JP6333047B2 - ポリスチレン系樹脂積層発泡体 - Google Patents
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Description
(1)ポリスチレン系樹脂発泡体の表面に模様を直接印刷したもの(特許文献1)。
(2)ポリスチレン系樹脂発泡体の表面に、模様が印刷されたフィルムをラミネートしたもの(特許文献2)。
(3)共押出法により、ポリスチレン系樹脂発泡体Aの表面に着色されたポリスチレン系樹脂発泡層Bを筋状又は帯状に積層したもの(特許文献3)。
<1>共押出ダイ内でポリスチレン系樹脂発泡層形成用溶融樹脂に着色ポリスチレン系樹脂層形成用溶融樹脂が間隔を隔て筋状又は帯状に合流積層され、隣り合う着色ポリスチレン系樹脂層形成用溶融樹脂の端部どうしが接することによって、ポリスチレン系樹脂発泡層の少なくとも片面に、着色剤を含む着色ポリスチレン系樹脂層が共押出により積層された、見掛け密度0.03〜0.3g/cm3 、厚み0.5〜10mmのポリスチレン系樹脂積層発泡体であって、前記着色ポリスチレン系樹脂層の坪量が3〜50g/m2であり、
前記着色ポリスチレン系樹脂層の色調の変化により筋状又は帯状の模様が形成されており、着色樹脂層積層面側の表面から厚み方向に200μmまでの部分の見掛け密度が、発泡体全体の見掛け密度の1.5倍以上であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡体。
<2>前記ポリスチレン系着色樹脂層の色調の変化が、該樹脂層の厚みの変化により発現していることを特徴とする<1>に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡体。
<3>前記着色ポリスチレン系樹脂層の色調がグラデーション状に変化していることを特徴とする<1>または<2>に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡体。
<4>直径6mmの試料面開口を有する分光測光器を用いてポリスチレン系樹脂積層発泡体の着色ポリスチレン系樹脂層面の明度L*をポリスチレン系樹脂積層発泡体の幅方向に沿って1.5mmごとに測定したとき、明度の最大値L* maxと明度の最小値L* minとの差が1以上であることを特徴とする<1>から<3>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂積層発泡体。
図1は、本発明に係る代表的なポリスチレン系樹脂積層発泡体1(以下、単に発泡体1と略称する)の説明図であり、図2は発泡体1の厚み方向の概略断面図である。
<発泡層2>
発泡層2は、ポリスチレン系樹脂、物理発泡剤、気泡調整剤及びその他の添加剤を配合した発泡層形成用溶融物を後述する着色樹脂層形成用溶融物と共に共押出して、発泡層形成用溶融物を発泡させることにより形成されている。以下に、発泡層2を成形するために用いる材料の各成分について詳述する。
(ポリスチレン系樹脂)
ポリスチレン系樹脂としては、通常、ポリスチレン系発泡体に用いられるポリスチレン系樹脂であれば特に制限なく用いることができ、例えば、ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−αメチルスチレン共重合体等が例示される。
(物理発泡剤)
物理発泡剤としては、例えば、エタン、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、イソヘキサン、シクロヘキサンなどの炭素数2以上7以下の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタンなどの炭素数1以上4以下のハロゲン化脂肪族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの炭素数1以上4以下の脂肪族アルコール、又はジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテルなどの炭素数2以上8以下の脂肪族エーテル等の有機物理発泡剤、窒素、二酸化炭素、水等の無機物理発泡剤が挙げられる。
(気泡調整剤)
