易に行うことができる。
第18の態様による環境音生成装置は、前記第17の態様において、前記基礎情報は、前記選択対象範囲内の内容の選択確率を含むものである。
この第18の態様のように前記基礎情報が前記選択確率を含めば、前記選択対象範囲内の内容の選択確率を適宜変更することができ、より多彩な環境音を生成することができる。
第19の態様による環境音生成プログラムは、コンピュータを、前記第1乃至第18のいずれかの態様による環境音生成装置として機能させるためのプログラムである。
第20の態様による音環境形成方法は、各個別音がその属性の1つである発音開始タイミングを順次ずらしながら連なって構成される連鎖音からなる環境音を放音することによって、音環境を形成する音環境形成方法であって、前記各個別音の少なくとも1つの属性が、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の区間毎に設定された選択対象範囲内の内容のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された内容に設定されたものである。
第21の態様による音環境形成方法は、各個別音がその属性の1つである発音開始タイミングを順次ずらしながら連なって構成される複数の連鎖音が重畳されてなる環境音を放音することによって、音環境を形成する音環境形成方法であって、前記複数の連鎖音のうちの少なくとも1つの連鎖音について、前記各個別音の少なくとも1つの属性が、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の区間毎に設定された選択対象範囲内の内容のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された内容に設定されたものである。
第22の態様による記録媒体は、前記第1乃至第18のいずれかの態様による環境音生成装置により生成された前記環境音信号、あるいは、前記第20又は第21の態様における環境音を示す信号が、記録されたものである。
本発明によれば、BGMやゆらぎを加えて自然音を再生した再生音に比べて、より多くの人に対して好き嫌いや快不快を生じさせることなく、聴取者自身にとって不要な他者の会話や騒音等をマスキングして静粛を演出したり、緊張を和らげて精神的な穏やかさをもたらしたりすることができる環境音(厳密に言えば、その環境音を示す環境音信号)を生成することができる、環境音生成装置を提供することができる。
また、本発明によれば、コンピュータにこのような環境音生成装置として機能させるための環境音生成プログラムを提供することができる。
さらに、本発明によれば、より多くの人に対して好き嫌いや快不快を生じさせることなく、聴取者自身にとって不要な他者の会話や騒音等をマスキングして静粛を演出したり、緊張を和らげて精神的な穏やかさをもたらしたりすることができる音環境を形成することができる音環境形成方法を提供することができる。
さらにまた、本発明は、前述したような環境音を示す環境音信号を記録した記録媒体を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態による環境音生成装置を示す概略ブロック図である。 図1に示す環境音生成装置により生成される環境音の一例に対応する、各トラックのノートオン期間の例を模式的に示すタイミングチャートである。 図1に示す環境音生成装置の動作の一例を示す概略ブロック図である。 図3中のステップS4の動作を示す概略フローチャートである。 本発明の第2の実施の形態による環境音生成装置を用いた環境音生成システムを示す概略ブロックである。 図5中の基礎情報提供装置を示す概略ブロック図である。 図5中の基礎情報提供装置の基礎情報提供動作の一例を示す概略フローチャートである。 図5中の環境音生成装置を示す概略ブロック図である。 図5中の環境音生成装置の動作の一例を示す概略フローチャートである。
以下、本発明による環境音生成装置、環境音生成プログラム、音環境形成方法及び記録媒体について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による環境音生成装置1を示す概略ブロック図である。
本実施の形態による環境音生成装置1は、ハードウエアとしては、一般的なパーソナルコンピュータを用いて構成され、CPU11と、タイマ12と、ROM13と、RAM14と、ハードディスク等の記憶装置15と、DVDドライブなどの読出/書込装置(記録媒体17に対する情報の読み出し及び書き込みを行う装置)16と、キーボード及びマウス等の操作部18と、液晶パネル等の表示部19と、音源回路20と、効果回路21と、サウンドシステム22と、インターネット等のネットワーク100に接続するための通信インターフェース23と、これらを相互に接続するバス24とを備えている。タイマ12は、CPU11に接続されており、基本クロック信号、割り込み処理タイミング、現在時刻等をCPU11に供給する。
記憶装置15には、環境音生成プログラムの他、各種プログラムが予めインストールされており、前記環境音生成プログラム等を読み込んで実行することによって、前記CPU11等により以下に説明する機能等が実現されるようになっている。なお、本発明による環境音生成装置を構成するコンピュータは、パーソナルコンピュータに限定されず、スマートフォン等であってもよい。
音源回路20は、CPU11の制御下で、RAM14のバッファ領域に逐次生成されるMIDIデータに応じて楽音信号を生成し、効果回路21を介して、サウンドシステム22に供給する。効果回路21は、CPU11の制御下で、音源回路20から供給される楽音信号に対して、各種音響的効果(エフェクト)を付与する。なお、音源回路20及び効果回路21を設けずに、それらの機能を、いわゆるソフト音源やソフトエフェクトとして、記憶装置15等に記憶させたソフトウエアによるCPU11の動作により実現してもよい。サウンドシステム22は、D/A変換器及びスピーカを含み、供給されるデジタル形式の楽音信号をアナログ形式に変換し、発音(放音)する。
本実施の形態による環境音生成装置1は、放音されることにより音環境を形成する環境音を示す環境音信号を生成する。この環境音は、各個別音がその属性の1つである発音開始タイミングを順次ずらしながら連なって構成される連鎖音からなるものでもよく、この場合には、前記各個別音の少なくとも1つの属性は、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の区間毎に設定された選択対象範囲内の内容のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された内容に設定される。この場合、前記少なくとも1つの属性は音高を含むことが好ましいが、必ずしも音高を含んでいなくてもよい。また、前記環境音は、各個別音がその属性の1つである発音開始タイミングを順次ずらしながら連なって構成される複数の連鎖音が重畳されてなるものでもよく、この場合には、前記複数の連鎖音のうちの少なくとも1つの連鎖音について、前記各個別音の少なくとも1つの属性は、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の区間毎に設定された選択対象範囲内の内容のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された内容に設定される。この場合、前記少なくとも1つの属性は、音高を含むことが好ましいが、必ずしも音高を含んでいなくてもよい。また、この場合には、前記複数の連鎖音の各々について、前記各個別音の少なくとも1つの属性は、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の区間毎に設定された選択対象範囲内の内容のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された内容に設定されることが好ましいが、必ずしもこれに限らない。
次に、この環境音の具体例について、図2を参照して説明する。本実施の形態では、MIDIデータ(特に、フォーマット1のSMF(Standard Midi File)フォーマットのデータ)を利用して環境音信号を生成するので、MIDIデータにおける用語(トラック、ノート、ノートナンバ、ノートオン、ノートオフ、ベロシティ、音色、エフェクト、コンティニュアス・コントロール)を用いて、前記環境音の具体例について説明する。ただし、本発明では、必ずしもMIDIデータを利用する必要はない。
