JP6332745B2 - 体重管理装置、体重管理方法及び体重管理プログラム - Google Patents

体重管理装置、体重管理方法及び体重管理プログラム Download PDF

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本発明は、体重の限度値を算出する体重管理装置、体重管理方法及び体重管理プログラムに関する。
体重は一般に、高齢になって食欲が減退するまで、生活習慣の変化などにより加齢とともに上昇する傾向にあり、体重の増加は、生活習慣病の要因や美容を損なう原因となっている。そのため、近時は、増加した体重を減少させ、その後維持させることに高い関心が集まっている。
体重の変化は、日々のエネルギー摂取量とエネルギー消費量との差によりもたらされる。過剰に摂取されたエネルギー基質は、通常、脂肪組織として身体に蓄積される。体重を減らそうとして、食事や運動などの生活習慣を改善し維持した場合、エネルギーの不足分は、体脂肪などの身体組織の燃焼によりまかなわれる。この場合、エネルギーの消費量は、体重の減少に伴う基礎代謝量の減少により減るため、体重は、エネルギー摂取量とエネルギー消費量が均衡するまで減少し、際限なく減少することはない。そして、長期的には、食事や運動の習慣を保っていても、加齢による日々の基礎代謝量のわずかな減少により体重の増加をもたらす。
現在の体重を変化させ目標の体重で維持させる体重管理を計画した場合、一時的にエネルギー摂取量と消費量との不均衡な状態を作り出し、目標の体重においてエネルギー摂取量と消費量とが均衡するように生活習慣を改善させればよい。しかし、実際に生活習慣の改善を実施した場合に、その改善した習慣を長期間維持したときにいつエネルギーが均衡しどこまで体重が変化するかを把握することは簡単にはできない。また、その場合に目標体重を維持する生活習慣になっているのかを把握することも、目標実現の前後を問わず容易なことではない。減量時において、いわゆる「停滞現象」や「リバウンド現象」に悩まされるケースが多く報告されていることからも、エネルギーの均衡状態をコントロールして目標の体重を達成し維持することの困難さを窺い知ることができる。
目標とする体重を実現し維持するための生活習慣が形成されているかどうかを判定する方法として、目標とする体重を維持するエネルギー量を摂取しているかを調べる方法がある。そのためには、一方で、目標体重を維持するときの基礎代謝や運動などによるエネルギー消費量を計算し、他方で、食事などによるエネルギー摂取量を計算し、これらの量を比較することで行うのが通常である。この方法では、エネルギー消費量は、基礎代謝量の推定式などから計算し、エネルギー摂取量は、食事内容のエネルギーを積算して行う。
ただ、このような方法を実施するにあたって、精度の高いエネルギー量の把握が可能であればよいが、一般的には、非特許文献1に示されるように、体重を維持するエネルギー必要量の個人差自体が、19歳以上の標準的な体型の集団で、標準偏差として、男性で199kcal/日、女性で162kcal/日あるとの報告もあり、また、エネルギー摂取量についても、20〜49歳の日本人の平均で、男性が491kcal/日(19%)、女性が294kcal/日(15%)の過少申告が存在することが報告されている。更にエネルギー摂取量には日間変動があり、その影響も無視できない。このように、エネルギー消費量の個人差による推定誤差と、エネルギー摂取量の過少申告や日間変動による誤差により、エネルギーの過不足の程度を正確に判定できないだけでなく、エネルギーの過不足そのものを逆に判定する恐れさえある。また、食事によるエネルギー摂取量の計算は、日々続ける場合には相当な手間がかかり、体重管理のモチベーションを下げる煩雑さの問題があることも指摘されている。そのため、エネルギー摂取量の過不足を適切に評価するために、体重変化量やBMI(Body Mass Index)などの体格指数が用いられている。
例えば、体重変化の傾向を近似直線化するなどして体重変化の傾向をとらえる装置が特許文献1に示されている。この装置により体重変化の傾向をみることで、エネルギーの過不足は適切に評価できる。しかし、この装置ではエネルギーの均衡するポイントとなる体重を把握できないため、目標体重を達成できるか、停滞するかははっきりしない。
他方で、食事量のエネルギーの計算を簡略にする「カロリー摂取量」を測定する装置が特許文献2に示されている。この装置では、エネルギー摂取量(カロリー摂取量)の算出誤差を抑えつつ、入力を簡略化する工夫がなされているが、日々の朝昼夕3食その他の食事量を「多め」「普通」「少なめ」というように大づかみに区分しているので、食事量の入力に主観が入る問題と、食事量に関する日常の入力の煩雑さの問題を根本的に解決することができない。
特許第2968581号公報 特開2013−80388号公報
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会報告書、厚生労働省
そこで、本発明においては、煩雑で主観に左右されやすい日々の食事量のデータ入力を必要とせずに、日常測定する体重測定データに基づいて、現在の生活習慣を一定の条件で継続したときに、目標の体重においてエネルギー摂取量と消費量とが均衡する生活習慣になっているかを把握させる客観的な値を提供することで、生活習慣を改善維持させ、目標とする体重に体重を変化させ維持できるように体重を管理するための体重管理装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決する手段は、測定対象の体重測定値と、測定日とが関連付けされた体重測定データを取得するための体重取得手段と、この体重取得手段により取得された体重測定データを格納するための記憶手段と、エネルギー摂取量及び消費量の条件を含む測定対象が従う1日当たりの体重変化量の条件において、エネルギー摂取量の初期条件が、記憶手段に格納されているある期間T日間の複数の体重測定データにより決定され、この決定される1日当たりの体重変化量の条件に従って体重が変化し続けると仮定したときの測定対象の体重の限度値を算出する算出手段とを備えることを特徴とする体重管理装置である。
本発明によると、食事に基づく摂取エネルギーのデータ入力と比べ主観的な測定誤差が生じる恐れがほとんどない日常測定する体重測定データに基づいて計算された体重の限度値により、体重の限度値と現在の体重や目標とする体重とを直接比較検討するなどして、現在の生活習慣を一定の条件で継続したときに、目標の体重に到達できるか否か、また、エネルギー摂取量と消費量とが目標とする体重で均衡するか否かを把握させることができる。食事や運動などの生活習慣を改善すると体重の変化を通じて体重の限度値に影響を与えるので、体重の限度値により生活習慣の改善の効果を把握でき、体重の限度値を目標とする体重で維持するように生活習慣を改善維持することで、長期的に体重を目標体重に誘導し、維持させることができる。
このように本発明によれば、日々の食事量のデータ入力を必要としないで、日常測定する客観的な体重測定データに基づいて算出された体重の限度値を考慮しながら、生活習慣を改善維持させて、目標とする体重に体重を変化させ、維持させるように体重を管理させることができる。
本発明の実施の形態に係る表示画面例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る体重計の外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る体重計とサーバとの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る制御部の機能構成図である。 本発明の実施の形態に係る記憶部に格納される各種データを説明する図である。 本発明の実施の形態に係る体重計の動作を示すメインフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る記憶・演算処理のフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る体重の限度値の計算原理を示す概念図である。 本発明の実施の形態に係る限度値及び目安期間のグラフの表示画面例である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。
まず、用語を定義する。「限度値」は、時間tに伴ってある条件に従って変化するある量Xtがその条件に従って変化し続けると仮定したときのXtの上限値もしくは下限値またはその近似値を指す。上限値または下限値は、最大値または最小値となる場合だけでなく、次に定義する収束値である場合を含む。しかし、例えば2週間後、1か月後の予測体重のように予め定めた一定期間後の体重値は、収束値の近似値となる場合は別として、「変化し続けると仮定した」ときの上限値または下限値ではないので本発明における限度値の概念には含まれない。
「収束値」は、時間tに伴って変化する量Xtについて時刻tを限りなく大きくしたときにその量Xtが近づく理論値(lim t→∞t)を指す。収束値は、その量の変化が所定の誤差範囲内に収まったときの近似値を含む。
「体重の限度値」には、「体重値」の限度値だけでなく、体重の変化量の限度値、変化割合の限度値または変化率の限度値が含まれる。同様に、BMIなどの体格指数の限度値には、例えばBMI値の限度値、BMIの変化量の限度値などが含まれる。
「目安期間」は、体重または体格指数において、値の限度値と基準とする現在値との差が、一定の割合減るまでに、例えば0.3(30%)、0.5(50%)減るまでにかかる期間を指す。この一定の割合を、「達成率」という。
「摂取/消費比」は、1日当たりのエネルギー摂取量の1日当たりの推定エネルギー消費量に対する比の値を指す。例えば、1日当たりのエネルギー摂取量が1500kcal/日で1日当たりの推定エネルギー消費量が3000kcal/日のとき、摂取/消費比は0.5または50%となる。
以下の説明では、表記の煩雑さを避けるため、1日当たりのエネルギー摂取量(kcal/日)及び1日当たりのエネルギー消費量(kcal/日)を、「1日当たりの」を省略して、単に「エネルギー摂取量」及び「エネルギー消費量」と表記する。同様に、1日当たりの推定エネルギー消費量(kcal/日)も、単に「推定エネルギー消費量」と表記する。
図1には、体重計3(図2参照)の表示部35の表示画面例が示される。図2には、体重計3の外観が示されて、図3には体重管理システム1の構成が示される。
図3の体重管理システム1は、体重計3と、体重計3と通信するサーバ(サーバコンピュータ)5を備える。図3では、説明を簡単にするために、サーバ5には1台の体重計3が接続されるとしているが、複数台の体重計3が接続されてもよい。図3では、体重計3とサーバ5は無線または有線により通信する。なお、体重計3とサーバ5との間でのデータの授受は通信によらず、記憶媒体を介して授受するようにしてもよい。
図2の体重計3は、図3に示すように通信部31、記憶部32、時計部33、操作部34、表示部35、電源スイッチ部36、電源部37、電池38、CPU391を有する制御部39、上面カバー部41、ロードセル421を有する荷重検知部42、及びAD変換部43を含む。
通信部31は、制御部39に接続されており、制御部39からの制御信号に従ってサーバ5と通信する。なお、通信部31は、サーバ5に限らず、歩数計などの他の生体情報取得装置と通信する、あるいはパーソナルコンピュータや携帯情報端末(携帯電話機、スマートフォン、PDAなど)と通信するなど、適宜の装置と通信するとしてもよい。
記憶部32は、不揮発性のメモリやハードディスクなどの情報を記憶できる装置を含む。記憶部32は、接続された制御部39から制御信号に従って情報の読出しと書き込みがされる。
時計部33は、現在日時などの時刻を計時するタイマ・カウンタから構成される装置であり、必要に応じて時刻を制御部39へ出力する。
操作部34は、押下などの操作がされるボタン・スイッチなど(図2参照)を含む。操作部34を操作することにより、表示部35に表示される情報を参照しながら、ID、性別、年齢、身長、身体活動レベルなどの測定対象の個人情報・身体情報を入力することができる。入力されたこれらの情報は、制御部39へ出力される。