気泡調整剤としては、有機系又は無機系のいずれのものを用いることができる。無機系の気泡調整剤としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、硼砂等のホウ酸金属塩、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ゼオライト、シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等を挙げることができる。
(その他の添加剤)
発泡層2を形成するための材料成分としては、上記成分の他、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機充填剤、抗菌剤、着色剤等が挙げられる。なお、着色剤を配合する場合には、発泡体の質感を向上させる観点から、着色樹脂層3よりも淡色となるように着色剤の種類、配合量を調整することが望ましい。
<着色樹脂層3>
発泡体1は、上記発泡層2の少なくとも片面に、共押出により連続した状態で積層されたフィルム状の着色樹脂層3を有する。この着色樹脂層3は、その幅方向の色調の変化により、木目調模様などの美麗な筋状又は帯状の模様を形成する。該着色樹脂層3は、発泡状態であっても非発泡状態であってもよいが、着色樹脂層3による明瞭な模様を有する発泡体1とするためには、非発泡状態であることが好ましい。なお、非発泡状態の着色樹脂層3には、局所的に一部気泡が形成されていても構わない。
(着色樹脂層3の坪量)
着色樹脂層3の坪量は、該着色樹脂層3の厚みを薄く、そして色調の変化を効果的に発現させる観点から、3〜50g/m2、好ましくは5〜30g/m2である。坪量をこの範囲とすることにより、色調の変化がより効果的に発現する非発泡の着色樹脂層3を形成させることが可能となる。また、着色樹脂層3の坪量が前記範囲であると、発泡体は特に優れた加工性を示す。ここで、着色樹脂層3の坪量とは、発泡体の片面に存在する着色樹脂層3の単位面積あたりの積層量をいう。
着色樹脂層の坪量(g/m2)=L×103/(M×N×60)・・・(1)
着色樹脂層3積層面側の表面から厚み方向に200μmまでの部分の見掛け密度(以下、表層密度ともいう。)が、発泡体全体の見掛け密度の1.5倍以上であることが好ましく、2.0倍以上であることがより好ましい。その上限は概ね4倍程度である。本発明の発泡体は、その略全面に連続した着色樹脂層が積層されているため、相対的に見掛け密度の高い表面層が発泡体の幅方向に亘って均等に形成されている。その結果、かかる発泡体は、共押出により積層された筋状の模様を有しながらも、共押出により均一に着色樹脂層が積層された積層発泡体と同等の熱成形性や切削加工性を示す。表層密度を高める方法としては、発泡体がダイリップから押出された直後にその表面に空気などの冷却媒体を吹き付けるなどの従来公知の方法を採用することができる。
(着色樹脂層3による筋状又は帯状模様)
着色樹脂層3による筋状又は帯状模様は、該着色樹脂層3の幅方向の色調に変化を付与することにより形成される。色調に変化を付与する方法としては、着色樹脂層3の幅方向の厚みを変化させる方法が挙げられる。この方法によれば、部分的に着色樹脂層3の厚みを調整して変化させることにより、着色樹脂層3に色調の変化を付与することができる。
(ポリスチレン系樹脂)
ポリスチレン系樹脂としては、発泡層を構成するポリスチレン系樹脂と同様のものを使用することができる。
(着色剤)
着色剤としては、無機系又は有機系の顔料や染料を用いることができる。有機顔料としては、例えば、モノアゾ系、クロモフタールレッド等の縮合アゾ系、アンスラキノン系、イソインドリノン系、複素環系、ペリノン系、キナクリドン系、ペリレン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、フタロシアニン系、ニトロソ系、フタロシアニン顔料、有機蛍光顔料等を挙げることができる。
(可塑剤)
非発泡状態の着色樹脂層3を成形するには、着色樹脂層形成用のポリスチレン系樹脂に可塑剤を添加するのが好ましい。可塑剤を添加することにより、着色樹脂層形成用溶融物と発泡層形成用溶融物とを共押出する際に、適正発泡温度での着色樹脂層形成用溶融物の溶融伸びを著しく向上させることができ、着色樹脂層形成用溶融物の伸びをポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物の伸びに対応させることができる。