図2は、図1に示す環境音生成装置1により生成される環境音の一例に対応する、各トラックA,Bのノートオン期間の例を模式的に示すタイミングチャートである。
図2において、トラックAの各ノートNAをそのノートオンタイミングの順番で区別し、トラックAの1番目のノートをNA1、トラックAの2番目のノートをNA2、・・・としている。kを1以上の任意の整数としたとき、図2において、tAkはトラックAのk番目のノートNAkのノートオンタイミングを示し、ΔtAkはトラックAのk番目のノートNAkのノートオン期間(ノートオンタイミングtAkから当該ノートNAkのノートオフタイミングまでの期間)を示し、ΔTAkはトラックAのk番目のノートNAkのノートオンタイミングtAkからトラックAの次のk+1番目のノートNAk+1のノートオンタイミングtAk+1までの時間間隔を示している。また、図2において、トラックAの各区間KAをその順番で区別し、トラックAの1番目の区間をKA1、トラックAの2番目の区間をKA2・・・としている。
同様に、図2において、トラックBの各ノートNBをそのノートオンタイミングの順番で区別し、トラックBの1番目のノートをNB1、トラックBの2番目のノートをNB2、・・・としている。kを1以上の任意の整数としたとき、図2において、tBkはトラックBのk番目のノートNBkのノートオンタイミングを示し、ΔtBkはトラックBのk番目のノートNBkのノートオン期間(ノートオンタイミングtBkから当該ノートNBkのノートオフタイミングまでの期間)を示し、ΔTBkはトラックBのk番目のノートNBkのノートオンタイミングtBkからトラックBの次のk+1番目のノートNBk+1のノートオンタイミングtBk+1までの時間間隔を示している。また、図2において、トラックBの各区間KBをその順番で区別し、トラックBの1番目の区間をKB1、トラックBの2番目の区間をKB2・・・としている。
本実施の形態では、各ノートNA,NBは、その属性として、ノートオンタイミングtA,tB、ノートオフタイミング(あるいは、ノートオン期間ΔtA,ΔtB)、音高、ベロシティ(音の強さ)、音色、及び、エフェクト(効果)を有している。本実施の形態では、音高は、ノートナンバで示され、音名とオクターブとで規定される。例えば、音高を示すノートナンバは、音名(例えば、「C」)とオクターブ(例えば、「3」)を規定し、これにより、例えば音高C3が規定される。エフェクトとしては、例えば、リバーブ、コーラス、エコー等を挙げることができる。
トラックAのノートNAのうち、ベロシティが「0」以外の値に設定された各ノートが、トラックAに対応する1つの連鎖音を構成する個別音に相当している。トラックAのノートNAのうち、ベロシティが「0」に設定されたノートは、無音となり、個別音に相当しない。したがって、本実施の形態では、いずれのノートNAのベロシティにも「0」を設定することを許容しない場合には、いずれのノートNAのノートオンタイミングtAも、各個別音の発音開始タイミングとなる。一方、いずれかのノートNAのベロシティに「0」を設定することを許容する場合には、各ノートNAのノートオンタイミングtAは、個別音の発音開始タイミングの候補となる候補タイミングであり、それらの候補タイミングのうち、ベロシティが「0」以外の値に設定された各ノートNAのノートオンタイミングtAは個別音の発音開始タイミングとなるが、ベロシティが「0」に設定されたノートNAのノートオンタイミングtAは個別音の発音開始タイミングとならない。これらの点は、トラックBのノートNBについても同様である。
kを1以上の任意の整数としたとき、トラックAのノートNAkのノートオフタイミングは、次のノートNAk+1のノートオンタイミングtAk+1と一致してもよいし、そのタイミングtAk+1よりも前でもよい(図2は、この状態を示している)し、そのタイミングtAk+1よりも後でもよい。すなわち、ΔtAk=ΔTAkでもよいし、ΔtAk<ΔTAkでもよい(図2は、この状態を示している)し、ΔtAk>ΔTAkでもよい。このように、トラックAのノートNAkのノートオン期間ΔtAkは、トラックAの次以降の1つ以上のノートのノートオン期間と重複してもよいし、トラックAの次のノートNAk+1のノートオン期間ΔtAk1と重複せずに連続してもよいし、トラックAの次のノートNAk+1のノートオン期間ΔtAk+1と重複も連続もしなくてもよい。これらの点は、トラックBのノートNBについても同様である。
kを1以上の任意の整数としたとき、通常は、ベロシティが「0」以外の値に設定されたノートNAkのノートオン期間ΔtAkの全体に渡って、個別音が継続して発生されるが、そのノートNAkに設定された音色によっては、ノートNAkのノートオンタイミングtAkで発音を開始した個別音は、そのノートNAkのノートオフタイミングとなる前に消音する場合もある。また、kを1以上の任意の整数としたとき、通常は、ベロシティが「0」以外の値に設定されたノートNAkのノートオン期間ΔtAkの全体に渡って、そのノートNAkに設定されている音高が示す一定の音の高さが維持されるが、そのノートNAkに設定された音色やコンティニュアス・コントロールによっては、実際に発音される音の高さは変化する場合もある。これらの点は、トラックBのノートNBについても同様である。
図2に示す例では、生成される環境音は、トラックAに対応する1つの連鎖音とトラックBに対応する他の1つの連鎖音とが重畳されてなるものである。トラックAは、1番目の区間KA1、2番目の区間KA2、3番目の区間KA3・・・に区分されている。トラックBは、1番目の区間KB1、2番目の区間KB2、3番目の区間KB3・・・に区分されている。トラックAの区間KA1,KA2,KA3・・・とトラックBの区間KB1,KB2,KB3・・・とは、それぞれ長さが同一で互いに一致してもよい(図2は、この状態を示している)し、それぞれ一致していなくてもよい。各区間KA,KBの長さは、ノートNA,NBの数で定めてもよいし、時間で定めてもよい。各区間KA,KBの長さは、ノートNA,NBの1つ分以上の長さであればよく、例えば、1秒以下のオーダーから数時間以上のオーダーまでのいずれの長さにしてもよい。なお、トラックA,Bの一方又は両方は、複数の区間に区分しなくてもよい。例えば、トラックAを複数の区間に区分しない場合には、トラックAの区間KAに関する後述の設定が、トラックAの全体に渡るものとすればよい。
トラックAの各区間KAの長さは、互いに同一又はその他の一定のパターン(例えば、L1〜L3を互いに異なる長さとしたとき、L1〜L3を循環的に繰り返すパターンやL1とL2とを交互に繰り返すパターンなど)でもよいし、所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された長さに設定してもよい。トラックAの各区間KAの長さを所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された長さに設定する場合、例えば、L1〜L3を互いに異なる長さとしたとき、L1,L2,L3の集合からそれぞれ偶然性をもって選択された長さを、トラックAの各区間KAの長さに設定すればよい。このとき、L1〜L3の選択確率は、互いに同一の確率にしてもよいし、他の任意の確率にしてもよい。例えば、1から100までの自然数が同じ確率で現れるような擬似乱数を用い、現れた1から15までの数をL1に変換し、現れた16から50までの数をL2に変換し、現れた51から100までの数をL3に変換することで、L1,L2,L3の集合からL1を15%の確率で偶然性をもって選択し、L2を35%の確率で偶然性をもって選択し、L3を50%の確率で偶然性をもって選択することができる。また、例えば、L1〜L3の選択確率を、L1〜L3の選択確率の比率が2:3:4となるようにする場合には、1から9(=2+3+4)までの自然数が同じ確率で現れるような擬似乱数を用い、現れた1から2までの数をL1に変換し、現れた3から5までの数をL2に変換し、現れた6から9までの数をL3に変換すればよい。引き続く複数の区間KAの長さが、偶然に同じ長さとなることを許容してもよいし、引き続く所定数(2以上の数の任意の数)以上の区間KAの長さが同じ長さとならないという条件下で、各区間KAの長さがそれぞれ偶然性をもって選択されるようにしてもよい。これらの点は、トラックBについても同様である。