表示部35は、液晶画面(図1参照)などの表示装置によって構成され、制御部39から与えられる画像信号に従って文字や図形などの画像を表示する。
電源スイッチ部36は、電源のON/OFFを切り替えるために操作される入力スイッチとして機能し、電源スイッチ部36は操作されると操作に応じた入力信号を制御部39に出力する。
電源部37は、制御部39を含む各部に動作電力を供給する。
電池38は、電源部37を中心に各部へ電力を供給する。
制御部39は、CPU391、及び図示のないROMとRAMを含むマイクロコンピュータにより構成されており、ROMなどに記憶されているプログラム及び各種データに従って各部の制御動作や演算動作を実行する。このプログラム及びデータには、体重管理のためのプログラム及びデータが含まれる。
荷重検知部42は、複数のロードセル421を内蔵する。筺体の上面のカバーを兼ね備える上面カバー部41(図2参照)の上に乗った測定対象の体重を測定する。測定された体重は、AD変換部43に出力される。AD変換部43は、この出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して制御部に出力する。
サーバ5は、通信部51、CPU521、ROM、RAMなどを有するコンピュータからなる制御部52、操作部53、表示部54及び記憶部55を含む。
通信部51は、制御部52の制御に従って体重計3とデータを送受信する。なお、通信部51は、体重計3に限らず、歩数計などの他の生体情報取得装置と通信する、あるいはパーソナルコンピュータや携帯情報端末(PDA、携帯電話機、スマートフォンなど)と通信するなど、適宜の装置と通信するとしてもよい。
制御部52のCPU521は、ROMなどに記憶されているプログラム及びデータに従って各部の動作を制御するとともに、各種の演算を実行する。
操作部53は、キーボードやマウスなどを含む。利用者により操作されることによって入力された信号は、制御部52に出力される。
表示部54は、液晶ディスプレイやCRTディスプレイなどに相当する。表示部54は、制御部52から与えられる制御信号に従って文字、グラフなどの画像を表示する。
記憶部55は、ハードディスクなどの固定記憶装置、またはフレキシブルディスク、CD−ROM、ROM、RAM及びメモリーカードなどのCPU521が読み取り可能な記録媒体に相当する。
記憶部55は、体重計3で測定した体重測定データ(体重測定値、測定日時など)、及び測定対象の名前(ID)や住所といった個人情報など、測定対象に関する種々のデータが記憶される。
図4を参照して、体重計3の体重管理に係る機能構成について説明する。CPU391は、ユーザ管理部392、体重取得部393、演算部394及び処理の結果を表示する表示部35に出力するための出力処理部395を含む。これらの各部は、CPU391によって実行されるプログラムにより実現される。このプログラムは、制御部39の図示のないROMに予め格納されている。CPU391は、ROMからプログラムを読み出し、読み出したプログラムの命令を実行することにより、各部の機能が実現される。
ユーザ管理部392は、測定対象のIDごとに性別などの種別、年齢、身長及び身体活動レベルを取得し、記憶部31に格納する。なお、種別、年齢、身長及び身体活動レベルは、測定対象のIDごとに操作部34を介して入力される情報に基づいて特定される。
性別などの種別は、「男性」、「女性」または「ペット」の3種から1つを選択させる。
身体活動レベルは、「低い」、「普通」及び「高い」の3段階で選択され、それぞれ1.50、1.75及び2.00の値を対応させる。各段階の日常生活の内容は、「低い」が、生活の大部分が座位で性的な活動が中心の場合、「普通」が、座位中心の生活だが、職場内での移動や立位での作業・接客など、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツなどのいずれかを含む場合、「高い」が、移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、余暇における活発な運動習慣を持っている場合とする。なお、身体活動レベルは、一般の平均レベルである「普通」の固定値に設定しておいてもよい。
体重取得部393は、荷重検知部42により測定された体重値を時計部33による計時データ及びユーザIDと関連づけて記憶部32に格納する。
演算部394は、限度値算出部396、目安期間算出部397及び摂取/消費比算出部398を含む。演算部394は、ユーザ管理部392により記憶部32に格納された測定対象のIDごとの種別、年齢などのユーザデータ及び体重取得部393により記憶部32に格納された体重測定データを取得し、そのデータに基づいて、限度値算出部396が体重値の限度値を、目安期間算出部397が限度値に対応した目安期間を、摂取/消費比算出部398が摂取/消費比を算出する。
出力処理部395は、荷重検知部42により測定された体重値、演算部394による演算結果などを表示部35に表示する。
図5を参照して、記憶部32に格納される各種データを説明する。
ユーザ管理部392により取得されるデータは、測定対象のIDごとに、ID701、種別702、年齢703、身長704及び身体活動レベル705の各項目を含むデータを、図5の(a)に示すユーザデータ70として格納される。
荷重検知部42により測定される体重は、測定対象のIDが操作部34を介して指定されて測定されるときに、測定対象のIDの測定体重として、体重取得部393により、図5の(b)に示す測定データ71として格納される。体重測定データ71は、測定対象のIDを指すデータであるID711、測定された体重値を指すデータである体重測定値712及び時計部13の計時データに基づいた体重測定の日時を指すデータである測定日時713を関連づけて含む。
図6は、体重計3の制御部39のCPU391が実行する動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、予めプログラムとして制御部39内のメモリまたは記憶部32に格納されており、CPU391がプログラムを読み出し、その命令を実行することにより処理が実現される。
なお、記憶部32には、図5に示したデータ70及び71が予め格納されていると想定する。また、記憶部32には、体重測定データ71に各測定対象の55日前からのデータが格納されていると想定する。従って、ここでは測定対象の56日目(8週間目)の体重測定を想定して説明する。
図6のフローチャートで、CPU391は、測定対象による電源スイッチ部36の操作による電源ONの指示を入力して起動し(ステップS1)、操作部34の操作により測定対象のIDをユーザが指定して入力した後、上面カバー部41に乗った測定対象の体重を荷重検知部42により測定する(ステップS2)。ここで、ステップS2で指定された測定対象のIDを「指定ID」という(以下同じ)。なお、IDの指定がないまま測定対象が上面カバー部41に乗ったときは、指定IDなしのまま荷重検知部42により測定を行う。
その後、CPU391は、以下に説明する記憶・分析処理を実行し(ステップS3)、電源をOFFして(ステップS4)、処理を終了する。
図7は、記憶・演算処理(図6のステップS3参照)のフローチャートである。図7を参照して説明する。CPU391は、前述のステップS2で測定対象のIDが指定されて測定されているか、すなわち「指定IDがあるか」の判断を行う(ステップS31)。指定IDがない場合は、画面表示(ステップS38)に進み、表示できる値などを表示する。指定IDがある場合は、体重測定データの記憶(ステップS32)に進み、前述のステップS2で体重測定した日時である現在日時のデータを時計部33から取得し、指定IDの体重測定データ71を生成し、記憶部32に格納する。この体重測定データ71は、ID711、体重測定値712、測定日時713を含む。
体重測定データ71が格納されると、指定IDのユーザデータ703の年齢により、測定対象が年齢18歳以上の人間であるかを判定する(ステップS33)。測定対象が年齢18歳以上の人間ではない場合は、画面表示(ステップ39)に進み、それ以外の場合は、体重測定データ配列生成(ステップS34)に進む。
ステップS34において、演算部394は指定IDの体重データ配列ω[n](n=1,2…)を記憶部32に格納された体重測定データ71を参照して作成する。本実施形態においては、最新のデータ日付のデータを含む最大56日分の1日ごとのデータを配列要素として、日付の古い順で体重測定データ配列ω[n]を生成する。同一日付に同一指定IDの複数の測定データがあるときは、その日の最も新しいデータを体重測定データ配列ω[n]に入れ、測定データがないときは「0」を入れる。
ステップS35において、体重測定データ配列ω[n]の最も古い日付のデータと最新の日付のデータの間に、体重測定データの抜けがあるかどうかを判断する。データの抜けはデータ配列の要素に0があるかどうかで判定する。「0」のデータがあるときは、抜けている間を直線的に変化したと見なしてデータ補間を行う(ステップS36)。例えば、ω[2]とω[5]の間の2日分のデータが抜けているときは、ω[3]=ω[2]+(ω[5]−ω[2])/(5−2)としてω[3]を、また同様に直線的に変化したと見なしてω[4]を計算してデータを補間し、体重データ配列ω[3]及びω[4]のデータを更新する。補間が終わった後、あるいはデータの抜けがないときは、次のステップ37に進む。
ステップS37において、限度値算出部396は、記憶部32に格納されている指定IDのデータ70を参照して取得し、指定IDの性別などの種別に応じ、種別が男性または女性の場合は、維持モードA、B及びCの体重値の限度値を、後述する式711、式721及び式731により、種別がペットの場合は、ペットモードの体重値の限度値を、後述する式741により、ステップS34からS36までにおいて作成した体重測定データ配列ω[n]を使用して計算する。
ここで、維持モードAは、「一定量のエネルギー量を日々摂取すること」を維持条件とするものであり、維持モードBは、「加齢によるエネルギー消費量の減少量を日々減らしたエネルギー量を日々摂取すること」を維持条件とするものであり、維持モードCは、「日々の単位体重当たりの1日の推定エネルギー消費量に比例するエネルギー量を日々摂取すること」を維持条件とするものである。ペットモードは、小型動物から大型動物までの一般の恒温動物を対象とする消費エネルギー推定式に基づいた体重の限度値を計算するペット用モードである。
ステップS37においては、算出の対象とする上述のモードごとに、体重測定データ配列ω[n]の配列要素数以上のデータ期間T=14、28または56日について、データ期間T日の体重の限度値LTを計算する。
続いて、目安期間算出部397は、後述の式712、式722、式732及び式742に基づいて目安期間を算出する。目安期間はステップS37において計算された各モードのデータ期間Tの体重の限度値に対応して、そのデータ期間Tにおける達成率τ=30%、50%及び75%の目安期間MT τを計算する。
続いて、摂取/消費比算出部398は、「摂取/消費比」を計算する。摂取/消費比の計算には、維持モードCまたはペットモードの体重値の限度値を用いて、次の式:
「摂取/消費比」=(体重値の限度値)/(基準時体重)
で計算する。なお、この式で摂取/消費比が計算できるのは、本実施形態においては、原理的に維持モードCとペットモードの体重値の限度値に限られる。
本実施形態においては、維持モードCまたはペットモードで算出された体重値の限度値のうち、T=14日の体重値の限度値を使用して、摂取/消費比を計算する。また、本実施形態においては、基準時体重として、体重測定データ配列ω[n]の最後の日付の体重測定値を用いて摂取/消費比を計算する。
体重値の限度値、目安期間及び摂取/消費比が算出されると、出力処理部395は、算出した体重値の限度値、目安体重及び摂取/消費比と、ステップS2で測定した体重との表示項目を含む画面(図1参照)を、表示部35に表示する(ステップS38)。