(その他の添加剤)
着色樹脂層3を形成するための材料成分としては、上記成分の他、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、充填剤、抗菌剤等が挙げられる。
(発泡層形成用樹脂溶融物10と着色樹脂層形成用樹脂溶融物7の共押出)
図4に示すように、発泡層形成用樹脂溶融物10と着色樹脂層形成用樹脂溶融物7を、それぞれ適正温度に調整してから環状ダイ13に導入する。
(発泡体1の総坪量)
前記発泡体1の総坪量は好ましくは70〜1200g/m2、より好ましくは100〜1000g/m2、さらに好ましくは120〜800g/m2である。総坪量を上記の範囲とすることにより、加工や熱成形に適する剛性を有し、かつ軽量性に優れた発泡体1とすることができる。
(発泡体1の見掛け密度)
発泡体1の見掛け密度は00.03〜0.3g/cm3である。該見掛け密度が前記範囲内であると、軽量性と強度とのバランスに優れたものとすることができる。見掛け密度の下限は、より好ましくは0.04g/cm3、さらに好ましくは0.05g/cm3である。一方、該見掛け密度の上限は、より好ましくは0.28g/cm3、さらに好ましくは0.25g/cm3である。
(発泡体1の厚み)
発泡体1の厚みは、製造する製品の仕様等に応じて適宜設定されるため特に制約されないが、通常0.5〜10mmである。特に、発泡体1の厚みを1〜3mmとすることにより、熱成形されて筋状又は帯状模様が付与された高級感溢れる意匠性の高いトレイ容器、即席麺容器、弁当容器、納豆容器、冷凍容器や丼等の食品容器等として、また、厚みを3〜10mmとすることにより、折箱、ディスプレイ芯材等として好適に用いることができる。
(表面明度)
美麗な木目様の外観を有するために、着色樹脂層の表面を幅方向に1.5mmピッチで計測した際の明度L*の最大値L* maxと最小値L* minの差(明度差)が1以上であることが好ましい。
PS(1):ポリスチレン、PSジャパン社製GX251、溶融粘度1234Pa・s
PS(2):ポリスチレン、PSジャパン社製680、溶融粘度930Pa・s
PS(3):ポリスチレン、PSジャパン社製GX154、溶融粘度1430Pa・s
なお、ポリスチレン系樹脂の溶融粘度は、JIS K 7199:1999に準拠し、キャピログラフ1D((株)東洋精機製作所製)の流動特性測定機を用いて、温度200℃、せん断速度100秒−1の条件で測定した値である。
着色剤(1)レジノカラー工業株式会社製 SBF−T−3775 ベージュ顔料マスターバッチ
着色剤(2)大日精化工業株式会社製 PS−M−SSCA11N7470BR 茶色顔料マスターバッチ
着色剤(3)ポリコール工業株式会社製 ESH−K−444392 黒色顔料マスターバッチ
(実施例1)
発泡層形成用のポリスチレン系樹脂としてポリスチレン(PSジャパン株式会社製GX251)、気泡核剤としてタルク(ポリスチレン系樹脂100重量部に対する重量割合として0.5重量部)、を第1押出機の供給口に供給して加熱、混練し、前記ポリスチレン系樹脂100重量部に対しブタンを5.2重量部(ポリスチレン系樹脂1kgあたり0.90mol)注入してさらに混練し、押出機中で発泡に適した樹脂温度に調整して、発泡層形成用樹脂溶融物とし、共押出用環状ダイ中に導入した。
(実施例2)
発泡層形成用ポリスチレン系樹脂としてポリスチレン(PSジャパン株式会社製GX251)、着色剤としてレジノカラー工業株式会社製SBF−T−3775 ベージュ顔料マスターバッチ1重量部を使用し、クリアランスが1.2mm、周方向の間隙(幅)が0.8mmの断面略矩形状の吐出口が周方向に沿って176本ランダムに配置されている(平均ピッチ:1.6mm)内部リップを使用して着色樹脂層形成用樹脂溶融物を積層したほかは実施例1と同様にして板状の発泡体を得た。
(実施例3)
クリアランス1.2mm、周方向の間隙(幅)0.8mmの断面略矩形状の吐出口が周方向に沿って128本ランダムに配置されている(平均ピッチ:2.1mm)の内部リップを使用して着色樹脂層形成用樹脂溶融物を積層したほかは実施例1と同様にして板状の発泡体を得た。
(実施例4)