図2に示す例では、トラックの数が2つにされているが、トラックの数は1つのみでもよいし3つ以上でもよい。すなわち、本実施の形態による環境音生成装置1により生成される環境音は、1つのトラックに対応する1つの連鎖音のみからなるものでもよいし、3つ以上のトラックにそれぞれ対応する3つ以上の連鎖音が重畳されてなるものでもよい。
トラックAの区間KA1の各ノートNA1〜NAmのノートオンタイミングtA1〜tAm間の時間間隔ΔTA1〜ΔTAmは、等間隔(ΔTA1=ΔTA2=・・・=ΔTAm)又はその他の一定のパターン(例えば、ΔT1〜ΔT4を互いに異なる間隔としたとき、ΔT1〜ΔT4を循環的に繰り返すパターンやΔT1とΔT2とを交互に繰り返すパターンなど)でもよいし、所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された間隔に設定してもよい。各時間間隔ΔTA1〜ΔTAmを所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された間隔に設定する場合、例えば、ΔT1〜ΔT3を互いに異なる間隔としたとき、ΔT1,ΔT2,ΔT3の集合からそれぞれ偶然性をもって選択された間隔を、各時間間隔ΔTA1〜ΔTAmに設定すればよい。このとき、ΔT1〜ΔT3の選択確率は、互いに同一の確率にしてもよいし、他の任意の確率にしてもよい。なお、区間KA1の引き続く複数の時間間隔ΔTAが、偶然に同じ間隔となることを許容してもよいし、区間KA1の引き続く所定数(2以上の数の任意の数)以上の時間間隔ΔTAが同じ間隔とならないという条件下で、区間KA1の各時間間隔ΔTAがそれぞれ偶然性をもって選択されるようにしてもよい。これらの点は、トラックAの区間KA1以外の各区間KAやトラックBの各区間KBについても、同様である。
トラックAの区間KA1の各ノートNA1〜NAmのノートオン期間ΔtA1〜ΔtAmは、等時間(ΔtA1=ΔtA2=・・・=ΔtAm)又はその他の一定のパターン(例えば、Δt1〜Δt5を互いに異なる時間としたとき、Δt1〜Δt5を循環的に繰り返すパターンやΔt1とΔt2とを交互に繰り返すパターンなど)でもよいし、所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された時間に設定してもよい。各ノートオン期間ΔtA1〜ΔTAmを所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された時間に設定する場合、例えば、Δt1〜Δt3を互いに異なる時間としたとき、Δt1,Δt2,Δt3の集合からそれぞれ偶然性をもって選択された時間を、各ノートオン期間ΔtA1〜ΔtAmに設定すればよい。このとき、Δt1〜Δt3の選択確率は、互いに同一の確率にしてもよいし、他の任意の確率にしてもよい。なお、区間KA1の引き続く複数のノートオン期間ΔtAが、偶然に同じ時間となることを許容してもよいし、区間KA1の引き続く所定数(2以上の数の任意の数)以上のノートオン期間ΔtAが同じ時間とならないという条件下で、区間KA1の各ノートオン期間ΔtAの時間がそれぞれ偶然性をもって選択されるようにしてもよい。これらの点は、トラックAの区間KA1以外の各区間KAやトラックBの各区間KBについても、同様である。
トラックAの区間KA1の各ノートNA1〜NAmのベロシティは、全て「0」以外の値に設定してもよい。この場合は、区間KA1の全てのノートNA1〜NAmが、それぞれ有音となって個別音に相当し、区間KA1の全てのノートオンタイミングtA1〜tAmが、それぞれ個別音の発音開始タイミングとなる。また、トラックAの区間KA1の各ノートNA1〜NAmのベロシティは、「0」に設定するかそれとも「0」以外の値に設定するかを、それぞれ偶然性をもって定めてもよい。なお、区間KA1の引き続く複数のノートNAのベロシティが、偶然に同じく「0」になることを許容してもよいし、区間KA1の引き続く所定数(2以上の数の任意の数)以上のノートNAのベロシティが「0」にならないという条件下で、区間KA1の各ノートNAのベロシティを「0」に設定するかそれとも「0」以外の値に設定するかをそれぞれ偶然性をもって定めてもよい。これらの点は、トラックAの区間KA1以外の各区間KAやトラックBの各区間KBについても、同様である。
トラックAの区間KA1の各ノートNA1〜NAmのベロシティのうち「0」以外の値に設定するベロシティの値は、互いに同じ値又はその他の一定パターン(例えば、V1〜V4を「0」以外の互いに異なる値としたとき、V1〜V4を循環的に繰り返すパターンやV1とV2とを交互に繰り返すパターンなど)でもよいし、所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された「0」以外の値に設定してもよい。各ノートNA1〜NAmのベロシティのうち「0」以外の値に設定するベロシティの値を所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された「0」以外の値に設定する場合、例えば、V1〜V3を「0」以外の互いに異なる値としたとき、V1,V2,V3のからそれぞれ偶然性をもって選択された値を、各ノートのベロシティに設定すればよい。このとき、V1〜V3の選択確率は、互いに同一の確率にしてもよいし、他の任意の確率にしてもよい。なお、区間KA1の引き続く複数のノートのベロシティが、偶然に同じ値となることを許容してもよいし、区間KA1の引き続く所定数(2以上の数の任意の数)以上のノートの「0」以外の値のベロシティが同じ値とならないという条件下で、区間KA1の各ノートの「0」以外の値のベロシティがそれぞれ偶然性をもって選択されるようにしてもよい。これらの点は、トラックAの区間KA1以外の各区間KAやトラックBの各区間KBについても、同様である。
トラックAの区間KA1の各ノートNA1〜NAmの音高は、区間KA1に対して設定された複数種の音高(選択対象範囲の音高)のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された音高に設定してもよい。ただし、ノートNA1〜NAmのうちベロシティが「0」に設定されたノートは無音となるので、当該ノートについては音高を必ずしも設定する必要はないし、当該ノートの音高を任意の一定の音高に設定してもよい。前記複数種の音高は任意に定めることができ、その数や種類は特に限定されない。前記複数種の音高は、音名が互いに異なる2種以上の音高でもよく、例えば、C3,E3,G3でもよいし、C3,C4,C5,C6でもよい。また、前記複数種の音高は、音名が互いに異なる2種類以上の音高、及び、前記2種類以上の音高のうちの少なくとも1種の音高に対して音名が同じでオクターブが異なる1種以上の音高でもよく、例えば、C3,C4,C5,E3,E4,E5,G3,G4,G5でもよいし、C3,C4,C5,E3,E4,G3でもよい。前記複数種の音高のうちから各音高を選択する確率は、互いに同一の確率でもよいし、他の任意の確率にしてもよい。例えば、前記複数種の音高がC3,E3,G3である場合、1から100までの自然数が同じ確率で現れるような擬似乱数を用い、現れた1から10までの数をC3に変換し、現れた11から45までの数をE3に変換し、現れた46から100までの数をG3に変換することで、C3,E3,G3の集合からC3を10%の確率で偶然性をもって選択し、E3を35%の確率で偶然性をもって選択し、G3を55%の確率で偶然性をもって選択することができる。また、例えば、C3,E3,G3の選択確率を、C3,E3,G3の選択確率の比率が3:2:1となるようにする場合には、1から6(=3+2+1)までの自然数が同じ確率で現れるような擬似乱数を用い、現れた1から3までの数をC3に変換し、現れた4から5までの数をE3に変換し、現れた6をG3に変換すればよい。これらの点は、トラックAの区間KA1以外の各区間KAやトラックBの各区間KBについても、同様である。