図1の画面35は、表示項目として、測定対象のIDを示すユーザ表示351と、維持モードなどを示す維持モード表示352と、測定体重を示す測定体重表示353と、8週間(56日)、4週間(28日)、2週間(14日)のデータに基づく体重値の限度値を示す限度値表示354と、8週間(56日)の限度値に対応する30%、50%及び75%の達成率の目安期間を示す目安期間表示355と、摂取/消費比表示356とを含む。摂取/消費比表示356は、摂取/消費比を、数値だけでなく、比率を示すグラフでも表示する。
測定対象のIDを示すユーザ表示351の数字の下のバーは、その番号のユーザの限度値などを表示するものであることを示している。
維持モードの表示352の「維持モードA B C」及び「ペット」の文字の下のバーは、「A」では維持モードAが、「B」では維持モードBが、「C」では維持モードCが、「ペット」ではペットモードがそれぞれ選択され、そのモードに対応する体重値の限度値などが表示されていることを示している。
測定対象の種別がペット以外のときは、初期表示として維持モードCが選択されて表示され、それに対応する限度値などの値を画面35に表示させ、また、操作部34の操作を介して維持モードA、BまたはCを切り替え、それに対応する限度値などの値を画面35に表示させる。測定対象の種別がペットのときは、初期表示としてペットモードが選択されてそれに対応する限度値などの値を表示する。
(原理)
本発明においては、ある期間T日間の体重測定値ωt(t=1〜T)(kg)に基づいて、測定対象の体重の限度値を計算するが、その計算原理について説明する。
体重変化量は、エネルギー摂取量とエネルギー消費量との差の変化により増減する。基準時からの日数をt(日)、体重をWt(kg)、1日当たりの体重変化量を∂Wt/∂t(kg/日)、エネルギー摂取量をIt(kcal/日)、エネルギー消費量をEt(kcal/日)、単位体重当たりのエネルギー量をFt(kcal/kg)とすると、次の微分方程式:
∂Wt/∂t=(It−Et)/Ft ……式1
が成り立つ。
エネルギー摂取量Itの条件は、「維持条件」及び「初期条件」からなる。基準時の初期値から一定の維持条件に従ってエネルギーを摂取すると仮定する。例えば、「エネルギー摂取量を日々一定とすること」が維持条件に相当し、初期値をISとすると、「It=IS」がItの維持条件式となる。本発明においては、エネルギー摂取量の初期値ISはωtにより(直接的あるいは間接的に)決定されるまで未定の初期値として扱われるので、ISを少なくともパラメータに持つ関数としてIt=fI(IS,…)のように表記する。
エネルギー消費量Etは、体重Wtを少なくともパラメータに持つ推定エネルギー消費量を求める推定式fE(Wt,…)を使って決定する。「推定エネルギー消費量」は、対象が体重を維持するときに必要なエネルギー摂取量または同量の消費量の推定値を指す。推定エネルギー消費量を求める推定式fE(Wt,…)は、一般に知られる基礎代謝量の推定式などを使って作成する。
推定式fE(Wt,…)には、一般に、性、年齢(または年齢階級)、体重、身長、身体活動レベルをパラメータに持つ関数が知られている。体重及び身長に代えて体格指数(BMIなど)または体表面積が用いられる場合もある。体格指数または体表面積を使用するときは、少なくとも体重をパラメータにする関数に変換してから合成関数にして使用する。本発明においては、fE(Wt,…)の推定式において体重と日数t以外のパラメータは、基準時の測定対象において既定のものとして扱う。従って以下、fE(Wt,t)と表現する。例えば、年齢は、基準時の年齢を既定とし、日数tに伴って日々加齢するものとして扱う。身長は、基準時の身長を既定とし、日数tの変数として扱ってもよいが、成人の場合は、基準時から変化しないものとして扱う。身体活動レベルは、基準時から一定として扱う。身体活動レベルが不明の場合は、一般人の平均値を使用する。身体活動レベルは、加齢により徐々に活動量が減る関数を設定するなどして、日数tの変数として扱ってもよい。
食後の熱産生である食事誘発性熱産生(DIT(diet-induced thermogenesis))を考慮すると、EtはItの関数にもなる。Etは、基礎代謝量、活動代謝量及び食事誘発性熱産生の3つの要素の和により求められる。食事誘発性熱産生は、食事により生じるエネルギー消費であって、たんぱく質と、脂質と、炭水化物との摂取比により変わるが、平均的には食事によるエネルギー摂取量の約10%がこれにより消費されており、食事量を増減したときには食事誘発性熱産生もそれに伴って増減する。一般には、エネルギー消費量Etの推定計算は、基礎代謝量に身体活動レベルを乗じて算出され、活動代謝量及び食事誘発性熱産生を一体に扱って、次の式:
t=fE(Wt,t) ……式2
として計算することが多い。しかし、この食事誘発性熱産生による産熱量の変化を考慮すると、食事誘発性熱産生の食事によるエネルギー摂取量に占める割合をDR、としたときに、Etを求める式は、次の式:
t=(1−DR)・fE(Wt,t)+DR・It ……式3
で表される。本実施形態においては、日本人の平均値であるDR=0.1を使用するが、食事誘発性熱産生の影響を考慮しないで、Et=fE(W,t)としてもよい。更に、DRを平均値としての産熱割合DR1と個人としての産熱割合DR2とを区別して、
t=(1−DR1)・fE(Wt,t)−DR2・It ……式4
としてもよい。これは、食物の糖質、脂質、たんぱく質の比率により食事誘発性熱産生による産熱量が変わることを考慮した式である。例えば、高タンパク食でDR2=0.15という値が知られている。
単位体重当たりのエネルギー量Ft(kcal/kg)は、体重Wtを1kg変化させるのに必要なエネルギーである。Ftは定数とすることも関数とすることもできるので、以下の原理の説明においてはFtを変数にできるように扱うが、体重の変化は脂肪組織量の変化によるものとみなして脂肪細胞のエネルギー量を基準に定数値として扱う場合は、Ft=F0(定数)とすることができる。Fを関数とする場合は、例えば、妊婦の体重増加において、胎児などの子宮内の単位体重当たりのエネルギー量を考慮して出産時までFを変化させるような場合である。関数FtはWt及びtを変数とし、他のパラメータは基準時において既定として扱う。従って、以下Ft=fF(Wt,t)と表記する。
エネルギー摂取量Itの条件となるfI(IS,…)は、一定とするほか、日数t、推定エネルギー消費量fE(Wt,t)、体重Wtの合成関数として設定できる。fI(IS,…)では、IS、Wt及びtを変数とし、他のパラメータは既定として扱う。例えば、次の式:
t=IS(ISは定数)
t=IS−{fE(Wt,1)−fE(Wt,t)}
t=〔IS・W1/fE(W1,1)〕・〔fE(Wt,t)/Wt
のように設定できる。従って、以下It=fI(IS,Wt,t)と表記する。
1日当たりの体重変化量∂Wt/∂tは、式1によって表されるが、上記のfI(IS,Wt,t)とfE(Wt,t)を使って表すと、例えば次の各式:
∂Wt/∂t=〔fI(IS,Wt,t)−fE(Wt,t)〕/fF(Wt,t)
∂Wt/∂t=〔fI(IS,Wt,t)−{(1−DR)・fE(Wt,t)+DR・It}〕/fF(Wt,t)
∂Wt/∂t=〔fI(IS,Wt,t)−{(1−DR1)・fE(Wt,t)+DR2・It}〕/fF(Wt,t)
になる。このように式1の微分方程式の右辺は、IS、Wt及びtをパラメータに持つ関数により表すことができるので、以下、G(IS,Wt,t)と表記する。
関数G(IS,Wt,t)は、例えば、
t=fI(IS,Wt,t)=IS(一定),
E(Wt,t)=k1+k2・Wt+k3・t(knは定数),
t=fE(Wt,t),
t=F0(定数)
とすると、G(IS,Wt,t)=〔IS−(k1+k2・Wt+k3・t)〕/F0
となり、微分方程式は、次式:
∂Wt/∂t=〔IS−(k1+k2・Wt+k3・t)〕/F0
になる。この例の微分方程式は1階の微分方程式なので、未定定数が1つ増えた一般解が得られる。
ここで、G(IS,Wt,t)を右辺とする次の微分方程式:
∂Wt/∂t=G(IS,Wt,t) ……式5
の一般解を、C0を未定定数として、次式:
t=fW(IS,t,C0) ……式6
で表記する。ここで、関数G(IS,Wt,t)は、式5の微分方程式の解曲線の接線の傾きを与えるので、以下「勾配関数」と呼ぶ。
式6の一般解Wt=fW(IS,t,C0)において、IS及びC0を、ωtにより補間または近似して、tのみをパラメータとするように決定する。IS及びC0が決定すれば、式6の一般解の変数は時間tのみとなり、体重WtがfW(t)という時間tのみの関数となるので、このfW(t)を使って、上限値または下限値を計算し、体重の限度値として算出する。上限値または下限値においては、式5の値(勾配)が一瞬でもゼロになるか、ゼロに収束する。G(IS,Wt,t)=0となるのは、It−Et=0のときなので、エネルギー摂取量と消費量とが均衡したときの値として、体重の限度値を算出することができる。
式6の未定定数は、ISとC0の2つであるため、少なくともta、tb2つの時点のWa、Wbのデータが分かれば連立方程式:
a=fW(IS,ta,C0), Wb=fW(IS,tb,C0
を解くことにより原理的にISとC0を決定できる。
使用するデータを3時点以上とすることでISと未定定数C0の決定精度を高めることができるが、補間または近似する手法には、原理的には、式6の一般解を曲線とみたときに、2時点以上のデータを通る曲線で補間する、または、3時点以上のデータで近似するという選択肢がある。近似する手法には、積分方程式、最小二乗法などがある。
式5の微分方程式の一般解となる式6が解析的に求められないときは、式5の微分方程式を差分形式化した次の漸化式:
t+1=Wt+G(IS,Wt,t) ……式7
を使って補間または近似を行う。式7の漸化式に決定したISとW1を代入してt=1から順次Wtの値を計算し、Wtの上限値または下限値を計算することで、体重の限度値が算出できる。
実際にコンピュータに計算を実行させるときは、体重測定データを代入すれば限度値が算出される計算式を予め数式処理で用意して計算させる方法か、初期値ISや体重予測値を算出させるアルゴリズムにより計算させる方法などにより行う。
以上のように、エネルギー摂取量及び消費量の条件を含む測定対象が従う1日当たりの体重変化量の条件において、エネルギー摂取量の初期条件が、複数の体重測定データにより決定され、決定される1日当たりの体重変化量の条件に従って体重が変化し続けると仮定したときの体重の限度値が計算されるので、日々の食事量に基づくエネルギー摂取量の初期条件の煩雑な入力を必要としないで、エネルギー摂取量と消費量とが均衡するときの体重の限度値を算出することができる。また、使用する体重測定データは複数必要になるため、使用したデータの期間に対応する体重の限度値が算出されるので、その期間の生活習慣の状態を体重の限度値により把握させることができる。
次に、図8を参照して、本実施形態に使用する維持モードA、B及びCでの体重の限度値の個別の計算原理について説明する。なお、図8に示すグラフは、計算原理を説明するための模式図で、実際の計算結果を反映したものではない。また、本実施形態においては、Etは通常のエネルギーバランスの食事を前提にする式3を、FtはFt=F0(一定)を使用するので、以下の維持モードA、B及びCの説明においてもこの条件を前提に説明する。
まず、維持モードAの計算原理について説明する。図8(a)1及び(a)2は、維持モードAにおけるエネルギー変化と体重変化を表すグラフである。(a)1の縦軸はエネルギーを、縦軸のISaはエネルギー摂取量の初期値を、横軸は時間を、Eaはエネルギー消費量を、Iaはエネルギー摂取量を、時間軸のΦはEaとIaが同値になるときの時刻を表している。また、領域G1aはエネルギー消費量Eaがエネルギー摂取量Iaよりも大きいときのエネルギー差の合計を、領域G2aは、その逆のエネルギー差の合計を表している。(a)2の縦軸は体重を、横軸は時間を、Waは体重の時間変化を、ωは体重の測定値を、縦軸のLaは体重値の限度値を、横軸のΦは体重Waが最小になるときの時刻を表している。
維持モードAでは、グラフの直線Iaに示すように時刻tにおけるエネルギー摂取量Itを一定の値とする。すなわち、Itの初期値をISとしたとき、維持モードAのエネルギー摂取量の維持条件は、次の式:
t=IS(一定) ……式8
となる。エネルギー消費量Eaがエネルギー摂取量Iaよりも大きいときは、体重Waが減少していき、体重の減少に伴ってエネルギー消費量Eaが減少していく。逆に、エネルギー消費量Eaがエネルギー摂取量Iaよりも小さいときは、体重Waが増加していく。時刻Φの時点で、エネルギー消費量とエネルギー摂取量が等しくなるので、体重の変化もゼロになる。この時点で体重がLaの値以上に減少しない「限度値」となる。
体重の変化を表す曲線Waは、エネルギー摂取量をエネルギー消費量よりも少ない量で一定に保っていても、体重Waはある限度値Laまでは下がるが、加齢による基礎代謝の減少によりエネルギー消費量がわずかに減り続けるため、その後増加していくことを示している。この加齢による体重増加を抑えるには、加齢によるエネルギー消費量の減少分を日々減らして摂取する必要がある。次に説明する維持モードBの維持条件はこの加齢による体重増加を抑えるためのものである。
次に、維持モードBの計算原理について説明する。図8(b)1及び(b)2は、維持モードBにおけるエネルギー変化と体重変化を表すグラフである。(b)1の縦軸はエネルギーを、縦軸のISbはエネルギー摂取量の初期値を、横軸は時間を、Ebはエネルギー消費量を、Ibはエネルギー摂取量を表している。領域G1bはエネルギー消費量Ebがエネルギー摂取量Ibよりも大きいときのエネルギー差の合計を表している。(b)2の縦軸は体重を、横軸は時間を、Wbは体重の時間変化を、ωは体重の測定値を、縦軸のLbは体重値の限度値を表している。
維持モードBは、前述のように、加齢による体重の増加を抑えるために、加齢によるエネルギー消費量の減少量を日々減らしたエネルギー量を日々摂取するという維持条件で線Ibにより表されている。維持モードBのエネルギー摂取量の維持条件は、エネルギー摂取量の初期値をIS、推定エネルギー消費量をfE(Wt,t)としたときに、次の式:
t=IS−〔fE(Wt,1)−fE(Wt,t)〕 ……式9
で表される。(b)1でエネルギー摂取量のグラフIbは、徐々に減少しており、エネルギー消費量Ebのグラフが上から徐々に近づいているが、維持モードAのEa及びIaとは異なり、エネルギー消費量Ebが減少した分更にIbが減るので、EbとIbが交わることはない。そのため、(b)2の体重Wbの曲線に見るように、維持モードBの体重変化は、限度値Lbに収束していくため、限度値Lbは収束値となる。
維持モードBでは、体重値の限度値が収束値となるが、体重値の限度値を収束値とすることで、上限値も算出することができることが特長となる。この点、維持モードAでは、加齢による代謝の減少で、体重の増加が続くため、体重が上昇している状態では、「上限なし」となり、体重値の限度値を数値として算出することができない。しかし、体重値の限度値を収束値とすることで、体重の増加の状態で上限値が算出され、体重がどこまで増加するかが分かる。体重管理においては、「リバウンド」に悩まされるケースが多いが、維持モードBでは、リバウンドの防止に役立つ上限値の算出をすることができる。また、体重管理は、体重減少以外に体重の増加を目的とすることもあるが、維持モードAでは、摂取量を維持した時にどこまで体重を増やせるかの指標を得ることができない。しかし、維持モードBによると、このような体重増加を目的とする体重管理においても体重値の限度値を参考にして、生活習慣を改善させ、目的の体重に近づけ維持させることができる。
次に、維持モードCの計算原理について説明する。図8(c)1及び(c)2は、維持モードCにおけるエネルギー変化と体重変化を表すグラフである。(c)1の縦軸はエネルギーを、縦軸のIScはエネルギー摂取量の初期値を、横軸は時間を、Ecはエネルギー消費量を、Icはエネルギー摂取量を表している。領域G1cはエネルギー消費量Ecがエネルギー摂取量Icよりも大きいときのエネルギー差の合計を表している。(c)2の縦軸は体重を、横軸は時間を、Wcは体重の時間変化を、ωは体重の測定値を、縦軸のLcは体重値の限度値を、I2は限度値Lcの値の大きさを、E2は時刻Tにおける体重Wcの値の大きさを表している。
維持モードCでは、(c)1のIcの曲線に見るように、摂取量Icをいったん増加させた後、維持条件Bのように加齢によるエネルギー消費量の減少に伴って摂取量を減らしていく維持条件となっている。維持条件Cは、日々の単位体重当たりの1日の推定エネルギー消費量に比例するエネルギー量を日々摂取するという維持条件で、維持条件Cの条件式は、エネルギー摂取量の初期値をIS、推定エネルギー消費量をfE(Wt,t)としたときに、次の式:
t=〔IS・W1/fE(W1,1)〕・〔fE(Wt,t)/Wt〕 ……式10
で与えられる。
この式10の維持条件によると、算出された限度値Lcが、上記のDR=DR1=DR2とする場合には、式10の〔IS・W1/fE(W1,1)〕の部分の値と一致することが分かっており、式10は、It/Lc=fE(Wt,t)/Wtと変形される。そのため、エネルギー摂取量Itの推定エネルギー消費量fE(Wt,t)に対する比と、限度値Lcの体重Wtに対する比とが、全ての時刻tで等しくなるという極めて特異な特徴を示す。グラフでは、(c)2のI2の大きさのE2の大きさに対する比が、時刻Tにおけるエネルギー摂取量ITの推定エネルギー消費量fE(WT,T)に対する比に等しくなっている。
これにより、限度値Lcを現在時刻Tの体重WTに対して比べることで、時刻Tにおけるエネルギー摂取量の推定エネルギー消費量に対する比を把握することができる。また、このことから、維持条件Cにおける限度値Lcの値を使って、エネルギー摂取量と推定エネルギー消費量のバランス状態示す指標を、比、比の値、その百分率、またはグラフなどにより提供することができる。なお、本実施形態においては、摂取/消費比の計算でこの比の値の百分率を計算している。
維持モードCでは、更に、体重値の限度値が「収束値」となることが発明者による計算及び数式分析の結果から分かっている。その実際的な理由は、維持モードCでは、単位体重当たりのエネルギー消費量に比例した摂取量を保つことになるが、加齢により単位体重当たりのエネルギー消費量が減少すると、それに比例して摂取量を減らす条件になっているためである。これにより、維持モードCでは、維持モードBと同様に、加齢による代謝の減少を考慮に入れつつも体重値の限度値が「収束値」となり「上限値」を算出させることが可能で、それによりどこまで体重が増加しそうかを把握させることができ、また、体重増加目的の体重管理にも使用できる。
更に、式10の維持条件と式3のEtによると、式1の微分方程式は、定数C=IS・W1/fE(W1,1)としたときに、次の式:
∂Wt/∂t=〔fE(Wt,t)・(1−DR)/Ft〕・(C/Wt−1)……式11
で表すことができる。この式11の微分方程式の一般解は、〔fE(Wt,t)・(1−DR)/Ft〕>0なら、tを無限大にしたときに値Cに収束することが、発明者の計算例及び数式分析により分かっている。1−DR>0であり、fE(Wt,t)も基礎代謝量に基づくエネルギー消費量を表すので、正の値をとるため、一般のfE(Wt,t)の式で、式10の維持条件と式3のEtを使った時に、Cの値を計算すればWtの収束値を得ることができる。
本実施形態においては、式10の維持条件はペットモードでも使用する。ペットモードで使用するfE(Wt,t)の式としては、恒温動物などの安静時代謝量が体重の4分の3乗に比例するとする既知の推定式を使うが、式10の維持条件と式3のEtを使うことにより、ペットモードでも維持モードCと同様に、体重値の限度値が収束値となり上限値も得られ、更に、その値を摂取/消費比の計算に使用でき、体重値の限度値を体重と比較させることで、エネルギー摂取量の推定エネルギー消費量に対する比を把握させることができる。
このように本発明における体重の限度値は、エネルギー消費量の推定式があれば人間だけでなく生体一般に活用できる。本発明の実施形態においては、ペットモードとして恒温動物での実施例を示すが、微生物や変温動物においても同様の推定式と係数が知られており、係数を差し替えるだけで活用することができる。
(初期条件ISを決定させる計算手法)
エネルギー摂取量の初期条件を決定する手法には、大きく2通りある。1つは、エネルギー摂取量の初期値ISを直接計算してからそのISを使って限度値を算出する手法で、もう1つは、限度値の計算と同時にエネルギー摂取量の初期条件そのものは算出しないで間接的にエネルギー摂取量の初期条件を決定する手法がある。間接的にエネルギー摂取量の初期条件を決定する手法としては、体重の限度値を測定データから計算する計算式による場合がある。限度値が計算式により算出されることで、間接的にエネルギー摂取量の初期条件が決まるためである。
エネルギー摂取量の初期条件を決定する手法は、解析的に得られた一般解(解析解)を使用するかどうかにより、更に2通りに分かれる。式1の微分方程式は、一般解を解析的に得られないことがある。しかし、式6の一般解自体は、式7の漸化式に従うので、式7の漸化式によって得られる値を、原理的(数式的)または数値的に使用して、補間または近似を行う。
また、近似の手法として、積分方程式を使う手法と最小二乗法を使う手法がある。
まず、積分方程式を使う計算手法としては、式1の微分方程式の積分形を利用するものがある。すなわち、式1及び式2による微分方程式:
∂Wt/∂t=(It−Et)/Ft=G(IS,Wt,t)
を変形して期間n〜T日で積分すると、nからT日目までの体重変化の総量を表す式が、次の積分方程式:
n T(∂Wt/∂t)dt=∫n T(It−Et)/Ft dt=∫n TG(IS,Wt,t)dt
……式12
として得られる。式12の積分方程式を未定の初期条件ISについて予め数式処理で解き、Wtに体重測定データωt(t=1〜T)を代入してコンピュータに積分の近似計算をさせることでエネルギー摂取量Itの初期条件ISを求めることができる。ここで得られた初期条件IS及び体重測定データを使用して、式7の漸化式を使ってコンピュータに下限値または上限値としての限度値を計算させる。
また、最小二乗法による手法がある。最小二乗法は通常、近似させる未定係数を含む関数(例えば直線や多項式)を決定しておき、その関数の微分式を活用して最小二乗和を求める偏微分方程式を数式的に解くことで行われる。しかし、ここでは、その条件を満たす近似させる体重の関数曲線Wt=fW(t)自体を用意することができないときもあることが前提になっている。そのときは、近似させる関数曲線が分からないまま最小二乗法を使わなければならない。そこで、体重測定データωtと式7の漸化式を使用し、コンピュータに、初期条件W1=WS及びISを小刻みに変化させながらWtとωtとの偏差の二乗和Sを計算させてSの最小値を探索し、初期条件WS及びISの組を決定させる。このような手法により、近似させる体重Wtの関数式なしに、最小二乗法を使って初期条件WS及びISを決定させることができる。WS及びISが決定すれば、再び式7の漸化式を使ってコンピュータに下限値または上限値としての限度値を計算させる。
初期条件ISは、体重の限度値の計算において直接的に値として決定されるだけでなく、体重の限度値を求める計算式により、値としてISを直接求めることなく限度値が算出されるのと同時に決定されることもある。例えば、最も単純な例として、1日当たりの体重変化量の条件で、It=I(一定)、Et=k・Wt、(k:正の定数、Etが体重Wtに比例するとする式)、Ft=F0(正の定数)とした場合、式1の微分方程式は、次式:
∂Wt/∂t=(IS−k・Wt)/F0 ……式13
のようになる。式13を解くと、
t=IS/k+C0・Exp(−k・t/F0) (C0は定数) ……式14
になる。式14を分析すると、日数tを限りなく大きくしたときにWtがIS/kに収束することがわかる。従って、体重値の限度値Lは、次式:
L=IS/k
として算出できる。このとき、未定定数ISとC0は、W1=ω1、WT=ωTを代入すると、次の連立方程式:
ω1=IS/k+C0・Exp(−k・1/F0),
ωT=IS/k+C0・Exp(−k・T/F0
を満たす。L=IS/kと置き換えると、次のように、W1とWTとから、次の数式処理の過程:
0=(ω1−L)/Exp(−k・1/F0
ωT=L+〔(ω1−L)/Exp(−k・1/F0)〕・Exp(−k・T/F0
ωT=L+(ω1−L)・Exp〔−k・(T−1)/F0
L=〔ωT−ω1・Exp{−k・(T−1)/F0}〕/〔1−Exp{−k・(T−1)/F0}〕
で処理し、Lを求める計算式:
L=ωT+(ωT−ω1)/〔Exp{k・(T−1)/F0}−1〕 ……式15
を導出できる。コンピュータに、式15の計算式のωT及びω1に、実際の体重測定データを代入させてLを計算させることにより、L=IS/kという関係から、体重の限度値Lを求めると同時に、エネルギー摂取量の初期条件であるISを決定させることができる。なお、式15の同値変形式や級数展開による近似式を使ってもよい。
(体重の平均値の利用)
式12の積分方程式による近似や、式15の計算式のような補間法を使用して体重の限度値を計算する手法においては、期首と期末の2つの測定データの精度が計算結果に大きく影響する。すなわち、式12の左辺:∫n T(∂Wt/∂t)dtは、積分を実行すると、WT−Wnとなり、中間の体重の変化に依存せずに期首と期末のWtの値により値が決まる。また、式15におけるように、体重測定データは、期首ω1と期末ωTの2つのデータしか使用していないこともある。しかし、体重の測定値は、一時的に、エネルギーを持たない体水分量や、未消化の食物量などによる影響を受けている。期首と期末の体重測定データをそのまま使用すると、限度値の計算にこれらが敏感に影響することから、期首または期末の数日間の平均体重を使用して計算するとよい。それにより、このような体水分や未消化の食物の量の一時的な影響を除去することができる。そこで、式12の積分方程式による近似や、式15の計算式のような補間法を使用する場合においては、適宜、体重測定データの平均値または移動平均を使用して計算を行わせる。もっとも、最小二乗法を使用して、エネルギー摂取量の初期条件だけでなく体重の初期値をも探索の対象にするときは、このような理由で体重データの平均値を使用する必要はなく、比較的精度の高い値を得ることができる。
(目安期間の意義、計算手法及び効果)
次に、目安期間の体重管理における意義と計算原理について説明する。体重の限度値は、一定の維持条件を保った場合にどこまで体重が変化するかを示す値であるが、限度値に至る過程で、いつごろどの程度変化するのかを把握することも体重管理にとって重要な観点となる。そこで、限度値と現在体重との関係で、例えばその差が半分の50%になるまでに何日かかるかが計算され提示されていれば、限度値を維持改善するモチベーションを保ちやすい。
目安期間は、ある体重になる日数t(日)を予測する式t=f-1(Wt)が、式1の解析解により数式処理で求めることができればそれを利用する。式1の微分方程式は、解析解が数式処理で容易に得られるとは限らず、解析解があっても日数tについて解くことができないことが稀ではない。解析解を使わないときは式7の漸化式を逐次計算して目標とする体重になる日数tを、計算すればよい。
目安期間により、体重管理計画を立案し実行することが容易になる。例えば、達成率50%、すなわち体重値の限度値と現在体重との差が半分の50%になるまでの目安期間が150日であるとする。5kgの減量を望んでいる場合に、倍の10kgだけ現在の体重から体重値の限度値を落とすように食事などにより生活習慣を改善させ、それを150日間維持させれば、目標の減量が達成できることが分かる。実際に150日後に達成した後、リバウンドしないようにするには、体重値の限度値を達成体重付近に維持するように調整すればよい。このように、目安期間と体重の限度値により、体重管理の計画が容易に立案でき、実行の進捗を確認しつつ、達成後のリバウンド防止まで調整することが可能になる。
(計算方法)
以下に、本実施形態における体重の限度値及び目安期間の具体的な計算方法を示す。ある期間T日間の体重測定データωt(日数t=1〜T)に基づく体重値の限度値LT及び達成率τの目安期間MT τの計算式及び計算方法について以下に説明する。なお、以下の計算方法で、ωtは、未測定の日のデータがないように、線形補間法などの適宜の補間近似方法により、未測定日のない1日ごとの連続したデータに整形されているものとして説明する。
まず、共通項として、(ア)算出できる範囲、(イ)使用データ、(ウ)共通の処理及び定数を説明したのち、維持モードA、維持モードB、維持モードC及びペットモードについて、(エ)各モードでの個別の計算方法を示す。
(ア)算出できる範囲
以下に説明する計算方法において算出可能な体重値の限度値のデータ期間T及び目安期間の達成率τは次のとおりである。
体重値の限度値LT:データ期間T≧2(データ期間T=14,28,56など)
目安期間MT τ:達成率0<τ<1(τ=0.3,0.5,0.75など)
本実施形態においては、データ期間T=14、28及び56での体重値の限度値と、T=56の達成率τ=0.3、0.5及び0.75の目安期間を計算する。他のデータ期間における限度値またはそれらに対応した他の達成率での目安期間を算出することもできる。データ期間Tを7日のような短期にすると、限度値が極めて大きく変動することから、T=14日(2週間)以上が好適で、逆に、Tを長期にすると、日々の変動が小さくなり、かつ、体重値に近づくため、生活習慣の改善度合いを見る指標としての機能が薄れるので、T=56日(8週間)以下が好適である。また、生活習慣は、7日周期であることが一般なので、データ期間Tは7の倍数とすることが望ましい。
(イ)使用する体重測定データ及びユーザデータ
以下に示す体重値の限度値及び目安期間の計算方法では、必要に応じ次の各データを使用する。年齢、身長及び身体活動レベルは、基準時t=1における値を使用する。
期間T日間のt日目の体重測定値:ωt(kg)(t=1〜T),
性別:男性・女性,
年齢:A(歳)(A≧18),
身長:H(m),
身体活動レベル:P(低い=1.50、普通=1.75、高い=2.00を使用)
なお、本実施形態におけるペットモードでは、性別、年齢及び身長は使用しない。ペットの身体活動レベルは、不明の場合は、「普通=1.75」を使用する。例えば、避妊していないイヌで身体活動レベル1.8、ネコで1.4という値が知られており、ほぼ人間と同じため同じ区分を使用する。
(ウ)共通の処理及び定数
以下に示す計算方法で使用する共通の計算処理及び定数は次のとおりである。体重測定値ωtの平均値として、次の式:
t日目までのn日間の平均体重:Ωt(kg)=(Σi=(t-n+1) t ωi)/n
……式701
で計算する値を使用する。Ωtの日数nは、生活習慣が一般に7日間の周期で形成されていることを考慮して、本実施形態においては、n=7を使用するが、n=14、21などの7の倍数などの他の日数を用いてもよい。n=1とすると測定値自体を使用するのと同じことになる。以下の説明では、n=7を前提に説明する。なお、Σi=1 Njは、整数i=1〜Nでのa1〜aNの総和を表す(以下同じ)。
計算式における記号∫a bf(x)dxは、区間[a,b]での定積分を表し、次の積分近似式(a、bを整数、きざみ幅1とする台形公式):
a bf(x)dx≒Σi=a bf(i)−〔{f(a)+f(b)}/2〕 ……式702
を使用して近似計算する。この積分の近似計算は、シンプソンの公式など他の近似公式を使用してもよい。
定数値としては、次の各値:
食事誘発性熱産生のエネルギー摂取量及び推定エネルギー消費量に対する割合:
R=0.1,
単位体重当たりのエネルギー量:F0(kcal/kg)=7200,
0を(1−DR)で除した値:FD=F0/(1−DR)=8000,
を使用する。
また、定数a、b、c及びdは、性別により、周知の基礎代謝量推定式であるハリスベネディクト式に基づいた次の表1の値を使用する。ハリスベネディクト式は、「(1日当たりの基礎代謝量:kcal/日)=a+b×(体重:kg)−c×(年齢:歳)+d×(身長:m)」の形式で表される式である。
Figure 0006332745
本実施形態において好適な基礎代謝量の推定式として、身長による体格の考慮ができること、年齢が年齢階級によらないこと、数式処理がしやすいことなどの観点から、切片のある体重の1次式で表す「ハリスベネディクトの式」を原則として利用する。なお、ハリスベネディクト式の定数値を日本人向けに調整している、国立健康・栄養研究所の式の値を使用して作成した参考値(表1のかっこ内の値)を使用してもよい。ペットモードで使用する式としては、恒温動物などの安静時代謝量が体重の4分の3乗に比例するとする既知の推定式を使う。
また、単位体重当たりのエネルギー量Ftとしては、体重の変化は脂肪細胞の変化によるものとみなして、脂肪1kgのエネルギー約9000kcal/kgに脂肪細胞が含む水分量20%を控除して計算した値である7200kcal/kgを定数値F0として使用する。
(エ)各モードでの個別の計算方法
「モードA」の体重値の限度値LTAの計算式及び目安期間MTAの計算方法を下記の式711及び式712として示す。
限度値(kg):LTA=(ISA−α)/(FD・β)+(γ/β2)・loge(β2・X/γ),
X=〔ΩT−(ISA−α)/(FD・β)+γ/β2−(T−3)・γ/β〕・Exp((T−3)・β),
X≦0のときは、「上限なし」,
SA=〔FD・(ΩT−Ω7)+∫7 TE(Ωt,t)dt〕/(T−7),
関数fE(Ωt,t)=P・〔a+b・Ωt−c・{A+(t−1)/365}+d・H〕,
α=P・(a−c・A+c/365+d・H),
β=P・b/FD
γ=P・c/365 ……式711
達成率τの目安期間(日):MTA τ=tM−T,
関数fMA(t)=α/β−γ/β2+γ・t/β+X・Exp(−β・t),
GA(kg)=ΩT+τ・(LTA−ΩT),
M:fMA(t)のtをTから1ずつ加算し、fMA(t)>WGAとなったときのtの値
……式712
式711及び式712を、S37及びS38において限度値算出部396及び目安期間算出部397に計算させるときは、まず、ステップS710として、指定IDのデータ70の性別などのデータと、体重測定データωt(t=1〜T)として体重測定データ配列ω[n]の最後のT個のデータとを使って、式711におけるISAを、定数値a、b、c、d、A、H、P及びFDと、関数fE(Ωt,t)と、式701のωtの平均値Ωtを求める式と、式702の積分近似式とにより算出する。次に、ステップS711として、S710で算出したISAを使って、式711のXを算出し、Xの値を使ってLTAを算出する。
続いて、ステップS712として、式712のアルゴリズムにより、目安期間を算出する。S712では、まず、目標とする体重WGAを、算出するτごとに、S710で算出したΩT、S711で算出したLTAなどにより算出し、関数fMA(t)のtをt=Tから1ずつ加算し、fMA(t)>WGAとなった時のtの値tMを算出し、tMを使って式712のMTA τの式により目安期間MTA τを算出する。なお、S712では、S712のアルゴリズムよりも収束の速いアルゴリズムとして、ニュートン法などの方程式の解を求める既知のアルゴリズムを使用してもよい。なお、式712のX、α、β及びγは、式711と共通である。
式711により、モードAでの体重値の限度値が計算できる。式711は積分方程式を使用した手法で導出されている。式711の体重の変化率が従う条件となる勾配関数GAは、体重測定データに平均値Ωtを、Itに式8を、Etに式3を使用し、FtをF0(一定)として、次の式:
A(IS,Ωt,t)=〔IS−fE(Ωt,t)〕/FD ……式713
となる。式711は、式713の勾配関数GAを式5の微分方程式の右辺に代入したときの解析解と式12の積分方程式とを使用して導出したものである。式711のISAはエネルギー摂取量の初期条件を決定する式である。式711は、微分方程式の解析解の微分係数が0になるときに体重の限度値がもたらされることを考慮して導出している。
式711では、Xの値がゼロまたは負になると、体重値の限度値が値として計算できず、「上限なし」として扱うことになる。これは、加齢による基礎代謝量の減少を反映したもので自然の結果である。
次に、「モードB」の体重値の限度値LTB及び目安期間MTBの計算式を下記の式721及び式722として示す。