発泡層形成用ポリスチレン系樹脂としてポリスチレン(PSジャパン株式会社製GX251)、気泡核剤としてタルク、カーボンを主原料とする黒色顔料マスターバッチとしてポリコール工業株式会社製ESH−K−444392を0.2重量部を第1押出機に供給し、同時に、着色樹脂層形成用ポリスチレン系樹脂としてポリスチレン(PSジャパン株式会社製680)、ESH−K−444392を3重量部を第2押出機に供給して、クリアランスが1.2mm、周方向の間隙(幅)が0.8mmの断面略矩形状の吐出口が周方向に沿って128本ランダムに配置されている内部リップを通して着色樹脂層形成用樹脂溶融物を積層したほかは実施例1と同様にして板状の発泡体を得た。
(実施例5)
発泡層形成用ポリスチレン樹脂としてポリスチレン(PSジャパン株式会社製GX154)、気泡核剤としてタルクを第1押出機に供給して加熱、混練し、前記ポリスチレン系樹脂100重量部に対しイソブタンを4.8重量部注入し、押出機中で発泡に適した樹脂温度に調整して、発泡層形成用樹脂溶融物とし、共押出用環状ダイ中に導入した。
(実施例6)
発泡層を形成する第1押出機と、着色樹脂層を形成する第2押出機との吐出比率、およびダイ出口から押出された筒状積層発泡体の引き取り速度を変更し、着色樹脂層の坪量が表1に示す坪量になるよう調整した以外は実施例5と同様にして、シート状の発泡体を得た。
(実施例7)
発泡剤としてのイソブタンの量を2.5重量部に変更し、着色剤をカーボンを主原料とする黒色顔料マスターバッチとしてポリコール工業株式会社製ESH−K−444392を5重量に変更し、発泡層を形成する第1押出機と、着色樹脂層を形成する第2押出機との吐出比率、およびダイ出口から共押出された筒状積層発泡体の引き取り速度を変更し、表に示す発泡体総坪量、着色樹脂層の平均坪量になるよう調整し、押出直後の筒状積層発泡体の外側表面に吹きつける冷却空気を1.9m3/分とした以外は実施例5と同様にして、厚薄のある着色樹脂層を有し、着色樹脂層の色調の変化により筋状の模様を有する幅845mm、厚み1.9mmのシート状の発泡体を得た。
(比較例1)
着色樹脂層を積層せずに、発泡層に着色剤としてレジノカラー工業株式会社製SBF−T−3775 ベージュ顔料マスターバッチ1重量部を加えた以外は実施例1と同様に調整して幅410mm、厚み3.8mmの板状の発泡体を得た。
(比較例2)
共押出用環状ダイ中で、発泡層形成用樹脂溶融物に、クリアランスが1mmで一定な環状スリット状の内部リップを通して着色樹脂層形成用樹脂溶融物を合流させた以外は実施例1と同様にして幅410mm、厚み3.8mmの板状の発泡体を得た。
(比較例3)
共押出用環状ダイ中で、発泡層形成用樹脂溶融物に、クリアランスが1mmで一定な環状スリット状の内部リップを通して着色樹脂層形成用樹脂溶融物を合流させた以外は実施例5と同様にしてシート状の発泡体を得た。
(発泡体総坪量)
発泡体の総坪量は、発泡体の全幅に亘って幅250mmの試験片を切り出し、該試験片の重量(g)を試験片の面積(発泡体の幅(mm)×250mm)で割り、1m2当たりの発泡体1の重量(g)に換算して、これを発泡体1の総坪量(g/m2)とした。
(発泡体厚み)
発泡体の厚みは、発泡体を幅方向に沿って、一方の端部から他方の端部に至るまで5mm間隔にノギスにより計測した厚み(mm)の算術平均値として求めた。
(発泡体見掛け密度)
発泡体の見掛け密度は、発泡体の全幅にわたり、無作為に選択した5箇所から切り出した、10cm×10cm×(発泡体厚み)の試験片の重量(g)を、水没法により求めた該試験片の体積(cm3)で除した値を単位換算(g/cm3)して各サンプルの見掛け密度を求め、得られた値の平均値を見掛け密度とした。
(着色樹脂層坪量)
着色樹脂層の坪量は、着色樹脂層3の押出機吐出量をL(kg/hr)、発泡体の引取速度M(m/min)、発泡体の全幅N(m)として、以下の式(1)により求めた。
(表層密度)
発泡体の表層密度を以下のようにして測定した。
(密度比)
密度比は表層密度を発泡体見掛け密度で除した値である。
(表面明度)
明度L*はJIS−Z8729:2004に準拠して、日本電色工業株式会社製分光式色彩計SE−2000を用い反射法にて測定した。計測するサンプルを測定箇所を含むように50mm角に切り出し、測定面を計測窓に設置した。このとき計測窓は直径6mmとした。測定位置を計測窓の中心±0.2mmの位置になるように合わせてダークボックス内で計測した。