前記複数種の音高が、音名が互いに異なる2種類以上の音高、及び、前記2種類以上の音高のうちの少なくとも1種の音高に対して音名が同じでオクターブが異なる1種以上の音高である場合、前記複数種の音高のうちから各音高を選択する確率は、前記複数種の音高を音名でグループ分けしたときに前記グループ毎の選択確率が同一となる確率であってもよい。この場合、音名が同一であればオクターブが異なっても同一の音高であると感覚的に捉えられる傾向があるにも拘わらず、選択される音高が一部の音高に偏っているような感覚が生ずるのを抑えることができる。例えば、前記複数種の音高がC3,C4,C5,E3,E4,E5,G3,G4,G5である場合、音名C,E,Gで、C3,C4,C5のグループとE3,E4,E5のグループとG3,G4,G5のグループとに分けたときに、C3,C4,C5のグループの選択確率(C3の選択確率、C4の選択確率及びC5の選択確率の和)とE3,E4,E5のグループの選択確率(E3の選択確率、E4の選択確率及びE5の選択確率の和)とG3,G4,G5のグループの選択確率(G3の選択確率、G4の選択確率及びG5の選択確率の和)とが同一であってもよい。このとき、同一グループ内の各音高の確率(例えば、C3の選択確率とC4の選択確率とC5の選択確率)は、互いに同一の確率でもよいし、他の任意の確率にしてもよい。また、例えば、前記複数種の音高がC3,C4,C5,E3,E4,G3である場合、音名C,E,Gで、C3,C4,C5のグループとE3,E4のグループとG3のグループとに分けたときに、C3,C4,C5のグループの選択確率(C3の選択確率、C4の選択確率及びC5の選択確率の和)とE3,E4のグループの選択確率(E3の選択確率及びE4の選択確率の和)とG3のグループの選択確率(G3の選択確率)とが同一であってもよい。なお、区間KA1においてベロシティが「0」以外の値に設定されている引き続く複数のノートNAの音高が、偶然に同じ音高となることを許容してもよいし、区間KA1においてベロシティが「0」以外の値に設定されている引き続く所定数(2以上の数の任意の数)のノートNAの音高が同じ音高とならないという条件下で、区間KA1の各ノートNAの音高がそれぞれ偶然性をもって選択されるようにしてもよい。これらの点は、トラックAの区間KA1以外の各区間KAやトラックBの各区間KBについても、同様である。
トラックAの区間KA1の各ノートNA1〜NAmの音色は、互いに同一又はその他の一定のパターン(例えば、Q1〜Q3を互いに異なる音色としたとき、Q1〜Q3を循環的に繰り返すパターンやQ1とQ2とを交互に繰り返すパターンなど)でもよいし、複数種の音色のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された音色に設定してもよい。後者の場合、前記複数種の音色のうちの各音色の選択確率は、互いに同一の確率にしてもよいし、他の任意の確率にしてもよい。これらの点は、トラックAの区間KA1以外の各区間KAやトラックBの各区間KBについても、同様である。
トラックAの区間KA1の各ノートNA1〜NAmに、エフェクトを付与してもよいし、付与しなくてもよい。トラックAの区間KA1の各ノートNA1〜NAmにエフェクトを付与する場合、各ノートNA1〜NAmのエフェクトの種類は、互いに同一又はその他の一定のパターン(例えば、U1〜U3を互いに異なるエフェクトとしたとき、U1〜U3を循環的に繰り返すパターンやU1とU2とを交互に繰り返すパターンなど)でもよいし、複数種のエフェクトのうちからそれぞれ偶然性をもって選択されたエフェクトに設定してもよい。後者の場合、前記複数種のエフェクトのうちの各エフェクトの選択確率は、互いに同一の確率にしてもよいし、他の任意の確率にしてもよい。また、トラックAの区間KA1の各ノートNA1〜NAmにエフェクトを付与する場合、各ノートNA1〜NAmのエフェクトの程度は、互いに同一又はその他の一定のパターン(例えば、W1〜W3を互いに異なる程度としたとき、W1〜W3を循環的に繰り返すパターンやW1とW2とを交互に繰り返すパターンなど)でもよいし、所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された程度に設定してもよい。これらの点は、トラックAの区間KA1以外の各区間KAやトラックBの各区間KBについても、同様である。
トラックAの区間KA1の各ノートNA1〜NAmに、コンティニュアス・コントロールを付与してもよいし、付与しなくてもよい。コンティニュアス・コントロールは、1音単位に付与してもよいし、複数音単位にその複数音全体に渡って徐々に変化するように付与してもよい。コンティニュアス・コントロールとしては、例えば、expression(エクスプレッション)、Pitch bend(ピッチベンド)、Modulation depth(モジュレーションデプス)、Modulation Speed(モジュレーションスピード)、Panpot(パンポット)、Filter(フィルター)など)を変化させたい場合に、音高・ベロシティ・音色等を連続的に変化するようにするものである。これらの点は、トラックAの区間KA1以外の各区間KAやトラックBの各区間KBについても、同様である。
図3は、本実施の形態による環境音生成装置1の動作の一例を示す概略ブロック図である。
本実施の形態による環境音生成装置1が動作を開始すると、CPU11は、まず、操作部18から、前記環境音を生成するための基礎となる基礎情報を入力する旨の指令(基礎情報入力指令)を受けたか否かを、判定する(ステップS1)。基礎情報入力指令を受けたと判定すると、ステップS2へ移行する。一方、基礎情報入力指令を受けていないと判定すると、ステップS3へ移行する。
ステップS2において、CPU11は、前記基礎情報の入力処理を行う。すなわち、CPU11は、前記基礎情報の入力を使用者に促す案内を表示部19に逐次表示させるとともに、その案内に従って使用者の操作に応じて操作部18から入力された基礎情報を、ファイルとして、記憶装置15に記憶させる。ここで、1種類の環境音を生成するための個々の情報の全体を、1つの基礎情報とする。本実施の形態では、1つの基礎情報毎に1つのファイルが作成される。
具体的には、前記基礎情報は、例えば、(i)トラックの数、(ii)各トラックにおける区間を決定するための情報、(iii)各トラックの各区間の各ノートオンタイミングを決定するための情報、(iv)各トラックの各区間の各ノートのノートオン期間を決定するための情報、(v)各トラックの各区間の各ノートのベロシティを「0」に設定するか否か(すなわち、当該ノートを無音にするか有音にするか)を決定するための情報、(vi)各トラックの各区間の各ノートのベロシティのうち「0」以外の値に設定するベロシティの値を決定するための情報、(vii)各トラックの各区間の各ノートの音高を決定するための情報、(viii)各トラックの各区間の各ノートの音色を決定するための情報、(ix)各トラックの各区間の各ノートのエフェクトを決定するための情報、及び、(x)各トラックの各区間のコンティニュアス・コントロールを決定するための情報を含む。
前記情報(i)のトラックの数は、1でもよいし、2以上でもよい。
前記情報(ii)は、各トラック毎の情報であって、例えば、当該トラックを複数の区間に区分するか否かを示す情報、当該トラックを複数の区間に区分する場合において各区間の長さ(その長さは、ノートの数でもよいし、時間でもよい。)を他のトラックの各区間の長さとそれぞれ一致させるかそれとも他のトラックの区間と無関係に設定するかを示す情報、当該トラックを複数の区間に区分しかつ当該トラックの各区間の長さを他のトラックの区間と無関係に設定する場合において、各区間の長さを一定のパターンにするかそれとも所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された長さとするかを示す情報、当該トラックの各区間の長さを一定のパターンにする場合におけるそのパターンを特定する情報(各区間の長さを互いに同一にする旨又は複数の異なる長さを循環的な繰り返す旨などと、それらの長さの指定)、当該トラックの各区間の長さを所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された長さとする場合におけるその所定範囲を構成する複数の長さとそれらの各選択確率(選択確率の比などでもよい。)を示す情報(この情報には、必要に応じて、引き続く所定数(2以上の数の任意の数)以上の区間の長さが同じ長さとならないという条件を課すか否かを示す情報を付帯させてもよい。)などを含む。