限度値(kg):LTB=(ISB−α)/(P・b),
SB=〔FD・(ΩT−Ω)+∫7 T{fE(Ωt,t)+t・P・c/365}dt〕/(T−7),
関数fE(Ωt,t)=P・〔a+b・Ωt−c・{A+(t−1)/365}+d・H〕,
α=P・(a−c・A+c/365+d・H) ……式721
達成率τの目安期間(日):MTB τ=−(1/β)・loge(1−τ),
β=P・b/FD ……式722
式721の勾配関数GBは、体重測定データに平均値Ωtを、Itに式9を、Etに式3を使用し、FtをF0(一定)として、次の式:
B(IS,Ωt,t)=〔IS−fE(Wt,1)〕/FD ……式723
となる。式721は、式711と同様に、式5の微分方程式の解析解と式12の積分方程式とを使用した手法で導出している。
式721により、モードBでの体重値の限度値を計算することができる。モードBでは、体重値の限度値は「収束値」として計算され、「上限値」も計算される。
式722により、モードBでの目安期間を計算することができる。モードBの目安期間は、達成率のほか、ユーザデータの性別及び身体活動レベルにより決定され、体重の変化による影響を受けない値として算出される。また、式722は、半減期の理論が適用できる式ともなっており、例えば、達成率50%(残り2分の1)の目安期間が100日であれば、倍の200日で75%(残り4分の1)が達成される。
次に、「モードC」の体重値の限度値LTC及び目安期間MTCの計算式を、下記の式731及び式732として示す。
限度値(kg):LTC=〔FD・(ΩT−Ω)+∫7 TE(Ωt,t)dt〕/RC
C=∫7 T〔fE(Ωt,t)/Ωt〕dt,
関数fE(Ωt,t)=P・〔a+b・Ωt−c・{A+(t−1)/365}+d・H〕
……式731
達成率τの目安期間(日):MTC τ=fMC(ΩT)−fMC(WGC),
GC=ΩT+τ・(LTC−ΩT),
関数fMC(x)=〔κ・loge(x+κ)+β・LT・loge|x−LTC|〕/(κ・β+β2・LTC),
κ=P・(a−c・A+d・H)/FD
β=P・b/FD ……式732
式731の勾配関数GCは、体重測定データに平均値Ωtを、Itに式10を、Etに式3を使用し、FtをF0(一定)、Cを定数として、次の式:
C(IS,Ωt,t)=〔(1−DR)・fE(Ωt,t)/FD〕・(C/Ωt−1)
……式733
となる。式731は、式12の積分方程式に式733を代入して、Cについて解くことにより導出している。上述のようにこのCがそのまま限度値LTCとなる。
このように、式731により、モードCでの体重値の限度値を計算できる。式731によると、体重値の限度値は、収束値となり、上限値の算出もできる。また、式731による体重値の限度値では、この体重値の限度値の体重に対する比により、摂取/消費比を把握することができる。
式732は、モードCでの目安期間を計算するもので、近似式となっている。厳密には、式712のように数値計算が必要であるが、加齢を考慮しないエネルギー消費量の式を使用すると、式1の微分方程式の解析解が日数tを求める体重Wtの逆関数として得られ、誤差も数日なのでその逆関数を使用している。
次に、「ペットモード」の体重値の限度値LTP及び目安期間MTPの計算式を、下記の式741及び742として示す。
限度値(kg):LTP=〔FD・(ΩT−Ω)+∫7 TEP(Ωt,t)dt〕/RP
P=∫7 T〔fEP(Ωt,t)/Ωt〕dt,
関数fEP(Ωt,t)=P・ρ・Ωt 0.75
ρ=0.8333・20.65・4.1 ……式741
達成率τの目安期間(日):MT τ=〔fMP(WGP)−fMP(ΩT)〕・P/(FD・ρ),
GP=ΩT+τ(LTP−ΩT),
関数fMP(x)=λ・loge|(λ−x0.25)/(λ+x0.25)|−2・λ・Arctan(x0.25/λ)+4・x0.25
λ=LTP 0.25 ……式742
式741の勾配関数GPは、体重測定データに平均値Ωtを、Itに式10を、Etに式3を使用し、FtをF0(一定)、Cは定数として、次の式:
P(IS,Ωt,t)=〔(1−DR)・fEP(Ωt,t)/FD〕・(C/Ωt−1)
……式743
となる。式741は、式731と同様に、式12の積分方程式に式743を代入して、Cについて解くことにより導出している。上述のようにCはそのまま限度値LTPとなる。式741によると、体重値の限度値は、収束値となり、上限値の算出もできる。また、式741による体重値の限度値では、この体重値の限度値の体重に対する比により、摂取/消費比を把握することができる。
式741の関数fEP(Ωt,t)は、体重W(kg)の恒温動物の安静時代謝量REE(J/s、ワット)を、REE=4.1・W0.75で推定する式を使用している。係数ρは、REEの係数4.1で、安静時代謝量を基礎代謝量に換算し(1/1.2=0.8333)、かつ、仕事率の単位J/sをkcal/日に単位換算するものである。
式721、722、731、732、741及び742の式を、限度値算出部396及び目安期間算出部397に計算させるときは、指定IDのデータ70とデータ抜けのない体重測定データ配列ω[n]を使って、上記のモードAの例にならって算出できるので、詳細のステップは記載しない。
なお、式721、式731、式741のΩtはn=7として「7日間の平均」を使用しているが、各式の日数「7」を適宜他の日数nに置き換えることで7日間以外の日数でも使用可能である。また、式711においては、日数「7」を適宜他の日数nに置き換えるほか、更に、(T−3)を{T+1−(n+1)/2}に置き換えることで、7日間以外の日数でも使用可能である。
体重の限度値の計算方法は上記の方法に限られず、他に様々な計算方法がある。以下に変形例として、最小二乗法を用いた一般的なエネルギー摂取量及び消費量の条件で使用できる方法と、推定エネルギー消費量が体重に比例するという前提での計算式とを示す。
(計算方法の変形例1)
まず、最小二乗法を用いた、一般的なエネルギー摂取量及び消費量の条件で使用できる体重の限度値及び目安期間の計算方法を、計算方法の変形例1として示す。
前提として、ある期間T日間のt日目の体重測定値をωt(kg)とし、エネルギー摂取量の初期値をIS(kcal/日)とし、基準日からt日目の体重予測値をΨt(kg)とし、1日当たりの体重変化量を求める少なくともIS及びΨtをパラメータに持つ勾配関数をG(IS,Ψt,…)とし、Ψtが従う漸化式をΨt+1=Ψt+G(IS,Ψt,…)とし、Ψtの初期値Ψ1をΨS(kg)とする。
勾配関数G(IS,Ψt,…)は、式1により具体的な数式として決定しておく。式2〜式4にエネルギー消費量Etの例を、式8〜式10にエネルギー摂取量Itの維持条件の例を上げたが、任意の推定式や条件により勾配関数G(IS,Ψt,…)を設定することができる。勾配関数Gのパラメータ変数としては、IS及びΨtは必要だが他に日数tを入れることができる。基準時の年齢A、身長Hなどの他のパラメータは、計算段階では既定の定数として扱う。
例えば、上記の維持モードA、B、C、及びペットモードの体重の限度値を、本計算方法の変形例1により計算するときは、次のような勾配関数Gを設定すればよい。すなわち、DR、F0、P、A、H、a、b、c及びdは定数として、
G(IS,Ψt,t)=〔It−{(1−DR)・fE(Ψt,t)+DR・It}〕/F0
とし、推定エネルギー消費量の推定式fE(Ψt,t)は、維持モードA、B及びCでは、
E(Ψt,t)=P・〔a+b・Ψt−c・{A+(t−1)/365}+d・H〕
ペットモードでは、恒温動物一般の式である、
E(Ψt,t)=P・0.8333・20.65・4.1・Ψt 0.75
とし、エネルギー摂取量の維持条件Itは、維持モードAが式8を、維持モードBが式9を、維持モードC及びペットモードが式10を、それぞれ使用すればよい。式13の例では、勾配関数G(IS,Ψt,…)は、k及びF0を定数として、次式:
G(IS,Ψt)=(IS−k・Ψt)/F0
となる。また、小児の身長、年齢による身体活動レベル、体表面積及び単位体表面積当たりの推定エネルギー消費量を求める関数を用意すれば、18歳未満の人間についても体重の限度値の算出ができる。
tは、測定対象において意図的に変化させられる量なので、設定の自由度は高い。例えば、「現在一定に保っているエネルギー摂取量ISを基準に現在から1か月間だけ20%減らす」というような条件を設定してもよい。この条件によるとItの条件式は、
t=IS (1≦t≦Tのとき),
S・(1−0.2) (T<t≦T+30のとき),
S (t>T+30のとき)
となる。この条件式を、一つの数式で表現しかつ微分可能になるような数式で表現することもできるが、本計算方法の変形例1では、以下に示すように微分方程式を解くなどの数式処理は不要なので、上記のように離散的な設定でもよく、設定は比較的容易である。
計算処理の最初に、ステップS91として偏差の二乗の和を求めるIS及びΨSをパラメータとする次の関数S(IS,ΨS)の式:
S(IS,ΨS)=Σk=1 T(Ψ−ω2 ……式771
において、S(IS,ΨS)の値を最小にするIS及びΨSの値の組(ISmin,ΨSmin)をCPUによる数値計算で求める。
ここで、IS及びΨSの探索範囲ときざみ幅として、例えば、次の範囲と値:
探索範囲−5000≦IS≦10000,きざみ幅10(kcal/日),
探索範囲ω1−10≦ΨS≦ω1+10,きざみ幅0.1(kg)
を設定する。ISの探索範囲の最小値をマイナスにするのは、極端な食事制限をしたときに一時的に体重値の限度値がマイナス値になることがあるためである。
上記の探索範囲と刻み幅で、全ての(IS,ΨS)の組について式771の和を計算し、式771の和を最小にするときの(IS,ΨS)の組である(ISmin,ΨSmin)を算出する。(IS,ΨS)の組み合わせは、この例では1501×201通りあるので、黄金分割法などの既知のアルゴリズムを利用して、探索数を少なくさせてもよい。
Ψ1からΨTまでの値は、漸化式Ψt+1=Ψt+G(IS,Ψt,…)に探索範囲内で対象となっている(IS,ΨS)の組を代入して求めることができる。この値を使用して、k=1からTまでの偏差の二乗(Ψ−ω2の値を求める。(IS,ΨS)の組み合わせを全て代入し、S(IS,ΨS)の値を最小にするIS及びΨSの値の組(ISmin,ΨSmin)を算出する。
次のステップS92及びステップS93で、S(IS,ΨS)の値を最小にする(ISmin,ΨSmin)を使用して、tをTから生存可能日数V(日)まで動かした場合のΨtの上限値ΨSUPまたは下限値ΨINFを、漸化式Ψt+1=Ψt+G(IS,Ψt,…)に代入して求める。生存可能日数Vは120年生きると仮定して、例えば、V=365・(120−A)とする。Vは、上限値または下限値が算出できるなら、3650日(10年)などの短期間に設定してもよい。
ステップS92では、漸化式Ψt+1=Ψt+G(IS,Ψt,…)に初期値(ISmin,ΨSmin)を代入してt=1から生存可能日数Vまで、1日ごとにΨtの値を求め、t≧Tの範囲で、Ψtが最大または最小となる日数MAXtまたはMINtを算出し、また、MAXtまたはMINtでの最大値ΨMAXtまたは最小値ΨMINt、及び、最大値の前日の体重値ΨMAXt-1または最小値の前日の体重値ΨMINt-1を算出する。
次に、ステップS93では、上限値ΨSUPまたは下限値ΨINFを以下のように算出する。
最大値ΨMAXtのMAXtがある場合、(1)MAXt=Tのときは、「値なし」とし、(2)T<MAXt<Vのときは、Ψtの最大値ΨMAXtを上限値ΨSUPとし、(3)MAXt=Vのときは、収束判定不等式:|ΨMAXt−ΨMAXt-1|<誤差ε(誤差εは、例えば0.000001kgを使う。以下同じ。)について、(a)この不等式を満たす場合、収束しているので、Ψtの最大値ΨMAXtを上限値ΨSUPとし、(b)この不等式満たさない場合、収束していないので、「上限なし」とする。
最小値ΨMINtのMINtがある場合、(1)MINt=Tのときは、「値なし」とし、(2)T<MINt<Vのときは、Ψtの最小値ΨMINtを下限値ΨINFとし、(3)MINt=Vのときは、収束判定不等式:|ΨMINt−ΨMINt-1|<誤差εについて、(a)この不等式を満たす場合、収束しているので、Ψtの最小値ΨMINtを下限値ΨINFとし、(b)この不等式を満たさない場合、収束していないので、「下限なし」とする。