(発泡体明度)
発泡体の明度L*は、JIS−Z8729:2004に準拠して、日本電色工業株式会社製分光式色彩計SE−2000を用い反射法にて次の通り計測した。発泡層の片面のみに着色樹脂層が積層されている場合は、計測サンプルをシートの幅方向両端付近及び中央の3点から、50mm角に切り出し、着色樹脂層が積層されていない面を測定面として、色彩計の計測窓に設置し測定した。得られた3点の算術平均値を発泡体の明度L*とした。発泡層の両面に着色樹脂層が積層されている場合には、幅方向両端付近及び中央の3点から50mm角に切り出し、切り出した発泡体の着色樹脂層が完全に除かれるまでミクロトームを用いて切除した面を測定面として前記と同様に測定した。
(外観)
発泡体の外観の評価を目視により以下の基準で評価した。
○・・・筋状又は帯状模様が形成されている。
×・・・筋状又は帯状模様が形成されていない。
(表面平滑性)
発泡体の表面平滑性を以下の基準で評価した。
○・・・発泡体表面にほとんど凹凸がない。
×・・・発泡体表面の凹凸が著しい。
板状発泡体から押出方向に200mm、幅50mmのサイズの試験片を切り出し、該試験片の押出方向中央位置に、発泡体の平均厚みの90%の深さを有する内角90°のV字型の溝を切削加工にて作成した。該V字溝の内辺側が接触するよう90°折り曲げ、そのときにV字溝部分が破断するかどうか観察した。上記操作を発泡体から無作為に選択した5箇所について行い、破断の無いものを合格とした。実施例1〜4の発泡体は、着色樹脂層が積層されていない比較例1の発泡体、及び着色樹脂層が均一に積層されている比較例2の発泡体と同様な良好な加工性を示した。
長さ170mm、幅100mm、深さ25mmのトレー形状の金型をもちいて、シート状発泡体の真空成形を行った。実施例5〜7の発泡体は、着色樹脂層が均一に積層されている比較例2の発泡体と同様な良好な熱成形性を示した。
2 ポリスチレン系樹脂発泡層(発泡層)
3 着色ポリスチレン系樹脂層(着色樹脂層)
4 着色樹脂層を形成するポリスチレン系樹脂
5 着色剤
6 揮発性可塑剤
7 着色樹脂層形成用樹脂溶融物
8 発泡層を形成するポリスチレン系樹脂
9 物理発泡剤
10 発泡層形成用樹脂溶融物
11 第1の押出機
12 第2の押出機
13 環状ダイ
14 内部リップ吐出口
Claims (4)
- 共押出ダイ内でポリスチレン系樹脂発泡層形成用溶融樹脂に着色ポリスチレン系樹脂層形成用溶融樹脂が間隔を隔て筋状又は帯状に合流積層され、隣り合う着色ポリスチレン系樹脂層形成用溶融樹脂の端部どうしが接することによって、ポリスチレン系樹脂発泡層の少なくとも片面に、着色剤を含む着色ポリスチレン系樹脂層が共押出により積層された、見掛け密度0.03〜0.3g/cm3 、厚み0.5〜10mmのポリスチレン系樹脂積層発泡体であって、
前記着色ポリスチレン系樹脂層の坪量が3〜50g/m2であり、
前記着色ポリスチレン系樹脂層の色調の変化により筋状又は帯状の模様が形成されており、
着色樹脂層積層面側の表面から厚み方向に200μmまでの部分の見掛け密度が、発泡体全体の見掛け密度の1.5倍以上であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡体。 - 前記着色ポリスチレン系樹脂層の色調の変化が、該樹脂層の厚みの変化により発現していることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡体。
- 前記着色ポリスチレン系樹脂層の色調がグラデーション状に変化していることを特徴とする請求項1または2に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡体。
- 直径6mmの試料面開口を有する分光測光器を用いてポリスチレン系樹脂積層発泡体の着色ポリスチレン系樹脂層面の明度L * をポリスチレン系樹脂積層発泡体の幅方向に沿って1.5mmごとに測定したとき、明度の最大値L * maxと明度の最小値L * minとの差が1以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡体。
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