前記情報(iii)は、各トラック毎かつ各区間毎の情報(ただし、当該トラックを複数の区間に区分しない場合には、各区間毎の情報ではなく当該トラックの全体に渡る情報。以下、同様。)であって、例えば、当該トラックの当該区間の各ノートのノートオンタイミング間の時間間隔を一定のパターンにするかそれとも所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された間隔とするかを示す情報、当該トラックの当該区間の各ノートのノートオンタイミング間の時間間隔を一定のパターンにする場合におけるそのパターンを特定する情報(各ノートのノートオンタイミング間の時間間隔を等間隔にする旨又は複数の異なる間隔を循環的に繰り返す旨などと、それらの間隔の指定)、当該トラックの当該区間の各ノートのノートオンタイミング間の時間間隔を所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された間隔とする場合におけるその所定範囲を構成する複数の間隔とそれらの各選択確率(選択確率の比などでもよい。)を示す情報(この情報には、必要に応じて、当該トラックの当該区間の引き続く所定数(2以上の数の任意の数)以上の時間間隔が同じ間隔とならないという条件を課すか否かを示す情報を付帯させてもよい。)などを含む。
前記情報(iv)は、各トラック毎かつ各区間毎の情報であって、例えば、当該トラックの当該区間の各ノートのノートオン期間を一定のパターンにするかそれとも所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された時間とするかを示す情報、当該トラックの当該区間の各ノートのノートオン期間を一定のパターンにする場合におけるそのパターンを特定する情報(各ノートのノートオン期間を等時間にする旨又は複数の異なる時間を循環的に繰り返す旨などと、それらの時間の指定)、当該トラックの当該区間の各ノートのノートオン期間を所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された時間とする場合におけるその所定範囲を構成する複数の時間とそれらの各選択確率(選択確率の比などでもよい。)を示す情報(この情報には、必要に応じて、当該トラックの当該区間の引き続く所定数(2以上の数の任意の数)以上のノートオン期間が同じ時間とならないという条件を課すか否かを示す情報を付帯させてもよい。)などを含む。
前記情報(v)は、各トラック毎かつ各区間毎の情報であって、例えば、当該トラックの当該区間の全てのノートのベロシティを「0」以外の値に設定するか、それとも、当該トラックの当該区間の各ノートのベロシティを「0」に設定するかそれとも「0」以外の値に設定するかをそれぞれ偶然性をもって定めるかを示す情報、当該トラックの当該区間の各ノートのベロシティを「0」に設定するかそれとも「0」以外の値に設定するかをそれぞれ偶然性をもって定める場合における「0」の選択確率(その代わりに、「0」以外の値の選択確率でもよい。)を示す情報(この情報には、必要に応じて、当該トラックの当該区間の引き続く所定数(2以上の数の任意の数)以上のノートのベロシティが「0」にならないという条件を課すか否かを示す情報を付帯させてもよい。)などを含む。
前記情報(vi)は、各トラック毎かつ各区間毎の情報であって、例えば、当該トラックの当該区間の各ノートのベロシティのうち「0」以外の値に設定するベロシティの値を一定のパターンにするかそれとも所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された「0」以外の値とするかを示す情報、当該トラックの当該区間の各ノートのベロシティのうち「0」以外の値に設定するベロシティの値を一定のパターンにする場合におけるそのパターンを特定する情報(各ノートのベロシティの値を互いに同じ値にする旨又は複数の異なる値を循環的に繰り返す旨などと、それらの値の指定)、当該トラックの当該区間の各ノートのベロシティのうち「0」以外の値に設定するベロシティの値を所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された「0」以外の値とする場合におけるその所定範囲を構成する複数の値とそれらの各選択確率(選択確率の比などでもよい。)を示す情報(この情報には、必要に応じて、当該トラックの当該区間の引き続く所定数(2以上の数の任意の数)以上のノートの「0」以外の値のベロシティが同じ値とならないという条件を課すか否かを示す情報を付帯させてもよい。)などを含む。
前記情報(vii)は、各トラック毎かつ各区間毎の情報であって、例えば、当該トラックの当該区間の各ノートの音高を一定のパターンにするかそれとも所定範囲内で(すなわち、選択対象範囲となる複数種の音高から)それぞれ偶然性をもって選択された音高とするかを示す情報、当該トラックの当該区間の各ノートの音高を一定のパターンにする場合におけるそのパターンを特定する情報(各ノートの音高を2種以上の音高を含む複数の音高を循環的に繰り返す旨などと、それらの音高の指定)、当該トラックの当該区間の各ノートの音高を所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された音高とする場合におけるその所定範囲を構成する複数種の音高とそれらの各選択確率(選択確率の比などでもよい。)を示す情報(この情報には、必要に応じて、当該トラックの当該区間においてベロシティが「0」以外の値に設定されている引き続く所定数(2以上の数の任意の数)のノートNAの音高が同じ音高とならないという条件を課すか否かを示す情報を付帯させてもよい。)などを含む。なお、前記複数種の音高の設定内容や前記選択確率の設定内容については、既に説明した例に限らず任意に定めることができる。
前記情報(viii)は、各トラック毎かつ各区間毎の情報であって、例えば、当該トラックの当該区間の各ノートの音色を一定のパターンにするかそれとも所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された音色とするかを示す情報、当該トラックの当該区間の各ノートの音色を一定のパターンにする場合におけるそのパターンを特定する情報(各ノートの音色を同一にする旨又は複数の異なる音色を循環的に繰り返す旨などと、それらの音色の指定)、当該トラックの当該区間の各ノートの音色を所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された音色とする場合におけるその所定範囲を構成する複数の音色とそれらの各選択確率(選択確率の比などでもよい。)を示す情報などを含む。
前記情報(ix)は、各トラック毎かつ各区間毎の情報であって、例えば、当該トラックの当該区間の全てのノートにエフェクトを付与するか否かを示す情報、当該トラックの当該区間の各ノートにエフェクトを付与する場合において当該トラックの当該区間の各ノートのエフェクトの種類を一定のパターンにするかそれとも所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された種類とするかを示す情報、当該トラックの当該区間の各ノートのエフェクトの種類を一定のパターンにする場合におけるそのパターンを特定する情報(各ノートのエフェクトの種類を同一にする旨又は異なる種類のエフェクトを循環的に繰り返す旨などと、それらの種類の指定)、当該トラックの当該区間の各ノートのエフェクトの種類を所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された種類とする場合におけるその所定範囲を構成する複数種のエフェクトとそれらの各選択確率(選択確率の比などでもよい。)を示す情報、当該トラックの当該区間の各ノートにエフェクトを付与する場合において当該トラックの当該区間の各ノートのエフェクトの程度を一定のパターンにするかそれとも所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された程度とするかを示す情報、当該トラックの当該区間の各ノートのエフェクトの程度を一定のパターンにする場合におけるそのパターンを特定する情報(各ノートのエフェクトの程度を同一にする旨又は異なる程度のエフェクトを循環的に繰り返す旨などと、それらの程度の指定)、当該トラックの当該区間の各ノートのエフェクトの程度を所定範囲内でそれぞれ偶然性をもって選択された程度とする場合におけるその所定範囲を構成する複数の程度とそれらの各選択確率(選択確率の比などでもよい。)を示す情報などを含む。