次に、ステップS94として、ある期間T日間における体重値の限度値LTとして、値があるときのΨINFもしくはΨSUPまたは「上限なし」もしくは「下限なし」を算出記憶し、次の目安期間の算出処理ステップS95に移る。なお、一般的なエネルギー摂取量及び消費量の条件による場合、上限値及び下限値の2つの限度値があることもある。
ステップS95では、ステップS94で算出した限度値LTについて、達成率τの目安期間MT τの計算をする。まず、達成率τに対応する目標体重ΨGを次式:
ΨG=τ・(LT−ΩT)+ΩT
で算出する。次に、ステップS92と同様に、漸化式Ψt+1=Ψt+G(IS,Ψt,…)に初期値(ISmin,ΨSmin)を代入して、t=Tから順次Ψtを計算し、ΨT>ΨGの場合は、Ψt<ΨGとなったときの値tを、ΨT<ΨGの場合は、Ψt>ΨGとなったときの値tを、それぞれ達成率τの目安期間MT τとする。目安期間の算出が終わると、元の処理に戻り、次の表示などの処理を行う。
上記計算方法の変形例1によると、特殊な対象として、身長の変化を考慮する「小児」や、胎児の単位体重当たりのエネルギー量を考慮する「妊婦」だけでなく、人間以外の測定対象をも含む生体一般で、一般の条件において、複雑な関数が用いられるときでも勾配関数Gを定めれば、収束値や上限値を含む体重の限度値を計算できる。体重の初期値ΨSをも探索の対象としているため、ISのみを決定の対象とする方法より精度の高い限度値の計算が可能である。本計算方法の変形例1は、サーバ5などの体重計3よりもCPUの演算能力が高い装置での演算に適する方法であるが、様々なエネルギー摂取量や消費量などの条件を設定して、相互に比較するための方法としても活用できる。
(計算方法の変形例2)
次に、推定エネルギー消費量が体重に比例するという前提での体重の計算方法を計算方法の変形例2として示す。体重値の限度値LT及び目安期間MTの計算式を、下記の式791及び式792に示す。
限度値(kg):LT=Ωn+(ΩT−Ωn)/(1−Exp(−ξ)),
=ΩT+(ΩT−Ωn)/(Exp(ξ)−1),
=〔Ωn+ΩT+(ΩT−Ωn)/tanh(ξ/2)〕/2,
=〔Ωn+ΩT+(ΩT−Ωn)・coth(ξ/2)〕/2,
≒(Ωn+ΩT)/2+(ΩT−Ωn)/ξ+ξ・(ΩT−Ωn)/12,
≒(Ωn+ΩT)/2+(ΩT−Ωn)/ξ,
ξ=BMR・P・(T−n)/FD(BMRは、年齢A及び性別による下記の表2の値),
双曲線余接関数の級数展開式coth(ξ/2)≒2/ξ+ξ/6−ξ3/360+・・・
……式791
達成率τの目安期間(日):MT τ=−〔FD/(BMR・P)〕・loge(1−τ)
……式792
次に、式791及び式792で使用する表2を示す。表2は、体重1kg当たりの1日の基礎代謝量:BMR(kcal/日/kg)を性別及び年齢別に表したもので、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(非特許文献1)の「基礎代謝基準値」により作成したものである。
Figure 0006332745
推定エネルギー消費量が体重に比例するという前提での推定方法は、標準体型との体格差による誤差が生じる可能性があるものの、推定の計算が簡易になるなどの理由で、一般的に普及している推定方法である。推定エネルギー消費量f(W,t)は、体重1kg当たりの1日の基礎代謝量BMRに身体活動レベルPと体重Wとを乗じて、次の式:
(W,t)=BMR・P・W
で算出する。ここで、体重1kg当たりの1日の基礎代謝量BMRは、体格差を反映させるために、ハリスベネディクトの式など推定エネルギー消費量を算出する他の推定式により求めた値を体重で除した値を算出して、実際上それを使用してもよい。
式791は、体重1kg当たりの推定エネルギー消費量ERを、次式:
R=BMR・P
とし、FDを定数として、体重には平均値Ωtを使用し、勾配関数G(IS,Ωt,…)を次式:
G(IS,Ωt,t)=(IS−ER・Ωt)/FD ……式793
として導出しており、式13から式15までの導出例と同様の過程で導出しており、限度値は同様に収束値となり、上限値も算出することができる。式791におけるエネルギー摂取量及び消費量の条件は、式793の勾配関数を満たすようなIt及びEtの条件になるが、ERを一定と仮定すればIS一定で式8の形式に、ERを加齢により変化すると仮定すればISは式9の形式になり、更に、単位体重当たりの推定エネルギー消費量に比例する摂取量を摂取する式10、または、式11の微分方程式を満たす場合もある。このように、式791により体重値の限度値を計算するときは、エネルギー摂取量及び消費量の条件は、式793の勾配関数に適合するように調整される。
式791では、そこに示したように数式的には様々な同値変形や級数展開による近似が可能であるが、双曲線関数coth(またはtanh)の級数展開式を利用する場合、演算数が少ない単純な計算式となるので、サーバ5などの高性能のCPUを搭載した装置と比較して、体重計3のようにCPUの処理能力が低い装置での値の提供に適した計算式となっている。なお、式791による体重値の限度値LTは、式731による体重値の限度値LTCに近似した値になることが、発明者の計算結果により分かっている。
(体格指数、体重変化量の限度値などの計算方法)
体重の限度値の変形例として、BMIなどの体重及び身長から計算できる体格指数の限度値を算出してもよい。なお、BMIは、「(体重:kg)/(身長:m)/(身長:m)」で計算される体格指数である。
BMI値の限度値LBMIは、体重値の限度値をL(kg)、身長をH(m)としたときに、次の式:
BMI=L/H2
で算出できる。他の体格指数についても体重の限度値Lを体格指数の体重に代入して限度値として算出できる。
BMIなどの体格指数の限度値は、肥満、やせなどの指数ともなっており、体重または体格指数の限度値を維持することで、その値に体重が近づいていくので、肥満ややせの解消のための指標として活用することができる。
体重及びBMIなどの限度値は、値としての限度値だけでなく、変化量、変化割合または変化率として算出してもよい。体重変化量の限度値は、体重値の限度値をLとし、現在体重をWTとしたとき、例えば次の式:
体重変化量の限度値=L−WT(kg)
体重変化割合の限度値=L/WT−1
体重変化率の限度値=(L/WT−1)・100 (%)
で算出する。同様に、BMIなどの体格指数の変化量、変化割合または変化率の限度値も算出できる。
(効果)
体重の限度値は、体重の変化に基づいて計算するので、食事によりエネルギー摂取量を減らしても、運動習慣によりエネルギー消費量を増やしても、それらが体重に影響を与える限り、体重の限度値の値に反映される。更には、意識しない生活習慣の変化によるエネルギー状態の変化も限度値に影響を与えていく。従って、体重の限度値は、摂取及び消費のエネルギー差の状態に影響を与える生活習慣の総合的な評価手段として機能する。
体重の限度値は、体重測定データが同じでも、1日当たりの体重の変化量の条件(エネルギー摂取量及び消費量の条件を含む勾配関数G)により様々な値を取りうる。体重の限度値はこの条件を維持したときに体重が近づく値として実際の体重変化に基づいて算出されるが、逆に、限度値を維持するように体重をコントロールしていれば、この条件を満たしていることにもなる。従って、限度値を維持するように測定対象者の生活習慣を改善維持すれば、例えば、上記の維持モードBにおけるような「加齢分の代謝減少量の値を日々計算してそれに見合う食事量を減らす」などの複雑な条件を意識した生活改善の必要はない。加齢による代謝の減少に伴う体重増加に抗して、体重を収束させるには、体重を収束させるような条件を設定して、それにより計算された限度値を維持させるようにさせればよい。このようなコントロールを意識的に行うには、食事量や運動量の微妙なコントロールが必要であるが、本実施形態における体重の限度値を使用することで、限度値の維持という簡単な数値のコントロールに代えて行うことができるようになる。
「体重値」の限度値は、単位がkgである場合、ある条件を維持し続けたときに体重が何kgまで変化するかを表す値となるが、あと何kgやせるかなどの「変化量」の限度値や、あと何割まで、あと何%までやせるかなどの「変化割合」または「変化率」の限度値を示すことでも、測定対象の体重値が把握されていることが前提であるため、体重管理において体重値の限度値と同様の効果をもたらすことができる。BMI値などの体格指数値の限度値も同様に、変化量、変化割合または変化率の限度値により体重の限度値及び体格指数値の限度値と同様の効果をもたらすことができる。BMIなどの体格指数は、身長の異なる測定対象の肥満度などを相互に比較しやすい指標であるため、体格指数の限度値は、多くの測定対象を相互に比較するのにも適している。
(実施形態の変形例)
なお、上述の実施形態では、体重計3が全ての演算を行ったが、サーバ5が各種演算や入出力を行う構成にしてもよい。本発明においては、体重の測定機能は必須の構成要素ではないので、サーバ5に体重取得手段を備え、測定された体重測定値を測定日と関連させて取得させてもよい。
体重計3の測定機能を使用する場合は、ステップS2で体重測定値を測定日時とともにサーバ5へ送信する構成にすればよい。そして、サーバ5の制御部52のCPU521は、体重計3から体重測定値及び測定日時を受け取ると、体重測定値の測定データ71を取得し、図7のフローチャートに従う処理を実行し、データの記憶は記憶部55で行い、表示は表示部54で行う構成にすればよい。
体重計3の測定機能を使用しない場合は、サーバ5は、操作部53から、利用者に体重測定値とその測定日とを入力させて取得する構成にすればよい。また、サーバ5は、表示部54の画面に表示する情報を体重計3に送信する構成にしてもよい。体重計3は、この情報を受信して、表示部35に受信情報を表示する構成にしても良い。
更に、サーバ5は、通信手段を介してサーバ5に接続されている、図には示されていないパーソナルコンピュータや携帯電話機、スマートフォン、PDAなどの入力手段を有する他の機器から送信される体重測定値を測定日とともに取得して、サーバ5による演算結果をこれらの機器に送信し、これらの機器の表示機能を使って表示させる構成にしてもよい。
このようにサーバ5で処理を行う場合でも、体重の限度値の計算の結果を利用者に通知することができる。またこのようにサーバ5を用いる場合は、例えばインストラクターなどが確認し、利用者にアドバイスするといった利用も可能になる。
サーバ5またはサーバ5に接続された機器に表示する表示画面は、図1に示すものに限られない。たとえば、図9に示すように、サーバ5の表示部54またはサーバ5に接続された機器の表示部に、2週間、4週間及び8週間のような異なるデータ期間における体重及びBMIの限度値を体重値と共に、時系列でグラフとして表示させてもよい。その場合、時系列の体重値の限度値及び目安期間は、サーバ5において、例えば過去1年間の体重測定データに基づいて、各日付における体重値の限度値及び目安期間を、各日付の体重値の限度値などとして個別に計算させればよい。
図9(a)及び(b)は、実際の体重測定データに基づいて、上述の維持モードCで計算した1年間の体重測定データに基づいて作成された、1年間の時系列グラフの表示画面例である。この例では、(a)の「体重・BMI」の線をみると、体重が82kg付近から、70kg付近まで6カ月程度で12kg落ちている。「体重・BMIの限度値」は2週・4週及び8週データの3本の線で表されており、初期の8週間(56日間)では、体重の限度値の水準は54kg程度になっている。また、2週や4週データの時系列グラフでは、8週データと比べグラフの曲線が敏感に動き、より早いタイミングで生活習慣の変化の状態を捉えることができる。更に、このグラフは、維持モードCで計算された値により作成されているので、体重と限度値のグラフが、消費エネルギーと摂取エネルギーの比を表しており、エネルギー摂取量と消費量のバランス状態を直感的に把握させることができる。