前記情報(x)は、各トラック毎かつ各区間毎の情報であって、例えば、当該トラックの当該区間の全てのノートにコンティニュアス・コントロールを付与するか否かを示す情報、当該トラックの当該区間の各ノートにコンティニュアス・コントロールを付与する場合において何音単位でコンティニュアス・コントロールを付与するかを示す情報、当該コンティニュアス・コントロールの種類を示す情報などを含む。
図3中のステップS2の処理(1つの基礎情報の入力処理)が終了すると、ステップS3へ移行する。なお、既存の基礎情報がある場合には、ステップS2において、既存の基礎情報の内容を表示部19に表示させるなどして、既存の基礎情報の編集し、その一部を適宜修正することで、別の基礎情報を入力することができるようにしてもよい。
ステップS3において、CPU11は、操作部18から、記憶装置15に記憶されている基礎情報のうちの1つの基礎情報を選択して当該基礎情報に従った環境音を生成させる旨の指令(環境音発音指令)を受けたか否かを、判定する。環境音発音指令を受けたと判定すると、ステップS4へ移行する。一方、環境音発音指令を受けていないと判定すると、ステップS7へ移行する。
ステップS4において、CPU11は、ステップS3で選択された基礎情報に従って、環境音の発生/発音処理を行う。図4は、図3中のステップS4の動作を示す概略フローチャートである。
CPU11は、ステップS4の環境音の発生/発音処理を開始すると、まず、ステップS3で選択された基礎情報に従って、各トラック毎に、所定数のノートについて、ノートオンタイミングを決定する(ステップS21)。
次いで、CPU11は、ステップS21でノートオンタイミングを決定した各ノートについて、ステップS3で選択された基礎情報に従って、ノートオフタイミングを決定する(ステップS22)。
引き続いて、CPU11は、ステップS21でノートオンタイミングを決定した各ノートについて、ステップS3で選択された基礎情報に従って、音高、ベロシティ(有音/無音=「0」でないか「0」であるか、を含む。)、音色、エフェクト、更には場合によってはコンティニュアス・コントロールを決定する(ステップS23)。
なお、ステップS21〜S23において、ステップS3で選択された基礎情報に従って偶然性をもって選択対象を選択する場合には、CPU11は、例えば、前述したような擬似乱数を用いた演算を行えばよい。
本実施の形態では、ステップS21〜S23が、環境音の各個別音の属性の内容を設定する属性設定手段に相当している。
ステップS23の後、CPU11は、ステップS21で決定した所定数のノートのノートオンタイミングと、ステップS22で決定した前記所定数のノートのノートオフタイミングと、ステップS23で決定した前記所定数のノートの音高、ベロシティ、音色、エフェクト、コンティニュアス・コントロールとに基づいて、それらを反映したMIDIデータを生成し、そのMIDIデータをRAM14のバッファ領域に記憶させる(ステップS24)。
引き続いて、CPU11は、ステップS24でRAM14のバッファ領域に記憶されたMIDIデータを逐次演奏処理する(ステップS25)。このとき、CPU11は、MIDIデータに従って音源回路20及び効果回路21を制御し、MIDIデータが示すデジタル形式の楽音信号をサウンドシステム22に供給する。サウンドシステム22は、その楽音信号をアナログ形式に変換した後、ステップS3で選択された基礎情報に従って生成された環境音を、発音(放音)する。
ステップS25の後、ステップS4を終了して、図3中のステップS5へ移行する。
ステップS5において、CPU11は、操作部18から、環境音の発音を終了する旨の指令を受けた否かを判定する。環境音の発音を終了する旨の指令を受けていないと判定すると、ステップS4へ戻る(すなわち、ステップS21へ戻る)。一方、環境音の発音を終了する旨の指令を受けたと判定すると、ステップS6へ移行する。
なお、図面表記の便宜上、図4中のステップS25は常にステップS24の後に行われるかのように示しているが、実際には、MIDIデータの演奏処理は、1回目のステップS24のMIDIデータの生成処理の後、ステップS5,S21〜S24の処理中に適時に順次割り込み処理として行われ、MIDIデータの演奏が途切れないようになっている。また、ステップS24でRAMのバッファ領域に記憶されていくMIDIデータのデータ量は、演奏処理されていくMIDIデータのデータ量と同じかそれよりも大きく設定されることで、MIDIデータの演奏が途切れないようになっている。
図3中のステップS6において、CPU11は、操作部18から、装置全体の動作を終了する旨の指令を受けたか否かを判定する。装置全体の動作を終了する旨の指令を受けていないと判定すると、ステップS1へ戻る。一方、装置全体の動作を終了する旨の指令を受けたと判定すると、装置全体の動作を終了する。
図3中のステップS7において、CPU11は、操作部18から、記憶装置15に記憶されている基礎情報のうちの1つの基礎情報を選択して当該基礎情報に従った環境音を記録媒体17に記録させる旨の指令(環境音記録指令)を受けたか否かを、判定する。環境音記録指令を受けたと判定すると、ステップS8へ移行する。一方、環境音記録指令を受けていないと判定すると、ステップS6へ移行する。
ステップS8において、CPU11は、ステップS7で選択された基礎情報に従って、環境音の発生/記録処理を行う。このステップS8の環境音の発生/記録処理は、ステップS4の環境音の発生/発音処理(すなわち、ステップS21〜S25)を次のように変更したものである。
このステップS8においても、ステップS7で選択された基礎情報に従って、ステップS21〜S24と同様の処理を行う。そして、ステップS8では、CPU11は、ステップS24の後に、ステップS25の代わりに、読出/書込装置16を制御して、ステップS24でRAM14のバッファ領域に記憶されたMIDIデータを、記録媒体17に書き込む処理を行い、その後、ステップS8の処理を終了し、図3中のステップS9へ移行する。このように、本実施の形態では、環境音を示す環境音信号として、MIDIデータを記録媒体17に記録する。もっとも、CPU11は、ステップS24の後に、ステップS25のMIDIデータの演奏処理(この処理は割り込み処理である必要はない。)を行い、効果回路21から得られるデジタル形式の楽音信号(MP3形式やCD形式などのデジタル信号)を、環境音を示す環境音信号として記録媒体17に記録してもよい。
環境音としてMIDIデータを記録した記録媒体17は、パーソナルコンピュータや各種電子楽器等を用いてそのMIDIデータを演奏して、MIDIデータが示す環境音を放音することができる。環境音としてデジタル形式の楽音信号を記録した記録媒体17は、パーソナルコンピュータや対応する音楽プレーヤ等を用いてその楽音信号を再生して、楽音信号が示す環境音を放音することができる。
ステップS8の後に、CPU11は、ステップS8で記録媒体17に記録されたデータ又は信号の記録量が所定記録量に達したか否かを判定する(ステップS9)。所定記録量に達していないと判定すると、ステップS8へ戻る。一方、所定記録量に達したと判定すると、ステップS6へ移行する。
本実施の形態によれば、使用者は、ステップS2で前述したような種々の基礎情報を入力することができ、それらの基礎情報に従って生成した環境音信号が示す環境音を、ステップS4で発音(放音)させることができる。このようにして放音された環境音は、基礎情報の生成に際して試聴用として用いることができるのみならず、例えば、サウンドシステム22又はこれに接続したアンプやスピーカ等の他のサウンドシステムを、音環境を形成すべき任意の場所(例えば、病院の待合室・診察室、オフィス、図書館、喫茶店など)に配置することで、そこに前記環境音を放音することによって音環境を形成することができる。
本実施の形態によれば、各個別音の少なくとも1つの属性が偶然性をもって設定されるので、音楽から遠ざかった個別音の列からなる環境音を生成することができる。したがって、本実施の形態によれば、BGMやゆらぎを加えて自然音を再生した再生音に比べて、より多くの人に対して好き嫌いや快不快を生じさせることなく、聴取者自身にとって不要な他者の会話や騒音等をマスキングして静粛を演出したり、緊張を和らげて精神的な穏やかさをもたらしたりすることができる環境音を生成することができる。また、各個別音の少なくとも1つの属性が偶然性をもって選択された内容に設定されるので、生成された環境音は注意を引き難いものとなることから、聴取者自身にとって着目すべき音情報が環境音と同時に又は相前後して発せられたときにその音情報が環境音から際立ち、その音情報が聴取し易くなる。
また、本実施の形態によれば、少なくとも1つのトラックの音高を複数種の音高のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された音高に設定すると、個別音の属性のうち特に着目される属性である音高に偶然性が付与されるので、より一層多くの人に対して好き嫌いや快不快を生じさせることなく、聴取者自身にとって不要な他者の会話や騒音等をマスキングして静粛を演出したり、緊張を和らげて精神的な穏やかさをもたらしたりすることができる環境音を生成することができる。
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態による環境音生成装置61を用いた環境音生成システム201を示す概略ブロックである。
この環境音生成システム201は、基礎情報設定装置31と、基礎情報提供装置41と、環境音を放音して音環境を形成すべき場所(病院、図書館、喫茶店等)にそれぞれ設置された各環境音生成装置61と、各場所に設けられた館内放送システム91又はサウンドシステム92とを備えている。基礎情報設定装置31、基礎情報提供装置41及び各環境音生成装置61は、インターネット等のネットワーク100に接続されている。
基礎情報設定装置31は、基本的に、前記第1の実施の形態による環境音生成装置1と同様に構成されているので、その重複する説明は省略する。基礎情報設定装置31が環境音生成装置1と異なる所は、前述したようにして生成した各種の基礎情報を、ネットワーク100を経由して基礎情報提供装置41に供給する機能を有している点である。
基礎情報提供装置41は、基礎情報提供装置41から供給された各種の基礎情報を保持し、各環境音生成装置61からの送信要求に応答して、保持している基礎情報のうちの所定の基礎情報を当該環境音生成装置61に提供するものである。
図6は、図5中の基礎情報提供装置41を示す概略ブロック図である。基礎情報提供装置41は、サーバとして構成され、CPU51と、タイマ52と、ROM53と、RAM54と、ハードディスク等の記憶装置55と、キーボード及びマウス等の操作部56と、液晶パネル等の表示部57と、ネットワーク100に接続するための通信インターフェース58と、これらを相互に接続するバス59とを備えている。タイマ52は、CPU51に接続されており、基本クロック信号、割り込み処理タイミング、現在時刻等をCPU51に供給する。
記憶装置55には、各種プログラムが予めインストールされており、前記プログラム等を読み込んで実行することによって、前記CPU51等により以下に説明する機能等が実現されるようになっている。また、記憶装置55には、基礎情報設定装置31から供給された各種の基礎情報の他、各環境音生成装置61に対して付与されている識別情報に応じて、当該環境音生成装置61の契約状況や認証パスワード等の管理情報が記憶されている。
図7は、図5中の基礎情報提供装置41の基礎情報提供動作の一例を示す概略フローチャートである。
基礎情報提供装置41が基礎情報提供動作を開始すると、CPU51は、まず、環境音生成装置61から、ネットワーク100を経由して、基礎情報要求(基礎情報の提供を受けることの要求)を受けたか否かを、判定する(ステップS31)。この基礎情報要求には、当該環境音生成装置61に付与されている識別情報及びパスワードが付帯されている。CPU51は、基礎情報要求を受けていない場合は、基礎情報提供を受けるまで待つ。CPU51は、基礎情報要求を受けると、ステップS32へ移行する。
ステップS32において、CPU51は、基礎情報要求に付帯された識別情報及びパスワードを、当該識別情報に対応して記憶装置55に記憶されている管理情報と照合して、当該環境音生成装置61に対する基礎情報の送信(提供)を許可するか否かを、判定する。許可しないと判定すると、ステップS31へ戻る。一方、許可すると判定すると、ステップS33へ移行する。
ステップS33において、CPU51は、通信インターフェース58を制御し、ネットワーク100を経由して、当該環境音生成装置61に対して、記憶装置55に記憶されている基礎情報のうちから、当該識別情報に対応して記憶装置55に記憶されている管理情報に応じて選択した基礎情報を、その有効期限を示す有効期限情報と一緒に、送信(提供)する。
図8は、図5中の環境音生成装置61を示す概略ブロック図である。本実施の形態による環境音生成装置61は、コンピュータを用いて構成されているが、専用の環境音生成装置として構成されている。
本実施の形態による環境音生成装置61は、CPU71と、タイマ72と、ROM73と、RAM74と、ハードディスク等の記憶装置75と、DVDドライブなどの読出/書込装置(記録媒体77に対する情報の読み出し及び書き込みを行う装置)76と、操作スイッチ等の操作部78と、液晶パネル等の表示部79と、音源回路80と、効果回路81と、D/A変換器82と、ネットワーク100に接続するための通信インターフェース83と、これらを相互に接続するバス84とを備えている。タイマ72は、CPU71に接続されており、基本クロック信号、割り込み処理タイミング、現在時刻等をCPU71に供給する。
記憶装置75には、環境音生成プログラムの他、各種プログラムが予めインストールされており、前記環境音生成プログラム等を読み込んで実行することによって、前記CPU71等により以下に説明する機能等が実現されるようになっている。また、記憶装置75には、当該環境音生成装置61に付与されている識別情報及びパスワードが記憶されている。
音源回路80は、CPU71の制御下で、RAM74のバッファ領域に逐次生成されるMIDIデータに応じて楽音信号を生成し、効果回路81を介して、D/A変換器82に供給する。効果回路81は、CPU71の制御下で、音源回路80から供給される楽音信号に対して、各種音響的効果(エフェクト)を付与する。なお、音源回路80及び効果回路81を設けずに、それらの機能を、いわゆるソフト音源やソフトエフェクトとして、記憶装置75等に記憶させたソフトウエアによるCPU71の動作により実現してもよい。D/A変換器82は、供給されるデジタル形式の楽音信号をアナログ形式に変換し、このアナログ信号を、環境音を示す環境音信号として、館内放送システム91又はサウンドシステム92に供給する。
館内放送システム91は、アンプ、ミキサ、切替器及びスピーカ等を有し、D/A変換器82から供給されるアナログの環境音信号をアンプで増幅して切替器で所定箇所のスピーカに供給し、そのスピーカから環境音を放音させる。ミキサは、操作に応じて又は自動的に必要時に、マイクロホンからの音声や時報等のチャイムと環境音とを混合する。環境音と音声等との混合時には、環境音が音声等と混合していない時に比べて、環境音の音量が小さくなるように設定してもよいし、必ずしも環境音の音量を変えなくてもよい。。このような混合を行うことなく、操作に応じて必要時に、切替器によって、環境音からマイクロホンからの音声等へ切り替えることで、音声等を放送する時に環境音が聞こえないようにしてもよい。
サウンドシステム92は、アンプとスピーカを含み、D/A変換器82から供給されるアナログの環境音信号をアンプで増幅してスピーカに供給し、そのスピーカから環境音を放音させる。
図9は、本実施の形態による環境音生成装置61の動作の一例を示す概略ブロック図である。
本実施の形態による環境音生成装置61は電源スイッチ(図示せず)がオンされると動作を開始し、CPU71は、まず、通信インターフェース83を制御し、ネットワーク100を経由して、基礎情報要求を、記憶装置75に記憶されている自己の識別情報及びパスワードと一緒に、基礎情報提供装置41に送出する(ステップS41)。
次に、CPU71は、基礎情報提供装置41から、ネットワーク100を経由して、基礎情報を受けたか否かを、判定する(ステップS42)。この基礎情報にはその有効期限を示す有効期限情報が付帯されている。基礎情報を受けていない場合は、CPU71は、所定のタイムアウト時間が経過した否か判定する(ステップS43)。所定のタイムアウト時間が経過していないと判定すると、ステップS42へ戻る。所定のタイムアウト時間が経過したと判定すると、環境音生成装置61は動作を終了する。基礎情報提供装置41から基礎情報を受けると、CPU71は、その基礎情報を記憶装置75に記憶させる。