図9(b)は、(a)の体重の限度値(2週データ)に対応した達成率30%、50%及び75%の目安期間が時系列で表示されている1年間の時系列グラフである。「達成率30%」の目安期間をグラフで見ると、初期の段階で80日から100日程度である。「達成率50%」の目安期間は、初期の段階で170日から160日程度である。体重と体重の限度値の差が、3カ月で30%減少し、5〜6カ月で体重と体重の限度値の差が半分になる計算である。グラフの体重の動きを見ると、3か月後に約74kg、6カ月後には約70kgになっている。当初の3カ月間はほぼ目安期間の予測通りになっている。当初の限度値の水準が54kg程度と推定すると、約5〜6カ月後に体重と限度値の平均値である(82+54)/2=68kgになる見込みになるが、実際は2kgほど高い状態になっている。これは、8週の限度値のグラフをみて分かるように、限度値の水準が、4カ月後ぐらいから上昇しているためと考えられる。
このように、図9(a)の時系列グラフにより、ある期間における体重の限度値がどのように変化したかがわかり、生活習慣の変化がいつ生じたのかを利用者に把握させることができる。時系列グラフで、減量目標とする体重以下に限度値が保たれるようになっているかを見ることにより、生活習慣の改善の効果や改善の必要性を把握することもできる。また、体重の限度値のグラフと体重値のグラフの上下関係やその差のひらき具合から、体重変化の速度を把握させることができる。体重より限度値のグラフが下にあるときは、体重が減少するが、逆の場合は上昇する傾向にあることがわかる。体重と限度値の開きが大きい時は、体重が大きく変化し、開きが小さくなると変化が少なくなることがわかる。また、体重の限度値は、体重の変化よりも敏感に動く指標であり、体重の変化を見ているだけでは気づかない生活習慣の変化をあぶりだすことができる。
BMIは体重に比例する指数であるため、時系列グラフの左右の軸に体重及びBMIをとっても1本の線で同時に2つの軸の数値を表現することができ、肥満ややせの傾向や、標準的な体格(BMI18.5〜25)を維持する生活習慣になっているかを体重・BMIの限度値の線をグラフから読み取ることで、把握することができる。
さらに、本実施の形態における体重計3またはサーバ5が行なう上述した体重管理の方法は、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、ROM、メモリーカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて、CPUにより読出され実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、体重管理を目的とした個人の生活習慣の改善維持だけでなく、集団の体重の平均値や体格指数を考慮した集団の体重値をデータに使用することで、集団の食事改善の評価や指導にも役立たせることができる。
1 体重管理システム
3 体重計
5 サーバ
34 操作部
35 表示部
351 ユーザ表示
352 維持モード表示
353 測定体重表示
354 限度値表示
355 目安期間表示
356 摂取/消費比表示
36 電源スイッチ部
41 上面カバー部

Claims (15)

  1. 測定対象の体重測定値と、測定日とが関連付けされた体重測定データを取得するための体重取得手段と、
    前記体重取得手段により取得された体重測定データを格納するための記憶手段と、
    エネルギー摂取量及び消費量の条件を含む前記測定対象が従う1日当たりの体重変化量の条件において、エネルギー摂取量の初期条件が、前記記憶手段に格納されているある期間T日間の複数の体重測定データにより決定され、当該決定される1日当たりの体重変化量の条件に従って体重が変化し続けると仮定したときの前記測定対象の体重の限度値を算出する算出手段と
    を備えることを特徴とする体重管理装置。
  2. 前記1日当たりの体重変化量の条件は、
    基準日からt日目における体重をWtとし、1日当たりのエネルギー摂取量をItとし、1日当たりのエネルギー消費量Etとし、単位体重当たりのエネルギー量をFtとし、1日当たりの体重変化量を∂Wt/∂tとした場合に、1日当たりの体重変化量が次の微分方程式:
    ∂Wt/∂t=(It−Et)/Ft
    を満たすものであることを特徴とする請求項1に記載の体重管理装置。
  3. 前記エネルギー摂取量及び消費量の条件は、
    基準日からt日目における体重をWtとし、1日当たりのエネルギー摂取量をItとし、1日当たりの推定エネルギー消費量を求める少なくとも体重Wtをパラメータに持つ関数をfE(Wt,…)とし、食事誘発性熱産生のfE(Wt,…)及びエネルギー摂取量に対する割合をそれぞれDR1及びDR2(ただし、食事誘発性熱産生によるエネルギー消費量の増減を考慮しないときは、DR1=DR2=0)とし、1日当たりのエネルギー消費量をEtとした場合に、次の式:
    t=(1−DR1)・fE(Wt,…)+DR2・It
    を満たすことを含むものであることを特徴とする請求項1または2に記載の体重管理装置。
  4. 前記1日当たりの体重変化量の条件におけるエネルギー摂取量の維持条件は、
    一定量のエネルギー量を日々摂取すること、
    または、
    加齢によるエネルギー消費量の減少量を日々減らしたエネルギー量を日々摂取すること、
    であることを特徴とする請求項1から3までのいずれかの項に記載の体重管理装置。
  5. 前記1日当たりの体重変化量の条件におけるエネルギー摂取量の維持条件は、
    日々の単位体重当たりの1日の推定エネルギー消費量に比例するエネルギー量を日々摂取すること
    であることを特徴とする請求項1から3までのいずれかの項に記載の体重管理装置。
  6. 前記1日当たりの体重変化量の条件は、
    基準日からt日目の体重をWtとし、1日当たりの推定エネルギー消費量を求める少なくとも体重Wtをパラメータに持つ関数をfE(Wt,…)とし、k0を正の定数とし、単位体重当たりのエネルギー量をFtとし、前記体重の限度値をLとした場合に、次の微分方程式:
    ∂Wt/∂t=〔fE(Wt,…)・k0/Ft〕・(L/Wt−1)
    を満たすことを特徴とする請求項1、2、3または5に記載の体重管理装置。
  7. 前記エネルギー摂取量の初期条件は、
    ある期間T日間のt日目の体重測定値をωtとし、1日当たりのエネルギー摂取量の初期値をISとし、基準日からt日目の体重予測値をΨtとし、1日当たりの体重変化量を求める少なくともIS及びΨtをパラメータに持つ関数をG(IS,Ψt,…)とし、Ψtが従う漸化式をΨt+1=Ψt+G(IS,Ψt,…)とし、Ψtの初期値Ψ1をΨSとしたときに、k=1からT(T≧2)までの偏差の二乗の和を求めるIS及びΨSをパラメータとする次の関数S(IS,ΨS)の式:
    S(IS,ΨS)=Σk=1 T(Ψk−ωk2
    において、S(IS,ΨS)の値を最小にするIS及びΨSの値の組を求めること
    により決定され、
    前記体重の限度値は、
    S(IS,ΨS)の値を最小にする当該IS及びΨSの値を漸化式Ψt+1=Ψt+G(IS,Ψt,…)に代入して求めるΨtの上限値または下限値を、期間T日間の体重測定値に基づく体重値の限度値LTとすることにより算出される
    ことを特徴とする請求項1から6までのいずれかの項に記載の体重管理装置。
  8. 前記体重の限度値は、
    ある期間T日間のt日目の体重測定値をωtとし、t日目までのn日間のωtの平均値をΩtとし、1日当たりの推定エネルギー消費量を求める少なくとも体重Wをパラメータに持つ関数をfE(W,…)とし、単位体重当たりのエネルギー量を定数F0とし、食事誘発性熱産生のエネルギー摂取量に対する割合をDR(ただし、食事誘発性熱産生によるエネルギー消費量の増減を考慮しないときは、DR=0)としたときに、次の計算式:
    T=〔(ΩT−Ωn)・F0/(1−DR)+∫n TE(Ωt,…)dt〕/∫n T{fE(Ωt,…)/Ωt}dt
    により、期間T日間の体重測定値に基づく体重値の限度値LTとして算出されることを特徴とする請求項1、2、3、5または6のいずれかの項に記載の体重管理装置。
  9. 前記体重の限度値は、
    ある期間T日間のt日目の体重測定値をωtとし、t日目までのn日間のωtの平均値をΩtとし、単位体重当たりの1日の推定エネルギー消費量をERとし、単位体重当たりのエネルギー量を定数F0とし、食事誘発性熱産生のエネルギー摂取量に対する割合をDR(ただし、食事誘発性熱産生によるエネルギー消費量の増減を考慮しないときは、DR=0)とし、双曲線余接関数をcoth()とし、ξ=ER・(T−n)・(1−DR)/F0としたときに、次の計算式:
    T=〔ΩT+Ωn+(ΩT−Ωn)・coth(ξ/2)〕/2
    または、前記計算式の双曲線余接関数を、双曲線余接関数の級数展開式:
    coth(ξ/2)≒2/ξ+ξ/6−ξ3/360+・・・
    の初項のみの部分を含む初項から有限項の部分に置き換えた前記計算式の近似式
    により、期間T日間の体重測定値に基づく体重値の限度値LTとして算出されることを特徴とする請求項1から6までのいずれかの項に記載の体重管理装置。
  10. 前記測定対象の身長を取得する身長取得手段と、
    前記身長取得手段により取得された身長データを格納するための身長記憶手段と、
    前記身長記憶手段の身長データと前記体重の限度値とに基づいて、BMIを含む体格指数の限度値を算出する算出手段と
    を更に備えることを特徴とする請求項1から9までのいずれかの項に記載の体重管理装置。
  11. 前記体重または体格指数の限度値は、体重または体格指数の値、変化量、変化割合または変化率の上限値または下限値として算出することを含むものである
    ことを特徴とする請求項1から10までのいずれかの項に記載の体重管理装置。
  12. 前記体重の値の限度値と現在の体重値との差、もしくは、前記体格指数の値の限度値と現在の体格指数値との差が一定の割合減るまでにかかる期間、または、体重もしくは体格指数の変化量、変化割合もしくは変化率の限度値が一定の割合減るまでにかかる期間である目安期間を算出する算出手段
    を更に備えることを特徴とする請求項1から11までのいずれかの項に記載の体重管理装置。
  13. 前記算出手段により算出された前記限度値または目安期間を数値または時系列グラフで出力する出力手段を、更に備えることを特徴とする請求項1から12までのいずれかの項に記載の体重管理装置。
  14. コンピュータが、
    測定対象の体重測定値と、測定日とが関連付けされた体重測定データを取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得された体重測定データを記憶手段に格納する記憶ステップと、
    エネルギー摂取量及び消費量の条件を含む前記測定対象が従う1日当たりの体重変化量の条件において、エネルギー摂取量の初期条件が、前記記憶ステップで記憶手段に格納されているある期間T日間の複数の体重測定データにより決定され、当該決定される1日当たりの体重変化量の条件に従って体重が変化し続けると仮定したときの前記測定対象の体重の限度値を算出する算出ステップと
    を実行することを特徴とする体重管理方法。
  15. 測定対象の体重測定値と、測定日とが関連付けされた体重測定データを取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得された体重測定データを記憶手段に格納する記憶ステップと、
    エネルギー摂取量及び消費量の条件を含む前記測定対象が従う1日当たりの体重変化量の条件において、エネルギー摂取量の初期条件が、前記記憶ステップで記憶手段に格納されているある期間T日間の複数の体重測定データにより決定され、当該決定される1日当たりの体重変化量の条件に従って体重が変化し続けると仮定したときの前記測定対象の体重の限度値を算出する算出ステップと
    をコンピュータに実行させることを特徴とする体重管理プログラム。
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