ステップS42で基礎情報を受けたと判定すると、CPU71は、基礎情報提供装置41から受けた基礎情報に従って、環境音の発生/発音処理を行う(ステップS44)。ステップS44の処理は、前述した図3中のステップS4の環境音の発生/発音処理(すなわち、図4中のステップS21〜S25)と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS44の後に、CPU71は、現在が、基礎情報提供装置41から基礎情報と一緒に受けた有効期限情報が示す有効期限内であるか否かを、判定する(ステップS45)。有効期限内であればステップS46へ移行する一方で、有効期限内でなければステップS47へ移行する。
ステップS46において、CPU71は、操作部78から、環境音の発音を終了させる旨の終了指令を受けたか否かを判定する。終了指令を受けていないと判定すると、ステップS44へ戻る。一方、終了指令を受けたと判定すると、ステップS47へ移行する。
ステップS47において、CPU71は、基礎情報提供装置41から受けた基礎情報を消去する。その後、環境音生成装置61は動作を終了する。
本実施の形態による環境音生成装置61によれば、前記第1の実施の形態による環境音生成装置1と同様の環境音を放音することでき、環境音生成装置1と同様の利点が得られる。
基礎情報が異なれば、それに従って得られる環境音の印象や表情も異なる。したがって、前記環境音生成システム201によれば、種々の基礎情報(ひいては、種々の環境音)を、形成すべき音環境の場所のニーズに応じて提供することができる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、前記環境音生成システム201において、基礎情報提供装置41が2つ以上の基礎情報を1つの病院の環境音生成装置61に提供し、その病院の待合室に1つの基礎情報による環境音を放音すると同時に、その病院の診察室に他の1つの基礎情報による環境音を放音することできるようにしてもよい。
また、基礎情報提供装置41から、基礎情報と一緒に、その基礎情報による環境音の生成に必要なソフト音源やソフトエフェクトを、環境音生成装置61に提供するようにしてもよい。
さらに、前記環境音生成装置61において、記録媒体77として、前記環境音生成装置1で環境音信号が記録された記録媒体17を用い、その環境音信号を読出/書込装置76で読み出して、その環境音信号が示す環境音が、館内放送システム91又はサウンドシステム92により放音されるようにしてもよい。
また、コンピュータを、前記各実施の形態による環境音生成装置として機能させるための環境音生成プログラムも、本発明に含まれる。
1,61 環境音生成装置
31,基礎情報設定装置
41 基礎情報提供装置
100 ネットワーク

Claims (10)

  1. 放音されることにより音環境を形成する環境音であって、各個別音がその属性の1つである発音開始タイミングを順次ずらしながら連なって構成される複数の連鎖音が重畳されてなる環境音を示す環境音信号を生成する環境音生成装置であって、
    前記複数の連鎖音のうちの少なくとも1つの連鎖音について、前記各個別音の少なくとも1つの属性を、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の区間毎に設定された選択対象範囲内の内容のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された内容に設定する属性設定手段を、備え、
    前記属性設定手段は、前記複数の連鎖音のうちの前記少なくとも1つの連鎖音について、前記連鎖音の全体に渡る又は前記連鎖音の少なくとも1つの区間おける、前記発音開始タイミング間の各時間間隔を、それぞれ個別に所定範囲内で偶然性をもって選択された間隔に設定する、
    ことを特徴とする環境音生成装置。
  2. 前記属性設定手段は、前記複数の連鎖音のうちの前記少なくとも1つの連鎖音について、前記連鎖音の全体に渡る又は前記連鎖音の前記少なくとも1つの区間おける、前記発音開始タイミング間の各時間間隔を、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の前記少なくとも1つの区間おいて引き続く2以上の所定数の時間間隔が同じ間隔にならないという条件下で、それぞれ個別に所定範囲内で偶然性をもって選択された間隔に設定する、
    ことを特徴とする請求項1記載の環境音生成装置。
  3. 前記複数の連鎖音のうちの前記少なくとも1つの連鎖音について、前記少なくとも1つの属性は音高を含み、
    前記属性設定手段は、前記複数の連鎖音のうちの前記少なくとも1つの連鎖音について、前記各個別音の音高を、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の区間毎に設定された複数種の音高のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された音高に設定し、
    前記複数種の音高は、音名が互いに異なる2種以上の音高と、前記2種以上の音高のうちの少なくとも1種の音高に対して音名が同じでオクターブが異なる1種以上の音高と、を含み、
    前記属性設定手段が前記複数種の音高のうちから各音高を選択する確率は、前記複数種の音高を音名でグループ分けしたときに前記グループ毎の選択確率が同一となる確率である、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の環境音生成装置。
  4. 前記複数の連鎖音のうちの少なくとも1つの連鎖音について、前記連鎖音の1つ以上の区間の長さを、それぞれ個別に所定範囲内で偶然性をもって選択された長さに設定する手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境音生成装置。
  5. 前記設定する手段は、前記複数の連鎖音のうちの前記少なくとも1つの連鎖音について、引き続く2以上の所定数の区間の長さが同じ長さとならないという条件下で、前記連鎖音の前記1つ以上の区間の長さを、それぞれ個別に所定範囲内で偶然性をもって選択された長さに設定することを特徴とする請求項4記載の環境音生成装置。
  6. 前記複数の連鎖音のうちの前記少なくとも1つの連鎖音について、前記少なくとも1つの属性は、ベロシティ、音色及びエフェクトのうちの1つ以上を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の環境音生成装置。
  7. 前記環境音信号を生成するための基礎となる基礎情報であって、前記選択対象範囲内の内容を示す情報を含む基礎情報を、外部から受け取る取得手段を備え、
    前記取得手段が受け取った前記基礎情報に基づいて前記環境音信号を生成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の環境音生成装置。
  8. 前記基礎情報は、前記選択対象範囲内の内容の選択確率を含むことを特徴とする請求項7記載の環境音生成装置。
  9. コンピュータを、請求項1乃至8のいずれかに記載の環境音生成装置として機能させるための環境音生成プログラム。
  10. 各個別音がその属性の1つである発音開始タイミングを順次ずらしながら連なって構成される複数の連鎖音が重畳されてなる環境音を放音することによって、音環境を形成する音環境形成方法であって、
    前記複数の連鎖音のうちの少なくとも1つの連鎖音について、前記各個別音の少なくとも1つの属性が、前記連鎖音の全体に渡って又は前記連鎖音の区間毎に設定された選択対象範囲内の内容のうちからそれぞれ偶然性をもって選択された内容に設定され、
    前記複数の連鎖音のうちの前記少なくとも1つの連鎖音について、前記連鎖音の全体に渡る又は前記連鎖音の少なくとも1つの区間おける、前記発音開始タイミング間の各時間間隔は、それぞれ個別に所定範囲内で偶然性をもって選択された間隔に設定される、
    ことを特徴とする音環境形成方法。
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